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JP2013234148A - 血管新生抑制剤 - Google Patents

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潤司 田中
Hiroshi Shimoda
博司 下田
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弘道 村井
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英彰 原
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Abstract

【課題】新規な成分を有効成分とする血管新生抑制剤を提供することである。
【解決手段】上記課題を解決するための本発明の特徴は以下の通りである。
1.桜の抽出物を有効成分とする血管新生抑制剤。
2.前記桜は桜の花であることを特徴とする上記1.に記載の血管新生抑制剤。
3.Quercetin
3-O-β-D-glucopyranosideを有効成分とする血管新生抑制剤。
【選択図】なし

Description

本発明は新規な血管新生抑制剤に関するものである。本発明は、医薬品、食品等に広く利用することができる。
血管新生(angiogenesis)とは、既存の微細血管から新たな毛細血管が形成される過程をいう。血管新生が正常に起きる場合は胚芽の発生、組織の再生、器官の成長、傷の治癒、女性の生殖器系統の周期的な変化である黄体が発達する時であり、このような場合にも血管新生は厳格に調節されて進行される(Folkman
and Cotran, Int. Rev. Exp. Patho., 16:207−248,1976)。血管新生は、一般にタンパク質分解酵素による血管基底膜の分解、血管内皮細胞の移動、増殖及び血管内皮細胞の分化による管腔の形成、これによる血管の再構成を伴う。
血管新生が自律的に調節されずに、非正常的に発生するようになれば、諸疾患を誘発する。病理学的状態で現れる血管新生と関連した疾患としては、各種癌(腫よう)をはじめとして血管奇形、動脈硬化、血管癒着、浮腫性硬化症などのような血管疾患、角膜移植性血管新生、血管新生性緑内障、糖尿病性網膜症、新生血管による角膜疾患、斑点の変性、翼状片、網膜変性、後水晶体繊維増殖症、顆粒性結膜炎などのような眼科疾患、リューマチ性関節炎、全身性紅斑性ループス、甲状腺炎などのような炎症性疾患、乾癬、毛細管拡張症、化膿性肉芽腫、脂漏性皮膚炎、にきびなどのような皮膚科疾患などがある(米国特許第5,994,292号;大韓民国公開特許特2001−66967;D’Amato R. J. et al., Ophtahlmol.,
102:1261−1262,1995;Arbiser J. L. J. Am. Acad. Derm., 34(3):486−497,1996;O’Brien K. D. et al., Circulation,
93(4):672−682,1996;Hanahan D. et al., Cell, 86:353−364,1996)。
従って、血管新生の機構に対する研究及びこれを抑制することができる物質の発見は癌を含む諸疾患の予防及び治療において重要な関心の焦点になっている。現在血管新生抑制に関する研究は、血管新生の過程において強力な誘導因子として知られているVEGFとbFGF(basic fibroblast growth factor)などの作用を抑制するために競争物質を投与する方法と癌細胞の転移を抑制するために血管内皮細胞におけるインテグリン(integrin)の発現を調節する方法など多様な方法で様々なターゲット遺伝子を対象にして進行している。癌との関連性については血管の吸収と癌細胞により誘導される血管新生との相関関係及びこの時に作用する血管新生誘導タンパク質などについて研究がなされているが、今のところは非常に不備な状態である。血管新生の抑制に対する研究は血管新生と関係がある各種疾患の診断、治療及び/又は予防に応用されることができ、これに対する研究及び開発が引き続き要求されている実情である。
このような背景の下、桜の抽出物及びその構成成分であるQuercetin 3-O-β-D-glucopyranosideについて血管新生抑制作用を有することを見出し、本発明を完成させた。
本発明は、上記問題の解決を課題とするものであり、その目的とするところは、新規な成分を有効成分とする血管新生抑制剤を提供することである。
上記課題を解決するための本発明の特徴は以下の通りである。
1.桜の抽出物を有効成分とする血管新生抑制剤。
2.前記桜は桜の花であることを特徴とする上記1.に記載の血管新生抑制剤。
3.Quercetin 3-O-β-D-glucopyranosideを有効成分とする血管新生抑制剤。
AGE誘発HRMEC増殖に対する桜の花抽出物(CBE)の作用を示すグラフである。 AGE誘発HRMEC増殖に対するQuercetin 3-O-β-D-glucopyranoside(Quercetin3-O- glucopyranoside)の作用を示すグラフである。 VEGF誘発HRMEC増殖に対する桜の花抽出物(CBE)の作用を示すグラフである。 VEGF誘発HRMEC増殖に対するQuercetin 3-O-β-D-glucopyranoside(Quercetin3-O-glucopyranoside)の作用を示すグラフである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の血管新生抑制剤は、Quercetin
3-O-β-D-glucopyranosideを有効成分とすることを特徴とする。
Quercetin 3-O-β-D-glucopyranosideは、下記化学式(1)に示される化合物である。
Figure 2013234148
Figure 2013234148
Quercetin 3-O-β-D-glucopyranosideを得る方法は特に限定されないが、植物から抽出ことが好ましい。より容易にこの化合物を得ることができるからである。また、上記化合物を植物から抽出する場合、桜から抽出することが最も好ましい。
本発明の血管新生抑制剤は、桜の抽出物を有効成分とすることを特徴とする。
サクラ(桜、櫻)は、バラ科サクラ属の植物のうち、ウメ、モモ、アンズなどを除いた総称であり、一般にはサクラ亜属 (Subgen.
Cerasus) に属するものを指す。
本発明で用いる桜の種は特に限定されず、例えば、ヤマザクラ群、エドヒガン群、マメザクラ群、チョウジザクラ群、ミヤマザクラ群、シナミザクラ群等の群に属する桜を用いることができ、更にこれらの群に限定されない。
本発明の原料で用いる桜の部位は特に限定されず、葉、茎、幹、花、根、果実等が挙げられるが、花を用いることが好ましい。
ここで、極性溶媒抽出にて抽出する場合、用いる極性溶媒は特に限定されないが、たとえば、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、アセトン、1,3−ブチレングリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、酢酸、酢酸エチル、エーテル、ヘキサン等が挙げられる。これらのうち、水、メタノール、エタノールが好ましい。有効成分を効率よく抽出できるからである。尚、これらは1種のみ用いても良いし、2種以上併用しても良い。
抽出溶媒として水を使用する場合には、抽出温度20〜100℃、好ましくは40〜70℃程度で行うとよい。これは、抽出温度が低すぎると、有効成分が抽出されにくく、抽出温度が高すぎると桜に含有している、シアン化合物が残留しやすくなり、また、有効成分が分解されやすくなるため、好ましくない。抽出用の水の種類は、特に限定されず、水道水、蒸留水、ミネラル水、アルカリイオン水等を使用することができる。
抽出溶媒として含水エタノールを使用する場合、エタノール濃度20wt%以上、好ましくは25〜50wt%であることが好ましい。20wt%未満の場合、高い抽出量の有効成分を得ることが困難だからである。また、エタノール濃度が30wt%以上の場合、抽出温度は、0〜95℃、好ましくは0〜50℃程度で行うとよい。なお、含水エタノール抽出は、有効成分の含有率を向上させるため、種々の濃度で繰り返すとよい。
また、極性溶媒にて抽出する場合、その抽出方法は特に限定されず、例えば、連続抽出、浸漬抽出、向流抽出等任意の方法を採用することができ、室温ないし還流加熱下において任意の装置を使用することができる。尚、上述した方法にて抽出を行う場合、これらのうちの1つのみを行っても良いし、これらの方法を組み合わせても良い。また、これらの抽出は、1回のみ行っても良いし、2回以上行っても良い。
具体的な方法としては、抽出溶媒を満たした処理槽に抽出原料を投入し、攪拌しながら有効成分を溶出させる。例えば、抽出溶媒として水または含水アルコールを用いる場合には、抽出原料の3〜100倍量程度(重量比)の極性溶媒を使用し、1分〜150時間程度抽出を行う。溶媒中に有効成分を溶出させた後、ろ過して抽出残渣を除くことによって、抽出液を得る。その後、常法に従って抽出液に希釈、濃縮、乾燥、精製等の処理を施し、高濃度のポリフェノール等の有効成分を含有する抽出物を得る。
なお、精製方法としては、例えば、活性炭処理、樹脂吸着処理、シリカゲル処理、イオン交換樹脂、液−液向流分配、膜分離等の方法が挙げられる。
更に、超臨界抽出により抽出を行う場合、このときに用いる超臨界流体は特に限定されないが、たとえば、二酸化炭素及び窒素等が挙げられる。尚、これらは1種のみを用いても良いし、2種類以上併用しても良い。また、これらのうち特に二酸化炭素が好ましい。より容易に有効成分を抽出することができるからである。また、このときの抽出方法は、公知の方法にて行えばよい。その後、常法に従って抽出液に希釈、濃縮、乾燥、精製等の処理を施し、ポリフェノール等の有効成分を含有する抽出物を得る。
本発明の血管新生抑制剤は、各種飲食品の素材として使用することができる。飲食品としては、例えば、食用油(サラダ油、菓子類(ガム、キャンディー、キャラメル、チョコレート、クッキー、スナック、ゼリー、グミ、錠菓等)、麺類(そば、うどん、ラーメン等)、乳製品(ミルク、アイスクリーム、ヨーグルト等)、調味料(味噌、醤油等)、スープ類、飲料(ジュース、コーヒー、紅茶、茶、炭酸飲料、スポーツ飲料等)をはじめとする一般食品や、健康食品(錠剤、カプセル等)、栄養補助食品(栄養ドリンク等)が挙げられる。これらの飲食品に本発明の血管新生抑制剤を適宜配合するとよい。
これら飲食品には、その種類に応じて種々の成分を配合することができ、例えば、ブドウ糖、果糖、ショ糖、マルトース、ソルビトール、ステビオサイド、コーンシロップ、乳糖、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、乳酸、L−アスコルビン酸、dl−α−トコフェロール、エリソルビン酸ナトリウム、グリセリン、プロピレングリコール、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、アラビアガム、カラギーナン、カゼイン、ゼラチン、ペクチン、寒天、ビタミンB類、ニコチン酸アミド、パントテン酸カルシウム、アミノ酸類、カルシウム塩類、色素、香料、保存剤等の食品素材を使用することができる。さらに、健康維持機能をもった本血管新生抑制剤には、他の抗酸化物質や健康食品素材など、例えば、還元型アスコルビン酸(ビタミンC)、ビタミンE、還元型グルタチン、トコトリエノール、ビタミンA誘導体、リコピン、β−クリプトキサンチン、アスタキサンチン、ゼアキサンチン、フコキサンチン、尿酸、ユビキノン、コエンザイムQ10、葉酸、ニンニクエキス、アリシン、セサミン、リグナン類、カテキン、イソフラボン、カルコン、タンニン類、フラボノイド類、クマリン、イソクマリン類、ブルーベリーエキス、健康食品素材)V.(ビタミン)A、V.B1、V.B2、V.B6、V.B12、V.C、V.D、V.E、V.P、コリン、ナイアシン、パントテン酸、葉酸カルシウム、EPA、オリゴ糖、食物繊維、スクアレン、大豆レシチン、タウリン、ドナリエラ、プロテイン、オクタコサノール、DHA、卵黄レシチン、リノール酸、ラクトフェリン、マグネシウム、亜鉛、クロム、セレン、カリウム、ヘム鉄、カキ肉エキス、キトサン、キチンオリゴ糖、コラーゲン、コンドロイチン、エラスチン、ウコン、カンゾウ、クコシ、ケイヒ、サンザシ、生姜、霊芝、シジミエキス、スッポン、カンゾウ、クコシ、ケイヒ、セイヨウ、サンザシ、生姜、霊芝、オオバコ、カミツレ、カモミール、セイヨウタンポポ、ハイビスカス、ハチミツ、ボーレン、ローヤルゼリー、ライム、ラベンダー、ローズヒップ、ローズマリー、セージ、ビフィズス菌、フェーカリス菌、ラクリス、小麦胚芽油、ゴマ油、シソ油、大豆油、中鎖脂肪酸、アガリクス、イチョウ葉エキス、コンドロイチン、玄米胚芽エキス、レイシ、タマネギ、DHA、EPA、DPA、甜茶、冬虫夏草、ニンニク、蜂の子、パパイヤ、プーアル、プロポリス、メグスリの木、ヤブシタケ、ロイヤルゼリー、ノコギリヤシ、ヒアルロン酸、ギャバ、ハープシールオイル、サメ軟骨、グルコサミン、レシチン、ホスファチジルセリン、田七ニンジン、桑葉、大豆抽出物、エキナセア、エゾウコギ、大麦抽出物、オリーブ葉、オリーブ実、ギムネマ、バナバ、サラシア、ガルシニア、キトサン、セントジョーンズワート、ナツメ、ニンジン、パッションフラワー、ブロッコリー、プラセンタ、ハトムギ、ブドウ種子、ピーナッツ種皮、ビルベリー、ブラックコホシュ、マリアアザミ、月桂樹、セージ、ローズマリー、ラフマ、黒酢、ゴーヤー、マカ、紅花、亜麻、ウーロン茶、花棘、カフェイン、カプサイシン、キシロオリゴ糖、グルコサミン、ソバ、シトラス、食物繊維、プロテイン、プルーン、スピルリナ、大麦若葉、核酸、酵母、椎茸、梅肉、アミノ酸、深海鮫抽出物、ノニ、カキ肉、スッポン、シャンピニオン、オオバコ、アセロラ、パイナップル、バナナ、モモ、アンズ、メロン、イチゴ、ラズベリー、オレンジ、フコイダン、メシマコブ、クランベリー、亜鉛、鉄、シルクペプチド、グリシン、ナイアシン、チェストツリー、セラミド、L−システイン、赤ワイン果汁、ミレット、ホーステール、ビオチン、センテラアジアティカ、ハスカップ、ピクノジェノール、フキ、ルバーブ、クローブ、プーアル、クエン酸、ビール酵母、メリロート、ブラックジンガー、ショウガ、ガジュツ、ナットウキナーゼ、ベニコウジ、トコトリエノール、ラクトフェリン、韃靼ソバ、ココア、ドクダミ、キウイ、ヒハツ、ハスの葉、パフィア、スターフルーツなども配合することができる。
具体的な製法としては、桜の溶媒抽出物を粉末セルロースとともにスプレードライまたは凍結乾燥し、これを粉末、顆粒、打錠または溶液にすることで容易に飲食品(インスタント食品等)に含有させることができる。
桜抽出物を、例えば、油脂、エタノール、グリセリンあるいはこれらの混合物に溶解して液状にし、飲料に添加するか、固形食品に添加することが可能である。必要に応じてアラビアガム、デキストリン等のバインダーと混合して粉末状あるいは顆粒状にし、飲料に添加するか固形食品に添加することも可能である。
本発明の血管新生抑制剤を飲食品に適用する場合の添加量としては、病気予防や健康維持が主な目的であるので、飲食品に対して有効成分の含量が合計1〜20wt%以下であるのが好ましい。
本発明の血管新生抑制剤は、薬品(医薬品および医薬部外品を含む。)の素材として用いてもよい。薬品製剤用の原料に、本発明の血管新生抑制剤を適宜配合して製造することができる。本発明の血管新生抑制剤に配合しうる製剤原料としては、例えば、賦形剤(ブドウ糖、乳糖、白糖、塩化ナトリウム、デンプン、炭酸カルシウム、カオリン、結晶セルロース、カカオ脂、硬化植物油、カオリン、タルク等)、結合剤(蒸留水、生理食塩水、エタノール水、単シロップ、ブドウ糖液、デンプン液、ゼラチン溶液、カルボキシメチルセルロース、リン酸カリウム、ポリビニルピロリドン等)、崩壊剤(アルギン酸ナトリウム、カンテン、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセリド、デンプン、乳糖、アラビアゴム末、ゼラチン、エタノール等)、崩壊抑制剤(白糖、ステアリン、カカオ脂、水素添加油等)、吸収促進剤(第四級アンモニウム塩基、ラウリル硫酸ナトリウム等)、吸着剤(グリセリン、デンプン、乳糖、カオリン、ベントナイト、硅酸等)、滑沢剤(精製タルク、ステアリン酸塩、ポリエチレングリコール等)などが挙げられる。
本発明による血管新生抑制剤の投与方法は、一般的には、錠剤、丸剤、軟・硬カプセル剤、細粒剤、散剤、顆粒剤、液剤等の形態で経口投与することができるが、非経口投与であってもよい。非経口剤として投与する場合は、溶液の状態、または分散剤、懸濁剤、安定剤などを添加した状態で、ハップ剤、ローション剤、軟膏剤、チンキ剤、クリーム剤などの剤形で適用することができる。
投与量は、投与方法、病状、患者の年齢等によって変化し得るが、大人では、通常、1日当たり有効成分として1〜1000mg、子供では通常0.5〜500mg程度投与することができる。
血管新生抑制剤の配合比は、剤型によって適宜変更することが可能であるが、通常、経口または粘膜吸収により投与される場合は約0.3〜15.0wt%、非経口投与による場合は、0.01〜10wt%程度にするとよい。なお、投与量は種々の条件で異なるので、前記投与量より少ない量で十分な場合もあるし、また、範囲を超えて投与する必要のある場合もある。
以下、本発明の実施例を説明する。なお、以下に示す実施例は、本発明によって得られる組成物の血管新生抑制作用の確認をするために説明するもので、本発明の範囲は、これらの製品および製法に限定されるものではない。
実施例1:桜の花抽出物の製造
桜[ヤエザクラ(カンザン),Prunus lannesiana
Wils. cv. Sekiyama]の花部を30%(W/W)含水エタノールで1時間抽出(60℃)を行った。
実施例2:Quercetin
3-O-β-D-glucopyranoside(Quercetin3-O-glucopyranoside)について
実施例2としてQuercetin
3-O-β-D-glucopyranoside(Quercetin3-O- glucopyranoside)(EXTRASYNTHESE社製)をもちいた。
試験例1:AGE(Advanced Glycation Endproducts)誘発ヒト網膜毛細血管内皮細胞(HRMEC)増殖に対する桜の花抽出物及びQuercetin3-O-β-D-glucopyranosideの作用
糖尿病網膜症と関係の深い網膜血管新生に対する桜の花抽出物(CBE)及びQuercetin3-O-β-D-glucopyranoside(Quercetin3-O-glucopyranoside)の作用について検討した。まず初めにAGE(Human glycated albumin; Sigma社製)誘発HRMEC試験を指標にCBE及びQuercetin3-O-glucopyranosideの血管新生に対する評価を行った。その結果をCBEについて図1、Quercetin3-O-glucopyranosideについて図2に示す。その結果,AGEによって増殖したHRMECをCBE及びQuercetin-3-O-
glucopyranosideは有意に抑制した(図1及び図2)。
試験例2:VEGF(vascular endothelial growth
factor;血管内皮増殖因子)誘発HRMEC増殖に対する桜の花抽出物の作用
AGEによってVEGFが増加する事が知られている。そこで,VEGF誘発HRMECにおける増殖試験を指標に桜の花抽出物(CBE)及びQuercetin3-O-β-D-glucopyranoside(Quercetin3-O-glucopyranoside)の血管新生に対する評価を行った。その結果をCBEについて図3、Quercetin3-O- glucopyranosideについて図4に示す。その結果,VEGFによって増殖したHRMECをCBE及びQuercetin3-O-glucopyranosideは有意に抑制した(図3、図4)。
本発明による血管新生抑制剤(桜の花抽出物)の配合例を示す。
配合例1:チューインガム
砂糖 53.0wt%
ガムベース 20.0
グルコース 10.0
水飴 16.0
香料 0.5
血管新生抑制剤 0.5
100.0wt%
配合例2:グミ
還元水飴 40.0wt%
グラニュー糖 20.0
ブトウ糖 20.0
ゼラチン 4.7
水 9.68
ユズ果汁 4.0
ユズフレーバー 0.6
色素 0.02
血管新生抑制剤 1.0
100.0wt%
配合例3:キャンディー
砂糖 50.0wt%
水飴 33.0
水 14.4
有機酸 2.0
香料 0.2
血管新生抑制剤 0.4
100.0wt%
配合例4:ヨーグルト(ハード・ソフト)
牛乳 41.5wt%
脱脂粉乳 5.8
砂糖 8.0
寒天 0.15
ゼラチン 0.1
乳酸菌 0.005
血管新生抑制剤 0.4
香料 微量
水 残余
100.0wt%
配合例5:清涼飲料
果糖ブドウ糖液糖 30.0wt%
乳化剤 0.5
血管新生抑制剤 0.3
香料 適量
精製水 残余
100.0wt%
配合例6:錠菓
砂糖 76.4wt%
グルコース 19.0
ショ糖脂肪酸エステル 0.2
血管新生抑制剤 0.5
精製水 3.9
100.0wt%
配合例7:ソフトカプセル
玄米胚芽油 47.0wt%
ユズ種子油 40.0
乳化剤 12.0
血管新生抑制剤 1.0
100.0wt%
配合例8:錠剤
乳糖 54.0wt%
結晶セルロース 30.0
澱粉分解物 10.0
グリセリン脂肪酸エステル 5.0
血管新生抑制剤 1.0
100.0wt%
以上により、本発明は、新規な成分を有効成分とする血管新生抑制剤を提供することができる。

Claims (3)

  1. 桜の抽出物を有効成分とする血管新生抑制剤。
  2. 前記桜は桜の花であることを特徴とする請求項1に記載の血管新生抑制剤。
  3. Quercetin
    3-O-β-D-glucopyranosideを有効成分とする血管新生抑制剤。
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