JP2013513733A - 制御装置 - Google Patents

Abstract

本発明は、それぞれ複数の作業ステーションに分割されている複数の作業フィールドを備えた溶融紡糸機を制御するための制御装置に関する。当該制御装置がモジュール式に複数の制御ユニットに分割され、これらの制御ユニットがそれぞれ個々の作業ステーションに対応していることにより、溶融紡糸機の種々異なる構成に対するモジュール式の適合が達成される。これらの制御ユニットの調整は、上位のマスタ制御部なしにデータ線路もしくは制御線路を用いた交換により行われる。

Description

本発明は、請求項１の上位概念部に記載の形式の、溶融紡糸機を制御するための制御装置、すなわち溶融紡糸機が、作業フィールド１つ当たり複数の糸を製造するための同形式の複数の作業フィールドを有しており、該作業フィールドが、それぞれ複数の作業ステーションを有していて、該作業ステーションが、該作業ステーションに対応した少なくとも１つの作業ステップを実施するための少なくとも１つの作業手段を備えている形式の制御装置に関する。

溶融紡糸機によって合成繊維糸を製造する場合、まず溶融体源、たとえば押出し機から到来したプラスチック溶融体が、ポンプによって加圧下に、多数のノズル孔を備えた複数の紡糸ノズルへ分配されて紡糸され、複数のフィラメント束を形成する。これらのフィラメント束は冷却後にそれぞれ１本の糸にまとめられ、巻取り装置によって引き取られて、１つのボビンに巻き上げられる。所望の糸品質に応じて、巻上げの前に、たとえば延伸装置の１つまたは複数のゴデットによって別の処理が行われる。このときに糸はゴデット外套の周速差および温度差に基づき、熱機械的な処理を受ける。さらに、溶融紡糸機には、上で挙げた主装置類の他に、たとえば油剤（Praeparation）を調量して塗布するための手段のような補装置類が設けられている。

溶融紡糸機は、平行して配置された同形式の複数の作業フィールドから形成されている。これらの作業フィールドでは、それぞれ複数の糸が糸群の形で加工される。この場合、糸群は作業フィールド内で複数の作業ステーションにより押し出され、引き取られ、延伸され、そして巻き上げられてボビンを形成する。

溶融紡糸機もしくは作業フィールドの個々の作業ステーションは制御装置によって調整されて制御される。冒頭で述べた形式の制御装置は、ドイツ連邦共和国特許出願公開第１００３９０９３号明細書に基づき公知である。この場合、それぞれ１つの糸走路もしくは１つの糸群に対応した作業ステーションもしくはその装置類が、この作業フィールドに対応した制御ユニットによって制御される。個々の制御ユニットならびに複数の作業フィールドに共通して対応している装置類、たとえば押出し機は、上位の制御システムにより制御され調整される。この場合、同形式の制御ユニットが多数使用される。

このような構造の欠点としては、制御部の構造が溶融紡糸機の構造にいわば一義的に依存しており、種々様々な溶融紡糸機の構造に対する自在性がなく、しかも上位の制御システムが用意されなければならないことが挙げられる。

したがって、本発明の課題は、廉価で、しかも溶融紡糸機の種々異なる配置構成に容易に適合させることのできる、溶融紡糸機に用いられる制御装置を提供することである。

この課題は、請求項１の特徴部に記載の特徴、すなわち複数の制御ユニットが設けられており、該制御ユニットのそれぞれ１つに、前記複数の作業フィールドの１つに設けられた前記複数の作業ステーションのそれぞれ１つが対応しており、前記制御ユニットが、データ交換のために、上位のマスタ制御部なしに少なくとも１つのデータ線路を介して直接に互いに接続されていることにより解決される。

請求項２以下に記載の特徴および特徴組合せにより、本発明の別の有利な改良形が規定されている。

本発明は、溶融紡糸機のための１つの中央制御装置の従来公知のコンセプト、すなわち作業ステーションの、１つの作業フィールド内に配置された作業手段が１つの制御ユニットに一緒くたにまとめられているような公知のコンセプトから逸脱して、同類の作業ステーションに合わせた制御コンセプトを採用するものである。この場合、各作業フィールドは論理的に個々の作業ステーションに分割され、作業フィールドの各作業ステーションは個々の制御ユニットに対応させられ、個々の制御ユニットはデータ線路によって直接に互いに接続されていて、直接に互いに通信し合い、これにより制御ユニットの相互調整が行われる。これによって、上位のマスタ制御部が不要となる。不断のデータ交換により、１つの作業フィールド内で協働し合う作業ステーションが調整されて糸製造のために運転され得ることが確保されている。このときに、データ線路は有利にはイーサネット接続部（Ethernetverbindung）として形成されると有利である。これにより、データパッケージ全体が各制御ユニットの間で交換可能となる。データ線路はバスシステムであるか、または直接的なデジタル式もしくはアナログ式の接続部であってもよい。

溶融紡糸機において本発明により鉛直方向に向けられた制御平面により、作業フィールド内部の同じ形式の個々の作業ステーションが、隣接した作業ステーションとは別個に迅速に交換され得ることも有利である。隣接した制御平面はこれによる影響を受けない。特に溶融紡糸機のために、この制御コンセプトは特別な利点を提供する。なぜならば、糸タイプに応じて種々異なる作業手段が作業ステーション内で、特に糸処理装置において使用されるからである。すなわち、糸処理において種々の作業手段を用いてＰＯＹ糸、ＦＤＹ糸、ＢＣＦ糸またはＩＤＹ糸を製造することができる。

本発明の有利な改良形では、隣接し合った作業フィールドの同形式の作業ステーションを、有利には１つの制御アッセンブリにまとめることができるので、これらの作業ステーションは一緒になって前記制御ユニットのうちの１つに接続されている。これによって、複数の作業ステーションを備えた多数の作業フィールドについても、制御手間を最小限にまで減少させることができる。このことは、特に制御したいアクチュエータおよびセンサが少数である作業ステーションにおいて、単純化された構造をもたらすと共に、コスト利点を提供する。

合成繊維糸を製造するためには、作業ステーションが作業手段として少なくとも１つの紡糸装置、糸処理装置および巻取り装置を有しており、この場合、巻取りと糸処理との間で制御上の分離が行われると有利である。

これにより、１つの制御ユニットが巻取り装置のために使用される。したがって、別の制御ユニットが糸処理装置に対応している。付加的にまたは択一的に、紡糸装置のためにさらに別の制御ユニットが設けられている。

このような溶融紡糸機の利点は、これによって制御ユニットのモジュール化が有効に支援されることにある。溶融紡糸機には種々のタイプが存在するが、これらのタイプは主として糸処理装置への装備の点で互いに異なっている。すなわち、十分に延伸された糸のための溶融紡糸機は、より高い個数の、部分的に加熱されたゴデットを有している。本発明による制御装置では、複数の作業フィールドのそれぞれ同形式の巻取り装置のために１つの制御ユニットが使用される。この制御ユニットは種々の溶融紡糸機タイプにおいても同じである。種々異なった装備を施された糸処理装置のためには、２つまたはそれ以上の種々の制御ユニットが提供され得る。これらの制御ユニットは糸処理装置に施された装備に関連して使用される。しかし、これらの制御ユニット自体は比較的単純に構成されているので、種々のバリエーションをモジュール化しかつ提供することが廉価に可能となる。特にこのような構造により、紡糸装置と、その下に配置された両糸処理・巻取り装置との間の厳格な分離を行うことが一層容易に可能となる。この分離によって、規格化された紡糸装置を、フレキシブルに適合された糸処理・巻取り装置と組み合わせることが一層簡単に可能となる。

巻取り装置と糸処理装置との間を制御上分離する場合、巻取り装置は、糸の連続的な巻取りのための複数の巻取り個所を備えた巻取りヘッドを有していると有利である。糸処理装置はこの場合、糸を延伸させるための複数のゴデットを有していると有利である。

別の実施態様では、巻取り装置が１つの巻取りヘッドと複数のゴデットとを有している。このことは、たとえば巻取りヘッドとゴデットとが１つの構成ユニットに統合されていて、両構成要素が、対応する制御ユニットによって一緒に制御可能である場合に好都合となる。

しかし、巻取り装置に対応している制御ユニットに、糸処理装置からの付加的な構成要素を対応させることも可能である。したがって、糸製造の際に特定のプロセスにおいて巻取りヘッドとゴデットとの間の協働を一層最適化することができる。

しかし基本的には、巻取り装置と糸処理装置とのための制御ユニットを１つの共通の制御ユニットにより形成することも可能である。このことは特に、たとえば糸処理装置が少数の構成要素もしくは少数の装置類しか有しない場合に有利である。

本発明のさらに別の改良形では、これらの制御ユニットが１つの操作ユニットに接続されているが、しかしこの操作ユニットはマスタ制御ユニットの役目を果たすものではない。これによって、オペレータにとっては、同等の権限を持ったこれらの制御ユニットへのアクセスが改善され得るので、たとえば作業ステーションにおけるプロセスパラメータを変更するための設定を、前記操作ユニットを介して、それぞれ対応する制御ユニットにおいて行うことができる。

本発明のさらに別の有利な改良形では、この操作ユニットが、制御ユニットのためのソフトウェアアップデートを提供する。このことは、適当な手段、たとえばメモリまたは別のデータ担体により行われる。

この操作ユニットまたは択一的に別の操作ユニットは、広域通信網（Wide Area Network）、たとえばインターネットまたはモデム接続部を介して接続されていてよい。これにより、空間的な距離を介して、サポート、エラー診断またはソフトウェアアップデートを提供することができる。

以下に、溶融紡糸機に用いられる本発明による制御装置の実施形態を図面につき詳しく説明する。

溶融紡糸機を制御するための本発明による制御装置の１実施形態を示す概略図である。 図１に示した溶融紡糸機の変化形に用いられる本発明による制御装置の別の実施形態を示す概略図である。 図１に示した溶融紡糸機の別の変化形に用いられる本発明による制御装置のさらに別の実施形態を示す概略図である。

図１には、溶融紡糸機を制御するための本発明による制御装置が図示されている。

多数の合成繊維糸を製造するために、溶融紡糸機の内部には、複数の種々の作業手段が材料フローに対して順次に配置されており、これにより複数の作業ステップにおいて、たとえば顆粒状チップの形のポリマから多数の合成繊維糸が製造される。溶融紡糸機の図示の実施形態では、一連の作業手段列がエクストルーダもしくは押出し機１で始まる。押出し機駆動装置２を介して駆動されかつ押出し機ヒータ３によって加熱されている押出し機１によって、顆粒状チップの形で供給されたポリマ材料は溶融されてポリマ溶融体を形成し、このポリマ溶融体は複数の溶融体管路４を介して複数の梁状の紡糸ビーム５へ分配される。図面を見易くするという理由から、この場合、２つの紡糸ビーム５しか図示されていないが、たいていは、より多くの紡糸ビーム５が使用される。また、複数の押出し機１を使用するか、または択一的にポリマ溶融体を供給するための重合設備を使用することも可能である。

紡糸ビーム５の内部では、ポリマ溶融体がまず溶融体調量ポンプ６に供給される。溶融体調量ポンプ６は溶融体を調量して、複数の分配回路８を介して複数の紡糸パック９へ分配される。これらの紡糸パック９は複数のノズルプレートを有している。これらのノズルプレートは多数のノズル孔を備えており、これらのノズル孔からは多数のフィラメントが押し出される。これらのフィラメントはフィラメント束１０として流出して、それぞれ１本の糸１３にまとめられる。通常では、フィラメント束１０が糸１３にまとめられる地点で、油剤付与装置１１によって油剤（Praeparation）が塗布される。これらの油剤付与装置１１には１つの共通の油剤付与ポンプ１２によって図示の接続管路を介して油剤が供給される。

引き続き、糸１３は糸群の形で、駆動される２つのゴデット（ゴデットローラ）１４を介して案内され、引き続き巻取りヘッド１５に供給される。この巻取りヘッド１５で糸１３は複数の巻取り個所において平行に巻き取られて、複数のボビン１７を形成する。このためには、巻取りヘッド１５が複数の駆動装置１６を有しており、この場合、全ての駆動装置、アクチュエータおよびセンサの代わりに３つのモータだけが例示的に図示されている。

全ての作業手段を制御するためには、溶融紡糸機が、鉛直方向においても水平方向においても複数の単位に単位分けされている。まず鉛直方向において、各巻取りヘッド１５と、その上に配置された、糸製造の一連のプロセス流れにおいて上流側に設けられた作業手段とによって、それぞれ作業フィールド１８が規定される。この場合、図示されているように複数の作業フィールド１８が１つの共通の押出し機１を共有している場合でも、このような作業フィールド１８は、溶融紡糸機のそれ自体機能性のある最小の単位（ユニット）であるとみなすことができる。作業フィールド１８では、複数の糸１３のグループが糸群として製造され、そして一緒になって巻き取られてボビン１７を形成する。図示の実施形態では、隣接し合った２つの作業フィールド１８が図示されているが、実際の使用現場では、このような溶融紡糸機がこのような作業フィールド１８を多数有している。

水平方向においては、これらの作業フィールド１８が種々の作業ステーション１９に分割されている。これらの作業ステーション１９は、一連のプロセス流れにおいて１つまたは複数の作業ステップを実施するための１つまたは複数の作業手段を有している。すなわち、たとえば図１に図示したように、最上位の作業ステーション１９は押出し機１を有しており、その下に配置された真ん中の作業ステーション１９はゴデット１４を有しており、下部に配置された作業ステーション１９は巻取りヘッド１５を有している。この場合、これらの作業ステーション１９の間の境界は、本発明によれば確定されていない。特に最下位の作業ステーション１９と真ん中の作業ステーション１９との間の境界は、枠条件に関連して種々異なって確定され得る。すなわち、特定の作業手段については、最下位の作業ステーション１９にも、真ん中の作業ステーション１９にも対応させることができる。

図１に示した実施形態では、作業ステーション１９に対応した作業手段が、グループ毎に巻取り装置２５と、糸処理装置２６と、紡糸装置２７とにまとめられている。この限りでは、上側の作業ステーション１９は紡糸装置２７の作業手段を有しており、真ん中の作業ステーション１９は糸処理装置２６の作業手段を有しており、下側の作業ステーション１９は巻取り装置２５の作業手段を有している。

図１に示した溶融紡糸機の制御装置は、複数の制御ユニット２０，３０，４０に分割されている。これらの制御ユニット２０，３０，４０は個々の作業ステーション１９に対応している。すなわち、第１の制御ユニット４０は紡糸装置２７の作業手段に対応している。糸処理装置２６の作業手段は第２の制御ユニット３０を介して制御され、巻取り装置２５の作業手段は第３の制御ユニット２０を介して制御される。

紡糸装置２７に対応する第１の制御ユニット４０は、複数の制御線路４１，４２を介して押出し機駆動装置２と押出し機ヒータ３とに接続されており、さらに複数の制御線路４３を介して溶融体調量ポンプ駆動装置７に接続されていて、これらの作業手段を制御する。さらに第１の制御ユニット４０は、図示されていない制御線路を介してセンサに接続されている。これらのセンサは、たとえば溶融体圧力、溶融体温度または紡糸ビーム５の温度を検出するために働く。第１の制御ユニット４０は制御線路４３を介して、隣接した作業フィールド１８の作業ステーションの作業手段にも接続されている。すなわち、隣接した作業フィールド１８の溶融体調量ポンプ駆動装置７は同じく第１の制御ユニット４０に対応している。隣接した作業フィールド１８の紡糸装置２７はこの場合、中央の押出し機１に接続されている。

各作業フィールド１８毎に真ん中の作業ステーション１９に対応した第２の制御ユニット３０は、糸処理装置２６に対応している。この第２の制御ユニット３０は、複数の制御線路３１を介してゴデット１４の駆動ユニットに接続されており、さらに制御線路３２を介して油剤付与ポンプ１２の駆動ユニットに接続されている。図面を見易くするという理由から図示されていないが、しかし本発明によれば、糸処理装置２６に対応させたい補装置類およびセンサが含まれている。同じく図面を見易くするという理由から、第２の制御ユニット３０はこの場合、１つの作業フィールド１８についてしか図示されていないが、本発明によれば、いずれの作業フィールド１８も固有の第２の制御ユニット３０を有している。

下側の作業ステーション１９に対応する第３の制御ユニット２０は、制御線路２２を介して巻取り装置２５の駆動装置およびセンサを制御する。巻取り装置２５は本実施形態では巻取りヘッド１５を有している。この場合にも、図面を見易くするという理由から、第３の制御ユニット２０は１つの作業フィールド１８についてしか図示されていない。しかし、本発明によれば、すべての作業フィールド１８が固有の第３の制御ユニット２０を有している。

第１の作業フィールド１８に対応する上記制御ユニット２０，３０，４０は、データ線路２４を介して互いに接続されている。データ線路２４は、たとえばイーサネット接続部（Ethernetverbindung）として形成されていてよい。データ線路２４を介して、制御ユニット２０，３０，４０は互いに通信し合う。一般に、データ線路２４はバス線路またはネットワーク接続部である。しかし、この接続を１つまたは複数のアナログ式の線路によって実現することも可能である。さらに、制御ユニット２０，３０，４０は操作ユニット２１に接続されており、この操作ユニット２１はデータ線路２４に一緒に組み込まれている。操作ユニット２１はハンド操作ユニットであるか、またはいかなるマスタ機能をも有しないプロセスガイドシステムである。操作ユニットを介して目標値または運転パラメータが受け取られる。制御ユニット２０，３０，４０は制御階層（Steuerhierarchie）においては同等ランクであって、１つの作業フィールドの全ての作業手段を制御するために協働し合う。これらの制御ユニット２０，３０，４０の間での調整は、各制御ユニット間での絶え間ないデータ交換を介してのみ行われる。

平行して、本実施形態では制御ユニット２０，３０，４０に別の操作ユニット４５が接続されている。この操作ユニット４５はアップデートを提供するための手段４４を有しており、この手段４４を介して制御ユニット２０，３０，４０にアップデートが伝送される。アップデートを提供するための手段４４はデータ担体またはメモリである。このことは、たとえばＵＳＢスティックまたはＣＤ−ＲＯＭであってよい。択一的にこのことは、予めアップデートがロードされているコンピュータの作業メモリの範囲であってもよい。両操作ユニットのうちのいずれか一方の操作ユニット２１または４５は、広域通信網接続（Wide Area Network- Verbindung）、たとえばインターネットまたはモデム接続を介して接続されていてよい。したがって、この操作ユニットは、たとえば製造業者のサービスステーションに存在していてよく、こうして製造業者は使用者を支援する。

図２には、図１に示した溶融紡糸機の変化形に用いられる本発明による制御装置の別の実施形態（第２実施形態）が示されている。この第２実施形態は、図１に示した第１実施形態と大体において一致しているので、以下においては図１に示した第１実施形態に対する相違点についてのみ説明し、その他の点については上記説明を参照するものとする。

図２に示した第２実施形態では、真ん中の作業ステーション１９の糸処理装置２６が、作業フィールド１８の内部で変更された配置構成の形に構成されている。糸処理装置２６は作業フィールド１つ当たり複数のゴデットデュオ２３を有している。これらのゴデットデュオ２３はさらに加熱されていてもよい。このような糸処理装置２６は特に高度に延伸された糸を製造するために使用される。ゴデットデュオ２３における多数の駆動装置およびヒータは、より複雑な第２の制御ユニット３０を必要とし、この場合、第２の制御ユニット３０は図１に示した第１実施形態における第２の制御ユニット３０の作業手段の数倍の作業手段を制御しなければならない。作業フィールド内の製造プロセスを制御するために、第２の制御ユニット３０はデータ線路２４を介して、隣接した第３および第１の制御ユニット２０，４０に接続されている。データ線路２４は純然たるデータ線路として形成されているか、あるいはまたデータ交換を行う制御線路として形成されていてもよい。

この場合、本発明による制御装置の利点も明瞭となる。種々異なる多数の溶融紡糸機に制御装置を装備するために、この制御装置を組立てユニットシステムからモジュール式に組み立てることができる。

図３には、図１に示した溶融紡糸機の別の変化形に用いられる本発明による制御装置のさらに別の実施形態（第３実施形態）が示されている。図１の第１実施形態とは異なり、巻取り装置２５はこの場合、巻取りヘッド１５に並んで複数のゴデット１４をも有しており、これらのゴデット１４は直接に巻取りヘッド１５に結合されて、１つの共通の構成ユニットの形を成している。これにより、制御装置の分配が変化し、この場合、ゴデット１４の制御は、巻取り装置２５に対応する第３の制御ユニット２０の役目となる。第３の制御ユニット２０は制御線路３１を介してゴデット１４のゴデット駆動装置に接続されていて、さらに制御線路２２を介して巻取りヘッド１５の駆動装置に接続されている。したがって、隣接した第２の制御ユニット３０は、巻取りヘッド１５の上方の糸処理装置２６の作業手段にしか接続されていない。したがって、付加的に溶融体調量ポンプ駆動装置７の制御が第２の制御ユニット３０に対応される。これにより、第１の制御ユニット４０は紡糸装置２７の押出し機１としか協働しない。このためには、真ん中の第２の制御ユニット３０が、制御線路３３を介して溶融体調量ポンプ駆動装置７に接続されている。この例は本発明による制御装置を構成するための１つのオプションを示しているに過ぎない。基本的には、組み込まれたゴデット１４を備えた巻取りヘッドをも、図１または図２に示したような制御構造と組み合わせるか、または図３に示した制御ユニット３０，４０を１つの共通の制御ユニットにまとめることも可能であって、かつ好都合である。

図３に示した第３の実施形態では、択一的に制御ユニット３０，４０を組み合わせて１つの制御ユニットを形成することも可能であるので、作業フィールド１８を、たとえば２つの作業ステーションに分割することができる。その場合、第１の上側の作業ステーションは糸の押出し、紡糸および油剤付与のための作業手段を有し、第２の下側の作業ステーションは糸の引取り、延伸および巻取りのための作業手段を有する。その場合、作業フィールドの全ての作業手段は２つの制御ユニットの協働によって制御される。

１ 押出し機
２ 押出し機駆動装置
３ 押出し機ヒータ
４ 溶融体管路
５ 紡糸ビーム
６ 溶融体調量ポンプ
７ 溶融体調量ポンプ駆動装置
８ 分配管路
９ 紡糸パック
１０ フィラメント束
１１ 油剤付与装置
１２ 油剤付与ポンプ
１３ 糸
１４ ゴデット
１５ 巻取りヘッド
１６ 駆動装置
１７ ボビン
１８ 作業フィールド
１９ 作業ステーション
２０ 制御ユニット
２１ 操作ユニット
２２ 制御線路
２３ ゴデットデュオ
２４ データ線路
２５ 巻取り装置
２６ 糸処理装置
２７ 紡糸装置
３０ 制御ユニット
３１，３２，３３ 制御線路
４０ 制御ユニット
４１，４２，４３ 制御線路
４４ アップデートを提供するための手段
４５ 操作ユニット

Claims (9)

1. 溶融紡糸機を制御するための制御装置であって、溶融紡糸機が、作業フィールド１つ当たり複数の糸（１３）を製造するための同形式の複数の作業フィールド（１８）を有しており、該作業フィールド（１８）が、それぞれ複数の作業ステーション（１９）を有していて、該作業ステーション（１９）が、該作業ステーション（１９）に対応した少なくとも１つの作業ステップを実施するための少なくとも１つの作業手段（２７，２６，２５）を備えている形式の制御装置において、複数の制御ユニット（２０，３０，４０）が設けられており、該制御ユニット（２０，３０，４０）のそれぞれ１つに、前記複数の作業フィールド（１８）の１つに設けられた前記複数の作業ステーション（１９）のそれぞれ１つが対応しており、前記制御ユニット（２０，３０，４０）が、データ交換のために、上位のマスタ制御部なしに少なくとも１つのデータ線路（２４）を介して直接に互いに接続されていることを特徴とする、溶融紡糸機を制御するための制御装置。
2. 前記制御ユニット（２０，３０，４０）のうちの少なくとも１つが、複数の作業フィールド（１８）の同一形式の複数の作業ステーション（１９）に対応している、請求項１記載の制御装置。
3. 溶融紡糸機の前記作業ステーション（１９）のうちの１つが、作業手段として巻取り装置（２５）を有しており、該巻取り装置（２５）が、対応する１つの制御ユニット（２０）に接続されており、溶融紡糸機の別の作業ステーション（１９）が、作業手段として糸処理装置（２６）および／または紡糸装置（２７）を有しており、該糸処理装置（２６）および／または紡糸装置（２７）が、対応する隣接した制御ユニット（３０，４０）に別個に接続されている、請求項１または２記載の制御装置。
4. 複数の紡糸装置（２７）が一緒になって作業ステーション（１９）の当該制御ユニット（４０）に対応している、請求項３記載の制御装置。
5. 巻取り装置（２５）が１つの巻取りヘッド（１５）を有しており、糸処理装置（２６）が複数のゴデット（１４）を有しており、該巻取りヘッド（１５）と該ゴデット（１４）とが、前記制御ユニットのうちの複数の制御ユニット（２０，３０）によって別個に制御可能であるか、または一緒になって前記制御ユニットのうちの１つの制御ユニット（２０）によって制御可能である、請求項１から４までのいずれか１項記載の制御装置。
6. 巻取り装置（２５）が１つの巻取りヘッド（１５）と複数のゴデット（１４）とを有しており、該巻取りヘッド（１５）と該ゴデット（１４）とが、一緒になって前記制御ユニットのうちの１つの制御ユニット（２０）によって制御可能である、請求項１から４までのいずれか１項記載の制御装置。
7. 巻取り装置（２５）に対応する制御ユニット（２０）ならびに糸処理装置（２６）に対応する制御ユニット（３０）および／または紡糸装置（２７）に対応する制御ユニット（４０）が、１つの操作ユニット（２１）に接続されている、請求項１から６までのいずれか１項記載の制御装置。
8. 前記操作ユニット（２１）が、アップデートを提供するための手段（４４）を有している、請求項７記載の制御装置。
9. 前記操作ユニット（２１）または第２の操作ユニットが、広域通信網、有利にはインターネットを介して接続されている、請求項７または８記載の制御装置。

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