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JP2014151664A - 燃料電池車両および車載方法 - Google Patents

燃料電池車両および車載方法 Download PDF

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JP2014151664A JP2013020312A JP2013020312A JP2014151664A JP 2014151664 A JP2014151664 A JP 2014151664A JP 2013020312 A JP2013020312 A JP 2013020312A JP 2013020312 A JP2013020312 A JP 2013020312A JP 2014151664 A JP2014151664 A JP 2014151664A
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Abstract

【課題】マウント部による十分な強度の確保とマウント部の小型化とを両立する。
【解決手段】燃料電池車両は、燃料電池スタックを収容する燃料電池収容部121と、燃料電池スタックの電力を変換するコンバータを収容するコンバータ収容部123とを配置し、両者を連結部によって連結し;燃料電池収容部を、複数のマウント部121a,b,cによって支持部材に固定し;コンバータ収容部を、車両左右方向に配置される一対のマウント部123b,cによって支持部材に固定してなる。そして、前記コンバータ収容部における車両左右方向のいずれか一方側に、前記コンバータ収容部の外部からの配管を接続するための接続部分を設け;前記燃料電池収容部を固定する複数のマウント部のうちの、前記燃料電池収容部の車両前側に位置するマウント部を、前記連結部より前記接続部分が存在する側だけに設けたことを特徴としている。
【選択図】図2

Description

本発明は、燃料電池を備えた燃料電池車両と、燃料電池等の車載方法に関する。
近年、燃料電池をエネルギ源として搭載する燃料電池車両が提案されている。従来の燃料電池車両は、例えば、特許文献1に記載されているように、車両前後方向に沿って、燃料電池、補機、およびコンバータを直列に配置し、前記補機を前記燃料電池と隣り合わせに配置してなる構造を有している。
国際公開WO/2011/142017号公報
しかしながら、特許文献1に記載された技術では、コンバータの車両左右方向に、コンバータを設置するマウント部を設ける必要があるが、このマウント部と、コンバータに接続する冷媒用配管とが位置的に干渉する虞があった。冷媒用配管の組み付けスペースを十分に確保するためにはマウント部の小型化を実現する必要があり、一方で、マウント部による十分な強度の確保が必要であり、背反する課題を解決しなければならなかった。そのほか、燃料電池車両においては、低コスト化、省資源化、製造の容易化等が望まれていた。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
(1)本発明の一形態は、燃料電池車両である。この燃料電池車両は、燃料電池スタックを収容する燃料電池収容部と、前記燃料電池スタックの電力を変換するコンバータを収容するコンバータ収容部とを、前記コンバータ収容部が前記燃料電池収容部の車両前側に位置するように配置し、両者を連結部によって連結し;前記燃料電池収容部を、複数のマウント部によって支持部材に固定し;前記コンバータ収容部を、車両左右方向に配置される一対のマウント部によって前記支持部材に固定してなる。そして、前記コンバータ収容部における車両左右方向のいずれか一方側に、前記コンバータ収容部の外部からの配管を接続するための接続部分を設け;前記燃料電池収容部を固定する複数のマウント部のうちの、前記燃料電池収容部の車両前側に位置するマウント部を、前記連結部より前記接続部分が存在する側だけに設けたことを特徴としている。
前記燃料電池車両によれば、車両の前突時に燃料電池収容部がコンバータ収容部の方向に加える力の向きを、連結部に対してコンバータ用の冷却媒体配管が存在しない側に大きく、コンバータ用の冷却媒体配管が存在する側に小さくすることができる。このために、車両の前突時に、連結部に対してコンバータ用の冷却媒体配管が存在する側に設けられたマウント部にかかる荷重を低減できることから、マウント部による十分な強度の確保とマウント部の小型化とを両立することができる。また、マウント部の小型化によって、冷媒用配管の組み付けスペースを十分に確保することが容易となる。
(2)前記形態の燃料電池車両において、前記燃料電池収容部を固定する複数のマウント部は、前記燃料電池収容部の車両前側に位置する1つのマウント部と、前記燃料電池収容部の車両後ろ側に位置する2つのマウント部と、による3点で支持を行う構成としてもよい。この構成によれば、燃料電池収容部の載置される面を安定的な一平面に決定することができる。
(3)前記形態の燃料電池車両において、前記コンバータ収容部を固定する前記一対のマウント部は、車両前後方向において前記コンバータ収容部の重心の位置と一致するように配置される構成としてもよい。この構成によれば、燃料電池収容部とコンバータ収容部とを連結する連結部に過大なモーメントがかかることを防止することができる。
(4)本発明の他の形態によれば、燃料電池等の車載方法が提供される。この車載方法は、燃料電池スタックを収容する燃料電池収容部と、前記燃料電池スタックの電力を変換するコンバータを収容するコンバータ収容部とを、前記コンバータ収容部が前記燃料電池収容部の車両前側に位置するように配置し、両者を連結部によって連結し;前記燃料電池収容部を、複数のマウント部によって支持部材に固定し;前記コンバータ収容部を、車両左右方向に配置される一対のマウント部によって前記支持部材に固定する。そして、前記コンバータ収容部における車両左右方向のいずれか一方側に、前記コンバータ収容部の外部からの配管を接続するための接続部分を設け;前記燃料電池収容部を固定する複数のマウント部のうちの、前記燃料電池収容部の車両前側に位置するマウント部を、前記連結部より前記接続部分が存在する側だけに設ける。この形態の車載方法は、前記(1)の形態の燃料電池車両と同様に、マウント部による十分な強度の確保とマウント部の小型化とを両立することができる効果を奏する。
本発明の一実施形態としての燃料電池車両に搭載される燃料電池システムの全体構成を示す説明図である。 燃料電池車両に搭載される燃料電池システムの一部を示す概略平面図である。 FCコンバータ収容部の搭載箇所におけるセンタートンネルの端面図である。 燃料電池収容部とFCコンバータ収容部との間の連結の様子を示す説明図である。 マウントの周辺の斜視図である。 燃料電池車両の前突時における力の流れを示す説明図である。 比較例において連結部材に過大なモーメントがかかることを示す説明図である。
次に、本発明の実施形態を説明する。
A.燃料電池システムの全体構成:
図1は、本発明の一実施形態としての燃料電池車両に搭載される燃料電池システム200の全体構成を示す説明図である。燃料電池システム200は、燃料電池スタック(FCスタックとも呼ぶ)21を備える。燃料電池スタック21は、燃料電池のセル(発電セル)が複数、積層されたセル積層体であり、例えば固体高分子型のものである。各セルは、イオン交換膜からなる電解質膜およびこれを両面から挟んだ一対の電極からなる膜−電極アッセンブリ(MEA;Membrane Electrode Assembly)と、この膜−電極アッセンブリを外側から挟持する一対のセパレータと、で構成されている。セパレータは例えば金属を基材とする導通体であり、各電極に空気等の酸化剤ガスおよび水素ガス等の燃料ガスを供給するための流体流路を有しており、互いに隣接するセルに供給される異種流体の混合を遮断する。かかる構成により、セルの膜−電極アッセンブリ内において電気化学反応が生じて起電力が得られる。図示を省略しているが、セパレータには、酸化剤ガス、燃料ガス、冷却媒体(冷媒とも呼ぶ)のそれぞれをセル積層方向に流すためのマニホールドが形成されている。
燃料電池スタック21からの出力を昇圧等するコンバータ(以下、FCコンバータとも呼ぶ)23は、燃料電池スタック21の出力端子電圧Vfcを制御する役割を担っており、一次側(入力側:燃料電池スタック21側)に入力されたFC出力端子電圧Vfcを、一次側と異なる電圧値に変換(昇圧または降圧)して二次側(出力側:インバータ210側)に出力し、また逆に、二次側に入力された電圧を、二次側と異なる電圧に変換して一次側に出力する双方向の電圧変換装置である。このFCコンバータ23により、燃料電池スタック21の出力端子電圧Vfcが目標出力に応じた電圧(すなわち、目標出力端子電圧vfc)となるように制御される。なお、図示を省略しているが、FCコンバータ23にも、燃料電池車両の前方側に設けられるラジエータやコンプレッサに繋がる冷媒用配管が接続されている。
バッテリ220は、燃料電池スタック21と並列に接続されており、余剰電力の貯蔵源、回生制動時の回生エネルギ貯蔵源、燃料電池車両の加速または減速に伴う負荷変動時のエネルギーバッファとして機能する。バッテリ220としては、例えば、ニッケル・カドミウム蓄電池、ニッケル・水素蓄電池、リチウム二次電池等の二次電池が利用される。
バッテリ220とインバータ240との間に接続されたバッテリコンバータ250は、インバータ240の入力電圧Vinを制御する役割を担っており、例えばFCコンバータ23と同様の回路構成を有している。
インバータ240は、例えばパルス幅変調方式で駆動されるPWMインバータであり、コントローラ(制御装置)260からの制御指令に従って、燃料電池スタック21またはバッテリ220から出力される直流電力を三相交流電力に変換して、トラクションモータ231の回転トルクを制御する。
トラクションモータ231は、本燃料電池車両の主動力となるものであり、減速時には回生電力を発生するようにもなっている。ディファレンシャル232は減速装置であり、トラクションモータ231の高速回転を所定の回転数に減速し、タイヤ233が設けられたシャフトを回転させる。
コントローラ260は、燃料電池システム200の制御用のコンピュータシステムであり、例えばCPU、RAM、ROM等を備えている。コントローラ260は、センサ群270から供給される各種の信号(例えば、アクセル開度をあらわす信号や車速をあらわす信号、燃料電池スタック21の出力電流や出力端子電圧をあらわす信号など)を入力して、システム全体の要求電力を求める。
そして、コントローラ260は、燃料電池スタック21とバッテリ220とのそれぞれの出力電力の配分を決定し、発電指令値を演算する。コントローラ260は、燃料電池スタック21およびバッテリ220に対する要求電力を求めると、これらの要求電力が得られるようにFCコンバータ23およびバッテリコンバータ280の動作を制御する。そして、コントローラ260は、アクセル開度に応じた目標トルクが得られるように、インバータ240に対し、例えばスイッチング指令として交流電圧指令値を出力し、トラクションモータ231の出力トルク、および回転数を制御する。
B.車載構成:
図2は燃料電池車両に搭載される燃料電池システムの一部を示す概略平面図であり、図2に示すように、燃料電池収容部121と、流体給排用ユニット122と、FCコンバータ収容部123とが、一体的に連結されている。燃料電池収容部121は、燃料電池スタック21(図1)を内側に収容したケースである。FCコンバータ収容部123は、FCコンバータ23(図1)を内側に収容したケースである。
流体給排用ユニット122には、酸化剤ガスを燃料電池スタック21に供給するための酸化剤ガス供給配管131、燃料電池スタック21から排出された酸化オフガスを外部に導くための酸化オフガス排出配管(図示せず)、燃料ガスタンクから燃料電池スタック21に燃料ガスを供給するための燃料ガス供給配管(図示せず)、燃料電池スタック21から排出された燃料オフガスを燃料ガス供給配管に戻すための循環配管(図示せず)、及び循環配管に分岐接続された燃料オフガス排出配管(図示せず)、燃料電池スタック21に冷媒を供給する冷媒供給配管132、燃料電池スタック21から排出された冷媒をラジエータ(図示せず)に供給する冷媒排出配管133等の各一端が集合しており、流体給排用ユニット122は、各配管に設けられたエアコンプレッサ、燃料ガスポンプ、遮断弁やレギュレータや排出弁等の各種弁、インジェクタ、温度センサや圧力センサ等の各種センサ類、及び流体(気液)分離器などを備えてなる。
図3は、FCコンバータ収容部123の搭載箇所におけるセンタートンネルの端面図である。燃料電池車両は、底板11と床板12とから燃料電池車両の床13が構成されている。燃料電池車両の左右方向(車幅方向)の中央では、底板11に下方(車室側と反対側)へ凹んだ凹部11aが形成され、床板12に上方(車室側)へ突出した凸部12aが形成されている。
燃料電池車両の左右方向中央には、凹部11a及び凸部12aからなるセンタートンネル15が燃料電池車両の前後方向に沿って設けられている。センタートンネル15に、FCコンバータ収容部123が収容されている。図2におけるA−A線矢視が、図3の端面図に示されることになる。なお、センタートンネル15には、図3には示されないが、燃料電池収容部121および流体給排用ユニット22も収容されている。すなわち、燃料電池収容部121と、流体給排用ユニット22と、FCコンバータ収容部123とが、燃料電池車両の床板12の下方側である床下に配置されている。
図2に示すように、燃料電池収容部121は、燃料電池スタック21のセル積層方向が燃料電池車両の左右方向に沿うように、燃料電池車両に搭載されている。流体給排用ユニット22は、燃料電池スタック21のセル積層方向の一端側(本実施形態では、燃料電池車両の右側)に一体的に設けられている。
FCコンバータ収容部123は、燃料電池収容部121の車両前側に配置されている。FCコンバータ収容部123は、車両後ろ側に向かって突出する連結部材123aを備え、この連結部材123aによって燃料電池収容部121との間の連結がなされている。
図4は、連結部材123aによる連結の様子を示す説明図である。図示するように、連結部材123aは、板状の部材であり、ボルト141によって燃料電池収容部121の一部分に固定されている。なお、連結部材123aにおける燃料電池車両の左右方向(図面の表裏方向)端部には、補強用のリブ142が形成されている。この連結部材123aは、[発明の概要]の欄に記載の「連結部」に相当する。なお、本発明における連結部の構成は、連結部材123aに換えて次の構成とすることもできる。例えば、燃料電池収容部121の前側壁面とFCコンバータ収容部123の後ろ側壁面とを接触させて、前後方向の水平方向にボルトを差し込んで締結する構成としてもよいし、燃料電池収容部121の前側壁面とFCコンバータ収容部123の後ろ側壁面とを縦方向から傾けた構成として、ボルトを水平方向から斜めに傾けて差し込んで締結する構成としてもよい。要は、連結部は、燃料電池収容部121とFCコンバータ収容部123とを連結しうる構成であれば、いずれの構成に換えることもできる。
図2に戻って、燃料電池収容部121および流体給排用ユニット22は、前述したように、燃料電池車両の左右方向に並んで配置されていることから、燃料電池収容部121、流体給排用ユニット22、およびFCコンバータ収容部123の全体は、平面視で略T字状に配置されることになる。
前述したように、流体給排用ユニット22は、燃料電池収容部121の車両右側に設けられていることから、流体給排用ユニット22から燃料電池車両の前方側のラジエータやコンプレッサ等に繋がる配管(酸化剤ガス供給配管131、冷媒供給配管132、冷媒排出配管133等)は、FCコンバータ収容部123の車両右側を通ることになる。このため、FCコンバータ収容部123の車両前側および車両左側には、冷媒用配管を接続するためのユニオン(接続部分)144、146が設けられている。FCコンバータ収容部123の車両前側に設けられるユニオン144は、燃料電池車両の前方から引き出されている冷媒供給用の配管151と接続されている。FCコンバータ収容部123の車両左側に設けられるユニオン146は、燃料電池車両の前方から引き出されている冷媒排出用の配管152と接続されている。冷媒は、FCコンバータ23に備えられるリアトルやパワーモジュール等を冷却するために用いられる。
以上のようにして、FCコンバータ収容部123の両側には、流体給排用ユニット22用の配管、およびFCコンバータ23用の配管のための配管スペースをバランス良く確保している。なお、ユニオン144、146は図示のように配管に差し込むタイプのものであるが、この構成に限る必要はなく、配管を外側から保持するタイプのもの、連結管を介して接続するタイプのもの等、配管を接続しうる構成であれば、どのようなタイプの接続部分としてもよい。
燃料電池収容部121とFCコンバータ収容部123が底板11にどのようにして固定されているかを、次に説明する。なお、底板11が[発明の概要]の欄に記載の「支持部材」に相当する。図2および図3に示すように、FCコンバータ収容部123は、燃料電池車両の左右方向に配置される一対のマウント123b、123cを備えている。各マウント123b、123cは、FCコンバータ収容部123から突出するもので、図示しない孔部を備える。この孔部にマウントボルト148を挿入し螺子止めすることで、FCコンバータ収容部123は底板11に固定される。詳しくは、各マウント123b、124bは、絶縁弾性体(例えば、ゴムなど:図示せず)が孔部とマウントボルト148の間に介在する構成となっており、絶縁弾性体によって、絶縁性の確保および振動の抑制が図られている。
図5は、車両左側のマウント123bの周辺の斜視図である。図示するように、マウント123bにおけるマウントボルト148が挿入される孔部の両側には、補強用のリブ149が付設されている。同様に、車両右側のマウント123cにもリブが設けられている。これらリブ149によって、各マウント123b、123は、支持の強度が図られている。なお、この一対のマウント123b、123cと、各マウント123b、123cに付設される部材(マウントボルト148、絶縁弾性体、リブ149)が、[発明の概要]の欄に記載のコンバータ収容部を固定する「一対のマウント部」に相当する。
さらに、本実施形態では、図2に示すように、FCコンバータ収容部123を固定するマウント123b、123cは、車両前後方向においてFCコンバータ収容部123の重心の位置と一致するようにその位置が定められている。すなわち、左側のマウント123bに形成された孔部の中心と右側の123cに形成された孔部の中心とを結ぶ線分(図中の2点破線)の車両前後方向の位置が、FCコンバータ収容部123の重心Gの車両前後方向の位置と一致するように、各マウント123b、123cの位置が定められている。
燃料電池収容部121は、3つのマウント121a、121b、121cによって、底板11(図3)に固定される。3つのマウント121a、121b、121cによって固定するのは、安定的な一平面を決定するためであり、本実施形態では、3つのマウント121a、121b、121cのうちの2つのマウント121a、121bは燃料電池車両の後ろ側に設けられ、他の1つのマウント121cは燃料電池車両の前側に設けられる。燃料電池車両の後ろ側の一方のマウント121aは燃料電池収容部121の後ろ側の壁面における車両右側に配置され、燃料電池車両の後ろ側の他方のマウント121bは燃料電池収容部121の左側の壁面に配置されている。なお、マウント121bは、燃料電池収容部121の左側の壁面に換えて、燃料電池収容部121の後ろ側の壁面における車両左側に配置してもよい。
燃料電池車両の前側のマウント121cは、燃料電池収容部121の前側の壁面における車両左側に配置されている。詳しくは、燃料電池収容部121の前側の壁面におけるFCコンバータ収容部123の連結部材123aが接続される部分よりも車両左側に配置されている。ここで、配置する位置を、連結部材123aが接続される部分よりも車両左側としたのは、FCコンバータ23用の配管がFCコンバータ収容部123の車両左側に配置されているため、この配置される側と一致させるためである。すなわち、連結部材123aが接続される部分よりも車両左側としたのは、FCコンバータ収容部123において配管を接続するためのユニオン144、146が設けられている側に一致させるためである。
各マウント121a、121b、121cの構成は、FCコンバータ収容部123を支持するマウント123b、123cと同様のものである。すなわち、各マウント121a、121b、121cに形成された孔部にマウントボルト161を挿入し螺子止めするもので、孔部とマウントボルト161の間には絶縁弾性体が介在されている。なお、必要に応じて、FCコンバータ収容部123を支持するマウント123b、123cと同様に補強用のリブを付設した構成とすることもできる。なお、各マウント121a、121b、121cと、各マウント121a、121b、121cに付設される部材(マウントボルト161、絶縁弾性体、リブ)が、[発明の概要]の欄に記載の燃料電池収容部を固定する「マウント部」に相当する。以上のようにして、燃料電池収容部121とFCコンバータ収容部123は、支持部材としての底板11に固定されている。
C.作用、効果:
図6は、前記実施形態の燃料電池車両の前突時における力の流れを示す説明図である。図6は、図1に示した構成と同一の構成を示すものであるが、図1と比べて一部分を省略している。燃料電池車両が前突した時、一体となった燃料電池収容部121と流体給排用ユニット122とFCコンバータ収容部123には、車両前方向の慣性力が発生する。この慣性力Fは、FCコンバータ収容部123の車両左右側のマウント123b、123cにかかる。本実施形態では、燃料電池収容部121の車両前側のマウント121cが、連結部材123aよりも車両左側に配置されていることから、慣性力Fが図示するように、FCコンバータ収容部123の車両右側に大きな割合で作用し、FCコンバータ収容部123の車両左側に小さな割合で作用する。
比較例として、燃料電池収容部121の車両前側のマウントR1が、車両左側ではなく車両右側に配置されている場合を考えると、慣性力はFCコンバータ収容部123の車両左側に大きな割合で作用する。このため、本実施形態では、比較例に比べて、FCコンバータ収容部123の車両左側に配置されるマウント123bにかかる加重を低減することができる。したがって、本実施形態では、車両左側のマウント123bに付設された補強用リブ149を小さくすることができるとともに、マウント123bによる前突時の十分な強度の確保を容易とすることができる。また、補強用リブ149が小さく済むことから、FCコンバータ収容部123の車両左側に配管スペースを確保することが容易となる。一方、比較例の場合には、FCコンバータ収容部123の車両左側に配置されるマウント123bにかかる加重が大きいことから、大きな補強用リブが必要となり、FCコンバータ収容部123の車両左側に配管スペースを確保することが困難である。
さらに、本実施形態の燃料電池車両は、コンバータ収容部123を載置する一対のマウント123b、123cは、車両前後方向においてFCコンバータ収容部123の重心の位置と一致するように配置されていることから、次のような効果も奏する。図7に示すように、車両前後方向において、FCコンバータ収容部123の重心の位置よりも前側にマウントR2が配置されている場合は、燃料電池収容部121とコンバータ収容部123とを連結する連結部材123aに過大なモーメントMがかかる。これに対して、本実施形態では、マウント123b、123cは、車両前後方向においてFCコンバータ収容部123の重心の位置と一致することから、連結部材123aにかかるモーメントを抑制することができる。
D.変形形態:
・変形形態1:
前記実施形態では、マウント部は、マウント、マウントボルト、絶縁弾性体、および補強用のリブを含む構成としたが、本発明では、これら全てを必ず含む必要はない。例えば、補強用のリブを除いた残余の構成としてもよいし、絶縁弾性体とリブを除いた残余の構成としてもよい。さらに、マウント部は、燃料電池収容部またはコンバータ収容部を固定した状態で載置できる構成であれば、他の形状の部材を用いた構成とすることもできる。また、前記実施形態では、燃料電池収容部用のマウント部は燃料電池収容部側に備えられ、コンバータ収容部用のマウント部はコンバータ収容部側に備えられる構成としたが、これに換えて、各マント部は支持部材側に備えられる構成としてもよい、
・変形形態2:
前記実施形態では、燃料電池収容部121とFCコンバータ収容部123を支持する支持部材は底板11としたが、本発明ではこれに限られない。フレーム形式の車両であれば、車両フレームを支持部材としてもよく、あるいは、サイドフレームとサイドフレームの間に橋渡しした部材を支持部材としてよく、燃料電池収容部とFCコンバータ収容部を載置しうる構成であればいずれの構成としてもよい。
・変形形態3:
前記実施形態では、燃料電池収容部121の車両前側のマウント121cが燃料電池収容部121の前側の壁面における車両左側に配置されているが、この配置位置は、連結部材123aよりも車両左側であればいずれの位置とすることもできる。前記実施形態では、図2に示すように、その配置位置は連結部材123aに比較的に近い位置であったが、これに換えて、燃料電池収容部121の前側の壁面における車両左側の最端にマウント部を配置する構成としてもよい。また、燃料電池収容部121の左側の壁面の車両前側にマウント部を配置する構成としてもよい。
・変形形態4:
前記実施形態および変形形態3は、FCコンバータ収容部において配管を接続するためのユニオン(接続部分)が車両左側に配置されている場合の態様である。FCコンバータ収容部において配管を接続するための接続部分が車両右側に配置されている場合には、燃料電池収容部の車両前側のマウントは連結部材123aが接続される部分よりも車両右側に配置するようにする。すなわち、燃料電池収容部の車両前側のマウントは、燃料電池収容部とコンバータ収容部とを連結する連結部より前記接続部分が存在する側に配置するようにすることができる。
・変形形態5:
前記各実施形態および各変形形態では、コンバータ収容部に外部から送られてくる配管を、冷媒を供給・排出する配管としたが、本発明ではこれに限られない。例えば、電線を通した配管等の他の配管に換えることもできる。
・変形形態6:
前記各実施形態および各変形形態では、燃料電池に固体高分子型燃料電池を用いたが、リン酸型燃料電池、溶融炭酸塩型燃料電池、固体酸化物形燃料電池等、種々の燃料電池に本発明を適用してもよい。
本発明は、上述の実施形態や変形形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、変形形態中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、前述した実施形態および各変形形態における構成要素の中の、独立請求項で記載された要素以外の要素は、付加的な要素であり、適宜省略可能である。
11…底板
11a…凹部
12…床板
12a…凸部
13…床
15…センタートンネル
21…燃料電池スタック
22…流体給排用ユニット
23…FCコンバータ
121…燃料電池収容部
121a、121b、121c…マウント
122…流体給排用ユニット
123…FCコンバータ収容部
123a…連結部材
123b、123c…マウント
131…酸化剤ガス供給配管
132…冷媒供給配管
133…冷媒排出配管
141…ボルト
142…リブ
144、146…ユニオン
148…マウントボルト
149…リブ
151、152、153…配管
161…マウントボルト
200…燃料電池システム
210…インバータ
220…バッテリ
231…トラクションモータ
232…ディファレンシャル
233…タイヤ
240…インバータ
250…バッテリコンバータ
260…コントローラ
270…センサ群
280…バッテリコンバータ

Claims (4)

  1. 燃料電池スタックを収容する燃料電池収容部と、前記燃料電池スタックの電力を変換するコンバータを収容するコンバータ収容部とを、前記コンバータ収容部が前記燃料電池収容部の車両前側に位置するように配置し、両者を連結部によって連結し、
    前記燃料電池収容部を、複数のマウント部によって支持部材に固定し、
    前記コンバータ収容部を、車両左右方向に配置される一対のマウント部によって前記支持部材に固定してなる燃料電池車両であって、
    前記コンバータ収容部における車両左右方向のいずれか一方側に、前記コンバータ収容部の外部からの配管を接続するための接続部分を設け、
    前記燃料電池収容部を固定する複数のマウント部のうちの、前記燃料電池収容部の車両前側に位置するマウント部を、前記連結部より前記接続部分が存在する側だけに設けたことを特徴とする燃料電池車両。
  2. 請求項1に記載の燃料電池車両であって、
    前記燃料電池収容部を固定する複数のマウント部は、前記燃料電池収容部の車両前側に位置する1つのマウント部と、前記燃料電池収容部の車両後ろ側に位置する2つのマウント部と、による3点で支持を行うものである燃料電池車両。
  3. 請求項1または請求項2に記載の燃料電池車両であって、
    前記コンバータ収容部を固定する前記一対のマウント部は、車両前後方向において前記コンバータ収容部の重心の位置と一致するように配置される、燃料電池車両。
  4. 燃料電池スタックを収容する燃料電池収容部と、前記燃料電池スタックの電力を変換するコンバータを収容するコンバータ収容部とを、前記コンバータ収容部が前記燃料電池収容部の車両前側に位置するように配置し、両者を連結部によって連結し、
    前記燃料電池収容部を、複数のマウント部によって支持部材に固定し、
    前記コンバータ収容部を、車両左右方向に配置される一対のマウント部によって前記支持部材に固定する車載方法であって、
    前記コンバータ収容部における車両左右方向のいずれか一方側に、前記コンバータ収容部の外部からの配管を接続するための接続部分を設け、
    前記燃料電池収容部を固定する複数のマウント部のうちの、前記燃料電池収容部の車両前側に位置するマウント部を、前記連結部より前記接続部分が存在する側だけに設ける車載方法。
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