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JP2014008051A - ろ過分離方法及びこれに使用するろ過分離装置 - Google Patents

ろ過分離方法及びこれに使用するろ過分離装置 Download PDF

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JP2014008051A JP2012149251A JP2012149251A JP2014008051A JP 2014008051 A JP2014008051 A JP 2014008051A JP 2012149251 A JP2012149251 A JP 2012149251A JP 2012149251 A JP2012149251 A JP 2012149251A JP 2014008051 A JP2014008051 A JP 2014008051A
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Abstract

【課題】本発明の課題は、フィルターでろ別された被処理物を処理剤で処理する際に、従来よりも被処理物に対して処理剤を効率よく接触させることができるろ過分離装置を提供する。
【解決手段】本発明のろ過分離装置としての微生物捕集具1は、被処理物と処理剤とを接触させる第1の接触室66及び第2の接触室67が相互に親水フィルター7aで隔てられ、前記第2の接触室67及びろ液排出口81が相互に疎水フィルター7bで隔てられていることを特徴とする。この微生物捕集具1では、親水フィルター7aの内部に入り込んだ被処理物に対しても処理剤が効率よく接触する。
【選択図】図4

Description

本発明は、ろ過分離方法及びこれに使用するろ過分離装置に関する。
従来、微生物の計数方法としては、微生物から抽出したアデノシン三リン酸(以下、これを単に「ATP」と称することがある)を定量することで微生物を間接的に計数する、いわゆるATP法が知られている(例えば、特許文献1参照)。このATP法は、捕集した微生物にATP抽出試薬を接触させることで微生物に内在するATPを抽出し、このATPに発光試薬を反応させた際の発光強度に応じて微生物を計数するように構成されている。
このATP法によれば、例えば平板培地で培養した微生物のコロニー数によって捕集した微生物を計数する計数方法では数日間を要するところ、微生物を捕集してからその計数までの時間を1時間乃至数時間程度に飛躍的に短縮することができる。
昨今においては、空気中に浮遊する微生物を所定の捕集具で捕集し、この捕集具をセットした計測装置で自動的にATP法に準拠した微生物の計数を行う計数システムも知られている(例えば、特許文献2参照)。
この計数システムで使用される捕集具は、例えばエアーサンプラー等によって微生物を捕集するゲル状の担体と、この担体がその内側に配置されると共に漏斗部が形成されるハウジングと、この漏斗部の下方に形成される排出開口に設けられるフィルターと、を有している。ちなみに、このフィルターは、漏斗部側(上方)から順番に親水フィルター及び疎水フィルターの2枚重ねとなっている。
このような計数システムにおいては、捕集具の漏斗部内に所定の順番で複数種類の試薬等が投入されることによって、担体に捕集されていた微生物のATPが抽出される。
具体的には、漏斗部内に、例えばバッファー液(洗浄液)、ATP消去試薬(微生物の細胞外に存在して計数を阻害するATPを消去するもの)、及びATP抽出試薬のそれぞれが、ATP法に準拠した工程の各段階に応じて漏斗部内に投入されていく。
各工程において漏斗部内に投入される試薬等のそれぞれは、前記の疎水フィルターの撥水性によって前記の排出開口から流下排出されることなく漏斗部内に留められる。そして、漏斗部内に留められて所定時間、微生物と接触した後の一の試薬等は、前記排出開口を介して吸引(例えば真空引き)されることによって排出される。その後、次なる他の試薬等が漏斗部内に留められて所定時間、微生物と接触した後に前記と同様にして排出される。つまり、漏斗部内では、ATP法に準拠した工程に応じて、試薬等の投入、試薬等と微生物との接触、及び試薬等の排出が繰り返される。
ちなみに、漏斗部内で最終的に得られる微生物のATP抽出液は、その所定量が発光強度測定ユニットの発光用チューブに分取され、前記の発光強度の測定に供される。
特開平11−137293号公報 特開2012−53057号公報
ところで、前記の捕集具(例えば、特許文献2参照)においては、例えば、漏斗部内の被処理物(微生物を捕集した担体、乃至は微生物自体等)に接触させた第1の試薬等を、親水フィルター及び疎水フィルターを介して排出する際に、当該被処理物の一部は親水フィルターの内部(親水フィルターの細孔内)に入り込む。
一方、前記のATP法(例えば、特許文献1参照)においては、微生物に含まれるATPの微弱な発光強度に基づいて微生物の計数が行われるために、微生物に対する試薬等の接触(前処理)は十分に行われなければならない。つまり、従来の、捕集具を使用した微生物の計数システム(例えば、特許文献2参照)において感度よく微生物を計数するためには、親水フィルターの内部に入り込んだ被処理物に対しても処理剤たる試薬等を、より効率よく接触させることが望まれている。
そこで、本発明の課題は、フィルターでろ別された被処理物を処理剤で処理する際に、従来よりも被処理物に対して処理剤を効率よく接触させることができるろ過分離方法及びこれに使用するろ過分離装置を提供することにある。
前記課題を解決する本発明のろ過分離方法は、液状の処理剤と接触して処理される被処理物をろ別する第1フィルターと、前記処理剤に対して撥液性を示す第2フィルターと、が相互に間隔を開けて配置され、前記被処理物と前記処理剤との混合物が、前記第1フィルターの、前記第2フィルターとは反対側から供されることで、前記被処理物が前記第1フィルターにろ別されると共に、前記処理剤が、前記第1フィルターを通過後に、前記第2フィルターの撥液性により当該第2フィルターを通過せずに当該第1フィルターとの間に満たされることを特徴とする。
また、このようなろ過分離方法に使用される本発明のろ過分離装置は、被処理物と処理剤とを接触させる第1の接触室及び第2の接触室が相互に親水フィルターで隔てられ、前記第2の接触室及びろ液排出口が相互に疎水フィルターで隔てられていることを特徴とする。
本発明によれば、フィルターでろ別された被処理物を処理剤で処理する際に、従来よりも被処理物に対して処理剤を効率よく接触させることができるろ過分離方法及びこれに使用するろ過分離装置を提供することができる。
本実施形態に係るろ過分離装置としての微生物捕集具の斜視図である。 図1の微生物捕集具(ろ過分離装置)の分解斜視図であり、(a)は、斜め上方から見下ろした際の分解斜視図、(b)は、斜め下方から見上げた際の分解斜視図である。 本発明の実施形態に係る微生物捕集具(ろ過分離装置)で微生物を捕集する方法を説明するための斜視図である。 図1の微生物捕集具(ろ過分離装置)を、微生物計数装置に搭載した様子を示す断面図である。 図1の微生物捕集具(ろ過分離装置)を使用して実施されるろ過分離方法の工程説明図であり、(a−1)から(a−4)は、微生物捕集具の断面を示してろ過分離方法を説明する図、(b−1)から(b−4)は、(a−1)から(a−4)に対応する場面での親水フィルター近傍の様子を拡大して示す模式図である。 (a)は、図1の微生物捕集具(ろ過分離装置)において、親水フィルターでろ別された微生物にATP抽出試薬を接触させる際の模式図であり、(b)は、従来の微生物捕集具(ろ過分離装置)において、親水フィルターでろ別された微生物にATP抽出試薬を接触させる際の模式図である。 (a)は、変形例に係る微生物捕集具(ろ過分離装置)のフィルター取付部近傍の部分拡大断面図、(b)は、(a)の微生物捕集具に使用するフィルター成形体の斜視図であり、フィルターの支持部材を部分的に切欠いて示す図である。
次に、本発明の実施形態について説明する。本発明のろ過分離方法及びこれに使用されるろ過分離装置は、微生物(被処理物)をろ別する親水フィルターと、微生物に接触させる液状の試薬等(処理剤)に対して撥液性を示す疎水フィルターと、を相互に間隔を開けて配置したことを主な特徴としている。なお、親水フィルターは、特許請求の範囲にいう「第1フィルター」に相当し、疎水フィルターは、特許請求の範囲にいう「第2フィルター」に相当する。また、本実施形態において処理剤たる液状の試薬等は、いわゆる水性の液体であって、本実施形態における前記「撥液性」は、撥水性を意味する。
以下では、本実施形態に係るろ過分離装置としての微生物捕集具について説明した後に、この微生物捕集具(ろ過分離装置)を使用して実施される、本実施形態に係るろ過分離方法について説明する。
(微生物捕集具)
図1は、本実施形態に係るろ過分離装置としての微生物捕集具の斜視図である。図2は、図1の微生物捕集具(ろ過分離装置)の分解斜視図であり、(a)は、斜め上方から見下ろした際の分解斜視図、(b)は、斜め下方から見上げた際の分解斜視図である。
ちなみに、本実施形態に係る微生物捕集具1は、後記するように、空気中のいわゆる浮遊微生物(細菌、真菌等)を捕集する際に使用されると共に、捕集した微生物を計数する際にも使用される。
本実施形態に係る微生物捕集具1は、空気中の微生物を捕集する際には、後記するインパクター型のエアーサンプラー50(図3参照)に配置されて使用され、捕集された微生物を計数する際には、後記する微生物計数装置10(図4参照)に搭載されて使用される。ちなみに、微生物捕集具1は、後に詳しく説明するように、微生物の捕集の際と計数の際では、上下(天地)が逆になるようにして使用される(図3及び図4参照)。
図1に示すように、微生物捕集具1は、その上部が略円筒形状に形成されると共に、その下部が下方に向かって縮径する略円錐形状に形成されている。そして、後に詳しく説明するが、この微生物捕集具1は、その上部がエアーサンプラー50(図3参照)と係合して微生物を捕集し、その下部が前記の微生物計数装置10(図4参照)と係合して捕集した微生物をその計数に供するようになっている。
なお、図1中、符号3は蓋体であり、符号6はハウジングであり、符号31は後記するエアーサンプラー50(図3参照)と係合する第2係合爪であり、符号62aは微生物計数装置10(図4参照)と係合する第1係合爪である。
微生物捕集具1(図1参照)は、図2(a)及び(b)に示すように、その上方から下方に向かって、蓋体3、捕集ディッシュ4、担体5、ハウジング6、親水フィルター7a、スペーサー9、疎水フィルター7b、及びフィルター押さえキャップ8の順番で相互に組み付けられて構成されている。
蓋体3は、後記するハウジング6の上部開口を塞ぐように配置されるものであり、上方に開口した有底の円筒形状を呈している。そして、蓋体3の周面の上端縁には、前記の第2係合爪31が径方向の外側に延出するように、周方向に沿って等間隔に並んで形成されている。ちなみに、本実施形態での第2係合爪31は、後記するエアーサンプラー50(図3参照)の係合凹部53(図3参照)の数に合わせて、3つ形成されている。
蓋体3の周面の下端縁には、第3係合爪32が径方向の外側に延出するように、周方向に沿って等間隔に並んで3つ形成されている。この第3係合爪32は、後記するハウジング6の第1L字溝61aに嵌入して、ハウジング6に蓋体3を着脱自在に連結するものである。
蓋体3の底部の外面は、図2(b)に示すように、下方に突出する複数の条が平行に並ぶ凹凸面で形成されている。この底部の外面は、次に説明する捕集ディッシュ4の上面と接触するように配置された際に、凹凸面としたことでその接触面積を低減している。この凹凸面は、例えば、微生物計数装置10(図4参照)の後記する搭載部102(図4参照)に微生物捕集具1を配置し、ハウジング6から蓋体3を取り外した際に、捕集ディッシュ4をハウジング6側に残して、捕集ディッシュ4と離反し易くしている。また、後記するように、エアーサンプラー50(図3参照)で微生物を捕集した後、微生物の計数施設(例えば、微生物計数装置10(図4参照)の配置施設)までこれを必要に応じて保冷して搬送した場合に、稀に、蓋体3と捕集ディッシュ4との間に結露することがあるが、この場合であっても凹凸面は、捕集ディッシュ4と離反し易くしている。なお、この凹凸面は、前記の条に限らず、複数の突起で形成することができるし、例えば、梨地、布目等のシボで形成することもできる。
また、蓋体3の底部の外面には、図2(b)に示すように、下方に突出する円柱状の突起33が形成されている。この突起33の外径は、次に説明する捕集ディッシュ4の貫通孔41の内径よりもやや小さくなっている。また、この突起33の高さは、その貫通孔41の長さと等しくなっている。
捕集ディッシュ4は、図2(a)及び(b)に示すように、円盤形状を呈している。この捕集ディッシュ4の中央部には、この捕集ディッシュ4を上下に貫通する貫通孔41が形成されている。
この捕集ディッシュ4の上面は、図2(a)に示すように、前記した蓋体3の底部の外面と接触可能なように、平坦面となっている。
また、捕集ディッシュ4の下面には、貫通孔41の周りで、次に説明するリング状の担体5が収容可能なように、内外二重の環状リブ42a,42bが立設されている。
ちなみに、捕集ディッシュ4の外径は、後記するハウジング6の下側円筒部62の内径以上、上側円筒部61の内径以下の範囲内で設定されるが、上側円筒部61の内径と略同じに設定するのが望ましい。また、図2(b)に示す捕集ディッシュ4の外側の環状リブ42bの外径は、後記する下側円筒部62の内径以下に設定されるが、下側円筒部62の内径と略同じに設定するのが望ましい。
担体5は、後記するように、エアーサンプラー50(図3参照)に配置されて、エアーサンプラー50が空気を吸引した際の空気流を受けると共に、その空気に同伴する微生物を捕集するものである。
この担体5は、常温から昇温することでゲルからゾルに相変位する材料で形成されている。この担体5の材料としては、30℃以上でゾルに相変位するものが望ましく、37〜40℃で液化するものが更に望ましい。中でも、ゼラチン、ゼラチンとグリセロールの混合物、及びN−アクリロイルグリシンアミドとN−メタクリロイル−N´−ビオチニルプロピレンジアミンとの10:1のコポリマーが望ましい。
担体5は、前記のように、リング形状を呈しており、図2(b)に示すように、捕集ディッシュ4の環状リブ42a,42b同士の間に形成される空間と同形状のものが望ましい。
なお、担体5は、環状リブ42a,42b同士の間の空間に、前記の材料を塗布し、又は充填することで形成されるが、自立したリング形状のものを前記の空間に嵌め込んで配置してもよい。
ハウジング6は、図2(a)及び(b)に示すように、その上方から下方に向かって、前記の蓋体3の外径と略同じ内径を有する上側円筒部61と、この上側円筒部61の内径よりも更に縮径した内径を有する下側円筒部62と、この下側円筒部62の内径から徐々に縮径した内径を有する逆円錐形状の漏斗部64と、この漏斗部64の最下部に形成される排出開口64aの出口周囲に設けられたフィルター取付部65と、がこの順番に一体となるように構成されている。
ちなみに、漏斗部64の内側空間には、第1の接触室66が形成され、この第1の接触室66内で、後記するように、担体5に捕集された微生物と試薬等が接触することとなる。
上側円筒部61の内周面には、前記のように、蓋体3の第3係合爪32が嵌入する第1L字溝61aが内周に沿って、第3係合爪32と対応する位置に3箇所形成されている。
下側円筒部62は、棚部63を介して上側円筒部61と接続されている。
この下側円筒部62の外周面には、後記する微生物計数装置10(図4参照)の係合リング102b(図4参照)と係合する第1係合爪62aが形成されている。この第1係合爪62aは、下側円筒部62の径方向の外側に延出するように、周方向に沿って等間隔に並んで形成されている。ちなみに、本実施形態での第1係合爪62aは、4つ形成されている。
漏斗部64は、下方に向かって内径が徐々に縮径して最下部の排出開口64a(図2(b)参照)に至っている。
なお、この漏斗部64は、後に詳しく説明するように(図4参照)、排出開口64aに至るまで内壁面がなだらかに湾曲しながら括れるように形成されている。これにより、漏斗部64は、内容物が排出開口64aに向かって流下し易くなっている。
フィルター取付部65は、薄い円盤形状を呈している。このフィルター取付部65の中央部には、第1の接触室66と連通するように排出開口64a(図2(b)参照)が形成されている。そして、排出開口64aの出口周囲には、親水フィルター7aの収納空間65aが形成されており、この収納空間65aに配置される親水フィルター7aによって排出開口64aが塞がれることとなる。
親水フィルター7aの材料としては、例えば、酢酸セルロース、硝酸セルロース、ポリスルホン、ポリカーボネート、ポリエステル等が挙げられるがこれに限定されるものではない。
親水フィルター7aには、市販品を使用することもできる。親水フィルター7aの市販品としては、例えば、MF−ミリポア(日本ミリポア社製)、Durapore(日本ミリポア社製)、Isopore(日本ミリポア社製)、サイクロポア(ワットマンジャパン社製)、JCWP01300(ミリポア社製)、マイレックスLC(日本ミリポア社製)、K040A013A(アドバンテック社製)、T300A013A(アドバンテック社製)等が挙げられる。
スペーサー9は、図2(a)及び(b)に示すように、リング部材で形成されている。このスペーサー9を挟むように前記の親水フィルター7a及び次に説明する疎水フィルター7bが配置される。これにより、スペーサー9(リング部材)の内側には、親水フィルター7aと疎水フィルター7bとに挟まれるようにして第2の接触室67(図4参照)が形成されることとなる。
スペーサー9の上面には(親水フィルター7a側には)、その中央部の開口周囲に環状リブ9aが形成されている。ちなみに、親水フィルター7aは、この環状リブ9aによってフィルター取付部65側に押し付けられることとなる。
疎水フィルター7bの材料としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ナイロン、ポリプロピレン、ガラス等が挙げられるがこれに限定されるものではない。
疎水フィルター7bには、市販品を使用することもできる。疎水フィルター7bの市販品としては、例えば、ゴアテックス(登録商標、ジャパンコアテックス社製)、ミクロテックス(日東電工社製)、ポリプロピレンプレフィルター(日本ミリポア社製)等が挙げられる。
また、疎水フィルター7bには、前記の親水フィルター7aにフッ素系、シリコーン系の撥水処理剤を施して疎水性を付与したものをも使用することもできる。
フィルター押さえキャップ8は、図2(a)及び(b)に示すように、中央部にろ液排出口81が形成される薄い有底円筒形状を呈している。このフィルター押さえキャップ8は、前記のフィルター取付部65にその下側から外嵌することで、フィルター取付部65に親水フィルター7a、スペーサー9、及び疎水フィルター7bを固定するものである。
フィルター押さえキャップ8の上方開口部の周縁内側には、その周縁に沿って等間隔に4つの係合突起82が形成されている。この係合突起82は、フィルター取付部65の周縁と係合することでフィルター押さえキャップ8をフィルター取付部65に固定する構成となっている。
また、フィルター押さえキャップ8は、図2(a)に示すように、その内底面からその上方開口部側に向けて突出する台座部84を有している。この台座部84は、この台座部84を貫通するろ液排出口81の開口周囲に立設される環状リブ85を更に備えている。ちなみに、疎水フィルター7bは、この環状リブ85によってスペーサー9に押し付けられることとなる。
以上のような、微生物捕集具1は、図2(a)及び(b)に示すように、ハウジング6の棚部63の上に、捕集ディッシュ4が載置され、ハウジング6と蓋体3とは、この捕集ディッシュ4を介在させて、前記の第1L字溝61a及び第2係合爪31によって連結される。この際、捕集ディッシュ4の貫通孔41は、蓋体3の突起33で封止されることとなる。
なお、ハウジング6と蓋体3とは、ハウジング6と蓋体3を相対的に回転させて第1L字溝61aから第2係合爪31を抜き出すことで、その連結を解くことができる。
そして、親水フィルター7aが、漏斗部64の排出開口64aの出口を塞ぐようにフィルター収容部65aに配置される。そして、この親水フィルター7aに対して、スペーサー9及び疎水フィルター7bが配置される。次いで、フィルター収容部65aに対してフィルター押さえキャップ8が外嵌されることで、親水フィルター7a、スペーサー9及び疎水フィルター7bがハウジング6に取り付けられることとなる。
以上のような、微生物捕集具1は、フィルター7を除いて成形可能な樹脂で形成することができる。中でもポリプロピレンが望ましい。
(微生物捕集具を使用した微生物捕集方法)
次に、本実施形態に係る微生物捕集具1(図1参照)を使用した微生物捕集方法について説明する。参照する図3は、本発明の実施形態に係る微生物捕集具(ろ過分離装置)で微生物を捕集する方法を説明するための斜視図である。
図3に示すように、微生物の捕集に供する際の微生物捕集具1は、担体5を保持する捕集ディッシュ4が蓋体3上に載置されたものが使用される。つまり、図1に示す微生物捕集具1において、上下を逆にし、蓋体3側に捕集ディッシュ4を残したままで、ハウジング6をフィルター押さえキャップ8付きで取り外したものが使用される。ちなみに、蓋体3からのハウジング6の取り外しは、次に説明するように、エアーサンプラー50の台座52に蓋体3を位置決めして配置した後、前記のように、ハウジング6と蓋体3を相対的に回転させて第1L字溝61a(図2(a)参照)から第2係合爪31(図2(a)参照)を抜き出すことでその連結を解いて行う。
この微生物捕集具1は、エアーサンプラー50の本体部51の上方に形成された平面視で円形の台座52に載置される。なお、台座52には、前記のように、蓋体3の第2係合爪31を受け入れる係合凹部53が形成されており、微生物捕集具1は、台座52の中央部に位置決めされるようになっている。
ちなみに、図3中、符号54は、本体部51の吸引口であり、符号55はエアーサンプラー50のノズルヘッドである。
この微生物を捕集する方法では、図3に示すように、ハウジング6及びフィルター押さえキャップ8が一体で取り外されて、担体5が露出した微生物捕集具1が台座52に載置され、この台座52を覆うようにノズルヘッド55が配置される。
そして、本体部51内に配置された図示しないファンが駆動して、吸引口54から空気が吸引されると、ノズルヘッド55内に設けられた複数の微細ノズル(図示省略)から空気流が担体5に噴射される。その結果、担体5に噴射された空気に同伴する微生物は、担体5に捕集されることとなる。つまり、担体5を上方に向けて微生物の捕集操作が行われる。
この際、図3に示すように、蓋体3の突起33によって、捕集ディッシュ4の貫通孔41(図2(a)及び(b)参照)が封止されているので、捕集ディッシュ4の担体5側の面は、面一となって、受ける空気流の乱れが抑制される。その結果、担体5は、効率よく微生物を捕集することができる。
エアーサンプラー50が予め定められた空気量を吸引すると、この微生物捕集具1による微生物の捕集工程は終了する。
この捕集工程が終了すると、再び、フィルター押さえキャップ8付きのハウジング6が一体で蓋体3に取り付けられて、図1に示す微生物捕集具1の状態に再び戻る。
(微生物捕集具を使用したろ過分離方法)
次に、本実施形態に係る微生物捕集具1(図3参照)で捕集した微生物の計数方法を説明しながら、本実施形態に係る微生物捕集具1(ろ過分離装置)を使用したろ過分離方法について説明する。
前記の捕集工程が終了して、再び図1に示す状態になった微生物捕集具1は、ユーザーによって、そのままの状態で前記の微生物計数装置(図示省略)が配置された施設に搬送される。
この微生物計数装置としては、これに搭載される微生物捕集具1(図1参照)に対して、滅菌温水、バッファー液等の機能液、各種の試薬等の所定量を、所定の順番で供給することにより、微生物捕集具1に捕集した微生物をATP法に準拠して計数することができる公知の装置を使用することができる。この微生物計数装置としては、市販の装置を使用することもでき、この市販品としては、例えば、バイオメイテクター(登録商標、日立プラントテクノロジー社製)が挙げられる。
図4は、図1の微生物捕集具(ろ過分離装置)を、微生物計数装置に搭載した様子を示す断面図である。なお、図4中、微生物捕集具1の断面は、図1のIV−IV断面に対応している。
図4に示すように、本実施形態で使用する微生物計数装置の搭載部102は、微生物捕集具1(ハウジング6)を収容する凹部102aを有している。また、この凹部102aは、例えば、アルミ材等の良熱伝導性材料で囲繞して形成されている。そして、凹部102aの周囲には、ヒーター(図示省略)が埋設されている。
このヒーターは、後に説明するように、凹部102a内に配置された微生物捕集具1を加熱するように構成されている。
そして、後に詳しく説明するように、このヒーターによる加熱でゾル化した担体5は、捕集ディッシュ4から漏斗部64に向けて剥落する。一方、漏斗部64は、前記のように、排出開口64aに至るまで内壁面がなだらかに湾曲しながら括れるように形成されている。これにより、ゾル化した担体5は、排出開口64aに向かって容易に流下することとなる。
凹部102a内に配置された微生物捕集具1は、微生物捕集具1の蓋体3が取り外されて、ハウジング6内に配置された捕集ディッシュ4の貫通孔41が露出することとなる。
そして、この微生物捕集具1においては、貫通孔41を有する捕集ディッシュ4が、ハウジング6の上方に配置され、サンプルとしての担体5は、捕集ディッシュ4の裏側でハウジング6の第1の接触室66内に配置されることとなる。
なお、図4中、符号64aはハウジング6の排出開口であり、符号7aは、親水フィルターであり、符号7bは、疎水フィルターであり、符号8は、フィルター押さえキャップであり、符号9は、スペーサーであり、符号67は、第2の接触室であり、符号81は、ろ液排出口であり、符号102bは、前記の係合リングであり、符号104aは、図示しない吸引ポンプに接続される吸引ヘッドである。
次に参照する図5は、図1の微生物捕集具(ろ過分離装置)を使用して実施されるろ過分離方法の工程説明図であり、(a−1)から(a−4)は、微生物捕集具の断面を示してろ過分離方法を説明する図、(b−1)から(b−4)は、(a−1)から(a−4)に対応する場面での親水フィルター近傍の様子を拡大して示す模式図である。
なお、図5(a−1)から(a−4)、及び図5(b−1)から(b−4)中、符号1は微生物捕集具であり、符号4は捕集ディッシュであり、符号5は担体であり、符号6はハウジングであり、符号7aは親水フィルターであり、符号7bは疎水フィルターであり、符号64は漏斗部であり、符号66は第1の接触室であり、符号67は第2の接触室であり、符号81はろ液排出口であり、符号Bは微生物であり、符号EXはATP抽出試薬であり、符号HWは温水である。
ちなみに、図5(b−1)から(b−4)中の微生物Bは、実際には、マイクロメーターサイズであり、ATPは、実際には分子レベルの大きさであって、図5(b−1)から(b−4)は、これらの相対的な大きさを示すものではない。
前記の凹部102a(図4参照)を形成しているアルミ材に埋設されたヒーター(図示省略)によって、微生物捕集具1(図4参照)の担体5が加熱されると、図5(a−1)に示すように、捕集ディッシュ4に保持された担体5は、漏斗部64内に形成される第1の接触室66の下部に剥落する。この際、図5(b−1)に示すように、エアーサンプラー50(図3参照)で捕集された微生物Bは、親水フィルター7a上で担体5と共に存在する。
次に、図5(a−2)に示すように、第1の接触室66内に温水HWが注入されると、担体5のゾル化がさらに促進されると共に、温水HWで希釈される。この際、親水フィルター7aは、担体5の成分を含む温水HWを透過し、疎水フィルター7bは、撥水性(撥液性)によりこの温水HWを透過しない。これにより、第2の接触室67内は、この温水HWで満たされる。そして、微生物Bは、図5(b−2)に示すように、親水フィルター7aを透過せずに、第1の接触室66内で、担体5の成分を含む温水HWと共に滞留する。
次に、吸引ヘッド104a(図4参照)で吸引されることによって、第1の接触室66内の担体5の成分を含む温水HWは、親水フィルター7aを介して第2の接触室67内に移動し、第2の接触室67内の担体5の成分を含む温水HWは、疎水フィルター7b及びろ液排出口81を介して微生物捕集具1外に排出される。
その結果、図5(a−3)に示すように、第1の接触室66及び第2の接触室67は、担体5の成分を含む温水HWに換えて空気で満たされることとなる。
担体5に含まれていた微生物B(図5(b−1)参照)は、図5(b−3)に示すように、親水フィルター5aによってろ別される。この際、微生物Bのいくつかは、親水フィルター5aの図示しない細孔内に入り込む。つまり、微生物Bのいくつかは、親水フィルター7aの内部に細胞の一部、又は図示しないが細胞の全部が入り込む。
そして、図示しないが、本実施形態に係るろ過分離方法では、第1の接触室66内にATP消去試薬の所定量が分注されて、微生物Bの細胞外に存在するATPが消去される。この際、ATP消去試薬は、前記の温水HWと同じように、親水フィルター7aを透過する一方で、疎水フィルター7bの撥水性によって疎水フィルター7b上に保持される。これにより、ATP消去試薬は、第2の接触室67を満たすこととなる。
次いで、第1の接触室66及び第2の接触室67内のATP消去試薬は、前記の吸引ヘッド104a(図4参照)で吸引されることによって、微生物捕集具1外に排出される。
なお、ATP消去試薬としては、例えば、ATP分解酵素が挙げられる。
次に、図5(a−4)に示すように、第1の接触室66内にATP抽出試薬EXの所定量が分注されて、微生物B(図5(b−3)参照)に内在するATP(図5(a−4)中、不図示)が抽出される。
なお、ATP抽出試薬EXとしては、例えば、塩化ベンザルコニウム、トリクロロ酢酸、トリス緩衝液等が挙げられる。
この際、このATP抽出試薬EXは、親水フィルター7aを透過する一方で、疎水フィルター7bの撥水性によって疎水フィルター7b上に保持される。これによりATP抽出試薬EXは、第2の接触室67を満たす。そして、図5(b−4)に示すように、ATP抽出試薬EXには、微生物B(図5(b−3)参照)から抽出されたATPが含まれることとなる。
次いで、ATPを含むATP抽出試薬EX、つまりATP抽出液は、その所定量が分取されて、所定の発光強度測定ユニットの発光用チューブに投入される。そして、ATP抽出液は、発光用チューブにおけるATP発光試薬との反応によって、微生物Bの数に対応するATP量に応じた発光強度で発光する。
なお、ATP発光試薬としては、例えば、ルシフェラーゼ・ルシフェリン試薬が挙げられる。
そして、前記の発光強度が、光電子増倍管等を有する光検出器にて測定されると共に、この発光強度に基づいて微生物捕集具1の担体5に捕集された微生物の数が相対的に求められる。
具体的には、光検出器が検出して出力した光検出信号をデジタル処理し、単一光子計数法に基づいて発光強度(CPS)が測定される。そして、予め用意された、例えばATP量(amol)と発光強度(CPS)との関係を示すマップ(検量線)に基づいて、発光用チューブに分取されたATP抽出液に含まれるATP量(amol)が演算される。次いで、このATP量(amol)、及び分取した前記ATP抽出液の所定量に基づいて、担体5に捕集された微生物の数のATP換算値として微生物の計数が行われる。これにより本実施形態に係る微生物捕集具1で捕集した微生物の計数方法の一連の工程が終了する。
次に、本実施形態に係る微生物捕集具1(ろ過分離装置)及びろ過分離方法の作用効果について説明する。
前記のように、本実施形態に係る微生物捕集具1及びろ過分離方法では、親水フィルター7aと、疎水フィルター7bとが相互に間隔をあけて配置されている。これにより、前記の試薬等の処理剤は、親水フィルター7aを透過する一方で、疎水フィルター7bの撥水性によって疎水フィルター7b上に保持される。つまり、試薬等の処理剤は、親水フィルター7aを介して第1の接触室66及び第2の接触室67の両方に存在することとなる。
次に参照する図6(a)は、図1の微生物捕集具(ろ過分離装置)において、親水フィルター上の微生物にATP抽出試薬を接触させる際の模式図であり、図6(b)は、従来の微生物捕集具(ろ過分離装置)において、親水フィルター上の微生物にATP抽出試薬を接触させる際の模式図である。なお、図6(a)及び(b)に示す微生物Bの大きさは、マイクロメートルサイズ(例えば、ブドウ球菌は1μm前後、大腸菌は短径で0.5μm前後)であるので、親水フィルター7aの厚さ(例えば、市販品でも規格に応じて一概に言えないが35μm前後)と相対的な大きさを示すものではない。
従来の微生物捕集具100(例えば、特許文献2参照)においては、図6(b)に示すように、親水フィルター7a及び疎水フィルター7bは、互いに重ねられて配置されていた。そして、吸引ろ過によって親水フィルター7a及び疎水フィルター7b上でろ別された微生物Bに対して、例えばバッファー液、ATP消去試薬、ATP抽出試薬等の処理剤Pが接触することとなる。
その一方で、ろ別される微生物Bのいくつかは、図6(b)に示すように、その細胞の一部、又は図示しないがその細胞の全部が親水フィルター7aの内部に入り込む。
つまり、従来の微生物捕集具100においては、親水フィルター7aに入り込んだ微生物Bは、例えば、微生物捕集具100に処理剤Pが投入された際に、親水フィルター7aに浸透していく処理剤Pと接触するほか、主に親水フィルター7aの上面に滞留する処理剤Pと接触することとなる。
なお、図6(b)中、符号81は、ろ液排出口である。
これに対して、本実施形態に係る微生物捕集具1は、図6(a)に示すように、処理剤Pが投入された際に、親水フィルター7aを挟んで形成される第1の接触室66と第2の接触室67との両方に処理剤Pが満たされることとなる。
つまり、親水フィルター7aに入り込んだ微生物Bは、第1の接触室66と第2の接触室67の両方からの処理剤Pと接触することとなる。
これにより、本実施形態に係る微生物捕集具1は、微生物Bに対する処理剤Pの接触効率が向上することによって、ATP法に準拠して微生物B(被処理物)の計数を行う際の前処理(被処理物に対する処理剤の接触操作)を効果的に行うことができる。
よって、本実施形態に係る微生物捕集具1(ろ過分離装置)及びろ過分離方法によれば、従来の微生物捕集具100(図6(b)参照)と比較して、ATP抽出液中のATP量を高めることができるので、微生物Bの計数感度を向上させることができる。
ちなみに、本実施形態における微生物B(被処理物)の処理剤Pによる処理としては、例えば、前記の微生物Bの細胞外に存在するATPをATP消去試薬(処理剤P)にて消去する処理、微生物Bに内在するATPをATP抽出試薬(処理剤P)にて抽出する処理が挙げられる。
また、本実施形態における微生物B(被処理物)の処理剤Pによる処理としては、図5(b−2)に示すように、担体5に含まれる微生物(被処理物)を温水HW(処理剤P)で希釈する処理が挙げられる。この処理においては、図5(b−1)の微生物Bを含む担体5に、図5(b−2)に示すように温水HWが投入され、温水HWが第2の接触室67に親水フィルター7aを介して透過する際に、図示しないが、微生物Bのいくつかは親水フィルター7aの内部に入り込む。
この際、第2の接触室67内の温水HWは、親水フィルター7aの内部に入り込んだ微生物Bに第2の接触室67側からも接触することとなる。そして、担体5の成分が付着した微生物Bには、第1接触室66及び第2の接触室67の両方から温水HWが接触することによって、微生物Bに付着した担体5の成分のゾル化が更に促進される。その結果、担体5の成分は、次なる吸引ろ過工程において微生物Bから除去され易くなる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されず、種々の形態で実施することができる。
前記実施形態に係る微生物捕集具1(ろ過分離装置)及びろ過分離方法では、親水フィルター7aと疎水フィルター7bとの間にリング状のスペーサー9を介在させることで間隔をあける構成としたが、本発明は親水フィルター7aと疎水フィルター7bとを互いに間隔をあけて配置することができれば前記のリング状のスペーサー9に限定されるものではない。
次に参照する図7(a)は、変形例に係る微生物捕集具(ろ過分離装置)のフィルター取付部近傍の部分拡大断面図、図7(b)は、図7(a)の微生物捕集具に使用するフィルター成形体の斜視図であり、フィルターの支持部材を部分的に切欠いて示す図である。
図7(a)及び(b)に示すように、この微生物捕集具1においては、前記実施形態での、親水フィルター7a(図4参照)及び疎水フィルター7b(図4参照)、並びにスペーサー9(図4参照)からなる組立て体に代えて、フィルター成形体71a及びフィルター成形体71bを有している。
フィルター成形体71aは、親水フィルター7aの周縁に沿うように略リング状の支持部材11を設けたものである。
また、フィルター成形体71bは、疎水フィルター7bの周縁に沿うように略リング状の支持部材11を設けたものである。
そして、フィルター成形体71a,71bは、略リング形状の中央部がろ過部71cとなっている。
この微生物捕集具1においては、フィルター成形体71aとフィルター成形体71bとを互いに重ね合わせた際に、フィルター成形体71aの支持部材11と、フィルター成形体71bの支持部材11同士が当接することで、親水フィルター7aと疎水フィルター7bとを相互に間隔をあけて配置する構成としている。つまり、支持部材11がスペーサーとして機能している。
なお、図7中、符号6は、ハウジングであり、符号8は、フィルター押さえキャップであり、符号64aは、排出開口であり、符号65は、フィルター取付部であり、符号66は、第1の接触室であり、符号67は、第2の接触室であり、符号81は、ろ液排出口であり、符号84は、台座部である。
このような支持部材11付きの親水フィルター7a及び疎水フィルター7bは、親水フィルター7a及び疎水フィルター7bを樹脂でインサート成形して製造することができる。
ちなみに、インサート成形に使用する樹脂、つまり支持部材11を形成するための樹脂としては、熱可塑性樹脂であれば特に制限はないが、フィルター取付部65、フィルター押さえキャップ8、親水フィルター7a及び疎水フィルター7bの各部材間における相互のシール性が良好な点で弾性樹脂が望ましい。
前記弾性樹脂としては、例えば、SBS、SIS、SEBS、SEPS等のエラストマー、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体等のエチレンの共重合体、アタクチックポリプロピレン、アイソタクチックポリプロピレン、プロピレン−1−ブテン共重合体、プロピレン−1−ブテン−エチレン共重合体等のオレフィン系樹脂、エチレン−プロピレンゴム等が挙げられる。
前記実施形態では、フィルター押さえキャップ8に形成されるろ液排出口81が単一の貫通孔で構成されているが、本発明は液排出口81を複数の貫通孔(例えばハニカム状に形成される貫通孔)で構成することもできる。
前記実施形態では、微生物捕集具1で捕集した微生物を微生物計数装置で計数することを想定しているが、本発明は微生物計数装置に搭載せずに、手作業で試薬等をハウジング内に分注してATP法により微生物を計数するものであってもよい。
本発明は、枯草菌等の芽胞形成菌に適用してもよく、この場合には、前記の試薬にアミノ酸、糖等の栄養形細胞変換試薬を含めることができる。
また、前記実施形態では、ATP法によって微生物の計数を行っているが、本発明は、微生物から抽出したDNA、RNA、NAD等の生体内物質に励起光を照射して生じさせた蛍光に基づいて微生物の計数を行ってもよい。
また、微生物捕集具1でグラム陰性桿菌を捕集してこれを計数する場合には、その細胞膜に含まれるエンドトキシンを指標とし、エンドトキシンにリムルスを反応させた際の発光強度に基づいて細菌数を計数してもよい。
また、本発明の微生物捕集具は、被検出物として、金属や化学物質の微細粒子を捕集するものであってもよく、被検出物は固体に限定されずミストであってもよい。
1 微生物捕集具(ろ液分離装置)
3 蓋体
4 捕集ディッシュ
5 担体
6 ハウジング
7a 親水フィルター(第1フィルター)
7b 疎水フィルター(第2フィルター)
8 キャップ
9 スペーサー
10 微生物計数装置
41 貫通孔
64 漏斗部
64a 排出開口
65 フィルター取付部
66 第1の接触室
67 第2の接触室
81 ろ液排出口
B 微生物(被処理物)
HW 温水(処理剤)
EX ATP抽出試薬(処理剤)
P 処理剤

Claims (6)

  1. 液状の処理剤と接触して処理される被処理物をろ別する第1フィルターと、前記処理剤に対して撥液性を示す第2フィルターと、が相互に間隔を開けて配置され、
    前記被処理物と前記処理剤との混合物が、前記第1フィルターの、前記第2フィルターとは反対側から供されることで、前記被処理物が前記第1フィルターにろ別されると共に、
    前記処理剤が、前記第1フィルターを通過後に、前記第2フィルターの撥液性により当該第2フィルターを通過せずに当該第1フィルターとの間に満たされることを特徴とするろ過分離方法。
  2. 請求項1に記載のろ過分離方法において、
    前記処理剤が、複数種類からなり、
    前記第1フィルターと前記第2フィルターとの間に満たされた、複数種類の前記処理剤のうちの第一が、当該第2フィルターの撥液性に抗して強制的に当該第2フィルターを介して排された後に、
    複数種類の前記処理剤のうちの第二が、前記第1フィルターの、前記第2フィルターとは反対側から供されることで、前記第1フィルターを通過後に、前記第2フィルターの撥液性により当該第2フィルターを通過せずに当該第1フィルターとの間に満たされることを特徴とするろ過分離方法。
  3. 請求項1に記載のろ過分離方法において、
    前記第1フィルターが親水フィルターであり、前記第2フィルターが疎水フィルターであることを特徴とするろ過分離方法。
  4. 被処理物と処理剤とを接触させる第1の接触室及び第2の接触室が相互に親水フィルターで隔てられ、
    前記第2の接触室及びろ液排出口が相互に疎水フィルターで隔てられていることを特徴とするろ過分離装置。
  5. 請求項4に記載のろ過分離装置において、
    前記第2の接触室は、前記親水フィルターと前記疎水フィルターとがスペーサーで隔てられて形成されていることを特徴とするろ過分離装置。
  6. 請求項5に記載のろ過分離において、
    前記スペーサーは、リング部材で構成され、
    前記第2の接触室は、前記リング部材の内側に形成されることを特徴とするろ過分離装置。
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