JP2014043904A - 回転伝達装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】製造工数の増大を抑制しつつ、ウォームの軸部のスラスト方向のがたつをいっそう抑制することができる回転伝達装置を提供する。
【解決手段】連結機構は、モータの回転軸の軸線と平行にウォームの軸部側に突設された第1突部25を有する第1回転体21と、第1回転体21の軸線を中心とする周方向で第1突部25に当接又は近接するように軸部の軸線と平行に回転軸側に突設された第2突部29を有する第2回転体22とを備える。第1及び第2突部25,29には、第1回転体21の回転に伴う第1突部25による第2突部29の押圧時に、軸部のスラスト方向への移動が係止される側に第2回転体22を押圧する分力F2を発生する第1傾斜部25a,25b及び第2傾斜部29a,29bがそれぞれ形成されている
【選択図】図4
【解決手段】連結機構は、モータの回転軸の軸線と平行にウォームの軸部側に突設された第1突部25を有する第1回転体21と、第1回転体21の軸線を中心とする周方向で第1突部25に当接又は近接するように軸部の軸線と平行に回転軸側に突設された第2突部29を有する第2回転体22とを備える。第1及び第2突部25,29には、第1回転体21の回転に伴う第1突部25による第2突部29の押圧時に、軸部のスラスト方向への移動が係止される側に第2回転体22を押圧する分力F2を発生する第1傾斜部25a,25b及び第2傾斜部29a,29bがそれぞれ形成されている
【選択図】図4
Description
本発明は、モータの回転軸と、ウォームホイールと組み合わされて減速機構を構成するウォームの軸部とが一体的に回転するように連結される回転伝達装置に関するものである。
従来、こうした回転伝達装置としては、例えば特許文献1に記載されたものが知られている。図6に示すように、この回転伝達装置は、回転軸91を有するモータ92と、回転軸91と同軸でこれに一体的に回転するように連結される軸部93を有するウォーム94と、該ウォーム94に噛合するウォームホイール95と、該ウォームホイール95を回転自在に収容するハウジング96とを備えて構成される。ウォーム94及びウォームホイール95は減速機構(ウォームギヤ)を構成する。
モータ92の回転軸91は、ハウジング96に装着されたラジアル軸受BE91に軸支されている。一方、ウォーム94の軸部93は、図7(a)(b)に示すように、ハウジング96に装着されたラジアル軸受BE92によりその軸線方向一側(回転軸91から離隔する側)の先端部が軸支されている。また、ハウジング96には、軸部93の当該先端部に対向して軸線方向に凹部97が凹設されている。そして、凹部97には、耐熱性樹脂98が充填・硬化されるとともに、該耐熱性樹脂98の軸部93に対向する先端部には、該軸部93の先端面に当接する状態で金属プレート99が固着されている。従って、軸部93等のスラスト方向の荷重は、金属プレート99及び耐熱性樹脂98により支持される。これにより、軸部93等のスラスト方向のがたつきが抑制される。
ところで、特許文献1では、ウォーム94をハウジング96に組み付ける際、成形前の耐熱性樹脂98を載置した状態の金属プレート99を、軸部93の先端面に載置する。この状態で、ウォーム94をハウジング96内に挿入して、凹部97内に耐熱性樹脂98が充填されるようにこれを押圧・塑性変形させる。その後、雰囲気温度を相対的に上昇させて耐熱性樹脂98を硬化させることで、軸部93等のスラスト方向の荷重が支持可能となる。
しかしながら、耐熱性樹脂98は、一旦硬化してしまうと再変形不能であることで、例えば雰囲気温度が変化した場合に各部品の線膨張係数の違いによって生じる寸法変化を吸収できず、依然として軸部93等がスラスト方向にがたつく可能性がある。
また、耐熱性樹脂98が常温硬化性樹脂である場合にはその成形前の組付作業を室温より低温状態で行う必要があり、高温硬化性樹脂である場合にはその成形後に加熱工程を行って硬化させる必要がある。従って、製造工数の増大を余儀なくされる。
本発明の目的は、製造工数の増大を抑制しつつ、ウォームの軸部のスラスト方向のがたつきをいっそう抑制することができる回転伝達装置を提供することにある。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、回転軸を有するモータと、前記回転軸と同軸の軸部を有するウォームと、該ウォームと組み合わされて減速機構を構成するウォームホイールと、前記回転軸及び前記軸部を連結する連結機構と、前記ウォームホイールを回転自在に支持するとともに前記軸部を回転自在に且つスラスト方向への移動を係止可能に支持するハウジングとを備える回転伝達装置において、前記連結機構は、前記回転軸と一体的に回転するように連結され、該回転軸の軸線と平行に前記軸部側に突設された第1突部を有する第1回転体と、前記軸部と一体的に回転するように連結され、前記第1回転体の軸線を中心とする周方向で前記第1突部に当接又は近接するように前記軸部の軸線と平行に前記回転軸側に突設された第2突部を有する第2回転体とを備え、前記第1突部及び前記第2突部には、前記第1回転体の回転に伴う前記第1突部による前記第2突部の押圧時に、前記軸部のスラスト方向への移動が係止される側に前記第2回転体を押圧する分力を発生する第1傾斜部及び第2傾斜部がそれぞれ形成されていることを要旨とする。
同構成によれば、前記回転軸と共に前記第1回転体が回転すると、前記第2突部に前記第1突部が押圧されることで、前記第2回転体と共に前記軸部(ウォーム)が回転する。このとき、前記第1突部の前記第1傾斜部及び前記第2突部の前記第2傾斜部間で前記分力が発生することで、前記ハウジングにより前記軸部のスラスト方向への移動が係止されるとともに該係止の状態が維持される。これにより、前記軸部(ウォーム)のスラスト方向のがたつきを抑制することができる。例えば雰囲気温度が変化した場合であっても、各部品の線膨張係数の違いによって生じる寸法変化に起因するがたを前記第1傾斜部及び前記第2傾斜部間に生じるスラスト方向の分力で吸収することができ、前記軸部のスラスト方向のがたつきを抑制することができる。また、前記連結機構の組付けにおいては、前記第1回転体(及び第2回転体)の軸線を中心とする周方向で前記第1突部及び前記第2突部(第1傾斜部及び第2傾斜部)が当接又は近接するように、前記第1回転体及び前記第2回転体をそれらの軸線方向に相対移動させて組み付ければよいため、製造工数の増大を抑制することができる。特に、前記第1突部及び前記第2突部は、前記第1傾斜部及び前記第2傾斜部によりそれぞれ尖鋭に成形されることで、それらの軸線方向に沿う組付性にいっそう優れている。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の回転伝達装置において、前記第1傾斜部及び前記第2傾斜部間に介装された緩衝部材を備えたことを要旨とする。
同構成によれば、例えば前記モータの駆動が停止される待機状態においては、前記緩衝部材で前記第1突部及び前記第2突部(第1傾斜部及び第2傾斜部)間のがたを詰めておくことで、例えば前記モータの反転時に発生する振動・音を抑制することができる。
同構成によれば、例えば前記モータの駆動が停止される待機状態においては、前記緩衝部材で前記第1突部及び前記第2突部(第1傾斜部及び第2傾斜部)間のがたを詰めておくことで、例えば前記モータの反転時に発生する振動・音を抑制することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の回転伝達装置において、前記第1回転体及び前記第2回転体のいずれか一方は、その軸線を中心とする周方向に複数の磁極の形成された磁石材質からなることを要旨とする。
同構成によれば、例えば前記回転軸の回転状態(例えば回転速度など)を適宜の磁気センサ(例えばホール素子など)で検出する場合、磁石材質からなる前記第1回転体又は前記第2回転体を利用することで、別途、検出用の永久磁石を設ける必要がなくなる。これにより、部品点数の削減及び装置全体としての小型化を実現することができる。
本発明では、製造工数の増大を抑制しつつ、ウォームの軸部のスラスト方向のがたつきをいっそう抑制することができる回転伝達装置を提供することができる。
図1〜図4を参照して本発明の一実施形態について説明する。
図1(a)(b)に示すように、本実施形態の回転伝達装置は、回転軸11aを有する例えばDCモータからなるモータ11と、回転軸11aと同軸の軸部12aを有するウォーム12と、該ウォーム12に噛合するウォームホイール13と、回転軸11a及び軸部12aを連結する連結機構20と、ハウジング16とを備えて構成される。
図1(a)(b)に示すように、本実施形態の回転伝達装置は、回転軸11aを有する例えばDCモータからなるモータ11と、回転軸11aと同軸の軸部12aを有するウォーム12と、該ウォーム12に噛合するウォームホイール13と、回転軸11a及び軸部12aを連結する連結機構20と、ハウジング16とを備えて構成される。
ウォーム12及びウォームホイール13は、減速機構(ウォームギヤ)14を構成するもので、例えば樹脂材からなるハウジング16に収容されている。すなわち、ハウジング16は、ウォーム12の軸線に沿って中心線の延びる有底略円筒状のウォーム収容部17を有する。このウォーム収容部17は、軸線方向一側(回転軸11aから離隔する側)が端面17aにより閉塞されるとともに、軸線方向他側(回転軸11a側)が開放されている。
また、ウォーム収容部17は、段差17bを介して回転軸11a側が拡開されており、該段差17bを挟んで回転軸11a側及びその反対側にそれぞれ第1支持部17c及び第2支持部17dを形成する。そして、第2支持部17dの軸線方向一側及び他側(回転軸11aから離隔する側及びその反対側)には、略円筒状のラジアル軸受BE1,BE2がそれぞれ嵌着されている。
さらに、第2支持部17d(ウォーム収容部17)には、端面17aに当接する略円盤状のスラスト軸受BE3が嵌着されている。ウォーム12の軸部12aは、ラジアル軸受BE1,BE2により両端部が軸支されることで、ウォーム収容部17に回転自在に支持されている。また、ウォーム12の軸部12aは、スラスト軸受BE3に対向する先端面がボールB1を介してスラスト軸受BE3に当接することで、回転軸11aから離隔するスラスト方向への移動が係止されている。
なお、ウォーム12の回転軸11a側の先端部は、ラジアル軸受BE2から突出して第1支持部17c内に露出している。一方、モータ11は、第1支持部17c(ウォーム収容部17)に合わせてハウジング16に固定されており、その回転軸11aの先端部を第1支持部17c内に露出している。回転軸11a及び軸部12aが同軸に配置されていることは既述のとおりである。
ハウジング16は、ウォームホイール13の軸線に沿って中心線の延びる有底略円筒状のホイール収容部18を有する。ウォームホイール13は、ホイール収容部18に収容された状態でハウジング16に回転自在に支持されている。なお、ホイール収容部18は、ウォーム12に対向する側の部位が第2支持部17d(ウォーム収容部17)に連通するように該第2支持部17dと共に切り欠かれており、当該部位を通じてウォーム12の両ラジアル軸受BE1,BE2間に挟まれる中間部(ねじ歯車部)に噛合する。
ハウジング16の第1支持部17cには、前記連結機構20が収容されている。この連結機構20は、第1支持部17cに軸支されて回転軸11aと一体的に回転するように連結された第1回転体21と、同じく第1支持部17cに軸支されて軸部12aと一体的に回転するように連結された第2回転体22とを備えて構成される。
すなわち、図2に示すように、第1回転体21は、第1支持部17cの内径と同等の外径を有する略円盤状の本体部23を有するとともに、該本体部23よりも縮径されて回転軸11a側に突出する略円柱状の磁石保持部24を有し、更に本体部23よりも縮径されて軸部12a側に突出する略円柱状の第1軸部26を有する。
また、第1回転体21は、本体部23(第1回転体21)の軸線を中心とする所定角度位置で本体部23の外周面の位置から当該軸線と平行に軸部12a側に突設された一対の爪状の第1突部25を有する。図3(a)に併せ示すように、これら第1突部25は、第1回転体21の軸線を中心とする径方向に対向配置されており、各第1突部25は、先端に向かって細くなるようにその周方向両側面に左右対称の略平面状の第1傾斜部25a,25bがそれぞれ形成されている。従って、第1傾斜部25a,25bは、第1回転体21の軸線に対して傾斜している。
そして、図2に示すように、第1回転体21は、その軸線に沿って回転軸11aの先端部が嵌挿されることで、該回転軸11aと一体的に回転するように連結される。第1回転体21の回転時には、本体部23及び両第1突部25の外周面が第1支持部17cに摺接する。
なお、第1回転体21には、嵌挿された回転軸11aの先端面との間に介装されるボールB2が収容されている。第1回転体21は、ボールB2を介して回転軸11aの先端面に当接することで、該回転軸11aに近付くスラスト方向への移動が係止されている。また、第1回転体21の磁石保持部24には、その外径と同等の内径及び第1支持部17cの内径と同等の外径を有する略円筒状の永久磁石36が嵌着されている。この永久磁石36は、その軸線を中心とする周方向に複数の磁極が形成されており、該永久磁石36に対向してハウジング16に保持された適宜の磁気センサ(例えばホール素子など)と協働して回転軸11aの回転状態(例えば回転速度、回転方向など)を検出する。永久磁石36は、第1回転体21との一体回転時には、第1支持部17cに摺接する。
一方、第2回転体22は、第1支持部17cの内径(即ち第1回転体21の本体部23の外径)と同等の外径を有する略円盤状の本体部27を有するとともに、該本体部27よりも縮径されて回転軸11a側に突出する略円錘台状の第2軸部28を有する。また、第2回転体22は、本体部27(第2回転体22)の軸線を中心とする所定角度位置で本体部27の外周面の位置から当該軸線と平行に回転軸11a側に突設された一対の爪状の第2突部29を有する。図3(b)に併せ示すように、これら第2突部29は、第2回転体22の軸線を中心とする径方向に対向配置されており、各第2突部29は、先端に向かって細くなるようにその周方向両側面に左右対称の略平面状の第2傾斜部29a,29bがそれぞれ形成されている。従って、第2傾斜部29a,29bは、第2回転体22の軸線に対して傾斜している。なお、第2軸部28には、第1回転体21の第1軸部26の外径と同等の内径を有する略円形の軸受孔28aが形成されている。
そして、図2に示すように、第2回転体22は、その軸線に沿って軸部12aの先端部が嵌挿されることで、該軸部12aと一体的に回転するように連結される。また、第2回転体22は、各隣り合う第2突部29間に第1回転体21の各第1突部25が配置されるように組み付けられることで、両第2突部29が両第1突部25の回転軌跡を遮るように、即ち第1回転体21の回転が伝達可能になる。このとき、第2回転体22(第2軸部28)の軸受孔28aに第1回転体21の第1軸部26が軸支されることで、これら第1回転体21及び第2回転体22間の軸線ずれが抑制される。第2回転体22の回転時には、本体部27及び両第2突部29の外周面が第1支持部17cに摺接する。
ここで、第1回転体21及び第2回転体22間には、例えばゴム材からなる緩衝部材30が介設されている。この緩衝部材30は、第2軸部28の外側面と同等の内側面を有する略円錐台状の筒状の装着部31を有するとともに、該装着部31の中心線を中心とする所定角度位置から径方向外側に突設された4つのリブ状の緩衝片32を有する。緩衝部材30は、装着部31に第2軸部28が挿入されることで第2回転体22に保持されており、各緩衝片32は、周方向で隣り合う第1及び第2傾斜部25a,29a間又は第1及び第2傾斜部25b,29b間に介装される。
従って、第1回転体21の一方向の回転は、両第1突部25の押圧面としての第1傾斜部25a、緩衝部材30の該当の緩衝片32及び両第2突部29の被押圧面としての第2傾斜部29aを介して第2回転体22へと伝達される。これにより、回転軸11aの一方向の回転に伴って、軸部12a(ウォーム12)が一体で当該方向に回転する。一方、第1回転体21の逆方向の回転は、両第1突部25の押圧面としての第1傾斜部25b、緩衝部材30の該当の緩衝片32及び両第2突部29の被押圧面としての第2傾斜部29bを介して第2回転体22へと伝達される。これにより、回転軸11aの逆方向の回転に伴って、軸部12a(ウォーム12)が一体で当該方向に回転する。
次に、本実施形態の動作について説明する。
図4に示すように、第1回転体21が一方向(矢印A方向)に回転すると、その回転は両第1突部25の第1傾斜部25a及び両第2突部29の第2傾斜部29a等を介して第2回転体22へと伝達される。このとき、第1傾斜部25a及び第2傾斜部29aが軸線方向に対して傾斜していることで、各第2傾斜部29aには、その傾斜方向に対して直交する方向に向かう押圧力Fが緩衝片32を介して付与される。
図4に示すように、第1回転体21が一方向(矢印A方向)に回転すると、その回転は両第1突部25の第1傾斜部25a及び両第2突部29の第2傾斜部29a等を介して第2回転体22へと伝達される。このとき、第1傾斜部25a及び第2傾斜部29aが軸線方向に対して傾斜していることで、各第2傾斜部29aには、その傾斜方向に対して直交する方向に向かう押圧力Fが緩衝片32を介して付与される。
この押圧力Fは、矢印Aと平行な方向に向かう分力F1と、該分力F1に対して直交する方向(即ちスラスト方向)に向かう分力F2とで合成される。従って、第2回転体22は、分力F1が付与されることで、第1回転体21と一体で矢印A方向に回転する。また、第2回転体22は、分力F2が付与されることで、軸線方向において第1回転体21から離隔する側に移動する。従って、第2回転体22と共に当該方向(スラスト方向)に移動する軸部12a(ウォーム12)は、その先端面がボールB1を介してスラスト軸受BE3に当接することで、スラスト方向への移動が係止される。これにより、軸部12aのスラスト方向のがたつきが抑制される。
なお、第1回転体21が逆方向(矢印B方向)に回転する場合についても、基本的に回転伝達に係る部位が第1傾斜部25b及び第2傾斜部29bに置き換わることを除いて前記同様である。従って、この場合であっても、軸部12aのスラスト方向のがたつきが抑制される。
以上詳述したように、本実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(1)本実施形態では、モータ11の回転軸11aと共に第1回転体21が回転すると、第1突部25に第2突部29が押圧されることで、第2回転体22と共に軸部12a(ウォーム12)が回転する。このとき、第1突部25の第1傾斜部25a,25b及び第2突部29の第2傾斜部29a,29b間で、第1回転体21から離隔するスラスト方向に第2回転体22を押圧する分力が発生することで、ハウジング16(スラスト軸受BE3)により軸部12aのスラスト方向への移動が係止されるとともに該係止の状態が維持される。これにより、軸部12a(ウォーム12)のスラスト方向のがたつきを抑制することができる。
(1)本実施形態では、モータ11の回転軸11aと共に第1回転体21が回転すると、第1突部25に第2突部29が押圧されることで、第2回転体22と共に軸部12a(ウォーム12)が回転する。このとき、第1突部25の第1傾斜部25a,25b及び第2突部29の第2傾斜部29a,29b間で、第1回転体21から離隔するスラスト方向に第2回転体22を押圧する分力が発生することで、ハウジング16(スラスト軸受BE3)により軸部12aのスラスト方向への移動が係止されるとともに該係止の状態が維持される。これにより、軸部12a(ウォーム12)のスラスト方向のがたつきを抑制することができる。
例えば雰囲気温度が変化した場合であっても、各部品の線膨張係数の違いによって生じる寸法変化に起因するがたを第1傾斜部25a,25b及び第2傾斜部29a,29b間に生じるスラスト方向の分力で吸収することができ、軸部12aのスラスト方向のがたつきを抑制することができる。また、連結機構20の組付けにおいては、第1回転体21(及び第2回転体22)の軸線を中心とする周方向で第1突部25及び第2突部29(第1傾斜部25a,25b及び第2傾斜部29a,29b)が当接又は近接するように、第1回転体21及び第2回転体22をそれらの軸線方向に相対移動させて組み付ければよい。このため、製造工数の増大を抑制してコストを削減することができる。特に、第1突部25及び第2突部29は、第1傾斜部25a,25b及び第2傾斜部29a,29bによりそれぞれ尖鋭に成形されることで、それらの軸線方向に沿う組付性にいっそう優れている。これにより、製造工数及びコストの増大をいっそう抑制することができる。
(2)本実施形態では、例えばモータ11の駆動が停止される待機状態においては、緩衝部材30で第1突部25及び第2突部29(第1傾斜部25a,25b及び第2傾斜部29a,29b)間のがたを詰めておくことで、例えばモータ11の反転時に発生する振動・音を抑制することができる。
(3)本実施形態では、緩衝部材30が劣化したとしても、その寸法変化等に起因するがたを第1傾斜部25a,25b及び第2傾斜部29a,29b間に生じるスラスト方向の分力で吸収することができ、軸部12aのスラスト方向のがたつきを抑制することができる。
(4)通常のウォームはウォームホイール(13)との噛合が重要であり、反転時のがたを想定して軸線方向に長めに成形しておくことが一般的である。この場合、ウォームを軸支するラジアル軸受間の距離も長くなって装置全体としての大型化を余儀なくされる。また、材質(例えば樹脂材など)によっては、ウォームの耐久性に影響を及ぼす可能性がある。本実施形態では、前述の態様でウォーム12(軸部12a)のスラスト方向のがたつきが抑制されていることで、該ウォーム12とウォームホイール13との配置関係が不変である。従って、ウォーム12をその軸線方向に長めにする必要がなく、該ウォーム12の短小化に伴う装置全体としての小型化及びウォーム12の耐久性の増加を実現できる。
(5)本実施形態では、特許文献1のような樹脂充填などの手間が不要であり、製造工数及びコストを削減することができる。
(6)本実施形態では、第1回転体21及び第2回転体22間の回転伝達は、互い違いで等角度間隔で配設された複数の第1突部25及び複数の第2突部29を介して均等に行われるため、その動作をより安定化できる。
(6)本実施形態では、第1回転体21及び第2回転体22間の回転伝達は、互い違いで等角度間隔で配設された複数の第1突部25及び複数の第2突部29を介して均等に行われるため、その動作をより安定化できる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・図5に示すように、永久磁石36を割愛して、該永久磁石36の保持状態にある磁石保持部24と同等の外形をなす本体部42を有する第1回転体41を採用してもよい。すなわち、この第1回転体41は、第1回転体21の本体部23及び磁石保持部24に代えて、第1支持部17cの内径と同等の外径及び永久磁石36(磁石保持部24)と同等の軸線方向の長さを有する略円柱状の本体部42を有する。そして、第1回転体41は、その軸線を中心とする周方向に複数の磁極の形成された磁石材質からなる。このように変更することで、前記第1の実施形態と同様の効果に加えて、以下の効果が得られるようになる。
・図5に示すように、永久磁石36を割愛して、該永久磁石36の保持状態にある磁石保持部24と同等の外形をなす本体部42を有する第1回転体41を採用してもよい。すなわち、この第1回転体41は、第1回転体21の本体部23及び磁石保持部24に代えて、第1支持部17cの内径と同等の外径及び永久磁石36(磁石保持部24)と同等の軸線方向の長さを有する略円柱状の本体部42を有する。そして、第1回転体41は、その軸線を中心とする周方向に複数の磁極の形成された磁石材質からなる。このように変更することで、前記第1の実施形態と同様の効果に加えて、以下の効果が得られるようになる。
(1)磁石材質からなる第1回転体41を利用することで、別途、検出用の永久磁石を設ける必要がなくなる。これにより、部品点数の削減及び装置全体としての小型化を実現することができるとともに、コストを削減することができる。特に、第1回転体41(本体部42)を利用して磁束量確保に必要な軸線方向のサイズを確保できるため、装置全体として当該方向により小型化することができる。
(2)磁石材質として、高価なネオジムプラスチックマグネットを安価なフェライトプラスチックマグネット等に置き換えたい場合、磁束量確保のためその大型化が必要となるが、第1回転体41が磁石材質であることでその軸線方向にサイズ確保でき、当該方向に大型化することなく所要の磁束量を確保することができる。
(3)第1回転体41は、検出用の永久磁石との固定部が省略されるため、該固定部の信頼性を考慮しなくてよくなる分、装置全体としての信頼性を向上させることができる。また、第1回転体41に検出用の永久磁石を固定するための作業が不要である分、製造工数及びコストを削減することができる。
なお、第1回転体41に代えて、第2回転体22が磁石材質からなっていてもよい。このように変更をしても同様の効果が得られる。
・前記実施形態において、永久磁石36は、例えば接着剤にて磁石保持部24(第1回転体21)に固定されていてもよいし、第1回転体21が樹脂材からなる場合には、例えばアウトサート成形などで一体的に設けてもよい。
・前記実施形態において、永久磁石36は、例えば接着剤にて磁石保持部24(第1回転体21)に固定されていてもよいし、第1回転体21が樹脂材からなる場合には、例えばアウトサート成形などで一体的に設けてもよい。
・前記実施形態において、緩衝部材30を割愛してもよい。この場合、例えばモータ11の駆動が停止される待機状態において、両第2突部29の第2傾斜部29a,29bは、両第1突部25の第1傾斜部25a,25bに当接していなくてもよい(近接していてもよい)。
・前記実施形態において、第1回転体21に設ける第1突部25は、1つ又は3つ以上であってもよい。同様に、第2回転体22に設ける第2突部29は、第1突部25と同数であれば、1つ又は3つ以上であってもよい。なお、第1回転体21に3つ以上の第1突部25を配設する場合、これら第1突部25を等角度間隔に配置することがより好ましい。同様に、第2回転体22に3つ以上の第2突部29を配設する場合、これら第2突部29を等角度間隔に配置することがより好ましい。
・前記実施形態において、連結機構20の第2回転体22及びウォーム12の材質が同じであれば、これら第2回転体22及びウォーム12を一体形成してもよい。このように変更することで、部品点数の削減及び装置全体としての小型化を実現することができるとともに、コストを削減することができる。
・前記実施形態において、第1回転体21内のボールB2は割愛してもよい。
・前記実施形態において、軸部12aの先端面及びスラスト軸受BE3間に介装されるボールB1は割愛してもよい。この場合、軸部12a(ウォーム12)は、その先端面がスラスト軸受BE3に当接することで、スラスト方向への移動が係止される。また、スラスト軸受BE3を更に割愛してもよい。この場合、軸部12a(ウォーム12)は、その先端面がハウジング16(ウォーム収容部17)の端面17aに直に当接することで、スラスト方向への移動が係止される。
・前記実施形態において、軸部12aの先端面及びスラスト軸受BE3間に介装されるボールB1は割愛してもよい。この場合、軸部12a(ウォーム12)は、その先端面がスラスト軸受BE3に当接することで、スラスト方向への移動が係止される。また、スラスト軸受BE3を更に割愛してもよい。この場合、軸部12a(ウォーム12)は、その先端面がハウジング16(ウォーム収容部17)の端面17aに直に当接することで、スラスト方向への移動が係止される。
・本発明は、サンルーフ装置やドアロック装置などに搭載されるアクチュエータに適用可能である。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について以下に追記する。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について以下に追記する。
(イ)請求項1〜3のいずれか一項に記載の回転伝達装置において、
前記第1突部は、前記第1回転体の軸線を中心とする周方向に等角度間隔に複数で配設されており、
前記第2突部は、前記複数の第1突部と互い違いになるように前記第2回転体の軸線を中心とする周方向に等角度間隔に複数で配設されていることを特徴とする回転伝達装置。同構成によれば、前記第1回転体及び前記第2回転体間の回転伝達は、互い違いで等角度間隔で配設された前記複数の第1突部及び前記複数の第2突部を介して均等に行われるため、その動作をより安定化できる。
前記第1突部は、前記第1回転体の軸線を中心とする周方向に等角度間隔に複数で配設されており、
前記第2突部は、前記複数の第1突部と互い違いになるように前記第2回転体の軸線を中心とする周方向に等角度間隔に複数で配設されていることを特徴とする回転伝達装置。同構成によれば、前記第1回転体及び前記第2回転体間の回転伝達は、互い違いで等角度間隔で配設された前記複数の第1突部及び前記複数の第2突部を介して均等に行われるため、その動作をより安定化できる。
(ロ)回転軸を有するモータと、前記回転軸と同軸の軸部を有するウォームと、該ウォームと組み合わされて減速機構を構成するウォームホイールと、前記回転軸及び前記軸部を連結する連結機構と、前記ウォームホイールを回転自在に支持するとともに前記軸部を回転自在に且つスラスト方向への移動を係止可能に支持するハウジングとを備える回転伝達装置において、
前記連結機構は、
前記回転軸と一体的に回転するように連結され、該回転軸の軸線と平行に前記軸部側に突設された第1突部を有する第1回転体と、
前記軸部と一体的に回転するように連結され、前記第1回転体の軸線を中心とする周方向で前記第1突部に当接又は近接するように前記軸部の軸線と平行に前記回転軸側に突設された第2突部を有する第2回転体とを備え、
前記第1回転体の回転に伴い、前記第1突部が前記第2突部を押圧する押圧部及び前記第2突部が前記第1突部に押圧される被押圧部には、前記第1回転体の軸線に対して傾斜する第1傾斜部及び第2傾斜部がそれぞれ形成されていることを特徴とする回転伝達装置。同構成によれば、前記回転軸と共に前記第1回転体が回転すると、前記第1突部(押圧部)に前記第2突部(被押圧部)が押圧されることで、前記第2回転体と共に前記軸部(ウォーム)が回転する。このとき、前記第1突部の前記第1傾斜部及び前記第2突部の前記第2傾斜部間で、前記軸部のスラスト方向への移動が係止される側に前記第2回転体を押圧する分力が発生することで、前記ハウジングにより前記軸部のスラスト方向への移動が係止されるとともに該係止の状態が維持される。これにより、前記軸部(ウォーム)のスラスト方向のがたつきを抑制することができる。例えば雰囲気温度が変化した場合であっても、各部品の線膨張係数の違いによって生じる寸法変化に起因するがたを前記第1傾斜部及び前記第2傾斜部間に生じるスラスト方向の分力で吸収することができ、前記軸部のスラスト方向のがたつきを抑制することができる。また、前記連結機構の組付けにおいては、前記第1回転体(及び第2回転体)の軸線を中心とする周方向で前記第1突部及び前記第2突部(第1傾斜部及び第2傾斜部)が当接又は近接するように、前記第1回転体及び前記第2回転体をそれらの軸線方向に相対移動させて組み付ければよいため、製造工数の増大を抑制することができる。特に、前記第1突部及び前記第2突部は、前記第1傾斜部及び前記第2傾斜部によりそれぞれ尖鋭に成形されることで、それらの軸線方向に沿う組付性にいっそう優れている。
前記連結機構は、
前記回転軸と一体的に回転するように連結され、該回転軸の軸線と平行に前記軸部側に突設された第1突部を有する第1回転体と、
前記軸部と一体的に回転するように連結され、前記第1回転体の軸線を中心とする周方向で前記第1突部に当接又は近接するように前記軸部の軸線と平行に前記回転軸側に突設された第2突部を有する第2回転体とを備え、
前記第1回転体の回転に伴い、前記第1突部が前記第2突部を押圧する押圧部及び前記第2突部が前記第1突部に押圧される被押圧部には、前記第1回転体の軸線に対して傾斜する第1傾斜部及び第2傾斜部がそれぞれ形成されていることを特徴とする回転伝達装置。同構成によれば、前記回転軸と共に前記第1回転体が回転すると、前記第1突部(押圧部)に前記第2突部(被押圧部)が押圧されることで、前記第2回転体と共に前記軸部(ウォーム)が回転する。このとき、前記第1突部の前記第1傾斜部及び前記第2突部の前記第2傾斜部間で、前記軸部のスラスト方向への移動が係止される側に前記第2回転体を押圧する分力が発生することで、前記ハウジングにより前記軸部のスラスト方向への移動が係止されるとともに該係止の状態が維持される。これにより、前記軸部(ウォーム)のスラスト方向のがたつきを抑制することができる。例えば雰囲気温度が変化した場合であっても、各部品の線膨張係数の違いによって生じる寸法変化に起因するがたを前記第1傾斜部及び前記第2傾斜部間に生じるスラスト方向の分力で吸収することができ、前記軸部のスラスト方向のがたつきを抑制することができる。また、前記連結機構の組付けにおいては、前記第1回転体(及び第2回転体)の軸線を中心とする周方向で前記第1突部及び前記第2突部(第1傾斜部及び第2傾斜部)が当接又は近接するように、前記第1回転体及び前記第2回転体をそれらの軸線方向に相対移動させて組み付ければよいため、製造工数の増大を抑制することができる。特に、前記第1突部及び前記第2突部は、前記第1傾斜部及び前記第2傾斜部によりそれぞれ尖鋭に成形されることで、それらの軸線方向に沿う組付性にいっそう優れている。
11…モータ、11a…回転軸、12…ウォーム、12a…軸部、13…ウォームホイール、14…減速機構、16…ハウジング、20…連結機構、21,41…第1回転体、22…第2回転体、25…第1突部、25a,25b…第1傾斜部、29…第2突部、29a,29b…第2傾斜部、30…緩衝部材。
Claims (3)
- 回転軸を有するモータと、前記回転軸と同軸の軸部を有するウォームと、該ウォームと組み合わされて減速機構を構成するウォームホイールと、前記回転軸及び前記軸部を連結する連結機構と、前記ウォームホイールを回転自在に支持するとともに前記軸部を回転自在に且つスラスト方向への移動を係止可能に支持するハウジングとを備える回転伝達装置において、
前記連結機構は、
前記回転軸と一体的に回転するように連結され、該回転軸の軸線と平行に前記軸部側に突設された第1突部を有する第1回転体と、
前記軸部と一体的に回転するように連結され、前記第1回転体の軸線を中心とする周方向で前記第1突部に当接又は近接するように前記軸部の軸線と平行に前記回転軸側に突設された第2突部を有する第2回転体とを備え、
前記第1突部及び前記第2突部には、前記第1回転体の回転に伴う前記第1突部による前記第2突部の押圧時に、前記軸部のスラスト方向への移動が係止される側に前記第2回転体を押圧する分力を発生する第1傾斜部及び第2傾斜部がそれぞれ形成されていることを特徴とする回転伝達装置。 - 請求項1に記載の回転伝達装置において、
前記第1傾斜部及び前記第2傾斜部間に介装された緩衝部材を備えたことを特徴とする回転伝達装置。 - 請求項1又は2に記載の回転伝達装置において、
前記第1回転体及び前記第2回転体のいずれか一方は、その軸線を中心とする周方向に複数の磁極の形成された磁石材質からなることを特徴とする回転伝達装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012186740A JP2014043904A (ja) | 2012-08-27 | 2012-08-27 | 回転伝達装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2012186740A JP2014043904A (ja) | 2012-08-27 | 2012-08-27 | 回転伝達装置 |
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JP2014043904A true JP2014043904A (ja) | 2014-03-13 |
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JP2012186740A Pending JP2014043904A (ja) | 2012-08-27 | 2012-08-27 | 回転伝達装置 |
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JP (1) | JP2014043904A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2020118255A (ja) * | 2019-01-25 | 2020-08-06 | 株式会社デンソー | ジョイント装置、及びモータ |
-
2012
- 2012-08-27 JP JP2012186740A patent/JP2014043904A/ja active Pending
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