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JP2013225357A - 磁気ディスク、潤滑層形成用組成物及び潤滑層の形成方法 - Google Patents

磁気ディスク、潤滑層形成用組成物及び潤滑層の形成方法 Download PDF

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JP2013225357A JP2012096231A JP2012096231A JP2013225357A JP 2013225357 A JP2013225357 A JP 2013225357A JP 2012096231 A JP2012096231 A JP 2012096231A JP 2012096231 A JP2012096231 A JP 2012096231A JP 2013225357 A JP2013225357 A JP 2013225357A
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Mitsuo Kodama
光生 児玉
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Samsung Electro Mechanics Japan Advanced Technology Co Ltd
University of Yamanashi NUC
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Abstract

【課題】ディスク駆動装置の動作信頼性を保持しながら大容量化を図ることができる技術を提供する。
【解決手段】基板と、陽イオン基及び陰イオン基を有する棒状イオン性液晶化合物を含み、前記基板上に設けられた潤滑層18と、を備える磁気ディスク。前記陽イオン基がピリジニウム基であり、前記棒状イオン性液晶化合物は、特定の式で表されるピリジニウム塩型液晶化合物30a、30b、30c、40aである。磁気ディスクの基板上に潤滑層形成用組成物を付着させ、付着した潤滑層形成用組成物を加熱し潤滑層を形成する。
【選択図】図3

Description

本発明は、磁気ディスクと、この磁気ディスクが備える潤滑層を形成するための潤滑層形成用組成物と、潤滑層の形成方法とに関する。
近年、ハードディスクドライブ等のディスク駆動装置は、小型化、大容量化が進み、種々の電子機器に搭載されている。ディスク駆動装置は、磁気ディスクと磁気ヘッドスライダー(以下では適宜、磁気ヘッドスライダーを「ヘッド」という)とを備える。磁気ディスクには、同心状に多数の記録・再生トラックが形成されている。ディスク駆動装置の駆動時、ヘッドは、回転駆動機構により回転駆動されている磁気ディスクの表面に、僅かな隙間(以下では適宜、この隙間の大きさを「ヘッド浮上量」という)を介して対向する。そして、記録トラックをトレースするようにヘッドが制御され、磁気ディスクへのデータの記録と、記録されたデータの読み取りとが行われる。
このようなディスク駆動装置には、磁気ディスクの表面に潤滑層を有するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に開示された磁気ディスクは、その表面にディスコティック液晶化合物を含む潤滑層を有し、これによりヘッドの振動の軽減や、走行安定性と連続摺動耐久性の向上を図っている。
特開2004−62956号公報
上述したディスク駆動装置には、大容量化が常に要求されている。ディスク駆動装置を大容量化する方法としては、磁気ディスクの記録密度を向上させることが考えられる。磁気ディスクの記録密度を向上させる場合、ヘッド浮上量を低減させることがある。しかしながら、ヘッド浮上量を小さくした場合、ヘッドが磁気ディスクの表面に接触(衝突)する可能性が高まるため、ヘッドの衝突により磁気ディスクの表面に設けられた潤滑層が剥がれる可能性が高くなる。特に、ディスク駆動装置は、ノートパソコンや携帯型音楽再生機器等の携帯型電子機器への搭載が進んでいる。このような携帯型電子機器へ搭載されたディスク駆動装置では、電子機器の落下等により衝撃が加わる場合がある。そのため、磁気ディスクとヘッドとが衝突して潤滑層が剥がれる可能性はより一層高い。
磁気ディスク表面の潤滑層が剥がれると、潤滑層が剥がれた部分でヘッドの走行が乱れやすく、正常なデータの記録や読み取り動作に支障をきたすおそれがある。このような状況において、本発明者らは、ディスク駆動装置の動作信頼性を保持しながらディスク駆動装置の大容量化を図る上で、従来の磁気ディスクには改善の余地があることを認識するに到った。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、ディスク駆動装置の動作信頼性を保持しながら大容量化を図ることができる技術を提供することにある。
本発明のある態様は、磁気ディスクである。この磁気ディスクは、基板と、陽イオン基及び陰イオン基を有する棒状イオン性液晶化合物を含み、前記基板上に設けられた潤滑層と、を備えることを特徴とする。
この態様によれば、潤滑層を剥がれ難くすることができるため、ディスク駆動装置の動作信頼性を保持しながらディスク駆動装置の大容量化を図ることができる。
本発明の他の態様は、潤滑層形成用組成物である。この潤滑層形成用組成物は、磁気ディスクの基板上に設けられる潤滑層を形成するための潤滑層形成用組成物であって、陽イオン基及び陰イオン基を有する棒状イオン性液晶化合物を含有することを特徴とする。
本発明のさらに他の態様は、潤滑層の形成方法である。この潤滑層の形成方法は、磁気ディスクの基板上に上記態様の潤滑層形成用組成物を付着させる工程と、基板上に付着した潤滑層形成用組成物を加熱する工程と、を含むことを特徴とする。
なお、上述した各要素を適宜組み合わせたものや、本発明の構成要素や表現を方法、装置、システムなどの間で相互に置換したものも、本件特許出願によって特許による保護を求める発明の範囲に含まれうる。
本発明によれば、ディスク駆動装置の動作信頼性を保持しながら大容量化を図ることができる技術を提供することができる。
実施の形態に係る磁気ディスクを備えるディスク駆動装置の概略構造を示す平面図である。 実施の形態に係る磁気ディスクにおける図1のA−A線に沿った概略断面図である。 潤滑層の一部を拡大して示す模式図である。 棒状イオン性液晶化合物が積層された構造をとる潤滑層の一部を拡大して示す模式図である。
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一又は同等の構成要素、部材には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、各図面における部材の寸法は、理解を容易にするために適宜拡大、縮小して示される。また、各図面において実施の形態を説明する上で重要ではない部材の一部は省略して表示する。また、実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
図1は、実施の形態に係る磁気ディスクを備えるディスク駆動装置の概略構造を示す平面図である。なお、図1では、ディスク駆動装置の内部構造を示すために、トップカバーの図示を省略している。ディスク駆動装置1は、ベース2と、ハブ4と、磁気ディスク10と、データリード/ライト部20と、トップカバー(図示せず)とを備える。以下では、ベース2に対して磁気ディスク10が搭載される側をディスク駆動装置1の上側として説明する。
ベース2は、例えば、アルミニウムの合金をダイカストにより成形して形成される部材である。ハブ4は、軸受ユニット(図示せず)を介してベース2に対して回転可能に取り付けられる。ハブ4は、ブラシレスモータ(図示せず)により回転駆動される。磁気ディスク10は、ハブ4に載置され、ハブ4の回転にともなって回転する。磁気ディスク10の構成については後に詳述する。
データリード/ライト部20は、ヘッド22と、スイングアーム24と、ピボットアセンブリ26と、ボイスコイルモータ28とを有する。ヘッド22は、スイングアーム24の先端部に取り付けられ、磁気ディスク10へのデータの記録と、磁気ディスク10からのデータの読み取りとを行う。ピボットアセンブリ26は、スイングアーム24を揺動自在に支持する。スイングアーム24の揺動によって、ヘッド22がベース2及び磁気ディスク10に対して変位する。ボイスコイルモータ28は、ピボットアセンブリ26を中心にスイングアーム24を揺動させ、ヘッド22を磁気ディスク10上の所望の位置に移動させる。ピボットアセンブリ26及びボイスコイルモータ28は、ヘッド22の位置を制御する公知の技術を用いて構成される。トップカバーは、ねじ等の締結部材(図示せず)を用いてベース2に固定される。
続いて、磁気ディスク10の構成について詳細に説明する。図2は、実施の形態に係る磁気ディスクにおける図1のA−A線に沿った概略断面図である。磁気ディスク10は、基板11と、下地層12と、磁性層14と、保護層16と、潤滑層18とを備える。本実施の形態では、基板11の表面に下地層12が設けられ、下地層12の表面に磁性層14が設けられ、磁性層14の表面に保護層16が設けられ、保護層16の表面に潤滑層18が設けられている。
基板11は、非磁性体で構成され、例えばアルミニウム等の金属やガラス等の無機質材料から形成することができる。下地層12は、磁性層14を基板11に固着させる機能を有する。本実施の形態では、ガラスからなる基板11の表面上に、Cr合金からなる下地層12が形成されている。磁性層14は、情報を記録する層である。磁性層14を構成する材料は、所望の記録密度を得るために適宜選択することができる。本実施の形態では、下地層12の表面に、CoCrTaPtを主体とする磁性材料をスパッタ法で付着させることで、磁性層14が形成されている。
保護層16は、ヘッド22から磁性層14の表面を保護するための層である。保護層16は、例えば、カーボンを主体とする材料をスパッタ法もしくはIBD(IonBeamDeposition)法で付着させて形成することができる。スパッタ法を用いる場合、保護層16の硬度を向上させる観点から、アルゴンや窒素ガス雰囲気中で実施することが好ましい。潤滑層18は、磁気ディスク10の最外層を構成している。潤滑層18を設けることで、ヘッド22が磁気ディスク10に接触した状態でヘッド22を磁気ディスク10の表面上で滑らせることができ、ヘッド22や磁気ディスク10の表面が破壊されることを防止することができる。
以下、潤滑層18の構成について詳細に説明する。図3は、潤滑層の一部を拡大して示す模式図である。なお、図3では、一例として後述する第1のピリジニウム塩型液晶化合物と第2のピリジニウム塩型液晶化合物とが混合された状態を示している。
潤滑層18は、陽イオン基及び陰イオン基を有する棒状イオン性液晶化合物を含む。棒状イオン性液晶化合物の陽イオン基は、好ましくはピリジニウム基である。すなわち、棒状イオン性液晶化合物は、好ましくはピリジニウム塩型液晶化合物である。このようなピリジニウム塩型液晶化合物としては、下記式(1)で表される第1のピリジニウム塩型液晶化合物及び下記式(2)で表される第2のピリジニウム塩型液晶化合物を挙げることができる。
Figure 2013225357
[式(1)中、Rはアルキル基、アルコキシ基、又は下記式(3)で表される不飽和結合を有する基を示す。A及びBはそれぞれ独立に、O、S、NH又はCHを示す。XはSO 、COO、PO 又はPO 2−を示す。nは0以上の整数を示す。]
Figure 2013225357
[式(2)中、R及びRはそれぞれ独立に、アルキル基、アルコキシ基、又は下記式(3)で表される不飽和結合を有する基を示す。A及びBはそれぞれ独立に、O、S、NH又はCHを示す。Yはハロゲン原子を示す。]
Figure 2013225357
[式(3)中、RはH又はCHを示し、Zは、(CH、(CH−O、CO−O−(CH、CO−O−(CH−O、C−CH−O、又はCOを示す。mは1〜30の整数である。]
上記式(1)において、Rのアルキル基は、直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基である。このアルキル基の炭素数は、好ましくは3〜24であり、より好ましくは5〜22であり、さらに好ましくは8〜18である。アルキル基の炭素数を3以上とすることで、潤滑層18の潤滑効果をより確実に発揮させることができる。また、アルキル基の炭素数を24以下とすることで、潤滑層18に含まれる棒状イオン性液晶化合物をより結晶化し難くすることができる。Rのアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、ペンタデシル基、オクタデシル基等を挙げることができる。
のアルコキシ基は、直鎖状又は分岐鎖状のアルコキシ基である。このアルコキシ基は、好ましくは、CH(2+1)O−で表されるアルコキシ基であり、qは1〜30が好ましく、7〜22がより好ましい。
上記式(1)において、nは好ましくは1〜20であり、より好ましくは1〜5であり、さらに好ましくは3又は4である。nを1以上とすることで、第1のピリジニウム塩型液晶化合物の陰イオン基(X)を、潤滑層18の下層(本実施の形態では保護層16)表面の陽イオン部分に結合させやすくすることができる。また、nを20以下とすることで、アルキル鎖による立体障害を抑制して、第1のピリジニウム塩型液晶化合物の陽イオン部分(N)を潤滑層18の下層表面の陰イオン部分に結合させやすくすることができる。
上記式(2)で表される第2のピリジニウム塩型液晶化合物において、Rのアルキル基は、上記式(1)のRと同様に、直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基であり、炭素数は好ましくは3〜24であり、より好ましくは5〜22であり、さらに好ましくは8〜18である。炭素数の好ましい範囲は、上述のように潤滑層18の潤滑効果を発揮させる観点と、棒状イオン性液晶化合物の結晶化を抑制する観点とから定めることができる。Rのアルキル基の具体例は、Rのアルキル基と同様である。
のアルキル基は、直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基であり、炭素数は好ましくは0〜20であり、より好ましくは0〜3である。このアルキル基の炭素数を20以下とすることで、アルキル鎖による立体障害を抑制して、第2のピリジニウム塩型液晶化合物の陽イオン部分(N)を潤滑層18の下層表面の陰イオン部分に結合させやすくすることができる。
及びRのアルコキシ基は、上記式(1)のRと同様に、直鎖状又は分岐鎖状のアルコキシ基であり、好ましくは、CH(2+1)O−で表されるアルコキシ基である。Rのアルコキシ基におけるqは、1〜30が好ましく、7〜22がより好ましい。Rのアルコキシ基におけるqは、0〜20が好ましく、0〜3がより好ましい。
第1のピリジニウム塩型液晶化合物及び第2のピリジニウム塩型液晶化合物は、R及びRの長さを調整することで、その全体の長さを調整することができる。一例として、これらのピリジニウム塩型液晶化合物は、その液晶部分、すなわち2つの環構造を含む部分の長さが略1nmであり、R及びRの長さが略1〜2nmである。したがって、全体の長さが略2〜3nmである。
潤滑層18を構成する棒状イオン性液晶化合物は、上述のように陽イオン基及び陰イオン基を末端部分に有する。一方で、図3に示すように、保護層16の表面は、電荷の偏りにより陽イオン部分と陰イオン部分とを有する。そのため、棒状イオン性液晶化合物は、その陽イオン基が保護層16の表面の陰イオン部分とイオン結合し、あるいはその陰イオン基が保護層16の表面の陽イオン部分とイオン結合する。例えば、第1のピリジニウム塩型液晶化合物30aは、その陽イオン基が保護層16の陰イオン部分とイオン結合し、その陰イオン基が保護層16の陽イオン部分とイオン結合している。また、第2のピリジニウム塩型液晶化合物40aは、その陽イオン基が保護層16の陰イオン部分とイオン結合している。
第1のピリジニウム塩型液晶化合物及び第2のピリジニウム塩型液晶化合物は、保護層16の表面に結合するだけでなく、保護層16の表面に結合した棒状イオン性液晶化合物の陽イオン基もしくは陰イオン基にイオン結合した状態でも存在しうる。例えば、第1のピリジニウム塩型液晶化合物30bは、その陰イオン基が保護層16の陽イオン部分とイオン結合し、その陽イオン基が第1のピリジニウム塩型液晶化合物30cの陰イオン基とイオン結合している。第1のピリジニウム塩型液晶化合物30cは、第1のピリジニウム塩型液晶化合物30bを介して保護層16に結合している。なお、潤滑層18は、第1のピリジニウム塩型液晶化合物と第2のピリジニウム塩型液晶化合物とが混合されたものに限定されず、第1のピリジニウム塩型液晶化合物及び第2のピリジニウム塩型液晶化合物の少なくとも一方を含んでいればよい。
このように、棒状イオン性液晶化合物は、イオン結合により保護層16の表面に直接又は他の棒状イオン性液晶化合物を介して強固に結合して、保護層16の表面に対して規則的に垂直配列する。すなわち、潤滑層18は、棒状イオン性液晶化合物が均一に垂直配列したスメクチック液晶相の皮膜を有する。潤滑層18がこの皮膜を有することで、ヘッド22の接触や衝突から磁気ディスク10を強固に保護することができる。また、この皮膜は、潤滑層18の摩擦係数を低減するように作用するため、これによっても磁気ディスク10の破損を抑制することができる。
潤滑層18において、棒状イオン性液晶化合物は、その末端部分が保護層16の表面にイオン結合しているため、保護層16の表面から剥がれ難く、また蒸発による消失も極めて少ない。したがって、磁気ディスク10の表面へヘッド22が衝突しても潤滑層18は剥離、破損し難いため、ディスク駆動装置1の正常なデータの記録や読み出し動作に支障をきたすおそれを低減することができる。よって、ディスク駆動装置1の動作信頼性を保持しながらディスク駆動装置1の大容量化を図ることができる。
潤滑層18は、下層(保護層16)と接する領域の少なくとも一部に、棒状イオン性液晶化合物の単分子層18aを有することが好ましい。また、潤滑層18は、全面が単分子層18aであることがより好ましい。潤滑層18を棒状イオン性液晶化合物の単分子層18aとすることで、潤滑層18の層厚を小さくすることができる。潤滑層18が単分子層18aからなる場合、潤滑層18の層厚は棒状イオン性液晶化合物の長さと略等しく、例えば略2〜3nmとすることができる。なお、潤滑層18の層厚は、エリプソメータにより測定することができる。単分子層18aは、潤滑層18を形成するための潤滑層形成用組成物における棒状イオン性液晶化合物の含有量を調整することで、形成することができる。
また、潤滑層18は、非イオン性液晶化合物及び非イオン性潤滑油の少なくとも一方を含むことが好ましい。非イオン性液晶化合物としては、従来公知の一般的な非イオン性液晶化合物を用いることができ、例えば下記式(4)〜(13)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2013225357
[式(4)〜(13)中、R及びRはそれぞれ独立に、直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を示す。]
また、非イオン性潤滑油としては、従来公知の一般的な潤滑油を用いることができ、例えばエーテル系、エステル系、及びオレフィン系等の潤滑油を挙げることができる。
棒状イオン性液晶化合物は、非イオン性の液晶化合物もしくは潤滑油に比べて、電荷の偏りがある保護層16の表面に対して親和性が高い。そのため、潤滑層18が棒状イオン性液晶化合物に加えて非イオン性の液晶化合物もしくは潤滑油を含む場合、図3に示すように、棒状イオン性液晶化合物は保護層16側に移動して保護層16との界面部分に単分子層18aを形成し、非イオン性の液晶化合物もしくは潤滑油は、単分子層18aの上側で非イオン性化合物層18bを形成する。非イオン性化合物層18bは、水分が磁気ディスク10の表面から内部に侵入することを妨げることができる。これにより、棒状イオン性液晶化合物を保護層16の表面により結合させやすくすることができる。本実施の形態の潤滑層18は、非イオン性液晶化合物として上記式(4)で表されるビフェニル型(R及びRは炭素数10のアルキル基)の非イオン性液晶化合物50を含有し、非イオン性液晶化合物50により非イオン性化合物層18bが形成されている。なお、非イオン性液晶化合物及び非イオン性潤滑油は、どちらか一方のみを使用してもよいし、両方を使用してもよい。また、それぞれ1種類のみを使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
潤滑層形成用組成物における棒状イオン性液晶化合物の含有量が、単分子層18aを形成するための含有量を上回る場合、図4に示すように、潤滑層18は、棒状イオン性液晶化合物が積層された構造をとる。図4は、棒状イオン性液晶化合物が積層された構造をとる潤滑層の一部を拡大して示す模式図である。
すなわち、潤滑層18に含まれる棒状イオン性液晶化合物の一部は、炭化水素鎖を有する上記式(1)におけるR部分もしくは上記式(2)におけるR部分が、単分子層18aを形成する棒状イオン性液晶化合物のR部分もしくはR部分と疎水性相互作用等によって近接し、単分子層18aを形成する棒状イオン性液晶化合物に吸着する。
これにより、棒状イオン性液晶化合物の二重層18cが形成される。二重層18cにおいて、一層目の棒状イオン性液晶化合物と二層目の棒状イオン性液晶化合物は、陽イオン基及び陰イオン基を有する先端部分が互いに外側を向くようにして配列される。そのため、保護層16の表面に結合した二重層18cの表面には、他の二重層18cの陽イオン基及び/又は陰イオン基がイオン結合することで、他の二重層18cが積層されうる。すなわち、二重層18cが繰り返し単位となって、潤滑層形成用組成物中の棒状イオン性液晶化合物の含有量に応じて二重層18cが複数積層される。二重層18cの積層数を調整することで、潤滑層18の層厚の調整が可能である。図4では、一例として2つの二重層18cが積層された構造を有する潤滑層18を示している。なお、潤滑層18が非イオン性液晶化合物もしくは非イオン性潤滑油を含む場合には、二重層18cの積層構造の上に非イオン性化合物層18b(図3参照)が積層される。
潤滑層18を構成する棒状イオン性液晶化合物は、常温で結晶(固体)もしくはスメクチック液晶状態をとる。なお、棒状イオン性液晶化合物は、常温でスメクチック液晶状態をとる場合、潤滑層18内でガラス状態で存在する。そして、ディスク駆動装置1が駆動されて磁気ディスク10の表面にヘッド22が接触すると、摩擦熱により棒状イオン性液晶化合物が結晶状態からスメクチック液晶状態に相転移し、もしくはガラス状態からスメクチック液晶状態となる。なお、摩擦熱により棒状イオン性液晶化合物は、スメクチック液晶状態から液体状態に相転移しうる。液体状態となった棒状イオン性液晶化合物は、高いメニスカス力を発生してヘッド22の走行安定性を向上させることができると考えられる。
潤滑層18を構成する棒状イオン性液晶化合物の相転移温度は、その構造に応じて異なる。例えば、上記式(2)でA及びBがO、RがC、YがBrである第2のピリジニウム塩型液晶化合物は、RがC15の場合、結晶相からスメクチックA液晶相への相転移温度が35℃、逆方向の相転移温度が−25℃である。また、RがC1021の場合、結晶相からスメクチックA液晶相への相転移温度が60℃、逆方向の相転移温度が−25℃、スメクチックA液晶相から等方性液体相への相転移温度及び逆方向への相転移温度が139℃である。また、RがC19の場合、結晶相からスメクチックA液晶相への相転移温度が77℃、逆方向の相転移温度が−1℃、スメクチックA液晶相から等方性液体相への相転移温度及び逆方向への相転移温度が100℃である。また、RがC1123の場合、結晶相からスメクチックA液晶相への相転移温度が88℃、逆方向の相転移温度が−18℃、スメクチックA液晶相から等方性液体相への相転移温度及び逆方向への相転移温度が180℃である。
潤滑層18に含まれる棒状イオン性液晶化合物は、1種類のみであってもよいが、潤滑層18の相転移温度の調整しやすさの観点から、潤滑層18は、複数種類の棒状イオン性液晶化合物を含むことが好ましい。潤滑層18が複数種類の棒状イオン性液晶化合物を含むことで、1種類の棒状イオン性液晶化合物のみを含む場合に比べて、潤滑層18の相転移温度の調整自由度を高めることができる。ここで、前記「複数種類の棒状イオン性液晶化合物を含む」には、第1のピリジニウム塩型液晶化合物及び第2のピリジニウム塩型液晶化合物を、それぞれ1種類ずつ含む場合と、いずれか一方のみを複数種類含む場合と、いずれか一方の複数種類と他方の1種類とを含む場合と、両方を複数種類含む場合とが含まれる。潤滑層形成用組成物に複数種類の棒状イオン性液晶化合物を混合し、その配合割合を適宜調整することで、潤滑層18が液晶状態をとる温度範囲を拡げることができる。これにより、磁気ディスク10を好適に使用可能な温度範囲を拡げることができる。例えば、潤滑層18は、スメクチック液晶状態から液体状態への相転移温度が100℃近傍に設定される。
<潤滑層形成用組成物の調製方法>
(第1のピリジニウム塩型液晶化合物の合成)
上記式(1)で表される第1のピリジニウム塩型液晶化合物は、例えば、下記反応式(14)にしたがって、下記式(15)で表される化合物と下記式(16)で表される化合物とを溶媒中で反応させることにより合成することができる。
Figure 2013225357
[反応式(14)中、R、A、B、X及びnは、上記式(1)中のものと同義である。Xは、SO、CO、又はP(O)(OH)を示す。]
反応式(14)の反応において、上記式(15)で表される化合物と、上記式(16)で表される化合物とを、式(15)の化合物に対する式(16)の化合物のモル比が0.90〜1.10、好ましくは0.95〜1.05となるように、アセトニトリル等の溶媒中に添加する。そして、10〜100℃、好ましくは50〜90℃で、1〜60時間、好ましくは10〜50時間、窒素などの不活性雰囲気中で反応を行うことにより、第1のピリジニウム塩型液晶化合物を合成することができる。
一方の出発物質である上記式(15)で表される化合物は、公知の化合物であり、上記式(15)中のA及びBが酸素原子又は硫黄原子である化合物を例にとると、下記反応スキーム(1)にしたがって製造することができる。すなわち、まずマロン酸エステル(17)とハロゲン化物(RX’)とを反応させて、R導入マロネイト(18)を得る。そして、R導入マロネイト(18)をLiAlHで還元して、化合物(19a)(R導入1,3−プロパンジオール)を得る。また、必要に応じてさらに反応を行い、化合物(19a)から化合物(20)を経て化合物(19b)を合成する。又は、化合物(19a)から化合物(21)を経て化合物(19c)を合成する。次いで、得られた化合物(19a)、化合物(19b)又は化合物(19c)と、ピリジン−4−アルデヒド(22)とを反応させることにより、化合物(15)を得ることができる(例えば、特開平10−53585号公報、特開平10−338691号公報、特開2000−86656号公報、「Liquid Crystals」,1999,Vol.26,No.10,1425−1428参照)。
Figure 2013225357
[反応スキーム(1)中、Rは上記式(1)中のものと同義である。A、Bはそれぞれ独立にO又はSを示す。Rはアルキル基を示す。X’、X’’はハロゲン原子を示す。]
また、上記式(15)中のA及びBがCHである化合物は、下記反応スキーム(2)にしたがって製造することができる。すなわち、まず4−置換フェノール(23)をラネ−ニッケル、ラネ−コバルトなどの接触還元触媒の存在下で水素と反応させることにより、4−置換シクロヘキサノール(24)を合成する(例えば、特開昭58−164676号公報、特開平2−131405号公報、米国特許第3,322,619号公報参照)。次いで、得られた4−置換シクロヘキサノール(24)と、ピリジン−4−アルデヒド(22)とを反応させることにより、化合物(15)を得ることができる。
Figure 2013225357
[反応スキーム(2)中、Rは上記式(1)中のものと同義である。]
また、もう一方の出発原料である上記式(16)で表される化合物のうち、上記式(16)中のXがSO又はCOである化合物は、市販品を用いることができる。また、上記式(16)中のXがP(O)(OH)である化合物は、例えば下記反応スキーム(3)にしたがって、下記式(25)で表される化合物から下記式(26)で表される化合物(26)、下記式(27)で表される化合物を経ることで得られる(例えば、「Journal of the American Chemical Society」, Vol.87,No.2,253−260p,1965年参照)。
Figure 2013225357
[反応スキーム(3)中、nは上記式(1)中のものと同義である。]
(第2のピリジニウム塩型液晶化合物の合成)
上記式(2)で表される第2のピリジニウム塩型液晶化合物は、例えば、下記反応式(28)にしたがって合成することができる。すなわち、まず上述の反応スキーム(1)と同様の手順にしたがって化合物(29)を得る。次いで、得られた化合物(29)と、ハロゲン化物(30)とを反応させて、第2のピリジニウム塩型液晶化合物を得る(例えば、特開平10−53585号公報、特開2000−86723号公報、特開2000−86656号公報、「Liquid Crystals」,1999,Vol.26,No.10,1425−1428参照)。
Figure 2013225357
[反応式(28)中、R、R、A、B及びYは、上記式(2)中のものと同義である。]
上述のようにして得られた第1のピリジニウム塩型液晶化合物及び/又は第2のピリジニウム塩型液晶化合物と、必要に応じて非イオン性液晶化合物や非イオン性潤滑油とを、アルコール等の溶媒に添加し、混合することで潤滑層形成用組成物を調製することができる。溶媒は、棒状イオン性液晶化合物等を溶解できるものであれば特に限定されない。潤滑層形成用組成物における棒状イオン性液晶化合物の含有量は、例えば、潤滑層形成用組成物の全量に対して0.001wt%〜10wt%とすることができる。
<潤滑層の形成方法>
潤滑層18は、次のようにして磁気ディスク10の基板11上に設けることができる。すなわち、まず磁気ディスク10の基板11上に、陽イオン基及び陰イオン基を有する棒状イオン性液晶化合物を含有する潤滑層形成用組成物を付着させる。本実施の形態では、基板11に形成された保護層16の主表面に潤滑層形成用組成物を付着させる。潤滑層形成用組成物を基板上に付着させる方法としては、例えば、ディップ法、スプレー法、スピンコート法、キャスト法、真空蒸着法等を用いることができる。次いで、基板上に付着した潤滑層形成用組成物を加熱する。この加熱処理により、潤滑層形成用組成物中の溶媒を揮発させ、棒状イオン性液晶化合物を規則的に垂直配列させることができる。加熱温度は、例えば50〜150℃であり、加熱時間は、例えば1〜60分である。一例として、基板上に塗布された潤滑層形成用組成物は、80℃で10分間加熱される。
なお、潤滑層形成用組成物を基板11上に付着させた後、加熱処理を施す前に、潤滑層形成用組成物の塗膜の厚さが均一になるよう塗膜の表面を均す工程を実施してもよい。これにより、潤滑層18の層厚を均一にすることができる。その結果、潤滑層18とヘッド22との距離の変化を抑えることができ、またヘッド22に対する潤滑層18の流体抵抗を均一にすることができる。また、潤滑層18は、表面エネルギーの低い材料で形成されることが好ましい。これにより、他の物質が磁気ディスク10の表面に吸着することを抑制することができる。
以上説明した構成を有する磁気ディスク10を備えたディスク駆動装置1の動作について説明する。ハブ4を駆動するためのブラシレスモータに駆動電流が供給され、ハブ4と磁気ディスク10とが回転する。これと同時に、ボイスコイルモータ28がスイングアーム24を揺動させることにより、ヘッド22が磁気ディスク10上の揺動範囲内を行き来する。本実施の形態に係るディスク駆動装置1では、磁気ディスク10の回転時及び非回転時にヘッド22が磁気ディスク10の表面上に存在する。すなわち、ディスク駆動装置1は、ヘッド22が磁気ディスク10の表面に接した状態で磁気ディスク10の回転が開始・停止される、いわゆるヘッドコンタクトスタート・ストップ方式を採用している。
磁気ディスク10の回転速度が遅いうちは、磁気ディスク10の最表面にある潤滑層18中をヘッド22が滑る。磁気ディスク10の回転速度が上昇するにつれて、磁気ディスク10の表面近傍の空気の流れによりヘッド22に揚力が発生し、ヘッド22が潤滑層18の表面から極僅かに浮上する。本実施の形態のディスク駆動装置1では、磁気ディスク10に記録されたデータを読み取る際のヘッド浮上量は、10nm以下に設定されている。これにより、磁気ディスク10の記録密度を高くした場合であっても、安定したデータの書き込みや読み取りを行うことができる。ヘッド22は、磁気ディスク10に記録された磁気データを電気信号に変換して制御基板(図示せず)に送信する。また、ヘッド22は、制御基板から送信される電気信号を、磁気ディスク10に磁気データとして書き込む。
なお、ディスク駆動装置1は、ヘッド22が磁気ディスク10の少なくとも潤滑層18と接触した状態でデータの書き込みや読み取りを行う構成、すなわち、コンタクトレコーディング方式を採用してもよい。これにより、磁気ディスク10の記録密度をさらに高くした場合であっても、安定したデータの書き込みや読み取りを行うことができる。すなわち、いわゆるリードライトエラーの発生を抑制することができる。
以上説明したように、本実施の形態に係る磁気ディスク10では、基板11上に設けられた潤滑層18が、陽イオン基及び陰イオン基を有する棒状イオン性液晶化合物を含んでいる。そのため、潤滑層18内には、棒状イオン性液晶化合物が均一に垂直配列し、下層の表面にイオン結合により強固に結合した棒状イオン性液晶化合物の皮膜が形成される。これにより、潤滑層18は、磁気ディスク10の表面から剥がれ難くなるため、ヘッド浮上量を小さくした場合にも、正常なデータの記録や読み取り動作を確保することができる。そのため、ディスク駆動装置1の動作信頼性を保持しながらディスク駆動装置1の大容量化を図ることができる。また、潤滑層18は、棒状イオン性液晶化合物を含まない従来の潤滑層に比べて、落下等によりディスク駆動装置1に衝撃が加わった場合でも磁気ディスク10の表面から剥がれる可能性が低い。そのため、ディスク駆動装置1の耐衝撃性を高めることができる。
本発明は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて各種の設計変更等の変形を加えることが可能であり、そのような変形が加えられた実施の形態も本発明の範囲に含まれる。上述の実施の形態に変形が加えられた新たな実施の形態は、組み合わされる実施の形態及び変形それぞれの効果をあわせもつ。
上述の実施の形態において、ディスク駆動装置1は、ヘッドコンタクトスタート・ストップ方式を採用しているが、特にこれに限定されず、例えばヘッド22が磁気ディスク10の回転時にのみ磁気ディスク10の表面上に存在し、磁気ディスク10の非回転時には磁気ディスク10の表面外に退避するLoad/Unload方式であってもよい。これにより、磁気ディスク10とヘッド22との間におけるスティクションを低減することができる。
以下、本発明の実施例を説明するが、これら実施例は、本発明を好適に説明するための例示に過ぎず、なんら本発明を限定するものではない。
(実施例)
棒状イオン性液晶化合物として、上記式(2)でA及びBがO、RがC、RがC1021、YがBrである第2のピリジニウム塩型液晶化合物の5mgを、エタノール1mlに添加し、溶解させて、実施例の潤滑層形成用組成物を調製した。得られた潤滑層形成用組成物を、スピンコーターを用いて、試験片としてのステンレス板(SUS304板)にスピンコートした。その後、試験片をホットプレート上に載置し、80℃で30分加熱した。
表面性測定機(TYPE:14FW、新東科学株式会社製)に、実施例の潤滑層形成用組成物をコートした試験片を載置し、直径10mmのステンレス球(SUS304球)を試験片の表面で往復摺動させる表面性試験を実施した。試験条件は、垂直荷重:100g、摩擦速度:600mm/min、往復回数:1800回、往復ストローク:5mm、荷重変換器容量:19.61N、試験片温度:40℃とした。その後、試験片の表面における傷の有無を目視で確認した。
(比較例)
棒状イオン性液晶化合物を添加しなかったことを除いて実施例と同一の手順及び条件で、比較例の組成物を調製し、試験片にコートして表面性試験を実施し、試験片の表面における傷の有無を確認した。
その結果、実施例では、試験片の表面に傷が見られなかったが、比較例では、試験片の表面に傷が見られた。したがって、潤滑層形成用組成物に棒状イオン性液晶化合物を含有させることで、保護性能の高い潤滑層を形成できることが確認された。
10 磁気ディスク、 11 基板、 12 下地層、 14 磁性層、 16 保護層、 18 潤滑層、 18a 単分子層、 18b 非イオン性化合物層、 30a,30b,30c 第1のピリジニウム塩型液晶化合物、 40 第2のピリジニウム塩型液晶化合物、 50 非イオン性液晶化合物。

Claims (10)

  1. 基板と、
    陽イオン基及び陰イオン基を有する棒状イオン性液晶化合物を含み、前記基板上に設けられた潤滑層と、
    を備えることを特徴とする磁気ディスク。
  2. 前記陽イオン基がピリジニウム基である請求項1に記載の磁気ディスク。
  3. 前記棒状イオン性液晶化合物は、下記式(1)で表される第1のピリジニウム塩型液晶化合物及び下記式(2)で表される第2のピリジニウム塩型液晶化合物の少なくとも一方を含む請求項1又は2に記載の磁気ディスク。
    Figure 2013225357
    [式(1)中、Rはアルキル基、アルコキシ基、又は下記式(3)で表される不飽和結合を有する基を示す。A及びBはそれぞれ独立に、O、S、NH又はCHを示す。XはSO 、COO、PO 又はPO 2−を示す。nは0以上の整数を示す。]
    Figure 2013225357
    [式(2)中、R及びRはそれぞれ独立にアルキル基、アルコキシ基、又は下記式(3)で表される不飽和結合を有する基を示す。A及びBはそれぞれ独立に、O、S、NH又はCHを示す。Yはハロゲン原子を示す。]
    Figure 2013225357
    [式(3)中、RはH又はCHを示し、Zは、(CH、(CH−O、CO−O−(CH、CO−O−(CH−O、C−CH−O、又はCOを示す。mは1〜30の整数である。]
  4. 前記潤滑層は、複数種類の棒状イオン性液晶化合物を含む請求項3に記載の磁気ディスク。
  5. 前記棒状イオン性液晶化合物は、下層の表面に対して垂直配列している請求項1乃至4のいずれか1項に記載の磁気ディスク。
  6. 前記潤滑層は、下層と接する領域の少なくとも一部に、前記棒状イオン性液晶化合物の単分子層を有する請求項1乃至5のいずれか1項に記載の磁気ディスク。
  7. 非イオン性液晶化合物及び非イオン性潤滑油の少なくとも一方を含む請求項1乃至6のいずれか1項に記載の磁気ディスク。
  8. 前記基板の表面に設けられた下地層と、
    前記下地層の表面に設けられた磁性層と、
    前記磁性層の表面に設けられた保護層と、を備え、
    前記潤滑層は、前記保護層の表面に設けられている請求項1乃至7のいずれか1項に記載の磁気ディスク。
  9. 磁気ディスクの基板上に設けられる潤滑層を形成するための潤滑層形成用組成物であって、
    陽イオン基及び陰イオン基を有する棒状イオン性液晶化合物を含有することを特徴とする潤滑層形成用組成物。
  10. 磁気ディスクの基板上に請求項7に記載の潤滑層形成用組成物を付着させる工程と、
    基板上に付着した潤滑層形成用組成物を加熱する工程と、
    を含むことを特徴とする潤滑層の形成方法。
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