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JP2013132755A - 多層シート及びその利用 - Google Patents

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JP2013132755A JP2011282569A JP2011282569A JP2013132755A JP 2013132755 A JP2013132755 A JP 2013132755A JP 2011282569 A JP2011282569 A JP 2011282569A JP 2011282569 A JP2011282569 A JP 2011282569A JP 2013132755 A JP2013132755 A JP 2013132755A
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禎二 小原
Atsushi Ishiguro
淳 石黒
Ryuta Kurihara
竜太 栗原
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Abstract

【課題】長期間高温高湿環境に暴露された後でもガラスとの強固な接着力を維持する太陽電池素子封止材に好適な多層シートを提供する。
【解決手段】芳香族ビニル化合物由来の繰り返し単位を主成分とする2以上の重合体ブロックと、鎖状共役ジエン化合物由来の繰り返し単位を主成分とする1以上の重合体ブロックとからなり、全不飽和結合の90%以上を水素化したブロック共重合体水素化物からなる層に、芳香族ビニル化合物由来の繰り返し単位を主成分とする2以上の重合体ブロックと、鎖状共役ジエン化合物由来の繰り返し単位を主成分とする1以上の重合体ブロックとからなり、少なくとも鎖状共役ジエン化合物由来の不飽和結合の90%以上を水素化したブロック共重合体水素化物にジカルボン酸無水物基が導入されてなるブロック共重合体水素化物、及び分子内にエポキシ基とアルコキシシリル基を有するシラン化合物とからなる接着層を積層した多層シートを用いる。
【選択図】なし

Description

本発明は、太陽電池モジュールにおける太陽電池素子を密封するための封止用材料に関する。更に詳しくは、低吸湿性、耐候性、透明性、柔軟性及び長期間高温高湿環境に暴露された後でもガラスとの強固な接着力を維持し、特別な遮水処理を施すことなく太陽電池素子を封止することが可能な太陽電池素子封止材及び太陽電池素子封止用のシートに関する。
太陽電池は、近年、クリーンエネルギーとして注目され、現在、種々の形態からなる太陽電池モジュ−ルが開発され、提案されている。中でも、単結晶もしくは多結晶タイプの結晶性シリコン系素子を用いたもの、あるいは、薄膜アモルファスシリコン系素子を用いたものなどが主流である。このようなシリコン素子を用いた太陽電池モジュールの構成としては、図1に示すような、太陽光入射面側から、ガラス基板などからなる透明前面基板1、太陽電池素子2、太陽電池素子を密封する封止材3、太陽電池素子に繋がる配線4と、裏面保護シート5を有するものが代表的である。
従来、太陽電池において太陽電池素子を密封する封止材3としては、エチレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)を有機過酸化物などの架橋剤を用いて架橋硬化してなる封止材が広く用いられている。
従来の太陽電池は、高温高湿や風雨に曝される屋外の環境下で長期にわたって使用されると、太陽電池内部に湿気ないし水が浸透し、封止材の絶縁性低下により太陽電池の耐久性を低下させる懸念がある。また、封止材に使用されるEVAは透明性及び耐光性に優れることから封止材用樹脂として好ましく用いられているが、酢酸ビニル由来の構成単位を含むため、外部より透過した湿気又は水により経時的に加水分解して酢酸を生じ易い特性を有している。このような酢酸が電池内部の配線や電極と接触して腐食の発生を促進させることも懸念されている。
そこで、太陽電池内部への水分の浸透による絶縁性低下、配線や電極の腐食などの不具合を防止して、太陽電池の耐久性を向上させるために、裏面保護シートにバリヤー層としての無機酸化物の蒸着層を多層化する方法(例えば、特許文献1)、裏面保護シートに透湿度の低い環状オレフィン系樹脂シートを使用する方法(例えば、特許文献2〜3)等の対策がとられている。しかしながら、このようにして湿気ないし水の浸透を低下させたとしても、湿気ないし水の浸透を完全に無くすことはできず、絶縁性低下や腐食を防止して耐久性を格段に向上させるためには、吸湿性及び透湿性が低く、加水分解によって酸を発生させない封止材が求められている。
封止材の加水分解による酸発生の課題を解決するため、EVAに受酸剤を添加ないしは酸と反応性を有する置換基を含有させる方法(例えば、特許文献4〜5)が提案されている。しかしながら、EVAから発生する酸を除外する方法は、酸発生による影響は低減されると考えられるが、EVA自体の吸湿性及び透湿性が高いことにより、外部から浸透した水による電池内部の配線や電極の腐食を十分防止できるとは言えなかった。
封止材の加水分解による酸発生の課題を解決するための他の方法として、EVAの代わりに加水分解により酸を発生させない封止用樹脂、例えば、エチレン・α−オレフィン共重合体及び架橋剤を用いた封止用樹脂組成物を使用する方法(例えば、特許文献6〜7)、あるいは、プロピレン系重合体及び特定のプロピレン系共重合体(例えば、特許文献8)を使用する方法等の対策がとられている。EVAの代わりにエチレン・α−オレフィン共重合体を使用する方法は、吸湿性及び透湿性が低く、また、酸発生による影響も低減されると考えられるが、エチレン・α−オレフィン共重合体やプロピレン系重合体及び特定のプロピレン系共重合体などを使用する方法は、耐熱性と柔軟性とのバランスが悪く、非架橋では良好な耐熱性を発現しないため、架橋工程を省略して太陽電池素子封止シートを製造することは困難であった。
特許文献9には、少なくとも3つのブロックを有し、芳香族ビニルモノマー由来の構造単位を主成分とするハードブロックと共役ジエン由来の構成単位を主成分とするソフトブロックを有するプレポリマーの、炭素−炭素二重結合を水素化して得られるブロックコーポリマーが、高耐熱変形性、良好な機械的特性、高い透明性、特に低い吸水性に特徴があり、機械的に傷つきやすい系(例えば太陽電池の分野)の保護のためのカバーに使用することができることが記載されている。しかし、太陽電池素子の封止材に使用することは示唆されていない。
特許文献10は、炭素−炭素二重結合を水素化して得られるビニル脂環式炭化水素重合体が、電気・電子部品の封止材を含む各種の用途に活用できることを開示している。しかし、具体的に開示されている重合体は、芳香環のC−C二重結合がほぼ水素化された重合体ではあるものの、共役ジエンブロックを有しないブロックポリマーのみであり、また芳香族ビニルモノマーの割合も多い重合体のみである。
特許文献11は、本発明者らが特許文献9で具体的に示されている芳香族ビニルモノマーの使用割合が多いブロックコーポリマーでは、柔軟性及びガラスとの接着性が低く、太陽電池素子を封止すると太陽電池モジュールの耐久性が低くなり不具合が発生することを確認し、この不具合を解消した材料として、特定のブロック共重合体の炭素−炭素不飽和結合を水素化して得られるブロック共重合体水素化物を含有する樹脂組成物が、低吸湿性、非加水分解性、耐候性、透明性、接着性及び柔軟性に優れ、特別な遮水処理を施すことなく太陽電池素子を封止することが可能な太陽電池素子封止用樹脂組成物であることを見出し、開示したものである。
特開2000−91610号公報 特開2000−106450号公報 特開2001−44481号公報 特開2005−29588号公報 特開2008−291222号公報 特開平6−299125号公報 特開2000−91611号公報 WO2008/015984号 特表2002−531598号公報 WO2002/016447号 WO2011/096389号
本発明はこうした実状に鑑みてなされ、低吸湿性、非加水分解性、耐候性、透明性、柔軟性及び長期間高温高湿環境に暴露された後でもガラスとの強固な接着力を維持し、特別な遮水処理を施すことなく太陽電池素子を封止することが可能な太陽電池素子封止材及び太陽電池素子封止用のシートを提供することを目的としている。
本発明者らは、上記の特許文献11に記載の特定のブロック共重合体の炭素−炭素不飽和結合を水素化して得られるブロック共重合体水素化物を用いると、長期間高温高湿環境に暴露された後のガラスとの接着力が低下する場合があることを確認した。そこでこの不具合を解消すべく、鋭意検討を進めた結果、上記の特定のブロック共重合体の炭素−炭素不飽和結合を水素化して得られるブロック共重合体水素化物からなる層の片面もしくは両面に、別途特定のブロック共重合体水素化物にジカルボン酸無水物基が導入されてなる、ジカルボン酸無水物基を有するブロック共重合体水素化物及び分子内にエポキシ基とアルコキシシリル基を有するシラン化合物とからなる接着層を積層した多層シートにすることにより、低吸湿性、非加水分解性、耐候性、透明性、柔軟性及び長期間高温高湿環境に暴露された後でもガラスとの強固な接着力を維持し、特別な遮水処理を施すことなく太陽電池素子を封止することが可能な太陽電池素子封止材となることを見出し、本発明を完成させるに至った。
かくして本発明によれば、芳香族ビニル化合物由来の繰り返し単位を主成分とする、少なくとも2つの重合体ブロック(A)と、鎖状共役ジエン化合物由来の繰り返し単位を主成分とする、少なくとも1つの重合体ブロック(B)とからなり、全重合体ブロック(A)のブロック共重合体全体に占める重量分率をwAとし、全重合体ブロック(B)のブロック共重合体全体に占める重量分率をwBとした時に、wAとwBとの比(wA:wB)が30:70〜60:40であるブロック共重合体(i)の、全不飽和結合の90%以上を水素化した、ブロック共重合体水素化物(I)からなる層[I]の片面もしくは両面に、芳香族ビニル化合物由来の繰り返し単位を主成分とする、少なくとも2つの重合体ブロック(a)と、鎖状共役ジエン化合物由来の繰り返し単位を主成分とする、少なくとも1つの重合体ブロック(b)とからなり、全重合体ブロック(a)のブロック共重合体全体に占める重量分率をwaとし、全重合体ブロック[b]のブロック共重合体全体に占める重量分率をwbとした時に、waとwbとの比(wa:wb)が20:80〜60:40であるブロック共重合体(ii)の、少なくとも鎖状共役ジエン化合物由来の不飽和結合の90%以上を水素化した、ブロック共重合体水素化物(II)にジカルボン酸無水物基が導入されてなる、ジカルボン酸無水物基を有するブロック共重合体水素化物(IIm)及び分子内にエポキシ基とアルコキシシリル基を有するシラン化合物(III)とからなる接着層[IV]を積層した多層シートが提供される。
この多層シートは、接着層[IV]が、ジカルボン酸無水物基を有するブロック共重合体水素化物(IIm)100重量部に対して紫外線吸収剤を0.01〜1重量部含有することが好ましい。
本発明によれば、上記の多層シートを、接着層[IV]をガラス面に接するように配置して使用する太陽電池素子の封止方法が提供される。
本発明の多層シートは、ガラス転移温度が高く耐熱性に優れた重合体ブロック(A)と、ガラス転移温度が低く柔軟性に優れた重合体ブロック(B)からなるブロック共重合体(i)を水素化したブロック共重合体水素化物(I)からなる少なくとも1層以上の層[I]の片面もしくは両面に、ガラス転移温度が高く耐熱性に優れた重合体ブロック(a)と、ガラス転移温度が低く柔軟性に優れた重合体ブロック(b)からなるブロック共重合体(ii)を水素化したブロック共重合体水素化物(II)にジカルボン酸無水物基が導入されてなる、ジカルボン酸無水物基を有するブロック共重合体水素化物(IIm)及び分子内にエポキシ基とアルコキシシリル基を有するシラン化合物(III)とからなる接着層[IV]が積層されてなるため、低吸湿性、低透湿性、優れた透明性、耐候性を有するばかりでなく、長期間高温高湿環境に暴露された後でもガラスとの強固な接着力を維持できる、特別な遮水処理を施すことなく太陽電池素子を封止することを可能とする多層シートである。また、本発明の多層シートは、有機過酸化物などの架橋剤を用いて架橋硬化しなくても十分な耐熱性を有するため、太陽電池の製造工程で架橋工程を省略することができる。
本発明の多層シートは、芳香族ビニル化合物由来の繰り返し単位を主成分とする、少なくとも2つの重合体ブロック(A)と、鎖状共役ジエン化合物由来の繰り返し単位を主成分とする、少なくとも1つの重合体ブロック(B)とからなり、全重合体ブロック(A)のブロック共重合体全体に占める重量分率をwAとし、全重合体ブロック(B)のブロック共重合体全体に占める重量分率をwBとした時に、wAとwBとの比(wA:wB)が30:70〜60:40であるブロック共重合体(i)の、全不飽和結合の90%以上を水素化したブロック共重合体水素化物(I)からなる層[I]の片面もしくは両面に、芳香族ビニル化合物由来の繰り返し単位を主成分とする、少なくとも2つの重合体ブロック(a)と、鎖状共役ジエン化合物由来の繰り返し単位を主成分とする、少なくとも1つの重合体ブロック(b)とからなり、全重合体ブロック(a)のブロック共重合体全体に占める重量分率をwaとし、全重合体ブロック(b)のブロック共重合体全体に占める重量分率をwbとした時に、waとwbとの比(wa:wb)が20:80〜60:40であるブロック共重合体(ii)の、少なくとも鎖状共役ジエン化合物由来の不飽和結合の90%以上を水素化した、ブロック共重合体水素化物(II)にジカルボン酸無水物基が導入されてなる、ジカルボン酸無水物基を有するブロック共重合体水素化物(IIm)及び分子内にエポキシ基とアルコキシシリル基を有するシラン化合物(III)とからなる接着層[IV]が積層されてなる。
1.ブロック共重合体(i)
本発明に係るブロック共重合体(i)は、少なくとも2つの重合体ブロック(A)と少なくとも1つの重合体ブロック(B)を含有する。
そして、全重合体ブロック(A)のブロック共重合体全体に占める重量分率をwAとし、全重合体ブロック(B)のブロック共重合体全体に占める重量分率をwBとした時に、wAとwBとの比(wA:wB)が20:80〜60:40である。
重合体ブロック(A)は、芳香族ビニル化合物由来の構造単位を主成分とするものであり、重合体ブロック(A)中の芳香族ビニル化合物由来の構造単位の含有量は、通常90重量%以上、好ましくは95重量%以上、より好ましくは99重量%以上である。また、重合体ブロック(A)中の芳香族ビニル化合物由来の構造単位以外の成分としては、鎖状共役ジエン由来の構造単位及び/又はその他のビニル化合物由来の構造単位を含むことができ、その含有量は通常10重量%以下、好ましくは5重量%以下、より好ましくは1重量%以下である。重合体ブロック(A)中の芳香族ビニル化合物由来の構造単位が少なすぎると、本発明の多層シートの耐熱性が低下する恐れがある。
複数の重合体ブロック(A)は、上記の範囲を満足すれば互いに同じであっても、異なっていても良い。
重合体ブロック(B)は、鎖状共役ジエン化合物由来の構造単位を主成分とするものであり、重合体ブロック(B)中の鎖状共役ジエン化合物由来の構造単位の含有量は、通常90重量%以上、好ましくは95重量%以上、より好ましくは99重量%以上である。鎖状共役ジエン化合物由来の構造単位が上記範囲にあると、本発明の多層シートの柔軟性、太陽電池素子封止性のバランスに優れる。また、重合体ブロック(B)中の鎖状共役ジエン化合物由来の構造単位以外の成分としては、芳香族ビニル化合物由来の構造単位及び/又はその他のビニル化合物由来の構造単位を含むことができ、その含有量は、通常10重量%以下、好ましくは5重量%以下、より好ましくは1重量%以下である。重合体ブロック(B)中の芳香族ビニル化合物由来の構造単位の含有量が増加すると、本発明の多層シートの柔軟性が低下し、太陽電池素子封止性が低下する恐れがある。
重合体ブロック(B)が複数ある場合には、重合体ブロック(B)は、上記の範囲を満足すれば互いに同じであっても、異なっていても良い。
芳香族ビニル化合物としては、具体的には、スチレン、α−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2,4−ジイソプロピルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、4−t−ブチルスチレン、5−t−ブチル−2−メチルスチレン、4−モノクロロスチレン、ジクロロスチレン、4−モノフルオロスチレン、4−フェニルスチレンなどが挙げられ、吸湿性の面で極性基を含有しないものが好ましく、スチレンが特に好ましい。
鎖状共役ジエン系化合物としては、具体的には、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエンなどが挙げられ、吸湿性の面で極性基を含有しないものが好ましく1,3−ブタジエン、イソプレンが特に好ましい。
その他のビニル系化合物としては、鎖状ビニル化合物や環状ビニル化合物が挙げられ、ニトリル基、アルコキシカルボニル基、ヒドロキシカルボニル基、又はハロゲン基を有するビニル化合物及び/又は不飽和の環状酸無水物又は不飽和イミド化合物を含んでも良いが、具体的には、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ドデセン、1−エイコセン、4−メチル−1−ペンテン、4,6−ジメチル−1−ヘプテンなどの鎖状オレフィン;ビニルシクロヘキサンなどの環状オレフィンなどの、極性基を含有しないものが吸湿性の面で好ましく、鎖状オレフィンがより好ましく、エチレン、プロピレンが特に好ましい。
本発明に係るブロック共重合体(i)中の重合体ブロック(A)の数は、通常5個以下、好ましくは4個以下、より好ましくは3個以下である。重合体ブロック(A)及び/又は重合体ブロック(B)が複数存在する際、重合体ブロック(A)の中で重量平均分子量が最大と最少の重合体ブロックの重量平均分子量をそれぞれMw(A1)及びMw(A2)とし、重合体ブロック(B)の中で重量平均分子量が最大と最少の重合体ブロックの重量平均分子量をそれぞれMw(B1)及びMw(B2)とした時、該Mw(A1)とMw(A2)との比(Mw(A1)/Mw(A2))、及び、該Mw(B1)とMw(B2)との比(Mw(B1)/Mw(B2))は、それぞれ通常2以下、好ましくは1.5以下、より好ましくは1.2以下である。
本発明に係るブロック共重合体(i)のブロックの形態は、鎖状型ブロックでもラジアル型ブロックでも良いが、鎖状型ブロックであるものが、機械的強度に優れ好ましい。本発明のブロック共重合体の最も好ましい形態は、重合体ブロック(B)の両端に重合体ブロック(A)が結合したトリブロック共重合体、及び、重合体ブロック(A)の両端に重合体ブロック(B)が結合し、更に、該両重合体ブロック(B)の他端にそれぞれ重合体ブロック(A)が結合したペンタブロック共重合体である。
本発明に係るブロック共重合体(i)中の、全重合体ブロック(A)がブロック共重合体全体に占める重量分率をwAとし、全重合体ブロック(B)がブロック共重合体全体に占める重量分率をwBとした時に、wAとwBとの比(wA:wB)は、30:70〜60:40、好ましくは35:65〜55:45、より好ましくは40:60〜50:50である。wAが高過ぎる場合は、本発明の多層シートの耐熱性は高くなるが、柔軟性が低く、太陽電池素子封止性が劣り、wAが低過ぎる場合は、耐熱性が劣る。
ブロック共重合体(i)の分子量は、テトラヒドロフラン(THF)を溶媒とするGPCにより測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)で、通常30,000〜200,000、好ましくは40,000〜100,000、より好ましくは45,000〜60,000である。また、ブロック共重合体(i)の分子量分布(Mw/Mn)は、好ましくは3以下、より好ましくは2以下、特に好ましくは1.5以下である。
本発明に係るブロック共重合体(i)の製造方法は、例えば3つの重合体ブロックを有するブロック共重合体を製造する場合、重合体ブロック(A)を形成させるモノマー成分として、芳香族ビニル化合物を含有するモノマー混合物(a1)を重合させる第1工程と、重合体ブロック(B)を形成させるモノマー成分として、鎖状共役ジエン系化合物を含有するモノマー混合物(b1)を重合させる第2工程と、重合体ブロック(A)を形成させるモノマー成分として、芳香族ビニル化合物を含有するモノマー混合物(a2)(ただし、モノマー混合物(a1)とモノマー混合物(a2)は同一でも異なっていてもよい。)を重合させる第3工程を、有する方法;重合体ブロック(A)を形成させるモノマー成分として、芳香族ビニル化合物を含有するモノマー混合物(a1)を重合させる第1工程と、重合体ブロック(B)を形成させるモノマー成分として、鎖状共役ジエン系化合物を含有するモノマー混合物(b1)を重合させる第2工程と、重合体ブロック(B)の末端同士を、カップリング剤によりカップリングさせる方法などがある。
上記モノマー混合物を用いてそれぞれの重合体ブロックを重合する方法としては、ラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合、配位アニオン重合、配位カチオン重合などのいずれを用いてもよい。ラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合などを、リビング重合により行う方法、特にリビングアニオン重合により行う方法を用いた場合に、重合操作及び後工程での水素化反応が容易になり、得られるブロック共重合体の透明性が向上する。
重合は、重合開始剤の存在下、通常0℃〜100℃、好ましくは10℃〜80℃、特に好ましくは20℃〜70℃の温度範囲において行う。リビングアニオン重合の場合は、開始剤として、例えば、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、ヘキシルリチウム、フェニルリチウムなどのモノ有機リチウム;ジリチオメタン、1,4−ジリチオブタン、1,4−ジリチオ−2−エチルシクロヘキサンなどの多官能性有機リチウム化合物などが使用可能である。
重合反応形態は、溶液重合、スラリー重合などのいずれでも構わないが、溶液重合を用いると、反応熱の除去が容易である。この場合、各工程で得られる重合体が溶解する不活性溶媒を用いる。使用可能な不活性溶媒としては、例えば、n−ブタン、n−ペンタン、イソペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、イソオクタンなどの脂肪族炭化水素類;シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、メチルシクロヘキサン、デカリン、ビシクロ[4.3.0]ノナン、トリシクロ[4.3.0.12,5]デカンなどの脂環式炭化水素類;ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素類などが挙げられる。中でも脂環式炭化水素類を用いると、後述する水素化反応にも不活性な溶媒としてそのまま使用でき、ブロック共重合体の溶解性も良好であるため好ましい。これらの溶媒は、それぞれ単独で用いてもよいし、あるいは2種類以上を組み合わせて使用することもできる。これらの溶媒の使用量は、全使用モノマー100重量部に対して、通常200〜2000重量部である。
それぞれのモノマー混合物が2種以上の成分からなる場合、或る1成分の連鎖だけが長くなるのを防止するために、ランダマイザーなどを使用することができる。特に重合反応をアニオン重合により行う場合には、ルイス塩基化合物などをランダマイザーとして使用するのが好ましい。
使用可能なルイス塩基化合物としては、例えば、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジフェニルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールメチルフェニルエーテルなどのエーテル化合物;テトラメチルエチレンジアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジンなどの第3級アミン化合物;カリウム−t−アミルオキシド、カリウム−t−ブチルオキシドなどのアルカリ金属アルコキシド化合物;トリフェニルホスフィンなどのホスフィン化合物;などが挙げられる。これらのルイス塩基化合物は、それぞれ単独で用いてもよいし、あるいは2種類以上を組み合わせて使用することもできる。
2.ブロック共重合体水素化物(I)
本発明に係るブロック共重合体水素化物(I)は、上記のブロック共重合体(i)の主鎖及び側鎖の炭素−炭素不飽和結合、並びに芳香環の炭素−炭素不飽和結合を水素化したものであり、その水素化率は通常90%以上、好ましくは97%以上、より好ましくは99%以上である。水素化率が高いほど、本発明の封止材の透明性、耐候性、耐熱性が良好である。ブロック共重合体水素化物(I)の水素化率は、H−NMRによる測定において求めることができる。
特に、主鎖及び側鎖の炭素−炭素不飽和結合の水素化率は、好ましくは95%以上、より好ましくは99%以上である。主鎖及び側鎖の炭素−炭素不飽和結合の水素化率を高めることにより、耐光性、耐酸化性が高くなると言う効果が得られる。
また、芳香環の炭素−炭素不飽和結合の水素化率は、好ましくは90%以上、より好ましくは93%以上、特に好ましくは95%以上である。芳香環の炭素−炭素不飽和結合の水素化率を高めることにより、重合体ブロック(A)のガラス転移温度が高くなり、架橋せずとも太陽電池封止材としての十分な耐熱性が発現するという効果が得られる。
不飽和結合の水素化方法や反応形態などは特に限定されず、公知の方法に従って行えばよいが、水素化率を高くでき、重合体鎖切断反応の少ない水素化方法が好ましい。このような好ましい水素化方法としては、ニッケル、コバルト、鉄、チタン、ロジウム、パラジウム、白金、ルテニウム、レニウムなどから選ばれる少なくとも1種の金属を含む触媒を用いて行う方法が挙げられる。水素化触媒は、不均一系触媒、均一系触媒のいずれも使用可能であり、水素化反応は有機溶媒中で行うのが好ましい。
使用可能な不均一系触媒は、金属又は金属化合物のままで、又は適当な担体に担持して用いることができる。担体としては、例えば、活性炭、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、チタニア、マグネシア、ジルコニア、ケイソウ土、炭化珪素、フッ化カルシウムなどが挙げられる。触媒の担持量は、触媒と担体との合計量に対して通常0.1〜60重量%、好ましくは1〜50重量%の範囲である。担持型触媒としては、例えば、比表面積が100〜500m/g、平均細孔径が100〜1000Å、好ましくは200〜500Åであるものが好ましい。上記の比表面積の値は、窒素吸着量を測定し、BET式を用いて算出した値であり、平均細孔径の値は水銀圧入法により測定した値である。
使用可能な均一系触媒としては、例えば、ニッケル、コバルト、チタン又は鉄化合物と有機金属化合物(例えば、有機アルミニウム化合物、有機リチウム化合物)とを組み合わせた触媒;ロジウム、パラジウム、白金、ルテニウム、レニウムなどの有機金属錯体触媒などを用いることができる。
ニッケル、コバルト、チタン又は鉄化合物としては、例えば、各種金属のアセチルアセトナト化合物、カルボン酸塩、シクロペンタジエニル化合物などが用いられる。有機アルミニウム化合物としては、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムなどのアルキルアルミニウム;ジエチルアルミニウムクロリド、エチルアルミニウムジクロリドなどのハロゲン化アルミニウム;ジイソブチルアルミニウムハイドライドなどの水素化アルキルアルミニウムなどが挙げられる。
有機金属錯体触媒としては、例えば、ジヒドリド−テトラキス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム、ジヒドリド−テトラキス(トリフェニルホスフィン)鉄、ビス(シクロオクタジエン)ニッケル、ビス(シクロペンタジエニル)ニッケルなどの遷移金属錯体が挙げられる。
これらの水素化触媒は、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。水素化触媒の使用量は、重合体100重量部に対して、通常0.01〜100重量部、好ましくは0.05〜50重量部、より好ましくは0.1〜30重量部である。
水素化反応温度は、通常10℃〜250℃、好ましくは50℃〜200℃、より好ましくは80℃〜180℃である時に水素化率が高くなり、分子切断も減少する。また水素圧力は、通常0.1MPa〜30MPa、好ましくは1MPa〜20MPa、より好ましくは2MPa〜10MPaであると水素化率が高くなり、分子鎖切断も減少し、操作性にも優れる。
上記した方法で得られるブロック共重合体水素化物(I)は、水素化触媒及び/又は重合触媒を、ブロック共重合体水素化物(I)を含む反応溶液から例えば濾過、遠心分離などの方法により除去した後、反応溶液から回収される。反応溶液からブロック共重合体水素化物(I)を回収する方法としては、例えば、ブロック共重合体水素化物(I)が溶解した溶液から、スチームストリッピングにより溶媒を除去するスチーム凝固法、減圧加熱下で溶媒を除去する直接脱溶媒法、ブロック共重合体水素化物(I)の貧溶媒中に溶液を注いで析出、凝固させる凝固法などの公知の方法を挙げることができる。
回収されたブロック共重合体水素化物(I)の形態は限定されるものではないが、その後のシート成形に供し易いようにペレット形状とするのが通常である。直接脱溶媒法を用いる場合は、例えば、溶融状態のブロック共重合体水素化物(I)をダイからストランド状に押し出し、冷却後、ペレタイザーでカッティングしてペレット状にして各種の成形に供することができる。凝固法を用いる場合は、例えば、得られた凝固物を乾燥した後、押出機により溶融状態で押し出し、上記と同様にペレット状にしてシート成形に供することができる。
本発明に係るブロック共重合体水素化物(I)の分子量は、テトラヒドロフランを溶媒としたゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)により測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)で、通常30,000〜200,000、好ましくは40,000〜100,000、より好ましくは45,000〜60,000である。Mwがこの範囲であると、本発明の封止の機械強度や耐熱性が向上する。また、ブロック共重合体水素化物(I)の分子量分布(Mw/Mn)を、好ましくは3以下、より好ましくは2以下、特に好ましくは1.5以下にする。Mw及びMw/Mnが上記範囲となるようにすると、本発明の多層シートの機械強度や耐熱性が向上する。
3.配合剤
本発明の多層シートを構成するブロック共重合体水素化物(I)からなる層[I]は、ブロック共重合体水素化物(I)を通常90重量%以上、好ましくは95重量%以上、より好ましくは98重量%以上含有する。ブロック共重合体水素化物(I)からなる層[I]中のブロック共重合体水素化物(I)以外の残部には、本発明の多層シートの利用用途の一つとしての太陽電池素子封止材の性能を向上させるための配合剤を含有させることができる。配合成分としては、耐候性や耐熱性などを向上させるための光安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、滑剤、無機フィラーなどであり、単独でも、2種以上併用してもよい。
[光安定剤]
光安定剤としては、ヒンダードアミン系光安定剤が好ましく、構造中に3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル基、2,2,6,6−テトラメチルピペリジル基、又は、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル基などを有している化合物が特に好ましい。
具体的には、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸と1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジノールと3,9−ビス(2−ヒドロキシ−1,1−ジメチルエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンとの混合エステル化物、1,6−ヘキサンジアミン−N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)とモルフォリン−2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジンとの重縮合物、1−[2−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]−4−〔3−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸−ビス−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸−ビス−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)、4−(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ)−1−(2−(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ)エチル)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(N−(1−ベンジル−2−フェニルエチル)−N−ホルミルアミノ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(N−(2−(1−ピロリジル)エチル)−N−ホルミルアミノ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(N−(2−(4−モルホリニル)エチル)−N−ホルミルアミノ)−2,2,6,6−テトラメチル−N−メチルピペリジン、4−(N−(2−(4−モルホリニル)エチル)−N−ホルミルアミノ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(N−(2−(ジイソプロピルアミノ)エチル)−N−ホルミルアミノ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(N−(2,4,6−トリメチルベンジル)−N−ホルミルアミノ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(N−(3−(2−エチルヘキソキシ)プロピル)−N−ホルミルアミノ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(N−(3,4−(メチレンジオキシ)ベンジル)−N−ホルミルアミノ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(N−(ビシクロ〔2.2.1〕ヘプチル)−N−ホルミルアミノ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(N−1,2,2−トリメチルプロピル−N−ホルミルアミノ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(N−1、3−ジメチルブチル−N−ホルミルアミノ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(N−1−ベンジルエチル−N−ホルミルアミノ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(N−2,2−ジメチルプロピル−N−ホルミルアミノ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(N−2−エチルヘキシル−N−ホルミルアミノ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(N−3−メチルブチル−N−ホルミルアミノ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(N−4−ヒドロキシブチル−N−ホルミルアミノ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(N−4−ヒドロキシブチル−N−ホルミルアミノ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(N−i−プロピル−N−ホルミルアミノ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(N−i−プロピル−N−ホルミルアミノ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(N−t−ブチル−N−ホルミルアミノ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(N−イソプロピルベンジル−N−ホルミルアミノ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(N−エトキシエチル−N−ホルミルアミノ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(N−エトキシプロピル−N−ホルミルアミノ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(N−オクタデシル−N−ホルミルアミノ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(N−オクチル−N−ホルミルアミノ)−2,2,6,6−テトラメチル−N−メチルピペリジン、4−(N−オクチル−N−ホルミルアミノ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(N−クロロベンジル−N−ホルミルアミノ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(N−ジエチルアミノエチル−N−ホルミルアミノ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(N−シクロドデシル−N−ホルミルアミノ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(N−シクロヘキシル−N−ホルミルアミノ)−2,2,6,6−テトラメチル−N−メチルカルボニルピペリジン、4−(N−シクロヘキシル−N−ホルミルアミノ)−2,2,6,6−テトラメチル−N−メチルピリジン、4−(N−シクロヘキシル−N−ホルミルアミノ)−2,2,6,6−テトラメチルピリジン、4−(N−シクロペンチル−N−ホルミルアミノ)−2,2,6,6−テトラメチル−N−メチルピペリジン、4−(N−シクロペンチル−N−ホルミルアミノ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(N−ジメチルアミノプロピル−N−ホルミルアミノ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(N−デシル−N−ホルミルアミノ)−2,2,6,6−テトラメチル−N−メチルピペリジン、4−(N−デシル−N−ホルミルアミノ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(N−ドデシル−N−ホルミルアミノ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(N−ピリジニルメチル−N−ホルミルアミノ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(N−フェニルエチル−N−ホルミルアミノ)−2,2,6,6−テトラメチル−N−メチルピリジン、4−(N−フェニルエチル−N−ホルミルアミノ)−2,2,6,6−テトラメチルピリジン、4−(N−ブチル−N−ホルミルアミノ)−2,2,6,6−テトラメチル−N−メチルピペリジン、4−(N−ブチル−N−ホルミルアミノ)−2,2,6,6−テトラメチル−N−メチルピペリジン、4−(N−フルオロベンジル−N−ホルミルアミノ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(N−ヘキシル−N−ホルミルアミノ)−2,2,6,6−テトラメチル−N−メチルピペリジン、4−(N−ヘキシル−N−ホルミルアミノ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(N−ペンチル−N−ホルミルアミノ)−2,2,6,6−テトラメチル−N−メチルピペリジン、4−(N−ペンチル−N−ホルミルアミノ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(N−メチルシクロヘキシル−N−ホルミルアミノ)−2,2,6,6−テトラメチルピリジン、4−(N−メチルベンジル−N−ホルミルアミノ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(N−メトキシベンジル−N−ホルミルアミノ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−(ホルミルアミノ)−2,2,6,6−テトラメチル−N−メチルピペリジン、4−(ホルミルアミノ)−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−〔N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−N−ホルミルアミノ〕−2,2,6,6−テトラメチル−N−メチルピリジン、4−〔N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−N−ホルミルアミノ〕−2,2,6,6−テトラメチルピリジン、N,N’,N’’,N’’’−テトラキス−(4,6−ビス(ブチル−(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アミノ)−トリアジン−2−イル)−4,7−ジアザデカン−1,10−アミン、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4ーN−メチルピペリジル)−N,N’−ジホルミル−1,4−キシリレンジアミン、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−N−メチルピペリジル)−N,N’−ジホルミル−トリメチレンジアミン、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4ーN−メチルピペリジル)−N,N’−ジホルミル−ヘキサメチレンジアミン、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−N−メチルピペリジル)−N,N’−ジホルミル−エチレンジアミン、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−N,N’−ジホルミル−1,4−キシリレンジアミン、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−N,N’−ジホルミルエチレンジアミン、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−N,N’−ジホルミル−トリメチレンジアミン、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−N,N’−ジホルミルヘキサメチレンジアミン、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−N,N’−ビスヘキサメチレンアクリル酸アミド、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−N,N’−ビスヘキサメチレンアラキン酸アミド、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−N,N’−ビスヘキサメチレンアンゲリカ酸アミド、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−N,N’−ビスヘキサメチレンウンデシル酸アミド、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−N,N’−ビスヘキサメチレンウンデシレン酸アミド、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−N,N’−ビスヘキサメチレンオレイン酸アミド、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−N,N’−ビスヘキサメチレンガドレイン酸アミド、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−N,N’−ビスヘキサメチレンカプリル酸アミド、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−N,N’−ビスヘキサメチレンカプリン酸アミド、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−N,N’−ビスヘキサメチレンカプロン酸アミド、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−N,N’−ビスヘキサメチレンクロトン酸アミド、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−N,N’−ビスヘキサメチレンシトロネル酸アミド、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−N,N’−ビスヘキサメチレンステアリン酸アミド、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−N,N’−ビスヘキサメチレンゾマーリン酸アミド、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−N,N’−ビスヘキサメチレントリデシル酸アミド、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−N,N’−ビスヘキサメチレンノナデシル酸アミド、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−N,N’−ビスヘキサメチレンパルチミン酸アミド、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−N,N’−ビスヘキサメチレンブレンツテレビン酸アミド、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−N,N’−ビスヘキサメチレンプロピオン酸アミド、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−N,N’−ビスヘキサメチレンヘプタン酸アミド、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−N,N’−ビスヘキサメチレンベヘン酸アミド、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−N,N’−ビスヘキサメチレンペラルゴン酸アミド、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−N,N’−ビスヘキサメチレンペンタデシル酸アミド、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−N,N’−ビスヘキサメチレンマルガリン酸アミド、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−N,N’−ビスヘキサメチレンミリスチン酸アミド、N,N’−
ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−N,N’−ビスヘキサメチレンラウリン酸アミド、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−N,N’−ビスヘキサメチレンリンデル酸アミド、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−N,N’−ビスヘキサメチレン吉草酸アミド、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−N,N’−ビスヘキサメチレン酢酸アミド、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−N,N’−ビスヘキサメチレン抹香酸アミド、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−N,N’−ビスヘキサメチレン酪酸アミド、コハク酸ジメチルと4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノールとの重合物、ジブチルアミンと1,3,5−トリアジンとN,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミンとの重縮合物、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロネート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ポリ〔(6−モルフォリノ−s−トリアジン−2,4−ジイル)〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕−ヘキサメチレン〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕、ポリ〔{(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}〕、ポリ〔{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}〕、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)−1,6−ヘキサンジアミンと2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジンとの重合体とN−ブチル−1−ブタンアミンとN−ブチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジンアミンとの反応生成物などが挙げられる。
これらの中でも、耐候性に優れる点で、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−N−メチルピペリジル)−N,N’−ジホルミル−アルキレンジアミン類、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−N,N’−ジホルミルアルキレンジアミン類、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−N,N’−ビスアルキレン脂肪酸アミド類、ポリ〔{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}〕が好ましく、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−N,N’−ジホルミルアルキレンジアミン類、N,N’−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)−1,6−ヘキサンジアミンと2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジンとの重合体とN−ブチル−1−ブタンアミンとN−ブチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジンアミンとの反応生成物が特に好ましい。
ヒンダードアミン系耐光安定剤の量は、ブロック共重合体水素化物(I)100重量部に対して、通常0.01〜5重量部、好ましくは0.02〜2重量部、より好ましくは0.03〜1重量部である。ヒンダードアミン系耐光安定剤の量がこれより少ない場合は、太陽電池素子封止材の耐候性が不十分な場合があり、これより多い場合は、太陽電池素子封止材をシート状に成形する溶融成形加工時に、押出し機のTダイや冷却ロールの汚れが酷かったりして加工性に劣る場合がある。
[紫外線吸収剤]
本発明において、太陽電池素子封止材の耐光安定性を更に向上させるために、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、サリチル酸系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤などの紫外線吸収剤を配合することができる。
紫外線吸収剤として、例えば、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤としては、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸3水和物、2−ヒドロキシ−4−オクチロキシベンゾフェノン、4−ドデカロキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、4−ベンジルオキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノンなど;サリチル酸系紫外線吸収剤としては、フェニルサルチレート、4−t−ブチルフェニル−2−ヒドロキシベンゾエート、フェニル−2−ヒドロキシベンゾエート、2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエートなど;ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤としては、2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)2H−ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、5−クロロ−2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−t−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−4−オクチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル−6−(3,4,5,6−テトラヒドロフタリミジルメチル)フェノール、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−[(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]]などが挙げられる。
紫外線吸収剤の量は、ブロック共重合体水素化物(I)100重量部に対して、通常0.01〜1重量部、好ましくは0.02〜0.5重量部、より好ましくは0.04〜0.3重量部である。紫外線吸収剤は、ヒンダードアミン系耐光安定剤と併用することにより、更に耐光性を改善することができるが、上記範囲を超えて過剰に添加しても、更なる改善は認められない。
[酸化防止剤]
本発明において、変性重合体に上記ヒンダードアミン系耐光安定剤の他に、更に酸化防止剤を配合することにより、更に熱安定性を向上することもできる。添加することができる酸化防止剤としては、リン系酸化防止剤、フェノ−ル系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤などが挙げられ、着色がより少ないリン系酸化防止剤が好ましい。
酸化防止剤の具体例として、例えば、リン系酸化防止剤としては、トリフェニルホスファイト、ジフェニルイソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ジノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、10−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキサイドなどのモノホスファイト系化合物;4,4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチルフェニル−ジ−トリデシルホスファイト)、4,4’−イソプロピリデン−ビス(フェニル−ジ−アルキル(C12〜C15)ホスファイト)などのジホスファイト系化合物;6−〔3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロポキシ〕−2,4,8,10−テトラキス−t−ブチルジベンゾ〔d,f〕〔1.3.2〕ジオキサフォスフェピン、6−〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロポキシ〕−2,4,8,10−テトラキス−t−ブチルジベンゾ〔d,f〕〔1.3.2〕ジオキサフォスフェピンなどの化合物を挙げることができる。
フェノ−ル系酸化防止剤としては、ペンタエリスリチル・テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、2,2−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、3,9−ビス{2−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロオニルオキシ]−1,1−ジメチルエチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼンなど化合物を挙げることができる。
硫黄系酸化防止剤としては、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル3,3’−チオジプロピピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ラウリルステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ペンタエリスリトール−テトラキス−(β−ラウリル−チオ−プロピオネート)、3,9−ビス(2−ドデシルチオエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンなどなど化合物を挙げることができる。
酸化防止剤の量は、ブロック共重合体水素化物(I)100重量部に対して、通常0.01〜1重量部、好ましくは0.05〜0.5重量部、より好ましくは0.1〜0.3重量部である。酸化防止剤は、ヒンダードアミン系耐光安定剤と併用することにより、更に耐光性を改善することができるが、上記範囲を超えて過剰に添加しても、更なる改善は認められない。
ブロック共重合体水素化物(I)に、上記配合剤を均一に分散する方法は、例えば、配合剤を適当な溶剤に溶解してブロック共重合体水素化物(I)の溶液に添加した後、溶媒を除去して配合剤を含むブロック共重合体水素化物(I)を回収する方法;二軸混錬機、ロール、ブラベンダー、押出機などでブロック共重合体水素化物(I)を溶融状態にして配合剤を混練する方法などが挙げられる。
4.ブロック共重合体(ii)
本発明に係るブロック共重合体(ii)は、少なくとも2つの重合体ブロック(a)と少なくとも1つの重合体ブロック(b)を含有する。そして、全重合体ブロック(a)のブロック共重合体全体に占める重量分率をwaとし、全重合体ブロック(b)のブロック共重合体全体に占める重量分率をwbとした時に、waとwbとの比(wa:wb)が20:80〜60:40である。
重合体ブロック(a)は、芳香族ビニル化合物由来の構造単位を主成分とするものであり、重合体ブロック(a)中の芳香族ビニル化合物由来の構造単位の含有量は、通常90重量%以上、好ましくは95重量%以上、より好ましくは99重量%以上である。また、重合体ブロック(a)中の芳香族ビニル化合物由来の構造単位以外の成分としては、鎖状共役ジエン由来の構造単位及び/又はその他のビニル化合物由来の構造単位を含むことができ、その含有量は通常10重量%以下、好ましくは5重量%以下、より好ましくは1重量%以下である。重合体ブロック(a)中の芳香族ビニル化合物由来の構造単位が少なすぎると、本発明の多層シートの耐熱性が低下する恐れがある。
複数の重合体ブロック(a)は、上記の範囲を満足すれば互いに同じであっても、異なっていても良い。
重合体ブロック(b)は、鎖状共役ジエン化合物由来の構造単位を主成分とするものであり、重合体ブロック(b)中の鎖状共役ジエン化合物由来の構造単位の含有量は、通常90重量%以上、好ましくは95重量%以上、より好ましくは99重量%以上である。鎖状共役ジエン化合物由来の構造単位が上記範囲にあると、本発明の樹脂組成物の柔軟性、接着性、太陽電池素子封止性のバランスに優れる。また、重合体ブロック(b)中の鎖状共役ジエン化合物由来の構造単位以外の成分としては、芳香族ビニル化合物由来の構造単位及び/又はその他のビニル化合物由来の構造単位を含むことができ、その含有量は、通常10重量%以下、好ましくは5重量%以下、より好ましくは1重量%以下である。重合体ブロック(b)中の芳香族ビニル化合物由来の構造単位の含有量が増加すると、本発明の多層シートの柔軟性が低下し、接着性及び太陽電池素子封止性が低下する恐れがある。
重合体ブロック(b)が複数ある場合には、重合体ブロック(b)は、上記の範囲を満足すれば互いに同じであっても、異なっていても良い。
芳香族ビニル化合物は、上述した重合体ブロックAを構成する芳香族ビニル化合物と同じである。
鎖状共役ジエン系化合物は、上述した重合体ブロックBを構成する鎖状共役ジエン系化合物と同じである。
その他のビニル系化合物は、上述した重合体ブロックA及びBに含まれていても良い、その他のビニル系化合物と同じである。
本発明に係るブロック共重合体(ii)中の重合体ブロック(a)の数は、上述したブロック共重合体(i)と同じである。重合体ブロック(a)及び/又は重合体ブロック(b)が複数存在する際、重合体ブロック(a)の中で重量平均分子量が最大と最少の重合体ブロックの重量平均分子量をそれぞれMw(a1)及びMw(a2)とし、重合体ブロック(b)の中で重量平均分子量が最大と最少の重合体ブロックの重量平均分子量をそれぞれMw(b1)及びMw(b2)とした時、該Mw(a1)とMw(a2)との比(Mw(a1)/Mw(a2))、及び、該Mw(b1)とMw(b2)との比(Mw(b1)/Mw(b2))は、それぞれ通常2.0以下、好ましくは1.5以下、より好ましくは1.2以下である。
本発明に係るブロック共重合体(ii)のブロックの形態は、上述したブロック共重合体(i)と同じである。
本発明に係るブロック共重合体(ii)中の、全重合体ブロック(a)がブロック共重合体全体に占める重量分率をwaとし、全重合体ブロック(b)がブロック共重合体全体に占める重量分率をwbとした時に、waとwbとの比(wa:wb)は、20:80〜60:40、好ましくは25:75〜55:45、より好ましくは30:70〜50:50である。waが高過ぎる場合は、本発明の多層シートの接着層の耐熱性は高くなるが、柔軟性が低く、接着性、太陽電池素子封止性が劣り、waが低過ぎる場合は、耐熱性が劣る。
ブロック共重合体(ii)の分子量は、ブロック共重合体(i)と同じである。
本発明に係るブロック共重合体(ii)の製造方法は、上述したブロック共重合体(i)の製造方法と同様である
5.ブロック共重合体水素化物(II)
本発明に係るブロック共重合体水素化物(II)は、上述したブロック共重合体(ii)の少なくとも鎖状共役ジエン化合物由来の不飽和結合を水素化したものであり、その水素化率は通常90%以上、好ましくは97%以上、より好ましくは99%以上である。芳香環の炭素−炭素不飽和結合は、水素化されてなくてもよいが、好ましくは水素化したものであり、その水素化率は通常0〜100%、好ましくは97%以上、より好ましくは99%以上である。ブロック共重合体水素化物(II)の水素化率は、H−NMRによる測定において求めることができる。水素化率が高いほど、本発明の多層シートの接着層の透明性、耐候性、耐熱性が良好である。特に、主鎖及び側鎖の炭素−炭素不飽和結合の水素化率を高めることにより、耐光性、耐酸化性が高くなると言う効果が得られる。また、芳香環の炭素−炭素不飽和結合の水素化率を高めることにより、重合体ブロック(a)のガラス転移温度が高くなり、架橋せずとも接着層[IV]が太陽電池封止材としての十分な耐熱性が発現するという効果が得られる。
不飽和結合の水素化方法や反応形態などは特に限定されず、上述したブロック共重合体水素化物(I)の製造方法と同様であるが、必要に応じて、水素化触媒の選択や水素化条件は適宜調整することにより芳香環の炭素−炭素不飽和結合の量を所望の範囲に調節できる。
本発明に係るブロック共重合体水素化物(II)の分子量は、上述したブロック共重合体水素化物(I)と同じである。
6.ジカルボン酸無水物基を有するブロック共重合体水素化物(IIm)
本発明に係るジカルボン酸無水物基を有するブロック共重合体水素化物(IIm)は、上記ブロック共重合体水素化物(II)にジカルボン酸無水物基が導入されたものである。ジカルボン酸無水物基は、上記ブロック共重合体水素化物(II)に直接結合していても、アルキレン基などの2価の有機基を介して結合していても良い。
ジカルボン酸無水物基の導入方法は、通常、上記のブロック共重合体水素化物(II)と不飽和ジカルボン酸無水物とを過酸化物の存在下で反応させる方法が採用される。ジカルボン酸無水物基の導入量が多すぎると、吸湿性が高くなり、電気絶縁性が低下し易くなり、また、ジカルボン酸無水物基の導入量が少なすぎると、ガラスとの接着性が低下し易くなるという問題を生じる。この観点から、ジカルボン酸無水物基を有するブロック共重合体水素化物(IIm)を封止材に用いる場合、ジカルボン酸無水物基の導入量は、ブロック共重合体水素化物の重量に対し、通常0.1〜20g/100g、好ましくは0.2〜10g/100g、より好ましくは0.5〜5g/100gである。ジカルボン酸無水物基の導入量は、H−NMRスペクトル(導入量が少ない場合は積算回数を増やす)にて算出される。
不飽和ジカルボン酸無水物としては、上記のブロック共重合体水素化物(II)とグラフト重合し、ブロック共重合体水素化物(II)に不飽和ジカルボン酸無水物基を導入するものであれば特に限定されないが、例えば無水マレイン酸、無水イタコン酸、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、ビシクロ[2.2.1]−5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸無水物などの不飽和ジカルボン酸無水物から選択される少なくとも1種類のものを用いることができる。本発明においては、中でも、無水マレイン酸が好適に用いられる。
これらの不飽和ジカルボン酸無水物は、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。不飽和ジカルボン酸無水物の使用量は、ブロック共重合体水素化物100重量部に対して、通常0.1〜20重量部、好ましくは0.2〜10重量部、より好ましくは0.5〜5重量部である。
過酸化物としては、例えば、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)−2−メチルシクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,2−ジ(t−ブチルパーオキシ)ブタン、n−ブチル−4,4−ジ(t−ブチルパーオキシ)バレレート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルクミルパーオキシド、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ヘキシルパーオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキシド、t−ブチルパーオキシイソブチレート、ラウロイルパーオキシド、ジプロピオニルパーオキシド、p−メンタンハイドロパーオキサイドなどの有機過酸化物から選択される少なくとも1種類のものを用いることができる。本発明においては、中でも、1分間半減期温度が170〜190℃のものが好ましく使用され、例えば、t−ブチルクミルパーオキシド、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ヘキシルパーオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキシドなどが好適に用いられる。
これらの過酸化物は、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。過酸化物の使用量は、ブロック共重合体水素化物(II)100重量部に対して、通常0.01〜2重量部、好ましくは0.05〜1重量部、より好ましくは0.1〜0.5重量部である。
上記のブロック共重合体水素化物(II)と不飽和ジカルボン酸無水物とを過酸化物の存在下で反応させる方法は、過熱混練機や反応器を用いて行うことができる。例えば、ブロック共重合体水素化物(II)と不飽和ジカルボン酸無水物と過酸化物との混合物を、二軸混練機にてブロック共重合体水素化物(II)の溶融温度以上で加熱溶融させて、所望の時間混練することにより変成することができる。ブロック共重合体水素化物(II)では、その温度は、通常180〜240℃、好ましくは190〜230℃、より好ましくは200〜220℃である。加熱混練時間は、通常0.2〜10分、好ましくは0.3〜5分、より好ましくは0.5〜2分程度である。二軸混練機、短軸押出し機などの連続混練設備を使用する場合は、滞留時間が上記範囲になるようにして、連続的に混練、押し出しをすればよい。
ジカルボン酸無水物基を有するブロック共重合体水素化物(IIm)の分子量は、導入されるジカルボン酸無水物基の量が少ないため、重合体主成分の分子量はブロック共重合体水素化物の分子量と実質的には変わらないが、過酸化物の存在下で反応させるため、重合体の架橋反応、切断反応も併発し、分子量分布は大きくなる。テトラヒドロフランを溶媒としたゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)により測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)で、通常30,000〜200,000、好ましくは40,000〜100,000、より好ましくは45,000〜600,000である。分子量分布(Mw/Mn)は、通常3.5以下、好ましくは2.5以下特に好ましくは2.0以下である。Mw及びMw/Mnがこの範囲であると、本発明の多層シートの良好な機械強度や引張り伸びが維持される。
7.分子内にエポキシ基とアルコキシシリル基を有するシラン化合物(III)
分子内にエポキシ基とアルコキシシリル基を有するシラン化合物(III)は、前記のジカルボン酸無水物基を有するブロック共重合体水素化物(IIm)に混合することにより、ジカルボン酸無水物基を有するブロック共重合体水素化物(IIm)に対し、ガラスとの強固な接着性を付与することができる。
分子内にエポキシ基とアルコキシシリル基を有するシラン化合物(III)としては、分子内に少なくとも1個以上のエポキシ基及び1個以上のアルコキシシリル基を有する化合物であれば特に限定されない。例えば、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシランなどが挙げられ、これらから選択される少なくとも1種類のものを用いることができる。本発明においては、中でも、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランが好適に用いられる。
これらの分子内にエポキシ基とアルコキシシリル基を有するシラン化合物(III)は、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。分子内にエポキシ基とアルコキシシリル基を有するシラン化合物(III)の使用量は、ジカルボン酸無水物基を有するブロック共重合体水素化物(IIm)100重量部に対して、通常0.1〜20重量部、好ましくは0.2〜10重量部、より好ましくは0.4〜5重量部である。分子内にエポキシ基とアルコキシシリル基を有するシラン化合物(III)の使用量が多すぎると、封止材の貯蔵安定性が悪くなり、また、分子内にエポキシ基とアルコキシシリル基を有するシラン化合物(III)の使用量が少なすぎると、ガラスとの強固な接着性が得られないという問題を生じる。
9.その他の添加剤
本発明の多層シートを構成するジカルボン酸無水物基を有するブロック共重合体水素化物(IIm)及び分子内にエポキシ基とアルコキシシリル基を有するシラン化合物(III)とからなる接着層[IV]は、ジカルボン酸無水物基を有するブロック共重合体水素化物(IIm)及び分子内にエポキシ基とアルコキシシリル基を有するシラン化合物(III)を、通常80重量%以上、好ましくは85重量%以上、より好ましくは90重量%以上含有する。ジカルボン酸無水物基を有するブロック共重合体水素化物(IIm)及び分子内にエポキシ基とアルコキシシリル基を有するシラン化合物(III)以外の残部には、ガラスとの接着力を向上させる成分として、エポキシ基含有反応性希釈剤、エポキシ樹脂、エポキシ硬化促進剤;ブロック共重合体水素化物(I)からなる層[I]に含有させることができる成分と同様の耐候性や耐熱性などを向上させるための成分として、光安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、滑剤、無機フィラーなど;を含有させることができ、これらの成分は単独でも、2種以上併用してもよい。
エポキシ基含有反応性希釈剤としては、1分子中に1個以上のエポキシ基を有する、常温で液体の低分子化合物であり、ジカルボン酸無水物基を有するブロック共重合体水素化物(IIm)に混合して、透明性を維持でき、接着層[IV]のガラスに対する対接着性を高められるものが好ましい。エポキシ基含有反応性希釈剤の具体例として、n−ブチルグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオ−ルグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、クレジルグリシジルエーテル、スチレンオキシド、α−ピネンオキシド、シクロヘキセンオキサイド、などのモノエポキシド化合物;エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグルシジルエーテル、ブタンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−へキサンジオールジグリシジルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、3,8−[4.3.0.12,5]トリシクロデカンジメタノールジグリシジルエーテルなどのジエポキシド化合物; トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテルなどのトリエポキシド化合物などが例示される。
エポキシ基含有反応性希釈剤の使用量は、ジカルボン酸無水物基を有するブロック共重合体水素化物(IIm)100重量部に対して、通常10重量部以下、好ましくは5重量部以下とすることが望ましい。エポキシ基含有反応性希釈剤の使用量が多すぎると、接着層[IV]が粘着性を有し、太陽電池モジュール製造時に封止材がガラスに粘着して位置合わせなどの作業性が低下するなどの問題を生じ、好ましくない。
エポキシ樹脂としては、ジカルボン酸無水物基を有するブロック共重合体水素化物(IIm)に混合して、透明性を維持でき、接着層[IV]の耐熱性を高められるものが好ましい。エポキシ樹脂の具体例としてとしては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂などのビスフェノール型エポキシ樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂;クレゾールノボラック型エポキシ樹脂などが例示される。
エポキシ樹脂の使用量は、ジカルボン酸無水物基を有するブロック共重合体水素化物(IIm)100重量部に対して、通常10重量部以下、好ましくは5重量部以下とすることが望ましい。エポキシ樹脂の使用量が多すぎると、接着層[IV]の透明性が低下し、太陽電池モジュールの出力が低下するため好ましくない。
接着層[IV]の硬化を促進し、耐熱性を向上するためにエポキシ硬化促進剤として、第三級アミン系、イミダゾール系、ヒドラジド系の含窒素化合物などのエポキシ硬化促進剤も用いることができる。硬化促進剤の具体例としては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ベンジルジメチルアミン、ジシアンジアミド、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加物、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジンなどが例示される。封止材の貯蔵安定性の観点からは、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加物、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジンなどの潜在硬化型の促進剤が好ましい。
エポキシ硬化促進剤の使用量は、ジカルボン酸無水物基を有するブロック共重合体水素化物(IIm)100重量部に対して、通常0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜7.5重量部、より好ましくは1〜5重量部とすることが望ましい。エポキシ硬化促進剤の使用量が多すぎると、封止材の貯蔵安定性が低下し、また、エポキシ硬化促進剤の使用量が少なすぎると、太陽電池モジュールの製造条件で接着層[IV]の十分な耐熱性が得られ難く、好ましくない。
10.多層シート
本発明の多層シートは、ブロック共重合体水素化物(I)からなる層[I]の片面もしくは両面に、ジカルボン酸無水物基を有するブロック共重合体水素化物(IIm)及び分子内にエポキシ基とアルコキシシリル基を有するシラン化合物(III)とからなる接着層[IV]を積層したシートである。
本発明の多層シートは、低吸湿性、非加水分解性、耐候性、透明性、柔軟性及び長期間高温高湿環境に暴露された後でもガラスとの強固な接着力を維持し、接着性に優れる為、電気電子素子等の封止に好適であり、太陽電池素子封止材用に特に好適である。
11.太陽電池素子封止材シート
本発明の多層シートは、通常、シート状に成形し、太陽電池モジュールを製造する工程に供される。シートの厚さは、特に制限されないが、通常は0.1〜1.0mmの範囲にあることが好ましい。太陽電池素子として結晶系シリコンウェハーを使用する場合はシリコンウェハーの厚さが0.15〜0.2mmであるため、太陽電池素子封止材のシート厚みは、好ましくは0.2〜0.6mmである。シート厚みが0.2mmよりも小さいと、太陽電池モジュール製造の際の加熱ラミネート工程においてガラス、太陽電池素子の破損が起き易くなり、1.0mmよりも大きいと、シートの光線透過率が低下したり、太陽電池素子封止材の使用量が多くなり経済性が低下するため好ましくない。
本発明の多層シートの層構成は、ブロック共重合体水素化物(I)からなる層[I]の片面にジカルボン酸無水物基を有するブロック共重合体水素化物(IIm)及び分子内にエポキシ基とアルコキシシリル基を有するシラン化合物(III)とからなる接着層[IV]を積層した2層からなるシート及びブロック共重合体水素化物(I)からなる層[I]の両面にジカルボン酸無水物基を有するブロック共重合体水素化物(IIm)及び分子内にエポキシ基とアルコキシシリル基を有するシラン化合物(III)とからなる接着層[IV]を積層した3層からなるシートである。太陽電池素子封止材としては、ガラス及び太陽電池素子双方に接着することが必要なため、通常は3層からなるシートが好適である。
本発明の多層シートのブロック共重合体水素化物(I)からなる層[I]の厚さは、特に制限されないが、通常は0.099〜0.999mmの範囲にあることが好ましい。太陽電池素子封止材に使用する場合、ブロック共重合体水素化物(I)からなる層[I]の厚さは、好ましくは0.098〜0.598mmである。接着層[IV]の厚さは、基材への接着力を発現させる目的で、通常、0.001〜0.1mmである。太陽電池素子封止材に使用する場合の接着層[IV]の厚さは、好ましくは0.005〜0.05mmである。接着層[IV]の厚さが0.001mmよりも小さいと、基材に対する接着力が弱くなり、0.1mmよりも大きい場合も、基材に対する接着力が厚みに応じて強くなることはない。
本発明の多層シートの製造方法は、特に制限は無いが、2種3層共押出成形法;ブロック共重合体水素化物(I)からなるシートの片面もしくは両面に、ジカルボン酸無水物基を有するブロック共重合体水素化物(IIm)及び分子内にエポキシ基とアルコキシシリル基を有するシラン化合物(III)とからなるシートを、熱圧着や接着剤で積層する方法;ブロック共重合体水素化物(I)からなるシートの片面もしくは両面に、ジカルボン酸無水物基を有するブロック共重合体水素化物(IIm)及び分子内にエポキシ基とアルコキシシリル基を有するシラン化合物(III)を溶媒に溶解した溶液を塗布した後、溶媒を揮発させて積層する方法などが適用できる。
本発明の多層シートの形状は、平面状やエンボス加工を施した形状などとすることができる。シート同士のブロッキングを防止するために、該シートの片面に間紙フィルムを重ねて保管することもできる。エンボス加工したシートは、太陽電池モジュール製造工程でのラミネート時の脱気性が良いことや、ガラス、太陽電池素子に対するクッション性も有し、これらの破損が防止される点で好ましい。
本発明の多層シートは、太陽電池素子の片面又は両面に積層し、更に必要に応じて、積層された本発明の多層シートの、太陽電池素子側とは反対の面に表面保護層を積層することにより、太陽電池に利用できる。太陽電池モジュールを製造する方法として特に制限は無いが、例えば、多結晶シリコン系太陽電池素子を使用した太陽電池では、ガラスからなる透明前面基板、本発明の多層シート、太陽電池素子及び太陽電池素子に繋がるタブ線、本発明の多層シート、裏面保護シートを順に積層し、次いで真空吸引等により加熱ラミネートさせる方法;薄膜系太陽電池素子を使用した太陽電池では、ガラスからなる透明前面基板、本発明の多層シート、表面に太陽電池素子が形成されたガラス基板及び太陽電池素子に繋がるタブ線、裏面保護シートを順に積層し、次いで真空吸引等により加熱ラミネートさせる方法;などが一般的である。
本発明の多層シートは、ガラスを透明前面基板とする結晶系太陽電池セルを使用した太陽電池や薄膜系太陽電池素子を使用した太陽電池に好ましく使用される。本発明の多層シートは透湿度が小さく、吸湿性も低いため、遮水層としての裏面保護シートは必須とはせず、機械的衝撃を緩和する目的で裏面保護シートを適用すれば良く、裏面保護シートとしては安価で機械的強度に優れたポリエチレンテレフタレート樹脂シート、ポリカーボネート樹脂シートなどが使用できる。
本発明の多層シートを使用した太陽電池モジュールの耐久性を更に高めるために、裏面保護シートは、遮光性及び/又は光反射性を有していても良い。この場合、裏面保護シートは紫外線吸収剤や酸化チタンなどの遮光性顔料を含有したものなどが適用できる。
本発明の多層シートは太陽電池素子の封止材として有用であるが、その他の用途としてガラス板の張り合わせ、ガラス板と金属板の張り合わせ、金属板の張り合わせ、電子部品の封止などにも使用できる。
以下、本発明について、実施例及び比較例を挙げて、より具体的に説明する。本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。以下の実施例及び比較例において、部及び%は、特に断りがない限り、重量基準である。
以下に各種物性の測定法を示す。
(1)重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)
ブロック共重合体及びブロック共重合体水素化物の分子量は、テトラヒドロフランを溶離液とするゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)による標準ポリスチレン換算値として38℃において測定した。測定装置としては、東ソー社製HLC8020GPCを用いた。
(2)水素化率
ブロック共重合体水素化物の主鎖、側鎖及び芳香環の水素化率は、H−NMRスペクトルを測定して算出した。
(3)光線透過率
多層シートを厚さ3.2mmの白板ガラス及び厚さ0.8mmの白板ガラスの間に挟み、真空ラミネータ(製品名「PVL0202S」、日清紡メカトロニクス社製)を使用して、170℃の温度で、5分間真空脱気した後、10分間真空加圧成形して2枚のガラスに挟まれた試験片を作成し、更に150℃のオーブン中で1時間加熱硬化させて、評価用の試験片とした。この試験片の3.2mm厚白い他ガラス面を光源側にして、紫外可視分光光度計(製品名「V−570」、日本分光社製)を用い、ASTM D−1003に従って光線透過率を測定した。
(4)透湿度
多層シートを、真空ラミネータを使用して、170℃の温度で、5分間真空脱気した後、10分間真空加圧成形して厚さ400〜450μmの試験片を作成し、更に150℃のオーブン中で1時間加熱硬化させて、評価用の試験片とした。この試験片の透湿度をJIS Z 0208の方法に準じて、40℃、90%RHの環境条件で測定した。シート材料の特性を明確にするために、実測値から、シート厚み400μmの値に換算して比較した。
(5)引張り強度及び引張り伸び
多層シートを2枚積層して、真空ラミネータを使用して、170℃の温度で、5分間真空脱気した後、10分間真空加圧成形して厚さ800〜900μmのシートにし、更に150℃のオーブン中で1時間加熱硬化させて、評価用のシートとした。このシートをダンベルで打抜いて試験片を作成した。テンシロン万能試験機(製品名「RTC−1125A」、ORIENTIC社製)を用いて、JIS K 7127の方法で測定した。試験片はタイプ5、23℃の条件下、チャック間距離10cmで破断するまで引張り試験を行った。引張り強度は破断時の強度とし、破断時の伸びを引張り伸びとした。
(6)体積抵抗率
多層シートを3枚積層して、真空ラミネータを使用して、170℃の温度で、5分間真空脱気した後、10分間真空加圧成形して厚さ1.2〜1.4mmの試験片にして、更に150℃のオーブン中で1時間加熱硬化させて、評価用の試験片とした。この試験片の体積抵抗率をJIS K 6911に従って、23℃で測定した。
(7)ガラス基板との接着性評価(剥離強度)
多層シートを、シート端部に非接着部位を設けて厚さ2.8mm、幅100mm、長さ65mmのソーダライムガラス基板と重ね合わせ、真空ラミネータにて、170℃の温度で、5分間真空脱気した後、10分間真空加圧して封止し、剥離試験用試験片を作成し、更に150℃のオーブン中で1時間加熱硬化させて、評価用の試験片とした。この試験片のシート面を10mm幅に切り目を入れ、シートの非接着部位から、剥離速度50mm/分で、JIS K 6854−2に準じて180度剥離試験を行い、剥離強度を測定した。剥離強度は、真空ラミネート後の初期の値及び85℃、85%RHの高温高湿環境に200時間暴露した後の値を測定した。剥離強度が大きいほど、ガラスとの接着性が良い。
(8)耐光性
光線透過率の評価用に作成した、ガラスとガラスの間に多層シートを挟んだ試験片を使用して、3.2mm厚みのガラス面を光源側にし、裏面に白色PETフィルム(製品名「ルミラー(登録商標) E20」、厚さ125μm、東レ社製)を重ねて、サンシャインウェザーメーター(製品名「WEL−SUN−HC・B」、スガ試験機社製)を用いて、サンシャインカーボンアーク灯、ブラックパネル温度63℃、相対湿度50%の条件にて、300時間露光した後取り出し、試験片の光線透過率を測定した。
(9)封止銅板の耐腐食性
多層シート2枚の間に、酢酸水溶液にて表面をエッチングし、水洗することで酸化物を除去した厚さ0.3mmの銅板を挟み、真空ラミネータにて、170℃の温度で、5分間真空脱気した後、10分間真空加圧成形して、銅板を封止した耐腐食性評価用試験片を作成し、更に150℃のオーブン中で1時間加熱硬化させて、評価用の試験片とした。この封止試験片を、85℃、85%RHの環境に1週間暴露する耐光性試験を行った後の試験片の外観、臭気及び銅箔の変色を観察した。
(10)太陽電池モジュールの耐久性評価
透明基板(白板ガラス、200×200mm×厚さ3.2mm)の上に、多層シートを載せ、その上に厚さ200μmの銅線を半田処理したタブ線を表裏に接続した多結晶シリコン太陽電池セル(アドバンテック社製、155×155mm×厚さ200μm)を載せた。この太陽電池セルの上に更に多層シート、次に、裏面保護シートの代わりにポリエチレンテレフタレート製離形フィルムの順で載せ、積層体を得た。次いで上記積層体を真空ラミネータにて、170℃の温度で、5分間真空脱気した後、10分間真空加圧して封止し、更に150℃のオーブン中で1時間加熱硬化させて太陽電池モジュールを作製した。得られた太陽電池モジュールを、−40℃で30分、90℃で30分を1サイクルとして200サイクルのヒートサイクル処理を実施した後に、目視観察及びCモード超音波走査型顕微鏡(SONIX社製)にて太陽電池セル5個を観察し、クラックの発生の有無を確認した。いずれのセルにも変形及びクラックが観察されない場合を〇とした。
[参考例1]
(ブロック共重合体水素化物(I)の合成)
充分に窒素置換された、攪拌装置を備えた反応器に脱水シクロヘキサン550部、脱水スチレン25部、n−ジブチルエーテル0.475部を入れ、60℃で攪拌しながらn−ブチルリチウム(15%シクロヘキサン溶液)0.68部を加えて重合を開始した。攪拌しながら60℃で60分反応させた。ガスクロマトグラフィーにより測定したこの時点で重合転化率は99.5%であった。
次に、脱水イソプレン50部を加えそのまま30分攪拌を続けた。この時点で重合転化率は99%であった。
その後、更に、脱水スチレンを25部加え、60分攪拌した。この時点での重合転化率はほぼ100%であった。ここでイソプロピルアルコール0.5部を加えて反応を停止した。得られたブロック共重合体(i)の重量平均分子量(Mw)は61,700、分子量分布(Mw/Mn)は1.05であった。
次に、上記重合体溶液を、攪拌装置を備えた耐圧反応器に移送し、水素化触媒としてシリカ−アルミナ担持型ニッケル触媒(製品名「T−8400RL」、ズードケミー触媒社製)3.0部及び脱水シクロヘキサン100部を添加して混合した。反応器内部を水素ガスで置換し、更に溶液を攪拌しながら水素を供給し、温度170℃、圧力4.5MPaにて6時間水素化反応を行った。水素化反応後のブロック共重合体水素化物(I)の重量平均分子量(Mw)は65,300、分子量分布(Mw/Mn)は1.06であった。
水素化反応終了後、反応溶液を濾過して水素化触媒を除去した後、フェノール系酸化防止剤である(テトラキス〔メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタン(製品名「イルガノックス(登録商標)1010」、BASFジャパン社製)0.2部を添加して溶解させた。
次いで、上記溶液を、金属ファイバー製フィルター(孔径0.4μm、ニチダイ社製)にて濾過して微小な固形分を除去した後、円筒型濃縮乾燥器(製品名「コントロ」、日立製作所社製)を用いて、温度260℃、圧力0.001MPa以下で、溶液から、溶媒であるシクロヘキサン及びその他の揮発成分を除去し、濃縮乾燥器に直結したダイから溶融状態でストランド状に押し出し、冷却後、ペレタイザーでカットしてブロック共重合体水素化物(I)のペレット98部を得た。得られたブロック共重合体水素化物(I)の重量平均分子量(Mw)は64,600、分子量分布(Mw/Mn)は1.11であった。水素化率はほぼ100%であった。
[参考例2]
(ジカルボン酸無水物基を有するブロック共重合体水素化物(IIm)の合成)
重合段階でn−ブチルリチウム(15%シクロヘキサン溶液)0.55部とする以外は参考例1と同様にして、ブロック共重合体水素化物(II)のペレット90部を得た。得られたブロック共重合体水素化物(II)の重量平均分子量(Mw)は79,500、分子量分布(Mw/Mn)は1.15であった。水素化率はほぼ100%であった。
得られたブロック共重合体水素化物(II)のペレット100部に対して無水マレイン酸2.0部及び有機過酸化物として2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン0.3部を添加した。この混合物を、二軸押出機(製品名「TEM35B」、東芝機械社製)を用いて、樹脂温度200℃、滞留時間1.5〜2.0分で混練し、ストランド状に押し出し、空冷した後、ペレタイザーによりカッティングし、ジカルボン酸無水物基を有するブロック共重合体水素化物(IIm)のペレット97部を得た。
得られたジカルボン酸無水物基を有するブロック共重合体水素化物(IIm)のペレット10部をトルエン100部に溶解し、脱水したアセトン400部中に注いで重合体を凝固させ、濾別した後、25℃で真空乾燥してジカルボン酸無水物基を有するブロック共重合体水素化物(IIm)9.5部を単離した。FT−IRスペクトルでは、1780cm−1及び1850cm−1にカルボニル基に由来する新たな吸収帯が観察された。また、H−NMRスペクトル(CDCl中)では、オキサシクロペンタン−2,5−ジオン−3−イル基のプロトンに由来すると考えられる吸収帯が2.4〜3.2ppmに観察され、ピーク面積比からオキサシクロペンタン−2,5−ジオン−3−イル基の含有量は、ジカルボン酸無水物基を有するブロック共重合体水素化物(IIm)の100部当たり約1.9部であった。
[参考例3]
(ブロック共重合体水素化物(I)の合成)
重合段階でモノマーとして、スチレン35部、イソプレン30部、及び、スチレン35部をこの順に反応系に添加して重合する以外は参考例1と同様にして、ブロック共重合体水素化物(I)のペレット96部を得た。得られたブロック共重合体水素化物(I)の重量平均分子量(Mw)は66,300、分子量分布(Mw/Mn)は1.10であった。水素化率はほぼ100%であった。
[参考例4]
(ブロック共重合体水素化物(I)の合成)
重合段階でモノマーとして、スチレン10部、イソプレン80部、及び、スチレン10部をこの順に反応系に添加して重合する以外は参考例1と同様にして、ブロック共重合体水素化物(I)のペレット78部を得た。得られたブロック共重合体水素化物(I)の重量平均分子量(Mw)は60,300、分子量分布(Mw/Mn)は1.10であった。水素化率はほぼ100%であった。
[参考例5]
(ジカルボン酸無水物基を有するブロック共重合体水素化物(IIm)の合成)
重合段階でモノマーとして、スチレン15部、n−ブチルリチウム(15%シクロヘキサン溶液)0.55部、イソプレン70部、及び、スチレン15部をこの順に反応系に添加して重合する以外は参考例1と同様にして、ブロック共重合体水素化物(II)のペレット93部を得た。得られたブロック共重合体水素化物(II)の重量平均分子量(Mw)は78,000、分子量分布(Mw/Mn)は1.14であった。水素化率はほぼ100%であった。
参考例2と同様に、得られたブロック共重合体水素化物(II)のペレット100部に対して無水マレイン酸3.0部及び2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン0.4部を添加し、二軸押出機で混練し、ジカルボン酸無水物基を有するブロック共重合体水素化物(IIm)のペレット96部を得た。
得られたジカルボン酸無水物基を有するブロック共重合体水素化物(IIm)のペレット10部を、参考例2と同様にトルエンに溶解した後、アセトン中に注いで重合体を凝固させ、ジカルボン酸無水物基を有するブロック共重合体水素化物(IIm)9.6部を単離した。FT−IRスペクトルでは、1780cm−1及び1850cm−1にカルボニル基に由来する新たな吸収帯が観察された。また、H−NMRスペクトル(CDCl中)では、オキサシクロペンタン−2,5−ジオン−3−イル基のプロトンに由来すると考えられる吸収帯が2.4〜3.2ppmに観察され、ピーク面積比からオキサシクロペンタン−2,5−ジオン−3−イル基の含有量は、ジカルボン酸無水物基を有するブロック共重合体水素化物(IIm)の100部当たり約2.7部であった。
[実施例1]
(ブロック共重合体水素化物(I)からなるシートの成形)
参考例1で得られたブロック共重合体水素化物(I)のペレット100部、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤である2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール(Tinuvin(登録商標) 329、BASF社製)0.2部及びエチレンビスステアリン酸アマイド粉末(製品名「カオーワックス(登録商標) EB−P」、花王社製)0.01部を混合し、40mmφのスクリューを備えた樹脂溶融押出し機を有するTダイ式フィルム成形機(Tダイ幅600mm)を使用し、溶融樹脂温度200℃、Tダイ温度200℃、ロール温度50℃の成形条件にて、厚さ400μm、幅500mmのブロック共重合体水素化物(I)のシートを押出成形した。得られた押出シートはロールに巻き取り回収した。
(接着層[IV]溶液の調整)
参考例2で得られたジカルボン酸無水物基を有するブロック共重合体水素化物(IIm)のペレット100部をトルエン600部に溶解させ、分子内にエポキシ基とアルコキシシリル基を有するシラン化合物(III)として3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(製品名「KBM−403」、信越シリコーン社製)1.0部、エポキシ基含有反応性希釈剤として1,4−シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル(製品名「アデカレジン(登録商標) EP−4085S」、ADEKA社製)6.0部、エポキシ樹脂硬化剤(製品名「キュアゾール(登録商標) 2MA−OK」、四国化成工業社製)4.4部及び前記と同じ紫外線吸収剤2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール0.2部を添加し、十分に混合分散し、接着層[IV]溶液を調整した。
(多層シートの成形)
前記のブロック共重合体水素化物(I)の押出シートを250mm×250mmサイズに切り出して平滑な台の上に置き、表面に接着層[IV]溶液を、バーコーターを用いて塗布し、常温で1時間乾燥させた。次に、接着層[IV]を塗布した押出シート[I]を反転させて平滑な台の上に置き、裏面にも接着層[IV]溶液を、バーコーターを用いて塗布し、常温で1時間乾燥させた。得られた多層シートは、ブロック共重合体水素化物(I)からなる層[I]の両面に接着層[IV]が塗布された、厚さが全体で約440μm、接着層[IV]の厚さが約20μmの3層構造の多層シートである。
(多層シートの評価)
得られた多層シートを使用して、光線透過率、透湿度、引張り強度、引張り伸び、体積抵抗率、ガラス基板との初期接着性及び高温高湿環境に暴露後の接着性、耐光性、封止銅板の耐腐食性及び太陽電池モジュールの耐久性評価を実施した。結果を表1に記載した。
[実施例2]
(接着層[IV]溶液の調整)
1,4−シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル3.0部及びエポキシ樹脂硬化剤3.0部とする以外は実施例1(接着層[IV]溶液の調整)と同様にして、接着層[IV]溶液を調整した。
(多層シートの成形)
接着層[IV]溶液を使用する以外は実施例1(多層シートの成形)と同様にして、ブロック共重合体水素化物(I)からなる層[I]の両面に接着層[IV]が塗布された、厚さが全体で約440μm、接着層[IV]の厚さが約20μmの3層構造の多層シートを得た。
(多層シートの評価)
得られた多層シートを使用して、光線透過率、透湿度、引張り強度、引張り伸び、体積抵抗率、ガラス基板との初期接着性及び高温高湿環境に暴露後の接着性、耐光性、封止銅板の耐腐食性及び太陽電池モジュールの耐久性評価を実施した。結果を表1に記載した。
[実施例3]
(接着層[IV]溶液の調整)
1,4−シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテルを使用せず、エポキシ樹脂硬化剤3.0部とする以外は実施例1(接着層[IV]溶液の調整)と同様にして、接着層[IV]溶液を調整した。
(多層シートの成形)
接着層[IV]溶液を使用する以外は実施例1(多層シートの成形)と同様にして、ブロック共重合体水素化物(I)からなる層[I]の両面に接着層[IV]が塗布された、厚さが全体で約440μm、接着層[IV]の厚さが約20μmの3層構造の多層シートを得た。
(多層シートの評価)
得られた多層シートを使用して、光線透過率、透湿度、引張り強度、引張り伸び、体積抵抗率、ガラス基板との初期接着性及び高温高湿環境に暴露後の接着性、耐光性、封止銅板の耐腐食性及び太陽電池モジュールの耐久性評価を実施した。結果を表1に記載した。
[実施例4]
(接着層[IV]溶液の調整)
分子内にエポキシ基とアルコキシシリル基を有するシラン化合物(III)として2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン1.0部を使用する以外は実施例2(接着層[IV]溶液の調整)と同様にして、接着層[IV]溶液を調整した。
(多層シートの成形)
接着層[IV]溶液を使用する以外は実施例1(多層シートの成形)と同様にして、ブロック共重合体水素化物(I)からなる層[I]の両面に接着層[IV]が塗布された、厚さが全体で約440μm、接着層[IV]の厚さが約20μmの3層構造の多層シートを得た。
(多層シートの評価)
得られた多層シートを使用して、光線透過率、透湿度、引張り強度、引張り伸び、体積抵抗率、ガラス基板との初期接着性及び高温高湿環境に暴露後の接着性、耐光性、封止銅板の耐腐食性及び太陽電池モジュールの耐久性評価を実施した。結果を表1に記載した。
[実施例5]
(接着層[IV]溶液の調整)
参考例5で得られたジカルボン酸無水物基を有するブロック共重合体水素化物(IIm)のペレット100部を使用する以外は実施例2(接着層[IV]溶液の調整)と同様にして、接着層[IV]溶液を調整した。
(多層シートの成形)
接着層[IV]溶液を使用する以外は実施例1(多層シートの成形)と同様にして、ブロック共重合体水素化物(I)からなる層[I]の両面に接着層[IV]が塗布された、厚さが全体で約440μm、接着層[IV]の厚さが約20μmの3層構造の多層シートを得た。
(多層シートの評価)
得られた多層シートを使用して、光線透過率、透湿度、引張り強度、引張り伸び、体積抵抗率、ガラス基板との初期接着性及び高温高湿環境に暴露後の接着性、耐光性、封止銅板の耐腐食性及び太陽電池モジュールの耐久性評価を実施した。結果を表1に記載した。
[実施例6]
(接着層[IV]溶液の調整)
参考例5で得られたジカルボン酸無水物基を有するブロック共重合体水素化物(IIm)のペレット100部を使用する以外は実施例4(接着層[IV]溶液の調整)と同様にして、接着層[IV]溶液を調整した。
(多層シートの成形)
接着層[IV]溶液を使用する以外は実施例1(多層シートの成形)と同様にして、ブロック共重合体水素化物(I)からなる層[I]の両面に接着層[IV]が塗布された、厚さが全体で約440μm、接着層[IV]の厚さが約20μmの3層構造の多層シートを得た。
(多層シートの評価)
得られた多層シートを使用して、光線透過率、透湿度、引張り強度、引張り伸び、体積抵抗率、ガラス基板との初期接着性及び高温高湿環境に暴露後の接着性、耐光性、封止銅板の耐腐食性及び太陽電池モジュールの耐久性評価を実施した。結果を表1に記載した。
[比較例1]
実施例1で得られたブロック共重合体水素化物(I)の押出シートを接着層[IV]を積層せずにそのまま使用して、光線透過率、透湿度、引張り強度、引張り伸び、体積抵抗率、ガラス基板との初期接着性及び高温高湿環境に暴露後の接着性、耐光性、封止銅板の耐腐食性及び太陽電池モジュールの耐久性評価を実施した。結果を表1に記載した。
[比較例2]
(接着層[V]溶液の調整)
分子内にエポキシ基とアルコキシシリル基を有するシラン化合物(III)を使用しない以外は実施例2(接着層[IV]溶液の調整)と同様にして、接着層[V]溶液を調整した。
(多層シートの成形)
接着層[V]溶液を使用する以外は実施例1(多層シートの成形)と同様にして、ブロック共重合体水素化物(I)からなる層[I]の両面に接着層[V]が塗布された、厚さが全体で約440μm、接着層[V]の厚さが約20μmの3層構造の多層シートを得た。
(多層シートの評価)
得られた多層シートを使用して、光線透過率、透湿度、引張り強度、引張り伸び、体積抵抗率、ガラス基板との初期接着性及び高温高湿環境に暴露後の接着性、耐光性、封止銅板の耐腐食性及び太陽電池モジュールの耐久性評価を実施した。結果を表1に記載した。
[比較例3]
(ブロック共重合体水素化物(I)からなるシートの成形)
参考例3で得られたブロック共重合体水素化物(I)のペレット100部を使用する以外は実施例1と同様にして、厚さ400μm、幅500mmのブロック共重合体水素化物(I)のシートを押出成形した。得られた押出シートはロールに巻き取り回収した。
(多層シートの成形)
前記のブロック共重合体水素化物(I)の押出シートを使用し、実施例2(接着層[IV]溶液の調整)で作成した接着層[IV]溶液を使用する以外は実施例1(多層シートの成形)と同様にして、ブロック共重合体水素化物(I)からなる層[I]の両面に接着層[IV]が塗布された、厚さが全体で約440μm、接着層[IV]の厚さが約20μmの3層構造の多層シートを得た。
(多層シートの評価)
得られた多層シートを使用して、光線透過率、透湿度、引張り強度、引張り伸び、体積抵抗率、ガラス基板との初期接着性及び高温高湿環境に暴露後の接着性、耐光性、封止銅板の耐腐食性及び太陽電池モジュールの耐久性評価を実施した。結果を表1に記載した。
[比較例4]
(ブロック共重合体水素化物(I)からなるシートの成形)
参考例4で得られたブロック共重合体水素化物(I)のペレット100部を使用する以外は実施例1と同様にして、厚さ400μm、幅500mmのブロック共重合体水素化物(I)のシートを押出成形した。得られた押出シートはロールに巻き取り回収した。
(多層シートの成形)
前記のブロック共重合体水素化物(I)の押出シートを使用し、実施例2(接着層[IV]溶液の調整)で作成した接着層[IV]溶液を使用する以外は実施例1(多層シートの成形)と同様にして、ブロック共重合体水素化物(I)からなる層[I]の両面に接着層[IV]が塗布された、厚さが全体で約440μm、接着層[IV]の厚さが約20μmの3層構造の多層シートを得た。
(多層シートの評価)
得られた多層シートを使用して、光線透過率、透湿度、引張り強度、引張り伸び、体積抵抗率、ガラス基板との初期接着性及び高温高湿環境に暴露後の接着性、耐光性、封止銅板の耐腐食性及び太陽電池モジュールの耐久性評価を実施した。結果を表1に記載した。
[比較例5]
エチレン・酢酸ビニル共重合体(製品名「エバフレックス(登録商標) EV250」、酢酸ビニル含有量:28重量%、三井デュポンポリケミカル社製)100部に対して、参考例2で使用したのと同じ有機過酸化物の2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン0.1部、架橋助剤としてトリアリルイソシアヌレート(製品名「M−60」、日本化成社製)0.5部、シランカップリング剤の3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン1.0部(製品名「KBM−503」、信越化学工業社製)及び実施例1で使用したのと同じ紫外線吸収剤である2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール0.2部を添加し、二軸混練機を用いて、樹脂温度100℃で混練し、ストランド状に押し出し、空冷した後、ペレタイザーによりカッティングし、樹脂組成物(EVA1)のペレット94部を得た。
(押出フィルム化)
得られた樹脂組成物(EVA1)のペレットを、実施例1で使用した押出成形機を使用し、溶融樹脂温度100℃、Tダイ温度100℃、ロール温度25℃の成形条件にて、厚さ40μm、幅500mmのシート[EVA1]を押出成形した。得られたシート[EVA1]はロールに巻き取り回収した。
(真空プレス成形)
得られたシート[EVA1]を、240mm×240mmサイズに切り出し、1枚及び3枚重ねて、真空ラミネータを使用して温度150℃で、5分間真空脱気した後20分間真空プレスし、更に150℃のオーブン中で1時間加熱硬化させて、厚さ350〜400μm及び厚さ1.0〜1.2mmの試験片[S−EVA1]を成形した。
シート[EVA1]を使用したガラス基板との接着性評価用試験片及び太陽電池モジュールの耐久性評価用試験片の作製は、真空ラミネータを使用して温度150℃で、5分間真空脱気した後20分間真空プレスし、更に150℃のオーブン中で1時間加熱硬化させて成形した。
(試験片の評価)
得られた成形試験片を用いて、光線透過率、透湿度、引張り強度、引張り伸び、体積抵抗率、ガラス基板との初期接着性及び高温高湿環境に暴露後の接着性、封止銅板の耐腐食性及び耐候性の評価、太陽電池モジュールの耐久性評価を実施した。結果を表1に記載した。
Figure 2013132755
この結果から以下のことがわかる。
ジカルボン酸無水物基を有するブロック共重合体水素化物(IIm)及び分子内にエポキシ基とアルコキシシリル基を有するシラン化合物(III)とからなる接着層[IV]を積層してない場合は高温高湿環境に暴露された後は、ガラスとの接着性が低下する(比較例1、比較例2)。
芳香族ビニル化合物由来の繰り返し単位を主成分とする重合体ブロックの含有量が多いと、多層シートの柔軟性が低く、太陽電池モジュールの耐久性が低い(比較例3)。
芳香族ビニル化合物由来の繰り返し単位を主成分とする重合体ブロックの含有量が少ないと、多層シート耐熱性が低く、太陽電池モジュールの耐久性が低い(比較例4)。
EVAからなる封止材を用いると、透湿度が高いこと、加水分解により酢酸が発生することにより、高温高湿環境で長期間保持され場合に内部配線に腐食を生じる懸念がある(比較例5)。
本発明の多層シートは、光線透過率、透湿度、機械的強度、柔軟性、電気絶縁性、高温高湿環境下でのガラスとの接着性、耐候性に優れ、該多層シートで封止した太陽電池モジュールは耐久性に優れる(実施例1〜6)。
本発明の多層シートは太陽電池素子の封止材に有用である。
1・・・透明前面基板
2・・・太陽電池素子
3・・・封止材
4・・・配線
5・・・裏面保護シート
図1は結晶シリコン系太陽電池モジュールの概要を示す概略断面図である。

Claims (3)

  1. 芳香族ビニル化合物由来の繰り返し単位を主成分とする、少なくとも2つの重合体ブロック(A)と、
    鎖状共役ジエン化合物由来の繰り返し単位を主成分とする、少なくとも1つの重合体ブロック(B)とからなり、
    全重合体ブロック(A)のブロック共重合体全体に占める重量分率をwAとし、
    全重合体ブロック(B)のブロック共重合体全体に占める重量分率をwBとした時に、
    wAとwBとの比(wA:wB)が30:70〜60:40であるブロック共重合体(i)の、
    全不飽和結合の90%以上を水素化した、
    ブロック共重合体水素化物(I)からなる層[I]の片面もしくは両面に、
    芳香族ビニル化合物由来の繰り返し単位を主成分とする、少なくとも2つの重合体ブロック(a)と、
    鎖状共役ジエン化合物由来の繰り返し単位を主成分とする、少なくとも1つの重合体ブロック(b)とからなり、
    全重合体ブロック(a)のブロック共重合体全体に占める重量分率をwaとし、
    全重合体ブロック(b)のブロック共重合体全体に占める重量分率をwbとした時に、
    waとwbとの比(wa:wb)が20:80〜60:40であるブロック共重合体(ii)の、
    少なくとも鎖状共役ジエン化合物由来の不飽和結合の90%以上を水素化した、
    ブロック共重合体水素化物(II)にジカルボン酸無水物基が導入されてなる、ジカルボン酸無水物基を有するブロック共重合体水素化物(IIm)及び
    分子内にエポキシ基とアルコキシシリル基を有するシラン化合物(III)
    とからなる接着層[IV]を積層した多層シート。
  2. 接着層[IV]が、ジカルボン酸無水物基を有するブロック共重合体水素化物(IIm)100重量部に対して紫外線吸収剤を0.01〜1重量部含有する、請求項1記載の多層シート。
  3. 請求項1〜2のいずれかに記載の多層シートを、接着層[IV]をガラス面に接するように配置して使用する太陽電池素子の封止方法。
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