JP2013508520A - 水性2成分形分散接着剤 - Google Patents
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Abstract
本発明は、特に、ポリエーテル−ポリウレタンポリマーと、0℃より高いガラス転移温度を有するエチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)とを含む、水性2成分形水性分散接着剤に関する。前記分散接着剤は、コンタクト接着剤としての使用、およびプラスチック膜の接着のための使用に最適である。前記分散接着剤またはこれを用いて製造した接着複合物は、極めて低い可塑剤吸収挙動と、コンタクト接着とを特徴とすることが実証された。優れた耐熱性および種々の基材に対する強い結合も利点である。
Description
本発明は、分散接着剤の分野に関する。
分散接着剤は、長い間知られており、特に包装産業で使われている。
溶媒べースの分散接着剤に比べ、水性分散接着剤は、環境、安全性、および産業衛生の面で利点を有し、これが市場において水性分散接着剤に対する非常に高い需要がある理由である。しかし、水性分散接着剤の欠点は、貯蔵安定性が不十分である場合が多いことである。
特定の分散接着剤、特に、溶媒含有分散接着剤は、コンタクト接着剤として使用することができる。コンタクト接着剤を使う場合には、接着剤を接着すべき基材の各表面に塗布し、フラッシング(flash off)し(蒸発させ)、次に、相互に接合させる(コンタクティング)。このような接着剤は、接合後に即時に結合強度を発揮し、これは多くの用途にとって大きな利点となる。この種のコンタクト接着を実現するために、このようなコンタクト接着剤は、特に、可塑剤および/または非常に低いガラス転移温度を有するポリマーを含んでいる。
プラスチック膜の接着では、使用する典型的な膜が大量の可塑剤を含み、この可塑剤が接着剤中へ移行する傾向を示し、それにより、一方では膜が脆化し、他方では、接着剤の機械的性質が、吸収した可塑剤により悪影響を受け、その結果、短時間で接着不良が生じる、という点で基本的困難がある。さらに、このプロセスは、熱により加速される。可塑剤の取り込みは、主に非常に低いガラス転移温度を有するポリマーに起因することがわかっている。
従って、本発明の目的は、低い可塑剤吸収特性と、コンタクト接着能力とを同時に備える水性分散接着剤を提供することである。
驚くべきことに、現時点で、特許請求の範囲による水性2成分形分散接着剤が、この問題を解決できることが明らかになった。
本分散接着剤は、水性分散接着剤に対して一般的である、環境上、安全上、および産業衛生上の利益も有する。好ましい実施形態では、VOCを含まない分散接着剤が製造され得る。特に、本水性分散接着剤は、優れた貯蔵安定性を持つように調合することができる。さらに、これらの接着剤は、特に、コンタクト結合によるプラスチック膜の接着に完全に適合していること分かっている。また、接着剤は非常に良好な接着範囲を有し、とりわけ、ポリオレフィンに非常に良い接着を提供することが示されている。結合は、大抵の場合、プライマーの使用を省略できるほど良好である。従って、プライマーなしのプラスチック膜の接着は、本分散接着剤の、さらなる、かつ非常に驚くべき利点である。最後に、接着が非常に高い耐熱性を有することが明らかになった。
本分散接着剤は、水性分散接着剤に対して一般的である、環境上、安全上、および産業衛生上の利益も有する。好ましい実施形態では、VOCを含まない分散接着剤が製造され得る。特に、本水性分散接着剤は、優れた貯蔵安定性を持つように調合することができる。さらに、これらの接着剤は、特に、コンタクト結合によるプラスチック膜の接着に完全に適合していること分かっている。また、接着剤は非常に良好な接着範囲を有し、とりわけ、ポリオレフィンに非常に良い接着を提供することが示されている。結合は、大抵の場合、プライマーの使用を省略できるほど良好である。従って、プライマーなしのプラスチック膜の接着は、本分散接着剤の、さらなる、かつ非常に驚くべき利点である。最後に、接着が非常に高い耐熱性を有することが明らかになった。
この接着剤の特に適した用途は、屋根へのプラスチック膜の接合であることが明らかになっている。
ここでは、低い可塑剤吸収、コンタクト接着、および耐熱性の利点は、特に注目に値するものとなる。
ここでは、低い可塑剤吸収、コンタクト接着、および耐熱性の利点は、特に注目に値するものとなる。
本発明の他の態様は、さらなる独立請求項の主題である。特に好ましい本発明の実施形態は、従属請求項の主題である。
最初の態様では、本発明は、2つの成分からなる2成分形水性分散接着剤に関する。
この場合、第1の成分(K1)は、
−少なくとも1種のポリエーテル−ポリウレタンポリマー(PEPU)と、
−少なくとも1種の0℃より高いガラス転移温度を有するエチレン酢酸ビニル共重合体
(EVA)と、
−水と、
を含む。
この場合、第2の成分(K2)は、少なくとも1種のポリイソシアナートを含む。
この場合、第1の成分(K1)は、
−少なくとも1種のポリエーテル−ポリウレタンポリマー(PEPU)と、
−少なくとも1種の0℃より高いガラス転移温度を有するエチレン酢酸ビニル共重合体
(EVA)と、
−水と、
を含む。
この場合、第2の成分(K2)は、少なくとも1種のポリイソシアナートを含む。
第1の成分(K1)は、少なくとも1種のポリエーテル−ポリウレタンポリマー(PEPU)を含む。本明細書では、ポリエーテル−ポリウレタンポリマーは、少なくとも1種のポリエーテルポリオールと、少なくとも1種のポリイソシアナートとを、ポリエーテル−ポリウレタンポリマーがヒドロキシル基を有するように反応させた結果として得られるポリマーを指す。
ポリエーテルポリオールとして特に適切なものは、ポリオキシアルキレンポリオール〔オリゴエテロール(01igoetheroI)とも呼ばれる〕であり、このポリオキシアルキレンポリオールは、エチレンオキシド;1,2−プロピレンオキシド;1,2−もしくは2,3−ブチレンオキシド、オキセタン、テトラヒドロフラン、またはこれらの混合物の重合生成物であり、2個以上の活性水素原子を有する出発分子(例えば、水、アンモニアなど)、または2個以上のOHもしくはNH基を有する化合物(例えば、1,2−エタンジオール、1,2−および1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコールおよびトリプロピレングリコール異性体、ブタンジオール異性体、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、デカンジオール、ウンデカンジオール、1,3−および1,4−シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールA、水素化ビスフェノールA、1,1,1−トリメチロールエタン、1,1,1−トリメチロールプロパン、グリセリン、アニリンなど)、および上記化合物の混合物を用いて重合することができる。低い不飽和度〔ASTMD2849−69に従って測定して、1グラムのポリオール当たり(mEq/g)の不飽和ミリ等量で表す〕を有するポリオキシアルキレンポリオール〔例えば、いわゆる複金属シアニド錯体触媒(DMC触媒)を用いて製造されるもの〕と、高い不飽和度を有するポリオキシアルキレンポリオール、〔例えば、NaOH、KOH、CsOH、またはアルカリアルコキシド等の陰イオン触媒を用いて製造されるもの〕との両方が含まれる。
特に適切なものは、0.02mEq/g未満の不飽和度および1,000〜30,000g/molの範囲の分子量を有するポリオキシアルキレンジオールおよびトリオール、ならびに、400〜8,000g/molの分子量を有するポリオキシプロピレンのジオールおよびトリオールである。また、特に適切なものは、いわゆる、エチレンオキシド末端(「EO−末端キャップ」、エチレンオキシドー末端キャップ)ポリオキシプロピレンポリオールである。後者は、特別なポリオキシプロピレンポリオキシエチレンポリオールであり、例えば、エチレンオキシドを含まない純粋なポリオキシプロピレンポリオールを用いるポリプロポキシル化反応の完結後、具体的には、ポリオキシプロピレンのジオールおよびトリオールをさらにアルコキシル化することにより得られ、その結果一級ヒドロキシル基を有する。
イオン性基、特に陰イオン性基を有するポリエーテルポリオールを使用すること、あるいは、ポリエーテルポリオールに加えて、イオン性基、特に陰イオン性基を有するポリオールを使用することがさらに好ましい。好ましい陰イオン性基には、スルホネート基またはカルボキシレート基が含まれる。このようなイオン性基、特に陰イオン性基を有するポリオールとして特に適切なものは、ジヒドロキシアルキルカルボン酸塩(例えば、ジメチロールプロピオン酸塩、または構造的に類似のジオールカルボン酸塩など)である。陰イオン性基を有する物質を直接使用する代わりに、対応するプロトン化体を用いることもでき、結果として得られるポリエーテル−ポリウレタンポリマーを、引き続いて塩基、特に、第三級アミンを用いて中和、すなわち、脱プロトン化することができ、これによりポリエーテル−ポリウレタンポリマー(PEPU)がイオン基を有することになる。
ポリエーテル−ポリウレタンポリマー(PEPU)の製造に使用される適切なポリイソシアナートは、芳香族または脂肪族のポリイソシアナート、特に、ジイソシアナートである。
適切な芳香族ポリイソシアナートは、特に、ジーまたはトリイソシアナート単量体、例えば、2,4−および2,6−トルエンジイソシアナートならびにこれらの異性体の任意の混合物(TDI);4,4’−、2,4’、−および2,2’−ジフェニルメチルジイソシアナートならびにこれらの異性体の任意の混合物(MDI);MDIおよびMDI同族体の混合物(MDIまたはPMDI重合体);1,3−および1,4−フェニレンジイソシアナート;2,3,5,6−テトラメチルー1,4−ジイソシアナトベンゼン;ナフタレン−1,5−ジイソシアナート(NDI)、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナートジフェニル(TODI)、ジアニシジンジイソシアナート(DADI);1,3,5−トリス−(イソシアナトメチル)ベンゼン、トリス−(4−イソシアナトフェニル)メタン、トリス−(4−イソシアナトフェニル)チオホスフェート、前述したイソシアナートのオリゴマーおよびポリマー、ならびに、前述したイソシアナートの任意の混合物である。
適切な芳香族ポリイソシアナートは、特に、ジーまたはトリイソシアナート単量体、例えば、2,4−および2,6−トルエンジイソシアナートならびにこれらの異性体の任意の混合物(TDI);4,4’−、2,4’、−および2,2’−ジフェニルメチルジイソシアナートならびにこれらの異性体の任意の混合物(MDI);MDIおよびMDI同族体の混合物(MDIまたはPMDI重合体);1,3−および1,4−フェニレンジイソシアナート;2,3,5,6−テトラメチルー1,4−ジイソシアナトベンゼン;ナフタレン−1,5−ジイソシアナート(NDI)、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナートジフェニル(TODI)、ジアニシジンジイソシアナート(DADI);1,3,5−トリス−(イソシアナトメチル)ベンゼン、トリス−(4−イソシアナトフェニル)メタン、トリス−(4−イソシアナトフェニル)チオホスフェート、前述したイソシアナートのオリゴマーおよびポリマー、ならびに、前述したイソシアナートの任意の混合物である。
適切な脂肪族ポリイソシアナートは、特に、ジーまたはトリイソシアナート単量体、例えば、1,4−テトラメチレンジイソシアナート、2−メチルーペンタメチレン−1,5−ジイソシアナート;1,6−ヘキサメチレンジイソシアナート(HDI);2,2,4−および2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサメチレンジイソシアナート(TMDI);1,10−デカメチレンジイソシアナート、1,12−ドデカメチレンジイソシアナート、リシンおよびリシンーエステルジイソシアナート、シクロヘキサン−1,3−および1,4−ジイソシアナート、1−メチル−2,4−および−2,6−ジイソシアーナトシクロヘキサン、およびこれらの異性体の任意の混合物(HTDIすなわちH6TDI);1−イソシアナト−3,3,5−トリメチル−5−イソシアナトメチルシクロヘキサン(=イソホロンジイソシアナートすなわちIPDI)、ペルヒドロ−2,4’−および−4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナート(HMDIすなわちH12MDI);1,4−ジイソシアナト−2,2,6−トリメチルシクロヘキサン(TMCDI);1,3−および1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、m−およびp−キシリレンジイソシアナート(m−およびp−XDI)、m−およびp−テトラメチル−1,3−および−1,4−キシリレンジイソシアナート(m−およびp−TMXDI)、ビス(1−イソシアナト−1−メチルエチル)ナフタレン、二量体および三量体脂肪酸イソシアナート、例えば、3,6−ビス(9−イソシアナトノニル)−4,5−ジ(1−ヘプテニル)−シクロヘキセン(二量体ジイソシアナート);α,α,α’,α’,α’’,α’’−ヘキサメチル−1,3,5−メシチレントリイソシアナート、前述のイソシアナートのオリゴマーおよびポリマー、ならびに前述のイソシアナートの任意の混合物である。HDIおよびIPDIが好ましい。
脂肪族または脂環式ポリイソシアナートは、ポリイソシアナートとして好ましい。
二量体および三量体、例えば、イソシアヌラートまたはビウレットは、前述したイソシアナートのオリゴマーと見なされる。
ポリエーテル−ポリウレタンポリマー(PEPU)は、好ましくは500g/mol以上の平均分子量を有する。特に、平均分子量は、1000〜30,000g/molの値であり、好ましくは、2000〜10,000g/molである。
好ましくは、ポリエーテル−ポリウレタンポリマー(PEPU)は、陰イオン性基を有する。
ポリエーテル−ポリウレタンポリマー(PEPU)は、少なくとも1種のポリエーテルポリオールと、少なくとも1種のポリイソシアナートとから直接に1段プロセスで製造することができ、この場合には、ポリエーテル−ポリウレタンポリマーが遊離ヒドロキシル基を有するように、ポリオールを化学量論的過剰量で存在させる。あるいは、例えば、ポリオールと、イソシアナート末端ポリウレタン(第1工程で、少なくとも1種のポリエーテルポリオールと、少なくとも1種のポリイソシアナートから製造されたもの)との化学量論過剰反応によって、多段プロセスで得ることがでる。
第1工程で、イソシアナート基末端ポリウレタンプレポリマーが少なくとも1種のポリエーテルポリオールおよび少なくとも1種のポリイソシアナートから製造され、第2工程で、このプレポリマーが、化学量論的過剰量のカルボキシル基を有するポリオール、特に、ジメチロールプロピオン酸と、例えばジオール混合物中で反応し、その後、特に、第三級アミンが陰イオン性ポリエーテル−ポリウレタンポリマー(PEPU)に添加されることによって中和され、従って、ヒドロキシル基および炭酸基の両方を有することとなる方法が好ましい。
好ましくは、ポリエーテル−ポリウレタンポリマー(PEPU)は、アルカリ性である。
ポリエーテル−ポリウレタンポリマー(PEPU)のポリエーテル的特性は、本発明の本質にとって必須である。対応するポリエステルポリウレタンポリマー、すなわち、ポリエステルポリオールと対応するポリイソシアナートとから製造されたポリウレタンポリマーを使用すると、本発明の主要利点は得られないことが明らかになった。
第1成分(K1)製造用のポリエーテル−ポリウレタンポリマー(PEPU)は、分散物を使用することが好ましい。このような分散物は市販されており、典型的な固形物含量30〜50質量%および室温での典型的な粘度10〜500mPa・秒(ブルックフィールド粘度)を有する。
ポリエーテル−ポリウレタンポリマー(PEPU)の量は、好ましくは第1成分(K1)の質量に基づいて、5〜45質量%、特に、5〜30質量%、である。
第1成分(K1)は、0℃より高いガラス転移温度を有する少なくとも1つのエチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)をさらに含む。
エチレン酢酸ビニル共重合体は、当業者には既知の一般的な化合物であり、市販品として容易に入手可能である。エチレン酢酸ビニル共重合体は、酢酸ビニル起源の構造要素に比較して、モル過剰のエチレン起源の構造要素を有することが好ましい。このようなエチレン/酢酸ビニル比が52:48〜65:35であるエチレン酢酸ビニル共重合体が好ましい。
分散物における使用のために製造業者により推奨されるエチレン共重合体が、特に好ましい。
エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)は、0℃より高いガラス転移温度を有する。本明細書において、ガラス転移温度は、また、示差走査熱量測定(DSC)で測定された平均ガラス転移温度を意味すると理解され、この測定において、試料は、最初に10℃/分の冷却速度で室温から−50℃まで冷却され、この温度で5分間保持され、次に、10℃/分の加熱速度で100℃まで加熱される。記述するガラス転移温度は、測定したDSC曲線の変曲点である。DSC曲線は、Mettler−Toledo DSC821e(Huber cryostatTC100)を使って測定した。
本発明にとって、エチレン酢酸ビニル共重合体のガラス転移温度が0℃より高いことは、必須である。
第1成分(K1)の製造用のエチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)は、分散物を使用することが好ましい。このような分散物は市販品として入手可能であり、典型的な固形物含量50〜70質量%および室温での典型的な粘度2000〜8000mPa・秒(ブルックフィールド粘度)を有する。
0℃より高いガラス転移温度を有するエチレン酢酸ビニル共重合体の量は、第1成分(K1)の質量に基づいて、20〜55質量%、特に、35〜50質量%であることが好ましい。
ポリエーテル−ポリウレタンポリマー(PEPU)に対するエチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)の質量比は、10〜0.8、特に、9〜1.1、好ましくは8〜1.5の値を有することが好ましい。
第1成分(K1)は、水をさらに含む。
水の割合は、2成分形水性分散接着剤の総質量に基づいて、好ましくは30〜70質量%、特に、30〜60重竜御%、好ましくは35〜50質量%である。
必要に応じて、第1成分(K1)は、追加の成分を含むことができる。特に、このような追加の成分は、安定剤、増粘剤、抗老化剤、殺菌剤、顔料、染料、湿潤剤、消泡剤、分散助剤、皮膜形成剤、つや消し剤、および充填剤からなる群から選択される。
第1成分は、安定剤を含むことが有利である。原則として、これらは、水性の分散物で通常使われる安定剤である。しかし、安定剤が、湿潤剤、セルロース、ポリビニルアルコール、およびポリビニルピロリドン、ならびにこれらの混合物からなる群から選択される場合には、安定剤の使用が非常に貯蔵安定性のある分散接着剤をもたらすことがわかっている。
第1成分(K1)は、典型的には、6より高いpHを有する。好ましくは、pHは、7〜9である。
第1成分(K1)は、分散系であり、0℃より高い温度で、すなわち室温で良好な貯蔵安定性を有し、長期貯蔵期間後、典型的には8ヶ月まで貯蔵した後でも分離しないことが好ましい。
第1成分(K1)は、ポリエーテル−ポリウレタンポリマー(PEPU)の水性分散物と、0℃より高いガラス転移温度を有するエチレン酢酸ビニル共重合体の水性分散物と、例えば水および任意の他の成分とを激しく混合することにより得ることが好ましい。
第2の成分(K2)は、少なくとも1種のポリイソシアナートを含む。
ポリイソシアナートとして特に適切なものは、ポリエーテル−ポリウレタンポリマー(PEPU)の製造のために上述したポリイソシアナートである。
ポリイソシアナートは、ジイソシアナートの三量体、特に、脂肪族または脂環式ジイソシアナートの三量体が好ましい。このような三量体は、親水化、特に、ポリオキシアルキレン残基によって親水化されていることが好ましい。
第2成分(K2)のポリイソシアナートは、1,6−ヘキサメチレンジイソシアナート(HDI)または1−イソシアナト−3,3,5−トリメチル−5−イソシアナトメチル−シクロヘキサン(=イソホロンジイソシアナートすなわちIPDI)の三量体であることが好ましく、1−イソシアナート−3,3,5−トリメチル−5−イソシアナトメチル−シクロヘキサン(=イソホロンジイソシアナートすなわちIPDI)の三量体であることが好ましい。
第2成分(K2)が、1,6−ヘキサメチレンジイソシアナート(HDI)の三量体、および1−イソシアナト−3,3,5−トリメチル−5−イソシアナトメチル−シクロヘキサン(=イソホロンジイソシアナートもしくはIPDI)の三量体の混合物を有することが特に好ましい。
第2成分(K2)中のポリイソシアナートの量は、分散接着剤の第1成分(K1)のポリエーテル−ポリウレタンポリマー(PEPU)のヒドロキシル基に対する第1成分(K1)のイソシアナート基の比率が、0.8〜1.2、好ましくは約1となる量であることが好ましい。
必要に応じ、第2成分(K2)は、追加の成分を含むことができる。特に、このような追加の成分は、安定剤、増粘剤、抗老化剤、殺菌剤、顔料、染料、湿潤剤、消泡剤、つや消し剤、高沸点希釈剤、および充填剤からなる群から選択される。高沸点希釈剤は、増量剤とも呼ばれることもあるが、低粘度希釈剤であり、VOC(揮発性有機化合物)と見なされないものが好ましい。これらの使用により、2つの成分の混合が容易になる。
密封されて湿気から保護された場合には、第2の成分(K2)は、室温で長期間の間、典型的には最高で8ヶ月間、良好な貯蔵安定性を有する。
別々の容器で貯蔵する場合には、本水性分散接着剤の上述した2つの成分は、室温で良好な貯蔵安定性を有する。使用に際しては、これらの2つの成分を一緒に混合し、可使時間以内に塗布する。この場合、可使時間は、少なくとも8時間、特に、8〜12時間であることが好ましい。典型的には、混合は静的ミキサーまたは機械操作式ミキサーによって行うことができる。2つの成分の混合比率(K1:K2)は、第1成分(K1)のポリエーテル−ポリウレタンポリマー(PEPU)のヒドロキシル基の数に対する第2成分(K2)のイソシアナート基の数の比率が、0.8〜1.2、好ましくは約1となるように選ぶことが好ましい。
一実施形態では、第2成分(K2)は、容器、例えば、バケット中に存在する第1成分(K1)に撹拝下で添加され、機械操作式ミキサーで混合される。
典型的には、本水性分散接着剤における、第2成分(K2)に対する第1成分(K1)の質量比は、30〜5、好ましくは25〜10の値である。
分散接着剤が、揮発性成分(VOC)を実質的に含まない場合が、特に有利であることが実証されている。本明細書では、用語の「実質的に含まない」は、それぞれの物質の比率が5質量%未満、特に、1質量%未満であることを意味する。
本分散接着剤は、揮発性成分(VOC)を含まないことが好ましい。本明細書では、「揮発性有機化合物」すなわち「VOC」は、標準圧力(1013mbar)下で250℃以下の沸点、または20℃で少なくとも0.1mbarの蒸気圧を有する有機化合物を含む。
本分散接着剤は、揮発性成分(VOC)を含まないことが好ましい。本明細書では、「揮発性有機化合物」すなわち「VOC」は、標準圧力(1013mbar)下で250℃以下の沸点、または20℃で少なくとも0.1mbarの蒸気圧を有する有機化合物を含む。
有機溶剤を含まない、特に、VOCおよび/または可塑剤を含まない水性2成分形分散接着剤が、特に有利である。VOCおよび有機溶剤の両方が、毒性学および産業衛生の視点から不利である。さらに、可塑剤は、接着剤の表面に移行し、接着の不良につながり、あるいは接着接合部の汚染につながる粘着性表面をもたらす。溶剤も、一方では、接着剤の加熱から塗布まで間の追加的な危険の可能性の原因となり、他方では、それらも同様に移動して、長期間にわたって環境に放出され得、かつ。接着剤と接触する物質を放出し、この物質が悪影響を及ぼすか、または接着の不良をもたらし得るため望ましくない。
さらに、2成分形水性分散接着剤が、芳香族構造を有する成分を実質的に含まない場合には、特に有利であることが実証されている。
上述した2成分形水性分散接着剤は、接着プラスチック膜、特に、屋根の建設に使う接着プラスチック膜の接着のために、特に適切であり、これは、本発明の別の態様である。
2成分形水性分散接着剤は、種々の基材の接着に使うことができる。接着剤は、従来の用途において分散接着剤として使用可能である。従って、接着は、例えば、接着剤を基材に適用し、次に2番目の基材につなぎ合わせる方法で達成することができる。接着剤は、コンタクト接着剤としても使用可能であり、これがとりわけ有利である。
さらなる態様では、本発明は、プラスチック膜を接着する方法に関し、
(i)上述した2成分形水性分散接着剤の2つの成分(K1およびK2)を混合する工程;
(ii)工程(i)に従って混合した水性分散接着剤をプラスチック膜(S1)の表面およびさらなる基材(S2)の表面に塗布する工程;
(iii)工程(ii)に従って塗布した水性分散接着剤をフラッシングする(flash off)工程;
(iv)プラスチック膜(S1)およびさらなる基材(S2)を、プラスチック膜(S1)上および別の基材(S2)上に存在し、ステップ(iii)に従ってフラッシングした分散接着剤を接触させることによってつなぎ合わせる工程
を含む。
(i)上述した2成分形水性分散接着剤の2つの成分(K1およびK2)を混合する工程;
(ii)工程(i)に従って混合した水性分散接着剤をプラスチック膜(S1)の表面およびさらなる基材(S2)の表面に塗布する工程;
(iii)工程(ii)に従って塗布した水性分散接着剤をフラッシングする(flash off)工程;
(iv)プラスチック膜(S1)およびさらなる基材(S2)を、プラスチック膜(S1)上および別の基材(S2)上に存在し、ステップ(iii)に従ってフラッシングした分散接着剤を接触させることによってつなぎ合わせる工程
を含む。
従って、2成分形水性分散接着剤は、特に、コンタクト接着剤である。
適切な第1の基材(S1)、すなわち、プラスチック膜は、特に、ポリ塩化ビニル(PVC)、特に、軟質PVC、またはポリオレフィン、特に、ポリエチレンまたはポリプロピレンである。
本明細書では、「膜」または「プラスチック膜」は、特に、巻き上げることが可能な、厚さ0。05mm〜5mmの可塑性平面プラスチックスを意味することが理解される。従って、1mm未満の厚さの厳密な意味での膜に加えて、好ましくは、膜は、トンネル、屋根、またはスイミングプールの密封に典型的に使われる、典型的には1〜3mmの厚さ、特殊なケースでは最大5mmまでの厚さの、シーリングシートを意味することが理解される。このような膜は、通常、はけ塗り、流し込み、カレンダー仕上げ、または押し出しにより製造され、典型的には、ロール形状で市販されるか、または現場で調製される。これらは単層であっても多層であってもよい。膜が、他の添加物および処理剤、例えば、充填剤、UV安定剤および熱安定剤、可塑剤、潤滑剤、殺生物剤、難燃剤、抗酸化剤、チタニウムジオキシドまたはカーボンブラックなどの顔料、および染料などを含むこともできることは、当業者には明らかである。このことは、本明細書において、このような膜が、100%ポリオレフィン、PVC、または軟質PVCではない、ポリオレフィン膜、PVC膜、および軟質PVC膜として設計されることも意味している。
ポリオレフィン膜またはPVC膜が最も好ましい。
さらなる基材(S2)として適切な材料は、無機基材、例えば、ガラス、セラミックス、コンクリート、モルタル、煉瓦、タイル、石膏、線維セメント、および、花簡岩または大理石などのような天然石;アルミニウム、鋼、非鉄金属、亜鉛メッキ金属などの金属または合金;有機基材、例えば、木、PVC、ポリカルボネート、PMMA、ポリエステル、エポキシ樹脂、ポリイソシアヌラート樹脂(PIR)などのプラスチック;被覆された金属または合金などのような被覆された基材;ならびに塗料およびワニスなどである。特に、さらなる基材(S2)として好ましいものは、屋根の基材として使われる材料であり、すなわち、さらなる基材(S2)は、ポリイソシアヌレート(PIR)をベースとする絶縁発泡体、木、亜鉛引き薄板金属、コンクリート、線維セメントシート、および、石こうボードからなる群から選択されることが好ましい。
必要に応じて、接着剤またはシーラントの塗布の前に、基材を前処理することができる。このような前処理には、特に、物理的および/または化学の洗浄プロセス、例えば、グラインディング、サンドブラスト、ブラッシング等、または洗浄剤もしくは溶剤による処理、または接着促進剤、接着促進剤溶液、またはプライマーの塗布が含まれる。
しかし、プライマーを使用しない接着が好ましい。
さらなる態様では、本発明は、プラスチック膜(S1)2およびさらなる基材(S2)3を備える複合物品1に関し、これは、上で詳述した2成分形水性分散接着剤の混合と硬化によって得られた接着剤4を介して相互につなぎ合わせられている。
建物の屋根は好ましい複合物品である。
本明細書で記載したこの分散接着剤は、コンタクトプロセスで膜を接着するために理想的に好適であり、これにより即時の強度が達成されることが実証されている。さらに、驚くべきことに、高い温度、例えば、50℃での数週間の貯蔵後でさえも、さまざまな基材に対する結合が保持されることが明らかになっている。最終的には、この分散接着剤を用いて製造されたこれらの接着剤および複合物品は、優れた耐熱性および低い可塑剤吸収を特徴とする。特に驚くべきことは、本発明により、良好なコンタクト接着と低い可塑剤吸収の相反する特性が、実際に同時に達成できることである。
コンタクト接着能力の指標として、接合直後の耐剥離性を使用することができる。許容可能なコンタクト接着能力を有するためには、本明細書の実施例中で詳細に記載するように測定して、耐剥離性SW0が、少なくとも55N/5cmの値を有すべきであることが明らかになっている。
可塑剤吸収容量については、本明細書の実施例中で詳細に記載するとおりの簡単な貯蔵試験を、非常にうまく用いることができることが明らかになっている。この方法で測定した可塑剤吸収が、長期間の接着を確実にするためには60%を超えるべきではないことがわかっている。
以下で、本発明の例示的な実施態様を、図を参照しながら、さらに詳細に説明する。異なる図中の同じ要素には、同じ参照番号を付与する。
図は、模式図である。本発明の即時的理解に必要な要素のみが示されている。
図1は、本明細書に示した実施形態において、上で詳細に説明したように、水性2成分形分散接着剤の第1成分K1および第2成分K2が、ミキサー5によって混合され、混合分散接着剤6が得られることを模式的に示す。
上記方法で混合された分散接着剤6は、図2の断面図で模式的に示されるように、分散接着剤の可使時間内に、プラスチック膜(S1)2、特に、PVC膜上、およびさらなる基材(S2)3の表面、特に、コンクリートの屋根の表面上に、層状に塗布される。
接着剤をフラッシングした後、接着剤6でコーティングされたプラスチック膜(S1)2、および接着剤6でコーティングされたさらなる基材(S2)3は、図3の模式断面図で説明されるように、可使時間の間に相互につなぎ合わされる。
接合後、化学反応により接着剤の硬化が起こる。従って、図4の模式断面図で示すように、上で詳細に述べた2成分形水性分散接着剤から混合とその後の硬化によって得られた接着剤4を介して相互につなぎ合わされた、プラスチック膜(S1)2およびさらなる基材(S2)3を備える複合物品1が得られる。
好ましい実施形態では、ここに示す複合物品は、PVC膜が接合された建物の屋根である。
以下に、例示的実施態様を一覧するが、これらは、記載した本発明をさらに詳細に説明することを意図するものである。当然、本発明が、これら記載された例示的実施態様に限定されるものではないことが理解される。
[水性2成分形分散接着剤の調製]
第1成分として、表1の成分を用いた。いくつかの成分を使用する場合は、質量比率により指定した個々の成分を、溶解ディスク(dissolver disc)を備えた研究室用ミキサーを使って解放容器中で激しく撹搾した。比較例には、同量のポリマーを使うよう留意した。
第1成分として、表1の成分を用いた。いくつかの成分を使用する場合は、質量比率により指定した個々の成分を、溶解ディスク(dissolver disc)を備えた研究室用ミキサーを使って解放容器中で激しく撹搾した。比較例には、同量のポリマーを使うよう留意した。
130、または126.6、または92.3部の第1成分に対して、表1に示したポリイソシアナートから成る第2成分6.5部を撹拝しながら添加した。激しく混合した後、かくして調製した分散接着剤を直ちに試験に使用した。
[試験結果]
コンタクト接着能力の指標として、耐剥離性(SW0)を以下のように測定した:
混合後、個々の接着剤のコーティングを、5cmの幅を有する一般的な可塑剤含有PVC膜および木製パネルの表面に刷毛を使用して塗布した。乾燥後、複合物を、5kgハンドローラーを使用してつなぎ合わせた。接合直後に、複合物の耐剥離性を引張試験機(角度90°、引張速度100mm/分)で測定し、表2にSW0として示した。
コンタクト接着能力の指標として、耐剥離性(SW0)を以下のように測定した:
混合後、個々の接着剤のコーティングを、5cmの幅を有する一般的な可塑剤含有PVC膜および木製パネルの表面に刷毛を使用して塗布した。乾燥後、複合物を、5kgハンドローラーを使用してつなぎ合わせた。接合直後に、複合物の耐剥離性を引張試験機(角度90°、引張速度100mm/分)で測定し、表2にSW0として示した。
さらに、対応する試験片の耐剥離性を、25℃および50%相対湿度での3日間の貯蔵後に測定し、表2にSW3d(木)として示した。さらに、亜鉛めっき鋼とPVCの基材の組み合わせによる試験片を調製し、3日後に耐剥離性を試験し、表2にSW3d(金属)として示した。3日後の耐剥離性は接着剤の最終結合強度の指標である。
可塑剤吸収挙動を以下の指標により測定した:
混合した分散接着剤から、0.5mmの湿潤膜厚を有する膜をキャスティングした。膜を完全に乾燥させた後、秤量し(質量=m0)、ジイソノニルフタレート中に置いた。50℃で20時間保持した後、膜を取り出し、良く拭き取り、再度秤量した(質量=mX)。相対的質量増加から、可塑剤吸収を以下のように求めた:
可塑剤吸収;(mX−m0)/m0
混合した分散接着剤から、0.5mmの湿潤膜厚を有する膜をキャスティングした。膜を完全に乾燥させた後、秤量し(質量=m0)、ジイソノニルフタレート中に置いた。50℃で20時間保持した後、膜を取り出し、良く拭き取り、再度秤量した(質量=mX)。相対的質量増加から、可塑剤吸収を以下のように求めた:
可塑剤吸収;(mX−m0)/m0
このようにして求めた値をパーセント値として表2に示す。
表2の結果は、参照は不十分なコンタクト接着または高い可塑剤吸収を示し、他方、実施例1〜4は、これらの特性の最適な組み合わせを示すことを示している。また、実施例1と2の比較から、IPDI三量体/HDI三量体の組み合わせが有利であることも明らかである。
1 複合物品
2 プラスチック膜S1
3 さらなる基材(S2)
4 接着剤
5 ミキサー
6 2つの成分K1およびK2を混合後の未硬化接着剤
K1 接着剤の第1成分
K2 接着剤の第2成分
2 プラスチック膜S1
3 さらなる基材(S2)
4 接着剤
5 ミキサー
6 2つの成分K1およびK2を混合後の未硬化接着剤
K1 接着剤の第1成分
K2 接着剤の第2成分
Claims (15)
- 2つの成分からなる2成分形水性分散接着剤であって、
第1成分(K1)が、
− 少なくとも1種のポリエーテル−ポリウレタンポリマー(PEPU)と、
− 少なくとも1種の0℃より高いガラス転移温度を有するエチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)と、
− 水と、
を含み;
第2成分(K2)が、少なくとも1種のポリイソシアナートを含むことを特徴とする、2成分形水性分散接着剤。 - 前記ポリエーテル−ポリウレタンポリマー(PEPU)が、陰イオン性基を有することを特徴とする、請求項1に記載の2成分形水性分散接着剤。
- 前記ポリイソシアナートが、ジイソシアナートの三量体、特に、脂肪族ジイソシアナートまたは脂環式ジイソシアナートの三量体であることを特徴とする、請求項1または2に記載の2成分形水性分散接着剤。
- 前記ポリイソシアナートが、1,6−ヘキサメチレンジイソシアナート(HDI)または1−イソシアナト−3,3,5−トリメチル−5−イソシアナトメチル−シクロヘキサン(=イソホロンジイソシアナートすなわちIPDI)の三量体、好ましくは、1−イソシアナト−3,3,5−トリメチル−5−イソシアナトメチル−シクロヘキサン(=イソホロンジイソシアナートすなわちIPDI)の三量体であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の2成分形水性分散接着剤。
- 第2成分(K2)が、1,6−ヘキサメチレンジイソシアナート(HDI)の三量体と、1−イソシアナト−3,3,5−トリメチル−5−イソシアナトメチル−シクロヘキサン(=イソホロンジイソシアナートすなわちIPDI)の三量体との混合物を含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の2成分形水性分散接着剤。
- 芳香族構造を有する成分を実質的に含まないことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の2成分形水性分散接着剤。
- ポリエーテル−ポリウレタンポリマー(PEPU)に対するエチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)の質量比が10〜0.8の値、特に9〜1.1の値、好ましくは8〜1.5の値であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の2成分形水性分散接着剤。
- 水の比率が、2成分形水性分散接着剤の総質量に基づいて、30〜70質量%、特に30〜60質量%、好ましくは35〜50質量%であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の2成分形水性分散接着剤。
- 揮発性成分(VOC)を実質的に含まないことを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の2成分形水性分散接着剤。
- 膜の接着、特に屋根の建設における膜の接着のための、請求項1〜9のいずれか1項に記載の分散接着剤の使用。
- 膜の接着方法であって、
(i)請求項1〜9のいずれか1項に記載の2成分形水性分散接着剤の2つの成分(K1およびK2)を混合する工程と、
(ii)工程(i)に従って混合した前記水性分散接着剤を、プラスチック膜(S1)の表面およびさらなる基材(S2)の表面に塗布する工程と、
(iii)工程(ii)に従って塗布した前記水性分散接着剤をフラッシングする工程と、
(iv)前記プラスチック膜(S1)と、前記さらなる基材(S2)とを、前記プラスチック膜(S1)上および前記さらなる基材(S2)上の、工程(iii)に従ってフラッシングした前記分散接着剤を接触させることによって、つなぎ合わせる工程と、
を含む方法。 - 前記プラスチック膜が、ポリオレフィン膜またはPVC膜であることを特徴とする、請求項11に記載の接着方法。
- 前記接着がプライマーなしで起こることを特徴とする、請求項12記載の接着方法。
- プラスチック膜(S1)(2)と、さらなる基材(S2)(3)とを備える複合物品(1)であって、請求項1〜9のいずれか1項に記載の2成分形水性分散接着剤から得られた接着剤(4)の混合およびその後の硬化によって、その接着剤(4)を介して相互につなぎ合わされている、複合物品(1)。
- 前記複合物品が、建物の屋根であることを特徴とする、請求項14に記載の複合物品(1)。
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