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JP2014163299A - 密閉型圧縮機及びこれを用いた冷蔵庫 - Google Patents

密閉型圧縮機及びこれを用いた冷蔵庫 Download PDF

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JP2014163299A JP2013035278A JP2013035278A JP2014163299A JP 2014163299 A JP2014163299 A JP 2014163299A JP 2013035278 A JP2013035278 A JP 2013035278A JP 2013035278 A JP2013035278 A JP 2013035278A JP 2014163299 A JP2014163299 A JP 2014163299A
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Hirokatsu Kosokabe
弘勝 香曽我部
Shuhei Nagata
修平 永田
Shoichi Kano
奨一 加納
Minako Kaneda
美奈子 金田
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Abstract

【課題】ピストンとシリンダ間の潤滑油保持性を向上させるとともに、ピストンの往復運動による油の動圧効果により圧縮効率と信頼性を向上した密閉型圧縮機及びこれを備えた冷蔵庫を提供することを目的とする。
【解決手段】密閉容器内に収納した圧縮要素及び電動要素を備え、前記圧縮要素はピストン及びシリンダを有し、前記電動要素で駆動されるクランク軸の下端部を前記密閉容器に貯留された潤滑油中に浸し、前記クランク軸の下端部に設けたオイルポンプ等のポンピング作用で前記潤滑油を上昇させ、前記クランク軸の上部に偏心して形成した偏心軸の潤滑油放射孔から噴出する前記潤滑油を前記シリンダと前記ピストンの間に供給する密閉型圧縮機において、前記ピストンに潤滑油保持部を有し、前記潤滑油保持部に連通して前記ピストンの往復運動により摺動面に潤滑油を導く微細溝を有する。
【選択図】図6

Description

本発明は、密閉型圧縮機及びこれを用いた冷蔵庫に関する。
従来、家庭用冷蔵庫に使用されている小容量の密閉型圧縮機では、冷蔵庫の省エネルギ化の要求が高まり、インバータ制御による圧縮機の低速運転化が図られてきている。このため、冷蔵庫用密閉型圧縮機の低速運転時の一層の効率向上と摺動部の信頼性向上が求められている。密閉型圧縮機のエネルギ効率改善策の一つとして、圧縮要素の主要部品であるシリンダとピストンの往復摺動部におけるピストンの挙動を安定化し、潤滑を改善して機械的な摩擦損失を低減するとともに、両者間のすき間のシール性を向上して圧縮機効率を改善する構成が、特開平7−63264号公報(特許文献1)及び特開2005−264740号公報(特許文献2)に示されている。
特許文献1には、シリンダの内周面に沿って往復動するピストンの外周面の上下両端縁に、各端面に開口する三角ポケット形の凹部を形成し、この凹部は外周面の周方向に等間隔で複数箇所に配置することが記載されている。
特許文献2には、ピストンの外周に、少なくともピストンの全長の半分を超える長さを有するとともに、一端側がピストンのスカート側に連通し、他端側がピストンのトップ面に達しない複数の溝部を形成したもので、この溝部を通した潤滑油供給によりピストンとシリンダとの間に安定して油膜を形成することが記載されている。
特開平7−63264号公報 特開2005−264740号公報
特許文献1では、ピストンがシリンダに対して傾こうとしてもポケット形の凹部に潤滑油が流入して動圧が発生し、ピストンの傾きが矯正され安定した往復運動が可能になる。しかし、特許文献1では、ピストンの摺動面への潤滑油供給は、ピストンの外周面とシリンダの内周面の狭いすき間を通してのみ供給されるため、十分に潤滑油が供給されず、ピストンやシリンダが摩耗してしまい信頼性が低下する可能性がある。
特許文献2では、溝部に取り込まれた潤滑油に動圧が発生する行程は、ピストンが上死点から下死点に向かう吸入行程に限られ、ピストンが下死点から上死点に向かいガス圧縮に伴いピストンに大きな側圧が作用する圧縮行程での動圧発生効果は期待できないため、ピストンの摺動損失低減も限定的である。
また、ピストンとシリンダ間への給油は、潤滑油がシリンダの切り欠き部の側面に到達している間だけであり、回転軸の一回転中に常に給油するものではなく、溝部もピストンの両側面に開口していることからクランクシャフトの上端から噴射された潤滑油を溝部に取り込みにくい構造であり、給油時間も短いものとなっている。
従って、ピストンとシリンダ間における圧縮行程での油膜形成が不十分となり、シール性が低下し圧縮室からの圧縮ガスの漏れ量が増加し、圧縮機の効率が低下するとともに、ピストンとシリンダ間の摺動部の潤滑性が低下して圧縮機の信頼性が低下しやすい。
そこで、本発明は、ピストンとシリンダ間の潤滑油保持性を向上させるとともに、ピストンの往復運動による油の動圧効果により圧縮効率と信頼性を向上した密閉型圧縮機及びこれを備えた冷蔵庫を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。本願は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、閉容器内に収納した圧縮要素及び電動要素を備え、前記圧縮要素はピストン及びシリンダを有し、前記電動要素で駆動されるクランク軸の下端部を前記密閉容器に貯留された潤滑油中に浸し、前記クランク軸の下端部に設けたオイルポンプ等のポンピング作用で前記潤滑油を上昇させ、前記クランク軸の上部に偏心して形成した偏心軸の潤滑油放射孔から噴出する前記潤滑油を前記シリンダと前記ピストンの間に供給する密閉型圧縮機において、前記ピストンに潤滑油保持部を有し、前記潤滑油保持部に連通して前記ピストンの往復運動により摺動面に潤滑油を導く微細溝を有する。
本発明によれば、ピストンとシリンダ間の潤滑油保持性を向上させるとともに、ピストンの往復運動による油の動圧効果により圧縮効率と信頼性を向上した密閉型圧縮機及びこれを備えた冷蔵庫を提供することができる。
本発明の第1の実施形態に係る密閉型圧縮機の縦断面図である。 図1のA−A断面に相当する、密閉型圧縮機の横断面図である。 本実施形態に係る密閉型圧縮機のピストン下死点位置付近の要部拡大断面図である。 本実施形態に係る密閉型圧縮機のピストン外観図である。 図4のB−B断面する要部拡大断面図である。 本実施形態に係るピストンに形成した微細溝の他の実施形態を示すピストン外観図である。 本発明の第2の実施形態に係る密閉型圧縮機の要部拡大断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る密閉型圧縮機のピストン外観図である。 本発明の第2の実施形態に係るピストンに形成した微細溝の他の実施形態を示すピストン外観図である。 図9に示した微細溝の加工の一例を示す要部拡大断面図である。 本発明の第3の実施形態に係る密閉型圧縮機のピストン外観図である。 図11の要部拡大図である。 本実施形態に係る密閉型圧縮機の搭載された冷蔵庫の縦断面図である。
(実施形態1)
以下、本発明の第1の実施の形態を、図1から図6を用いて詳細に説明する。まず、図1、図2にて、密閉型圧縮機の全体構成を説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る密閉型圧縮機の縦断面図、図2は、図1のA−A断面に相当する密閉型圧縮機の横断面図である。
本実施形態の密閉型圧縮機50は、密閉容器1内にステータ2aとロータ2bからなる電動要素2と圧縮要素3を収納している。圧縮要素3は、軸受部5cとフレーム部5bが一体に成形されたシリンダブロック5に形成されたシリンダ5a内を、コンロッド6によりクランク軸8の偏心軸8bに連結されたピストン7が往復運動する、所謂、レシプロ式である。クランク軸8は、シリンダブロック5の軸受部5cに回転自在に嵌められた主軸8aの下部で電動要素2のロータ2bに固定される。圧縮要素3は、フレーム部5bの下部に固定された電動要素2のステータ2aを介してコイルスプリングにより密閉容器1の底部に弾性的に支持されている。
電動要素2のロータ2bが回転することによってクランク軸8が回転し、偏心軸8b偏心回転して偏心軸8bに連結されたコンロッド6を介し、ピストン7がシリンダ5aのボア内を往復運動するようになっている。
シリンダ5aの上端部は、吸入弁及び吐出弁(図示せず)が組み込まれたシリンダヘッド10によって閉塞され、ピストン7との間に圧縮室12を構成している。圧縮室12内では、ピストン7の往復運動によって冷媒が吸入,圧縮され、吐出弁から吐出される構造となっている。
なお、クランク軸8の回転によって、密閉容器1内の底部に貯留された潤滑油4は、クランク軸8の下端に取り付けられたオイルポンプ8cの遠心ポンプ作用で引き上げられる。そして、主軸8a外周に形成されたスパイラル溝8dを介して上方に導かれ、さらに偏心軸8bに回転自在に嵌合されたコンロッド6の大端軸受部及びピストン7と連結しているボールジョイント部の潤滑を行い、偏心軸8bの上端に取り付けられたバランスウエイト9を一部貫通する形で設けられた潤滑油放射孔8bbから噴射され、最後に偏心軸8bの上端部から周囲に噴射される。この噴射された潤滑油4により、ピストン7とシリンダ5aとの間の潤滑及びシールが主に行われる。
密閉容器1内に接続された吸込パイプ14を通って流入した冷媒は、プラスチック製の吸込サイレンサ15を通ってシリンダ5aの圧縮室12内に入る。ここで、圧縮された冷媒は、シリンダヘッド10からヘッドカバー11内に形成された吐出室11aに入り、ここからシリンダブロック5に一体で成形された吐出サイレンサ16を通り、吐出管17を介して吐出パイプ18より外部の冷凍サイクルに流出するようになっている。
次に、ピストンとシリンダボア間の潤滑構造を図3から図6を用いて詳細に説明する。図3は、本実施形態に係る密閉型圧縮機のピストン下死点位置付近の要部拡大断面図、図4は、本実施形態に係る密閉型圧縮機のピストン外観図、図5は、図4のB−B断面する要部拡大断面図、図6は、本実施形態に係るピストンに形成した微細溝の他の実施形態を示すピストン外観図である。
本実施形態のピストン7の外周には、潤滑油保持部として2本の環状溝7b,7cが形成されている。環状溝7bは、主にピストン頂部7aが面する圧縮室12から漏れ出す潤滑油の保持部として、環状溝7cはクランク軸8の偏心軸8bより噴射される潤滑油の保持部として機能する。シリンダ5aの内周面とピストン7の外周面との間は摺動面(摺動部長さLs)となっており、シリンダ5aのボア内径はピストン7の外径よりも、通常、直径すき間で10μm程度大きく形成されている。環状溝7b,7cは、ピストン7外周面から約50μmにわたって凹設されており、この溝内空間に潤滑油を保持するようになっている。この環状溝7b,7cの幅と深さ寸法により潤滑油4の保持量が決まる。溝深さ約50μmの場合、幅寸法は約1mmであるが、これらの寸法関係は任意に設定可能である。ピストン全長Lpから摺動部長さLsを除いた部分がスカート部7dで、この部分はピストン7外径より直径で約200μm小さく、環状溝7cと同様にクランク軸8の偏心軸8bより噴射される潤滑油の保持部として機能する。環状溝7cを挟む両側のピストン摺動面には、環状溝7cに連通して略V字形状の微細溝7e1,7e2がピストン7外周面の周方向に複数個連続して形成されている。ここで、微細溝7e1,7e2の寸法は、図5の断面形状に示すように溝幅Wは約0.5mm、溝深さδはピストン7の表面に施されている親油性の表面処理であるリン酸マンガン皮膜7fの厚みに当たる、約5μm相当である。
また、シリンダ5aの外周上面部には、仕切り壁13aによりクランク軸8の偏心軸8bより飛散する潤滑油4を受ける油溜まり部13が設けられており、油溜まり部13の底面をクランク軸8側に向けて傾斜させることにより、シリンダとピストン7の摺動面に潤滑油4を供給するようになっている。
このピストン7が下死点近傍に位置する時には、図4に示すように、ピストン7の下側(クランク軸側)の環状溝7cは、シリンダ5aの主軸側端面に面取り角度を変えて二段階に設けられた面取り5aaを介して密閉容器1内空間に全面開口している。クランク軸8の回転により汲み上げられた潤滑油4は、偏心軸8bの潤滑油放射孔8bbから噴射され、潤滑油放射孔8bbと略同一高さに位置する面取り5aaを通ってピストン7の下側の環状溝7cに供給される。
ピストン7が下死点から上死点に移動する圧縮行程では、ピストン7の環状溝7c内に保持された潤滑油4がピストン7の(上昇)運動により微細溝7e1に取り込まれ(図4に破線矢印で図示)、微細溝7e1の終端が閉じられていることにより潤滑油に動圧が発生し、ピストン7とシリンダ5aは油膜で隔てられ、良好な潤滑が保たれる。
また、ピストン7が上死点から下死点に移動する吸込行程では、ピストン7の環状溝7c内に保持された潤滑油4がピストン7の(下降)運動により今度は反対側の微細溝7e2に取り込まれ(図4に破線矢印で図示)、同様の動圧効果により、ピストン7とシリンダ5aは油膜で隔てられ、両者間の潤滑が良好に保たれることになる。
本実施形態の潤滑構造では、油供給部であるシリンダ5aの油溜まり部13は密閉容器1内に解放されており、油保持部となるピストン7の環状溝7cもクランク軸8の一回転に一度は密閉容器1内に開口することから、環状溝7c内にガスが滞留して潤滑油の流入を阻害するベーパーロック現象を防止することができ、溝内全域に潤滑油4を行き渡らすことができる。また、ピストン7の往復運動により、微細溝7e1,7e2によりピストン7の摺動面全域に潤滑油を導くことにより、ピストン7摺動面の潤滑油保持性を高め、油膜切れを防止することができる。
次に、図6は本実施形態に係るピストンに形成した微細溝の他の実施形態を示すもので、図6(a)は微細溝7e1,7e2を機械加工で加工する場合に、微細溝7e1と微細溝7e2を一筆書きで連続して加工できるように配置し、加工工具の加工パスを短縮して加工コストの低減を図ったものである。図6(b)は、微細溝7e1、7e2の配設箇所をガス圧縮に伴う前記ピストン7の側圧支持部に限定して設けたものである。これにより、微細溝による動圧効果を維持しながら、さらなる加工の簡略化を図ることができる。
(実施形態2)
次に、本発明の第2の実施の形態について、図7から図10を用いて説明する。図7は、本発明の第2の実施形態に係る密閉型圧縮機の要部拡大断面図、図8は、本発明の第2の実施形態に係る密閉型圧縮機のピストン外観図、図9は、本発明の第2の実施形態に係るピストンに形成した微細溝の他の実施形態を示すピストン外観図、図10は、図9に示した微細溝の加工の一例を示す要部拡大断面図である。
本実施形態では、微細溝配設位置をピストン7の環状溝7cよりスカート部7d側(クランク軸側)の摺動部としている。
本実施形態においても基本的なピストンとシリンダボア間の潤滑機能は第1の実施形態と同様に実現される。すなわち、ピストン7が下死点から上死点に移動する圧縮行程では、ピストン7の環状溝7c内に保持された潤滑油4がピストン7の(上昇)運動により微細溝7e1に取り込まれて潤滑油に動圧が発生し、ピストン7とシリンダ5aは油膜で隔てられ、良好な潤滑が保たれる。
また、ピストン7が上死点から下死点に移動する吸込行程では、ピストン7のスカート部7dに保持された潤滑油4がピストン7の(下降)運動により、今度は反対側の微細溝7e2に取り込まれ同様の動圧効果により、ピストン7とシリンダ5aは油膜で隔てられ、両者間の潤滑が良好に保たれることになる。
実施形態2では、環状溝7cよりピストン頂部7a側の摺動面には微細溝は設けない構造になっている為、実施形態1よりもピストン7のシール性は良好に保たれる。
次に、図9は本発明の第2の実施形態に係るピストンに形成した微細溝の他の実施形態を示すもので、動圧効果を発揮する溝としては前述の略V字形状に限らず、潤滑油の流れ方向に流路断面積が縮小する溝であればどのような形状でもかまわない。図では機械加工での作業性を考慮し、図10に示すような外周面をテーパ形状(角度α)にした比較的大きな加工工具(砥石)20で、ピストン7外周面を削除しその除去加工した略楕円形状の切断面を微細溝7e1´,7e2´としている。これにより、加工工具の寿命を長くすることができ、加工コスト低減に寄与する。
(実施形態3)
次に、本発明の第3の実施の形態について、図11、図12を用いて説明する。図11は、本発明の第3の実施形態に係る密閉型圧縮機のピストン外観図、図12は、図11の要部(C1部)拡大図である。
本実施形態は、これまでの実施形態で示した微細溝に代えて、より簡便な加工で動圧効果が発揮できる傾斜面(テーパ面)構造を採用したものである。図11(a)は、本発明の第1の実施形態で示した微細溝7e1、7e2に代えて、傾斜面7e1´´,7e2´´を設けたもの、図11(b)は、本発明の第2の実施形態で示した微細溝7e1´´,7e2´´に代えて、傾斜面7e1´´,7e2´´を設けたものである。図12に示した図11のC1部の拡大図からも分かる通り、ピストン7摺動面の角部に傾斜面を形成する比較的単純な構造で、ピストン7の往復運動による傾斜面に形成されるくさび形油膜の動圧効果により、ピストン7とシリンダ5aは油膜で隔てられ、両者間の潤滑が良好に保たれることになる。これにより、傾斜面による動圧効果を維持しながら、さらなる加工の簡略化を図ることができる。
以上述べた実施形態では、ピストン7の外周面への微細溝や傾斜面の加工を、ピストン7の表面に施されている親油性の表面処理であるリン酸マンガン皮膜処理後として説明したが、この加工は表面処理前に実施することも可能である。また、微細溝や傾斜面の加工は必ずしも機械加工に限らず、例えば、リン酸マンガン皮膜をエッチング等の化学的な方法で除去することによっても可能である。
次に、図13は、本実施形態に係る密閉型圧縮機の搭載された冷蔵庫の縦断面図である。図13において、本実施形態の密閉型圧縮機50は、冷却器66を備え、温暖化係数の小さい自然冷媒R600aを用いた冷蔵庫60に搭載され、冷蔵室62、上段冷凍室63、下段冷凍室64、野菜室65からなる庫内空間は密閉型圧縮機50の駆動により冷凍サイクル(図示せず)を動作させることにより冷却される。
以上詳細に説明した実施形態では、ピストンとシリンダ間における油膜形成が確実となり、シール性が向上し、特に漏れの影響が大きいインバータによる回転数制御圧縮機における低速運転時の圧縮機効率を向上することができるとともに、油の動圧効果によりピストンとシリンダが油膜で隔てられ圧縮機の信頼性も向上した密閉型圧縮機を提供することができる。また、本発明の密閉型圧縮機を適用するシステムとしては、冷蔵庫に限らず冷凍空調用途ではルームエアコンや冷凍機等のシステムに適用することも可能であり、これらの機器のシステム効率を大幅に改善することができる。
1…密閉容器、2…電動要素、2a…ステータ、2b…ロータ、3…圧縮要素、4…潤滑油、5…シリンダブロック、5a…シリンダ、5b…フレーム部、5c…軸受部、6…コンロッド、7…ピストン、7a…ピストン頂部、7b…環状溝1、7c…環状溝2、7d…スカート部、7e1,7e1´,7e2,7e2´…微細溝、7e1´´, 7e2´´…傾斜面、7f…りん酸マンガン皮膜、8…クランク軸、8a…主軸、8b…偏心軸、8ba…給油溝、8bb…潤滑油放射孔、8c…オイルポンプ、8d…スパイラル溝、9…バランスウエイト、10…シリンダヘッド、11…ヘッドカバー、11a…吐出室、12…圧縮室、13…油溜まり部、13a…仕切り壁、14…吸込パイプ、15…吸入サイレンサ、16…吐出サイレンサ、17…吐出管、18…吐出パイプ、20…加工工具(砥石)、50…密閉形圧縮機、60…冷蔵庫、61…冷蔵庫本体、62…冷蔵室、63…上段冷凍室、64…下段冷凍室、65…野菜室、66…冷却器

Claims (7)

  1. 密閉容器内に収納した圧縮要素及び電動要素を備え、前記圧縮要素はピストン及びシリンダを有し、前記電動要素で駆動されるクランク軸の下端部を前記密閉容器に貯留された潤滑油中に浸し、前記クランク軸の下端部に設けたオイルポンプ等のポンピング作用で前記潤滑油を上昇させ、前記クランク軸の上部に偏心して形成した偏心軸の潤滑油放射孔から噴出する前記潤滑油を前記シリンダと前記ピストンの間に供給する密閉型圧縮機において、
    前記ピストンに潤滑油保持部を有し、前記潤滑油保持部に連通して前記ピストンの往復運動により摺動面に潤滑油を導く微細溝を有することを特徴とする密閉型圧縮機。
  2. 密閉容器内に収納した圧縮要素及び電動要素を備え、前記圧縮要素はピストン及びシリンダを有し、前記電動要素で駆動されるクランク軸の下端部を前記密閉容器に貯留された潤滑油中に浸し、前記クランク軸の下端部に設けたオイルポンプ等のポンピング作用で前記潤滑油を上昇させ、前記クランク軸の上部に偏心して形成した偏心軸の潤滑油放射孔から噴出する前記潤滑油を前記シリンダと前記ピストンの間に供給する密閉型圧縮機において、
    前記ピストン外周面に前記ピストンが下死点近傍に位置する場合に前記シリンダの内周面より露出する環状溝を有し、前記環状溝に連通し前記ピストンの往復運動により摺動面に潤滑油を導き動圧を発生させる微細溝を有することを特徴とする密閉型圧縮機。
  3. 密閉容器内に収納した圧縮要素及び電動要素を備え、前記圧縮要素はピストン及びシリンダを有し、前記電動要素で駆動されるクランク軸の下端部を前記密閉容器に貯留された潤滑油中に浸し、前記クランク軸の下端部に設けたオイルポンプ等のポンピング作用で前記潤滑油を上昇させ、前記クランク軸の上部に偏心して形成した偏心軸の潤滑油放射孔から噴出する前記潤滑油を前記シリンダと前記ピストンの間に供給する密閉型圧縮機において、
    前記ピストン外周面に前記ピストンが下死点近傍に位置する場合に前記シリンダの内周面より露出する環状溝を有し、前記環状溝に連通し前記ピストンの往復運動により摺動面に潤滑油を導き動圧を発生させる傾斜面を有することを特徴とする密閉型圧縮機。
  4. 前記シリンダ上面に油溜り部を構成する仕切り壁を設け、前記油溜り部の底面は前記クランク軸側に向けて下方に傾斜させたことを特徴とする、請求項1乃至3のいずれかの記載の密閉型圧縮機。
  5. 前記微細溝をガス圧縮に伴う前記ピストンの側圧支持部に設けたことを特徴とする、請求項1から2記載の密閉型圧縮機。
  6. 少なくとも電源周波数以下の運転周波数を含む複数の運転周波数でインバータ駆動される、請求項1から5記載の密閉型圧縮機。
  7. 密閉型圧縮機と、該密閉型圧縮機と冷媒配管で連結された冷却器と、を備えた冷蔵庫において、
    前記密閉型圧縮機は、密閉容器内に収納した圧縮要素及び電動要素を備え、前記圧縮要素はピストン及びシリンダを有し、前記電動要素で駆動されるクランク軸の下端部を前記密閉容器に貯留された潤滑油中に浸し、前記クランク軸の下端部に設けたオイルポンプ等のポンピング力で前記潤滑油を上昇させ、前記クランク軸の上部に偏心して形成した偏心軸の潤滑油放射孔から噴出する前記潤滑油を前記シリンダと前記ピストンの間に供給して、
    前記ピストン外周面に前記ピストンが下死点近傍に位置する場合に前記シリンダの内周面より露出する環状溝を有し、前記環状溝に連通し前記ピストンの往復運動により摺動面に潤滑油を導き動圧を発生させる微細溝を形成したことを特徴とする冷蔵庫。
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