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JP2014079558A - 体動検出装置および方法 - Google Patents

体動検出装置および方法 Download PDF

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Abstract

【課題】撮影条件あるいは被写体によらず、放射線画像に含まれる体動を精度良く検出する。
【解決手段】コントラスト算出部24が、解析点設定部23が設定した解析点における、変換した放射線画像G0の高周波成分のコントラストおよび低周波成分のコントラストを算出する。比率算出部25が、高周波成分のコントラストと低周波成分のコントラストとの比率を算出する。判定部26が比率に基づいて、放射線画像G0の撮影時における体動の有無を判定する。表示制御部27が、判定結果を表示部40に表示する。
【選択図】図1

Description

本発明は、放射線画像を用いて、撮影時における被写体の体動を検出する体動検出装置および方法に関するものである。
被写体にX線等の放射線を照射して被写体を撮影し、被写体の放射線画像を取得する際に、撮影中に被写体が動いてしまう体動により、取得される放射線画像にボケが生じ、画質が劣化してしまう場合がある。とくに、撮影対象が、頚部、胸部、腹部および腰部等の放射線の照射時間が長い部位であったり、小児を撮影したりする場合には、体動が生じやすいことから、放射線画像の劣化が問題となる。
このような体動の有無は、撮影を行う技師が、撮影中の被写体の様子を観察し、かつ取得された放射線画像を直ちに確認することにより、見極めることができる。しかしながら、撮影室にあるモニタは解像度が低く、放射線画像が縮小して表示され、かつ観察環境が比較的明るい場合が多いため、表示された放射線画像を観察して体動の有無を判断することは困難である。このような場合、放射線画像を拡大することが考えられるが、放射線画像を拡大する作業は、技師のワークフローを低下させることとなる。
このため、放射線画像に基づいて体動を自動で検出する手法が提案されている。例えば、放射線画像に含まれるエッジの劣化を、縦方向横方向の2方向の特徴量として学習しておき、放射線画像からエッジを抽出し、学習した特徴量と抽出したエッジとに基づいて、体動によるブレが放射線画像に生じているか否かを判定する手法が提案されている(特許文献1参照)。また、頭部の側面という特定の部位についての特徴点の学習を行い、学習結果を用いて取得した放射線画像の体動を検出する手法も提案されている(非特許文献1参照)。
米国特許第7899229号明細書 Proc. Of SPIE Vol.6914, 69140U, (2008)
しかしながら、特許文献1および非特許文献1に記載された手法は、特定の部位についての学習結果を用いているため、学習を行っていない部位を撮影した放射線画像には適用することができない。また、特許文献1に記載された手法は、エッジの劣化を2方向の特徴点として学習しているため、学習時と異なる撮影条件により放射線画像が取得された場合、あるいは放射線画像に含まれる被写体等が、学習した放射線画像に含まれるものとは異なる場合には、体動を精度良く検出できないことから、検出の安定性が低く、かつ適用可能な被写体の範囲が狭いという問題がある。
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、撮影条件あるいは被写体によらず、放射線画像に含まれる体動を精度良く検出することを目的とする。
本発明による体動検出装置は、放射線画像の高周波成分のコントラストおよび低周波成分のコントラストを算出するコントラスト算出手段と、
高周波成分のコントラストと低周波成分のコントラストとの比率を算出する比率算出手段と、
比率に基づいて放射線画像に含まれる被写体の体動の有無を判定する判定手段とを備えたことを特徴とするものである。
なお、本発明による体動検出装置においては、コントラスト算出手段を、放射線画像から高周波成分を含む高周波画像および低周波成分を含む低周波画像を生成し、高周波画像および低周波画像から、高周波成分のコントラストおよび低周波成分のコントラストを算出する手段としてもよい。
この場合、コントラスト算出手段を、放射線画像に含まれる、高周波成分のコントラストおよび低周波成分のコントラストを算出するための1以上の解析点において、高周波成分のコントラストおよび低周波成分のコントラストを算出する手段としてもよい。
また、この場合、コントラスト算出手段を、高周波画像および低周波画像のそれぞれの解析点において、解析点を中心とする解析領域に含まれるエッジ部分の勾配方向を決定し、高周波画像および低周波画像のそれぞれの勾配方向のコントラストを、高周波成分のコントラストおよび低周波成分のコントラストとして算出する手段としてもよい。
また、本発明による体動検出装置においては、比率算出手段を、解析点が複数ある場合、複数の解析点のそれぞれにおいて決定した勾配方向毎に、高周波成分のコントラストおよび低周波成分のコントラストの比率を算出する手段としてもよい。
この場合、判定手段を、勾配方向毎の比率のうち、最も値が小さい比率を体動を表す指標値に決定し、指標値を特定のしきい値と比較することにより、体動の有無を判定する手段としてもよい。
また、本発明による体動検出装置においては、判定手段を、勾配方向毎の比率のうち、最も値が小さい比率を体動を表す指標値に決定し、複数の解析点における指標値を統計処理した結果に基づいて、体動の有無を判定する手段としてもよい。
この場合、判定手段を、比較的低い指標値となる解析点における指標値の平均値等の統計値に基づいて、比較的低い指標値となる解析点の体動の有無を判定する手段としてもよい。
またこの場合、判定手段を、すべての指標値の分布を生成し、分布における比較的低い指標値の分布に基づいて、体動の有無を判定する手段としてもよい。
また、判定手段を、被写体の部位に応じて、統計処理した結果に基づく体動の有無の判定を行うか否かを決定する手段としてもよい。
また、本発明による体動検出装置においては、放射線画像に対して解析点を設定する解析点設定手段をさらに備えるものとしてもよい。
この場合、解析点設定手段は、放射線画像から被写体の領域を抽出し、領域における低周波成分が特定のしきい値を超える点を解析点として抽出する手段としてもよい。
また、本発明による体動検出装置においては、解析点設定手段を、体動の有無の判定に不適切な領域以外の領域に解析点を設定する手段としてもよい。
この場合、不適切な領域は、放射線画像に含まれる人工物、空気等のガスおよび被写体の辺縁部の少なくとも1つとしてもよい。
また、この場合、解析点設定手段は、被写体の部位および/または診断目的に応じて、不適切な領域を設定する手段としてもよい。
ここで、「不適切な領域以外の領域に解析点を設定する」とは、不適切な領域を検出した後に、放射線画像における不適切な領域以外の領域に解析点を設定するものであってもよく、放射線画像に対して解析点を設定した後に、不適切な領域に設定された解析点を除外するものであってもよい。
また、本発明による体動検出装置においては、体動の有無の判定結果を表示手段に表示する表示制御手段をさらに備えるものとしてもよい。
とくに、解析点を設定する場合において、表示制御手段を、解析点における指標値の大きさを表す情報を解析点に付与して、放射線画像を表示する手段としてもよい。
本発明による体動検出方法は、放射線画像の高周波成分のコントラストおよび低周波成分のコントラストを算出し、
高周波成分のコントラストと低周波成分のコントラストとの比率を算出し、
比率に基づいて放射線画像に含まれる被写体の体動の有無を判定することを特徴とするものである。
なお、本発明による体動検出方法をコンピュータに実行させるためのプログラムとして提供してもよい。
本発明の体動検出装置および方法によれば、放射線画像の高周波成分のコントラストおよび低周波成分のコントラストが算出され、高周波成分のコントラストと低周波成分のコントラストとの比率が算出され、比率に基づいて放射線画像に含まれる被写体の体動の有無が判定される。ここで、撮影中に体動が生じた場合、取得される放射線画像においては、高周波成分のコントラストは低下するが、低周波成分のコントラストは殆ど低下しない。また、撮影条件あるいは被写体の種類によって、放射線画像全体のコントラストは変動するが、その変動は低周波成分のコントラストの差として現れる。このため、高周波成分のコントラストと低周波成分のコントラストとの比率は、体動の有無を表す指標として用いることができる。本発明は学習結果を使用せず、撮影条件あるいは被写体の種類に依存しない高周波成分のコントラストおよび低周波成分のコントラストを用いるようにしたため、撮影条件あるいは被写体の種類に影響されることなく、安定して体動の有無を判定することができる。
また、体動には、被写体の全体が移動することに起因するものと、例えば呼吸や心臓の拍動等の被写体の局所的な移動に起因するものとが存在し、局所的な移動とそれ以外の移動とでは、指標値の統計的な値あるいは統計的な分布が異なるものとなる。このため、複数の解析点における指標値を統計処理した結果に基づいて体動の有無を判定することにより、局所的な体動を検出することが可能となる。
ところで、被写体には、例えば人工関節のような金属等の人工物が含まれる場合がある。また、生殖器等を保護するために鉛プロテクタを用いて撮影を行った場合、放射線画像には鉛プロテクタという人工物が含まれる。また、被写体の胃および腸といった消化器官には、空気等のガスが存在する場合がある。これらの領域は、被写体のスキンラインと同様に、被写体に応じてその形状や存在の有無が異なる。また、これらの領域のエッジは鮮鋭度がそれほど高くないため、これらの領域やスキンラインに対して解析点を設定すると、高周波成分のコントラストと低周波成分のコントラストとの比率に基づいて体動の有無を精度良く判定できない。このため、解析点を設定するに際し、体動の有無の判定に不適切な領域以外の領域に解析点を設定することにより、不適切な領域を除外して解析点を設定することができ、これにより、体動の有無の検出を精度良く行うことができる。
本発明の実施形態による体動検出装置を適用した放射線画像撮影システムの構成を示す概略図 本実施形態において行われる処理を示すフローチャート 多重解像度変換を説明するための図 解析点設定部の構成を示す概略ブロック図 放射線画像の例を示す図 設定した解析点の例を示す図 解析点を中心とする8方向を示す図 解析領域および水平方向のラインを説明するための図 体動ありと判定された場合の判定結果の表示画面の例を示す図 体動ありと判定された場合の判定結果の表示画面の例を示す図 体動ありと判定された場合の判定結果の表示画面の例を示す図 横軸にコントラスト比の値を、縦軸に各コントラスト比の値において体動ありと判定した画像の数、および体動なしと判定した画像の数をプロットしたヒストグラムを示す図 解析点設定部の他の構成を示す概略ブロック図 横軸に指標値を、縦軸に解析点数をプロットしたヒストグラムを示す図(その1) 横軸に指標値を、縦軸に解析点数をプロットしたヒストグラムを示す図(その2)
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明の実施形態による体動検出装置を適用した放射線画像撮影システムの構成を示す概略図である。本実施形態による放射線画像撮影システムは、被写体を撮影することにより、被写体の放射線画像G0を取得する撮影装置10と、放射線画像G0に基づいて体動を検出する、本実施形態の体動検出装置を備えた信号処理部20と、信号処理部20に各種指示を与えるための入力部30と、撮影により取得された放射線画像等を表示する表示部40とから構成されている。
撮影装置10は、被写体Hに放射線Rを照射する放射線管球12、放射線管球12の駆動を制御する撮影制御部13および被写体Hが載置される撮影台14を備える。撮影台14には、被写体Hの放射線検出信号を出力する放射線検出器11が設けられている。放射線検出器11は、マトリクス状に配置された画素毎に照射放射線のエネルギーレベルに対応した放射線検出信号を出力するものであり、この検出信号はA/D変換処理され、被写体Hの放射線画像G0を表すデジタル画像信号として出力される。
なお、放射線検出器11としては、例えば特開平7−72253号公報に記載されているように、放射線の照射を受けて可視光を発するシンチレータと、その可視光を検出する固体光検出素子とが積層されてなるもの、あるいは例えば特開2010−206067号公報に記載されているように、放射線の照射を受けてそのエネルギーに対応した電気信号を出力する放射線光導電層を有してなるものを適用することができる。
信号処理部20は、放射線画像G0を表すデジタル画像信号が入力される前処理部21、多重解像度変換部22、解析点設定部23、コントラスト算出部24、比率算出部25、判定部26および表示制御部27を備える。なお、コントラスト算出部24、比率算出部25、判定部26および表示制御部27が、本発明による体動検出装置を構成する。
入力部30は、例えばキーボード31およびマウス32等からなるものであり、放射線技師等の使用者による各種指示を信号処理部20に入力する。
表示部40は、例えば液晶ディスプレイやCRTディスプレイ等からなるものであり、体動の有無の判定結果や、撮影された被写体の放射線画像等を必要に応じて表示する。
以上述べた信号処理部20、入力部30および表示部40は、例えば一般的なパーソナルコンピュータ等のコンピュータシステムから構成することができる。
次いで、放射線画像の撮影について説明する。放射線画像の撮影に際しては、放射線検出器11が撮影装置10の撮影台14の上に載置され、その上に被写体Hが置かれる。この状態で撮影制御部13が操作されることにより放射線管球12が駆動されて、放射線Rが被写体Hを透過して放射線検出器11に照射される。撮影が終了すると、放射線検出器11から放射線画像G0を表すデジタル画像信号が取得される。この放射線画像G0は表示部40において再生表示可能である。
放射線画像G0は、信号処理部20に入力される。以下、信号処理部20が行う処理について説明する。図2は信号処理部20において行われる処理を示すフローチャートである。信号処理部20に入力された放射線画像G0は、まず前処理部21において、放射線の照射ムラおよび放射線検出器11の検出ムラ等に起因する信号値の変動を補正する処理、放射線画像G0の画質を向上させるための濃度、コントラスト、周波数成分等を補正する画像処理、並びに必要に応じて適宜なされるその他の処理を受ける(前処理、ステップST1)。
次いで、多重解像度変換部22が、前処理済みの放射線画像G0を多重解像度変換し、放射線画像G0の高周波成分および低周波成分を抽出する(ステップST2)。図3は多重解像度変換を説明するための図である。まず、多重解像度変換部22は、放射線画像G0に対してσ=1のガウシアンフィルタによりフィルタリング処理を行って、放射線画像G0を1/2に縮小してガウシアン成分G1を生成する。ガウシアン成分G1は放射線画像G0を1/2に縮小したものとなる。次いで、多重解像度変換部22は、例えば3次Bスプライン補間等の補間演算を行って、ガウシアン成分G1を放射線画像G0と同一サイズに拡大し、拡大したガウシアン成分G1を放射線画像G0から減算して、最高周波数帯域のラプラシアン成分L0を生成する。本実施形態においては、このラプラシアン成分L0を高周波成分として用いる。なお、本実施形態では、最高周波数帯域を便宜上第0の周波数帯域と称する。
次いで、多重解像度変換部22は、ガウシアン成分G1に対してσ=1のガウシアンフィルタによりフィルタリング処理を行って、ガウシアン成分G1をさらに1/2に縮小してガウシアン成分G2を生成し、ガウシアン成分G2をガウシアン成分G1と同一サイズに拡大し、拡大したガウシアン成分G2をガウシアン成分G1から減算して、第1の周波数帯域のラプラシアン成分L1を生成する。さらに、所望とする周波数帯域のラプラシアン成分が生成されるまで上記の処理を繰り返すことにより、複数の周波数帯域のラプラシアン成分Lj(j=0〜n)を生成する。
本実施形態においては、第3の周波数帯域のラプラシアン成分L3が得られるまで、上記の処理を繰り返し、第1周波数帯域のラプラシアン成分L0と同一サイズとなるように、ラプラシアン成分L3を8倍に拡大して、ラプラシアン成分L3′を生成する。そして、このラプラシアン成分L3′を低周波成分として用いる。
ここで、ガウシアン成分の各画素の信号値はその画素の濃度を表し、ラプラシアン成分の各画素の信号値は、その画素におけるその周波数帯域の周波数成分の大きさを表すものとなる。
なお、ウェーブレット変換等の他の多重解像度変換の手法を用いることにより、周波数帯域が異なる複数の帯域画像を生成して最高周波数帯域の帯域画像を高周波成分、上記と同様の第3の周波数帯域の帯域画像を8倍に拡大したものを低周波成分として用いてもよい。なお、低周波成分の周波数帯域は第3の周波数帯域に限定されるものではなく、最高周波数帯域よりも低い周波数帯域であれば、任意の周波数帯域の周波数成分を低周波成分として用いることができる。また、高周波成分としては、放射線画像G0そのものを用いるようにしてもよい。
次いで、解析点設定部23が、後述するコントラストを算出するための解析点を、前処理が施された放射線画像G0に設定する(ステップST3)。具体的には、低周波成分L3′を用いて解析点を設定する。以下、解析点の設定について説明する。図4は、解析点設定部23の構成を示す概略ブロック図である。図4に示すように、解析点設定部23は、被写体領域抽出部51および解析点抽出部52を備える。被写体領域抽出部51は、放射線画像G0に含まれるスキンラインや照射野枠の影響を除外して、体動を検出する対象を放射線画像G0に含まれる骨部を含む被写体領域に限定すべく、放射線画像G0から被写体領域を抽出する。ここで、撮影中に被写体の体動が生じているか否かを判断するためには、放射線画像G0における高コントラストな領域を抽出する必要がある。このため、本実施形態においては、被写体領域抽出部51は、骨部を含む領域を被写体領域として抽出する。
具体的には、対象となる被写体についての学習結果を用いる手法、被写体についてのルールベースの手法、グラフカット法等の各種セグメンテーション技術を用いて、放射線画像G0から被写体領域を抽出する。例えば、図5に示すように、腰椎を含む放射線画像G0から腰椎の部分を抽出する場合、腰椎の形状について学習を行った学習結果を用いて、放射線画像G0から腰椎を含むあらかじめ定められた大きさの領域を被写体領域A0として抽出する。
なお、上述したようにスキンラインを除外するのは、スキンラインは被写体Hに応じて異なり、また、スキンラインの鮮鋭度が被写体Hの厚さによって変化するため、スキンライン上には精度よく解析点を設定することができず、解析点を設定できたとしても、体動の有無を精度良く判定することができないからである。また、スキンラインを除外するには、被写体領域A0に含まれる被写体Hのスキンラインを検出し、検出したスキンラインに対して数ピクセルのエロージョン処理を行って被写体領域A0に含まれる被写体Hの辺縁部を縮小すればよい。
解析点抽出部52は、被写体領域A0から体動の有無を判定する処理の基準となる解析点を抽出する。解析点は、体動の有無を判定しやすい部分から抽出することが好ましい。具体的には、骨部のエッジ上に解析点を抽出することが好ましい。このため、解析点抽出部52は、多重解像度変換部22が生成した低周波成分L3′における被写体領域A0から比較的高い画素値となる画素を解析点として抽出する。具体的には、解析点抽出部52は、低周波成分L3′の被写体領域A0内の各画素の画素値をしきい値Th1と比較し、画素値がしきい値Th1を超える画素位置を解析点として抽出する。なお、しきい値Th1は、例えば、Th1=σ×αにより算出する。ここで、σは低周波成分L3′の被写体領域A0内の画素値の標準偏差、αは係数である。係数αは、低周波成分L3′の各画素の画素値に応じて適宜設定すればよい。このようにして設定した解析点の例を図6に示す。
次いで、コントラスト算出部24が、解析点における高周波成分のコントラストおよび低周波成分のコントラストを算出する(ステップST4)。ここで、被写体に放射線を照射するわずかな時間(数十ミリ秒〜数百ミリ秒)においては、体動は一方向のブレとして現れる。体動が発生した場合、放射線画像G0は体動の方向と同一方向に劣化するが、体動の方向とは垂直な方向には劣化しない。このため、コントラスト算出部24は、まず各解析点におけるエッジの勾配方向を算出する。具体的には、コントラスト算出部24は、低周波成分L3′上に、図7に示すように、解析点P0を中心とする8つの方向を設定する。例えば、紙面の下から上に向かう方向を基準(0度)とした場合、−67.5度、−45度、−22.5度、0度、22.5度、45度、67.5度および90度の8つの方向を設定する。なお、8つの方向をそれぞれθ1〜θ8とする。また、設定する方向は8に限定されるものではなく、2方向、4方向あるいは16方向等、任意の数とすることができる。
そして、各方向毎に、解析点P0を中心とする特定サイズの解析領域を設定する。解析領域は、例えば9×9画素の矩形の領域である。そして、解析領域内に複数のラインを仮想的に設定し、各ラインにおける画素値の最大値と最小値との差分値を各ラインにおけるコントラストとして算出する。ここで、ラインの方向は、その解析領域を設定した方向と一致させる。例えば、図7に示す方向θ1に解析領域を設定した場合、その解析領域に設定するラインの方向はθ1となる。
図8は解析領域および水平方向のラインを説明するための図である。図8に示すように解析点P0のある方向θ1に設定した解析領域A2に複数のラインが設定される。なお、ライン数は、解析領域A2の垂直方向の画素数と同一とすればよい。すなわち、解析領域A2のサイズが9×9画素であれば、ライン数は9とすればよい。しかしながら、ライン数を適宜間引いて少なくしてもよい。
そして、コントラスト算出部24は、すべてのラインについてのコントラストの平均値を、低周波成分L3′においてその解析領域を設定した方向についてのコントラストとして算出する。そして、コントラスト算出部24は、8つの方向θ1〜θ8のすべてに設定した解析領域のそれぞれについて、コントラストの平均値を各解析領域についてのコントラストCLθi(i=1〜8)として算出する。さらに、コントラスト算出部24は、算出した8つのコントラストCLθiのうち、最も値が高いコントラストを算出した解析領域を設定した方向を、その解析点についてのエッジの勾配方向に決定する。
同様に、コントラスト算出部24は、高周波成分L0についても、低周波成分L3′と同様に、すべての解析点において、8つの方向θ1〜θ8のすべてについての8つのコントラストCHθi(i=1〜8)を算出する。そして、算出した8つのコントラストCHθiのうち、最も値が高いコントラストを算出した解析領域を設定した方向を、その解析点についてのエッジの勾配方向に決定する。
なお、各解析点において、コントラストが変化する方向は低周波成分L3′であっても高周波成分L0であっても同一となることから、各解析点におけるエッジの勾配方向は一致することとなる。このため、各解析点において同一のエッジ勾配方向についての、それぞれ1つの高周波成分のコントラストCHθiおよび低周波成分のコントラストCLθiが算出される。
ここで、撮影中に体動が生じた場合、取得される放射線画像G0においては、高周波成分のコントラストは低下するが、低周波成分のコントラストは殆ど低下しない。また、撮影条件あるいは被写体の種類によって、放射線画像全体のコントラストは変動するが、その変動は低周波成分のコントラストの差として現れる。したがって、高周波成分のコントラストと低周波成分のコントラストとの比率は、体動の有無を表す指標として用いることができる。
このため、比率算出部25は、各解析点における高周波成分のコントラストCHθiおよび低周波成分のコントラストCLθiの比率、より具体的には、低周波成分のコントラストCLθiに対する高周波成分のコントラストCHθiの比率CRθi(=CHθi/CLθi)を算出する(ステップST5)。さらに、方向θi毎に、比率CRθiの平均値CRmθiを算出し、最も低い平均値CRmθiを体動の有無を判定するための指標値として算出する(ステップST6)。
なお、体動の有無を判定するための指標値の算出は、上記手法に限定されるものではなく、各解析点における8つの方向のすべてについての高周波成分のコントラストCHθiおよび低周波成分のコントラストCLθiの比率CRθiを算出し、方向θi毎にすべての解析点についての高周波成分のコントラストCHθiおよび低周波成分のコントラストCLθiの比率CRθiの平均値CRmθiを算出し、この平均値のうちで最も低い平均値CRmLを体動の有無を判定するための指標値として算出してもよい。
上述したように、撮影中に体動が生じた場合、取得される放射線画像G0においては、高周波成分のコントラストは低下するが、低周波成分のコントラストは殆ど低下しない。このため、体動が発生しなかった場合、指標値は1に近い値となるが、体動が発生した場合、指標値は1より小さく、かつ体動が大きいほど小さい値となる。
このため、判定部26は、指標値をしきい値Th2と比較し、指標値がしきい値Th2以上か否かを判定する(ステップST7)。判定部26は、指標値がしきい値Th2以上の場合に体動なしと判定し(ステップST8)、しきい値Th2未満の場合に体動ありと判定する(ステップST9)。なお、しきい値Th2は1よりも小さいあらかじめ定められた値とする。
表示制御部27は、判定部26による判定結果を表示部40に表示し(ステップST10)、処理を終了する。図9は体動ありと判定された場合の判定結果の表示画面を示す図である。図9に示すように、判定結果の表示画面には、放射線画像G0および体動の方向および大きさを表す矢印が解析点に付与されている。なお、矢印を付与する解析点の数は、各解析点について算出した比率CRθiを小さい順に並べた場合における上位所定数(図9においては4つ)であってもよく、指標値がしきい値Th2未満となった解析点のすべてであってもよい。また、矢印は比率CRθiの大きさに応じて色を変更してもよく、図9に示すように、比率CRθiの大きさに応じて線種を変更してもよい。なお、本実施形態においては、比率CRθiが小さいほど体動が大きいことから、矢印は比率CRθiが小さいほど体動が大きいことを表すものとなる。また、図10に示すように比率CRθiの大きさに応じて矢印の長さを変更してもよい。ここで、図10においては、比率が小さいほど矢印は長くなる。このように判定結果を表示することにより、放射線画像G0における体動が生じている部分および体動の大きさを確認することが容易となる。
なお、上述したように矢印を付与した場合であっても、放射線画像G0において体動を目視により確認したい場合がある。しかしながら、放射線画像の撮影室にある表示部40の解像度は比較的小さく、また観察環境も比較的明るいことから、目視による体動の確認は容易ではない。このため、図11に示すように、放射線画像G0上に所定サイズの関心領域Wを設定できるようにし、関心領域Wの画像を拡大して放射線画像G0に並べて表示するようにしてもよい。なお、関心領域Wの位置は、矢印を付与した解析点を含むようにあらかじめ設定しておいてもよいが、使用者が入力部30を用いて放射線画像G0上の所望とする位置に移動できるようにしてもよい。
さらに、指標値を表示部40に表示してもよい。この場合、単に数値のみを表示したのでは体動の大きさが判断しにくいため、今までに体動の有無を判定した結果を用いて、現在解析中の放射線画像G0における体動がどの程度あるかを分かりやすくしてもよい。例えば、図12に示すように、横軸に指標値であるコントラストの比率(コントラスト比)の値を、縦軸に各コントラスト比の値において体動ありと判定した画像の数、および体動なしと判定した画像の数をプロットしたヒストグラムを表示し、そのヒストグラムにおける現在解析中の放射線画像G0の指標値を矢印にて指し示すようにしてもよい。なお、図12において、ヒストグラムにおけるしきい値Th2より左側の領域が体動あり、右側の領域が体動なしをそれぞれ表すものとなる。
一方、体動なしと判定された場合には、「体動はありません」というメッセージを表示したり、音声を出力したりすればよい。また、体動ありと判定された場合にも、「体動が見られます。撮影をし直してください」というメッセージを表示したり、音声を出力したりしてもよい。
このように、本実施形態においては、放射線画像G0の高周波成分のコントラストおよび低周波成分のコントラストとの比率に基づいて放射線画像G0に含まれる被写体の体動の有無を判定するようにしたものである。ここで、撮影中に体動が生じた場合、取得される放射線画像G0においては、高周波成分のコントラストは低下するが、低周波成分のコントラストは殆ど低下しない。また、撮影条件あるいは被写体の種類によって、放射線画像全体のコントラストは変動するが、その変動は低周波成分のコントラストの差として現れる。このため、高周波成分のコントラストと低周波成分のコントラストとの比率は、体動の有無を表す指標として用いることができる。本実施形態においては、上記特許文献1等の手法のように学習結果を使用せず、撮影条件あるいは被写体の種類に依存しない高周波成分のコントラストおよび低周波成分のコントラストを用いて体動の有無を判定するようにしたため、撮影条件あるいは被写体の種類に影響されることなく、安定して体動の有無を判定することができる。
ところで、被写体Hには、例えば人工関節のような金属等の人工物が含まれる場合がある。また、生殖器等を保護するために鉛プロテクタを用いて撮影を行った場合、放射線画像G0には鉛プロテクタという人工物が含まれる。また、被写体Hの胃および腸といった消化器官には、空気等のガスが存在する場合がある。人工物は放射線画像G0においては高輝度の領域として現れ、ガスは低輝度の領域として現れる。これらの領域は、被写体Hのスキンラインと同様に、被写体Hに応じてその形状や存在の有無が異なる。また、これらの領域のエッジは鮮鋭度がそれほど高くないため、これらの領域に対しては解析点を精度よく設定することができず、解析点が設定されたとしても、高周波成分のコントラストと低周波成分のコントラストとの比率に基づいて体動の有無を精度良く判定できない。このため、解析点設定部23において、人工物およびガスの領域等の体動の有無の判定に不適切な領域以外の領域に解析点を設定するようにしてもよい。この場合、解析点設定部の構成を図13に示す。
図13に示すように解析点設定部23Aは、被写体領域抽出部51A、解析点抽出部52Aおよび解析点除外部53を備える。なお、被写体領域抽出部51Aおよび解析点抽出部52Aの構成は、被写体領域抽出部51および解析点抽出部52の構成と同一であるため、ここでは詳細な説明は省略する。解析点除外部53は、解析点抽出部52Aが抽出した解析点から、体動の有無の判定に不適切な領域に含まれる解析点を除外する。
ここで、人工物は放射線画像G0において骨等の人体構造よりも高輝度の領域として現れる。また、ガスは人体構造よりも低輝度の領域として現れる。このため、解析点除外部53は、被写体領域A0の輝度値のヒストグラムを作成し、ヒストグラムにおける第1のしきい値よりも輝度が高い領域を人工物領域として抽出する。また、ヒストグラムにおける第2のしきい値(<第1のしきい値)よりも輝度が低い領域をガス領域として抽出する。そして、抽出した人工物領域およびガス領域を、体動の有無の判定に不適切な不適切領域に設定し、不適切領域に含まれる解析点を、解析点抽出部52Aが抽出した解析点から除外する。なお、第1および第2のしきい値は、これらのしきい値の間に人体構造の輝度が含まれるように設定すればよい。
なお、解析点は、骨等の人体構造の領域に設定されることが好ましいため、人体に含まれる骨等の人体構造の特徴を学習し、その学習結果を用いて人体構造の特徴とはならない領域を不適切領域として設定するようにしてもよい。
また、人工物の領域は被写体領域A0において人体構造よりも高コントラストとなる。このため、被写体領域A0において、高コントラストとなる領域を不適切領域に設定するようにしてもよい。なお、撮影装置10の一部が放射線画像G0に含まれると、その領域は高コントラストとなるが、この場合、高コントラストとなる領域は、被写体Hが移動しても移動することはない。このため、とくに高コントラストとなる領域は、解析点を設定する対象から除外して、体動の有無の判定の対象から除外しておくことが好ましい。
また、胸腹部を撮影した場合は消化器官が含まれるためガス領域が多く含まれるが、四肢を撮影した場合はガス領域は含まれない。一方、整形外科において診断のために放射線画像を撮影する場合、金属等の人工物が含まれる場合が多い。このため、撮影部位および/または診断目的に応じて、不適切領域の種類を切り替え、切り替えた種類の不適切領域を設定することが好ましい。これにより、迅速かつ精度良く不適切領域を設定することができる。
なお、上記では、解析点を抽出した後に、不適切領域に含まれる解析点を除外しているが、先に被写体領域A0から不適切領域を抽出して不適切領域を被写体領域A0から除外し、不適切領域を除外した被写体領域A0から解析点を抽出するようにしてもよい。
また、体動には、被写体Hの全体が移動することに起因する体動と、例えば呼吸による肺野および横隔膜の移動、および心臓の拍動等の被写体Hの局所的な移動に起因する局所的な体動とが存在する。また、局所的な体動とそれ以外の体動とでは、上述したように算出した体動の有無を判定するための指標値の統計的な値あるいは統計的な分布が異なるものとなる。このため、判定部26において、指標値を統計処理し、その結果に基づいて局所的な体動の有無を判定するようにしてもよい。
ここで、放射線画像G0内の一部のみが動いている場合、その部分のみ体動の有無を判定するための指標値の値が小さくなる。このため、複数の解析点のうち、指標値が指標値全体の値の分布における特定の範囲(例えば小さい側から30%)となる解析点のみについて指標値の平均値を算出した場合、それらの解析点において体動があった場合は、体動がなかった場合と比較して平均値は小さくなる。したがって、比率算出部25において、指標値が指標値全体の値の分布における特定の範囲(例えば小さい側から30%)となる解析点についてのみ指標値の平均値を算出し、判定部26において、平均値をあらかじめ定められたしきい値と比較し、平均値がしきい値よりも小さい場合に、それらの解析点が存在する局所的な領域において体動があると判定してもよい。
一方、被写体Hの全体が一方向に移動した場合および体動が全くない場合は、横軸に指標値を、縦軸に各指標値となった解析点の数をプロットしたヒストグラム(以下、指標値のヒストグラムとする)を作成した場合、図14に示すようにヒストグラムは単峰性の分布を示す。一方、局所的な体動は、被写体H全体の体動よりも大きくなる傾向があることから、指標値のヒストグラムにおいては、指標値のより低い側にピークを持つようになる。このため、局所的な体動を含む場合、図15に示すように2つのピークを持つ混合性の分布を示す。したがって、判定部26において、指標値のヒストグラムを生成し、その分布が単峰性の分布ではなく混合性の分布である場合に、局所的な体動があると判定してもよい。なお、混合性の分布は、最も頻度の低い部分で分離する等、既知の手法を用いて分布を分離することができるため、コントラストのヒストグラムを分離し、ピークが低い側の指標値となった解析点を特定することにより、特定した解析点が存在する局所的な位置において、体動があることを判定することができる。
また、胸腹部を撮影した場合は、呼吸および振動の拍動の影響により、肺野、肋骨および心臓が動く場合があるため、局所的な体動が含まれることが多い。一方、四肢を撮影した場合は、体動があった場合その全体が移動するため、局所的な体動は含まれないことが多い。このため、撮影部位に応じて、局所的な体動が起こりうる場合と起こりにくい場合とがあることから、判定部26において、撮影部位に応じて、指標値を統計処理することにより局所的な体動の有無を判定するか否かを切り替えるようにしてもよい。
なお、上記実施形態においては、解析点設定部23において体動の有無を判定するための解析点を設定しているが、放射線画像G0を表示部40に表示し、使用者がマニュアル操作にて解析点を設定するようにしてもよい。また、解析点を放射線画像G0上における固定の場所としてもよい。この際、体動の有無を判定するには不適切な領域を放射線画像G0からあらかじめ削除しておき、不適切な領域には、解析点を設定できないようにしておくことが好ましい。
また、上記実施形態においては、多重解像度変換部22において放射線画像G0を多重解像度変換して、放射線画像G0の高周波成分および低周波成分を取得しているが、解析点を含む所定範囲の領域の放射線画像G0をフーリエ変換して、解析点についてのパワースペクトルを求め、パワースペクトルにおけるあらかじめ定められた高周波数帯域の値および低周波数帯域の値を、解析点における高周波成分のコントラストおよび低周波成分のコントラストとして算出してもよい。この場合、高周波成分のコントラストと低周波成分のコントラストとの比率は、実質的には、パワースペクトルにおける高周波成分と低周波成分との比率となる。
また、上記実施形態においては、放射線検出器11を用いて被写体の放射線画像を撮影する撮影装置10において取得した放射線画像を用いて体動を判定しているが、特開平8−266529号公報、特開平9−24039号公報等に示される放射線検出体としての蓄積性蛍光体シートに被写体の放射線画像情報を蓄積記録し、蓄積性蛍光体シートから光電的に読み取ることにより取得した放射線画像を用いて体動を判定するに際しても、本発明を適用できることはもちろんである。
10 撮影装置
11 放射線検出器
12 放射線管球
13 撮影制御部
14 撮影台
20 信号処理部
21 前処理部
22 多重解像度変換部
23 解析点設定部
24 コントラスト算出部
25 比率算出部
26 判定部
27 表示制御部
30 入力部
40 表示部
51 被写体領域抽出部
52 解析点抽出部

Claims (19)

  1. 放射線画像の高周波成分のコントラストおよび低周波成分のコントラストを算出するコントラスト算出手段と、
    前記高周波成分のコントラストと前記低周波成分のコントラストとの比率を算出する比率算出手段と、
    該比率に基づいて前記放射線画像に含まれる被写体の体動の有無を判定する判定手段とを備えたことを特徴とする体動検出装置。
  2. 前記コントラスト算出手段は、前記放射線画像から前記高周波成分を含む高周波画像および前記低周波成分を含む低周波画像を生成し、該高周波画像および該低周波画像から、前記高周波成分のコントラストおよび前記低周波成分のコントラストを算出する手段であることを特徴とする請求項1記載の体動検出装置。
  3. 前記コントラスト算出手段は、前記放射線画像に含まれる、前記高周波成分のコントラストおよび前記低周波成分のコントラストを算出するための1以上の解析点において、前記高周波成分のコントラストおよび前記低周波成分のコントラストを算出する手段であることを特徴とする請求項2記載の体動検出装置。
  4. 前記コントラスト算出手段は、前記高周波画像および前記低周波画像のそれぞれの前記解析点において、該解析点を中心とする解析領域に含まれるエッジ部分の勾配方向を決定し、前記高周波画像および前記低周波画像のそれぞれの該勾配方向のコントラストを、前記高周波成分のコントラストおよび前記低周波成分のコントラストとして算出する手段であることを特徴とする請求項3記載の体動検出装置。
  5. 前記比率算出手段は、前記解析点が複数ある場合、該複数の解析点のそれぞれにおいて決定した前記勾配方向毎に、前記高周波成分のコントラストおよび前記低周波成分のコントラストの比率を算出する手段であることを特徴とする請求項4記載の体動検出装置。
  6. 前記判定手段は、前記勾配方向毎の前記比率のうち、最も値が小さい比率を前記体動を表す指標値に決定し、該指標値を特定のしきい値と比較することにより、前記体動の有無を判定する手段であることを特徴とする請求項5記載の体動検出装置。
  7. 前記判定手段は、前記勾配方向毎の前記比率のうち、最も値が小さい比率を前記体動を表す指標値に決定し、前記複数の解析点における指標値を統計処理した結果に基づいて、前記体動の有無を判定する手段であることを特徴とする請求項5記載の体動検出装置。
  8. 前記判定手段は、比較的低い前記指標値となる解析点における該指標値の統計値に基づいて、前記比較的低い指標値となる解析点の前記体動の有無を判定する手段であることを特徴とする請求項7記載の体動検出装置。
  9. 前記判定手段は、すべての前記指標値の分布を生成し、該分布における比較的低い指標値の分布に基づいて、前記体動の有無を判定する手段であることを特徴とする請求項8記載の体動検出装置。
  10. 前記判定手段は、前記被写体の部位に応じて、前記統計処理した結果に基づく前記体動の有無の判定を行うか否かを決定する手段であることを特徴とする請求項7から9のいずれか1項記載の体動検出装置。
  11. 前記放射線画像に対して前記解析点を設定する解析点設定手段をさらに備えたことを特徴とする請求項3から10のいずれか1項記載の体動検出装置。
  12. 前記解析点設定手段は、前記放射線画像から前記被写体の領域を抽出し、該領域における前記低周波成分が特定のしきい値を超える点を解析点として抽出する手段であることを特徴とする請求項11記載の体動検出装置。
  13. 前記解析点設定手段は、前記体動の有無の判定に不適切な領域以外の領域に前記解析点を設定する手段であることを特徴とする請求項11または12記載の体動検出装置。
  14. 前記不適切な領域は、前記放射線画像に含まれる人工物、ガスおよび前記被写体の辺縁部の少なくとも1つであることを特徴とする請求項13記載の体動検出装置。
  15. 前記解析点設定手段は、前記被写体の部位および/または診断目的に応じて、前記不適切な領域を設定する手段であることを特徴とする請求項13または14記載の体動検出装置。
  16. 前記体動の有無の判定結果を表示手段に表示する表示制御手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1または2記載の体動検出装置。
  17. 前記体動の有無の判定結果を表示手段に表示する表示制御手段をさらに備えたことを特徴とする請求項3から15のいずれか1項記載の体動検出装置。
  18. 前記表示制御手段は、前記解析点における前記指標値の大きさを表す情報を該解析点に付与して、前記放射線画像を表示する手段であることを特徴とする請求項17記載の体動検出装置。
  19. 放射線画像の高周波成分のコントラストおよび低周波成分のコントラストを算出し、
    前記高周波成分のコントラストと前記低周波成分のコントラストとの比率を算出し、
    該比率に基づいて前記放射線画像に含まれる被写体の体動の有無を判定することを特徴とする体動検出方法。
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