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JP2013514375A - 再生可能資源からのイソプレンの精製 - Google Patents

再生可能資源からのイソプレンの精製 Download PDF

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Abstract

【解決手段】例えば、発酵槽オフガスからのバイオイソプレン組成物の精製を含む、イソプレンの精製のための方法及び装置。この装置は、イソプレンとさまざまな不純物とを含む発酵槽オフガスを処理する2本のカラムを含む。第1カラムのオフガスに溶媒を添加し、第2カラムで溶媒からイソプレンをストリッピングする。下流の更なる精製プロセスも提供される。また結果として得られる精製イソプレン組成物も提供される。
【選択図】図1

Description

本開示はイソプレンの製造に関連する。
イソプレン(2−メチル−1,3−ブタジエン)は幅広い用途に使用される重要な有機化合物である。例えば、イソプレンは、数多くの化学組成物及びポリマーの合成において、中間体又は出発物質として採用されている。イソプレンはまた、ヒトを含む多くの動植物で自然に合成される重要な生物学的物質でもある。
1960年代初頭に立体制御重合が商業的に可能になったため、イソプレンはcis−1,4−ポリイソプレンの合成に使用される重要なモノマーとなった。そのような立体制御重合で生成されたcis−1,4−ポリイソプレンは、天然ゴムに類似の構造と特性を有している。これは天然ゴムとまったく同一ではないものの、多くの用途において天然ゴムの代替品として使用することができる。例えば、cis−1,4−ポリイソプレン合成ゴムは、自動車用タイヤ及びその他のゴム製品の製造に広く使用されている。このcis−1,4−ポリイソプレン合成ゴムに対する需要は、世界市場で入手可能なイソプレンの大半を消費している。残るイソプレンは、他の合成ゴム、ブロックコポリマー、その他化学製品の製造に使用される。例えば、イソプレンは、ブタジエン−イソプレンゴム、スチレン−イソプレンコポリマーゴム、スチレン−イソプレン−ブタジエンゴム、スチレン−イソプレン−スチレンブロックコポリマー、及びスチレン−イソプレンブロックコポリマーの製造に使用される。
長年にわたり、イソプレンを生成するための数多くの合成経路が研究されている。例えば、触媒の存在下でイソブチレンをホルムアルデヒドと反応させることによるイソプレンの合成は、米国特許第3,146,278号、同第3,437,711号、同第3,621,072号、同第3,662,016号、同第3,972,955号、同第4,000,209号、同第4,014,952号、同第4,067,923号、及び同第4,511,751号に記述されている。米国特許第3,574,780号は、酸化物触媒を混合し、メチル−tert−ブチルエーテルと空気との混合物を通すことによる、イソプレン製造の別のプロセスを開示している。メチル−tert−ブチルエーテルはこの後、触媒により、イソブチレンとメタノールとに接触分解される。生成するメタノールは酸化されてホルムアルデヒドとなり、これを同じ触媒上でイソブチレンと反応させることによりイソプレンを生成する。米国特許第5,177,290号は、イソプレンを含むジエン類生成のプロセスを開示しており、このプロセスには、三級アルキルエーテルと三級アルキルエーテルの分解生成物の再利用を最小限に抑え、高収率のジエン類を生成するのに十分な反応条件下で、2つの機能的に異なる触媒を用い、三級アルキルエーテルと酸素供給源を反応させることが含まれる。
工業用途に使用されるイソプレンは典型的に、石油又はナフサの熱クラッキングの副生成物として生産されるか、あるいは石油化学経路から抽出される。これは比較的高価なエネルギー集約的プロセスである。石油化学系生成物の世界的需要は増加し続けており、イソプレンの費用は長期的に更に高くなることが予想され、その利用可能性もいずれにせよ限定的になる。石油化学系資源からのイソプレンの今後の供給は、予測ニーズを満たすのに不十分となり、価格は前例のないレベルまで上昇する懸念がある。したがって、低価格で、環境に優しい再生可能な資源から、イソプレン供給源を調達するニーズが存在する。
再生可能資源からのイソプレンの生成については、最近、いくつかの技術的進歩が達成されている(例えば、国際特許出願公開WO2009/076676号を参照)。これらの生成技法ではしばしば、部分的に発酵プロセスに起因する、さまざまな不純物を含むイソプレン組成物が生じる。例えば、発酵により揮発性構成成分が発生することがあり、例えば、発酵媒体から水蒸気、呼吸生成物として二酸化炭素、無気的代謝の場合には残存酸素、並びにその他の有機生物副生成物が挙げられる。酸素はイソプレンと望ましくない化学反応を開始することがあり、これにより収率を低下させ、望ましくない反応生成物を生じることがある。二酸化炭素は、例えば、イソプレンからポリマー(二量体、三量体、及び合成ゴムのような非常に長い鎖のポリマーまで)への変換など、イソプレン変換及び利用の際に後で行われる触媒反応の、阻害物質であることが知られている。水蒸気及びその他の残存する生物副生成物もまた、イソプレンを用いた数多くの用途には望ましくない。
したがって、再生可能資源から生成されたイソプレン組成物の精製技法及び方法が望まれている。
本明細書に参照される全ての文献、特許、特許出願及び公開特許出願の開示は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
本開示はとりわけ、再生可能資源及び類似物からイソプレンを精製するための方法及び装置と、結果として得られる精製イソプレン組成物と、を提供する。
一態様において、発酵槽オフガスからイソプレンを精製する方法が提供され、このオフガスはイソプレン、揮発性不純物、及びバイオ副生成物不純物を含み、この方法は、発酵槽オフガスを、第1カラムを含む装置の溶媒と接触させて、溶媒、イソプレン過半量、及びバイオ副生成物不純物過半量を含む、富イソプレン溶液と、揮発性不純物の過半量を含む蒸気と、を形成する工程と、富イソプレン溶液を第1カラムから第2カラムに移す工程と、第2カラムの富イソプレン溶液からイソプレンをストリッピングして、バイオ副生成物不純物の過半量を含むイソプレン希薄溶液と、精製イソプレン組成物と、を形成する工程と、を含む。いくつかの実施形態において、このオフガスはバイオイソプレン組成物である。
これらの任意の実施形態において、この揮発性不純物は、HO、CO、N、H、CO及びOから選択される化合物を含む。いくつかの実施形態において、揮発性不純物はHO、CO、及びNを含む。いくつかの実施形態において、この揮発性不純物は、約25〜約80mol%のCO、約45〜約99mol%のN、及び任意に、約50mol%未満のOを含む。いくつかの実施形態において、この揮発性不純物は、約40〜約60mol%のCO、約65〜約99mol%のN、及び任意に、約25mol%未満のOを含む。
これらの任意の実施形態において、このバイオ副生成物不純物は、極性又は無極性又は準極性不純物を含む。いくつかの実施形態において、このバイオ副生成物不純物には、エタノール、アセトン、メタノール、アセトアルデヒド、メタクロレイン、メチルビニルケトン、3−メチルフラン、2−メチル−2−ビニルオキシラン、cis−及びtrans−3−メチル−1,3−ペンタジエン、C5フェニルアルコール(例えば、3−メチル−3−ブテン−1−オール又は3−メチル−2−ブテン−1−オール)、2−ヘプタノン、6−メチル−5−ヘプテン−2−オン、2,4,5−トリメチルピリジン、2,3,5−トリメチルピラジン、シトロネラール、メタンチオール、酢酸メチル、1−プロパノール、ジアセチル、2−ブタノン、2−メチル−3−ブテン−2−オール、酢酸エチル、2−メチル−1−プロパノール、3−メチル−1−ブタナール、3−メチル−2−ブタノン、1−ブタノール、2−ペンタノン、3−メチル−1−ブタノール、エチルイソブチラート、3−メチル−2−ブテナール、酢酸ブチル、3−メチルブチルアセテート、3−メチル−3−ブテン−1−イルアセテート、3−メチル−2−ブテン−1−イルアセテート、(E)−3,7−ジメチル−1,3,6−オクタトリエン、(Z)−3,7−ジメチル−1,3,6−オクタトリエン、(E,E)3,7,11−トリメチル−1,3,6,10−ドデカテトラエン及び(E)−7,11−ジメチル−3−メチレン−1,6,10−ドデカトリエン、3−ヘキサン−1−オール、3−ヘキセン−1−イルアセテート、リモネン、ゲラニオール(trans−3,7−ジメチル−2,6−オクタジエン−1−オール)、シトロネロール(3,7−ジメチル−6−オクテン−1−オール)、(E)−3−メチル−1,3−ペンタジエン、(Z)−3−メチル−1,3−ペンタジエンから選択される1つ、2つ、又は3つ以上の化合物が含まれる。いくつかの実施形態において、発酵槽オフガス中の、イソプレンの量に対してバイオ副生成物の量は、約0.01重量%(w/w)超、又は約0.05重量%(w/w)超である。
これらの任意の実施形態において、溶媒は、無極性の高沸点溶媒である。いくつかの実施形態において、溶媒は、約177℃(350°F)超、又は約191℃(375°F)超の沸点を有する。いくつかの実施形態において、溶媒は54℃(130°F)で約1.25未満、又は約1.1未満のCOオストワルド係数を有する。いくつかの実施形態において、溶媒は、約50未満、又は約20〜約30、又は約23〜約27のカウリ−ブタノール価を有する。いくつかの実施形態において、溶媒は、約66℃(150°F)超、又は約79℃(175°F)〜約93℃(200°F)のアニリン点を有する。いくつかの実施形態において、溶媒は、40℃で約2.5センチストローク(cSt)(2.5×10−6m/s)未満、又は約1.75センチストローク(cSt)(1.75×10−6m/s)未満の運動粘度を有する。いくつかの実施形態において、溶媒は、25℃で約20〜30dyne/cm、又は約23〜27dyne/cmの表面張力を有する。いくつかの実施形態において、溶媒は、約125〜約225、又は約140〜約200の平均分子量を有する。いくつかの実施形態において、溶媒は、テルペン、パラフィン、単環芳香族炭化水素、多環芳香族炭化水素、又はこれらの混合物から選択される。いくつかの実施形態において、溶媒は、パラフィン(例えば、C10〜C20パラフィンで、例えばC12〜C14パラフィンなど)である。いくつかの実施形態において、溶媒は、C12〜C14イソパラフィンなどのイソパラフィンである。いくつかの実施形態において、溶媒は、Isopar(商標)L、Isopar(商標)H及びIsopar(商標)Mに実質的に類似の溶媒から選択される。いくつかの実施形態において、溶媒は、Isopar(商標)L、Isopar(商標)H及びIsopar(商標)Mから選択される。いくつかの実施形態において、溶媒は、Isopar(商標)Lに実質的に類似である。いくつかの実施形態において、溶媒はIsopar(商標)Lである。いくつかの実施形態において、溶媒は更に重合阻害剤を含む。いくつかの実施形態において、重合阻害剤には、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル(TEMPO)、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル(TEMPOL);Bis(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバケート(橋状結合TEMPO);及びt−ブチルカテコールが挙げられる。いくつかの実施形態において、この重合阻害剤の濃度は、イソプレンの濃度に対して、約0.001重量%〜約0.1重量%(w/w)である。
これらの任意の実施形態において、発酵槽オフガスの温度を下げてから、第1カラムの溶媒と接触させる。
これらの任意の実施形態において、発酵槽オフガスをオフガス圧力を安定化させることができる分離装置に移してから、発酵槽オフガスを第1カラムの溶媒と接触させる。
これらの任意の実施形態において、発酵槽オフガスを少なくとも部分的に凝縮してから、第1カラムの溶媒と接触させる。
これらの任意の実施形態において、発酵槽オフガスを第1カラムの溶媒と接触させる工程には、供給溶媒の冷却が含まれる。低含有量の溶媒ストリームの温度を、例えば、4℃(40°F)まで下げるか又は冷却してから、第1カラムに供給する。
いくつかの実施形態において、第1(又は第2)カラムから底側ストリームを再加熱して、約66℃(150°F)超、又は約91℃(200°F)超にする。いくつかの実施形態において、底側ストリームは約93℃(200°F)〜約135℃(275°F)、又は約110℃(230°F)〜約121℃(250°F)に再加熱される。再加熱により、揮発性不純物であるCOが、富イソプレン溶媒からストリッピングされる。
これらの任意の実施形態において、発酵槽オフガスを第1カラムの溶媒と接触させる工程は、更に、特定の操作条件において必要となる、底側ストリームの再加熱の代替方法として、第1カラムにスチームを追加する工程を含む。
これらの任意の実施形態において、第2カラムで富イソプレン溶液からイソプレンをストリッピングする工程は、再加熱の代替方法として、第2カラムにスチームを追加する工程を含む。
これらの任意の実施形態において、この方法は更に、再使用のために、精製された低イソプレン溶液を第1カラムに移す工程を含む。いくつかの実施形態において、この方法は更に、イソプレン希薄溶液を精製してバイオ副生成物不純物の過半量を取り除く工程と、その精製したイソプレン希薄溶液を再使用のために第1カラムに移す工程と、を含む。いくつかの実施形態において、イソプレン希薄溶液の精製には、イソプレン希薄溶液を吸着システムで処理する工程が含まれる。いくつかの実施形態において、この吸着システムは、活性炭、アルミナ、シリカ、又はSelexsorb(登録商標)(BASF販売)を含む。いくつかの実施形態において、この吸着システムはシリカを含む。いくつかの実施形態において、イソプレン希薄溶液の精製には、蒸留が含まれる。いくつかの実施形態において、イソプレン希薄溶液の精製には、液−液抽出が含まれる。
これらの任意の実施形態において、イソプレン希薄溶液の温度を下げてから、バイオ副生成物不純物の過半量が取り除かれる。いくつかの実施形態において、イソプレン希薄溶液の温度は、約66℃(150°F)未満、又は約38℃(100°F)未満、又は約24℃(75°F)未満にまで低減される。
これらの任意の実施形態において、この方法は、精製イソプレン組成物を更に精製する工程を含む。いくつかの実施形態において、イソプレンの精製には、蒸留が含まれる(例えば、精製イソプレン組成物を第2カラムから還流凝縮器へと移した後)。いくつかの実施形態において、精製イソプレン組成物の更なる精製には、精製イソプレン組成物を吸着システムで処理する工程が含まれる。いくつかの実施形態において、この吸着システムは、活性炭、アルミナ、シリカ、又はSelexsorb(登録商標)を含む。いくつかの実施形態において、この吸着システムは、シリカを含む。
いくつかの実施形態において、この方法は更に、もし少量のイソプレンが存在している場合には蒸気からこれを取り除く工程を含む。いくつかの実施形態において、少量のイソプレンを取り除く工程には、蒸気を吸着システムで処理する工程が含まれる。いくつかの実施形態において、この吸着システムは、活性炭、アルミナ、シリカ、又はSelexsorb(登録商標)を含む。いくつかの実施形態において、この吸着システムは、活性炭を含む。
これらの任意の実施形態において、発酵槽オフガスは、大気圧よりも高い圧力で第1カラムに供給される。
これらの任意の実施形態において、精製イソプレン組成物は、約90%超、又は約95%超、又は約99%超の純度を有する。
これらの任意の実施形態において、精製イソプレン組成物は、発酵槽オフガスのバイオ副生成物不純物に対して、約25%未満、又は約10%未満、又は約5%未満のバイオ副生成物不純物を含む。
これらの任意の実施形態において、精製イソプレン組成物は、発酵槽オフガスの揮発性不純物に対して、揮発性不純物として約2.5%未満の水と、約0.25%未満、又は約0.10%未満、又は約0.05%未満のCO、O、及びNを含む。
別の一態様において、本明細書に記述される任意の一方法によって調製可能な精製イソプレン組成物が提供される。いくつかの実施形態において、本明細書に記述される任意の一方法によって調製された精製イソプレン組成物が提供される。
別の一態様において、イソプレン組成物が提供される。いくつかの実施形態において、この組成物はイソプレンとバイオ副生成物不純物とを含み、バイオ副生成物不純物は、C5炭化水素を含み、C5炭化水素に対して約99.94重量%(w/w)超のイソプレンが存在し、イソプレンに対して約0.05重量%(w/w)未満のバイオ副生成物が存在する。いくつかの実施形態において、バイオ副生成物には、上記の1つ以上の化合物が含まれ、2−ヘプタノン、6−メチル−5−ヘプテン−2−オン、2,4,5−トリメチルピリジン、2,3,5−トリメチルピラジン、シトロネラール、アセトアルデヒド、メタンチオール、酢酸メチル、1−プロパノール、ジアセチル、2−ブタノン、2−メチル−3−ブテン−2−オール、酢酸エチル、2−メチル−1−プロパノール、3−メチル−1−ブタナール、3−メチル−2−ブタノン、1−ブタノール、2−ペンタノン、3−メチル−1−ブタノール、エチルイソブチラート、3−メチル−2−ブテナール、酢酸ブチル、3−メチルブチルアセテート、3−メチル−3−ブテン−1−イルアセテート、3−メチル−2−ブテン−1−イルアセテート、(E)−3,7−ジメチル−1,3,6−オクタトリエン、(Z)−3,7−ジメチル−1,3,6−オクタトリエン、2,3−シクロヘプテノールピリジンからなる群から選択されるものが含まれる。いくつかの実施形態において、この組成物は、組成物に対して約5重量%未満の揮発性不純物を含む。いくつかの実施形態において、この組成物は、組成物に対して約95重量%超のイソプレンを含む。
本明細書で説明されるイソプレン精製のためのプロセス及び関連装置の図。 イソプレン吸収効率のプロット。 イソプレン/溶媒組成物の分析。 図3の細部。 溶液から回収したイソプレンのプロット。 イソプレンを更に精製するプロセス及び関連装置の図。 イソプレン中の不純物のプロット。 不純物ジメチルジスルフィドの経時的濃度変化のプロット。 ジメチルジスルフィド濃度の経時変化の別のプロット。
本開示は、とりわけ、再生可能資源から得たイソプレン精製のための方法及び装置を提供する。これらの方法は、発酵により生じた揮発性及び/又は生物副生成物の不純物を取り除くため、1つ以上のカラムを使用することがある。
出願者らは、顕著に改善された純度を有するイソプレンを提供することができる吸収及びストリッピングプロセスを用い、溶媒(例えば、無極性溶媒)を使用する、再生可能資源から生成される発酵槽オフガス中のイソプレンを生成する方法を決定した。この本明細書に記述される精製イソプレン組成物は、例えば、重合など、従来のように石油系イソプレンを用いた用途での使用、並びにさまざまな望ましい化学組成物の合成における出発物質としての使用に、特に好適である。
したがって、一態様において、発酵槽オフガスをカラムの溶媒と接触させて、溶媒及びイソプレンの過半量を含む富イソプレン溶液と、揮発性不純物の過半量を含む蒸気とを形成する工程を含む、発酵槽オフガスからのイソプレン精製方法が提供される。いくつかの実施形態において、この方法は更に、第2カラムにおいて富イソプレン溶液からイソプレンをストリッピングすることにより、生物副生成物不純物の過半量を含むイソプレン希薄溶液と、精製イソプレン組成物と、を形成する。更に、精製イソプレン組成物も提供される。
別段の記載がない限り、本明細書で使用される全ての技術及び科学用語は、本発明が属する技術分野における当業者によって一般的に理解されている意味と同一の意味を有する。
本明細書において使用するところの単数形「a」、「an」、及び「the」には、内容的に明らかに示されていない限り、複数の対象物が含まれる。
本明細書全体に渡って記載されるあらゆる最大数値限定は、それより小さいあらゆる数値限定を、そのようなより小さい数値限定が本明細書に明示的に記載されているかのように含むことが意図されている。本明細書全体を通じて記載される最小数値限定は、それより大きいあらゆる数値限定を、そのような大きい数値限定が本明細書に明確に記載されているかのように包含する。本明細書全体を通じて記載されているあらゆる数値範囲には、広い数値範囲に含まれているそれよりも狭いあらゆる数値範囲が、全て本明細書に明示的に記載されているかのように、狭い数値範囲が含まれている。
用語「イソプレン」は、2−メチル−1,3−ブタジエン(CAS番号78−79−5)を指す。イソプレンは3,3−ジメチルアリルピロホスフェート(DMAPP)からピロホスフェートを脱離することにより、直接的及び最終の揮発性C5炭化水素生成物として生成され、IPP分子のDMAPP分子への結合又は重合は伴わない。用語「イソプレン」は一般に、本明細書で別途示されていない限り、その生成法に限定されて使用するものではない。
本明細書で使用される「生物学的に生成されたイソプレン」又は「バイオイソプレン」は、例えば、遺伝子組み換え細胞の培養、自然の微生物、植物又は動物によって生成されるなど、任意の生物学的方法によって生成されたイソプレンを指す。バイオイソプレン組成物は通常、石油化学資源から生成されたイソプレンよりも含まれる炭化水素不純物が少なく、しばしば、重合に適した等級にするために必要な処置が最小限で済む。バイオイソプレン組成物はまた、石油化学により生成されたイソプレン組成物とは異なる不純物プロファイルを有する。
イソプレンは石油の分級によって得ることもできるが、この材料精製は高価であり、時間がかかる。炭化水素のC5ストリームの石油クラッキングは、イソプレン生産の約15%にすぎない。イソプレンはまた、さまざまな微生物、植物、及び動物種によって自然に生成される。特に、イソプレンの生合成には、メバロン酸(MVA)経路と非メバロン酸(DXP)経路の2つの経路が特定されている。バイオリアクターでの遺伝子組み換え細胞の培養により、より効率的に、より大量に、より高い純度で、及び/又は固有の不純物プロファイルで、イソプレンが生成される。これは例えば、国際特許出願公開第WO2009/076676号、米国特許出願第12/496,573号、同第12/560,390号、同第12/560,317号、同第12/560,370号、同第12/560,305号、及び同第12/560,366号、並びに米国特許仮出願第61/187,930号、同第61/187,934号、及び同第61/187,959号に記述されている。
粗バイオイソプレン組成物は、石油由来のイソプレン(本明細書において「石油イソプレン」と呼ばれる)組成物とは区別され、バイオイソプレン組成物はC5不飽和炭化水素の混入が実質的にないが、これは石油イソプレン組成物中には通常存在している。これには、1,3−シクロペンタジエン、trans−1,3−ペンタジエン、cis−1,3−シクロペンタジエン、1,4−シクロペンタジエン、1−シクロペンチン、2−ペンチン、3−メチル−L−ブチン、ペント−4−エン−1−イン、trans−ペント−3−エン−1−イン、及びcis−ペント−3−エン−1−インが挙げられる。混入したC5不飽和炭化水素が、本明細書に記述されるバイオイソプレン出発物質組成物中に存在するとしても、それは石油イソプレン組成物よりも低い濃度である。粗バイオイソプレンは、特定のC5炭化水素を、高度に精製された石油イソプレンにおけるよりも高い濃度で有することがある。これらの不純物のいくつかは、イソプレンに構造が似ていて、重合触媒毒として作用する可能性があるため、特に問題になる。後述のように、生物学的に生成されたイソプレン組成物は、多大な精製工程を行わなくとも、不飽和C5炭化水素を実質的に含まないものにすることができる。
更に、バイオイソプレンは、炭素指紋によって、石油イソプレンとは区別される。一態様において、バイオイソプレンは、石油イソプレンよりも高い放射性炭素−14(14C)を含有、又はより高い14C/12C比を有している。バイオイソプレンは再生可能炭素資源から精製されるため、バイオイソプレンの14C含有量又は14C/12C比は、現在の大気中と同じである。一方、石油イソプレンは、何千年〜何百万年も前に堆積した化石燃料に由来するため、14C含有量又は14C/12C比は、放射性崩壊のため減少している。本明細書で詳しく述べるように、バイオイソプレン由来の燃料製品は、石油イソプレン由来の燃料製品よりも高い14C含有量又は14C/12C比を有する。一実施形態において、本明細書に記述されるバイオイソプレン由来の燃料製品は、大気中と同様の14C含有量又は14C/12C比を有する。別の一態様において、バイオイソプレンは炭素安定同位体比(13C/12C)によって石油イソプレンと分析的に区別することができ、この値は記号δ13Cで表わされる「デルタ値」として報告することができる。例えば、石油精製工場のCストリームの抽出蒸留に由来するイソプレンでは、δ13Cは約−22‰〜約−24‰である。この範囲は、石油由来の軽い不飽和炭化水素に典型的なものであり、石油系イソプレン由来の製品は典型的に、同じδ13Cを有するイソプレン単位を含む。トウモロコシ由来のグルコースの発酵により精製されたバイオイソプレン(δ13C−10.73‰)で、他の炭素含有栄養物(例えば、酵母抽出物)を最小限しか含まないものは、重合して、δ13Cが−14.66‰〜−14.85‰.のポリイソプレンにすることができきる。そのようなバイオイソプレンから生成された製品は、石油系イソプレン由来のものより陰性度が低いδ13C値を有すると考えられる。
加えて、バイオイソプレン組成物は、石油イソプレン組成物には存在しないか又ははるかに低い濃度でしか存在しない他のバイオ副生成物(例えば、極性不純物を含む)、例えば、アルコール類、アルデヒド類、ケトン類などを含むことによって、石油イソプレン組成物と区別される。バイオ副生成物には、エタノール、アセトン、メタノール、アセトアルデヒド、メタクロレイン、メチルビニルケトン、3−メチルフラン、2−メチル−2−ビニルオキシラン、cis−及びtrans−3−メチル−1,3−ペンタジエン、C5フェニルアルコール(例えば、3−メチル−3−ブテン−1−オール又は3−メチル−2−ブテン−1−オール)、2−ヘプタノン、6−メチル−5−ヘプテン−2−オン、2,4,5−トリメチルピリジン、2,3,5−トリメチルピラジン、シトロネラール、メタンチオール、酢酸メチル、1−プロパノール、ジアセチル、2−ブタノン、2−メチル−3−ブテン−2−オール、酢酸エチル、2−メチル−1−プロパノール、3−メチル−1−ブタナール、3−メチル−2−ブタノン、1−ブタノール、2−ペンタノン、3−メチル−1−ブタノール、エチルイソブチラート、3−メチル−2−ブテナール、酢酸ブチル、3−メチルブチルアセテート、3−メチル−3−ブテン−1−イルアセテート、3−メチル−2−ブテン−1−イルアセテート、(E)−3,7−ジメチル−1,3,6−オクタトリエン、(Z)−3,7−ジメチル−1,3,6−オクタトリエン、2,3−シクロヘプテノールピリジン、3−ヘキサン−1−オール、3−ヘキセン−1−イルアセテート、リモネン、ゲラニオール(trans−3,7−ジメチル−2,6−オクタジエン−1−オール)、シトロネロール(3,7−ジメチル−6−オクテン−1−オール)又は直鎖イソプレンポリマー(例えば、複数のイソプレン単位の重合に由来する直鎖イソプレン二量体又は直鎖イソプレン三量体)が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書に記述されるように、バイオイソプレン組成物は更に、発酵中に生じる顕著な量の1種類以上の揮発性不純物(例えば、O、N、HO、CO)を含み得る。これらの1つ以上の化合物(例えば、極性化合物及び/又は揮発性不純物)を、本明細書の方法に記述されているように、バイオイソプレンから取り除くことが望ましい可能性がある。
使用されている文脈に基づいて別途定義されている場合を除き、「過半量」とは50重量%超の量を意味する。例えば、イソプレンの過半量とは、参照されるイソプレンの50%超の量を意味する。いくつかの実施形態において、過半量は、60重量%、70重量%、75重量%、80重量%、90重量%、95重量%、又は99重量%を超える。
本明細書で使用される「精製イソプレン組成物」とは、発酵槽オフガス中に存在する1種以上の構成成分(例えば、揮発性不純物及び/又はバイオ副生成物不純物の一部)の少なくとも一部分から分離された、イソプレン組成物を指す。精製イソプレン組成物は、任意の相または相の混合で存在することができ、例えば、完全な気相(1種以上の追加構成成分を有するイソプレンガスなど)、完全な液相(例えば、0種、1種、2種、又はそれ以上の構成成分を有する、イソプレンを含む溶液)、固相、あるいはこれらの混合物であり得る。いくつかの実施形態において、この精製イソプレン組成物は、少なくとも約20重量%が、イソプレン以外の構成成分を含まない。さまざまな実施形態において、精製イソプレン組成物は、純度が少なくとも又は約25重量%、30重量%、40重量%、50重量%、60重量%、70重量%、75重量%、80重量%、90重量%、95重量%、98重量%又は99重量%である。純度は、例えば、カラムクロマトグラフィー、HPLC分析、又はGC−MS分析等の任意の適切な方法で分析することができる。
本明細書で使用される「バイオ副生成物」又は「バイオ副生成物不純物」は、イソプレンとメタンを除く1種以上の有機化合物で、生物学的発酵プロセスに伴い、参照される発酵槽オフガス中のイソプレンと共に得られるものである。
本明細書で使用される「揮発性不純物」とは、標準の大気圧条件下で気相である、参照される発酵槽オフガス中に見出されるメタン及び/又は1種以上の有機化合物を意味する。
特に記載がない限り、本明細書に使用する全ての技術的及び科学的用語の意味は、本発明が属する当業者に一般的に理解される意味と同様の意味である。Singleton,et al.,Dictionary of Microbiology and Molecular Biology,2nd ed.,John Wiley and Sons,New York(1994)、及びHale & Marham,The Harper Collins Dictionary of Biology,Harper Perennial,N.Y.(1991)は、本明細書で使用される用語の多くの一般的辞書を、当業者に提供している。本発明は、記述されている特定の方法論、プロトコル、及び試薬に限定されるものではなく、これらは変更し得るものであることが理解されるべきである。当業者は、本明細書に記述されているものと同様又は同等の任意の方法及び材料が、本発明の実践又は試験にも使用することができることについても、理解するであろう。
本明細書に提供されている見出しは、全体的な仕様の参照によって可能になるような、本発明の実施形態のさまざまな側面を制限するものではない。
本明細書に用いるのに、別途明確に示されている場合を除き、単数形「a」、「an」などは、1つ以上を指す。
本明細書において値又はパラメータに付く「について(about)」には、その値又はパラメータ自体を目的とする実施形態を含む(及び説明する)。例えば、「Xについて」という記述には、「X」の記述が含まれる。数値範囲は、その範囲を画定する端の数字を含む。
本明細書に記述される本発明の態様及び実施形態は、態様及び実施形態「を含む(comprising)」、態様及び実施形態「からなる(consisting)」、及び態様及び実施形態「から本質的になる(consisting-essentially-of)」を含むことが理解される。
イソプレン精製
本明細書では、イソプレンの濃縮及び/又は精製方法が提供される。いくつかの実施形態において、イソプレンは発酵槽オフガスから得られる。一態様において、発酵槽オフガスからイソプレンを精製する方法が提供され、このオフガスはイソプレン及び揮発性不純物を含む。一実施形態において、発酵槽オフガスからイソプレンを精製する方法が提供され、このオフガスはイソプレン及び揮発性不純物を含み、この方法は、発酵槽オフガスをカラムの溶媒と接触させて、溶媒及びイソプレン過半量を含む富イソプレン溶液と、揮発性不純物過半量を含む蒸気と、を形成する工程を含む。
一態様において、イソプレン及びバイオ副生成物不純物を含む溶液から、イソプレンを精製する方法が提供される。一実施形態において、イソプレン及びバイオ副生成物不純物を含む溶液から、イソプレンを精製する方法が提供され、この方法は、溶液からイソプレンをストリッピングして、バイオ副生成物不純物の過半量を含むイソプレン希薄溶液と、精製イソプレン組成物と、を形成する。
一態様において、発酵槽オフガスからイソプレンを精製する方法が提供され、このオフガスはイソプレン、揮発性不純物、及びバイオ副生成物不純物を含み、この方法は、(a)発酵槽オフガスを第1カラムの溶媒と接触させて、溶媒、イソプレン過半量、及びバイオ副生成物不純物過半量を含む、富イソプレン溶液と、揮発性不純物の過半量を含む蒸気と、を形成する工程と、(b)富イソプレン溶液を第1カラムから第2カラムに移す工程と、(c)第2カラムの富イソプレン溶液からイソプレンをストリッピングして、バイオ副生成物不純物の過半量を含むイソプレン希薄溶液と、精製イソプレン組成物と、を形成する工程と、を含む。
図1は、代表的なイソプレン精製方法と代表的な装置とを示す。イソプレンを含んだ発酵槽オフガスは、当該技術分野の任意の方法によって、再生可能資源から生成することができ、これには例えば、米国特許仮出願第61/187,944号に記述されているものが挙げられ、この内容は、特にイソプレンを含んだ発酵槽オフガスの生成方法に関して、参照により本明細書に援用される。1つ以上の個々の発酵槽12(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8基、又はそれ以上の発酵槽が直列及び/又は並列に接続されている)から生成した発酵槽オフガスは、第1カラム14に導くことができる。後述するように、発酵槽オフガスは分離装置16を通過して導くことができ、及び/又は例えば、圧縮システム18などの圧縮手段によって圧縮することができる。加えて、発酵槽オフガスの温度は、例えば、溶媒と接触させる前に凝縮液又は部分的凝縮液を形成するよう、所望により任意の時点で下げることができる(これは、イソプレンのような1種以上のオフガス構成成分の可溶化の助けになり得る)。発酵槽オフガスは、カラム14で、溶媒(例えば、無極性の高沸点溶媒など、本明細書で記述される任意の溶媒)に接触する(例えば、吸収される)ことができる。溶媒(特に無極性高沸点溶媒)中において低い吸収性を有する揮発性不純物は、残留溶媒/発酵槽オフガス混合物から分離され、これにより、揮発性不純物の過半量を含む蒸気(例えば、ポート20から出る)と、イソプレン過半量及びバイオ副生成物不純物過半量を有する富イソプレン溶液(例えば、ポート22から出る)と、がもたらされる。ストリッピング蒸気フローは、任意の好適な方法によって提供することができ(例えば、第1カラムの発酵槽オフガス供給ポイントより下にあるスチーム注入又はリボイラー装置23)、これは、残留溶液から揮発性不純物を分離するのに役立つことがある。スチームはカラムを通って導かれ(図1に示す任意の好適な位置で)、これが、揮発性不純物を取り除くのに役立ち得るスイーピング蒸気相を提供する。
イソプレン過半量とバイオ副生成物不純物過半量を含む富イソプレン溶液(例えば、ポート22で)は、第2カラム24に導くことができる。第2カラムは、第1カラム14から分離していてよく(図1参照)、又は第1カラムと第2カラムの両方を含む単一カラムの一部であってもよい(例えば、第1カラムの一方の端又は端近くで溶媒が第1カラムに入り、第2カラムのもう一方の端又は端近くで第2カラムから出るような、タンデムカラム)。イソプレンは、第2カラムの富イソプレン溶液からストリッピングして、精製イソプレン組成物(例えば、ポート26)と、バイオ副生成物不純物の過半量を含むイソプレン希薄溶液(例えば、ポート28)と、を生成することができる。スチームを第2カラムに追加して、残留溶液からイソプレンをストリッピングするのに役立てることができる。スチームはカラムを通過するよう導くことができる(任意の好適な位置でよく、例えば、富イソプレン溶液の流入点とは反対側の端、及び/又は図1に示すように、イソプレン希薄溶液出口の端近く)。
本明細書に記述されているように、このカラムは従来型のものであってよく、任意の好適な大きさであってよい。代表的なタイプのカラムは、Koch Modular Process Systems(Paramus,NJ)、Fluor Corporation(Irving,TX)、Kuhni USA(Mount Holly,NC)などのメーカーから市販されている。一般に、カラムは、望ましい効率を達成するために、蒸気/液体接触を最大にするよう設計される。これは、カラムを充填材料で詰めるか、あるいはカラムに沿って一定間隔で配置したトレイを詰めることによって、達成される。好適な充填材料には、金属、ガラス、ポリマー及びセラミック材料をベースにしたランダムタイプ及び構造化タイプの両方が挙げられる。代表的なランダム充填材料タイプには、Raschigリング、Pallリング、A−PAKリング、Saddleリング、Pro−Pak、Heli−Pak、Ceramicサドル及びFLEXIRINGS(登録商標)が挙げられる。構造化充填材料には、ワイヤメッシュ及び穴あき金属プレートタイプの材料が挙げられる。カラム充填材料の専門メーカーには、ACS Separations & Mass−Transfer Products(Houston,TX)、Johnson Bros.Metal Forming Co.(Berkeley,IL)及びKoch Glitsch,Inc.Knight Div.(East Canton,OH)が挙げられる。ガスストリッピングカラムの効率は、カラムの理論的プレート高さとプレートの合計数を用いて表わされる。一般に、存在する理論的プレートの数が大きいほど、カラムの効率が高くなる。実験室規模のカラムは、Ace Glass(Vineland,NJ)、Sigma−Aldrich(St.Louis,MO)及びChemglass(Vineland,NJ)から購入できる。好適なガラスカラムのタイプには、Vigreux、Snyder、Hemple及び穴あきプレートタイプのカラムが挙げられる。カラムは、充填材料を含むことができ、又は蒸気/液体接触を最大にするよう設計された特徴を含めることができる。実験室規模のガススクラバー装置(部品番号CG−1830−10)がChemglassから入手でき、これは充填されたガラスカラムと、溶媒リザーバ及び溶媒再循環ポンプからなっている。
第2カラム24からの精製イソプレン組成物(ポート26から出る)は、任意の好適な方法によって更に精製することができる(例えば、還流凝縮器34及び/又は吸着システム36(シリカ吸着システムなど))。還流により、イソプレン生成物中の溶媒組成物が減少する。イソプレン希薄溶液は、再使用のため第1カラムに戻してリサイクルできる(例えば、図1のポート30に示すように)。イソプレン希薄溶液は、第1カラム14へリサイクルする前に、任意の好適な方法(例えば、液−液抽出及び/又は吸着システム32(シリカ吸着システムなど))によって精製することにより、バイオ副生成物の量を減らすことができる。加えて、イソプレン希薄溶液の温度は、第1カラム14へリサイクルする前に、任意の好適な方法で、下げておくことができる(例えば、イソプレン溶液の所望による精製の前、同時、及び/又は後で)。図1は、イソプレン希薄溶液の精製の前に、ポート40でイソプレン希薄溶液の温度を下げる例を示している(この例では、温度低下のために冷却材を用いている)。
一実施形態において、冷却装置がシステム32のすぐ下流に連結され、更なる冷却を提供する。更に、第2カラム24からの低イソプレン溶媒は、相分離させて水を取り除いてから、溶液を冷却し、第1カラム14の上に戻すことができる。この相分離装置は、ポート40のすぐ下に連結され得る。更に、凝縮器34からの凝縮した水及びイソプレンも、凝縮器34のすぐ下流に連結された同様の相分離装置によって、同様の相分離を行って水を取り除くことができる。これによって、イソプレン相のみが第2カラムに戻される。それぞれの場合において、相分離装置から得た水は破棄用ストリームとなる。
揮発性不純物の過半量を含む蒸気(例えば、図1のポート20から出る蒸気)は、少量のイソプレンを含み得る(例えば、富イソプレン溶液中に残らない残留イソプレン)。この残留イソプレンは、任意の好適な方法(例えば、吸着システム38(活性炭吸着システムなど))によって、揮発性不純物の過半量を含む蒸気から再回収して使用することができ、また場合によっては、図1に示すように、精製イソプレン組成物と組み合わせることができる(追加の精製システム(システム36に類似の吸着システムなど)の前、同時、又は後で)。図1には更に、蒸気から大気へと放出される望ましくない組成物(例えば、CO)の量を低減させることができる、所望による捕捉装置42(例えば、熱酸化装置及び/又はCO捕捉システム)も示されている。
発酵槽オフガス
本明細書の方法に使用可能な、イソプレンを含む発酵槽オフガス製造の技法は、例えば、国際特許出願公開第WO2009/076676号、米国特許出願第12/496,573号、同第12/560,390号、同第12/560,317号、同第12/560,370号、同第12/560,305号、及び同第12/560,366号、並びに米国特許仮出願第61/187,930号、同第61/187,934号、及び同第61/187,959に記載されている。特に、これらの組成物及び方法は、イソプレン生成の速度を高め、生成されるイソプレンの量を増大させる。
詳しく後述されるように、発酵槽オフガスは、培養によって細胞から産生され得る。いくつかの実施形態において、培養中の細胞は、細胞の湿潤重量/時間(nmol/gwcm/hr)について、細胞グラム当たり約400nmol超のイソプレンを産生することができる。いくつかの実施形態において、細胞は(i)イソプレンシンターゼポリペプチドをエンコードし、(ii)プロモーターに操作可能に連結する異種核酸を有する。いくつかの実施形態において、細胞は炭素源を含む培地で培養され、この炭素源には、炭水化物、グリセロール、グリセリン、ジヒドロキシアセトン、一炭素供給源、油、動物脂、動物油、脂肪酸、脂質、リン脂質、グリセロ脂質、モノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリド、再生可能炭素源、ポリペプチド(例えば、微生物又は植物のタンパク質又はペプチド)、酵母抽出物、酵母抽出物の構成成分、又はこれらのうち2つ以上の任意の組み合わせが挙げられる。いくつかの実施形態において、細胞はグルコース制限条件下で培養される。
微生物培養の維持と増殖に好適な材料及び方法は、当該技術分野において周知である。代表的な技法は、Manual of Methods for General Bacteriology(Gerhardt et al.,eds),American Society for Microbiology,Washington,D.C.(1994)又はBrock in Biotechnology:A Textbook of Industrial Microbiology,Second Edition(1989)Sinauer Associates,Inc.,Sunderland,MAに見出すことができ、これらはそれぞれ、特に細胞培養技法に関して、全体が参照により本明細書に援用される。
標準の細胞培養条件を、この細胞培養に使用することができる(例えば、国際特許公報第WO 2004/033646号、及びその中に参照されている文献を参照のこと。これらはそれぞれ、特に細胞培養条件及び発酵条件に関して、全体が参照により本明細書に援用される)。細胞は、適切な温度、気体混合、及びpHで増殖及び維持される(例えば、約20〜約37℃、約6%〜約84%のCO、及びpH約5〜約9)。いくつかの実施形態において、細胞は適切な細胞培地中において35℃で増殖する。いくつかの実施形態において、培養物は、望ましい量のイソプレン産生が達成されるまで、振盪培養器又は発酵槽中の適切な培地中において、約28℃で培養される。いくつかの実施形態において、発酵のpH範囲はpH約5.0〜pH約9.0である(例えば、pH約6.0〜pH約8.0、又は約6.5〜約7.0)。反応は、宿主細胞の要件に基づき、好気的、無酸素的、又は嫌気的条件で実施することができる。所与の糸状真菌の代表的な培養条件は当該技術分野において周知であり、科学文献で、及び/又は例えば、American Type Culture Collection及びFungal Genetics Stock Centerなどの真菌供給源で見出すことができる。
さまざまな実施形態において、細胞は、例えば、バッチプロセス、フェドバッチプロセス、又は連続プロセスなどの、既知の発酵モードを用いて増殖する。いくつかの実施形態において、バッチ発酵方法が使用される。古典的なバッチ発酵は閉鎖システムであり、培地の組成物は発酵の開始時に設定され、発酵中に人工的な改変を加えることはない。よって、発酵の開始時に細胞培地には望ましい宿主細胞が接種され、システムに何も追加することなく発酵が進行する。しかしながら典型的には、「バッチ」発酵は炭素源の追加に関してはバッチであるが、pH及び酸素濃度などの要素を制御する試みがしばしば行われる。バッチシステムでは、システムの代謝産物及びバイオマス組成物は、発酵が停止する時点に至るまで、常に変化し続ける。バッチ培養内で、細胞は、静的誘導期から高増殖対数期へと移行し、最終的に固定期に至って、成長速度が減速又は停止する。いくつかの実施形態において、対数期にある細胞が、イソプレン産生の量を左右する。いくつかの実施形態において、固定期にある細胞が、イソプレンを産生する。
いくつかの実施形態において、培養細胞は、細胞培地中の炭素の約0.002%超をイソプレンに変換することができる。いくつかの実施形態において、細胞は(i)イソプレンシンターゼポリペプチドをエンコードし、(ii)プロモーターに操作可能に連結する異種核酸を有する。いくつかの実施形態において、細胞は炭素源を含む培地で培養され、この炭素源には、炭水化物、グリセロール、グリセリン、ジヒドロキシアセトン、一炭素供給源、油、動物脂、動物油、脂肪酸、脂質、リン脂質、グリセロ脂質、モノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリド、再生可能炭素源、ポリペプチド(例えば、微生物又は植物のタンパク質又はペプチド)、酵母抽出物、酵母抽出物の構成成分、又はこれらのうち2つ以上の任意の組み合わせが挙げられる。いくつかの実施形態において、細胞はグルコース制限条件下で培養される。
いくつかの実施形態において、培養細胞は、イソプレンシンターゼポリペプチドをエンコードした異種核酸を含む。いくつかの実施形態において、細胞は(i)イソプレンシンターゼポリペプチドをエンコードし、(ii)プロモーターに操作可能に連結する異種核酸を有する。いくつかの実施形態において、細胞は炭素源を含む培地で培養され、この炭素源には、炭水化物、グリセロール、グリセリン、ジヒドロキシアセトン、一炭素供給源、油、動物脂、動物油、脂肪酸、脂質、リン脂質、グリセロ脂質、モノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリド、再生可能炭素源、ポリペプチド(例えば、微生物又は植物のタンパク質又はペプチド)、酵母抽出物、酵母抽出物の構成成分、又はこれらのうち2つ以上の任意の組み合わせが挙げられる。いくつかの実施形態において、細胞はグルコース制限条件下で培養される。
いくつかの実施形態において、培養細胞が、固定期中に、産生することができるイソプレンの量(例えば、産生されるイソプレンの合計量、又はOD600当たり毎時、ブロス1リットルにつき産生されるイソプレンの量)は、同じ時間の増殖期中に産生するイソプレン量よりも多く、又は約2倍以上である。いくつかの実施形態において、培養細胞は固定期でのみイソプレンを産生できる。いくつかの実施形態において、培養細胞は増殖期と固定期の両方でイソプレンを産生できる。さまざまな実施形態において、培養細胞が固定期中に産生できるイソプレンの量は、同じ時間の増殖期中に産生するイソプレン量の約2倍、約3倍、約4倍、約5倍、約10倍、約20倍、約30倍、約40倍、約50倍を超える、又はそれ以上である。
いくつかの実施形態において、培養細胞は、反応チャンバを含むシステムから得られ、細胞は、約400、約500、約600、約700、約800、約900、約1,000、約1,250、約1,500、約1,750、約2,000、約2,500、約3,000、約4,000、約5,000nmole/gwcm/hrを超える、又はそれ以上であるイソプレンを産生できる。いくつかの実施形態において、システムは閉鎖システムではない。いくつかの実施形態において、イソプレンの少なくとも一部がシステムから取り除かれる。いくつかの実施形態において、システムにはイソプレンを含む気相が含まれる。さまざまな実施形態において、この気相は、本明細書に記述される任意の組成物を含む。
いくつかの実施形態において、培養細胞は、約400、約500、約600、約700、約800、約900、約1,000、約1,250、約1,500、約1,750、約2,000、約2,500、約3,000、約4,000、約5,000nmol/gwcm/hrを超える、又はそれ以上のイソプレンを産生する。いくつかの実施形態において、培養細胞は、約0.002、約0.005、約0.01、約0.02、約0.05、約0.1、約0.12、約0.14、約0.16、約0.2、約0.3、約0.4、約0.5、約0.6、約0.7、約0.8、約0.9、約1.0、約1.2、約1.4、約1.6%を超える、又はそれ以上の、細胞培地の炭素をイソプレンに変換する。いくつかの実施形態において、培養細胞は、細胞の湿潤重量/時間(ng/gwcm/hr)について、細胞グラム当たり、約1、約10、約25、約50、約100、約150、約200、約250、約300、約400、約500、約600、約700、約800、約900、約1,000、約1,250、約1,500、約1,750、約2,000、約2,500、約3,000、約4,000、約5,000、約10,000、約100,000ngを超える、又はそれ以上のイソプレンを産生する。いくつかの実施形態において、培養細胞は、1Lのブロス当たり、約1、約10、約25、約50、約100、約150、約200、約250、約300、約400、約500、約600、約700、約800、約900、約1,000、約1,250、約1,500、約1,750、約2,000、約2,500、約3,000、約4,000、約5,000、約10,000、約50,000、約100,000mgを超える、又はそれ以上のイソプレン(mg/Lbroth、ブロスの体積には細胞及び細胞培地の体積も含まれる)を産生する。イソプレン産生の他の代表的な速度、及びイソプレン産生の合計量は、本明細書において開示される。
任意の態様のいくつかの実施形態において、培養細胞は更に、IDIポリペプチドをエンコードする異種核酸を含む。いくつかの実施形態において、この細胞は更に、IDIポリペプチドをエンコードする異種核酸のコピー挿入を含む。いくつかの実施形態において、この細胞は更に、DXSポリペプチドをエンコードする異種核酸を含む。いくつかの実施形態において、この細胞は更に、DXSポリペプチドをエンコードする異種核酸のコピー挿入を含む。いくつかの実施形態において、この細胞は更に、IDIポリペプチド及びDXSポリペプチドをエンコードする1つ以上の核酸を含む。いくつかの実施形態において、1つの核酸が、イソプレンシンターゼポリペプチド、IDIポリペプチド、及びDXSポリペプチドをエンコードする。いくつかの実施形態において、1つのベクターが、イソプレンシンターゼポリペプチド、IDIポリペプチド、及びDXSポリペプチドをエンコードする。いくつかの実施形態において、このベクターは、例えば、抗生物質抵抗性核酸などの選択的マーカーを含む。
いくつかの実施形態において、異種イソプレンシンターゼ核酸は、例えば、中コピー数プラスミド又は高コピー数プラスミドを含むT7プロモーターなどのT7プロモーターに操作可能に連結している。いくつかの実施形態において、異種イソプレンシンターゼ核酸は、例えば、中コピー数プラスミド又は高コピー数プラスミドを含むTrcプロモーターなどのTrcプロモーターに操作可能に連結している。いくつかの実施形態において、異種イソプレンシンターゼ核酸は、例えば、低コピー数プラスミドを含むLacプロモーターなどのLacプロモーターに操作可能に連結している。いくつかの実施形態において、異種イソプレンシンターゼ核酸は、例えば、内因性アルカリセリンプロテアーゼなどの内因性プロモーターに操作可能に連結している。いくつかの実施形態において、異種イソプレンシンターゼ核酸は、選択的マーカーなしで細胞の染色体内に組み込まれる。
いくつかの実施形態において、1つ以上のMVA経路、IDI、DXP、又はイソプレンシンターゼ核酸が、増殖期よりも固定期においてより活性化するプロモーター又は因子の制御下に置かれる。例えば、1つ以上のMVA経路、IDI、DXP、又はイソプレンシンターゼ核酸を、例えば、RpoSなどの、固定期シグマ因子の制御下に置くことができる。いくつかの実施形態において、1つ以上のMVA経路、IDI、DXP、又はイソプレンシンターゼ核酸を、例えば、固定期に反応制御活性化により誘導性のプロモーターなど、固定期に誘導性のプロモーターの制御下に置くことができる。
いくつかの実施形態において、培養細胞の少なくとも一部分が、少なくとも約5、約10、約20、約40、約50、約60、約65、又はそれ以上の連続培養(例えば、希釈のない連続培養)の細胞区分について、異種イソプレンシンターゼ核酸を維持する。いくつかの実施形態において、イソプレンシンターゼ、IDI、又はDXS核酸を含む核酸は、例えば、抗生物質抵抗性核酸などの選択的マーカーも含む。
いくつかの実施形態において、培養細胞は更に、MVA経路ポリペプチド(例えば、Saccharomyces cerevisia又はEnterococcus faecalisからのMVA経路ポリペプチド)をエンコードする異種核酸を含む。いくつかの実施形態において、培養細胞は更に、MVA経路ポリペプチド(例えば、Saccharomyces cerevisia又はEnterococcus faecalisからのMVA経路ポリペプチド)をエンコードする異種核酸のコピーの挿入を含む。いくつかの実施形態において、この細胞は、イソプレンシンターゼ、DXS、及びMVA経路核酸を含む。いくつかの実施形態において、この細胞は、イソプレンシンターゼ核酸、DXS核酸、IDI核酸、及びMVA経路核酸(MVA-pathway-nucleic)を含む(IDI核酸に加えて)。
いくつかの実施形態において、イソプレンシンターゼポリペプチドは、プエラリア(例えば、Pueraria montana又はPueraria lobata)などの植物で自然に生じるポリペプチドである。
いくつかの実施形態において、培養細胞は細菌細胞であり、例えば、グラム陽性細菌細胞(例えば、Bacillus細胞(Bacillus subtilis細胞など)、又はStreptomyces細胞(Streptomyces lividans、Streptomyces coelicolor、又はStreptomyces griseus細胞など))である。いくつかの実施形態において、培養細胞はグラム陰性細菌細胞である(例えば、Escherichia細胞(Escherichia coli細胞など)又はPantoea細胞(Pantoea citrea細胞など))。いくつかの実施形態において、培養細胞は心筋細胞であり、例えば、糸状真菌細胞(例えば、Trichoderma細胞(Trichoderma reesei細胞など)又はAspergillus細胞(Aspergillus oryzae及びAspergillus nigerなど))、あるいは、酵母細胞(例えば、Yarrowia細胞(Yarrowia lipolytica細胞など))である。
いくつかの実施形態において、微生物ポリペプチド炭素源には、酵母又は細菌由来の1つ以上のポリペプチドが含まれる。いくつかの実施形態において、植物のポリペプチド炭素源には、大豆、トウモロコシ、キャノーラ、ナンヨウアブラギリ(jatropha)、ヤシ、ピーナッツ、ヒマワリ、ココヤシ、カラシナ、菜種、綿実、パーム核、オリーブ、サフラワー、ゴマ、又は亜麻仁に由来する1つ以上のポリペプチドが挙げられる。
前述のように、本明細書に記述される発酵槽オフガスは、再生可能資源(例えば、炭素源、生物学的及び/又は植物)から誘導することができる。代表的な再生可能資源は、例えば、米国特許仮出願第61/187,944号に記述されており(この内容は参照により本明細書に援用される)、チーズ乳清浸透液、コーンスティープリカー、テンサイ糖蜜、大麦麦芽、及びこれらの任意の構成成分が挙げられる。代表的な再生可能資源にはまた、トウモロコシ、スイッチグラス、サトウキビ、発酵プロセスの細胞廃棄物、及び大豆、トウモロコシ、若しくは小麦の粉砕によるタンパク質副生成物などの、バイオマス中に存在するアセテート、グルコース、ヘキソース、ペントース及びキシロースが挙げられる。いくつかの実施形態において、バイオマス炭素源はリグノセルロース、ヘミセルロース、又はセルロース材料であり、例えば、草、小麦、小麦わら、バガス、サトウキビバガス、軟質木材パルプ、トウモロコシ、トウモロコシの芯又は皮、トウモロコシ穀粒、トウモロコシ穀粒の繊維、トウモロコシ茎葉、スイッチグラス、籾殻製品、又は穀粒(トウモロコシ、ソルガム、ライ麦、ライ小麦、大麦、小麦、及び/又は醸造かす)の湿式若しくは乾式粉砕による副生成物が挙げられるが、これらに限定されない。代表的なセルロース材料には、木、紙及びパルプ廃棄物、草質植物、及び果実パルプが挙げられる。いくつかの実施形態において、炭素源には、茎、穀粒、根、又は塊茎などの任意の植物部分が挙げられる。いくつかの実施形態において、下記の植物のうち任意のものの全て又は一部が、炭素源として使用される:トウモロコシ、小麦、ライ麦、ソルガム、ライ小麦、米、キビ、大麦、キャッサバ、豆類(一般豆類とエンドウ豆など)、ジャガイモ、サツマイモ、バナナ、サトウキビ、及び/又はタピオカ。いくつかの実施形態において、炭素源は、キシロースとグルコースの両方を含むか、スクロースとグルコースの両方を含むバイオマス加水分解産物などの、バイオマス加水分解産物である。
本明細書に記述されている方法のいくつかの実施形態において、発酵槽オフガスは、再生可能資源から誘導される。いくつかの実施形態において、発酵槽オフガスはバイオイソプレンを含む。いくつかの実施形態において、発酵槽オフガスは、発酵槽オフガスの全C5炭化水素に対して、約98.0重量%以上、約98.5重量%以上、約99.0重量%以上、約99.5重量%以上、又は約100重量%のイソプレンを含む。いくつかの実施形態において、発酵槽オフガスは、発酵槽オフガスの全C5炭化水素に対して、約99.90重量%以上、約99.92重量%以上、約99.94重量%以上、約99.96重量%以上、約99.98重量%以上、又は約100重量%のイソプレンを含む。いくつかの実施形態において、発酵槽オフガスは、水素炎イオン化検出器付きガスクロマトグラフィー(GC/FID)で分析したときに、発酵槽オフガスの全C5炭化水素に対する検出器反応に比べて、約98.0%以上、約98.5%以上、約99.0%以上、約99.5%以上、又は約100%、又はそれを超える相対的検出器反応を生成する。いくつかの実施形態において、発酵槽オフガスは、同様に分析したときに、発酵槽オフガスの全C5炭化水素に対する検出器反応に比べて、約99.90%以上、約99.91%以上、約99.92%以上、約99.93%以上、約99.94%以上、約99.95%以上、約99.96%以上、約99.97%以上、約99.98%以上、約99.99%以上、又は約100%の相対的検出器反応を生成する。いくつかの実施形態において、発酵槽オフガスは、発酵槽オフガスの全C5炭化水素の重量で、約98.0〜約98.5、約98.5〜約99.0、約99.0を含む。いくつかの実施形態において、発酵槽オフガスは、発酵槽オフガスの全C5炭化水素に対して、約99.90重量%〜約99.92重量%、約99.92重量%〜約99.94重量%、約99.94重量%〜約99.96重量%、約99.96重量%〜約99.98重量%、約99.98重量%〜約100重量%のイソプレンを含む。
本明細書に記述される方法のいくつかの実施形態において、発酵槽オフガスは、発酵槽オフガスの全C5炭化水素に対して、イソプレン以外のC5炭化水素(例えば、1,3−シクロペンタジエン、cis−1,3−ペンタジエン、trans−1,3−ペンタジエン、1,4−ペンタジエン、1−ペンチン、2−ペンチン、1−ペンテン、2−メチル−1−ブテン、2−メチル−2−ブテン、3−メチル−l−ブチン、ペント−4−エン−1−イン、trans−ペント−3−エン−1−イン、又はcis−ペント−3−エン−1−イン)を、約2.0重量%以下、約1.5重量%以下、約1.0重量%以下、約0.5重量%以下、約0.2重量%以下、約0.12重量%以下、約0.10重量%以下、約0.08重量%以下、約0.06重量%以下、約0.04重量%以下、約0.02重量%以下、約0.01重量%以下、約0.005重量%以下、約0.001重量%以下、約0.0005重量%以下、約0.0001重量%以下、約0.00005重量%以下、又は約0.00001重量%以下含む。いくつかの実施形態において、発酵槽オフガスは、発酵槽オフガスの全C5炭化水素に対する検出器反応に比べて、約2.0%以下、約1.5%以下、約1.0%以下、約0.5%以下、約0.2%以下、約0.12%以下、約0.10%以下、約0.08%以下、約0.06%以下、約0.04%以下、約0.02%以下、約0.01%以下、約0.005%以下、約0.001%以下、約0.0005%以下、約0.0001%以下、約0.00005%以下、又は約0.00001%以下の相対的検出器反応を有する。いくつかの実施形態において、発酵槽オフガスは、発酵槽オフガスの全C5炭化水素に対する検出器反応に比べて、1,3−シクロペンタジエン、cis−1,3−ペンタジエン、trans−1,3−ペンタジエン、1,4−ペンタジエン、1−ペンチン、2−ペンチン、1−ペンテン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−l−ブチン、ペント−4−エン−1−イン、trans−ペント−3−エン−1−イン、又はcis−ペント−3−エン−1−イン)を、約2.0%以下、約1.5%以下、約1.0%以下、約0.5%以下、約0.2%以下、約0.12%以下、約0.10%以下、約0.08%以下、約0.06%以下、約0.04%以下、約0.02%以下、約0.01%以下、約0.005%以下、約0.001%以下、約0.0005%以下、約0.0001%以下、約0.00005%以下、又は約0.00001%以下の相対的検出器反応を有する。いくつかの実施形態において、高純度イソプレン開始組成物は、発酵槽オフガスの全C5炭化水素に対して、イソプレン以外のC5炭化水素(1,3−シクロペンタジエン、cis−1,3−ペンタジエン、trans−1,3−ペンタジエン、1,4−ペンタジエン、1−ペンチン、2−ペンチン、1−ペンテン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−l−ブチン、ペント−4−エン−1−イン、trans−ペント−3−エン−1−イン、又はcis−ペント−3−エン−1−イン)を、約0.02〜約0.04重量%、約0.04〜約0.06重量%、約0.06〜0.08重量%、約0.08〜約0.10重量%、又は約0.10〜約0.12重量%含む。
本明細書で記述される方法のいくつかの実施形態において、発酵槽オフガスは、イソプレンの重合を阻害するような発酵槽オフガス中の任意の化合物について、イソプレンの重合を阻害する化合物を、約50μg/L以下、約40μg/L以下、約30μg/L以下、約20μg/L以下、約10μg/L以下、約5μg/L以下、約1μg/L以下、約0.5μg/L以下、約0.1μg/L以下、約0.05μg/L以下、約0.01μg/L以下、又は約0.005μg/L以下含む。いくつかの実施形態において、発酵槽オフガスは、イソプレンの重合を阻害するような発酵槽オフガス中の任意の化合物について、イソプレンの重合を阻害する化合物を、約0.005〜約50μg/L(例えば、約0.01〜約10μg/L、約0.01〜約5μg/L、約0.01〜約1μg/L、約0.01〜0.5μg/L、又は0.01〜約0.005μg/L)含む。いくつかの実施形態において、発酵槽オフガスは、イソプレン以外の炭化水素(1,3−シクロペンタジエン、cis−1,3−ペンタジエン、trans−1,3−ペンタジエン、1,4−ペンタジエン、1−ペンチン、2−ペンチン、1−ペンテン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−l−ブチン、ペント−4−エン−1−イン、trans−ペント−3−エン−1−イン、又はcis−ペント−3−エン−1−イン)を約50μg/L以下、約40μg/L以下、約30μg/L以下、約20μg/L以下、約10μg/L以下、約5μg/L以下、約1μg/L以下、約0.5μg/L以下、約0.1μg/L以下、約0.05μg/L以下、約0.01μg/L以下、又は約0.005μg/L以下含む。いくつかの実施形態において、発酵槽オフガスは、イソプレン以外の炭化水素を、約0.005〜約50μg/L(例えば、約0.01〜約10μg/L、約0.01〜約5μg/L、約0.01〜約1μg/L、約0.01〜約0.5μg/L、約0.01〜約0.005μg/L)含む。いくつかの実施形態において、発酵槽オフガスは、タンパク質又は脂肪酸(例えば、天然ゴムに自然に伴っているタンパク質又は脂肪酸)を、約50μg/L以下、約40μg/L以下、約30μg/L以下、約20μg/L以下、約10μg/L以下、約5μg/L以下、約1μg/L以下、約0.5μg/L以下、約0.1μg/L以下、約0.05μg/L以下、約0.01μg/L以下、又は0.005μg/L以下含む。
本明細書で記述される方法のいくつかの実施形態において、発酵槽オフガスは、約10ppm以下、約5ppm以下、約1ppm以下、約0.8ppm以下、約0.5ppm以下、約0.1ppm以下、約0.05ppm以下、約0.01ppm以下、又は約0.005ppm以下のアルファ−アセチレン類、ピペリレン類、アセトニトリル、又は1,3−シクロペンタジエンを含む。いくつかの実施形態において、発酵槽オフガスは、約5ppm以下、約1ppm以下、約0.5ppm以下、約0.1ppm以下、約0.05ppm以下、約0.01ppm以下、又は約0.005ppm以下のイオウ又はアレン類を含む。いくつかの実施形態において、発酵槽オフガスは、約30ppm以下、約20ppm以下、約15ppm以下、約10ppm以下、約5ppm以下、約1ppm以下、約0.5ppm以下、約0.1ppm以下、約0.05ppm以下、約0.01ppm以下、又は約0.005ppm以下の全アセチレン類(例えば、1−ペンチン、2−ペンチン、3−メチル−l−ブチン、ペント−4−エン−1−イン、trans−ペント−3−エン−1−イン、及びcis−ペント−3−エン−1−イン)を含む。いくつかの実施形態において、発酵槽オフガスは、例えば、環状イソプレン二量体(例えば、2つのイソプレン単位の二量体化から導かれた環状C10化合物)などのイソプレン二量体を、約2000ppm以下、約1000ppm以下、約500ppm以下、約200ppm以下、約100ppm以下、約50ppm以下、約40ppm以下、約30ppm以下、約20ppm以下、約10ppm以下、約5ppm以下、約1ppm以下、約0.5ppm以下、約0.1ppm以下、約0.05ppm以下、約0.01ppm以下、又は約0.005ppm以下含む。
オフガスのバイオ副生成物不純物
発酵槽オフガスのバイオ副生成物は、本明細書に記述されている化合物の任意の1つ又は任意の組み合わせを含み得る。いくつかの実施形態において、発酵槽オフガスのバイオ副生成物は、1つ以上の極性化合物を含む。極性は、当該技術分野において既知の方法によって測定することができ、例えば、水溶性、水素結合の電位、誘電率及び/又は油/水分配係数を測定することによって行うことができる。いくつかの実施形態において、バイオ副生成物の1つ以上の化合物は、例えば、25℃(77°F)で2.1超の誘電率を有すると測定されることで、イソプレンの極性よりも大きい全体的極性を有する。いくつかの実施形態において、バイオ副生成物の約20重量%、30重量%、50重量%、60重量%、70重量%、80重量%、90重量%、又は95重量%(w/w)超の部分が、イソプレンの極性よりも大きい全体的極性を有する1つ以上の化合物からなる。いくつかの実施形態において、バイオ副生成物の1つ以上の化合物は、20℃において、約2超、約3超、約5超、約7.5超、又は約10超の誘電率を有する。いくつかの実施形態において、バイオ副生成物の約20重量%、30重量%、50重量%、60重量%、70重量%、80重量%、90重量%、又は95重量%(w/w)超の部分が、20℃において、約2超、約3超、約5超、約7.5超、又は約10超の誘電率を有する1つ以上の化合物からなる。
いくつかの実施形態において、発酵槽オフガスには、バイオ副生成物中に、アルコール、アルデヒド、又はケトン(例えば、本明細書で記述されるアルコール類、アルデヒド類、又はケトン類のうち任意のもの)の化合物のうち1つ以上が含まれる。いくつかの実施形態において、発酵槽オフガスには、(i)アルコールとアルデヒド、(ii)アルコールとケトン、(iii)アルデヒドとケトン、(iv)アルコール、アルデヒド、及びケトン、又は(v)エステル類が含まれる。
発酵槽オフガスは、バイオ副生成物中に、下記の化合物のうち任意の1つ、又は1つ以上の任意の組み合わせを含み得る:エタノール、アセトン、メタノール、アセトアルデヒド、メタクロレイン、メチルビニルケトン、2−メチル−2−ビニルオキシラン、3−メチルフラン、cis−及びtrans−3−メチル−1,3−ペンタジエン、C5フェニルアルコール(例えば、3−メチル−3−ブテン−1−オール又は3−メチル−2−ブテン−1−オール)、2−ヘプタノン、6−メチル−5−ヘプテン−2−オン、2,4,5−トリメチルピリジン、2,3,5−トリメチルピラジン、シトロネラール、メタンチオール、酢酸メチル、1−プロパノール、ジアセチル、2−ブタノン、2−メチル−3−ブテン−2−オール、酢酸エチル、2−メチル−1−プロパノール、3−メチル−1−ブタナール、3−メチル−2−ブタノン、1−ブタノール、2−ペンタノン、3−メチル−1−ブタノール、エチルイソブチラート、3−メチル−2−ブテナール、酢酸ブチル、3−メチルブチルアセテート、3−メチル−3−ブテン−1−イルアセテート、3−メチル−2−ブテン−1−イルアセテート、(E)−3,7−ジメチル−1,3,6−オクタトリエン、(Z)−3,7−ジメチル−1,3,6−オクタトリエン、2,3−シクロヘプテノールピリジン、3−ヘキサン−1−オール、3−ヘキセン−1−イルアセテート、リモネン、ゲラニオール(trans−3,7−ジメチル−2,6−オクタジエン−1−オール)、シトロネロール(3,7−ジメチル−6−オクテン−1−オール)。
いくつかの実施形態において、発酵槽オフガスは、バイオ副生成物中に、以下の化合物のうち任意の1つ、又は1つ以上の任意の組み合わせを含む:2−ヘプタノン、6−メチル−5−ヘプテン−2−オン、2,4,5−トリメチルピリジン、2,3,5−トリメチルピラジン、シトロネラール、アセトアルデヒド、メタンチオール、酢酸メチル、1−プロパノール、ジアセチル、2−ブタノン、2−メチル−3−ブテン−2−オール、酢酸エチル、2−メチル−1−プロパノール、3−メチル−1−ブタナール、3−メチル−2−ブタノン、1−ブタノール、2−ペンタノン、3−メチル−1−ブタノール、エチルイソブチラート、3−メチル−2−ブテナール、酢酸ブチル、3−メチルブチルアセテート、3−メチル−3−ブテン−1−イルアセテート、3−メチル−2−ブテン−1−イルアセテート、(E)−3,7−ジメチル−1,3,6−オクタトリエン、(Z)−3,7−ジメチル−1,3,6−オクタトリエン、2,3−シクロヘプテノールピリジン、又は直鎖イソプレンポリマー(例えば、複数のイソプレン単位の重合に由来する直鎖イソプレン二量体又は直鎖イソプレン三量体)。いくつかの実施形態において、発酵槽オフガスは、バイオ副生成物中に、1つ以上の下記の化合物を含む:エタノール、アセトン、メタノール、アセトアルデヒド、メタクロレイン、メチルビニルケトン、3−メチルフラン、2−メチル−2−ビニルオキシラン、cis−及びtrans−3−メチル−1,3−ペンタジエン、C5プレニルアルコール(例えば、3−メチル−3−ブテン−1−オール又は3−メチル−2−ブテン−1−オール)。
本明細書に記述されている方法のいくつかの実施形態において、発酵槽オフガスは、約0.005μg/L以上、約0.01μg/L以上、約0.05μg/L以上、約0.1μg/L以上、約0.5μg/L以上、約1μg/L以上、約5μg/L以上、約10μg/L以上、約20μg/L以上、約30μg/L以上、約40μg/L以上、約60μg/L以上、約80μg/L以上、約100μg/L以上、又は約120μg/L以上のバイオ副生成物(例えば、エタノール、アセトン、メタノール、アセトアルデヒド、メタクロレイン、メチルビニルケトン、3−メチルフラン、2−メチル−2−ビニルオキシラン、cis−及びtrans−3−メチル−1,3−ペンタジエン、並びにC5プレニルアルコール(例えば、3−メチル−3−ブテン−1−オール又は3−メチル−2−ブテン−1−オール)から選択される1つ以上の化合物を含むバイオ副生成物)を含む。いくつかの実施形態において、発酵槽オフガスは、バイオ副生成物中に、1つ以上の化合物(例えば、エタノール、アセトン、メタノール、アセトアルデヒド、メタクロレイン、メチルビニルケトン、3−メチルフラン、2−メチル−2−ビニルオキシラン、cis−及びtrans−3−メチル−1,3−ペンタジエン、並びにC5プレニルアルコール(例えば、3−メチル−3−ブテン−1−オール又は3−メチル−2−ブテン−1−オール)から選択される1つ以上の化合物)を、約0.005μg/L以上、約0.01μg/L以上、約0.05μg/L以上、約0.1μg/L以上、約0.5μg/L以上、約1μg/L以上、約5μg/L以上、約10μg/L以上、約20μg/L以上、約30μg/L以上、約40μg/L以上、約60μg/L以上、約80μg/L以上、約100μg/L以上、又は約120μg/L以上含む。いくつかの実施形態において、発酵槽オフガスは、約0.005〜約120μg/L、例えば、約0.01〜約80μg/L、約0.01〜約60μg/L、約0.01〜約40μg/L、約0.01〜約30μg/L、約0.01〜約20μg/L、約0.01〜10μg/L、約0.1〜約80μg/L、約0.1〜約60μg/L、約0.1〜約40μg/L、約5〜約80μg/L、約5〜約60μg/L、又は約5〜約40μg/Lのバイオ副生成物(例えば、エタノール、アセトン、メタノール、アセトアルデヒド、メタクロレイン、メチルビニルケトン、3−メチルフラン、2−メチル−2−ビニルオキシラン、cis−及びtrans−3−メチル−1,3−ペンタジエン、並びにC5プレニルアルコール(例えば、3−メチル−3−ブテン−1−オール又は3−メチル−2−ブテン−1−オール)から選択される1つ以上の化合物)を含む。いくつかの実施形態において、発酵槽オフガスは、約0.005〜約120μg/L、例えば、約0.01〜約80μg/L、約0.01〜約60μg/L、約0.01〜約40μg/L、約0.01〜約30μg/L、約0.01〜約20μg/L、約0.01〜10μg/L、約0.1〜約80μg/L、約0.1〜約60μg/L、約0.1〜約40μg/L、約5〜約80μg/L、約5〜約60μg/L、又は約5〜約40μg/Lの、バイオ副生成物の1つ以上の化合物(例えば、エタノール、アセトン、メタノール、アセトアルデヒド、メタクロレイン、メチルビニルケトン、3−メチルフラン、2−メチル−2−ビニルオキシラン、cis−及びtrans−3−メチル−1,3−ペンタジエン、並びにC5プレニルアルコール(例えば、3−メチル−3−ブテン−1−オール又は3−メチル−2−ブテン−1−オール)から選択される1つ以上の化合物)を含む。
本明細書で記述される方法のさまざまな実施形態において、イソプレンの量に対して、バイオ副生成物の量、及び/又はバイオ副生成物の1つ以上の化合物の量は、重量パーセント単位(すなわち、バイオ副生成物の重量をイソプレンの重量で割り、100を掛ける)で、約0.01重量%以上、約0.02重量%以上、約0.05重量%以上、約0.1重量%以上、約0.5重量%以上、約1重量%以上、5重量%以上、約10重量%以上、約20重量%以上、約30重量%以上、約40重量%以上、約50重量%以上、約60重量%以上、約70重量%以上、約80重量%以上、約90重量%以上、約100重量%以上、又は約110重量%以上(w/w)である。いくつかの実施形態において、イソプレンの検出器反応に比べて、バイオ副生成物及び/又はバイオ副生成物の1つ以上の化合物の相対的検出器反応は、約0.01%以上、約0.02%以上、約0.05%以上、約0.1%以上、約0.5%以上、約1%以上、5%以上、約10%以上、約20%以上、約30%以上、約40%以上、約50%以上、約60%以上、約70%以上、約80%以上、約90%以上、約100%以上、又は約110%以上である。さまざまな実施形態において、イソプレンの量に対して、バイオ副生成物の量、及び/又はバイオ副生成物の1つ以上の化合物の量は、重量パーセント単位(すなわち、バイオ副生成物の重量をイソプレンの重量で割り、100を掛ける)で、約0.01〜約105重量%(w/w)であり、例えば、約0.01〜約90重量%、約0.01〜約80重量%、約0.01〜約50重量%、約0.01〜約20重量%、約0.01〜約10重量%、約0.02〜約50重量%、約0.05〜約50重量%、約0.1〜約50重量%、又は約0.1〜約20重量%(w/w)である。
いくつかの実施形態において、発酵槽オフガスは、バイオ副生成物中に、1つ以上の以下の化合物を含む:メタノール、エタノール、メタンチオール、1−ブタノール、3−メチル−1−プロパノール、アセトン、酢酸、2−ブタノン、2−メチル−1−ブタノール、又はインドール。いくつかの実施形態において、発酵槽オフガスは、バイオ副生成物中に、1つ以上の下記の化合物を1ppm以上含む:メタノール、アセトアルデヒド、エタノール、メタンチオール、1−ブタノール、3−メチル−1−プロパノール、アセトン、酢酸、2−ブタノン、2−メチル−1−ブタノール、又はインドール。いくつかの実施形態において、バイオ副生成物、及び/又はバイオ副生成物の1つ以上の化合物(例えば、メタノール、アセトアルデヒド、エタノール、メタンチオール、1−ブタノール、3−メチル−1−プロパノール、アセトン、酢酸、2−ブタノン、2−メチル−1−ブタノール、又はインドールのうち1つ以上)の濃度は、発酵槽オフガス中において約1〜約10,000ppmである。いくつかの実施形態において、発酵槽オフガスは、メタノール、アセトアルデヒド、エタノール、メタンチオール、1−ブタノール、3−メチル−1−プロパノール、アセトン、酢酸、2−ブタノン、2−メチル−1−ブタノール、又はインドールのうち1つ以上を、約1〜約100ppmの濃度で含み、例えば、約1〜約10ppm、約10〜約20ppm、約20〜約30ppm、約30〜約40ppm、約40〜約50ppm、約50〜約60ppm、約60〜約70ppm、約70〜約80ppm、約80〜約90ppm、約90〜約100ppm含む。いくつかの実施形態において、発酵槽オフガス中のバイオ副生成物の量は、約1〜約100ppmの濃度であり、例えば、約1〜約10ppm、約10〜約20ppm、約20〜約30ppm、約30〜約40ppm、約40〜約50ppm、約50〜約60ppm、約60〜約70ppm、約70〜約80ppm、約80〜約90ppm、又は約90〜約100ppmである。細胞培養由来のバイオ副生成物(例えば、細胞培養のヘッドスペース中の揮発性有機化合物など)は、標準的方法を用いて分析することができ、例えば、本明細書に記述されている方法、あるいは例えば、プロトン移動反応質量分析などの他の標準的方法を用いて分析することができる(例えば、Bunge et al.,Applied and Environmental Microbiology,74(7):2179〜2186,2008を参照。これは参照により、特に揮発性有機化合物の分析に関して、その全体が本明細書に援用される)。
オフガスの揮発性不純物
好適な生産レベルと安全な稼働(例えば、引火性特性に基づく)を達成するための、イソプレンの発酵中におけるさまざまな構成成分の最適範囲は、例えば、米国特許仮出願第61/187,944号に記述されており、この内容は参照により本明細書に援用される。その結果、発酵槽オフガスは、揮発性不純物(例えば、水蒸気、CO、N、及びOを含む揮発性不純物)を含み得る。商業的利用の前にこの揮発性不純物をイソプレンから取り除くことが望ましい場合がある。したがって、一態様において、本明細書に記述される方法は、イソプレン発酵槽オフガスの揮発性不純物を低減又は取り除く。
いくつかの実施形態において、発酵槽オフガスで生じる揮発性不純物には、HO、CO、CO、N、CH、H、及びOから選択される1つ、2つ、又はそれ以上の化合物が含まれる。いくつかの実施形態において、揮発性不純物はHO、CO、及びNを含む。いくつかの実施形態において、揮発性不純物は、HO、CO、N、及びOを含む。いくつかの実施形態において、揮発性不純物は、標準温度及び圧力において無機ガスを含む。
いくつかの実施形態において、発酵槽オフガスは、揮発性不純物(ここにおいて揮発性不純物は、例えば、HO、CO、CO、N、CH、H、及び/又はOなどの化合物を含む)を、イソプレンの量に対して少なくとも約2分の1、約5分の1、約10分の1、約50分の1、約75分の1、又は約100分の1の濃度で含む。いくつかの実施形態において、発酵槽オフガスの揮発性不純物は、1つ以上の化合物(例えば、HO、CO、CO、N、CH、H、及び/又はO)を、イソプレンの量に対して少なくとも約2分の1、約5分の1、約10分の1、約50分の1、約75分の1、又は約100分の1の濃度で含む。いくつかの実施形態において、イソプレン以外のオフガス部分は、約0%〜約100%(体積)の酸素を含み、例えば、約0%〜約10%、約10%〜約20%、約20%〜約30%、約30%〜約40%、約40%〜約50%、約50%〜約60%、約60%〜約70%、約70%〜約80%、約80%〜約90%、又は約90%〜約100%(体積)の酸素を含む。いくつかの実施形態において、イソプレン以外のオフガス部分は、約0%〜約99%(体積)の窒素を含み、例えば、約0%〜約10%、約10%〜約20%、約20%〜約30%、約30%〜約40%、約40%〜約50%、約50%〜約60%、約60%〜約70%、約70%〜約80%、約80%〜約90%、又は約90%〜約99%(体積)の窒素を含む。いくつかの実施形態において、イソプレン以外のオフガス部分は、約0%〜約99%(体積)のHOを含み、例えば、約0%〜約10%、約10%〜約20%、約20%〜約30%、約30%〜約40%、約40%〜約50%、約50%〜約60%、約60%〜約70%、約70%〜約80%、約80%〜約90%、又は約90%〜約99%(体積)のHOを含む。いくつかの実施形態において、イソプレン以外のオフガス部分は、約1%〜約50%(体積)のCOを含み、例えば、約1%〜約10%、約10%〜約20%、約20%〜約30%、約30%〜約40%、又は約40%〜約50%(体積)のCOを含む。
いくつかの実施形態において、発酵槽オフガスの揮発性不純物は、約10〜約90mol%、又は約20〜8mol%、又は約40〜約60mol%、又は約10〜約20mol%、又は約20〜約30mol%、又は約30〜約40mol%、又は約40〜約50mol%、又は約50〜約60mol%、又は約60〜約70mol%、又は約70〜約80mol%、又は約80〜約90mol%、又は約90〜約99mol%のNを含む。いくつかの実施形態において、この揮発性不純物は、約10〜約90mol%、又は約20〜約80mol%、又は約40〜約60mol%、又は約10〜約20mol%、又は約20〜約30mol%、又は約30〜約40mol%、又は約40〜約50mol%、又は約50〜約60mol%、又は約60〜約70mol%、又は約70〜約80若しくは90mol%、又は約90〜約99mol%の二酸化炭素を含む。いくつかの実施形態において、この揮発性不純物は、約10〜約90mol%、又は約20〜約80mol%、又は約40〜約60mol%、又は約10〜約20mol%、又は約20〜約30mol%、又は約30〜約40mol%、又は約40〜約50mol%、又は約50〜約60mol%、又は約60〜約70mol%、又は約70〜約80若しくは90mol%、又は約90〜約99mol%の一酸化炭素を含む。いくつかの実施形態において、この揮発性不純物は、約10〜約90mol%、又は約20〜約80mol%、又は約40〜約60mol%、又は約10〜約20mol%、又は約20〜約30mol%、又は約30〜約40mol%、又は約40〜約50mol%、又は約50〜約60mol%、又は約60〜約70mol%、又は約70〜約80若しくは90mol%、又は約90〜約99mol%、又は50mol%未満、又は40mol%未満、又は30mol%未満、又は20mol%未満、又は10mol%未満、又は5mol%未満、又はゼロ、又は80mol%超、又は90mol%超、又は95mol%超のOを含む。いくつかの実施形態において、この揮発性不純物は、約10〜約90mol%、又は約20〜約80mol%、又は約40〜約60mol%、又は約10〜約20mol%、又は約20〜約30mol%、又は約30〜約40mol%、又は約40〜約50mol%、又は約50〜約60mol%、又は約60〜約70mol%、又は約70〜約80若しくは90mol%、又は約90〜約99mol%の水素を含む。いくつかの実施形態において、この揮発性不純物は、約50mol%未満、又は約40mol%未満、又は約30mol%未満、又は約20mol%未満、又は約10mol%未満、又は約5mol%未満、又は約3mol%未満のメタンを含む。
いくつかの実施形態において、この揮発性不純物は、約25〜約80mol%のCO、約45〜約99mol%のN、及び任意に、約50mol%未満のOを含む。いくつかの実施形態において、この揮発性不純物は、約40〜約60mol%のCO、約65〜約99mol%のN、及び任意に、約25mol%未満のOを含む。
再生可能資源に由来する発酵槽オフガスは、発酵から気相で発生するが、このオフガスは本明細書に記述されるように、任意の相又は相の混合で存在する可能性があり、例えば、完全な気相、一部気相で一部液相(例えば、凝縮)、又は完全な液相であり得る。いくつかの実施形態において、再生可能資源に由来する発酵槽オフガスの少なくとも一部が気相である。いくつかの実施形態において、再生可能資源に由来する発酵槽オフガスの少なくとも一部が液相である(例えば、凝縮)。いくつかの実施形態において、再生可能資源に由来する発酵槽オフガスの少なくとも一部が固相である。いくつかの実施形態において、発酵槽オフガスは、1つ以上の精製工程を経てから、本明細書に記述される方法で使用される。いくつかの実施形態において、発酵槽オフガスは、1つ以上の精製工程を経ずに、本明細書に記述される方法で使用される。いくつかの実施形態において、再生可能資源に由来する発酵槽オフガスの少なくとも一部が、固体支持体(例えば、シリカ及び/又は活性炭を含む支持体)に吸収されてから、本明細書に記述される方法で使用される。いくつかの実施形態において、発酵槽オフガスは、1つ以上の溶媒と混合されてから、本明細書に記述される方法で使用される。いくつかの実施形態において、発酵槽オフガスは、1つ以上の気体と混合されてから、本明細書に記述される方法で使用される。
本明細書に記述される方法のいくつかの実施形態において、発酵槽オフガスは、温度を下げてから、第1カラムの溶媒と接触させる。発酵槽オフガスの温度低減は、溶媒(例えば、高沸点の疎水性溶媒)の1つ以上のオフガス構成成分(例えば、イソプレン)の可溶化に役立ち得る。温度は、任意の好適な方法(例えば、冷却材の使用)により下げることができる。いくつかの実施形態において、発酵槽オフガスの温度低減は、発酵槽オフガスの一部又は完全な凝縮をもたらす。いくつかの実施形態において、発酵槽オフガスの温度は、発酵槽のオフガスの℃単位での温度から、約95%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、又は10%のいずれかの割合で低い温度に低減される。いくつかの実施形態において、発酵槽オフガスの温度は、約150℃、125℃、100℃、90℃、80℃、70℃、60℃、50℃、45℃、40℃、35℃、30℃、25℃、20℃、15℃、10℃、5℃、又は0℃のいずれか未満に低減される。いくつかの実施形態において、発酵槽オフガスの温度は、約0℃〜約150℃、約0℃〜約125℃、約0℃〜約100℃、約0℃〜約75℃、約0℃〜約30℃、約0℃〜約20℃、約0℃〜約10℃、約0℃〜約7.5℃、又は約5℃のいずれかに低減される。
本明細書に記述される方法のいくつかの実施形態において、発酵槽オフガスの圧力は増加させてから第1カラムの溶媒と接触させる。この圧力は、任意の好適な方法(例えば、当該技術分野において既知の圧縮システム)で増加させることができる。圧力増加は、溶媒(例えば、高沸点の疎水性溶媒)の1つ以上のオフガス構成成分(例えば、イソプレン)の可溶化に役立ち得る。いくつかの実施形態において、発酵槽オフガスの圧力は、発酵槽のオフガス圧力(PSIA(平方インチ当たりポンド絶対圧)単位で、約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、又は95%のいずれかを超える割合で増加される。いくつかの実施形態において、発酵槽オフガスの圧力は、10PSIA(約68.9kPa)、20PSIA(138kPa)、30PSIA(207kPa)、40PSIA(276kPa)、50PSIA(345kPa)、60PSIA(414kPa)、70PSIA(483kPa)、80PSIA(552kPa)、90PSIA(621kPa)、100PSIA(689kPa)、110PSIA(758kPa)、120PSIA(827kPa)、130PSIA(896kPa)、140PSIA(965kPa)、又は150PSIA(1034kPa)のいずれかを超える値まで増加される。いくつかの実施形態において、発酵槽オフガスの圧力は、約5PSIA(34.5kPa)〜約150PSIA(1034kPa)、約10PSIA(68.9kPa)〜約100PSIA(689kPa)、約15PSIA(103kPa)〜約75PSIA(517kPa)、約20PSIA(138kPa)〜約65PSIA(448kPa)、約25PSIA(172kPa)〜約60PSIA(414kPa)、約30PSIA(207kPa)〜約50PSIA(345kPa)、又は約35PSIA(241kPa)〜約45PSIA(310kPa)のいずれかにまで増加される。
分離装置
発酵槽オフガスは、カラムに達するまえに、分離装置を経由することができる。この分離装置は、発酵プロセスが、下流の精製プロセスによって影響を受けることを防ぐために設けられ得る。加えて、この分離装置は、カラムに対し安定した中間体圧力を(例えば、リサイクルガスストリーム、新鮮な大気、及び/又はその他の追加気体(窒素など)の補給フローと共に)提供するのに貢献し得る。泡立ち及び泡に伴う液体(例えば、培地)は、分離装置によって回収し、カラムに達するのを防ぐことができる。本明細書に記述される任意の方法のいくつかの実施形態において、発酵槽オフガスは、分離装置(同じ又は異なる分離装置)に移送されてから、発酵槽オフガスが第1カラムの溶媒と接触する。これら実施形態のいくつかにおいて、この分離装置はオフガス圧力を安定化させることができる。
溶媒
本明細書に記述される方法においては、任意の好適な溶媒を使用することができる。溶媒は純粋な溶媒であっても、また2つ以上の溶媒の混合物であってもよい。場合によっては、溶媒は発酵オフガスからイソプレンの過半量(又はイソプレンの過半量とバイオ副生成物の過半量)を吸収することができるが、同じ条件下で発酵槽オフガスの揮発性不純物の過半量を吸収することはできない。本明細書に記述される方法のいくつかの実施形態において、溶媒は、同じ条件下において、揮発性不純物に比べ、約2倍、5倍、10倍、20倍、50倍、100倍、200倍又は500倍超のイソプレン(w/w)を吸収することができる。本明細書に記述される方法のいくつかの実施形態において、溶媒は、比較的低いCO吸収(例えば、オストワルド係数によって定義される)のみが可能である。したがって、いくつかの実施形態において、溶媒は二酸化炭素吸収性の低い溶媒である。本明細書で使用される「二酸化炭素吸収性の低い溶媒」とは、別途記載のない限り、130°F(54℃)及び標準圧力においてオストワルド係数が2未満である溶媒を意図する。いくつかの実施形態において、溶媒は、54℃(130°F)及び標準圧力においてCOオストワルド係数が約1.75、約1.5、約1.25、約1.1、又は約1.0のいずれか未満である、二酸化炭素吸収性の低い溶媒である。
溶媒は、比較的高沸点であり得る。本明細書で使用される「高沸点溶媒」とは、別途記載のない限り、1atm(101kPa)で121℃(250°F)超の沸点を有する溶媒を意図する。本明細書に記述される方法のいくつかの実施形態において、溶媒は、101.3kPa(1atm)で、約121℃(250°F)超、約135℃(275°F)超、約149℃(300°F)超、約163℃(325°F)超、約121℃(250°F)超、約191℃(375°F)超、約204℃(400°F)超、約177℃(420°F超、約232℃(450°F)超、約246℃(475°F)の沸点を有する高沸点溶媒である。いくつかの実施形態において、溶媒は、1atm(101.3kPa)で、約121℃(250°F)〜約149℃(300°F)、又は約135℃(275°F)〜約163℃(325°F)、又は約149℃(300°F)〜約177℃(350°F)、又は約163℃(325°F)〜約149℃(375°F)、又は約135℃(350°F)〜約204℃(400°F)、又は約(191℃(375°F)〜約(218℃(425°F)、又は約204℃(400°F)〜約232℃(450°F)、又は約218℃(425°F)〜約246℃(475°F)の沸点を有する。
本明細書に記述される方法のいくつかの実施形態において、溶媒は比較的、無極性である。溶媒の極性は、当該技術分野において既知の方法によって測定される(例えば、水溶性、水素結合の電位、誘電率、及び/又は油/水分配係数)。いくつかの実施形態において、溶媒は無極性溶媒である。本明細書で使用される「無極性溶媒」とは、別途記載のない限り、20℃で誘電率が15未満の溶媒を意図する。いくつかの実施形態において、溶媒は、20℃で、約12未満、又は約10未満、又は約7.5未満、又は約5未満、又は約3未満、又は約2未満、又は約1未満の誘電率を有する無極性溶媒である。いくつかの実施形態において、溶媒は、標準条件下において、約5%未満、又は約3%未満、又は約2%未満、又は約1%未満、又は約0.5%未満、又は約0.25%未満、又は約0.1%未満、又は約0.05%未満、又は約0.025%未満の水への溶解度を有する。
本明細書に記述される方法で使用される溶媒は、当該技術分野において測定されるカウリ−ブタノール価(「Kb価」)によって特徴付けることができる。本明細書に記述される方法のいくつかの実施形態において、溶媒は、75未満、又は50未満、又は40未満、又は30未満、又は20未満、又は10未満のKb価を有する。いくつかの実施形態において、溶媒は、約10〜40、又は約15〜約35、又は約20〜30、又は約23〜27、又は約25のKb価を有する。
本明細書に記述される方法で使用される溶媒は、当該技術分野において測定されるアニリン点によって特徴付けることができる。本明細書に記述される方法のいくつかの実施形態において、溶媒は、52℃(125°F)超、又は約66℃(150°F)超、又は約79℃(175°F)超、又は約91℃(200°F)超のアニリン点を有する。いくつかの実施形態において、溶媒は、約66℃(150°F)〜約121℃(250°F)、又は約79℃(175°F)〜約93℃(200°F)、又は約82℃(180°F)〜約91℃(195°F)のアニリン点を有する。
本明細書に記述される方法で使用される溶媒は、当該技術分野において測定される運動粘度によって特徴付けることができる。本明細書に記述される方法のいくつかの実施形態において、溶媒は、40℃で、約3(3.00×10−6)未満、又は約2.75(2.75×10−6)未満、又は約2.25(2.25×10−6)未満、又は約2.0(2.00×10−6)未満、又は約1.75(1.75×10−6)未満、又は約1.5(1.5×10−6)未満、又は約1.25センチストローク(cSt)(1.25×10−6m/s)の運動粘度を有する。
本明細書に記述される方法で使用される溶媒は、当該技術分野において測定される表面張力によって特徴付けることができる。本明細書に記述される方法のいくつかの実施形態において、溶媒は、25℃で、約15〜約35dyne/cm、又は約17〜約32dyne/cm、又は約20〜約30dyne/cm、又は約23〜約27dyne/cm、又は約25dyne/cmの表面張力を有する。
本明細書に記述される方法で使用される溶媒は、分子量(又は混合溶媒系の場合は加重平均分子量)で特徴付けることができる。本明細書に記述される方法のいくつかの実施形態において、溶媒は、約100〜約250、又は約125〜約225、又は約140〜約200、又は約150〜約175の平均分子量を有する。
本明細書に記述される方法で使用される溶媒は、本明細書で記述される特性のうち任意の1つ又は2つ以上の組み合わせを有し得る。例えば、いくつかの実施形態において、本明細書に記述される方法で使用される溶媒は、無極性の高沸点溶媒であり得る(すなわち、高沸点溶媒でもある無極性溶媒)。いくつかの実施形態において、本明細書に記述される方法で使用される溶媒は、無極性で、二酸化炭素吸収性の低い溶媒、又は二酸化炭素吸収性が低く、高沸点の溶媒、又は無極性で、二酸化炭素吸収性が低く、高沸点の溶媒、であり得る。本明細書に記述される方法のいくつかの実施形態において、溶媒は、約177℃(350°F)超の沸点を有し、水に対する溶解度が約3%未満であり、COオストワルド係数が54℃(130°F)で約1.25未満であるものとして特徴付けられる。これらの実施形態のいくつかにおいて、溶媒は、約125〜約225の平均分子量を有する。本明細書に記述される方法の他の実施形態において、溶媒は、約191℃(375°F)超の沸点を有し、水に対する溶解度が約1%未満であり、COオストワルド係数が54℃(130°F)で約1.1未満であるものとして特性付けられる。これらの実施形態のいくつかにおいて、溶媒は、約140〜約200の平均分子量を有する。
本明細書に記述される方法のいくつかの実施形態において、溶媒は、テルペン、パラフィン、単環芳香族炭化水素、多環芳香族炭化水素、又はこれらの混合物から選択される。いくつかの実施形態において、溶媒は、上述のように、パラフィン(例えば、C10〜C20パラフィンで、例えば、C12〜C14パラフィンなど)、又はイソパラフィンである。いくつかの実施形態において、溶媒はテルペンである。いくつかの実施形態において、溶媒は単環芳香族炭化水素である。いくつかの実施形態において、溶媒は多環芳香族炭化水素である。いくつかの実施形態において、溶媒はIsopar(商標)溶媒(Exxonから市販)又はその等価物であり、例えば、表1(例えば、溶媒1、2、3、4、5、6、7、及び/又は8)に記載されている任意の溶媒に実質的に類似の溶媒である。いくつかの実施形態において、溶媒は、表1(例えば、溶媒1、2、3、4、5、6、7、及び/又は8)に記載されている任意の溶媒に実質的に類似の1つ以上の任意の特性を有する。いくつかの実施形態において、溶媒は、Isopar(商標)L(表1;溶媒6)、Isopar(商標)H(表1;溶媒4)及びIsopar(商標)M(表1;溶媒7)から選択される。いくつかの実施形態において、溶媒は、Isopar(商標)L(表1;溶媒6)である。いくつかの実施形態において、溶媒は、Isopar(商標)H(表1;溶媒4)である。いくつかの実施形態において、溶媒は、Isopar(商標)M(表1;溶媒7)から選択される。

Figure 2013514375

(1):ASTM D1133;(2)ASTM D56、TTC;(3)ASTM D86、IBP;(4)ASTM D86、乾点;(5)ASDM D1250;(6)ASTM D971
本明細書に記述される方法で使用される溶媒は更に、イソプレンの望ましくない重合を低減するのに役立つ、重合阻害剤を含み得る。したがって、いくつかの実施形態において、溶媒は更に、重合阻害剤(例えば、イソプレン重合阻害剤)を含む。好適な阻害剤には、例えば、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル(TEMPO);4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル(TEMPOL);Bis(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバケート(橋状結合TEMPO);及びt−ブチルカテコール、が挙げられる。本明細書に記述される方法のいくつかの実施形態において、溶媒は、イソプレンの重合を防止するのに十分な、重合阻害剤の好適量を含む(例えば、阻害剤がない場合に比べ、イソプレンの重合を95%超、又は97%超、又は98%超、又は99%超、又は99.5%超、防止する)。いくつかの実施形態において、溶媒は、イソプレンに対して、約0.001重量%〜約0.1重量%、又は約0.005重量%〜約0.075重量%、又は約0.01重量%〜約0.05重量%(w/w)の重合阻害剤を含む。いくつかの実施形態において、溶媒は、溶媒に対して、約0.001重量%〜約0.1重量%、又は約0.005重量%〜約0.075重量%、又は約0.01重量%〜約0.05重量%(w/w)の重合阻害剤を含む。
揮発性ガスの除去
いくつかの態様において、本明細書に記述される方法は、発酵槽オフガスから揮発性ガスを取り除く工程を含む。本明細書に記述される実施形態のいくつかにおいて、発酵槽オフガスは、カラムで溶媒と接触する。これらの実施形態のいくつかにおいて、発酵槽オフガスは、カラムで溶媒と接触して、溶媒及びイソプレンの過半量を含む、富イソプレン溶液と、揮発性不純物の過半量を含む蒸気と、を形成する。ストリッピング蒸気フローを、発酵槽オフガス供給ポイントより下で、カラム(例えば、第1カラム)に導入することができ、これは揮発性不純物を残りの溶液から分離するのに役立ち得る。ストリッピング蒸気は、任意の好適な方法(例えば、スチーム又はカラム底のリボイラーなど)で導入することができる。いくつかの実施形態において、カラム底ストリーム(例えば、第1カラムで)の温度は、カラムに入る前に、溶媒の温度よりずっと高い。いくつかの実施形態において、カラム底ストリーム(例えば、第1カラムで)の温度は、約38℃(100°F)、52℃(125°F)、66℃(150°F)、79℃(175°F)、93℃(200°F)、109℃(225°F)、121℃(250°F)、135℃(275°F)、又は149℃(300°F)のいずれかより高い。いくつかの実施形態において、カラム底ストリーム(例えば、第1カラムで)の温度は、約66℃(150°F)〜約177℃(350°F)、又は約79℃(175°F)〜約149℃(300°F)、又は約93℃(200°F)〜約135℃(275°F)、又は約110℃(230°F)〜約121℃(250°F)、又は約113℃(235°F)〜約118℃(245°F)である。スチームは、カラムを通って導入することができ(任意の好適な位置で、例えば、オフガスの流入近く、及び/又は揮発性不純物出口の反対側の端)、これによりスイーピング蒸気相を提供し、これは揮発性不純物を取り除くことに役立ち得る。いくつかの実施形態において、スチームがカラムを通って導かれる(例えば、第1カラムを通って)。
バイオ副生成物不純物の除去
本明細書に記述される実施形態のいくつかにおいて、イソプレンとバイオ副生成物とを含む溶液(例えば、第1カラムから移された任意の富イソプレン溶液)が、カラム(例えば、第2カラム)へと移され、イソプレンが溶液からストリッピングされる。これらの実施形態のいくつかにおいて、ストリッピングにより、バイオ副生成物不純物の過半量を含むイソプレン希薄溶液と、精製イソプレン組成物と、を形成する工程と、を含む。いくつかの実施形態において、第2カラムは第1カラムから分離される。いくつかの実施形態において、第1及び第2カラムは合わせて1本のカラムとなる(例えば、第1カラムと第2カラムの機能を1本のカラムにまとめ、例えば、統合タンデムカラムとし、溶媒が第1カラムの一方の端又は端近くから入り、第2カラムの反対側の端又は端近くから出る)。
いくつかの実施形態において、カラム(例えば、第2カラムで)の溶液の温度は、約66℃(150°F)〜約177℃(350°F)、又は約79℃(175°F)〜約149℃(300°F)、又は約93℃(200°F)〜約135℃(275°F)、又は約110℃(230°F)〜約121℃(250°F)、又は約113℃(235°F)〜約118℃(245°F)である。スチームは、カラムを通って導入することができ(任意の好適な位置で、例えば、富イソプレン溶液の流入点とは反対側の端近く、及び/又は揮発性不純物出口の反対側の端)、これによりスイーピング蒸気相を提供し、これは揮発性不純物を取り除くことに役立ち得る。いくつかの実施形態において、スチームがカラムを通って導かれる(例えば、第2カラムを通って)。
いくつかの実施形態において、イソプレンのストリッピングには、カラム(例えば、第2カラム)で溶液の圧力を高める工程が含まれる。これらの実施形態のいくつかにおいて、カラム(例えば、第2カラム)で、イソプレン及びバイオ副生成物不純物を含む溶液(例えば、第1カラムから移された任意の富イソプレン溶液)は、約5PSIA(34.5kPa)、10PSIA(68.9kPa)、20PSIA(138kPa)、30PSIA(207kPa)、40PSIA(276kPa)、50PSIA(345kPa)、60PSIA(414kPa)、70PSIA(483kPa)、80PSIA(552kPa)、90PSIA(621kPa)、100PSIA(689kPa)、110PSIA(758kPa)、120PSIA(827kPa)、130PSIA(896kPa)、140PSIA(965kPa)、又は150PSIA(1034kPa)のいずれかを超える圧力を有する。いくつかの実施形態において、この圧力は、約5PSIA(34.5kPa)〜約150PSIA(1034kPa)、約5PSIA(34.5kPa)〜約100PSIA(689kPa)、約10PSIA(68.9kPa)〜約75PSIA(517kPa)、約10PSIA(68.9kPa)〜約65PSIA(448kPa)、約10PSIA(68.9kPa)〜約60PSIA(414kPa)、約15PSIA(103kPa)〜約50PSIA(345kPa)、約15PSIA(103kPa)〜約45PSIA(310kPa)、約15PSIA(103kPa)〜約35PSIA(241kPa)、又は約15PSIA(103kPa)〜約30PSIA(207kPa)のいずれかである。
追加の精製
本明細書に記述される任意の方法で得られた精製イソプレン組成物(例えば、第2カラムからストリッピングされた精製イソプレン組成物)は、例えば、図1の吸着システム36を参照して示されるように、任意の好適な方法で更に精製することができる。例えば、精製イソプレン組成物は、例えば、分留、追加のガスストリッピング、吸着/脱着、浸透気化、固相からのイソプレンの熱又は真空脱着、好適な溶媒による液−液向流抽出、又は固体に不動化若しくは吸収させたイソプレンの溶媒による抽出などの標準技法を用いて、更に精製することができる(例えば、米国特許第4,703,007号及び同第4,570,029号を参照。これらはそれぞれ参照により、特にイソプレンの回収及び精製方法に関して、全体が本明細書に援用される)。好適な溶媒には、水酸化ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、重炭酸カリウム、炭酸カリウム、水、並びに例えば、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムアセテート、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムエチルスルフェート、酢酸コリン、1−ブチル−4−メチルピリジニウムテトラフルオロボラート、1−ヘキシル−3−メチルイミダゾリウムクロリド、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムチオシアネート、及び1−エチル−3−メチルイミダゾリウム水素スルフェートが挙げられるが、これらに限定されない。
追加のガスストリッピングには、連続的にイソプレン蒸気を取り除く工程が含まれる。そのような取り除きは、いくつかの異なる方法で達成することができ、これには、固相への吸着、液相への分割、又は直接凝縮が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態において、蒸気の露点を上回る温度で希釈イソプレン蒸気ストリームの膜濃縮により、液体イソプレンの凝縮がもたらされる。精製イソプレン組成物の追加精製には、1工程又は多工程が含まれ得る。
いくつかの実施形態において、本明細書に記述される任意の方法で得られたイソプレンは、吸着システム(例えば、活性炭、アルミナ、シリカ、及び/又はSelexsorb(登録商標)を含む吸着システム)での処理によって更に精製される。その他の好適な材料はゼオライト及び分子ふるいである(米国特許第4,147,848号、同第5,035,794号、及び同第6,987,152号を参照)。そのようなシステムの好適なフィルターハウジングには、粗炭化水素ストリーム中の不純物を取り除くために石油化学産業で使用されているものが挙げられる。この例としては、Hilliard Corporation(Elmira,NY)及びISC Corporation(Plano,TX)から販売されているものが挙げられる。いくつかの実施形態において、本明細書に記述される任意の方法で得られたイソプレンは、シリカを含む吸着システムでの処理によって更に精製される。いくつかの実施形態において、本明細書に記述される任意の方法で得られたイソプレンは、他の所望による追加精製の前又は後に、蒸留(例えば、還流凝縮)によって更に精製される。いくつかの実施形態において、本明細書に記述される任意の方法で得られたイソプレンは、吸着システム及び蒸留(例えば、シリカを含む吸着と還流凝縮)での処理によって更に精製される。吸着は、典型的には、充填されたカラム構成で実施され、蒸気状態と液体状態の両方のイソプレンに適用される。イソプレンが蒸気として供給される場合は、通常、カラムの上からの供給によって行われる。一方、液体として供給される場合は、通常、カラムの下への供給によって行われる。適切な吸着剤としては、次のものが挙げられるが、これらに限定されない:活性炭(例えば、NUCON G60、GC60、蒸気濾過GC 4X8S、TIGG,5CC 0408)、活性アルミナ(例えば、Axens SAS 351、SAS 830、BASF Selexsorb CD)、シリカゲル(Eagle Chemicalグレード148、グレード140)、及び3A、5A、又は13Xの分子ふるい。
溶媒の再循環及び精製
本明細書に記述される任意の方法において、第2カラムからイソプレンをストリッピングした後の溶液(例えば、バイオ副生成物不純物の過半量を含むイソプレン希薄溶液)は、再使用のために第1カラムに戻してリサイクルすることができる。いくつかの実施形態において、バイオ副生成物は、リサイクル溶液から取り除いてから再使用される(例えば、第1カラムに再流入する前)。本明細書に記述される任意の方法のいくつかの実施形態において、この方法は更に、イソプレン希薄溶液を精製してバイオ副生成物不純物の過半量を取り除く工程と、結果として得られた溶媒を再使用のために第1カラムに移す工程と、を含む。いくつかの実施形態において、ストリッピングした溶液を再使用の前に精製する工程には、吸着システム(例えば、活性炭、アルミナ、シリカ、及び/又はSelexsorb(登録商標)を含む吸着システム)での溶液処理が含まれる。この吸着も、例えば、充填カラムを用いて実施することができる。いくつかの実施形態において、ストリッピングした溶液を再使用の前に精製する工程には、シリカ系吸着システムで溶液を処理する工程が含まれる。いくつかの実施形態において、ストリッピングした溶液を再使用の前に精製する工程には、液−液抽出が含まれる。いくつかの実施形態において、ストリッピングした溶液を再使用の前に精製する工程には、蒸留で溶液を処理する工程が含まれる。いくつかの実施形態において、ストリッピングした溶液を再使用の前に精製する工程には、吸着システム(例えば、シリカ系吸着システム)及び液−液抽出で液体を処理する工程が含まれる(順序は任意)。いくつかの実施形態において、ストリッピングした溶液を再使用の前に精製する工程には、吸着システム(例えば、シリカ系吸着システム)及び蒸留で液体を処理する工程が含まれる(順序は任意)。これらの実施形態の任意のものにおいて、ストリッピングされた溶液(例えば、イソプレン希薄溶液)は、記述されている任意の方法(例えば、吸着、液−液抽出、及び/又は蒸留)によって精製することができ、これにより、精製後に、ストリッピングされた溶液のバイオ副生成物の量が、約5%、10%、15%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、又は95%のいずれかを超える割合で低減される。いくつかの実施形態において、ストリッピングされた溶液(例えば、バイオ副生成物不純物の過半量を含むイソプレン希薄溶液)は、温度を下げてから、第1カラムで再使用される。いくつかの実施形態において、ストリッピングされた溶液は精製され、温度を下げてから、第1カラムで再使用される。これらの実施形態のいくつかにおいて、精製の前に温度が下げられる。これらの実施形態のいくつかにおいて、精製の後に温度が下げられる。いくつかの実施形態において、ストリッピングされた溶液の温度は、再使用の前に(例えば、第1カラムに再流入する前に)、第2カラムから出てきた温度(°F)の、約95%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、又は10%のいずれかより低い温度に低減される。いくつかの実施形態において、ストリッピングされた溶液の温度は、約121℃(250°F)、107℃(225°F)、93℃(200°F)、79℃(175°F)、66℃(150°F)、52℃(125°F)、38℃(100°F)、24℃(75°F)、10℃(50°F)又は−4℃(25°F)のいずれかより低い温度に低減される。いくつかの実施形態において、ストリッピングされた溶液の温度は、約−4℃(25°F)〜約121℃(250°F)、約−4℃(25°F)〜約79℃(175°F)、約−4℃(25°F)〜約66℃(150°F)、約−4℃(25°F)〜約38℃(100°F)、又は約−4℃(25°F)〜約24℃(75°F)のいずれかに低減される。
蒸気からの残留イソプレンの再回収
場合によっては、第1カラムから取り除かれた蒸気(例えば、揮発性不純物の過半量を含む蒸気)はまた、望ましい少量のイソプレン(富イソプレン溶液に残らなかった残留イソプレン)をも含むことがある。本明細書に記述される実施形態のいくつかにおいて、揮発性不純物の過半量を含む蒸気はこれに加えて、少量のイソプレンを含む。本明細書に記述される任意の実施形態において、この方法は更に、もし少量のイソプレンが存在している場合には蒸気からこれを取り除く工程を含む。残留イソプレンは使用のために、揮発性不純物の過半量を含む蒸気から、任意の好適な方法(例えば、吸着システム)によって、再回収することができる。精製イソプレン組成物の更なる精製について本明細書で記述されているように、例えば、分留、追加のガスストリッピング、吸着/脱着、浸透気化、固相からのイソプレンの熱又は真空脱着、好適な溶媒による液−液向流抽出、又は固体に不動化若しくは吸収させたイソプレンの溶媒による抽出などの任意の好適な技法(例えば、米国特許第4,703,007号及び同第4,570,029号を参照。これらはそれぞれ参照により、特にイソプレンの回収及び精製方法に関して、全体が本明細書に援用される)を用いて、蒸気相から残留イソプレンを分離することができる。記述の通り、イソプレン蒸気は連続的方法で取り除くことができ、例えば、固相への吸着、液相への分割、又は直接凝縮が挙げられるが、これらに限定されない。蒸気相からのイソプレンの取り除き/精製には、1工程又は多工程が含まれ得る。本明細書に記述される任意の実施形態において、この方法は更に、吸着システム(例えば、活性炭、アルミナ、シリカ、及び/又はSelexsorb(登録商標)を含む吸着システム)を用いて、蒸気からイソプレン(存在する場合)を取り除く工程を含む。本明細書に記述される任意の実施形態において、この方法は更に、活性炭吸着システムを用いて、蒸気からイソプレン(存在する場合)を取り除く工程を含む。
捕捉装置
本明細書に記述される方法では、所望により、望ましくない構成成分(例えば、CO)が大気に放出される合計量を蒸気から削減することができる捕捉装置(例えば、図1のシステム38)を使用することができる。例えば、溶媒回収に使用される、AMCEC Inc.(Lisle,IL)及びNucon International Inc.(Columbus,OH)を含むメーカーから販売されているような一般的な炭素系吸着装置が、好適であり得る。
主プロセスによって回収されない、発酵槽オフガス中の微量のイソプレン又はその他の構成成分を捕捉することは、製品の価値のため、及び二酸化炭素などの環境に対して望ましくない構成成分の放出を最小限に抑えるために、望ましい場合が多い。微量のイソプレン及び高分子量有機化合物は、活性炭(例えば、NUCON G60、GC60、蒸気濾過GC 4X8S、TIGG 5CC 0408を参照)などの固体表面への吸着によって効果的に捕捉することができる。二酸化炭素の捕捉は、一般的に、向流ガススクラバー/吸収材において実施され、スクラブ液は液体接触器の上側に供給され、スクラブされる気体は底側に供給される。液体接触器は、望ましい濃度低減を達成するのに十分な接触表面又は均衡段階を有する。一般的なスクラブ液には、モノエタノールアミン(MEA)、ピペラジン、水、又はこれら全ての組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない(例えば、CO Absorption Rate and Solubility in Monoethanolamine/Piperazine/Water,Hongyi Dang,et al.,Prepared for presentation at the First National Conference on Carbon Sequestration(Washington,DC)May 14〜17,2001を参照)。
結果として得られる組成物
いくつかの態様において、本明細書に記述される方法は、精製イソプレン組成物を提供し、精製イソプレンは、発酵槽オフガス中に存在する1つ以上の構成成分の少なくとも一部から分離されたイソプレン組成物である。いくつかの実施形態において、精製イソプレン組成物は、約75重量%(w/w)超の純度を有する。いくつかの実施形態において、精製イソプレンは約80重量%、85重量%、90重量%、95重量%、97重量%、98重量%、99重量%、99.5重量%、99.5重量%、又は99.95重量%(w/w)のいずれかを超える純度を有する。
本明細書に記述される任意の実施形態において、精製イソプレン組成物は、約20重量%(w/w)以下のバイオ副生成物不純物を含む。いくつかの実施形態において、精製イソプレン組成物は、イソプレンに対して、約15重量%、12重量%、10重量%、8重量%、6重量%、5重量%、4重量%、3重量%、2重量%、1重量%、0.075重量%、0.5重量%、0.25重量%、0.1重量%、0.05重量%、0.02重量%、0.01重量%、又は0.005重量%(w/w)未満のバイオ副生成物不純物を含む。いくつかの実施形態において、精製イソプレン組成物は、発酵槽オフガスのバイオ副生成物不純物に対して、約50重量%(w/w)未満のバイオ副生成物不純物を含む。いくつかの実施形態において、精製イソプレン組成物は、発酵槽オフガスのバイオ副生成物不純物に対して、約40重量%、35重量%、30重量%、25重量%、20重量%、15重量%、10重量%、7.5重量%、5重量%、2.5重量%、1重量%、又は0.5重量%(w/w)未満のバイオ副生成物不純物を含む。
本明細書に記述される任意の実施形態において、精製イソプレン組成物は、約20重量%(w/w)以下の揮発性不純物を含む。いくつかの実施形態において精製イソプレン組成物は、約15重量%、12重量%、10重量%、8重量%、6重量%、5重量%、4重量%、3重量%、2重量%、1重量%、0.075重量%、0.5重量%、0.25重量%、0.1重量%、又は0.05重量%(w/w)未満の揮発性不純物を含む。いくつかの実施形態において、精製イソプレン組成物は、発酵槽オフガスの揮発性不純物に対して、約50重量%(w/w)未満の揮発性不純物を含む。いくつかの実施形態において、精製イソプレン組成物は、発酵槽オフガスの揮発性不純物に対して、約40重量%、35重量%、30重量%、25重量%、20重量%、15重量%、10重量%、7.5重量%、5重量%、2.5重量%、1重量%、又は0.5重量%(w/w)未満の揮発性不純物を含む。
本明細書に記述される任意の実施形態において、精製イソプレン組成物は、HO、CO、CO、N、CH、H及びOから選択される1つ以上の化合物を、約20重量%(w/w)以下含む。いくつかの実施形態において、精製イソプレン組成物は、HO、CO、CO、N、CH、H及びOから選択される1つ以上の化合物を、約15重量%、12重量%、10重量%、8重量%、6重量%、5重量%、4重量%、3重量%、2重量%、1重量%、0.075重量%、0.5重量%、0.25重量%、0.1重量%、又は0.05重量%(w/w)以下含む。いくつかの実施形態において、精製イソプレン組成物は、HO、CO、CO、N、CH、H及びOから選択される1つ以上の化合物を、発酵槽オフガスに対して約50重量%(w/w)未満含む。いくつかの実施形態において、精製イソプレン組成物は、HO、CO、CO、N、CH、H及びOから選択される1つ以上の化合物を、発酵槽オフガスに比べて、約40重量%、35重量%、30重量%、25重量%、20重量%、15重量%、10重量%、7.5重量%、5重量%、2.5重量%、1重量%、又は0.5重量%(w/w)未満含む。
本明細書に記述される任意の実施形態において、精製イソプレン組成物は、約20重量%(w/w)以下のCOを含む。いくつかの実施形態において精製イソプレン組成物は、約15重量%、12重量%、10重量%、8重量%、6重量%、5重量%、4重量%、3重量%、2重量%、1重量%、0.075重量%、0.5重量%、0.25重量%、0.1重量%、又は0.05重量%(w/w)以下のCOを含む。いくつかの実施形態において、精製イソプレン組成物は、発酵槽オフガスのCOの量に対して、約50重量%未満のCO(w/w)を含む。いくつかの実施形態において、精製イソプレン組成物は、発酵槽オフガスのCOの量に対して、約40重量%、35重量%、30重量%、25重量%、20重量%、15重量%、10重量%、7.5重量%、5重量%、2.5重量%、1重量%、又は0.5重量%(w/w)未満のCOを含む。
本明細書に記述される任意の実施形態において、精製イソプレン組成物は、約20重量%(w/w)以下のOを含む。いくつかの実施形態において精製イソプレン組成物は、約15重量%、12重量%、10重量%、8重量%、6重量%、5重量%、4重量%、3重量%、2重量%、1重量%、0.075重量%、0.5重量%、0.25重量%、0.1重量%、又は0.05重量%(w/w)以下のOを含む。いくつかの実施形態において、精製イソプレン組成物は、発酵槽オフガスのOの量に対して、約50重量%(w/w)未満のOを含む。いくつかの実施形態において、精製イソプレン組成物は、発酵槽オフガスのOの量に対して、約40重量%、35重量%、30重量%、25重量%、20重量%、15重量%、10重量%、7.5重量%、5重量%、2.5重量%、1重量%、又は0.5重量%(w/w)未満のOを含む。
イソプレン組成物
精製イソプレン組成物(精製バイオイソプレンを含む組成物)もまた提供される。いくつかの実施形態において、本明細書に記述される任意の方法によって調製可能な精製イソプレン組成物が提供される。いくつかの実施形態において、本明細書に記述される任意の方法によって調製された精製イソプレン組成物が提供される。
いくつかの実施形態において、イソプレンに対して、約15重量%、12重量%、10重量%、8重量%、6重量%、5重量%、4重量%、3重量%、2重量%、1重量%、0.075重量%、0.5重量%、0.25重量%、0.1重量%、0.05重量%、0.02重量%、0.01重量%、又は0.005重量%(w/w)未満のバイオ副生成物不純物を含むイソプレン(例えば、バイオイソプレン)の組成物が提供される。いくつかの実施形態において、約15重量%、12重量%、10重量%、8重量%、6重量%、5重量%、4重量%、3重量%、2重量%、1重量%、0.075重量%、0.5重量%、0.25重量%、0.1重量%、又は0.05重量%(w/w)未満の揮発性不純物を含むイソプレン(例えば、バイオイソプレン)の組成物が提供される。いくつかの実施形態において、イソプレンに対して、約15重量%、12重量%、10重量%、8重量%、6重量%、5重量%、4重量%、3重量%、2重量%、1重量%、0.075重量%、0.5重量%、0.25重量%、0.1重量%、0.05重量%、0.02重量%、0.01重量%、又は0.005重量%(w/w)未満のバイオ副生成物不純物を含み、組成物に対して、約15重量%、12重量%、10重量%、8重量%、6重量%、5重量%、4重量%、3重量%、2重量%、1重量%、0.075重量%、0.5重量%、0.25重量%、0.1重量%、又は0.05重量%(w/w)未満の揮発性不純物を含むイソプレン(例えば、バイオイソプレン)の組成物が提供される。これらの任意の実施形態において、このイソプレン組成物は、組成物に対して、約80重量%、85重量%、90重量%、95重量%、97重量%、98重量%、99重量%、99.5重量%、99.5重量%、又は99.95重量%(w/w)のいずれかを超えるイソプレンを含む。これらの任意の実施形態において、このイソプレン組成物は、全C5炭化水素に対して、約99.94重量%、99.94重量%、99.95重量%、99.96重量%、99.97重量%、99.98重量%、又は99.99重量%(w/w)超のイソプレンを含む。これらの任意の組成物において、バイオ副生成物不純物には、2−ヘプタノン、6−メチル−5−ヘプテン−2−オン、2,4,5−トリメチルピリジン、2,3,5−トリメチルピラジン、シトロネラール、アセトアルデヒド、メタンチオール、酢酸メチル、1−プロパノール、ジアセチル、2−ブタノン、2−メチル−3−ブテン−2−オール、酢酸エチル、2−メチル−1−プロパノール、3−メチル−1−ブタナール、3−メチル−2−ブタノン、1−ブタノール、2−ペンタノン、3−メチル−1−ブタノール、エチルイソブチラート、3−メチル−2−ブテナール、酢酸ブチル、3−メチルブチルアセテート、3−メチル−3−ブテン−1−イルアセテート(3-methyl-3-but-1-enyl-acetate)、3−メチル−2−ブテン−1−イルアセテート(3-methyl-2-but-1-enyl-acetate)、(E)−3,7−ジメチル−1,3,6−オクタトリエン、(Z)−3,7−ジメチル−1,3,6−オクタトリエン、2,3−シクロヘプテノールピリジン、又は前述に示すものからなる群から選択される1つ以上の化合物が含まれる。
いくつかの実施形態において、イソプレンに対して、約5重量%(又は1重量%、又は0.5重量%、又は0.05重量%、又は0.005重量%)(w/w)未満のバイオ副生成物不純物を含み、組成物に対して、約10重量%(又は1重量%、又は0.1重量%、又は0.05重量%)(w/w)未満の揮発性不純物を含み、組成物に対して、約95重量%(又は98重量%、又は99重量%、又は99.95重量%)(w/w)超のイソプレンを含むイソプレン(例えば、バイオイソプレン)の組成物が提供され、このイソプレン組成物は、全C5炭化水素に対して約99.9重量%(又は99.95重量%、又は99.97重量%、又は99.99重量%)(w/w)超のイソプレンを含む。いくつかの実施形態において、イソプレンに対して、約1重量%(w/w)未満のバイオ副生成物不純物を含み、組成物に対して、約5重量%(w/w)未満の揮発性不純物を含み、組成物に対して、約98重量%(w/w)超のイソプレンを含むイソプレン組成物が提供され、このイソプレン組成物は、全C5炭化水素に対して、約99.95重量%(w/w)超のイソプレンを含む。いくつかの実施形態において、イソプレンに対して、約1重量%(w/w)未満のバイオ副生成物不純物を含み、組成物に対して、約5重量%(又は2重量%、又は1重量%、又は0.5重量%)(w/w)未満のCOを含み、組成物に対して、約98重量%(w/w)超のイソプレンを含むイソプレン組成物が提供され、このイソプレン組成物は、全C5炭化水素に対して約99.95重量%(w/w)超のイソプレンを含む。
いくつかの実施形態において、イソプレンの少なくとも一部が気相である。いくつかの実施形態において、イソプレンの少なくとも一部が液相である(例えば、凝縮として)。いくつかの実施形態において、イソプレンの少なくとも一部が固相である。いくつかの実施形態において、イソプレンの少なくとも一部が、例えば、シリカ及び/又は活性炭を含む支持体などの、固体支持体に吸着される。
本明細書に記述される任意の組成物において、組成物は、約2mg超のイソプレンを含み得、例えば、約5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、又は1000mg超のイソプレンを含み得る。いくつかの実施形態において、組成物は、約2、5、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100g以上のイソプレンを含む。いくつかの実施形態において、組成物中のイソプレンの量は、約2〜約5,000mgであり、例えば、約2〜約100mg、約100〜約500mg、約500〜約1,000mg、約1,000〜約2,000mg、又は約2,000〜約5,000mgである。いくつかの実施形態において、組成物中のイソプレンの量は、約20〜約5,000mg、約100〜約5,000mg、約200〜約2,000mg、約200〜約1,000mg、約300〜約1,000mg、又は約400〜約1,000mgである。
いくつかの実施形態において、組成物はエタノールを含む。いくつかの実施形態において、組成物は、約75〜約90重量%のエタノールを含み、例えば、約75〜約80重量%、約80〜約85重量%、又は約85〜約90重量%のエタノールを含む。組成物にエタノールが含まれるいくつかの実施形態において、この組成物は更に、約4〜約15重量%のイソプレンを含み、例えば、約4〜約8重量%、約8〜約12重量%、又は約12〜約15重量%のイソプレンを含む。
追加の方法及び組成物は、国際特許出願公開第WO2009/076676号、米国特許出願第12/496,573号、同第12/560,390号、同第12/560,317号、同第12/560,370号、同第12/560,305号、及び同第12/560,366号、並びに米国特許仮出願第61/187,930号、同第61/187,934号、及び同第61/187,959号に記述されており、これらは全て、特にイソプレン産生の組成物及び方法に関して、これら全体が参照により本明細書に援用される。
本発明は、下記の実施例によって例示される。この実施例は単に例示目的であり、本発明の範囲又は実践可能な方法を制限するものとして見なすべきではない。特に別途記載のない限り、割合及びパーセンテージは重量比である。
実施例1は吸収及びストリッピングによって発酵槽オフガスからイソプレンを回収するものであり、次の工程を含む:
(1)発酵槽オフガスからのイソプレンの吸収。イソプレン、バイオ副生成物不純物及び揮発性不純物を含む発酵槽オフガスが、ガラス製ガススクラバー装置(部品番号CG−1830〜10、ChemGlass(Vineland,New Jersey,USA)から販売)内に流速4L/分で導入される。スクラバーのリザーバは、0.5LのIsopar(登録商標)M(ExxonMobil,TX)を含み、これが2L/分の速度で再循環している。溶媒は、発酵槽オフガスとの平衡が達成されるまで再循環させる。この平衡は、ガススクラバー装置に入る前の発酵槽オフガス、富イソプレンのIsopar溶媒、及びガススクラバー装置から生じるテールガスのGC/MS分析によって判定される。フィードガス中のイソプレン濃度が、スクラバーから生じるテールガスのイソプレン濃度と同じになった時点で、平衡が達成される。他の指標は、溶媒中のイソプレン濃度が固定期を達成した時点である。
(2)イソプレンのストリッピングと凝縮。富イソプレンのIsopar溶媒からイソプレンをストリッピングするのは、ガススクラバー装置を再構成することによって達成され、発酵槽オフガスの代わりにスチームが4L/分の速度でガススクラバー装置に追加される。溶媒は2L/分の速度で再循環され、溶媒からストリッピングされたイソプレン蒸気は、ある程度の量のバイオ副生成物不純物と共に、ガススクラバー装置の上側から発生する。
ガススクラバー装置から生じるイソプレン蒸気は、次に、0〜10℃の冷却液を用いたグラハム冷却機又は類似のガラス製凝縮器を使用して、凝縮される。イソプレン凝縮液を回収し、t−ブチルカテコール150ppmの追加により阻害処理を行う。液体イソプレンの純度は、当該技術分野において既知の手順により、GC/MS分析で測定される。
下記は、本明細書で使用するための2つの代表的なカラムセットについて記述する。これらは、大規模(製造用)又は小規模(パイロットプラント又は試験装置)プロセスであり、シミュレーションにより決定されたものである。
下記の実施例Aは、トレイカラムを使用しており、吸収カラム14に13枚のトレイ、ストリッパーカラム24に16枚のトレイがある。下記の実施例Bは、構造化充填カラムを使用しており、吸収カラム14に10ステージ(トレイに相当)、ストリッパーカラム24に11ステージがある。目標は、イソプレンの99.9%回収である。これらのパラメータ及び実施例は全て、単に例示目的である。
Figure 2013514375
Figure 2013514375
実施例2は、前述のように、実験室規模のガススクラバー装置によって、溶媒を使って発酵槽オフガスからイソプレンを回収するものである。
イソプレン、バイオ副生成物不純物及び揮発性不純物を含む発酵槽オフガスが、吸収カラムを含む実験室タイプのガラス製ガススクラバー装置(部品番号CG−1830−10、ChemGlass(Vineland,New Jersey,USA)から販売)内に流速8L/分で導入される。イソプレン濃度は、Hiden HPR−20質量分析計(Hiden Analytical(United Kingdom)から販売)を用いたオンライン質量分析により測定され、1.8〜2.1% v/vの範囲であった。スクラバーのリザーバは、上述のように、1LのIsopar(登録商標)Lイソパラフィン溶媒を含み、「溶媒」(ExxonMobil Chemical Co.(Houston,Texas,USA)から販売)は、室温(20℃)で2L/分の速度で再循環された。Isopar溶液中のイソプレン濃度は、このプロセス中、約1体積%であった。プロセスは、発酵槽オフガスとの平衡が達成されるまで継続された。この平衡は、ガススクラバー装置に入る前の発酵槽オフガス、及びガススクラバー装置から生じるテールガスのオンライン質量分析によって判定された。これらのデータを使用してイソプレンの吸収効率(縦軸)を時間(横軸)の関数として計算し、図2のプロットに示した。
回収されたイソプレンの蓄積量は、図2のプロットの外挿領域によって示されるように、イソプレンの合計生産性と、プロセスの持続時間にわたる平均吸収効率と、を掛けることによって、算出された。イソプレン濃度2% v/v、オフガス流量8L/分で、1.6時間のうちに発酵槽によって産生されたイソプレンの合計量は、約40gであり、このうち約30%が回収された(溶媒中、理論的濃度が10〜12g/Lのイソプレン濃度であると仮定)。プロセスが完了した後、溶液をガススクラバーから取り除いてこの後の分析、ストリッピング、及び凝縮に用い、純粋なイソプレン液体を回収した。
実施例3は、イソプレン溶液の分析である。
蒸気のガス吸収によって生成されたイソプレン溶液を、ヘッドスペース及び液体GC/MS(ガスクロマトグラフィー/質量分析)の両方の手法を用いて分析し、イソプレン含有量を測定し、主な不純物の同定を行った。イソプレン濃度は、ヘッドスペース手法を用いて測定した。イソプレン溶液1mLを20mLヘッドスペースのバイアルに入れ、40℃で5分間インキュベーションしてから、100μLヘッドスペース注入を行った。GC/MS手法は、キャリアガスとしてヘリウムを1mL/分で使用し、流入温度は230℃、スプリット比は100:1とした。Zebron TM ZB−5 GCカラム(30m×0.25mm×0.25μm、Phenomenex(Torrance,California,USA)より販売)を採用し、質量分析計の検出器はSIMモードで、m/z 41、56、68、69、71及び86でイオンをモニターした。加熱は50℃で開始し、2分間保持した後、20℃/分の速度で75℃まで上げ、更に35℃/分の速度で250℃まで上げた。最終温度250℃を0.75分間保持し、合計実施時間は9分間であった。これらの条件下で、1.68分でイソプレンが溶出し、溶媒L由来の炭化水素が5.5分〜6.5分の間で溶出した。この方法は、濃度1mg/mL〜20mg/mLの範囲の濃度のイソプレン/溶媒標準を用いて較正された。実施例2で生成されたイソプレン/溶媒組成物の濃度は、この方法により9.4g/Lであることが測定された。
イソプレン溶液中に存在するバイオ副生成物不純物の同定のため、液体GC/MS手法を採用し、1μLサンプルを、250℃に保持した20:1スプリットのGC流入口に注入した。キャリアガスとしてヘリウムを使用し、流量は1mL/分であった。Zebron ZB−5 GCカラム(30m×0.25mm×0.25μm)を採用し、質量分析計の検出器はスキャンモードで、m/z29及び350の間でイオンをモニターした。加熱は50℃で開始し、2分間保持した後、20℃/分の速度で320℃まで上げ、最終保持時間は2.5分で、合計実施時間は18分間であった。図3に示すように、これらの条件下において、イソプレンは1.69分(横軸)で溶出し、溶媒由来の炭化水素は5.5〜9分の間で溶出した。溶媒由来の低分子量飽和炭化水素に加え、いくつかのバイオ副生成物不純物が同定された(表2を参照)。これらの不純物の一部は商業的価値があり、本明細書の精製プロセスの工業規模バージョンにおいて、周知の方法を用い、バイオ副生成物として更に分離できることに注意されたい。
Figure 2013514375
図4は、図3のGC/MSスペクトルの左側部分1.6分〜4.8分(横軸)の拡大図である。
実施例4は、イソプレン/溶媒溶液からイソプレン液体をストリッピング及び凝縮するものである。
2つの方法(上記参照)を使用して、実施例2の記述に従い生成されたイソプレン/溶媒溶液からイソプレン液体を回収した:
(a)実験室規模プロセスにおいて、溶媒からのイソプレンのストリッピングは、次のようにして達成された:実験室タイプのドライアイス冷却されたデュワー型蒸留ヘッド(部品番号CG−1251、Chemglass(Vineland,New Jersey,USA)から販売)、ガス噴霧流入口、攪拌棒を備えた、1Lの三口丸底フラスコにイソプレン/溶媒溶液を移した。液体イソプレン生成物のため、凝縮器に50mL受けフラスコを取り付けた。装置の出口を、ドライアイスを充填した冷却トラップ及びバブラーに通し、ガスの流れをモニターした。フラスコを油浴で80℃に加熱し、溶液中に1L/分未満の速度で窒素ガスの気泡を通した。2時間の経過時間にわたって、液体イソプレン(約4mL)が受けフラスコに回収された。
(b)上記(a)に記述の装置を改変し、三口フラスコと凝縮器との間に3段階Snyder蒸留カラムを接続した。油浴の温度は120℃に上げた。この場合、窒素ガスの代わりにスチームを使用し、この流量は、底が100℃で上が34℃の範囲で蒸留カラムに温度勾配を保持するよう調節された。2時間の経過時間にわたって、液体イソプレン(約6mL)が受けフラスコに回収された。
イソプレンが溶媒からストリッピングされている度合を判定するために、この蒸留後に、実施例3に記述されているヘッドスペースGC/MS手法を用いて溶媒の分析が行われた。結果を表3に示す:
Figure 2013514375
実施例5は、溶媒を用いた吸収/ストリッピングにより回収されたイソプレン液体の分析である。
実施例4に記載されているように生成されたイソプレン液体は、GC/FID(ガスクロマトグラフィー/水素炎イオン化検出器)及びGC/MS手法を用いて分析され、全体的な純度を評価し、バイオ副生成物不純物及びその他の不純物の両方の存在を同定した。GC/FID分析は、DB−Petroカラム(100m×0.25mm、0.50μmフィルム厚さ、Agilent Technologies(Santa Clara,California,USA)販売)を使用して、50℃で15分間保持して実施した。この方法ではキャリアガスとしてヘリウムを使い、流量1mL/分であった。注入ポートを200℃に保持し、スプリットレスモードで操作した。Agilent 5793N質量選択検出器は、フルスキャンモードで、m/z 19〜m/z 250で使用した(was-fun)。図5は、この実施例において溶媒から回収されたイソプレンのGC/FIDプロットである。これらの条件下で、13.4分でイソプレンの溶出が観察され、バイオ副生成物不純物及び揮発性溶媒由来不純物が12.6〜23.0分で観察された。溶媒炭化水素は27〜29.5分で溶出した。
実施例6は、上記を参照し、最終的精製プロセスにおける溶媒からの極性バイオ副生成物不純物の除去である。
イソプレン−溶媒中に存在する極性バイオ副生成物不純物は、上記のように、吸着材、特にシリカ及びアルミナ系の吸着材を通すことにより取り除かれた。例えば、イソプレンのストリッピング後に得られた溶媒溶液(100mL)(実施例4を参照)を、20分間にわたってポンプでSelexsorb CDX吸着材(Selexsorb CDX10g(BASF))のベッドを通し、濾過された溶媒をGC/FIDで分析した。クロマトグラム(図示なし)により、バイオ副生成物不純物の大半が取り除かれたことが示された。別の方法として(下記参照)、シリカ系吸着材を使用することもできる。
図6は、吸着プロセス装置(例えば、図1のシステム36)の実施例を示す。図1の装置の上流部分からのイソプレン溶液の流出物は、最初に供給タンク(リザーバ)80に保持される。窒素ガスのフローはフローライン82を介してリザーバ80に供給され、バルブV1を介して約(90PSI(平方インチ当たりポンド)(608kPaの圧力)、約6気圧、圧力レギュレーターPで測定)に維持される。バルブV2は、加圧されたイソプレン溶液をバルブV3、V4へ送り、これらのバルブの間にポンプ90が連結されている。ポンプで送り込まれた溶液は、移送ライン94を通って、バルブV5を介し、従来型の吸着ベッド98へと送り込まれる。この吸着ベッドは、例えばSelexsorb CDXなど、上述のようにアルミナ、シリカ又はその他の吸着材が、従来型のジャケット100に収容されているものである。
窒素ガスの第2のフローは、バルブV8及びV6と、その間にあるロータメーター104(ガス流量を測定するため)を通って提供される。この窒素ガスの第2フローは、ベッド98に連結されている。従来と同じように、バルブV6での窒素ガスと、バルブV5でのイソプレン溶液は交互に供給され、これによりベッド98の吸着材を、窒素ガスで洗い流すことができる。この洗い流しにより、ベッドによって吸着されたイソプレン溶液中の不純物が取り除かれる。このプロセスにより、ベッドの再生処理中、バルブV5を介して、洗い流し窒素ガスと共に、不純物が外へ放出される。バルブV9、V10は、冷却器/ヒーター装置108をベッド98に連結し、これにより洗い流し窒素ガスとイソプレン溶液の両方を適切な温度に維持する。最後に、結果として得られた精製イソプレン溶液は、移送ライン110(第2の圧力レギュレーターPを有する)及びバルブV7を介する流出物である。
実験室規模の実施例において、バイオイソプレン組成物由来のイソプレン(1mL、150ppmのTBCを添加)を、GCバイアル中、Selexsorb(登録商標)CD、又はSelexsorb(登録商標)CDXのいずれかのビーズ1つ(直径1/8インチ(3mm)、重量約90mg)で、時々攪拌しながら1時間処理した。Selexsorb(登録商標)製品の色が10分以内に白色から黄色味を帯びた色に変化した。サンプルをガスクロマトグラフィー/質量分析によって分析し、スペクトルを重ね合わせて、不純物が取り除かれた度合がよくわかるようにした。極性不純物の取り除きの度合が測定された。その結果を表3Aに示す。
Figure 2013514375
更なるイソプレン精製−液体抽出
前述の説明及び図6に示すように、イソプレン溶液は典型的に、さまざまなタイプの不純物をたくさん含んでいるため、これを更に精製することが望ましい。一実施形態において、更なる精製は、前述の液体抽出方法を用いて準極性不純物を取り除くことによって達成された。
石油由来の従来型イソプレンと本出願の発酵由来のバイオイソプレンとの大きな違いは、発酵タイプのイソプレン中には生物学的(「バイオ」)副生成物が大量に存在していることであり、これは化学的に極性の性質を有することが判明している。これらの不純物は、前述のように、アセテート類、アルコール類、ケトン類、及び酸類を含む化学的分類に分けられる。これらの不純物は前述のように、この後に必要となるイソプレンの重合を干渉又は阻害するため、回収されたイソプロピレンは、下流の重合工程に送る前に、これらの不純物を取り除かなければならない。図6を参照して記述されている吸着プロセスは一般に、そのような極性不純物は取り除かない。
バイオイソプレンを脱イオン(DI)水又は塩基性(アルカリ性)脱イオン水溶液と接触させることで、そのような不純物の顕著な量が取り除かれることが見出されている。水又はアルカリ性水溶液と複数回接触させることで、不純物が任意の望ましい濃度にまで低減される。更に別の実施例において、表4は、さまざまな不純物(左列)、この実施例で同量のアルカリ性水溶液と接触させたときに取り除かれた不純物の割合(中列)、及び同量の脱イオン水と接触させたときに取り除かれた不純物の割合(右列)を示す。
Figure 2013514375
よって、表4の第2列にある塩基性(アルカリ性)水溶液プロセスは、これらの不純物を、2−メチルフラン及びジメチルジスルフィドを除く全てについて、大幅に取り除くのに有効であったことが見出された。これら2つの不純物については、少量しか取り除かれなかった。しかしながら、2−メチルフランは重合阻害に関しては重大な作用はないことが見出されている。よって、ジメチルジスルフィド(dimethyl-sulfide)が重要な残留不純物である。ジメチルジスルフィドは特に強力な重合「毒」であることが周知である。
この「苛性洗浄」プロセスを実施する装置は従来型のものであり、苛性溶液を保持し、一定量のイソプレン溶液をポンプで送り込むのに好適な容器が含まれ得る。イソプレン溶液は水と相溶性ではないため、この容器には、好適な攪拌又は混合装置を備えてもよい。よって上記の、イソプレン容器を苛性溶液と「接触」させるのは、不純物の苛性溶液への望ましい抽出を達成するのに十分な長さとなる。この後、苛性溶液は、精製イソプレン溶液から従来の方法で分離される。この苛性洗浄プロセスは、従来のバッチプロセス又は連続プロセスであり得る。この苛性洗浄プロセスは、図6の吸着システムの上流又は下流で実施することができる。あるいは、この苛性洗浄及び吸着は、例えば、当該技術分野で既知であるように、シリカ又はアルミナ吸着材に好適な苛性化合物を含浸させることにより、同時に行うことができる。
更に、ジメチルジスルフィドを取り除く効果的な方法は、図6を参照して前述したように、吸着技法である。図7は、時間(横軸)に対するバイオイソプレン中の不純物のプロットである。右側のピークは(実験室タイプの吸着ベッド精製装置での)ある溶出時間後のジメチルジスルフィド濃度を横軸に沿って示したものである。図でわかるように、ジメチルジスルフィドの最初の濃度はかなり高かったが、アルミナを有する吸着システムで処理した場合に顕著に低下し、シリカ吸着で処理した場合は更に低下して、ほぼ感知できないほどになった。
図8でも、この吸着技法を参照し、横軸に時間、左側の縦軸及びそれに関連する左側プロットはシリカの割合としてシリカのジメチルジスルフィドの割合を示し、右側の縦軸及びそれに関連する右側プロットは、シリカによって吸収されていないフィード中のジメチルジスルフィドの割合を、経時的に示す。よって、吸着プロセスの効果は、吸着ベッドがジメチルジスルフィドで占められて(飽和されて)しまうため、最初の60分間で急激に低減している。左側プロットについて、ベッドは約38%ジメチルジスルフィドで飽和する。よって、図6を参照して記述したように、ベッドを定期的に洗い流す(再生させる)必要がある。
更に図9では、吸着技法中のさまざまな時点で、イソプレン溶液中の相対的濃度、窒素、イソプレン及びジメチルジスルフィドの存在について、図8と同じ効果を示している。この図は、下のプロットが初期ガス組成物(処理前)で、ここから進行し、上のプロットがプロセスサイクルの終わりであり、ジメチルジスルフィドが本質的に取り除かれ、他の2つの化合物である溶解窒素及びイソプレンは本質的に同じであることを示している。120分時点で、飽和したベッドによりジメチルジスルフィドが「ブレークスルー」し、ジメチルジスルフィドのピークが再び現われていることに注意されたい。
上記の実施例は、本発明の純粋な例示として意図されているものであり、よっていかなる意味でも本発明を制限するものと見なされるべきではなく、また上述の本発明の態様及び実施形態を説明及び詳述するものでもない。別途記載されている場合を除き、温度は摂氏で表わされ、圧力は大気圧又は大気圧付近である。上述の実施例及び発明を実施するための形態は、実例として提示されるものであり、制限のためではない。本出願仕様において引用される全ての出版物、特許出願、及び特許は、各個々の出版物、特許出願、又は特許が参照により本明細書に援用されるように明確にかつ個別に示されているのと同じく、参照により本明細書に援用される。特に、本明細書において引用される全ての出版物は、本発明に関連して使用され得る組成物及び方法を説明及び開示する目的のため、参照により明示的に本明細書に援用される。上述の発明は、明確な理解を目的として図及び実施例を用いてある程度の詳細が説明されているが、添付の請求項の趣旨又は範囲から逸脱することなく特定の変更及び改変を行えることは、本発明の教示の見地から当業者には容易に明白となろう。

Claims (84)

  1. 発酵槽オフガスからイソプレンを精製する方法であって、
    イソプレン、揮発性不純物、及びバイオ副生成物不純物を含む発酵槽オフガスを、第1カラムの溶媒と接触させて、
    溶媒、前記オフガス中に存在するイソプレン過半量、及び前記オフガス中に存在するバイオ副生成物不純物過半量を含む、富イソプレン溶液と、
    前記オフガス中に存在する前記揮発性不純物の一部を含む蒸気と、を形成する工程と、
    富イソプレン溶液を第1カラムから第2カラムに移す工程と、
    前記第2カラムの前記富イソプレン溶液からイソプレンをストリッピングして、
    前記オフガス中に存在する前記バイオ副生成物不純物の一部を含むイソプレン希薄溶液と、
    精製イソプレン組成物と、を形成する工程と、を含む、方法。
  2. 前記オフガスがバイオイソプレン組成物である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記揮発性不純物が、HO、CO、N、H、CO及びOからなる群から選択される化合物を含む、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記揮発性不純物が、HO、CO、及びNを含む、請求項3に記載の方法。
  5. 前記揮発性不純物が、約25〜約80mol%のCO、約45〜約99mol%のNを含み、任意に約50mol%未満のOを含む、請求項3に記載の方法。
  6. 前記揮発性不純物が、約40〜約60mol%のCO、約65〜約99mol%のN、及び約25mol%未満のOを含む、請求項5に記載の方法。
  7. 前記バイオ副生成物不純物が、極性不純物を含む、請求項1に記載の方法。
  8. 前記バイオ副生成物不純物が、エタノール、アセトン、メタノール、アセトアルデヒド、メタクロレイン、メチルビニルケトン、3−メチルフラン、2−メチル−2−ビニルオキシラン、cis−及びtrans−3−メチル−1,3−ペンタジエン、C5フェニルアルコール(例えば、3−メチル−3−ブテン−1−オール又は3−メチル−2−ブテン−1−オール)、2−ヘプタノン、6−メチル−5−ヘプテン−2−オン、2,4,5−トリメチルピリジン、2,3,5−トリメチルピラジン、シトロネラール、メタンチオール、酢酸メチル、1−プロパノール、ジアセチル、2−ブタノン、2−メチル−3−ブテン−2−オール、酢酸エチル、2−メチル−1−プロパノール、3−メチル−1−ブタナール、3−メチル−2−ブタノン、1−ブタノール、2−ペンタノン、3−メチル−1−ブタノール、エチルイソブチラート、3−メチル−2−ブテナール、酢酸ブチル、3−メチルブチルアセテート、3−メチル−3−ブテン−1−イルアセテート、3−メチル−2−ブテン−1−イルアセテート、(E)−3,7−ジメチル−1,3,6−オクタトリエン、(Z)−3,7−ジメチル−1,3,6−オクタトリエン、(E,E)3,7,11−トリメチル−1,3,6,10−ドデカテトラエン、(E)−7,11−ジメチル−3−メチレン−1,6,10−ドデカトリエン、3−ヘキサン−1−オール、3−ヘキセン−1−イルアセテート、リモネン、ゲラニオール(trans−3,7−ジメチル−2,6−オクタジエン−1−オール)、シトロネロール(3,7−ジメチル−6−オクテン−1−オール)、(E)−3−メチル−1,3−ペンタジエン、(Z)−3−メチル−1,3−ペンタジエンからなる群から選択される化合物を含む、請求項1に記載の方法。
  9. 前記オフガス中においてイソプレンの量に対するバイオ副生成物不純物の量が、約0.01重量%(w/w)超である、請求項1に記載の方法。
  10. 前記オフガス中においてイソプレンの量に対するバイオ副生成物不純物の量が、約0.05重量%(w/w)超である、請求項9に記載の方法。
  11. 前記溶媒が無極性高沸点溶媒である、請求項1に記載の方法。
  12. 前記溶媒が、約177℃超の沸点を有する、請求項1に記載の方法。
  13. 前記溶媒が、約191℃超の沸点を有する、請求項12に記載の方法。
  14. 前記溶媒が、54℃で約1.25未満のCOオストワルド係数を有する、請求項1に記載の方法。
  15. 前記溶媒が、54℃で約1.1未満のCOオストワルド係数を有する、請求項14に記載の方法。
  16. 前記溶媒が、約50未満のカウリ−ブタノール価を有する、請求項1に記載の方法。
  17. 前記溶媒が、約20〜約30のカウリ−ブタノール価を有する、請求項16に記載の方法。
  18. 前記溶媒が、約23〜約27のカウリ−ブタノール価を有する、請求項17に記載の方法。
  19. 前記溶媒が、約66℃超のアニリン点を有する、請求項1に記載の方法。
  20. 前記溶媒が、約79℃〜約93℃のアニリン点を有する、請求項19に記載の方法。
  21. 前記溶媒が、40℃で約2.5×10−6m/s(2.5センチストローク(cSt))の運動粘度を有する、請求項1に記載の方法。
  22. 前記溶媒が、40℃で約1.75×10−6m/s(1.75センチストローク(cSt))の運動粘度を有する、請求項21に記載の方法。
  23. 前記溶媒が、25℃で約20〜30dyne/cmの表面張力を有する、請求項1に記載の方法。
  24. 前記溶媒が、25℃で約23〜27dyne/cmの表面張力を有する、請求項23に記載の方法。
  25. 前記溶媒が、約125〜約225の平均分子量を有する、請求項1に記載の方法。
  26. 前記溶媒が、約140〜約200の平均分子量を有する、請求項25に記載の方法。
  27. 前記溶媒が、テルペン、パラフィン、単環芳香族炭化水素、多環芳香族炭化水素、又はこれらの混合物から選択される、請求項1に記載の方法。
  28. 前記溶媒が、パラフィンである、請求項27に記載の方法。
  29. 前記溶媒が、C10〜C20のパラフィンである、請求項28に記載の方法。
  30. 前記溶媒が、C12〜C14のパラフィン又はイソパラフィンである、請求項29に記載の方法。
  31. 前記溶媒が、Isopar(商標)L、Isopar(商標)H及びIsopar(商標)Mからなる群から選択される、請求項29に記載の方法。
  32. 前記溶媒が、Isopar(商標)Lである、請求項31に記載の方法。
  33. 前記溶媒が、重合阻害剤を更に含む、請求項1に記載の方法。
  34. 前記重合阻害剤が、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル(TEMPO)、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル(TEMPOL);Bis(1−オキシル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)セバケート(橋状結合TEMPO);及びt−ブチルカテコールからなる群れから選択される、請求項33に記載の方法。
  35. 前記重合阻害剤の濃度が、イソプレンの濃度に対して、約0.001重量%〜約0.1重量%(w/w)である、請求項33に記載の方法。
  36. 前記発酵槽オフガスの温度を下げてから、前記第1カラムの前記溶媒と接触させる工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
  37. 前記発酵槽オフガスを分離装置に移す工程と、それにより前記オフガス圧力を安定化させてから、前記発酵槽オフガスを前記第1カラムの前記溶媒と接触させる工程と、を含む、請求項1に記載の方法。
  38. 前記発酵槽オフガスを、少なくとも部分的に凝縮してから、前記第1カラムの前記溶媒と接触させる工程と、を更に含む、請求項1に記載の方法。
  39. 前記発酵槽オフガスを前記第1カラムの前記溶媒と接触させる工程が、前記第1カラムの底側からストリッピング蒸気を供給する工程を含む、請求項1に記載の方法。
  40. 前記第1カラムからのストリームフローを、約66℃超の温度まで加熱する、請求項39に記載の方法。
  41. 前記第1カラムからのストリームフローを、約93℃超の温度まで加熱する、請求項40に記載の方法。
  42. 前記第1カラムからのストリームフローを、約93℃〜約135℃の範囲の温度まで加熱する、請求項41に記載の方法。
  43. 前記第1カラムからのストリームフローを、約110℃〜約121℃の範囲の温度まで加熱する、請求項42に記載の方法。
  44. 前記発酵槽オフガスを前記第1カラムの溶媒と接触させる工程が、前記第1カラムにスチームを追加する工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
  45. 前記第2カラムの前記富イソプレン溶液からイソプレンをストリッピングする工程が、前記第2カラムにスチームを追加する工程を含む、請求項1に記載の方法。
  46. イソプレン希薄溶液を精製してバイオ副生成物不純物の過半量を取り除く工程と、
    再使用のために、前記イソプレン希薄溶液を前記第1カラムに移す工程と、を更に含む、請求項1に記載の方法。
  47. 前記イソプレン希薄溶液を精製する工程が、前記イソプレン希薄溶液を吸着システムで処理する工程を含む、請求項46に記載の方法。
  48. 前記吸着システムが、活性炭、アルミナ、シリカ、Selexsorb(登録商標)、又は分子ふるいを含む、請求項47に記載の方法。
  49. 前記吸着システムがシリカを含む、請求項46に記載の方法。
  50. 前記イソプレン希薄溶液の精製工程、蒸留を含む、請求項46に記載の方法。
  51. 前記イソプレン希薄溶液の精製工程に、液−液抽出を含む、請求項46に記載の方法。
  52. 前記イソプレン希薄溶液の温度を低減してから、前記バイオ副生成物不純物の過半量を取り除く工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
  53. 前記イソプレン希薄溶液の温度を、約66℃未満の温度まで下げる、請求項52に記載の方法。
  54. 前記イソプレン希薄溶液の温度を、約38℃未満の温度まで下げる、請求項53に記載の方法。
  55. 前記イソプレン希薄溶液の温度を、約24℃未満の温度まで下げる、請求項54に記載の方法。
  56. 前記精製イソプレン組成物を更に精製する工程を含む、請求項1に記載の方法。
  57. 前記精製イソプレン組成物を更に精製する工程が、蒸留を含む、請求項56に記載の方法。
  58. 前記蒸留が、前記精製イソプレン組成物を前記第2カラムから還流凝縮器へと移した後に行われる、請求項57に記載の方法。
  59. 前記精製イソプレン組成物を更に精製する工程が、前記精製イソプレンを吸着システムで処理する工程を含む、請求項56に記載の方法。
  60. 前記吸着システムが、活性炭、アルミナ、シリカ、又はSelexsorb(登録商標)を含む、請求項59に記載の方法。
  61. 前記吸着システムが、シリカを含む、請求項60に記載の方法。
  62. 前記イソプレンの一部を前記蒸気から取り除く工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
  63. 前記イソプレンの一部を取り除く工程が、前記蒸気を吸着システムで処理する工程を含む、請求項62に記載の方法。
  64. 前記吸着システムが、活性炭、アルミナ、シリカ、又はSelexsorb(登録商標)を含む、請求項63に記載の方法。
  65. 6前記吸着システムが、活性炭を含む、請求項64に記載の方法。
  66. 前記発酵槽オフガスが、大気圧より高い圧力で前記第1カラムに供給される、請求項1に記載の方法。
  67. 前記精製イソプレン組成物が、約90%超の純度を有する、請求項1に記載の方法。
  68. 前記精製イソプレン組成物が、約95%超の純度を有する、請求項67に記載の方法。
  69. 前記精製イソプレン組成物が、約99%超の純度を有する、請求項68に記載の方法。
  70. 前記精製イソプレン組成物が、前記発酵槽オフガスのバイオ副生成物不純物の量に対して、約25%未満のバイオ副生成物不純物を含む、請求項1に記載の方法。
  71. 前記精製イソプレン組成物が、前記発酵槽オフガスのバイオ副生成物不純物の量に対して、約10%未満のバイオ副生成物不純物を含む、請求項70に記載の方法。
  72. 前記精製イソプレン組成物が、前記発酵槽オフガスのバイオ副生成物不純物の量に対して、約5%未満のバイオ副生成物不純物を含む、請求項71に記載の方法。
  73. 前記精製イソプレン組成物が、前記発酵槽オフガスの揮発性不純物の量に対して、約25%未満の揮発性不純物を含む、請求項1に記載の方法。
  74. 前記精製イソプレン組成物が、前記発酵槽オフガスの揮発性不純物の量に対して、約10%未満の揮発性不純物を含む、請求項73に記載の方法。
  75. 前記精製イソプレン組成物が、前記発酵槽オフガスの揮発性不純物の量に対して、約5%未満の揮発性不純物を含む、請求項74に記載の方法。
  76. 請求項1の方法により調整された、精製イソプレン組成物。
  77. 前記吸着システムが、活性炭、アルミナ、シリカ、Selexsorb(登録商標)又は分子ふるいを含み、ジメチルジスルフィドを吸着するよう適合されている、請求項59に記載の方法。
  78. 7前記の更なる精製工程が、前記精製イソプレン組成物を、水、又は塩基及び水に接触させる工程を含む、請求項56に記載の方法。
  79. 前記塩基及び水の中の前記塩基の濃度が、約10重量%である、請求項78に記載の方法。
  80. 前記イソプレン希薄溶液から、メタノール、アセトン、又は酢酸メチルのうち少なくとも1つを抽出する工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
  81. イソプレンとバイオ副生成物不純物とを含む組成物であって、前記バイオ副生成物不純物は、C5炭化水素を含み、前記C5炭化水素に対して約99.94重量%(w/w)超のイソプレンが存在し、前記イソプレンに対して約0.05重量%(w/w)未満のバイオ副生成物が存在する、組成物。
  82. 前記バイオ副生成物不純物が、2−ヘプタノン、6−メチル−5−ヘプテン−2−オン、2,4,5−トリメチルピリジン、2,3,5−トリメチルピラジン、シトロネラール、アセトアルデヒド、メタンチオール、酢酸メチル、1−プロパノール、ジアセチル、2−ブタノン、2−メチル−3−ブテン−2−オール、酢酸エチル、2−メチル−1−プロパノール、3−メチル−1−ブタナール、3−メチル−2−ブタノン、1−ブタノール、2−ペンタノン、3−メチル−1−ブタノール、エチルイソブチラート、3−メチル−2−ブテナール、酢酸ブチル、3−メチルブチルアセテート、3−メチル−3−ブテン−1−イルアセテート、3−メチル−2−ブテン−1−イルアセテート、(E)−3,7−ジメチル−1,3,6−オクタトリエン、(Z)−3,7−ジメチル−1,3,6−オクタトリエン、(E,E)3,7,11−トリメチル−1,3,6,10−ドデカテトラエン及び(E)7,11−ジメチル−3−メチレン−1,6,10−ドデカトリエンからなる群から選択される1つ以上の化合物を含む、請求項81に記載の組成物。
  83. 前記組成物に対して、約5重量%未満の揮発性不純物を更に含む、請求項81に記載の組成物。
  84. 前記組成物が、前記組成物に対して、約95重量%超のイソプレンを含む、請求項81に記載の組成物。
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