JP2013214396A - 機能膜の形成方法、有機elパネルの製造方法、表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数の被吐出領域に亘って膜厚が均一な機能膜を形成可能な機能膜の形成方法、この機能膜の形成方法を用いた有機ELパネルの製造方法、優れた表示品質を有する表示装置を提供することを課題とする。
【解決手段】基板上に設けられた隔壁によって区画された複数の被吐出領域に対して、第1溶媒を含む所定量の機能液を吐出後乾燥させ、所定量以下の範囲内で機能性材料を溶解させる第2溶媒を基板中央部の被吐出領域から基板周辺部の被吐出領域にゆくに従って、段階的に増やしながら吐出させ乾燥させる。その結果として、被吐出領域間の膜厚ムラを抑制することが可能となる。
【選択図】図1
【解決手段】基板上に設けられた隔壁によって区画された複数の被吐出領域に対して、第1溶媒を含む所定量の機能液を吐出後乾燥させ、所定量以下の範囲内で機能性材料を溶解させる第2溶媒を基板中央部の被吐出領域から基板周辺部の被吐出領域にゆくに従って、段階的に増やしながら吐出させ乾燥させる。その結果として、被吐出領域間の膜厚ムラを抑制することが可能となる。
【選択図】図1
Description
本発明は、機能膜の形成方法、有機エレクトロルミネッセンス(EL)パネルの製造方法、有機ELパネルを備えた表示装置に関するものである。
近年、表示装置として有機EL素子を表示素子として用いた有機ELパネルが多く使われるようになってきた。有機EL素子は発光材料を含む発光層に電流を流すことによって、所望の明るさや色の発光を得るものである。発光層を形成する方法としては、例えば、基板上に隔壁によって区画形成された複数の被吐出領域のそれぞれに対して、発光材料を含む液状体を、液状体を吐出するノズルを備えたヘッドから所定量吐出し、その後、減圧乾燥や加熱乾燥などの乾燥処理により、液状体に含まれる溶媒成分を蒸発させ固化することによって行われる。
ところで、有機EL素子を表示素子として用いた表示装置の場合、先に述べたように発光層に電流を流す必要がある。この電流量を調整することにより有機EL素子が発光する明るさや色を制御して表示装置としている。発光層は発光材料を含む機能膜であり、この機能膜は金属と比べて圧倒的に電気抵抗が高い。従って有機EL素子を用いて表示装置を製造する際には、この機能膜の膜厚がパネル面内で均一になるように形成することが表示装置の発光の明るさや色を所望の状態に制御でき、表示装置の表示品質を高めることになる。
一方で、乾燥処理工程において、被吐出領域に吐出された液状体に含まれる溶媒成分の蒸発速度をパネル面内の複数の被吐出領域に亘って均一にすることが難しい。例えば、乾燥過程において、パネル周辺部の被吐出領域とパネル中央部の被吐出領域とでは、パネル中央部の被吐出領域のほうが、周囲に溶媒が多く配置される関係上、溶媒の蒸発が遅くなる。このように、蒸発速度が不均一となると、液状体を乾燥して得られる機能膜の膜形状が被吐出領域間でばらついて、被吐出領域間の膜厚が不均一となる。被吐出領域間の膜厚の不均一が、発光層から発光される明るさや色の不均一を招き、表示装置の表示品質を低下させることになる。
そこで、例えば、特許文献1には、基板上に形成された被吐出領域に溶質が含まれた機能液と溶質が含まれない溶媒液の2種類の液状体を用いて、乾燥過程における乾燥速度を均一にし、形成される機能膜の膜厚を均一にする方法が提案されている。
しかしながら、特許文献1に提案された液状体の吐出方法では、被吐出領域ごとに吐出される機能液(液状体)の吐出量を変動させるため、実際には、乾燥工程で隔壁の側壁における機能膜の形成開始位置(液状体の乾燥が進んで機能膜が形成され始める末端の掛止位置;ピニング位置)が被吐出領域ごとに変動することになる。機能膜の形成開始位置が変動すると、機能膜の膜形状が変動し、必ずしも均一な膜厚の機能膜が形成されないと言う課題がある。また、この方法を用いて製造された有機ELパネルを備えた表示装置の表示品質を低下させるおそれがある。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例に係る機能膜の形成方法は、基板上に設けられた隔壁によって区画された複数の被吐出領域に対して、機能性材料を含む機能液を吐出して機能膜を形成する機能膜の形成方法であって、前記被吐出領域ごとに第1溶媒を含む所定量の前記機能液を吐出する第1吐出工程と、前記被吐出領域に吐出された前記機能液を乾燥させる第1乾燥工程と、前記機能性材料を溶解させる第2溶媒を基板中央部の前記被吐出領域から基板周辺部の前記被吐出領域にゆくに従って、前記所定量以下の範囲内で段階的に増やしながら吐出する第2吐出工程と、前記被吐出領域の前記第2溶媒を乾燥させる第2乾燥工程と、を有することを特徴とする。
本適用例によれば、第1吐出工程において、第1溶媒を含む機能液を基板に形成された被吐出領域に所定量吐出することで、第1乾燥工程時に隔壁の側壁における機能膜の形成開始位置のばらつきが機能液の吐出量を被吐出領域ごとに変えたときと比較して小さくなる。機能膜の形成開始位置の差が小さくなることで、被吐出領域内の機能膜の膜形状のばらつきが少なくなる。
第2吐出工程において、第1吐出工程時の機能液の所定量以下の範囲内で第2溶媒を吐出させることで、第1乾燥工程時に形成された機能膜の再溶解または再分散を促す状況であっても上記形成開始位置の変化は起こりにくい。逆に、第1乾燥工程で得られた機能膜を第2吐出工程において第2溶媒が再溶解または再分散させることで、第1乾燥工程時に形成された被吐出領域ごとの機能膜の膜形状をリセットし、変化させることが出来る。さらに、第2吐出工程において、被吐出領域内に吐出される充填量を変化させることで、第2乾燥工程時においてのそれぞれの被吐出領域からの第2溶媒の蒸発速度の差が少なくなり、これによって、被吐出領域間の膜厚の差を小さくすることができる。すなわち、被吐出領域間での膜厚ばらつきを小さくすることが可能な機能膜の形成方法を提供することができる。
[適用例2]上記適用例に係る機能膜の形成方法において、前記第2溶媒の粘度は前記機能液の粘度以下であること、を特徴とする。
本適用例によれば、第2吐出工程において吐出される第2溶媒が第1吐出工程において吐出される第1溶媒よりも少ない吐出量であっても被吐出領域内全体に濡れ広がらせることが出来る。
[適用例3]上記適用例に係る機能膜の形成方法において、前記隔壁の少なくとも側壁の一部が撥液性を有するように撥液処理すること、を特徴とする。
本適用例によれば、第1吐出工程および第2吐出工程において被吐出領域に第1溶媒を含む機能液および第2溶媒がそれぞれ吐出される際に、機能液および第2溶媒が被吐出領域内から溢れる不良や、機能液および第2溶媒が隣接している被吐出領域間を跨いで配置される不良を回避できる。
[適用例4]本適用例に係る有機ELパネルの製造方法は、少なくとも発光層を含む複数の機能膜を陽極および陰極で挟持した構造を有する有機ELパネルの製造方法であって、上記適用例の機能膜の形成方法を用いて、前記複数の機能膜のうち少なくとも1つを形成すること、を特徴とする。
本適用例によれば、例えば、乾燥処理後に機能液によって形成される発光層の膜厚がほぼ均一になり、有機ELパネルの輝度ムラが抑制される。
[適用例5]本適用例に係る表示装置は、上記有機ELパネルの製造方法によって製造された有機ELパネルを備えていること、を特徴とする。
本適用例によれば、輝度ムラが抑制された有機ELパネルを備えた表示装置を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の各図においては、各層や各部材を認識可能な程度の大きさにするため、各層や各部材の尺度を実際とは異ならせしめている。
(実施形態1)
まず、本実施形態の機能膜の形成方法の概要を、図1を参照して説明する。図1は、基板PにおいてY軸方向(図面縦方向)に4個配置され、X軸方向(図面横方向)に6個配置された計24個の画素に、R、G、Bの各色発光層に対応した発光材料と溶媒とを含む機能液を吐出する様子を示す模式図である。各画素は、基板P上において隔壁によって区画されており、区画された領域を被吐出領域と呼ぶ。言い換えれば、図示された画素を被吐出領域と呼ぶこともある。本実施形態では、異なる色の画素が繰り返し配列する方向をX軸方向とし、同色の画素が配列する方向をY軸方向として以降説明する。
まず、本実施形態の機能膜の形成方法の概要を、図1を参照して説明する。図1は、基板PにおいてY軸方向(図面縦方向)に4個配置され、X軸方向(図面横方向)に6個配置された計24個の画素に、R、G、Bの各色発光層に対応した発光材料と溶媒とを含む機能液を吐出する様子を示す模式図である。各画素は、基板P上において隔壁によって区画されており、区画された領域を被吐出領域と呼ぶ。言い換えれば、図示された画素を被吐出領域と呼ぶこともある。本実施形態では、異なる色の画素が繰り返し配列する方向をX軸方向とし、同色の画素が配列する方向をY軸方向として以降説明する。
図1に示すように、本実施形態では、基板Pとノズルを有するノズルヘッド20とを対向配置させて、Y軸方向に相対移動させる主走査の間に、ノズルから、R、G、Bに対応する画素に、それぞれR機能液、G機能液、B機能液を吐出する。さらに、基板Pに対してノズルヘッド20と一緒に相対移動するノズルヘッド30に設けられたノズルから、R、G、Bに対応する画素に、それぞれR溶媒液、G溶媒液、B溶媒液を吐出する。また、各溶媒液は、各機能液に含まれる溶媒と同じ溶媒の溶液でも良いし、異なっていても良い。
本実施形態では、一回の主走査によってX軸方向に連続する3つの画素に対して機能液を、ノズルヘッド20を所謂スキャン走査することによって吐出する。すなわち、基板Pに形成された全ての画素に対して、まず一回目の主走査によって図中破線で示した主走査領域に含まれる画素に機能液が吐出される(第1吐出工程)。その後、機能液から溶媒を除去する目的で減圧乾燥を行う(第1乾燥工程)。次に、二回の主走査によってX軸方向に連続する3つの画素に対して溶媒液を、ノズルヘッド30を所謂スキャン走査することによって吐出する(第2吐出工程)。但し、二回目に吐出する溶媒液は一回目に吐出する機能液の吐出量(体積量)以下となるように吐出量を制御して吐出する。そして、各画素に吐出された溶媒液の減圧乾燥を行う(第2乾燥工程)。
ここで、本実施形態では、説明を簡略化するため、各ノズルブロック20R,20G,20B、および各ノズルブロック30R,30G,30Bに形成されたノズルは1個であるものとした。通常、ノズルヘッド20には多数のノズルが形成され、基板Pに区画された多数の被吐出領域に対して、それぞれ対応するノズルから機能液や溶媒液を吐出することは言うまでもない。
さて、このように全ての画素に機能液の吐出を行うと、R機能液については画素R1から画素R8の順序で、G機能液については画素G1から画素G8の順序で、B機能液については画素B1から画素B8の順序で、それぞれ機能液が吐出される。この結果、例えば、全てのR画素に関して、最後の画素R8に機能液が吐出されるまでの時間に、各画素に吐出された機能液が自然乾燥によって減少する液量は、最初に機能液が吐出された画素R1が最も多く、次に画素R2、次に画素R3、・・・というようにR機能液が吐出された順番に従って減少していることになる。また、その後機能液の溶媒を除去する目的で減圧乾燥した際にも、各画素の周辺に配置された単位面積当たりの溶媒量が異なるので、溶媒の蒸発ムラ(蒸発するまでに要する時間のムラ)が生じる。他のG機能液やB機能液を吐出する場合も同様に溶媒の蒸発ムラが生ずる。
そこで、本実施形態では、溶媒液の吐出に際して、例えば、基板周辺の画素であれば、吐出する溶媒液の液量を増やし、基板中央の画素であれば、吐出する溶媒液の液量を減らし、減圧乾燥時に溶媒が蒸発するに要する時間を基板全体の画素で同様になるようにする。言い換えれば、基板Pの画素間における溶媒の蒸発速度のムラを低減するように、吐出量を調整して画素ごとに溶媒液を吐出する。
以上述べたように、本実施形態によれば、先に吐出される機能液の液量(吐出量)を基板上全ての被吐出領域に対して同量とすることで、それぞれの被吐出領域を区画する隔壁の側壁における機能膜の形成開始位置(ピニング位置)は全ての被吐出領域でほぼ同じ位置となる。そして、次に吐出される溶媒液の液量(吐出量)を基板中央部から周辺部へと所定量の範囲内で吐出量を変化させていくことで、溶媒の蒸発に要する時間を基板全体で均一化する。さらに、隔壁の側壁における機能膜の形成開始位置を全ての被吐出領域で同位置に保つために、溶媒液の吐出量を機能液の吐出量(所定量)以下とする。こうすることで、第1乾燥工程で得られた機能膜の形成開始位置は変化を起こさないため、膜ムラが抑制される。
(実施形態2)
本実施形態に係る有機ELパネルについて、図2および図3を参照して説明する。図2は実施形態2に係る有機ELパネルの配線構造を示す模式図、図3は実施形態2に係る有機ELパネルの構成を模式的に示す平面図である。
本実施形態に係る有機ELパネルについて、図2および図3を参照して説明する。図2は実施形態2に係る有機ELパネルの配線構造を示す模式図、図3は実施形態2に係る有機ELパネルの構成を模式的に示す平面図である。
図2に示すように、本実施形態の有機ELパネル1は、スイッチング素子として薄膜トランジスター(Thin Film Transistor、以下TFTと称する)を用いたアクティブマトリクス方式のもので、複数の走査線101と、各走査線101に対して直角に交差する方向に延びる複数の信号線102と、各信号線102に並列に延びる複数の電源線103とからなる配線構成を有すると共に、走査線101及び信号線102の各交点付近に、画素(サブ画素40)が設けられている。
信号線102には、シフトレジスター、レベルシフター、ビデオライン及びアナログスイッチを備えるデータ線駆動回路100が接続されている。また、走査線101には、シフトレジスター及びレベルシフターを備える走査線駆動回路80が接続されている。
サブ画素40の各々には、走査線101を介して走査信号がゲート電極に供給されるスイッチング用のTFT122と、このスイッチング用のTFT122を介して信号線102から供給される画素信号を保持する保持容量113と、保持容量113によって保持された画素信号がゲート電極に供給される駆動用のTFT123と、TFT123を介して電源線103に電気的に接続したときに当該電源線103から駆動電流が与えられる画素電極(陽極)23と、画素電極(陽極)23と向き合う位置にある対向電極(陰極)50と、画素電極(陽極)23と対向電極(陰極)50との間に挟み込まれた発光機能を有する機能層とを備えた有機EL素子17(R,G,B)(R(赤色),G(緑色),B(青色))と、が設けられている。
次に、本実施形態の有機ELパネル1の具体的な態様を、図3を参照して説明する。
図3に示すように、基板20A上の実表示領域4には、R,G,Bに対応して設けられたサブ画素40がマトリクス状に規則的に配置されている。ここで、基板20Aは、基板本体20、及び基板本体20上に設けられた、例えばTFT122,123を含む。
図3に示すように、基板20A上の実表示領域4には、R,G,Bに対応して設けられたサブ画素40がマトリクス状に規則的に配置されている。ここで、基板20Aは、基板本体20、及び基板本体20上に設けられた、例えばTFT122,123を含む。
また、R,G,B各色のサブ画素40(R,G,B)は一つの基本単位となって表示単位画素41を構成している。また、サブ画素40(R,G,B)の各々は、TFT122,123の動作に伴って、赤色(R)、緑色(G)、及び青色(B)に対応して発光する有機EL素子17(R,G,B)を備える構成を有している。これによって表示単位画素41は、R,G,Bの発光を混色させてフルカラー表示を行う構成を有している。
なお、本実施形態において画素部3は、中央部分の実表示領域4(図中二点鎖線枠内)と、実表示領域4の周囲に配置されたダミー領域5(一点鎖線及び二点鎖線の間の領域)とに区画されている。そして、実表示領域4の図3中両側には、走査線駆動回路80が配置されている。この走査線駆動回路80は、ダミー領域5の下層側に位置して設けられている。
また、実表示領域4の図3中上方側には検査回路90が配置されており、この検査回路90はダミー領域5の下層側に配置されて設けられている。この検査回路90は、有機ELパネル1の作動状況を検査するための回路であって、例えば検査結果を外部に出力する検査情報出力手段を備え、製造途中や出荷時における有機ELパネル1の品質、欠陥の検査を行うことができるように構成されている。有機ELパネル1の端子部には、有機ELパネル1を駆動するためのドライバーIC(データ線駆動回路)100が実装された中継基板(FPC)36が電気的に接続されている。
本実施形態に係る有機ELパネル1の製造方法について、図4〜図6を参照して説明する。
図4(a)及び(b)、図5(a)及び(b)、図6(a)及び(b)は、本実施形態に示す有機ELパネルの製造方法を説明するための工程断面図である。なお、有機ELパネルの製造方法として、R,G,Bのうちの1つの有機EL素子17の製造方法を取り上げて説明する。以下、この図面に沿って説明を行う。
まず、工程1として、ガラス等の透明部材を用いた基板本体20上にTFT122、TFT123等を形成してなる基板20Aを洗浄し、層間絶縁層202となる窒化珪素層をCVD法(化学気相堆積法)等を用いて400nm程度堆積する。
次に、工程2として、ITOを50nm程度の厚さとなるようスパッタ法を用いて積層する。そして不要な部分をエッチング除去することで光透過性を有する陽極204を形成する。
次に、工程3として、酸化珪素層を50nm程度層形成し、発光領域211が形成される領域をエッチング除去することで第1隔壁205を形成する。
次に、工程4として、感光性アクリル樹脂を2μm程度の厚さに塗布し、露光・現像することで第2隔壁206を形成する。第2隔壁206内部である被吐出領域117の平面寸法は例えば150μm×50μm程度の形状を持つ略長方形の形状を有している。
次に、工程5として、酸素プラズマ処理、四弗化炭素ガスでのプラズマ処理等を行い、陽極204と第1隔壁205に親液性を与え、第2隔壁206に撥液性を与える。
次に、工程6として、PEDOT/PSS分散液を液滴吐出法を用いて第2隔壁206内に吐出する。この場合において、第2隔壁206に撥液性を与えているため、第2隔壁206ではPEDOT/PSS分散液は弾かれ、第1隔壁205、陽極204上に流入するため、液滴吐出位置の若干のずれは補正され、液滴は第1隔壁205、陽極204上に再現性高く配置される。
次に、工程7として、乾燥工程等を行うことで、PEDOT/PSSを用いたキャリア注入層としての正孔注入層207が形成される。この工程を終了した状態での断面図を図4(a)に示す。正孔注入層207の厚さとしては、例えば20nm程度が好適である。
次に、工程8として、第1溶媒222を含む機能液220を液滴吐出法を用いて第2隔壁206内に吐出する。この場合、機能液220を構成する第1溶媒222としては、シクロヘキシルベンゼン、テトラメチルベンゼン等、沸点が170℃以上300℃以下の溶媒を用いることが好適である。また、発光層として機能する機能層224(図6(a)参照)を構成する材質として、ポリフルオレン系高分子誘導体にペリレン系色素、クマリン系色素、ローダミン系色素、ルブレン、ペリレン、9,10−ジフェニルアントラセン、テトラフェニルブタジエン、ナイルレッド、クマリン6、キナクリドン等をドープした物質を用いることが可能であり、これらのドーパントを一つ、あるいは複数を混ぜて用いることでRGBの3色を得ることが可能となる。
この時点では、吐出ヘッド近傍で溶媒が蒸発することで生じる射出ムラを抑制した状態が必ずしも得られていなくても構わない。
そして、第1溶媒222に、機能層224を構成すべく添加される材質の濃度は3wt%程度が望ましい。この程度の濃度を用いることで、機能層224の層厚を確保でき、また吐出を容易に行える程度の粘性に抑えることができる。
次に、工程9として、減圧乾燥を行う。減圧乾燥工程を行うことで、第1溶媒222は蒸発し、機能層221が形成される。この工程を終了した状態での断面図を図5(a)に示す。
次に、工程10として、粘度が第1溶媒222以下であり、かつ沸点が170℃以上300℃以下の第2溶媒223を第2隔壁206内に、第1溶媒222を含む機能液220の吐出量以下となるように、かつ周辺隔壁から中央隔壁に向かって吐出量が段階的に減少していくように吐出する。ここで用いる第2溶媒223としては、例えばテトラリン、テトラロン、シクロヘキシルベンゼン、テトラメチルベンゼンを用いることが好適である。この吐出工程で、機能層221は再度溶解又は分散し、一旦液状となって第2隔壁206内に膜状に広がる。この工程を終了した状態での断面図を図5(b)に示す。
そして、減圧乾燥を行う。減圧乾燥工程を行うことで、第2溶媒223は蒸発し、機能層224が形成される。
ここで、工程10について得られる効果について更に詳細な説明を行う。第1溶媒222を含む機能液220は、全ての被吐出領域117に一定同量吐出されるものの、第1溶媒222の蒸発速度のムラによって形成された機能層221は面内で膜形状ムラが発生している。しかし、第2溶媒223は第1溶媒222を含む機能液220よりも粘度が低く、さらに機能液220の吐出量よりも減少させているため、機能液220によって形成された機能層221の第2隔壁206に形成されるピニング位置は保持したまま、第2溶媒223によって、機能層221を再溶解または分散させることが可能となる。そのため、面内で第2溶媒223の吐出量を変化させることで、パネル全面の被吐出領域117内の膜形状を同一にすることが可能となり、発光輝度の均一性が高い有機ELパネル1を製造することが可能となる。
次に、工程11として、5nm程度の厚さを有するカルシウムを用いた陰極225を形成する。そして、陰極225を覆うように200nm以上の層厚を有する、アルミニウムを用いた光反射層226を形成することで、図6(b)に示す有機EL素子17(R,G,B)が形成される。
ここでは、透明な基板20Aを通過させて光を取り出すボトムエミッション型の有機EL素子17(R,G,B)の製造方法について説明したが、これは容易にトップエミッション型の製造工程に変更することが可能である。即ち、透明な基板20Aと層間絶縁層202との間に例えば200nm以上の厚みを有するアルミニウム等の反射層を形成する工程を加えることで基板20A側の反射率を高くし、光透過性を有し酸化に強いMg/Agを用いて陰極225を形成すれば、トップエミッション型の構造が得られる工程を得ることができる。また、光反射層226を形成する工程を省略し、上記反射層を形成する工程を行わないことで、両面で視認可能な構造を得ることも可能である。
以上述べたように、本実施形態に係る有機ELパネル1の製造方法によれば、発光輝度の均一性が高い有機ELパネル1を製造することができる。
なお、発光層として機能する機能層224の形成に限らず、正孔注入層207も上記実施形態1の機能膜の形成方法を適用して形成することができる。
また、有機EL素子17は、陽極204と陰極225との間に正孔注入層207と機能層224とを有するものに限定されない。例えば、正孔注入層207と機能層224との間に正孔輸送層を設けたり、機能層224と陰極225との間に中間層や電子輸送層などを設けた構成としてもよい。これらの正孔輸送層、中間層、電子輸送層も上記実施形態1の機能膜の形成方法を適用して形成することができる。
なお、発光層として機能する機能層224の形成に限らず、正孔注入層207も上記実施形態1の機能膜の形成方法を適用して形成することができる。
また、有機EL素子17は、陽極204と陰極225との間に正孔注入層207と機能層224とを有するものに限定されない。例えば、正孔注入層207と機能層224との間に正孔輸送層を設けたり、機能層224と陰極225との間に中間層や電子輸送層などを設けた構成としてもよい。これらの正孔輸送層、中間層、電子輸送層も上記実施形態1の機能膜の形成方法を適用して形成することができる。
(実施形態3)
本実施形態の表示装置は、上記実施形態の有機ELパネル1の製造方法を用いて製造された有機ELパネル1を備えるものである。有機ELパネル1を備えた表示装置は、例えば、ノート型パーソナルコンピューター、携帯型情報端末、携帯電話機、ビデオカメラ、デジタルカメラ、ナビゲーションシステムなどの電子機器における表示部に好適に用いることができる。
本実施形態の表示装置は、上記実施形態の有機ELパネル1の製造方法を用いて製造された有機ELパネル1を備えるものである。有機ELパネル1を備えた表示装置は、例えば、ノート型パーソナルコンピューター、携帯型情報端末、携帯電話機、ビデオカメラ、デジタルカメラ、ナビゲーションシステムなどの電子機器における表示部に好適に用いることができる。
1…有機ELパネル、17…有機EL素子、20A…基板、23,204…陽極(画素電極)、40…画素、50,225…陰極、117…被吐出領域、206…隔壁としての第2隔壁、220…機能液、221,224…機能層(発光層)、222…第1溶媒、223…第2溶媒。
Claims (5)
- 基板上に設けられた隔壁によって区画された複数の被吐出領域に対して、機能性材料を含む機能液を吐出して機能膜を形成する機能膜の形成方法であって、
前記被吐出領域ごとに第1溶媒を含む所定量の前記機能液を吐出する第1吐出工程と、
前記被吐出領域に吐出された前記機能液を乾燥させる第1乾燥工程と、
前記機能性材料を溶解させる第2溶媒を基板中央部の前記被吐出領域から基板周辺部の前記被吐出領域にゆくに従って、前記所定量以下の範囲内で段階的に増やしながら吐出する第2吐出工程と、
前記被吐出領域の前記第2溶媒を乾燥させる第2乾燥工程と、を有することを特徴とする機能膜の形成方法。 - 請求項1に記載の機能膜の形成方法であって、
前記第2溶媒の粘度は前記機能液の粘度以下であること、を特徴とする機能膜の形成方法。 - 請求項1または2に記載の機能膜の形成方法であって、
前記隔壁の少なくとも側壁の一部が撥液性を有するように撥液処理すること、を特徴とする機能膜の形成方法。 - 少なくとも発光層を含む複数の機能膜を陽極および陰極で挟持した構造を有する有機ELパネルの製造方法であって、
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の機能膜の形成方法を用いて、前記複数の機能膜のうち少なくとも1つを形成することを特徴とする有機ELパネルの製造方法。 - 請求項4に記載の有機ELパネルの製造方法によって製造された有機ELパネルを備えたことを特徴とする表示装置。
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JP2012083622A JP2013214396A (ja) | 2012-04-02 | 2012-04-02 | 機能膜の形成方法、有機elパネルの製造方法、表示装置 |
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