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JP2014043985A - パラレルフロー型熱交換器及びそれを搭載した空気調和機 - Google Patents

パラレルフロー型熱交換器及びそれを搭載した空気調和機 Download PDF

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JP2014043985A JP2012186088A JP2012186088A JP2014043985A JP 2014043985 A JP2014043985 A JP 2014043985A JP 2012186088 A JP2012186088 A JP 2012186088A JP 2012186088 A JP2012186088 A JP 2012186088A JP 2014043985 A JP2014043985 A JP 2014043985A
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Abstract

【課題】サイドフロー方式のパラレルフロー型熱交換器において、通過気流の方向における偏平チューブの中央付近にたまる凝縮水を速やかに排水できる構造とする。
【解決手段】パラレルフロー型熱交換器50は、間隔を置いて平行に配置されたヘッダパイプ51、52と、ヘッダパイプ51、52の間に複数配置され、内部に設けた冷媒通路54をヘッダパイプ51、52の内部に連通させた偏平チューブ53と、偏平チューブ53同士の間に配置されたコルゲートフィン55を備える。偏平チューブ53には、熱交換器50を通過する気流の方向における中央付近の位置に、偏平面を貫通する貫通孔53cが形成されている。貫通孔53cは、偏平チューブ53の長手方向に自身の長手方向を一致させたスリットにより構成される。
【選択図】図9

Description

本発明はパラレルフロー型熱交換器及びそれを搭載した空気調和機に関する。
複数のヘッダパイプの間に複数の偏平チューブを配置して偏平チューブ内部の複数の冷媒通路をヘッダパイプの内部に連通させるとともに、偏平チューブ間にコルゲートフィン等のフィンを配置したパラレルフロー型の熱交換器は、カーエアコンや建物用空気調和機の室外機などに広く利用されている。
特許文献1〜4には、2本の垂直方向ヘッダパイプと、両ヘッダパイプを連結する複数の水平方向偏平チューブを備えるサイドフロー方式のパラレルフロー型熱交換器が記載されている。これらの熱交換器では偏平チューブの間にコルゲートフィンが配置されている。
熱交換器を蒸発器として用いた場合、低温となった熱交換器表面に大気中の水分が凝縮する。凝縮水は、気温が低いと熱交換器の表面で霜と化す。すなわち着霜が生じる。霜は時を経るに従い氷となることもある。凝縮水は、液体の状態であっても、それが霜や氷に姿を変えたものであっても、熱交換器の空気流通路の断面積を狭め、熱交換器の熱交換性能を低下させる。
凝縮水の付着は、特にサイドフロー方式のパラレルフロー型熱交換器において問題となる。特許文献1、2にはそれぞれ、サイドフロー方式のパラレルフロー型熱交換器に付着した凝縮水を速やかに排水する方策が提案されている。
特許文献1に記載されたパラレルフロー型熱交換器では、凝縮水が結集する側の面におけるコルゲートフィンの端を偏平チューブの端からはみ出させ、そのはみ出し部分同士のなす隙間に線状の導水部材を挿入し、コルゲートフィンの端にたまった凝縮水が、自身の表面張力により導水部材との間に生じるブリッジ現象で流れ落ちるようになっている。
特許文献2に記載されたパラレルフロー型熱交換器では、凝集水の結集側にコルゲートフィンと接触する線形部材の排水ガイドを設け、この排水ガイドを偏平チューブに対し傾斜配置して、排水ガイドの両端の少なくとも一方を熱交換器の下端側あるいは側端側に届かせている。
特許文献1、2に記載されたパラレルフロー型熱交換器の構造は、凝集水の結集側の面から凝集水を速やかに排水することを旨とするものであり、熱交換器を通過する気流の方向において偏平チューブの中央付近にたまる凝縮水の排水については配慮されていない。風の流れ方向における偏平チューブの中央付近にたまる凝縮水の排水については、特許文献3、4に記載された構造を参考にすることができる。
特許文献3に記載された熱交換器は自動車に搭載されるものであり、ラジエータチューブ及びコンデンサチューブとこれら両チューブにまたがるコルゲートフィンが一体にロウ付けで接合されている。ラジエータチューブとコンデンサチューブの間に置かれた隙間を凝縮水の排水路とすることができる。
特許文献4に記載された熱交換器は、軸線方向に延びる隔壁により内部を第1隔室と第3隔室に分離された第1ヘッダパイプと、同じく軸線方向に延びる隔壁により内部を第2隔室と第4隔室に分離された第2ヘッダパイプを備え、第1ヘッダパイプの第1隔室と第2ヘッダパイプの第2隔室が偏平チューブで連通し、第1ヘッダパイプの第3隔室と第2ヘッダパイプの第4隔室が偏平チューブで連通している。第1隔室と第2隔室を連通させる偏平チューブと、第3隔室と第4隔室を連通させる偏平チューブとの間の隙間を凝縮水の排水路とすることができる。
特許第4503682号公報 特開2007−285673号公報 特開平10−263801号公報 特開2003−121092号公報
特許文献3、4に記載された熱交換器のように、熱交換器を通過する気流の方向に整列する形で2本の偏平チューブを配置し、両偏平チューブ間の隙間を凝縮水の排水路とする場合、両偏平チューブの表面に付着した凝縮水を隙間のところで合体させて流下させようと思えば、隙間を相当程度に小さくする必要がある。しかしながら、2本の偏平チューブを通す2個の孔をそのような狭い間隔でヘッダパイプに形成するのは技術的に難しい。孔を明けるのに成功したとしても、そのように近接した孔の箇所でヘッダパイプと偏平チューブをロウ付けするのは、これもまた技術的な困難を伴う。ロウ付けがうまくいかなくてヘッダパイプと偏平チューブの間に隙間が生じ、そこから冷媒が漏れるおそれも多分にある。
本発明は上記の点に鑑みなされたものであり、サイドフロー方式のパラレルフロー型熱交換器において、熱交換器を通過する気流の方向における偏平チューブの中央付近にたまる凝縮水を速やかに排水できる構造とすることを目的とする。
本発明に係るパラレルフロー型熱交換器は、間隔を置いて平行に配置された複数のヘッダパイプと、前記複数のヘッダパイプの間に複数配置され、内部に設けた冷媒通路を前記ヘッダパイプの内部に連通させた偏平チューブと、前記偏平チューブ同士の間に配置されたコルゲートフィンとを備え、前記偏平チューブには、当該熱交換器を通過する気流の方向における中央付近の位置に、偏平面を貫通する貫通孔が形成されていることを特徴としている。
この構成によると、熱交換器を通過する気流の方向における偏平チューブの中央付近にたまる凝縮水を、偏平チューブに形成した貫通孔より速やかに排水することができる。偏平チューブの表面に付着した凝縮水の合体が貫通孔のところで生じるように貫通孔の大きさを設定するのも容易である。また偏平チューブを通すための孔を2個並べてヘッダパイプに形成する必要がないから、ヘッダパイプの孔をあける加工が容易である。ヘッダパイプと偏平チューブのロウ付けが困難になることもなく、冷媒が漏れないロウ付けを得ることができる。
上記構成のパラレルフロー型熱交換器において、前記貫通孔は前記偏平チューブの長手方向に沿う形で配置されていることが好ましい。
この構成によると、凝縮水を排水するのに十分な面積の排水路を確保することができる。
上記構成のパラレルフロー型熱交換器において、前記貫通孔は前記偏平チューブの長手方向に自身の長手方向を一致させたスリットにより構成されることが好ましい。
この構成によると、凝縮水を排水するのに十分な面積の貫通孔を容易に形成することができる。
上記構成のパラレルフロー型熱交換器において、前記スリットは幅の狭い箇所と幅の広い箇所が交互に現れる形状であることが好ましい。
この構成によると、凝縮水が少ないときは幅の狭い箇所から排水され、凝縮水が多いときは幅の狭い箇所からだけでなく幅の広い箇所からも排水されるので、凝縮水の量に関わらず速やかに排水することができる。
上記構成のパラレルフロー型熱交換器において、前記偏平チューブの偏平面に谷状部が形成され、前記谷状部の底部に前記貫通孔が形成されていることが好ましい。
この構成によると、凝縮水は谷状部に集まりやすいので効率的に排水を行うことができる。
上記構成のパラレルフロー型熱交換器において、前記貫通孔を上下方向に貫通する導水部材が配置されていることが好ましい。
この構成によると、導水部材を伝わって凝縮水が流下するから、排水効率が向上する。
上記構成のパラレルフロー型熱交換器において、前記コルゲートフィンには前記貫通孔に上下方向に整列する位置に貫通孔が形成されていることが好ましい。
この構成によると、偏平チューブの貫通孔から垂れる凝縮水がコルゲートフィンの貫通孔に引き込まれるから、排水効率が向上する。
また本発明は、上記構成のパラレルフロー型熱交換器を室外機または室内機に搭載した空気調和機であることを特徴としている。
この構成によると、室外機または室内機の熱交換器の通風性が凝縮水で損なわれることの少ない、高性能な空気調和機を提供することができる。
本発明によると、熱交換器を通過する気流の方向における偏平チューブの中央付近にたまる凝縮水を、偏平チューブに形成した貫通孔より速やかに排水することができるから、偏平チューブの風の流れ方向における幅が広くても、凝縮水が通風を阻害しないようにすることができる。貫通孔のところで凝縮水の合体が生じるように貫通孔の大きさを設定するのも容易である。また偏平チューブを通すための孔を気流の通過方向に2個並べてヘッダパイプに形成する必要がないから、ヘッダパイプの孔明け加工が容易であり、ヘッダパイプと偏平チューブのロウ付けについても、冷媒が漏れないロウ付けを容易に得ることができる。
本発明に係るパラレルフロー型熱交換器を搭載した空気調和機の概略構成図で、冷房運転時の状態を示すものである。 本発明に係るパラレルフロー型熱交換器を搭載した空気調和機の概略構成図で、暖房運転時の状態を示すものである。 図1の空気調和機の室外機の概略構成を示す水平断面図である。 図1の空気調和機の制御ブロック図である。 パラレルフロー型熱交換器の概略構成図である。 図5のVI−VI線に沿った断面図である。 本発明の第1実施形態に係るパラレルフロー型熱交換器の部分拡大断面図である。 本発明の第1実施形態に係るパラレルフロー型熱交換器の部分拡大平面図である。 本発明の第2実施形態に係るパラレルフロー型熱交換器の部分拡大断面図である。 本発明の第3実施形態に係るパラレルフロー型熱交換器の部分拡大平面図である。 本発明の第4実施形態に係るパラレルフロー型熱交換器の部分拡大平面図である。 本発明の第5実施形態に係るパラレルフロー型熱交換器の部分拡大断面図である。 本発明の第5実施形態に係るパラレルフロー型熱交換器の部分拡大平面図である。 本発明の第6実施形態に係るパラレルフロー型熱交換器の部分拡大断面図である。 本発明の第6実施形態に係るパラレルフロー型熱交換器の部分拡大平面図である。
図1から図6に基づき、本発明に係るパラレルフロー型熱交換器が搭載される空気調和機1についての説明を行う。
サイドフロー方式のパラレルフロー型熱交換器の基本構造を図5に示す。図5では紙面上側が熱交換器の上側、紙面下側が熱交換器の下側となる。パラレルフロー型熱交換器50は、2本の垂直方向ヘッダパイプ51、52と、その間に配置される複数の水平方向偏平チューブ53を備える。ヘッダパイプ51、52は水平方向に間隔を置いて平行に配置され、偏平チューブ53は垂直方向に所定ピッチで配置されている。実際に機器に搭載する段階では、熱交換器50は設計の要請に従って様々な角度に据え付けられるから、本明細書における「垂直方向」「水平方向」は厳格に解釈されるべきものではない。単なる方向の目安として理解されるべきである。
偏平チューブ53は金属を押出成型した細長い成型品であり、図6に示す通り、内部には冷媒を流通させる冷媒通路54が形成されている。偏平チューブ53は長手方向である押出成型方向を水平にする形で配置されるので、冷媒通路54の冷媒流通方向も水平になる。冷媒通路44は断面形状及び断面面積の等しいものが図6の左右方向に複数個並び、そのため偏平チューブ53の垂直断面はハーモニカ状を呈している。各冷媒通路54はヘッダパイプ51、52の内部に連通する。なお図6には後述するパラレルフロー型熱交換器50の第1実施形態における偏平チューブ53の断面が示されている。
偏平チューブ53の偏平面にはコルゲートフィン55が取り付けられる。上下に並ぶコルゲートフィン55のうち、最上段のものと最下段のものの外側にはサイドプレート56が配置される。熱交換効率を上げるため、コルゲートフィン55には気流の通過方向と直交するスリット55aが複数形成されている。
ヘッダパイプ51、52、偏平チューブ53、コルゲートフィン55、及びサイドプレート56はいずれもアルミニウムまたはアルミニウム合金からなり、偏平チューブ53はヘッダパイプ51、52に対し、コルゲートフィン55は偏平チューブ53に対し、サイドプレート56はコルゲートフィン55に対し、それぞれロウ付けまたは溶着で固定される。
ヘッダパイプ51の内部は、1個の仕切部P1により2個の区画S1、S2に仕切られている。仕切部P1は複数の偏平チューブ53を複数の偏平チューブグループに区分する。区画S1には合計24本の偏平チューブ53のうち12本からなる偏平チューブグループが接続され、区画S2にも12本の偏平チューブ53からなる偏平チューブグループが接続される。
ヘッダパイプ52の内部は、2個の仕切部P2、P3により3個の区画S3、S4、S5に仕切られている。仕切部P2、P3は複数の偏平チューブ53を複数の偏平チューブグループに区分する。区画S3には合計24本の偏平チューブ53のうち4本からなる偏平チューブグループが接続され、区画S4には15本の偏平チューブ53からなる偏平チューブグループが接続され、区画S5には5本の偏平チューブ53からなる偏平チューブグループが接続される。
上記した偏平チューブ53の総数、各ヘッダパイプ内部の仕切部の数とそれによって仕切られる区画の数、及び仕切部によって区分される偏平チューブグループ毎の偏平チューブ53の数は、いずれも単なる例示であり、発明を限定するものではない。
区画S3には冷媒出入パイプ57が接続される。区画S5には冷媒出入パイプ58が接続される。
熱交換器50の機能は次の通りである。熱交換器50が凝縮器として用いられるとき、冷媒は冷媒出入パイプ57を通じて区画S3に供給される。区画S3に入った冷媒は区画S3と区画S1を連結する4本の偏平チューブ53を通って区画S1に向かう。この4本の偏平チューブ53で編成される偏平チューブグループが冷媒パスAを構成する。冷媒パスAはブロック矢印で象徴されている。それ以外の冷媒パスもブロック矢印で象徴させる。
区画S1に入った冷媒はそこで折り返し、区画S1と区画S4を連結する8本の偏平チューブ53を通って区画S4に向かう。この8本の偏平チューブ53で編成される偏平チューブグループが冷媒パスBを構成する。
区画S4に入った冷媒はそこで折り返し、区画S4と区画S2を連結する7本の偏平チューブ53を通って区画S2に向かう。この7本の偏平チューブ53で編成される偏平チューブグループが冷媒パスCを構成する。
区画S2に入った冷媒はそこで折り返し、区画S2と区画S5を連結する5本の偏平チューブ53を通って区画S5に向かう。この5本の偏平チューブ53で編成される偏平チューブグループが冷媒パスDを構成する。区画S5に入った冷媒は冷媒出入パイプ58より流出する。
熱交換器50が蒸発器として用いられるときは、冷媒は冷媒出入パイプ58を通じて区画S5に供給される。それ以後の冷媒の流れは、熱交換器50が凝縮器として用いられるときの冷媒パスを逆に辿る。すなわち冷媒パスD→冷媒パスC→冷媒パスB→冷媒パスAのルートで冷媒は区画S1に入り、冷媒出入パイプ57より流出する。
上記熱交換器50をヒートポンプサイクルの構成要素として用いたセパレート型空気調和機1の概略構成を図1に示す。空気調和機1は室外機10と室内機30により構成される。
室外機10は、板金製部品と合成樹脂製部品により構成される筐体11の内部に、圧縮機12、切替弁13、室外側熱交換器14、膨張弁15、室外側送風機16などを収納している。切替弁13は四方弁である。室外側熱交換器14として熱交換器50が用いられる。膨張弁15には開度制御の可能なものが用いられる。室外側送風機16はプロペラファンとモータの組み合わせからなる。
室外機10は2本の冷媒配管17、18で室内機30に接続される。冷媒配管17は冷房運転時には液体冷媒が流れ、冷媒配管18に比較して細い管が用いられている。そのため冷媒配管17は「液管」「細管」などと称されることがある。冷媒配管18には冷房運転時、気体冷媒が流れ、冷媒配管17に比較して太い管が用いられている。そのため冷媒配管18は「ガス管」「太管」などと称されることがある。冷媒には例えばHFC系のR410AやR32等が用いられる。
室外機10の内部の冷媒配管で、冷媒配管17に接続される冷媒配管には二方弁19が設けられ、冷媒配管18に接続される冷媒配管には三方弁20が設けられる。二方弁19と三方弁20は、室外機10から冷媒配管17、18が取り外されるときに閉じられ、室外機10から外部に冷媒が漏れることを防ぐ。室外機10から、あるいは室内機30を含めた冷凍サイクル全体から、冷媒を回収する必要があるときは、三方弁20を通じて回収が行われる。
室外機10の構造をより実体的に示すのが図3である。室外機10の筐体11は板金製であり、平面形状を示す図3では略矩形に描かれている。筐体11は長辺側を正面11F及び背面11Bとし、短辺側を左側面11L及び右側面11Rとしている。正面11Fには排気口11Eが形成され、背面11Bには背面吸気口11BSが形成され、左側面11Lには側面吸気口11LSが形成される。排気口11Eは複数の水平なスリット状開口の集合からなり、背面吸気口11BSと側面吸気口11LSは格子状の開口からなる。正面11F、背面11B、左側面11L、右側面11Rの4面の板金部材に、図3には示されていない天板と底板が加わって、六面体形状の筐体11が形成される。
筐体11の六面の各々を1個ずつの部品が構成するという限定はない。1個の部品で構成される面もあれば、複数の部品で構成される面もある。
筐体11の内部には、背面吸気口11BS及び側面吸気口11LSのすぐ内側に平面形状L字形の室外側熱交換器14が配置される。室外側熱交換器14と室外空気との間で強制的に熱交換を行わせるため、室外側熱交換器14と排気口11Eの間に室外側送風機16が配置される。室外側送風機16はプロペラファン16aとモータ16bの組み合わせからなる。送風効率向上のため、筐体11の正面11Fの内面にはプロペラファン16aを囲むベルマウス11BMが取り付けられる。筐体11の右側面11Rの内側の空間は、背面吸気口11BSから排気口11Eへと流れる空気流から隔壁11Pで隔離されており、この空間に圧縮機12が収容されている。
室内機30は、合成樹脂製部品により構成される筐体31の内部に、室内側熱交換器32、室内側送風機33などを収納している。室内側熱交換器32は、3個の熱交換器32A、32B、32Cを、室内側送風機33を覆う屋根のように組み合わせたものである。室内側送風機33はモータにクロスフローファンを組み合わせたものである。
空気調和機1の運転制御を行う上で、各所の温度を知ることが不可欠である。この目的のため、室外機10と室内機30に温度検出器が配置される。室外機10においては、室外側熱交換器14に温度検出器21が配置され、圧縮機12の吐出部となる吐出管12aに温度検出器22が配置され、圧縮機12の吸入部となる吸入管12bに温度検出器23が配置され、膨張弁15と二方弁19の間の冷媒配管に温度検出器24が配置され、筐体11の内部の所定箇所に外気温測定用の温度検出器25が配置される。室内機30においては、室内側熱交換器32に温度検出器34が配置される。温度検出器21、22、23、24、25、34はいずれもサーミスタにより構成される。
空気調和機1の全体制御を司るのは図4に示す制御部40である。制御部40は室内温度が使用者によって設定された目標値に達するように制御を行う。
制御部40は圧縮機12、切替弁13、膨張弁15、室外側送風機16、及び室内側送風機33に対し動作指令を発する。また制御部40は温度検出器21〜25、及び温度検出器34からそれぞれの検出温度の出力信号を受け取る。制御部40は温度検出器21〜25及び温度検出器34からの出力信号を参照しつつ、圧縮機12、室外側送風機16、及び室内側送風機33に対し運転指令を発し、切替弁13と膨張弁15に対しては状態切り替えの指令を発する。
図1は空気調和機1が冷房運転あるいは除霜運転を行っている状態を示す。この時圧縮機12は冷房時循環、すなわち圧縮機12から吐出された冷媒が先に室外側熱交換器14に入る循環様式で冷媒を循環させる。
圧縮機12から吐出された高温高圧の冷媒は室外側熱交換器14に入り、そこで室外空気との熱交換が行われる。冷媒は室外空気に対し放熱を行い、凝縮する。凝縮して液状となった冷媒は室外側熱交換器14から膨張弁15に入り、そこで減圧される。減圧後の冷媒は室内側熱交換器32に送られ、膨張して低温低圧となり、室内側熱交換器32の表面温度を下げる。表面温度の下がった室内側熱交換器32は室内空気から吸熱し、これにより室内空気は冷やされる。吸熱後、低温の気体状の冷媒は圧縮機12に戻る。室外側送風機16によって生成された気流が室外側熱交換器14からの放熱を促進し、室内側送風機33によって生成された気流が室内側熱交換器32の吸熱を促進する。
図2は空気調和機1が暖房運転を行っている状態を示す。この時は切替弁13が切り替えられて冷房運転時と冷媒の流れが逆になる。圧縮機12は暖房時循環、すなわち圧縮機12から吐出された冷媒が先に室内側熱交換器32に入る循環様式で冷媒を循環させる。
圧縮機12から吐出された高温高圧の冷媒は室内側熱交換器32に入り、そこで室内空気との熱交換が行われる。冷媒は室内空気に対し放熱を行い、室内空気は暖められる。放熱し、凝縮して液状となった冷媒は室内側熱交換器32から膨張弁15に入り、そこで減圧される。減圧後の冷媒は室外側熱交換器14に送られ、膨張して低温低圧となり、室外側熱交換器14の表面温度を下げる。表面温度の下がった室外側熱交換器14は室外空気から吸熱する。吸熱後、低温の気体状の冷媒は圧縮機12に戻る。室内側送風機33によって生成された気流が室内側熱交換器32からの放熱を促進し、室外側送風機16によって生成された気流が室外側熱交換器14による吸熱を促進する。
室外側熱交換器14として、あるいは室内側熱交換器32を構成する3個の熱交換器32A、32B、32Cのいずれかまたは全部として、サイドフロー方式のパラレルフロー型熱交換器である熱交換器50を搭載することができる。続いて熱交換器50の特徴的な構造を図7から図15までの図に基づき説明する。
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態に係るパラレルフロー型熱交換器50の構造を図7、8に示す。
図7では図の左側が熱交換器50を通過する気流の風上側となり、図の右側が気流の風下側となる。図7に示す通り、偏平チューブ53の風上側と風下側の縁には鍔部53aが形成されている。鍔部53aは偏平チューブ53の熱伝達面の面積を増加させるためのものである。
熱交換器50を通過する気流の方向における偏平チューブ53の中央付近の箇所は、冷媒通路54が存在しない薄肉部53bとなっている。薄肉部53bには偏平チューブ53の偏平面を貫通する貫通孔53cが形成される。
図8に示す通り貫通孔53cは、偏平チューブ53の長手方向に自身の長手方向を一致させたスリットにより構成される。スリットは、自身の両端がヘッダパイプ51、52に接近する単一のスリットとして存在するのではなく、偏平チューブ53の長手方向に沿って1列に並ぶ形で配置された複数のスリットとして存在する。スリットの幅は凝縮水の合体が生じやすい幅とする。5mm以下の幅とするのがよい。1mm程度が最適である。
第1実施形態のパラレルフロー型熱交換器50では、偏平チューブ53の偏平面を貫通する貫通孔53cを、通過する気流の方向における偏平チューブ53の中央部に形成したから、偏平チューブ53の中央付近にたまる凝縮水を貫通孔53cより速やかに排水することができる。偏平チューブ53の表面に付着した凝縮水の合体が貫通孔53cのところで生じるように貫通孔53cの大きさを設定するのも容易である。また偏平チューブ53を通すための孔を気流の通過方向に2個並べてヘッダパイプ51、52に形成する必要がないから、ヘッダパイプ51、52の孔明け加工が容易である。ヘッダパイプ51、52と偏平チューブ53のロウ付けも容易であり、冷媒が漏れないロウ付けを得ることができる。
貫通孔53cは偏平チューブ53の長手方向に沿って1列に並ぶ形で配置されているから、凝縮水を排水するのに十分な面積の排水路を確保することができる。偏平チューブ53の長手方向に沿って1列に並ぶ貫通孔53cのそれぞれは偏平チューブ53の長手方向に自身の長手方向を一致させたスリットであるから、凝縮水を排水するのに十分な面積の貫通孔53cを容易に形成することができる。
<第2実施形態>
本発明の第2実施形態に係るパラレルフロー型熱交換器50の構造を図9に示す。ここでは薄肉部53bが断面逆台形の谷状部53dとされ、その底部に貫通孔53cが形成されている。凝縮水は谷状部53dに集まりやすいから、効率的に排水を行うことができる。なお谷状部53dの断面形状は図9に示す形状に限定されない。V字形状であってもよいし、U字形状であってもよい。
<第3実施形態>
本発明の第3実施形態に係るパラレルフロー型熱交換器50の構造を図10に示す。ここではスリット形状の貫通孔53cが2列に並ぶ形で薄肉部53bに形成されている。このようにすれば凝縮水を排水するのに十分な面積の排水路を確実に得ることができる。貫通孔53cの列は3列以上であってもよい。
<第4実施形態>
本発明の第4実施形態に係るパラレルフロー型熱交換器50の構造を図11に示す。スリット形状の貫通孔53cが1列に並ぶ形で薄肉部53bに形成されている点は第1、第2実施形態と変わらないが、そのスリットは、幅の狭い箇所と幅の広い箇所が交互に現れる形状となっている。このようにしておけば、凝縮水が少ないときは幅の狭い箇所から排水され、凝縮水が多いときは幅の狭い箇所からだけでなく幅の広い箇所からも排水されるので、凝縮水の量に関わらず速やかに排水することができる。
<第5実施形態>
本発明の第5実施形態に係るパラレルフロー型熱交換器50の構造を図12、13に示す。第5実施形態のパラレルフロー型熱交換器50は、偏平チューブ53の構造は第1実施形態と同じであるが、コルゲートフィン55の構造が第1実施形態と異なる。すなわちコルゲートフィン55には偏平チューブ53の貫通孔53cに上下方向に整列する位置に貫通孔が形成されている。貫通孔はコルゲートフィン55の各襞の山の部分に形成された貫通孔55bと谷の部分に形成された貫通孔55cにより構成される。貫通孔55b、55cはいずれも偏平チューブ53の長手方向に自身の長手方向を一致させたスリットにより構成される。
第5実施形態のパラレルフロー型熱交換器50では、偏平チューブ53の貫通孔53cから垂れる凝縮水がコルゲートフィン55の上方の貫通孔55bに引き込まれる。上方の貫通孔55bよりコルゲートフィン55に移った凝縮水は下方の貫通孔55cより下方の偏平チューブ53に移る。このようにして、凝縮水が上方のコルゲートフィン55から下方のコルゲートフィン55へと連鎖的に引き込まれることにより、排水効率が向上する。
<第6実施形態>
本発明の第6実施形態に係るパラレルフロー型熱交換器50の構造を図14、15に示す。偏平チューブ53の断面形状は第2実施形態と同様である。貫通孔53cの形状は第4実施形態と同様で、幅の狭い箇所と幅の広い箇所が交互に現れるスリット形状となっている。コルゲートフィン55に形成される貫通孔55b、55cも、第5実施形態と同じスリット形状であるが、幅の狭い箇所の中央に幅の広い箇所が形成されている。
貫通孔53cにおける幅の広い箇所の間隔と、コルゲートフィン55の山と谷の間隔を一致させる。その上で、コルゲートフィン55の貫通孔55bの幅の広い箇所を、上下の偏平チューブ53の貫通孔53cの幅の広い箇所と、上下方向において整列させる。コルゲートフィン55の貫通孔55cの幅の広い箇所も、上下の偏平チューブ53の貫通孔53cの幅の広い箇所と、上下方向において整列させる。貫通孔53cの幅の広い箇所は、貫通孔55bの幅の広い箇所に整列するものと、貫通孔55cの幅の広い箇所に整列するものとが1個おきに並ぶことになる。
熱交換器50を上方から見ると、各偏平チューブ53の貫通孔53cの幅の広い箇所と、各コルゲートフィン55の貫通孔55bの幅の広い箇所が上から下まで整列している。この箇所を線状の導水部材60が上下方向に貫通する。各偏平チューブ53の貫通孔53cの幅の広い箇所と、各コルゲートフィン55の貫通孔55cの幅の広い箇所も、上から下まで整列している。この箇所を線状の導水部材60が上下方向に貫通する。
導水部材60は偏平チューブ53とコルゲートフィン55に接触する構成であってもよく、偏平チューブ53及びコルゲートフィン55との間に隙間を保って保持される構成であってもよい。隙間を保って保持する場合、隙間の幅は5mm以下、好ましくは1mm程度とする。導水部材60は金属や合成樹脂の棒であってもよく、それらの撚り線であってもよく、合成繊維の紐であってもよい。
熱交換器50を上下方向に貫通する導水部材60を設けたことにより、凝縮水は導水部材60を伝って速やかに熱交換器50の外部に排水される。これにより、排水効率が向上する。
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。
本発明はパラレルフロー型熱交換器及びそれを搭載した空気調和機に広く利用可能である。
1 空気調和機
10 室外機
14 室外機側熱交換器
11 筐体
30 室内機
31 筐体
32 室内機側熱交換器
50 パラレルフロー型熱交換器
51、52 ヘッダパイプ
53 偏平チューブ
53b 薄肉部
53c 貫通孔
53d 谷状部
55 コルゲートフィン
55b、55c 貫通孔
60 導水部材

Claims (8)

  1. 間隔を置いて平行に配置された複数のヘッダパイプと、前記複数のヘッダパイプの間に複数配置され、内部に設けた冷媒通路を前記ヘッダパイプの内部に連通させた偏平チューブと、前記偏平チューブ同士の間に配置されたコルゲートフィンとを備えたサイドフロー方式のパラレルフロー型熱交換器において、
    前記偏平チューブには、当該熱交換器を通過する気流の方向における中央付近の位置に、偏平面を貫通する貫通孔が形成されていることを特徴とするパラレルフロー型熱交換器。
  2. 前記貫通孔は前記偏平チューブの長手方向に沿う形で配置されていることを特徴とする請求項1に記載のパラレルフロー型熱交換器。
  3. 前記貫通孔は前記偏平チューブの長手方向に自身の長手方向を一致させたスリットにより構成されることを特徴とする請求項2に記載のパラレルフロー型熱交換器。
  4. 前記スリットは幅の狭い箇所と幅の広い箇所が交互に現れる形状であることを特徴とする請求項3に記載のパラレルフロー型熱交換器。
  5. 前記偏平チューブの偏平面に谷状部が形成され、前記谷状部の底部に前記貫通孔が形成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のパラレルフロー型熱交換器。
  6. 前記貫通孔を上下方向に貫通する導水部材が配置されていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のパラレルフロー型熱交換器。
  7. 前記コルゲートフィンには前記貫通孔に上下方向に整列する位置に貫通孔が形成されていることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載のパラレルフロー型熱交換器。
  8. 請求項1から7のいずれかに記載のパラレルフロー型熱交換器を室外機または室内機に搭載したことを特徴とする空気調和機。
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