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JP2013209362A - 酸化亜鉛を含む抗菌材料 - Google Patents

酸化亜鉛を含む抗菌材料 Download PDF

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哲也 米田
Yasuhisa Ichikawa
泰央 市川
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Abstract

【課題】明所下のみならず、暗所下でも高い抗菌性を発揮する抗菌材料を提供すること。
【解決手段】酸化亜鉛(A)とバインダー(B)とを含み、吸水性を有する、抗菌材料。
【選択図】図2

Description

本発明は、酸化亜鉛を含む抗菌材料に関し、より詳しくは、明所のみならず暗所でも高い抗菌性を発揮し得る抗菌材料に関する。
酸化チタン(TiO2)は、結晶構造に基づいて、アナターゼ型(正方晶)、ルチル型(正方晶)およびブルッカイト型(斜方晶)に大別される。中でも、アナターゼ型酸化チタンおよびルチル型酸化チタンは、光触媒として使用されている。
これらの酸化チタンに紫外線を照射すると、酸化チタンの価電子帯の電子が伝導帯に励起されて、電子が放出され、プラスの電荷を帯びた正孔(ホール)が生成する。生成した正孔は、非常に強い酸化力を有するために、水中にあるOH-(水酸化物イオン)などから電子を奪い、強力な酸化力を有するOHラジカルを生成させる。このOHラジカルは、細菌やウイルスを攻撃する特性を発揮する。
このような酸化チタンの特性を利用して、酸化チタンを含む抗菌材料が開発されている。例えば、特許文献1には、「ポリテトラフルオロエチレン粒子および可視光応答型窒素ドープ酸化チタン光触媒性粒子およびパーフルオロエチレンをフッ素樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂またはシリコン樹脂の中に分散させることにより、超はっ水性、防汚・抗菌性ならびに長期耐久性を実現させたことを特徴とする複合材料」が開示されている(特許請求の範囲)。
しかしながら、光触媒として酸化チタンを含む抗菌材料は、酸化チタンの抗菌作用のメカニズムからも明らかなように、暗所下(すなわち、紫外線照射が少ない乃至無い条件下)では、OHラジカルを発生させることができないために、十分な抗菌性を発揮することができない。
特開2007−51263号公報
本発明は、従来の、酸化チタンを含む抗菌材料では解決できなかった課題を解決するものであって、明所下のみならず暗所下でも高い抗菌性を発揮する抗菌材料を提供することを目的とする。
本発明者は、鋭意検討の結果、(1)酸化亜鉛を抗菌物質として用いた吸水性を有する抗菌材料によれば、明所のみならず暗所でも高い抗菌性を発揮でき、(2)特に、抗菌材料中の酸化亜鉛の単結晶における結晶面aの配向度を示すロットゲーリングファクターを特定の値にすることで、明所下のみならず、暗所下でも、極めて高い抗菌性を発揮するという、新規の特性を見出した。本発明は、このような知見に基づいて、完成したものである。
本発明の要旨は、以下のとおりである。
[1] 酸化亜鉛(A)とバインダー(B)とを含み、吸水性を有する、抗菌材料。
[2] 前記バインダー(B)が、耐ラジカル性を有する有機ポリマーである、[1]に記載の抗菌材料。
[3] 前記耐ラジカル性を有する有機ポリマーが、含フッ素ポリマーである、[2]に記載の抗菌材料。
[4] 抗菌材料の表面のX線回折パターンが、酸化亜鉛(A)の回折ピークとして、(100)面の回折ピーク(100)と、(200)面の回折ピーク(200)とを有し、
前記回折ピーク(100)の回折強度I(100)と前記回折ピーク(200)の回折強度I(200)とを用いて算出されるロットゲーリングファクターが0.1以下である、[1]〜[3]の何れかに記載の抗菌材料。
本発明の抗菌材料によれば、明所下(光照射条件下)のみならず、暗所下(すなわち、紫外線照射が少ない乃至無い条件下)でも、高い抗菌性を発揮できる。
図1(A)は、実施例1および比較例1で得られた試験片の表面のX線回折パターンを示す。図1(B)は、実施例1および比較例1で得られた試験片の表面の電子顕微鏡写真を示す。 図2は、実施例1〜2および比較例1〜3で得られた試験片における化学発光量(CL、縦軸)と時間(Time、横軸)との関係を示すTime−CL曲線である。
以下、本発明の抗菌材料について詳細に説明する。
本発明の抗菌材料は、酸化亜鉛(A)とバインダー(B)とを必須成分として含み、必要に応じて吸水材、架橋剤、可塑剤、各種機能性フィラーなどの任意成分を含んでいてもよい。
また、本発明の抗菌材料は、吸水性を有する。
本発明の抗菌材料が酸化亜鉛(A)およびバインダー(B)を含み、かつ、吸水性を有することで、抗菌活性の高い抗菌材料を得ることができる。
このような抗菌材料としては、JIS L 1907に準拠し、滴下法で測定した、水滴による鏡面反射が観察されなくなるまでの時間が、好ましくは60秒以下、より好ましくは30秒以下となるような抗菌材料が望ましい。
吸水性を有する抗菌材料は、例えば、(i)酸化亜鉛(A)およびバインダー(B)を攪拌・混合する際に、吸水材を配合する方法、(ii)親水化処理したバインダーを用いて抗菌材料を製造する方法、(iii)酸化亜鉛(A)およびバインダー(B)を攪拌・混合し、成形した後、得られた成形体の表面を親水化処理する方法、(iv)抗菌材料を多孔質構造とする方法などの方法で得ることができる。これらの中でも、容易に、安価に吸水性を有する抗菌材料が得られる等の点から、吸水材を用いたものであることが好ましい。この場合、例えば、酸化亜鉛(A)、バインダー(B)および吸水材の配合量を調整することで吸水性が前記範囲にある抗菌材料を得ることができる。
明所下および暗所下における抗菌活性を著しく向上できるという観点からは、抗菌材料の表面のX線回折パターンが、酸化亜鉛(A)の回折ピークとして、(100)面の回折ピーク(100)と、(200)面の回折ピーク(200)とを有するとともに、前記回折ピーク(100)の回折強度I(100)と前記回折ピーク(200)の回折強度I(200)とを用いて算出されるロットゲーリングファクター(Lotgering factor)(酸化亜鉛の単結晶a面の配向度)が、好ましくは0.1以下、より好ましくは0.08以下(例えば、0.01〜0.08)、更に好ましくは0.05以下(例えば、0.01〜0.05)である。
抗菌材料の表面のX線回折パターンが、前記回折ピーク(100)および前記回折ピーク(200)等のピークを有するか否か、また、その回折強度は、以下実施例に記載のX線回折条件に基づいて得られた、抗菌材料の表面のX回折パターンから判断できる。
酸化亜鉛の単結晶構造が、ウルツ鉱型構造(六方晶)を有している場合、酸化亜鉛粉末のX線回折パターンは、通常、横軸「2θ」が大きくなる順に、(100)面、(002)面、(101)面、(102)面、(110)面、(103)面、(200)面、(112)面、(201)面のピークを有する。ここで、(100)面および(200)面のピークは、酸化亜鉛の単結晶a面(a軸と垂直な面)を示す。
例えば、特開2006−264316号公報などに開示されているように、前記ロットゲーリングファクター(f)は、下記式(1)に基づいて算出される。なお、fの値が、「1」である場合、酸化亜鉛が完全に、a軸方向に配向していることを示し、「0」である場合、酸化亜鉛がa軸方向に配向がない(無配向である)ことを示している。
式(1)において、ρは、抗菌材料表面の回折パターンから以下の式(2)により算出される。
ρ0は、抗菌材料に用いた酸化亜鉛粉末のX線回折パターンから以下の式(3)により算出される。
本発明の抗菌材料の形状は、該抗菌材料の使用目的に応じて適宜選択されるが、例えば、繊維状、板状、粒子状、テトラポッド状などが挙げられる。
本発明の抗菌材料は、屋外用建材、工業用部材など、明所下(光照射条件下)で使用されてもよいが、紫外線照射が少ない乃至無い条件下でも抗菌特性を発揮できるため、屋内用建材、容器内部材、水周り用部材、電子機器用部材、医療用部材など、紫外線照射が少ない乃至無い条件下でも好適に使用される。
<酸化亜鉛(A)>
本発明の抗菌材料には、抗菌成分として、酸化亜鉛(A)が含まれるが、酸化亜鉛(A)は、特に限定されるものではない。すなわち、酸化亜鉛(A)は、市販されているものであってもよいし、例えば、金属亜鉛を熱して気化させ、空気中で燃焼させたものや、硫酸亜鉛または硝酸亜鉛を加熱して調製されたものであってもよい。
酸化亜鉛(A)は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
市販されている酸化亜鉛(A)としては、例えば、JIS K−1410で区分される「1種酸化亜鉛」、「2種酸化亜鉛」、「3種酸化亜鉛」や、日本薬局方に規定された局方酸化亜鉛、水熱合成工程を経て調製した異方性(柱状、板状、テトラポット状)の酸化亜鉛(形状異方性を有する酸化亜鉛)が挙げられる。これらの酸化亜鉛は、例えば、堺化学(株)、ハクスイテック(株)または住友大阪セメント(株)から購入できる。
中でも、酸化亜鉛として高い抗菌活性を有し、さらに配向を制御可能であるという観点から、酸化亜鉛(A)は形状異方性を有する酸化亜鉛が好ましく、特に柱状の酸化亜鉛であることが好ましい。
本発明の抗菌材料において、酸化亜鉛(A)の配合量(体積部)は、明所および暗所での抗菌活性発揮の点などを考慮すると、バインダー(B)100体積部に対して、好ましくは1〜1000体積部、より好ましくは5〜500体積部、さらに好ましくは10〜300体積部である。酸化亜鉛(A)の配合量が前記範囲にあることで、明所下でも暗所下でも、より良好な抗菌活性を発揮し、粉落ち等の少ない耐久性に優れる抗菌材料が得られるため好ましい。
<バインダー(B)>
バインダー(B)は、酸化亜鉛(A)を保持(結着)することができるものである限り特に限定されず、有機ポリマーであっても、無機ポリマーであってもよく、本発明の抗菌材料の用途に応じて適宜選択される。
バインダー(B)は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記有機ポリマーとしては、例えば、
フェノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリウレタン、熱硬化性ポリイミドなどの熱硬化性樹脂;
オレフィン系樹脂(ポリエチレン(例えば、高密度ポリエチレン(HDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE))、ポリプロピレンなど)、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、含フッ素ポリマー(フッ素系樹脂)、ABS樹脂(アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂)、アクリル系樹脂(ポリメタクリレート、ポリアクリレートなど)、ポリアミド系樹脂などの熱可塑性樹脂;
天然ゴム、アクリルゴム、ニトリルゴム、イソプレンゴム、ウレタンゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、エピクロルヒドリンゴム、クロロプレンゴム、シリコーンゴム、スチレン・ブタジエンゴム、ブタジエンゴム、フッ素ゴム、ポリイソブチレンなどの天然または合成ゴム;
が挙げられる。
無機バインダーとしては、ポリボロシロキサン、ポリカルボシラン、ポリシラスチレン、ポリシラザン、ポリチタノカルボシラン、ポリシロキサン(シリコーンゴムを含む。)などが挙げられる。
本発明の抗菌材料では、酸化亜鉛(A)の作用によって活性酸素種(ラジカル)が生じるが、発生したラジカルによって、バインダー(B)が劣化し、結果として、抗菌材料の劣化(例えば、耐用年数の低下、酸化亜鉛の粉落ち)などが生じることがある。そのため、バインダー(B)は、耐ラジカル性を有することが好ましい。中でも、耐ラジカル性が特に良好であるという観点からは、含フッ素ポリマー(フッ素系樹脂)またはフッ素ゴムが好ましい。
このような含フッ素ポリマー(フッ素系樹脂)としては、ポリテトラフルオロエチレン〔PTFE〕、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体〔PFA〕、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体〔FEP〕、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体〔EPE〕、ポリ(クロロトリフルオロエチレン)〔PCTFE〕、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体〔ETFE〕、低融点エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−クロロトリフルオエチレン共重合体〔ECTFE〕、ポリフッ化ビニリデン〔PVDF〕、フルオロエチレン−ビニルエーテル共重合体〔FEVE〕、テトラフルオロエチレン−パーフルオロジオキソール共重合体〔TFEPD〕などが挙げられる。これらの含フッ素ポリマーの中でも、耐久性、加工性および耐ラジカル性が極めて良好であるという観点から、PTFE、PFA、FEPが好ましい。
<吸水材>
本発明の抗菌材料に吸水材を付与することによって、該材料に含まれる酸化亜鉛の抗菌特性を有効に効率よく発揮させることができる。
前記吸水材としては、シリコン粒子、吸水性ポリマー粒子(ポリアクリル酸ポリマー、ポリビニルアルコール、吸水性ウレタンなど)、活性炭、ゼオライトなどが挙げられる。これらの中でも、酸化亜鉛から生じるラジカルにより分解しない化合物が好ましく、シリコン粒子、活性炭、ゼオライトがより好ましい。
吸水材は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記吸水材としては、酸化亜鉛の特性を損なわない範囲で適宜配合すればよく、その配合量は、バインダー100体積部に対して、好ましくは1〜1000体積部、より好ましくは5〜500体積部、さらに好ましくは10〜300体積部である。
本発明の抗菌材料は、酸化亜鉛(A)およびバインダー(B)、さらには、必要に応じて任意成分を同時に、あるいは任意の順序で公知の攪拌・混合手段に仕込み、攪拌・混合して製造することができる。また、攪拌・混合した後、使用目的に応じて圧縮成形工程を行ってもよい。該圧縮成形工程としては、前記攪拌・混合後に得られた混合物を、金型に入れ圧縮成形してもよいし、ロール圧延してもよい。この圧縮成形工程における加圧条件は、特に限定されない。
前記ロットゲーリングファクターは、圧縮成形工程における加圧条件を変えることによって制御することができる。例えば、酸化亜鉛(A)が柱状の酸化亜鉛である場合は、加える圧力を小さくすると、ロットゲーリングファクターは小さくなる傾向にある。逆に、圧縮成形工程における加える圧力を大きくすると、ロットゲーリングファクターは大きくなる傾向にある。
例えば、前記圧縮成形工程における圧力を1〜30kg/cm2程度にすると、ロットゲーリングファクターが0.1以下である抗菌材料を得ることができる傾向にある。
以下、実施例を用いて本発明を詳細に説明するが、下記実施例は本発明を限定するものではない。
[実施例1]
柱状酸化亜鉛(堺化学工業(株)製)50体積部、FEP(パーフルオロエチレン−プロペンコポリマー、ダイキン工業(株)製、「NP−20」)25体積部および吸水材として活性炭25体積部を配合して、300℃の条件下でラボプラストミル((株)東洋精機製作所製、「4C150型」)を用い、30分間溶融混練し、ペレットを得た。得られたペレットを、金型(内部寸法は、55mm(縦)×55mm(横)×0.5mm(深さ)である。)に供し、大気中で、350℃の条件下で30分間加熱した。
次いで、圧縮成形工程として、空冷下で、30 kg/cm2の圧力で圧縮成形して、試験片(1)を作成した。
なお、得られた試験片(1)の寸法は、縦50mm×横50mm×厚み0.2mmであり、試験片(1)の重さは1.40gであった。
作成された試験片(1)の、酸化亜鉛の単結晶a面の配向度を示すロットゲーリングファクター、化学発光量(抗菌活性)および吸水性を、それぞれ下記方法に基づいて測定した。
[実施例2]
実施例1において、FEP(25体積部)および活性炭(25体積部)の代わりに、FEPを45体積部および活性炭を5体積部用いた以外は実施例1と同様にして試験片(2)を作成し、試験片(2)のロットゲーリングファクター、化学発光量および吸水性を測定した。
なお、得られた試験片(2)の寸法は、縦50mm×横50mm×厚み0.2mmであり、試験片(2)の重さは1.41gであった。
[比較例1]
実施例1において、活性炭を配合せず、FEPの使用量を50体積部としたこと以外は、実施例1と同様にして試験片(3)を作成し、試験片(3)のロットゲーリングファクター、化学発光量および吸水性を測定した。
[比較例2]
比較例1において、圧縮成形工程における圧力条件を「30kg/cm2」から「100kg/cm2」に変更したこと以外は比較例1と同様にして、試験片(4)を作成し、試験片(4)のロットゲーリングファクター、化学発光量および吸水性を測定した。
[比較例3]
実施例1において、柱状酸化亜鉛を配合せず、FEPおよび活性炭の使用量をそれぞれ50体積部としたこと以外は実施例1と同様にして試験片(5)を作成し、試験片(5)の化学発光量および吸水性を測定した。なお、酸化亜鉛を含まないためロットゲーリングファクターの測定は行わなかった。
[ロットゲーリングファクターf]
以下のX線回折条件で、試験片(1)〜(4)の表面のX線回折パターンを測定した。このうち、試験片(1)および(3)の表面のX線回折パターンを図1(A)に示す。
[X線回折条件]
・X線回折装置:RINT2000(Rigaku社製)
・加速電圧:40kV
・電流:30mA
・特性X線:CuKα線
・走査速度:4度/分
試験片(1)〜(4)の表面のX線回折パターンの各ピークの面指数を、ウルツ鉱型構造の酸化亜鉛の格子定数に基づいて同定した。また、ベースラインから各ピークまでの高さを測定し、(101)面のピークにおける回折強度を100として、各ピークの回折強度を算出した。結果を表1に示す。
また、試験片(1)〜(4)の調製の際に用いた柱状酸化亜鉛粉末の各面の回折強度を前記と同様にして算出した。結果を表2に示す。
なお、前記ウルツ鉱型構造の酸化亜鉛の格子定数は、JCPDS−ICDD(粉末回折標準委員会国際回折データセンター)にて公開されている六方晶ウルツ鉱構造酸化亜鉛粉末(無配向サンプル)のX線回折パターン(No.36−1451)から同定した。
得られた回折強度から、前記式(1)に基づいて、ロットゲーリングファクターfを算出した。試験片(1)〜(4)のロットゲーリングファクターfの値を、表1に示す。
なお、試験片(1)および(3)の表面の電子顕微鏡写真(測定機器:(株)日立ハイテクノロジーズ製S−3400、倍率5000倍)を図1(B)に示す。図1(B)が示すように、試験片(1)は、試験片(3)に比べて、ランダムに配向していることが分かる。
[化学発光量(抗菌活性)]
以下に説明するように、化学発光法を用いて、試験片(1)〜(5)の化学発光量を測定した。なお、化学発光量は、酸化亜鉛から発生する活性酸素種(過酸化水素)の量を示す指標であり、化学発光量の値が大きいほど、菌類を攻撃する活性酸素種の量が多いことを示している。すなわち、化学発光量の値が大きいほど抗菌性が高いことを示す。
試験片(1)〜(5)それぞれを、暗所下で、300秒間(5分間)放置した後、各試験片の表面に、ルミノールを含む試験水溶液(ルミノール濃度:10-6mol/l)を滴下した。
試験水溶液の滴下後0秒〜300秒間(すなわち、試験片(1)〜(5)を暗所下で放置してから300〜600秒間)における、酸化亜鉛によって発生した活性酸素とルミノールとの反応(ルミノール反応)によって生じた発光を、化学発光分光分析器(東北電子産業(株)製、商品名「CLD-100FC」)を用いて測定して、縦軸を化学発光量(CL、化学発光の蛍光強度)、横軸を時間(Time、秒)とするTime−CL曲線を得た。結果を図2に示す。
Time−CL曲線から、試験水溶液滴下後0〜300秒間の発光強度の積分値(化学発光量(0〜300))を算出した。結果を表1に示す。
また、以下の評価規準に基づいて、抗菌活性を評価した。
◎:化学発光量(0-300)が500,000以上である
○:化学発光量(0-300)が200,000以上500,000未満である
△:化学発光量(0-300)が50,000以上200,000未満である
×:化学発光量(0-300)が50,000未満である
[吸水性]
試験片(1)〜(5)の吸水性はJIS L 1907に準拠し、滴下法によって測定した。具体的には、試験片(1)〜(5)それぞれの上に水滴を1滴滴下し、該滴下した水滴を目視にて観察し、水滴による鏡面反射が観察されなくなるまでの時間を計測した。吸水に要する時間が60秒以下の試験片を吸水性を有する抗菌材料とした。

Claims (4)

  1. 酸化亜鉛(A)とバインダー(B)とを含み、吸水性を有する、抗菌材料。
  2. 前記バインダー(B)が、耐ラジカル性を有する有機ポリマーである、請求項1に記載の抗菌材料。
  3. 前記耐ラジカル性を有する有機ポリマーが、含フッ素ポリマーである、請求項2に記載の抗菌材料。
  4. 抗菌材料の表面のX線回折パターンが、酸化亜鉛(A)の回折ピークとして、(100)面の回折ピーク(100)と、(200)面の回折ピーク(200)とを有し、
    前記回折ピーク(100)の回折強度I(100)と前記回折ピーク(200)の回折強度I(200)とを用いて算出されるロットゲーリングファクターが0.1以下である、請求項1〜3の何れか一項に記載の抗菌材料。
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