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JP2013518260A - Gnss受信機用ナビゲーション・データ・ビット同期システム、方法、およびコンピュータ・プログラム - Google Patents

Gnss受信機用ナビゲーション・データ・ビット同期システム、方法、およびコンピュータ・プログラム Download PDF

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Abstract

本発明は、GNSS受信機のためのナビゲーション・データ・ビット同期に関し、更に特定すると、正確なナビゲーション・データ・ビット同期を素早く行うように動作可能なソフトウェア・ベースのGNSS受信機に関する。これは、GNSS受信機のためのナビゲーション・データ・ビット同期システム、方法、およびコンピュータ・プログラムを提供する。本システムは、GNSS衛星から受信された1つ以上のデータ・サンプルにおいて1つ以上の指標を検出するように動作可能なナビゲーション・ビット同期エンジンを含む。ナビゲーション・ビットの位置は、1つ以上の指標から導き出すことができる。ビット同期エンジンは、(i)概略サーチ・ユーティリティ、(ii)通常サーチ・ユーティリティ、(iii)詳細サーチ・ユーティリティ、および(iv)ビット・エッジ予測ユーティリティの内1つ以上を含むことができる。
【選択図】図3

Description

関連出願に対する相互引用
本願は、2010年1月27日に出願された米国仮特許出願第61/298,713号の優先権を主張する。この出願をここで引用したことにより、その内容全体が本願にも含まれるものとする。
発明の分野
本発明は、GNSS受信機用のナビゲーション・データ・ビット同期に関する。更に特定すれば、本発明は、精度が高いナビゲーション・データ・ビット同期を素早く達成するように動作可能なGNSS受信機に関する。
従来技術
グローバル・ナビゲーション衛星システム(GNSS)技法は、受信機において位置/速度/時刻(PVT)を判定するために用いられる。GNSS受信機は、PVTを判定するために、空間ベースのナビゲーション信号を取り込み、処理し、復号する。GNSSは、米国の汎地球測位システム(GPS)、ロシアのGLONAAシステム、ヨーロッパ連合のGALILEOシステム、中国のBEIDOU/COMPASSシステム、および任意の他の同様の衛星システムを含む。
従来のGPS受信機は、RF回路と、位置/速度/時刻(PVT)処理のためにGPSスペクトル拡散信号を取り込み、抽出し、ダウン・コンバートし、復調する専用ベースバンド・プロセッサとを含む。従来のGPS受信機は、通常、位置を判定するときに、4機以上のGPS衛星から送信される信号の到達時刻を計算する。各衛星は、それ自体の天体歴データおよび衛星クロック・パラメータを含むナビゲーション・メッセージを送信する。
従来のGPS受信機は、リアル・タイムでGPSナビゲーション・メッセージを取り込み、追跡し、復号する。このナビゲーション・メッセージは、暦/天体歴パラメータ、非常に精度が高いタイム・ラグ、衛星クロック補正、大気モデル/補正、および受信機によるPVT判定に必要な他の情報というような情報を含む。
一方では、ソフトウェア・ベースのGPS受信機が、最新GNSS受信機の開発における進化段階として開発されている。専用ベースバンド・プロセッサを使用する代わりに、ソフトウェア・ベースのGNSS受信機技術(ソフトウェア定義無線機またはSDRとしても知られている)は、中央処理ユニット(CPU)またはディジタル信号プロセッサ(DSP)というような汎用プロセッサにおいてソフトウェアを使用してGPS信号を抽出し、ダウン・コンバートし、復調し、処理するために、RF回路のみを採用する。その考えは、好都合となるようにプロセッサをアンテナに近づけて位置付け、受信したI/Qサンプルをプログラマブル・エレメントに送り、受信機位置を計算するためにディジタル信号処理技法を応用することである。ソフトウェア・ベースのGNSS受信機は、魅力的な解決策である。何故なら、これらはGPSプロトコルにおける進歩を受け入れて利用するために、容易に調整できる(scale)からである。例えば、近い将来、GNSSプロトコルは複数の追加信号を有することになり、これらを測位、ナビゲーション、および時刻測定(timing)に利用することができる。通例、ソフトウェア受信機は、新たな信号処理の包含に対処するにはソフトウェア・アップグレードだけで済むが、ハードウェア・ベース受信機のユーザは、これら新たな信号にアクセスするためには新たなハードウェア・コンポーネントを購入しなければならない。ソフトウェア・ベースGPS受信機の他の利点には、迅速な開発時間、コスト効率、および注目すべき柔軟性が含まれる。
従来の受信機が受信機の位置を計算するためには、リアル・タイムのナビゲーション・メッセージ・データを必要とする。取り込みの間、受信機は、受信機に見ることができる衛星を特定することができる。衛星が受信機に見える場合、受信機はその周波数および符号位相を判定することができる。符号位相は、粗い取り込み(C/A)符号が開始する現在のデータ・ブロックにおけるポイントを示す。C/A符号は、擬似ランダム・シーケンスであり、ミリ秒毎に1回それ自体を繰り返す。このように、符号位相は、1msによって変調された擬似範囲測定値の残余、またはミリ秒バイアスの未知の整数による擬似範囲測定値として扱うこともできる。
従来のソフトウェア・ベースのGPS受信機は、その受信機の位置を計算するために精度の高い時間遅れを得るには、リアル・タイム・ナビゲーション・メッセージ・データも必要とする。従来のハードウェア・ベースGPS受信機と同様、従来のソフトウェア・ベースGPS受信機のアーキテクチャも、追跡ループ・コンポーネントをホストする。このコンポーネントは、通例、遅延ロック・ループ(DLL)および位相ロック・ループ(PLL)を含む。
信号が適正に追跡されているとき、C/A符号およびキャリア波が除去されて、ナビゲーション・メッセージ・データ・ビットのみが残る。GPSナビゲーション・メッセージの1フレームは30秒続く。したがって、GPSナビゲーション・メッセージの完全な1フレームを得るためには、30秒以上かかることになる。ナビゲーション・メッセージを突き止めるためには、ナビゲーション・データ・ビット同期を実行する必要がある。
ナビゲーション・データ・ビット同期は、追跡ループがロックされた後に実行されればよい。多くの要因に依存して、ナビゲーション・データ・ビット同期には1秒までの時間がかかることがあり、一方ナビゲーション・データ・フレーム同期は6秒までの時間がかかることがある。更に、受信した信号が弱いときには、ナビゲーション・データ・ビット同期が可能でない場合もある。GPS信号が弱いという問題に対処するために、従来のGNSS受信機は、取り込みおよび追跡の双方において、コヒーレント積分期間の長さを延長することができる。しかしながら、ナビゲーション・データ・ビットの遷移があると、最大コヒーレント積分時間が20msに制限されてしまい、場合によっては、多くのアプリケーションには不十分となる。屋内ナビゲーションというような用途に対して受信機の感度を高めるために、20msよりも長い時間期間にわたってコヒーレント積分を実行することが望ましい。
各C/A符号期間の開始は、取り込みの後にわかるが、20C/A符号期間から成るナビゲーション・データ・ビットの開始はわからない。したがって、従来のGPS受信機のナビゲーション・データ・ビットには、ナビゲーション・データ・ビットのオフセットの曖昧さが生ずる。この曖昧さは、ナビゲーション・データ・ビットの開始および終了の知識が欠けることによって生ずる。想定したナビゲーション・データ・ビットが実際のナビゲーション・データ・ビットと正確に揃わない場合、GPS測位ができないか、または余分な誤差が生の測定値およびPVT結果に混入する可能性がある。
Motorola Inc.(モトローラ社)の米国特許第6,934,322号は、GNSS受信機がナビゲーション・データ・ビット同期を達成するためのシステムおよび方法を開示する。この同期方法は、コヒーレントおよび非コヒーレント積分双方を採用して、ナビゲーション・データ・ビットの遷移を検出する。しかしながら、非コヒーレント積分は、コヒーレント積分において平方損(squaring loss)を有する。また、この方法は、ナビゲーション・データ・ビットの遷移を検出するために、コヒーレントおよび非コヒーレント積分のピーク値を使用する。しかしながら、この開示されたシステムおよび方法は、GPS信号に生ずるノイズや干渉に対処するときには、効率が低く、計算負荷が大きく、性能が低い。
したがって、追跡ループを必要とせずに高精度のナビゲーション・データ・ビット同期を素早く実行するように動作することができ、効率が高く計算負荷が少なくて、高い性能のソフトウェアの実現を可能にする、実現可能なGNSS受信システムを提供することが求められている。
本開示は、GNSS受信機のためのナビゲーション・データ・ビット同期システム、方法、およびコンピュータ・プログラムに関する。
一実施形態では、GNSS受信機のためのデータ・ビット同期システムを提供する。このシステムは、プロセッサおよびメモリにアクセスすることができ、GNSS衛星から受信したデータ・サンプルによって1つ以上の指標を検出するように動作可能なナビゲーション・ビット同期エンジンを含む。ナビゲーション・ビットの位置は、1つ以上の指標から導出することができる。
これに関して、本発明の少なくとも1つの実施形態を詳細に説明する前に、本発明は、その応用において、以下の説明において解説し図面に示すコンポーネントの構造の詳細や配置に限定されないことは理解されてしかるべきである。本発明は、他の実施形態も可能であり、種々の方法で実施および実行することができる。また、本明細書において使用される表現や語句は、説明の目的のためであり、限定と見なしてはならないことも理解されてしかるべきである。
図1は、一実施形態によるシステムを示す。 図2は、粗いサーチを利用して取り込まれた2つのデータ集合SおよびSを示す。 図3は、ノイズの影響を考慮しない場合における10msデータ集合のGPS信号の相関ピークを示す。 図4は、ナビゲーション・データ・ビットの遷移位置の判定を示す。
本開示は、GNSS受信機のためのナビゲーション・データ・ビット同期システム、方法、およびコンピュータ・プログラムに関する。これは、GNSS受信機が高精度のナビゲーション・データ・ビット同期を素早く達成することを可能にする。この解決策は、ソフトウェアまたはハードウェアで実現可能であり、通常従来のGNSS受信機では必須である追跡ループを必要とせずに実現可能である。典型的なRF回路によって収集されたI/Qサンプルを処理することによって、ナビゲーション・データ・ビット同期を実行するために、ビット同期エンジンが設けられる。単純なハードウェア設計および最適化された技法のために、ビット同期エンジンの総電力消費は非常に少なく、場合によっては無視できる程であり、したがって、極一般に市販されているGNSS受信機の設計にでも実現可能である。一実施形態例によれば、このナビゲーション・データ・ビット同期技法は、コヒーレント積分時間を延長するのに役立ち、したがって多くの新たな用途を可能にする。
ビット同期エンジンは、GNSS衛星から受信したデータ・サンプルによって、1つ以上の指標を検出するように動作可能である。ナビゲーション・ビットの位置は、1つ以上の指標から導き出すことができる。ビット同期エンジンは、概略サーチ・ユーティリティ、通常サーチ・ユーティリティ、および詳細サーチ・ユーティリティを含むことができる。1つ以上の指標は、相関ピーク、符号位相、取り込みマージン、キャリア対ノイズ比、または他の指標の内任意のものとすることができる。ビット同期エンジンは、所定の長さを有する複数の重複データ・サンプル集合を得るように動作可能な概略サーチ・ユーティリティを含むことができる。これらのデータ・サンプル集合は、それらの重複ゾーン内においてナビゲーション・データ・ビット遷移を有する。これらのデータ・サンプル集合の1つは、これらのデータ・サンプル集合の他のものに対して、所定の長さ未満の時間だけ遅らせることができる。更に、ビット同期エンジンは、2つの重複するデータ・サンプル集合の相関ピークに基づく機能によって、近似ビット遷移位置を計算するように動作する通常サーチ・ユーティリティも含むことができる。更に、ビット同期エンジンは、符号位相を近似ビット遷移位置から除去することによって、正確なビット遷移位置を計算するように動作可能な詳細サーチ・ユーティリティも含むことができる。更に、ビット同期エンジンは、正確なビット遷移位置から20ms先にスキップし、次いで予測されたナビゲーション・データ・ビット・エッジから符号位相を除去することによってドリフトを補償し、こうすることによって、次のナビゲーション・データ・ビットの開始でもある、次のナビゲーション・データ・ビット・エッジを予測するように動作可能なビット・エッジ予測ユーティリティも含むことができる。
以下の説明では、ソフトウェア・ベースの(またはハードウェア・ベースの)GPS受信機のために実現可能なビット同期エンジンについて論ずる。しかしながら、本発明は、ロシアのGLONASSシステム、ヨーロッパ連合のGALILEOシステム、中国のBEIDOU/COMPASSシステム、および複数の衛星が正確な規準周波数を知っている任意の他の同様の衛星システムというような、他のGNSSシステムにも容易に実施可能であることは言うまでもない。
図1は、本発明によるシステムを示す。本発明は、信号インターフェース3にリンク可能なビット同期エンジン1、および/または更にRF回路5およびGPSアンテナ7にリンクすることができる記憶手段2を含むことができる。RF回路は、ダウン・コンバーティング、信号コンディショニング/フィルタリング、自動利得制御、およびアナログGPS衛星信号のI/Qサンプルへのアナログ/ディジタル変換を行うように動作可能とすることができる。信号インターフェース3は、例えば、USBインターフェースとしてもよく、I/Qサンプルをビット同期エンジンに送ることができる。ビット同期エンジンは、I/QサンプルをRF回路から信号インターフェースおよび/または記憶手段を介して受け取ることができる。また、I/Qサンプルを信号インターフェースと記憶手段との間で受け渡すこともできる。
また、本システムは、分散型計算システムとして実現することもでき、例えば、ネットワークによってサーバ・デバイスにリンクされているクライアント・デバイスを含み、サーバ・デバイスは処理機能を提供することができる。サーバ・デバイスにおいてI/Qサンプルが処理される場合、ビット同期エンジンはナビゲーション・データ・ビット・エッジを予測するためには非常に少ないI/Qサンプルしか必要としないので、クライアント・デバイスとサーバ・デバイスとの間には、非常に少ない帯域幅があればよい。ビット同期エンジンは、リアル・タイムでまたはほぼリアル・タイムで動作することができ、あるいは、例えば、スタティック、低ダイナミックおよび高ダイナミック用途のために後処理を可能にすることができる、記憶手段に更にリンクすることもできる。
I/Qサンプルは、(a)任意のGNSS衛生信号受信機(ハードウェアまたはソフトウェア・ベース)の追跡ループ、(b)GNSS RFIC、(c)GNSS RFフロント・エンド、(d)アナログ/ディジタル変換器(ADC)を使用した直接RFサンプリング、または(e)I/Qサンプルを得るための任意の他の手段から得ることができる。
また、I/Qサンプルは、RF回路から直接収集し、1ms毎に等しく分割して処理することもできる。取り込みの間、符号位相およびドプラ周波数シフト測定値を、わずか1msのI/Qサンプルで得ることができる。しかしながら、衛星信号のナビゲーション・データ・ビット遷移が1msのサンプルデータの間で行われた場合、取り込みにおいて、その衛星信号の符号位相およびドプラ周波数シフト測定値双方が得られない可能性がある。ナビゲーション・データ・ビット同期を行うことによって、1msのI/Qサンプル毎に符号位相およびドプラ周波数シフト測定値双方を得ることができ、こうして1,000Hzの独立した生の測定値およびPVT解(PVT solution)を得ることができる。
ビット同期エンジンは、生成毎にナビゲーション・データ・ビット遷移を検出する。衛星信号に対してナビゲーション・データ・ビット遷移の位置を判定した後、この衛星信号のナビゲーション・データを除去、または補償することができる。
ナビゲーション・データ・ビット遷移を検出するには、複数の技法を使用することができる。ヒストグラム方法は、ナビゲーション・データ・ビット遷移を検出するには最も普及している方法であり、20msのナビゲーション・データを20個の1msのC/A符号期間に分割する。この方法は、連続するC/A符号期間のコヒーレント積分値間における符号変化を検出し、その特定の符号期間に対応するビンにおいてカウントを増すことによって、これらの符号変化を記録する。符号オフセットは、ヒストグラムにおいて、予め指定されている上側しきい値を超えるピークから判定することができる。ノイズがなければ、ピークは真のオフセット値のみに現れる。しかしながら、ノイズの存在のために、ピークが真の符号オフセット以外のビンに現れる可能性があり、このために、ヒストグラム方法は機能しない場合もある。
ビット同期エンジンは、本発明による方法を実施して、ナビゲーション・データ・ビット遷移を効率的にそしてロバストに検出することができる。
ビット同期エンジンは、(i)概略サーチ・ユーティリティ、(ii)通常サーチ・ユーティリティ、(iii)詳細サーチ・ユーティリティ、および(iv)ビット・エッジ予測ユーティリティの内1つ以上を含むことができる。
正および負対一致方法
「正および負対一致」方法は、ナビゲーション・データ・ビット遷移を検出するために使用することができる。
この「正および負一致」方法が開始すると、何らかの数値を有する2つ以上のエレメントを含むデータ集合Sを2つの相補であるが互いに素なデータ集合AおよびBに分割する。
データ集合Aは、データ集合Sの内比較的小さな値を有するエレメントを含むことができ、一方データ集合Bは比較的大きな値を含むことができる。データ集合が分割された後、データ集合AおよびBを1つ以上の規準に対して検査することができる。
正および負対の中では、一方のデータ集合が、期待されるイベント(例えば、ナビゲーション・データ・ビット遷移の正的検出)が起こりそうであることを示す数値を含むことができる。この集合を「正」集合と呼ぶことができる。他方の集合は、期待されるイベントが起こりそうもないことを示す数値を含むことができる。この集合を「負」集合と呼ぶことができる。
例えば、Sが、以下に示すようなn個の要素(n≧2)を有するデータ集合とする。
maxおよびSminがそれぞれデータ集合Sにおける要素の最大値および最小値であるとすると、SmaxおよびSminの平均値は、次のように定めることができる。
データ集合Sは、単純な規則を使用して、データ集合AおよびBに分割することができる。例えば、データ集合Aは、データ集合SにおいてSavgよりも小さいあらゆる値を含むことができ、一方データ集合Bは、データ集合SにおいてSavg以上のあらゆる値を含むことができる。
データ集合AおよびBは、したがって、互いに素である。何故なら、これらは共通要素を有さず、これらの合同が集合Sとなるので、相補であるからである。
更に、データ集合AおよびBを1つ以上の規準に対して検査することができる。例えば、
(i)各集合は少なくとも1つの要素を有していなければならない。
(ii)「α」値が、予め定められたしきい値「Tα」よりも大きい。ここで、「α」は、集合Aまたは集合Bの内標準偏差が大きい方に依存して、これらのいずれかの標準偏差でSavgを除算したときの商として定められる。
(iii)「β」値が、予め定められたしきい値「Tβ」よりも大きい。ここで、「β」は、集合Aまたは集合Bの内平均値が大きい方に依存して、これらのいずれかの平均を、平均が小さい方の他方の集合の平均で除算したときの商として定められる。
(iv)「γ」値が、予め定められたしきい値「Tγ」よりも大きい。ここで、「γ」は、平均が大きい方の集合の平均として定められる。
α、Tβ、およびTγ値は、測定およびシステム誤差のレベルが一致するように構成できるとよい。例えば、Tα、Tβ、およびTγ値は、誤差が小さい場合には増加させ、誤差が大きいときには減少させるとよい。集合の中に1つしか要素がない場合、この集合の標準偏差を0とみなす。AおよびB双方の標準偏差が0である場合、α値を正の無限大と見なす。
全ての規準が満たされる場合、データ集合AおよびBを成功一致と呼ぶことができ、それ以外の場合、これらを失敗一致と呼ぶことができる。
概略サーチ・ユーティリティ
概略サーチ・ユーティリティは、重複ゾーンの中にナビゲーション・データ・ビット遷移を有する、2つの所定長の重複データ集合を得るために使用することができる。以下の論述では、相関ピークをナビゲーション・データ・ビット・ピークの位置を導くための指標として示すが、相関ピーク、符号位相、取り込みマージン、またはキャリア対ノイズ比を含む他の指標に基づいて、異なる機能も実装できることは言うまでもない。
データ集合の長さは、アルゴリズム全体が正しく実行されるように選択され、(i)データ集合の相関ピークを、そのデータ集合のナビゲーション・データ・ビット遷移に対する相対的座標の関数として大まかにモデリングし、(ii)ノイズを効果的に低減し、(iii)相関ピークを効率的に計算することによって、選択される。データ集合の長さは、経験的に10msに選択された。
例えば、概略サーチ・ユーティリティが10msデータ集合を「m」セット取り込む場合、このデータ集合の全長は、したがって、m×10msとなる。データ集合にナビゲーション・データ・ビット遷移が含まれる高い可能性を確保しつつ、不必要に高い計算負荷を回避するようにmを選択することが望ましいと考えられる。通例、mは3および10の間で選択するとよい。
図2は、概略サーチ・ユーティリティによって取り込まれた2つのデータ集合SおよびSを示す。データ集合Sは、10msデータ集合をmセットだけ含むことができ、以下のように表すことができる。
Sの開始における最初の5msを飛ばし、Sの終端における5msを更に収集することによって、新たなデータ集合、
を取り込むことができ、以下のように表される。
尚、= [Si, S2, S3 ・・・ Sm]の最初の5ms、および[Si , S2, S3 ・・・ Sm ]の最後の5msを除いて、数3は数5と重複することを注記しておく。
概略サーチ・ユーティリティは、GPS信号および任意の所与の衛星信号のローカルに生成された信号の相関ピークを、それらの親集合SおよびSの10msデータ集合毎に、計算することができる。
データ集合Sにおける所与のGPS信号の相関ピークは、次のように表すことができる。
同様に、データ集合Sにおける所与のGPS信号の相関ピークは、次のように表すことができる。
この新たなデータ集合Pは、「正および負対一致」を使用して処理することができる。Tαは、通例3よりも大きい経験値に設定するとよい。GPS信号がない場合、α値は規準を満たさないのであってよい。Tβは、通例1.5よりも大きい経験値に設定するとよい。ナビゲーション・データ・ビット遷移がSの全てのこれら10msデータ集合の外側にある場合、またはナビゲーション・データ・ビット遷移がSのこれら10msデータ集合の境界に近い場合、β値は規準を満たさない可能性がある。
が成功一致を有すると仮定すると、データ集合Aおよびデータ集合Bが生成される。この状況の下では、ナビゲーション・データ・ビット遷移は正データ集合Aにおいて起こる可能性が高く、ナビゲーション・データ・ビット遷移は負データ集合Bにおいて起こる可能性は低い。
最小相関ピーク値を有するデータ集合Aの10msデータ集合を、最初の10msデータ集合として選択することができる。しかしながら、SまたはSのいずれかが最初の10msデータ集合として選択された場合、概略サーチ・ユーティリティはもっと大きなm値で再開する必要がある。Sが最初の10msデータ集合として選択され、SがSでもSでもないと仮定すると、集合SのSi-1 またはS のいずれか、相関ピーク値が小さい方を、2番目の10msデータ集合として選択することができる。
これら2つの10msデータ集合は、ナビゲーション・データ・ビット遷移がこれら2つの集合の5msの重複ゾーンにおいて起こることを確保するように選択される。ナビゲーション・データ・ビット遷移を検出し突き止めるために、これら2つの10msデータ集合を通常サーチ・ユーティリティに受け渡し、概略サーチ・ユーティリティは終了することができる。
α値またはγ値のいずれかが規準を満たせなかったためにPが失敗一致を有する場合、概略サーチ・ユーティリティは異なる衛星信号に対して処理することを試みることができる。β値が規準を満たせなかったためにPが失敗一致を有する場合、データ集合Pと同様に、「正および負対一致」を使用してデータ集合P を処理することができる。
が成功一致を有すると仮定した場合、データ集合Aおよびデータ集合Bが生成される。最小相関ピーク値を有するデータ集合Aの10msデータ集合を、最初の10msデータ集合として選択するとよい。しかしながら、S1またはSmのいずれかが最初の10msデータ集合として選択された場合、概略サーチ・ユーティリティはもっと大きなm値で再開する必要がある。S が最初の10msデータ集合として選択され、S がS でもS でもないと仮定すると、集合SのSまたはSi+1のいずれか、相関ピーク値が小さい方を、2番目の10msデータ集合として選択することができる。
これら2つの10msデータ集合は、ナビゲーション・データ・ビット遷移がこれら2つの集合の5msの重複ゾーンにおいて起こることを確保するように選択される。ナビゲーション・データ・ビット遷移を検出し突き止めるために、これら2つの10msデータ集合を通常サーチ・ユーティリティに受け渡し、概略サーチ・ユーティリティは終了することができる。
が再度失敗一致を有する場合、概略サーチ・ユーティリティは、異なる衛星信号を処理することを試みることができる。全ての衛星信号を検査し終えて、概略サーチ・ユーティリティがこれらの全てで失敗した場合、概略サーチ・ユーティリティは現在のデータ集合SおよびSを破棄し、新たなデータ集合を収集し直して再開することができる。
通常サーチ・ユーティリティ
概略サーチ・ユーティリティからの結果に基づいて、通常サーチ・ユーティリティを使用して、その本当の位置から1ms(または1C/A符号期間)よりも高い典型的な精度で、ナビゲーション・データ・ビット遷移を突き止めることができる。
図3は、ノイズの影響を考慮しない場合の10msデータ集合のGPS信号の相関ピークを示す。10msデータ集合の中心がナビゲーション・データ・ビット遷移に向かってまたは離れるように動いているとき、ナビゲーション・データ・ビット遷移に対するその相対座標もそれにしたがって変化している。10msデータ集合の相関ピークは、10msデータ集合の中心の相対座標に、ナビゲーション・データ・ビット遷移の時刻に関して関係付けられている。ナビゲーション・データ・ビット遷移がこの10msデータ集合の外側に位置するとき、相関ピークは理論的に、図3では1に統一されている定数に近似することができる。ナビゲーション・データ・ビット遷移が10msデータ集合の内側に位置するとき、ナビゲーション・データ・ビット遷移に対する10msデータ集合の中心の相対座標の線形関数によって、相関ピークを大まかにモデリングすることができる。
図4は、ナビゲーション・データ・ビット遷移の位置をどのようにして判定するかを示す。x軸は、サンプリングされたデータSおよびSの時間を表し、原点は収集されたデータの開始点であり、y軸は相関ピーク値を表す。例えば、第1および第2の10msデータ集合の中心は、xおよびxであり、これらの相関ピーク値はyおよびyである。これら2つの点は、A(x,y)およびB(x,y)として表すことができる。
ナビゲーション・データ・ビット遷移は、選択された第1および第2の10msデータ集合の5ms重複エリアにおいて起こる。ナビゲーション・データ・ビット遷移を推定するために、点A’または点Aのx軸に対する対称点を(x,-y)に描き、これを(x,y)にある点Bに繋ぐ。点Cは、A’およびBを繋ぐ線のゼロ交差点として得ることができる。点Cのx座標が、ナビゲーション・データ・ビット遷移の推定位置となり、次のように表すことができる。
ここでx^は、ナビゲーション・データ・ビット遷移の位置の推定である。次のステップは、この推定値をリファインのために詳細サーチ・ユーティリティに受け渡すことである。
詳細サーチ・ユーティリティ
通常サーチ・ユーティリティの結果に基づいて、詳細サーチ・ユーティリティを使用して、その本当の位置から1μs(または1C/A符号チップ)よりも高い典型的な精度で、ナビゲーション・データ・ビット遷移を突き止めることができる。
2つの連続する1msデータ集合を、詳細サーチ・ユーティリティによってx^を中心として取り込むことができる。指定された衛星信号に対して2つの連続する1msデータ集合を取り込むときに、この衛星信号のナビゲーション・データ・ビット遷移を含まないかもしれない1msデータ集合が少なくとも1つある。詳細サーチ・ユーティリティは、これら2つの1msデータ集合を処理して、これらのドプラ周波数シフト、符号位相測定値、および取り込みマージンを得ることができる。これら2つの1msデータ集合の中で、取り込みマージンが大きい方を選択するとよく、そのドプラ周波数シフト、符号位相測定値、および取り込みマージンを格納することができ、一方他方の1msデータ集合のこれらは破棄することができる。
ナビゲーション・データ・ビット遷移の位置の遙かに正確な推定は、次によって求めることができる。
ここで、xはナビゲーション・データ・ビット遷移の位置の新たな推定値であり、φは格納された符号位相測定値(ミリ秒単位)である。ナビゲーション・データ・ビット遷移はC/Aシーケンスの開始においてのみ起こるので、詳細サーチ・ユーティリティは符号位相測定値をx^から除去することができる。
詳細サーチ・ユーティリティによって、3つの新たな1msデータ集合を取り込むことができる。最初の1msデータ集合は、xを中心とするとよい。2番目の1msデータ集合は、最初の1msデータ集合よりも1ms前にある位置を中心とするとよく、三番目の1msデータ集合は、最初の1msデータ集合よりも1ms後ろにある位置を中心とするとよい。
詳細サーチ・ユーティリティは、これら3つの1msデータ集合を処理して、それらの相関ピークを得ることができる。相関ピークは、データ集合[y,y,y]として表すことができる。この新たなデータ集合[y,y,y]は、「正および負対一致」を使用して処理することができる。詳細サーチ・ユーティリティは、通例3よりも大きい経験値にTβを設定するとよい。ナビゲーション・データ・ビット遷移がこれら1msデータ集合のいずれでも起こらない場合、このβ値は規準を満たしていないと考えられる。詳細サーチ・ユーティリティによって使用されるTβは、通例、概略サーチ・ユーティリティによって使用されるものよりも大きい。
成功一致が見いだされ、集合Aに属する1msデータ集合が1つしかない場合、この1つの1msデータ集合の中心は、詳細サーチ・ユーティリティによって得られたナビゲーション・データ・ビット遷移の位置であると見なすことができる。例えば、この1msデータ集合が最初の1msデータ集合である場合、xがナビゲーション・データ・ビット遷移の位置であると見なすことができる。この1msデータ集合が2番目の1msデータ集合である場合、(x-1ms)がナビゲーション・データ・ビット遷移の位置であると見なすことができる。この1msデータ集合が3番目の1msデータ集合である場合、(x+1ms)がナビゲーション・データ・ビット遷移の位置であると見なすことができる。次のナビゲーション・データ・ビットの開始に対応するナビゲーション・データ・ビット・エッジを予測するために、ナビゲーション・データ・ビット遷移の位置をビット・エッジ予測ユーティリティに受け渡すことができる。
全ての他の場合について、詳細サーチ・ユーティリティは終了することができ、概略サーチ・ユーティリティは再開することができ、概略サーチ・ユーティリティは、異なる衛星信号を処理することを試みることができる。
ビット・エッジ予測ユーティリティ
ビット・エッジ予測ユーティリティは、詳細サーチ・ユーティリティによって生成された現在の位置から前方に20msオフセット(1ナビゲーション・データ・ビットの長さ)だけスキップすることによって、ナビゲーション・データ・ビット・エッジ、または次のナビゲーション・データ・ビットの開始を予測するために使用することができる。ナビゲーション・データ・ビット・エッジは、次のように表すことができる。
ここで、xは予測されたナビゲーション・データ・ビット・エッジであり、xは詳細サーチ・ユーティリティによって生成されたナビゲーション・データ・ビット遷移の位置の予測であり、lは1ナビゲーション・データ・ビットの長さであり、eは予測されたナビゲーション・データ・ビット・エッジの誤差を表す。
ドプラ周波数シフト、受信機のクロック偏倚およびその他の誤差源のために、ナビゲーション・データ・ビットの長さが20msよりも長くなったりまたは短くなったりする可能性がある。したがって、予測されたナビゲーション・データ・ビット・エッジはその本当の位置からドリフトする可能性がある。しかしながら、符号位相測定値を用いると、このドリフトを反映することができる。
詳細サーチ・ユーティリティと同様、ビット・エッジ予測ユーティリティは2つの連続する1msデータ集合をxを中心として取り込むことができる。ビット・エッジ予測ユーティリティは、これら2つの1msデータ集合を生成し、これらのドプラ周波数シフト、符号位相測定値、および取り込みマージンを得ることができる。これら2つの1msデータ集合の中で、取り込みマージンが大きい方を選択するとよく、そのドプラ周波数シフト、符号位相測定値、および取り込みマージンを格納することができ、他方の1msデータ集合のこれらを破棄してもよい。
新たに予測されたナビゲーション・データ・ビット・エッジは、次の式から求めることができる。
ここでx ̄は最新の推定であり、φは格納されている符号位相測定値(ミリ秒単位)である。xから符号位相測定値を除去すると、予測されたナビゲーション・データ・ビット・エッジのドリフトを補償することができる。
一旦最初の予測ナビゲーション・データ・ビット・エッジが判定されたなら、これを用いて、次のナビゲーション・データ・ビット・エッジなどを予測することができる。ビット・エッジ予測ユーティリティは、再開することができ、x ̄、即ち、予測されたナビゲーション・データ・ビット・エッジを使用して、x、即ち、詳細サーチ・ユーティリティによって生成されたナビゲーション・データ・ビット遷移位置の推定を置き換えることができる。
拡張:高感度GNSS受信機
弱いGPS信号の問題に対処するために、従来のGNSS受信機は取り込みおよび追跡においてコヒーレント積分期間の長さを延長することができる。しかしながら、ナビゲーション・データ・ビット遷移の存在のために、最大コヒーレント積分期間の長さが20msに制限される。場合によっては、20msでは多くの用途には不十分なこともある。屋内ナビゲーションのような用途に対する受信機感度を高めるためには、20msよりも長い時間期間にわたってコヒーレント積分を実行することが望ましい。本発明によれば、ナビゲーション・データ・ビット同期技法が、コヒーレント積分時間を延長するのに役立ち、したがって多くの新たな用途を可能にする。
拡張:1,000Hz独立生データおよびPVT生成
取り込みの間、符号位相およびドプラ周波数シフト測定値の双方は、わずか1msのI/Qサンプルで得ることができる。しかしながら、衛星信号のナビゲーション・データ・ビット遷移が1msのI/Qサンプル・データの間で行われた場合、取り込みにおいて、その衛星信号の正しい符号位相およびドプラ周波数シフト測定値双方を得られない可能性がある。本発明は、ナビゲーション・データ・ビット同期を行なって、1msのI/Qサンプル毎に符号位相およびドプラ周波数シフト測定値双方を得ることによって、この問題を解決する。その結果、1,000Hzの独立した生の測定値およびPVT解を得ることができる。
つまり、一態様では、GNSS受信機のためのナビゲーション・データ・ビット同期システムを提供する。このシステムは、アナログGNSS信号をI/Qサンプルにアナログ/ディジタル変換するように動作可能なRF回路と、プロセッサおよびメモリにアクセスすることができ、ナビゲーション・データ・ビット同期を行うように動作可能なビット同期エンジンとを含む。ビット同期エンジンは、信号インターフェースおよび記憶手段にリンクすることができる。ビット同期エンジンは、I/QサンプルをRF回路から信号インターフェースまたは記憶手段を介して受け取り、2つの相補であるが互いに素なデータ集合AおよびBの正および負対一致を利用することによって、ナビゲーション・データ・ビット遷移の位置を検出し、データ集合を1つ以上の規準に対して検査し、全ての規準が満たされたときに、データ集合AおよびBが一致であると判定するように構成されている。
一実施形態では、前述の1つ以上の規準が、各集合における少なくとも1つの要素と、予め定められたしきい値よりも大きい1つ以上の値とを含む。
他の実施形態では、ビット同期エンジンが、ナビゲーション・データ・ビット遷移を重複ゾーン内に有する所定の長さの2つの重複データ集合を得て、ナビゲーション・ビット遷移の位置を導き出すために1つ以上の指標を利用するように動作可能である。
他の実施形態では、1つ以上の指標が、相関ピーク、符号位相、取り込みマージン、またはキャリア/ノイズ比を含む。
他の実施形態では、ビット同期エンジンが、データ集合の相関ピークを、データ集合のナビゲーション・データ・ビット遷移に対する相対座標の関数としてモデリングすることによって、データ集合の長さを選択するように動作可能である。
他の実施形態では、データ集合の相関ピークが、データ集合の中心のナビゲーション・データ・ビットの時間に対する相対座標に関係付けられており、ビット同期エンジンが、ナビゲーション・データ・ビット遷移がデータ集合の外側に位置する場合、相関ピークを1に統一された一定値に近似し、ナビゲーション・データ・ビット遷移がデータ集合の内側に位置する場合、データ集合の中心のナビゲーション・データ・ビット遷移に対する相対座標の線形関数によって相関ピークをモデル化するように動作可能である。
他の実施形態では、ビット同期エンジンが、指定された衛星信号について2つの連続するデータ集合を取り込み、これらのドプラ周波数シフト、符号位相測定値、および取り込みマージンの内1つ以上を得て、符号位相測定値を近似ビット遷移位置から除去することによって、正確なビット遷移位置を計算するように動作可能である。
他の実施形態では、ビット同期エンジンが、詳細サーチ・ユーティリティによって生成された現在の位置を、1ナビゲーション・データ・ビットのオフセット長だけ前にスキップすることによって、ナビゲーション・データ・ビット・エッジを予測するように動作可能である。
他の態様では、プロセッサおよびメモリ・エンジンにアクセスすることができるビット同期エンジンを利用するGNSS受信機のためのナビゲーション・データ・ビット同期方法を提供する。この方法は、RF回路を利用して、アナログGNSS信号をディジタルI/Qサンプルに変換するステップと、I/QサンプルをRF回路から信号インターフェースまたは記憶手段を介して受け取るステップと、2つの相補であるが互いに素なデータ集合AおよびBの正および負対一致を利用することによって、ナビゲーション・データ・ビット遷移の位置を検出するステップと、データ集合を1つ以上の規準に対して検査するステップと、全ての規準が満たされたときにデータ集合AおよびBが一致すると判定するステップとを含む。
一実施形態では、データ集合を1つ以上の規準に対して検査するステップが、各集合の中に少なくとも1つの要素があるか否か判定し、更に1つ以上の値が予め定められたしきい値よりも大きいか否か判定するステップを含む。
他の実施形態では、本方法は、更に、ナビゲーション・データ・ビット遷移を重複ゾーンの中に有する、所定の長さの2つの重複データ集合を得るステップと、ナビゲーション・ビット遷移の位置を導き出すために、1つ以上の指標を利用するステップとを含む。
他の実施形態では、1つ以上の指標を利用するステップが、相関ピーク、符号位相、取り込みマージン、またはキャリア/ノイズ比を利用するステップを含む。
他の実施形態では、本方法は、更に、データ集合の相関ピークを、データ集合のナビゲーション・データ・ビット遷移に対する相対座標の関数としてモデリングすることによって、データ集合の長さを選択するステップを含む。
他の実施形態では、データ集合の相関ピークが、ナビゲーション・データ・ビットの時間に対するデータ集合の中心の相対座標に関係付けられており、本方法は、更に、前記ナビゲーション・データ・ビット遷移が前記データ集合の外側に位置する場合、前記相関ピークを1に統一された一定値に近似するステップと、前記ナビゲーション・データ・ビット遷移が前記データ集合の内側に位置する場合、前記データ集合の中心の前記ナビゲーション・データ・ビット遷移に対する相対座標の線形関数によって前記相関ピークをモデル化するステップとを含む。
他の実施形態では、本方法は、更に、指定された衛星信号について2つの連続するデータ集合を取り込むステップと、これらのドプラ周波数シフト、符号位相測定値、および取り込みマージンの内1つ以上を得るステップと、前記符号位相測定値を前記近似ビット遷移位置から除去することによって、正確なビット遷移位置を計算するステップとを含む。
他の実施形態では、本方法は、更に、前記詳細サーチ・ユーティリティによって生成された現在の位置を、1ナビゲーション・データ・ビットのオフセット長だけ前にスキップすることによって、前記ナビゲーション・データ・ビット遷移を予測するように、前記ビット同期エンジンを動作させるステップを含む。
他の態様では、GNSS受信機のためのナビゲーション・データ・ビット同期システムにロードすると、請求項9から16記載の方法の内1つを実行するように、このシステムを構成するコンピュータ・コードを格納する不揮発性コンピュータ読み取り可能媒体を提供する。
以上の説明では、1つ以上の実施形態によるシステムおよび方法の代表例を示したが、当業者が解釈するであろう本説明および以下の請求項の範囲内に、他の実施形態も入ることは認められよう。

Claims (17)

  1. GNSS受信機のためのナビゲーション・データ・ビット同期システムであって、
    アナログGNSS信号のI/Qサンプルへのアナログ/ディジタル変換を提供するように動作可能なRF回路と、
    プロセッサおよびメモリへのアクセスを有し、ナビゲーション・データ・ビット同期を行うように動作可能なビット同期エンジンであって、信号インターフェースおよび記憶手段にリンクすることができる、ビット同期エンジンと、
    を含み、
    前記ビット同期エンジンは、I/Qサンプルを前記RF回路から前記信号インターフェースまたは記憶手段を介して受け取り、
    前記ビット同期エンジンは、正および負対一致を利用することによって、ナビゲーション・データ・ビット遷移の位置を検出し、2つの相補であるが互いに素なデータ集合AおよびBを検査して、前記データ集合AおよびBが一致であると判定するように構成されている、システム。
  2. 請求項1記載のシステムにおいて、前記データ集合AおよびBが1つ以上の規準に対して検査され、前記1つ以上の規準が、
    各データ集合が少なくとも1つの要素を含まなければならず、
    データ集合毎に、「α」値が、予め定められたしきい値「Tα」よりも大きく、「α」は、データ集合Aまたはデータ集合Bの内標準偏差が大きい方に依存して、データ集合Aまたはデータ集合Bのいずれかの標準偏差で除算した各データ集合の最大および最小要素の平均の商として定められ、
    「β」値が、予め定められたしきい値「Tβ」よりも大きく、「β」は、集合Aまたは集合Bの内平均値が大きい方に依存して、データ集合Aまたはデータ集合Bのいずれかの平均を、平均が小さい方の他方のデータ集合の平均で除算したときの商として定められ、
    「γ」値が、予め定められたしきい値「Tγ」よりも大きく、「γ」は、平均が大きい方のデータ集合の平均として定められる、
    ことを含む、システム。
  3. 請求項1記載のシステムにおいて、前記ビット同期エンジンが、
    ナビゲーション・データ・ビット遷移を重複ゾーン内に有する所定の長さの2つの重複データ集合を得て、
    ナビゲーション・ビット遷移の位置を導き出すために1つ以上の指標を利用する、
    ように動作可能である、システム。
  4. 請求項3記載のシステムにおいて、前記1つ以上の指標が、相関ピーク、符号位相、取り込みマージン、またはキャリア/ノイズ比を含む、システム。
  5. 請求項4記載のシステムにおいて、前記ビット同期エンジンが、データ集合の相関ピークを、前記ナビゲーション・データ・ビット遷移に対する前記データ集合の相対座標の関数としてモデリングすることによって、前記データ集合の長さを選択するように動作可能である、システム。
  6. 請求項5記載のシステムにおいて、データ集合の前記相関ピークが、前記ナビゲーション・データ・ビットの時間に対する前記データ集合の中心の相対座標に関係付けられ、前記ビット同期エンジンが、
    前記ナビゲーション・データ・ビット遷移が前記データ集合の外側に位置する場合、前記相関ピークを1に統一された一定値に近似し、
    前記ナビゲーション・データ・ビット遷移が前記データ集合の内側に位置する場合、前記ナビゲーション・データ・ビット遷移に対する前記データ集合の中心の相対座標の線形関数によって前記相関ピークをモデル化する、
    ように動作可能なシステム。
  7. 請求項6記載のシステムにおいて、前記ビット同期エンジンが、
    指定された衛星信号について2つの連続するデータ集合を取り込み、
    これらのドプラ周波数シフト、符号位相測定値、および取り込みマージンの内1つ以上を得て、
    前記符号位相測定値を前記近似ビット遷移位置から除去することによって、正確なビット遷移位置を計算する、
    ように動作可能である、システム。
  8. 請求項1記載のシステムにおいて、前記ビット同期エンジンが、前記詳細サーチ・ユーティリティによって生成された現在の位置を、1ナビゲーション・データ・ビットのオフセット長だけ前にスキップすることによって、前記ナビゲーション・データ・ビット・エッジを予測するように動作可能な、システム。
  9. プロセッサおよびメモリ・エンジンへのアクセスを有するビット同期エンジンを利用するGNSS受信機のためのナビゲーション・データ・ビット同期方法であって、
    RF回路を利用して、アナログGNSS信号をディジタルI/Qサンプルに変換するステップと、
    I/Qサンプルを前記RF回路から前記信号インターフェースまたは記憶手段を介して受け取るステップと、
    正および負対一致を利用して2つの相補であるが互いに素なデータ集合AおよびBを検査することによって、ナビゲーション・データ・ビット遷移の位置を検出し、前記データ集合AおよびBが一致すると判定するステップと、
    を含む、方法。
  10. 請求項9記載の方法において、前記データ集合AおよびBが、1つ以上の規準に対して検査され、1つ以上の規準が、
    各データ集合が少なくとも1つの要素を含まなければならず、
    データ集合毎に、「α」値が、予め定められたしきい値「Tα」よりも大きく、「α」は、データ集合Aまたはデータ集合Bの内標準偏差が大きい方に依存して、データ集合Aまたはデータ集合Bのいずれかの標準偏差で除算した各データ集合の最大および最小要素の平均の商として定められ、
    「β」値が、予め定められたしきい値「Tβ」よりも大きく、「β」は、データ集合Aまたはデータ集合Bの内平均値が大きい方に依存して、データ集合Aまたはデータ集合Bのいずれかの平均を、平均が小さい方の他方のデータ集合の平均で除算したときの商として定められ、
    「γ」値が、予め定められたしきい値「Tγ」よりも大きく、「γ」は、平均が大きい方のデータ集合の平均として定められる、
    ことを含む、方法。
  11. 請求項9記載の方法であって、更に、
    ナビゲーション・データ・ビット遷移を重複ゾーンの中に有する、所定の長さの2つの重複データ集合を得るステップと、
    ナビゲーション・ビット遷移の位置を導き出すために、1つ以上の指標を利用するステップと、
    を含む、方法。
  12. 請求項11記載の方法において、前記1つ以上の指標を利用するステップが、相関ピーク、符号位相、取り込みマージン、またはキャリア/ノイズ比を利用するステップを含む、方法。
  13. 請求項12記載の方法であって、更に、データ集合の前記相関ピークを、前記ナビゲーション・データ・ビット遷移に対する前記データ集合の相対座標の関数としてモデリングすることによって、前記データ集合の長さを選択するステップを含む、方法。
  14. 請求項13記載の方法において、データ集合の前記相関ピークが、前記ナビゲーション・データ・ビットの時間に対する前記データ集合の中心の相対座標に関係付けられ、前記方法が、更に、
    前記ナビゲーション・データ・ビット遷移が前記データ集合の外側に位置する場合、前記相関ピークを1に統一された一定値に近似するステップと、
    前記ナビゲーション・データ・ビット遷移が前記データ集合の内側に位置する場合、前記ナビゲーション・データ・ビット遷移に対する前記データ集合の中心の相対座標の線形関数によって前記相関ピークをモデル化するステップと、
    を含む、方法。
  15. 請求項14記載の方法であって、更に、
    指定された衛星信号について2つの連続するデータ集合を取り込むステップと、
    これらのドプラ周波数シフト、符号位相測定値、および取り込みマージンの内1つ以上を得るステップと、
    前記符号位相測定値を前記近似ビット遷移位置から除去することによって、正確なビット遷移位置を計算するステップと、
    を含む、方法。
  16. 請求項9記載の方法であって、更に、前記詳細サーチ・ユーティリティによって生成された現在の位置を、1ナビゲーション・データ・ビットのオフセット長だけ前にスキップすることによって、前記ナビゲーション・データ・ビット・エッジを予測するように、前記ビット同期エンジンを動作させるステップを含む、方法。
  17. GNSS受信機のためのナビゲーション・データ・ビット同期システムにロードすると、このシステムを、請求項9から16記載の方法の内1つを実行するように構成するコンピュータ・コードを格納する不揮発性コンピュータ読み取り可能媒体。
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