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JP2014027219A - 多数個取り配線基板、配線基板および多数個取り配線基板の製造方法 - Google Patents

多数個取り配線基板、配線基板および多数個取り配線基板の製造方法 Download PDF

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JP2014027219A JP2012168577A JP2012168577A JP2014027219A JP 2014027219 A JP2014027219 A JP 2014027219A JP 2012168577 A JP2012168577 A JP 2012168577A JP 2012168577 A JP2012168577 A JP 2012168577A JP 2014027219 A JP2014027219 A JP 2014027219A
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Norikazu Fukumori
憲和 福盛
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Kyocera Corp
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Abstract

【課題】レーザー加工時における枠部の上面への溶融物のはい上がりが抑制された多数個取り配線基板を提供する。
【解決手段】ガラス成分を含むセラミック絶縁層103が積層されてなる母基板101に、複数の配線基板領域102が縦横に配列されており、母基板101の上面に配線基板領域102の境界に沿って分割溝105が形成されている多数個取り配線基板であって、母基板101の上面に金属層106が形成されており、分割溝105は、金属層106の上面から金属層106の厚み方向の途中まで設けられた第1分割溝107と、第1分割溝107の底部よりも幅が狭く、この底部から金属層106を厚み方向に貫通して母基板101の上面に設けられた第2分割溝108とからなる多数個取り配線基板である。浅い第1分割溝107の底部に、深い第2分割溝が設けられているため、枠部の上面への溶融物のはい上がりが抑制できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子部品の搭載部を有する複数の配線基板領域が母基板に縦横の並びに配列された多数個取り配線基板、その多数個取り配線基板から製作される配線基板、および多数個取り配線基板の製造方法に関するものである。
従来、半導体素子や弾性表面波素子等の電子部品を搭載するために用いられる配線基板は、酸化アルミニウム質焼結体やガラスセラミック焼結体等のセラミック焼結体からなる絶縁基板に、電子部品を搭載するための搭載部を有している。絶縁基板は、一般に、四角平板状の基部と、搭載部を取り囲むように基部の上面に積層された四角枠状の枠部とからなる。枠部の上面に蓋体が接合されて、搭載部(搭載部に搭載される電子部品)が気密封止される。
このような配線基板は、一般に、1枚の広面積の母基板から複数個の配線基板を同時集約的に得るようにした、いわゆる多数個取り配線基板の形態で製作されている。多数個取り配線基板は、例えば酸化アルミニウム質焼結体からなる母基板に複数の配線基板領域が縦横に配列されている。配線基板領域の境界に沿って、母基板の上面等の主面に分割溝が形成されている。この分割溝を挟んで母基板に曲げ応力が加えられて母基板が破断することによって、個片の配線基板に分割される。分割溝は、例えば未焼成の母基板の上面および下面に、隣り合う配線基板領域の境界にカッター刃を用いて所定の深さで切り込みを入れることによって形成される(特許文献1を参照)。
近年、配線基板は小さなものとなってきており、例えば縦横の寸法が1.6×1.2mmの大きさのものが製作されている。この配線基板の小型化に応じて、多数個取り配線基板における配線基板領域も小さくなってきている。このような小型化が著しい配線基板領域が配列された多数個取り配線基板においては、未焼成の状態で、隣り合う配線基板領域の境界にカッター刃を用いて分割溝を設けることが難しい。そこで、焼成後の母基板において隣り合う配線基板領域の境界に、レーザー加工によって分割溝を成形する方法が提案されている(特許文献2を参照)。
特開2002−11718号公報 特開2008−192922号公報
しかし、レーザー加工によって設けられた分割溝を有する多数個取り配線基板については、次のような不具合が生じる可能性があった。すなわち、レーザーによって、母基板の上面に設けられた金属層および母基板(セラミック焼結体)の一部が溶融する。この溶融物が、分割溝の内部から母基板(枠部)の上面にはい上がってしまう。このはい上がった溶融物によって、枠部の上面への蓋体の接合が難しくなる可能性があった。
本発明は、このような従来の問題点に鑑みて完成されたものであり、その目的は、枠部の上面への溶融物のはい上がりが抑制された分割溝を有する多数個取り配線基板、配線基板、および多数個取り配線基板の製造方法を提供することにある。
本発明の一つの態様の多数個取り配線基板は、前記母基板の上面に前記配線基板領域の境界に沿って分割溝が形成されている多数個取り配線基板であって、最上層の前記セラミック絶縁層の上面に金属層が形成されており、前記分割溝は、前記金属層の上面から該金属層の厚み方向の途中まで設けられた第1分割溝と、該第1分割溝の底部よりも幅が狭く、該底部から前記金属層を厚み方向に貫通して前記母基板の前記上面に設けられた第2分割溝とからなることを特徴とする。
本発明の一つの態様の配線基板は、上記構成の多数個取り配線基板が配線基板領域毎に分割されてなることを特徴とする。
本発明の一つの態様の多数個取り配線基板の製造方法は、ガラス成分を含む複数のセラミック絶縁層が積層されてなる母基板を作製する工程と、該母基板に複数の配線基板領域を縦横に配列するとともに、該配線基板領域の境界に、焦点をずらして1回目のレーザーを照射して第1分割溝を形成する工程と、前記第1分割溝の底部の幅方向の中央に沿って、焦点を合わせて2回目のレーザーを照射して、前記第1分割溝の前記底部よりも幅が狭い第2分割溝を形成するとともに、前記第1分割溝と前記第2分割溝の表面に、前記ガラス成分を含む保護層を形成する工程と、を含むことを特徴とする。
本発明の一つの態様の多数個取り配線基板によれば、分割溝から枠部の上面への溶融物のはい上がりが抑制された多数個取り配線基板を提供できる。
すなわち、枠部の上面に近い第1分割溝は、深さが比較的浅く、金属層の厚み方向の途中までであるため、単位面積あたりの出力が比較的小さいレーザーで設けることができる。そのため、単位面積あたりの溶融物の発生量が少なく、この溶融物が枠部の上面にはい上がる可能性は小さい。また、第2分割溝が設けられる時に生じた溶融物は、第2分割溝よりも幅が広い第1分割溝内に留まることができる。したがって、枠部の上面への溶融物のはい上がりが抑制された多数個取り配線基板を提供することができる。
本発明の一つの態様の配線基板によれば、上記構成の多数個取り配線基板が配線基板領域毎に分割されてなることから、枠部の上面への溶融物のはい上がりが抑制された配線基板を提供することができる。
本発明の一つの態様の多数個取り配線基板の製造方法によれば、上記各工程を含むことから、枠部の上面への溶融物のはい上がりを抑制して分割溝を設けることが可能な、多数個取り配線基板の製造方法を提供できる。
すなわち、まず、第1分割溝は、加工される部位に対してレーザーの焦点がずれているため、加工される部位に加えられるエネルギーが比較的広い範囲に分散する。そのため、溶融物の発生を抑えながら、幅が比較的広く、深さが比較的浅い第1分割溝を設けることができる。また、第2分割溝は、加工される部位に対してレーザーの焦点があって単位面積あたりの出力が大きいため、狭い幅で、かつ深さが第1分割溝よりも深い第2分割溝を設けることができる。第2分割溝を設ける時に生じる溶融物は、そのほとんどが第1分割溝の内部において薄い膜状等に固化する。そのため、枠部の上面への溶融物のはい上がりを抑制して分割溝を設けることができる。
(a)は本発明の実施形態の多数個取り配線基板を示す上面図であり、(b)は(a)のA−A’線における断面図である。 本発明の実施形態の配線基板を示す断面図である。 (a)および(b)は、それぞれ本発明の実施形態の多数個取り配線基板の製造方法における要部を工程順に示す断面図である。 (a)および(b)は、それぞれ本発明の実施形態の多数個取り配線基板の製造方法における要部を工程順に示す断面図である。 (a)および(b)は、それぞれ本発明の実施形態の多数個取り配線基板の製造方法における要部を工程順に示す平面図である。
本発明の多数個取り配線基板、および配線基板、ならびに多数個取り配線基板の製造方法について、添付の図面を参照しつつ説明する。
図1(a)は、本発明の実施形態の多数個取り配線基板を示す上面図であり、図1(b)は、図1(a)のA−A’線における断面図である。また、図2は、図1に示す多数個取り配線基板から得られた配線基板を示す断面図である。また、図3(a)、(b)および図4(a)、(b)、ならびに図5(a)、(b)は、それぞれ、図1に示す多数個取り配線基板の製造方法における要部を工程順に模式的に示す断面図である。
図1〜図5において、101は母基板、102は配線基板領域、103はセラミック絶縁層、104は配線基板領域の境界、105は分割溝、106は金属層、107は第1分割溝、108は第2分割溝、109は保護層、110はろう材、111は蓋体、112は搭載部、113は配線導体、114は捨て代領域、115はめっき用端子、116は1回目に照射されるレーザー、117は2回目に照射される
レーザー、118はニッケルめっき層、119は金めっき層、120は溶融物、121は搭載部112に
収容される電子部品である。
複数のセラミック絶縁層103が積層されてなる母基板101に、搭載部112を有する複数の
配線基板領域102が縦横の並びに配列されている。母基板101の上面に、配線基板領域102
の境界104に沿って分割溝105が形成されて、多数個取り配線基板が基本的に構成されている。このような多数個取り配線基板の母基板101が配線基板領域102の境界104に沿って分
割されて、例えば図2に示すような個片の配線基板が作製される。作製される配線基板は、四角平板状の下側基板(符号なし)の上面に枠状の上側基板(符号なし)が積層されてなる絶縁基板(符号なし)に、上記金属層106および配線導体113等が設けられて、基本的に構成されている。
母基板101は、酸化アルミニウム質焼結体,ガラスセラミック焼結体,窒化アルミニウ
ム質焼結体,炭化珪素質焼結体,窒化珪素質焼結体,ムライト質焼結体等のセラミック焼結体により形成されている。
なお、この実施の形態の例において、図1に示すように多数個取り配線基板である母基板101の外周には、配列された複数の配線基板領域102を取り囲むように捨て代領域114が
設けられている。捨て代領域114は、多数個取り配線基板の取り扱いを容易とすること等
のために設けられている。
母基板101は、複数のセラミック絶縁層103が一体焼成されて作製されている。すなわち、酸化アルミニウムおよび酸化ケイ素等の、ガラス成分を含む原料粉末に適当な有機溶剤およびバインダーを添加してシート状に成形して複数のセラミックグリーンシートを作製し、この一部のものについて打ち抜き加工を施して枠状に成形した後、打ち抜き加工を施していない平板状のセラミックグリーンシートの上に枠状のセラミックグリーンシートを積層し、この積層体を一体焼成すれば、複数のセラミック絶縁層103が積層されてなる母
基板101を作製することができる。この場合、複数のセラミックグリーンシートのうち一
部のセラミックグリーンシートに打ち抜き加工を施して開口部を設けておき、開口部を設けたセラミックグリーンシートを上層に積層すれば、上面に凹部を有する母基板101を作
製することができる。
母基板101に配列された複数の配線基板領域102は、中央部等に電子部品121の搭載部112を有しており、それぞれが個片の配線基板となる領域である。それぞれの配線基板領域102は、平板状のセラミック絶縁層103の上面に枠状のセラミック絶縁層103が積層された形
態である。枠状の絶縁層(以下、枠部ともいう)は、搭載部112に搭載される電子部品121を保護するためのものである。
搭載部112に搭載される電子部品121としては、水晶振動子等の圧電振動子,弾性表面波素子,半導体集積回路素子(IC)等の半導体素子,容量素子,インダクタ素子,抵抗器等の種々の電子部品を挙げることができる。
母基板101の内部および表面には、搭載部112から母基板101の下面にかけて配線導体113が形成されている。配線導体113のうち母基板101の下面に形成された部位は、例えばそれぞれの配線基板領域102における下面の外周部に位置している。配線導体113のうち母基板101の内部に形成されたものは貫通導体(いわゆるビア導体等)や内部配線層等の形態で
ある。搭載部112に搭載される電子部品121を配線導体113に電気的に接続させることによ
り、配線導体113を介して電子部品121が外部の電気回路に電気的に接続される。
配線導体113は、例えば銅や銀,パラジウム,金,白金,タングステン,モリブデン,
マンガン等の金属材料からなる。配線導体113は、例えば、モリブデンからなる場合であ
れば、モリブデンの粉末に有機溶剤およびバインダーを添加して作製した金属ペースト(図示せず)を母基板101となるセラミックグリーンシートに所定パターンに塗布しておき
、同時焼成することによって形成することができる。
このような形態の多数個取り配線基板が個片に分割されて作製される配線基板は、例えば、携帯電話や自動車電話等の通信機器、コンピュータ、ICカード等の情報機器等の電子機器において、周波数や時間の基準となる発振器として使用される。
母基板101の分割のために、配線基板領域102の境界104に沿って、母基板101の上面および下面には分割溝105が形成されている。分割溝105が形成されている部分(配線基板領域102の境界104)で母基板101に応力を加えて母基板101を厚み方向に破断させることによって、母基板101が個片の配線基板に分割されることになる。
分割溝105に接するそれぞれの配線基板領域102の上面には金属層106が形成されている
。金属層106に、後述するように蓋体111が接合されて、搭載部112が封止される。この実
施形態の例においては、金属層106の上面にニッケルめっき層118と金めっき層119とが順
次被着されて金属層106が形成されている。
金属層106は、例えばタングステンやモリブデン等の金属からなる。例えば、金属層106がモリブデンのメタライズ層からなる場合であれば、モリブデンの粉末に有機溶剤、バインダー等を添加して作製した金属ペーストを、セラミック絶縁層103(上記枠部)となる
セラミックグリーンシートの上面に所定パターンで印刷しておくことにより形成することができる。金属ペーストは、例えば、焼成後の金属層106の厚みが8〜20μm程度となるように形成される。
また、金属層106を被覆するニッケル等のめっき層118、119は、金属層106の酸化腐食を防止するとともに、ろう付けなどの際の濡れ性向上や接合力強化のために形成されたもの
である。めっき層は、例えば下側にニッケルめっき層118が形成され、上側に金めっき層119が形成されてなる二層構造となっているのが好ましい。ここで、コストの面から金属めっき膜は薄く形成されるのが好ましく、ニッケルめっき層118は2〜10μm程度、金めっき層119は0.1〜1.0μm程度に形成される。これらの金属めっき膜は、例えばめっき液中で
被めっき部(金属層106の表面)にめっき被着用の電流を供給し、電解めっきを施すこと
により形成することができる。なお、上述した保護層109を形成するため、金属層106および金属めっき膜の厚みの合計は20〜30μm程度で形成される。
分割溝105は、金属層106の上面から金属層106の厚み方向の途中まで設けられた第1分
割溝107と、第1分割溝107の底部よりも幅が狭く、底部から金属層106を厚み方向に貫通
して母基板101の金属層106の上面に設けられた第2分割溝108とからなる。また、第1分
割溝107および第2分割溝108の内面がガラス成分を含む保護層109で覆われている。この
ような構造としたことにより、分割溝105から枠部上面への溶融物120のはい上がりが抑制された多数個取り配線基板を提供できる。
すなわち、枠部の上面に近い第1分割溝107は、深さが比較的浅く、金属層106の厚み方向の途中までの深さであるため、レーザー加工時のレーザーの単位面積(レーザーが照射される部位における被加工物の表面の単位面積)あたりの出力が比較的小さく、これに応じて溶融物120の発生量が少ない。この場合、酸化アルミニウム質焼結体等からなる母基
板101に比べて、金属層106の方がレーザーによる除去が容易である。そのため、上記のように比較的小さいエネルギーのレーザーで第1分割溝107が設けられている。したがって
、第1分割溝107が設けられる時に生じた溶融物120が枠部の上面にはい上がる可能性は小さい。
この場合、金属層106を形成している金属成分は、母基板101に比べて融点が低く、レーザーによって容易に除去されている。このように、第1の分割溝106が、金属層106の厚み方向の途中までであることによって、枠部上への溶融物のはい上がりが抑制されている。
また、第2分割溝108は、母基板101を破断させる上で十分な深さであるため、分割溝105が設けられた部分において母基板101が容易に破断できる。つまり母基板101の分割が容
易である。また、第2分割溝108が設けられる時に生じた溶融物120は、第2分割溝108の
内部に薄膜状に固化するとともに、底部において第2分割溝108よりも幅が広い第1分割
溝107内にそのほとんどが留まることになる。したがって、枠部の上面への溶融物120のはい上がりが抑制された多数個取り配線基板を提供することができる。
金属層106の厚みは、例えば約10〜30μm程度であるため、この金属層106の厚み方向の途中まで設けられた第1分割溝107の深さも、例えば約5〜20μm程度と浅いものになっ
ている。このような浅い溝であり、また、金属層106がレーザーによって比較的容易に除
去され得るため、照射されるレーザーのエネルギーが比較的小さく、単位面積あたりの溶融物の量も少ない。
それぞれの配線基板領域102は、一辺の長さが例えば1.0〜3.2mm程度の四角形状であ
る。それぞれの配線基板領域102の外周が、配線基板領域の境界104に相当する。母基板101の上面の複数の配線基板領域102の境界104には分割溝105が形成されている。
上記溶融物120は、セラミック絶縁層103に含まれるガラス成分等を含んでいる。溶融物120が固化してなる固化物はガラス成分を含んでいる。このガラス成分を含む固化物が、
第1分割溝107および第2分割溝108の内面を覆って機械的な衝撃等から母基板101を保護
する。すなわち、第1分割溝107および第2分割溝108の内面は、ガラス成分を含む保護層109で覆われている。
第1分割溝107および第2分割溝108の内面が保護層109で覆われた構造とするためには
、例えば、固体レーザー(例えばYAGレーザー)により励起された基本波のレーザーをめっき層で被覆された金属層106の上から照射し、境界104の部位にV字状の分割溝105を
形成する方法が挙げられる。具体的には、ガラス成分を含む複数のセラミック絶縁層103
が積層されてなる母基板101を作製しておき、母基板101に複数の配線基板領域102を縦横
に配列するとともに、配線基板領域102の境界104に、焦点をずらして1回目のレーザーを照射して第1分割溝107を形成し、続いて第1分割溝107の底部の幅方向の中央に沿って、焦点を合わせて2回目のレーザーを照射して、第1分割溝107の底部よりも幅が狭い第2
分割溝108を形成すればよい。これらの工程を経ることにより、第1分割溝107と第2分割溝108の表面には、ガラス成分を含む保護層109が形成される。そして、分割溝105に露出
した金属層106の酸化腐食が抑制された多数個取り配線基板を提供できる。
母基板101は、例えば上記のようにアルミナ、窒化珪素、窒化アルミニウム、炭化珪素
、ムライト、フェライト、ガラスセラミックスなどを主成分とするセラミック焼結体で形成されている。このような材料によって、例えば50〜200μm程度の厚みのセラミック絶
縁層103が複数積層され、例えば150〜500μmの厚みに形成されている。そして、母基板101には、レーザーの吸収率を高くするための成分として、Mg、Mn、Co、Cr、Cu、Ni及びFeの群から選ばれる少なくとも1種の金属酸化物が含まれていることが好ましい。
例えば、母基板101がアルミナを主成分とするセラミック焼結体で形成されている場合
、主成分としてのAlを92質量%含み、さらに、焼結助剤成分としてSiOを3質量%、Mnを3.5質量%、MgOを1質量%およびMoOを0.5質量%、それぞれ含むものが挙げられる。また、主成分としてのAlを90.5質量%含み、さらに焼結助剤成分としてSiOを1.5質量%、Mnを2.5質量%、MgOを1質量%、TiOを1質量%およびCrOを3.5質量%、それぞれ含むものが挙げられる。また、主
成分としてのAlを93質量%含み、これに、焼結助剤成分としてSiOを2質量%、Mnを3質量%、MgOを1質量%およびMoOを1質量%、それぞれ含むもの等が挙げられる。
また、図1(b)に示す例において、保護層109は、第2分割溝108の底部から第1分割溝107の上端部にかけて厚みが薄くなるように形成されている。また、母基板101の上面に露出する金属層106上にろう材110を介して蓋体111が接合されている。
このような保護層109であるときには、分割溝105の上端部分で保護層109が比較的薄く
、保護層109となる溶融物120の量も比較的少ない。そのため、枠部の上面への溶融物120
のはい上がりがより確実に抑制された多数個取り配線基板を提供することができる。これにり、枠部の上面の平坦性をより高く確保できる。したがって、例えば蓋体111を、枠部
の上面の金属層106に、より良好に接合することが可能となる。そして、より一層気密封
止の信頼性に優れた電子装置を製作できる多数個取り配線基板を提供できる。なお、図1(a),(b)では、金属層106の上面に被着されるニッケルめっき層118、および金めっき層119を省略している。
また、第1分割溝107および第2分割溝108の内面がガラス成分を含む保護層109で覆わ
れている場合には、金属層106のうち分割溝105に接する端部が外気に露出することが抑制される。そのため、金属層106の腐食が抑制される。これにより、例えば、金属層106の上面における平坦性が保たれるとともに、蓋体111が金属層106の上面に接合される際のろう材110の濡れ性が良好保たれるという効果もある。
保護層109を、第2分割溝108の底部から第1分割溝107の上端部にかけて厚みが薄くな
るように形成するためには、例えば、上述したレーザーを、めっき層で被覆された金属層106の上から照射し、境界104の部位に金属層106の途中までのU字状(→第1分割溝と第
2分割溝の形状特徴を異ならせてみました。)の第1分割溝107を形成しておき、さらに
第1分割溝107よりも幅が狭く金属層106を厚み方向に貫通してV字状の第2分割溝108を
形成すればよい。
ここで、上記の第1分割溝107を形成する段階では、ニッケルめっき層118や金めっき層119にはガラス成分が含まれず、また、金属層106はセラミック絶縁層103に接する領域付
近にはガラス成分が含まれている。このことから、金属層106やニッケルめっき層118や金めっき層119にはガラス成分を含む溶融物120(保護層109となるもの)が薄く形成される
。さらに、上記の第2分割溝108を形成する段階では、レーザーが金属層106を厚み方向に貫通することから、セラミック絶縁層103中に含まれるガラス成分を含む溶融物120(保護層109となるもの)が、レーザーの熱により生じる。この溶融物120が、第2分割溝108の
底部から第1分割溝107の上端部にかけて厚みが薄くなるように付着して保護層109が形成される。このとき、第2分割溝108は第1分割溝107よりも幅狭く形成されており、第1分割溝107の底部の幅方向の一部が第2分割溝108の開口部分になっている。そのため、第2分割溝108の開口部分から第1分割溝107の開口部分までの距離が長い。したがって、第2分割溝108が形成される時に第2分割溝108内で発生した溶融物120が、第1分割溝107から第1分割溝107の開口部分(分割溝105の上端部)から最上層の金めっき層119の上面まで
はい上がりにくい。
上記のように保護層109(溶融物120)が最上層の金めっき層119の上面まではい上がる
ことが抑制されているため、蓋体111を、平坦性が確保された封止面(金めっき層119の上面)に、良好に接合することができる。そして、多数個取り配線基板のそれぞれの配線基板領域102における金属層106の内側に搭載部112が形成されており、それぞれの配線基板
領域102の搭載部112には電子部品121が収容されている。この搭載部112を取り囲む金めっき層119の上面にろう材110を介して蓋体111が良好に接合され得るため、それぞれの配線
基板領域102における電子部品121に対する気密封止の信頼性が高い多数個取りの電子装置を作製することができる。
この実施の形態において、分割溝105は、母基板101の上面、つまり金属層106が形成さ
れている片面(上面)にのみ形成されている。分割溝105は、母基板101の両主面(上下面)に形成されてもよい。分割溝105が両主面に形成される場合、例えば外部電気回路基板
への実装面となる下側の金属層(図示せず)は、高精度の平坦性が要求されないことから、1回のレーザーのみでセラミック絶縁層103まで形成する深い分割溝(図示せず)を、
断面視で上側の分割溝105に対向するように形成するようにしてもよい。
母基板101の上下面に分割溝(図示せず)を形成する場合、下側の分割溝を上側の分割
溝105よりも深くしてもよい。この場合、例えば、母基板101の下面から、下側基板と上側基板との境界を越えて分割溝を形成してもよい。これにより、母基板101の分割性をより
良好なものとすることができる。この場合にも、金めっき層119の表面へのレーザーによ
る溶融物120のはい上がりが抑制された多数個取り配線基板を得ることができる。
本発明の実施形態の配線基板について説明する。この実施形態の配線基板は、例えば、上記多数個取り配線基板が、分割溝105に沿って、複数の配線基板領域102毎に分割されてなる。このため、第1分割溝107および第2分割溝108の内面がガラス成分を含む保護層109で覆われた、気密封止の信頼性に優れた電子装置を製作することが可能な配線基板を提
供できる。
通常、母基板101の大きさは、その一辺が60〜120mm程度の平板状となっており、この母基板101の外周部に形成される捨て代領域114の幅は5〜10mm程度である。多数個取り
配線基板である母基板101の各配線基板領域102を個片状に分割する方法としては、例えば、移送用ローラーおよび押圧用ローラーに上下方向から挟まれ、移送用ローラーを支点、押圧用ローラーを作用点として、分割溝105に沿って各配線基板領域102に分割される方法が採用される。平面視における移送用ローラーの軸の中心から押圧ローラーの軸の中心までの距離は、各配線基板領域102の一辺の長さに合うように設定されている。移送用ロー
ラーや押圧ローラーは、それぞれ無端ベルトと接触して設置されており、上下の無端ベルトの間に母基板101を挟んで移送させることにより、移送用ローラーが支点、押圧ローラ
ーが作用点となり、移送用ローラーの上方で母基板101が分割溝105に沿って順次破断され分割される。
また、焼成後の母基板101の各配線基板領域102の境界に沿ってレーザーを照射して、アブレーション現象(材料の一部が蒸発、侵食によって分解する現象)により、金属層106
、ニッケルめっき層118、金めっき層119およびセラミック絶縁層103に分割溝105が形成されるため、癒着が低減された、開口性に優れた良好な形状の分割溝105を形成することが
可能である。よって、母基板101をそれぞれの配線基板領域102毎に分割した際に、配線基板の側面に発生し易いバリや欠け、エグレなどの不良をより抑制することができる。
電子部品121が例えば圧電振動素子である場合、所定周波数で発振する圧電振動素子は
、配線基板の搭載部112の内側面に沿って形成される一対の接続導体113に導電性接着剤等の接合材(図示せず)により電気的・機械的に接合され、配線基板の上面に搭載部112を
取り囲むように形成された金属層106の上面に、例えば鉄−ニッケル合金や鉄−ニッケル
−コバルト合金等の金属材料からなる蓋体111を金−スズ合金等のろう材110により圧電振動素子が気密に封止され、圧電装置が構成されている。
ここで、金属層106の上面に蓋体111を接合するためのろう材110は、金−スズ合金だけ
に限定されず、銀−スズ合金やスズ−亜鉛合金、半田等の低融点金属材料でもよい。さらに、金属層106に金属枠体(図示せず)を銀ろう等のろう材110で接合し、さらにこの金属枠体の上面に蓋体111をシーム溶接や電子ビーム溶接することにより圧電振動素子が気密
に封止され、圧電装置を構成してもよい。特に、金−スズ合金は、半田と比較して融点が高く、外部回路基板へ実装する際のリフロー処理時に溶ける恐れがなく、高気密化に有利である。
また、金−スズ合金は、Auと比較し安価であり、半田と異なり有害な鉛を含まず、配線基板への接合にアウトガスの発生量が少ない。よって、融点が217〜320℃でスズの含有率が10〜90質量%の金−スズ合金を好ましく使用できる。
また、上記のような保護層109が、第2分割溝108の底部から第1分割溝107の上端部に
かけて厚みが薄くなるように形成されている場合には、保護層109が最上層の金めっき層119の上面まではい上がっている可能性が低減される。そのため、蓋体111が接合される金
属層106の上面の平坦性が、より確実に確保され得る。そのため、蓋体111を金属層106へ
、より良好に接合することができる。そして、金属層106の内側に搭載部112が形成されており、搭載部112には電子部品121が収容される。この搭載部112に搭載される電子部品121は、金属層106(金属層106を被覆するニッケルめっき層118や金めっき層119)の上面にろう材110を介して蓋体111が接合されて気密封止される。電子部品を搭載部112に気密封止
することにより、電子装置を作製することができる。
本発明の実施形態の多数個取り配線基板の製造方法について説明する。実施形態の多数個取り配線基板の製造方法は、配線基板領域102の境界に、焦点をずらして1回目のレー
ザー116を照射して第1分割溝107を形成する工程と、第1分割溝107の底部の幅方向の中
央に沿って、焦点を合わせて2回目のレーザー117を照射して、第1分割溝107の底部よりも幅が狭い第2分割溝108を形成するとともに、第1分割溝107と第2分割溝108の表面に
、ガラス成分を含む保護層109を形成する工程と、を含む。
このような製造方法であることから、枠部の上面への溶融物120のはい上がりを抑制し
ながら分割溝105を設けることが可能な、多数個取り配線基板の製造方法を提供できる。
なお、この実施形態の製造方法の例における枠部とは、上記のように、搭載部112を取
り囲む、枠状の絶縁層103に相当する。枠部の上面には、金属層106が形成されている。また、金属層106は、ニッケルめっき層118および金めっき層119によって順次被覆されてい
る。分割溝105は、実際には、この金めっき層119の上面から金めっき層119、ニッケルめ
っき層118および金属層106を厚み方向に貫通して、母基板101(枠部)の上面に入り込む
深さで形成する。
すなわち、まず、第1分割溝107は加工される部位に対して焦点をずらして1回目のレ
ーザー116を照射する。このレーザーは、焦点がずれているため、単位面積あたりの出力
が小さい。つまりレーザーで加工される部位において単位面積あたりに加えられるエネルギーが小さい。このエネルギーは、加工される部位、つまり母基板101の上面に対して比
較的広い範囲に分散する。そのため、溶融物120の発生を抑えながら、相対的に幅が広く
深さが浅い第1分割溝107を設けることができる。第1分割溝107について、金属層106の
厚み方向の途中までの深さで設ける。これにより、上記のように焦点がずれたレーザー116による第1分割溝106の形成が容易に行なえる。第2分割溝108は、加工される部位に対
して2回目のレーザー117の焦点があっており、単位面積あたりの出力が大きい。そのた
め、狭い幅で、かつ深さが第1分割溝107よりも深い第2分割溝108を容易に設けることができる。第2分割溝108は、金属層106を厚み方向に貫通し、母基板101の上面にまで入り
込む深さで設ける。レーザー117は、焦点が合っているため、酸化アルミニウム質焼結体
等からなる母基板101に対する加工も容易に行なえる。第2分割溝108を設ける時に生じる溶融物120は、第2分割溝108の内部側面、および第1分割溝の底部において固化して保護層109となる。そのため、枠部の上面への溶融物120のはい上がりを抑制して分割溝105を
設けることができる。
このような分割溝105の形成方法としては、具体的には、図3(a)、(b)および図
4(a)、(b)、ならびに図5(a)、(b)で示したように、分割溝105の形成され
る配線基板領域102の境界104に沿って1回目のレーザー116の照射を疎(単位面積当たり
の出力が小さい)にして第1分割溝107を形成しておき、さらに第1分割溝107の底部の幅方向の中央に沿って、2回目のレーザー117の照射を密(単位面積当たりの出力が大きい
)にして第1分割溝107を形成して形成される。そして、目的とする分割溝105の幅や深さ等の加工精度に応じて、その出力が調整される。
焼成後の金属層106の厚みが8〜20μm程度であり、ニッケルめっき層118は2〜10μm程度、金めっき層119は0.1〜1.0μm程度に形成されており、金めっき層119から金属層106
までの厚みの合計は10〜30μm程度で形成される。そして、このような母基板101に、こ
れら金属層106,ニッケルめっき層118,金めっき層119を含んで30〜80μm程度の深さの
分割溝105が形成される。
レーザーの種類としては、例えば、YAGレーザーや炭酸ガスレーザーを用いることが考えられる。炭酸ガスレーザーの場合、レーザーを金めっき層119で被覆された金属層106の上から照射した場合、金属層106に対する反射性は高いものの、同時に加工点出力も非
常に高いことから、深さ方向に加工速度がはやくセラミック絶縁層103を溝加工すること
が可能である。その一方で、炭酸ガスレーザーによるレーザーの照射によれば、セラミック絶縁層103に及ぼす熱影響も大きく、分割溝105が形成されてもV字状には形成できず、溶融したセラミック絶縁層103で分割溝105(特に第2分割溝108)が埋まってしまい、分
割溝105としての機能を果たすことができなくなってしまう可能性がある。よって、YA
Gレーザーを用いるのが好ましい。
YAGレーザーとしての照射するレーザーは、紫外線領域の波長のレーザーであることが重要である。紫外線領域の波長のレーザーは、固体レーザーによるパルス周波数10〜200kHz、パルス幅5ns以上、加工点出力1〜100W、好ましくは1〜40W程度の
ものである。紫外線領域の波長の固体レーザーとしては、YAG、YVO、YLFなどの結晶より励起されるレーザーがあり、それぞれのパルス特性および、被加工物の加工性に応じて最適なものを選定することができる。特に、パルス周波数10〜100kHz、パル
ス幅50〜200ns、加工点出力1〜30W程度のYAGレーザーであって3倍波(波長355nm)のものを、分割溝105の加工精度と加工時間の点から好ましく用いることができる。
固体レーザーによる基本波または2倍波のレーザーでは、ニッケルめっき層118や金めっ
き層119に対する反射性が高く、余分な熱負荷が発生してセラミック焼結体からのガラス
成分の析出が促進されるため、分割溝105として機能するV字状の分割溝105を形成することが難しい。
ここで、第1分割溝107を形成する工程では、ニッケルめっき層118や金めっき層119に
はガラス成分が含まれておらず、また、金属層106はセラミック絶縁層103に接する領域付近にガラス成分が含まれている。また、例えば、第1分割溝107は、金属層106の厚み方向の途中までの深さで形成する。そのため、金属層106、ニッケルめっき層118および金めっき層119には、ガラス成分を含む溶融物120(保護層109となるもの)が薄く形成されるこ
とになる。そして、第2分割溝108を形成する工程では、レーザーが金属層106を厚み方向に貫通することにより、セラミック絶縁層103中に含まれるガラス成分を含む溶融物120(保護層109となるもの)がレーザーの熱により溶融物120が生じる。この溶融物120が、第
2分割溝108の底部から第1分割溝107の上端部にかけて厚みが薄くなるように固化し、(“流れた”とすると第2分割溝が塞がるイメージがあるため、削除しました。)保護層109が形成されることになる。
このとき、第2分割溝108は第1分割溝107よりも幅が狭くなるように形成する。第1分割溝107の幅方向の一部に第2分割溝108を形成する。このことから、発生した溶融物120
は、この第2分割溝108内から第1分割溝107の開口部分を越えて、枠部(金めっき層119
)の上面(封止面)まではい上がりにくくなる。
なお、溶融物120のはい上がりによる封止面へのはい上がりを防止するために、封止面
に、容易に洗い流すことのできる有機膜(例えばポリビニルアルコール)を形成しておいてもよい。有機膜は、極薄いものとして、レーザーの透過性を妨げないようにする必要がある。この有機膜の上から母基板101にレーザーを照射すれば、有機膜の上にはい上がっ
た溶融物120を、有機膜と一緒に洗い流すことができる。有機膜としてポリビニルアルコ
ールを使用すれば、環境に負荷をかけず水や温水を用いた洗浄で容易に有機膜を洗い流すことができる。このように有機膜でコーティングした母基板101をレーザー加工すること
により、もし溶融物120が封止面にはい上がったとしても、容易に除去することが可能と
なる。
ここで、母基板101の主面に形成する分割溝105は、金属層106が形成されている一方の
主面(上面)にのみ形成してもよく、また、両主面(上下面)に形成してもよい。両主面に形成する場合、例えば外部電気回路基板への実装面となる下面側の金属層(図示せず)は高精度の平坦性が要求されない。このことから、1回のレーザーのみでセラミック絶縁
層103まで形成する分割溝105を、上側の分割溝105に対向するように形成すればよい。そ
して、下側の分割溝を上側の分割溝105よりも実装面となる金属層から搭載部112を取り囲むセラミック絶縁層103の厚みの途中まで(つまり、厚み方向におけるセラミック絶縁層103の境界まで)深く形成すれば、母基板101の分割性を良好なものとすることができる。
そして、金めっき層119の表面へのレーザーによる溶融物120のはい上がりが抑制された多数個取り配線基板の製造方法を提供できる。
また、焼成後の母基板101において、隣り合う配線基板領域102の境界104に2回レーザ
ー加工を施して所定の深さに分割溝105を成形することから、単位面積当たりの出力が弱
いレーザーで分割溝105を加工することもできる。この場合は、小型の配線基板領域102が配列形成された母基板101においても寸法精度の高い分割溝105を形成することができ、配線基板領域102の境界104に沿った母基板101の分割をより容易、かつ確実に行なうことが
できる。
具体的な例として、ニッケルめっき層118と金めっき層119を含む金属層106の厚みが20
μmでありセラミック厚みが300μmの母基板101を準備して、そのレーザー加工条件としてレーザーの照射には、波長が355nmのYAGレーザー装置を搭載し、母基板101を載置して1軸方向に移動する載置台を有するレーザースクライブ装置を用い、パルス周波数が50kHzの時に加工点出力が3.8Wになる様に条件を調整した。
具体的には、上記の条件は同じとして、加工速度を60mm/sに固定した。また、レーザースクライブ装置のレーザー装置から被加工物の上面までの間隔を変化させて、レーザーの照射径をφ15〜30μmとなるように調整した。そして、図5(a)に示したように、1回目のレーザー116についてはレーザーの照射径をφ30μmとし、深さが25μmであり
、最も広い部分の幅が33μmの第1分割溝107を形成した。さらに、図5(b)に示した
ように、2回目のレーザー117についてはレーザーの照射径をφ15μmに焦点を合わせて
照射することにより、深さが35μm(第1分割溝107を含む深さは60μm)であり、最も
広い部分の幅(第1分割溝107の底部の幅)が17μmの第2分割溝108を第1分割溝107の
底部の幅方向の中央に沿って形成した。なお、図5(a)および(b)は、レーザー加工を行なう工程を工程順に模式的に示す平面図である。図5において図1〜図4と同様の部位には同様の符号を付している。
通常、加工速度が一定の場合、加工する分割溝105を深くするにつれて必要なレーザー
の出力は大きくなる。深い分割溝105を形成する場合、使用するレーザーの出力の大きさ
が一定であると、加工速度を遅くして被加工物(母基板101)の上面及びその近傍には、
必要以上の過大なエネルギーを照射しなければならない。このため、被加工物の上面は単位時間当たりの加工量が多くなり、発生する溶融物120が多量となるので、はい上がる溶
融物120の量が多くなり、かつ加工する分割溝105の幅も必要以上に広くなるという問題が生じる。また、レーザーの出力を小さくし過ぎると、所定の深さの分割溝105を加工でき
なくなる。しかし、このように焼成後の母基板101において2回に分けてレーザー加工を
行うことは、金めっき層119の表面へのレーザーによる溶融物120のはい上がりを抑制するとともに、寸法精度の高い分割溝105を形成する上で非常に有効である。
レーザー加工された母基板101の分割溝105の状態をクロスセクションによる断面SEM写真にて確認したところ、第1分割溝107と第2分割溝108の表面にガラス成分を含む保護層109が形成されていることが確認できた。また、保護層109は第2分割溝108の底部から
第1分割溝107の上端部にかけて厚みが薄くなるように形成されていることを確認できた
。第2分割溝108の底部での保護層109の厚みが9μm程度、そして第1分割溝107の上部
での保護層109の厚みが3μm程度であり、保護層109の一部が第1分割溝107の開口部分
となる金めっき層119の上面にかけて薄く数μm程度形成されていたものの、蓋体111の外
周よりも外側の領域になる部分であり、また、溶融物120が封止面にはい上がったとして
も、上述した有機膜の洗浄により容易に除去することが可能であり、蓋体111の封止性が
阻害されてしまうものではなかった。
なお、本発明の多数個取り配線基板、配線基板および多数個取り配線基板の製造方法は、以上の実施の形態の例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えても何ら差し支えない。例えば、上記実施形態の例において、蓋体111が
接合される配線基板の金属層106は、ニッケルめっき層118および金めっき層119が上面に
被着されたものとしたが、金属層106は、被着されためっき層に、例えば鉄−ニッケル−
コバルト合金からなる金属枠体(図示せず)が接合されていてもよい。また、レーザースクライブ装置のレーザーの種類をYAGレーザーとし、加工点出力や加工速度を固定してレーザー装置から被加工物の上面までの間隔を変化させてレーザーの照射径を調整したが、必要な分割溝105の形状に応じてレーザーの種類や加工点出力、加工速度、等を変化さ
せてもよい。
101・・・母基板
102・・・配線基板領域
103・・・セラミック絶縁層
104・・・境界
105・・・分割溝
106・・・金属層
107・・・第1分割溝
108・・・第2分割溝
109・・・保護層
110・・・ろう材
111・・・蓋体
112・・・搭載部
113・・・配線導体
114・・・捨て代領域
115・・・めっき用端子
116・・・1回目レーザー
117・・・2回目レーザー
118・・・ニッケルめっき層
119・・・金めっき層
120・・・溶融物
121・・・電子部品

Claims (5)

  1. ガラス成分を含む複数のセラミック絶縁層が積層されてなる母基板に、複数の配線基板領域が縦横に配列されており、前記母基板の上面に前記配線基板領域の境界に沿って分割溝が形成されている多数個取り配線基板であって、
    前記母基板の上面に金属層が形成されており、
    前記分割溝は、前記金属層の上面から該金属層の厚み方向の途中まで設けられた第1分割溝と、
    該第1分割溝の底部よりも幅が狭く、該底部から前記金属層を厚み方向に貫通して前記母基板の前記上面に設けられた第2分割溝とからなることを特徴とする多数個取り配線基板。
  2. 前記第1分割溝および前記第2分割溝の内面が、前記ガラス成分を含む保護層で覆われていることを特徴とする請求項1に記載の多数個取り配線基板。
  3. 前記保護層は、前記第2分割溝の底部から前記第1分割溝の上端部にかけて厚みが薄くなっていることを特徴とする請求項2に記載の多数個取り配線基板。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の多数個取り配線基板が、前記分割溝に沿って分割されてなることを特徴とする配線基板。
  5. ガラス成分を含む複数のセラミック絶縁層が積層されてなる母基板を作製する工程と、
    該母基板に複数の配線基板領域を縦横に配列するとともに、該配線基板領域の境界に沿って前記母基板の上面に、焦点をずらして1回目のレーザーを照射して第1分割溝を形成する工程と、
    前記第1分割溝の底部の幅方向の中央に沿って、焦点を合わせて2回目のレーザーを照射して、前記第1分割溝の前記底部よりも幅が狭い第2分割溝を形成する工程と、
    を含むことを特徴とする多数個取り配線基板の製造方法。
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