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JP2013542259A - 置換アザインダゾール化合物 - Google Patents

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JP2013542259A
JP2013542259A JP2013538840A JP2013538840A JP2013542259A JP 2013542259 A JP2013542259 A JP 2013542259A JP 2013538840 A JP2013538840 A JP 2013538840A JP 2013538840 A JP2013538840 A JP 2013538840A JP 2013542259 A JP2013542259 A JP 2013542259A
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ジョエル・エフ・オースティン
デイビッド・ビー・フレネソン
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Bristol Myers Squibb Co
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Bristol Myers Squibb Co
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Abstract

式(I):
Figure 2013542259

(I)
[式中、Qは:(i)少なくとも1つの窒素ヘテロ原子を含み、0〜2個のRで置換された5員ヘテロアリール;または(ii)
Figure 2013542259

から選択される9または10員二環式ヘテロアリールであって、環Aは、0から2個のRで置換された5または6員アリールもしくはヘテロアリール縮合環であるものであり;R、R、RおよびRは、本明細書で定義される]のアザインダゾール化合物または医薬的に許容される塩が開示される。少なくとも1つのCYP17関連疾患(例えば、癌)の治療におけるかかる化合物の使用方法およびかかる化合物を含む医薬組成物もまた開示される。

Description

本発明は、一般に、CYP17阻害剤として有用な置換アザインダゾール化合物に関する。置換アザインダゾール化合物、かかる化合物を含む組成物およびそれらの使用方法が本明細書で提供される。本発明は、さらに、CYP17酵素に関連する疾患(例えば、癌および他の増殖性疾患)の治療に有用である少なくとも1つの本発明化合物を含む医薬組成物に関する。
前立腺癌は、アメリカ人男性の2番目に多い癌に関連する死因である。2007年には、218,890人が新たに診断され、27,000人が前立腺癌を伴って死亡した。アンドロゲン類(例えば、テストステロンおよびジヒドロテストステロンなど)がアンドロゲン受容体レベルで前立腺ならびに前立腺癌の増殖を促進することが周知である。進行したホルモン感受性前立腺癌の標準治療は、性腺で産生されるアンドロゲンを血液循環から除去するために、黄体化放出ホルモンアゴニスト/アンタゴニストによる外科的または化学的な去勢に関連するものである。しかしながら、約90%のアンドロゲンが精巣で産生され、残りの10%が副腎の作用を介して産生される。よって、去勢は、全てのアンドロゲン類の作用を軽減するわけではない。さらに、患者が去勢耐性の前立腺癌を進行する場合、アンドロゲンは腫瘍レベルでも産生されるため、抗アンドロゲンによる治療を一層困難にする。
シトクロームP450 CYP17は、アンドロゲンおよびエストロゲンの両方の前駆体であるデヒドロエピアンドロステロンジオン(dihydroepiandrostenedione)およびアンドロステロンジオン(androstenedione)の両方の生合成に関連する。よって、ヒトの体内で産生される全てのアンドロゲンおよびエストロゲンの生成は、CYP17によって介在される。この酵素を遮断することによって、性腺、副腎および腫瘤のアンドロゲンの産生を阻害し、前立腺癌およびエストロゲン受容体陽性乳房癌患者のための新たな治療の選択肢を提供できるであろう。
前立腺癌の標的としてのCYP17の臨床的実証実験は、抗真菌薬のケトコナゾールおよびステロイドCYP17阻害剤のアビラテロンを用いて行われ、前立腺癌についての第III相臨床試験まで進んでいる。
依然としてCYP17酵素の阻害剤として有用である化合物に対して必要性が存在している。
出願人は、CYP17阻害剤として活性を有する強力な化合物を見出した。これらの化合物は、それらの薬としての性質(drugability)に重要である望ましい安定性、バイオアベイラビリティ、治療指数および毒性値を有する医薬品としての有用性を供する。
発明の簡単な説明
本発明は、CYP17酵素の阻害剤として有用である置換アザインダゾール化合物(その塩およびプロドラッグを含む)を提供することによって前記必要性を満たす。
本発明はまた、医薬的に許容される担体;および少なくとも1つの式(I)の化合物またはその塩もしくはプロドラッグを含む医薬組成物を提供する。
本発明はまた、CYP17酵素の活性に関連する疾患もしくは障害の治療方法であって、哺乳類患者に、式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩もしくはプロドラッグを投与することを特徴とする方法を提供する。
本発明はまた、式(I)の化合物またはその塩もしくはプロドラッグを調製するための方法および中間体を提供する。
本発明はまた、療法に使用するための、式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩もしくはプロドラッグを提供する。
本発明はまた、癌の治療剤の製造のための、式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩もしくはプロドラッグの使用を提供する。
式(I)の化合物および前記化合物を含む組成物は、CYP17酵素の阻害剤であり、様々なCYP17酵素関連疾患を治療し、予防し、または治癒させる際に用いられうる。これらの化合物を含む医薬組成物は、様々な治療部位における疾患または障害(例えば、癌)を治療し、予防し、またはその進行を遅延させるのに有用である。
これらの他の本発明の特徴は、続いて開示されるように拡大された形で説明される。
(発明の詳細な説明)
本発明の第1の態様は、式(I):
Figure 2013542259

(I)
[式中:
Qは:
(i)少なくとも1つの窒素ヘテロ原子を含み、0〜2個のRで置換された5員ヘテロアリール;または
(ii)
Figure 2013542259

から選択される9または10員二環式ヘテロアリールであって、
環Aは、0〜2個のRで置換された5または6員アリールまたはヘテロアリール縮合環であり;
は:
(i)H、ハロ、−CN、−OR、−NRまたは−C(O)OR
(ii)0〜4個のRで置換されたC1−6アルキル;
(iii)0〜4個のRで置換されたC3−6シクロアルキル;
(iv)0〜6個のRで置換されたアリール;
(v)0〜6個のRで置換されたヘテロシクリル;または
(vi)0〜6個のRで置換されたヘテロアリール;
であり、
は:
(i)0〜4個のRで置換されたC1−6アルキル;
(ii)0〜4個のRで置換されたC3−6シクロアルキル;
(iii)−S(O)(C1−4アルキル)、−S(O)(C1−4フルオロアルキル)または−C(O)(C1−6アルキル);
(iv)0〜6個のRで置換されたアリール;
(v)0〜6個のRで置換されたヘテロシクリル;または
(vi)0〜6個のRで置換されたヘテロアリールであって;
各Rは、独立して、ハロ、−OH、−CN、C3−6シクロアルキル、C1−2フルオロアルキル、C1−6アルコキシ、C1−2フルオロアルコキシ、−NR、0〜5個のRで置換されたフェニル、0〜4個のRで置換されたフェノキシ、0〜4個のRで置換されたヘテロシクリルおよび/または0〜4個のRで置換されたヘテロアリールであり;
各Rは、独立して、ハロ、−OH、−CN、C1−4アルキル、C3−6シクロアルキル、C1−2フルオロアルキル、C1−6アルコキシ、C1−4フルオロアルコキシ、−NR、−C(O)OH、−S(O)(C1−4アルキル)、−S(O)NRおよび/または0〜4個のRで置換されたヘテロシクリルであり;
各Rは、独立して、ハロ、−CN、−OH、C1−4アルキル、C3−6シクロアルキル、C1−2フルオロアルキル、C1−6アルコキシ、C1−4フルオロアルコキシ、−NR、アゼチジンおよび/またはピロリジンであるか、あるいは、2つのRが同一原子に結合して、=Oを形成することができるものであり;
各Rは:
(i)0〜4個のRで置換されたC1−4アルキル;
(ii)0〜4個のRで置換されたC3−6シクロアルキル;
(iii)0〜6個のRで置換されたアリール;
(iv)0〜6個のRで置換されたヘテロシクリル;および/または
(v)0〜6個のRで置換されたヘテロアリール
であり、
各Rは、独立して:
(i)H;
(ii)0〜4個のRで置換されたC1−4アルキル;および/または
(iii)0〜4個のRで置換されたC3−6シクロアルキル
であるか;
あるいは、2つのRが同一の窒素原子に結合して、1つのさらなるヘテロ原子を有し、−CN、−OHおよび/またはC1−4アルキルから独立して選択される0〜2個の置換基で置換された5または6員ヘテロシクリル環を形成することができるものであり:
各Rは、独立して、H、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、C1−4フルオロアルキルおよび/またはアリールであり;ならびに
各Rは、独立して:
(i)ハロ、−CN、−OR、−NRまたは−C(O)OR
(ii)0〜4個のRで置換されたC1−6アルキル;
(iii)0〜4個のRで置換されたC3−6シクロアルキル;
(iv)0〜6個のRで置換されたアリール;
(v)0〜6個のRで置換されたヘテロシクリル;または
(vi)0〜6個のRで置換されたヘテロアリール
である]
の化合物またはその医薬的に許容される塩もしくはプロドラッグを提供する。
ある実施態様は、式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩もしくはプロドラッグを提供するものであって、Qは、少なくとも1つの窒素ヘテロ原子を含み、0〜2個のRで置換された5員ヘテロアリールである。Qが、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、オキサゾリル、イソチアゾリル、チアゾリル、トリアゾリルおよびオキサジアゾリルである化合物がこの実施態様に含まれる。
ある実施態様は、式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩もしくはプロドラッグを提供するものであって、Qは、0〜2個のRで置換されたイミダゾリルである。 Qが、
Figure 2013542259

である化合物がこの実施態様に含まれる。
ある実施態様は、式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩もしくはプロドラッグを提供するものであって、Qは、
Figure 2013542259

から選択される9または10員二環式ヘテロアリールであって、ここで、環Aは、0〜2個のRで置換された5または6員アリールまたはヘテロアリール縮合環である。適当な9または10員二環式ヘテロアリール基の例としては、ピロロ[1,2−c]ピリミジニル、イソキノリニル、4aH−ピリド[1,2−c]ピリミジニル、1,6−ナフチリジニルおよび1,7−ナフチリジニルが挙げられる。
ある実施態様は、式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩もしくはプロドラッグを提供するものであって、Qは:
Figure 2013542259

である。
ある実施態様は、式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩もしくはプロドラッグを提供するものであって、Rは、H、ハロ、−CN、−OR、−NRまたは−C(O)ORであり、R、RおよびRは、上記の第1の態様で定義される。Rが、H、F、Cl、−CN、−OH、−OCH、−NH、−NHCH、−N(CH、−COOHまたは−COOCHである化合物がこの実施態様に含まれる。
ある実施態様は、式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩もしくはプロドラッグを提供するものであって、Rは、0〜4個のRで置換されたC1−6アルキルである。Rが、0〜4個のRで置換されたC1−4アルキルである化合物がこの実施態様に含まれる。適当なRとしては、例えば、−CH、−CHCH、−CHF、−CF、−CHOH、−CHNH、−CHCNおよび−CH(C3−6シクロアルキル)が挙げられる。
ある実施態様は、式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩もしくはプロドラッグを提供するものであって、Rは、0〜4個のRで置換されたC3−6シクロアルキルである。
ある実施態様は、式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩もしくはプロドラッグを提供するものであって、Rは、0〜6個のRで置換されたアリールである。Rが、0〜3個のRで置換されたフェニルである化合物がこの実施態様に含まれる。適当なR基としては、例えば、F、Cl、−CN、−OH、−CH、−CF、−OCH、−OCF、−NHおよび/または−SONHから独立して選択される0〜3個のRで置換されたフェニルが挙げられる。
ある実施態様は、式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩もしくはプロドラッグを提供するものであって、Rは、0〜6個のRで置換されたヘテロシクリルである。Rが、0〜4個のRで置換されたアゼチジニル、テトラヒドロフラニル、ピロリジニル、テトラヒドロピラニル、ピペリジニル、モルホリニルまたはピペラジニルである化合物がこの実施態様に含まれる。
ある実施態様は、式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩もしくはプロドラッグを提供するものであって、Rは、0〜6個のRで置換されたヘテロアリールである。Rが、0〜3個のRで置換されたピロリル、フラニル、ピラゾリル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、トリアゾリル、オキサジアゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニルまたはピラジニルである化合物がこの実施態様に含まれる。
ある実施態様は、式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩もしくはプロドラッグを提供するものであって、Rは、0〜4個のRで置換されたC1−6アルキルである。Rが、0〜4個のRで置換されたC1−4アルキルである化合物がこの実施態様に含まれる。
ある実施態様は、式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩もしくはプロドラッグを提供するものであって、Rは、0〜4個のRで置換されたC3−6シクロアルキルである。
ある実施態様は、式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩もしくはプロドラッグを提供するものであって、Rは、−S(O)(C1−4アルキル)、−S(O)(C1−4フルオロアルキル)または−C(O)(C1−6アルキル)である。Rが、−S(O)(C1−2アルキル)、−S(O)(C1−2フルオロアルキル)または−C(O)(C1−3アルキル)である化合物がこの実施態様に含まれる。
ある実施態様は、式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩もしくはプロドラッグを提供するものであって、Rは、0〜6個のRで置換されたアリールである。Rが、0〜4個のRで置換されたフェニルである化合物がこの実施態様に含まれる。適当なR基としては、例えば、F、Cl、−CN、−OH、−CH、−CF、−OCH、−OCF、−NHおよび/または−SONHから独立して選択される0〜4個のRで置換されたフェニルが挙げられる。
ある実施態様は、式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩もしくはプロドラッグを提供するものであって、Rは、0〜6個のRで置換されたヘテロシクリルである。Rが、0〜4個のRで置換されたアゼチジニル、テトラヒドロフラニル、ピロリジニル、テトラヒドロピラニル、ピペリジニル、モルホリニルまたはピペラジニルである化合物がこの実施態様に含まれる。
ある実施態様は、式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩もしくはプロドラッグを提供するものであって、Rは、0〜6個のRで置換されたヘテロアリールである。Rが、0〜3個のRで置換されたピロリル、フラニル、ピラゾリル、イミダゾリル、イソキサゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、トリアゾリル、オキサジアゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニルまたはピラジニルである化合物がこの実施態様に含まれる。
ある実施態様は、式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩もしくはプロドラッグを提供するものであって、Qは:
Figure 2013542259

であり;
は、Hであり;
は、−SONHで置換されたフルオロフェニル、ジフルオロフェニルまたはフェニルである。
ある実施態様は、式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩もしくはプロドラッグを提供するものであって、前記化合物は、4−(1−(4−フルオロフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−4−イル)イソキノリン(1);1−(4−フルオロフェニル)−4−(1H−イミダゾール−1−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン(2);5−(1−(4−フルオロフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−4−イル)−1,7−ナフチリジン(3);1−(4−フルオロフェニル)−4−(1−メチル−1H−イミダゾール−5−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン(4);3−(4−(1,7−ナフチリジン−5−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−1−イル)ベンゼンスルホンアミド(5);3−(4−(1−メチル−1H−イミダゾール−5−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−1−イル)ベンゼンスルホンアミド(6);3−(4−(イソキノリン−4−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−1−イル)ベンゼンスルホンアミド(7);および1−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−(ピロロ[1,2−c]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン(8)から選択されるものである。
定義
本発明の特徴および有利な点は、下記の詳細な説明を読んだ当業者によってより容易に理解されうる。別々の実施態様として、明確にするために上記および下記に記載される本発明のある特徴は、組み合わされて単一の実施態様を形成してもよいことが評価されるべきである。逆に、単一の実施態様として、簡潔にするために記載されている本発明の様々な特徴は、組み合わされてその部分的な組み合わせを形成してもよい。例示または好ましいとして本明細書で同定される実施態様は、例示であって、限定することを意図するものではない。
本明細書で特に示されていない限り、単数形の対象は、複数のものも含まれうる。例えば、「a」および「an」は、1つあるいは1つまたはそれ以上を意味しうる。
特に示されていない限り、原子価が満たされていないヘテロ原子は、原子価を充足するのに十分な水素原子を有するものとされる。
本明細書で説明される定義は、出典明示により本明細書に取り込まれる特許文献、特許出願文献および/または特許出願公報で記載される定義に優先する。
本発明を説明するために用いられる様々な用語の定義が下記に記載される。これらの定義は、大きな基のそれぞれまたは一部として明細書を通して用いられるように(それらは、具体的な例で特に限定されていない限り)用語に適用する。
本明細書を通して、基およびその置換基は、安定な部分および化合物を提供するように当業者によって選択されうる。
当該技術分野で用いられる従来の方法に従って、
Figure 2013542259

は、コア構造または骨格構造に対する部分または置換基の結合点である結合を表すために本明細書に記載の構造式で用いられる。
本明細書で用いられる用語「ハロ」および「ハロゲン」は、F、Cl、BrおよびIを意味する。
本明細書で用いられる用語「アルキル」は、(例えば、1〜12個の炭素原子、1〜6個の炭素原子および1〜4個の炭素原子を含有する)分枝鎖および直鎖飽和脂肪族炭化水素基の両方を意味する。アルキル基の例としては、以下に限定されないが、メチル(Me)、エチル(Et)、プロピル(例えば、n−プロピルおよびi−プロピル)、ブチル(例えば、n−ブチル、i−ブチル、sec−ブチルおよびt−ブチル)およびペンチル(例えば、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル)、n−ヘキシル、2−メチルペンチル、2−エチルブチル、3−メチルペンチルおよび4−メチルペンチルが挙げられる。記号「C」の後に下付きで数字が表されている場合、この下付き数字は、特定の基が含有しうる炭素原子数をより選択的に定義するものである。例えば、「C1−6アルキル」は、1〜6個の炭素原子を有する直鎖および分枝鎖アルキル基を意味する。
本明細書で用いられる用語「ハロアルキル」は、1つまたはそれ以上の水素原子がハロゲン原子によって置換されているアルキル基を意味し、その数は、1つから親アルキル基に他に存在しうる水素原子の合計数までの範囲でありうる。ハロアルキル基の代表的な例としては、以下に限定されないが、クロロメチル(−CHCl)、トリフルオロメチル(−CF−)および2,2,2−トリフルオロエチル(−CHCF)が挙げられる。記号「C」の後に下付きで数字が表されている場合、この下付き数字は、特定のハロアルキル基が含有しうる炭素原子数をより選択的に定義するものである。例えば、「C1−4ハロアルキル」は、1〜4個の炭素原子を有する直鎖および分枝鎖ハロアルキル基を意味する。
本明細書で用いられる用語「フルオロアルキル」は、1つまたはそれ以上のフッ素原子で置換された分枝鎖および直鎖飽和脂肪族炭化水素基の両方を含むものとされる。例えば、「C1−4フルオロアルキル」は、1つまたはそれ以上のフッ素原子で置換されたC、C、CおよびCアルキル基を含むものとされる。フルオロアルキル基の代表的な例としては、以下に限定されないが、−CFおよび−CHCFが挙げられる。
用語「シアノ」は、基−CNを意味する。
本明細書で用いられる用語「シクロアルキル」は、飽和環炭素原子から1つの水素原子を取り除くことによって非芳香族単環式または多環式炭化水素分子から派生した基を意味する。シクロアルキル基の代表的な例としては、以下に限定されないが、シクロプロピル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルが挙げられる。記号「C」の後に下付きで数字が表されている場合、この下付き数字は、特定のシクロアルキル基が含有しうる炭素原子数をより選択的に定義するものである。例えば、「C〜Cシクロアルキル」は、3〜6個の炭素原子を有するシクロアルキル基を意味する。
本明細書で用いられる用語「アルコキシ」は、酸素原子を介して親分子部分に結合したアルキル基(例えば、メトキシ基(−OCH))を意味する。
「フルオロアルコキシ」および「−O(フルオロアルキル)」は、酸素(−O−)により結合した上記に定義されるフルオロアルキル基を意味する。例えば、「C1−4フルオロアルコキシ」は、C、C、CおよびCフルオロアルコキシ基を含むものとされる。
本明細書で用いられる用語「アリール」は、芳香族環に結合する1つの水素を取り除くことによって芳香族環を含有する分子から派生した原子の基を意味する。アリール基の代表的な例としては、以下に限定されないが、フェニル、ナフチル、インダニル、インデニルおよび1,2,3,4−テトラヒドロナフチ−5−イルが挙げられる。
本明細書で用いられる用語「フェノキシ」は、酸素原子を介して親分子部分に結合したフェニル基を意味する。
用語「ヘテロ原子」は、酸素(O)、硫黄(S)および窒素(N)を意味する。
用語「ヘテロ環」または「ヘテロシクリル」は、相互に交換可能に用いられ得、非芳香族3〜7員単環式基および6〜11員二環式基を意味するものであって、該環のうちの少なくとも1つは、少なくとも1つのヘテロ原子(O、SまたはN)を有し、前記ヘテロ原子を含有する環は、好ましくは、O、Sおよび/またはNから独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有するものである。ヘテロ原子を含有する基の各環は、1または2個の酸素または硫黄原子および/または1〜4個の窒素原子を含有することができるが、但し、各環におけるヘテロ原子の総数は4個またはそれ以下であり、さらに、該環は少なくとも1個の炭素原子を含有するものとする。窒素および硫黄原子は、適宜、酸化されていてもよく、窒素原子は、適宜、四級化されていてもよい。二環式基を形成する縮合環は、炭素原子のみを含有していてもよく、飽和され、部分的に飽和され、あるいは飽和されていなくてもよい。ヘテロ環基は、利用可能な窒素または炭素原子に結合していてもよい。ヘテロ環は、置換されていなくてもよく、あるいは、原子価が許容すれば、1つまたはそれ以上の置換基を含有してもよい。
例示的な単環ヘテロシクリル基としては、オキセタニル、アゼチジニル、ピロリジニル、イミダゾリニル、オキサゾリジニル、イソキサゾリニル、チアゾリジニル、イソチアゾリジニル、テトラヒドロフラニル、ピペリジニル、ピペラジニル、2−オキソピペラジニル、2−オキソピペリジニル、2−オキソピロロジニル、2−オキソアゼピニル、アゼピニル、4−ピペリドニル、テトラヒドロピラニル、モルホリニル、チアモルホリニル、チアモルホリニルスルホキシド、チアモルホリニルスルホン、1,3−ジオキソランおよびテトラヒドロ−1,1−ジオキソチエニルが挙げられる。例示的な二環式ヘテロ環基としては、キヌクリジニルが挙げられる。
用語「ヘテロアリール」は、少なくとも1つの環において少なくとも1つのヘテロ原子(O、SまたはN)を有する置換および無置換の芳香族5または6員単環式基および9または10員二環式基を意味し、該ヘテロ原子を含有する環は、好ましくは、O、Sおよび/またはNから独立して選択される1、2または3個のヘテロ原子を有するものである。ヘテロ原子を含有するヘテロアリール基の各環は、1または2個の酸素または硫黄原子および/または1〜4個の窒素原子を含有することができるが、但し、各環におけるヘテロ原子の総数は、4個またはそれ以下であり、各環は、少なくとも1つの炭素原子を有するものとする。二環式基を形成する縮合環は、炭素原子のみを含有していてもよく、飽和され、部分的に飽和され、または飽和されていなくてもよい。窒素および硫黄原子は、適宜、酸化されていてもよく、窒素原子は、適宜、四級化されていてもよい。二環式または三環式であるヘテロアリール基は、少なくとも1つの完全な芳香族環を含んでいなければならないが、他の縮合環または環は、芳香族または非芳香族であってもよい。ヘテロアリール基は、環の利用可能な窒素または炭素原子で結合していてもよい。ヘテロアリール環基は、置換されていなくてもよく、あるいは1個またはそれ以上の置換基を含有していてもよい。
例示的な単環式ヘテロアリール基としては、ピロリル、ピラゾリル、ピラゾリニル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、イソチアゾリル、フラニル、チオフェニル、オキサジアゾリル、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニルおよびトリアゾリルが挙げられる。
例示的な二環式ヘテロアリール基としては、インドリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾジオキソリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチエニル、キノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、イソキノリニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾピラニル、インドリジニル、ベンゾフラニル、クロモニル、クマリニル、ベンゾピラニル、シンノリニル、キノキサリニル、インダゾリル、ピロロピリジル、フロピリジル、ジヒドロイソインドリルおよびテトラヒドロキノリニルが挙げられる。
用語「医薬的に許容される」は、妥当な医学的判断の範囲内において、合理的な利益/リスクの均整がとれ、過度の毒性、炎症、アレルギー反応またはその他の問題もしくは合併症を伴うことなく、ヒトおよび動物の組織に接触して使用することに適切である化合物、物質、組成物および/または製剤を意味するように本明細書で用いられる。
本明細書で用いられるように、「医薬的に許容される塩」は、親化合物が、その酸性塩または塩基性塩を作り出すことによって改変される本発明化合物の誘導体を意味する。医薬的に許容される塩の例としては、以下に限定されないが、塩基性残基(例えば、アミン)の鉱酸塩または有機酸塩;および酸性残基(例えば、カルボン酸)のアルカリ塩または有機塩が挙げられる。医薬的に許容される塩として、例えば、非毒性無機酸または有機酸から生成された親化合物の従来の非毒性塩または第四級アンモニウム塩が挙げられる。本発明の医薬的に許容される塩は、塩基性または酸性部分を含有する親化合物から従来の化学的な方法によって合成することができる。一般に、かかる塩は、これらの化合物の遊離酸または塩基形態を、水もしくは有機溶媒中で、またはこれらの2種類の混合液(一般に、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノールまたはアセトニトリルなどの非水媒体が好ましい)中で、化学量論量の適当な塩基または酸と反応させることによって調製することができる。適切な塩の記載は、出典明示により本明細書に取り込まれる、Remington's Pharmaceutical Sciences, 17th Edition, p.1418, Mack Publishing Company, Easton, PA (1985)中で見出される。
式(I)の化合物の塩は、例えば、式(I)の化合物と、新たに生成された塩を、例えば、凝結させるか、または凍結乾燥によって単離させることが可能である媒体中で、例えば、同等量の酸または塩基とを反応させることによって調製することができる。無機酸および/または有機酸と共に形成することができる代表的な酸性塩として、以下に限定されないが、例えば、酢酸塩、アスコルビン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、酒石酸水素塩、酸性クエン酸塩、クエン酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、ゲンチシン酸塩(gentisinate)、グルコン酸塩、グルカロン酸塩(glucaronate)、グルタミン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、イソニコチン酸塩(isonicotinate)、マレイン酸塩、メシレート、メタンスルホン酸塩、硝酸塩、パントテン酸塩、リン酸塩、酸性リン酸塩、糖酸塩、サリチル酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、トリフルオロ酢酸塩、乳酸塩およびパモ酸塩[すなわち、1,1’−メチレン−ビス−(2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸)]塩が挙げられる。かかる塩は、当業者に公知の方法に従って生成することができる。
式(I)の化合物が無機塩基および/または有機塩基と共に形成することができる例示的な塩基性塩としては、以下に限定されないが、例えば、アンモニウム塩;アルカリ金属塩、例えば、ナトリウム、リチウムおよびカリウム塩など:アルカリ土類金属塩、例えば、カルシウムおよびマグネシウム塩;有機塩基(例えば、ベンザチン、ジシクロヘキシルアミン、2−アミノ−2−(ヒドロキシメチル)プロパン−1,3−ジオール(トリスアミンまたはトリス)、ヒドラバミン(例えば、N,N−ビス(デヒドロアビエチル)エチレンジアミン)、N−メチル−D−グルカミン、N−メチル−D−グリカミドおよびt−ブチルアミン)と形成された塩;アミノ酸(例えば、アルギニンおよびリジンなど)と形成された塩;ならびに、薬剤(例えば、ハロゲン化低級アルキル(例えば、塩化、臭化およびヨウ化メチル、エチル、プロピルおよびブチルなど)、硫酸ジアルキル(例えば、硫酸ジメチル、ジエチル、ジブチルおよびジアミル)、長鎖ハライド(例えば、塩化、臭化およびヨウ化デシル、ラウリル、ミリスチルおよびステアリルなど)およびハロゲン化アラルキル(例えば、臭化ベンジルおよびフェネチル)など)を用いて、塩基性窒素含有基を四級化することによって形成された塩が挙げられる。かかる塩は、当業者に公知の方法に従って生成することができる。
さらに、式(I)の化合物は、それらの製造後、好ましくは、単離され、精製されて、式(I)の化合物の99%と同等またはそれ以上の重量(「実質的に純粋な」)を含有する組成物が得られて、続いて本明細書に記載されるように用いられるか、または製剤化される。このような「実質的に純粋な」式(I)の化合物はまた、本発明の一部として本明細書に包含される。
インビボで変換されて生物活性剤を提供することができる化合物(すなわち、式(I)の化合物)は、本発明の範囲および精神の範囲内であるプロドラッグである。
本明細書で用いられる用語「プロドラッグ」には、アミド、尿素およびカルバメートなどを調製するための当業者に公知の手順を用いて、式(I)の化合物の1つまたはそれ以上のアミノ基を、アルキル、アルコキシまたはアリール置換アシル化剤と反応させることによって形成されたアミドおよびカルバメートが含まれる。
プロドラッグの様々な形態は、当業者に周知であり:
a)Wermuth, C.G. et al., The Practice of Medicinal Chemistry, Ch. 31, Academic Press (1996);
b)Bundgaard, H., ed., Design of prodrug's, Elsevier (1985);
c)Krogsgaard-Larson, P. et al., eds., A Textbook of Drug Design and Development, Ch. 5, pp.113-191, Harwood Academic Publishers (1991);および
d)Testa, B. et al., Hydrolysis in Drug and prodrug Metabolism, Wiley-VCH (2003)
に記載される。
さらに、式(I)の化合物は、それらの製造後、好ましくは、単離され、精製されて、式(I)の化合物の99%と同等またはそれ以上の重量(「実質的に純粋な」化合物I)を含有する組成物が得られて、続いて本明細書に記載されるように用いられるか、または製剤化される。このような「実質的に純粋な」式(I)の化合物はまた、本発明の一部として本明細書に包含される。
「安定な化合物」および「安定な構造」は、反応混合物から有用な純度まで単離させ、有益な治療剤に製剤化させるために十分に強固な化合物を示すものとされる。本発明は、安定な化合物を具体化するものとされる。
「治療上の有効量」は、本発明の化合物のみの量、または本化合物の組み合わせの量、または本発明の化合物と、CYP17酵素のアンタゴニストとして作用するのに有効であるか、癌を治療するのに有効である他の活性成分との組み合わせの量を含むものとされる。
本明細書で用いられるように、「治療する」または「治療」は、哺乳類(特に、ヒト)における病状の治療を包含し、(a)哺乳類において生じる病状を予防し、特に、かかる哺乳類は、病状にかかりやすいが、まだそれと診断されていない場合であり;(b)病状を抑制し(すなわち、それが発症することを停止し);および/または(c)病状を軽減する(すなわち、病状の退縮を生じさせる)ことが含まれる。
本発明の化合物は、1つまたはそれ以上のさらなる不斉炭素原子を含有していてもよく、それゆえ、2つまたはそれ以上の立体異性体形態で存在しうる。本発明には、全ての可能性のある各立体異性体、その各互変異性体形態およびそれらの混合物が含まれる。ジアステレオ異性体の分離は、従来の技術、例えば、本発明の化合物の立体異性体混合物またはその適当な塩もしくは誘導体の分別結晶、クロマトグラフィーまたはHPLCなどによって行われうる。化合物の各エナンチオマーはまた、対応する光学的に純粋な中間体から調製されてもよく、あるいは、必要に応じて、適当なキラル支持体を用いて対応するラセミ体のHPLCなどによる、または対応するラセミ体を適当な光学的に活性な酸または塩基を反応させることによって形成されたジアステレオ異性体塩の分別結晶による分解によって調製されてもよい。本発明の化合物の全ての立体異性体は、混合物、または純粋または実質的に純粋な形態とされる。
本発明の化合物は、本化合物に存在する原子の全ての同位体が含まれるものとされる。同位体には、同一の原子番号であるが、異なる質量数を有する原子が含まれる。一般的な例であって、限定するものではないが、水素の同位体として、重水素およびトリチウムが挙げられる。炭素の同位体としては、13Cおよび14Cが挙げられる。同位体で標識された本発明の化合物は、一般に、用いられる非標識の試薬の代わりに、適当な同位体で標識された試薬を用いて、当業者に公知の従来技術によって、または本明細書に記載の方法と類似する方法によって調製することができる。
式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩と、1つまたはそれ以上の非毒性の医薬的に許容される担体および/または希釈剤および/または補助剤(以下、本明細書では、「担体」物質と総称する)とを含み、所望であれば、他の活性成分を含んでいてもよい医薬組成物の一クラスもまた、本発明内に包含される。式(I)の化合物は、好ましくは、適当な経路に用いられる医薬組成物の形態で、目的とする治療に有効な用量で投与されてもよい。本発明の化合物および組成物は、例えば、従来の医薬的に許容される担体、補助剤およびベヒクルを含有する用量単位製剤で、例えば、経口で、粘膜に、または非経口(血管内、静脈内、腹腔内、皮下、筋肉内、胸骨内および吸入技術を含む)で投与されうる。例えば、医薬担体は、マンニトールまたは乳糖および微結晶セルロースの混合物を含有しうる。前記混合物は、滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム)および崩壊剤(例えば、クロスポビドン)などのさらなる構成成分を含有しる。担体混合物は、ゼラチンカプセル中に充填されうるか、錠剤として圧縮されうる。
本発明の医薬的に活性な化合物は、製薬の従来方法に従って加工して、患者(ヒトおよび他の哺乳類を含む)に投与するための薬剤を調製することができる。
経口投与においては、前記医薬組成物は、例えば、錠剤、カプセル剤、懸濁剤または液剤の形態でありうる。前記医薬組成物は、好ましくは、特定量の活性成分を含有する用量単位の形態で調製される。かかる用量単位の例は、錠剤またはカプセル剤である。例えば、これらは、約0.5〜2000mg、好ましくは、約0.5〜500mg、より好ましくは、約0.5〜150mgの活性成分の量を含有しうる。ヒトまたは他の哺乳類に適当な1日用量は、患者の状態および他の因子によって広く変動しうるが、前述のように、通常の方法を用いて決定することができる。
本発明の化合物および/または組成物を用いて投与される化合物の量および疾患状態を治療するための投薬計画は、年齢、体重、性別、患者の病状、疾患のタイプ、疾患の重症度、投与経路および頻度、ならびに用いられる具体的な化合物を含む様々な因子によるものである。よって、前記投薬計画は、広く変動しうるが、通常、標準的な方法を用いて決定することができる。約0.01〜100mg/kg体重、好ましくは、約0.05〜約50mg/kg体重、最も好ましくは、約0.05〜20mg/kg体重の1日用量は、適当でありうる。1日用量は、1日あたり1〜4回の投薬量で投与することができる。
治療目的のために、本発明の活性な化合物は、通常、望まれる投与経路に適当な1つまたはそれ以上の補助剤と組み合わされる。経口で投与される場合、前記化合物は、乳糖、ショ糖、デンプン粉末、アルカン酸のセルロースエステル、セルロースアルキルエステル、滑石、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、酸化マグネシウム、リン酸および硫酸のナトリウムおよびカルシウム塩、ゼラチン、アカシアゴム、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルアルコールおよび/またはポリビニルピロリドンと混合され、続いて、利便的な投与のために錠剤化され、またはカプセル化されうる。かかるカプセル剤または錠剤は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース中の活性な化合物を噴霧剤中で提供しうるように、放出制御製剤を含有しうる。
式(I)の化合物を含む乳濁液の油性相は、公知の手法で公知の成分から構成されうる。前記相は、乳濁液のみを含んでいてもよいが、少なくとも1つの乳濁液と、脂肪または油と、または脂肪および油の両方との混合物を含んでいてもよい。好ましくは、親水性乳濁液には、安定化剤として作用する親油性乳濁液が一緒に含まれる。油および脂肪の両方を含むことも好ましい。安定化剤を含むか、または含まない乳濁液は、いわゆる、乳化ろうを構成し、油および脂肪の両方を含むろうは、いわゆる、クリーム剤の油性分散相を形成する乳化軟膏基剤を構成する。本発明の製剤の使用に適当な乳濁液および乳化安定化剤には、Tween 60、Span 80、セトステアリルアルコール、ミリスチルアルコール、モノステアリン酸グリセリル、ラウリル硫酸ナトリウム、ジステアリン酸グリセリルが単独で、またはろうもしくは当該技術分野で周知な他の物質と共に含まれる。
製剤に適切な油または脂肪の選択は、医薬上の乳化製剤中で用いられやすいほとんどの油中においてその活性な化合物の溶解性が非常に低いことから、所望される表面的な特性の達成に基づくものである。よって、前記クリーム剤は、好ましくは、チューブまたは他の容器から漏れることを回避するような適切な稠度を有し、非脂肪性、非染色性、水洗性の製剤であるべきである。直鎖または分子鎖の一塩基または二塩基性アルキルエステル、例えば、ジイソアジピン酸エステル、ステアリン酸イソセチル、ココナッツ脂肪酸のプロピレングリコールジエステル、ミリスチン酸イソプロピル、オレイン酸デシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、2−エチルヘキシルパルミテートまたは分枝鎖エステルの混合物が用いられうる。これらは、必要とされる特性に応じて、単独で、または組み合わせて用いられうる。あるいは、高い融点の脂質、例えば、白色ワセリンおよび/または流動パラフィンまたは他の鉱油が用いられうる。
非経口投与用製剤は、水性または非水性等張滅菌注射溶剤または懸濁剤の形態であってもよい。これらの溶剤および懸濁剤は、経口投与用製剤の使用について説明される1つまたはそれ以上の担体または希釈剤を用いて、あるいは他の適当な分散剤または湿潤剤および懸濁剤を用いることによって、滅菌した粉末または造粒物から調製されうる。前記化合物は、水、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、エタノール、コーン油、綿実油、落花生油、ゴマ油、ベンジルアルコール、塩化ナトリウム、トラガントガムおよび/または様々な緩衝液中に溶解されてもよい。他の補助剤および投与様式は、医薬分野において十分に広く知られている。活性成分はまた、適当な担体(生理食塩水、デキストロースまたは水を含む)と共に、あるいはシクロデキストリン(すなわち、CAPTISOL(登録商標))、共溶媒可溶化剤(すなわち、プロピレングリコール)またはミセル可溶化剤(すなわち、Tween 80)と共に、組成物として注射によって投与されてもよい。
滅菌注射用製剤はまた、非毒性の非経口で許容可能な希釈剤または溶媒中の滅菌した注射用溶剤または懸濁剤(例えば、プロピレングリコール中の溶液として)であってもよい。用いられ得る許容可能なベヒクルおよび溶媒としては、水、リンガー溶液および等張性塩化ナトリウム溶液である。さらに、滅菌した固定油は、従来、溶媒または懸濁媒体として用いられるものである。このため、合成モノもしくはジグリセリドを含む滅菌した固定油が用いられうる。さらに、オレイン酸などの脂肪酸が注射用製剤中で利用される。
医薬組成物は、従来の医薬上の操作(例えば、滅菌など)にかけられてもよく、および/または従来の補助剤(例えば、保存剤、安定化剤、湿潤剤、乳濁液および緩衝剤など)を含有していてもよい。錠剤および丸剤は、さらに、腸溶性コーディング剤を用いて調製することができる。かかる組成物はまた、補助剤(例えば、湿潤剤、甘味料、香味剤および芳香剤など)を含んでいてもよい。
本発明の医薬組成物は、式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩を含み、適宜、医薬的に許容される担体、補助剤およびベヒクルから選択されるさらなる薬剤を含んでいてもよい。本発明の別の組成物には、本明細書に記載の式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩、および医薬的に許容される担体、補助剤またはベヒクルが含まれる。
本発明の医薬組成物に用いられ得る医薬的に許容される担体、補助剤およびベヒクルには、以下に限定されないが、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、自己乳化薬物送達システム(SEDDS)(例えば、d−アルファ−トコフェロールポリエチレングリコール1000スクシネート)、医薬製剤で用いられる界面活性剤(例えば、Tweenなど)または他の同様のポリマー性送達マトリックス、血清タンパク質(例えば、ヒト血清アルブミン)、緩衝物質(例えば、リン酸塩)、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、飽和植物性脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、塩または電解液(例えば、硫酸プロタミン)、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイド性シリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロースを基剤とした物質、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリレート、ろう、ポリエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、ポリエチレングリコールおよび羊毛脂が含まれる。シクロデキストリン(例えば、アルファ、ベータおよびガンマシクロデキストリン)または化学的に改変された誘導体、例えば、ヒドロキシアルキルシクロデキストリン(2−および3−ヒドロキシプロピルシクロデキストリンを含む)または他の可溶化誘導体はまた、本明細書に記載の式の化合物の送達を高めるために有益に用いられ得る。
有用性
式(I)の化合物は、癌、例えば、アンドロゲン受容体シグナル伝達に依存する癌の治療に有用である。これらの化合物は、アンドロゲンおよびエストロゲンの生合成に関連するCYP17酵素の活性を阻害する。この酵素の阻害は、性腺、副腎および腫瘍のアンドロゲンの産生を阻害し、アンドロゲン受容体およびエストロゲン受容体シグナル伝達に依存する癌(例えば、前立腺癌およびエストロゲン受容体陽性乳房癌の患者)に対して新しい治療の選択肢を供する。よって、前記治療は、患者に、式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩もしくはプロドラッグを投与することを特徴とするものである。
ある実施態様において、治療を必要とする哺乳類に、式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩もしくはプロドラッグを投与することを特徴とする、癌の治療方法が提供される。この実施態様の方法は、様々な癌(以下に限定されないが、乳房癌、卵巣癌および前立腺癌を含む)を治療するために用いることができる。好ましくは、この実施態様の方法は、前立腺癌または乳房癌を治療するために用いられる。この実施態様のある方法において、式(I)の化合物は、治療上の有効量で投与される。
ある実施態様において、癌(CYP17の活性化に依存する癌)の患者の治療方法であって、それを必要とする患者に、式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩もしくはプロドラッグを投与することを特徴とする方法が提供される。この実施態様のある方法において、式(I)の化合物は、前立腺癌を治療するために投与される。この実施態様の別の方法において、式(I)の化合物は、乳房癌を治療するために投与される。好ましくは、治療上の有効量の化合物(I)が投与される。
投与される式(I)の化合物の量および特定の癌を治療するためのおよび投薬計画は、患者の年齢、体重、性別および病状、疾患のタイプ、疾患の重症度、投与経路および頻度、および用いられる具体的な化合物を含む様々な因子によるものである。よって、投薬計画は広く変動しうるが、通常、標準的な方法を用いて決定することができる。約0.01〜500mg/kg体重、好ましくは、約0.05〜約50mg/kg体重、最も好ましくは、約0.05〜20mg/kg体重の1日用量が適当であってもよい。1日用量は、1日あたり1〜4回で投与することができる。
癌を治療する際、化学療法剤および/または他の治療(例えば、放射線治療)の組み合わせはしばしば有効である。2番目(または3番目)の薬剤は、最初の治療剤と比較して同一のまたは異なる作用メカニズムを有していてもよい。これは、細胞毒性薬物の組み合わせを用いるのに特に有用であり、投与される1つまたはそれ以上の薬物が、異なる様式で、または細胞周期の異なる時期に作用し、および/または2つまたはそれ以上の薬物が、重複した細胞毒性または副作用を有し、および/または組み合わされる薬物が各々、患者に現れている特定の病状を治療するのに有効性を示すものでありうる。
よって、式(I)の化合物は、癌または他の増殖性疾患の治療に有用である他の抗癌治療と組み合わせて投与されうる。本発明は、癌の治療剤の製造における式(I)の化合物の使用をさらに含み、および/または式(I)の化合物を、他の抗癌剤または細胞毒性剤および癌の治療方法と組み合わせて用いられる説明書と一緒にパッケージすることを特徴とする。本発明は、式(I)の化合物および1つまたはそれ以上のさらなる薬剤の組み合わせをキットの形でさらに含み、例えば、それらは一緒にパッケージされ、または別々のパッケージに入れてキットとして一緒に販売されるか、あるいはそれらは一緒に製剤化されるようにパッケージされる。
式(I)の化合物は、前記疾患に伴う副作用を対処する際に特定の有用性に関して選択される他の治療剤と共に製剤化されるか、または共投与されうる。例えば、式(I)の化合物は、嘔気、過敏症および胃の炎症を抑制するための薬剤(例えば、制吐薬およびHおよびH抗ヒスタミン薬)と共に製剤化されてもよい。
用語「抗癌治療」には、以下に限定されないが、例えば、放射線治療および外科的手術が含まれる。
他の抗癌剤は、下記:アルキル化剤(ナイトロジェンマスタード類、アルキルスルホン酸系、ニトロソ尿素系、エチレンイミン誘導体およびトリアゼン類を含む);血管新生抑制剤(マトリックスメタロプロテイナーゼ阻害剤を含む);代謝拮抗剤(アデノシンデアミナーゼ阻害剤、葉酸アンタゴニスト、プリン類似体およびピリミジン類似体を含む);抗生物質または抗体(モノクローナル抗体、CTLA−4抗体、アントラサイクリン系を含む);アロマターゼ阻害剤;細胞周期応答修飾物質;酵素;ファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤;ホルモン剤および抗ホルモン剤およびステロイド系(合成類似体、グルココルチコイド、エストロゲン/抗エストロゲン[例えば、SERM]、アンドロゲン/抗アンドロゲン、プロゲスチン、プロゲステロン受容体アゴニスト、ならびに黄体形成ホルモン放出[LHRH]アゴニストおよびアンタゴニストを含む);インスリン様増殖因子(IGF)/インスリン様増殖因子受容体(IGFR)系修飾因子(IGFR1阻害剤を含む);インテグリンシグナル伝達阻害剤;キナーゼ阻害剤(マルチキナーゼ(multi-kinase)阻害剤および/またはSrcキナーゼまたはSrc/ablの阻害剤を含む)、サイクリン依存性キナーゼ[CDK]阻害剤、panHer、Her−1およびHer−2抗体、VEGF阻害剤(抗VEGF抗体)、EGFR阻害剤、分裂促進因子活性化タンパク質[MAP]阻害剤、MEK阻害剤、オーロラキナーゼ阻害剤、PDGF阻害剤および他のチロシンキナーゼ阻害剤またはセリン/スレオニンキナーゼ阻害剤;微小管崩壊剤(microtubule-disruptor agents)(例えば、エクテナサイジンまたはそれらの類似体および誘導体;微小管安定化剤(例えば、タキサン類)および天然に存在するエポシロン類およびそれらの合成および半合成類似体;微小管に結合する脱安定化剤(ビンカアルカロイド類);トポイソメラーゼ阻害剤;プレニルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤;白金配位錯体;シグナル伝達阻害剤;ならびに抗癌剤および細胞毒性剤(例えば、生物学的応答調節物質、成長因子および免疫修飾因子など)として用いられる他の薬剤のうちの1つまたはそれ以上から選択されうる。
上記の他の治療剤は、式(I)の化合物と組み合わせて用いられる場合、例えば、Physicians' Desk Reference(PDR)で指示される量で、あるいは、当業者によって決定されるように用いることができる。
ある実施態様において、癌の治療を必要とする哺乳類に、式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩もしくはプロドラッグを投与し;グルココルチコイドを投与し;適宜、1つまたはそれ以上のさらなる抗癌剤を投与してもよいことを特徴とする、癌の治療方法が提供される。適当なグルココルチコイドの例としては、以下に限定されないが、デキサメタゾンおよびプレドニゾロンが含まれる。
ある実施態様において、癌の治療を必要とする哺乳類に、式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩もしくはプロドラッグを投与し;鉱質コルチコイド受容体アンタゴニストを投与し;適宜、1つまたはそれ以上のさらなる抗癌剤を投与してもよいことを特徴とする、癌の治療方法が提供される。適当な鉱質コルチコイド受容体アンタゴニストの例として、以下に限定されないが、エプレレノンが含まれる。
別の実施態様において、式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩は、前立腺癌を治療するために用いられる。
ある実施態様において、患者は、動物である。
別の実施態様において、前記患者は、以下に限定されないが、例えば、ヒトおよび飼育動物(例えば、イヌ、ネコおよび馬)を含む哺乳類である。
ある実施態様において、本発明は、治療に使用するための、式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩を提供する。
ある実施態様において、癌(前立腺癌を含む)の治療剤の製造における、式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩の使用が提供される。
ある実施態様において、癌(乳房癌を含む)の治療剤の製造における、式(I)の化合物またはその医薬的に許容される塩の使用が提供される。
製造方法
本発明の化合物は、特に、本明細書で提供される説明を考慮して、化学合成分野で周知の方法に類似する方法を含む合成経路によって調製されうる。例示として、下記の一般的なスキーム1〜8は、本発明の化合物ならびに重要な中間体を調製するための一般的な方法を示す。各反応ステップをより詳細に説明するために、下記の実施例を参照のこと。当業者は、他の合成経路が本化合物を合成するために用いられうることを十分に理解する。具体的な出発物質および試薬は、スキームに示され、下記に記載されているが、他の出発物質および試薬が容易に置き換えられて、様々な本発明の化合物を供することができる。さらに、下記の方法によって調製される化合物の多くは、当業者に周知である従来の化学方法を用いて本開示を考慮して、さらに改変することができる。
スキーム1に示されるように、例えば、市販品として入手可能なハロゲン化ピリジン化合物IIIは、一般式IIIの様々なヒドラジン化合物と縮合して、一般式IVのヒドラゾン中間体化合物を生成することができる。ヒドラゾン化合物の環化は、加熱によって促進されて、一般構造Vの4−ヨード−インダゾール化合物を生じうる。ヨージド化合物Vを、ジボロン酸エステル(例えば、ジボロン酸ビス(ピナコラト))および無機塩基(例えば、酢酸カリウム)の存在中において、Pd(II)種(例えば、PdCl(dppf))で処理して、一般構造VIのボロン酸エステル化合物を得る。ボロン酸エステル化合物VIは、標準的なスズキカップリング条件下で一般構造VIIのヘテロ芳香族ハライド化合物にカップリングされて、一般構造(I)の化合物を生成することができる。
スキーム1
Figure 2013542259
あるいは、アルデヒド化合物IIは、アルキルもしくはアリールリチウムまたはグリニャール試薬で処理されて、ベンジルアルコール化合物を生じることができ、続いてこの化合物を、例えば、デス・マーチンペルヨージナンによって酸化して、一般構造VIIIのケトン化合物を得ることができる(スキーム2)。該ケトン化合物を、アルキルもしくはアリールヒドラジン化合物IIIで処理して、中間体ヒドラゾン化合物IXを得て、これを環化して一般構造Xのインダゾール化合物を得ることができる。前記ヨージド化合物Xを、ジボロン酸エステル(例えば、ジボロン酸ビス(ピナコラト))および無機塩基(例えば、酢酸カリウム)の存在中において、Pd(II)種(例えば、PdCl(dppf))で処理して、一般構造XIのボラン酸エステル化合物を得る。ボロン酸エステル化合物VIは、スキーム1に表されるような標準的なスズキカップリング条件下で、一般構造VIIのヘテロ芳香族ハライド化合物にカップリングされて、一般構造(I)の化合物を調製することができる。
スキーム2
Figure 2013542259
また、一般構造VIIのハロゲン化ヘテロ芳香族化合物は、ジボロン酸エステル(例えば、ジボロン酸ビス(ピナコラト))および無機塩基(例えば、酢酸カリウム)の存在中において、Pd(II)種(例えば、PdCl(dppf))で処理されて、一般構造XIIのボラン酸エステル化合物を生成することができる(スキーム3)。続いて、該ボラン酸エステル化合物は、標準的なスズキカップリング条件下で、一般構造XIIIのアリールハライドまたはトリフレート化合物とカップリングされて、一般構造(I)の化合物を生成することができる。
スキーム3
Figure 2013542259
スキーム4は、インダゾール化合物のN−1が、一般構造XIVの化合物を無機塩基(例えば、炭酸セシウム)および一級もしくは二級ハロゲン化アルキルで処理することによってアルキル化されて、一般構造(I)の化合物を得ることができる別の方法を示す。
スキーム4
Figure 2013542259
あるいは、一般構造XIVの化合物は、Cu(I)、アミン塩基(例えば、1,2−シクロヘキシルジアミン)および無機塩基(リン酸カリウム)の存在中で、臭化、ヨウ化もしくは塩化アリールもしくはヘテロアリールで処理されて、スキーム5に示されるような一般構造(I)の類似体化合物を生成することができる。
スキーム5
Figure 2013542259
構造Vの化合物は、スキーム6に示されるように、例えば、NCSで処理されることによって、インダゾール化合物のC−3がハロゲン化されて、一般構造XIVの化合物を生成することができる。次いで、これは、上述のように、一般構造(I)の化合物に変換することができる。
スキーム6
Figure 2013542259
インダゾールコア構造のC−4でのC結合ヘテロ芳香族基に加えて、N結合類似体化合物はまた、スキーム7に示される方法によっても調製することができる。置換イミダゾール化合物XVIは、例えば、無機塩基およびプロリンの存在中にてCu(I)で処理することによって、一般構造Vのアリールハライド化合物とカップリングされて、一般構造(I)の化合物を生成することができる。
スキーム7
Figure 2013542259
一般構造XVIIIの化合物は、アルキルリチウム試薬を加えて対応する4−置換ジヒドロピリミジンを得ることによって、5−ブロモピリミジンから合成することができる(スキーム8)。続いて、例えば、DDQによって酸化して、所望の4−置換ピリミジン化合物を得る。この中間体化合物XVIIIを有機酸(例えば、ギ酸)で処理して対応するアルデヒド化合物を調製する。該アルデヒド化合物をバージェス試薬とさらに反応させて、環化を促進してピロロピリミジン化合物XIXを得て、続いて、上述のように標準的なスズキ条件を用いて一般構造(I)の化合物に変換することができる。
スキーム8
Figure 2013542259
本発明は、下記の実施例でさらに定義される。実施例は例示のみのために付与されるものであることが理解されるべきである。上記の説明および下記の実施例から、当業者は、本発明の必須の特徴を確認することができ、その精神および範囲から逸脱することなく、本発明に様々な変形および改変を加えて様々な用途および条件に用いることができる。結果として、本発明は、下記の明細書で説明される例示的な実施例によって限定されるものではなく、むしろ本明細書に添付した特許請求の範囲によって定義されるものである。
全ての温度は、本明細書で特に示されていない限り、摂氏温度(℃)である。
全ての反応は、乾燥窒素の雰囲気下にて磁気で攪拌し続けながら行った。全ての蒸発および濃縮は、減圧下にてロータリーエバポレーターにて行った。市販の試薬は、さらに精製することなく受け取った状態で使用した。溶媒は、市販の無水グレードであり、さらに乾燥または精製することなく使用した。フラッシュクロマトグラフィーは、シリカゲル(EMerck Kieselgel 60,0.040〜0.060mm)を用いて行った。
略語
aq. 水溶液
CHCl ジクロロメタン
DDQ 2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−p−ベンゾキノン
DCE ジクロロエタン
DCM ジクロロメタン
DME ジメチルエーテル
DMSO ジメチルスルホキシド
Et エチル
EtO ジエチルエーテル
EtOAc 酢酸エチル
EtOH エタノール
g グラム
h 時間
HCl 塩酸
HPLC 高速液体クロマトグラフィー
iPr イソプロピル
L リットル
LC/MS 液体クロマトグラフィー/質量分析
LDA リチウムジイソプロピルアミド
Me メチル
MeOH メタノール
mg ミリグラム
min 分
mL ミリリットル
mmol ミリモル
mp 融点
mol モル
MS 質量分析
NMP N−メチルピロリジノン
NMR 核磁気共鳴法
PdCl(dppf)・CHCl
ジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロロメタン付加物
Prep HPLC 分取逆相HPLC
rt.T HPLC保持時間(分)
RTまたはrt 室温
satまたはsat’d 飽和
TFA トリフルオロ酢酸
THF テトラヒドロフラン
TLC 薄層クロマトグラフィー
μL マイクロリットル
全ての最終生成物は、H NMR、HPLC、エレクトロスプレーオン化質量分析(ESI MS)または大気圧イオン化質量分析(API MS)によって特徴付けた。H NMRスペクトルは、500MHz JEOLまたは400MHz Bruker装置を用いて得た。13C NMRスペクトルは、100または125MHzにおいて記録した。電界強度は、溶媒ピークと比較した単位(100万分の1,ppm)で表し、ピーク多重度は下記のように設定する:s,一重項;d,ニ重項;dd,ニ重項の二重項;dm,多重項のニ重項;t,三重項;q,四重項;br s,広域一重項;m,多重項。

LC/MS条件:
条件A:Waters X−Bridge 4.6x50mm S10カラム,流速4mL/分および3分のグラジエント時間による0%B−100%B;溶媒A:10% MeOH/90% 水/0.1% TFA;溶媒B:10% 水/90% MeOH/0.1% TFA,波長254nM。
条件B:PHENOMENEX(登録商標)Luna 2.0x50mm 3μmカラム,4分グラジエント時間,流速:0.8mL/分;溶媒A:10% MeOH/90% 水/0.1% TFA;溶媒B:90% MeOH/10% 水/0.1% TFA,波長254nM。
条件C:Waters Acquity UPLC BEH C18,2.1x50mm,1.7μm粒子;移動相A:10mMの酢酸アンモニウムを含有する5:95 アセトニトリル:水;移動相B:10mMの酢酸アンモニウムを含有する90:10 アセトニトリル:水;温度:50℃;グラジエント:3分にわたり0−100%B、続いて100%Bで0.75分保持;流速:1.11mL/分。
条件D:LC/MS条件:カラム:SUPELCO(登録商標)Ascentis Express C18,4.6x50mm,2.7μm粒子;移動相A:10mMの酢酸アンモニウムを含有する5:95 アセトニトリル:水;移動相B:10mMの酢酸アンモニウムを含有する90:10 アセトニトリル:水;温度:35℃;グラジエント:4分にわたり0−100%B、続いて100%Bで1分保持;流速:4mL/分。
条件E:PHENOMENEX(登録商標)Luna C18 2.5μm 2.0x30mm,流速4mL/分および3分のグラジエント時間による0%B−100%B;溶媒A:10% MeOH/90% 水/0.1% TFA;溶媒B:10% 水/90% MeOH/0.1% TFA,波長254nM。
条件F:Waters Acquity UPLC BEH C18,2.1x50mm,1.7μm粒子;移動相A:0.05%TFAを含有する5:95 アセトニトリル:水;移動相B:0.05% TFAを含有する90:10 アセトニトリル:水;温度:50℃;グラジエント:3分にわたり0−100%B、続いて100%Bで0.75分保持;流速:1.11mL/分。

分取HPLC条件:
条件A:溶媒A(10%MeOH/90%水/0.1%TFA)および溶媒B(90%MeOH/10%水/0.1%TFA)のグラジエントを用い、254nMの波長でモニターし、流速=36mL/分(特に示されていない場合)である、島津分取HPLCシステム

HPLC分析条件:
条件A:Waters X−Bridge C18,3.0x150mm 3.5μM(高pH)、流速1mL/分およびグラジエント時間30分による10%B−100%B。溶媒A:95%水/5%MeOH/10mMの炭酸水素アンモニウム;溶媒B:95%MeOH/5%水/10mMの炭酸水素アンモニウム,波長220/254nM。
条件B:Waters X−Bridgeフェニル,3.0x150mm 3.5μM(高pH),流速1mL/分およびグラジエント時間30分による10%B−100%B。溶媒A:95%水/5%MeOH/10mMの炭酸水素アンモニウム;溶媒B:95%MeOH/5%水/10mMの炭酸水素アンモニウム,波長220/254nM。
条件C:Waters Sunfire C18,3.0x150mm 3.5μM(低pH),流速1mL/分およびグラジエント時間30分による10%B−100%B。溶媒A:5%ACN/95%水/0.1%TFA;溶媒B:95%ACN/5%水/0.1%TFA,波長220/254nM。
条件D:Waters X−Bridgeフェニル,3.0x150mm 3.5μM(低pH),流速1mL/分およびグラジエント時間30分による10%B−100%B。溶媒A:5%ACN/95%水/0.1%TFA;溶媒B:95%ACN/5%水/0.1%TFA,波長220/254nM。
実施例1
4−(1−(4−フルオロフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−4−イル)イソキノリン
Figure 2013542259
(1)
中間体1A:1−(4−フルオロフェニル)−4−ヨード−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン
Figure 2013542259
(1A)
乾燥させた16x100mm CHEMGLASS(登録商標)反応管に、N下で2−フルオロ−4−ヨードニコチンアルデヒド(600mg,2.390mmol)、(4−フルオロフェニル)ヒドラジン(332mg,2.63mmol)および無水NMP(3.2mL)を加えた。反応混合液にアルゴンを流入させ、しっかり蓋をし、室温で20分間攪拌し、次いで185℃の油浴中に2時間置いた。続いて、反応混合液を室温で16時間攪拌させた。反応混合液をEtOAc(200mL)で希釈し、有機層を水(5x50mL)、食塩水(1x50mL)で抽出し、NaSOで乾燥させ、濾過し、乾燥するまで蒸発させた。残渣を、90gのThompsonシングルステップシリカカートリッジ上でBIOTAGE(登録商標)シリカゲルクロマトグラフィーにより、12カラム容積で100%ヘキサンから100%ジクロロメタンの直線グラジエントを用いて精製して、480mg(59.2%)の表題化合物である中間体化合物1Aを、オフホワイト色の固形物として得た。1H NMR (500 MHz, CD3OD) δ ppm 8.22-8.28 (3 H, m), 8.15 (1 H, s), 7.78 (1 H, d, J=4.88 Hz), 7.25-7.37 (2 H, m). LC/MS(条件A):100%純度;保持時間=2.9分,(M+H)+ 339.97.
実施例1:
乾燥させた16x100mm CHEMGLASS(登録商標)反応管に、N下で4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−イソキノリン(30mg,0.118mmol)、中間体化合物1A(39.9mg,0.118mmol)、炭酸ナトリウム(56.1mg,0.529mmol)および脱気したEtOH:DME:HO(1.2:2.5:1.0比)(1.2mL)を加えた。反応混合液にアルゴンを5分間流入させ、続いてテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(6.79mg,5.88μmol)で処理した。反応混合液に再度アルゴンを十分に流入させ、しっかり蓋をし、続いて105℃の油浴中に2時間置いた。反応混合液を乾燥するまで蒸発させ、残渣をMeOH(5mL)中に溶解させ、45μのフリットに通して濾過し、12分にわたり30%B〜100%B、保持時間=10.15分でPHENOMENEX(登録商標)Lina 30x100mm S10カラムを用いる分取HPLC(条件A)で精製した。該生成物フラクションをWaters OASIS(登録商標)MCX 20cc(1g)LP抽出カートリッジにかけ、さらなる量のMeOH(50mL)で洗浄した。Aldrich 2.0M NH/MeOH(20mL)を用いて溶出し、続いて蒸発させて、21.5mg(53.2%)の表題化合物を白色の固形物として得た:1H NMR (500 MHz, CD3OD) δ ppm 9.44 (1 H, s), 8.82 (1 H, d, J=4.88 Hz), 8.63 (1 H, s), 8.29-8.36 (3 H, m), 8.00 (1 H, s), 7.80-7.89 (3 H, m), 7.51 (1 H, d, J=4.58 Hz), 7.30-7.39 (2 H, m). LC/MS(条件B):保持時間=3.415分,(M+H)+ 341.08. HPLC分析:(条件A):>99%,保持時間=25.35分,(条件B):>99%,保持時間=24.37分,(条件C):>99%,保持時間=12.63分,(条件D):>99%,保持時間=12.13分。
実施例2
1−(4−フルオロフェニル)−4−(1H−イミダゾール−1−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン
Figure 2013542259

(2)
磁気スターラーバーを備えた16x100mm反応管に、中間体化合物1A(62.8mg,0.185mmol)、1H−イミダゾール(19.2mg,0.282mmol)、炭酸カリウム(52.8mg,0.382mmol)、D−プロリン(8.8mg,0.076mmol)およびDMSO(1.4mL)を加えた。該反応混合液をアルゴンで5分間脱気し、続いて固形ヨウ化銅(I)(7.5mg,0.039mmol)で処理した。反応混合液に再度アルゴンをさらに5分間流入させ、しっかり蓋をし、続いて95℃の油浴中に16時間置いた。反応混合液をDMSO(2〜3mL)で希釈し、使い捨てWaters C−18 SEP−PAK(登録商標)lightカートリッジ(品番 WAT023501)に接続した0.45μMフリットに通して濾過し、続いて12分にわたる20%溶媒Bから85%溶媒B、保持時間=7.2分で、Waters Atlantis 30x100mm S5カラムを用いて分取HPLC(条件A)で精製した。生成物フラクションを、洗浄したWaters OASIS(登録商標)MCX20cc(1g)LP抽出カートリッジに通して、さらなる量のMeOH(50mL)で洗浄した。Aldrich 2.0M NH/MeOH(20mL)で溶出し、続いて蒸発させて、11.5mg(22%)の表題化合物を白色の固形物として得た:1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ ppm 9.41 (1 H, br. s.), 8.82-8.89 (2 H, m), 8.38 (1 H, br. s.), 8.23-8.30 (2 H, m), 7.72-7.83 (2 H, m), 7.43-7.52 (2 H, m). LC/MS(条件B):保持時間=2.548分,(M+H)+ 280.06. HPLC分析:(条件A):>97%,保持時間=19.49分,(条件B):>98%,保持時間=19.24分,(条件C):>98%,保持時間=8.01分,(条件D):>98%,保持時間=8.40分。
実施例3
5−(1−(4−フルオロフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−4−イル)−1,7−ナフチリジン
Figure 2013542259

(3)
中間体3A:1−(4−フルオロフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−4−イルボロン酸
Figure 2013542259

(3A)
16x100mm反応バイアルに、中間体化合物1A(61.8mg,0.182mmol)、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’−オクタメチル−2,2’−ビ(1,3,2−ジオキサボロラン)(85.5mg,0.337mmol)、酢酸カリウム(77mg,0.785mmol)およびDMSO(1mL)を加えた。アルゴンを該反応混合液中で5分間泡立てた。次に、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン−パラジウム(ii)ジクロリドジクロロメタン錯体(10mg,0.012mmol)を加え、該反応混合液を84℃で18時間加熱した。所望生成物は、LC/MS(条件B)により存在することが確認された:88.0%;保持時間=3.4分;(M+H)+ 258.04.
実施例3:
中間体化合物3A(23.13mg,0.09mmol)に、5−ブロモ−1,7−ナフチリジン(59.5mg,0.285mmol)、炭酸ナトリウム(56.1mg,0.529mmol)およびEtOH:DME:HO(1.2:2.5:1.0比)(1.5mL)を加えた。反応混合液をNでパージし、続いてテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)で処理した。反応混合液をアルゴンでパージし、しっかり蓋をし、105℃の油浴中に3.75時間置いた。反応混合液を室温に冷まし、DMSO(2〜3mL)で希釈し、使い捨てwaters C−18 SEP−PAK(登録商標)lightカートリッジ(品番 WAT023501)に接続した0.45μMフリットに通して濾過し、12分にわたる25%溶媒B〜100%溶媒Bで、保持時間=11.2分にてPHENOMENEX(登録商標)Luna Axia 30x100mm S10カラムを用いて分取HPLC(条件A)で精製した。生成物フラクションを、洗浄したwaters OASIS(登録商標)MCX 20cc(1g)LP抽出カートリッジにかけ、さらなる量のMeOH(50mL)で洗浄し、続いてAldrich 2.0M NH/MeOH(20mL)で溶出し、蒸発させて、9.6mg(31%)の表題化合物をオフホワイト色の固形物として得た。1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ ppm 9.61 (1 H, s), 9.19 (1 H, dd, J=3.97, 1.53 Hz), 8.82-8.91 (2 H, m), 8.31-8.39 (2 H, m), 8.23-8.30 (2 H, m), 7.83 (1 H, dd, J=8.70, 4.12 Hz), 7.60 (1 H, d, J=4.88 Hz), 7.43-7.53 (2 H, m). LC/MS(条件B):保持時間=3.648分,(M+H)+ 342.1. HPLC分析:(条件A):>98%,保持時間=21.80分,(条件B):>99%,保持時間=21.68分,(条件C):>99%,保持時間=15.29分,(条件D):>98.9%,保持時間=12.83分。
実施例4
1−(4−フルオロフェニル)−4−(1−メチル−1H−イミダゾール−5−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン
Figure 2013542259

(4)
実施例化合物4は、反応混合液を95℃で4時間加熱することを除き、下記の物質:中間体化合物1A(38.6mg,0.114mmol)、炭酸ナトリウム(54.8mg,0.517mmol)、1−メチル−1H−イミダゾール−5−イルボロン酸(36.5mg,0.290mmol)、EtOH:DME:HO(1.2:2.5:1.0比)(1.5mL)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(9.6mg,8.31μmol)を用いて、実施例1の一般的な手順に従って製造した。表題化合物を白色の固形物として単離した(3.9mg(11.45%))。12分にわたる20%溶媒B〜100%溶媒Bで、保持時間=7.16分にてwaters Atlantis 30x100mm S5カラムを用いて分取HPLC(条件A)で精製した。1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ ppm 8.60-8.81 (2 H, m), 8.15-8.32 (1 H, m), 8.00-8.12 (2 H, m), 7.58 (1 H, br. s.), 7.11-7.23 (3 H, m), 3.86 (3 H, s). LC/MS(条件B):保持時間=2.450分,(M+H)+ 294.10. HPLC分析:(条件A):>97.7%,保持時間=20.24分,(条件B):>97.8%,保持時間=20.142分,(条件C):>97%,保持時間=9.71分,(条件D):>97%,保持時間=10.10分。
実施例5
3−(4−(1,7−ナフチリジン−5−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−1−イル)ベンゼンスルホンアミド
Figure 2013542259

(5)
中間体5A:3−(4−ヨード−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−1−イル)ベンゼンスルホンアミド
Figure 2013542259

(5A)
45mLの圧力管に、2−フルオロ−4−ヨードニコチンアルデヒド(1.05g,4.18mmol)、3−ヒドラジニルベンゼンスルホンアミド(800mg,4.27mmol)および無水NMP(15mL)を加えた。反応混合液にアルゴンを流入させ、しっかり蓋をし、続いて185℃で6.5時間加熱した。反応混合液を室温に冷まし、急速に攪拌させたジエチルエーテル溶液(430mL)にゆっくり加えた。生じた固形物質を濾過し、淡黄色のEtO濾液を室温で18時間置いた。黄色の結晶が沈殿し、真空濾過により収集して、425mg(16.42%)の表題化合物を、プロトンNMRによる「ドット」2NMP錯体としての黄色の固形物として得た。LC/MS(条件B):保持時間=3.2分,(M+H)+ 400.83. 1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 7.56 (s, 2 H) 7.78-7.84 (m, 2 H) 7.89-7.92 (m, 1 H) 8.37-8.42 (m, 2 H) 8.57 (dt, J=4.81, 2.33 Hz, 1 H) 8.75 (s, 1 H). 黄色の固形物の2番目および3番目の生成物(300mg,11.7%;246mg,9.4%)は、最初の生成物と同一であった。
中間体5B:1−(3−スルファモイルフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−4−イルボロン酸
Figure 2013542259

(5B)
48mLの圧力ボトルに、3−(4−ヨード−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−1−イル)ベンゼンスルホンアミド、「ドット」2 1−メチル−2−ピロリジノン錯体(60mg,0.100mmol)、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’−オクタメチル−2,2’−ビ(1,3,2−ジオキサボロラン)(94.7mg,0.373mmol)、酢酸カリウム(24.4mg,0,249mmol)および無水DMSO(体積:2mL)を加えた。反応混合液をアルゴンで十分にパージし、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンジクロロパラジウム(II)ジクロロメタン錯体(12.5mg,0.017mmol)で処理した。続いて、反応混合液を84℃で1時間加熱して、中間体化合物5Bを得た。LC/MS(条件B):保持時間=2.4分,(M+H)+ 318.98.
実施例5:
実施例化合物5は、105℃で18時間加熱することを除き、下記の物質:中間体化合物5B(29mg,0.091mmol)、5−ブロモ−1,7−ナフチリジン(40.0mg,0.191mmol)、炭酸ナトリウム(44.1mg,0.416mmol)、EtOH:DME:HO(1.2:2.5:1.0比)(1.0mL)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(10mg,8.6μmol)を用いて、実施例1の一般的な手順に従って製造した。表題化合物を黄褐色の固形物として単離した(7.1mg,18.9%)。12分にわたる25%溶媒Bから85%溶媒Bで、保持時間=7.4分にて、PHENOMENEX(登録商標)Luna Axia 30x100mm S10カラムを用いて、分取HPLC(条件A)で精製した。1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ ppm 9.62 (1 H, s), 9.10-9.29 (1 H, m), 8.90-8.97 (1 H, m), 8.81-8.88 (2 H, m), 8.63-8.73 (1 H, m), 8.32-8.39 (1 H, m), 8.28 (1 H, d, J=8.55 Hz), 7.79-7.89 (3 H, m), 7.62-7.69 (1 H, m), 7.58 (2 H, s). LC/MS(条件B):保持時間=2.7分,(M+H)+ 402.92. HPLC分析:(条件A):>97%,保持時間=15.98分,(条件B):>98%,保持時間=18.53分,(条件C):>98%,保持時間=11.03分,(条件D):>96%,保持時間=10.09分。
実施例6
3−(4−(1−メチル−1H−イミダゾール−5−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−1−イル)ベンゼンスルホンアミド
Figure 2013542259

(6)
実施例化合物6は、120℃で23時間加熱することを除き、下記の物質:中間体化合物5A(55.9mg,0.093mmol)、1−メチル−1H−イミダゾール−5−イルボロン酸(43mg,0.341mmol)、炭酸ナトリウム(65.3mg,0.616mmol)、EtOH:DME:HO(1.2:2.5:1.0比)(3.0mL)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(12mg,10.38μmol)を用いて、実施例1の一般的な手順に従って製造した:。表題化合物を白色の固形物として単離した(6.3mg,18.9%)。11分にわたる20%溶媒B〜80%溶媒Bで、保持時間=3.72分にて、PHENOMENEX(登録商標)Luna Axia 30x100mm S10カラムを用いて、分取HPLC(条件A)で精製した。1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ ppm 3.88 (s, 3 H), 7.54 (s, 1 H), 7.55 (d, J=2.44 Hz, 2 H), 7.68 (s, 1 H), 7.81 (d, J=4.88 Hz, 2 H), 7.99 (s, 1 H), 8.64 (s, 1 H), 8.68 (s, 1 H), 8.77 (d, J=4.88 Hz, 1 H), 8.82 (s, 1 H). LC/MS(条件B):保持時間=1.8分,(M+H)+ 355.01. HPLC分析:(条件A):>99%,保持時間=13.37分,(条件B):>99%,保持時間=15.65分,(条件C):>95%,保持時間=4.66分,(条件D):>99%,保持時間=5.06分。
実施例7
3−(4−(イソキノリン−4−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−1−イル)ベンゼンスルホンアミド
Figure 2013542259

(7)
実施例化合物7は、100℃で5.5時間加熱することを除き、下記の物質:中間体化合物5A(57.2mg,0.096mmol)、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)イソキノリン(37mg,0.145mmol)、炭酸ナトリウム(40mg,0.377mmol)、EtOH:DME:HO(1.2:2.5:1.0比)(3.0mL)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(12mg,10.38μmol)を用いて、実施例化合物1における一般的な手順に従って製造した。実施例化合物7は白色の固形物(31.3mg,76%)として単離した。11分にわたる20%溶媒B〜100%溶媒Bで、保持時間=6.37分にてPHENOMENEX(登録商標)Luna Axia 30x100mm S10カラムを用いて、分取HPLC(条件A)で精製した。1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ ppm 7.57 (s, 2 H), 7.60-7.66 (m, 1 H), 7.84 (d, J=2.44 Hz, 5 H), 8.27-8.29 (m, 1 H), 8.34 (dd, J=5.95, 2.59 Hz, 1 H), 8.67-8.73 (m, 2 H), 8.85 (s, 1 H), 8.89-8.93 (m, 1 H), 9.54 (s, 1 H). LC/MS(条件B):保持時間=2.51分,(M+H)+ 402.00. HPLC分析:(条件A):>99%,保持時間=20.03分,(条件B):>99%,保持時間=21.92分,(条件C):>99%,保持時間=8.21分,(条件D):>99%,保持時間=8.29分。
実施例8
1−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−(ピロロ[1,2−c]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン
Figure 2013542259

(8)
中間体8A:4−(2−(1,3−ジオキサン−2−イル)エチル)−5−ブロモピリミジン
Figure 2013542259

(8A)
室温でEtO(40mL)中の5−ブロモピリミジン(2g,12.58mmol)の溶液に、(2−(1,3−ジオキサン−2−イル)エチルマグネシウムブロミド(0.5M,27.7mL,13.84mmol)をゆっくり加えた。1時間後、水(2mL)を加え、続いてTHF(15mL)中の溶液として4,5−ジクロロ−3,6−ジオキソシクロヘキサ−1,4−ジエン−1,2−ジカルボニトリル(3.14g,13.84mmol)を慎重に加えた。生じた暗褐色の懸濁液を室温でさらに24時間攪拌した。続いて、生じた混合物をEtOAcおよび水で希釈し、有機層を分離し、残った水層を2回以上抽出した。分離させた有機層を合わせて、1N NaOHで洗浄し、続いて食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して、中間体化合物8Aを得た(2.62g,収率76%)。MS (ES): m/z= 274.8 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 9.05 (1 H, s), 8.89 (1 H, s), 4.62 (1 H, t, J=4.95 Hz), 3.92-4.04 (2 H, m), 3.61-3.75 (2 H, m), 2.83-3.00 (2 H, m), 1.77-1.98 (4 H, m).
中間体8B:3−(5−ブロモピリミジン−4−イル)プロパノール
Figure 2013542259

(8B)
0℃でDCE(6.5mL)中の中間体化合物8A(0.920g,3.37mmol)の溶液に、ギ酸(6.46mL,168mmol)をゆっくり加えた。この容器に還流コンデンサーを取り付け、50℃で5時間加熱した。生じた溶液を室温に冷まし、揮発性溶媒を減圧中で留去した。該固形物をDCMで希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で1回洗浄し、続いて食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して、中間体化合物8Bを得た(724mg,収率100%)。MS (ES): m/z= 216.8 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 9.77 (1 H, s), 9.03 (1 H, s), 8.91 (1 H, s), 3.14 (2 H, t, J=6.60 Hz), 2.96 (3 H, t, J=6.60 Hz).
中間体8C:4−ブロモピロロ[1,2−c]ピリミジン
Figure 2013542259

(8C)
室温でTHF(10mL)中の中間体化合物8B(724mg,3.37mmol)の溶液に、バージェス試薬(964mg,4.04mmol)を加えた。該混合物を10分間攪拌し、この時点で反応が完了したことがわかった。揮発性溶媒を減圧中で留去した。 粗製物質をDCMで希釈し、水で1回洗浄し、続いて食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して、中間体化合物8Cを得た(664mg,収率100%)。MS (ES): m/z= 198.8 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ ppm 9.17 (1 H, s), 7.81 (1 H, dd, J=2.86, 1.32 Hz), 7.61 (1 H, s), 6.95-7.03 (1 H, m), 6.55 (1 H, d, J=3.96 Hz).
中間体8D:1−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−ヨード−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン
Figure 2013542259

(8D)
下で乾燥させた16x100mm CHEMGLASS(登録商標)反応管に、2−フルオロ−4−ヨードニコチンアルデヒド(5g,19.92mmol)、(2,4−ジフルオロフェニル)ヒドラジン(3.01g,20.92mmol)および無水NMP(35mL)を加えた。反応混合液にアルゴンを流入させ、しっかり蓋をし、室温で20分間攪拌し、続いて180℃の油浴中に4時間置いた。次いで、反応混合液を室温で72時間攪拌させた。反応混合液をEtOAc(1200mL)で希釈し、有機層を水(6x350mL)、食塩水(1x100mL)で抽出し、NaSOで乾燥させ、濾過し、乾燥するまで蒸発させた。残渣を、10カラム容積倍で100%ヘキサンから100%ジクロロメタンの直線グラジエントを用いて300gのThompsonシングルステップシリカカートリッジにおいてBIOTAGE(登録商標)シリカゲルクロマトグラフィーで精製して、4.53g(44.6%)の中間体化合物8Dを淡黄色の固形物として得て、これは、環化されていないヒドラゾン中間体化合物((E)−3−((2−(2,4−ジフルオロフェニル)ヒドラゾノ)メチル)−2−フルオロ−4−ヨードピリジン)を28%含有した。1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ 8.21 (1 H, d, J=4.58 Hz), 8.14 (1 H, s), 7.59-7.71 (2 H, m), 7.10 (2 H, td, J=7.55, 3.81 Hz). LC/MS(条件A):T=3.7分,(M+H)+ 357.90
中間体8E:1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−4−イルボロン酸
Figure 2013542259

(8E)
中間体化合物8Eは、反応混合物を85℃で75分加熱することを除き、中間体化合物8D(100mg,0.280mmol)、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’−オクタメチル−2,2’−ビ(1,3,2−ジオキサボロラン)(133.1mg,0.524mmol)、酢酸カリウム(115.0mg,1.172mmol)およびDMSO(1.5mL)を用いて、中間体3Aについて記載の一般的な手順に従って製造した。所望生成物は、LC/MS(条件B)により存在することが確認された:76%;保持時間=2.9分;(M+H)+ 276.00。
実施例8:
実施例化合物8は、中間体化合物8Cおよび8Eを用いて実施例1について記載の一般的な手順に従って製造した。粗製物質を分取HPLC(カラム:Waters XBridge C18,19x250mm,5μm粒子;移動相A:10mMの酢酸アンモニウムを含有する5:95 アセトニトリル:水;移動相B:10mMの酢酸アンモニウムを含有する95:5 アセトニトリル:水;グラジエント 25分にわたる10〜100%B、続いて100%Bで5分保持;流速20mL/分)により精製した。収集したフラクションを合わせて、遠心蒸発により乾燥させた。該物質を、分取LC/MS(Waters XBridge C18、19x250mm、5μm粒子カラム;移動相A:10mM酢酸アンモニウムを含有する5:95 アセトニトリル:水;移動相B:10mM酢酸アンモニウムを含有する95:5 アセトニトリル:水;グラジエント:25分にわたる5〜70%B、続いて70%Bで10分保持;流速:20mL/分)でさらに精製した。収集したフラクションを蒸発させて、表題化合物を得た(5.4mg,15.5%)。LC/MS(条件D):保持時間=2.327分, MS (ES): m/z = 347.99 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, MeOD) δ ppm 9.04 (1 H, s), 8.65 (1 H, d, J=4.84 Hz), 8.30 (1 H, s), 7.66-7.73 (2 H, m), 7.65 (1 H, s), 7.59 (1 H, d, J=4.84 Hz), 7.55 (1 H, s), 7.10-7.20 (2 H, m), 6.98-7.03 (1 H, m), 6.61 (1 H, d, J=3.74 Hz).
生物学的アッセイ
本発明の化合物の薬理学的特性は、多くの生物学的アッセイによって確認されうる。下記に記載の例示される生物学的アッセイは、本発明の化合物および/またはその塩を用いて行った。
CYP17合計SPAアッセイ
このアッセイは、U底384ウェルオプティプレート(optiplate)で行った。最終アッセイ体積は、7.5μlのミクロソーム添加物(CYP17で安定的にトランスフェクトしたHEK2細胞のホモジェナイズ処理物からの高速沈殿物(high-speed pelet)として調製)、基質(3H−プレグネノロンおよびNADPH)およびアッセイ緩衝液(50mM リン酸カリウム pH7.2,10% グリセロール)中の試験化合物から調製した15μlであった。前記ミクロソーム添加物および基質を、化合物を含むウェル中で合わせることによって反応を開始した。前記反応物を室温で45分間インキュベートし、7.5μlの0.2N HClを各ウェルに加えることによって停止させた。10分間のインキュベート後、抗DHEAでコートしたSPAビーズを、停止させた反応物に加えた。該プレートを密封し、4℃で振盪させながら終夜インキュベートした。該ビーズをプレート内で1時間静置させ、該プレートをTOPCOUNT(登録商標)(Perkin−Elmer)プレートリーダーで読み取った。
阻害データは、100%の阻害については、酵素を含まないコントロール反応と、0%の阻害についてはビヒクルのみの反応とを比較して算出した。このアッセイにおける試薬の最終濃度は、NADPH,2mM;3H−プレグネノロン,1μM;ミクロソーム,1.25μg/ml;0.5% Triton X−100およびDMSO,0.05%中の抗DHEA−SPAビーズ(0.125mg/ウェル)である。用量応答曲線は、酵素活性を50%阻害するのに必要とされる濃度を決定するために作成した(IC50)。化合物は、ジメチルスルホキシド(DMSO)中に10mMで溶解し、11個の濃度で各2回ずつ調べた。IC50値は、非線形回帰分析によって得た。
下記の表1は、上記の合計CYP17 SPAアッセイで測定した本発明の下記の実施例についてのIC50値を記載する。本発明の化合物は、下記の実施例で例示されるように、1μM以下のヒトCYP17 SPA IC50値を示した。
表1.ヒトCYP17阻害
Figure 2013542259
CYP17リアーゼアッセイ
ヒトCYP17をHEK293細胞で発現させ、ミクロソーム調製物を作成し、後にリアーゼアッセイにおいて酵素の供給源として使用した。反応液は、200nMの[3H]−ヒドロキシプレグネノロン(ARC)、200nMの17−ヒドロキシプレグネノロン(Sigma)、2mMのNADPH(CalBiochem)およびCYP17−HEK293ミクロソーム(DMSOまたは試験化合物の存在中にて室温で20分間インキュベートした)からなる。化合物をDMSO中に溶解させ、段階的に希釈した。該反応は、0.2N HClを加えることによって停止させ、生成物は、抗DHEAモノクローナル抗体(Abcam)に抱合させた抗マウスYSi SPAビーズ(GE)を用いて捕捉した。Packard Top Countによって調べたシグナル強度を用いて、阻害パーセントおよびIC50値を算出した。
CYP17ヒドロキシラーゼアッセイ
E.coliを活性なヒトCYP17を発現するように形質転換させ、この形質転換させたE.coliから調製した膜を酵素の供給源として用いた。反応は、200nMのhCYP17膜、25μM プレグネノロン(Sigma)、7mM NADPH(CalBiochem)、1μM シトクロームP450還元酵素(インビトロジェン)および50mM リン酸ナトリウム緩衝液を、pH7.3で含有する50μLの最終体積中で行った。100% DMSO中に溶解させた化合物のIC50は、アッセイ緩衝液を0.2% DMSOの最終濃度へと段階的に希釈することによって決定した。該反応物を37℃で120分間インキュベートし、アセトニトリル中の0.02N HClを200μl加えることによって停止した。続いて、試料を750000gで回転させ、200μLの上澄み液を解析用の無菌チューブに移した。反応生成物(17アルファプレグネノロン)は、LC/MSにより測定した。
CYP17 HEK293細胞に基づくアッセイ
HEK293細胞をヒトCYP17で安定的にトランスフェクトし、各クローンをLC/MSによりCYP17の酵素活性について解析した。強力な活性を示す1つのクローンを選択し、それを増殖させた。細胞を96ウェルプレートに撒種し、DMSO中に溶解させた化合物の連続希釈液を前記細胞に加えた。インキュベーション4時間後、反応物を、0.5μM プレグネノロンをトレーサーとして含有する200μlのアセトニトリルを加えることによって中和した。プレートを2Kにて15分間沈降させ、上澄み液をシリコン処理した96ウェルプレートに移した。反応最終生成物のDHEAを、LC/MSにより解析した。
1日Cyno PK/PD実験プロトコール
動物:動物およびそれらの飼育に関する全ての手順は、ブリストルマイヤーズスクイブ施設内動物管理使用委員会で遵守するガイドラインに従って実施した。十分に成熟した雄のカニクイザル(年齢>4年;5〜6kg)は、社内施設に由来するものである。使用した全てのサルは、長期間埋め込まれた大腿静脈アクセスポートを有する。経口実験においては、全ての動物を投与前に一晩絶食させ、投与4時間後に摂食させた。全ての動物は、自由に水を飲むことができ、実験期間中継続した。
薬物:カニクイザルにおける全ての経口薬理試験においては、試験化合物は、1〜5mg/mLの濃度で、ポリエチレングリコール(PEG400):水(80:20,v:v)中で製剤化した。
薬物治療:試験化合物は、カニクイザルに対して経管栄養によって投与した。
試料採取:血液試料は、経口投与15、30および45分、ならびに1、2、4、6、8、12、24、30および48時間後に、大腿ポートから採取した。全ての血液試料は、ヘパリンナトリウムを含有するシリンジ中に収集した。血漿フラクションは、遠心分離(14,000rpm,10分,4℃)によって迅速に分離させ、ドライアイス上で凍結し、試料を解析するまで−20℃で保存した。
試験化合物の分析:血漿試料を解凍し、内部標準物質を含有する2容積倍のアセトニトリルで処理した。遠心分離して沈殿したタンパク質を除去した後、一定分量の上澄み液をLC/MS/MSで分析した。
ステロイドの分析:血漿試料を解凍し、下記のキットの添付説明書に従ってアッセイした:Coat−A−Count 合計テストステロン固相RIAキット、Coat−A−Count 合計プロゲステロン固相RIAキットおよびCoat−A−Count 合計コルチゾール固相RIAキット(Diagnostic Product Corp,Siemens Healthcare Diagnostics,Deerfield,IL)。

Claims (10)

  1. 式(I):
    Figure 2013542259

    (I)
    [式中、
    Qは、
    (i)少なくとも1つの窒素ヘテロ原子を含み、0〜2個のRで置換された5員ヘテロアリール;または
    (ii)
    Figure 2013542259

    から選択される9または10員二環式ヘテロアリールであって、
    環Aは、0〜2個のRで置換された5または6員アリールまたはヘテロアリール縮合環であり;
    は:
    (i)H、ハロ、−CN、−OR、−NRまたは−C(O)OR
    (ii)0〜4個のRで置換されたC1−6アルキル;
    (iii)0〜4個のRで置換されたC3−6シクロアルキル;
    (iv)0〜6個のRで置換されたアリール;
    (v)0〜6個のRで置換されたヘテロシクリル;または
    (vi)0〜6個のRで置換されたヘテロアリール
    であり;
    は:
    (i)0〜4個のRで置換されたC1−6アルキル;
    (ii)0〜4個のRで置換されたC3−6シクロアルキル;
    (iii)−S(O)(C1−4アルキル)、−S(O)(C1−4フルオロアルキル)または−C(O)(C1−6アルキル);
    (iv)0〜6個のRで置換されたアリール;
    (v)0〜6個のRで置換されたヘテロシクリル;または
    (vi)0〜6個のRで置換されたヘテロアリール
    であって;
    各Rは、独立して、ハロ、−OH、−CN、C3−6シクロアルキル、C1−2フルオロアルキル、C1−6アルコキシ、C1−2フルオロアルコキシ、−NR、0〜5個のRで置換されたフェニル、0〜4個のRで置換されたフェノキシ、0〜4個のRで置換されたヘテロシクリルおよび/または0〜4個のRで置換されたヘテロアリールであり;
    各Rは、独立して、ハロ、−OH、−CN、C1−4アルキル、C3−6シクロアルキル、C1−2フルオロアルキル、C1−6アルコキシ、C1−4フルオロアルコキシ、−NR、−C(O)OH、−S(O)(C1−4アルキル)、−S(O)NRおよび/または0〜4個のRで置換されたヘテロシクリルであり;
    各Rは、独立して、ハロ、−CN、−OH、C1−4アルキル、C3−6シクロアルキル、C1−2フルオロアルキル、C1−6アルコキシ、C1−4フルオロアルコキシ、−NR、アゼチジンおよび/またはピロリジンであるか、あるいは、2つのRが同一原子に結合して=Oを形成することができるものであり;
    各Rは:
    (i)0〜4個のRで置換されたC1−4アルキル;
    (ii)0〜4個のRで置換されたC3−6シクロアルキル;
    (iii)0〜6個のRで置換されたアリール;
    (iv)0〜6個のRで置換されたヘテロシクリル;および/または
    (v)0〜6個のRで置換されたヘテロアリール
    であり;
    各Rは、独立して:
    (i)H;
    (ii)0〜4個のRで置換されたC1−4アルキル;および/または
    (iii)0〜4個のRで置換されたC3−6シクロアルキルであるか;
    あるいは、2つのRが同一の窒素原子に結合して、1つのさらなるヘテロ原子を有し、−CN、−OHおよび/またはC1−4アルキルから独立して選択される0〜2個の置換基で置換された5または6員ヘテロシクリル環を形成することができるものであり:
    各Rは、独立して、H、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、C1−4フルオロアルキルおよび/またはアリールであり;ならびに
    各Rは、独立して:
    (i)ハロ、−CN、−OR、−NRまたは−C(O)OR
    (ii)0〜4個のRで置換されたC1−6アルキル;
    (iii)0〜4個のRで置換されたC3−6シクロアルキル;
    (iv)0〜6個のRで置換されたアリール;
    (v)0〜6個のRで置換されたヘテロシクリル;または
    (vi)0〜6個のRで置換されたヘテロアリール
    である]
    またはその医薬的に許容される塩。
  2. Qが、0〜2個のRで置換されたイミダゾリルである、請求項1に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩。
  3. Qが、
    Figure 2013542259

    である、請求項2に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩。
  4. Qが、
    Figure 2013542259

    [式中、環Aは、0〜2個のRで置換された5または6員アリールまたはヘテロアリール縮合環である]
    から選択される9または10員二環式ヘテロアリールである、請求項1に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩。
  5. Qが、
    Figure 2013542259

    である、請求項4に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩。
  6. Qが、
    Figure 2013542259

    であり;
    が、Hであり;
    が、−SONHで置換されたフルオロフェニル、ジフルオロフェニルまたはフェニルである、請求項1に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩。
  7. 前記化合物が、4−(1−(4−フルオロフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−4−イル)イソキノリン(1);1−(4−フルオロフェニル)−4−(1H−イミダゾール−1−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン(2);5−(1−(4−フルオロフェニル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−4−イル)−1,7−ナフチリジン(3);1−(4−フルオロフェニル)−4−(1−メチル−1H−イミダゾール−5−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン(4);3−(4−(1,7−ナフチリジン−5−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−1−イル)ベンゼンスルホンアミド(5);3−(4−(1−メチル−1H−イミダゾール−5−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−1−イル)ベンゼンスルホンアミド(6);3−(4−(イソキノリン−4−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−1−イル)ベンゼンスルホンアミド(7);および1−(2,4−ジフルオロフェニル)−4−(ピロロ[1,2−c]ピリミジン−4−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン(8)から選択されるものである、請求項1に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩。
  8. 医薬的に許容される担体および請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩を含む、医薬組成物。
  9. 癌の治療剤の製造における、請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩の使用。
  10. 癌の治療における療法で使用するための、請求項1〜7のいずれか1項に記載の化合物またはその医薬的に許容される塩。
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