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JP2013219084A - 半導体チップ及び半導体装置 - Google Patents

半導体チップ及び半導体装置 Download PDF

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Abstract

【課題】半導体チップにおけるクラックの発生箇所を特定できる半導体チップを提供する。
【解決手段】半導体チップ1は、基板30と、第1の電極パッド12と、一端が第1の電極パッド12に接続され基板の外周縁に沿って延伸されたクラックチェック用配線10と、クラックチェック用配線10の複数の異なる位置に、ソース/ドレインの一方が接続された複数のトランジスタ21a,21b,21c,21d,21e,21f,21gとを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体チップ、及び半導体チップを含む半導体装置に関する。特に、本発明は、半導体チップのクラック検出技術に関する。
半導体装置の製造にあたり、切断時、マウント時、加熱時における応力等によって、半導体チップにクラックが発生することがある。
このようなクラックの発生を検知する方法として、特許文献1には、半導体チップの全外周縁に沿ってクラック検知用の配線と複数の電極パッドを配置し、この配線の両端に複数の電極パッドから選択された第1電極パッドと第2電極パッドを接続し、第1及び第2電極パッドの間の抵抗値の変動を検出することで半導体チップにクラックが生じているかどうかを検知する技術が開示されている。
特開2009−54862号公報
二川清著「新版LSI故障解析技術」P88−94、P164、日科技連
以下の分析は、本発明により与えられる。
しかしながら、特許文献1に記載のクラック検知方法では、クラック発生の有無については検出できるが、半導体チップのどの部分にクラックが発生しているかについては検出することができないという問題があった。
本発明の第1の視点による半導体チップは、基板と、第1の電極パッドと、一端が前記第1の電極パッドに接続され、前記基板の外周縁に沿って延伸されたクラックチェック用配線と、前記クラックチェック用配線の複数の異なる位置に、ソース/ドレインの一方が接続された複数のトランジスタと、を備える。
本発明の第2の視点による半導体チップは、基板と、第1の電極パッドと、一端が前記第1の電極パッドに接続され、前記基板の外周縁に沿って延伸されたクラックチェック用配線と、前記クラックチェック用配線の複数の異なる位置に、接続された複数の容量素子と、を備える。
本発明の半導体チップによれば、半導体チップにおけるクラックの発生箇所を特定することが可能になる。
本発明の第1の実施形態に係る半導体チップを示す平面図及び回路図である。 図1のX−X’間の断面図である。 本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の断面図及び拡大断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る半導体チップを示す平面図及び回路図である。 図4のシフトレジスタの動作を示すタイミングチャートである。 本発明の第2の実施形態に係る半導体チップの動作を説明するための図である。 本発明の第3の実施形態に係る半導体チップを示す平面図及び回路図である。 本発明の第4の実施形態に係る半導体チップを示す平面図である。 本発明の第4の実施形態に係る半導体装置の断面図である。
まず、本発明の実施形態の概要について説明する。なお、実施形態の概要の説明において付記した図面参照符号は専ら理解を助けるための例示であり、図示の態様に限定することを意図するものではない。
本発明の一実施形態における半導体チップ1は、図1に示すように、基板30と、第1の電極パッド12と、一端が第1の電極パッド12に接続され、基板30の外周縁に沿って延伸されたクラックチェック用配線10と、クラックチェック用配線10の複数の異なる位置に、ソース/ドレインの一方(図1(B)では、ドレイン)が接続された複数のトランジスタ21a〜gと、を備える。
上記の構成により、図1(C)に示すように、クラックチェック用配線10が断線している場合に、第1の電極パッド12を介してクラックチェック用配線10に電流を供給すると、断線箇所18までに接続されているトランジスタには電流が流れて発光するが、断線箇所18以降に接続されているトランジスタには電流は流れてないので発光しない。トランジスタに電流が流れているか否かは、公知の光エミッション顕微鏡法等を用いて判定することができるから、それによりクラックチェック用配線10の断線箇所18を特定することができる。すなわち、半導体チップ1のクラックの発生箇所を特定することができる。
上記半導体チップ1において、図1(B)に示すように、クラックチェック用配線10の他端が接地に接続されるようにしてもよい。
また、上記半導体チップ1は、図1(B)に示すように、第2の電極パッド14をさらに備え、クラックチェック用配線10の他端が第2の電極パッド14に接続されるようにしてもよい。
また、上記半導体チップ1は、制御信号入力端子16を更に備え、複数のトランジスタ21a〜gの制御電極が共通接続されると共に、制御信号入力端子16に接続されるようにしてもよい。
また、図4(B)に示すように、半導体チップ3は、縦続接続された複数のシフト回路82a〜gからなるシフトレジスタ84と、複数のトランジスタ21a〜gのソース/ドレインの他方(図4(B)では、ソース)と、それぞれ接続された複数のテスト電極パッド83a〜gと、を更に備え、複数のシフト回路82a〜gの各出力(Q1〜Q7)が、複数のトランジスタ21a〜gの各制御電極と接続されるようにしてもよい。
上記シフトレジスタ84は、図5に示すように、クロック信号CLKに応答して複数のシフト回路82a〜gが動作し、各々のシフト回路82a〜gに接続された複数のトランジスタ21a〜gを順次オンすることが好ましい。
本発明の別の実施形態における半導体チップ2は、図7に示すように、基板30と、第1の電極パッド12と、一端が第1の電極パッド12に接続され、基板30の外周縁に沿って延伸されたクラックチェック用配線10と、クラックチェック用配線10の複数の異なる位置に、接続された複数の容量素子61a〜gと、を備える。
上記半導体チップ2において、図7(B)に示すように、クラックチェック用配線10の他端が接地に接続されるようにしてもよい。
また、上記半導体チップ2は、図7(B)に示すように、第2の電極パッド14をさらに備え、クラックチェック用配線10の他端が第2の電極パッドに接続されるようにしてもよい。
本発明の一の実施形態における半導体装置91は、図3に示すように、前述した半導体チップ(図1の1、図4の3、図7の2)のうちのいずれかの半導体チップを含む(図3では、半導体チップ1を含んでいる)。
また、図8、9に示すように、半導体装置204は、複数の半導体チップ4a〜dを、互いに積層した半導体装置であって、各々の半導体チップ4a〜dは、貫通電極201をさらに備え、互いに対向する半導体チップ同士が、貫通電極201で接続されるようにしてもよい。
以下、本発明の各実施形態について、図面を参照して詳しく説明する。
[第1の実施形態]
(第1の実施形態の構成)
第1の実施形態に係る半導体チップと、該半導体チップを搭載した半導体装置の構成について、図面を参照しながら詳細に説明する。まず、図1(A)は、第1の実施形態に係る半導体チップ1の構成を示す平面図である。図1(A)に示すように、クラックチェック用配線10は、Si(シリコン)基板30の外周縁に沿って設けられており、クラックチェック用配線10には、所定の間隔毎にトランジスタ21a〜gが接続されている。図1(A)では、7個のトランジスタが接続されているが、それに限定されない。後述するように、クラックチェック用配線10の断線箇所を、断線箇所を挟む2つトランジスタの位置で特定するので、断線箇所を特定させる要求精度に応じて、トランジスタの個数を設定することが好ましい。
また、クラックチェック用配線10の両端には、第1の電極パッド12と第2の電極パッド14が接続される。図1(B)は、半導体チップ1のクラックチェックテストに関連した部分の回路図を示している。図1(B)に示すように、トランジスタ21a〜gは、N型MOSトランジスタであり、各トランジスタのドレインが、クラックチェック用配線10に接続される。一方、各トランジスタのソースは接地と接続される。また、各トランジスタのゲートは共通接続されると共に、ゲート制御信号入力端子16と接続され、ゲート制御信号入力端子16に供給されるゲート制御信号C1により、全てのトランジスタ21a〜gのオン/オフが制御される。
クラックチェックテスト時には、第1の電極パッド12に、テスタ(不図示)から電流を供給し、クラックチェック用配線10の導通テストを行う。第2の電極パッド14は、配線15を介して接地と常時接続されている。このように、クラックチェック用配線10の他端(第2の電極パッド14の側)を接地と常時接続する場合には、第2の電極パッド14は、テスタと接続する必要がないため設けなくてもよい。
また、第2の電極パッド14を設けて接地と常時接続しない構成にしておき、テスタから第2の電極パッド14の電位を制御するようにしてもよい。
次に、図2を参照し、クラックチェック用配線10とトランジスタ21a〜gが接続している部分の詳細を説明する。図2は、図1のX−X’部分の断面図であり、トランジスタ21cがクラックチェック用配線10と接続している部分の詳細を示している。図2において、P型のSi基板30に、ソース31、ドレイン32、及びゲート電極36からなるN型MOSトランジスタ21cが形成されている。
ソース31は、コンタクトプラグを介して第1アルミ層41に形成されるVSS電源配線44と接続される。ここで、VSS電源配線44は各トランジスタ21a〜gに接地電位を供給する配線である。一方、ドレイン32は、コンタクトプラグを介してタングステン(W)層に形成されるクラックチェック用配線10と接続される。また、第2アルミ層42には、例えば、半導体チップ表面の第1及び第2の電極パッド(12、14)が接続する配線等が設けられる。
次に、図3を参照し、半導体チップ1がパッケージングされた半導体装置91の構成について説明する。図3(A)は、クラックチェックテスト後に良品となった半導体チップ1がパッケージングされた半導体装置91の断面図である。また、図3(B)は、図3(A)の破線枠部分94の拡大断面図である。図3(B)において、良品の半導体チップ1は、FC−BGA(Flip Chip−Ball Grid Array)でパッケージングされる。図3(B)に示すように、半導体装置91は、半導体チップ1と、該半導体チップ1をモールドするモールドレジン99とを含んでいる。また、半導体装置91は、基材95上に配線パターン98を有し、該配線パターン98と半導体チップ1上のパッド102は、バンプ101を介して電気的に接続される。また、該配線パターン98と外部端子96a〜bは、ビア100を介して電気的に接続される。また、基材95において、外部端子96a〜b以外の領域はソルダレジスト97に覆われている。
(第1の実施形態の動作)
次に図1(C)を参照しながら、第1の実施形態に係る半導体チップ1のクラックチェックテストを行う際の動作について説明する。クラックチェックテストは、クラックチェック用配線10の断線をチェックする断線チェックステップと、断線チェックテストで断線が検知された場合に断線箇所を特定する断線箇所特定ステップと、を含んでいる。
まず、断線チェックステップについて説明する。ゲート制御信号入力端子16に接地電位を供給し、ゲート制御信号C1をLowレベルにすることにより全てのトランジスタ21a〜gをオフする。この状態で、テスタ(不図示)から第1の電極パッド12を介して電流を供給したときに、クラックチェック用配線10に電流が流れるか否かをテスタ側で検知する。クラックチェック用配線10が断線していない場合には、第1の電極パッド12から第2の電極パッド14へ流れる電流がテスタ側で検知される。一方、図1(C)に示すように断線箇所18がある場合にはクラックチェック用配線10に電流が流れないことがテスタ側で検知され、クラックチェック用配線10が断線していると判定する。
次に、断線チェックステップでクラックチェック用配線10が断線していると判定された場合に、以下の断線箇所特定ステップを実施する。ゲート制御信号入力端子16にHighレベルの電圧を供給することにより、ゲート制御信号C1をHighレベルにして全てのトランジスタ21a〜gをオンする。この状態で、テスタ(不図示)から第1の電極パッド12を介してクラックチェック用配線10に電流を供給する。
このとき、図1(C)に示すように断線箇所18がある場合には、断線箇所18までに接続されているトランジスタ21a〜dでは、それぞれドレイン−ソース間に電流が流れて微弱光で発光するが、断線箇所18以降に接続されているトランジスタ21e〜gには電流が流れないので発光しない。
トランジスタにおける上記の微弱な発光を、光エミッション顕微鏡法を用いて検出する。それにより発光の有無の境界がトランジスタ21dとトランジスタ21eの間であることが検知され、クラックチェック用配線10がトランジスタ21dとトランジスタ21eの間で断線していると、特定することができる。すなわち、半導体チップ1において、トランジスタ21dとトランジスタ21eの間のクラックチェック用配線10を含む領域で、クラックが発生していると特定することができる。
ここで、半導体チップの故障解析において使用される、公知の光エミッション顕微鏡法は、非特許文献1などに開示されている。光エミッション顕微鏡法(PEM(Photo Emission Microscopy)ともいう)は、光学顕微鏡と超高感度カメラで構成され、半導体内部で発生する発光現象を超高感度カメラで検出するものである。半導体チップ1においてクラックチェック用配線10に接続するトランジスタの個数を多くすると、第2の電極パッド14側に近づくにつれ、配線抵抗により徐々にトランジスタに流れる電流は減少する。しかしながら、光エミッション顕微鏡法は、数μAオーダの電流による微弱な発光が検出可能であり、第2の電極パッド14側近傍においても十分な検出能力を有している。
以上のようにして、製造の検査工程において、半導体チップ1のクラックチェックテストを実施し、良品と判定されたチップのみが、図3に示すようにパッケージングされて半導体装置91に搭載される。また、特定されたクラックの検出箇所の情報は、半導体チップの歩留まりを向上するための解析データとしても使用される。
また、製品出荷後に半導体装置91が故障した場合、故障解析として、上記したクラックチェックテストを実施することもできる。但し、光エミッション顕微鏡法を使用するためには、半導体チップ1を露出させる工程が必要となる。具体的には、図3の構成の場合には、露出させたい半導体チップ1の箇所のモールドレジン99を発煙硝酸などで溶かすことにより行う。また、セラミックパッケージや金属パッケージでパッケージングされている場合には機械的に蓋をはずしたり切断したりしてチップを露出させる。このようにしてチップを露出させた後、上記したクラックチェックテストを実施する。
以上説明したように、第1の実施形態に係る半導体チップ1によれば、半導体チップ1内のクラックの有無を検出するだけでなく、クラックの発生箇所を特定することができる。また、クラックチェック用配線10に所定の間隔でトランジスタを設けるという簡易な構成であるため、小規模な回路構成でクラックの発生箇所の特定を実現することができる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態に係る半導体チップ3について、図4を参照しながら説明する。図4(A)は、第2の実施形態に係る半導体チップ3の平面図であり、図4(B)は、半導体チップ3のクラックチェックテストに関連した部分の回路図である。図4(B)を図1(B)(第1の実施形態)と比較すると分かるように、図4(B)では、新たにシフトレジスタ84と、各トランジスタ21a〜gのソースと接続されたテスト電極パッド83a〜gとが追加されている。他の構成要素は図1(B)と同様であるため、同じ参照符号を付し、説明を省略する。
シフトレジスタ84は、図4(B)に示すように、トランジスタ21a〜gと同じ個数のフリップフロック回路(シフト回路)82a〜gを縦続接続することにより構成される。また、初段のフリップフロップ回路82aの入力端子は接地と接続され、Lowレベルの信号が入力される。各フリップフロップ回路82a〜gの出力(Q1〜Q7)はトランジスタ21a〜gのゲートと接続され、各トランジスタ21a〜gのオン/オフをそれぞれ制御する。
また、シフトレジスタ84の各フリップフロップ回路82a〜gのクロック端子には、クロック入力端子85からクロック信号CLKが供給される。また、フリップフロップ回路82a(初段のフリップフロップ回路)のセット端子Sと、フリップフロップ回路82b〜g(2段目以降のフリップフロップ回路)のリセット端子Rには、リセット信号入力端子86からリセット信号Resetが供給される。
また、テスト電極パッド83a〜gは、図4(A)に示すように、半導体チップ3の表面に設けられ、テスタ(不図示)により各トランジスタ21a〜gのドレイン−ソース間に流れる電流を検出するのに用いられる。
次に、図5、6を参照しながら、第2の実施形態に係る半導体チップ3のクラックチェックテストを行う際の動作について説明する。クラックチェックテストは、クラックチェック用配線10の断線をチェックする断線チェックステップと、断線チェックテストで断線が検知された場合に断線箇所を特定する断線箇所特定ステップと、を含んでいる。断線チェックステップでは、リセット信号ResetをLowレベル(非アクティブ)、クロック信号CLKをLowレベル(非アクティブ)の状態で、全てのトランジスタ21a〜gをオフにする。その状態で、第1の電極パッド12と第2の電極パッド14が導通するか否かを判定することにより行う(第1の実施形態の断線チェックステップと同様)。
上記断線チェックステップで断線が検出された場合には、次に、以下に示す断線箇所特定ステップを行う。まず、図5を参照しながら、断線箇所特定ステップのシフトレジスタ84の動作について説明する。時刻t0でリセット信号ResetをHighレベルに遷移し、シフトレジスタ84を初期化する。期間t0〜t1はシフトレジスタ84が初期化された状態であり、Q1のみがHighレベルで、Q2〜Q7はLowレベルとなる。次に、時刻t1からクロック信号CLKを印加することにより、Q1のHighレベル信号は、クロック信号CLKの立ち上がりエッジのタイミングで次段のフリップフロップ回路にシフトしていく。以上の動作により、各期間t0〜t1、t1〜t2、t2〜t3、t3〜t4、t4〜t5、t5〜t6、t6〜t7において、それぞれQ1〜Q7がHighレベルになる。従って、各期間毎に、トランジスタ21a〜gが順次オンする。
次に、図6を参照しながら、断線箇所特定ステップの動作について説明する。図6に示すように、トランジスタ21dとトランジスタ21eの間のクラックチェック用配線10(断線箇所88)に断線が生じている場合を想定する。断線箇所特定ステップにおいて、第1及び第2の電極パッド12、14、テスト電極パッド83a〜gは、テスタ(不図示)と接続される。図6の(A)〜(G)は、図5の各区間t0〜t1、t1〜t2、...、t6〜t7におけるトランジスタ21a〜gの動作を示している。図6の(A)〜(G)において、それぞれトランジスタ21a〜gがオンする。
断線箇所特定ステップにおいて、第1の電極パッド12を介してクラックチェック用配線10に電流が供給される。このとき、第1の電極パッド12から断線箇所88までには電流が流れるが、断線箇所88から第2の電極パッド14には、断線のため電流は流れない。また、電流が流れているクラックチェック用配線10にオン状態のトランジスタが接続されている場合には、そのトランジスタのドレイン−ソース間に電流が流れる。具体的には、図6の(A)では、トランジスタ21aのドレイン−ソース間に電流が流れ、ソースに接続されたテスト電極パッド83aから、テスタにより電流を検出することができる。
同様に、図6(B)〜(D)において、それぞれテスト電極パッド83b〜dからテスタにより電流を検出することができる。しかしながら、図6(E)〜(G)では、クラックチェック用配線10に電流が流れないため、テスト電極パッド83e〜gからテスタにより電流は検出されない。
以上のようにして、電流が流れるトランジスタと流れないトランジスタの境界が、トランジスタ21dとトランジスタ21eの間であることを検出することができる。すなわち、トランジスタ21dとトランジスタ82eの間のクラックチェック用配線10が断線していることを検出することができ、半導体チップ3において、トランジスタ21dとトランジスタ21eの間のクラックチェック用配線10を含む領域でクラックが発生していると特定することができる。
以上説明したように、第2の実施形態に係る半導体チップ3によれば、半導体チップ3内のクラックの有無を検出するだけでなく、クラックの発生箇所を特定することができる。また、第1の実施形態では光エミッション顕微鏡装置が必要であるが、本実施形態では、テスト電極パッド83a〜gからテスタによる電流検出を行うだけで実施できるので、光エミッション顕微鏡装置のような大掛かりな測定装置を必要とせずに、簡易にクラックの発生箇所を特定することができるという効果が得られる。
また、第2の実施形態では、第1の実施形態と同様に、製造の検査工程や、製品出荷後の故障解析に上記したクラックチェックテストを実施することができる。製造の検査工程において、半導体チップ3のクラックチェックテストを実施し、良品と判定されたチップのみが、パッケージングされる(図3の半導体チップ1の代わりに半導体チップ3が搭載される)。また、第2の実施形態では、製品出荷後の故障解析を行う際に、半導体チップ3をパッケージングした状態でテスト電極パッド83a〜gをテスタと電気的に接続可能なテスト端子を設けることにより第1の実施形態で必要とされるチップ露出の工程を行わずに、クラックの発生箇所を特定することができるという効果が得られる。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態に係る半導体チップ2について、図7を参照しながら説明する。図7(A)は、第3の実施形態に係る半導体チップ2の平面図であり、図7(B)は、半導体チップ2のクラックチェックテストに関連した部分の回路図を示している。図7(B)を図1(B)(第1の実施形態)と比較すると分かるように、図7(B)では、図1(B)のトランジスタ21a〜gの代わりに、容量素子61a〜gを接続している。具体的には、クラックチェック用配線10の所定間隔毎に各容量素子61a〜gの一端を接続し、各容量素子61a〜gの他端を接地と接続する。図7(B)では、7個の容量素子が接続されているが、それに限定されない。後述するように、クラックチェック用配線10の断線箇所を、断線箇所を挟む2つ容量素子の位置で特定するので、断線箇所を特定させる要求精度に応じて、容量素子の個数を設定することが好ましい。
また、第1の実施形態と同様に、クラックチェック用配線10の他端(第2の電極パッド14の側)を接地と常時接続する場合には、第2の電極パッド14は、テスタと接続する必要がないため設けなくてもよい。
また、第2の電極パッド14を設けて接地と常時接続しない構成にしておき、テスタから第2の電極パッド14の電位を制御するようにしてもよい。また、図7の他の構成要素は、図1と同様であるため、同じ参照符号を付し、説明を省略する。
次に図7(C)を参照しながら、第3の実施形態に係る半導体チップ2のクラックチェックテストを行う際の動作について説明する。クラックチェックテストは、クラックチェック用配線10の断線をチェックする断線チェックステップと、断線チェックテストで断線が検知された場合に断線箇所を特定する断線箇所特定ステップと、を含んでいる。ここで、断線チェックステップは第1の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
図7(C)に示すように、容量素子61dと容量素子61eの間のクラックチェック用配線10(断線箇所68)に断線が生じている場合を想定する。また、クラックチェック用配線10は、配線抵抗を有しており、第1の電極パッド12、容量素子61a〜gの一端、及び第2の電極パッド14で挟まれた各区間の配線抵抗を62a〜62gで表わす。
断線チェックステップで断線が検出された場合には、以下に示す断線箇所特定ステップを実施する。テスタ(不図示)から第1の電極パッド12の電圧を、所定周期でHighレベルとLowレベルとを交互に変化させる制御を行うことにより、クラックチェック用配線10をドライブする。すると、断線箇所68までに接続された容量素子61a〜dは、第1の電極パッド12がHighレベルのとき充電され、第1の電極パッド12がLowレベルのとき放電される。すなわち、容量素子61a〜dは、上記所定周期で充放電を繰り返し、それに伴いクラックチェック用配線10の配線抵抗62a〜dに電流が流れ、発熱する。
一方、断線箇所68から先のクラックチェック用配線10は断線のため、電流が流れず、容量素子61e〜gは充放電の動作を行わない。従って、断線箇所68から先のクラックチェック用配線10の配線抵抗62e〜62gには電流が流れないため、発熱しない。
上記の発熱箇所を、赤外カメラなどにより検出する。それにより、上記の発熱した箇所と発熱していない箇所の境界を検出することにより、容量素子61dと容量素子61eの間のクラックチェック用配線10が断線していると特定できる。すなわち、半導体チップ2において、容量素子61dと容量素子61eの間のクラックチェック用配線10を含む領域でクラックが発生していると特定することができる。
ここで、発熱箇所を検知する技術が、非特許文献1などに開示されている。第1の実施形態で使用する光エミッション顕微鏡法を、赤外領域で動作させることにより、発熱箇所を検出するのに使用することができる。
以上説明したように、第3の実施形態に係る半導体チップ2によれば、半導体チップ2内のクラックの有無を検出するだけでなく、クラックの発生箇所を特定することができる。また、第1の実施形態では、各トランジスタ21a〜gをオン/オフ制御することが必要であるが、第3の実施形態では、トランジスタを容量素子で置き換えたことで、上記制御が不要になり、より簡易な構成で実現することができるという効果が得られる。
また、第3の実施形態では、第1の実施形態と同様に、製造の検査工程や、製品出荷後の故障解析に上記したクラックチェックテストを実施することができる。製造の検査工程において、半導体チップ2のクラックチェックテストを実施し、良品と判定されたチップのみが、パッケージングされる(図3の半導体チップ1の代わりに半導体チップ2が搭載される)。また、製品出荷後の故障解析では、必要な箇所のチップ露出を行った後に、発熱箇所を検出することによりクラックの発生箇所を特定する。
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態について、図8、9を参照しながら説明する。図8は第4の実施形態に係る半導体チップ4を示す平面図である。図8の半導体チップ4を、図1(第1の実施形態)の半導体チップ1と比較すると分かるように、図8の半導体チップ4では、新たに貫通電極領域200a〜bを設け、各々の貫通電極領域内に複数の貫通電極201を配置している。その他の構成要素については、図1の半導体チップ1と同様であるため、同じ参照符号を付し、説明は省略する。
図9は、第4の実施形態に係る半導体装置204の構成を示す断面図である。図9において、複数の半導体チップ205、4a〜dが互いに積層されてパッケージングされている。ここで、半導体チップ4a〜dは、それぞれ図8の半導体チップ4の構成を有するメモリデバイスである。また、半導体チップ205は、半導体チップ4a〜dを制御するコントロールチップであり、半導体チップ4a〜dと同様に貫通電極201を有している。半導体チップ(コントロールチップ)205、半導体チップ(メモリデバイス)4a〜dは、図9に示すように、互いに対向する半導体チップ同士が複数の貫通電極201により電気的に接続される。半導体装置204は、メモリシステムとして機能する積層型半導体装置であるが、積層される半導体チップ4a〜dは、メモリデバイスに限定されず、その他のデバイス(ロジック等)であってもよい。
半導体チップ205、4a〜dは、第1の実施形態で説明したクラックチェックテストを行い、良品だけを選別しておく。図9において、パッケージ基板206上に半導体チップ(コントロールチップ)205を搭載し、その上に半導体チップ4a〜dを互いに積層する。また、封止樹脂208により、半導体チップ205、4a〜dをモールドする。また、パッケージ基板206の半導体チップ205と反対側の面には、複数の外部端子210が設けられる。
尚、図8の半導体チップ4は、第1の実施形態の半導体チップ1(図1)に対して、貫通電極201を設けた構成としているが、それに限定されない。半導体チップ4を第2の実施形態の半導体チップ3や第3の実施形態の半導体チップ2に対して、貫通電極を設けた構成としてもよい。また、互いに積層させる複数の半導体チップ(図9の4a〜d)として、第1〜第3の実施形態の半導体チップを混在させて搭載してもよい。
また、第2の実施形態の半導体チップ3を積層した場合には、製品出荷後の故障解析において、以下に示す効果を奏する。すなわち、図9に示す半導体装置204にパッケージングしたままの状態でクラックチェックテストを実施することができる。一方、第1の実施形態の半導体チップ1では微弱光の検出、第3の実施形態の半導体チップ2では発熱箇所の検出をそれぞれ行う必要性から、内部に積層された半導体チップの故障解析を行う場合には、半導体チップ単位に分解してチップ露出を行う必要がある。
一方、第2の実施形態では、テスト電極パッドからの電流検出を行えばよいので、半導体チップをパッケージングしたままの状態でクラックチェックテストを実施するように構成することが可能である。その場合、貫通電極領域(200a又は200b)の貫通電極201の中に、半導体チップ4a〜dの各々の第1及び第2の電極パッド(12a〜d、14a〜d(不図示))、テスト電極パッド(83a〜g;複数の半導体チップのテスト電極パッドは貫通電極201により互いに接続する)等を含めるように構成し、各々の半導体チップ4a〜dをテスタ(不図示)から制御して、クラックチェックテストを実施すればよい。
本発明は、半導体チップのクラックの発生有無だけでなく、発生箇所を検出することができる。そのため、半導体チップの検査装置や故障解析装置などに適用することができる。
なお、本発明の全開示(請求の範囲及び図面を含む)の枠内において、さらにその基本的技術思想に基づいて、実施形態の変更・調整が可能である。また、本発明の請求の範囲の枠内において種々の開示要素(各請求項の各要素、各実施形態の各要素、各図面の各要素等を含む)の多様な組み合わせないし選択が可能である。すなわち、本発明は、請求の範囲及び図面を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。
1、2、3、4:半導体チップ
4a〜d:半導体チップ(メモリデバイス)
10、10a〜e:クラックチェック用配線
12:第1の電極パッド
14:第2の電極パッド
15:配線
16:ゲート制御信号入力端子(制御信号入力端子)
18、68、88:断線箇所
21a〜g:トランジスタ
30:Si基板(基板)
31:ソース
32:ドレイン
34:シリコン窒化膜
36:ゲート電極
40:タングステン(W)層
41:第1アルミ層
42:第2アルミ層
44:VSS電源配線
61a〜g:容量素子
62a〜g:配線抵抗
82a〜g:フリップフロップ回路(シフト回路)
83a〜g:テスト電極パッド
84:シフトレジスタ
85:クロック信号入力端子
86:リセット信号入力端子
91、204:半導体装置
95:基材
96a、96b、210:外部端子
97:ソルダレジスト
98:配線パターン
99:モールドレジン
100:ビア
101:バンプ
102:パッド
200a、200b:貫通電極領域
201:貫通電極
205:半導体チップ(コントロールチップ)
206:パッケージ基板
208:封止樹脂
C1:ゲート制御信号
CLK:クロック信号
Reset:リセット信号

Claims (11)

  1. 基板と、
    第1の電極パッドと、
    一端が前記第1の電極パッドに接続され、前記基板の外周縁に沿って延伸されたクラックチェック用配線と、
    前記クラックチェック用配線の複数の異なる位置に、ソース/ドレインの一方が接続された複数のトランジスタと、
    を備えたことを特徴とする半導体チップ。
  2. 前記クラックチェック用配線の他端が接地に接続された、ことを特徴とする請求項1に記載の半導体チップ。
  3. 第2の電極パッドをさらに備え、
    前記クラックチェック用配線の他端が前記第2の電極パッドに接続された、ことを特徴とする請求項1に記載の半導体チップ。
  4. 制御信号入力端子を更に備え、
    前記複数のトランジスタの制御電極が共通接続されると共に、前記制御信号入力端子に接続された、ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一に記載の半導体チップ。
  5. 縦続接続された複数のシフト回路からなるシフトレジスタと、
    前記複数のトランジスタのソース/ドレインの他方と、それぞれ接続された複数のテスト電極パッドと、
    を更に備え、
    前記複数のシフト回路の各出力が、前記複数のトランジスタの各制御電極と接続された、ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一に記載の半導体チップ。
  6. 前記シフトレジスタは、クロック信号に応答して前記複数のシフト回路が動作し、各々の前記シフト回路に接続された前記複数のトランジスタを順次オンすることを特徴とする請求項5に記載の半導体チップ。
  7. 基板と、
    第1の電極パッドと、
    一端が前記第1の電極パッドに接続され、前記基板の外周縁に沿って延伸されたクラックチェック用配線と、
    前記クラックチェック用配線の複数の異なる位置に、接続された複数の容量素子と、
    を備えた、ことを特徴とする半導体チップ。
  8. 前記クラックチェック用配線の他端が接地に接続された、ことを特徴とする請求項7に記載の半導体チップ。
  9. 第2の電極パッドをさらに備え、
    前記クラックチェック用配線の他端が前記第2の電極パッドに接続された、ことを特徴とする請求項7に記載の半導体チップ。
  10. 請求項1乃至9のいずれか一に記載の半導体チップを含む半導体装置。
  11. 複数の半導体チップを、互いに積層した半導体装置であって、
    各々の前記半導体チップは、貫通電極をさらに備え、
    互いに対向する前記半導体チップ同士が、前記貫通電極で接続されている、ことを特徴とする請求項10に記載の半導体装置。
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