以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
図1〜図15は本発明による一実施の形態を説明するための図である。このうち、図1は、液晶表示装置および面光源装置の概略構成を示す斜視図であり、図2は面光源装置の作用を説明するための断面図である。図3は、面光源装置および表示装置の観察時における作用を説明するための図である。図4は面光源装置に含まれた導光板を示す斜視図であり、図5は導光板の主切断面において導光板を示す断面図である。図6は面光源装置に含まれたプリズムシートを示す斜視図であり、図7,9,11はプリズムシートの主切断面においてプリズムシートを示す断面図である。図8,10,12は、図1の面光源装置の発光面(最出光側面のうちの有効領域)上の各位置で測定された輝度の角度分布を示すグラフである。
図1に示すように、表示装置10は、液晶表示パネル15と、液晶表示パネル15の背面側に配置され液晶表示パネル15を背面側から面状に照らす面光源装置20と、液晶表示パネル15および面光源装置20を制御する制御装置18と、を備えている。表示装置10は、筐体等によって覆われることなく有効に画像を表示し得る有効画面(有効領域)としての表示面11を有している。液晶表示パネル15は、面光源装置20からの光の透過または遮断を画素毎に制御するシャッターとして機能し、表示面11に像を表示するように構成されている。
図示された液晶表示パネル15は、出光側に配置された上偏光板13と、入光側に配置された下偏光板14と、上偏光板13と下偏光板14との間に配置された液晶セル12と、を有している。偏光板14,13は、入射した光を直交する二つの偏光成分(P波およびS波)に分解し、一方の方向(透過軸と平行な方向)に振動する直線偏光成分(例えば、P波)を透過させ、前記一方の方向に直交する他方の方向(吸収軸と平行な方向)に振動する直線偏光成分(例えば、S波)を吸収する機能を有している。
液晶層12には、一つの画素を形成する領域毎に、電界印加がなされ得るようになっている。そして、電界印加の有無によって液晶層12の配向が変化するようになる。一例として、入光側に配置された下偏光板14を透過した特定方向の偏光成分は、電界印加された液晶層12を通過する際にその偏光方向を90°回転させ、その一方で、電界印加されていない液晶層12を通過する際にその偏光方向を維持する。この場合、液晶層12への電界印加の有無によって、下偏光板14を透過した特定方向に振動する偏光成分が、下偏光板14の出光側に配置された上偏光板13をさらに透過するか、あるいは、上偏光板13で吸収されて遮断されるか、を制御することができる。
このようにして液晶パネル(液晶表示部)15では、面光源装置20からの光の透過または遮断を画素毎に制御し得るようになっている。なお、液晶表示パネル15の詳細については、種々の公知文献(例えば、「フラットパネルディスプレイ大辞典(内田龍男、内池平樹監修)」2001年工業調査会発行)に記載されており、ここではこれ以上の詳細な説明を省略する。
次に、面光源装置20について説明する。面光源装置20は、面状に光を発光する発光面21を有し、本実施の形態では、液晶表示パネル15を背面側から照明する装置として用いられている。なお、ここでいう発光面21とは、筐体等で覆われることなく且つ用途に応じて有効に光が発光され得る面、すなわち、面光源装置20の最出光側面のうちの有効領域のことである。したがって、本実施の形態のように、面光源装置20が液晶表示パネル15を背面側から照明するバックライトとして用いられて表示装置10を構成する場合、発光面21は、面光源装置20の最出光側面のうちの、表示装置10の表示面11をなす領域に直面(正面方向ndに沿って対面)する領域を意味する。
図1に示すように、面光源装置20は、エッジライト型の面光源装置として構成され、導光板30と、導光板30の側方に配置された光源24と、導光板30にそれぞれ対向して配置されたプリズムシート(光学シート)60および反射シート28と、を有している。図示された例では、プリズムシート60が、液晶表示パネル15に直面して配置されている。そして、プリズムシート60の出光面61のうちの表示面11をなす領域に直面する領域によって、発光面21が画成されている。
図示する例において、導光板30の出光面31は、液晶表示装置10の表示面11および面光源装置20の発光面21と同様に、四角形形状に形成されている。この結果、導光板30は、全体的に、一対の主面(出光面31および裏面32)を有する四角形板状の部材として構成されており、一対の主面間に画成される側面は四つの面を含んでいる。同様に、プリズムシート60および反射シート28は、全体的に、四角形板状の部材として構成されている。
導光板30は、液晶表示パネル15側の主面によって構成された出光面31と、出光面31に対向するもう一方の主面からなる裏面32と、出光面31および裏面32の間を延びる側面と、を有している。側面のうちの第1方向に対向する二つの面のうちの一方の側面が、入光面33をなしている。図1に示すように、入光面33に対面して光源24が設けられている。入光面33から導光板30に入射した光は、第1方向(導光方向)に沿って入光面33に対向する反対面34に向け、概ね第1方向(導光方向)に沿って導光板30内を導光されるようになる。図1および図2に示すように、プリズムシート60は、導光板30の出光面31に対面するようにして配置され、反射シート28は、導光板30の裏面32に対面するようにして配置されている。
光源は、例えば、線状の冷陰極管等の蛍光灯や、点状のLED(発光ダイオード)や白熱電球等の種々の態様で構成され得る。本実施の形態において、光源24は、入光面33の長手方向に沿って、並べて配置された多数の点状発光体25、具体的には、多数の発光ダイオード(LED)によって、構成されている。なお、図4には、光源24をなす多数の点状発光体25の配置位置が示されている。制御装置18は、各点状発光体25の出力、すなわち、各点状発光体25の点灯および消灯、及び/又は、各点状発光体25の点灯時の明るさを、他の点状発光体の出力から独立して調節し得るように構成されている。
反射シート28は、導光板30の裏面32から漏れ出した光を反射して、再び導光板30内に入射させるための部材である。反射シート28は、白色の散乱反射シート、金属等の高い反射率を有する材料からなるシート、高い反射率を有する材料からなる薄膜(例えば金属薄膜)を表面層として含んだシート等から、構成され得る。
ところで、本明細書において、「出光側」とは、進行方向を折り返されることなく光源24から導光板30やプリズムシート60等を経て観察者へ向かう光の進行方向における下流側(観察者側、例えば図1における紙面の上側)のことであり、「入光側」とは、進行方向を折り返されることなく光源24の発光体25から導光板およびプリズムシート60等を経て観察者へ向かう光の進行方向における上流側のことである。
また、本明細書において、「シート」、「フィルム」、「板」等の用語は、呼称の違いのみに基づいて、互いから区別されるものではない。したがって、例えば、「シート」はフィルムや板とも呼ばれ得るような部材も含む概念である。
さらに、本明細書において「シート面(板面、フィルム面)」とは、対象となるシート状の部材を全体的かつ大局的に見た場合において対象となるシート状部材の平面方向と一致する面のことを指す。そして、本実施の形態においては、導光板30の板面、導光板30の後述する基部40のシート面(板面)、プリズムシート60のシート面、プリズムシート60の後述する本体部65のシート面、反射シート28のシート面、液晶表示パネルのパネル面、表示装置10の表示面11、および、面光源装置20の発光面21は、互いに平行となっている。さらに、本明細書において「正面方向」とは、面光源装置20の発光面21への法線方向であり、本実施の形態においては、導光板30の板面への法線方向、プリズムシート60のシート面への法線方向、表示装置10の表示面11への法線方向等にも一致する(例えば、図2参照)。
次に、図2、図4および図5を主に参照して、導光板30についてさらに詳述する。図2、図4および図5によく示されているように、導光板30は、板状に形成された基部40と、基部40の一側の面(観察者側を向く面、出光側面)41上に形成された複数の単位光学要素50と、を有している。基部40は、一対の平行な主面を有する平板状の部材として構成されている。そして、反射シート28に対面している側に位置する基部40の他側の面42によって、導光板30の裏面32が構成されている。
なお、本明細書における「単位プリズム」、「単位形状要素」、「単位光学要素」および「単位レンズ」とは、屈折や反射等の光学的作用を光に及ぼして、当該光の進行方向を変化させる機能を有した要素のことを指し、呼称の違いのみに基づいて、互いから区別されるものではない。
図1および図2に示されているように、基部40は、樹脂からなる主部44と、主部44中に分散された拡散成分45と、を有している。ここでいう拡散成分45とは、基部40内を進む光に対し、反射や屈折等によって、当該光の進路方向を変化させる作用を及ぼし得る成分のことである。このような拡散成分45の光拡散機能(光散乱機能)は、例えば、主部44をなす材料とは異なる屈折率を有した材料から拡散成分45を構成することにより、あるいは、光に対して反射作用を及ぼし得る材料から拡散成分45を構成することにより、付与され得る。主部44をなす材料とは異なる屈折率を有する拡散成分45として、金属化合物、気体を含有した多孔質物質、さらには、単なる気泡が例示される。なお、図1および図2以外の図においては、拡散成分45を省略している。
次に、基部40の一側の面41上に設けられた単位光学要素50について説明する。図4によく示されているように、複数の単位光学要素50は、第1方向に交差し且つ基部40の一側の面41と平行な配列方向に並べられて、基部40の一側の面41上に、配列されている。各単位光学要素50は、基部40の一側の面41上を、その配列方向と交差する方向に線状に延びている。
とりわけ本実施の形態において、複数の単位光学要素50は、基部40の一側の面41上に、第1方向と直交する第2方向(配列方向)に隙間無く並べて配列されている。したがって、導光板30の出光面31は、単位光学要素50の表面によってなされる傾斜面37,38として、構成されている。また、各単位光学要素50は、配列方向と直交する第1方向に沿って、直線状に延びている。さらに、各単位光学要素50は、柱状に形成され、その長手方向に沿って同一の断面形状を有するようになっている。また、本実施の形態において、複数の単位光学要素50は、互いに同一に構成されている。この結果、本実施の形態における導光板30は、第1方向に沿った各位置において、一定の断面形状を有するようになっている。
図5に示す断面、つまり、単位光学要素50の配列方向(第2方向)および基部40の一側の面41(導光板30の板面)への法線方向ndの両方向に平行な断面(以下においては、単に、「導光板の主切断面(導光板に関する主切断面)」とも呼ぶ)において、各単位光学要素50は、基部40の一側の面41上に一辺が位置する三角形形状、又は、この三角形形状の基部40から突出した頂角が面取りされてなる形状を有している。図示する例において、各単位光学要素50の主切断面における断面形状は、基部40から突出する三角形の頂角56を面取りした形状となっている(図5参照)。
また、図5に示す例においては、正面方向輝度を効果的に上昇させること、および、第2方向に沿った面内での輝度の角度分布に対称性を付与することを目的として、導光板の主切断面における単位光学要素50の断面形状は、正面方向ndを中心として、対称性を有している。したがって、主切断面における断面三角形形状の二つの底角θa1,θa2(図5参照)は互いに等しい角度となっている。
なお、本件明細書における「三角形形状」とは、厳密な意味での三角形形状のみでなく、製造技術における限界や成型時の誤差等を含む略三角形形状を含む。また同様に、本明細書において用いる、その他の形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば、「平行」、「直交」等の用語も、厳密な意味に縛られることなく、同様の光学的機能を期待し得る程度の誤差を含めて解釈することとする。
以上のような構成を有した導光板30の寸法は、一例として、以下のように設定され得る。まず、単位光学要素50の具体例として、導光板30の板面に沿った幅Wa(図5参照)を5μm以上500μm以下とすることができ、導光板30の板面への法線方向ndに沿った単位光学要素50の基部40の一側の面41からの高さHaを1μm以上250μm以下とすることができる。また、単位光学要素50の断面形状が三角形形状または三角形形状の頂角を面取りしてなる形状からなる場合には、当該頂角56の角度θa3(図5参照)を90°以上145°以下とすることができる。単位光学要素50の断面形状が三角形形状の頂角56を面取りしてなる形状となっている場合、主切断面において、単位光学要素50の頂部52は、曲率半径の値が単位光学要素50の幅Waの値以下となっている曲線として、形成されていることが好ましい。一方、基部40の厚みは、0.5mm〜6mmとすることができる。
なお、導光板30の形状および寸法は、光源24の発光体25で発光されて導光板30内に入射した光についての出光面31からの出射光量が、第1方向(導光方向)に沿った各位置で大きくばらつかないよう、好ましくは均一となるよう、設計され得る。一方、既に説明したように、本実施の形態における導光板30の構成(例えば、主切断面における断面形状)は、第1方向に沿った各位置において、一定となっている。したがって、正面方向ndおよび第1方向(導光方向)を含む面内(すなわち、導光板の主切断面と直交する面内)で測定される導光板30の出光面31上での輝度の角度分布は、第1方向に沿った各位置において、略同一の分布形状を呈するようになる。例示した導光板30の寸法および形状によれば、正面方向ndから第1方向における入光面33の側(一側)に向けて傾斜した場合の角度が負の値となり、正面方向ndから第1方向における第2入光面34の側(他側)に向けて傾斜した場合の角度が正の値となるように定義した場合、当該輝度の角度分布において、65°から80°の間に輝度が最大となるピーク角度を持ち、さらに例示した寸法の範囲を狭めることによって65°から75°の間に輝度が最大となるピーク角度を持つようにすることができる。
以上のような構成からなる導光板30は、押し出し成型により、あるいは、基材上に単位光学要素50を賦型することにより、作製することができる。導光板30の基部40の主部44および単位光学要素50をなす材料としては、種々の材料を使用することができる。ただし、表示装置に組み込まれる光学シート(光学部材)用の材料として広く使用され、優れた機械的特性、光学特性、安定性および加工性等を有するとともに安価に入手可能な材料、例えば、アクリル、スチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、アクリロニトリル等の一以上を主成分とする透明樹脂や、エポキシアクリレートやウレタンアクリレート系の反応性樹脂(電離放射線硬化型樹脂等)が好適に使用され得る。一方、拡散成分45は、一例として、平均粒径が0.5〜100μm程度であるシリカ(二酸化珪素)、アルミナ(酸化アルミニウム)、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、シリコーン樹脂等の透明物質からなる粒子を、用いることができる。
電離放射線硬化型樹脂を基材上に硬化させることによって導光板30を作製する場合、単位形状要素50とともに、単位形状要素50と基材との間に位置するようになるシート状のランド部を、基材上に形成するようにしてもよい。この場合、基部40は、基材と電離放射線硬化型樹脂によって形成されたランド部とから構成されるようになる。また、基材として、拡散成分とともに押し出し成型された樹脂材料からなる板材を、用いることができる。
一方、押し出し成型で作製された導光板30においては、基部40と、基部40の一側面41上の複数の単位光学要素50と、が一体的に形成され得る。また、押し出し成型によって導光板30を作製する場合、単位光学要素50が、基部40の主部44をなす材料と同一の樹脂材料と、基部40の拡散成分45をなす粒子と、から構成されてもよい。あるいは、いわゆる共押し出しにより導光板30が作製され、基部40が、樹脂材料からなる主部44と、主部44中に分散された拡散成分45と、から構成され、その一方で、単位光学要素50が、基部40の主部44をなす材料と同一の樹脂材料と、基部40の拡散成分45とは別途の機能を有した粒子と、から構成されてもよいし、あるいは、基部40の主部44をなす材料と同一の樹脂材料のみから構成されてもよい。
次に、図2、図6、図7、図9および図11を主に参照して、プリズムシート(光学シート)60についてさらに詳述する。プリズムシート60は、透過光の進行方向を変化させる機能を有した部材である。とりわけ、ここで説明するプリズムシート60は、入光側から入射した光の進行方向を、当該光のプリズムシート60への入射位置と光源24との間の第1方向に沿った距離に応じて、適切な方向に変化させて出光側から出射させる機能を有している。
図2および図6によく示されているように、プリズムシート60は、板状に形成された本体部65と、本体部65の入光側面67上に形成された複数の単位プリズム(単位形状要素、単位光学要素、単位レンズ)70と、を有している。本体部65は、一対の平行な主面を有する平板状の部材として構成されている。そして、導光板30に対面しない側に位置する本体部65の出光側面66によって、面光源装置20の発光面21をなすプリズムシート60の出光面61が構成されている。
次に、本体部65の入光側面67上に設けられた単位プリズム70について説明する。図2および図6によく示されているように、複数の単位プリズム70は、本体部65の入光側面67上に並べて配置されている。各単位プリズム70は、柱状に形成され、その配列方向と交差する方向に延びている。
本実施の形態において、各単位プリズム70は直線状に延びている。また、各単位プリズム70は、柱状に形成され、その長手方向に沿って同一の断面形状を有するようになっている。さらに、複数の単位プリズム70は、その長手方向に直交する方向に沿って、本体部65の入光側面67上に隙間無く並べられている。したがって、プリズムシート60の入光面62は、本体部65上に隙間無く配列された単位プリズム70の表面71,72によって形成されている。
なお、上述してきたように、プリズムシート60は、導光板30に重ねられるようにして配置され、プリズムシート60の単位プリズム70が導光板30の出光面31に対面するようになっている。また、図1および図2に示すように、プリズムシート60は、単位プリズム70の長手方向が導光板30による導光方向(導光板30の入光面33と当該入光面に対向する反対面34とを結ぶ第1方向)と交差するように、導光板30に対して位置決めされている。より厳密には、単位プリズム70の長手方向が導光板30による導光方向(つまり、第1方向)と直交するとともに、単位プリズム70の配列方向が導光板30による導光方向と平行になるように、プリズムシート60が導光板30に対して位置決めされている。
図2によく示されているように、各単位プリズム70は、単位プリズム70の配列方向、つまり第1方向に沿って、本体部65のシート面と平行な方向に互いに対向して配置された第1面71および第2面72を有するようになっている。各単位プリズム70の第1面71は、第1方向における一側(図1および図2の紙面における左側)に位置し、第2面72は、第1方向における他側(図1および図2の紙面における右側)に位置している。より詳細には、各単位プリズム70の第1面71は、第1方向における光源24の側に位置し、各単位プリズム70の第2面72は、第1方向における光源24から離間する側に位置している。そして、第1面71は、主として、第1方向における一側に配置された光源24から導光板30内に進み、その後に導光板30から出射した光が、プリズムシート60へ入射する際の入射面として機能する。一方、第2面72は、プリズムシート60へ入射した光を反射して、当該光の光路を補正する機能を有する。
図2、図7、図9および図11によく示されているように、第1面71および第2面72は、それぞれ本体部65から延び出るとともに互いに接続されている。第1面71および第2面72が本体部65にそれぞれ接続する位置において、単位プリズム70の基端部74が画成されている。また、第1面71および第2面72が互いに接続する位置において、本体部65から最も入光側に突出した単位プリズム70の頂部(先端部)75が画成されている。
上述したように、また図6に示すように、本体部65のシート面(本体部65の入光側面67、プリズムシート60のシート面)への法線方向ndおよび単位プリズム70の配列方向の両方に平行な断面(以下においては、単に「プリズムシートの主切断面」とも呼ぶ)における各単位プリズム70の断面形状は、当該単位プリズム70の長手方向(直線状に延びている方向)に沿って一定となっている。その一方で、本体部65上に設けられた複数の単位プリズム70の間で、プリズムシートの主切断面での断面形状は一定ではない。複数の単位プリズム70が、当該複数の数より少ない数の断面形状のいずれかを有する、或いは、すべての単位プリズム70が互いに異なる断面形状を有している。プリズムシートの主切断面での各単位プリズム70の断面形状は、当該単位プリズム70の本体部65状での配置位置と光源24との間の第1方向に沿った距離に応じて、変化している。
以下において、プリズムシートの主切断面における単位プリズム70の断面形状についてさらに詳細に説明する。なお、図7、図9および図11では、プリズムシートの主切断面が示され、図1および図2では、プリズムシートの主切断面と平行な断面において、面光源装置20(表示装置10)が示されている。とりわけ、図7、図9および図11は、単位プリズム70の配列方向(第1方向)における一側領域に配置された単位プリズム70、単位プリズム70の配列方向(第1方向)における中央領域一側に配置された単位プリズム70、および、単位プリズム70の配列方向(第1方向)における他側領域に配置された単位プリズム70の主切断面における断面形状を示している。
図7、図9および図11に示すように、本実施の形態においては、プリズムシートの主切断面における各単位プリズム70の断面形状は、入光側(導光板の側)に向けて先細りしていく形状となっている。つまり、主切断面において、本体部65のシート面と平行な単位プリズム70の幅は、本体部65の法線方向ndに沿って本体部65から離間するにつれて小さくなっていく。
本実施の形態において、プリズムシート60の主切断面において単位プリズム70の外輪郭の一部をなす第2面72(入光側面の一部をなす第2面72)が、本体部65のシート面に対してなす角度を面角度θbとすると、少なくとも一つの単位プリズム70の面角度θbは、第2面72内において一定とはなっていない。より具体的には、少なくとも単位プリズム70の配列方向(すなわち、第1方向)において最も他側(すなわち、光源24とは反対側)に位置する単位プリズム70について、面角度θbは、変化する。図7、図9、図11並びに図2に示すように、とりわけ図示された例では、すべての単位プリズム70について、第2面の面角度θbが一定ではない。
そして、図2、図7、図9および図11に示すように、面角度θbは、第2面72内において、本体部65から最も離間した当該単位プリズムの頂部75から本体部65に最も接近した当該単位プリズム60の基端部74へ向けて、大きくなるように変化する。図7示すように、このような単位プリズム60によれば、第2面72のうちの、正面方向ndに対する傾斜角度が比較的小さくなる方向に進む比較的に立ち上がった光L73が主として入射するようになる基端部74側の領域、並びに、正面方向ndに対する傾斜角度が非常に大きくなる方向に進む比較的に寝た光L74が主として入射するようになる頂部75側の領域の両方において、優れた集光機能を確保することができる。
具体的な構成として、図示された本実施の形態では、単位プリズム70の第2面72の輪郭は、プリズムシートの主切断面において、直線部をつなぎ合わせてなる、或いは、直線部をつなぎ合わせるとともにつなぎ目を面取りしてなる形状を有している。言い換えると、単位プリズム70の第2面72の外輪郭は、折れ線状に、或いは、折れ線の角部を面取りしてなる形状に、形成されている。より具体的には、第2面72は、頂部75を画成する第1部分72aをなす平坦面と、第1部分72aに本体部65の側から隣接する第2部分72bと、を有している。そして、第2部分72bの面角度θbが、第1部分72aでの面角度θbよりも大きくなっている。
以下に説明する単位プリズム70の断面形状との組み合わせにおいて、第1部分72aの面角度θbおよび第2部分72bの面角度θbが、次のように設定されていることが好ましい。すなわち、図7、図9および図11に示すように、プリズムシート60の主切断面と平行となる面内での輝度の角度分布を導光板30の出光面31上で測定した場合にピーク輝度を呈する方向と平行な方向に進む光L71,L91,L111が、プリズムシート60の単位プリズム70に入射した後に当該単位プリズム70の第2面70の頂部75側の第1部分71で反射されると、本体部65の法線方向ndから単位プリズム70の配列方向(第1方向)における他側(反光源側)に傾斜した方向に進む。また、図7、図9および図11に示すように、プリズムシート60の主切断面と平行となる面内での輝度の角度分布を導光板30の出光面31上で測定した場合にピーク輝度を呈する方向と平行な方向に進む光L72,L92,L112が、プリズムシート60の単位プリズム70に入射した後に当該単位プリズム70の第2面72の第2部分72bで反射されると、本体部65の法線方向ndから単位プリズム70の配列方向における一側(光源側)に傾斜した方向に進む。このように第1部分72aの面角度θbおよび第2部分72bの面角度θbが設定されている場合、この面光源装置20が組み込まれた表示装置10を観察する観察者は、表示面11上の中央領域に表示される映像だけでなく、第1方向(単位プリズム70の配列方向)に沿った両縁部に表示される映像も、明るく観察することができる。
なお、面角度θbとは、上述したように、プリズムシート60の主切断面において、単位プリズム60の入光側面(第2面72)が本体部65のシート面に対してなす角度である。図2、図7、図9および図11に示す例のように、単位プリズム70の主切断面における第2面72が折れ線状に形成されている場合には、折れ線を構成する各直線部と本体部65のシート面との間に形成される角度(厳密には、形成される二つの角のうちの小さい方の角度(劣角の角度))が面角度θbとなる。一方、後述する変形例のように、単位プリズム70の主切断面における第2面72が曲面によって構成されることもある(後述する図14参照)。そして、曲面状の単位プリズム70の外輪郭(第1面71および第2面72)については、当該外輪郭への接線TLと本体部65のシート面との間に形成される角度(厳密には、形成される二つの角のうちの小さい方の角度(劣角の角度))を、面角度θbとして特定することとする。
また、単位プリズム70の第2面72上の頂部75から基端部74へ向けて面角度θbが大きくなるよう変化するとは、面角度θbが常に増大するように変化し続けることのみを意味するものではない。図2、図7、図9及び図11に示す例のように、単位プリズム70の主切断面における第2面72が折れ線状または折れ線の折れ曲がり部を面取りしてなる形状からなり、面角度θbが変化しない領域があってもよい。すなわち、ここでいう、単位プリズム70の第2面72上の頂部75から基端部74へ向けて面角度θbが大きくなるように変化する形状とは、頂部75での面角度θbよりも基端部74での面角度θbの方が大きく、且つ、頂部75から基端部74へ向けて面角度θbが小さくなるように変化する箇所を含んでいない形状も含む。
加えて、ここで説明するプリズムシート60では、単位プリズム70の配列方向(第1方向)において最も他側に位置する単位プリズム70の主切断面における第2面72の輪郭が、当該一つの単位プリズム70の頂部75を含む一部分として、単位プリズム70の配列方向において最も一側に位置する単位プリズム70の主切断面における第2面72の輪郭の全体を含んでいる。さらには、図7、図9および図11に示すように、任意の一つの単位プリズム70の主切断面における第2面72の輪郭は、当該一つの単位プリズム70よりも単位プリズム70の配列方向において一側に位置する他の一つの単位プリズムの主切断面における第2面72の輪郭を、当該一つの単位プリズム70の頂部75を含む一部分として、含む、或いは、他の一つの単位プリズムの主切断面における第2面72の輪郭と同一となっている。
上述したように、図示された例では、単位プリズム70の第2面72が、頂部側に配置された第1部分72aと、基端部側に配置された第2部分72bと、から形成されている。したがって、単位プリズム70の配列方向に沿った配置位置に依らず、すべての単位プリズム70の間で、第2面72のうちの基端部側に位置する第1部分72aの構成、より具体的には、第1部分72aの面角度θbおよび寸法が互いに同一となっている。
なお、図示された例では、各単位プリズム70の第1面71も、第2面72と同様に、次のように構成されている。すなわち、単位プリズム70の配列方向(第1方向)において最も他側に位置する単位プリズム70の主切断面における第1面71の輪郭が、当該一つの単位プリズム70の頂部75を含む一部分として、単位プリズム70の配列方向において最も一側に位置する単位プリズム70の主切断面における第1面71の輪郭の全体を含んでいる。さらには、図7、図9および図11に示すように、任意の一つの単位プリズム70の主切断面における第1面71の輪郭は、当該一つの単位プリズム70よりも単位プリズム70の配列方向において一側に位置する他の一つの単位プリズムの主切断面における第1面71の輪郭を、当該一つの単位プリズム70の頂部75を含む一部分として、含む、或いは、他の一つの単位プリズムの主切断面における第2面72の輪郭と同一となっている。とりわけ図示された例では、単位プリズム70の第1面71は、単一の面から構成され、プリズムシート60の主切断面において一つの直線をなしている。したがって、プリズムシート60に含まれる単位プリズム70の第1面71は、大きさが互いに異なるものの、互いに平行となっている。
そして、図示された例では、単位プリズム70の配列方向において最も他側に位置する単位プリズム70の主切断面における断面形状は、当該単位プリズム70の頂部75を含む一部分として、単位プリズム70の配列方向において最も一側に位置する単位プリズムの主切断面における断面形状の全体を含んでいる。言い換えると、単位プリズム70の配列方向における最も他側に位置する単位プリズム70の主切断面のうちの、頂部75を含む一部分は、単位プリズム70の配列方向における最も一側に位置する単位プリズム70の主切断面における断面形状と同一となっている。さらには、図7、図9および図11に示すように、任意の一つの単位プリズム70の主切断面における断面形状は、当該一つの単位プリズム70よりも単位プリズム70の配列方向において一側に位置する他の一つの単位プリズムの主切断面における断面形状を、当該一つの単位プリズム70の頂部75を含む一部分として、含む、或いは、他の一つの単位プリズムの主切断面における断面形状と同一となっている。
また、図示された例では、単位プリズム70の配列方向において最も他側に位置する単位プリズム70の本体部65の法線方向ndに沿った高さHbは、単位プリズム70の配列方向において最も一側に位置する単位プリズム70の本体部65の法線方向ndに沿った高さよりも高くなっている。さらには、図7、図9および図11に示すように、任意の一つの単位プリズム70の本体部65の法線方向ndに沿った高さHbは、当該一つの単位プリズム70よりも単位プリズム70の配列方向において一側に位置する他の一つの単位プリズムの本体部65の法線方向ndに沿った高さ以上となっている。
また、図示された例では、単位プリズム70の配列方向において最も他側に位置する単位プリズム70の本体部65のシート面に沿った幅Wbは、単位プリズム70の配列方向において最も一側に位置する単位プリズム70の本体部65のシート面に沿った幅Wbよりも広くなっている。さらには、図7、図9および図11に示すように、任意の一つの単位プリズム70の本体部65のシート面に沿った幅Wbは、当該一つの単位プリズム70よりも単位プリズム70の配列方向において一側に位置する他の一つの単位プリズム70の本体部65のシート面に沿った幅Wb以上となっている。
また、図示された例では、複数の単位プリズム70は、本体部65上に隙間無く配列されている。そして、単位プリズム70の配列方向において最も他側となる位置に隣り合って位置する二つの単位プリズム70の頂部75間の本体部65のシート面に沿った離間長さ(ピッチ)Pbは、単位プリズム70の配列方向において最も一側となる位置に隣り合って位置する二つの単位プリズム70の頂部75間の本体部65のシート面に沿った離間長さ(ピッチ)Pbよりも長くなっている。さらには、図7、図9および図11に示すように、隣り合って位置する任意の二つの単位プリズム70の頂部75間の本体部65のシート面に沿った離間長さ(ピッチ)Pbは、当該二つの単位プリズム70よりも単位プリズム70の配列方向において一側となる位置に、隣り合って位置する他の二つの単位プリズムの頂部75間の本体部65のシート面に沿った離間長さPb以上となっている。
以上のような構成を有したプリズムシート60において、プリズムシートの主切断面において単位プリズム70の配列方向に沿った単位プリズム70の第2面72の幅Wbx(図7、図9、図11参照)に対する、プリズムシートの主切断面において本体部65の法線方向ndに沿った単位プリズム70の高さHbの比(Hb/Wbx)の大きさが、当該プリズムシート60の集光性および拡散性に影響を与える。そして、本実施の形態においては、後述する作用効果を確保する上で、単位プリズム70の第2面72の幅Wbxに対する単位プリズム70の高さHbの比(Hb/Wbx)が、1.2以上2.0以下となっていることが好ましく、1.50以上1.55以下となっていることがより好ましい。また、第2面72の第1部分72aでの面角度θbを45°以上60°以下とすることができ、第2面72の第2部分72bでの面角度θbを50°以上70°以下とすることができる。
また、プリズムシート60のその他の寸法は、一例として、以下のように設定され得る。まず、以上のような構成からなる単位プリズム70の具体例として、単位プリズム70の幅Wbを10μm以上200μm以下とすることができ、単位プリズム70の第2面72幅Wbxを5μm以上100μm以下とすることができる。また、プリズムシート60のシート面への法線方向ndに沿った本体部65の出光側面67からの単位プリズム70の突出高さHbを7μm以上150μm以下とすることができる。一方、本体部65の厚みは、0.01mm〜1mmとすることができる。
このようなプリズムシート60は、導光板30の作製に用いられ得る上述の材料と同様の材料を用いて、上述した導光板の作製方法と同様の方法によって、作製することができる。すなわち、プリズムシート60は、押し出し成型により、あるいは、基材上に単位光学要素50を賦型することにより、作製することができる。
ところで、押し出し成型やその他の成型加工においては、プリズムシート60の単位プリズム70の断面形状と相補的な形状を有した溝が形成された型面91を有する成型用型90が、用いられる。図13には、この成型用型90の製造方法の一例が示されている。図13に示された方法では、ロール状の型90が作製されている。
図13に示された例では、円筒状の基材94を当該基材94の中心軸線CAを中心として回転させながら、バイト95を用いて、基材94に環状の溝91を形成している。バイト95の刃先95aは、作製されるべきプリズムシート60に含まれる多数の単位プリズム70のうちの、単位プリズム70の配列方向に沿った最も他側に位置する単位プリズム70の断面形状を一部分として含む形状となっている。そして、図13に示すように、基材94の中心軸専CAに沿ったバイト95の送り量およびバイト95の基材94への切り込み量を、作製されるべき溝91毎に変化させることにより、ピッチおよび深さの異なる環状の溝91を基材94に形成し、型90を作製することができる。
このようにして作製された型90は、同一のバイト95を用いて、多数の溝91が形成されている。したがって、複数の溝91の間で、深さが互いに異なったとしても、最深部における断面形状は互いに共通する。この結果、図2、図7、図9および図11を主に参照しながら説明した上述の単位プリズム70を含んだプリズムシート60を作製することができる。
次に、以上のような構成からなる表示装置10の作用について説明する。
まず、図2に示すように、光源24をなす発光体25で発光された光は、入光面33を介し、導光板30に入射する。図2に示すように、導光板30へ入射した光L21,L22は、導光板30の出光面31および裏面32において、反射、とりわけ導光板30をなす材料と空気との屈折率差に起因して全反射を繰り返し、導光板30の入光面33と反対面34とを結ぶ第1方向(導光方向)へ進んでいく。
ただし、導光板30の基部40内には拡散成分45が分散されている。このため、図2に示すように、導光板30内を進む光L21,L22は、拡散成分45によって進行方向を不規則に変更され、全反射臨界角未満の入射角度で出光面31および裏面32に入射することもある。この場合、当該光は、導光板30の出光面31および裏面32から、出射し得るようになる。出光面31から出射した光L21,L22は、導光板30の出光側に配置されたプリズムシート60へと向かう。一方、裏面32から出射した光は、導光板30の背面に配置された反射シート28で反射され再び導光板30内に入射して導光板30内を進むことになる。
導光板30内を進行する光と、導光板30内に分散された拡散成分45と、の衝突は、導光板30内の導光方向に沿った各区域において、生じる。このため、導光板30内を進んでいる光は、少しずつ、出光面31から出射するようになる。これにより、導光板30の出光面31から出射する光の導光方向(第1方向)に沿った光量分布を均一化させることができる。
なお、導光板30の各位置からの出射光量は、市販されている照度計のセンサを測定対象となる導光板30の出光面31上の位置に接触させた状態で、当該照度計によって測定された照度値の大きさによって評価され得る。
ところで、図示する導光板30の出光面31は複数の単位光学要素50によって構成され、各単位光学要素50の主切断面における断面形状は、三角形形状または三角形形状の頂角56を面取りしてなる形状となっている。すなわち、出光面31は、導光板30の裏面32に対して傾斜した傾斜面37,38として、構成されている(図5参照)。そして、この傾斜面37,38で全反射して導光板30内を進む光およびこの傾斜面37,38を通過して導光板30から出射する光は、この傾斜面37,38から、以下に説明する作用を及ぼされるようになる。まず、傾斜面37,38で全反射して導光板30内を進む光に対して及ぼされる作用について説明する。
図5には、出光面31および裏面32において全反射を繰り返しながら導光板30内を進む光L51,L52の光路が、導光板の主切断面内に示されている。上述したように、導光板30の出光面31をなす傾斜面37,38は、三角形形状の頂角を面取りしてなる形状を断面形状として有している単位光学要素50の外表面によって形成され、基部40の出光側面41への法線方向ndを挟んで互いに逆側に傾斜した二種類の面を含んでいる。また、互いに逆側に傾斜した二種類の傾斜面37,38は、第2方向に沿って、交互に並べられている。そして、図5に示すように、導光板30内を出光面31に向けて進み出光面31に入射する光L51,L52は、多くの場合、二種類の傾斜面37,38のうちの、導光板の主切断面において基部40の出光側面41への法線方向ndを基準として当該光の進行方向とは逆側に傾斜した傾斜面へ入射する。
この結果、図5に示すように、導光板30内を進む光L51,L52は、出光面31の傾斜面37,38で全反射する多くの場合、第2方向に沿った成分を低減されるようになり、さらには、主切断面においてその進行方向は正面方向ndを中心として逆側に向くようにもなる。このようにして、導光板30の出光面31をなす傾斜面37,38によって、ある発光点で放射状に発光された光が、そのまま第2方向に拡がり続けることが規制される。すなわち、光源24の発光体25から第1方向に対して大きく傾斜した方向に発光され導光板30内に入射した光も、第2方向への移動を規制されながら、主として第1方向へ進むようになる。これにより、導光板30の出光面31から出射する光の第2方向に沿った光量分布を、光源24の構成(例えば、発光体25の配列)や、発光体25の出力によって、調節するといったことが可能となる。
次に、出光面31を通過して導光板30から出射する光に対して及ぼされる作用について説明する。図5に示すように、出光面31を介し導光板30から出射する光L51,L52は、導光板30の出光面31をなす単位光学要素50の出光側面において屈折する。この屈折により、主切断面において正面方向ndから傾斜した方向に進む光L51,L52の進行方向(出射方向)は、主として、導光板30内を通過している際における光の進行方向と比較して、正面方向ndに対してなす角度が小さくなるように、曲げられる。このような作用により、単位光学要素50は、導光方向と直交する第2方向に沿った光の成分について、透過光の進行方向を正面方向nd側に絞り込むことができる。すなわち、単位光学要素50は、導光方向と直交する第2方向に沿った光の成分に対して、集光作用を及ぼすようになる。このようにして、導光板30から出射する光の出射角度は、導光板30の単位光学要素50の配列方向と平行な面内において、正面方向を中心とした狭い角度範囲内に絞り込まれる。
以上のようにして、導光板30から出射する光の出射角度は、導光板30の単位光学要素50の配列方向と平行な面において、正面方向を中心とした狭い角度範囲内に絞り込まれる。その一方で、導光板30から出射する光の出射角度は、それまで、導光板30内を主として第1方向に進んでいたことに起因して、第1方向(導光方向)と平行な面において、正面方向ndから比較的大きく傾斜した比較的に大きな出射角度θkとなる。具体的には、導光板30から出射する光の第1方向成分の出射角度(出射光の第1方向成分と導光板30の板面への法線方向ndとがなす角度θk(図2参照))は、比較的大きな角度となる狭い角度範囲内に偏る、傾向がある。例えば、既に説明したように、上述の例示の形状および寸法からなる導光板では、導光板30の板面への法線方向ndに対して65°以上80°以下(さらには65°以上75°以下)の範囲にピーク輝度が発生するように設定することができる。
導光板30から出射した光は、その後、プリズムシート60へ入射する。上述したように、このプリズムシート60は、導光板30の側へ向けて頂部75が突出する単位プリズム70を有している。図2によく示されているように、単位プリズム70の長手方向は、導光板30による導光方向(第1方向)と交差する方向、とりわけ本実施の形態では導光方向と直交する第2方向と、平行になっている。
この結果、第1方向における一側(図2の紙面における左側)に配置された光源24で発光され導光板30を介してプリズムシート30へ向かう光L21,L22は、互いに接続された第1面71および第2面72のうちの、第1方向における一側に位置する第1面71を介して単位プリズム70へ入射する。図2に示すように、この光L21,L22は、その後、第1方向における他側(図2の紙面における右側)に位置する第2面72で全反射してその進行方向を変化させるようになる。
そして、単位プリズム70の第2面72での全反射により、図2の断面(第1方向(導光方向)と正面方向ndとの両方向に平行な断面)において正面方向ndから傾斜した方向に進む光L21,L22は、その進行方向が正面方向ndに対してなす角度が小さくなるように、曲げられる。このような作用により、単位プリズム70は、第1方向(導光方向)に沿った光の成分について、透過光の進行方向を正面方向nd側に絞り込むことができる。すなわち、プリズムシート60は、第1方向に沿った光の成分に対して、集光作用を及ぼすようになる。
なお、このようにプリズムシート60の単位プリズム70によってその進行方向を大きく変化させられる光は、主として、単位プリズム70の配列方向である第1方向に進む成分であり、導光板30の単位形状要素50の傾斜面37,38によって集光させられる第2方向に進む成分とは異なる。したがって、プリズムシート60の単位プリズム70での光学的作用によって、導光板30の単位形状要素50によって上昇させられた正面方向輝度を害すことなく、さらに、正面方向輝度を向上させることができる。
プリズムシート60を出射した光は、液晶表示パネル15の下偏光板14に入射する。下偏光板14は、入射光のうち、一方の偏光成分(本実施の形態においてはP波)を透過させ、その他の偏光成分(本実施の形態においてはS波)を吸収する。下偏光板14を透過した光は、画素毎への電界印加の状態に応じて、選択的に上偏光板13を透過するようになる。このようにして、液晶表示パネル15によって、面光源装置20からの光を画素毎に選択的に透過させることにより、液晶表示装置10の観察者が、映像を観察することができるようになる。
なお、上述したように、導光板30内に入射した光は、出光面31、主として単位光学要素50の出光側面(プリズム面)によってなされている導光板30の出光面31によって、第2方向への移動を規制されながら、第1方向へ進むようになる。すなわち、光源24をなす多数の発光体25の各々で発光された光は、導光板30の出光面31のうちの、第2方向における所定の範囲内に位置し且つ第1方向に延びる特定の領域内から、主として出射することになる。したがって、表示装置10の表示面11に表示される映像に対応して、制御装置18が、各発光体25の出力を調節するようにしてもよい。
例えば、表示装置10の表示面11内のある領域に何も表示しない場合、言い換えると、表示装置10の表示面11内のある領域に黒を表示する場合、表示面10の当該領域に対応する導光板30の出光面31の領域に光を供給する点状発光体25を消灯させるようにしてもよい。この場合、面光源装置20からの照明光を表示パネル15で完全に遮断できないことに起因するコントラストの低下といった従来の不具合を解消することができる。また、電気使用量を節約することができ、省エネルギーの観点からも好ましい。
さらに、黒を表示する例に限られず、表示面11に表示される映像に対応して各点状発光体25の出力の程度を調節することにより、表示パネル15のみに依存することなく、表示される映像の各領域における明るさを調節するようにしてもよい。このような例においても、表示される像のコントラストを向上させることができるとともに、省エネルギーを実現することができる。
ところで、従来技術の欄でも言及したように、従来のエッジライト型の面光源装置は、正面方向ndおよび導光方向(第1方向)の両方向と平行な面内での輝度の角度分布が、導光方向の各位置で、同一の傾向を有するように調整されている。とりわけ、正面方向ndおよび導光方向(第1方向)の両方向と平行な面内での輝度の角度分布が、導光方向におけるいずれの位置においても、正面方向ndに最高輝度が出現するように調整されていた。
しかしながら、表示装置10の表示面11およびこれにともなって面光源装置20の発光面21が大型化されると、図3に示すように、観察者O1が表示面11に表示される映像を観察する際の観察角度θxが、表示面11上の各位置において、大きく異なるようになる。例えば、表示面11の中央位置Pcを観察する観察角度と、表示面11の端部位置Pe1,Pe2を観察する角度では、10°以上の差がつくこともある。
また、大型の表示装置10を観察する場合に限られず、携帯端末の表示装置10を観察する場合にも、同様に、表示面11の中央位置Pcを観察する観察角度と、表示面11の端部位置Pe1,Pe2を観察する角度では、10°以上の差がつくこともある。携帯端末は観察者の手に把持されて利用される。この結果、携帯端末の表示面11が観察者の頭部近傍に配置され、表示面上の各位置を観察する際の観察角度が大きく変化してしまうためである。
なお、ここでいう観察角度θxとは、図3に示すように、表示面11上の各位置を観察する観察方向が表示装置10の正面方向(表示面11への法線方向)ndに対してなす角度の大きさのことである。
したがって、従来の面光源装置が組み込まれている表示装置のように、正面方向および導光方向と平行な面内での輝度の角度分布が、導光方向と平行な方向における表示面上の各位置において、正面方向を中心として対称的で概ね一定の傾向(分布態様)を示す場合には、表示面11の導光方向における中央となる中央位置Pcでの映像の明るさと、表示面11の導光方向における端部となる端部位置Pe1,Pe2での映像の明るさと、が大きく異なるようになる。言い換えると、このような面光源装置および表示装置では、正面方向輝度の導光方向に沿った分布が概ね均一化されているが、観察者によって実際に感知される明るさは導光方向に沿って非常に大きくばらついてしまう。
一方、本実施の形態によるプリズムシート60においては、当該プリズムシートの主切断面での単位プリズム70の断面形状は、一定ではない。図示された例では、第1方向(単位プリズム70の配列方向)における単位プリズムの配置位置に依存して、プリズムシートの主切断面での単位プリズム70の断面形状が変化している。一方、上述したように、プリズムシート60に入射する光の配光特性については、導光板30の構成(形状や寸法)によって、ある程度調整され得る。具体的には、導光板30の出光面31上の第1方向に沿った各位置から出射してプリズムシート60へ向かう光の光量分布は、或る程度均一化される。また、導光板30の出光面31上の第1方向に沿った各位置での、第1方向および正面方向ndに沿った面内での輝度の角度分布も、或る程度同様の分布を示すようになる。したがって、第1方向に沿った配置位置に応じて断面形状が次のように変化する単位プリズム70を有したプリズムシート60によれば、第1方向に沿った各位置の輝度の角度分布を、調整することができる。
まず、上述したプリズムシート60では、プリズムシートの主切断面での単位プリズム70の断面形状が、次のように構成されている。第1方向において最も他側に位置する単位プリズム70の主切断面における第2面72の輪郭が、当該一つの単位プリズム70の頂部75を含む一部分として、第1方向において最も一側に位置する単位プリズム70の主切断面における第2面72の輪郭の全体を含んでいる。第1方向において最も他側に位置する単位プリズム70の主切断面における断面形状は、当該単位プリズム70の頂部75を含む一部分として、第1方向において最も一側に位置する単位プリズムの主切断面における断面形状の全体を含んでいる。第1方向において最も他側に位置する単位プリズム70の本体部65の法線方向ndに沿った高さHbは、第1方向において最も一側に位置する単位プリズム70の本体部65の法線方向ndに沿った高さよりも高くなっている。第1方向において最も他側に位置する単位プリズム70の本体部65のシート面に沿った幅Wbは、第1方向において最も一側に位置する単位プリズム70の本体部65のシート面に沿った幅Wbよりも広くなっている。第1方向において最も他側となる位置に隣り合って位置する二つの単位プリズム70の頂部75間の本体部65のシート面に沿った離間長さ(ピッチ)Pbは、第1方向において最も一側となる位置に隣り合って位置する二つの単位プリズム70の頂部75間の本体部65のシート面に沿った離間長さ(ピッチ)Pbよりも長くなっている。
さらには、図7、図9および図11に示すように、プリズムシートの主切断面での単位プリズム70の断面形状が、次のように構成されている。任意の一つの単位プリズム70の主切断面における第2面72の輪郭は、当該一つの単位プリズム70よりも第1方向において一側に位置する他の一つの単位プリズムの主切断面における第2面72の輪郭を、当該一つの単位プリズム70の頂部75を含む一部分として、含む、或いは、他の一つの単位プリズムの主切断面における第2面72の輪郭と同一となっている。任意の一つの単位プリズム70の主切断面における断面形状は、当該一つの単位プリズム70よりも第1方向において一側に位置する他の一つの単位プリズムの主切断面における断面形状を、当該一つの単位プリズム70の頂部75を含む一部分として、含む、或いは、他の一つの単位プリズムの主切断面における断面形状と同一となっている。任意の一つの単位プリズム70の本体部65の法線方向ndに沿った高さHbは、当該一つの単位プリズム70よりも第1方向において一側に位置する他の一つの単位プリズムの本体部65の法線方向ndに沿った高さ以上となっている。任意の一つの単位プリズム70の本体部65のシート面に沿った幅Wbは、当該一つの単位プリズム70よりも第1方向において一側に位置する他の一つの単位プリズム70の本体部65のシート面に沿った幅Wb以上となっている。隣り合って位置する任意の二つの単位プリズム70の頂部75間の本体部65のシート面に沿った離間長さ(ピッチ)Pbは、当該二つの単位プリズム70よりも第1方向において一側となる位置に、隣り合って位置する他の二つの単位プリズムの頂部75間の本体部65のシート面に沿った離間長さPb以上となっている。
本体部65上に配列された単位プリズム70が、以上のように構成されているプリズムシート60では、単位プリズム70の配置位置が第1方向(単位プリズム70の配列方向)に沿って光源24から離間すると、当該配置位置に配置された単位プリズム70に入射した光は、第2面72のうちの、本体部65の法線方向ndに沿って頂部75から遠く離間した部位まで、入射することができる。上述したように、複数の単位プリズム70の間で、第2面72の第1部分72aは同一の大きさに形成されている。したがって、単位プリズム70の配置位置が第1方向に沿って光源24から離間するにつれて、当該配置位置に配置された単位プリズム70の第2部分72bに入射する光の光量が増すようになる。その一方で、第1方向に沿った単位プリズム70の配置位置に依存して、一つの単位プリズム70の第1部分72aに入射する光の光量が大きく変動することはない。この結果、面光源装置20の発光面21のうちの、第1方向における一側に位置する一側領域から出射する光は、第2面72のうちの第1部分72aによって進行方向を補正された光を比較的多く含むことになる。逆に、面光源装置20の発光面21のうちの、第1方向における他側に位置する他側領域から出射する光は、第2面72のうちの第2部分72bによって進行方向を補正された光を比較的多く含むことになる。
また、第2面72の面角度θbは、頂部75の側から基端部74の側へ向けて大きくなるように変化する。このため、導光板30からプリズムシート60へ入射する光が第2面72で反射されるようになる向きは、単位プリズム70の配列方向に沿ったプリズムシート60への入射位置に応じて、変化する傾向を示す。
特に、第2面72の第1部分72aでの面角度θbは、第2面72の第2部分72bでの面角度θbよりも小さくなっている。したがって、導光板30からプリズムシート60に入射して単位プリズム70の第2面72へ進む光、すなわち、第1方向および正面方向ndと平行な面内において正面方向ndから第1方向における他側に傾斜した方向に進んで第2面72に進む光は、第1部分72aよりも第2部分72bによって、より大きく進行方向を変化させられることになる。このため、面光源装置20の発光面21上での第1方向における一側端部となる第1端部位置Pe1並びに他側端部となる第2端部位置Pe2で測定される輝度の角度分布においてピーク輝度を示す方向が、互いの側を向くようにすることができる。
とりわけ、図7、図9および図11に示された例では、プリズムシート60の主切断面と平行となる面内での輝度の角度分布を導光板30の出光面31上で測定した場合にピーク輝度を呈する方向と平行な方向に進む光L71,L91,L111が、プリズムシート60の単位プリズム70に入射した後に当該単位プリズム70の第2面70の頂部75側の第1部分71で反射されると、本体部65の法線方向ndから単位プリズム70の配列方向(第1方向)における他側(反光源側)に傾斜した方向に進む。また、図7、図9および図11に示された例では、プリズムシート60の主切断面と平行となる面内での輝度の角度分布を導光板30の出光面31上で測定した場合にピーク輝度を呈する方向と平行な方向に進む光L72,L92,L112が、プリズムシート60の単位プリズム70に入射した後に当該単位プリズム70の第2面72の第2部分72bで反射されると、本体部65の法線方向ndから単位プリズム70の配列方向における一側(光源側)に傾斜した方向に進む。このような例によれば、面光源装置20の発光面21のうちの第1方向に沿った各位置において、図8、図10および図12に示された輝度の角度分布を実現することが可能となる。
ここで、図8、図10および図12は、上述してきた構成の面光源装置20について、例示した具体的な範囲内の形状および寸法の一つを採用して実際にシミュレーションを行うことによって得られた輝度の角度分布を実線にて示している。また、図8、図10、図12では、第2面72のうちの第1部分72aで反射された光の成分に起因した発光面21上の輝度の角度分布の計算結果を一点鎖線で示し、第2面72のうちの第2部分72bで反射された光の成分に起因した発光面21上の輝度の角度分布の計算結果を点線で示している。
図8は、第1方向と平行な方向における一側の端部となる発光面21の第1端部位置Pe1での輝度の角度分布を示している。図10は、第1方向と平行な方向における発光面21の中央となる中央位置Pcでの輝度の角度分布を示している。図12は、第1方向と平行な方向における他側の端部となる発光面21の第2端部位置Pe2での輝度の角度分布を示している。なお、図8、図10および図12に示された輝度の角度分布では、正面方向を0°として、正面方向ndから第1方向と平行な方向における一側(光源側、光源が配置されている側)に向けて傾斜した場合の角度が負の値となり、正面方向ndから第1方向と平行な方向における他側(反光源側、光源から離間する側)に向けて傾斜した場合の角度が正の値となるように定義している。
図8、図10、図12に示された例では、第2面72のうちの第1部分72aからの反射光成分に起因した発光面21上での輝度の角度分布は、第1方向に沿った各位置において、略一定の形体を呈している。第1部分72aからの反射光成分に起因した発光面21上での輝度の角度分布においてピーク輝度を示す方向は、第1方向における各位置において、正面方向から第1方向における他側に傾斜している。つまり、第1部分72aからの反射光成分に起因した発光面21上での輝度の角度分布(図8、図10、図12において一点鎖線で示された分布)においてピーク輝度を示す方向は、正面方向に対して正の角度をなしている。一方、第2面72のうちの第2部分72bからの反射光成分に起因した発光面21上での輝度の角度分布も、第1方向に沿った各位置において、略一定の形体を呈している。ただし、第2部分72bからの反射光成分に起因した発光面21上での輝度の角度分布においてピーク輝度を示す方向は、第1方向における各位置において、正面方向から第1方向における一側に傾斜している。つまり、第2部分72bからの反射光成分に起因した発光面21上での輝度の角度分布(図8、図10、図12において点線で示された分布)においてピーク輝度を示す方向は、正面方向に対して負の角度をなしている。
また、全出射光量に対する第1部分72aからの反射光の光量の割合、および、全出射光量に対する第2部分72bからの反射光の光量の割合は、第1方向に沿った各位置において、変動している。全出射光量に対する第1部分72aからの反射光の光量の割合は、第1端部位置Pe1から第2端部位置Pe2に向け、つまり、第1方向に沿って一側から他側へ向け、減少している。その一方で、全出射光量に対する第2部分72bからの反射光の光量の割合は、第1端部位置Pe1から第2端部位置Pe2に向け、つまり、第1方向に沿って一側から他側へ向け、増大している。とりわけ図10に示す例では、発光面21上において第1方向における中央位置Pcから出射する光には、第1部分72aでの反射光成分と第2部分72bでの反射光成分とが略同量含まれるように、調整されている。
第1部分72aでの反射光成分に起因した輝度の角度分布並びに第2部分72bでの反射光成分に起因した輝度の角度分布に関する以上の傾向により、全出射光成分に起因して画成される面光源装置20の発光面21での輝度の角度分布は、次のような傾向を呈するようになる。発光面21の第1端部位置Pe1での輝度の角度分布は、第1部分72aでの反射光成分に起因した輝度の角度分布と似た形体を持ち、第1端部位置Pe1での輝度の角度分布のピーク角度θyaは正の値を取る。逆に、発光面21の第2端部位置Pe2での輝度の角度分布は、第2部分72bでの反射光成分に起因した輝度の角度分布とよく似た形体を呈するようになり、第2端部位置Pe2での輝度の角度分布のピーク角度θybは負の値を取る。
また、第1部分72aでの反射光成分と第2部分72bでの反射光成分とが略同量だけ出射光に含まれるようになる発光面21の中央位置Pcでの輝度の角度分布におけるピーク角度θycは、第2部分72bでの反射光成分よりも第1部分72aでの反射光成分により強く支配されるようになる発光面21上の第1端部位置Pe1での輝度の角度分布のピーク角度θyaよりも小さく、第1部分72aでの反射光成分よりも第2部分72bでの反射光成分により強く支配されるようになる発光面21上の第2端部位置Pe2での輝度の角度分布のピーク角度θybよりも大きな値を取るようになる。すなわち、図8、図10および図12に示すように、発光面21上の第1端部位置Pe1での輝度の角度分布における最高輝度をもたらすピーク角度θyaと、発光面21上の第2端部位置Pe2での輝度の角度分布における最高輝度をもたらすピーク角度θybと、発光面21上の中央位置Pcでの輝度の角度分布における最高輝度をもたらすピーク角度θycは、次の式(1)の関係を満たしている。
θyb<θyc<θya ・・・式(1)
図3は、図8、図10および図12に示され且つ式(1)を満たす輝度特性を有する面光源装置20を用いた表示装置10が示されている。図8、図10および図12に示され且つ式(1)を満たす輝度特性を有する面光源装置20においては、図3に示すように、表示面11上の中央位置Pcに表示される映像は、正面方向から最も明るく観察することができる。
また、表示面11上の第1端部位置Pe1に表示される映像は、第1端部位置Pe1に対して正面方向ndから対面する位置(図3におけるO11の位置)よりも、当該位置O11から第1方向に沿って中央位置Pcの側にずれた位置において、最も明るく観察される。具体的には、図8に示されたピーク角度θya分だけ、正面方向ndから傾斜した方向から、表示面11上の第1端部位置Pe1に表示される映像を最も明るく観察することができる。したがって、中央位置Pcに対して正面方向ndに対面する位置(図3における観察者O1の位置)から表示面11を観察した場合、表示面11上の第1端部位置Pe1に表示される映像を比較的に明るく観察することができる。すなわち、中央位置Pcに映し出される映像の明るさに対して、第1端部位置Pe1に映し出される映像の明るさが著しく暗くなってしまうことを防止することができる。
さらに、表示面11上の第2端部位置Pe2に表示される映像は、第2端部位置Pe1に対して正面方向ndから対面する位置(図3におけるO12の位置)よりも、当該位置O12から第1方向に沿って中央位置Pcの側にずれた位置において、最も明るく観察される。具体的には、図8に示されたピーク角度θyb分だけ、正面方向ndから傾斜した方向から、表示面11上の第2端部位置Pe2に表示される映像を最も明るく観察することができる。したがって、中央位置Pcに対して正面方向ndに対面する位置(図3における観察者O1の位置)から表示面11を観察した場合、表示面11上の第2端部位置Pe2に表示される映像を比較的に明るく観察することができる。すなわち、中央位置Pcに映し出される映像の明るさに対して、第1端部位置Pe2に映し出される映像の明るさが著しく暗くなってしまうことを防止することができる。このようにして、観察者が感知する明るさのムラを効果的に目立たなくさせることができる。
以上のような本実施の形態に係る面光源装置20の発光面21での輝度の角度分布に対し、従来の表示装置に組み込まれたプリズムシートでは、単位プリズムの配列方向に沿った各位置において、正面方向輝度を集中的に向上させるように構成されていた。例えば図3の第1端部位置Peに二点鎖線で示すように、狭い半値角で正面方向にピーク輝度を呈するように構成されていた。しかしながら、このような従来の表示装置では、中央位置Pcに対して正面方向ndに対面する位置(図3における観察者O1の位置)から表示面を観察した場合、大型表示面11の中央位置Pcに映し出される映像と比較して、端部位置Pe1,Pe2に映し出される映像は著しく暗く観察される。すなわち、明るさの面内ばらつきが大きくなり、表示面に表示される映像は著しく劣化したものとなる。
さらに、図3に二点鎖線で示されているように、観察者O2が、中央位置Pcに対して正面方向ndに対面する位置から、第1方向(導光方向)に沿って第2端部位置Pe2の側にずれた位置において、表示面11を観察する場合、第1端部位置Peの観察角度が非常に大きくなる。図3において実線で示された表示面11上の第1方向に沿った各位置での出光量の角度分布(明るさの角度分布)から理解され得るように、図8、図10および図12に示された輝度特性を有する面光源装置20を用いた場合、明るさが全体的に若干暗くなってしまうが、表示面11の全領域に表示される映像を観察することができる。一方、図3に二点鎖線で示された従来の表示装置の例では、表示面上の第1端部位置Pe1を含む一部の領域において、もはや映像を観察することができなくなる。
以上のような本実施の形態によれば、観察者によって感知される明るさのムラを効果的に目立たなくさせることができる。また、観察者によって観察され得る映像の明るさを効果的に上昇させ得ることから、光源光の有効利用が実現され、エネルギー効率が改善されたことにもなる。
なお、上述した実施の形態に対して様々な変更を加えることが可能である。以下、図面を参照しながら、変形の一例について説明する。以下の説明で用いる図面では、上述した実施の形態における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いており、重複する説明を省略する。
上述の実施の形態で説明したプリズムシートの主切断面における単位プリズム70の断面形状は、例示に過ぎず、種々変更することができる。既に述べているが、図14に示すように、プリズムシートの主切断面での単位プリズム70の第2面72の輪郭が曲線を含むようにしてもよい。このような変形例では、面角度θbは、図14に示すように、単位プリズム70の主切断面における第2面72への接線TLと、本体部65のシート面と、によってなされる角度、より厳密には、形成される二つの角のうちの小さい方の角度(劣角の角度))の値として特定される。同様に、単位プリズム70の第1面71が平坦面であることは必須ではなく、例えば図14に示すように、第2面72と対称的な構成を有するようにしてもよい。
また、上述した実施の形態において、プリズムシート60の単位プリズム70が互いに隣接して配置されている例を示したが、これに限られない。例えば、図14に示すように、隣り合う二つの単位プリズム70間に平坦部68が形成されていてもよいし、図14に二点差線で示すように、隣り合う二つの単位プリズム70間に凹部69が形成されていてもよい。
さらに、プリズムシート60が、透過光を拡散させる拡散成分を含有し、等方性拡散機能または異方性拡散機能を発揮するようにしてもよい。このような変形例によれば、各方向における視野角特性をさらに高い自由度で調節することができる。
さらに、導光板30の単位形状要素50の上述した構成は例示に過ぎない。一例として、導光板の主切断面において、単位形状要素50の外輪郭51が曲線を含むようにしてもよい。
さらに、上述した実施の形態において、導光板30の単位形状要素50が、その長手方向に沿って一定の断面形状を有する例を示したが、これに限られず、単位形状要素50の断面形状が、当該単位形状要素の長手方向に沿って変化するようにしてもよい。
さらに、上述した実施の形態において、基部40内に拡散成分45を分散させることによって、導光板30に入射した光が導光板30から出射し得るようにした例を示した。しかしながら、上述した例に限られず、一例として、図15に示すように、導光板30の出光面31および裏面32を互いに対して傾斜させるようにしてもよい。図15に示された例によれば、導光板30内に拡散成分45を分散させるとともに、導光板30の裏面32に傾斜面32aを補助的に設けている。とりわけ図15に示された例では、導光方向に沿って入射面33から反対面34に接近するにつれて、裏面32うちの傾斜面32aが占める割合が高くなっている。このような構成によれば、導光方向に沿って入射面33から離間した領域での導光板30からの光の出射が促進され、入射面33から離間するにつれて出射光量が低下してしまうことを効果的に防止することができる。さらに、導光板30に入射した光を導光板30から出射させるための別の構成(別の光取り出し構成)を、既述の構成と代えて又は既述の構成に加えて、採用することができる。
さらに、上述した面光源装置20および表示装置10の構成は、単なる例示に過ぎず、種々の変更が可能である。例えば、透過光を拡散させる機能を有した光拡散シートや、特定の偏光成分のみを透過し、それ以外の偏光成分を反射する偏光分離機能を有した偏光分離シート等を、プリズムシート60の出光側に設けるようにしてもよい。
なお、以上において、上述した実施の形態に対するいくつかの変形例を説明してきたが、当然に、複数の変形例を適宜組み合わせて適用することも可能である。