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JP2013540739A - 置換n−フェニルヒドロキシルアミンの製造のためのプロセス - Google Patents

置換n−フェニルヒドロキシルアミンの製造のためのプロセス Download PDF

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JP2013540739A JP2013528710A JP2013528710A JP2013540739A JP 2013540739 A JP2013540739 A JP 2013540739A JP 2013528710 A JP2013528710 A JP 2013528710A JP 2013528710 A JP2013528710 A JP 2013528710A JP 2013540739 A JP2013540739 A JP 2013540739A
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Abstract

本発明は、対応する置換ニトロベンゼン化合物の還元による環置換N-フェニルヒドロキシルアミンの製造のためのプロセスであって、前記還元が置換ニトロベンゼン化合物をルテニウム触媒の存在下でヒドラジンと反応させることにより行われるものである、上記プロセスに関する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、置換N-フェニルヒドロキシルアミンの製造のためのプロセスに関する。
置換N-フェニルヒドロキシルアミン、特にヒドロキシルアミン基のオルト位に置換基を有するN-フェニルヒドロキシルアミンは、特に殺菌剤としての用途が見出されている、対応するヒドロキシカルバメート及びそのO-置換誘導体にとって重要な前駆物質である。ピラクロストロビンを有名な代表例とするこの種類の殺菌剤は、例えばWO 93/15046(特許文献1)及びWO 96/01256(特許文献2)に開示されている。
芳香族ニトロ化合物のN-フェニルヒドロキシルアミンへの還元には、幾つかの方法が利用可能である。技術的スケールで使用される方法の中で、金属、例えば亜鉛及びアマルガムを用いる還元は、不利な廃棄物の物質収支を有するという欠点がある一方、それと比べて、白金やパラジウム等の遷移金属を触媒として用いる不均一系水素添加は好適であると考えられる。N-フェニルヒドロキシルアミンに対する合理的な選択性を得るためには、これらの反応は触媒を部分的に毒するか又は不活性化する添加剤、例えば硫黄化合物又は有機塩基、特にアミンの存在下で行わなければならない(例えば、EP 212375(特許文献3)、WO 96/22967(特許文献4)及びWO 99/12911(特許文献5)を参照されたい)。しかしながら、これらの添加剤の使用は、数回の反応サイクル後に、再利用される触媒の活性の減少、又はワークアップ(work-up)中の添加剤の除去の困難性等の不利益を伴い得る。なぜなら、得られるN-フェニルヒドロキシルアミンの熱不安定性の為に、蒸留による添加剤の除去は多くの場合不可能だからである。さらに、必要とされる遷移金属触媒はかなり高価である。
あるいは還元は、例えば、遷移金属であるロジウム、イリジウム、ニッケル又はパラジウムのうちの一つを触媒とし、ヒドラジン又はホスフィン酸を還元剤として組み合わせて用いる水素移動(transfer hydrogenation)によってなされ得る(N. R. Ayyangar et al., Synthesis 1984, 938(非特許文献1); I. D. Entwistle et al., Tetrahedron 1978, 34, 213(非特許文献2)及びP. W. Oxley et al., Organic Syntheses 1989, 67, 187(非特許文献3))。しかしながら、この手法によるニトロベンゼン誘導体の対応するヒドロキシルアミンへの還元について論じているほとんどの刊行物には、基質として単純なニトロベンゼン誘導体しか記載されていない。さらに、前記水素移動触媒の中で最も選択的な変換をもたらし得るロジウムは、非常に高価である。これまでに、ヒドラジンを還元剤として用いた際に、ルテニウムが水素移動において触媒活性を示すことは報告されていない。
WO 93/15046 WO 96/01256 EP 212375 WO 96/22967 WO 99/12911
N. R. Ayyangar et al., Synthesis 1984, 938 I. D. Entwistle et al., Tetrahedron 1978, 34, 213 P. W. Oxley et al., Organic Syntheses 1989, 67, 187
本発明の目的は、実施するのが容易で、かつ工業的規模での生産に好適な、置換N-フェニルヒドロキシルアミンの製造のためのプロセスを提供することである。これらのプロセスはさらに、特に触媒に関して安価であるべきであり、選択的な変換に基づくべきである。
かかる目的は、以下で詳細に記載するプロセスによって達成される。
本発明は、対応する置換ニトロベンゼン化合物の還元を含む、置換N-フェニルヒドロキシルアミンの製造のためのプロセスに関する。還元は、置換ニトロベンゼン化合物をルテニウム触媒の存在下でヒドラジンと反応させることによって行われる。
本発明のプロセスは、ヒドラジン化合物が還元剤として作用し、反応がルテニウム触媒によって触媒される水素移動の一種である。すなわち、ヒドラジン化合物の水素原子は、置換ニトロベンゼン化合物のニトロ基に転移され、それにより置換ニトロベンゼン化合物のニトロ基(NO2基)がヒドロキシルアミン基(NHOH基)へ還元される。
本発明に係るプロセスは、幾つかの利点を有する。例えば、本発明のプロセスは高収率かつ特異的な変換により、多数の様々な置換N-フェニルヒドロキシルアミンの製造を可能とする。プロセスは単純かつ安価であり、工業的規模でも効率的に処理され得る。特に有益な点として、本発明のプロセスは、対応する殺菌活性カルバメートの重要な前駆物質である2-ピラゾールオキシメチルフェニルヒドロキシルアミン誘導体の製造に効果的な手段を提供する。さらに、本発明に係るプロセスは、除去が困難な添加剤の使用を不要にすることを可能とする。
置換フェニルヒドロキシルアミン及び置換ニトロベンゼンに関して、用語「置換」は、ニトロ基又はヒドロキシルアミン基に加えて、置換フェニルヒドロキシルアミン及び置換ニトロベンゼンのフェニル環が一以上、例えば1、2、又は3の還元的変換状況で不活性な置換基を有することを、それぞれ意味すると理解されたい。還元的変換状況で不活性な好適な置換基として、限定するものではないが、ハロゲン、シアノ、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルキルカルボニル、カルボキシル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルカルボニルアミノ、アルコキシカルボニル、アリール、アリールオキシ、アリールメチル、アリールオキシメチル、アリールメトキシ、アリールメトキシカルボニル、アリールビニル、ヘタリール、ヘタリールオキシ、ヘタリールメチル、ヘタリールオキシメチル、ヘタリールメトキシ、ヘタリールメトキシカルボニル、ヘタリールビニル、シクロアルキル、シクロアルコキシ、シクロアルキルメチル、シクロアルコキシメチル、シクロアルキルメトキシ、シクロアルキルメトキシカルボニル及びシクロアルキルビニルが挙げられ、ここで前記置換基のアリール、ヘタリール、又はシクロアルキル環は、それ自身が、シアノ、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、アルキルチオ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、カルボキシル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルカルボニルアミノ、又はハロゲン、アルキル及びハロアルキルから選択される一以上の置換基で置換されても置換されなくても良いフェニルから選択される一以上の置換基を有して良い。
本発明のプロセスは特に、ヒドロキシルアミン基のオルト位に少なくとも一つの置換基を有する環置換N-フェニルヒドロキシルアミンの製造、及び特に一般式(II)の対応するニトロベンゼンからの、一般式(I)の環置換N-フェニルヒドロキシルアミンの製造によく適している。
Figure 2013540739
式中、
R1はハロゲン、シアノ、C1-C4-アルキル、C1-C4-ハロアルキル、C1-C4-アルコキシ、C1-C4-ハロアルコキシ、C1-C4-アルキルカルボニル、CO2H、CONH2、C1-C4-アルキルアミノカルボニル、ジ-(C1-C4-アルキル)アミノカルボニル、C1-C4-アルキルカルボニルアミノ、C1-C4-アルコキシカルボニル、及び基A-Bから選択され、ここで、
Aは-O-、-CH2-、-O-CH2-、-CH2-O-、-CH2-O-CO-、-CH=CH-、又は単結合であり、特にAは-CH2-O-であり、かつ
Bはフェニル、ナフチル、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、1,2,4-トリアゾリル、1,2,3-トリアゾリル、フラニル、チエニル、ピロリル、又はC3-C7-シクロアルキルであり、ここで、Bは置換されなくても、又は1〜3の置換基Reを有しても良く、特にBはそれ自身ハロゲン、C1-C2-アルキル、及びC1-C2-ハロアルキルから選択される1、2、又は3の置換基で置換されても置換されなくても良いN-結合フェニル基を有する3-又は4-ピラゾリルであり;
Reはシアノ、ハロゲン、C1-C4-アルキル、C1-C4-ハロアルキル、C1-C4-アルコキシ、C1-C4-ハロアルコキシ、C1-C4-アルキルチオ、C1-C4-アルキルカルボニル、C1-C4-アルコキシカルボニル、CO2H、CONH2、C1-C4-アルキルアミノカルボニル、ジ-(C1-C4-アルキル)アミノカルボニル、C1-C4-アルキルカルボニルアミノ、又は、ハロゲン、C1-C4-アルキル、及びC1-C4-ハロアルキルから選択される1、2、3、又は4の置換基で置換されても置換されなくても良いフェニルであり;
R2はハロゲン、C1-C4-アルキル、C1-C4-ハロアルキル、C1-C4-アルコキシ、C1-C4-ハロアルコキシ、及びC1-C4-アルコキシカルボニルから選択され;かつ、
nは0、1、2、又は3、特に0である。
本発明の文脈において、一般に用いられる用語は、以下の通り定義される:
用語「環置換」は、一以上の置換基を有する環状部分、例えばアリール、ヘタリール又はシクロアルキル部分を意味し、ここで前記一以上の置換基は、炭素環又は複素環中の原子に結合しており、ここで前記置換基は本発明のプロセスに係る還元的変換状況で不活性である。
接頭辞Cx-Cyは、個々の場合においてあり得る炭素原子の数を意味する。
用語「ハロゲン」は各場合において、フッ素、臭素、塩素又はヨウ素、特に塩素又は臭素を意味する。
用語「C1-C4-アルキル」は、1〜4の炭素原子を含む、直鎖又は分岐アルキルラジカル、例えばメチル、エチル、プロピル、1-メチルエチル(イソプロピル)、ブチル、1-メチル-プロピル(sec-ブチル)、2-メチルプロピル(イソブチル)又は1,1-ジメチルエチル(tert-ブチル)を意味する。
用語「C3-C7-シクロアルキル」は、3〜7の炭素環員を有する単環式飽和炭化水素基、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、及びシクロへプチルを意味する。
本明細書において用いられ、かつC1-C4-ハロアルコキシのハロアルキル単位における用語「C1-C4-ハロアルキル」は、1〜4の炭素原子を有する直鎖又は分岐アルキル基であって、これらの基の水素原子の幾つか又は全てがハロゲン原子によって置換されているものを意味する。C1-C4-ハロアルキルの例として、クロロメチル、ブロモメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロフルオロメチル、ジクロロフルオロメチル、クロロジフルオロメチル、1-クロロエチル、1-ブロモエチル、1-フルオロエチル、2-フルオロエチル、2,2-ジフルオロエチル、2,2,2-トリフルオロエチル、2-クロロ-2-フルオロエチル、2-クロロ-2,2-ジフルオロエチル、2,2-ジクロロ-2-フルオロエチル、2,2,2-トリクロロエチル、ペンタフルオロエチル、3,3,3-トリフルオロプロプ-1-イル、1,1,1-トリフルオロプロプ-2-イル、3,3,3-トリクロロプロプ-1-イル、ヘプタフルオロイソプロピル、1-クロロブチル、2-クロロブチル、3-クロロブチル、4-クロロブチル、1-フルオロブチル、2-フルオロブチル、3-フルオロブチル、4-フルオロブチル等が挙げられる。
用語「C1-C4-アルコキシ」は、分子の残りの部分と酸素原子を介して結合している、1〜4の炭素原子を含む直鎖又は分岐飽和アルキル基を意味する。C1-C4-アルコキシの例として、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、1-メチルエトキシ(イソプロポキシ)、n-ブトキシ、1-メチルプロポキシ(sec-ブトキシ)、2-メチルプロポキシ(イソブトキシ)、及び1,1-ジメチルエトキシ(tert-ブトキシ)が挙げられる。
用語「C1-C4-ハロアルコキシ」は、分子の残りの部分と酸素原子を介して結合している、1〜4の炭素原子を含む直鎖又は分岐飽和ハロアルキル基を意味する。C1-C4-ハロアルコキシの例として、クロロメトキシ、ブロモメトキシ、ジクロロメトキシ、トリクロロメトキシ、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、クロロフルオロメトキシ、ジクロロフルオロメトキシ、クロロジフルオロメトキシ、1-クロロエトキシ、1-ブロモエトキシ、1-フルオロエトキシ、2-フルオロエトキシ、2,2-ジフルオロエトキシ、2,2,2-トリフルオロエトキシ、2-クロロ-2-フルオロエトキシ、2-クロロ-2,2-ジフルオロエトキシ、2,2-ジクロロ-2-フルオロエトキシ、2,2,2-トリクロロエトキシ、1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ、1-クロロ-1,2,2-トリフルオロエトキシ、ペンタフルオロエトキシ、3,3,3-トリフルオロプロプ-1-オキシ、1,1,1-トリフルオロプロプ-2-オキシ、3,3,3-トリクロロプロプ-1-オキシ、1-クロロブトキシ、2-クロロブトキシ、3-クロロブトキシ、4-クロロブトキシ、1-フルオロブトキシ、2-フルオロブトキシ、3-フルオロブトキシ、4-フルオロブトキシ等が挙げられる。
用語「C1-C4-アルキルカルボニル」は、カルボニル基を介して結合している、1〜4の炭素原子を有するアルキルラジカルを意味する。C1-C4-アルキルカルボニルの例として、メチルカルボニル(アセチル)、エチルカルボニル、プロピルカルボニル、イソプロピルカルボニル、n-ブチルカルボニル、sec-ブチルカルボニル、イソブチルカルボニル、及びtert-ブチルカルボニルが挙げられる。
用語「C1-C4-アルコキシカルボニル」は、分子の残りの部分とカルボニル基を介して結合している、1〜4の炭素原子を有するアルコキシラジカル意味する。C1-C4-アルコキシカルボニルの例として、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、n-ブトキシカルボニル、sec-ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、及びtert-ブトキシカルボニルが挙げられる。
用語「C1-C4-アルキルアミノカルボニル」はラジカルRNH-C(O)-を意味し、ここでRは前記定義に従うC1-C4-アルキルである。C1-C4-アルキルアミノカルボニルの例として、メチルアミノカルボニル、エチルアミノカルボニル、プロピルアミノカルボニル、イソプロピルアミノカルボニル、n-ブチルアミノカルボニル、sec-ブチルアミノカルボニル、イソブチルアミノカルボニル及びtert-ブチルアミノカルボニルが挙げられる。
用語「ジ-(C1-C4-アルキル)-アミノカルボニル」はラジカルRR'N-C(O)-を意味し、ここでR及びR'は互いに独立して、前記定義に従うC1-C4-アルキルである。ジ-(C1-C4-アルキル)-アミノカルボニルの例として、ジメチルアミノカルボニル、ジエチルアミノカルボニル、メチルエチルアミノカルボニル、ジプロピルアミノカルボニル、エチルイソプロピルアミノカルボニル、メチル-n-ブチルアミノカルボニル、エチル-sec-ブチルアミノカルボニル、n-ブチルイソブチルアミノカルボニル及びエチル-tert-ブチルアミノカルボニルが挙げられる。
用語「C1-C4-アルキルカルボニルアミノ」はラジカルR-C(O)-NH-を意味し、ここでRは前記定義に従うC1-C4-アルキルである。C1-C4-アルキルカルボニルアミノの例として、ホルムアミド(ホルミルアミノ)、アセトアミド(アセチルアミノ)、プロピオンアミド、及びブチルアミドが挙げられる。
用語「C1-C4-アルキルチオ(C1-C4-アルキルスルファニル:C1-C4-アルキル-S-)」は、分子の残りの部分と硫黄原子を介して結合している、1〜4の炭素原子を有する直鎖又は分岐飽和アルキルラジカルを意味する。C1-C4-アルキルチオの例として、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、1-メチルエチルチオ、ブチルチオ、1-メチルプロピルチオ、2-メチルプロピルチオ、及び1,1-ジメチルエチルチオが挙げられる。
本発明に係るプロセスの好適な実施形態に関する、特にプロセスの様々な反応物及び産物並びに反応条件の可変部分の好適な意味に関する以下の記載は、単独でも、又はより具体的には、考え得るあらゆる組み合わせでも適用できる。
式(I)及び(II)の化合物において、ラジカルR1は好適には塩素、臭素、C1-C2-アルキル、C1-C2-ハロアルキル、C1-C2-アルコキシカルボニル又は基A-Bであり、ここでAは-O-CH2-、CH2-O-、又は単結合であり、Bはピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、1,2,4-トリアゾリル、1,2,3-トリアゾリル、又はピロリルであり、ここでBは置換されなくても、又は1若しくは2の置換基Reを有していても良い。より好適にはR1は塩素、C1-C2-アルキル、C1-C2-ハロアルキル又は基A-Bであり、ここでAは-CH2-O-であり、かつBはピラゾリル、イミダゾリル、1,2,4-トリアゾリル、1,2,3-トリアゾリル、又はピロリルであり、ここでBは置換されなくても、又は1若しくは2の置換基Reを有しても良い。さらにより好適にはR1は塩素、メチル、クロロメチル、ブロモメチル、又はピラゾリルオキシメチルであり、ここでピラゾール環は置換されなくても、又は1若しくは2の置換基Reを有しても良い。特に、R1はメチル、クロロメチル、ブロモメチル、ピラゾール-3-イルオキシメチル、又はピラゾール-4-イルオキシメチルであり、ここで記載した最後の2つの置換基におけるピラゾール部分は、置換されていないか、又は1若しくは2のRe置換基を有する。
ラジカルBの定義において、置換基Reは好適には、ハロゲン、C1-C2-アルキル、C1-C2-ハロアルキル、C1-C2-アルコキシ、C1-C2-ハロアルコキシ、C1-C2-アルコキシカルボニル、又はハロゲン、C1-C2-アルキル及びC1-C2-ハロアルキルから選択される1、2、又は3の置換基で置換されても置換されなくても良いフェニルである。Reはより好適には、塩素、フッ素、C1-C2-アルキル、C1-C2-ハロアルキル、C1-C2-アルコキシカルボニル、又は塩素、フッ素、メチル、及びハロメチルから選択される1又は2の置換基で置換されても置換されなくても良いフェニルである。さらにより好適にはReは、塩素、フッ素、メチル及びハロメチル、メトキシカルボニル、又は塩素、メチル、及びハロメチルから選択される1つのさらなる置換基を有しても有さなくても良い4-クロロフェニルである。
式(I)及び(II)の化合物において可変部分nは、好適には0、1、又は2、特に好適には0又は1である。nが1の場合には、R2は、好適にはヒドロキシルアミノ基の結合部位のパラ又はメタ位に存在する。
式(I)及び(II)の化合物においてラジカルR2が存在する場合には、互いに独立して塩素、臭素、C1-C2-アルキル、C1-C2-ハロアルキル、C1-C2-アルコキシ、又はC1-C2-ハロアルコキシである。R2はより好適には、塩素、C1-C2-アルキル又はC1-C2-ハロアルキル、さらにより好適には、塩素、メチル、又はハロメチルである。特に、R2は5-Cl、4-Cl、3-Cl、5-メチル、4-メチル、3-メチル、5-メトキシ、4-メトキシ、3-メトキシ、5-クロロメチル、4-クロロメチル、3-クロロメチル、5-トリフルオロメチル、4-トリフルオロメチル、3-トリフルオロメチル、5-クロロメトキシ、4-クロロメトキシ、3-クロロメトキシ、5-トリフルオロメトキシ、4-トリフルオロメトキシ、3-トリフルオロメトキシ、4,5-Cl2、3,4-Cl2、4,5-ジメチル、3,4-ジメチル、4,5-ジメトキシ、又は3,4-ジメトキシである。位置についての記載は、1位のヒドロキシルアミノ基に対するものである。
本発明のプロセスは、以下の式(I')に対応する置換N-フェニルヒドロキシルアミンIの製造に特に好適であり、
Figure 2013540739
式中、
Re1は、水素、又はハロゲン、C1-C4-アルキル、及びC1-C4-ハロアルキルから選択される1、2、3、又は4の置換基で置換されても置換されなくても良いフェニルであり、
Re2はハロゲン、C1-C4-アルキル、又はC1-C4-ハロアルキルであり、
mは0又は1であり、かつ、
R2及びnは本明細書で先に定義した通りである。
式(I')の化合物において、可変部分nの値及びラジカルR2は、存在する場合には、本明細書で先に好適なものとして記載したものが好適である。
式(I')の化合物において、ラジカルRe1は、好適には、水素、又は塩素、フッ素、C1-C2-アルキル、若しくはC1-C2-ハロアルキルから選択される1、2、又は3の置換基で置換されても置換されなくても良いフェニルである。Re1はより好適には、水素、又は塩素、メチル、若しくはハロメチルから選択される1又は2の置換基で置換されても置換されなくても良いフェニルである。特に、Re1は水素、4-クロロフェニル、3-クロロフェニル、2-クロロフェニル、4-メチルフェニル、3-メチルフェニル、2-メチルフェニル、4-メトキシフェニル、3-メトキシフェニル、4-クロロメチルフェニル、3-クロロメチルフェニル、4-トリフルオロメチルフェニル、3-トリフルオロメチルフェニル、3,4-ジクロロフェニル、2,4-ジクロロフェニル、3-メチル-4-クロロフェニル、3-メトキシ-4-クロロフェニル、3-クロロメチル-4-クロロフェニル、又は3-トリフルオロメチル-4-クロロフェニルである。位置についての記載は、フェニル環の1位におけるピラゾール環の結合部位に対するものである。
式(I')の化合物における可変部分mは好適には0又は1、特に好適には0である。mが1の場合には、Re2は好適にはピラゾール環の4位又は5位の炭素原子のいずれかに結合する。
式(I')の化合物におけるラジカルRe2が存在する場合には、好適には、ハロゲン、C1-C2-アルキル、C1-C2-ハロアルキル、C1-C2-アルコキシ、C1-C2-ハロアルコキシ、又はC1-C2-アルコキシカルボニルである。Re2はより好適には塩素、フッ素、C1-C2-アルキル、C1-C2-ハロアルキル、又はC1-C2-アルコキシカルボニルであり、さらにより好適には塩素、フッ素、メチル、ハロメチル、又はメトキシカルボニルである。
本明細書で以下に記載する本発明の変換は、かかる反応にとっての通常の反応容器において行われ、反応は、連続式、半連続式、又はバッチ式に設定可能である。一般に、個々の反応は大気圧下で行われる。しかしながら、反応は低圧力又は高圧力下でも行われ得る。
置換N-フェニルヒドロキシルアミンIの製造のための本発明に係るプロセスは、対応する式(II)のニトロベンゼン化合物の、触媒的水素移動を介する化合物Iへの変換を含む。
Figure 2013540739
式中、可変部分n、R1及びR2は、好適な意味も含めて、本明細書で先に定義した通りの意味を有する。変換は、好適には溶媒中で好適な反応条件において、ニトロベンゼン化合物IIをルテニウム触媒の存在下で還元剤としてのヒドラジンと反応させることによって行われる。
本発明に係るプロセスにおいて、ヒドラジンは無水液体として、一分子のヒドラジンにつき約一分子の水を含むヒドラジン水和物(N2H4・H2O)として、又は溶液、特に、好適には35〜70%(w/w)の水含量を有する水溶液としてのヒドラジン反応物を意味すると理解される。ヒドラジン水和物を用いる事が好適である。
本発明のプロセスにおいて用いられるルテニウム触媒において、ルテニウムは活性金属であるか、又は触媒に存在する活性金属の総量の少なくとも80重量%、特に少なくとも90重量%を構成する。活性金属は触媒として活性な金属であり、すなわち触媒的水素移動機構に関与する金属である。
ルテニウムとは別に、触媒は一以上のさらなる活性金属を含み得る。これらの活性金属は活性金属の総量(すなわち、ルテニウム及びさらなる活性金属の総量)を基準として、20重量%までの量で存在し得る。さらなる活性金属として、例えば、周期表(CAS版)のVIIIb群の金属、Ib群の金属、及びVIIb群の金属、例えばPd、Pt、Rh、Fe、Co、Ni、Ir、Rh、又はCuが挙げられる。好適には、ルテニウムが唯一の活性金属であり、すなわち、ルテニウムが触媒中に存在する活性金属の少なくとも99重量%を構成する。
本発明において用いられるルテニウム触媒は、完全触媒(full catalyst)又は担持触媒(supported catalyst)であり得る。完全触媒は、活性金属が、その元素又は酸化物の形態で、触媒の活性形態の少なくとも50重量%、特に少なくとも80重量%を構成する触媒である。担持触媒は、活性金属が不活性な支持物質上に支持されている触媒である。担持触媒において、活性金属の量は、活性金属及び支持物質の総量を基準として、主に0.05重量%〜15重量%、特に0.1〜10重量%である。好適な支持物質として、活性炭、炭化ケイ素、二酸化ケイ素、二酸化チタン、二酸化ジルコニウム、アルミナ、ゼオライト等のアルミノケイ酸塩が挙げられる。好適には、キャリア物質は、DIN 66131によるN2吸着によって定められる、少なくとも10m2/g、特に20〜1000m2/gの比表面積を有する。好適には、キャリア物質は二酸化ケイ素(シリカ)、アルミノケイ酸塩、及びアルミナ並びにそれらの混合物からなる群より選択される。特定の好適な実施形態では、キャリア物質は、キャリア物質の重量を基準として、少なくとも90重量%のアルミナを含む。
触媒、特に担持触媒は、成形体(mould)、球、若しくはペレット等の、1〜数ミリメートルの粒子径を有する大きな粒子の形態、又は粉体等の、1000μm未満、特に800μm未満の平均粒子径を有する細粒の形態であり得る。
好適には、ルテニウム触媒は細粒の形態で用いられる。しかしながら、触媒の平均粒子径の選択は、幾つかの要因、例えば用いられる反応物の反応性、純ルテニウム又は担持ルテニウムのどちらが用いられるか、及び担持ルテニウムの場合には、用いられるキャリア物質だけでなく、触媒のルテニウム含量にも依存する。いずれにせよ、適切な平均粒子径は個々の場合において当業者によって、例えば簡単な予備試験によって、決定することができる。本発明のプロセスにおいて用いられる触媒は、典型的に10〜600μm、好適には20〜200μmの重量平均粒子径(重量平均)を有する。
本発明のプロセスにおける使用の前に、触媒を活性化することが有利であることが証明されている。活性化は単に触媒を水素で処理することによってなされ得る。一般に、活性化は0〜500℃、特に20〜100℃の温度、例えば外界温度(すなわち、20〜30℃)でなされ得る。活性化は、純粋な水素ガスで処理することによって、又は水素と一以上の不活性ガスとの混合物で処理することによってなされ得る。不活性ガスとして、例えば窒素及び希ガス、例えばアルゴン又はヘリウム、並びにそれらの混合物が挙げられる。活性化に用いられるガスにおける水素の分圧は、一般に0.1〜20bar、特に0.2〜5bar、例えば約1bar(0.9〜1.1bar)である。活性化に必要な時間は、一般に水素分圧及び活性化温度に依存し、通常10分〜10時間、特に0.5〜5時間を必要とする。活性化は本発明のプロセスの直前に行われ得る。しかしながら、触媒を活性化し、かつ活性化した触媒を、長期間不活性雰囲気下で保管することもまた可能である。
反応物及び触媒は、原則としてあらゆる所望の順序で互いに接触させ得る。例えば、必要に応じて溶解又は分散形態にしたニトロベンゼン化合物IIを最初に入れてヒドラジンと混合し得、又は逆に、溶解又は分散形態であり得るヒドラジンを最初に入れてニトロベンゼン化合物IIと混合し得る。あるいは、二つの反応物は、反応容器に同時に加えることもできる。ルテニウム触媒は、反応物の一方の添加前若しくは後に、あるいは反応物の一方と一緒に、懸濁液又は原末の形態のいずれかで加えられる。
最初にニトロベンゼン化合物IIを、それ自体として、分散形態、又は好適には溶解形態で反応容器に入れ、その後ルテニウム触媒を、それ自体として、又は懸濁形態で加え、そして次にヒドラジンを加えることが適切である事が見出された。反応混合物におけるヒドラジンの蓄積を避けるため、一定時間にわたり、徐々にヒドラジンを加えることが好適である。ヒドラジンはそれ自体として、又は溶解形態で用いられる。
反応物の溶解又は分散に好適な溶媒は、好適には反応物に対して不活性な有機溶媒である。したがって、本発明のプロセスにおける変換のための溶媒の選択は、個々の場合において選択される特定の反応物及び反応条件に依存する。本発明のプロセスの変換のために非プロトン性の有機溶媒を用いる事が一般に有利であることが見出された。本発明において有用な非プロトン性の有機溶媒として、例えば、脂肪族C3-C8-エーテル、例えばジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、イソブチルメチルエーテル、メチルtert-ブチルエーテル(MTBE)、エチルtert-ブチルエーテル(ETBE)、1,2-ジメトキシエタン(DME)及びジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグリム)、ハロゲン化脂肪族炭化水素、例えば塩化メチレン、トリクロロメタン、ジクロロエタン及びトリクロロエタン、脂肪族炭化水素、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、及び石油エーテル、環状脂肪族炭化水素、例えばシクロペンタン及びシクロヘキサン、脂環式C3-C6-エーテル、例えばテトラヒドロフラン(THF)、テトラヒドロピラン、2-メチルテトラヒドロフラン、3-メチルテトラヒドロフラン、及び1,4-ジオキサン、芳香族炭化水素、例えばベンゼン、クロロベンゼン、アニソール、トルエン、キシレン及びメシチレン、並びにこれらの溶媒と互いとの混合物が挙げられる。
好適には、本発明のプロセスの変換のための有機溶媒は、脂肪族C3-C8-エーテル、例えばジイソプロピルエーテル、イソブチルメチルエーテル、ETBE及びMTBE、ハロゲン化脂肪族炭化水素、例えば塩化メチレン、脂環式C3-C6-エーテル、例えばテトラヒドロフラン(THF)、及び1,4-ジオキサン、芳香族炭化水素、例えばクロロベンゼン及びトルエン、並びにそれらの混合物から選択される。より好適には、有機溶媒は脂肪族C3-C8-エーテル、例えばジイソプロピルエーテル、イソブチルメチルエーテル及びMTBE、及び脂環式C3-C6-エーテル、例えばTHF及び1,4-ジオキサンから、並びに特にMTBE及びTHFから選択される。例えば、最初にニトロベンゼン化合物IIを脂肪族エーテルに溶解して反応容器に入れ、ルテニウム触媒をそれ自体として又は脂肪族エーテルの懸濁液として添加した後に、ヒドラジンをそれ自体として又は脂肪族若しくは脂環式エーテルの溶液として加える。
本発明に係るプロセスの変換において用いられる溶媒の総量は、各場合におけるニトロベンゼン化合物IIを基準として、典型的に200〜4000g/mol、及び好適には300〜3000g/molである。
好適には、全反応混合物中のニトロベンゼン化合物IIの濃度は、5.0〜35.0%(w/w)、より好適には8.0〜25.0%(w/w)、特に10.0〜20.0%(w/w)、及び特に12.0〜16.5%(w/w)である。
本発明の好適な実施形態では、N-フェニルヒドロキシルアミンIへの変換は、各場合において1モルの水素付加されるニトロベンゼン化合物IIに対して、水素化剤ヒドラジンを、1.0〜7モルヒドラジンの量で、好適には1.1〜5.5モルヒドラジンの量で、より好適には2.5〜4.5モルヒドラジンの量で、特に3.0〜4.0モルヒドラジンの量で、及び特に3.2〜3.7モルヒドラジンの量で用いる事により行われる。
本発明の別の好適な実施形態では、N-フェニルヒドロキシルアミンIへの変換は、各場合において1モルの置換ニトロベンゼン化合物を基準として、ルテニウム触媒を、10-5〜10-2モルルテニウムの量で、好適には10-4〜10-2モルルテニウムの量で、より好適には2×10-4〜2.5×10-3モルルテニウムの量で、特に4×10-4〜10-3モルルテニウムの量で、及び特に7×10-4〜9×10-4モルルテニウムの量で用いる事により行われる。
一般に、本発明に係るプロセスの変換は、温度制御化で行われる。水素移動反応は典型的に密閉又は開放反応容器において、装置を攪拌しながら行われる。変換の反応温度は幾つかの要因、例えば触媒の活性又は反応物の反応性に依存し、個々の場合において当業者によって、例えば簡単な予備試験によって決定され得る。一般に、変換は-20〜150℃、好適には-10〜100℃、より好適には0〜50℃、及び特に20〜25℃の温度で行われる。用いられる溶媒、反応温度及び反応容器がベントを有するかどうかに依存して、反応中一般に1〜5bar、及び好適には1〜3barの圧力に設定される。
本発明の一実施形態によれば、本発明のプロセスに係る変換の反応混合物は、ニトロベンゼン化合物IIとルテニウム触媒を含む混合物へのヒドラジンの添加が終了した後に、前記範囲、特に好適であるとして記載した範囲内の温度に調整され、一方でヒドラジンの添加中、温度は-30〜140℃、好適には-20〜90℃、より好適には-10〜40℃、及び特に10〜20℃の範囲に保たれる。
本発明に係る水素付加反応において得られる反応混合物のワークアップ及び置換N-フェニルヒドロキシルアミンIの単離は、通常の方法、例えば、反応混合物からの触媒の除去、を含むワークアップルーチン、例えば濾過によって行われる。ワークアップルーチンに含まれ得るさらなるステップは、存在し得る水層の除去、水性抽出ワークアップ、例えば低圧下における溶媒の除去又はこれら手段の組み合わせである。一般に、置換N-フェニルヒドロキシルアミンIはかかる手段又はそれらの組み合わせを用いる事により、十分な純度で得られ得る。したがって、さらなる精製ステップは通常必要でなく、ヒドロキシルアミンIの多くがむしろ不安定であるため、多くの場合避けるべきである。しかしながら、必要であれば、さらなる精製が、クロマトグラフィー等の本分野において通常用いられる方法によって行われ得る。
好適には、ワークアップのために、触媒は反応混合物から例えば濾過によって除去され、形成される可能性がある水層は除去してもされなくても良く、残っている混合物の乾燥及び濃縮の後、粗精製の置換N-フェニルヒドロキシルアミンIが得られる。こうして単離された産物は、次に、使用の為に保持されるか、又は使用、例えば更なる反応における使用の為に直接送られるか、又はあらかじめさらに精製され得る。
本発明の特に有利な点は、水素移動の間に触媒が触媒毒により汚染されないか又はあまり汚染されず、したがって、反応がバッチ式で行われる場合、触媒が一以上の後の反応において用いられ得、すなわち触媒が再利用され得ることである。さらに、水素移動の間に重大な活性の喪失が生じないので、この有利な点は反応を連続的に行うことを可能とする。
置換N-フェニルヒドロキシルアミンIがさらなる反応に付されることが意図される場合には、置換N-フェニルヒドロキシルアミンIは、さらなる精製なしに前記ワークアップ手順の後に直接得られる粗精製産物として好適に用いられる。粗精製産物は不純物として未反応のニトロベンゼン化合物IIを含み得る。しかしながら、これらの不純物は存在しても、通常後の反応を妨害せず、かかる反応において完全に変換されたとしても、所望の産物から容易に除去され得る反応産物を生じる。本発明のプロセスでは、対応するアニリンへの過還元は、顕著には起こらず、したがって対応するアニリン化合物は、顕著な量では形成されない。さらに、本プロセスは、アニリン化合物の形成を、後の反応でどんな役割も果たさない程度まで減少させ得るようにして反応を行うことを可能とする。
本発明に係るプロセスの変換において、出発化合物として用いられるニトロベンゼン化合物IIは、本分野において既知であるか、又は有機化学の標準的な方法に類似する方法によって製造され得るか、あるいは例えばWO 96/01256及びWO 93/15046に記載されている手順に類似する方法によって製造され得る。
本発明の好適な側面によれば、本発明のプロセスは、例えばWO 93/15046及びWO 96/01256に記載されている、2-(ピラゾール-3'-イルオキシメチレン)-アニリドの合成の重要な中間体である置換N-フェニルヒドロキシルアミンIの製造のために用いられる。かかるアニリドは、殺菌活性を有する有用な植物保護剤である。
本発明のもう一つの好適な側面では、N-フェニルヒドロキシルアミンI'は、以下のステップを含む2ステッププロセスを介して、殺菌性2-(ピラゾール-3'-イルオキシメチレン)-アニリドに変換される:
式(III')のヒドロキシカルバメート化合物を得るための、アルキルハロホルメート、例えば特にメチルハロホルメートを用いるN-アシル化、式中、R3はアルキル基、特にメチル基を意味し、かつ可変部分n、m、R2、Re1、及びRe2は本明細書で先に定義した通りであり;
Figure 2013540739
それに続く、アニリド化合物IV'を得るためのヒドロキシカルバメート化合物III'のアルキル化、
Figure 2013540739
式中、R4はアルキル基、好適にはメチル基を意味し、かつ可変部分n、m、R2、Re1、Re2及びR3は先に定義した通りである。
本発明のまた別の好適な側面では、R1がメチル基である置換N-フェニルヒドロキシルアミンIは、WO 93/015046に記載された合成と類似する方法において、2-(ピラゾール-3'-イルオキシメチレン)-アニリドのより収束的な合成経路で、重要な前駆物質IV''に変換される。
Figure 2013540739
式中、可変部分n、R2、R3、及びR4は本明細書で先に定義した通りである。前駆物質IV''へのかかる変換は、化合物I'から化合物IV'への前記変換と類似する2-ステッププロセスにおいて行われ得る。後の反応ステップにおいて化合物IV''は側鎖が臭素化され、その後環置換3-ヒドロキシピラゾール誘導体とカップリングして、所望の2-(ピラゾール-3'-イルオキシメチレン)-アニリドを得る。
先に概要を述べた化合物III'、IV'、III''、及びIV''への変換は、例えばWO 96/01256に開示された詳細な手順に類似する方法によって行われ得る。
本発明に係るプロセスは、式(IV')の化合物等の2-(ピラゾール-3'-イルオキシメチレン)-アニリドの製造のための好適な出発化合物である置換N-フェニルヒドロキシルアミンIの、複雑度が低く、収率及び選択性に優れた製造を可能とする。
式(I)の環置換N-フェニルヒドロキシルアミンの製造
一般的な方法
12.5ミリモルのニトロベンゼン化合物IIを22.3mlのメチルtert-ブチルエーテル(MTBE)に懸濁又は溶解した。この懸濁液又は溶液に、アルミナ(5重量%)上の20mg(0.08モル%)のルテニウムを固体として加えた。攪拌混合物を15℃まで冷却した後、2.2g(44.0mmol)のヒドラジン水和物をその温度で、60分間にわたって加えた。その後、攪拌を25℃の温度で、工程管理において、薄層クロマトグラフィー(ジクロロメタン)がニトロベンゼン化合物IIの完全又はほぼ完全な変換を示すまで、約0.5〜50時間続けた。その後反応混合物をガラスフリット(クラスG4)で濾過した。その後フリットを25mlのMTBEで洗浄した。合わせた濾液から、水層が存在する場合にはそれを除去した。有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、低圧下で濃縮した。こうして得られた粗精製産物を、任意にカラムクロマトグラフィーによって精製した。
実施例12-[1-(4-クロロ-フェニル)-ピラゾール-3'-オキシメチル]-N-ヒドロキシ-アニリン
表題の化合物を、2-[1-(4-クロロ-フェニル)-ピラゾール-3'-オキシメチル]-1-ニトロベンゼンを出発化合物として用いた一般的な方法により製造した。
反応時間は25℃で7時間
HPLC分析は、出発化合物の完全な変換を示し、得られた産物はさらなる精製を必要とすることなく98%の純度を示した。表題の化合物を1H-NMRにより同定した。

Claims (15)

  1. 対応する置換ニトロベンゼン化合物の還元による、置換N-フェニルヒドロキシルアミンの製造のためのプロセスであって、前記還元が、置換ニトロベンゼン化合物をルテニウム触媒の存在下でヒドラジンと反応させることにより行われる、上記プロセス。
  2. 置換N-フェニルヒドロキシルアミンが、ヒドロキシルアミン基のオルト位に少なくとも一つの置換基を有する、請求項1に記載のプロセス。
  3. 置換N-フェニルヒドロキシルアミンが、式(I)の化合物である、請求項2に記載のプロセスであって、
    Figure 2013540739
    式中、
    R1はハロゲン、シアノ、C1-C4-アルキル、C1-C4-ハロアルキル、C1-C4-アルコキシ、C1-C4-ハロアルコキシ、C1-C4-アルキルカルボニル、CO2H、CONH2、C1-C4-アルキルアミノカルボニル、ジ-(C1-C4-アルキル)アミノカルボニル、C1-C4-アルキルカルボニルアミノ、C1-C4-アルコキシカルボニル、及び基A-Bから選択され、ここで、
    Aは-O-、-CH2-、-O-CH2-、-CH2-O-、-CH2-O-CO-、-CH=CH-、又は単結合であり、かつ、
    Bはフェニル、ナフチル、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、1,2,4-トリアゾリル、1,2,3-トリアゾリル、フラニル、チエニル、ピロリル、又はC3-C7-シクロアルキルであり、ここで、Bは置換されていなくても、又は1〜3の置換基Reを有しても良く、
    Reはシアノ、ハロゲン、C1-C4-アルキル、C1-C4-ハロアルキル、C1-C4-アルコキシ、C1-C4-ハロアルコキシ、C1-C4-アルキルチオ、C1-C4-アルキルカルボニル、C1-C4-アルコキシカルボニル、CO2H、CONH2、C1-C4-アルキルアミノカルボニル、ジ-(C1-C4-アルキル)アミノカルボニル、C1-C4-アルキルカルボニルアミノ、又は、ハロゲン、C1-C4-アルキル、及びC1-C4-ハロアルキルから選択される1、2、3、若しくは4の置換基で置換されても置換されなくても良いフェニルであり;
    R2はハロゲン、C1-C4-アルキル、C1-C4-ハロアルキル、C1-C4-アルコキシ、C1-C4-ハロアルコキシ、及びC1-C4-アルコキシカルボニルから選択され;かつ、
    nは0、1、2、又は3である、上記プロセス。
  4. R1がハロゲン、C1-C4-アルキル、C1-C4-ハロアルキル、及び基A-Bから選択され、ここでA及びBが請求項3で定義された通りである、請求項3に記載のプロセス。
  5. 置換N-フェニルヒドロキシルアミンIが式(I')の化合物である、請求項3又は4のいずれか1項に記載のプロセスであって、
    Figure 2013540739
    式中、
    Re1は、水素、又はハロゲン及びC1-C4-アルキルから選択される1、2、3、若しくは4の置換基で置換されても置換されなくても良いフェニルであり、
    Re2はハロゲン、C1-C4-アルキル、又はC1-C4-ハロアルキルであり、
    mは0又は1であり、かつ、
    R2及びnは請求項3で定義した通りである、上記プロセス。
  6. 触媒が、不活性な支持物質上に支持されているルテニウムを含む担持触媒である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のプロセス。
  7. 支持物質が、炭素、アルミナ、及びシリカから選択される、請求項6に記載のプロセス。
  8. 触媒が、触媒の総重量を基準として、0.1〜10重量%のルテニウム含量を有する、請求項6又は7のいずれか1項に記載のプロセス。
  9. 触媒が、触媒の総重量を基準として、約2〜7重量%のルテニウム含量を有する、請求項8に記載のプロセス。
  10. 触媒が、20〜200μmの重量平均粒子径を有する、請求項1〜9のいずれか1項に記載のプロセス。
  11. 触媒が、1モルの置換ニトロベンゼン化合物を基準として、10-4〜10-2モルルテニウムの量で用いられる、請求項1〜10のいずれか1項に記載のプロセス。
  12. 水素で処理することによって活性化された触媒が用いられる、請求項1〜11のいずれか1項に記載のプロセス。
  13. ヒドラジンが、用いられる1モルの置換ニトロベンゼン化合物に対し、1.1〜5.5モルの量で用いられる、請求項1〜12のいずれか1項に記載のプロセス。
  14. 全反応混合物中の置換ニトロベンゼン化合物の濃度が、8.0〜25.0%(w/w)である、請求項1〜13のいずれか1項に記載のプロセス。
  15. 還元が、非プロトン性有機溶媒中で行われる、請求項1〜14のいずれか1項に記載のプロセス。
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