JP2014063337A - 異常検知システム及び記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】異常が診断されても、この異常に対処することが困難であった。
【解決手段】異常検知システム1は、異常時運転知識データベース20を参照して、異常情報判断機構13から受け取った異常情報v2に対応する異常への対処法を判断する。そして、異常時運転知識データベース20に異常への対処法が登録されていない場合に、FTデータベース19を参照して、この異常の上位の階層に属する異常を検索して得た進行異常情報v3を異常時事前対処法判断機構14に渡す。そして、異常時運転知識データベース20に登録される第1の異常への対処法を含む情報をレポートに変換して画面表示装置17に出力する。
【選択図】図1
【解決手段】異常検知システム1は、異常時運転知識データベース20を参照して、異常情報判断機構13から受け取った異常情報v2に対応する異常への対処法を判断する。そして、異常時運転知識データベース20に異常への対処法が登録されていない場合に、FTデータベース19を参照して、この異常の上位の階層に属する異常を検索して得た進行異常情報v3を異常時事前対処法判断機構14に渡す。そして、異常時運転知識データベース20に登録される第1の異常への対処法を含む情報をレポートに変換して画面表示装置17に出力する。
【選択図】図1
Description
本発明は、例えば、プラントに生じた異常を検知して、この異常への対処法を示す異常検知システム及び記録媒体に関するものである。
従来、プラントに異常が生じた際に、プラント内に設置された複数のセンサから受け取った計測データに基づいて、その異常を検知する異常検知システムがある。特許文献1には、クラスタリング技術の一つである適応共鳴理論(ART:Adaptive Resonance Theory)を用いてプラントの異常を検知する異常診断装置について開示されている。ARTは、入力されたデータを、複数のカテゴリ(=クラスタ)に分類する方法である。ARTで用いられるカテゴリとは、類似性を持つデータのまとまりのことを言う。異常検知システムでは、計測データに応じて異なるカテゴリを作成し、その異なるカテゴリ毎に番号(「カテゴリ番号」と呼ぶ)を付けている。
ここで、異常診断装置に入力される「運転データ」にARTを適用する異常診断装置の処理例について概略を説明する。この運転データには、プラントに備え付けられた各種のセンサが所定の時間間隔で出力する計測値を含む計測データが含まれている。
図10は、運転データにARTを適用して、運転データの正常又は異常を判断する処理例を示す説明図である。図10では、プラントが出力した計測データとして、実線で示す第1のデータと、破線で示す第2のデータが図示されている。
図10は、運転データにARTを適用して、運転データの正常又は異常を判断する処理例を示す説明図である。図10では、プラントが出力した計測データとして、実線で示す第1のデータと、破線で示す第2のデータが図示されている。
異常診断装置は、プラントから入力した運転データに含まれる計測データの組み合わせがどのようであれば、プラントが正常状態又は異常状態であるかを判断するために事前に学習を行う。
この学習に際して、プラントが正常状態であるときに異常診断装置に入力した運転データにARTを適用し、正常状態のカテゴリを作成する。そして、正常に動作したプラントが出力する運転データを「正常時データ」と呼ぶ。一方、運転データに含まれる計測データの組み合わせによっては、プラントに異常が生じたことが示される。例えば、プラントに異常Aが発生したときに出力する運転データを「異常A発生時データ」と呼ぶ。また、プラントに異常Bが発生したときに出力する運転データを「異常B発生時データ」と呼ぶ。異常A、Bは便宜的に符号を付したものであり、様々な異常に対して一意に識別可能な符号を付すことにより、異常を特定することができる
このように運転データをカテゴリ化するために予め異常診断装置に入力する運転データを「学習データ」と呼ぶ。異常診断装置が学習データのカテゴリ化を行った結果、正常時データは、カテゴリ番号(1)の「正常カテゴリ」に分類される。同様に、異常A発生時データは、カテゴリ番号(2)の「異常A発生時カテゴリ」に分類され、異常B発生時データは、カテゴリ番号(3)の「異常B発生時カテゴリ」に分類される。
一方、プラント運用において、プラントからリアルタイムで異常診断装置に入力する運転データを「診断データ」と呼ぶ。異常診断装置は、診断データの特性が、学習時に用いた運転データと同じ特性であると判断すると、ARTを適用した診断データを、既に学習データによってカテゴリ化されたカテゴリ番号に分類する。例えば、ある診断データは、カテゴリ番号(1)である「正常カテゴリ」と、カテゴリ番号(2)である「異常A発生時カテゴリ」に分類されたとする。このとき、異常診断装置は、診断データを分類したカテゴリ番号から、プラントに異常Aが発生したことを検出できる。なお、診断データが、学習に用いた運転データとは異なる特性であれば、異常診断装置は、学習時とは異なる新たなカテゴリに診断データを分類する。
ところで、特許文献1に開示された異常診断装置を用いて診断データから新たなカテゴリに分類しても、運転員は、診断データが学習データとは異なるという情報しか受け取れない。運転員は、異常診断装置からこの情報を受け取っても、今後発生が予想されるプラントの異常や、この異常に事前に対処する方法については、運転員が独自に調べなければならず、異常に対応するまで時間がかかっていた。
本発明はこのような状況に鑑みて成されたものであり、プラントに生じる異常を検知し、この異常に事前に対処できるようにすることを目的とする。
本発明は、プラントから受け取った計測データに基づいて、プラントに発生する第1の異常を検知して、第1の異常が分類されたカテゴリを特定するカテゴリ特定情報を出力する。
次に、カテゴリ特定情報に関連づけられる異常情報が登録される異常データベースを参照して、カテゴリ特定情報に対応する異常情報を判断して、判断結果を含めた第1の異常情報を出力する。
次に、異常情報に関連づけられる第1の異常への事前対処法が登録される異常時運転知識データベースを参照して、異常情報判断機構から受け取った第1の異常情報に対応する第1の異常への対処法を判断する。
次に、異常時運転知識データベースに第1の異常への対処法が登録されていない場合に、プラントに生じる複数の異常事象が階層構造で登録されたデータベースを参照する。そして、第1の異常の上位の階層に属し、前記プラントに生じる可能性のある傾向変化を示す第2の異常を検索して得た第2の異常に関する情報を、新たに第1の異常として、異常時運転知識データベースを参照して第1の異常への対処法を判断する。
そして、異常時運転知識データベースに登録される第1の異常への対処法を含む情報をレポートに変換して出力するものである。
次に、カテゴリ特定情報に関連づけられる異常情報が登録される異常データベースを参照して、カテゴリ特定情報に対応する異常情報を判断して、判断結果を含めた第1の異常情報を出力する。
次に、異常情報に関連づけられる第1の異常への事前対処法が登録される異常時運転知識データベースを参照して、異常情報判断機構から受け取った第1の異常情報に対応する第1の異常への対処法を判断する。
次に、異常時運転知識データベースに第1の異常への対処法が登録されていない場合に、プラントに生じる複数の異常事象が階層構造で登録されたデータベースを参照する。そして、第1の異常の上位の階層に属し、前記プラントに生じる可能性のある傾向変化を示す第2の異常を検索して得た第2の異常に関する情報を、新たに第1の異常として、異常時運転知識データベースを参照して第1の異常への対処法を判断する。
そして、異常時運転知識データベースに登録される第1の異常への対処法を含む情報をレポートに変換して出力するものである。
本発明によれば、プラントに異常が発生した際に、速やかに異常を検知し、この異常への事前対処法を運転員に提供することで、異常に対処することが可能となる。
以下、本発明の一実施の形態例について、図1〜図9を参照して説明する。本実施の形態例では、プラント2に生じた異常を検知する異常検知システム1に本発明を適用した例について説明する。この異常検知システム1は、コンピュータがプログラムを実行することにより、後述する内部ブロックが連携して行う異常検知方法を実現する。以下の説明において、共通する部分には同一符号を付し、詳細な説明を省略する。
図1は、異常検知システム1の内部構成例を示すブロック図である。
異常検知システム1は、各種の処理を行う機能ブロックとして、異常診断装置11、入力装置12、異常情報判断機構13、異常時事前対処法判断機構14、進行異常判断機構15、レポート作成機構16、及び画面表示装置17を備える。
異常検知システム1は、各種の処理を行う機能ブロックとして、異常診断装置11、入力装置12、異常情報判断機構13、異常時事前対処法判断機構14、進行異常判断機構15、レポート作成機構16、及び画面表示装置17を備える。
異常診断装置11は、プラント2と接続されており、プラント2内に設置されている複数のセンサから受け取った計測データ(計測値)の組合せに応じてカテゴリを生成する。そして、異常診断装置11は、プラント2に発生する異常(第1の異常)を検知して、この異常が分類されたカテゴリを特定するカテゴリ特定情報を出力する。カテゴリ特定情報は、カテゴリ毎に一意に割り振られたカテゴリ番号v1としてあるが、その他の符号や記号としてもよい。異常診断装置11は、計測データの特性が、学習に用いた運転データと同じ特性であれば学習時に作成したカテゴリに分類する。しかし、計測値が学習に用いた運転データと異なる特性であれば、学習時とは異なる新しいカテゴリに分類する。そして、異常診断装置11は、計測値が分類されたカテゴリに付されるカテゴリ番号v1を出力する。
入力装置12は、運転員が異常診断装置11に操作入力を行うために用いられ、異常診断装置11が診断する異常の条件、カテゴリ番号の条件等が入力される。また、事前対処法入力画面が画面表示装置17に表示されると、運転員が入力装置12を操作して、異常への事前対処法を入力することができる。
異常情報判断機構13は、カテゴリ特定情報に関連づけられた異常情報が登録される異常データベース18を参照して、カテゴリ特定情報に対応する異常情報を判断する。そして、異常情報判断機構13は、カテゴリ番号から、計測データが正常であるか異常であるかを識別し、計測データがプラント2の異常を示していれば、どのような異常がプラント2に発生しているかを判断した結果を第1の異常情報として出力。このとき、異常情報判断機構13は、異常診断装置11から受け取ったカテゴリ番号v1と、異常データベース18に登録されているカテゴリ番号とを照合する。そして、プラント2に発生している現在の異常を判断し、判断結果を含めた情報(「異常情報v2」と呼ぶ)を出力する。
具体的には、異常データベース18には、異常情報として、カテゴリ番号v1と、このカテゴリ番号v1に対応する異常の異常名が登録されており、カテゴリ番号v1と異常名が紐付けられている。このため、異常情報判断機構13は、カテゴリ番号v1が入力されることで、そのカテゴリが正常なのか、異常なのか、異常ならばどのような異常名であるかの特定を行う。そして、異常情報v2を出力する。以下の説明では、この異常情報v2で特定される異常を「異常C」と呼ぶ。
異常時事前対処法判断機構14は、異常情報v2に関連づけられた異常(第1の異常)への事前対処法が登録される異常時運転知識データベース20を参照して、異常情報判断機構13から受け取った異常情報に対応する異常への対処法を判断する。このとき、異常時事前対処法判断機構14は、異常情報判断機構13から受け取った異常情報v2を基に、異常時運転知識データベース20にアクセスし、異常情報v2に対応する異常への事前対処法情報v4を出力する。
異常時運転知識データベース20には、プラント2に特定の異常が起きた場合、又は異常が起きそうなときに、運転員がどのような操作を行い、確認を行えば良いかという情報が、事前対処法情報v4として登録されている。そして、異常時事前対処法判断機構14は、異常時運転知識データベース20を検索して、異常情報v2に対応する事前対処法情報v4を特定し、出力する。
しかし、異常時運転知識データベース20に、異常Cの事前対処法情報v4が登録されていない場合がある。この場合に異常時事前対処法判断機構14は、進行異常判断機構15に対して、プラント2に現在起きている異常Cが進行した場合における異常名(「進行異常情報v3」と呼ぶ)の取得を要求する。進行異常情報v3の取得要求は、異常時事前対処法判断機構14が異常Cの異常情報v2を進行異常判断機構15に送信することにより行う。ここで、入力された異常が進行した場合にどのような異常が起こりうるかを「進行異常」と呼び、進行異常の含まれた情報を「進行異常情報」と呼ぶ。また、説明上、ここでの進行異常を「異常D」と呼ぶ。
進行異常判断機構15は、異常時運転知識データベース20に異常(第1の異常)への対処法が登録されていない場合に以下の動作を行う。まず、プラント2に生じる複数の異常事象が階層表現されたフォールトツリー(FT:Fault tree)によって、異常を管理するFTデータベース19を参照する。そして、第1の異常の上位の階層に属し、プラントに生じる可能性のある傾向変化を示す第2の異常を検索して得た第2の異常に関する情報を、新たに第1の異常として異常時事前対処法判断機構14に渡す。このとき、進行異常判断機構15は、異常時事前対処法判断機構14から送られてきた異常情報v2を基に、FTデータベース19にアクセスする。次に、進行異常判断機構15は、異常時事前対処法判断機構14から出力された異常情報v2と、FTデータベース19に登録されている異常情報とを照合する。そして、現在の異常状態が進んだ場合に、どのような異常が引き起こされるかを判断した進行異常情報v3を異常時事前対処法判断機構14に出力する。
FTデータベース19には、プラント2に生じる複数の異常事象が進行段階毎に階層構造で表現されたFTが登録されており、異常が適切に分類されている。そして、進行異常判断機構15は、異常Cを示す異常情報v2を基に、FTデータベース19上でFTを辿って、フォールトツリー解析(FTA:fault tree analysis)を行う。そして、入力された異常が1段階進行した場合にどのような異常Dが起こりうるかを特定し、特定した異常Dを示す進行異常情報v3を異常時事前対処法判断機構14に出力する。
再び、異常時事前対処法判断機構14は、進行異常判断機構15から受け取った異常Dの進行異常情報v3を基に、異常時運転知識データベース20にアクセスし、異常Dに対する事前対処法を検索する。
異常時事前対処法判断機構14と進行異常判断機構15とのやり取りは、事前対処法情報v4が異常時運転知識データベース20に登録されている異常が見つかるまで繰り返す。そして、異常時事前対処法判断機構14はレポート作成機構16に事前対処法情報v4を出力する。
レポート作成機構16は、異常時運転知識データベース20に登録される異常(第1の異常)への対処法を含む情報をレポートに変換して出力する。このとき、レポート作成機構16は、事前対処法情報v4を運転員が視覚的に分かる表示(「診断結果レポートv5」と呼ぶ)に変換を行い、診断結果レポートv5として画面表示装置17へ出力している。そして、画面表示装置17は、診断結果レポートv5を画面に表示する。
図2は、異常診断装置11の内部構成例を示すブロック図である。
異常診断装置11は、演算装置として、基準信号決定部23、データ分類部25、診断部27を備えている。また、異常診断装置11は、データベースとして、計測信号データベース22、基準信号データベース24、分類結果データベース26を備えている。異常診断装置11は、外部とのインターフェースとして外部入力インターフェース21、外部出力インターフェース28を備えている。
異常診断装置11は、演算装置として、基準信号決定部23、データ分類部25、診断部27を備えている。また、異常診断装置11は、データベースとして、計測信号データベース22、基準信号データベース24、分類結果データベース26を備えている。異常診断装置11は、外部とのインターフェースとして外部入力インターフェース21、外部出力インターフェース28を備えている。
上述したように異常診断装置11は、ARTを用いて、正常状態でプラント2が稼働するプラント2の運転データから、プラント2が正常状態であることを示すカテゴリを作成する学習動作を事前に行う。そして、計測データの特性が学習動作で用いた運転データの特性と同じである場合には、学習動作で作成したカテゴリに計測データを分類する。特性が異なる場合には、学習動作で作成したカテゴリとは異なる新たなカテゴリに計測データを分類して、計測データが分類されたカテゴリに対応するカテゴリ特定情報を出力する。
具体的な動作として、異常診断装置11には、外部入力インターフェース21を介して、プラント2から該プラント2の各種状態量を計測した計測信号s1が入力される。また、異常診断装置11には、外部入力インターフェース21を介して、キーボード12a、マウス12bで構成される入力装置12の操作によって外部入力信号s2が入力される。
外部入力インターフェース21を介して入力された計測信号s1は、計測信号s3として計測信号データベース22に保存する。基準信号決定部23では、計測信号データベース22に保存されている計測信号s5から正常時のデータを抽出し、正常データを時間的に2つ以上のデータ群に分割する。この分割したデータ群を基準信号s6と呼び、この基準信号s6は、基準信号データベース24に基準信号s7として保存する。
データ分類部25は、基準信号データベース24から読み出した基準信号s7を処理し、分類結果s8を分類結果データベース26に出力する。データ分類部25は、学習部25a、テスト部25b、及び分解能パラメータ調整部25cを備える。そして、データ分類部25では、学習部25a、テスト部25b、分解能パラメータ調整部25cを一定回数繰り返して動作させることで、分解能パラメータを調整し、基準信号の分類結果s8を作成する。
データ分類部25の学習部25aは、基準信号s7に含まれる1つのデータ群(学習データ)をカテゴリ(=クラスタ)に分類する。学習データを学習部25aで処理した分類結果s21は、テスト部25bに送信される。テスト部25bでは、学習データの分類結果s21を用いて、学習部25aで使用しなかったデータ群(テストデータ)をカテゴリに分類する。
学習データとテストデータをテスト部25bで処理した分類結果s22は、分解能パラメータ調整部25cに送信される。分解能パラメータ調整部25cは、学習データとテストデータの分類結果s22を用いて分解能パラメータを調整し、調整した分解能パラメータ値s23を、学習部25a及びテスト部25bに送信する。学習部25a及びテスト部25bでは、この分解能パラメータ値s23を用いて、学習データ及びテストデータをカテゴリに分類し、分類結果s8を得る。
分類結果s8は、分類結果データベース26に分類結果s9として保存される。診断部27では、計測信号データベース22に保存されている現在の計測信号s4と、分類結果データベース26に保存されている分類結果s9を処理する。このとき、診断部27は、現在の計測信号s4が学習部25a、及びテスト部25bで作成したカテゴリに属さない数量を基にプラント2が正常であるか異常であるかを診断する。
診断部27は、プラント2を診断した結果を診断結果s10として外部出力インターフェース28に出力する。外部出力インターフェース28は、診断結果s10を異常情報判断機構13と異常データベース18に出力する。この診断結果s10には、上述したようにカテゴリ番号v1が含まれる。
なお、本実施例では、計測信号データベース22、基準信号決定部23、基準信号データベース24、データ分類部25、分類結果データベース26、診断部27が全て異常診断装置11の内部にある。しかし、これらの一部を異常診断装置11の外部に配置し、異常診断装置11の内部と外部でデータを通信するようにしてもよい。また、本実施例では診断対象とするプラント2が1つであるが、異常診断装置11で複数のプラント2を診断することもできる。
また、計測信号データベース22、基準信号データベース24、分類結果データベース26に保存されているデータを、画面表示装置17に表示できるようにしてもよい。また、これらのデータは、必要に応じて入力装置12を用いて修正するようにしてもよい。
次に、異常検知システム1で用いられる異常データベース18、FTデータベース19及び異常時運転知識データベース20の内部構成例について、図3〜図5を参照して説明する。
図3は、異常データベース18の内部構成例を示す説明図である。
異常データベース18は、カテゴリ番号フィールドと、異常名フィールドによって構成される。
異常データベース18は、カテゴリ番号フィールドと、異常名フィールドによって構成される。
例えば、カテゴリ番号v1の値が“0”〜“9”の範囲にあれば、プラント2の動作は正常である。しかし、カテゴリ番号v1の値が“0”〜“9”以外、例えば、“10”〜“33”の範囲にあれば、プラント2には“リーク”という異常が発生していると考えられる。
図4は、FTデータベース19の内部構成例を示す説明図である。
FTデータベース19には、プラント2に生じる様々な異常がどのように他の異常と関連しているかがFTによって階層表現されている。例えば、FTデータベース19には、異常データベース18に登録されている異常名によって、FTが構成される。そして、上述したように、異常診断装置11によって診断された第1の異常が進行して引き起こされる第2の異常が、第1の異常が属する階層より上位の階層に登録されている。このため、FTでは、あるノードから親のノードに向けて異常が進行することが示される。そして、ある異常が発生したノードが判明すると、このノードの親のノードに位置する異常が今後発生する進行異常であると予想できる。
FTデータベース19には、プラント2に生じる様々な異常がどのように他の異常と関連しているかがFTによって階層表現されている。例えば、FTデータベース19には、異常データベース18に登録されている異常名によって、FTが構成される。そして、上述したように、異常診断装置11によって診断された第1の異常が進行して引き起こされる第2の異常が、第1の異常が属する階層より上位の階層に登録されている。このため、FTでは、あるノードから親のノードに向けて異常が進行することが示される。そして、ある異常が発生したノードが判明すると、このノードの親のノードに位置する異常が今後発生する進行異常であると予想できる。
例えば、プラント2に“リーク”という異常が発生していた場合、異常が進行することで、プラント2の“蒸気ドラムレベル低”という異常に繋がる。さらに“蒸気ドラムレベル低”が“蒸気ドラムレベル異常”という異常に繋がることがFTから示される。
図5は、異常時運転知識データベース20の内部構成例を示す説明図である。
異常時運転知識データベース20は、番号フィールドと、異常名フィールドと、事前対処法情報フィールドによって構成される。
異常時運転知識データベース20は、番号フィールドと、異常名フィールドと、事前対処法情報フィールドによって構成される。
例えば、異常名が“蒸気ドラムレベル高”である場合、事前対処法情報には、「対応操作」と「処置」の情報が含まれている。
対応操作としては、(1)負荷の固定、(2)ドラムレベルの確認、(3)S/S(Selector/Station)を操作し、レベル変動の確認、(4)高圧蒸気圧力及び温度の確認、(5)負荷降下開始、の順に運転員が操作することが必要とされる。
そして、運転員が対応操作を行っても異常が解消しない場合には、処置が行われる。
処置としては、(1)軸停止後ループテスト実施、(2)検出器を点検、の順に運転員が点検することが必要とされる。
対応操作としては、(1)負荷の固定、(2)ドラムレベルの確認、(3)S/S(Selector/Station)を操作し、レベル変動の確認、(4)高圧蒸気圧力及び温度の確認、(5)負荷降下開始、の順に運転員が操作することが必要とされる。
そして、運転員が対応操作を行っても異常が解消しない場合には、処置が行われる。
処置としては、(1)軸停止後ループテスト実施、(2)検出器を点検、の順に運転員が点検することが必要とされる。
次に、異常検知システム1の処理プロセスを説明する。
図6は、異常検知システム1の処理例を示すフローチャートである。以下、図1、図3〜図5の内容を適宜参照して説明を行う。本実施の形態例では、プラント2の一例である火力発電プラントが備える蒸気ドラムの異常検出を行うものとする。
図6は、異常検知システム1の処理例を示すフローチャートである。以下、図1、図3〜図5の内容を適宜参照して説明を行う。本実施の形態例では、プラント2の一例である火力発電プラントが備える蒸気ドラムの異常検出を行うものとする。
始めに、異常診断装置11は、プラント2からプラントの運転データ(計測値)を抽出してくる(ステップS1)。異常診断装置11では、プラントの運転データを基にカテゴリ化処理を行って生成したカテゴリのカテゴリ番号v1を異常情報判断機構13に出力する(ステップS2)。
異常情報判断機構13では、図3に示す異常データベース18にアクセスし、カテゴリ番号v1に対応する異常名を検索する(ステップS3)。そして、異常名が“正常”であるか否かを判断し(ステップS4)、プラント2に現在起きている異常の異常情報v2を出力する。
図3に示したように、異常情報判断機構13に出力されたカテゴリ番号v1が“0”〜“9”だった場合、異常情報判断機構13は、“正常”という情報を異常データベース18から受け取る。カテゴリ番号v1が“10”〜“33”だった場合、異常情報判断機構13は、“リーク”という情報を受け取る。カテゴリ番号v1が“34”〜“40”だった場合、異常情報判断機構13は、“検出器異常”という情報を受け取る。カテゴリ番号v1が“41”〜“46”だった場合、異常情報判断機構13は、“B系統空気圧力低”という情報を受け取る。
異常情報判断機構13が、“正常”という情報を異常データベース18から受け取った場合は、異常時事前対処法判断機構14を経て、レポート作成機構16に“正常”という情報を出力する。レポート作成機構16は、受け取った情報を運転員が視覚的に分かる表示(レポート)に変換を行い、診断結果レポートv5として画面表示装置17へ出力する。画面表示装置17は、診断結果レポートv5を画面に表示し(後述する図7を参照)、処理プロセスを終了する(ステップS12)。
異常情報判断機構13が、“正常”以外の情報を異常データベース18から受け取り、異常名が“正常”以外であると判断した場合、異常名を含んだ異常情報v2を異常時事前対処法判断機構14に出力する。仮に、この異常情報v2のカテゴリ番号v1が“20”であれば、異常データベース18より、異常名は、“リーク”である。この異常名が異常情報v2として、異常時事前対処法判断機構14に出力される。
異常時事前対処法判断機構14では、異常情報判断機構13から受け取った異常情報v2を基に、異常時運転知識データベース20にアクセスし、事前対処法情報v4を検索する(ステップS5)。そして、異常時事前対処法判断機構14が事前対処法情報v4を検索できたか否かを判断する(ステップS6)。異常時運転知識データベース20から事前対処法情報v4を検索できない場合に、異常時事前対処法判断機構14は、進行異常判断機構15に異常情報v2を出力する。そして、現在の異常が進行した場合に起こりうる異常名を進行異常判断機構15にFTデータベース19で検索させる(ステップS7)。
具体的には、異常時事前対処法判断機構14は、カテゴリ番号v1が“20”、異常名は“リーク”であるので、異常時運転知識データベース20から“リーク”の事前対処法を検索する。しかし、異常時運転知識データベース20には、異常名が“蒸気ドラムレベル高”と“蒸気ドラムレベル低”である場合における事前対処法しか登録されていない。このため、異常時事前対処法判断機構14は、“リーク”の事前対処法情報v4が検索できなかったと判断し、進行異常判断機構15に対して、進行異常情報v3を要求する。
進行異常判断機構15では、FTデータベース19にアクセスし、全ての進行異常を検索したか判断する(ステップS8)。全ての進行異常を検索していなければ、進行異常判断機構15は、引き続きFTデータベース19から進行異常を検索し(ステップS9)、ステップS5に戻って処理を繰り返す。
FTデータベース19にはそれぞれの異常がFTで登録されている。このため、 “リーク”の異常情報v2を基に、FTデータベース19上でFTを辿ることにより、入力された異常が一段階進行した場合にどのような異常が起こりうるかを特定できる。
例えば、FTデータベース19を参照すると、“リーク”が一段階進行した場合の異常は、“蒸気ドラムレベル低“である。ここで、入力された異常が進行した場合にどのような異常が起こりうるかを進行異常と呼ぶので、“蒸気ドラムレベル低“が進行異常となる。そして、進行異常の含まれた情報を進行異常情報と呼ぶので、“高圧蒸気ドラムレベル低“が含まれた情報が進行異常情報v3となる。
ステップS8において、進行異常判断機構15が全ての進行異常を検索していれば、検索結果を進行異常情報v3として異常時事前対処法判断機構14に出力する(ステップS10)。具体的に進行異常判断機構15は、異常時事前対処法判断機構14から送られてきた異常である、“リーク”の異常情報v2を基に、FTデータベース19にアクセスする。そして、現在起きている異常“リーク”が進行した場合の“蒸気ドラムレベル低”という異常名を含む進行異常情報v3を異常時事前対処法判断機構14に出力する。
異常時事前対処法判断機構14では、再び進行異常情報v3(ここでは、“蒸気ドラムレベル低”の情報)を基に、異常時運転知識データベース20にアクセスし、進行異常に対する事前対処法情報v4を検索する。
ここで、異常時運転知識データベース20には、“蒸気ドラムレベル高”と“蒸気ドラムレベル低”の事前対処法情報v4が登録されている。このため、進行異常情報である“蒸気ドラムレベル低”の事前対処法情報v4が異常時運転知識データベース20から検索できる。
進行異常を検索するための別の例を示すと、カテゴリ番号v1が“42”だった場合、異常名は異常データベース18より“B系統空気圧力低”と判断されるが、“B系統空気圧力低”は、異常時運転知識データベース20にない。このため、FTデータベース19を参照すると、“B系統空気圧力低”の進行異常が“弁異常”であることが判明する。しかし、異常時運転知識データベース20に“弁異常”がないので、再びFTデータベース19より“弁異常”の進行異常を検索する。
すると、FTデータベース19より“弁異常”の進行異常が“蒸気ドラムレベル高”であると判明する。ここで異常時運転知識データベース20には、“蒸気ドラムレベル高”の事前対処法情報v4が登録されている。このため、異常時運転知識データベース20から“蒸気ドラムレベル高”の対処法を検索することができ、事前対処法情報v4を検索するプロセスは終了する。
このようにして、FTデータベース19に登録されている全ての異常を検索し終えるまで、又は異常時の事前対処法情報v4を検索できるまで、異常時事前対処法判断機構14と進行異常判断機構15とのやり取りを繰り返す。
ステップS6の処理において、進行異常判断機構15がFTデータベース19を参照して異常時の事前対処法情報v4が検索できた場合、異常時事前対処法判断機構14は、レポート作成機構16に事前対処法情報v4を出力する。レポート作成機構16は、異常時の事前対処法情報v4を運転員が視覚的に分かる表示形式(レポート)に変換を行い、診断結果レポートv5として画面表示装置17へ出力する。画面表示装置17は、診断結果レポートv5を画面に表示して(ステップS12)、処理プロセスを終了する。
ところで、FTデータベース19上の全ての異常を検索しても異常時の事前対処法情報v4が検索できない場合がある。このとき、異常時事前対処法判断機構14は、事前対処法情報v4を検索出来なかった旨が書かれており、かつ、運転員が事前対処法情報v4を入力できるフォーマットを持つ事前対処法入力画面を表示するようにレポート作成機構16に指令する。そして、レポート作成機構16は、事前対処法入力画面を画面表示装置17に表示させる(ステップS10)。
その後、運転員から事前対処法情報v4の入力があると、異常時事前対処法判断機構14は、事前対処法情報v4を異常時運転知識データベース20へ登録する(ステップS11)。そして、画面表示装置17は、診断結果レポートv5を画面に表示して(ステップS12)、処理プロセスを終了する。
次に、画面表示装置17に表示される各種の画面の例について、図7と図8を参照して説明を行う。
図7は、診断結果レポートの表示例を示す説明図である。図7Aは、進行異常として、異常予兆を検出した場合における診断結果レポートの表示例を示し、図7Bは、異常予兆を検出していない場合における診断結果レポートの表示例を示す。
図7Aに示すように、異常情報判断機構13で異常が検出されると、異常情報v2と共に、異常時事前対処法判断機構14によって検索された事前対処法情報v4を含んだ診断結果レポートが出力され、画面表示装置17に表示される。このため、運転員は速やかに異常に対処できる。
この診断結果レポートは、異常予兆検出領域17a(第1の異常に関する情報を示す領域)と、対応策領域17b(第1の異常への対処法を示す領域)と、計測値領域17c(計測データの時間推移を示す情報を示す領域)によって構成される。異常予兆検出領域17aには、プラント2のドラム周辺でリークが生じた可能性があることが示す異常情報v2の内容が示される。そして、対応策領域17bには、この異常に運転員が対応するための対応策として、異常時事前対処法判断機構14によって検索された事前対処法情報v4の内容が示される。また、計測値領域17cには、異常が生じたドラム周辺に設置されたセンサが出力した計測値が時間を追ってグラフ表示されている。
図7Bに示すように、異常情報判断機構13で異常が検出されなければ、診断結果レポートの異常予兆検出領域17aと、対応策領域17bに異常を示す情報は表示されない。ただし、異常が生じていないことを運転員が確認できるようにするために、ドラム周辺に設置されたセンサが出力した計測値が時間を追ってグラフ表示されている。
図8は、事前対処法入力画面の表示例を示す説明図である。
事前対処法入力画面は、上述した異常予兆検出領域17aと、計測値領域17cに加えて、対応策入力フォーマット17dによって構成される。対応策入力フォーマット17dは、運転員が異常時運転知識データベース20に第1の異常への対処法を登録するための入力画面である。
プラント2に異常が生じた可能性があっても、異常時運転知識データベース20に事前対処法情報v4が登録されておらず、FTデータベース19にも進行異常が登録されていなければ、運転員が異常への対応策を登録する必要がある。このとき、運転員は、入力装置12を操作して、対応策入力フォーマット17dに配置された異常名ボックスに異常名を入力し、対応策ボックスに対応策を入力する。入力された情報は、異常時事前対処法判断機構14が異常時運転知識データベース20に登録される。このため、運転員は新たな異常にどのように対処したかを異常時運転知識データベース20に登録できる。再び同様の異常がプラント2に発生した場合には、運転員が登録した異常名と対応策が診断結果レポートに表示されるため、運転員が速やかに異常に対処できる。
以上説明した一実施の形態例に係る異常検知システム1によれば、プラント2から受け取った計測データは、異常診断装置11がARTを適用することでカテゴリ化され、カテゴリ番号v1が振られる。そして、カテゴリ番号v1に基づいて判断された異常名を含む異常情報v2により、事前対処法情報v4が異常時運転知識データベース20から検索される。検索された事前対処法情報v4は、レポート作成機構16によって、診断結果レポートとしてまとめられ、画面表示装置17に表示される(図7を参照)。このため、運転員は、診断結果レポートを見ながら、プラント2に発生した異常の内容を把握すると共に、診断結果レポートに表示される対応策を見ながら速やかに異常に対応することができる。
また、異常時運転知識データベース20に異常情報v2に対応する事前対処法情報v4が登録されていない場合には、FTデータベース19にアクセスして、FTで表現された異常情報v2の上位階層を辿って、進行異常情報v3を求める。この進行異常情報v3に対応する事前対処法情報v4が異常時運転知識データベース20に登録されていれば、異常時事前対処法判断機構14は、事前対処法情報v4としてレポート作成機構16に渡す。しかし、異常時運転知識データベース20に登録されていなければ、再びFTデータベース19にアクセスして、FTで表現された異常情報v2(進行異常情報v3)の上位階層を辿って、新たに進行異常情報v3を求める。そして、この進行異常情報v3を異常時事前対処法判断機構14に渡して、異常時運転知識データベース20に事前対処法情報v4が登録されているか検索するサイクルを繰り返す。このようにして、プラント2に発生した異常への事前対処法情報v4は、FTから階層を辿ることにより、異常時運転知識データベース20に登録されている異常情報まで検索し、事前対処法情報v4を得ることができる。
また、異常時運転知識データベース20に登録されていなかった事前対処法情報v4については、運転員が事前対処法入力画面(図8を参照)を見ながら、異常名と対応策を異常時運転知識データベース20に登録することができる。このため、再びプラント2に同じ異常が発生した場合には、運転員が以前に対応した内容で、速やかに異常に対応することができる。
また、プラント2から入力される計測データの組み合わせは、異常診断装置11がARTを用いてカテゴリ化し、個別のカテゴリ番号を割り振っている。そして、運転員は、プラント2から入力される多数の計測データの組み合わせを検討して、プラント2の正常又は異常を判断する必要がない。このため、異常検知システム1は、カテゴリ番号によって、速やかにプラント2の正常又は異常を判断し、異常が生じた場合に運転員に異常の内容を知らせることができる。
なお、本実施の形態例に係る異常検知システム1は、火力発電プラントだけでなく、各種の発電プラント(例えば、水力発電プラント、原子力発電プラント)に、幅広く適用して運用することが可能である。ただし、異常検知システム1自体が異常動作を行った際には、プラント2の異常を検知できなくなるため、異常検知システム1に自己診断システムを設け、異常検知システム1に生じた異常を知らせるアラーム機能を設けてもよい。
また、診断結果レポートは、画面表示装置17に表示させるだけでなく、リスト等の専用紙による帳票形式で印刷して出力してもよい。また、画面表示装置17を、タブレット端末等の携帯端末で構成し、レポート作成機構16と画面表示装置17とをネットワークで接続することによって、運転員がプラント2の近くに出向いて、異常に対応するようにしてもよい。
また、異常検知システム1が備える各データベースは、ネットワークを介して、例えばWebに構成された専用サイトに設置してあってもよい。このような構成とすれば、設置場所が離れたプラント2であっても、データベースに登録された内容を共有しやすくなり、データベース更新等も行いやすくなるため、最新の内容でプラント2の異常を検知し、対応することができる。
また、カテゴリ特定情報の一例として、カテゴリ番号を用いたが、その他の英数字、符号の組み合わせによってカテゴリ特定情報を表現してもよい。異常情報の一例として、異常名を用いたが、その他の異常コード、異常に対処するための文献名等を用いてもよい。
また、プラント2に生じる様々な異常をFTで管理するものとしたが、表形式等の他の手段を用いて管理するようにしてもよい。
また、上述した実施の形態例における一連の処理は、ハードウェアにより実行することができるが、ソフトウェアにより実行させることもできる。一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、又は各種の機能を実行するためのプログラムをインストールしたコンピュータを用いればよい。例えば汎用のパーソナルコンピュータ等に所望のソフトウェアを構成するプログラムをインストールして実行させればよい。
図9は、上述した一連の処理をプログラムにより実行するコンピュータのハードウェアの構成例を示すブロック図である。ここでは、異常診断装置11のハードウェア構成例について説明するが、他の機構(異常情報判断機構13、異常時事前対処法判断機構14、進行異常判断機構15及びレポート作成機構16)についても、同様のハードウェア構成とされる。
異常診断装置11(コンピュータ100)において、CPU101,ROM(Read Only Memory)102,RAM103は、バス104により相互に接続されている。
バス104には、さらに、入出力インターフェース105が接続されている。入出力インターフェース105には、キーボード、マウス、マイクロホンなどよりなる入力部106、ディスプレイ、スピーカなどよりなる出力部107、ハードディスクや不揮発性のメモリなどよりなる記録部108が接続されている。また、バス104には、ネットワークインターフェースなどよりなる通信部109、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリなどのリムーバブルメディア111を駆動するドライブ110が接続されている。
以上のように構成されるコンピュータ100では、CPU101が、例えば、記録部108に記録されているプログラムを、入出力インターフェース105及びバス104を介して、RAM103にロードして実行することにより、上述した一連の処理が行われる。
そして、プログラムは、リムーバブルメディア111をドライブ110に装着することにより、入出力インターフェース105を介して、記録部108にインストールすることができる。また、プログラムは、有線または無線の伝送媒体を介して、通信部109で受信し、記録部108にインストールすることができる。その他、プログラムは、ROM102や記録部108に、予めインストールしておくことができる。なお、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであってもよい。
また、システムあるいは装置にプログラムコードを供給するための記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等が用いられる。また、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線または無線の伝送媒体を介してソフトウェアのプログラムコードを提供することもできる。
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、上述した実施の形態例の機能が実現される。加えて、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS等が実際の処理の一部又は全部を行う。その処理によって上述した実施の形態例の機能が実現される場合も含まれる。
また、本発明は上述した実施の形態例に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限りその他種々の応用例、変形例を取り得ることは勿論である。
例えば、上記した実施形態例は本開示をわかりやすく説明するために装置及びシステムの構成を詳細且つ具体的に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることは可能であり、更にはある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることも可能である。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしもすべての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
例えば、上記した実施形態例は本開示をわかりやすく説明するために装置及びシステムの構成を詳細且つ具体的に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることは可能であり、更にはある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることも可能である。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしもすべての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
1…異常検知システム、2…プラント、11…異常診断装置、12…入力装置、13…異常情報判断機構、14…異常時事前対処法判断機構、15…進行異常判断機構、16…レポート作成機構、17…画面表示装置、18…異常データベース、19…FTデータベース、20…異常時運転知識データベース
Claims (7)
- プラントから受け取った計測データに基づいて、前記プラントに発生する第1の異常を検知して、前記第1の異常が分類されたカテゴリを特定するカテゴリ特定情報を出力する異常診断装置と、
前記カテゴリ特定情報に関連づけられる異常情報が登録される異常データベースを参照して、前記カテゴリ特定情報に対応する前記異常情報を判断して、判断結果を含めた第1の異常情報を出力する異常情報判断機構と、
前記異常情報に関連づけられる前記第1の異常への事前対処法が登録される異常時運転知識データベースを参照して、前記異常情報判断機構から受け取った前記第1の異常情報に対応する前記第1の異常への対処法を判断する異常時事前対処法判断機構と、
前記異常時運転知識データベースに前記第1の異常への対処法が登録されていない場合に、前記プラントに生じる複数の異常事象が階層構造で登録されたデータベースを参照して、前記第1の異常の上位の階層に属し、前記プラントに生じる可能性のある傾向変化を示す第2の異常を検索して得た前記第2の異常に関する情報を、新たに前記第1の異常として、前記異常時事前対処法判断機構に前記異常時運転知識データベースを参照して前記第1の異常への対処法を判断させる進行異常判断機構と、
前記異常時運転知識データベースに登録される前記第1の異常への対処法を含む情報をレポートに変換して出力するレポート作成機構と、を備える
異常検知システム。 - 前記異常診断装置は、適応共鳴理論(ART:Adaptive Resonance Theory)を用いて、正常状態で前記プラントが稼働する前記プラントの運転データから、前記プラントが正常状態であることを示すカテゴリを作成する学習動作を事前に行っておき、前記計測データの特性が前記学習動作で用いた前記運転データの特性と同じである場合には、前記学習動作で作成した前記カテゴリに前記計測データを分類し、特性が異なる場合には、前記学習動作で作成した前記カテゴリとは異なる新たなカテゴリに前記計測データを分類して、前記計測データが分類された前記カテゴリに対応する前記カテゴリ特定情報を出力する
請求項1記載の異常検知システム。 - 前記カテゴリ特定情報は、前記カテゴリ毎に一意に割り振られたカテゴリ番号であり、
前記異常データベースには、前記異常情報として、前記カテゴリ番号に対応する異常の異常名が登録され、
前記異常情報判断機構は、前記カテゴリ番号から、前記計測データの正常又は異常を識別し、前記計測データが前記プラントの異常を示していれば、どのような異常が前記プラントに発生しているかを判断した結果を前記第1の異常情報として出力する
請求項2記載の異常検知システム。 - 前記複数の異常事象が階層構造で登録されたデータベースは、前記異常データベースに登録されている前記異常名によって、フォールトツリーが構成され、前記異常診断装置によって診断された前記第1の異常が進行して引き起こされる前記第2の異常が、前記第1の異常が属する階層より上位の階層に登録されるフォールトツリーデータベースであって、
前記進行異常判断機構は、前記異常時事前対処法判断機構から出力された異常情報と、前記フォールトツリーデータベースに登録されている異常情報を照合して、現在の異常状態が進んだ場合どのような異常が引き起こされるかを判断した情報を異常時事前対処法判断機構に出力する
請求項3記載の異常検知システム。 - 前記レポート作成機構は、前記レポートとして、前記第1の異常に関する情報と、前記第1の異常への対処法と、前記計測データの時間推移を示す情報と、を含む診断結果レポートを作成して、前記診断結果レポートを画面表示装置に出力する
請求項4記載の異常検知システム。 - さらに、操作入力が行われる入力装置を備え、
前記レポート作成機構は、前記レポートとして、前記第1の異常に関する情報と、前記入力装置によって前記異常時運転知識データベースに前記第1の異常への対処法が登録されるための入力画面と、前記計測データの時間推移を示す情報と、を含む事前対処法入力画面を作成して、前記事前対処法入力画面を画面表示装置に出力する
請求項5記載の異常検知システム。 - プラントから受け取った計測データに基づいて、前記プラントに発生する第1の異常を検知して、前記第1の異常が分類されたカテゴリを特定するカテゴリ特定情報を出力する手順、
前記カテゴリ特定情報に関連づけられる異常情報が登録される異常データベースを参照して、前記カテゴリ特定情報に対応する前記異常情報を判断して、判断結果を含めた第1の異常情報を出力する手順、
前記異常情報に関連づけられる前記第1の異常への事前対処法が登録される異常時運転知識データベースを参照して、前記第1の異常情報に対応する前記第1の異常への対処法を判断する手順、
前記異常時運転知識データベースに前記第1の異常への対処法が登録されていない場合に、前記プラントに生じる複数の異常事象が階層表現されたフォールトツリーによって、前記異常を管理するフォールトツリーデータベースを参照して、前記第1の異常の上位の階層に属し、前記プラントに生じる可能性のある傾向変化を示す第2の異常を検索して得た前記第2の異常に関する情報を、新たに前記第1の異常として、前記異常時運転知識データベースを参照して前記第1の異常への対処法を判断する手順、
前記異常時運転知識データベースに登録される前記第1の異常への対処法を含む情報をレポートに変換して出力する手順とをコンピュータに実行させるプログラムを登録した
記録媒体。
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