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JP2014089162A5 - - Google Patents

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PDピクセルの特性としてダーク(暗)ノイズがある。暗ノイズは、主に熱励起による電子が雪崩増幅して信号となることで発生すると考えられている。APDのガイガーモード動作時、ノイズ成分も増倍される。APDピクセル数が増えると暗ノイズも増える。暗ノイズの誘因として、不純物による中間準位などが考えられている。検査装置に適用する場合も、暗ノイズのレベルを抑えることが求められる。
上記に加え、検査装置の光検出手段として特にAPDアレイを用いる場合、以下のような課題が生じる。レーザ光源からのパルス発振によるレーザ光のビームを試料であるウェハの表面に照射し、検出対象である異物などからの散乱光の発光をAPDピクセルに入射して計測する。その際、ウェハ表面からの反射光や装置内部に存在する迷光などの影響で、上記散乱光の発光時以外にAPDピクセルに光が入射されると、APDピクセルに蓄積された電荷が増倍されて望ましくない信号として出力される場合が確率的に生じる。即ち、前述のAPDの挙動及び暗ノイズの影響により、検出信号の精度の劣化につながる。前記特許文献2の手段では、パルス発振するレーザ光が入射された際に、上記反射光や迷光の影響で、それまでにAPDピクセルへの電荷蓄積が完了していない場合、検出信号の精度が劣化する。
上記のように、従来技術では、検査装置の光検出手段(光検出素子)に関して、(1)検査装置ないし光検出素子の暗ノイズの影響による検出精度の低下、(2)レーザ光源のパルス発振の影響による検出精度の低下、(3)電荷蓄積を用いるAPDアレイ等の光検出素子における反射光や迷光などの影響による検出精度の低下、といった課題がある。
本発明の基本的な実施の形態の検査装置及び検査方法の構成を示す図である。 本発明の実施の形態1の検査装置の構成を示す図である。 (A),(B)は、実施の形態1の検査装置のセンサの回路構成及び動作例を示す図である。 実施の形態1のセンサであるAPDアレイの等価回路の構成を示す図である。 本発明の実施の形態2の検査装置のセンサの回路構成を示す図である。 本発明の実施の形態3の検査装置の構成を示す図である。 (A),(B)は、実施の形態3の検査装置のセンサの回路構成及び動作例を示す図である。 実施の形態の補足としてパルス信号について示す図である。
本実施の形態の検査装置及び検査方法では、APD等の光検出素子への電荷蓄積を制御する手段として以下を設ける。即ちこの手段として、レーザ光源(照射部)からのパルス発振によるビームに合わせて、光検出素子(検出部)の動作・入出力を動的にON/OFF制御する信号(以下「ゲート信号」と称する)、言い換えれば光検出素子のゲインないし増倍率を少なくとも大小の2値で切り替え制御する信号、を発生及び制御する手段(図1の検出制御部104、図2のゲート信号生成部25などが対応する)を設ける。
<基本構成>
図1は、本発明の基本的な実施の形態の検査装置100及び検査方法の構成を示す。本検査装置100は、図示のように、照射部101、検出部102、サンプリング部103、検出制御部104、第1同期部105、及び第2同期部106を有する。照射部101は、レーザ光源を含む構成であり、試料であるウェハに対して、パルス発振によるビームを照射する。検出部102は、照射部101のビームによる試料であるウェハ1からの散乱光などを含む光を入射し、光検出素子の特性に応じて、検出信号Sとして検出・出力する。検出部102は、例えばAPDなどの光検出素子を含んで構成される。サンプリング部103は、検出部102からの検出信号Sを入力し、アナログ・デジタル変換によりサンプリング(量子化)し、当該サンプリング情報を計測・検査の情報として記憶または出力する。
また本実施の形態の検査装置100では、クロック検出部20で生成されたクロック信号を遅延調整した信号(C1´)に基づいて、ゲート信号生成部25では、ゲート信号(前記G)を生成し、当該ゲート信号(G)に基づいてセンサ6を前述同様に制御する。センサ6は前述同様にAPDを含んで構成される光検出素子であり、試料であるウェハ1からの散乱光を含む光を、レンズ5を介して入射し、所定の特性に従い、検出信号(前記S)を生成・出力する。センサ6が出力する検出信号(S)は、増幅回路7で増幅され、ADC8でサンプリングされる。ADC8でのサンプリングのタイミングは、上記信号(C1´)に従う。
図3(A)で、センサ6は、図示するように、光検出素子であるAPDアレイ32、バイアス電圧生成回路31、検出抵抗33、差動増幅回路34、及びドライバ回路35が接続された構成である。また40は前述のゲート信号G、41は検出信号S、42はAPDアレイ32に印加するためのゲイン制御信号(GCとする)を示す。なおAPDアレイ32の構成を図4に示す。
センサ6では、APDアレイ32に対して、バイアス生成回路31でバイアス電圧を生成・印加すると共に、ドライバ回路35でゲート信号Gに応じたゲイン制御信号(GC)42を、検出抵抗33を介して印加する。ゲイン制御信号(GC)42は、VH(ハイ電圧)またはVL(ロー電圧)となる電圧信号である。これにより、バイアス電圧とゲイン制御信号(GC)42との差分に相当する電圧が、APDアレイ32の両端に印加される。更に、APDアレイ32の出力電流を検出抵抗33で電圧に変換し、差動増幅回路34で検出抵抗33の両端の電圧を差動増幅して、検出信号(S)41として出力する。
ここで、同一光量入射によるAPDアレイ32の増倍電流出力は、APDアレイ32への印加電圧で大きく変動する。そのため、APDアレイ32の増倍率を低くする電圧をバイアス電圧とVHとの差電圧で生成し、APDアレイ32の増倍率を高くする電圧をバイアス電圧とVLとの差電圧で生成する。これにより、APDアレイ32は、ドライバ回路35が出力するゲイン制御信号(GC)42によって出力電流を制御する。
上記APDアレイ32の出力電流は、APDアレイ32内部に蓄積された電荷であり、増倍率が低い場合に、(APDアレイ32に対する)光入射があっても、蓄積された電荷の出力が抑制される。即ち、ゲート信号(G)40によりAPDアレイ32の動作状態を制御することが可能となる。ゲート信号(G)40のON/OFFのパルスに基づき、ゲイン制御信号(GC)42が、VHの場合には、検出信号(S)41の出力を停止する。またVLの場合には、検出信号(S)41は、(APDアレイ32に対する)光入射に応じた検出電圧が出力される。即ち、図3(B)にも示すように、光検出素子であるAPDアレイ32をゲート信号(G)40により動的にオン/オフ制御することが可能となる。ゲート信号GがON(VL)の時は検出信号Sの電圧が出力され、OFF(VH)の時は検出信号Sが出力されない(遮断される)。
APDアレイ
図4は、APDアレイ32の等価回路の概略構成を示す。1つのAPDアレイ32は、複数のAPD32aのアレイを含んで成る。各APD32aはガイガーモードで動作させる。各APD32aには、前述(背景技術)のように光子の入射に応じた電圧降下による信号(パルス)を取り出すための抵抗32b(ないし回復時間を早めるためのクエンチング抵抗)が接続されている(検出抵抗33に相当)。上側の端子のVrは逆バイアス電圧を示す。逆バイアス電圧Vrは、APD32aの降伏電圧よりも大きい電圧である。光(光子)が入射されたAPDピクセルから、蓄積された電荷を電流として出力する。各APD32aからの信号(パルス)の総和がAPDアレイ32の出力信号(検出信号S)となる。
上述した実施の形態1の検査装置100によれば、レーザ光源2からのパルス発振に同期させてセンサ6での光検出、及びADC8でのサンプリング等を行う機能を有するので、APDアレイ32を含むセンサ6に関して、(1)暗ノイズの影響、及び(2)レーザ光源のパルス発振の影響を低減すると共に、(3)反射光や迷光の影響による検出精度の劣化に対処して、検出精度を向上することができる。
図5は、実施の形態2におけるセンサ6(6Bとする)の構成を示す。図5のセンサ6Bは、図示のように、バイアス電圧生成回路31、ドライバ回路35、レベルシフト回路38、APDアレイ32、検出抵抗33、コンデンサ36、増幅回路37等により構成される。
センサ6Bでは、バイアス電圧生成回路31において、APDアレイ32の増倍率が低くなるバイアス電圧VLと増倍率が高くなるバイアス電圧VHとを生成し、これらをドライバ回路35を介してAPDアレイ32に印加する。またドライバ回路35は、レベルシフト回路38を介して入力されたゲート信号(G)40に基づいて、上記APDアレイ32に印加されるバイアス電圧をVHまたはVLに切り替える。
またAPDアレイ32の出力電流は、一方が基準電位に固定された検出抵抗33を介して検出電圧に変換され、コンデンサ36、及び増幅回路37を介して、検出信号(S)41として出力される。
図7(A),(B)は、実施の形態3の検査装置100Cにおけるセンサ6(6Cとする)の構成及び動作の例である。センサ6Cは、図示するように、APDアレイ32、バイアス電圧生成回路31、検出抵抗33、ドライバ回路35、コンデンサ36、及び増幅回路37が接続された構成である。センサ6Cでは、APDアレイ32に対して、バイアス電圧生成回路31でバイアス電圧を生成・印加すると共に、ドライバ回路35でゲート信号(G)44に応じたゲイン制御信号(GC)(VHまたはVLとなる電圧)45を、検出抵抗33を介して印加する。ゲイン制御信号(GC)45が出力するVHまたはVLについては実施の形態1のゲイン制御信号(GC)42と同様である。更に、APDアレイ32の出力電流を検出抵抗33で電圧に変換し、コンデンサ36と増幅回路37を介して、検出信号43(S)として出力する。
<パルス信号>
図8は、上記実施の形態の補足として各パルス信号について概略的なイメージを示す。(a)はレーザ光源2からのパルス発振によるビームのパルスを示す。(b)はクロック検出部20による再生信号(クロック信号C1)のパルスを示す。(c)はゲート信号Gを示す。ON時は増倍率が大となり、OFF時は増倍率が小となる。(d)はセンサ6(APDアレイ32)の検出信号S(波形は例)を示す。なお検出信号Sとして電荷蓄積の波形で示しているが、カウント値(総数)の出力信号とは別である。
<光検出素子>
なお上述の形態では、光検出素子(センサ6)としてAPDアレイを用いた場合を説明したが、これに限らず、フォト・ダイオード、単一のAPD、光電子増倍管(PMT)、等を用いてもよい。その場合にも、上述の形態と同様に、ゲート信号生成部25等を用いて、それらの光検出素子に対して動作電圧を動的に制御することにより、光検出素子の動的なオン/オフ制御が実現でき、光検出の精度を高めることができる。
APDアレイのような半導体光検出素子の出力・増倍率は、APDピクセルに対するバイアス電圧に大きく依存し、従来の対策例(例えば前記特許文献2)では、高精度(正確)にバイアス電圧を設定するための手段(例えばDAC)の具備が必要であった。一方、本実施の形態によれば、照射部101に同期させて検出部102の入出力の動作をゲート信号により動的に制御する手段(検出制御部104)を設けた構成(図1)である。特にバイアス電圧をゲート信号Gによりパルス制御(ON/OFF制御)する構成である。これにより高い光検出精度を実現できる。
<効果等>
以上説明したように、各実施の形態の検査装置100によれば、レーザ光源2からのパルス発振に同期させてセンサ6での光検出、及びADC8でのサンプリング等を行う機能成を有するので、APDアレイ32などの光検出素子を含むセンサ6に関して、(1)暗ノイズの影響、及び(2)レーザ光源のパルス発振の影響を低減すると共に、(3)反射光や迷光の影響による検出精度の劣化に対処して、検出精度を向上することができる。これにより検査装置100における試料表面の微小な異物・欠陥などを含む状態を高精度に計測・検査することができる。

Claims (10)

  1. 試料の状態の計測ないし検査を行う検査装置であって、
    前記試料の表面に対してレーザ光源からパルス発振によるビームを照射する照射部と、
    前記照射による前記試料の表面からの光を入射して検出信号を生成し出力する検出部と、
    前記照射部のパルス発振のオン/オフのタイミングに同期するための第1のクロック信号を生成する第1同期部と、
    前記第1のクロック信号に基づいて前記検出部の入出力を制御するための第1の信号を生成して前記検出部に印加する検出制御部と、
    前記検出部からの検出信号をサンプリングするサンプリング部と、
    前記検出部に同期するために、前記第1のクロック信号または前記第1の信号に同期させた第2の信号を前記サンプリング部に印加する第2同期部と、を有し、
    前記検出部は、前記第1の信号に基づいてパルス発振がオンの場合に検出信号を生成し出力し、前記サンプリング部は、前記第2の信号に基づいて前記検出信号をサンプリングすること、を特徴とする検査装置。
  2. 請求項記載の検査装置において、
    記サンプリング部からのサンプリングデータを入力して所定のデータ処理を行うデータ処理部を有し、
    前記データ処理部は、前記第1の信号または前記第1のクロック信号の入力に基づいて前記サンプリングデータの有効/無効を判定すること、を特徴とする検査装置。
  3. 請求項1記載の検査装置において、
    前記第1の信号は、前記検出部でのゲインまたは増倍率を切り替えるためのゲート信号であり、
    前記検出部は、前記ゲート信号の値の大きさに応じたゲインまたは増倍率で前記検出信号を生成すること、を特徴とする検査装置。
  4. 請求項1〜のいずれか一項に記載の検査装置において、
    前記検出部は、前記光を入射して検出信号を生成し出力する光検出素子として、APDを含んで構成されること、を特徴とする検査装置。
  5. 請求項1記載の検査装置において、
    前記検出部は、
    前記光を入射する光検出素子と、
    前記光検出素子の一方端に第1の電圧を供給する第1電圧供給部と、
    前記光検出素子の他方端に接続される検出抵抗と、
    前記検出抵抗の他方端に接続され第2の電圧を供給する第2電圧供給部と、を有し、
    前記第1の信号の入力に応じて、前記第1電圧供給部の第1の電圧、または前記第2電圧供給部の第2の電圧の大きさが制御されること、を特徴とする検査装置。
  6. 請求項記載の検査装置において、
    前記検出部は、
    前記検出抵抗に接続される差動増幅素子と、
    前記検出抵抗の他方端に接続されるドライバ回路と、を有し、
    前記差動増幅素子は、前記検出抵抗の端子電圧を増幅して前記検出信号として出力し、
    前記ドライバ回路は、前記第1の信号の入力に基づいてロー電圧またはハイ電圧を切り替えてゲイン制御信号として出力すること、を特徴とする検査装置。
  7. 請求項1記載の検査装置において、
    前記検出部は、
    前記光を入射する光検出素子と、
    前記光検出素子の一方端に接続されるドライバ回路と、
    前記光検出素子の他方端に接続され他方端が基準電位に接続される検出抵抗と、
    前記ドライバ回路にロー電圧及びハイ電圧を供給する電圧供給部と、
    前記ドライバ回路に前記第1の信号の入力に応じた信号を供給するレベルシフト回路と、
    前記光検出素子の他方端に接続される容量素子と、
    前記容量素子に接続され前記検出信号を出力する増幅素子と、を有し、
    前記ドライバ回路は、前記レベルシフト回路からの信号に応じて、前記ロー電圧及びハイ電圧を切り替えてゲイン制御信号として出力すること、を特徴とする検査装置。
  8. 請求項1記載の検査装置において、
    前記検出部は、
    前記光を入射する光検出素子と、
    前記光検出素子の一方端に第1の電圧を供給する第1電圧供給部と、
    前記光検出素子の他方端に接続される検出抵抗と、
    前記光検出素子の他方端に接続される容量素子と、
    前記容量素子に接続され前記検出信号を出力する増幅素子と、
    前記検出抵抗の他方端に接続されるドライバ回路と、を有し、
    前記ドライバ回路は、前記第1の信号の入力に基づいてロー電圧またはハイ電圧を切り替えてゲイン制御信号として出力すること、を特徴とする検査装置。
  9. 請求項1記載の検査装置において、
    前記検出部は、前記試料の表面からの散乱光を入射して検出信号を生成し出力する光検出素子を含んで構成され、
    前記光検出素子からの検出信号を増幅する増幅回路を有し、
    前記検出部からの検出信号をサンプリングするサンプリング部は、前記増幅回路の出力をアナログ・デジタル変換するADCを有し、
    前記ADCからのサンプリングデータを入力して所定の計測ないし検査のデータ処理を行うデータ処理部と、
    全体を制御する制御部と、
    画面で前記データ処理の結果を表示する処理を含むユーザインタフェースを提供する処理を行うユーザインタフェース部と、
    前記試料を載せたステージを制御するステージ制御部と、を有すること、を特徴とする検査装置。
  10. 試料の状態の計測または検査を行う検査装置で行われる検査方法であって、
    前記試料の表面に対してレーザ光源からパルス発振によるビームを照射する照射手順と、
    前記照射による前記試料の表面からの光を入射して検出信号を生成し出力する検出手順と、
    前記照射手順のパルス発振のオン/オフのタイミングに同期するための第1のクロック信号を生成する第1同期手順と、
    前記第1のクロック信号に基づいて前記検出手順の入出力を制御するための第1の信号を生成して印加する検出制御手順と、
    前記検出手順で出力された検出信号をサンプリングするサンプリング手順と、
    前記検出手順に同期するために、前記第1のクロック信号または前記第1の信号に同期させた第2の信号を前記サンプリング手順で印加する第2同期手順と、を有し、
    前記検出手順は、前記第1の信号に基づいてパルス信号がオンの場合に検出信号を生成し出力し、前記サンプリング手順では、前記第2の信号に基づいて前記検出信号をサンプリングすること、を特徴とする検査方法。
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