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JP2014069563A - タイヤ製造方法、及びタイヤ製造ライン - Google Patents

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博幸 鬼松
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Abstract

【課題】1つのライン上で、サイズ違いの複数サイズのタイヤを同時にかつランダムに形成する。
【解決手段】軌道に沿って配される複数の作業ステーションに配する部材組付け装置により、軌道上を移動する剛性中子の外表面に、タイヤ構成部材を組み付ける生タイヤ形成行程と、生タイヤを剛性中子ごと加硫金型内に投入する加硫行程とを具える。各作業ステーションに剛性中子が搬入される毎に、剛性中子のサイズを識別し、その識別情報と、制御装置に予め記憶させたサイズ毎の部材材料の貼付条件のデータとから、識別されたサイズに応じた貼付条件のデータを求める。そのデータに基づいて部材組付け装置を制御する。
【選択図】図1

Description

本発明は、1つのライン上で、サイズ違いの複数サイズのタイヤを同時にかつランダムに形成しうるタイヤ製造方法、及びタイヤ製造ラインに関する。
近年、工場設備の小型化、及び加硫金型の稼働率を高めるために、1つのライン上で、サイズ違いの複数サイズのタイヤを同時に形成することが望まれている。
その理由は、下記のとうりである。タイヤを製造する場合、タイヤの加硫行程に最も多くの時間が必要となる。従って、タイヤの生産効率を高めるためには、多くの加硫金型を準備し、単位時間当たりの加硫本数を生タイヤの形成本数に近づけることが必要である。一方、タイヤでは、種々な車種に対応するために、タイヤの品種毎に、サイズ違いの複数サイズのタイヤを準備する必要があり、そのため加硫金型のサイズ数も増加する。
従って、単一サイズのタイヤをロット生産する場合、1つのサイズの加硫金型しか使用されず、それ以外の多くのサイズの加硫金型は、保管されたままの状態となる。その結果、加硫金型の稼働率を著しく低下させるとともに、加硫金型の保管に大きなスペースが必要となって工場の大型化を招く。これに対して、サイズ違いの複数サイズのタイヤを同時に形成する場合には、複数サイズの加硫金型も同時に使用されるため、加硫金型の稼働率を向上させることができる。又加硫金型の保管スペースを削減しうるため、工場の小型化をも達成できる。
しかしながら、従来の生産方法及び生産ラインでは、サイズ違いの複数サイズのタイヤを同時に形成することは困難である。
なお従来の生産方法では、
(1)例えば円筒状の成形ドラム上で、インナーライナゴム、カーカスプライ等を順次巻回して円筒状体を形成する行程、
(2)前記円筒状体の両端部にビードコアを外挿し、このビードコアの廻りで前記円筒状体の両端部を折り返す行程、
(3)トレッド形成ドラムを用い、このトレッド形成ドラム上でベルトプライ、バンドプライ、トレッドゴム等を順次巻回してトレッドリングを形成する行程、
(4)両端部が折り返された前記円筒状体を、シェーピングフォーマに移載するとともに、このシェーピングフォーマの半径方向外側に、前記トレッドゴムを待機させる行程、
(5)前記シェーピングフォーマ上で、前記円筒状体をトロイド状に膨出させ、その膨出部分を前記トレッドリングの内周面に接合して一体化する行程、
などをへて生タイヤを形成している。なお、例えばサイドウォールゴム、チェーファゴム、ビードエーペックスゴム等は、前記(1)の行程、或いは(5)の行程等において適宜に貼着される。
この時、前記インナーライナゴム、カーカスプライ、ビードコア、ベルトプライ、バンドプライ、トレッドゴム、サイドウォールゴム、チェーファゴム、ビードエーペックスゴム等であるタイヤ構成部材は、それぞれオフラインにてタイヤサイズに応じた種々の巾、種々の断面形状、或いは種々のコード角度に予め加工されている。この予加工されたタイヤ構成部材は、半完成部材として一時的に保管される。そしてタイヤ形成時、形成するタイヤサイズに合った予加工のタイヤ構成部材が、生産ラインに投入される。又前記成形ドラム、トレッド形成ドラム等も、タイヤサイズに合ったものに付け替えられる。
従ってこのような従来の生産方法及び生産ラインでは、単一サイズのタイヤを大量に生産する所謂ロット生産には適しているものの、サイズ違いの複数サイズのタイヤを同時に形成することは困難である。
そこで本発明者は、剛性中子を用いたタイヤ形成方法(以下、「中子工法」と呼ぶ。)に着目して研究した。この「中子工法」は下記の特許文献1に記載されるように、加硫済みタイヤのタイヤ内腔面と略等しい外形形状を有する剛性中子を用いて行われる。具体的には、剛性中子の外表面に、タイヤ構成部材を順次組み付け、これにより生タイヤを形成する。又前記生タイヤは、剛性中子ごと加硫金型内に投入され、これにより内型である剛性中子と外型である加硫金型との間に挟まれて、生タイヤが加硫成形される。
このような中子工法では、剛性中子に直接タイヤ構成部材を組み付けるため、成形ドラムやトレッド形成ドラム等の従来の付け替えが不要である。従って、複数サイズの剛性中子を用いるとともに、もしタイヤ構成部材を、剛性中子のサイズに合わせて順次形成しながら貼付けることができれば、サイズ違いの複数サイズのタイヤを同時に形成することが可能となる。
特開2006−160236号公報
本発明は、1つのライン上で、サイズ違いの複数サイズのタイヤを同時にかつランダムに形成することができ、工場設備の小型化、及び加硫金型の稼働率の向上を達成しうるタイヤ製造方法、及びタイヤ製造ラインを提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本願請求項1の発明は、
軌道に沿って配置される複数の作業ステーションを有する生タイヤ形成ラインを用い、前記軌道上を移動する剛性中子の外表面に、それぞれの作業ステーションにてタイヤ構成部材を組み付けることにより複数のタイヤ構成部材からなる生タイヤを形成する生タイヤ形成行程と、
複数の加硫金型を有するタイヤ加硫ラインを用い、前記形成された生タイヤを剛性中子ごと前記加硫金型内に投入して加硫成形する加硫行程とを具えるタイヤ製造方法であって、
前記生タイヤ形成ラインは、各作業ステーションに配置されかつ制御装置によって制御される部材組付け装置を具え
前記剛性中子は、サイズ違いのタイヤを形成するための複数サイズの剛性中子を含み、かつ前記加硫金型は、サイズ違いのタイヤを形成するための複数サイズの加硫金型を含むとともに、
1つの生タイヤを構成する複数のタイヤ構成部材のそれぞれは、各タイヤ構成部材ごとに設定されるタイヤ構成部材形成用の部材材料を、剛性中子のサイズに応じて定まる貼付条件に基づいて前記部材組付け装置により貼付けることによって形成され、
しかも前記生タイヤ形成行程では、
各作業ステーションに剛性中子が搬入される毎に、搬入される剛性中子のサイズを識別センサによって識別し、
前記識別センサからの識別情報と、前記制御装置に予め記憶された剛性中子のサイズ毎の各部材材料の貼付条件のデータとから、前記識別されたサイズに応じた貼付条件のデータを求めるとともに、求めた貼付条件のデータに基づいて、前記搬入される作業ステーションの部材組付け装置を制御することを特徴としている。
また請求項2は、軌道に沿って配置される複数の作業ステーションを有し、前記軌道上を移動する剛性中子の外表面に、それぞれの作業ステーションにてタイヤ構成部材を組み付けることにより複数のタイヤ構成部材からなる生タイヤを形成する生タイヤ形成ラインと、
前記形成された生タイヤを剛性中子ごと加硫成形する複数の加硫金型を有するタイヤ加硫ラインとを具えるタイヤ製造ラインであって、
前記生タイヤ形成ラインは、各作業ステーションに配置されかつ前記剛性中子の外表面にタイヤ構成部材を組み付ける部材組付け装置と、各前記部材組付け装置を制御する制御装置とを具え、
前記剛性中子は、サイズ違いのタイヤを形成するための複数サイズの剛性中子を含み、かつ前記加硫金型は、サイズ違いのタイヤを形成するための複数サイズの加硫金型を含むとともに、
1つの生タイヤを構成する複数のタイヤ構成部材のそれぞれは、各タイヤ構成部材ごとに設定されるタイヤ構成部材形成用の部材材料を、剛性中子のサイズに応じて定まる貼付条件に基づいて前記部材組付け装置により貼付けることによって形成され、
しかも前記制御装置は、
前記剛性中子のサイズ毎の各部材材料の貼付条件のデータを記憶する記憶部、
各作業ステーションに剛性中子が搬入される毎に、搬入される剛性中子のサイズを識別する識別センサ、
及び前記識別センサからの識別情報と、前記記憶部に予め記憶された剛性中子のサイズ毎の各部材材料の貼付条件のデータとから求まる前記識別されたサイズに応じた貼付条件のデータに基づいて、前記搬入される作業ステーションの部材組付け装置を制御する制御部を具えることを特徴としている。
また請求項3では、前記制御部は、各部材組付け装置に対して設けられ、
かつ前記記憶部は、前記識別センサからの識別情報に基づき、識別されたサイズに応じた貼付条件のデータを前記制御部にダウンロードするとともに、
前記制御部は、ダウンロードされた貼付条件のデータに基づいて前記搬入される作業ステーションの部材組付け装置を制御することを特徴としている。
また請求項4では、前記タイヤ構成部材は、トレッドゴムとサイドウォールゴムとを含むゴム部材、カーカスプライとベルトプライとを含むコードプライ部材、及びビードコアを含むワイヤ部材に区分されるとともに、
前記ゴム部材の部材材料として、長尺テープ状のゴムストリップが用いられ、
前記コードプライ部材の部材材料として、長さ方向に引き揃えたタイヤコードの配列体をトッピングゴムで被覆した長尺テープ状のコードストリップが用いられ、
かつ前記ワイヤ部材の部材材料として、ゴム引きワイヤが用いられることを特徴としている。
本発明は叙上の如く構成しているため、1つのライン上で、サイズ違いの複数サイズの生タイヤを同時に効率よくかつランダムに形成することができる。その結果、複数サイの加硫金型を同時に使用でき、加硫金型の稼働率を向上させうる。しかも加硫金型の保管スペースを削減できるため、工場の小型化にも貢献できる。
本発明のタイヤ製造ラインの一実施例を概念的に示す平面図である。 生タイヤ形成ラインを概念的に示す拡大平面図である。 (A)、(B)は、制御装置による制御を説明する作用図である。 本発明の生タイヤ形成ラインで形成される生タイヤの一実施例を示す断面図である。 (A)〜(C)はタイヤ構成部材を形成する部材材料を示す斜視図である。 ゴムストリップ(部材材料)によりトレッドゴム(タイヤ構成部材)を形成する方法を示す説明図である。 (A)〜(D)は、コードストリップ(部材材料)によりカーカスプライ(タイヤ構成部材)を形成する方法を示す説明図である。 (A)〜(C)は、コードストリップ(部材材料)によりベルトプライ(タイヤ構成部材)を形成する方法を示す説明図である。 ゴムストリップ貼付装置の側面図である。 ワイヤ貼付装置の側面図である。 コードストリップ貼付装置の側面図である。 コードストリップ貼付装置の側面図である。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
図1に示すように、本実施形態のタイヤ製造ライン1は、生タイヤ形成ライン1Aと、タイヤ加硫ライン1Bとを具える。
前記生タイヤ形成ライン1Aは、軌道3と、この軌道3に沿って配置される複数(n)の作業ステーション4とを具える。そしてこの生タイヤ形成ライン1Aでは、前記軌道3上を移動する剛性中子5の外表面に、それぞれの作業ステーション4にてタイヤ構成部材Tを前記配置の順序で貼り付けることにより生タイヤ6を形成する生タイヤ形成行程が行われる。
又前記タイヤ加硫ライン1Bは、複数の加硫金型18を有し、このタイヤ加硫ライン1Bでは、前記形成された生タイヤ6を剛性中子5ごと前記加硫金型18内に投入して加硫成形する加硫行程が行われる。
図4に、前記生タイヤ形成ライン1Aで形成される生タイヤ6の一実施例が示される。 この生タイヤ6は、本例では、
(ア)トレッド部6aからサイドウォール部6bへてビード部6cに至る1枚以上、本例では1枚のカーカスプライT1、
(イ)前記カーカスプライT1の半径方向外側かつ前記トレッド部6aの内部に配される1枚以上、本例では2枚のベルトプライT2、
(ウ)前記ベルトプライT2のさらに半径方向外側に配される1枚以上、本例では1枚のバンドプライT3、
(エ)前記トレッド部6aの外表面をなすトレッドゴムT4、
(オ)前記サイドウォール部6bの外表面をなすサイドウォールゴムT5、
(カ)前記ビード部6cの外表面をなすリムズレ防止用のチェーファゴムT6、
(キ)タイヤ内腔面をなすインナライナゴムT7、
(ク)前記ビード部6cに配され、かつ前記カーカスプライT1の半径方向内端部をタイヤ軸方向内外から狭持する内、外のビードコアT8、T9及び
(ケ)各前記内外のビードコアT8、T9からそれぞれ立ち上がるビード補強用の内外のビードエーペックスゴムT10、T11である複数(n=11)のタイヤ構成部材Tによって形成される。
なお前記カーカスプライT1は、タイヤ赤道Coに対して例えば90°の角度で配列するカーカスコードと、それを被覆するトッピングゴムとを有する。前記ベルトプライT2は、タイヤ赤道Coに対して例えば10〜40°の角度θ(図8に示す。)で配列するベルトコードと、それを被覆するトッピングゴムとを有する。前記バンドプライT3は、タイヤ周方向に配列するバンドコードと、それを被覆するトッピングゴムとを有する。
この生タイヤ6を構成する複数(n=11)のタイヤ構成部材T1〜T11は、それぞれ、各タイヤ構成部材T1〜T11ごとに設定されるタイヤ構成部材形成用の部材材料M1〜M11が、剛性中子5のサイズに応じて定まる貼付条件Jに基づいて貼付けられることによって形成される。
例えば、A、B、Cのサイズの生タイヤ6を形成する場合、
(a)サイズAの生タイヤ6Aは、剛性中子5Aの外周面に、
部材材料M1を、貼付条件J1で貼付けてなるタイヤ構成部材T1と、
部材材料M2を、貼付条件J2で貼付けてなるタイヤ構成部材T2と、
部材材料M3を、貼付条件J3で貼付けてなるタイヤ構成部材T3と、
部材材料M4を、貼付条件J4で貼付けてなるタイヤ構成部材T4と、
部材材料M5を、貼付条件J5で貼付けてなるタイヤ構成部材T5と、
部材材料M6を、貼付条件J6で貼付けてなるタイヤ構成部材T6と、
部材材料M7を、貼付条件J7で貼付けてなるタイヤ構成部材T7と、
部材材料M8を、貼付条件J8で貼付けてなるタイヤ構成部材T8と、
部材材料M9を、貼付条件J9で貼付けてなるタイヤ構成部材T9と、
部材材料M10を、貼付条件J1Aで貼付けてなるタイヤ構成部材T10と、
部材材料M11を、貼付条件J11で貼付けてなるタイヤ構成部材T11と、
を貼り付けることにより形成される。
(b)サイズBの生タイヤ6Bは、剛性中子5Bの外周面に、
部材材料M1を、貼付条件J1で貼付けてなるタイヤ構成部材T1と、
部材材料M2を、貼付条件J2で貼付けてなるタイヤ構成部材T2と、
部材材料M3を、貼付条件J3で貼付けてなるタイヤ構成部材T3と、
部材材料M4を、貼付条件J4で貼付けてなるタイヤ構成部材T4と、
部材材料M5を、貼付条件J5で貼付けてなるタイヤ構成部材T5と、
部材材料M6を、貼付条件J6で貼付けてなるタイヤ構成部材T6と、
部材材料M7を、貼付条件J7で貼付けてなるタイヤ構成部材T7と、
部材材料M8を、貼付条件J8で貼付けてなるタイヤ構成部材T8と、
部材材料M9を、貼付条件J9で貼付けてなるタイヤ構成部材T9と、
部材材料M10を、貼付条件J10で貼付けてなるタイヤ構成部材T10と、
部材材料M11を、貼付条件J11で貼付けてなるタイヤ構成部材T11と、
を貼り付けることにより形成される。
(c)サイズCの生タイヤ6Cは、剛性中子5Cの外周面に、
部材材料M1を、貼付条件J1で貼付けてなるタイヤ構成部材T1と、
部材材料M2を、貼付条件J2で貼付けてなるタイヤ構成部材T2と、
部材材料M3を、貼付条件J3で貼付けてなるタイヤ構成部材T3と、
部材材料M4を、貼付条件J4で貼付けてなるタイヤ構成部材T4と、
部材材料M5を、貼付条件J5で貼付けてなるタイヤ構成部材T5と、
部材材料M6を、貼付条件J6で貼付けてなるタイヤ構成部材T6と、
部材材料M7を、貼付条件J7で貼付けてなるタイヤ構成部材T7と、
部材材料M8を、貼付条件J8で貼付けてなるタイヤ構成部材T8と、
部材材料M9を、貼付条件J9で貼付けてなるタイヤ構成部材T9と、
部材材料M10を、貼付条件J10で貼付けてなるタイヤ構成部材T10と、
部材材料M11を、貼付条件J11で貼付けてなるタイヤ構成部材T11と、
を貼り付けることにより形成される。
具体的には、前記タイヤ構成部材T1〜T11は、ゴム部材TGと、コードプライ部材TCと、ワイヤ部材TWとに区分される。本例では、前記ゴム部材TGには、前記トレッドゴムT4、サイドウォールゴムT5、チェーファゴムT6、インナライナゴムT7、内外のビードエーペックスゴムT10、T11が含まれる。又前記コードプライ部材TCには、前記カーカスプライT1、ベルトプライT2、バンドプライT3が含まれる。又前記ワイヤ部材TWには、前記内外のビードコアT8、T9が含まれる。
そして、前記ゴム部材TGをなすトレッドゴムT4の部材材料M4、サイドウォールゴムT5の部材材料M5、チェーファゴムT6の部材材料M6、インナライナゴムT7の部材材料M7、内外のビードエーペックスゴムT10、T11の部材材料M10、M11として、それぞれ図5(A)に示すように、長尺テープ状のゴムストリップ8が用いられる。このゴムストリップ8には、図6に示すように、螺旋状に巻回する所謂ストリップワインド法(STW法)が適用され、例えば巻き付けの螺旋ピッチ、巻き付け回数などの条件を違えることにより、所望の断面形状、断面サイズのゴム部材TGを適宜形成することができる。同様に、前記条件を調整することで、ゴム部材TGのサイズを、剛性中子5の各サイズに適合させることもできる。従って、部材材料M4、M5、M6、M7、M10、M11の貼付条件J4、J5、J6、J7、J10、J11として、螺旋ピッチや巻き付け回数等が挙げられる。なお当然ではあるが、前記ゴムストリップ8のゴム組成、及び断面寸法は、部材材料M4、M5、M6、M7、M10、M11毎に設定される。
又前記コードプライ部材TCをなすカーカスプライT1の部材材料M1、ベルトプライT2の部材材料M2、バンドプライT3の部材材料M3として、図5(B)に示すように、長さ方向に引き揃えたタイヤコード9aの配列体をトッピングゴム9bで被覆した長尺テープ状のコードストリップ9が用いられる。
前記カーカスプライT1の場合、図7(A)〜(D)に示すように、前記コードストリップ9を所定長さで切断した短冊片9Aを、そのタイヤコード9aがタイヤ赤道Coに対して直角となる向きで、タイヤ周方向に順次貼り付けることにより形成される。この時、短冊片9Aの切断長さL、短冊片9A間の重なり巾Wg(又は隙間)、周方向の貼り付け枚数等を調整することにより、カーカスプライT1のサイズを、剛性中子5の各サイズに適合させることができる。従って、部材材料M1の貼付条件J1として、短冊片9Aの切断長さL、短冊片9A間の重なり巾Wg(又は隙間)、周方向の貼り付け枚数等が挙げられる。
又ベルトプライT2の場合、図8(A)〜(C)に示すように、前記コードストリップ9を所定長さで斜めに切断した短冊片9Bを、そのタイヤコード9aがタイヤ赤道Coに対して前記角度θで傾斜する向きで、タイヤ周方向に順次貼り付けることにより形成される。この時、短冊片9Bの切断角度α、切断長さL、短冊片9B間の隙間Wd、周方向の貼り付け枚数、貼付角度θ(θ=α)等を調整することにより、ベルトプライT2のサイズを、剛性中子5の各サイズに適合させることができる。従って部材材料M2の貼付条件J2として、短冊片9Bの切断角度α、切断長さL、短冊片9B間の隙間Wd、周方向の貼り付け枚数、貼付角度θ(θ=α)等が挙げられる。
又バンドプライT3の場合、前記コードストリップ9を、タイヤ周方向に螺旋状に連続して巻回することにより形成される。この時、コードストリップ9の螺旋ピッチ、巻き付け回数等によって、バンドプライT3のサイズを、剛性中子5の各サイズに適合させることができる。従って部材材料M3の貼付条件J3として、コードストリップ9の螺旋ピッチ、巻き付け回数等が挙げられる。なお当然ではあるが、前記コードストリップ9におけるタイヤコード9aの材質、太さ、コード間距離、及びトッピングゴム9bのゴム組成等は、部材材料M1、M2、M3毎に設定される。
又前記ワイヤ部材TWをなす内外のビードコアT8、T9の部材材料M8、M9として、図5(C)に示すゴム引きワイヤ7が用いられる。このゴム引きワイヤ7を半径方向内側から外側に渦巻き状に巻回することによりビードコアT8、T9が形成される。又ゴム引きワイヤ7の巻き付け半径、巻き付け回数等によって、ビードコアT8、T9のサイズを、剛性中子5の各サイズに適合させることができる。従って部材材料M8、M9の貼付条件J8、J9として、ゴム引きワイヤ7の巻き付け半径、巻き付け回数等が挙げられる。
次に、前記剛性中子5は、サイズ違いのタイヤを形成するための複数サイズの剛性中子を含む。本例では、例えば3つのサイズの剛性中子5A、5B、5Cが用いられ、1つのライン上で、3つのサイズの生タイヤ6A、6B、6Cが同時に形成される場合が示される。前記剛性中子5A、5B、5Cでは、前記図4に示すように、ビード径Dt、ビード巾Wt、断面高さHt等の少なくとも1つが相違する。
又前記図2に示すように、前記軌道3は、本例では、コ字状に折れ曲がった屈曲軌道として形成される。具体的には、軌道3は、互いに平行にのびる直線状の横の軌道部3A、3Cと、この横の軌道部3A、3Cの一端部間をのびる直線状の縦の軌道部3Bとから形成される。そして、前記横の軌道部3Aの他端部を始端位置P1とし、軌道部3A→軌道部3B→軌道部3Cを通って、前記横の軌道部3Cの他端部である終端位置P2まで、剛性中子5を案内する。なお前記軌道部3Aと軌道部3Bとの交わり部、及び軌道部3Bと軌道部3Cと交わり部に、屈曲部Qa(不連続部Qbでもある。)が形成される。前記軌道3は、本例では、互いに平行な一対のレール20によって形成される。
又軌道3に沿って配置される前記複数(n=11)の作業ステーション4には、前記軌道3上を移動する剛性中子5に、前記タイヤ構成部材Tを組み付ける部材組付け装置21がそれぞれ配される。各前記部材組付け装置21は、制御装置10によって制御され、この制御装置10から指示される貼付条件Jに基づいて前記部材材料Mを貼り付ける。
なお前記剛性中子5は、軌道3上を移動する中子搬送台車2によって搬送される。本例では、中子搬送台車2は、各作業ステーション4に設けられる。この中子搬送台車2は、隣り合う作業ステーション4、4間を移動するとともに、剛性中子5を隣り合う中子搬送台車2、2間で剛性中子5を順次受け渡しすることにより、剛性中子5を始端位置P1から終端位置P2まで搬送する。この受け渡し搬送により、軌道3に屈曲部Qaや不連続部Qbを形成することが可能となり、軌道3の自由度や工場設計の自由度を高めることができる。しかし軌道3全体を滑らかな曲線、或いは直線で形成し、始端位置P1から終端位置P2までを一台の中子搬送台車2によって搬送することもできる。
前記作業ステーション4は、図2に拡大して示すように、本例では、
(1)部材組付け装置21として、チェーファゴムT6を組付ける部材組付け装置21aを具える第1の作業ステーション4aと、
(2)部材組付け装置21として、インナライナゴムT7を組付ける部材組付け装置21bを具える第2の作業ステーション4bと、
(3)部材組付け装置21として、内のビードコアT8を組付ける部材組付け装置21cを具える第3の作業ステーション4cと、
(4)部材組付け装置21として、内のビードエーペックスゴムT10を組付ける部材組付け装置21dを具える第4の作業ステーション4dと、
(5)部材組付け装置21として、カーカスプライT1を組付ける部材組付け装置21eを具える第5の作業ステーション4eと、
(6)部材組付け装置21として、外のビードコアT9を組付ける部材組付け装置21fを具える第6の作業ステーション4fと、
(7)部材組付け装置21として、外のビードエーペックスゴムT11を組付ける部材組付け装置21gを具える第7の作業ステーション4gと、
(8)部材組付け装置21として、ベルトプライT2を組付ける部材組付け装置21hを具える第8の作業ステーション4hと、
(9)部材組付け装置21として、バンドプライT3を組付ける部材組付け装置21iを具える第9の作業ステーション4iと、
(10)部材組付け装置21として、サイドウォールゴムT5を組付ける部材組付け装置21jを具える第10の作業ステーション4jと、
(11)部材組付け装置21として、トレッドゴムT4を組付ける部材組付け装置21kを具える第11の作業ステーション4kと
からなり、この順番で前記軌道3に沿って配置される。
又前記部材組付け装置21a〜21kを制御する制御装置10は、記憶部15と、識別センサ(図示しない。)と、制御部17とを具える。
前記記憶部15は、剛性中子5のサイズ毎に定まる各部材材料Mの貼付条件Jのデータを予め記憶する。本例の場合、前記記憶部15は、サイズAにおける部材材料M1〜M11の貼付条件J1〜J11のデータと、サイズBにおける部材材料M1〜M11の貼付条件J1〜J11のデータと、サイズCにおける部材材料M1〜M11の貼付条件J1〜J11とを記憶している。
又前記識別センサは、各作業ステーション4に剛性中子5が搬入される毎に、搬入される剛性中子5のサイズを識別する。本例では、各作業ステーション4a〜4kに識別センサが配され、第1の作業ステーション4aに搬入される剛性中子5のサイズ、第2の作業ステーション4bに搬入される剛性中子5のサイズ、・・・第11の作業ステーション4kに搬入される剛性中子5のサイズを、それぞれ搬入毎に識別する。識別方法としては、特に規制されることがなく、例えば剛性中子5に識別マーク、ICタグなどを設け、それを読み取ることで剛性中子5のサイズを識別しうる。
又前記制御部17は、前記識別センサからの識別情報と、前記記憶部15に予め記憶された記憶データとから求まる貼付条件Jのデータ(前記識別されたサイズに応じた貼付条件Jのデータ)に基づき、搬入される作業ステーション4の部材組付け装置21を制御する。
本例では、前記制御部17は、各部材組付け装置21に対して設けられる。前記記憶部15は、前記識別センサからの識別情報に基づき、識別されたサイズに応じた貼付条件Jのデータを、制御部17にダウンロードする。又制御部17は、ダウンロードされた貼付条件Jのデータに基づき、対象となる部材組付け装置21を制御する。
図3(A)には、第1〜第4の作業ステーション4a〜4dにて、それぞれ剛性中子5にタイヤ構成部材Tを形成する場合が概念的に示される。
第3の作業ステーション4cを代表して説明すると、第3の作業ステーション4cでは、剛性中子5Aに対して、部材材料M8を貼付条件J8のデータに基づいて貼り付けし、タイヤ構成部材T8(内のビードコア)を形成している。
そしてこの貼り付けが終了すると、図3(B)に示すように、第3の作業ステーション4cの剛性中子5Aは、下流側の第4の作業ステーション4dに搬送される。又第3の作業ステーション4cには、上流側の第2の作業ステーション4bから、剛性中子5Bが搬入される。
この時、第3の作業ステーション4cに設ける識別センサが、搬入される剛性中子5BのサイズBを識別するとともに、その識別情報を記憶部15に送信する。前記記憶部15では、送信された識別情報に基づき、サイズB用の貼付条件J8のデータを、第3の作業ステーション4cに設ける制御部17にダウンロードする。これにより制御部17cのデータが前記貼付条件J8のデータに差し替える。そして制御部17cは、この貼付条件J8Bのデータに基づき、部材組付け装置21cを制御し、搬入された剛性中子5BにサイズB用のタイヤ構成部材T8(内のビードコア)を形成する。
このように、生タイヤ形成ライン1Aでは、作業ステーション4に剛性中子5が搬入される毎に、搬入される剛性中子5のサイズを識別する。そして部材組付け装置21は、搬入された剛性中子5のサイズに応じた貼付条件Jのデータに基づいて制御され、剛性中子5のサイズに応じたタイヤ構成部材Tが、順次形成される。
従って、1つのライン上で複数サイズの生タイヤを同時に、しかも混乱を招くことなく確実かつ効率よくランダムに形成することができる。
次に、前記図1に示すように、タイヤ加硫ライン1Bでは、前記生タイヤ形成ライン1Aによって形成された生タイヤ6を剛性中子5ごと加硫成形する複数の加硫金型18を具える。前記加硫金型18は、サイズ違いのタイヤを形成するための複数サイズの加硫金型を含み、本例ではサイズA、B、C用の加硫金型18A、18B、18Cを具える。前記加硫金型18A、18B、18Cの金型数の比率は、剛性中子5A、5B、5Cの中子数の比率と、等しいことが好ましい。例えば、剛性中子5A、5B、5Cの中子数の比率が3:2:1の場合、加硫金型18A、18B、18Cの金型数の比率も3:2:1とするのが好まし。これにより加硫金型18の稼働率を最大限に高めることができる。
なお図1中の符号13は、移載台車であって、形成された剛性中子付きの生タイヤ6を終端位置P2にて受け取り、加硫金型18に投入する。前記終端位置P2には、剛性中子5のサイズを識別する識別センサ(図示しない。)が設けられ、その識別情報に基づき、移載台車13は、剛性中子付きの生タイヤ6を、サイズに合った加硫金型18に投入する。又移載台車13は、加硫金型18から加硫成型された剛性中子付きの加硫タイヤを作業ステーション14に受け渡す。この作業ステーション14では、剛性中子付きの加硫タイヤから、剛性中子5を取り出す取出作業が行われ、取り出された剛性中子5は、始端位置P1から前記生タイヤ形成ライン1Aに再投入される。
なお図9〜12に、部材組付け装置21の一例が示される。
前記部材組付け装置21a、21b、21d、21g、21j、21kとしては、図8に示すようなゴムストリップ貼付装置22が好適に採用しうる。又前記部材組付け装置21c、21fとしては、図9に示すようなワイヤ貼付装置28が好適に採用しうる。又前記部材組付け装置21eとして、図10に示すようなコードストリップ貼付装置32が好適に採用しうる。又前記部材組付け装置21h、21iとして、図11に示すようなコードストリップ貼付装置36が好適に採用しうる。
図9に示すように、前記ゴムストリップ貼付装置22は、ゴムストリップ貼付用のアプリケータ22Aと、前記アプリケータ22Aを軌道3とは直交するY方向に移動させる移動台22Bとを具える。前記アプリケータ22Aは、ゴムストリップ供給装置23からのゴムストリップ8を受け取ってY方向前方側に搬送するベルトコンベヤ24と、その前端に配される貼付けローラ25とを含む。前記アプリケータ22Aは、前記貼付けローラ25の軸心が、前記剛性中子5の中子軸心5jと同高さとなるように、周知構造の昇降手段26を介して高さ調整される。
前記ゴムストリップ供給装置23は、本例では、ゴムストリップ形成装置であって、定量ゴム押出機23Aと、その前端に配されるカレンダ装置23Bとから形成される。前記定量ゴム押出機23Aは、本例では、スクリュー式ゴム押出機23A1の前端に、ギヤーポンプ23A2を具る。そしてゴムストリップ形成装置は、ゴム投入口から投入される材料ゴムGを、所定断面形状のゴムストリップ8に成形しながら、ギヤーポンプ23A2のON/OFF動作に応じて断続的に供給しうる。
図10に示すように、ワイヤ貼付装置28は、ビードワイヤ貼付用のアプリケータ28Aと、前記アプリケータ28Aを前記Y方向に移動させる移動台28Bとを具える。前記アプリケータ28Aは、ワイヤ供給装置29から受け取ったゴム引きワイヤ7をY方向前方側に案内する複数のガイドローラからなる案内部30と、その前端に配される貼付けローラを有する貼付け部31とを具える。前記案内部30は、ゴム引きワイヤ7をジグザグ状に案内することによりゴム引きワイヤ7の巻き癖を矯正しうる。又前記貼付け部31には、ゴム引きワイヤ7の巻始めの先端部を把持して、剛性中子5に押し付ける把持部(図示しない。)を有する。又前記ワイヤ供給装置29は、本例では、リールスタンドであって、ゴム引きワイヤ7を巻き取ったリール7Rを巻き戻し自在に保持する。
図11に示すように、コードストリップ貼付装置32は、コードストリップ貼付用のアプリケータ32Aと、案内部32Bとを具え、前記案内部32Bは、コードストリップ供給装置33からのコードストリップ9を前記短冊片9Aに切断しながらアプリケータ32Aに供給する。前記アプリケータ32Aは、昇降手段34に支持された巻下ろしローラ35を具え、この巻下ろしローラ35の下降によって、前記短冊片9Aを、剛性中子5の輪郭に沿って巻き下ろしながら貼り付ける。前記コードストリップ供給装置33は、本例では、リールスタンドであって、コードストリップ9を巻き取ったリール9Rを巻き戻し自在に保持する。
図12に示すように、コードストリップ貼付装置36は、コードストリップ貼付用のアプリケータ36Aと、前記アプリケータ36Aを昇降自在に支持する昇降台36Bとを具える。前記アプリケータ36Aは、コードストリップ供給装置37からのコードストリップ9を受け取ってY方向前方側に搬送するベルトコンベヤ38と、その前端に配される貼付けローラ39とを含む。前記貼付けローラ39は、本例では、その軸心が、前記剛性中子の赤道面が中子軸心5jと交わる中子中心点5Pを通る垂直線Vで昇降自在に支持される。なおベルトプライT2の場合、前記図8(C)に示すように、中子軸心5jが前記Y方向に対して(90°−θ)の角度で傾斜する向きの剛性中子5の上面に、前記短冊片9BがY方向に供給されて貼り付けられる。又バンドプライT3の場合、中子軸心5jが前記Y方向に対して90°の角度の向きで支持された剛性中子5の上面に、前記コードストリップ9がY方向に供給され螺旋状に連続的に貼り付けられる。前記コードストリップ供給装置37は、本例では、リールスタンドであって、コードストリップ9を巻き取ったリール9Rを巻き戻し自在に保持する。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
1 タイヤ製造ライン3軌道
1A 生タイヤ形成ライン
1B タイヤ加硫ライン
4 作業ステーション
5 剛性中子
6 生タイヤ
7 ゴム引きワイヤ
8 ゴムストリップ
9 コードストリップ
9a タイヤコード
9b トッピングゴム
10 制御装置
15 記憶部
17 制御部
18 加硫金型
21 部材組付け装置
J 貼付条件
M 部材材料
T タイヤ構成部材
TC コードプライ部材
TG ゴム部材
TW ワイヤ部材

Claims (4)

  1. 軌道に沿って配置される複数の作業ステーションを有する生タイヤ形成ラインを用い、前記軌道上を移動する剛性中子の外表面に、それぞれの作業ステーションにてタイヤ構成部材を組み付けることにより複数のタイヤ構成部材からなる生タイヤを形成する生タイヤ形成行程と、
    複数の加硫金型を有するタイヤ加硫ラインを用い、前記形成された生タイヤを剛性中子ごと前記加硫金型内に投入して加硫成形する加硫行程とを具えるタイヤ製造方法であって、
    前記生タイヤ形成ラインは、各作業ステーションに配置されかつ制御装置によって制御される部材組付け装置を具え
    前記剛性中子は、サイズ違いのタイヤを形成するための複数サイズの剛性中子を含み、かつ前記加硫金型は、サイズ違いのタイヤを形成するための複数サイズの加硫金型を含むとともに、
    1つの生タイヤを構成する複数のタイヤ構成部材のそれぞれは、各タイヤ構成部材ごとに設定されるタイヤ構成部材形成用の部材材料を、剛性中子のサイズに応じて定まる貼付条件に基づいて前記部材組付け装置により貼付けることによって形成され、
    しかも前記生タイヤ形成行程では、
    各作業ステーションに剛性中子が搬入される毎に、搬入される剛性中子のサイズを識別センサによって識別し、
    前記識別センサからの識別情報と、前記制御装置に予め記憶された剛性中子のサイズ毎の各部材材料の貼付条件のデータとから、前記識別されたサイズに応じた貼付条件のデータを求めるとともに、求めた貼付条件のデータに基づいて、前記搬入される作業ステーションの部材組付け装置を制御することを特徴とするタイヤ製造方法。
  2. 軌道に沿って配置される複数の作業ステーションを有し、前記軌道上を移動する剛性中子の外表面に、それぞれの作業ステーションにてタイヤ構成部材を組み付けることにより複数のタイヤ構成部材からなる生タイヤを形成する生タイヤ形成ラインと、
    前記形成された生タイヤを剛性中子ごと加硫成形する複数の加硫金型を有するタイヤ加硫ラインとを具えるタイヤ製造ラインであって、
    前記生タイヤ形成ラインは、各作業ステーションに配置されかつ前記剛性中子の外表面にタイヤ構成部材を組み付ける部材組付け装置と、各前記部材組付け装置を制御する制御装置とを具え、
    前記剛性中子は、サイズ違いのタイヤを形成するための複数サイズの剛性中子を含み、かつ前記加硫金型は、サイズ違いのタイヤを形成するための複数サイズの加硫金型を含むとともに、
    1つの生タイヤを構成する複数のタイヤ構成部材のそれぞれは、各タイヤ構成部材ごとに設定されるタイヤ構成部材形成用の部材材料を、剛性中子のサイズに応じて定まる貼付条件に基づいて前記部材組付け装置により貼付けることによって形成され、
    しかも前記制御装置は、
    前記剛性中子のサイズ毎の各部材材料の貼付条件のデータを記憶する記憶部、
    各作業ステーションに剛性中子が搬入される毎に、搬入される剛性中子のサイズを識別する識別センサ、
    及び前記識別センサからの識別情報と、前記記憶部に予め記憶された剛性中子のサイズ毎の各部材材料の貼付条件のデータとから求まる前記識別されたサイズに応じた貼付条件のデータに基づいて、前記搬入される作業ステーションの部材組付け装置を制御する制御部を具えることを特徴とするタイヤ製造ライン。
  3. 前記制御部は、各部材組付け装置に対して設けられ、
    かつ前記記憶部は、前記識別センサからの識別情報に基づき、識別されたサイズに応じた貼付条件のデータを前記制御部にダウンロードするとともに、
    前記制御部は、ダウンロードされた貼付条件のデータに基づいて前記搬入される作業ステーションの部材組付け装置を制御することを特徴とする請求項2記載のタイヤ製造ライン。
  4. 前記タイヤ構成部材は、トレッドゴムとサイドウォールゴムとを含むゴム部材、カーカスプライとベルトプライとを含むコードプライ部材、及びビードコアを含むワイヤ部材に区分されるとともに、
    前記ゴム部材の部材材料として、長尺テープ状のゴムストリップが用いられ、
    前記コードプライ部材の部材材料として、長さ方向に引き揃えたタイヤコードの配列体をトッピングゴムで被覆した長尺テープ状のコードストリップが用いられ、
    かつ前記ワイヤ部材の部材材料として、ゴム引きワイヤが用いられることを特徴とする請求項2又は3記載のタイヤ製造ライン。
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