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JP2013538429A - 電気化学電池用の非導電性材料 - Google Patents

電気化学電池用の非導電性材料 Download PDF

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Abstract

電気化学電池における、非導電性材料の配置に関係する物品、システムおよび方法、並びに関係する部材について概ね記載されている。いくつかの本発明の電気化学電池の構造は、電気化学電池の短絡を防止するために、電極の縁部の周りを包むように構成された非導電性材料(例えば、電解質の一部として)を含む。いくつかの態様では、第1部分と第2部分(電極の一方の面上の部分)を含むだけでなく、第1部分と第2部分とを直接接続する(および、いくつかのケースでは実質的に連続である)電極の縁部に隣接する第3部分を含むように、非導電性材料層を配置することができる。非導電性材料層は、アノードとカソードとの間に比較的高い絶縁性を確保しながら、比較的薄くすることができ、それにより、比較的低質量および/または低体積の電気化学電池を製造することを可能とする。上記の配置は、例えば、電極と非導電性材料層(例えば、被膜として)を含む多層構造体を形成し、非導電性材料が得られる折り目の凸面部分を覆うように該多層構造体を折り畳むことにより作製することができる。

Description

関連出願
本願は、2010年8月24日に出願された「電気化学電池用の非導電性材料」と題する米国仮特許出願第61/376,554号の関連出願であり、米国特許法第119条(e)の下でこの仮出願に基づく優先権を主張するものであり、そのすべての開示内容はあらゆる目的で出典明示によりすべて本明細書に組み入れられる。
電気化学電池に用いる非導電性材料の構成に関係する物品、システム、および方法が広く記載されている。
典型的な電気化学電池は、電気化学反応に参加するカソードとアノードを含んでいる。典型的な電気化学電池は、電解質と多孔質セパレータも含んでおり、それらはイオンが電極間を移動するのを可能とするが、電極間に電子を移動させることはない。カソードとアノードの間の電気的絶縁性を確保することにより、外部デバイスに電力が供給されるが、その際、電気化学電池の一方の電極から該デバイスを通って該電池の他方の電極へと電子が移動する。電解質の電気絶縁性が確保されないと、外部デバイスを通さず、電池のアノードとカソードとの間に直接電子が流れることになり、バッテリーの効率が制限される。現在使用されている多くの電気化学電池は、電気絶縁性電解質の不具合が起こりやすい(例えば、固体セパレータの不具合により)。不具合は、電解質の周辺部分で特に起こりやすい。例えば、電解質内のセパレータ材料の縁がデコボコまたはギザギザであると、アノードとカソードとは、そのデコボコの縁を通して電子を交換する可能性がある。圧力を規定する異方的な力が電池に加えられると、この問題は深刻化する。なぜなら、アノードとカソードとの間の距離が短くなると、電池の短絡の可能性が大きくなるからである。
したがって、改良された物品、システム、および方法が望まれている。
電気化学電池に用いる(例えば、電解質部分に)非導電性材料、および関連するシステムおよび方法が提供される。本発明の特徴は、いくつかのケースでは、相互に関連する製品、特定の問題に対する代替解決案、および/または1つまたは複数のシステムおよび/または物品の複数の異なる用途を含むものである。
一態様では、方法が記載される。該方法は、いくつかの態様では、非導電性材料層と、該非導電性材料層から離れて配置されている電極表面を含む実質的に連続な電極とを含む多層構造体を用意すること、および第1電極表面部分と第2電極表面部分を規定することを含むものである。該方法は、第1電極表面が第2電極表面と対向するように、軸に沿って前記多層構造体を巻回することを含む。
別の態様では、多層構造体が提供される。いくつかの態様では、該多層構造体のバルクの断面が、以下のものを含む:第1の極性を有する第1電極層部分;該第1の極性とは反対の第2の極性を有する第2電極層部分;第1の極性を有する第3電極層部分;第1電極層部分と第2電極層部分との間の第1の非導電性材料層;および第2電極部分と第3電極部分との間の第2の非導電性材料層。いくつかのケースでは、第1の非導電性材料層の非導電性材料層と第2の非導電性材料層とは、非導電性材料からなる第3の部分によって直接接続される。いくつかの例では、第1電極層部分と第2電極層部分との間の平均距離および/または第2電極層部分と第3電極層部分との間の平均距離は、約100ミクロン未満である。
別の態様では、電気化学電池が記載される。該電気化学電池は、いくつかの態様では、以下のものを含む:第1の極性を有する第1電極部分;該第1の極性とは反対の第2の極性を有する第2電極部分;第1の極性を有する第3電極部分;第1電極部分と第2電極分との間の第1の部分、第2電極部分と第3電極部分との間の第2の部分、および該第1の部分と該第2の部分と直接接する第3の部分を有する、実質的に連続である非導電性材料層。いくつかのケースでは、第1電極層部分と第2電極層部分との間の平均距離および/または第2電極層部分と第3電極層部分との間の平均距離は、約100ミクロン未満である。
いくつかのケースでは、以下のものを有する:第1基材表面部分と、該第1基材表面部分に対向しない第2基材表面部分とを有する基材;
第1基材表面部分に隣接する第1の部分と第2基材表面部分に隣接する第2の部分とを有する第1電極;
該第1電極の該第1の部分に対向する第1表面部分と、該第1表面部分に対向しない第2表面部分とを有する第2電極;
該第1電極の該第1の部分と該第2電極の該第1表面部分との間の第1の部分と、該第1電極の該第2表面部分に隣接する第2の部分と、該第1の部分および該第2の部分と直接接する第3の部分とを有し、実質的に連続な非導電性材料層。
いくつかの態様では、電気化学電池は、記載順に配置された以下の層部分を含む多層構造体であって、必要に応じて、記載された層の間に介在する同じまたは異なる材料からなるいくつかの他の層を含む該多層構造体を含む:第1の極性を有する第1電極層部分;第2の極性を有する第2電極層部分;第2の極性を有する第3電極層部分;および第1の極性を有する第4電極層部分。いくつかのケースでは、第2電極層部分と第3電極層部分は、単一で実質的に連続する電極の一部であり、第1の極性を有する電極部分は、第2電極層と第3電極層との間に介在するようには配置されていない。
本発明の他の利点および新規な特徴は、添付の図面を参酌することにより、本発明の種々の限定されない態様についての以降の詳細な説明から明らかになるであろう。本明細書と、出典明示により組み入れられた文献との間に、矛盾および/または相反する開示がある場合、本明細書が優先する。もし、出典明示により組み入れられた2つまたはそれを越える文献に、互いに矛盾および/または相反する開示がある場合、後の効力発生日を有する文献が優先する。本明細書に開示されたすべての特許および特許出願は、あらゆる目的で出典明示によりすべて本明細書に組み入れられる。
本発明の限定されない態様は、添付の図面を参照して実施例を用いて記載される。該図面は模式的なものであり、正確な縮尺率で描いたものではない。図面では、それぞれ同じにまたはほとんど同じに図示された構成要素は、通常一つの数字を用いて表される。明確性のため、すべての構成要素がすべての図面に表示されるわけではなく、当業者が本発明を理解するのに不要である場合まで、本発明の各態様のすべての構成要素が表示されるものでもない。
一態様に基づくものであり、多層構造体の作製の概要を示す模式断面図の例である。 一態様に基づくものであり、多層構造体の作製の概要を示す模式断面図の例である。 一態様に基づくものであり、多層構造体の作製の概要を示す模式断面図の例である。 一態様に基づくものであり、多層構造体の作製の概要を示す模式断面図の例である。 いくつかの態様に基づくものであり、多層構造体を示す模式断面図の例である。 いくつかの態様に基づくものであり、複数の多層構造体を示す模式断面図の例である。 一態様に基づくものであり、電気化学電池の模式断面図の例である。 一態様に基づくものであり、電気化学電池の模式上面図の例である。 電気化学電池の模式断面図の例である。
電気化学電池に用いる非導電性材料および関連する部品の構成に関係する物品、システム、および方法が広く記載されている。いくつかの本発明の電気化学電池の構成は、電気化学電池の短絡を防ぐため、電極の縁の周囲を包むように配置された非導電性材料(例えば、電解質の一部として)を含んでいる。いくつかの態様では、電極の縁に隣接し第1の部分と第2の部分を直接接続する(および、いくつかのケースでは実質的に連続している)第3の部分だけでなく、第1の部分および第2の部分(電極の一方の面上のもの)を含むように、非導電性材料層を配置してもよい。アノードとカソードの間に比較的高い電気絶縁性を確保しながら、非導電性材料層を比較的薄くしてもよく、それにより、比較的小質量および/または小体積の電気化学電池を製造することが可能となる。例えば、電極と非導電性材料層(例えば、被膜として)を含む多層構造体を作製し、そして得られる折り目の凸面部分を該非導電性材料が覆うように多層構造体を巻回することにより、上記の配置を作製することができる。
本発明者らは、電極の上に非導電性材料層を形成して(例えば、流延、蒸着、スピンコーティング、または別の方法)、多層構造体を作製すると、特に有利な効果が得られることを見出した。この方法を用いて多層構造体を製造することは、別の方法に比べて比較的、容易であり、速く、および高価ではない。例えば、非導電性材料と電極を別々の材料として製造し、一体化して多層構造体を形成する方法では、電極と非導電性材料の位置合わせが複雑になる。さらに、電極の上に非導電性材料層を形成することは、別のシステムに比べて比較的、容易であり、速く、および高価ではない。例えば、複数の個々の電極を非導電性材料の上に配置または形成するシステムでは、両方の電極の取り付け時および巻回時に慎重な位置合わせが必要となる。さらに、電極の上に非導電性材料層を形成することにより、非導電性材料の厚さを制御することが可能となる。非導電性材料の比較的厚い層を形成すると、多層構造体の体積および/または質量を低減することができるので、それにより、得られる電気化学電池の比エネルギーおよびエネルギー密度を増加させることができる。
本発明者らは、電気化学電池に異方的な力(圧力を規定する)が加えられると、アノードとカソードとの間の距離が減少して電池内で短絡が起きる可能性が増大するので、アノードとカソードとの間の短絡がより起こり易くなることも見出した。2009年8月4日に出願され、「電気化学電池における力の印加」と題するスコルディリス−ケリーらの米国特許出願公開第2010/0035128号(あらゆる目的のため、そのすべての内容は出典明示により本明細書に組み入れられる)には、電極化学、形態、および/または他の特性の改良のための力の印加について記載されており、特性を向上させることができる。本発明は、一態様において、非導電性材料の特定の配置を用いると、アノードとカソードとの間の短絡を発生させることなく、電気化学電池に力を加えることが可能になることを承認することを含むものである。さらに、本明細書に記載された非導電性材料の構成は、充放電サイクルの繰り返しの後でも、電池内での短絡の可能性(例えば、電極材料の溶解および再めっきによる)を低減することができる。
図1A〜図1Dは、一態様に基づくものであり、非導電性材料層を配置する方法を示す 模式断面図である。図1Aでは、多層構造体100は、互いに隣接して配置された基材110と電極112を有している。いくつかの態様では、電極112は基材110の上に形成することができる。例えば、電極112は、基材110の上に堆積させることができる(例えば、金属、金属混合物、または他の適切な材料の真空蒸着により)。別の例として、電極112は、流延プロセス(例えば、電極活物質を含むスラリーを基材上に堆積させおよび乾燥させる)により基材110上に形成してもよい。別の態様では、電極112と基材110を別々の単位として形成し、付着させあるいは一体となるように結合させて、図1Aに示す構造体を形成してもよい。さらに別の態様では、基材110と電極112を、組立式の多層構造体として用意してもよい。
いくつかの態様では、図1Aに示す一連の態様のように、電極112が基材110を完全に覆わず、基材110の縁部111が露出状態とされている。そのような配置は、電気接点を形成する時、例えば、基材が支持する場合あるいは基材が組立後の電気化学電池の集電体として用いられる場合に有用である。しかしながら、他の態様では、電極112は基材110を実質的に完全に覆うように配置されることを理解すべきである。
図1Bでは、多層構造体100は、電極112が非導電性材料層114と基材110との間に位置するように、電極112に隣接して配置された非導電性材料層114をさらに含んでいる。以下に詳細に記載しているように、いくつかの場合には、非導電性材料層114は、多層構造体100から形成された電気化学電池の電解質の全てまたは一部を形成することができる。いくつかの態様では、非導電性材料層114は電極112に付着されている。いくつかの例では、非導電性材料層114の少なくとも一部は電極112に共有結合をしている。
いくつかの態様では、非導電性材料層114を電極112の上に形成することができる。例えば、非導電性材料層114を、例えば流延プロセス(例えば、非導電性材料を含むスラリーを堆積させおよび乾燥させる)を用いて電極112の上に塗布し、決まった場所に形成してもよい。そのような堆積の実施方法の例は、例えば、カールソンらのPCT公開公報第WO99/33125号やバグリーらの米国特許第5,194,341号明細書に記載されており、そのすべての開示内容はあらゆる目的で出典明示によりすべて本明細書に組み入れられる。いくつかの態様では、非導電性材料層は、電子ビーム蒸着、真空熱蒸着、レーザーアブレーション、化学蒸着、熱蒸着、プラズマアシスト化学蒸着、レーザーエンハンスト化学蒸着、ジェット蒸着、押し出し等の方法により堆積させることができる。非導電性材料層は、スピン塗布技術を用いて堆積させることもできる。例えば、架橋ポリマー層の堆積方法はフラッシュ蒸着を含み、例えばYializisの米国特許第4,954,371号に記載されている。例えば、リチウム塩を含む架橋ポリマー層の堆積方法は、フラッシュ蒸着法を含んでもよく、例えば、アフィニートらの米国特許第5,681,615号に記載されている。非導電性材料層を堆積させるために用いられる技術は、堆積させる材料の種類や厚さ等に依存する。いくつかの態様では、電極上に非導電性材料層を堆積させることは有用である。なぜなら、それにより非導電性材料の比較的厚い層を堆積させることができ、それにより最終的な電気化学電池の大きさと重量を減らすことができるからである。
他の態様では、非導電性材料層114、基材110、および電極112は別々の単位として形成することができ、多層構造体の別の部分へ付着あるいは結合させることができる。さらに別の態様では、基材110、電極112、および非導電性材料層114を組立式の多層構造体として用意してもよい。
いくつかの態様では、基材110、電極112および/または非導電性材料層114(または多層構造体の別の層)を実質的に連続する層とすることもできる。「実質的に連続する」とは、構造体の2つの部分または層の間の関係を説明するのに用いるもので、部分または層の間の構造体のあらゆる領域が、該部分または該層と実質的に同じであることを意味する。例えば、実質的に連続する材料シートであって、自身が折り畳まれている、あるいは異なる材料の回りに巻き付けられている該材料シートは、実質的に連続するシートの一部として残る2つまたはそれより多い部分を決めることができる。
いくつかの態様では、本明細書に記載されている、基材110、電極112、非導電性材料層114、および/または他の材料層は、実質的にマクロな不連続性がないものとすることができる。「実質的にマクロな不連続性がない」層とは、該層に対して実質的に平行に測定された、該層の厚さよりも大きい最大断面寸法を持ち、該層の残部の組成とは異なる材料(または材料混合物)から成る領域を含まない層である。具体例として、実質的に空隙を含まない層は、実質的にマクロな不連続性がない層であり得る。さらに、層内部の空孔の最大断面寸法が層の厚さよりも小さければ、多孔質材料層は実質的にマクロな不連続性がない層であり得る。しかしながら、自身の厚さよりも大きな空孔寸法を有する多孔質材料は、実質的にマクロな不連続性がないとは言えない。さらに、バルク材料と、該バルク材料内に第2材料の島を有する材料であって、該第2材料が該第2材料の厚さよりも大きい最大断面寸法を有する場合には、実質的にマクロな不連続性がないとは言えない。
図1Bに示すように、非導電性材料層114は、電極112および基材110と対向しない第1の実質的に平坦な面120と、電極112および基材110と対向する第2の実質的に平坦な面(界面122において)を有している。さらに、電極112は、非導電性材料層114と対向するが、基材110とは対向しない第1の実質的に平坦な面(界面122において)を、基材110とは対向するが、非導電性材料層114とは対向しない第2の実質的に平坦な面(界面124において)とともに有している。基材110は、電極112および非導電性材料層114と対向する第1の実質的に平坦な面(界面124において)と、電極112および非導電性材料層114と対向しない第2の実質的に平坦な面126を有している。
本明細書で用いているように、面と物体が実質的に平行であり、面を含むバルク材料に対して垂直かつ遠ざかるように伸びる線が物体と交差する時、面(または面部)は、物体に“対向している”と言う。例えば、第1の面(または第1の面部)と第2の面(または第2の面部)は、第1の面に垂直で、第1の面を含むバルク材料から遠ざかるように延びる線が第2の面と交差する時には、互いに対向することができる。
面に垂直で、該面を含むバルク材料に対して垂直かつ遠ざかるように伸びる線が層と交差する時、該面と該層は互いに対向することができる。面は他の物体と接触している時、あるいは該面と該他の物体との間に1つまたは複数の中間材料が配置されている時には、その別の物体と対向することができる。例えば、互いに対向している2つの面は、それらの間の1つまたは複数の中間材料と接触することができ、あるいはそれらを含むこともできる。
本明細書で用いているように、面と物体が実質的に平行であり、該面を含むバルク材料に対して垂直かつ遠ざかるように伸び該物体と交差する線が存在しない場合には、該面(または面部)は「対向していない」と言う。例えば、第1の面に対して垂直で第1の面を含むバルク材料から遠ざかるように伸び第2の面と交差する線が存在しない場合には、第1の面(または第1の面部)と第2の面(または第2の面部)とは互いに対向しないということができる。面に対して垂直で該面を含むバルク材料から遠ざかるように伸び、層と交差する線が存在しない場合には、該面と該層とは互いに対向しないということができる。いくつかの態様では、面と物体によって規定される最大角が約10度未満、約5度未満、約2度未満、または約1度未満であれば、面と別の物体(例えば、別の面、層等)は実質的に平行であるということができる。
多層構造体を軸に沿って折りたたんで巻回構造体を形成することができる。いくつかの態様では、多層構造体は、電極の面の第1の部分と第2の部分(例えば、非導電性材料層から遠ざかる、面の第1の部分及び第2の部分)が互いに対向するように折り畳むことができる。例えば、図1B〜1Cに示される一連の態様では、図1Bの多層構造体100は、軸130(頁の中から外へと延びる)に沿って、矢印132の方向に折り畳まれて、図1Cに示される多層構造体を形成する。電極112の面部124Aと124Bは、図1Bの非導電性材料層114とは両方とも対向していないが、互いに対向するように図1Cの構造に再配置される。図1Cに示すように、面部124Aと124Bは、中間材料(基材110)を含んでいる。しかしながら、別の態様では、面部124Aと124Bとは接触することができる。
多層構造体をこのようにして折り畳むことにより、非導電性材料層の一部136は、電極112の折り畳まれた縁部の凸面部の上に、その非導電性材料層の一部の方位を合わせるように配置されている。いくつかのケースでは、非導電性材料層は、電極112の縁部を実質的に覆うことができる。電極112の折り畳まれた縁部の上に非導電性材料の一部(例えば部分136)を持つことは、電極112と、非導電性材料層114の上に配置される次の電極との間の短絡を防止するために有用であり得る。
別の電極を多層構造体の中に含めることもできる。図1Dに示す一連の態様では、電極140と142は、非導電性材料層114に隣接して配置されている。この様式で配置された場合、非導電性材料層は、電極112と140との間の第1の部分146と、電極112と142との間の第2の部分148を含んでいる。さらに、第1の部分146と第2の部分148は、部分136により直接接続されている。実質的に異なる組成を有する領域を貫通することなく、2つの部分または部材を接続する線を引くことができる場合には、2つの部材または部分は、「直接接続されている」または「直接接触している」状態にあるという。すべての態様でその必要はないが、図1Dに示す一連の態様では、第1の部分146と第2の部分148は実質的に連続である。
電極140と142の一方または両方を、非導電性材料層114の上に形成することができる。例えば、電極140および/または142は、材料層114の上に堆積させても(例えば、真空蒸着により)または流延(例えば、乾燥したスラリーとして)してもよい。別の態様では、電極140および/または142を別々の単位として形成し、多層構造体に付着あるいは結合させることもできる。図1Dには2つの別の電極140と142を示しているが、他の態様では、1つの別の電極(例えば電極140のみ)だけを多層構造体に含めることができる。
いくつかの態様では、電極140および/または電極142は、非導電性材料層114に付着している。いくつかの例では、電極140および/または電極142の少なくとも一部は非導電性材料層114に共有結合されている。
電極の極性を選択して電気化学電池を製造できる。いくつかの態様では、電極112は第1の極性を有し、電極140(および142が存在する場合もある)は反対の第2の極性を有することができる。一般的に、一方の電極がアノードであり、他方の電極がカソードである場合、2つの電極は反対の極性を有する。例えば、電極112はアノードであり、電極140(および142が存在する場合もある)はカソードである。別のケースでは、電極112はカソードであり、電極140(および142が存在する場合もある)はアノードである。
電気接触は適切な技術を用いて電極に対して行うことができる。図1Dに示す一連の態様では、導電性基材110を用いて電極112との電気接触を行うことができる。基材110は、導電性バルク材料を含んでもよく、あるいは導電性材料で被覆された非導電性材料を含んでも良い。電極140および/または142との電気接触は、集電体144Aと144Bをそれぞれ、多層構造体の中に組み入れることにより行うことができる。
ある部分(例えば、層、構造、領域)が、別の部分の、「上に(on)」、「隣接して(adjacent)」、「上に(above)」、「上の方に(over)」、「重なって(overlying)」存在する場合、または別の部分に「支持される(supported by)」場合、該別の部分の上に直接であっても、あるいは介在部分(例えば、層、構造、領域)が存在してもよいと理解されるべきである。同様に、ある部分が別の部分の「下に(below)」または「下方に(underneath)」存在する場合、該別の部分のすぐ下であっても、介在部分(例えば、層、構造、領域)が存在してもよい。ある部分が、別の部分に対して、「すぐ上」(directly on)、「すぐ隣接して(immediately adjacent)」、「接触して(in contact with)」、または「直接支持される(directly supported)」ということは、介在部分が存在しないことを意味する。ある部分が、別の部分に対し、「上に(on)」、「上に(above)」、「隣接して(adjacent)」、「上の方に(over)」、「重なって(overlying)」、「接触して(in contact with)」、「下に(below)」、「支持される(supported by)」状態にあると記載されている場合には、そのある部分は別の部分の全体または一部を覆ってもよいことが理解されるべきである。
したがって、図1A〜1Dに示された態様においては、図に示された層群の間に1つまたは複数の追加の層を設けてもよいことが理解されるべきである。例えば、基材110と電極112との間に1つまたは複数の追加の層を設けてもよく、例えば剥離層を設けてもよく、それは、以下に説明するように、多層構造体100を折り畳む前に基材を取り除くために用いることができる。さらに、剥離層と基材の間に1つまたは複数の追加の層を配置してもよい。また、多層構造体の他の部材間に1つまたは複数の層を配置してもよい。例えば、層間の接着を促進させるために、集電体と電極層との間に1つまたは複数のプライマー層を配置することができる。適切なプライマー層の例は、2008年10月23日に出願され、国際公開第WO2009/054987として公開され、名称が「バッテリー電極用プライマー」である国際特許出願第PCT/US2008/012042号に記載されており、そのすべての内容は出典明示により本明細書に組み入れられる。さらに、電極と非導電性材料層との間に1つまたは複数の層を配置することができる。例えば、1つまたは複数の層を、電極112と非導電性材料層114との間、電極140と非導電性材料層114との間、および/または電極142と非導電性材料層114との間に配置することができる。もちろん、他の態様では、基材110と電極112は接触することができ、電極112と非導電性材料層114は接触することができ、非導電性材料層114と電極140は接触することができ、および/または非導電性材料層114と電極142は接触することができる。さらに、いくつかのケースでは、電極140および/または142は、それぞれ集電体144Aと144Bに接触することができ、別のケースでは、電極140とその集電体との間、および/または電極142とその集電体との間に1つまたは複数の材料を配置することができる。
本発明のいくつかの態様は、本明細書に記載された部材(またはその部分)の相対的な位置に関係している。いくつかの態様では、多層構造体(またはその多層構造体を含む電気化学電池)は、記載された順番に配置された以下の層を含むことができ、必要に応じて、記載された層群の間に介在する同じまたは異なる材料からなるいくつかの別の層を含む:第1の極性を有する第1電極層部分(例えば、図1Dの電極140の一部、第2の極性を有する第2電極層部分(例えば、図1Dの基材110の上の電極112の一部)、第2の極性を有する第3電極層部分(例えば、図1Dの基材110の下の電極112の一部)、および第1の極性を有する第4電極層部分(例えば、図1Dの電極142の一部)である。いくつかのケースでは、図1Dに示された態様のように、第2および第3電極層部分は、単一の実質的に連続する電極の一部である。さらに、いくつかのケースでは、第2電極層部分と第3電極層部分とを介在するように配置されている、第1の極性を有する電極部分は存在しない。図1Dでは、例えば、基材110(これは電極ではない)だけが、第2電極層部分(例えば、図1Dの基材110の上の電極112の一部)と、第3電極層部分(例えば、図1Dの基材110の下の電極112の一部)との間に配置されている。
いくつかの態様では、多層構造体(またはその多層構造体を含む電気化学電池)は、第1基材面部分(例えば、電極112の面部分124Aに隣接する基材面部分)と、第1基材面部分とは対向しない第2基材面部分(例えば、電極112の面部分124Bに隣接する基材面部分)とを有する基材を含んでいる。多層構造体は、第1基材面部分に隣接する第1部分(例えば、図1Dの基材の上の電極112の一部)と、第2基材面部分に隣接する第2部分(図1Dの基材の下の電極112の一部)とを有する第1電極を含むこともできる。さらに、多層構造体は、第1電極の第1部分に対向する第1面部分(例えば、界面150Aにおける電極140の面)と、第2電極の第1面部分とは対向しない第2面部分(例えば、最上部の集電体144Aに対向する電極140の面)とを有する第2電極(例えば、図1Dの電極140、しかし、電極142を、電極140に加えて、または電極140の代わりに含めることもできる)を含むことができる。さらに、多層構造体は、実質的に連続な、非導電性材料層(例えば、図1Dの層114)を含むことができ、該非導電性材料層は、第1電極の第1部分と第2電極の第1面部分との間の第1部分(例えば、非導電性材料層114の部分146)、第1電極の第2面部分に隣接する第2部分(例えば、非導電性材料層114の部分148)、並びに第1部分および第2部分と直接接触する第3部分(例えば、非導電性材料層114の部分136)を有している。
非導電性材料層は、適切な厚さを有する。いくつかの態様では、比較的薄い非導電性材料層を用いることができるので、多層構造体の体積および/または重量を減らすことができ、それにより、多層構造体を用いて作製される電気化学電池の比エネルギー密度およびエネルギー密度を増加させことができる。いくつかの態様では、非導電性材料層は以下の平均厚さを持つことができる:約100ミクロン未満;約50ミクロン未満;約20ミクロン未満;約10ミクロン未満;約5ミクロン未満;約1ミクロン未満;少なくとも約0.1ミクロンおよび約100,50,20,10,5または1ミクロン未満;少なくとも約0.5ミクロンおよび約100,50,20,10,5または1ミクロン未満;あるいは少なくとも約1ミクロンおよび約100,50,20,10または5ミクロン未満。いくつかのケースでは、電極112の最も外側の面(例えば、図1Cと1Dの界面122における)と、電極140および/または電極142の最も内側の面(例えば、図1Dの、それぞれ界面150Aと150Bにおける)との間の平均距離は以下の値を取り得る:約100ミクロン未満;約50ミクロン未満;約20ミクロン未満;約10ミクロン未満;約5ミクロン未満;約1ミクロン未満;少なくとも約0.1ミクロンおよび約100,50,20,10,5または1ミクロン未満;少なくとも約0.5ミクロンおよび約100,50,20,10,5または1ミクロン未満;あるいは少なくとも約1ミクロンおよび約100,50,20,10または5ミクロン未満。
いくつかの態様では、乾燥した非導電性材料層(例えば、液体電解質等の液体が添加される前)を挟んで電極に電圧を印加する時、比較的高い電気抵抗が維持されるように、電極と非導電性材料層を組立ておよび配置することができる。いくつかのケースでは、乾燥した多層構造体内のアノードとカソードとの間の電気抵抗は、アノードとカソードの間に少なくとも約1ボルトの電圧が印可された時、少なくとも約100Ω、少なくとも約1000Ω、少なくとも約10kΩ、少なくとも約100kΩ、少なくとも約1MΩ、または少なくとも約10MΩである。当業者であれば、多層構造体内の、材料を挟んだアノードとカソードの間に電圧降下を適用し、得られる抵抗をマルチメータを用いて測定することによりその測定を行うことが可能である。いくつかの態様では、異方的な力(本明細書に記載されている圧力を規定する異方的な力を含む)が適用されている間、上述の電気抵抗を維持することができる。
いくつかのケースでは、乾燥した非導電性材料層(例えば、液体電解質等の液体が添加される前)の厚さ方向の電気抵抗は、アノードとカソードの間に少なくとも約1ボルトの電圧が印可された時、少なくとも約100Ω、少なくとも約1000Ω、少なくとも約10kΩ、少なくとも約100kΩ、少なくとも約1MΩ、または少なくとも約10MΩである。当業者であれば、非導電性材料層の厚さ方向に電圧降下を適用し(例えば、互いに対向しない、非導電性材料層の面に電極を取り付けることにより)、得られる抵抗をマルチメータを用いて測定することによりその測定を行うことが可能である。いくつかの態様では、異方的な力(本明細書に記載されている圧力を規定する異方的な力を含む)が適用されている間、上述の電気抵抗を維持することができる。
非導電性材料層は、アノードとカソードとの間のイオン移動を許容するように組み立てられおよび配置される一方で、短絡を防ぐためにカソードとアノードを互いに分離または絶縁することができる材料を含むことができる。いくつかの態様では、非導電性材料層の全部または一部を、少なくとも約10、少なくとも約10、少なくとも約1010、少なくとも約1015、または少なくとも約1020Ω・mのバルク抵抗を有する材料で形成することができる。
いくつかの態様では、非導電性材料層は、多層構造体から形成された電気化学電池の電解質でもよい。別のケースでは、非導電性材料層は、多層構造体から形成された電気化学電池の電解質とは別の層でもよい(例えば、電気化学電池は、非導電性材料層とは別の電解質層を含むことができる)。
非導電性材料層は、いくつかの態様では、固体電解質で形成することができる。アノードをカソードから電気的に絶縁することに加え、固体電解質はイオン導電性であり、それにより、アノードとカソードとの間にイオンが移動することを可能にする。有用な高分子電解質の例は、限定されるものではないが、ポリエーテル、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリイミド、ポリホスファゼン、ポリアクリロニトリル、ポリシロキサン、前記のものの誘導体、前記のものの共重合体、前記のものの架橋構造体およびネットワーク構造体、および前記のもののブレンドから成る群から選択される1つまたは複数の高分子を含む高分子電解質を含む。
いくつかの態様では、非導電性材料層の全部または一部をゲルで形成することができる。本明細書で用いているように、「ゲル」は、液体とバインダー成分を含む三次元ネットワークを意味し、液体はバインダーに同伴され、流れ出ることはない。液体を固体ネットワークに適用することにより、固体の三次元ネットワーク内に液体が同伴されてゲルが形成される。いくつかのケースでは、ゲル内の三次元ネットワークは、高分子(例えば、架橋高分子)内に同伴された液体を含むことができる。当業者であれば、例えば、ジブチルフタレート(DBP)吸収試験によりゲルの吸収スティフネスを測定することにより、ゲルと、固体と流体との他の組み合わせ(例えば、多孔質セパレータと液体溶媒)との間の差異を決定することができるであろう。一般的に、ゲルのバインダー成分を液体に接触させると、ゲルの重量は増加するが、多孔質セパレータの重量は実質的に増加しない。いくつかの態様では、ゲルのバインダー成分は、約10ミクロンより大きい空孔または約1ミクロンより大きい空孔が実質的に存在しなくても、液体を取り込むことができる。ゲルのバインダー成分は、いくつかのケースでは実質的に空孔が存在しなくてもよい。非導電性材料層に用いるのに適したゲル高分子の例は、限定されるものはないが、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリアクリロニトリル、ポリシロキサン、ポリイミド、ポリホスファゼン、ポリエーテル、スルホン化ポリイミド、ペルフルオロ化膜(NAFION樹脂)、ポリジビニルポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、前記のものの誘導体、前記のものの共重合体、前記のものの架橋構造体およびネットワーク構造体、および前記のもののブレンドから成る群から選択される1つまたは複数の高分子を含むゲル高分子、および必要に応じて1つまたは複数の可塑剤を含む。
いくつかの態様では、非導電性材料の少なくとも一部を、一部または概ね全部が液体電解質で満たされた、固体の非導電性材料で形成することができる。いくつかの態様では、一部または概ね全部が液体電解質で満たされた固体材料を、電気化学電池の電解質として用いることができる。いくつかの態様では、固体の非導電性材料は、実質的に非イオン導電性でもよい。別のケースでは、固体の非導電性材料は、イオン導電性でもよく、高いイオン導電性を有する結合された構造体(組み合わせる固体部分のイオン導電性に比べて)を製造するために液体電解質を用いることができる。
種々の固体の非導電性材料が公知である。適切な固体多孔質セパレータ材料の例は、限定されるものではないが、例えばポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン、ガラス繊維濾紙、およびセラミック材料を含む。本発明に用いるのに適したセパレータとセパレータ材料のさらなる例は、マイクロポーラス擬ベーマイト層等のマイクロポーラスキセロゲル層を含むものであり、自立フィルムとしてあるいは一方の電極の上に直接被覆することにより提供され得るものであり、共同承継人であるカールソンらの米国特許出願第08/995,089および09/215,112に記載されている。固体電解質とゲル電解質は、それらの電解質機能に加えて、セパレータとして機能してもよい。
上述のように、イオン導電性を向上させるために液体電解質を用いることができる。いくつかの態様では、イオン導電性を増加させるために、1つまたは複数のイオン電解質塩を含むことができる。本明細書に記載された電解質に用いるイオン電解質塩の例は、限定されるものではないが、LiSCN、LiBr、LiI、LiClO、LiAsF、LiSOCF、LiSOCH、LiBF、LiB(Ph)、LiPF、LiC(SOCF)、およびLiN(SOCFを含む。有用な他の電解質塩は、リチウムポリスルフィド(Li)、有機イオン性ポリスルフィド(LiSR)のリチウム塩であり、xは1から20の整数、nは1から3の整数、Rは有機基であり、それらはリーらの米国特許第5,538,812号明細書に記載されている。溶媒中のイオン性リチウム塩の濃度範囲は、約0.2m〜約2.0m(mはモル/溶媒kgである)の範囲で用いることができる。Li/S電池が放電すると、形成されるスルフィドまたはポリスルフィドが一般的に電解質にイオン導電性を与えるので、イオン性リチウム塩の添加は不要であるが、必要に応じてイオン性リチウム塩を溶媒に添加する。また、無機硝酸塩、有機硝酸塩、または無機亜硝酸塩等のN−O添加物が用いられる場合、イオン性リチウム電解質塩を追加しなくても電解質にイオン導電性を与えることができる。
ある一連の態様では、非水系電解質が用いられ、別の一連の態様では、水系電解質が用いられる。有用な非水系液体電解質溶媒の例は、限定されるものではないが、例えば、N−メチルアセトアミド、アセトニトリル、アセタール、ケタール、エステル、カーボネート、スルホン、サルファイト、スルホラン、脂肪族エーテル、アクリルエステル、環状エーテル、グライム、ポリエーテル、ホスフェートエステル、シロキサン、ジオキソラン、N−アルキルピロリドン、前記のものの置換体、およびそれらのブレンドを含む。使用できるアクリルエステルの例は、限定されるものではないが、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジメトキシメタン、トリメトキシメタン、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、1,2−ジメトキシプロパン、および1,3−ジメトキシプロパンを含む。環状エーテルの例は、特に限定されるものではないが、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソラン、およびトリオキサンを含む。ポリエーテルの例は、限定されるものではないが、ジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグライム)、トリエチレングリコールジメチルエーテル(トリグライム)、テトラエチレングリコールジメチルエーテル(テトラグライム)、高級グライム、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、およびブチレングリコールエーテルを含む。スルホンの例は、限定されるものではないが、スルホラン、3−メチルスルホラン、および3−スルホレンを含む。前記のもののフッ素化誘導体は、液体電解質溶媒としても有用である。本明細書に記載された溶媒の混合物も用いることができる。
いくつかの態様では、リチウムアノードに対して好ましい特定の液体電解質溶媒(例えば、リチウムに対する反応性が比較的低く、良好なリチウムイオン導電性を有し、および/またはポリスルフィドの溶解性が比較的低い)は、限定されるものではないが、1,1−ジメトキシエタン(1,1−DME)、1,1−ジエトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、ジメトキシメタン、ジブチルエーテル、アニソールまたはメトキシベンゼン、ベラトロールまたは1,2−ジメトキシベンゼン、1,3−ジメトキシベンゼン、t−ブトキシエトキシエタン、2,5−ジメトキシテトラヒドロフラン、シクロペンタノンエチレンケタール、およびそれらの組み合わせを含む。カソードに対して好ましい特定の液体電解質溶媒(例えば、ポリスルフィドの溶解性が比較的高く、および/または高いレート特性および/または高硫黄利用率が可能である)は、限定されるものではないが、ジメトキシエタン(DME、1,2−ジメトキシエタン)またはグライム、ジグライム、トリグライム、ポリグライム、スルホラン、1,3−ジオキソラン(DOL)、テトラヒドロフラン(THF)、アセトニトリル、およびそれらの組み合わせを含む。
特定の溶媒混合物は、限定されるものではないが、1,3−ジオキソランとジメトキシエタン、1,3−ジオキソランとジエチレングリコールジメチルエーテル、1,3−ジオキソランとトリエチレングリコールジメチルエーテル、および1,3−ジオキソランとスルホランを含む。混合物中の2つの溶媒の重量比は、約5:95から約95:5の範囲で変化し得る。いくつかの態様では、溶媒混合物は、ジオキソランを含む(例えば、ジオキソランは40重量%より大きい)。
いくつかのケースでは、水系溶媒をリチウム電池用の電解質として用いることができる。水系溶媒は、水を含むことができ、該水はイオン性塩等の他の成分を含むことができる。いくつかの態様では、電解質は、電解質中の水素イオン濃度を減らすために、水酸化リチウム等の化学種、あるいは電解質を塩基性にする他の化学種を含むことができる。
いくつかのケースでは、アノードとカソードとの間に配置された非導電性材料層は、力または圧力が負荷された時、カソードの凹凸からアノードを守るために働くことができ、力または圧力の下でアノードの表面を平坦に維持し、およびベースの電極層と平坦な高分子層との間に多層を加圧状態で維持することにより、アノードの多層構造体(例えばセラミック高分子多層)を安定化させる。そのいくつかの態様では、伸展性があり平坦な面を有する高分子層を選択することができる。
別の箇所で説明している通り、明細書に記載された多層構造体は、いくつかの態様では、電気化学電池の一部でもよい。いくかの例では、多層構造体は非充電型バッテリーまたは充電型バッテリーの一部でもよい。いくつかのケースでは、多層構造体は、リチウム−硫黄バッテリー等のリチウムバッテリーの一部でもよい。
本明細書に記載された電極は、適切な電極活物質を含むことができる。本明細書で用いているように、「電極活物質」という用語は、電極に関係する電気化学的に活性な化学種を指す。例えば、「カソード活物質」はカソードに関係する電気化学的に活性な化学種を指し、「アノード活物質」はアノードに関係する電気化学的に活性な化学種を指す。さらに、本明細書に記載された電極は電極活性面を含むこともできる。本明細書で用いているように、「活性面」は、電解質と物理的に接触し、そこで電気化学反応が起きる電極の面を記載するために用いられている。例えば、図1Dに示される一連の態様では、電極112は、界面122において活性面を有し、電極140は、界面150Aにおいて活性面を有し、電極142は界面150Bにおいて活性面を有している。
本明細書に記載された1つまたは複数の1つまたは複数の電極は、電気化学電池のアノードとして用いることができる。アノードは、適切なアノード活物質を含むことができる。いくつかの態様では、アノードはアノード活物質としてリチウムを含むことができる。例えば、アノードはアノード活物質として金属リチウムを含むことができる。金属リチウムは、以下に説明するように、その形態として、例えば、リチウム金属箔または基材上に堆積させたリチウム薄膜であってもよい。リチウムは、その形態としてリチウム合金でもよく、例えば、リチウム―スズ合金またはリチウム−アルミニウム合金でもよい。「合金」という用語は、その分野の一般的な意味であり、2つまたはそれより多い元素の組み合わせ(例えば、固体、固溶体)を指し、少なくとも1つの元素が金属であり、得られる材料は金属的な特性を有している。
本明細書に記載された多くの態様では、リチウム再充電可能な電気化学電池(リチウムアノードを含む)が記載されているが、類似のアルカリ金属バッテリー(アルカリ金属アノード)を用いることができることも理解されるべきである。さらに、再充電可能な電気化学電池が主に本明細書に記載されているが、非充電(一次)電気化学電池も本発明から利益を受けることができることが意図されている。追加の配置、部材、および合金の利点については、2007年6月22日に出願され、米国特許公開第2008/031812号として公開され、名称が「リチウム合金/硫黄バッテリー」である米国特許出願第11/821、576により詳しく記載されており、出典明示によりそのすべての内容は本明細書に組み入れられる。
ある態様では、アノードの厚さは例えば、約2から200ミクロンの範囲で変化してもよい。例えば、アノードの厚さは、200ミクロン未満、100ミクロン未満、50ミクロン未満、25ミクロン未満、10ミクロン未満、または5ミクロン未満であってもよい。厚さの選択は、必要なリチウム過剰量、サイクル寿命、およびカソード電極の厚さ等の、多層構造体および/または電気化学電池の設計パラメータに影響される。一態様では、アノード活性層の厚さは、約2から100ミクロン(例えば、約5から50ミクロン、約5から25ミクロン、または約10から25ミクロン)の範囲である。
アノードは、物理的または化学的蒸着方法、押し出し法、およびメッキ法等の公知の種々の方法を用いて堆積させてもよい。適切な物理的または化学的蒸着方法は、限定されるものではないが、熱蒸着(限定されるものではないが、抵抗加熱、誘導加熱、放射加熱、および電子ビーム加熱を含む)、スパッタリング(限定されるものではないが、ダイオードスパッタリング、DCマグネトロンスパッタリング、RFスパッタリング、RFマグネトロンスパッタリング、パルススパッタリング、デュアルマグネトロンスパッタリング、ACスパッタリング、MFスパッタリング、およびリアクティブスパッタリングを含む)、化学蒸着、プラズマエンハンスト化学蒸着、レーザーエンハンスト化学蒸着、イオンプレーティング、陰極アーク、ジェット蒸着、およびレーザーアブレーションを含む。
層の堆積は、堆積層内の副反応を最小限にするために真空または不活性雰囲気で行うことがよい。副反応は、層の中に不純物を混入させ、または層の望ましい形態に対して影響を与える。いくつかの態様では、多層構造体のアノード活性層と層群を、多段式堆積装置の中で連続的な方法で堆積させる。
特に、リチウム等の電気的活性物質を基材上に堆積させる方法は、熱蒸着、スパッタリング、ジェット蒸着、およびレーザーアブレーション等の方法を含む。あるいは、アノードがリチウム箔、あるいはリチウム箔および基材を含む場合、公知の積層プロセスを用いて一体的に積層してアノード層を形成することができる。
本明細書に記載された多層構造体(および/または電気化学電池)のカソードに用いる適切なカソード活性材料は、限定されるものではないが、電気的活性遷移金属カルコゲナイド、電気的活性導電性高分子、電気的活性硫黄含有材料、およびそれらの組み合わせを含む。本明細書で用いているように、「カルコゲナイド」という用語は、酸素、硫黄、およびセレンの1つまたは複数の元素を含む化合物に関係している。適切な遷移金属カルコゲナイドの例は、限定されるものではないが、Mn,V,Cr,Ti,Fe,Co,Ni,Cu,Y,Zr,Nb,Mo,Ru,Rh,Pd,Ag,Hf,Ta,W,Re,Os,およびIrから成る群から選択される遷移金属の電気的活性な酸化物、硫化物、およびセレン化物を含む。一態様では、遷移金属カルコゲナイドは、電気的活性な、ニッケル、マンガン、コバルト、およびバナジウムの電気的活性な酸化物、並びに電気的に活性な鉄硫化物から成る群から選択される。一態様では、カソード活性層は電気的活性導電性高分子を含む。適切な電気的活性導電性高分子の例は、限定されるこのではないが、ポリピロール、ポリアニリン、ポリフェニレン、ポリチオフェン、およびポリアセチレンから成る群から選択される電気的活性な導電性高分子を含む。
本明細書で用いる「電気的活性硫黄含有材料」は、様々な形態の元素硫黄を含むカソード活性材料に関係し、電気化学的活性は、硫黄―硫黄供給結合の切断または生成を含むものである。適切な電気的活性硫黄含有材料は、限定されるものではないが、元素状硫黄と、硫黄原子および酸素原子を含む有機材料を含むものであり、高分子状でも高分子状でなくてもよい。それらを含む適切な有機材料は、ヘテロ原子、導電性高分子セグメント、複合体、および導電性高分子を含む。
Li/Sシステムを含むいくつかの態様では、硫黄含有材料は、その酸化型で、共有結合―Sm−成分、イオン性―Sm成分、およびイオン性Sm2−成分から成る群から選択されるポリスルフィド成分Smを含み、mは3または3より大きい整数である。一態様では、硫黄含有高分子のポリスルフィド成分Smのmは、6または6より大きい整数である。別の態様では、硫黄含有高分子のポリスルフィド成分Smのmは、8または8より大きい整数である。別の態様では、硫黄含有材料は硫黄含有高分子である。別の態様では、硫黄含有高分子は高分子主鎖を有し、ポリスルフィド成分Smは、側鎖として、その末端硫黄原子の一方または両方が該高分子主鎖に共有結合している。さらに別の態様では、硫黄含有高分子は高分子主鎖を有し、ポリスルフィド成分Smは、その末端硫黄原子が共有結合することにより該高分子主鎖に組み入れられる。
一態様では、電気的活性硫黄含有材料は、50重量%より多い硫黄を含む。別の態様では、電気的活性硫黄含有材料は、75重量%より多い硫黄を含む。さらに別の態様では、電気的活性硫黄含有材料は、90重量%より多い硫黄を含む。
本発明の実施に有用な電気的活性硫黄含有材料の特性は、知られているように広い範囲で変化してもよい。一態様では、電気的活性硫黄含有材料は元素状硫黄を含む。別の態様では、電気的活性硫黄含有材料は、元素状硫黄と硫黄含有高分子との混合物を含む。
別の態様では、本明細書に記載された多層構造体(および/または電気化学電池)は、複合カソードを含む。複合カソードは、例えば、(a)電気的活性硫黄含有カソード材料、該電気的活性硫黄含有カソード材料はその酸化状態で、式―Sm−で表されるポリスルフィド成分を含み、mは3または3より大きい整数であり、および(b)電気的活性遷移金属カルコゲナイド組成物を含んでもよい。一態様では、カソードは、電気的活性硫黄含有カソード材料、電気的活性遷移金属カルコゲナイド、および必要に応じてバインダー、電解質、および導電性添加物を含む混合物を含み、それを集電体の上に堆積させる。別の態様では、電気的活性硫黄含有カソード材料の被膜は、カチオン輸送、アニオン性の還元生成物輸送阻止、遷移金属カルコゲナイド組成物のための薄い粘着フィルム被膜によりカプセル化または含浸される。さらに別の態様では、カソードは、カチオン輸送、アニオン性の還元生成物輸送阻止、遷移金属カルコゲナイド組成物のためのカプセル化層でそれぞれが被覆された粒子状電気的活性硫黄含有カソード材料を含む。別の構成も可能である。追加の配置、部材、および複合カソードの利点は、2006年1月13日に出願され、名称が「新規な複合カソード、新規な複合カソードを含む電気化学電池、およびその作製方法」である米国特許公開第2006/0115579により詳細に記載されており、そのすべての内容は出典明示により本明細書に組み入れられる。
カソードは、導電性をより高めるために、1つまたは複数の導電性フィラーをさらに含んでもよい。導電性フィラーは、材料の導電特性を増大させることができ、例えば、カーボンブラック(例えば、バルカンXC72Rカーボンブラック、プリンテックスXE2、またはアクゾノーベルケッチェンEC−600JD)、グラファイトファイバー、グラファイトフィブリル、グラファイト粉末(例えば、フルカ#50870)、活性炭素繊維、カーボンファブリック、非活性炭素ナノファイバーを含んでもよい。他の限定されない導電性フィラーの例は、金属被覆ガラス粒子、金属粒子、金属繊維、ナノ粒子、ナノチューブ、ナノワイヤ、金属フレーク、金属粉、金属繊維、金属メッシュを含む。いくつかの態様では、導電性フィラーは導電性高分子を含んでもよい。適切な電気的活性導電性高分子の例は、限定されるものではないが、ポリピロール、ポリアニリン、ポリフェニレン、ポリチオフェン、およびポリアセチレンから成る群から選択される電気的活性および導電性高分子を含む。当業者に公知の他の導電性材料も導電性フィラーとして用いることができる。存在する場合、導電性フィラーの量は、カソード活性層の2から30重量%の範囲で存在してもよい。カソードは、他の添加剤をさらに含んでもよく、限定されるものではないが、金属酸化物、アルミナ、シリカ、および遷移金属カルコゲナイドを含んでもよい。
カソードはバインダーも含んでもよい。カソード内の他の材料に対して不活性である限りにおいて、バインダー材料の選択範囲は広くてよい。いくつかの態様では、バインダー材料は高分子状材料でもよい。高分子バインダー材料の例は、限定されるものではないが、ポリ(ビニリデンフルオライド)(PVDF)、PVF、およびヘキサフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレンとそれとの二元共重合体および三元共重合体等のポリビニリデンフルオライド系ポリマー、ポリ(ビニルフルオライド)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ポリブタジエン、シアノエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースおよびスチレン−ブタジエンゴムとのブレンド、ポリアクリロニトリル、エチレン−プロピレン−ジエン(EPDM)ゴム、エチレンプロピレンジエン三元共重合体、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ポリイミドまたはエチレン−ビニルアセテート共重合体を含む。いくつかのケースでは、バインダー材料は、水系流体媒体に実質的に可溶性であってもよく、限定されるものではないが、セルロース誘導体、典型的にはメチルセルロース(MC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)およびヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリアクリル酸塩、ポリアクリルアミド(PA)、ポリビニルピロリドン(PVP)およびポリエチレンオキサイド(PEO)を含む。ある一連の態様では、バインダー材料は、ポリ(エチレン−co−プロピレン−co−5−メチレン−2−ノルボルネン)(EPMN)であり、ポリスルフィドを含む電池成分に対しては化学的に中性(例えば、不活性)である。紫外線硬化性アクリレート、紫外線硬化性メタクリレート、および熱硬化性ジビニルエーテルも用いることができる。存在する場合、バインダーの量は、カソード活性層の2〜30重量%の範囲である。いくつかの態様では、本明細書に記載されたカソードは、導電性多孔質支持構造体、および該支持構造体の空孔内に実質的に保持される硫黄(例えば、活性種として)を含む複数の粒子を含む。
いくつかの態様は、装置の特性を向上させるために力が加えられる、多層構造体および/または電気化学装置を含んでもよい。電気化学電池において力を加えることの利点は、例えば、以下のもの記載されている:2009年8月4日に出願され、公開番号が米国特許公開第2010/0035128で名称が「電気化学電池における力の印加」である米国特許出願第12/535,328号;2010年3月19日に出願され、名称が「リチウムバッテリー用カソード」である米国特許出願第12/727,862号;2010年8月24日に出願され、名称が「硫黄を含む多孔質構造体を含む電気化学電池」である米国特許出願第12/862、581号;2010年8月24日に出願され、名称が「硫黄を含む多孔質構造体を含む電気化学電池」である米国特許出願第12/862、563号;2010年8月24日に出願され、名称が「硫黄を含む多孔質構造体を含む電気化学電池」である米国特許出願第12/862、551号;2010年8月24日に出願され、名称が「硫黄を含む多孔質構造体を含む電気化学電池」である米国特許出願第12/862、576号。例えば、電気化学電池(および/または多層構造体)への力を加えることは、1つまたは複数の電極の1つまたは複数の面の凹凸の量を減らすことができるので、電池のサイクル寿命や特性を向上させることができる。いくつかの例では、電極の中の導電性材料(例えば、カソードの中のカーボン)の間の導電性を向上させることもできる。いくつかの態様では、本明細書に記載された多層構造体および/または電気化学電池は、非導電性材料層厚さ、電極間隔、および/または本明細書に記載されている範囲内の圧力となる力を印加している間の、本明細書に記載された非導電性材料層の特性、および/または本明細書に記載された力の印加方法のいずれかを用いること、のいずれかを含む。
いくつかの態様では、力の成分が電極(例えば、リチウムアノード等のアノード)の活性面に対して垂直になるように異方的な力を加えることができる。図1Dに示すように、力を矢印181の方向に加えてもよい。矢印182は、界面150Aにおいて電極140の活性面に対しおよび界面150Bにおいて電極142の活性面に対し垂直な、力の成分を示している(界面122の上部と底部における電極112の活性面だけでなく)。湾曲面、例えば、凹面または凸面の場合、力が加えられる点で湾曲面に接する平面に対して垂直な成分を有する異方的な力を含んでもよい。
いくつかの態様では、アノードの活性面に対して垂直な成分を有する異方的な力が、電気化学電池の充電時および/または放電時の少なくとも1つの期間の間に加えられてもよい。いくつかの態様では、1つの期間にわたって、あるいは時間および/または回数が変化する複数の期間にわたって力が連続的に加えられてもよい。いくつかのケースでは、1つまたは複数の所定の場所、必要に応じてアノードの活性面全体に分散された場所に異方的な力が加えられてもよい。いくつかの態様では、アノードの1つまたは複数の活性面に対して均一に異方的な力が加えられてもよい。
「異方的な力」には、当該分野における通常の意味が与えられており、すべての方向に対して均等ではない力を意味する。すべての方向に対して均等な力は、例えば、流体または材料内の流体または材料の内部圧力であり、例えば物体の内部ガス圧力である。すべての方向に対して均等ではない力の例は、特定の方向に向けられた力を含み、例えば、テーブル上の物体からテーブルに対して重力により加えられる力である。異方的な力の別の例は、物体の周囲に配置されたバンドにより加えられる力を含む。例えば、ゴムバンドまたは締め金具は、それが巻かれた物体の周囲に力を加えることができる。しかし、バンドは、バンドと接触していない物体の外面の部分に対しては直接力を加えていない。さらに、バンドが第2軸よりも第1軸に沿ってより大きく伸ばされた時、バンドは、第2軸に平行に加えられた力よりも第1軸に平行な方向に大きな力を加えることができる。
面、例えばアノードの活性面に対して「垂直な成分」を有する力は、当該分野における当業者が理解できるであろう通常の意味が与えられており、例えば、面に対して実質的に垂直な方向に対して少なくとも一部が加えられる力を含む。当業者は、これらの用語の他の例を、特に本書類の記載の範囲内で適用されているように理解できる。
いくつかの態様では、電気化学電池(および/または多層構造体)の断面を規定する平面内のすべての方向において、力の大きさが実質的に均等になるように、異方的な力が加えられるが、面外方向における力の大きさは、面内方向における力の大きさと実質的に同じではない。
ある一連の態様では、本明細書に記載された電池(それは本明細書に記載された多層構造体を含むことができる)は、電池の充電および/または放電の際の少なくとも1つの期間の間、アノードの活性面に対して垂直な成分を有する異方的な力を加えることができように、組立てられおよび配置されている。当業者はこの意味を理解するであろう。そのような配置では、電池(および/または多層構造体)は、「負荷」によりそのような力を加える容器の一部として形成されてもよく、その「負荷」は、電池の組立前または組立後に加えられるか、あるいは電池自身の1つまたは複数の部分の膨張および/または収縮の結果として電池の使用時に加えられる。
いくつかの態様では、本明細書に記載された電気化学電池は、異方的な力が加えられている間(例えば、電気化学電池の充電時および/または放電時等の使用の間並びに本明細書に記載されたいずれかの異方的な力が加えられている間)は、短絡しないように作製され得る。いくつかの態様では、本明細書に記載された電気化学電池は、少なくとも1回、少なくとも2回、少なくとも5回、少なくとも10回、少なくとも50回、または少なくとも100回の充電および放電のサイクルにわたり、使用している間および異方的な力が加えられている間は、短絡しない。本明細書で用いているように、「充電および放電のサイクル」は、電池が0%から100%充電状態(SOC)へ充電され、および100%から0%SOCへ放電されるプロセスを指す。当業者は、例えば、開放電圧(OCV)を測定することにより、電気化学電池が短絡しているかどうかを決定できるであろう。いくつかの態様では、少なくとも1回、少なくとも2回、少なくとも5回、少なくとも10回、少なくとも50回、または少なくとも100回の充電および放電のサイクルにわたり(例えば、本明細書に記載されたいずれかの異方的な力が加えられている間)、1V/時間より大きい開放電圧の低下が起きないように(あるいは100mV/時間より大きい、10mV/時間より大きい、1mV/時間より大きい、または0.1mV/時間より大きいOCVの低下が起きないように)、本明細書に記載された電気化学電池は運転され得る。
印加される力の大きさは、いくつかの態様では、十分大きく、電気化学電池の特性を向上させることができる。いくつかの例では、異方的な力がアノード活性面の表面形状に影響を与えて、充電および放電を通してアノード活性面の面積が増加することを防止するように、および異方的な力が存在しない以外は実質的に同じ条件において、充電および放電のサイクルを通してアノード活性面の面積が大きく増加するように、アノード活性面および異方的な力が、共に選択されてもよい。本文脈における「実質的に同じ条件」とは、力の適用および/または大きさ以外は類似または同じである条件を意味する。例えば、それ以外が同じ条件とは、対象電池に対して異方的な力を印加することができるように組立てられていない(例えば、ブラケットまたは他の接続部材により)点以外は同じ電池(および/または多層構造体)を意味する。
いくつかの態様では、電池の充電および/または放電の少なくとも1つの期間、異方的な力が加えられていない場合の表面積の増加と比較して、アノード活性面の表面積の増加を防止するのに十分な範囲まで、アノードの活性面に垂直な成分を有する異方的な力が加えられる。アノード活性面に対して垂直な異方的な力の成分は、例えば、少なくとも約4.9、少なくとも約9.8、少なくとも約24.5、少なくとも約49、少なくとも約78、少なくとも約98、少なくとも約117.6、少なくとも約147、少なくとも175、少なくとも約200、少なくとも約225、または少なくとも約250N/cmの圧力を規定してもよい。いくつかの態様では、アノード活性面に垂直な異方的な力の成分は、例えば、約250未満、約225未満、約196未満、約147未満、約117.6未満、約98未満、約49未満、約24.5未満、または約9.8N/cm未満の圧力を規定してもよい。いくつかのケースでは、アノード活性面に対して垂直な異方的な力の成分は、約4.9〜約147N/cm、約49〜約117.6N/cm、約68.6〜約98N/cm、約78〜約108N/cm、約4.9〜約250N/cm、約49〜約250N/cm、約80〜約250N/cm、約90〜約250N/cm、または約100〜約250N/cmの圧力を規定してもよい。特定の態様に基づけば、異方的な力を加えること(本明細書で説明したいずれかの圧力を規定する)は、上述のように、電気化学電池の短絡を引き起こすものではない(例えば、電気化学電池の充電および/または放電等の使用の間)。いくつかの態様では、電気化学電池に対して、異方的な力を加えられている状態で(本明細書に記載されたいずれかの圧力を規定する)、短絡を起こすことなく、少なくとも1回、少なくとも2回、少なくとも5回、少なくとも10回、少なくとも50回、または少なくとも100回の充電および放電のサイクルを行うことができる。いくつかの態様では、力または圧力は、本明細書に記載されたように、電池に外から加えられる。力と圧力は、本明細書では、それぞれNおよびN/単位面積で一般的に記載されているが、力と圧力は、それぞれ、重量キログラム(kgf)と重量キログラム/単位面積で表すこともできる。当業者は重量キログラム系単位に慣れており、1重量キログラムが約9.8Nに相当することを理解するであろう。
いくつかの態様では、外部印加(いくつかの態様では一軸性)圧力の適用により、サイクルの間に電極層の表面の質を向上させることができる(例えば、リチウムの場合、リチウムの苔状または粗い表面の発生を低減または除去することができる)。外部印加圧力は、いくつかの態様では、電極材料層を形成する材料の降伏応力よりも大きくなるように選択されてもよい。例えば、リチウムを含む電極材料の場合、少なくとも約8kgf/cm、少なくとも約9kgf/cm、または少なくとも約10kgf/cmの圧力を与える成分を有する外部印加圧力を電池に加えてもよい。これは、リチウムの降伏応力が約7〜8kgf/cmであるからである。したがって、この値よりも大きい圧力(例えば、一軸性圧力)の場合、苔状Liを、または少しの表面粗さでも、低減または抑制することができる。リチウムの表面粗さは、それに押し付ける表面を真似てもよい。したがって、少なくとも約8kgf/cm、少なくとも約9kgf/cm、または少なくとも約10kgf/cmの外部印加圧力の下でサイクルを繰り返すと、加圧する表面が平坦であると、サイクルの繰り返しとともに、リチウムの表面がより平坦となる。本明細書に記載されているように、アノードとカソードとの間に配置される材料に適切な材料を選択することにより、加圧する表面を変更することができる。例えば、いくつかのケースでは、本明細書に記載されている非導電性材料層を用いることにより、圧力を印加している間に、リチウム表面(または別の活性電極材料の表面)の平坦性を増加させることができる。
いくつかのケースでは、電池に印加される1つまたは複数の力は、アノードの活性面に対して垂直ではない成分を有している。例えば、図1では、界面150Aにおける電極140の活性面および界面150Bにおける電極142の活性面に対して、力184は垂直ではない。ある一連の態様では、アノード活性面に垂直な方向において印加されるすべての異方的な力の成分の合計は、アノード活性面に垂直でない方向における成分の合計よりも大きい。いくつかの態様では、アノード活性面に垂直な方向において印加されるすべての異方的な力の成分の合計は、アノード活性面に平行な方向における成分の合計よりも、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約35%、少なくとも約50%、少なくとも約75%、少なくとも約75%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約99%、または少なくとも約99.9%大きい。
いくつかの態様では、カソードとアノードは降伏応力を有し、アノードの活性面およびカソードの活性面の一方の面に垂直に印加された異方的な力が、カソードとアノードの一方の表面形態に影響を与えるように、カソードおよびアノードの一方の有効な降伏応力が、他方の降伏応力よりも大きい。いくつかの態様では、アノード活性面に垂直な異方的な力の成分が、アノード材料の降伏応力の約20%から約200%の間、アノード材料の降伏応力の約50%から約120%の間、アノード材料の降伏応力の約80%から約120%の間、アノード材料の降伏応力の約80%から約100%の間、アノード材料の降伏応力の約100%から約300%の間、アノード材料の降伏応力の約100%から約200%の間、またはアノード材料の降伏応力の約100%から約120%の間である。
本明細書に記載された異方的な力は、いずれかの公知の方法を用いて加えることができる。いくつかの態様では、圧縮バネを用いて力を加えてもよい。他の要素(内部型または外部型の抑制構造体のいずれか)を用いて力を加えてもよく、該他の要素は、限定されるものではないが、その中には、皿ネジ、小ネジ、空気圧式装置、および/または重りを含む。いくつかのケースでは、抑制構造体の中に挿入する前、電池を予め圧縮してもよく、電池が一旦抑制構造体の中に挿入されると、電池は膨張して電池に対して実効的な力を与える。そのような力を加えるための適切な方法は、例えば、2008年8月5日に出願され、名称が「電気化学電池における力の印加」である、スコルディリス−ケリーらの米国仮出願第61/086,329号や、2009年8月4日に出願され、名称が「電気化学電池における力の印加」である、スコルディリス−ケリーらの米国特許出願第12/535,328号に詳細に記載されており、それらのすべての内容は出典明示により本明細書に組み入れられる。
本明細書に記載された多層構造体および電気化学電池を作製する既存の方法は、電気化学電池の中に最終的に組み入れられる基材の上に電極成分を堆積させることを含んでいる。電極作製プロセスに適合させるために、基材は通常十分な厚さを有し、および/または適切な材料で形成されている。例えば、リチウム金属を電気的活性材料として含む電極の作製は、比較的高温および高速でのリチウム金属の真空蒸着を含んでもよいが、基材を特定の材料から製造するか、あるいは基材が十分な厚さを有していない限り、基材が変形する可能性がある。しかしながら、そのような作製工程に適したいくつかの基材は、基材が電池の中に組み入れられる場合、最後には電池の特性を低下させる。例えば、厚い基材は変形を防ぎ、その結果、電気活性材料の厚い層の堆積を可能とするがことができるが、電池の比エネルギー密度を減少させる。また、電気化学電池の中に組み入れられた特定の基材が、サイクルの間に化学種と悪い方向に反応する場合もある。これらの問題を改善するために、本明細書に記載された特定の態様は、基材から電極の一部を分離するための剥離層を用いる電極の作製方法を含んでもよく、電気化学電池への電極の組み込みの間または組み込み後に電極から取り除くことができる。例えば、図2は、多層構造体を折り畳む前に基材110が取り除かれた電気化学電池の模式断面図を含んでいる。この一連の態様では、電極112との電気接触は集電体210を介して行うことができる。集電体210は、例えば、剥離層により、または剥離層の上に配置された別の層(例えば、金属の薄層)により形成することができる。有利な点としては、基材を電気化学電池の中に組み入れる場合と比較して、電極を作製する時に、よりさまざまな基材および/またはより厳しい作製条件を用いることが可能となる点である。電気化学電池から基材を取り除くことにより、サイクルの間に電池内で起きる好ましくない反応の数を減らすこともできる。
本明細書に記載されたいくつかの態様では、電極または電気化学電池は1つまたは複数の剥離層を含んでいる。本明細書に記載された剥離層は、以下の特徴の1つまたは複数を持つように組み立てられおよび配置されている:第1層(例えば、集電体、あるいは別の態様における基材または他の層)に対しては相対的に優れた付着力を有する一方、第2層(例えば、基材、あるいは別の態様における集電体または他の層)に対しては相対的に並みまたは弱い付着力を有する;機械的に分解することなく層間剥離を促進する高い機械的安定性;高い熱安定性;および作製条件に対する適合性(例えば、剥離層を形成するために用いる技術との適合性だけでなく、剥離層の上面への層の堆積)。剥離層を電気化学電池の中に組み入れれば、剥離層を薄くして(例えば、約10ミクロン未満)、バッテリー全体の重量を減らすことができる。剥離層の上面への均一な層の形成を促進するために、剥離層を平坦にし、その厚さを均一にする必要がある。また、電気化学電池が高い電気化学的「容量」またはエネルギー貯蔵能力を持つように(例えば、容量減衰の低減)、剥離層は電解質の中で安定である必要があり、および電極の構造的一体性を妨げない必要がある。電気化学電池の1つまたは複数の部材から基材を取り除くための剥離層の使用については、2010年8月24日に出願され、名称が「電気化学電池用剥離システム」である、米国特許出願第12/862,513号に詳細に記載されている。
基材および/または剥離層を、例えば、金属、セラミック、高分子、またはそれらの組み合わせで形成してもよい。基材および/または剥離層自体が、導電性、半導電性、または絶縁性でもよい。いくつかの態様では、基材および/または剥離層は、導電性金属または導電性高分子を含んでもよい。例えば、電気化学電池の中に組み入れられた後で剥離層が集電体としても働く場合には、以下に詳しく記載するように、集電体として用いるのに適した材料で剥離層を形成してもよい。いくつかの態様では、基材および/または剥離層は高分子材料を含む。いくつかのケースでは、基材および/または剥離層の高分子材料の少なくとも一部が架橋され、別のケースでは、高分子材料は実質的に非架橋である。高分子材料の例は、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ビニルアセテート−ビニルアルコール共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、およびビニルアルコール−メチルメタクリレート共重合体等の水酸基含有高分子を含む。
剥離層の厚さは、約0.1〜約50ミクロンの範囲で変化してもよい。例えば、剥離層の厚さは、0.1〜1ミクロン、0.1〜2ミクロン、0.1〜3ミクロン、1〜5ミクロン、5〜10ミクロン、5〜20ミクロン、または10〜50ミクロンでもよい。ある態様では、剥離層の厚さは、例えば、約10ミクロン以下、約7ミクロン以下、約5ミクロン以下、約3ミクロン以下、約2.5ミクロン以下、約2ミクロン以下、約1.5ミクロン以下、約1ミクロン以下、または約0.5ミクロン以下である。剥離層が電気化学電池の中に組み込まれない場合(例えば、キャリア基材とともに剥離される)には、比較的厚い剥離層が使用には適しており、剥離層が電気化学電池の中に組み込まれる場合には、比較的薄い剥離層が望ましい。
さらに、基材は適切な厚さを持つことができる。例えば、基材の厚さは、約5ミクロン以上、約15ミクロン以上、約25ミクロン以上、約50ミクロン以上、約75ミクロン以上、約100ミクロン以上、約200ミクロン以上、約500ミクロン以上、または約1mm以上でもよい。いくつかのケースでは、基材は、該基材上に形成される剥離層の厚さと同じまたはそれより大きい厚さを有する。最終の組立済電気化学電池の中に基材が組み込まれない場合には(例えば、電池を作製している間に剥離層を用いて剥離される)、比較的厚い基材が使用に適している。ある態様では、基材が電気化学電池の中に組み込まれ、およびいくつかの例では比較的厚い基材を用いることが望ましい。
電気化学電池および/または多層構造体は、適切な集電体を含んでもよい。いくつかの例では、集電体は、電気化学電池および/または多層構造体の内部で、電極に直接隣接するように配置されている。集電体は、電極の全域から発生する電流を効率的に集電し、外部回路に繋がる電気接点取り付けのための効率的な表面を提供する点で有用である。様々な集電体が公知である。適切な集電体は、例えば、金属箔(例えばアルミニウム箔)、高分子フィルム、金属被覆高分子フィルム(例えば、アルミ被覆ポリエステルフィルム等のアルミ被覆プラスチックフィルム)、導電性高分子フィルム、導電性被膜を有する高分子フィルム、導電性金属被膜を有する導電性高分子フィルム、および分散された導電性粒子を有する高分子フィルムを含む。
いくつかの態様では、集電体は、アルミニウム、銅、クロム、ステンレスおよびニッケル等の1つまたは複数の導電性金属を含む。例えば、集電体は、銅金属層を含んでもよい。必要に応じて、チタン等の別の導電性金属層を銅層の上に設けてもよい。チタンは、電気活性材料層等の別の材料への銅層の付着を促進することができる。別の集電体は、例えば、エクスパンドメタル、金属メッシュ、金属グリッド、エクスパンドメタルグリッド、金属ウール、炭素繊維織布、炭素繊維織物メッシュ、炭素繊維非織物メッシュ、およびカーボンフェルトを含む。また、集電体は電気化学的に不活性でもよい。しかし、別の態様では、集電体は電気活性材料を含んでもよい。例えば、集電体は、電気活性材料層として用いられる材料(例えば、本明細書に記載されたアノードまたはカソード)を含んでもよい。
集電体を、積層、スパッタリング、および蒸着等のいずれか適切な方法を用いて表面(例えば、剥離層の表面)上に配置してもよい。いくつかのケースでは、集電体は、電気化学電池および/または多層構造体部材と積層された商業的に入手可能なシートとして提供される。別のケースでは、適切な表面の上に導電性材料を堆積させることにより、電極の作製時に形成される。
集電体は適切な厚さを持つことができる。例えば、集電体の厚さは、例えば、0.1〜0.5ミクロン、0.1〜0.3ミクロン、0.1〜2ミクロン、1〜5ミクロン、5〜10ミクロン、5〜20ミクロン、または10〜50ミクロンでもよい。ある態様では、集電体の厚さは、例えば、約20ミクロン以下、約12ミクロン以下、約10ミクロン以下、約7ミクロン以下、約5ミクロン以下、約3ミクロン以下、約1ミクロン以下、約0.5ミクロン以下、または約0.3ミクロン以下である。いくつかの態様では、電極作製時に剥離層を用いることにより、非常に薄い集電体の形成または使用が可能となり、電池(および/または多層構造体)の全体の重量を減らすことができ、それにより、電池のエネルギー密度を増加させることができる。
いくつかの態様では、複数の多層構造体を重ねて積層することができ、それにより、単一の多層構造体に比べて、高電圧(例えば、直列接続の場合)、または高容量および高電流運転(例えば、並列接続の場合)の電気化学バッテリーを形成できる。例えば、図3に示す一連の態様では、2つの多層構造体を重ねて積層することによりスタック300を形成している。いくつかの態様では、多層構造体のスタックは、少なくとも2個、少なくとも3個、少なくとも4個、少なくとも5個、少なくとも10個、少なくとも50個、少なくとも100個、またはそれより多い多層構造体を含んでもよい。
2010年8月24日に出願され、名称が「電気化学電池用非導電性材料」である米国仮特許出願第61/376,554は、そのすべての開示内容はあらゆる目的で出典明示によりすべて本明細書に組み入れられる。さらに、以下の文献は、そのすべての開示内容はあらゆる目的で出典明示によりすべて本明細書に組み入れられる:2001年5月23日に出願され、名称が「電気化学電池用リチウムアノード」である米国特許第7,247,408;1996年3月19日に出願され、名称が「リチウムポリマーバッテリー用安定化アノード」である米国特許第5,648,187号;1997年6月7日に出願され、名称が「リチウムポリマーバッテリー用安定化アノード」である米国特許第5,961,672;1997年5月21日に出願され、名称が「新規複合カソード、新規複合カソードを含む電気化学電池、およびその作製方法」である米国特許第5,919,587号;2006年4月6日に出願され、米国特許公開第2007−0221265号として公開され、名称が「充電可能なリチウム/水、リチウム/空気バッテリー」である米国特許出願第11/400,781号;2008年7月29日に出願され、国際公開第WO/2009017726として公開され、名称が「リチウムバッテリーにおける膨潤防止」である、国際出願第PCT/US2008/009158号;2009年5月26日に出願され、米国特許公開第2010−0129699として公開され、名称が「電解質の分離」である米国特許出願第12/312,764号;2008年10月23日に出願され、国際公開第WO/2009054987として公開され、名称が「バッテリー電極用プライマー」である国際特許出願第PCT/US2008/012042号;2008年2月8日に出願され、米国特許公開第2009−0200986として公開され、名称が「エネルギー貯蔵デバイスの保護回路」である米国特許出願第12/069,335号;2006年4月6日に出願され、米国特許公開第2007−0224502として公開され、名称が「充電可能リチウムバッテリーを含む、水系および非水系の電気化学電池の両方における電極保護」である米国特許出願第11/400,025号;2007年6月22日に出願され、米国特許公開第2008/−318128として公開され、名称が「リチウム合金/硫黄バッテリー」である米国特許出願第11/821,576号;2005年4月20日に出願され、米国特許公開第2006−0238203として公開され、名称が「リチウム硫黄充電可能バッテリー燃料ゲージシステムおよび方法」である米国特許出願第11/111,262号;2007年3月23日に出願され、米国特許公開第2008−0187663として公開され、名称が「重合性モノマーおよび非重合性担体溶媒/塩混合物/溶液の共フラシュ蒸発」である米国特許出願第11/728,197号;2008年9月19日に出願され、国際公開第WO/2009042071として公開され、名称が「リチウムバッテリー用電解質添加物および関連方法」である国際特許出願第PCT/US2008/010894号;2009年1月8日に出願され、国際公開第WO/2009/089018として公開され、名称が「多孔質電極および関連方法」である国際特許出願第PCT/US2009/000090号;2009年8月4日に出願され、米国特許公開第2010/0035128として公開され、名称が「電気化学電池における力の印加」である米国特許出願第12/535,328号;2010年3月19日に出願され、名称が「リチウムバッテリー用カソード」である米国特許出願第12/727,862号;2009年5月22日に出願され、名称が「密閉試料ホルダーおよび制御された雰囲気環境における微量分析の実施方法」である米国特許出願第12,471,095;2010年8月24日に出願され、名称が「電気化学電池用剥離システム」である米国特許出願第12/862,513号(2009年8月24日に出願され、名称が「電気化学電池用剥離システム」である米国仮特許出願第61/236,322号に対して優先権を主張する);2010年8月24日に出願され、名称が「硫黄含有多孔質構造体を含む電気化学電池」である米国特許出願第12/862,581号(代理人整理番号:S1583.70024US01);2010年8月24日に出願され、名称が「硫黄含有多孔質構造体を含む電気化学電池」である米国特許出願第12/862,563号(代理人整理番号:S1583.70029US00);2010年8月24日に出願され、名称が「硫黄含有多孔質構造体を含む電気化学電池」である米国特許出願第12/862,551号(代理人整理番号:S1583.70030US00);2010年8月24日に出願され、名称が「硫黄含有多孔質構造体を含む電気化学電池」である米国特許出願第12/862,576号(代理人整理番号:S1583.70031US00);2010年9月22日に出願され、名称が「低電解質電気化学電池」である米国特許出願第61/385,343号;2011年2月23日に出願され、名称が「エネルギー貯蔵装置用多孔質構造体」である米国特許出願第13/033,419号;2010年8月24日に出願され、名称が「電気化学電池」である米国特許出願第12/862,528号;2011年6月17日に出願され、名称が「電極用メッキ方法」である米国仮特許出願第61/498,339号。本明細書に開示された他のすべての特許および特許出願も、そのすべての開示内容はあらゆる目的で出典明示によりすべて本明細書に組み入れられる。
以下の実施例は、本発明の特定の態様を示すことを意図するものであり、本発明のすべての範囲について例示するものではない。
実施例1.
本実施例は、非導電性材料層で被覆され、折り畳まれて電池を形成する電極、を含む電気化学電池の作製および使用について記載している。本実施例では、リチウムアノードと硫黄カソードが用いられた。
非導電性材料で被覆されたアノードを製造するために、厚さ0.1ミクロンの導電性の銅層を、厚さ50ミクロンのポリエチレンテレフタレート(PET)基材の上に堆積させた。さらに、厚さ25ミクロンのリチウム層をその構造体の上に真空蒸着した。次に、厚さ9ミクロンの高分子/SiO複合体の非導電性材料でスタック材料を被覆した。その非導電性材料複合体は、以下の組成の混合物を塗布および紫外線硬化させることにより作製した:グリシジルブチルエーテル(83.5重量%)、ビスフェノールF10(10重量%)、光開始剤PC−2506(2重量%)、およびTS−720シリカ(4.5重量%)。上記の組成の混合物の層を塗布した後、試料をウェブ速度3ft/分で紫外線の下を通過させた。被覆および硬化させた層を一旦乾燥し、電気抵抗測定に供した。表面を研磨した面積47cmの銅ブロックを被覆された面の上に置いた。銅ブロックとリチウムアノードに接続されたマルチメータは、開回路または抵抗(例えば、10Ωより大きい抵抗)を示した。厚さ9ミクロンの層の場合、以下の式を用いて計算することにより、5.22×1010Ωmの電気抵抗に換算された。
比抵抗=(抵抗・面積)/(厚さ)
非導電性材料で被覆されたアノードを折り畳んで、図4Aに示すアノード構造体を形成した。リチウムの被覆されていない面は積層して、非導電性材料で両面が被覆されたアノードと、折り畳まれた縁部に沿った保護された縁部を形成した(図4Aの400)。折り畳まれ積層されたアノードの片面にカソードを配置して、図4Aに示すサンドイッチ構造体を形成した。カソードは厚さ7ミクロンのアルミ箔の上に塗布され、以下の組成を有していた:55重量%硫黄、20重量%XE−2カーボン、20重量%バルカンカーボン、および5重量%PVOHバインダー。カソード単位面積当たりの硫黄担持量は、1.85mg/cmであった。電極の活性面積は、図4Bに示す上面図に示されており、36.8cm(2×36.8mm×50mm)であった。乾燥電池の運転時には、オーム計は開回路または100MΩ(>10Ω)を超える抵抗を示した。測定された大きな抵抗は、電極アセンブリが、自己放電により容量損失をもたらすことになる短絡がないということを示した。
乾燥Li−S電池を、液体電解質(4%硝酸リチウム、8%リチウムビス−(トリフルオロメタンスルホン)イミド、1%硝酸グアニジニウム、および0.4%硝酸ピリジニウムの43.8%1,2−ジメトキシエタンおよび43.8%1,3−ジオキソラン溶液)で活性化させた。電解質で電池を活性化させた後、電池を24時間以上浸漬した。この間、アノード表面に塗布された高分子層は電解質を吸収して、イオン導電性となる。浸漬後、10kg/cmの圧力を加えた状態で、放電電流13.7mAおよび充電電流7.8mAで充放電サイクルを行った。電池は、850〜950mAh/g硫黄の放電比容量を与えた。
比較例1.
本比較例では、縁部が保護されていないアノードを含む電気化学電池を作製し、試験した。被覆されたアノードは、実施例1で説明したと同様の材料と厚さを有していた。しかしながら、本比較例では、2つのアノードの片面を塗布し、それらを折り畳むのではなく積層してアノードを作製した。得られたアノードは折り畳まれた縁部を含まず、そのため、図5に示すように、アノード/非導電性材料の複合体の周囲に沿ってアノード材料が露出していた。硫黄カソードは、実施例1に記載されたと同様の材料および方法を用いて製造した。積層されたアノードと2つのカソードは、図5の模式断面図に示すように、サンドイッチ構造の中に組み込まれた。
図5に示すように組み立てられた電気化学電池を圧縮および試験に供した。電池の上に0.1kgの重りを置くと、66Ωの抵抗が測定された。1.6kgの重りを用いると、抵抗はちょうど5.5Ωとなった。これらの抵抗値は、電池が運転時に短絡が存在することを示した。その抵抗値は、電解質で活性されてからほんの数分で電解質が容量のすべてを失うであろうことを示している。
実施例2.
本実施例は、非導電性材料層で被覆され、折り畳まれて電池を形成する電極を含む電気化学電池の作製および使用について記載している。本実施例では、リチウムアノードと硫黄カソードを用いた。
非導電性材料で被覆されたアノードを製造するため、厚さ0.2ミクロンの導電性の銅層を、厚さ50ミクロンのポリエチレンテレフタレート(PET)基材の上に堆積させた。さらに、その構造体の上に厚さ25ミクロンのリチウム層を真空蒸着した。ジメチルスル
ホキシド(DMSO)中にポリビニルアルコール(セルボル425)(55重量%)とリチウムビス−(トリフルオロメチルスルフォン)イミド(45重量%)を含む複合体をリチウムの上面に塗布した。非導電性材料の厚さは25ミクロンであった。
上記の非導電性材料で被覆されたアノード、カソードおよびセパレータを含むバッテリーを実施例1に記載したと同様の方法で組み立てた。厚さ7ミクロンのプライム(primed)アルミ箔の上にカソードを塗布し、カソードは以下の組成を有していた:55重量%硫黄、20重量%XE−2カーボン、20重量%バルカンカーボン、および5重量%PVOHバインダー。カソード単位面積当たりの硫黄担持量は1.85mg/cmであった。電極の活性面積は、36.8cm(2×36.8mm×50mm)であった。乾燥Li−S電池を、液体電解質(4%硝酸リチウム、8%リチウムビス−(トリフルオロメタンスルホン)イミド、1%硝酸グアニジニウム、および0.4%硝酸ピリジニウムの43.8%1,2−ジメトキシエタンおよび43.8%1,3−ジオキソラン溶液)で活性化させた。電解質で電池を活性化させた後、電池を24時間以上浸漬した。この間、アノード表面に塗布された高分子層は電解質を吸収して、イオン導電性となる。浸漬後、10kg/cmの圧力を加えた状態で、放電電流13.7mAおよび充電電流2mAで充放電サイクルを行った。電池は、1040〜1060mAh/g硫黄の放電比容量を与えた。
本明細書には本発明の複数の態様が記載および図示されているが、当業者は、本明細書に記載されている機能を実施でき、および/または結果および/または1つまたは複数の利点を得ることのできるいろいろな他の手段および/または構造を容易に予想でき、およびそのような変形例および/または改良例は本発明の範囲に含まれるものである。さらに一般的には、当業者であれば、本明細書に記載されているすべてのパラメータ、大きさ、材料、および配置が例示であり、実際のパラメータ、大きさ、材料および/または配置は、本発明の教示が用いられる特定の用途または用途群に依存することを容易に理解するであろう。当業者であれば、通常の実験により、本明細書に記載された特定の態様についての多くの等価物を認識でき、あるいは確認できる。したがって、前述の態様は単に例として提示されたものであり、添付の請求の範囲およびそれの等価物の範囲内であれば、特に記載されおよび請求されたものと別のやり方で本発明を実施してもよい。本発明は、本明細書に記載された、それぞれの個々の特徴、システム、物品、材料、キット、および/または方法に関するものである。また、2つまたはそれを超える、それらの特徴、システム、物品、材料、キット、および/または方法の組み合わせは、もしそれらの特徴、システム、物品、材料、キット、および/または方法が相互に矛盾しなければ、本発明の範囲内に含まれる。
本書類の明細書および請求の範囲で使用されている不定冠詞の「1つ」および「1つ」は、それと異なると指摘されない限りは、「少なくとも1つ」を意味すると理解されるべきである。
本書類の明細書と請求の範囲で使用されている「および/または」という句は、結合した要素の「いずれかまたは両方」を意味すると理解されるべきであり、すなわち、ある例では複数の要素が結合して存在し、別の例では複数の要素が分離して存在する。「および/または」で羅列された複数の要素も同様に解釈されるべきであり、すなわち、結合した要素の「1つまたは複数」と解釈されるべきである。特に認定された要素に関係するかまたは関係しないかにより、「および/または」の句で特に認定された要素以外の要素も必要に応じて存在してもよい。したがって、限定されない例として、「「含む」のような限定のない表現と一緒に用いられる場合、「Aおよび/またはB」への言及は、ある態様では、Aのみ(B以外の要素を必要に応じて含む)を意味し、別の態様では、Bのみ(A以外の要素を必要に応じて含む)を意味し、さらに別の態様では、AとBの両方(他の要素を必要に応じて含む)を意味する。
本書類の明細書と特許請求の範囲で使用されている、「または」は、先に定義された「および/または」と同じ意味を有している。例えば、リストの中の用語を分ける時、「または」あるいは「および/または」は、包含的なものと理解されるべきであり、すなわち、多数の要素または要素のリストの少なくとも1つを含むだけでなく、複数も含み、および必要に応じてリストにない追加の要素を含む。反対であると明確に指摘された用語のみ、例えば、「1つのみ」または「厳密に1つの」または、クレームに用いられる場合、「のみから成る」は、多数の要素または要素のリストの中の厳密に1つの要素が含まれることを意味する。一般に、本書類で用いられる「または」の用語は、「いずれか」、「1つの」、「1つのみ」または「厳密に1つの」等の包含的な用語が先立つ場合、包含的な選択(例えば、1つまたは別のもので両方ではない)を意味するものとだけ解釈されるべきである。「実質的に・・から成る」がクレームで用いられる場合、特許法の分野で用いられる通常の意味を有する。
本書類の明細書と特許請求の範囲で使用されている、1つまたは複数の要素のリストに関して「少なくとも1つ」の句は、要素のリスト中のいずれか1つまたは複数の要素から選択された少なくとも1つの要素を意味するものと理解されるべきであり、要素のリストの中に特に挙げられた各要素およびすべての要素の少なくとも1つを含むことは必ずしも必要ではなく、要素のリストの中の要素の組み合わせを排除するものでもない。この定義では、特に認定されたそれら要素に関係するかあるいは関係しないかに応じて、「少なくとも1つの」の句が言及する要素の中で特に認定された要素以外にも要素が必要に応じて存在することを許容するものである。したがって、限定されるものではないが、「AおよびBの少なくとも1つ」(または同等に、「AまたはBの少なくとも1つ」、または同等に、「Aおよび/またはBの少なくとも1つ」)は、ある態様では、少なくとも1つ、Aを含み、必要に応じて1つより多く含むがBは含まない(および必要に応じてB以外の要素を含む)ことを意味し、また別の態様では、少なくとも1つ、Bを含み、必要に応じて1つより多く含むがAは含まない(および必要に応じてA以外の要素を含む)ことを意味し、さらに別の態様では、少なくとも1つ、Aを含み、必要に応じて1つより多く含み、その場合Bを含み(および必要に応じて他の要素を含む)ことを意味する、等である。
上記の明細書だけでなく、特許請求の範囲において、「有する」、「含む」「保持する」、「持つ」、「含有する」、「包含する」、「保有する」、「構成される」等のすべての移行句は、非限定的であると理解されるべきであり、すなわち、含むことを意味するがそれに限定されない。「から成る」および「実質的に・・から成る」の移行句だけは、米国特許庁特許審査便覧2111.3節に規定されているように、それぞれ限定的または半限定的な移行句である。

Claims (83)

  1. 非導電性材料層と、該非導電性材料層から離れて配置された電極面を有し、第1電極面部分と第2電極面部分を規定する、実質的に連続している電極とを含む多層構造体を用意すること、および該第1電極面部分が該第2電極面部分に対向するように軸に沿って該多層構造体を折り畳むこと、を含む方法。
  2. 前記非導電性材料層と前記電極が接触している請求項1記載の方法。
  3. 前記非導電性材料層と前記電極が、それらの間に少なくとも1つの中間材料を含む請求項1記載の方法。
  4. 前記の多層構造体を用意することが、互いに隣接するように前記非導電性材料層と前記電極とを配置して多層構造体を形成することを含む請求項1記載の方法。
  5. 前記電極がアノードである請求項1記載の方法。
  6. 前記電極がカソードである請求項1記載の方法。
  7. 前記の互いに隣接するように前記非導電性材料層と前記電極とを配置することが、前記非導電性材料層を前記電極の上に形成することを含む請求項4記載の方法。
  8. 露出された電極面の第1部分が、露出された電極面の第2部分と接触している請求項1記載の方法。
  9. 露出された電極面の第1部分が、露出された電極面の第2部分と離間している請求項1記載の方法。
  10. 露出された被覆面の少なくとも一部に隣接して第2電極を配置することをさらに含み、第1電極が第1の極性を有し、第2電極が、第1の極性とは反対の第2の極性を有する請求項1記載の方法。
  11. 前記電極が基材の上に形成されている請求項1記載の方法。
  12. 前記基材が導電性である請求項11記載の方法。
  13. 第1電極および/または第2電極の活性面に垂直な成分を含む異方的な力を加えることをさらに含む請求項10記載の方法。
  14. 第1電極と第2電極との間に少なくとも約1ボルトの電圧を加えた時に、第1電極と第2電極との間の電気抵抗が少なくとも約100Ωである請求項13記載の方法。
  15. 前記の異方的な力が、少なくとも約4.9N/cmの圧力を与える請求項13記載の方法。
  16. 多層構造体であって、該構造体のバルクの切断部が、
    第1の極性を有する第1電極層部分、
    第1の極性と反対の第2の極性を有する第2電極層部分、
    第1の極性を有する第3電極層部分、
    第1電極層部分と第2電極層部分との間の第1非導電性材料層部分、および
    第2電極層部分と第3電極層部分との間の第2非導電性材料層部分を含み、
    非導電性材料からなる第3部分により、第1非導電性材料層部分と第2非導電性材料層部分とが直接接続され、第1電極層部分と第2電極層部分との間の平均距離および/または第2電極層部分と第3電極層部分との間の平均距離が約100ミクロン未満である、該多層構造体。
  17. 第1非導電性材料層部分、第2非導電性材料層部分および第3非導電性材料層部分が、それぞれ、実質的に連続な非導電性材料層の一部である請求項16記載の多層構造体。
  18. 前記の電極層部分の少なくとも1つがアノードの一部である請求項16記載の多層構造体。
  19. 前記アノードがリチウムを含む請求項18記載の多層構造体。
  20. 第1電極層部分と第3電極層部分がアノードの一部であり、第2電極層部分がカソードの一部である請求項16記載の多層構造体。
  21. 前記の電極層部分の少なくとも1つがカソードの一部である請求項16記載の多層構造体。
  22. 前記カソードが硫黄を含む請求項21記載の多層構造体。
  23. 第1電極層部分と第3電極層部分がカソードの一部であり、第2電極層部分がアノードの一部である請求項16記載の多層構造体。
  24. 第1電極層部分と第2電極層部分の間の平均距離が約100ミクロン未満である請求項16記載の多層構造体。
  25. 第1電極層部分と第2電極層部分の間の平均距離が約50ミクロン未満である請求項16記載の多層構造体。
  26. 第1電極層部分と第2電極層部分の間の平均距離が約20ミクロン未満である請求項16記載の多層構造体。
  27. 第1電極層部分と第2電極層部分の間の平均距離が約10ミクロン未満である請求項16記載の多層構造体。
  28. 第1電極層部分と第2電極層部分の間の平均距離が約5ミクロン未満である請求項16記載の多層構造体。
  29. 第1電極層部分と第2電極層部分の間の平均距離が約1ミクロン未満である請求項16記載の多層構造体。
  30. 第2電極層部分と第3電極層部分の間の平均距離が約100ミクロン未満である請求項16記載の多層構造体。
  31. 第2電極層部分と第3電極層部分の間の平均距離が約50ミクロン未満である請求項16記載の多層構造体。
  32. 第2電極層部分と第3電極層部分の間の平均距離が約20ミクロン未満である請求項16記載の多層構造体。
  33. 第2電極層部分と第3電極層部分の間の平均距離が約10ミクロン未満である請求項16記載の多層構造体。
  34. 第2電極層部分と第3電極層部分の間の平均距離が約5ミクロン未満である請求項16記載の多層構造体。
  35. 第2電極層部分と第3電極層部分の間の平均距離が約1ミクロン未満である請求項16記載の多層構造体。
  36. 第1非導電性材料層部分および/または第2非導電性材料層の少なくとも1つが、第1電極層部分、第2電極層部分および/または第3電極層部分の少なくとも1つと共有結合で結合されている請求項16記載の多層構造体。
  37. 第1非導電性材料層部分および/または第2非導電性材料層の少なくとも1つが、第2電極層部分と共有結合で結合されている請求項36記載の多層構造体。
  38. 第1非導電性材料層部分および/または第2非導電性材料層の少なくとも1つが、第2電極層部分の上に形成された被膜を含んでいる請求項16記載の多層構造体。
  39. 第1非導電性材料層部分および/または第2非導電性材料層の少なくとも1つが、ポリマーを含んでいる請求項16記載の多層構造体。
  40. 第2電極層部分の2つの部分の間に集電体をさらに含んでいる請求項16記載の多層構造体。
  41. 前記集電体が、基材を含み、該基材の上には第2電極層が形成されている請求項40記載の多層構造体。
  42. 第1電極層部分および第2電極層部分の少なくとも1つが、前記の非導電性材料層と電気的に接触している請求項16記載の多層構造体。
  43. 第1電極層部分および第2電極層部分の少なくとも1つが、前記の非導電性材料層から離間している請求項16記載の多層構造体。
  44. 前記多層構造体が電気化学電池の一部である請求項16記載の多層構造体。
  45. 前記多層構造体が充電可能なバッテリーの一部である請求項16記載の多層構造体。
  46. 第1電極層、第2電極層、および/または第3電極層の活性面に垂直な成分を含む異方的な力が前記多層構造体に加えられるように構成されている請求項16記載の多層構造体。
  47. 第1電極層と第2電極層との間に少なくとも約1ボルトの電圧が印加された時、第1電極層と第2電極層との間の電気抵抗が少なくとも約100Ωである請求項46記載の多層構造体。
  48. 前記の異方的な力が、少なくとも約4.9N/cmの圧力を与えるものである請求項46記載の多層構造体。
  49. 第1の極性を有する第1電極部分、
    第1の極性とは反対の第2の極性を有する第2電極部分、
    第1の極性を有する第3電極部分、および
    第1電極部分と第2電極部分との間の第1部分と、第2電極部分と第3電極部分との間の第2部分と、第1部分および第2部分と直接接触する第3部分とを含み、実質的に連続な、非導電性材料層を含み、
    第1電極層部分と第2電極層部分との間の平均距離および/または第2電極層部分と第3電極層部分との間の平均距離が約100ミクロン未満である、電気化学電池。
  50. 前記の非導電性材料層が、乾燥時に、少なくとも約10Ω・mの電気抵抗を有する請求項49記載の電気化学電池。
  51. 第1電極部分および第3電極部分がアノードの一部であり、第2電極部分がカソードの一部である請求項49記載の電気化学電池。
  52. 第1電極部分および第3電極部分がカソードの一部であり、第2電極部分がアノードの一部である請求項49記載の電気化学電池。
  53. 第1電極部分と第2電極部分との間の平均距離が約100ミクロン未満である請求項49記載の電気化学電池。
  54. 第2電極部分と第3電極部分との間の平均距離が約100ミクロン未満である請求項49記載の電気化学電池。
  55. 前記非導電性材料層が第2電極部分に共有結合で結合されている請求項49記載の電気化学電池。
  56. 非導電性材料層が、第2電極部分の上に形成された被膜を含む請求項49記載の電気化学電池。
  57. 第1電極部分、第2電極部分、および第3電極部分の少なくとも1つが、前記非導電性材料層と接触している請求項49記載の電気化学電池。
  58. 第1電極部分および第2電極部分の少なくとも1つが実質的に平面である請求項49記載の電気化学電池。
  59. 第1電極、第2電極、および/または第3電極の活性面に垂直な成分を含む異方的な力が前記電気化学電池に加えられるように構成されている請求項49記載の電気化学電池。
  60. 使用時においては、前記の異方的な力が加えられている間は、前記電気化学電池は短絡しない請求項59記載の電気化学電池。
  61. 前記の異方的な力が、少なくとも約4.9N/cmの圧力を与えるものである請求項59記載の電気化学電池。
  62. 以下のものを含む電気化学電池:
    第1基材面部分と、該第1基材面部分とは対向しない第2基材面部分とを有する基材;
    第1基材面部分と隣接する第1部分と、第2基材面部分と隣接する第2部分とを有する第1電極;
    第1電極の第1部分に対向する第1面部分と、第2電極の第1面部分とは対向しない第2面部分とを有する第2電極;および
    第1電極の第1部分と第2電極の第1面部分との間の第1の部分、第1電極の第2面部分に隣接する第2の部分、および第1部分と第2部分に直接接触する第3の部分を有し、実質的に連続な非導電性材料層。
  63. 第1電極層と第2電極層との間に少なくとも約1ボルトの電圧が印加された時、前記電気化学電池の電気抵抗が少なくとも約100Ωである請求項62記載の電気化学電池。
  64. 前記基材が導電性である請求項62記載の電気化学電池。
  65. 第1電極が前記基材と接触している請求項62記載の電気化学電池。
  66. 第1電極と前記基材との間に少なくとも1つの中間材料が配置されている請求項62記載の電気化学電池。
  67. 前記非導電性材料層が第1電極と接触している請求項62記載の電気化学電池。
  68. 前記非導電性材料層が、第1電極の上に配置された実質的に連続な層を含む請求項62記載の電気化学電池。
  69. 第1電極および/または第2電極の活性面に垂直な成分を含む異方的な力が前記電気化学電池に加えられるように構成されている請求項62記載の電気化学電池。
  70. 使用時においては、前記の異方的な力が加えられている間は、前記電気化学電池は短絡しない請求項69記載の電気化学電池。
  71. 前記の異方的な力が、少なくとも約4.9N/cmの圧力を与えるものである請求項69記載の電気化学電池。
  72. 記載された順番で配置された以下の層部分を含むとともに、同じまたは異なる材料から成り記載された層の間に介在するいくつかの他の層を必要に応じて含む多層構造体を有する電気化学電池であって、第2電極層部分と第3電極層部分は、単一で、実質的に連続な電極の一部分であり、第1の極性を有する電極部分は、第2電極層部分と第3電極層部分の間に介在するように配置されていない、該電気化学電池:
    第1の極性を有する第1電極層部分;
    第2の極性を有する第2電極層部分;
    第2の極性を有する第3電極層部分;および
    第1の極性を有する第4電極層部分。
  73. 第1電極層部分と第2電極層部分との間に非導電性材料層部分をさらに含む請求項72記載の電気化学電池。
  74. 第3電極層部分と第4電極層部分との間に非導電性材料層部分をさらに含む請求項72記載の電気化学電池。
  75. 第1電極層部分と第2電極層部分との間の第1非導電性材料層部分と、第3電極層部分と第4電極層部分との間の第2非導電性材料層部分とをさらに含む請求項72記載の電気化学電池。
  76. 第1非導電性材料層部分と第2非導電性材料層部分とが直接接続されている請求項75記載の電気化学電池。
  77. 第1非導電性材料層部分と第2非導電性材料層部分が、それぞれ、実質的に連続な層の一部である請求項75記載の電気化学電池。
  78. 第2電極層部分と第3電極層部分との間に第1基材部分をさらに含む請求項72記載の電気化学電池。
  79. 第1基材部分と第2電極層部分との間に第2基材部分をさらに含む請求項78記載の電気化学電池。
  80. 第1基材部分と第2基材部分が、それぞれ、実質的に連続な基材の一部である請求項75記載の電気化学電池。
  81. 第1電極層部分、第2電極層部分、第3電極層部分、および/または第4電極層部分の活性面に垂直な成分を含む異方的な力が前記電気化学電池に加えられるように構成されている請求項72記載の電気化学電池。
  82. 使用時においては、前記の異方的な力が加えられている間は、前記電気化学電池は短絡しない請求項81記載の電気化学電池。
  83. 前記の異方的な力が、少なくとも約4.9N/cmの圧力を与えるものである請求項81記載の電気化学電池。
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