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JP2014060463A - チップ抵抗器およびその製造方法 - Google Patents

チップ抵抗器およびその製造方法 Download PDF

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Torayuki Tsukada
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Abstract

【課題】十分な強度をもち、かつ、放熱性に優れたチップ抵抗器を提供する。
【解決手段】抵抗体1と、この抵抗体1の片面に接合された一対の電極2とを備えているチップ抵抗器Aであって、一対の電極2間となる抵抗体1の部分に切れ込み部1aが設けられており、かつ、一対の電極2が接合された面とは反対側となる抵抗体1の片面に、補強材4が接合されている。抵抗体1と補強材4は、絶縁性の接着層3を介して接合されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、チップ抵抗器およびその製造方法に関する。
従来のチップ抵抗器としては、特許文献1に開示されたものがある。同文献に開示されたチップ抵抗器は、抵抗体の片面に一対の電極を設けて構成されている。一対の電極は、互いに絶縁された状態で抵抗体の片面に直接接合されている。電極が接合された面とは反対側となる抵抗体の片面には、抵抗体を保護するようにオーバコート層が形成されている。このようなチップ抵抗器では、抵抗温度係数(TCR)が小さい合金からなる金属板を抵抗体として用いると、TCRの低減に加えて数mΩといった超低抵抗を実現することができる。数mΩの超低抵抗よりも高い抵抗、たとえば数十〜数百mΩの抵抗を実現するには、抵抗体の幅を部分的に細くしたり、あるいはレーザトリミングやエッチングによって抵抗体の一部を除去するようにしている。
しかしながら、上記従来のチップ抵抗器では、抵抗体を細くしたり一部除去したりすると、抵抗体そのものが比較的薄い金属板からなり、オーバコート層も抵抗体や電極を支える十分な厚みを有するものではないため、そのような金属板やオーバコート層だけでは一対の電極を支えるのに強度不足となってしまう。また、通電時には、抵抗体が発熱して細い部分や除去部分に熱がこもりやすくなるため、放熱性に劣るという難点もあった。
特開2007−49207号公報
本発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、十分な強度をもち、かつ、放熱性に優れたチップ抵抗器を提供することをその課題とする。また、本発明は、そのようなチップ抵抗器の量産に適したチップ抵抗器の製造方法を提供することをその課題としている。
本発明の第1の側面によって提供されるチップ抵抗器は、抵抗体と、この抵抗体の片面に接合された一対の電極とを備えているチップ抵抗器であって、上記一対の電極間となる上記抵抗体の部分に切れ込み部が設けられており、かつ、上記一対の電極が接合された面とは反対側となる上記抵抗体の片面に、補強材が接合されていることを特徴としている。
本発明の第2の側面によって提供されるチップ抵抗器は、複数の抵抗体と、これら抵抗体の片面に接合された一対の電極とを備えているチップ抵抗器であって、上記複数の抵抗体は、上記一対の電極が対向する方向に対して直交する方向に並んでいるとともに、上記一対の電極間となる上記抵抗体のそれぞれの部分に切れ込み部が設けられており、かつ、上記一対の電極が接合された面とは反対側となる上記複数の抵抗体の片面全体に、補強材が接合されていることを特徴としている。
本発明の好ましい実施の形態においては、上記抵抗体と上記補強材は、絶縁性の接着層を介して接合されている。
本発明の第3の側面によって提供されるチップ抵抗器の製造方法は、抵抗体の材料となる一または複数の金属板と補強材となる基板とを接合する工程と、上記金属板にエッチン
グを施す工程と、上記金属板の一部を覆うように保護膜を形成する工程と、上記保護膜から露出した上記金属板の部分にメッキによって複数の電極を形成する工程と、上記電極を少なくとも一対含む矩形状もしくは長矩形状のチップとなるように、一体となった上記一または複数の金属板および上記基板ならびに上記保護膜を分割する工程と、を含むことを特徴としている。
本発明の好ましい実施の形態においては、上記金属板にエッチングを施す際、上記一対の電極間となる上記金属板の部分に切れ込み部を形成する。
このような構成によれば、抵抗体や電極を補強材によって支えることで十分な強度をもたせることができ、また、補強材を介して放熱性に優れたチップ抵抗器を実現することができる。また、そのようなチップ抵抗器の量産に適したチップ抵抗器の製造方法を実現することができる。
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
以下、本発明の好ましい実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
図1および図2は、本発明にかかるチップ抵抗器の一実施形態を示し、図3〜5は、その製造方法の一例を示している。図1および図2に示すように、本実施形態のチップ抵抗器Aは、抵抗体1、一対の電極2、接着層3、補強材4、および電極絶縁体5(図1において図示略)を有して構成されている。このチップ抵抗器Aは、表面実装に適したものであり、数十mΩ〜数百mΩ程度の低抵抗のものとして構成されている。
抵抗体1は、温度抵抗係数(TCR)が比較的小さい、たとえばNi−Cr系合金、Ni−Cu系合金、Fe−Cr系合金、あるいはCu−Mn系合金といった金属板からなり、10〜100μm程度の厚みを有する。この抵抗体1は、所望とする抵抗値に調整すべくエッチングによって除去された切れ込み部1aを有するものの、一方の電極2から他方の電極2へと連続している。
一対の電極2は、抵抗体1の片面に直接接合されており、互いに電極絶縁体5を挟んで離間している。電極2の下面には、ハンダ付け性を良好にするためのハンダ層(図示略)が形成されている。このような電極2は、50〜200μm程度の厚みを有し、後述するように、たとえばCuをメッキ処理することによって形成される。
接着層3は、抵抗体1と補強材4との間に設けられており、抵抗体1と補強材4とを強固に接合する役割を果たす。また、接着層3は、絶縁性を有しており、補強材4が導電材料からなる場合にこれと抵抗体1とを電気的に絶縁する役割も果たす。このような接着層3は、60〜100μm程度の厚みを有し、後述するように、たとえばガラス繊維に接着樹脂を含浸させたプリプレグ(絶縁性接着フィルム)からなる。
補強材4は、電極2が接合された面とは反対側となる抵抗体1の片面に接着層3を介して接合されている。この補強材4は、たとえばアルミナ、ガラスエポキシ樹脂、あるいは導電性をもつCuからなり、抵抗体1の強度を高める役割を果たすとともに、通電時に抵抗体1に生じた熱を効率よく放散させるといった役割ももつ。このような補強材4は、200〜400μm程度の厚みを有する。
電極絶縁体5は、一対の電極2を絶縁するようにこれらの間に設けられており、電気絶
縁性をもつ例えばエポキシ樹脂系の絶縁材を一対の電極2の間となる部分に塗布することで形成される。
次に、チップ抵抗器Aの製造方法の一例について、図3〜5を参照して説明する。
まず、図3(a)に示すように、抵抗体1の材料となる金属板10と、補強材4となる基板40との間に、接着層3となるプリプレグ30を挟み込んだ状態とし、これら金属板10、基板40、およびプリプレグ30を高圧真空プレスによって接合する。このような金属板10、基板40、およびプリプレグ30は、チップ抵抗器Aを複数個取り可能なサイズを有し、抵抗体1、補強材4、および接着層3それぞれの厚みに対応している。
次に、図3(b)に示すように、金属板10に対してエッチング処理を施すことにより、連続状の抵抗体1を形成する。このようにして形成された抵抗体1は、所定部分に切れ込み部1aを有しつつも所定の方向(同図では横方向)に繋がった形態で複数の列をなしている。
次に、図4(a)に示すように、抵抗体1の切れ込み部1aを覆うようにストライプ状に保護膜50を塗布する。この保護膜50は、上述の電極絶縁体5に相当するものである。このとき、保護膜50の両外側には、電極2の形成箇所となる抵抗体1の部分が露出させられる。
次に、図4(b)に示すように、抵抗体1、プリプレグ30、基板40、および保護膜50が一体となったものに対し、いわゆるラックメッキによって銅メッキを施す。これにより、保護膜50の両外側で抵抗体1が露出した部分には、電極2となる電極層20が形成される。さらにハンダ付け性を良好にするなどといった必要があれば、電極層20の表面には、Snなどのハンダ層(図示略)をメッキ処理によって形成するようにしてもよい。
最後に、図5に示すように、電極層20に沿う縦切断ラインL1と電極層20と電極層20との間を通る横切断ラインL2に沿って切断することにより、抵抗体1、プリプレグ30、基板40、および保護膜50、ならびに電極層20が一体となったものをチップ状に分割する。これにより、図1および図2に示すようなチップ抵抗器Aを複数個取りすることができる。
したがって、本実施形態のチップ抵抗器Aによれば、切れ込み部1aを有することで強度に乏しい抵抗体1であっても、この抵抗体1や電極2が補強材4によって支えられるので、チップ抵抗器A全体に十分な強度をもたせることができる。また、抵抗体1よりも大きい体積をもつ補強材4によって放熱性を良好とすることができる。本実施形態のチップ抵抗器の製造方法によれば、上記した優れた効果をもつチップ抵抗器Aを容易に量産することができる。
本発明は、上述した実施形態の内容に限定されない。本発明にかかるチップ抵抗器の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
たとえば他の実施形態としては、図6に示すようなチップ抵抗器Bであってもよい。このチップ抵抗器Bでは、抵抗体1の両端部に電極2が2つずつ分離して設けられている。このような構成によれば、実装時にハンダが接触する面積が大きくなるので、ハンダ付け性をより良好にすることができる。
さらに他の実施形態としては、図7に示すようなチップ抵抗器Cであってもよい。この
チップ抵抗器Cは、図1のチップ抵抗器Aの複数個を並べたような形態からなる。すなわち、チップ抵抗器Cは、全体的に長矩形状を呈しており、一対の電極2が対向する方向に対して直交する方向(長手方向)に複数の抵抗体1が並んだ形態からなる。このチップ抵抗器Cは、基本的な構造が先述したチップ抵抗器Aと同一であり、たとえば補強材4は、電極2が接合された面とは反対側となる抵抗体1の片面全体にわたり接着層3を介して接合されている。このようなチップ抵抗器Cは、たとえば配線基板上に形成された2つの電極パッドに対して両側の電極2が接合される。これにより、複数の抵抗体1は、一括して並列接続されたものとなる。
上記チップ抵抗器Cは、先述した図5に示す製造工程において、隣り合う金属板10と金属板10との間を切断することなく、縦に並んだ電極層20に沿う縦切断ラインL1に沿って切断することにより、長矩形状のチップとして複数個取りすることができる。
したがって、本実施形態のチップ抵抗器Cによれば、全体的に長矩形状とすることで補強材4を大きくし、より十分な強度をもたせることができる。製造方法においては、隣り合う金属板10と金属板10との間を切断する必要がないので、より容易に量産することができる。
本発明にかかるチップ抵抗器の一実施形態を示す斜視図である。 図1のII−II線に沿う断面図である。 図1に示すチップ抵抗器の製造方法を説明するための説明図である。 図1に示すチップ抵抗器の製造方法を説明するための説明図である。 図1に示すチップ抵抗器の製造方法を説明するための説明図である。 本発明にかかるチップ抵抗器の他の実施形態を示す斜視図である。 本発明にかかるチップ抵抗器の他の実施形態を示す斜視図である。
A,B,C チップ抵抗器
1 抵抗体
1a 切れ込み部
2 電極
3 接着層
4 補強材
5 電気絶縁体
10 金属板
20 電極層
30 プリプレグ
40 基板
50 保護膜

Claims (5)

  1. 抵抗体と、この抵抗体の片面に接合された一対の電極とを備えているチップ抵抗器であって、
    上記一対の電極間となる上記抵抗体の部分に切れ込み部が設けられており、かつ、上記一対の電極が接合された面とは反対側となる上記抵抗体の片面に、補強材が接合されていることを特徴とする、チップ抵抗器。
  2. 複数の抵抗体と、これら抵抗体の片面に接合された一対の電極とを備えているチップ抵抗器であって、
    上記複数の抵抗体は、上記一対の電極が対向する方向に対して直交する方向に並んでいるとともに、上記一対の電極間となる上記抵抗体のそれぞれの部分に切れ込み部が設けられており、かつ、上記一対の電極が接合された面とは反対側となる上記複数の抵抗体の片面全体に、補強材が接合されていることを特徴とする、チップ抵抗器。
  3. 上記抵抗体と上記補強材は、絶縁性の接着層を介して接合されている、請求項1または2に記載のチップ抵抗器。
  4. 抵抗体の材料となる一または複数の金属板と補強材となる基板とを接合する工程と、
    上記金属板にエッチングを施す工程と、
    上記金属板の一部を覆うように保護膜を形成する工程と、
    上記保護膜から露出した上記金属板の部分にメッキによって複数の電極を形成する工程と、
    上記電極を少なくとも一対含む矩形状もしくは長矩形状のチップとなるように、一体となった上記一または複数の金属板および上記基板ならびに上記保護膜を分割する工程と、
    を含むことを特徴とする、チップ抵抗器の製造方法。
  5. 上記金属板にエッチングを施す際、上記一対の電極間となる上記金属板の部分に切れ込み部を形成する、請求項4に記載のチップ抵抗器の製造方法。
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