以下、第1実施形態を図1〜図9に従って説明する。
図1に示すように、DC−DCコンバータ1は、入力電圧Viに基づいてその入力電圧Viよりも低い出力電圧Voを生成するコンバータ部2と、そのコンバータ部2を制御する制御回路3とを有している。
まず、コンバータ部2の内部構成例を説明する。
入力電圧Viの供給される入力端子Piと、入力電圧Viよりも低い電位の電源線(ここでは、グランド)との間には、メイン側のトランジスタT1と同期側のトランジスタT2とが直列に接続されている。なお、メイン側のトランジスタT1はPチャネルMOSトランジスタであり、同期側のトランジスタT2はNチャネルMOSトランジスタである。
トランジスタT1は、その第1端子(ソース)が入力端子Piに接続されるとともに、第2端子(ドレイン)がトランジスタT2の第1端子(ドレイン)に接続されている。このトランジスタT2の第2端子(ソース)は、グランドに接続されている。
また、トランジスタT1の制御端子(ゲート)には制御回路3から制御信号DHが供給されるのに対し、トランジスタT2の制御端子(ゲート)には制御回路3から制御信号DLが供給される。これらトランジスタT1,T2は、制御信号DH,DLに応答して相補的にオン・オフする。
両トランジスタT1,T2間のノードLXは、コイルLの第1端子に接続されている。このコイルLの第2端子は出力端子Poに接続されている。このように、入力端子Piと出力端子Poとの間には、メイン側のトランジスタT1とコイルLとが直列に接続されている。ここで、上記出力端子Poには、入力電圧Viよりも低い出力電圧Voが生成される。この出力電圧Voは、出力端子Poに接続される負荷(図示略)に供給される。なお、この負荷には出力電流Ioも供給される。
また、上記コイルLの第2端子は平滑用のコンデンサC1の第1端子に接続されるとともに、そのコンデンサC1の第2端子はグランドに接続されている。このコンデンサC1は、出力電圧Voを平滑化する平滑回路に含まれる。なお、コイルLに直列に接続される抵抗は、コイルLに含まれる等化直流抵抗DCRであり、コンデンサC1に直列に接続される抵抗は、コンデンサC1に含まれる等価直列抵抗ESRである。
制御回路3は、コンバータ部2から帰還される出力電圧Voに基づいて、制御信号DH,DLのパルス幅を調整する。この制御回路3は、抵抗R1,R2と、比較器10と、参照電圧生成回路20と、RS−フリップフロップ(RS−FF回路)30と、タイマ回路40と、駆動回路50とを有している。
比較器10の反転入力端子には、出力電圧Voに基づく帰還電圧VFBが供給される。本実施形態では、比較器10の反転入力端子に、抵抗R1,R2により生成された帰還電圧VFBが供給される。具体的には、抵抗R1の第1端子には、出力端子Poが接続されることにより、出力電圧Voが帰還される。また、抵抗R1の第2端子が抵抗R2の第1端子に接続され、その抵抗R2の第2端子がグランドに接続されている。そして、これら抵抗R1,R2間の接続点が比較器10の反転入力端子に接続されている。ここで、抵抗R1,R2は、それぞれの抵抗値に応じて、出力電圧Voを分圧した帰還電圧VFBを生成する。この帰還電圧VFBの値は、抵抗R1,R2の抵抗値の比と、出力電圧Voとグランドの電位差とに対応する。このため、抵抗R1,R2は、出力電圧Voに比例した帰還電圧VFBを生成することになる。
比較器10の非反転入力端子には、参照電圧生成回路20から参照電圧VR1が供給される。ここで、参照電圧生成回路20には、入力電圧Viと、基準電源E1にて生成される基準電圧VR0と、RS−FF回路30の出力端子Qから出力される出力信号SG1とが入力される。この参照電圧生成回路20は、基準電圧VR0に応じて生成される第1電流と、入力電圧Viに比例した第2電流との差分電流に応じて、コイルLに流れるコイル電流ILの変化の割合に基づき電圧値が変化する参照電圧VR1を生成する。例えば参照電圧生成回路20は、第1電流と第2電流との差分電流に応じて、上記コイル電流ILと逆相の関係で電圧値が変動する参照電圧VR1を生成する。また、参照電圧生成回路20は、参照電圧VR1の平均値が基準電圧VR0と一致するように参照電圧VR1を生成する。なお、上記基準電圧VR0の電圧値は、出力電圧Voの目標値(目標電圧)に応じて設定されている。
比較器10は、帰還電圧VFBと参照電圧VR1との比較結果に応じた出力信号S1を生成する。具体的には、比較器10は、帰還電圧VFBが参照電圧VR1よりも高いときにLレベルの出力信号S1を生成し、帰還電圧VFBが参照電圧VR1よりも低いときにHレベルの出力信号S1を生成する。この出力信号S1は、RS−FF回路30のセット端子Sに供給される。
RS−FF回路30のリセット端子Rには、タイマ回路40から出力される出力信号S2が供給される。このRS−FF回路30は、Hレベルの出力信号S1に応答して、出力端子QからHレベルの出力信号SG1を出力するとともに、反転出力端子XQからLレベルの出力信号SG2を出力する。また、RS−FF回路30は、Hレベルの出力信号S2に応答して、Lレベルの出力信号SG1を出力するとともに、Hレベルの出力信号SG2を出力する。すなわち、RS−FF回路30に対して、Hレベルの出力信号S1はセット信号であるとともに、Hレベルの出力信号S2はリセット信号である。そして、RS−FF回路30から出力される出力信号SG1は、参照電圧生成回路20とタイマ回路40と駆動回路50とに供給される。
タイマ回路40は、Hレベルの出力信号SG1に応答して、その出力信号SG1の立ち上がりタイミングから所定時間経過後にHレベルとなる出力信号S2を生成する。ここで、所定時間は、例えば入力電圧Viと出力電圧Voに依存する時間である。すなわち、タイマ回路40は、出力信号SG1の立ち上がりタイミングから、入力電圧Viと出力電圧Voに依存した時間経過後にHレベルとなる出力信号S2を生成する。そして、この出力信号S2は、RS−FF回路30のリセット端子Rに供給される。
駆動回路50は、RS−FF回路30からの出力信号SG1,SG2に基づいて、コンバータ部2のトランジスタT1,T2を相補的にオン・オフさせる制御信号DH,DLを生成する。具体的には、駆動回路50は、Hレベルの出力信号SG1及びLレベルの出力信号SG2に応答してLレベルの制御信号DH,DLを生成し、Lレベルの出力信号SG1及びHレベルの出力信号SG2に応答してHレベルの制御信号DH,DLを生成する。メイン側のトランジスタT1は、Lレベルの制御信号DHに応答してオンする一方、Hレベルの制御信号DHに応答してオフする。また、同期側のトランジスタT2は、Hレベルの制御信号DLに応答してオンする一方、Lレベルの制御信号DLに応答してオフする。なお、上記駆動回路50において、両トランジスタT1,T2が同時にオンしないように、制御信号DH,DLにデッドタイムを設定するようにしてもよい。
なお、本実施形態において、DC−DCコンバータ1は電源装置の一例、トランジスタT1はスイッチ回路の一例である。
次に、上記DC−DCコンバータ1の動作を図2に従って簡単に説明する。なお、図2において、縦軸及び横軸は、説明を簡潔にするため、適宜拡大、縮小して示している。
図2に示す時刻t1において参照電圧VR1が帰還電圧VFBよりも高くなると、比較器10からHレベルの出力信号S1が出力される。このHレベルの出力信号S1に応答して、RS−FF回路30は、Hレベルの出力信号SG1及びLレベルの出力信号SG2を出力する。そして、駆動回路50は、それらHレベルの出力信号SG1及びLレベルの出力信号SG2に応答してLレベルの制御信号DH,DLを生成する。すると、Lレベルの制御信号DHに応答してメイン側のトランジスタT1がオンされ、Lレベルの制御信号DLに応答して同期側のトランジスタT2がオフされる。このように、制御回路3は、参照電圧VR1が帰還電圧VFBを横切ると、メイン側のトランジスタT1をオンさせるためのHレベルの制御信号DHを生成する。換言すると、帰還電圧VFBと参照電圧VR1との比較結果に応じてトランジスタT1のオンタイミングが設定される。なお、以下の説明では、メイン側のトランジスタT1がオンしている期間をオン期間Tonという(時刻t1〜t2参照)。
このオン期間Tonにおけるコンバータ部2では、入力端子PiがトランジスタT1及びコイルLを通じて出力端子Poに接続されるため、入力端子PiからコイルLを通じて出力端子Poに至る電流経路が形成される。このようなオン期間Tonでは、入力電圧Viと出力電圧Voとの電位差に応じたコイル電流ILがコイルLに流れ、コイルLにエネルギーが蓄積される。このオン期間Tonでは、コイル電流ILが時間の経過とともに所定の傾きで増加する。具体的には、オン期間Tonにおけるコイル電流ILの傾きm1は、入力電圧Vi及び出力電圧Voの電圧値をそれぞれVi,Voとし、コイルLのインダクタンス値をLとすると、
となる。すなわち、オン期間Tonにおけるコイル電流ILは、入力電圧Viと出力電圧Voとの電位差に比例して増加する。
一方、上記Hレベルの出力信号SG1に応答して、タイマ回路40は、出力信号SG1の立ち上がりタイミングから所定時間経過後にHレベルの出力信号S2を出力する。すると、RS−FF回路30は、そのHレベルの出力信号S2に応答してLレベルの出力信号SG1及びHレベルの出力信号SG2を出力する(時刻t2)。そして、駆動回路50は、それらLレベルの出力信号SG1及びHレベルの出力信号SG2に応答してHレベルの制御信号DH,DLを生成する。すると、Hレベルの制御信号DHに応答してメイン側のトランジスタT1がオフされ、Hレベルの制御信号DLに応答して同期側のトランジスタT2がオンされる。このように、制御回路3は、メイン側のトランジスタT1をオンしてから所定時間経過後に、メイン側のトランジスタT1をオフするとともに、同期側のトランジスタT2をオンする。換言すると、制御回路3は、帰還電圧VFBが参照電圧VR1よりも低くなると、所定時間だけメイン側のトランジスタT1をオンする。なお、以下の説明では、メイン側のトランジスタT1がオフしている期間をオフ期間Toffという(時刻t2〜t3参照)。
このオフ期間Toffにおけるコンバータ部2では、グランドがトランジスタT2及びコイルLを通じて出力端子Poに接続されるため、グランドからコイルLを通じて出力端子Poに至る電流経路が形成される。このようなオフ期間Toffでは、上記オン期間TonでコイルLに蓄えられたエネルギーが出力端子Poに向けて放出され、コイルLに誘導電流が流れる。このオフ期間Toffでは、コイル電流ILが時間の経過とともに所定の傾きで減少する。具体的には、オフ期間Toffにおけるコイル電流ILの傾きm2は、
となる。すなわち、オフ期間Toffにおけるコイル電流ILは、出力電圧Voに比例して減少する。
そして、再び参照電圧VR1が帰還電圧VFBを横切ると(時刻t3)、制御回路3は、メイン側のトランジスタT1をオンするとともに、同期側のトランジスタT2をオフする。すなわち、所定のスイッチング周期Tが終了すると、次のスイッチング周期Tが開始され、そのスイッチング周期Tにおいて、オン期間Ton及びオフ期間Toffが順に実行される。このような動作が繰り返されることにより、出力電圧Voが基準電圧VR0に基づく目標電圧に維持される。なお、各スイッチング周期Tにおけるコイル電流ILの平均値が出力電流Ioとなる。
次に、タイマ回路40の内部構成の一例を説明する。
図3に示すように、タイマ回路40は、オペアンプ41と、抵抗R40,R41,R42と、NチャネルMOSトランジスタT40と、PチャネルMOSトランジスタT41,T42と、コンデンサC40と、スイッチSW40と、比較器42とを有している。
オペアンプ41の非反転入力端子には、入力電圧Viに応じた電圧VN40が供給される。本例では、オペアンプ41の非反転入力端子には、抵抗R40,R41により生成された電圧VN40が供給される。具体的には、抵抗R40の第1端子には、入力端子Piが接続されることにより、入力電圧Viが入力される。また、抵抗R40の第2端子が抵抗R41の第1端子に接続されるとともに、その抵抗R41の第2端子がグランドに接続されている。これら抵抗R40,R41間のノードN40がオペアンプ41の非反転入力端子に接続されている。ここで、抵抗R40,R41は、それぞれの抵抗値に応じて、入力電圧Viを分圧した電圧VN40を生成する。この電圧VN40の値は、抵抗R40,R41の抵抗値の比と、入力電圧Viとグランドの電位差とに対応する。このため、オペアンプ41の非反転入力端子には、入力電圧Viに比例した電圧VN40が供給されることになる。
オペアンプ41の出力端子はトランジスタT40のゲートに接続されている。このトランジスタT40のソースが抵抗R42の第1端子及びオペアンプ41の反転入力端子に接続されるとともに、その抵抗R42の第2端子がグランドに接続されている。また、トランジスタT40のドレインはトランジスタT41のドレインに接続されている。
抵抗R42の両端子間には、この抵抗R42に流れる電流と抵抗R42の抵抗値に応じた電位差が生じる。オペアンプ41は、抵抗R42とトランジスタT40との間のノードの電位を、ノードN40の電圧VN40と等しくするように、トランジスタT40のゲート電圧を生成する。すなわち、抵抗R42の第1端子の電圧がノードN40の電圧VN40になるように制御される。したがって、抵抗R42の両端子間には、この抵抗R42の抵抗値と、両端子間の電位差(電圧VN40)とに応じた電流I40が流れる。このため、電流I40は、
と表わすことができる。すなわち、抵抗R42の両端子間には、入力電圧Viに比例した電流I40が流れる。
上記トランジスタT41のソースにはバイアス電圧VBが供給される。また、トランジスタT41のゲートは、同トランジスタT41のドレインとPチャネルMOSトランジスタT42のゲートとに接続されている。なお、バイアス電圧VBは、入力電圧Vi、または図示しない電源回路により生成された電圧である。上記トランジスタT42のソースには、バイアス電圧VBが供給される。したがって、これらトランジスタT41とトランジスタT42とはカレントミラー回路に含まれる。本例では、トランジスタT41とトランジスタT42とは、同一の電気的特性を持つ。このため、このカレントミラー回路は、トランジスタT41に流れる電流と同一の電流値の電流I41(=VN40/R42)をトランジスタT42に流す。
トランジスタT42のドレインは、コンデンサC40の第1端子とスイッチSW40の第1端子とに接続されている。コンデンサC40の第2端子及びスイッチSW40の第2端子はグランドに接続されている。このように、スイッチSW40は、コンデンサC40に並列に接続されている。このスイッチSW40は、例えばPチャネルMOSトランジスタである。なお、コンデンサC40には、トランジスタT42から入力電圧Viに依存した電流I41が流れる。
スイッチSW40の制御端子には、上記RS−FF回路30(図1参照)から出力される出力信号SG1が供給される。ここで、出力信号SG1がHレベルであるときにメイン側のトランジスタT1(図1参照)がオンする一方、出力信号SG1がLレベルであるときにメイン側のトランジスタT1がオフする。これに対し、スイッチSW40は、出力信号SG1がLレベルであるとき(トランジスタT1がオフするとき)にオンする。このようにスイッチSW40がオンすると、コンデンサC40の両端子が互いに接続されるため、コンデンサC40の第1端子(ノードN41)の電圧VN41はグランドレベルになる。一方、スイッチSW40は、出力信号SG1がHレベルであるとき(トランジスタT1がオンするとき)にオフする。このようにスイッチSW40がオフすると、コンデンサC40は、トランジスタT42から供給される電流I41(入力電圧Viに依存した電流)により充電される。この結果、ノードN41の電圧VN41は、グランドレベルから入力電圧Viに応じた傾斜で上昇する。すなわち、タイマ回路40は、メイン側のトランジスタT1がオフしているときにコンデンサC40の両端子間を短絡することにより、ノードN41の電圧VN41をグランドレベルにリセットする。そして、タイマ回路40は、トランジスタT1がオンすると、コンデンサC40の充電を開始する。その結果、ノードN41の電圧VN41が入力電圧Viに応じた傾斜で上昇する。
ノードN41は比較器42の非反転入力端子に接続されている。この比較器42の反転入力端子には、出力電圧Voが供給される。この比較器42は、ノードN41の電圧VN41と出力電圧Voとの比較結果に応じた出力信号S2を上記RS−FF回路30(図1参照)のリセット端子Rに出力する。具体的には、比較器42は、電圧VN41が出力電圧Voよりも低いときにLレベルの出力信号S2を出力する一方、電圧VN41が出力電圧Voよりも高くなるとHレベルの出力信号S2を出力する。ここで、上述のように、ノードN41の電圧VN41は、メイン側のトランジスタT1がオンしたとき、入力電圧Viに応じた傾斜で上昇する。したがって、トランジスタT1がオンしてからHレベルの出力信号S2が出力されるまでの期間は、入力電圧Viと出力電圧Voに依存する。具体的には、メイン側のトランジスタT1のオン期間Tonは、
と表わすことができる。
ところで、入力電圧Viと出力電圧Voが安定している場合、出力電圧Voは、入力電圧Viと、メイン側のトランジスタT1のオンデューティとに応じた電圧になる。トランジスタT1のオンデューティは、トランジスタT1をオンする周期、すなわちスイッチング周期Tと、トランジスタT1のオン期間Tonとの比で表わされる。したがって、出力電圧Voは、
となる。
スイッチング周期Tは、オン期間Tonと、トランジスタT1がオフしているオフ期間Toffとの合計値である。したがって、オン期間Tonは、
と表わすこともでき、オフ期間Toffは、
と表わすことができる。上記式4及び式6から、
という関係が成り立つ。すなわち、スイッチング周期T(スイッチング周波数)は、タイマ回路40内の抵抗R40〜R42の抵抗値やコンデンサC40の容量値等に応じて決定される。さらに、タイマ回路40は、Hレベルの出力信号S2を出力するタイミング、すなわち出力信号SG1のHレベルのパルス幅(オン期間Ton)を、入力電圧Viと出力電圧Voとに応じて調整している。
次に、参照電圧生成回路20の内部構成の一例を説明する。
図4(a)に示すように、参照電圧生成回路20は、誤差増幅回路21と、トランスコンダクタンスアンプ(gmアンプ)22と、抵抗R20,R21と、コンデンサC20,C21と、スイッチ素子SW20と、電流源23とを有している。
誤差増幅回路21の非反転入力端子には基準電圧VR0が供給される。この誤差増幅回路21の出力端子は、抵抗R20の第1端子とgmアンプ22の入力端子に接続されている。抵抗R20の第2端子がコンデンサC20の第1端子に接続され、そのコンデンサC20の第2端子が誤差増幅回路21の反転入力端子に接続されている。
gmアンプ22の出力端子が抵抗R21の第1端子に接続され、その抵抗R21の第2端子が誤差増幅回路21の反転入力端子とコンデンサC20の第2端子に接続されている。なお、抵抗R20,R21及びコンデンサC20はローパスフィルタとして機能する。
上記gmアンプ22の出力端子はスイッチ素子SW20の第1端子に接続されている。このgmアンプ22は、誤差増幅回路21の出力電圧VN20(ノードN20の電圧)を電流に変換し、出力電圧VN20に応じたアンプ電流I20を生成する。例えばgmアンプ22は、そのgmアンプ22とスイッチ素子SW20との間のノードN21に上記アンプ電流I20を吐き出す。
上記スイッチ素子SW20の第2端子は電流源23の第1端子に接続され、その電流源23の第2端子はグランドに接続されている。スイッチ素子SW20は、例えばNチャネルMOSトランジスタである。また、電流源23は、入力電圧Viに比例した電流I21(=α×Vi)を流す。例えば電流源23は、上記ノードN21から電流I21を吸い込む。
gmアンプ22とスイッチ素子SW20との間のノードN21はコンデンサC21の第1端子に接続され、そのコンデンサC21の第2端子はグランドに接続されている。このコンデンサC21には、アンプ電流I20と電流I21とに応じた電流I22が流れる。そして、コンデンサC21の第1端子(ノードN21)の電圧(コンデンサC21の充電電圧)が上記参照電圧VR1として出力される。
上記スイッチ素子SW20の制御端子には、上記RS−FF回路30(図1参照)から出力される出力信号SG1が供給される。このスイッチ素子SW20は、出力信号SG1がLレベルであるとき(トランジスタT1がオフするとき)にオフする。このようにスイッチ素子SW20がオフすると、電流源23がノードN21から切り離される。このため、コンデンサC21にはアンプ電流I20(電流I22)が流れる。これにより、コンデンサC21は、電流I22(アンプ電流I20)により充電される。この結果、図4(b)に示すように、出力信号SG1がLレベルの期間(トランジスタT1のオフ期間Toff)では、参照電圧VR1が時間の経過とともに所定の傾きで上昇する。具体的には、オフ期間Toffにおける参照電圧VR1の傾きm3は、コンデンサC21の容量値をC21とすると、
となる。
一方、図4(a)に示したスイッチ素子SW20は、出力信号SG1がHレベルであるとき(トランジスタT1がオンするとき)にオンする。このようにスイッチ素子SW20がオンすると、電流源23がスイッチ素子SW20を介してノードN21に接続される。このため、コンデンサC21には、アンプ電流I20と電流I21とに応じた電流I22が流れる。具体的には、コンデンサC21には、アンプ電流I20と電流I21との差分電流となる電流I22(=I21−I20)が流れる。これにより、コンデンサC21は、電流I22(アンプ電流I20と電流I21との差分電流)により放電される。この結果、図4(b)に示すように、出力信号SG1がHレベルの期間(トランジスタT1のオン期間Ton)では、参照電圧VR1が時間の経過とともに所定の傾きで低下する。具体的には、オン期間Tonにおける参照電圧VR1の傾きm4は、
となる。
このような図4(a)に示した参照電圧生成回路20では、Hレベルの出力信号SG1に応答してスイッチ素子SW20がオンされると、コンデンサC21は、入力電圧Viに比例した電流I21(=α×Vi)とgmアンプ22のアンプ電流I20との差分電流によって放電される。ここで、トランジスタT1のオン・オフを決定する出力信号SG1によってスイッチ素子SW20がオン・オフ制御され、且つコンデンサC21に蓄積された電荷は電流I21によって引き抜かれるため、コンデンサC21から放電される電流の平均値Iaは、
となる。ここで、上記式11におけるDは、トランジスタT1のオンデューティである。
また、抵抗R20,R21及びコンデンサC20を含むローパスフィルタは、コンデンサC21の充電電圧である参照電圧VR1を累積平均化する。すなわち、誤差増幅回路21の反転入力端子には、参照電圧VR1の平均値が供給される。この誤差増幅回路21は、参照電圧VR1の平均値が基準電圧VR0と等しくなるように出力電圧VN20を変更する。そして、その出力電圧VN20に応じたアンプ電流I20がgmアンプ22で生成され、そのアンプ電流I20がコンデンサC21を充電するために流れる。すなわち、誤差増幅回路21及びgmアンプ22等によるフィードバック制御によって、コンデンサC21から放電される電流の平均値Iaと等しくなるように上記アンプ電流I20が生成される。このため、アンプ電流I20は、
と表わすことができる。ここで、トランジスタT1のオンデューティDは、上記式5より、
と表わすこともできる。したがって、アンプ電流I20は、
となる。
上記式9、式10及び式14から、トランジスタT1のオフ期間Toffにおける参照電圧VR1の傾きm3及びオン期間Tonにおける参照電圧VR1の傾きm4は、
と表わすことができる。すなわち、オフ期間Toffにおける参照電圧VR1は、出力電圧Voに比例して上昇し、オン期間Tonにおける参照電圧VR1は、入力電圧Viと出力電圧Voとの電位差に比例して低下する。
以上のことから、参照電圧VR1は、コイル電流ILと逆相の電圧信号と言える。具体的には、参照電圧VR1は、コイル電流ILと逆相の三角波を持つ電圧信号と言える。より具体的には、参照電圧VR1は、コイル電流ILのリップル成分(変動成分)とは逆方向に、該リップル成分の変化の割合に基づき変動する電圧信号と言える。詳述すると、図2に示すように、オン期間Ton(時刻t1〜t2参照)では、コイル電流ILが入力電圧Viと出力電圧Voとの電位差に比例した傾きm1で増加する一方で、参照電圧VR1が入力電圧Viと出力電圧Voとの電位差に比例した傾きm4で低下する。また、オフ期間Toff(時刻t2〜t3参照)では、コイル電流ILが出力電圧Voに比例した傾きm2で減少する一方で、参照電圧VR1が出力電圧Voに比例した傾きm3で上昇する。また、このように、参照電圧VR1とコイル電流ILとは、周期(周波数)が同一の信号であって、互いの位相が約180度ずれた信号である。このため、例えば参照電圧VR1の振幅の極小点とコイル電流ILの振幅の極大点とが時間的に一致し(時刻t2参照)、参照電圧VR1の振幅の極大点とコイル電流ILの振幅の極小点とが時間的に一致する(時刻t3参照)。
そして、上述した誤差増幅回路21及びgmアンプ22等によるフィードバック制御によって、参照電圧VR1は、その平均値が基準電圧VR0と等しくなるように制御されている。
ところで、DC−DCコンバータ1の負帰還ループの利得は、入力電圧Viに比例するとともに、参照電圧VR1のスロープ量Vslpに反比例する。したがって、周波数が0[Hz]の時の利得は、その時の利得をGainとすると、
と表わすことができる。ここで、オフ期間Toffにおける参照電圧VR1のスロープ量Vslpは、オフ期間Toffの時間をToffとすると、上記式15より、
となる。このため、上記式18から明らかなように、アンプ電流I20(電流I21)の比例係数α及びコンデンサC21の容量値を調整することにより、参照電圧VR1のスロープ量Vslpを調整することができる。さらに、上記式17から明らかなように、電流I21の比例係数α及びコンデンサC21の容量値を調整することにより、負帰還ループの利得Gainを調整することができる。
なお、gmアンプ22は電圧電流変換回路の一例、アンプ電流I20は第1電流の一例、電流I21は第2電流の一例、電流I22は第1電流と第2電流との差分電流の一例である。
次に、上記gmアンプ22の内部構成の一例を説明する。
図5に示すように、gmアンプ22は、NチャネルMOSトランジスタT20と、抵抗R22と、PチャネルMOSトランジスタT21,T22とを有している。
トランジスタT20のゲートには、ノードN20が接続されており、誤差増幅回路21の出力電圧VN20が供給される。トランジスタT20のソースは抵抗R22の第1端子に接続され、その抵抗R22の第2端子はグランドに接続されている。また、トランジスタT20のドレインはトランジスタT21のドレインに接続されている。このトランジスタT20は、出力電圧VN20によってオン・オフ制御されるとともに、出力電圧VN20によってオン抵抗が制御される。このトランジスタT20には、出力電圧VN20に比例した電流I23が流れる。
トランジスタT21のソースにはバイアス電圧VBが供給される。また、トランジスタT21のゲートは、同トランジスタT21のドレインとトランジスタT22のゲートとに接続されている。このトランジスタT22は、そのソースにバイアス電圧VBが供給され、ドレインに上記ノードN21が接続されている。したがって、これらトランジスタT21とトランジスタT22とはカレントミラー回路に含まれる。このカレントミラー回路は、両トランジスタT21,T22の電気的特性に応じて、トランジスタT21に流れる電流I23に比例した上記アンプ電流I20をトランジスタT22に流す。すなわち、トランジスタT22は、ノードN21にアンプ電流I20を吐き出す。
次に、上記電流源23の内部構成の一例を説明する。
図6に示すように、電流源23は、抵抗R23,R24,R25と、オペアンプ24と、NチャネルMOSトランジスタT23と、PチャネルMOSトランジスタT24,T25と、NチャネルMOSトランジスタT26,T27とを有している。
オペアンプ24の非反転入力端子には、入力電圧Viに応じた電圧VN22が供給される。本例では、オペアンプ24の非反転入力端子には、抵抗R23,R24により生成された電圧VN22が供給される。具体的には、抵抗R23の第1端子には、入力端子Piが接続されることにより、入力電圧Viが入力される。また、抵抗R23の第2端子が抵抗R24の第1端子に接続されるとともに、その抵抗R24の第2端子がグランドに接続されている。これら抵抗R23,R24間のノードN22がオペアンプ24の非反転入力端子に接続されている。ここで、抵抗R23,R24は、それぞれの抵抗値に応じて、入力電圧Viを分圧した電圧VN22を生成する。この電圧VN22の値は、抵抗R23,R24の抵抗値の比と、入力電圧Viとグランドの電位差とに対応する。このため、オペアンプ24の非反転入力端子には、入力電圧Viに比例した電圧VN22が供給されることになる。
オペアンプ24の出力端子は、トランジスタT23のゲートに接続されている。このトランジスタT23のソースが抵抗R25の第1端子及びオペアンプ24の反転入力端子に接続されるとともに、その抵抗R25の第2端子がグランドに接続されている。また、トランジスタT23のドレインはトランジスタT24のドレインに接続されている。
抵抗R25の両端子間には、この抵抗R25に流れる電流と抵抗R25の抵抗値に応じた電位差が生じる。オペアンプ24は、抵抗R25とトランジスタT23との間のノードの電位を、ノードN22の電圧VN22と等しくするように、トランジスタT23のゲート電圧を生成する。すなわち、抵抗R25の第1端子の電圧がノードN22の電圧VN22になるように制御される。したがって、抵抗R25の両端子間には、この抵抗R25の抵抗値と、両端子間の電位差(電圧VN22)とに応じた電流I25が流れる。このため、電流I25は、
と表わすことができる。すなわち、抵抗R25の両端子間には、入力電圧Viに比例した電流I25が流れる。
上記トランジスタT24のソースにはバイアス電圧VBが供給される。また、トランジスタT24のゲートは、同トランジスタT24のドレインとトランジスタT25のゲートとに接続されている。上記トランジスタT25は、そのソースにバイアス電圧VBが供給され、ドレインがトランジスタT26のドレインに接続されている。したがって、これらトランジスタT24とトランジスタT25とはカレントミラー回路に含まれる。このカレントミラー回路は、両トランジスタT24,T25の電気的特性に応じて、トランジスタT24に流れる電流I25に比例した電流I26をトランジスタT25に流す。この電流I26は、トランジスタT24,T25を含むカレントミラー回路のミラー比をM1とすると、
と表わすことができる。
上記トランジスタT26のソースはグランドに接続されている。また、トランジスタT26のゲートは、同トランジスタT26のドレインとトランジスタT27のゲートとに接続されている。上記トランジスタT27は、そのソースがグランドに接続され、ドレインが上記ノードN21に接続されている。したがって、これらトランジスタT26とトランジスタT27とはカレントミラー回路に含まれる。このカレントミラー回路は、両トランジスタT26,T27の電気的特性に応じて、トランジスタT26に流れる電流I26に比例した上記電流I21をトランジスタT27に流す。すなわち、トランジスタT27は、ノードN21から電流I21を吸い込む。この電流I21は、トランジスタT26,T27を含むカレントミラー回路のミラー比をM2とすると、
と表わすこともできる。したがって、電流I21の比例係数αは、
となる。この式22、上記式17及び上記式18より、抵抗R23〜R25の抵抗値、ミラー比M1,M2、及び図4に示したコンデンサC21の容量値を適宜調整することにより、参照電圧VR1のスロープ量Vslp及び負帰還ループの利得Gainを調整できることが分かる。
次に、出力端子Poに接続される負荷が急変した場合におけるDC−DCコンバータ1の動作について説明する。図7は、負荷が急増した場合、具体的には出力電流Ioを0[A]から3[A]に急増させた場合のシミュレーション結果を示している。なお、図7のシミュレーション条件は、入力電圧Viが12[V]、出力電圧Voが1.2[V]、コイルLのインダクタンス値が1.5[μH]、コンデンサC1の容量値が44[μF]、等価直列抵抗ESRが0[Ω]である。このように、図7は、等価直列抵抗ESRを小さい値(ここでは、0[Ω])に設定したときのシミュレーション結果を示している。
図7に示すように、今、時刻t4において、負荷が急増して出力電流Ioが急増すると、出力電圧Voが急激に低下する。すると、トランジスタT1のオフ期間Toffを短くし、オン期間TonでコイルLにエネルギーを蓄積して出力電圧Voを上昇させるように動作しようとする。このとき、比較器10に入力される参照電圧VR1は、コイル電流ILの変化の割合に基づき電圧値が変化する。ここで、コイル電流ILは、出力電圧Voに対して位相が90度進んでいる。このため、そのコイル電流ILの変化の割合に基づき変動する参照電圧VR1には位相進み成分が導入されていると言える。そして、その位相進み成分の導入された参照電圧VR1と帰還電圧VFBとの比較結果に応じてトランジスタT1がスイッチング制御される。したがって、DC−DCコンバータ1は、負荷急増に伴って出力電圧Voが急激に低下した場合に、オフ期間Toffが短くなるのを抑制するように動作する(時刻t4〜t5参照)。このような動作は、出力電圧とコイル電流の2つの信号をフィードバックしてメイン側のトランジスタのオンデューティを制御する電流モード制御のDC−DCコンバータにおける負荷急変時の動作と略同じである。すなわち、DC−DCコンバータ1は、コイル電流ILの変動成分(交流成分)に対応して変動する参照電圧VR1を生成することで、負荷急変時に擬似的に電流モード制御で動作することができる。これにより、最大で90度の位相余裕を確保することができ、従来のDC−DCコンバータ4よりも位相余裕を確保することができる。したがって、DC−DCコンバータ1では、負荷急変時のリンギングの発生を抑制することができる。以下に、この点について図8及び図9に示したシミュレーション結果を参照して説明する。
図8は、本実施形態のDC−DCコンバータ1と従来のDC−DCコンバータ4との周波数特性についてシミュレーションした結果を示したものである。なお、図8(a)には、周波数に対する負帰還ループの利得の位相の変化を表わす位相曲線が示され、図8(b)には、周波数に対する負帰還ループの利得の変化を表わすゲイン曲線が示されている。また、図9は、DC−DCコンバータ1,4において、出力電流Ioを急変させたときの出力電圧Vo,Vo1の変化についてシミュレーションした結果を示したものである。なお、図8及び図9のシミュレーション条件は、先の図7に示したシミュレーション条件と同様である。すなわち、図8及び図9に示したシミュレーション条件は、入力電圧Viが12[V]、出力電圧Voが1.2[V]、コイルLのインダクタンス値が1.5[μH]、コンデンサC1の容量値が44[μF]、等価直列抵抗ESRが0[Ω]である。
ここで、図1に示した等価直列抵抗ESRで出来る零点Z1は、
と表わすことができる。この等価直列抵抗ESRが小さくなると零点周波数が高周波になり、等価直列抵抗ESRでの位相余裕の確保が困難になる。このため、従来のDC−DCコンバータ4では、等価直列抵抗ESRが小さくなると、十分な位相余裕(例えば、45度以上の位相余裕)を確保することができない。具体的には、図8のシミュレーション結果に示されるように、従来のDC−DCコンバータ4では、等価直列抵抗ESRが小さくなると(ここでは、0[Ω])、位相余裕を35.3度しか確保できず、位相余裕を十分に確保することができない。すると、図9に示すように、出力電流Ioが急変して高周波動作になったときに、位相余裕が足りないために、出力電圧Vo1にリンギングが生じるという問題がある。
これに対し、本実施形態のDC−DCコンバータ1では、等価直列抵抗ESRでの位相余裕の確保が困難になった場合であっても、コイル電流ILの変化の割合に基づき変動する参照電圧VR1を生成したことにより、十分な位相余裕を確保することができる。具体的には、DC−DCコンバータ1は、図8のシミュレーション結果では、位相余裕が63.2度となり、従来のDC−DCコンバータ4よりも約30度位相余裕を多く確保することができる。また、DC−DCコンバータ1では、従来のDC−DCコンバータ4よりも周波数帯域が高周波側に広がっている。そして、上述のように十分な位相余裕が確保されたDC−DCコンバータ1では、図9に示すように、出力電流Ioが急変して高周波動作になっても、出力電圧Voにリンギングが発生することが抑制される。すなわち、DC−DCコンバータ1は、十分な位相余裕を確保できたことにより、従来のDC−DCコンバータ4よりも発振に対する安定性が向上している。
ここで、上記リンギングの発生について別の見方をすると、従来のDC−DCコンバータ4では、電圧モード制御のDC−DCコンバータの負荷急変時の動作と同様に、負荷急増に伴って出力電圧Voが急激に低下したときに、その出力電圧Voの電圧値が下がり終わるまでトランジスタT1をオンし続ける。すると、出力電流Ioの供給量が過大となり、出力電圧Vo1がオーバーシュートするため、その後は出力電流Ioの供給量を下げるように動作する。しかし、このとき、オーバーシュートした出力電圧Vo1に基づいて出力電流Ioの供給量を制御するため、出力電流Ioの供給量が過小になってしまう。このような動作が繰り返されることにより、図9に示したようなリンギングが出力電圧Voに生じることになる。このように、従来のDC−DCコンバータ4では、コイル電流ILよりも90度位相が遅れている出力電圧Vo1のみをフィードバックしてメイン側のトランジスタをスイッチング制御しているために、負荷急変時に出力電圧Voにリンギングが生じてしまう。
これに対し、DC−DCコンバータ1では、出力電圧Voに応じた帰還電圧VFBと比較される参照電圧VR1をコイル電流ILのリップル成分に対応して変動させるようにした。これにより、DC−DCコンバータ1では、図7の時刻t4〜t5に示すように、負荷急増に伴って出力電圧Voが急激に低下するときに、その出力電圧Voの低下時であってもトランジスタT1のオフ期間Toffが確保される(トランジスタT1がオフされる)。このため、出力電流Ioの供給量が過大となることが抑制され、出力電圧Voのオーバーシュートの発生が抑制される。これにより、DC−DCコンバータ1では、負荷急変時に出力電圧Voにリンギングが発生することが抑制される。なお、図7に示したシミュレーション結果では、出力電圧Voの急激な低下が終了した後(時刻t5参照)、出力電圧Voが目標電圧に近づくようにその出力電圧Voの電圧値が徐々に上昇する。
ところで、上述したように、DC−DCコンバータ1は、コイル電流ILのリップル成分に応じて変動する参照電圧VR1を生成することで、負荷急変時に擬似的に電流モード制御で動作する。但し、DC−DCコンバータ1の参照電圧生成回路20では、参照電圧VR1の平均値(中心値)が基準電圧VR0と一致するように誤差増幅回路21でフィードバック制御しており、この点が上記電流モード制御と異なる。詳述すると、電流モード制御の場合には、出力電流の増加に伴って、誤差増幅回路の出力は出力電流の直流成分の分だけその動作点が移行する。これに対し、DC−DCコンバータ1の参照電圧生成回路20では、常に参照電圧VR1の平均値が基準電圧VR0に近づくように動作するため、コイル電流ILの交流成分(変動成分)のみを擬似的に再現して参照電圧VR1を生成していると言える。このようなDC−DCコンバータ1では、入力電圧Viの電圧値や出力電流Ioの電流値に関わらず、参照電圧VR1の平均値が基準電圧VR0(一定電圧)に維持され、出力電圧Voが基準電圧VR0に基づく目標電圧(一定電圧)に維持される。
以上説明したように、本実施形態によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)コイル電流ILの変化の割合に基づき変化する参照電圧VR1を生成し、その参照電圧VR1と帰還電圧VFBとの比較結果に応じたタイミングでトランジスタT1をスイッチングするようにした。これにより、負荷急変時に擬似的に電流モード制御で動作させることができ、最大で90度の位相余裕を確保することができる。したがって、負荷急変時に出力電圧Voにリンギングが発生することを好適に抑制することができる。
(2)参照電圧VR1の平均値が基準電圧VR0に等しくなるように参照電圧VR1を生成するようにした。これにより、入力電圧Viの電圧値や出力電流Ioの電流値に関わらず、出力電圧Voを基準電圧VR0に基づく目標電圧(一定電圧)に維持することができる。すなわち、入力電圧Viや出力電流Ioが変動しても、参照電圧VR1を横切る時の出力電圧Voの電圧値が変動することを抑制できる。この結果、出力電圧Voの安定化を図ることができる。
(3)コイル電流ILの変化の割合に基づき変化する参照電圧VR1を生成することによって、等価直列抵抗ESRが小さい場合であっても十分な位相余裕を確保することができる。このため、コンデンサC1として、等価直列抵抗ESRの小さいセラミックコンデンサを用いることができる。これにより、DC−DCコンバータ1の小型化及び低コスト化を図ることができる。
(第2実施形態)
以下、第2実施形態について、図10〜図13に従って説明する。この実施形態のDC−DCコンバータ1aでは、参照電圧VR2を生成する参照電圧生成回路20aの内部構成、及び参照電圧VR2を入力する比較器11の構成が上記第1実施形態と異なっている。以下、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
図10に示すように、制御回路3a内の参照電圧生成回路20aには、入力電圧Viと、基準電源E1にて生成される基準電圧VR0と、RS−FF回路30の出力端子Qから出力される出力信号SG1とが入力される。この参照電圧生成回路20aは、基準電圧VR0に応じて生成される第1電流と、入力電圧Viに比例した第2電流との差分電流に応じて、コイル電流ILの変化の割合に基づき電圧値が変化する参照電圧VR2を生成する。例えば参照電圧生成回路20aは、第1電流と第2電流との差分電流に応じて、上記コイル電流ILと同相の関係で電圧値が変動する参照電圧VR2を生成する。また、参照電圧生成回路20aは、参照電圧VR2の平均値が基準電圧VR0と一致するように参照電圧VR2を生成する。
比較器11は、4つの入力端子、具体的には2つの反転入力端子と2つの非反転入力端子とを有している。比較器11の一方の反転入力端子には、出力電圧Voに応じた帰還電圧VFBが入力され、比較器11の他方の反転入力端子には、上記参照電圧VR2が入力される。また、比較器11の2つの非反転入力端子にはそれぞれ基準電圧VR0が入力される。
比較器11は、帰還電圧VFBと参照電圧VR2と2つの基準電圧VR0との比較結果に応じた出力信号S1aを生成する。具体的には、比較器11は、帰還電圧VFBと参照電圧VR2とを加算した結果が、2つの基準電圧VR0を加算した結果よりも高いときにLレベルの出力信号S1aを生成する。また、比較器11は、帰還電圧VFBと参照電圧VR2とを加算した結果が、2つの基準電圧VR0を加算した結果よりも低いときにHレベルの出力信号S1aを生成する。なお、この出力信号S1aは、上記第1実施形態の出力信号S1と同じタイミングで信号レベルが遷移する信号である。
次に、参照電圧生成回路20aの内部構成の一例を説明する。
図11に示すように、参照電圧生成回路20aは、誤差増幅回路21aと、gmアンプ22aと、抵抗R20a,R21aと、コンデンサC20a,C21aと、スイッチ素子SW20aと、電流源23aとを有している。
誤差増幅回路21aの非反転入力端子には基準電圧VR0が供給される。この誤差増幅回路21aの出力端子は、抵抗R20aの第1端子とgmアンプ22aの入力端子に接続されている。抵抗R20aの第2端子がコンデンサC20aの第1端子に接続され、そのコンデンサC20aの第2端子が誤差増幅回路21aの反転入力端子に接続されている。
gmアンプ22aの出力端子が抵抗R21aの第1端子に接続され、その抵抗R21aの第2端子が誤差増幅回路21aの反転入力端子とコンデンサC20aの第2端子に接続されている。なお、抵抗R20a,R21a及びコンデンサC20aはローパスフィルタとして機能する。
上記gmアンプ22aの出力端子はスイッチ素子SW20aの第1端子に接続されている。このgmアンプ22aは、誤差増幅回路21aの出力電圧VN20a(ノードN20aの電圧)を電流に変換し、出力電圧VN20aに応じたアンプ電流I20aを生成する。例えばgmアンプ22aは、そのgmアンプ22aとスイッチ素子SW20aとの間のノードN21aから上記アンプ電流I20aを吸い込む。
上記スイッチ素子SW20aの第2端子は電流源23aの第1端子に接続され、その電流源23aの第2端子にはバイアス電圧VBが供給される。スイッチ素子SW20aは、例えばNチャネルMOSトランジスタである。また、電流源23aは、入力電圧Viに比例した電流I21a(=α×Vi)を流す。例えば電流源23aは、上記ノードN21aに電流I21aを吐き出す。
gmアンプ22aとスイッチ素子SW20aとの間のノードN21aはコンデンサC21aの第1端子に接続され、そのコンデンサC21aの第2端子はグランドに接続されている。このコンデンサC21aには、アンプ電流I20aと電流I21aとに応じた電流I22aが流れる。そして、コンデンサC21aの第1端子(ノードN21a)の電圧(コンデンサC21aの充電電圧)が上記参照電圧VR2として出力される。
上記スイッチ素子SW20aの制御端子には、上記RS−FF回路30(図1参照)から出力される出力信号SG1が供給される。このスイッチ素子SW20aは、出力信号SG1がLレベルであるとき(メイン側のトランジスタT1がオフするとき)にオフする。このようにスイッチ素子SW20aがオフすると、電流源23aがノードN21aから切り離される。このため、コンデンサC21aは、アンプ電流I20a(電流I22a)により放電される。この結果、図11(b)に示すように、出力信号SG1がLレベルの期間(トランジスタT1のオフ期間Toff)では、参照電圧VR2が時間の経過とともに所定の傾きで低下する。具体的には、オフ期間Toffにおける参照電圧VR2の傾きm5は、コンデンサC21aの容量値をC21aとすると、
となる。
一方、図11(a)に示したスイッチ素子SW20aは、出力信号SG1がHレベルであるとき(トランジスタT1がオンするとき)にオンする。このようにスイッチ素子SW20aがオンすると、電流源23aがスイッチ素子SW20aを介してノードN21aに接続される。このため、コンデンサC21aには、アンプ電流I20aと電流I21aとに応じた電流I22aが流れる。具体的には、コンデンサC21aには、アンプ電流I20aと電流I21aとの差分電流となる電流I22a(=I21a−I20a)が流れる。これにより、コンデンサC21aは、電流I22a(アンプ電流I20aと電流I21aとの差分電流)により充電される。この結果、図11(b)に示すように、出力信号SG1がHレベルの期間(トランジスタT1のオン期間Ton)では、参照電圧VR2が時間の経過とともに所定の傾きで上昇する。具体的には、オン期間Tonにおける参照電圧VR2の傾きm6は、
となる。
このような図11(a)に示した参照電圧生成回路20aでは、Hレベルの出力信号SG1に応答してスイッチ素子SW20aがオンされると、コンデンサC21aは、入力電圧Viに比例した電流I21a(=α×Vi)とgmアンプ22aのアンプ電流I20aとの差分電流によって充電される。ここで、トランジスタT1のオン・オフを決定する出力信号SG1によってスイッチ素子SW20aがオン・オフ制御され、且つ電流I21aによってコンデンサC21aに電荷が蓄積されるため、コンデンサC21aに充電される電流の平均値Ibは、
となる。
また、抵抗R20a,R21a及びコンデンサC20aを含むローパスフィルタは、コンデンサC21aの充電電圧である参照電圧VR2を累積平均化する。すなわち、誤差増幅回路21aの反転入力端子には、参照電圧VR2の平均値が供給される。この誤差増幅回路21aは、参照電圧VR2の平均値が基準電圧VR0と等しくなるように出力電圧VN20aを変更する。そして、その出力電圧VN20aに応じたアンプ電流I20aがgmアンプ22aで生成され、そのアンプ電流I20aがコンデンサC21aを放電するために流れる。すなわち、誤差増幅回路21a及びgmアンプ22a等によるフィードバック制御によって、コンデンサC21aに充電される電流の平均値Ibと等しくなるように上記アンプ電流I20aが生成される。このため、アンプ電流I20aは、
と表わすことができる。さらに、上記式13より、トランジスタT1のオンデューティDを入力電圧Viと出力電圧Voとの比に置き換えると、アンプ電流I20aは、
となる。
上記式24、式25及び式28から、トランジスタT1のオフ期間Toffにおける参照電圧VR2の傾きm5及びオン期間Tonにおける参照電圧VR2の傾きm6は、
と表わすことができる。すなわち、オフ期間Toffにおける参照電圧VR2は、出力電圧Voに比例して低下し、オン期間Tonにおける参照電圧VR2は、入力電圧Viと出力電圧Voとの電位差に比例して上昇する。
以上のことから、参照電圧VR2は、コイル電流ILと同相の電圧信号と言える。具体的には、参照電圧VR2は、コイル電流ILと同相の三角波を持つ電圧信号と言える。より具体的には、参照電圧VR2は、コイル電流ILのリップル成分(変動成分)と同一の方向に、リップル成分の変化の割合に基づき変動する電圧信号と言える。詳述すると、図2及び図11(b)に示すように、オフ期間Toffでは、コイル電流ILが出力電圧Voに比例した傾きm2で減少する一方で、参照電圧VR2が出力電圧Voに比例した傾きm5で低下する。また、オン期間Tonでは、コイル電流ILが入力電圧Viと出力電圧Voとの電位差に比例した傾きm1で増加する一方で、参照電圧VR2が入力電圧Viと出力電圧Voとの電位差に比例した傾きm6で上昇する。このように、参照電圧VR2とコイル電流ILとは、周期(周波数)が同一の信号であって、互いの位相が一致した信号である。
そして、上述した誤差増幅回路21a及びgmアンプ22a等によるフィードバック制御によって、参照電圧VR2は、その平均値が基準電圧VR0と等しくなるように制御されている。
次に、上記gmアンプ22aの内部構成の一例を説明する。
図12に示すように、gmアンプ22aは、NチャネルMOSトランジスタT20と、抵抗R22とを有している。すなわち、gmアンプ22aは、上記第1実施形態のgmアンプ22からトランジスタT21,T22が省略された構成を有している。
トランジスタT20のゲートには、ノードN20aが接続されており、誤差増幅回路21aの出力電圧VN20aが供給される。トランジスタT20のソースは抵抗R22の第1端子に接続され、その抵抗R22の第2端子はグランドに接続されている。また、トランジスタT20のドレインは上記ノードN21aに接続されている。このトランジスタT20は、出力電圧VN20aによってオン・オフ制御されるとともに、出力電圧VN20aによってオン抵抗が制御される。このトランジスタT20には、出力電圧VN20aに比例した上記アンプ電流I20aが流れる。すなわち、トランジスタT20は、ノードN21aからアンプ電流I20aを吸い込む。
次に、上記電流源23aの内部構成の一例を説明する。
図13に示すように、電流源23aは、抵抗R23,R24,R25と、オペアンプ24と、NチャネルMOSトランジスタT23と、PチャネルMOSトランジスタT24,T25とを有している。すなわち、電流源23aは、上記第1実施形態の電流源23からトランジスタT26,T27が省略された構成を有している。
オペアンプ24の非反転入力端子には、入力電圧Viが抵抗R23,R24により分圧されて生成された電圧VN22が供給される。オペアンプ24の出力端子は、トランジスタT23のゲートに接続されている。このトランジスタT23のソースが抵抗R25の第1端子及びオペアンプ24の反転入力端子に接続されている。抵抗R25の両端子間には、この抵抗R25の抵抗値と、両端子間の電位差(電圧VN22)とに応じた電流I25が流れる。
トランジスタT24とトランジスタT25とはカレントミラー接続されている。トランジスタT25のドレインは上記ノードN21aに接続されている。これらトランジスタT24,T25を含むカレントミラー回路は、両トランジスタT24,T25の電気的特性に応じて、トランジスタT24に流れる電流I25に比例した上記電流I21aをトランジスタT25に流す。すなわち、トランジスタT25は、ノードN21aに電流I21aを吐き出す。この電流I21aは、トランジスタT24,T25を含むカレントミラー回路のミラー比をM1とすると、上記式19より、
と表わすことができる。したがって、電流I21aの比例係数αは、
となる。この式32、上記式17及び上記式18より、抵抗R23〜R25の抵抗値、ミラー比M1、及び図11に示したコンデンサC21aの容量値を適宜調整することにより、参照電圧VR2のスロープ量及び負帰還ループの利得Gainを調整できることが分かる。
以上説明した本実施形態によれば、上記第1実施形態と同様の効果を奏する。
(他の実施形態)
なお、上記各実施形態は、これを適宜変更した以下の態様にて実施することもできる。
・上記各実施形態の参照電圧生成回路20,20aでは、参照電圧VR1,VR2の平均値が基準電圧VR0と等しくなるように参照電圧VR1,VR2を生成するようにした。これに限らず、例えばコイル電流ILの変化の割合に基づき基準電圧VR0を変化させて参照電圧VR1,VR2を生成するようにしてもよい。すなわち、コイル電流ILのリップル成分に対応するリップルを基準電圧VR0に付加して参照電圧VR1,VR2を生成するようにしてもよい。
・上記各実施形態では、コイル電流ILの変化の割合に基づき基準電圧VR0を変化させて参照電圧VR1,VR2を生成するようにした。これに限らず、例えばコイル電流ILの変化の割合に基づき帰還電圧VFB(第2帰還電圧)を変化させて第1帰還電圧を生成するようにしてもよい。すなわち、コイル電流ILのリップル成分に対応するリップルを帰還電圧VFB(第2帰還電圧)に付加して第1帰還電圧を生成するようにしてもよい。具体的には、上記帰還電圧VFBに応じて生成される電流(第3電流)と、入力電圧Viに比例した電流(第4電流)との差分電流に応じて、コイル電流ILのリップル成分に対応するリップルを帰還電圧VFBに付加して第1帰還電圧を生成するようにしてもよい。さらに、この場合には、上記各実施形態と同様に、第1帰還電圧の平均値が帰還電圧VFBと等しくなるように第1帰還電圧を生成することが好ましい。なお、この場合には、上記第1帰還電圧を生成する回路が帰還電圧生成回路となる。
・上記各実施形態及び上記変形例では、出力電圧Voを抵抗R1,R2で分圧した分圧電圧を帰還電圧VFBとした。これに限らず、例えば出力電圧Voそのものを帰還電圧VFB(第2帰還電圧)としてもよい。
・上記各実施形態では、参照電圧生成回路20,20aのスイッチ素子SW20,SW20aの制御端子に出力信号SG1を供給するようにしたが、メイン側のトランジスタT1のオン期間及びオフ期間に対応する信号であれば特に制限されない。例えば出力信号SG2や制御信号DH,DLをスイッチ素子SW20,SW20aの制御端子に供給するようにしてもよいし、トランジスタT1,T2間のノードLXの電圧をスイッチ素子SW20,SW20aの制御端子に供給するようにしてもよい。
・上記各実施形態では、タイマ回路40を、出力信号S1の立ち上がりタイミングから、入力電圧Viと出力電圧Voに依存した時間経過後にHレベルとなる出力信号S2を出力するように構成した。このタイマ回路40の構成を適宜変更してもよい。例えば、タイマ回路40を固定された時間経過後にHレベルとなる出力信号S2を出力するように構成してもよい。また、タイマ回路40を、入力電圧Viのみ(もしくは出力電圧Voのみ)に依存した時間経過後にHレベルとなる出力信号S2を出力するように構成してもよい。
・あるいは、RS−FF回路30及びタイマ回路40に代えて1ショットフリップフロップ回路を設けるようにしてもよい。
・上記各実施形態では、スイッチ回路の一例としてPチャネルMOSトランジスタT1を開示したが、NチャネルMOSトランジスタを用いてもよい。また、スイッチ回路としてバイポーラトランジスタを用いてもよい。あるいは、複数のトランジスタを含むスイッチ回路を用いてもよい。
・上記各実施形態における基準電圧VR0を制御回路3,3aの外部で生成するようにしてもよい。すなわち、基準電源E1を制御回路3,3aの外部に設けるようにしてもよい。
・上記各実施形態における帰還電圧VFBを制御回路3,3aの外部で生成するようにしてもよい。すなわち、抵抗R1,R2を制御回路3,3aの外部に設けるようにしてもよい。
・上記各実施形態におけるトランジスタT1,T2を制御回路3,3aに含めるようにしてもよい。また、コンバータ部2を制御回路3,3aに含めるようにしてもよい。
・上記各実施形態では、同期整流方式のDC−DCコンバータに具体化したが、非同期整流方式のDC−DCコンバータに具体化してもよい。
・上記各実施形態では、帰還電圧VFBと参照電圧VR1とを比較し、その比較結果に応じてメイン側のトランジスタT1のオンタイミングを設定するDC−DCコンバータに具体化した。これに限らず、例えば帰還電圧VFBと参照電圧VR1とを比較し、その比較結果に応じてメイン側のトランジスタT1のオフタイミングを設定するDC−DCコンバータに具体化してもよい。
・図14に、上記DC−DCコンバータ1(又はDC−DCコンバータ1a)を備える電子機器100の一例を示す。電子機器100は、本体部110と、本体部110に電力を供給する電源部130とを有している。
まず、本体部110の内部構成例を説明する。
プログラムを実行する中央処理装置(CPU)111には、そのCPU111で実行されるプログラム又はCPU111が処理するデータを記憶するメモリ112が接続されている。また、CPU111には、インタフェース(I/F)113を介してキーボード114A及びポインティングデバイス114Bが接続されている。ポインティングデバイス114Bは、例えばマウス、トラックボール、タッチパネルや静電センサを有するフラットデバイス等である。
また、CPU111には、インタフェース115を介してディスプレイ116が接続され、インタフェース117を介して通信部118が接続されている。ディスプレイ116は、例えば液晶ディスプレイやエレクトロルミネッセンスパネル等である。通信部118は、例えばローカルエリアネットワークボード等である。
また、CPU111には、インタフェース119を介して外部記憶装置120が接続され、インタフェース121を介して着脱可能記録媒体アクセス装置122が接続されている。外部記憶装置120は、例えばハードディスクである。アクセス装置122がアクセスする着脱可能な記録媒体としては、例えばCD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disk)、フラッシュメモリカード等が挙げられる。
次に、電源部130の内部構成例を説明する。
DC−DCコンバータ1と交流アダプタ131は、スイッチSWを介して上記本体部110に接続されている。これらDC−DCコンバータ1及び交流アダプタ131のいずれか一方から電力が本体部110に供給される。DC−DCコンバータ1は、図14の例では、例えば電池132からの入力電圧Viを出力電圧Voに変換し、その出力電圧Voを本体部110に供給する。
このような電子機器としては、ノート型のパーソナルコンピュータ、携帯電話等の通信機器、携帯情報端末(PDA)等の情報処理装置、デジタルカメラやビデオカメラ等の映像機器、テレビジョン装置等の受信機などが挙げられる。