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JP2013249410A - 臭気を低減した天然ゴムおよびその製造方法 - Google Patents

臭気を低減した天然ゴムおよびその製造方法 Download PDF

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JP2013249410A
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zinc oxide
mass
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JP2012126230A
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Takeshi Kiyohara
猛 清原
Keisuke Chino
圭介 知野
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Yokohama Rubber Co Ltd
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Yokohama Rubber Co Ltd
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Abstract

【課題】臭気が著しく低減され、かつ可塑度残留指数(PRI)の低下も防止された天然ゴムを提供する。
【解決手段】天然ゴムラテックスの凝固物を粉砕し、得られた粉砕物に酸化亜鉛およびN−フェニル−N’−1,3−ジメチルブチル−p−フェニレジアミンのような酸化防止剤を、前者:後者として、1:10〜10:1の割合(質量比)で添加し、75℃〜140℃で乾燥させ、臭気が著しく低減され、かつ可塑度残留指数(PRI)の低下も防止された天然ゴムを得る。
【選択図】なし

Description

本発明は、臭気を低減した天然ゴムおよびその製造方法に関する。
天然ゴムは、その優れた物理的な特質と安価さから、ゴム産業において幅広くかつ大量に使用されている。天然ゴムは、ゴム農園でタッピングにより採取されたゴム樹液(天然ゴムラテックス)から作られる。その製造方法としては、ラテックスにギ酸などの酸を添加して凝固させ、脱水、乾燥、燻煙後、計量、成形する方法が一般的である。この他にも、ゴム樹木の切り付け溝に紐状に凝固したトリーレースと呼ばれるゴムや、その切り付け溝から流出したラテックスがカップに溜まり自然凝固したカップランプと呼ばれるゴム、あるいはアンスモークドシートやぬれゴム(スラブ)、RSS屑などのような半加工品を粉砕し、洗浄後、乾燥、計量、成形する方法などがよく知られている。
しかし、これらの従来の方法で製造された天然ゴムは、原料が天然産物という特徴から、原料の保管中や製造工程中での腐敗などにより独特な悪臭を放つため、この臭気は工場内の作業環境を悪くすると共に工場周辺への影響も問題となっていた。また、この天然ゴムを使用するタイヤを含むゴム製品の製造業者の間でも、入手した天然ゴムの加工、特に素練り工程時に臭気が発生するため、近年の工場周囲の都市化により、この臭気の対策のために消臭設備の設置など、莫大な投資を余儀なくされており、天然ゴムの無臭化が切実に望まれていた。
そこで、下記特許文献1には、凝固前の天然ゴムラテックスに酸化防止剤を添加し、天然ゴムの臭気を低減する技術が開示されている。
また下記特許文献2には、天然ゴムラテックスを凝固前または凝固後にアルカリ溶液に接触させる天然ゴムの製造方法が開示されている。
しかし、前記従来技術の臭気低減効果は未だ不十分であり、また、可塑度残留指数(PRI)が低下するという問題点があり、改善の余地があった。
特開2005−29590号公報 特開平8−81504号公報
本発明の目的は、臭気が著しく低減され、かつ可塑度残留指数(PRI)の低下も防止された天然ゴムおよびその製造方法を提供することにある。
本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、天然ゴムラテックスの凝固物を粉砕し、これに酸化亜鉛および酸化防止剤を添加することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成することができた。
すなわち本発明は以下のとおりである。
1.天然ゴムラテックスの凝固物を粉砕し、得られた粉砕物に酸化亜鉛および酸化防止剤を添加し、75℃〜140℃で乾燥させて得られた臭気を低減した天然ゴム。
2.前記酸化防止剤がアミン系老化防止剤である前記1に記載の天然ゴム。
3.前記酸化防止剤がジフェニルアミン系老化防止剤である前記1または2に記載の天然ゴム。
4.前記ジフェニルアミン系老化防止剤が、N−フェニル−N’−1,3−ジメチルブチル−p−フェニレジアミンである前記1〜3のいずれかに記載の天然ゴム。
5.前記酸化亜鉛と前記酸化防止剤の質量比が、前者:後者として、1:10〜10:1である前記1〜4のいずれかに記載の天然ゴム。
6.前記酸化亜鉛と前記酸化防止剤の合計添加量が、天然ゴム100質量部に対して0.1〜3質量部である前記1〜5のいずれかに記載の天然ゴム。
7.天然ゴムラテックスの凝固物を粉砕し、得られた粉砕物に酸化亜鉛および酸化防止剤を添加し、75℃〜140℃で乾燥させる工程を有する臭気を低減した天然ゴムの製造方法。
本発明によれば、臭気が著しく低減され、かつ可塑度残留指数(PRI)の低下も防止された天然ゴムおよびその製造方法を提供することができる。
とくに、前記酸化防止剤を特定した形態では、臭気の低減効果および可塑度残留指数(PRI)の低下防止効果が一層高まる。
また、前記酸化亜鉛と酸化防止剤の質量比および/または両者の添加量を特定した形態においても、臭気の低減効果および可塑度残留指数(PRI)の低下防止効果が一層高まる。
以下、本発明をさらに詳細に説明する。
本発明の臭気を低減した天然ゴムは、前記のように、天然ゴムラテックスを凝固させ、粉砕し、得られた粉砕物に酸化亜鉛および酸化防止剤を添加し、75℃〜140℃で乾燥させて得られる。
本発明で使用する天然ゴムラテックスの凝固物は、特に限定されるものではなく、例えばラテックス凝固ゴム、カップランプ、スラブ、アンスモークドシートまたはこれらの混合品等がある。
天然ゴムラテックスの凝固物は、続いて粉砕され、粉砕物となる。粉砕物の粒径は、熱風乾燥のしやすさの点から、10mm以下、好ましくは、2〜5mmのサイズであるのが好ましい。
続いて、得られた粉砕物を好ましくは水洗し、酸化亜鉛および酸化防止剤を添加する。酸化防止剤としては、公知のものの中から適宜選択すればよいが、本発明の効果向上の観点から、例えばアミン系老化防止剤が好ましく、ジフェニルアミン系老化防止剤がさらに好ましい。
ジフェニルアミン系老化防止剤としては、例えばN,N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N’−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N’−1,3−ジメチルブチル−p−フェニレンジアミン、アルキル化ジフェニルアミン、4,4−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、p−(p−トルエンスルホニルアミド)ジフェニルアミン、N−フェニル−N−(3−メタクロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピル )−p−フェニレンジアミン等が挙げられ、中でもN−フェニル−N’−1,3−ジメチルブチル−p−フェニレジアミンがとくに好ましい。
酸化亜鉛と酸化防止剤は、本発明の効果向上の観点から、その質量比が、前者:後者として、1:10〜10:1の範囲で添加するのが好ましい。また、本発明の効果がさらに向上するという観点から、酸化亜鉛の添加量(質量)を1としたときに、酸化防止剤の添加量(質量)は、1.0以下が好ましく、0.1〜0.5がさらに好ましい。
また、酸化亜鉛と酸化防止剤の合計添加量は、本発明の効果向上の観点から、天然ゴム100質量部に対して0.1〜3質量部であるのが好ましく、0.4〜1.5質量部であるのがさらに好ましい。なお、酸化亜鉛の添加量は天然ゴム100質量部に対して1質量部以下が好ましく、0.3〜1.0質量部がさらに好ましい。
酸化亜鉛および酸化防止剤の前記粉砕物への添加方法は、公知の混練手段を用いて行なえばよく特に制限されない。酸化亜鉛および酸化防止剤は、粉体形状で添加しても所望の効果を奏することができる。これとは別に、酸化亜鉛および酸化防止剤を水溶液または水性懸濁液として前記粉砕物にスプレー等の手段で添加することもできる。
続いて、酸化亜鉛および酸化防止剤が添加された前記粉砕物は、75℃〜140℃の範囲の乾燥温度により乾燥される。乾燥温度が75℃未満では水洗で用いた水分が蒸発しにくい。逆に140℃を超えると天然ゴムの物性劣化を招く恐れがあり、好ましくない。
乾燥時間は、例えば40〜120分である。
このようにして得られた本発明の天然ゴムは、臭気が著しく低減され、また可塑度残留指数(PRI)の低下も防止される。したがって、天然ゴムの素練り工程の際の悪臭の発生が抑制され、素練り工程後の各種ゴム製造工程においても、天然ゴム由来の臭気が低減する。なお、酸化亜鉛および酸化防止剤は、ゴム製造業界において一般的に素練り工程後に添加され、本発明とは添加時期および添加目的が相違し、両者は区別されるものである。
本発明の天然ゴムは、カーボンブラックやシリカ等の充填剤、加硫又は架橋剤、加硫又は架橋促進剤、各種オイル、老化防止剤、可塑剤、加硫助剤、加工助剤等を添加し、各種ゴム製品の原料、例えばタイヤ用ゴム組成物に好適に用いることができる。
以下、本発明を実施例および比較例によりさらに説明するが、本発明は下記例に制限されるものではない。
実施例1〜4および比較例1〜5
タッピングにより採取された天然ゴムラテックスを、カップの中で自然凝固せしめ、カップランプ(CL)を調製した。続いて、該CLを粉砕し、水洗し、脱水後、シート状に成型した。
これとは別に、タッピングにより採取された天然ゴムラテックスをギ酸により凝固せしめ、水溶性の非ゴム成分を取り除き、このゴムを1週間から10日程度乾燥させ、アンスモークドシート(USS)を調製した。
次に、前記のCLおよびUSSを、CL:USS=6:4の質量比において、混合、粉砕、水洗し、最終的にシュレッダーマシンで10mm以下の粒径に粉砕し、粉砕物を調製した。
得られた粉砕物に、表1に示す量の酸化亜鉛(正同化学工業(株)製酸化亜鉛3種)およびN−フェニル−N’−1,3−ジメチルブチル−p−フェニレジアミン(住友化学(株)製アンチゲン6C)(以下、6Cという)をまぶすことにより添加し、あるいは添加せず、130℃で30分間乾燥し、ロールを1回通した後、さらに130℃で15分間乾燥し、各天然ゴムサンプルを得た。得られた各天然ゴムサンプルについて、以下の臭気テストと可塑度残留指数(PRI)の測定を行なった。
臭気テスト:天然ゴムサンプルの50gをポリ塩化ビニル製バッグに入れ、100℃で1時間加熱した後、パネラーにより臭気を確認した。10人のパネラーが6段階で臭気レベルを評価し、その平均値を臭気テストの結果とした。臭気レベルは、数値が低いほど臭気が少ないことを意味する。また、この臭気テストで数値が低い天然ゴムサンプルは、その後の素練り工程においても臭気の発生が少ない。
可塑度残留指数(PRI):JIS K6300−1に従い測定した。PRIは天然ゴムサンプルを空気加熱老化させたときの、老化前に対する老化後の可塑度の比を表わす。結果は、比較例1の値を100とし、指数表示した。この指数が低いほど、熱老化が大きいことを意味する。
結果を併せて表1に示す。なお表1において、phrとは前記天然ゴムサンプル100質量部に対する、各使用成分の質量部を意味している。
Figure 2013249410
表1の結果から、実施例1〜4の天然ゴムは、天然ゴムラテックスの凝固物を粉砕し、得られた粉砕物に酸化亜鉛および酸化防止剤を添加し、75℃〜140℃で乾燥させて得られたものであるため、臭気が著しく低減され、かつ可塑度残留指数(PRI)の低下も防止されている。
これに対し、比較例2〜3は、酸化亜鉛のみの添加であるので、臭気は改善されるものの、PRIの低下が確認され、添加量の多い場合(比較例3)、その傾向が顕著である。
比較例4〜5は、酸化防止剤のみの添加であるので、臭気改善効果が確認されなかった。

Claims (7)

  1. 天然ゴムラテックスの凝固物を粉砕し、得られた粉砕物に酸化亜鉛および酸化防止剤を添加し、75℃〜140℃で乾燥させて得られた臭気を低減した天然ゴム。
  2. 前記酸化防止剤がアミン系老化防止剤である請求項1に記載の天然ゴム。
  3. 前記酸化防止剤がジフェニルアミン系老化防止剤である請求項1または2に記載の天然ゴム。
  4. 前記ジフェニルアミン系老化防止剤が、N−フェニル−N’−1,3−ジメチルブチル−p−フェニレジアミンである請求項1〜3のいずれかに記載の天然ゴム。
  5. 前記酸化亜鉛と前記酸化防止剤の質量比が、前者:後者として、1:10〜10:1である請求項1〜4のいずれかに記載の天然ゴム。
  6. 前記酸化亜鉛と前記酸化防止剤の合計添加量が、天然ゴム100質量部に対して0.1〜3質量部である請求項1〜5のいずれかに記載の天然ゴム。
  7. 天然ゴムラテックスの凝固物を粉砕し、得られた粉砕物に酸化亜鉛および酸化防止剤を添加し、75℃〜140℃で乾燥させる工程を有する臭気を低減した天然ゴムの製造方法。
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