JP2013122967A - 電磁アクチュエータ - Google Patents
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Abstract
【課題】ソレノイドSLを小型化(特に小径化)でき、且つ、信頼性を向上できる電磁アクチュエータ1を提供する。
【解決手段】電磁アクチュエータ1は、電磁石の磁力により軸方向にプランジャ3を吸引するソレノイドSLと、プランジャ3と別体に設けられ、且つ、プランジャ3の移動によって所定のストローク位置まで押し出される可動ピン4と、所定のストローク位置まで押し出された可動ピン4を弾性力によってフルストローク位置まで移動させる節度スプリング6等を備えている。この構成によれば、ソレノイドSLの磁力だけで可動ピン4をフルストローク位置まで移動させる必要はなく、プランジャ3のストローク量を可動ピン4のストローク量より小さく設定できるので、プランジャ3を吸引する電磁石の磁力を小さく出来る。すなわち、電磁石を形成するコイル2の外径を小さくできるので、ソレノイドSLの小型化を図ることができる。
【選択図】図1
【解決手段】電磁アクチュエータ1は、電磁石の磁力により軸方向にプランジャ3を吸引するソレノイドSLと、プランジャ3と別体に設けられ、且つ、プランジャ3の移動によって所定のストローク位置まで押し出される可動ピン4と、所定のストローク位置まで押し出された可動ピン4を弾性力によってフルストローク位置まで移動させる節度スプリング6等を備えている。この構成によれば、ソレノイドSLの磁力だけで可動ピン4をフルストローク位置まで移動させる必要はなく、プランジャ3のストローク量を可動ピン4のストローク量より小さく設定できるので、プランジャ3を吸引する電磁石の磁力を小さく出来る。すなわち、電磁石を形成するコイル2の外径を小さくできるので、ソレノイドSLの小型化を図ることができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、ソレノイドの磁力を利用して可動ピンを軸方向に押し出すと共に、ソレノイドに内蔵されるプランジャのストローク量に対し可動ピンのストローク量を大きく出来る電磁アクチュエータに関する。
従来技術として、特許文献1に記載された電磁アクチュエータがある。
この電磁アクチュエータは、例えば、内燃機関のカムシャフトのカムを軸方向にスライドさせることでバルブのリフト量を切り替えるシステム(可変バルブリフトシステムとも呼ばれる)に使用されるもので、図12に示す様に、コイル120への通電によって電磁石を形成するソレノイド110と、このソレノイド110のハウジング130に固定されるスリーブ140と、このスリーブ140の内周に挿通されて軸方向(図示左右方向)に可動する可動ピン150と、この可動ピン150の後端部に固定される永久磁石160等より構成される。なお、永久磁石160の両側には、それぞれ透磁性材料で形成された円盤状のディスク部材170、180が配置され、接着フィルム等によって永久磁石160に接合されている。
この電磁アクチュエータは、例えば、内燃機関のカムシャフトのカムを軸方向にスライドさせることでバルブのリフト量を切り替えるシステム(可変バルブリフトシステムとも呼ばれる)に使用されるもので、図12に示す様に、コイル120への通電によって電磁石を形成するソレノイド110と、このソレノイド110のハウジング130に固定されるスリーブ140と、このスリーブ140の内周に挿通されて軸方向(図示左右方向)に可動する可動ピン150と、この可動ピン150の後端部に固定される永久磁石160等より構成される。なお、永久磁石160の両側には、それぞれ透磁性材料で形成された円盤状のディスク部材170、180が配置され、接着フィルム等によって永久磁石160に接合されている。
上記の構成において、コイル120が非通電の時は、永久磁石160の磁力がソレノイド110のコア部190に作用することで、図12に示す様に、コア部190の軸方向端面に一方のディスク部材170を介して永久磁石160が吸着保持されている。
また、コイル120に通電されると、永久磁石160の磁気吸着力を上回る反発力が発生するため、可動ピン150はスプリング200の弾性力によって図示右方向へ押し出され、スリーブ140の軸方向端面に他方のディスク部材180を介して永久磁石160が吸着保持される。これにより、可動ピン150は、永久磁石160がコア部190の端面に吸着保持されるゼロストローク位置から、永久磁石160がスリーブ140の端面に吸着保持されるフルストローク位置まで軸方向に移動して、可動ピン150の先端部がカムシャフト(図示せず)に形成された螺旋溝に係合する。
また、コイル120に通電されると、永久磁石160の磁気吸着力を上回る反発力が発生するため、可動ピン150はスプリング200の弾性力によって図示右方向へ押し出され、スリーブ140の軸方向端面に他方のディスク部材180を介して永久磁石160が吸着保持される。これにより、可動ピン150は、永久磁石160がコア部190の端面に吸着保持されるゼロストローク位置から、永久磁石160がスリーブ140の端面に吸着保持されるフルストローク位置まで軸方向に移動して、可動ピン150の先端部がカムシャフト(図示せず)に形成された螺旋溝に係合する。
ところが、上記の特許文献1に開示された電磁アクチュエータ100は、可動ピン150を押し出す際に、コイル120に発生する磁界によって永久磁石160の磁気吸着力を上回る反発力が必要となる。すなわち、電磁アクチュエータ100のソレノイド110は、永久磁石160を反発させる程の強力な磁力を発生させる必要があるため、コイル120の外径が大きくなり、結果的にソレノイド110が大型化する。特に、可変バルブリフトシステムに採用される電磁アクチュエータ100は、搭載スペースが極めて限定されているため、ソレノイド110が大型化することによって同システムへの採用が困難になる恐れがある。
また、特許文献1の電磁アクチュエータ100は、永久磁石160が可動ピン150と一体に移動する構成であり、可動ピン150がゼロストローク位置からフルストローク位置へ移動した時、および、フルストローク位置からゼロストローク位置へ押し戻された時に、それぞれ、永久磁石160がスリーブ140の端面およびコア部190の端面に衝突するため、衝突時の衝撃によって永久磁石160が破損する恐れがある。永久磁石160の破損は、電磁アクチュエータ100の作動不良の原因となるため、信頼性の点においても問題がある。
さらに、特許文献1の電磁アクチュエータ100では、可動ピン150をゼロストローク位置およびフルストローク位置に保持するために永久磁石160の磁力を利用している。つまり、ゼロストローク位置では、永久磁石160をコア部190に吸着させ、フルストローク位置では、永久磁石160をスリーブ140の端面に吸着させることで、振動による可動ピン150の動きを防止している。この場合、汎用のフェライト磁石では、強い振動に対して可動ピン150の動きを抑えることは困難であり、ネオジム等の希土類磁石を用いる必要があるため、コストの上昇を招くだけでなく、資源リスクを抱える問題も内包している。
本発明は、上記事情に基づいて成されたもので、その目的は、ソレノイドを小型化でき、且つ、信頼性を向上できる電磁アクチュエータを提供することにある。
本発明は、上記事情に基づいて成されたもので、その目的は、ソレノイドを小型化でき、且つ、信頼性を向上できる電磁アクチュエータを提供することにある。
(請求項1の発明)
本発明の電磁アクチュエータは、コイルへの通電によって電磁石を形成し、この電磁石の磁力により軸方向にプランジャを吸引するソレノイドと、プランジャと別体に設けられ、且つ、電磁石に吸引されて移動するプランジャの直線運動が伝達されて、ゼロストローク位置から所定のストローク位置まで押し出される可動ピンと、所定のストローク位置まで押し出された可動ピンを弾性力によってフルストローク位置まで移動させるスプリングとを備え、プランジャのストローク量より可動ピンのストローク量の方が大きく設定されていることを特徴とする。
本発明の電磁アクチュエータは、コイルへの通電によって電磁石を形成し、この電磁石の磁力により軸方向にプランジャを吸引するソレノイドと、プランジャと別体に設けられ、且つ、電磁石に吸引されて移動するプランジャの直線運動が伝達されて、ゼロストローク位置から所定のストローク位置まで押し出される可動ピンと、所定のストローク位置まで押し出された可動ピンを弾性力によってフルストローク位置まで移動させるスプリングとを備え、プランジャのストローク量より可動ピンのストローク量の方が大きく設定されていることを特徴とする。
本発明の電磁アクチュエータは、可動ピンをプランジャと別体に設けているので、電磁石の磁力だけで可動ピンをフルストローク(ゼロストローク位置からフルストローク位置まで移動)させる必要はない。すなわち、電磁石に吸引されるプランジャによって可動ピンをゼロストローク位置から所定のストローク位置まで押し出した後、スプリングの弾性力によってフルストローク位置まで可動ピンを移動させることができる。なお、所定のストローク位置とは、スプリングの弾性力によって可動ピンをフルストローク位置へ移動できる領域に設定される。
これにより、プランジャのストローク量を可動ピンのストローク量より小さく設定できるので、プランジャを吸引する電磁石の磁力を小さく出来る。その結果、電磁石を形成するコイルの外径を小さくできるので、ソレノイドの小型化を図ることができる。
また、本発明の電磁アクチュエータは、永久磁石を使用していないので、永久磁石の破損による作動不良を生じることはなく、信頼性を向上できる。
これにより、プランジャのストローク量を可動ピンのストローク量より小さく設定できるので、プランジャを吸引する電磁石の磁力を小さく出来る。その結果、電磁石を形成するコイルの外径を小さくできるので、ソレノイドの小型化を図ることができる。
また、本発明の電磁アクチュエータは、永久磁石を使用していないので、永久磁石の破損による作動不良を生じることはなく、信頼性を向上できる。
(請求項2の発明)
本発明の電磁アクチュエータは、コイルへの通電によって電磁石を形成し、この電磁石の磁力により軸方向にプランジャを吸引するソレノイドと、プランジャと別体に設けられ、且つ、電磁石に吸引されて移動するプランジャの直線運動が伝達されて、ゼロストローク位置から所定のストローク位置まで押し出される可動ピンと、所定のストローク位置まで押し出された可動ピンを磁力によってフルストローク位置まで吸引する永久磁石とを備え、プランジャのストローク量より可動ピンのストローク量の方が大きく設定されていることを特徴とする。
本発明の電磁アクチュエータは、コイルへの通電によって電磁石を形成し、この電磁石の磁力により軸方向にプランジャを吸引するソレノイドと、プランジャと別体に設けられ、且つ、電磁石に吸引されて移動するプランジャの直線運動が伝達されて、ゼロストローク位置から所定のストローク位置まで押し出される可動ピンと、所定のストローク位置まで押し出された可動ピンを磁力によってフルストローク位置まで吸引する永久磁石とを備え、プランジャのストローク量より可動ピンのストローク量の方が大きく設定されていることを特徴とする。
本発明の電磁アクチュエータは、可動ピンをプランジャと別体に設けているので、電磁石の磁力だけで可動ピンをフルストローク(ゼロストローク位置からフルストローク位置まで移動)させる必要はない。すなわち、電磁石に吸引されるプランジャによって可動ピンをゼロストローク位置から所定のストローク位置まで押し出した後、永久磁石の磁力によってフルストローク位置まで可動ピンを吸引することができる。なお、所定のストローク位置とは、永久磁石の磁力によって可動ピンをフルストローク位置まで吸引できる領域に設定される。
これにより、プランジャのストローク量を可動ピンのストローク量より小さく設定できるので、プランジャを吸引する電磁石の磁力を小さく出来る。その結果、電磁石を形成するコイルの外径を小さく抑えることができ、ソレノイドの小型化を図ることができる。
これにより、プランジャのストローク量を可動ピンのストローク量より小さく設定できるので、プランジャを吸引する電磁石の磁力を小さく出来る。その結果、電磁石を形成するコイルの外径を小さく抑えることができ、ソレノイドの小型化を図ることができる。
(請求項3の発明)
請求項1または2に記載した電磁アクチュエータにおいて、コイルが非通電の状態で可動ピンがゼロストローク位置に静止している時に、可動ピンは、プランジャとの間に軸方向ギャップを有して配置され、プランジャは、コイルへの通電によって電磁石が形成されると、その電磁石の磁力に吸引されて軸方向ギャップを移動した後、可動ピンに衝突し、その可動ピンは、プランジャが衝突した時に発生する衝突力によって所定のストローク位置まで押し出されることを特徴とする。
請求項1または2に記載した電磁アクチュエータにおいて、コイルが非通電の状態で可動ピンがゼロストローク位置に静止している時に、可動ピンは、プランジャとの間に軸方向ギャップを有して配置され、プランジャは、コイルへの通電によって電磁石が形成されると、その電磁石の磁力に吸引されて軸方向ギャップを移動した後、可動ピンに衝突し、その可動ピンは、プランジャが衝突した時に発生する衝突力によって所定のストローク位置まで押し出されることを特徴とする。
上記の構成によれば、ゼロストローク位置に静止している可動ピンに対し、電磁石に吸引されるプランジャが軸方向ギャップを移動して衝突することで、プランジャから可動ピンに運動エネルギ(衝突力)が伝達されて、可動ピンが所定のストローク位置まで押し出される。その後、可動ピンは、請求項1に記載したスプリングの弾性力によってフルストローク位置まで移動する。または、請求項2に記載した永久磁石の磁力に吸引されてフルストローク位置まで移動する。
(請求項4の発明)
請求項1または2に記載した電磁アクチュエータにおいて、コイルが非通電の状態で可動ピンがゼロストローク位置に静止している時に、可動ピンは、プランジャと軸方向に当接して配置され、ソレノイドは、可動ピンの周囲に環状に配置され、且つ、プランジャと軸方向にギャップを有して対向するステータを有し、プランジャは、コイルへの通電によって電磁石が形成されると、その電磁石の磁力に吸引されて可動ピンと一体に移動した後、ステータに当接して停止し、可動ピンは、プランジャの移動が停止した後、慣性によって所定のストローク位置まで移動することを特徴とする。
請求項1または2に記載した電磁アクチュエータにおいて、コイルが非通電の状態で可動ピンがゼロストローク位置に静止している時に、可動ピンは、プランジャと軸方向に当接して配置され、ソレノイドは、可動ピンの周囲に環状に配置され、且つ、プランジャと軸方向にギャップを有して対向するステータを有し、プランジャは、コイルへの通電によって電磁石が形成されると、その電磁石の磁力に吸引されて可動ピンと一体に移動した後、ステータに当接して停止し、可動ピンは、プランジャの移動が停止した後、慣性によって所定のストローク位置まで移動することを特徴とする。
上記の構成によれば、プランジャが電磁石に吸引されて可動ピンと一体に移動した後、ステータに当接してプランジャの移動が停止すると、プランジャと別体に設けられている可動ピンに慣性が働く。この慣性の働きにより、可動ピンは所定のストローク位置まで押し出され、その後、請求項1に記載したスプリングの弾性力によってフルストローク位置まで移動する。または、請求項2に記載した永久磁石の磁力に吸引されてフルストローク位置まで移動する。
(請求項5の発明)
請求項1に記載した電磁アクチュエータにおいて、可動ピンは、フルストローク位置まで移動した後、スプリングの弾性力によってフルストローク位置に保持されることを特徴とする。
本発明の電磁アクチュエータは、可動ピンをフルストローク位置に保持するためにソレノイド(電磁石)の磁力を利用する必要はなく、スプリングの弾性力によって可動ピンをフルストローク位置に保持できるので、消費電力を少なくできる。
請求項1に記載した電磁アクチュエータにおいて、可動ピンは、フルストローク位置まで移動した後、スプリングの弾性力によってフルストローク位置に保持されることを特徴とする。
本発明の電磁アクチュエータは、可動ピンをフルストローク位置に保持するためにソレノイド(電磁石)の磁力を利用する必要はなく、スプリングの弾性力によって可動ピンをフルストローク位置に保持できるので、消費電力を少なくできる。
(請求項6の発明)
請求項2に記載した電磁アクチュエータにおいて、可動ピンは、フルストローク位置まで移動した後、永久磁石の磁力によってフルストローク位置に保持されることを特徴とする。
本発明の電磁アクチュエータは、可動ピンをフルストローク位置に保持するためにソレノイド(電磁石)の磁力を利用する必要はなく、永久磁石の磁力によって可動ピンをフルストローク位置に保持できるので、消費電力を少なくできる。
請求項2に記載した電磁アクチュエータにおいて、可動ピンは、フルストローク位置まで移動した後、永久磁石の磁力によってフルストローク位置に保持されることを特徴とする。
本発明の電磁アクチュエータは、可動ピンをフルストローク位置に保持するためにソレノイド(電磁石)の磁力を利用する必要はなく、永久磁石の磁力によって可動ピンをフルストローク位置に保持できるので、消費電力を少なくできる。
本発明を実施するための形態を以下の実施例により詳細に説明する。
(実施例1)
実施例1に記載する電磁アクチュエータは、内燃機関のカムシャフトのカムを軸方向にスライドさせることで排気バルブまたは吸気バルブのリフト量を切り替える可変バルブリフトシステムに採用される。
この電磁アクチュエータ1は、図1に示す様に、コイル2への通電により電磁石を形成してプランジャ3を駆動するソレノイドSLと、プランジャ3の動きに連動して軸方向(図示左右方向)に可動する可動ピン4と、この可動ピン4を保持するスリーブ5と、可動ピン4を軸方向に付勢する節度スプリング6等より構成される。
実施例1に記載する電磁アクチュエータは、内燃機関のカムシャフトのカムを軸方向にスライドさせることで排気バルブまたは吸気バルブのリフト量を切り替える可変バルブリフトシステムに採用される。
この電磁アクチュエータ1は、図1に示す様に、コイル2への通電により電磁石を形成してプランジャ3を駆動するソレノイドSLと、プランジャ3の動きに連動して軸方向(図示左右方向)に可動する可動ピン4と、この可動ピン4を保持するスリーブ5と、可動ピン4を軸方向に付勢する節度スプリング6等より構成される。
ソレノイドSLは、磁気回路を兼ねるハウジング7と、図示しないボビンに巻回されてハウジング7の内部に収容される上記コイル2と、このコイル2の内周を可動する上記プランジャ3と、ハウジング7の入口側(図示右側)に配置されるステータ8と、プランジャ3を反ステータ方向へ付勢するリターンスプリング9等より構成される。
ハウジング7は、例えば、鉄等の磁性体によって形成され、図示左側の底面中央部に円形孔が開口する筒状ケース7aと、円形孔に嵌合して筒状ケース7aの底面を閉塞する底面プレート7bとで構成され、筒状ケース7aの入口側が開口する有底円筒体である。
ハウジング7は、例えば、鉄等の磁性体によって形成され、図示左側の底面中央部に円形孔が開口する筒状ケース7aと、円形孔に嵌合して筒状ケース7aの底面を閉塞する底面プレート7bとで構成され、筒状ケース7aの入口側が開口する有底円筒体である。
コイル2は、例えば、図示しないリレーを通じて外部のECU(電子制御装置)に接続され、そのECUによりリレーを介して通電制御される。
プランジャ3は、コイル2の内周を軸心方向(図示左右方向)に摺動可能な円柱形状を有し、ステータ8との間に配設されるリターンスプリング9によってハウジング7の底面側へ付勢され、プランジャ3の底面(反ステータ側の軸方向端面)が底面プレート7bの表面に当接している。
ステータ8は、鉄等の磁性体によって磁気回路の一部を形成し、筒状ケース7aの入口側開口部の内周に嵌合する円盤状のプレートコア部8aと、このプレートコア部8aよりコイル2の内周側へ入り込む円筒コア部8bとを有している。また、プレートコア部8aには、径方向の中央部に可動ピン4を軸方向に通すための丸孔が空けられている。
プランジャ3は、コイル2の内周を軸心方向(図示左右方向)に摺動可能な円柱形状を有し、ステータ8との間に配設されるリターンスプリング9によってハウジング7の底面側へ付勢され、プランジャ3の底面(反ステータ側の軸方向端面)が底面プレート7bの表面に当接している。
ステータ8は、鉄等の磁性体によって磁気回路の一部を形成し、筒状ケース7aの入口側開口部の内周に嵌合する円盤状のプレートコア部8aと、このプレートコア部8aよりコイル2の内周側へ入り込む円筒コア部8bとを有している。また、プレートコア部8aには、径方向の中央部に可動ピン4を軸方向に通すための丸孔が空けられている。
スリーブ5は、中央部が円形に開口するフランジ状の固定リング部5aと、節度スプリング6の可動領域を確保するスプリング室5bと、可動ピン4を摺動自在に保持する摺動筒部5c等を形成している。
固定リング部5aは、筒状ケース7aの入口側開口部の内周に嵌合してステータ8の表面上に配置され、例えば、かしめ等の手段により筒状ケース7aに固定される。
スプリング室5bは、径方向に可動ピン4の外径より大きい内径を有し、且つ、ステータ8との間に可動ピン4のストローク量に相当する軸方向寸法が確保されている。また、スプリング室5bの内周には、軸方向および周方向への移動が規制された固定壁10が設けられ、且つ、固定壁10の側面には、軸方向の中央部に固定ピン11が突設されている。なお、可動ピン4のストローク量とは、図1に示す可動ピン4のゼロストローク位置から図2に示すフルストローク位置までの軸方向距離である。
固定リング部5aは、筒状ケース7aの入口側開口部の内周に嵌合してステータ8の表面上に配置され、例えば、かしめ等の手段により筒状ケース7aに固定される。
スプリング室5bは、径方向に可動ピン4の外径より大きい内径を有し、且つ、ステータ8との間に可動ピン4のストローク量に相当する軸方向寸法が確保されている。また、スプリング室5bの内周には、軸方向および周方向への移動が規制された固定壁10が設けられ、且つ、固定壁10の側面には、軸方向の中央部に固定ピン11が突設されている。なお、可動ピン4のストローク量とは、図1に示す可動ピン4のゼロストローク位置から図2に示すフルストローク位置までの軸方向距離である。
可動ピン4は、例えば、非磁性体であるステンレス鋼(SUS)によって断面円形の棒状に形成され、長手方向の一端側(図示右側)が摺動筒部5cの内周に挿通され、他端側がステータ8のプレートコア部8aに形成された丸孔を通ってハウジング7の内部へ入り込んでいる。なお、可動ピン4の一端側の先端部は、摺動筒部5cの端面より軸方向に突き出ている。
この可動ピン4には、長手方向の中央部より他端側寄りの位置にフランジ部4aが一体に設けられ、このフランジ部4aの外周面に移動ピン12が突設されている。また、フランジ部4aは、可動ピン4のストローク量を規制するストッパ部としても機能する。つまり、可動ピン4は、フランジ部4aのステータ側の端面がステータ8の表面に当接する位置(図1に示す位置)と、フランジ部4aの反ステータ側の端面がスプリング室5bの軸方向端面に当接する位置(図2に示す位置)との間で軸方向に可動する。
この可動ピン4には、長手方向の中央部より他端側寄りの位置にフランジ部4aが一体に設けられ、このフランジ部4aの外周面に移動ピン12が突設されている。また、フランジ部4aは、可動ピン4のストローク量を規制するストッパ部としても機能する。つまり、可動ピン4は、フランジ部4aのステータ側の端面がステータ8の表面に当接する位置(図1に示す位置)と、フランジ部4aの反ステータ側の端面がスプリング室5bの軸方向端面に当接する位置(図2に示す位置)との間で軸方向に可動する。
ここで、可動ピン4のストロークに対する始点および終点をゼロストローク位置およびフルストローク位置と定義すると、ストッパ部(フランジ部4a)が当接するステータ8の表面は、可動ピン4のゼロストローク位置を規制する第1のストッパ面を形成し、ストッパ部が当接するスプリング室5bの軸方向端面は、可動ピン4のフルストローク位置を規制する第2のストッパ面を形成している。なお、実施例1では、可動ピン4がゼロストローク位置に静止している状態(図1に示す状態)で、可動ピン4とプランジャ3との間に所定の軸方向ギャップが設定されている。但し、この軸方向ギャップは、可動ピン4のストローク量より小さく設定される。一例として、可動ピン4のストローク量を4mmとした場合、軸方向ギャップは2mmに設定される。
節度スプリング6は、図3に示す様に、螺旋状に巻いた巻回部6aと、その巻回部6aの両端から直線状に延びる2本のアーム部6bとを有し、この2本のアーム部6bが巻回部6aを中心に略V字型(略C字型、略U字型等でも良い)に開いた、いわゆる捻じりコイルばねとして形成されている。この節度スプリング6は、2本のアーム部6bの端部にそれぞれリング状のフック6c、6dが形成され、一方のフック6cが固定ピン11に嵌合して取り付けられ、他方のフック6dが移動ピン12に嵌合して取り付けられている。 なお、節度スプリング6は、図4に示す様に、圧縮コイルばねを利用することも可能である。
ここで、可動ピン4に対する節度スプリング6の作用を図5に基づいて説明する。
図5は、固定ピン11に対する移動ピン12の軸方向位置と節度スプリング6の反力(弾性力)との関係を示すもので、図5(a)は可動ピン4のゼロストローク位置、図5(b)は可動ピン4の中立位置、図5(c)は可動ピン4のフルストローク位置を示している。なお、図5(b)の中立位置は、移動ピン12が固定ピン11と軸方向に同一位置まで移動した状態である。
図5は、固定ピン11に対する移動ピン12の軸方向位置と節度スプリング6の反力(弾性力)との関係を示すもので、図5(a)は可動ピン4のゼロストローク位置、図5(b)は可動ピン4の中立位置、図5(c)は可動ピン4のフルストローク位置を示している。なお、図5(b)の中立位置は、移動ピン12が固定ピン11と軸方向に同一位置まで移動した状態である。
節度スプリング6は、固定ピン11に取り付けられる一方のフック6cと、移動ピン12に取り付けられる他方のフック6dとの間に反力を蓄えており、この反力によって可動ピン4をゼロストローク位置およびフルストローク位置へ付勢する働きを有する。
但し、図5(b)に示す中立位置では、固定ピン11と移動ピン12とが軸方向に同位置となるため、節度スプリング6の反力Foが一方のフック6cと他方のフック6dとの間に図示矢印方向、つまり、可動ピン4の軸方向と直交する径方向に作用する。このため、中立位置では、節度スプリング6の反力が可動ピン4を軸方向へ動かす推進力として働くことはない。
但し、図5(b)に示す中立位置では、固定ピン11と移動ピン12とが軸方向に同位置となるため、節度スプリング6の反力Foが一方のフック6cと他方のフック6dとの間に図示矢印方向、つまり、可動ピン4の軸方向と直交する径方向に作用する。このため、中立位置では、節度スプリング6の反力が可動ピン4を軸方向へ動かす推進力として働くことはない。
これに対し、移動ピン12が中立位置よりゼロストローク側にある場合は、図5(a)に示す様に、節度スプリング6の反力Faが移動ピン12をゼロストローク側へ付勢する推進力として働くため、可動ピン4はゼロストローク位置に保持される。
一方、移動ピン12が中立位置よりフルストローク側にある場合は、図5(c)に示す様に、節度スプリング6の反力Fbが移動ピン12をフルストローク側へ付勢する推進力として働くため、可動ピン4はフルストローク位置に保持される。
一方、移動ピン12が中立位置よりフルストローク側にある場合は、図5(c)に示す様に、節度スプリング6の反力Fbが移動ピン12をフルストローク側へ付勢する推進力として働くため、可動ピン4はフルストローク位置に保持される。
次に、上記の構成を有する電磁アクチュエータ1の作動を説明する。
図1に示す静止状態よりコイル2に通電されて電磁石が形成されると、その電磁石の磁力によりプランジャ3が吸引されてステータ8側(図示右側)へ移動する。このプランジャ3は、可動ピン4との間に設定される軸方向ギャップを移動した後、可動ピン4の軸方向端面に衝突する。この後、コイル2への通電が遮断されると、図2に左向き矢印で示す様に、リターンスプリング9の反力によってプランジャ3が押し戻され、底面プレート7bに当接して停止する。
図1に示す静止状態よりコイル2に通電されて電磁石が形成されると、その電磁石の磁力によりプランジャ3が吸引されてステータ8側(図示右側)へ移動する。このプランジャ3は、可動ピン4との間に設定される軸方向ギャップを移動した後、可動ピン4の軸方向端面に衝突する。この後、コイル2への通電が遮断されると、図2に左向き矢印で示す様に、リターンスプリング9の反力によってプランジャ3が押し戻され、底面プレート7bに当接して停止する。
可動ピン4は、プランジャ3が衝突した時に発生する衝突力が節度スプリング6の反力、すなわち、可動ピン4をゼロストローク位置に保持しようとする力に打ち勝つことにより、ゼロストローク位置から軸方向に押し出されて、所定のストローク位置まで移動する。但し、この所定のストローク位置は、上記の中立位置と同義ではなく、中立位置よりフルストローク側に設定される。言い換えると、節度スプリング6の反力が可動ピン4をフルストローク側へ付勢する領域に所定のストローク位置が設定される。
プランジャ3との衝突により、可動ピン4が中立位置を超えて所定のストローク位置まで移動すると、図5(c)に示した様に、節度スプリング6の反力が可動ピン4をフルストローク側へ付勢する推進力として働く。これにより、可動ピン4は、上記の推進力を受けてフルストローク側へ移動し、可動ピン4に設けられたストッパ部(フランジ部4a)が第2のストッパ面を形成するスプリング室5bの軸方向端面に当接して移動が停止する。この状態で、可動ピン4は、節度スプリング6の反力によってフルストローク位置に保持される。
この後、可動ピン4が図1に示す静止位置へ戻る時は、図示しないエンジン側のカムシャフトから戻し力を受けて、中立位置よりゼロストローク側へ押し戻された後、節度スプリング6の反力によってゼロストローク位置へ復帰する。
この後、可動ピン4が図1に示す静止位置へ戻る時は、図示しないエンジン側のカムシャフトから戻し力を受けて、中立位置よりゼロストローク側へ押し戻された後、節度スプリング6の反力によってゼロストローク位置へ復帰する。
(実施例1の作用および効果)
実施例1の電磁アクチュエータ1は、電磁石に吸引されるプランジャ3によって可動ピン4をゼロストローク位置から所定のストローク位置まで押し出した後、節度スプリング6の反力によってフルストローク位置まで可動ピン4を移動させることができる。
すなわち、可動ピン4をプランジャ3と別体に設けているので、ソレノイドSLの磁力だけで可動ピン4をゼロストローク位置からフルストローク位置まで移動させる必要はない。これにより、プランジャ3のストローク量を可動ピン4のストローク量より小さく設定できるので、プランジャ3を吸引する電磁石の磁力を小さく出来る。その結果、電磁石を形成するコイル2の外径を小さくできるので、ソレノイドSLの小型化を図ることができる。
実施例1の電磁アクチュエータ1は、電磁石に吸引されるプランジャ3によって可動ピン4をゼロストローク位置から所定のストローク位置まで押し出した後、節度スプリング6の反力によってフルストローク位置まで可動ピン4を移動させることができる。
すなわち、可動ピン4をプランジャ3と別体に設けているので、ソレノイドSLの磁力だけで可動ピン4をゼロストローク位置からフルストローク位置まで移動させる必要はない。これにより、プランジャ3のストローク量を可動ピン4のストローク量より小さく設定できるので、プランジャ3を吸引する電磁石の磁力を小さく出来る。その結果、電磁石を形成するコイル2の外径を小さくできるので、ソレノイドSLの小型化を図ることができる。
特に、実施例1では、本発明の電磁アクチュエータ1を、内燃機関の可変バルブリフトシステムに採用しているので、電磁アクチュエータ1の搭載スペースが極めて限定されている。よって、ソレノイドSLの小型化、特に小径化は、電磁アクチュエータ1の配置自由度を向上できる上で大きなメリットとなる。
また、実施例1の電磁アクチュエータ1は、永久磁石を使用することなく、節度スプリング6の反力によって可動ピン4をゼロストローク位置およびフルストローク位置に保持できる。この構成によれば、特許文献1の従来技術と比較して、高価な希土類磁石を使用しないことによるコストダウンを図ることができ、且つ、永久磁石の破損による作動不良が生じないので、より信頼性の高い電磁アクチュエータ1を提供できる。
また、実施例1の電磁アクチュエータ1は、永久磁石を使用することなく、節度スプリング6の反力によって可動ピン4をゼロストローク位置およびフルストローク位置に保持できる。この構成によれば、特許文献1の従来技術と比較して、高価な希土類磁石を使用しないことによるコストダウンを図ることができ、且つ、永久磁石の破損による作動不良が生じないので、より信頼性の高い電磁アクチュエータ1を提供できる。
(実施例2)
この実施例2に示す電磁アクチュエータ1は、図6に示す様に、コイル2が非通電の状態で可動ピン4がゼロストローク位置に静止している時に、プランジャ3と可動ピン4とが軸方向に当接している一例である。
また、ステータ8は、実施例1と比較して円筒コア部8bの内径が小さい、つまり、円筒コア部8bの肉厚がより厚く形成され、プランジャ3と軸方向にギャップを有して対向する対向面8cを有している。
この電磁アクチュエータ1は、コイル2への通電によって電磁石が形成されると、プランジャ3が電磁石の磁力に吸引されて可動ピン4と一体に移動した後、円筒コア部8bの対向面8cに当接して停止する。
この実施例2に示す電磁アクチュエータ1は、図6に示す様に、コイル2が非通電の状態で可動ピン4がゼロストローク位置に静止している時に、プランジャ3と可動ピン4とが軸方向に当接している一例である。
また、ステータ8は、実施例1と比較して円筒コア部8bの内径が小さい、つまり、円筒コア部8bの肉厚がより厚く形成され、プランジャ3と軸方向にギャップを有して対向する対向面8cを有している。
この電磁アクチュエータ1は、コイル2への通電によって電磁石が形成されると、プランジャ3が電磁石の磁力に吸引されて可動ピン4と一体に移動した後、円筒コア部8bの対向面8cに当接して停止する。
一方、可動ピン4は、プランジャ3の移動が停止した後、慣性によって更に移動を継続し、中立位置を超えて所定のストローク位置まで移動する。
この後、実施例1と同じく、可動ピン4が節度スプリング6の反力を受けてフルストローク側へ移動し、図7に示す様に、可動ピン4に設けられたストッパ部(フランジ部4a)が第2のストッパ面を形成するスプリング室5bの軸方向端面に当接して移動が停止する。この状態で、可動ピン4は、節度スプリング6の反力によってフルストローク位置に保持される。
この実施例2の構成においても、プランジャ3のストローク量を可動ピン4のストローク量より小さくできるので、コイル2の外径を小さく形成して、ソレノイドSLの小型化(小径化)を図ることができると共に、永久磁石を使用しないことによるコストダウンの効果、および、信頼性の向上を得ることができる。
この後、実施例1と同じく、可動ピン4が節度スプリング6の反力を受けてフルストローク側へ移動し、図7に示す様に、可動ピン4に設けられたストッパ部(フランジ部4a)が第2のストッパ面を形成するスプリング室5bの軸方向端面に当接して移動が停止する。この状態で、可動ピン4は、節度スプリング6の反力によってフルストローク位置に保持される。
この実施例2の構成においても、プランジャ3のストローク量を可動ピン4のストローク量より小さくできるので、コイル2の外径を小さく形成して、ソレノイドSLの小型化(小径化)を図ることができると共に、永久磁石を使用しないことによるコストダウンの効果、および、信頼性の向上を得ることができる。
(実施例3)
この実施例3は、所定のストローク位置からフルストローク位置まで可動ピン4を移動させる手段として永久磁石13を用いた一例である。
なお、プランジャ3と可動ピン4との関係は実施例1と同じである。つまり、図8に示す様に、コイル2が非通電の状態で可動ピン4がゼロストローク位置に静止している時に、プランジャ3と可動ピン4との間に所定の軸方向ギャップが確保されている。
永久磁石13は、スリーブ5の内部で可動ピン4のフランジ部4aと軸方向に対向して配置され、且つ、可動ピン4のフルストローク位置を規制する第2のストッパ面を形成している。
この実施例3は、所定のストローク位置からフルストローク位置まで可動ピン4を移動させる手段として永久磁石13を用いた一例である。
なお、プランジャ3と可動ピン4との関係は実施例1と同じである。つまり、図8に示す様に、コイル2が非通電の状態で可動ピン4がゼロストローク位置に静止している時に、プランジャ3と可動ピン4との間に所定の軸方向ギャップが確保されている。
永久磁石13は、スリーブ5の内部で可動ピン4のフランジ部4aと軸方向に対向して配置され、且つ、可動ピン4のフルストローク位置を規制する第2のストッパ面を形成している。
可動ピン4は、フランジ部4aが磁性体(例えば鉄)によって形成され、非磁性体であるピン本体とは別体に設けられ、例えば、溶接等によってピン本体に接合されている。なお、フランジ部4aを含む可動ピン4の全体を磁性体によって形成することも可能である。また、スリーブ5の内部には、可動ピン4の周囲にコイルスプリング14が配設されている。このコイルスプリング14は、フルストローク位置へ移動した可動ピン4が、エンジン側のカムシャフトから戻し力を受けて押し戻された時に、永久磁石13の吸引力に打ち勝って可動ピン4をゼロストローク位置まで押し戻す働きを有する。言い換えると、ソレノイドSLの作動が停止状態の時に、可動ピン4をゼロストローク位置に保持する働きを有している。
この電磁アクチュエータ1は、電磁石の磁力に吸引されて軸方向ギャップを移動したプランジャ3が可動ピン4に衝突し、その衝突力がコイルスプリング14の反力に打ち勝つことで、可動ピン4が軸方向に押し出される。
可動ピン4が所定のストローク位置まで押し出されると、可動ピン4のフランジ部4aに作用する永久磁石13の磁力がコイルスプリング14の反力より大きくなる。その結果、可動ピン4がフルストローク側へ移動して、磁性体であるフランジ部4aが永久磁石13に吸着される。これにより、可動ピン4は、図9に示す様に、フランジ部4aが永久磁石13に吸着された状態でフルストローク位置に保持される。
可動ピン4が所定のストローク位置まで押し出されると、可動ピン4のフランジ部4aに作用する永久磁石13の磁力がコイルスプリング14の反力より大きくなる。その結果、可動ピン4がフルストローク側へ移動して、磁性体であるフランジ部4aが永久磁石13に吸着される。これにより、可動ピン4は、図9に示す様に、フランジ部4aが永久磁石13に吸着された状態でフルストローク位置に保持される。
この後、可動ピン4が図7に示す静止位置へ戻る時は、エンジン側のカムシャフトから戻し力を受けて所定の位置まで押し戻されると、フランジ部4aを吸引する永久磁石13の磁力に抗してコイルスプリング14の反力(可動ピン4をゼロストローク側へ押し戻す力)がフランジ部4aに働くことで、可動ピン4が押し戻されてゼロストローク位置へ復帰する。
上記の構成では、可動ピン4をフルストローク位置に保持するために永久磁石13を使用しているが、電磁石の磁力によってプランジャ3を吸引する時に、永久磁石13の磁力が働くことはない。つまり、永久磁石13の磁力に抗してプランジャ3を移動させる必要はないので、ソレノイドSLの規格を実施例1と同一にできる。よって、この実施例3においても、プランジャ3のストローク量を可動ピン4のストローク量より小さくできるので、コイル2の外径を小さく形成して、ソレノイドSLの小型化(小径化)を図ることができる。
上記の構成では、可動ピン4をフルストローク位置に保持するために永久磁石13を使用しているが、電磁石の磁力によってプランジャ3を吸引する時に、永久磁石13の磁力が働くことはない。つまり、永久磁石13の磁力に抗してプランジャ3を移動させる必要はないので、ソレノイドSLの規格を実施例1と同一にできる。よって、この実施例3においても、プランジャ3のストローク量を可動ピン4のストローク量より小さくできるので、コイル2の外径を小さく形成して、ソレノイドSLの小型化(小径化)を図ることができる。
(実施例4)
この実施例4は、実施例3と同じく、所定のストローク位置まで押し出された可動ピン4をフルストローク位置まで移動させる手段として永久磁石13を用いた別の一例である。実施例3との相違は、図10に示す様に、コイル2が非通電の状態で可動ピン4がゼロストローク位置に静止している時に、プランジャ3と可動ピン4とが軸方向に当接している点である。
この実施例4の電磁アクチュエータ1において、コイル2への通電によって電磁石が形成され、その電磁石の磁力に吸引されてプランジャ3と可動ピン4とが一体に移動した後、プランジャ3が円筒コア部8bの対向面8cに当接して停止するまでの動作は、実施例2と同じである。
この実施例4は、実施例3と同じく、所定のストローク位置まで押し出された可動ピン4をフルストローク位置まで移動させる手段として永久磁石13を用いた別の一例である。実施例3との相違は、図10に示す様に、コイル2が非通電の状態で可動ピン4がゼロストローク位置に静止している時に、プランジャ3と可動ピン4とが軸方向に当接している点である。
この実施例4の電磁アクチュエータ1において、コイル2への通電によって電磁石が形成され、その電磁石の磁力に吸引されてプランジャ3と可動ピン4とが一体に移動した後、プランジャ3が円筒コア部8bの対向面8cに当接して停止するまでの動作は、実施例2と同じである。
プランジャ3の移動が停止した後、可動ピン4は慣性によって更に移動を継続し、所定のストローク位置まで移動すると、実施例3と同じく、可動ピン4のフランジ部4aに作用する永久磁石13の磁力がコイルスプリング14の反力より大きくなる。その結果、可動ピン4がフルストローク側へ移動して、磁性体であるフランジ部4aが永久磁石13に吸着される。これにより、可動ピン4は、図11に示す様に、フランジ部4aが永久磁石13に吸着された状態でフルストローク位置に保持される。可動ピン4がフルストローク位置からゼロストローク位置へ戻る時の動作は、実施例3と同じである。
この実施例4の構成においても、実施例3と同様に、電磁石の磁力によってプランジャ3を吸引する時に、永久磁石13の磁力が働くことはない。つまり、永久磁石13の磁力に抗してプランジャ3を移動させる必要はないので、ソレノイドSLの規格を実施例1と同一にできる。よって、プランジャ3のストローク量を可動ピン4のストローク量より小さくできるので、コイル2の外径を小さく形成して、ソレノイドSLの小型化(小径化)を図ることができる。
(変形例)
実施例1では、本発明の電磁アクチュエータを内燃機関の可変バルブリフトシステムに採用した一例を記載したが、電磁アクチュエータの用途を限定するものではない。
実施例1〜4に記載した電磁アクチュエータ1は、プランジャ3を底面プレート7b側へ付勢するリターンスプリング9を有しているため、プランジャ3の移動によって可動ピン4が押し出された後、コイル2への通電が停止されてプランジャ3がリターンスプリング9により押し戻された状態、つまり、可動ピン4とプランジャ3とが軸方向に離れている状態でも、振動によってプランジャ3が軸方向に動くことはない。これにより、プランジャ3が軸方向に動くことで発生する衝突音を防止できる。これに対し、衝突音が問題無ければ、リターンスプリング9を廃止して部品点数を削減することもできる。
実施例1では、本発明の電磁アクチュエータを内燃機関の可変バルブリフトシステムに採用した一例を記載したが、電磁アクチュエータの用途を限定するものではない。
実施例1〜4に記載した電磁アクチュエータ1は、プランジャ3を底面プレート7b側へ付勢するリターンスプリング9を有しているため、プランジャ3の移動によって可動ピン4が押し出された後、コイル2への通電が停止されてプランジャ3がリターンスプリング9により押し戻された状態、つまり、可動ピン4とプランジャ3とが軸方向に離れている状態でも、振動によってプランジャ3が軸方向に動くことはない。これにより、プランジャ3が軸方向に動くことで発生する衝突音を防止できる。これに対し、衝突音が問題無ければ、リターンスプリング9を廃止して部品点数を削減することもできる。
但し、実施例1、3の構成、つまり、プランジャ3が可動ピン4に衝突した時に発生する衝突力を利用して可動ピン4をゼロストローク位置から軸方向に押し出す構成では、リターンスプリング9を廃止するための条件として、コイル2の通電停止時にプランジャ3の底面が底面プレート7bの表面に当接する初期位置(図1、図8に示す位置)まで戻ることが必要となる。例えば、可動ピン4がゼロストローク位置からフルストローク位置へ移動する方向が上方向(反重力方向)、あるいは斜め上方向となる様に、電磁アクチュエータ1の取付け姿勢を特定すれば、コイル2の通電停止時にプランジャ3が自重で底面プレート7b側へ移動できるので、静止時にプランジャ3と可動ピン4との間に軸方向ギャップを確保することができる。よって、リターンスプリング9を廃止することは可能である。
1 電磁アクチュエータ
2 コイル
3 プランジャ
4 可動ピン
4a 可動ピンのフランジ部
6 節度スプリング(スプリング)
7 ハウジング
8 ステータ
8c ステータの対向面
9 リターンスプリング
13 永久磁石
SL ソレノイド
2 コイル
3 プランジャ
4 可動ピン
4a 可動ピンのフランジ部
6 節度スプリング(スプリング)
7 ハウジング
8 ステータ
8c ステータの対向面
9 リターンスプリング
13 永久磁石
SL ソレノイド
Claims (6)
- コイルへの通電によって電磁石を形成し、この電磁石の磁力により軸方向にプランジャを吸引するソレノイドと、
前記プランジャと別体に設けられ、且つ、前記電磁石に吸引されて移動する前記プランジャの直線運動が伝達されて、ゼロストローク位置から所定のストローク位置まで押し出される可動ピンと、
前記所定のストローク位置まで押し出された前記可動ピンを弾性力によってフルストローク位置まで移動させるスプリングとを備え、
前記プランジャのストローク量より前記可動ピンのストローク量の方が大きく設定されていることを特徴とする電磁アクチュエータ。 - コイルへの通電によって電磁石を形成し、この電磁石の磁力により軸方向にプランジャを吸引するソレノイドと、
前記プランジャと別体に設けられ、且つ、前記電磁石に吸引されて移動する前記プランジャの直線運動が伝達されて、ゼロストローク位置から所定のストローク位置まで押し出される可動ピンと、
前記所定のストローク位置まで押し出された前記可動ピンを磁力によってフルストローク位置まで吸引する永久磁石とを備え、
前記プランジャのストローク量より前記可動ピンのストローク量の方が大きく設定されていることを特徴とする電磁アクチュエータ。 - 請求項1または2に記載した電磁アクチュエータにおいて、
前記コイルが非通電の状態で前記可動ピンが前記ゼロストローク位置に静止している時に、前記可動ピンは、前記プランジャとの間に軸方向ギャップを有して配置され、
前記プランジャは、前記コイルへの通電によって電磁石が形成されると、その電磁石の磁力に吸引されて前記軸方向ギャップを移動した後、前記可動ピンに衝突し、
前記可動ピンは、前記プランジャが衝突した時に発生する衝突力によって前記所定のストローク位置まで押し出されることを特徴とする電磁アクチュエータ。 - 請求項1または2に記載した電磁アクチュエータにおいて、
前記コイルが非通電の状態で前記可動ピンが前記ゼロストローク位置に静止している時に、前記可動ピンは、前記プランジャと軸方向に当接して配置され、
前記ソレノイドは、前記可動ピンの周囲に環状に配置され、且つ、前記プランジャと軸方向にギャップを有して対向するステータを有し、
前記プランジャは、前記コイルへの通電によって電磁石が形成されると、その電磁石の磁力に吸引されて前記可動ピンと一体に移動した後、前記ステータに当接して停止し、
前記可動ピンは、前記プランジャの移動が停止した後、慣性によって前記所定のストローク位置まで移動することを特徴とする電磁アクチュエータ。 - 請求項1に記載した電磁アクチュエータにおいて、
前記可動ピンは、前記フルストローク位置まで移動した後、前記スプリングの弾性力によって前記フルストローク位置に保持されることを特徴とする電磁アクチュエータ。 - 請求項2に記載した電磁アクチュエータにおいて、
前記可動ピンは、前記フルストローク位置まで移動した後、前記永久磁石の磁力によって前記フルストローク位置に保持されることを特徴とする電磁アクチュエータ。
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---|---|---|---|
JP2011270394A JP2013122967A (ja) | 2011-12-09 | 2011-12-09 | 電磁アクチュエータ |
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JP2011270394A JP2013122967A (ja) | 2011-12-09 | 2011-12-09 | 電磁アクチュエータ |
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ID=48774781
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017191868A (ja) * | 2016-04-14 | 2017-10-19 | 株式会社デンソー | 電磁アクチュエータ |
-
2011
- 2011-12-09 JP JP2011270394A patent/JP2013122967A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017191868A (ja) * | 2016-04-14 | 2017-10-19 | 株式会社デンソー | 電磁アクチュエータ |
CN107299845A (zh) * | 2016-04-14 | 2017-10-27 | 株式会社电装 | 电磁致动器 |
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