JP2014048021A - フィンチューブ熱交換器およびそれを備えたヒートポンプ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】加工性と伝熱性能に優れたフィンチューブ熱交換器を提供すること。
【解決手段】複数のフィン2と、フィン2を貫通する伝熱管3とを備え、フィン2は、伝熱管3に沿って円筒状に形成されるカラー部5と、カラー部5の先端に設けられ、カラー部5の外方、かつ、先端から離れる方向に拡がって形成されるフレア部8と、カラー部5の根元に設けられ、カラー部5の根元から先端側に向かってフィン2を折曲げて形成する窪み部9とを有し、フレア部8は、カラー部5の周状で不連続に形成され、積層時に一方のフィン2のフレア部8と他方のフィン2の窪み部9とが当接するので、フレア部8の成型時の割れや裂けを防止するとともに、伝熱管3とフィン2との接触面積を増大させて、加工性と伝熱性能を向上させることができる。
【選択図】図1
【解決手段】複数のフィン2と、フィン2を貫通する伝熱管3とを備え、フィン2は、伝熱管3に沿って円筒状に形成されるカラー部5と、カラー部5の先端に設けられ、カラー部5の外方、かつ、先端から離れる方向に拡がって形成されるフレア部8と、カラー部5の根元に設けられ、カラー部5の根元から先端側に向かってフィン2を折曲げて形成する窪み部9とを有し、フレア部8は、カラー部5の周状で不連続に形成され、積層時に一方のフィン2のフレア部8と他方のフィン2の窪み部9とが当接するので、フレア部8の成型時の割れや裂けを防止するとともに、伝熱管3とフィン2との接触面積を増大させて、加工性と伝熱性能を向上させることができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、冷媒の熱交換に用いられるフィンチューブ熱交換器に関するものである。
従来、この種の熱交換器は、冷媒が流動する複数の伝熱管と、この伝熱管が挿入される挿入孔および挿入孔の周りに形成されるカラー部を有するフィンとを備える。図8および図9に、従来のフィンチューブ熱交換器において、フィンのカラー部の形状を示す部分断面図を示す。
図8に示すように、複数の積層した薄い板状のフィン101は、円筒状に立ち上げられたカラー部102を備えている。カラー部102の根元には半径方向外側に向かって広がる裾野状の根元R部103を備え、カラー部102の先端には同じく半径方向外側に向かって広がるラッパ状のリフレアR部104を備えている。
これは、積層されるフィン101同士の間隔を規制するために設けられるものである。カラー部102の内側には伝熱管105が挿入され、伝熱管105を拡管することでカラー部102と伝熱管105が密着する。積層されたフィン101のカラー部102は、隣接するフィン101の根元R部103近傍の平面部106とリフレアR部104が当接することでフィンピッチ(積層間距離)が規制される。
また、図9に示すように、拡管時に隣接するフィン101同士が接触するアベック現象を防止するために、根元R部103近傍の平面部106の一部を陥没させた陥没部107を設けて、拡管時におけるフィン101の屈曲の防止を図ったものがある(例えば、特許文献1参照)。
さらに、図9に示すように、伝熱管105とカラー部102との伝熱性を向上させる方法として、積層されたフィン101において、隣接したフィン101の根元R部103とリフレアR部104によって形成された隙間空間109に樹脂等の充填剤108を充填し、充填剤108を硬化させることで隙間空間109を埋めた構成を備えるものがある(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、前記従来の構成では、リフレアR部104は、プレス製造にてフィンの平面部から立ち上げ形成時に引き伸ばされることで減肉し、肉厚が薄くなることで、特にリフレアR部104に割れや裂けが発生しやすく、加工が困難であるという課題を有していた。
また、特許文献2に記載のように隙間空間に充填剤を充填して伝熱性の向上を図る場合には、製品廃棄時に材料の分別が困難となり、リサイクル性が悪化して環境負荷が増大してしまうという課題を有していた。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、充填剤を用いることなく加工性と伝熱性能の向上したフィンチューブ熱交換器を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明のフィンチューブ熱交換器は、積層された複数のフィンと、前記フィンを貫通する伝熱管と、を備え、
前記フィンは、前記伝熱管に沿って円筒状に形成されるカラー部と、前記カラー部の先端に設けられ、前記カラー部の外方、かつ、前記先端から離れる方向に拡がって形成されるフレア部と、前記カラー部の根元に設けられ、前記カラー部の根元から前記カラー部の先端側に向かって前記フィンを折曲げて形成する窪み部と、を有し、
前記フレア部は、円筒状に形成される前記カラー部の周状で不連続になるように形成され、積層時に隣り合うフィンにおいて、一方のフィンの前記フレア部と他方のフィンの前記窪み部とが当接することを特徴とする。
前記フィンは、前記伝熱管に沿って円筒状に形成されるカラー部と、前記カラー部の先端に設けられ、前記カラー部の外方、かつ、前記先端から離れる方向に拡がって形成されるフレア部と、前記カラー部の根元に設けられ、前記カラー部の根元から前記カラー部の先端側に向かって前記フィンを折曲げて形成する窪み部と、を有し、
前記フレア部は、円筒状に形成される前記カラー部の周状で不連続になるように形成され、積層時に隣り合うフィンにおいて、一方のフィンの前記フレア部と他方のフィンの前記窪み部とが当接することを特徴とする。
これにより、製造過程で生じるフレア部の割れや裂けの発生を低減して加工性を向上させるとともに、フィンと伝熱管との接触面積を増大させて伝熱性能を向上させることができる。
本発明によれば、加工性と伝熱性能に優れたフィンチューブ熱交換器を提供することができる。
第1の発明は、積層された複数のフィンと、前記フィンを貫通する伝熱管と、を備え、前記フィンは、前記伝熱管に沿って円筒状に形成されるカラー部と、前記カラー部の先端に設けられ、前記カラー部の外方、かつ、前記先端から離れる方向に拡がって形成されるフレア部と、前記カラー部の根元に設けられ、前記カラー部の根元から前記カラー部の先端側に向かって前記フィンを折曲げて形成する窪み部と、を有し、
前記フレア部は、円筒状に形成される前記カラー部の周状で不連続になるように形成され、積層時に隣り合うフィンにおいて、一方のフィンの前記フレア部と他方のフィンの前記窪み部とが当接することを特徴とするフィンチューブ熱交換器である。
前記フレア部は、円筒状に形成される前記カラー部の周状で不連続になるように形成され、積層時に隣り合うフィンにおいて、一方のフィンの前記フレア部と他方のフィンの前記窪み部とが当接することを特徴とするフィンチューブ熱交換器である。
これにより、カラー部の先端の全周状に渡って連続させることなくフレア部を形成するので、フレア部の肉厚が過度に減少することを防止して割れや裂けを低減し、フィンの加工性を向上させることができる。また、加工性が向上することによってフレア部開始端の
R形状を小さくすることができるので、伝熱管とフィンとの間に生じる隙間空間を低減して接触面積を増大させることができ、伝熱性能を向上させることができる。
R形状を小さくすることができるので、伝熱管とフィンとの間に生じる隙間空間を低減して接触面積を増大させることができ、伝熱性能を向上させることができる。
第2の発明は、特に第1の発明において、前記フレア部はテーパ状のフレア部勾配面を備え、前記窪み部はテーパ状の窪み部勾配面を備え、前記窪み部勾配面と前記カラー部の中心軸とが成す第1傾斜角度は、前記フレア部勾配面と前記カラー部の中心軸とが成す第2傾斜角度以上の大きさであることを特徴とするものである。
これにより、フレア部勾配面と窪み部勾配面の傾斜角度とが同一角度に形成された場合には、フィン積層時に、それぞれの勾配面同士を面接触させることができるので、フィンの積層間隔を適切に規制することができ、フィンチューブ熱交換器としての加工性を向上させることができるとともに、フィンと伝熱管との伝熱経路が増えることとなり、伝熱性能を向上させることができる。
また、第1傾斜角度が第2傾斜角度よりも大きく形成された場合にも、複数枚積層したフィンを積層方向にプレスする工程により、窪み部によって窪み部よりも剛性の低いフレア部を押し曲げて、両者を面接触させることができるので、フィンチューブ熱交換器の伝熱性能を向上させることができる。
第3の発明は、特に第1または第2の発明において、前記窪み部の周囲に、前記窪み部を前記カラー部の先端側に向かって持ち上げる段付き部を備え、前記段付き部の積層方向の高さ寸法は、前記窪み部の積層方向の深さ寸法以上の大きさであることを特徴とするものである。
これにより、窪み部を形成する箇所のフィン部材が、カラー部を形成した側と反対側に突出することがなく、製造工程における外部との衝突などによって生じる窪み部の変形を防止することができ、また、加工したフィンの定置が容易となることから、フィンチューブ熱交換器としての加工性を向上させることができる。
第4の発明は、特に第1から3のいずれかの発明におけるフィンチューブ熱交換器を備えるヒートポンプ装置に関するものである。
これにより、熱交換効率に優れたヒートポンプ装置を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係るフィンチューブ熱交換器1の構成を示す断面斜視図を示し、図2は、カラー部5の形状を示す斜視図を示し、図3は、カラー部5の形状を示す部分断面図を示す。
図1は、本発明の実施の形態1に係るフィンチューブ熱交換器1の構成を示す断面斜視図を示し、図2は、カラー部5の形状を示す斜視図を示し、図3は、カラー部5の形状を示す部分断面図を示す。
図1〜図3に示すように、フィンチューブ熱交換器1は、例えば薄いアルミ板をプレスして成形された平板状のフィン2を複数枚積層し、円筒状の伝熱管3(一例として内面溝付銅管)を串刺し状に貫通させた構成になっている。
フィン2にはフィン平面部4から円筒状に立ち上げたカラー部5を設けている。
フィンチューブ熱交換器1を組み付ける際は、フィン2をカラー部5の中心軸6を合わせて複数枚積層し、カラー部5の内側にカラー部5の内径より小さい外径の伝熱管3を挿
入した後、伝熱管3を拡管することで、伝熱管3の外周面とカラー部5の内面を接触させている。
入した後、伝熱管3を拡管することで、伝熱管3の外周面とカラー部5の内面を接触させている。
上記工程により、伝熱管3内を流れる流体(一例としてR410A冷媒)と、フィン2の周囲を流れる流体(一例として空気)との熱交換を行う熱交換器を製造する。
また、本実施の形態では、図1および図2に示すように、カラー部5の先端にはフィンピッチ(フィンの積層間隔)を規制するため、カラー部5の先端から径方向外向きに拡大するフレア部8を設ける。
このとき、カラー部5の先端には、フレア部8を設ける部位と、フレア部を設けない部位が交互にそれぞれ複数(例えば、図1および図2では、2ヶずつ)構成されている。また、カラー先端部10は、フレア部8の先端位置よりもカラー部5の根元側に位置している。
これにより、フィン2の積層時に、隣接するフィン2の同士が干渉する不具合が発生することがなく、伝熱管3とカラー部5を確実に接触させることができる。
さらに、カラー部5の先端に、フレア部8を設ける部位と、フレア部8を設けない部位を交互に複数形成するようにすることにより、カラー部5の全周に渡ってフレア部8が連続せず、これによってフレア部8に割れが発生しにくくなることから、フレア部8開始端の屈曲Rを小さくすることができ、伝熱管3とカラー部5との接触面積を増加させて伝熱性能を向上させることができる。
次に本実施の形態におけるフィンチューブ熱交換器の伝熱現象の詳細について、図3を参照しながら説明する。なお、伝熱経路は破線矢印によって図示する。
図3に示すように、伝熱管3内を流れる流体の熱は、伝熱管3の外周面に伝導し、伝熱管3の外周面からカラー部5の内面に伝達され、カラー部5からフィン平面部4に伝導されると共に、カラー部5表面及びフィン平面部4からフィン2の周囲流体に伝達される。
このとき、伝熱管3の外周面からカラー部5の内面に熱伝達される際の熱抵抗は、一般的に以下の数式(式1)で定義される。
δ1:接触面を構成する一方の部材の表面粗さ(μm)
δ2:接触面を構成する他方の部材の表面粗さ(μm)
δ0:接触相当長さ(=23μm)
λ1:接触面を構成する一方の部材の熱伝導率(W/m・K)
λ2:接触面を構成する他方の部材の熱伝導率(W/m・K)
P:接触圧力(MPa)
H:接触面を構成する部材のうち軟らかい方の硬度(Hb)
λf:介在流体熱伝導率(W/m・K)
また、上記の(式1)で求められる接触熱コンダクタンスKによって、接触熱抵抗Rcは以下の数式(式2)で求められる。
A:接触面積(m2)
したがって、接触熱抵抗Rcを低減するためには、接触熱コンダクタンスKを大きくする方法と、接触面積Aを大きくする方法がある。
接触熱コンダクタンスKを大きくするためには、例えば特許文献2の様に伝熱管3とカラー部5との隙間空間7を充填剤(一例としてシリコン樹脂)で満たす方法があり、通常は隙間空間となる伝熱管3とカラー部5との隙間に充填剤を充填している。
これにより、介在流体熱伝導率λfを高くして接触熱コンダクタンスKを大きくすることができる。
しかしながら、フィンチューブ熱交換器1が、フィン2の素材、伝熱管3の素材に加えて充填剤の素材が混在する形となり、製品廃棄時のリサイクルにおいて素材毎の分別が困難になり、リサイクル性が悪化してリサイクル率の低下やリサイクル時に必要なエネルギーの増大など、環境負荷が増大してしまう。
昨今、家電リサイクル法に代表されるように地球環境への負荷を低減する取り組みが政府主導で実施されており、今後対象商品が拡大される傾向にあるため、リサイクル性は無視できない要素となっている。
また、前記以外に接触熱コンダクタンスKを大きくする方法として、接触面の表面粗さδ1、δ2を小さくする方法、接触圧力Pを向上させる方法、伝熱管3及びフィン2の熱伝達率λ1、λ2を向上させる方法、伝熱管3又はフィン2のうち、軟らかい方の硬度Hを低くする方法があるが、本発明では接触面積Aを大きくする方法に着目したものである。
伝熱管3とカラー部5の接触面積Aを増加させることにより接触熱コンダクタンスKが変化しなくても接触熱抵抗Rcを低減できることが(式2)から分かる。
熱抵抗を低減できれば、伝熱管3からフィン2への熱伝達率を向上させることができ、熱交換器としての熱交換効率を向上させることができる。
本実施の形態では、カラー部5の根元にカラー立ち上げ方向と逆方向に窪ませた窪み部9を設け、カラー部5の先端には径方向外側に向かって拡大するフレア部8を設けている。さらに、フィン2を積層する際に、窪み部9が隣接するフィン2のフレア部8の内側に入り込んでむように構成し、かつ、窪み部9の底面11とフレア部8が当接するように構成している。
これは、窪み部9をフレア部8の内側に入り込ませることで、積層時に隣接するフィン2の間で生じる隙間空間7を小さくするためである。これにより、伝熱管3とカラー部5との接触面積を大きくすることができるという作用がある。
さらに、積層時、フレア部8の内側と当接する箇所を窪み部9の底面11とすることで、フィンピッチを規制しつつ窪み部9とフレア部8の積層方向隙間を極力小さくすることができるため、伝熱管3とカラー部5の接触面積をより大きくできるという作用がある。
これにより、接触熱抵抗を低減して伝熱管3からフィン2への伝熱性能を向上させることができるため、フィンチューブ熱交換器としての熱交換効率を向上させることができる。また、前記効果を得るための構成として、伝熱管3とフィン2以外の材料を必要としないため、製品廃棄時の分別が容易でリサイクル性を損なうことがないフィンチューブ熱交換器を提供できる。
また、フレア部8は、テーパ状のフレア部勾配面12を備えている。これによれば、積層時にフレア部8の内側に窪み部9が入り込んだ際、窪み部9側のカラー部5の中心軸6と、フレア部8側のカラー部5の中心軸6との軸ズレが発生しても、窪み部勾配面13がフレア部勾配面12に接触することで、軸ズレを抑制することができるという作用がある。
これにより、伝熱管3をカラー部5に挿入しやすくなることに加え、伝熱管3と積層したカラー部5の径方向位置を規制できるため、伝熱管3とカラー部5の接触面積をバラつかせることがなく、品質の良いフィンチューブ熱交換器を提供できる。
フレア部勾配面12の角度については、特に限定しないが、積層時に窪み部9がフレア部8の内側に入り込ませられる程度の角度から、フィン平面部4と略平行となる180度未満の間において、適宜設定することが望ましい。
なお、従来技術との比較のために、図4(a)に従来技術のカラー形状及び伝熱経路を示す部分断面図、図4(b)に本実施の形態のカラー形状及び伝熱経路を示す部分断面図を示す。
図4(a)に示すように、従来、フィンピッチを規制するために当接させるカラー部5の先端とカラー部5の根元近傍は線接触するため、線接触している部分を通過して熱伝達される熱量は限りなく小さい。
これに対して、図4(b)に示すように、窪み部9は底面11を起点とし、カラー部5中心から外側に向かって立ち上げ方向に傾斜した窪み部勾配面13を備え、窪み部勾配面13はフレア部勾配面12と同一形状とし、積層時、窪み部勾配面13とフレア部勾配面12が面接触するように構成している。そのため、本構成ではフレア部8と窪み部9が当接する接触面積が大きくなり、フレア部勾配面12と窪み部勾配面13との間で熱伝達を行うことができる。
これによれば、伝熱管3からカラー部5に伝達された熱をフィン平面部4に伝える熱伝導経路が、従来、カラー部5根元からフィン平面部4へ伝導する1経路のみ(図4(a)破線参照)であったものを、本構成では図4(b)の破線で示すように、前記の1経路に加えてカラー部5からフレア部勾配面12、フレア部勾配面12から窪み部勾配面13、窪み部勾配面13からフィン平面部4へと伝熱される経路ができるため、合計2経路の伝熱経路となり、より効率良くフィン平面部4へ熱を伝えることができる。
したがって、伝熱管3からフィン2への伝熱性能が向上することとなり、熱交換効率を向上させることができる。
次に、図5に本実施の形態のフィンチューブ熱交換器のフィンにおける段付き部14の形状を示す部分断面図を示す。
図5に示すように、窪み部9の周囲に、窪み部9およびカラー部5全体を立ち上げ方向に持ち上げる段付き部14を設け、段付き部14の高さHは、窪み部9の深さD以上となるようにした構成としている。
ここで、段付き部14が無い場合、例えばフィン製造時にフィン単体の状態で窪み部9を重力方向に対して下側にして、平らな机等の上に置くという状況などに、窪み部9が露出しているために、窪み部9が外部と衝突して変形してしまう可能性がある。
そこで、本構成のように、段付き部14を設けて段付き部14の高さHを窪み部9の深さDよりも大きくすることで窪み部9が露出しないため、窪み部9が外部と直接衝突することが無く、窪み部9が変形してしまうことを防止できる。
これにより、例えばフィン製造及び熱交換器製造時に形状バラツキを少なくすることができるため、品質の良いフィンチューブ熱交換器を提供できる。
次に、図6に本実施の形態のフィンチューブ熱交換器1を使用したヒートポンプ装置の構成を示す。
図6に示すヒートポンプ装置20は、冷媒(一例としてR410A)を、伝熱管3内を流れる作動流体とし、室外側に圧縮機15(一例としてロータリー型圧縮機)、四方弁16、室外熱交換器17、絞り装置18(一例として膨張弁)を配置し、室内側に室内熱交換器19を接続して冷媒回路を構成したヒートポンプ装置20(一例としてルームエアコン)となっている。
室外熱交換器17には室外空気を送る室外ファン21(一例としてプロペラファン)、室内熱交換器19には室内空気を送る室内ファン22(一例としてクロスフローファン)をそれぞれ設けている。
上記構成により、圧縮機15により圧縮された高温高圧の冷媒を四方弁16に流して暖房運転の際は室内熱交換器19側に、冷房運転の際は室外熱交換器17側に冷媒を流すように切替可能となっている。
例えば暖房運転の際は室内熱交換器19が凝縮器となり、四方弁16から室内熱交換器19へ高温冷媒を送る。室内熱交換器19は、流れてくる高温冷媒の熱と室内ファン22によって送られる室内空気の熱を熱交換し、冷媒側の熱を空気側へ放熱させることで冷媒を凝縮液化させる。
次に液化した冷媒を膨張弁に流して断熱膨張させ、冷媒を低温低圧の状態にして室外熱交換器17に案内する。室外熱交換器17は蒸発器となり、気液二相状態の低温冷媒の熱と室外ファン21によって送られる室外空気の熱を熱交換し、空気側の熱を冷媒側に吸熱させることで冷媒を蒸発気化させる。
蒸発器で蒸発した低圧気化冷媒を圧縮機15に戻し、再度圧縮させることで連続的に室
内空気を暖めて暖房できるサイクルとなっている。また、冷房運転の際は四方弁16を切り替えることで、冷媒を逆方向に流し、室内空気を冷やして冷房できる。
内空気を暖めて暖房できるサイクルとなっている。また、冷房運転の際は四方弁16を切り替えることで、冷媒を逆方向に流し、室内空気を冷やして冷房できる。
このヒートポンプ装置20に用いられる室外熱交換器17と室内熱交換器19の少なくとも一方を本発明のフィンチューブ熱交換器1とすることで、凝縮器及び蒸発器の熱交換効率を向上させることができるため、COPを向上させることができるという効果がある。
(実施の形態2)
図7に本発明の実施の形態2のフィンチューブ熱交換器におけるフィンのカラー形状を示す部分断面図を示す。なお、本実施の形態において他の実施の形態と同様の部分については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図7に本発明の実施の形態2のフィンチューブ熱交換器におけるフィンのカラー形状を示す部分断面図を示す。なお、本実施の形態において他の実施の形態と同様の部分については同一の符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図7に示すように、カラー部5の中心軸6と窪み部勾配面13が成す角度α(第1傾斜角度)は、カラー部5の中心軸6とフレア部勾配面12が成す角度β(第2傾斜角度)よりも大きくなるように構成している。
上記構成のフィン2を積層した時、フレア部勾配面12の先端が窪み部勾配面13に当接し、フレア部勾配面12の先端以外の領域は窪み部勾配面13に接触していない状態となる。
ここで、複数枚積層されたフィン2のうち、両端のフィン2を保持して、プレス等により積層方向に圧縮させることで、フレア部勾配面12の先端が窪み部勾配面13によって押し広げられ、最終的にフレア部勾配面12と窪み部勾配面13を面接触させることができる。
これによれば、伝熱管3からカラー部5に伝達された熱をフィン平面部4に伝える熱伝導経路が、カラー部5根元からフィン平面部4へ伝導する1経路と、カラー部5からフレア部勾配面12、フレア部勾配面12から窪み部勾配面13、窪み部勾配面13からフィン平面部4へと伝熱される1経路の合計2経路の伝熱経路となり、より効率良くフィン平面部4へ熱を伝えることができる。
したがって、伝熱管3からフィン2への伝熱性能が向上することとなり、熱交換効率を向上させることができる。
本発明にかかるフィンチューブ熱交換器は、ルームエアコンや給湯器、暖房機等に利用されるヒートポンプ装置に適用できる。
1 フィンチューブ熱交換器
2 フィン
3 伝熱管
4 フィン平面部
5 カラー部
6 中心軸
7 隙間空間
8 フレア部
9 窪み部
10 カラー先端部
11 底面
12 フレア部勾配面
13 窪み部勾配面
14 段付き部
15 圧縮機
16 四方弁
17 室外熱交換器
18 絞り装置
19 室内熱交換器
20 ヒートポンプ装置
21 室外ファン
22 室内ファン
2 フィン
3 伝熱管
4 フィン平面部
5 カラー部
6 中心軸
7 隙間空間
8 フレア部
9 窪み部
10 カラー先端部
11 底面
12 フレア部勾配面
13 窪み部勾配面
14 段付き部
15 圧縮機
16 四方弁
17 室外熱交換器
18 絞り装置
19 室内熱交換器
20 ヒートポンプ装置
21 室外ファン
22 室内ファン
Claims (4)
- 積層された複数のフィンと、前記フィンを貫通する伝熱管と、を備え、
前記フィンは、前記伝熱管に沿って円筒状に形成されるカラー部と、前記カラー部の先端に設けられ、前記カラー部の外方、かつ、前記先端から離れる方向に拡がって形成されるフレア部と、前記カラー部の根元に設けられ、前記カラー部の根元から前記カラー部の先端側に向かって前記フィンを折曲げて形成する窪み部と、を有し、
前記フレア部は、円筒状に形成される前記カラー部の周状で不連続になるように形成され、積層時に隣り合うフィンにおいて、一方のフィンの前記フレア部と他方のフィンの前記窪み部とが当接することを特徴とするフィンチューブ熱交換器。 - 前記フレア部はテーパ状のフレア部勾配面を備え、前記窪み部はテーパ状の窪み部勾配面を備え、
前記窪み部勾配面と前記カラー部の中心軸とが成す第1傾斜角度は、前記フレア部勾配面と前記カラー部の中心軸とが成す第2傾斜角度以上の大きさであることを特徴とする請求項1に記載のフィンチューブ熱交換器。 - 前記窪み部の周囲に、前記窪み部を前記カラー部の先端側に向かって持ち上げる段付き部を備え、
前記段付き部の積層方向の高さ寸法は、前記窪み部の積層方向の深さ寸法以上の大きさであることを特徴とする請求項1または2に記載のフィンチューブ熱交換器。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載のフィンチューブ熱交換器を備えるヒートポンプ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012193784A JP2014048021A (ja) | 2012-09-04 | 2012-09-04 | フィンチューブ熱交換器およびそれを備えたヒートポンプ装置 |
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JP2012193784A JP2014048021A (ja) | 2012-09-04 | 2012-09-04 | フィンチューブ熱交換器およびそれを備えたヒートポンプ装置 |
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JP2014048021A true JP2014048021A (ja) | 2014-03-17 |
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ID=50607879
Family Applications (1)
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JP2012193784A Pending JP2014048021A (ja) | 2012-09-04 | 2012-09-04 | フィンチューブ熱交換器およびそれを備えたヒートポンプ装置 |
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Country | Link |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105823364A (zh) * | 2016-05-04 | 2016-08-03 | 无锡海特精密模具有限公司 | 一种散热片及其生产工艺 |
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JP2017020725A (ja) * | 2015-07-10 | 2017-01-26 | 三菱電機株式会社 | 熱交換器 |
CN106716042A (zh) * | 2014-09-08 | 2017-05-24 | 三菱电机株式会社 | 热交换器以及热交换器的板状翅片的制造方法 |
-
2012
- 2012-09-04 JP JP2012193784A patent/JP2014048021A/ja active Pending
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