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JP2013188668A - 気体溶解水浄水器 - Google Patents

気体溶解水浄水器 Download PDF

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JP2013188668A JP2012055777A JP2012055777A JP2013188668A JP 2013188668 A JP2013188668 A JP 2013188668A JP 2012055777 A JP2012055777 A JP 2012055777A JP 2012055777 A JP2012055777 A JP 2012055777A JP 2013188668 A JP2013188668 A JP 2013188668A
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Abstract

【課題】短時間に、大容量、高濃度の気体溶解水の供給を可能にする水素水浄水器などの気体溶解水浄水器を提供する。
【解決手段】タンク本体2内における濾過体3の外部において、濾過体3を通過した水道水と、水素供給装置20より供給され中空部材26の微細孔から放出された水素の微細気泡とが混合されて水素水を生成し、この水素水を水素水排出通路11から取り出す。減圧弁16と気・液平衡逆止弁25は、タンク本体2内の水圧とH2ガス圧との平衡関係を確立し、気・液平衡逆止弁25は、水がガス供給側に這い上がることによるガス圧調整器22などの故障を防ぎ、水圧がガス圧より低くなればH2ガスを供給する。そして、水道水圧とタンク本体2内の水圧とを減圧弁16によって制御し、水素量の消費を抑制する。
【選択図】図1

Description

本発明は、水素水浄水器などの気体溶解水浄水器に関するものである。
近年、抗酸化作用などによって、美容や健康増進、アンチエイジングなどに寄与する水素水が注目されている。
水素水を製造する浄水器は、メーカーから既に多くのものが上市されているが、これらのほとんどは電気分解によって水素ガスを発生させて水素水を製造する方式のものである(特許文献1)。
特開2010−214242号公報 国際公開WO2009/110515号パンフレット
しかしながら、この従来の水素水浄水器は、電気分解によって派生的に生じる問題点がある。第1に、電気分解が起こるため一定以上の電解質が水の中に含まれていなければならず、そのため水素以外のガスの発生を配慮しなければならない。第2に、得られた水素水はpHが変動を受けるため制御が必要となる。第3に、溶存水素量の濃い水素水を得ることが難しく、また水素水の消費に対して、高い溶存水素水濃度、高い酸化還元電位を保持することが難しい。第4に、大量の水素水を短時間に得ることが難しい。
これらの問題点を解決しなければならないが、装置製造上の制約も多く、多くの課題を抱えているのが現状である。
本発明は、以上の通りの事情に鑑みてなされたものであり、短時間に、大容量、高濃度の気体溶解水の供給を可能にする水素水浄水器などの気体溶解水浄水器を提供することを課題としている。
上記の課題を解決するために、本発明の水素水浄水器は、水道水を内部に供給する水供給部を有するタンク本体と、
水道水供給源と水供給部との間の水道水管路に設けられ、タンク本体内に供給する水道水の圧力を減圧する減圧弁と、
タンク本体内に設けられ、水供給部から供給された水道水を濾過する濾過体と、
タンク本体内に水素ガスを供給可能な水素供給装置と、
水素供給装置に接続された水素ガス管路およびタンク本体内に連通し、タンク本体内から水素供給装置への水の逆流を防止し、水素供給装置からタンク本体内への水素ガスの流入を許容する気・液平衡逆止弁と、
気・液平衡逆止弁に連通してタンク本体内に設けられ、水素の微細気泡を放出可能な微細孔を壁面に有する中空部材と、
タンク本体の中空部材よりも垂直方向上側の位置に接続され、タンク本体内で生成した水素水をタンク本体外へと排出可能な水素水排出通路と、
水素水排出通路を開閉可能な開閉手段と、を備え、
タンク本体内における濾過体の外部において、濾過体を通過した水と中空部材の微細孔から放出された水素の微細気泡とが混合されて水素水を生成し、この水素水を水素水排出通路から取り出すように構成したことを特徴としている。
この水素水浄水器において、タンク本体は、胴部と、この胴部の下面を閉塞する底部と、胴部の上面を閉塞する頂部とを有し、
水供給部は、タンク本体の頂部に設けられ、
濾過体は、水供給部に臨むようにタンク本体内に設けられ、その垂直方向は、タンク本体の底部からタンク本体の頂部に渡って設けられると共に、水道水を濾過する濾過部と、この濾過部を収納する収納壁とを有し、かつ、濾過体内の水をタンク本体内に排出する濾過部排出口が収納壁に設けられ、
収納壁、タンク本体の胴部の内壁、およびタンク本体の底部の内壁に囲まれた空間内に、濾過部を通過した水を貯留する水貯留部が形成され、
収納壁の濾過部排出口の周辺にパイプ状の中空部材を設け、
水貯留部において、濾過部排出口を通過した水とパイプ状の中空部材の微細孔から放出された水素の微細気泡とが混合されて水素水を生成し、この水素水を水素水排出通路から取り出すように構成することが好ましい。
この水素水浄水器において、タンク本体に所定圧を超えるとタンク本体内の圧力を外部に開放する安全逃がし弁を設けることが好ましい。
また、本発明の気体溶解水浄水器は、
水道水を内部に供給する水供給部を有するタンク本体と、
水道水供給源と水供給部との間の水道水管路に設けられ、タンク本体内に供給する水道水の圧力を減圧する減圧弁と、
タンク本体内に設けられ、水供給部から供給された水道水を濾過する濾過体と、
タンク本体内に気体を供給可能な気体供給装置と、
気体供給装置に接続されたガス管路およびタンク本体内に連通し、タンク本体内から気体供給装置への水の逆流を防止し、気体供給装置からタンク本体内への気体の流入を許容する気・液平衡逆止弁と、
気・液平衡逆止弁に連通してタンク本体内に設けられ、気体の微細気泡を放出可能な微細孔を壁面に有する中空部材と、
タンク本体の中空部材よりも垂直方向上側の位置に接続され、タンク本体内で生成した気体溶解水をタンク本体外へと排出可能な気体溶解水排出通路と、
気体溶解水排出通路を開閉可能な開閉手段と、を備え、
タンク本体内における濾過体の外部において、濾過体を通過した水と中空部材の微細孔から放出された気体の微細気泡とが混合されて気体溶解水を生成し、この気体溶解水を気体溶解水排出通路から取り出すように構成したことを特徴としている。
本発明の水素水浄水器によれば、短時間に、大容量、高濃度の水素水の供給を可能にする。
本発明の気体溶解水浄水器によれば、短時間に、大容量、高濃度の気体溶解水の供給を可能にする。
本発明の水素水浄水器の実施形態を示す断面図である。 気・液平衡逆止弁の構造を説明する図である。 実施例の試験結果を示すグラフである。
以下に、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の水素水浄水器の実施形態を示す断面図である。
同図に示すように、本実施形態の水素水浄水器1は、円筒状のタンク本体2と、タンク本体2内に水素ガスを供給可能な水素供給装置20とを備えている。
タンク本体2は、水道水を内部に供給する水供給部27を有し、タンク本体2内には、水供給部27から供給された水道水を濾過する濾過体3が設けられている。
タンク本体2および濾過体3は、例えば、実用新案登録第3138762号の登録実用新案公報に記載の浄水機能付貯水タンクの構成を用いることができる。
タンク本体2は、例えば、既存の薄型ステンレス鋼(SUS316)の延伸、曲げ、研磨技術などによって製造され、容量20Lのものなどを使用できる。
濾過体3は、交換可能なカートリッジ式であり、ステンレスSUS304のパフ仕上げで食品衛生法に準拠して極めてクリーンである。
タンク本体2は、胴部2aと、この胴部2aの下面を閉塞する底部2bと、胴部2aの上面を閉塞する頂部2cとを有している。
水供給部27は、タンク本体2の頂部2cに開口部として設けられている。この水供給部27は、一般の水道蛇口などの水道水を供給する水道供給源40に、例えば、着脱自在な接続管で構成される水道水管路15を介して接続されている。
タンク本体2の頂部2cには、水素水浄水器1の上部に溜まる水素のガス圧を制御するための安全逃がし弁9が装着されている。タンク本体2内の圧力が1気圧以上に高くなった場合、安全弁逃がし9を取り付けることによってガス抜きして圧調節を行い、タンク本体2の上部に漏水しないようにしている。これによってタンク本体2内の圧の安全性を確保している。
濾過体3は、水供給部27に臨むようにタンク本体2内に設けられている。濾過体3の垂直方向は、タンク本体2の底部2bからタンク本体2の頂部2cに渡って設けられている。
濾過体3は、水道水を濾過する濾過部4と、この濾過部4を収納する収納壁5とを有している。
収納壁5には、濾過部排出口8が複数設けられており、濾過体3内の水を濾過部排出口8からタンク本体2内に排出する。
濾過部4は、例えば、濾材を積層したものであり、濾材は、例えば、上から下に向かって順次、ステンレスタワシ、備長炭などの木炭、ステンレスタワシが積層される。また活性炭、イオン交換樹脂などを用いることもできる。
濾過体3は、タンク本体2内に着脱自在に装着されるものであり、例えば、タンク本体2の底部2bに雌ねじ、濾過体3に雌ねじに螺合する雄ねじをそれぞれ設け、濾過体3の先端は頂部2cに当接するようにする。
従って、タンク本体2内には、収納壁5、タンク本体2の胴部2aの内壁、およびタンク本体2の底部2bの内壁に囲まれた空間内に、濾過部4を通過した水を貯留する水貯留部29が形成されることになる。
すなわち、収納壁5は筒体であって、この筒体の一方の端部はタンク本体2の底部2bに、筒体の他方の端部はタンク本体2の頂部2cに、例えば、脱着可能な状態で固定されるか、溶接などによってそれぞれ接合されている。
符号28は、前記筒体内に濾過部4を出し入れする蓋部材であり、この蓋部材28には雄ねじが、前記筒体の内壁には、前記雄ねじに螺合する雌ねじが、それぞれ設けられている。
なお、上記の各ねじは、パッキンなどのシール部材を介して螺合される。
このように、水道水に直結して濾過部4を経由するため、カビ、雑菌、ゴミなどを除去した健康によい還元性活性水素水が容易に得られる。それに加えて、抗酸化作用や活性酸素消去能の付加価値の機能をもつ飲料水が得られる。
タンク本体2には、後述する中空部材26よりも垂直方向上側の位置に、タンク本体2内で生成した水素水をタンク本体2外へと排出可能な水素水排出通路11が接続されている。また、水素水排出通路11を開閉可能な開閉手段11aを蛇口として備えている。
タンク本体2の胴部2aの底部近傍の位置には、水抜き用ドレイン12が設けられ、その開閉手段12aを蛇口として備えている。
水素供給装置20は、水素ガスボンベを用いており、ボンベの水素ガスを取り扱うため、高圧ガス保安法に準拠して、ガス漏れ検知器を設置し案全を図っている。
また、安全対策のため水素ガスボンベを入れるステンレス製の容器21を作製し、最小サイズの水素ガスボンベを納めている。水素ガスボンベにガス圧調整器22としてレギュレータを取り付け、金属パイプで構成される水素ガス管路23を介してタンク本体2の水素ガス導入パイプと接続している。符号24はガスコックである。
水素供給装置20とタンク本体2との間には、気・液平衡逆止弁25が設けられている。気・液平衡逆止弁25は、水素供給装置20に接続された水素ガス管路23およびタンク本体2内に連通し、タンク本体2内から水素供給装置20への水の逆流を防止し、水素供給装置20からタンク本体2内への水素ガスの流入を許容する。
気・液平衡逆止弁25は、図2(a)〜(c)に示すように、凹部材50、凸部材60、樹脂円板70を備えている。
凹部材50は、円筒内に凹部51を有し、凹部51の底面部には貫通穴53から四方に延びる段差部52が設けられている。符号54はねじ穴、55はタンク本体2側の接続部である。
凸部材60は、円筒状の凸部61を有し、その中央部には貫通穴63が設けられている。符号64はねじ穴、65は水素供給装置20側の接続部である。
図2(c)に示すように、凹部材50と凸部材60とを樹脂円板70を内部に入れてねじ穴54、64でねじ固定して接続し、逆止弁25が構成される。樹脂円板70の直径は、図2(a)に示すように凹部材50の段差部52の最大径よりも小さく、かつ、凸部材60の貫通穴63よりも大きいため、タンク本体2内から水素供給装置20への水の逆流を樹脂円板70が貫通穴63を塞ぐことによって防止し、水素供給装置20からタンク本体2内への水素ガスの流入を樹脂円板70と段差部52との隙間から許容する。
一方、水道水供給源40と水供給部27との間の水道水管路15には、減圧弁16が設けられている。この減圧弁16は、タンク本体2内に供給する水道水の圧力を減圧する。減圧弁16は、一次側(入口側)の高圧を二次側(出口側)において低圧に下げ、一次側の圧力
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があってもその低圧を一定に保つ自動調整弁であり、従来より知られているものを用いることができる。水用(液体用)減圧弁は、直動型、バランスピストン型などがあり、補助
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を用いず、流体の圧力を利用して作動する自力式圧力調整弁であり、スプリング、ダイヤフラム、ピストンなどの力の平衡により弁体を自動的に調整する。
これらの減圧弁16と気・液平衡逆止弁25は、タンク本体2内の水圧とH2ガス圧との平衡関係を確立する。
すなわち、タンク本体2内の水に効果的に水素を発泡させ溶解させるために、タンク本体2内での水圧とH2ガス圧との平衡関係を確立させなければならない。水圧がガス圧より高くなれば、水がガス供給側に這い上がるため、ガス圧調整器22などの故障を招く。これを防ぎ、水圧がガス圧より低くなればH2ガスが供給されるような機能を持った気・液平衡逆止弁25を取り付けている。
そして、水道水圧とタンク本体2内の水圧とを減圧弁16によって制御する。例えば、水道の水圧約2気圧から減圧弁16を通して槽内の圧を0.8気圧に落とす。一方、ガス圧を0.8気圧強に調節し気・液平衡逆止弁25によって液・気平衡を保つ。
タンク本体2内に絶えず約2気圧の水圧が掛かる場合、水素ガス供給側のガス圧2気圧以上に保たねばならず、水素量の消費量が増える。このため水圧を下げるために減圧弁16(→約1気圧)をタンク本体2の手前側に取り付けている。
そして、気・液平衡を調節する気・液平衡逆止弁25を取り付けているため、絶えず高濃度の水素水を保持し、供給することができる。水素水が消費されると、その分タンク本体2内に水が供給されて水素水濃度が下がる。その時、水素水の消費により一時的に水圧が下がると、その分水素ガスがタンク本体2内に供給されて水素水濃度が元の値に戻る。このような機能により絶えず高濃度の水素水を保つメカニズムが働く装置となっている。
タンク本体2内には、気・液平衡逆止弁25に連通して中空部材26が設けられている。中空部材26は、水素供給装置20からの水素の微細気泡を放出可能な微細孔(図示せず)を壁面に有している。中空部材26はパイプ状で、棒状や、収納壁5を囲む環状などの全体形状を有し、収納壁5の濾過部排出口8の周辺に設けられている。
タンク本体2内の底部近傍に水素ガス発泡パイプを取り付ける際には、タンク本体2の底部近傍の胴部2aに穴を開け、ステンレス(SUS316)製のパイプの溶接を行う。溶接後は研磨し溶接跡を補修する。
中空部材26の壁面には、水素ガスの微細発泡(マイクロバブル発泡)に最適の穴をレーザーで開ける。最適な穴のサイズは、予備実験の結果によれば0.6〜1.0mmであった。
パイプ状の中空部材26をタンク本体2に取り付けた後、水素ガス供給装置20をこれに取り付けたレギュレータ(ガス圧調整器22)を介して微細発泡パイプの中空部材26に接続し、タンク本体2内の水に水素ガスを送り込み発泡、分散させる。その結果、水素が溶解した還元性活性水素水が生成する。
この水素水浄水器1は、水貯留部29において、濾過部排出口8を通過した水とパイプ状の中空部材26の微細孔から放出された水素の微細気泡とが混合されて水素水を生成し、この水素水を水素水排出通路11から取り出すように構成されている。
このような本実施形態の水素水浄水器1は、フィルター付き浄水器とボンベ供給水素ガスとの融合によって、タンク本体2内での直接の水素ガス(H2)の微細発泡により、高濃度の水素水(酸化還元電位-550mV、溶存水素量1000μm/L)を制御するのに優れた装置である。従来の電気分解法による水素水製造装置と異なり、短時間に、大容量、高濃度の水素水の供給を可能にする。
次に、以上に説明した水素水浄水器1の作用について説明する。水素水浄水器1を始動する際には、先ず、水道水供給源40の水道水を開にする。2気圧の水圧を、減圧弁16を通して0.8気圧に落とし、水をタンク本体2に入れる。
タンク本体2に入る水は先ず、例えば活性炭などを濾過部4に含有する濾過体3を通し、ゴミ、細菌、カビ類を除去し飲料に適した水にする。
水素ガス供給装置20(水素ガスボンベ)の1次圧を開にして、2次圧を0.8気圧強に設定し、フローメーターを0.5L/minに設定する。
ガス圧調整器22の2次圧を0.8気圧強にし、その時のガスの流量を0.5L/minに絞り、なるべくH2ガスの消費量が少なくなるように設定する。
フローメーター先のバルブ(ガスコック24)を開にして、気・液平衡の役割をする気・液平衡逆止弁25を作動させる。
水に水素ガスの気泡を接触させることによって(水素ガスの吐出量は好ましくは0.1〜1L/min、より好ましくは0.1〜0.5L/min以内で用い)、速やかに大容量の高濃度の水素水を簡便に製造することができる。
水素ガスの気泡はタンク本体2下部からタンク本体2上部に向けて上昇するが、その間に水に水素ガスが溶解し水素水が造られる。
さらに、タンク本体2上部に溜まったガス圧によって溶存水素量が増加する仕組み(ヘンリーの法則)になっている。
この時、溜まったガスをリークする安全逃がし弁9を設置して、水の噴出しを防ぎ、圧の調節を図る。
このようにして従来の電気分解法ではなくボンベからの水素ガスの供給により、タンク本体2内での発泡によって水素水が生成する。
水道に直結するとタンク本体2内に約2気圧の水圧が掛かる。この時、水素ガス供給側のガス圧2気圧以上に保てば、水圧とガス圧との圧平衡に達する。この平衡が水圧側に移動した場合には、水がガス供給側に這い上がっていくため、ガスレギュレータ(ガス圧調整器22)を傷めトラブルの原因となる。逆に圧平衡がガス側に大きく移動した場合には、H2ガスがタンク本体2内に進入し気泡となって上昇し、H2ガスの消費量が増える。
圧平衡がガス側に大きくズレた場合にH2ガスの消費量が増えることを防ぐためには、低い圧力のレベルに於いて平衡を保つ必要がある。そのため、水道水圧の2気圧を、減圧弁を通してタンク本体2内の水圧を0.8気圧に下げている。この時H2のガス圧を1〜0.8気圧に保ち、タンク本体2内水圧とガス圧の圧平衡を保つ。この時、ガスの流速は0.5L/分以下に設定するのが望ましい。このような低い設定条件下で用いれば、H2ガスの消費量を最小限に制御することができる。
タンク本体2内の水素水濃度が10〜20分程度で、溶存水素量1000μg/L、酸化還元電位 -500mVの飽和状態に達したら、開閉手段11aの蛇口を開にして水素水を得ることができる。その後、1ヶ月以上装置を放置しても、飽和状態の水素水濃度は殆んど変動しない。
一時的に大量の水素水(5L)を消費した場合でも10分程度で元の高濃度の水素水に復帰することができる。よって常時高濃度(酸化還元電位-550mV、溶存水素量1000μm/L)の水素水を速やかに大量に供給することができる。
水素水を開閉手段11aから取り出して採取した場合、タンク本体2内の水圧が一時的に下がる。この時、タンク本体2内水圧が一時的に下がるため、H2ガスが気泡としてタンク本体2内に補給される。
また、水の採取によりタンク本体2内の水圧が一時的に下れば、水が補給されるため溶存水素水濃度が下がる。しかし、この時、水圧が減少した分を補うようにH2ガスが気泡としてタンク本体2内に補給される。このため、溶存水素水濃度の減少分が速やかに解消される。
このようなメカニズムによってやがて次第に圧平衡に戻り、絶えず一定の高濃度の水素水濃度を保つことができる仕組みとなっている。
タンク本体2内の水圧よりも少し大きめの水素ガス圧が掛かった場合、タンク本体2内上部にH2ガスが溜る。この時のガス圧に比例して水素が水に溶解する(ヘンリーの法則)。気泡の上昇時における水素ガスの溶解と、タンク本体2上部に溜まったガス圧による溶解とによって溶存水素濃度が決まる。
なお、水槽の水20Lを掻い出し清掃する場合には、先ずガスコック24などのガス系統のコックを閉じ、次にタンク本体2の水槽系統のコック(開閉手段11a)を開にし、最後に水抜き用ドレイン12の開閉手段12aである蛇口から水を排出する。
本実施形態の水素水浄水器1は、直接水素ガスをバブル化して高濃度の水素水を制御して供給できる。水素水浄水器1は、ボンベから水素ガスの供給を受け、それをバブル化して溶存水素に変えるため、短時間に大量の溶存水素を得ることができる。そして気・液平衡を保つ気・液平衡逆止弁25により、高い溶存水素水濃度、高い酸化還元電位の制御を可能にしており、全く水道水の液性に影響を受けない。ボンベの水素ガスを直接マイクロバブルにしてタンク本体2内に導入し供給するため、原理的にシンプルで、電気分解によって生じる複雑な技術的問題を考慮しなくても良い。
本実施形態の水素水浄水器1によって得られる高濃度の水素水の機能・用途は、アトピー性皮膚炎などの治療や、万病の元といわれている「活性酸素消去能」や「酸化防止」の機能、「体を錆びさせない」「老化防止」「アンチエイジング」等の健康飲料として役立つものと期待されている。水素水の効果に関しては、既に本発明者らも検討を行っている(特許文献2)。
「酸化防止」の機能は食品業界に、「老化防止」「アンチエイジング」の機能は化粧品業界に、「活性酸素消去能」の機能は医療分野においてその役割が大いに期待されている。従って本実施形態の水素水浄水器1は、健康ランド、スーパ−銭湯、エステサロン、美容サロン、健康クリニック、医療現場等の市場において好適に使用できる。
以上に、実施形態に基づき本発明について説明したが、本発明はこの実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において各種の変更が可能である。
例えば、水素水浄水器1の機能を備えた装置は、他種類のガス(酸素、窒素、炭酸ガス、オゾン等)の供給によって、全く同じメカニズムによって酸素水浄水器、窒素水浄水器、炭酸ガス浄水器、オゾン水浄水器等としての利用が可能となる。
具体的には、例えば、図1の構成において、水素ガス供給装置20として、タンク本体2内に酸素、窒素、炭酸ガス、オゾン等の気体を供給可能な気体供給装置を用い、この気体供給装置に接続されたガス管路(水素ガス管路23)および気・液平衡逆止弁25を通じて中空部材26からタンク本体2内に気体の微細気泡を放出する。そしてタンク本体2内における濾過体3の外部において、濾過体3を通過した水と中空部材26の微細孔から放出された気体の微細気泡とが混合されて気体溶解水を生成し、この気体溶解水を気体溶解水排出通路(水素水排出通路11)から取り出すようにする。
例えば、水素ガスを供給可能な水素供給装置20の代わりに、酸素水浄水器の場合には酸素ガスを供給可能な酸素供給装置(酸素ボンベ等)を用い、窒素水浄水器の場合には窒素ガスを供給可能な窒素供給装置(窒素ボンベ等)を用い、炭酸水浄水器の場合には炭酸ガスを供給可能な炭酸ガス供給装置(炭酸ガスボンベ等)を用い、オゾン水浄水器の場合にはオゾンガスを供給可能なオゾンガス供給装置(オゾンボンベ等)を用いれば、以上のような構成を備えた気体溶解水浄水器を製造することができる。
以下に、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
水素水浄水器を始めて使用する時の条件、および通常使用している時の条件での溶存水素量(μg/L)および酸化還元電位(mV)の挙動を明らかにするため以下の水素水浄水器の性能試験を実施した。
<実施例1>
水道管と浄水器容器(タンク本体:20L)との間に減圧弁を繋ぎ、水圧約2kg/cm2から0.8kg/cm2に減圧し、タンク本体内に水を満たした。
水素圧(レギュレータ)0.9kg/cm2に設定し、ガス流量を0.5L/minの条件でタンク本体内にH2ガスを気泡にして注入した。
H2ガス注入時をスタートとして、5分毎に蛇口より500mlの水をサンプルとして採取し、溶存水素量(μg/L)、酸化還元電位(mV)の測定を実施した。
その結果を図3に示す。図3において、A,Bは、水圧2kg/cm2から0.8kg/cm2に減圧し、水素ガス2.0気圧、流量1L/分の水素水を約500ml採取し、測定した(気温24.5℃、水温21.0℃、タンク減圧弁80kPa)。
酸化還元電位A(●)は真水の値200mVから水素溶解とともに減少し、20分経過後には-500mVに達し、その後-500mVの一定値が保たれた。
一方、溶存水素量B(▲)は真水の値0μg/Lから水素溶解とともに次第に増加し2時間後には900μg/Lに漸近した。
1日後、2日後、1週間後の時間経過にもかかわらず、酸化還元電位約-500mV、溶存水素量約900μg/Lの値はほぼ一定に保たれた。
以上の結果、20Lのタンクに真水を入れてから2時間足らずで飽和状態に近い水素水が造られること、その後500mLの水素水の消費をしたとしても、飽和状態の水素水量が保持されることが示唆された。
水素水浄水器を使用せず1ヶ月間放置した後に酸化還元電位、溶存水素量の値は多少変動するものの-500mV、900μg/Lと殆んど変化せず保持された。この結果は一旦造られた水素水の品質がパフ仕上げステンレスタンク内で保たれ減少し難いことを示唆している。途中に於いて水素水が消費されても気・液逆止弁の界面を通して水素が補給されるため、酸化還元電位、溶存水素量の値が保持される機構が明らかとなった。
<実施例2>
実施例1と同様に水道管と浄水器容器(20L)との間に減圧弁を繋ぎ、水圧約2kg/cm2から0.8kg/cm2に減圧し、タンク本体内に水を満たした。
水素圧(レギュレータ)0.9kg/cm2に設定し、ガス流量を0.5L/minの条件で水槽内にH2ガスを気泡にして注入した。
H2ガス注入時をスタートとして、5分毎に蛇口より200mlの水をサンプルとして採取し、溶存水素量の(μg/L)、酸化還元電位(mV)の測定を実施した。
その結果を図3に示す。図3において、a,bは、水圧2kg/cm2から0.8kg/cm2に減圧し、水素ガス1.5気圧、流量1L/分水素水を約200ml採取し、測定した。
以上の結果、実施例1と同様の傾向を示す結果が得られたが、5分毎の測定のために採取するサンプル量が500mLから200mLへと減少することによって、溶存水素量b(■)の曲線は500mL採取の場合よりも上方にシフトし、より早く高い溶存水素量に達することが明らかとなった。
一方、酸化還元電位a(●)は500mL採取の場合の曲線よりも下方にシフトし、より早く低い還元電位に到達することが明らかとなった。
1 水素水浄水器
2 タンク本体
2a 胴部
2b 底部
2c 頂部
3 濾過体
4 濾過部
5 収納壁
6 外側通路
7 内側通路
8 濾過部排出口
9 安全逃がし弁
11 水素水排出通路
11a 開閉手段
12 水抜き用ドレイン
12a 開閉手段
15 水道水管路
16 減圧弁
20 水素ガス供給装置
21 容器
22 ガス圧調整器
23 水素ガス管路
24 ガスコック
25 気・液平衡逆止弁
26 中空部材
27 水供給部
28 蓋部材
29 水貯留部
40 水道水供給源
50 凹部材
51 凹部
52 段差部
53 貫通穴
54 ねじ穴
55 接続部
60 凸部材
61 凸部
63 貫通穴
64 ねじ穴
65 接続部
70 樹脂円板
一方、水道水供給源40と水供給部27との間の水道水管路15には、減圧弁16が設けられている。この減圧弁16は、タンク本体2内に供給する水道水の圧力を減圧する。減圧弁16は、一次側(入口側)の高圧を二次側(出口側)において低圧に下げ、一次側の圧力変動があってもその低圧を一定に保つ自動調整弁であり、従来より知られているものを用いることができる。水用(液体用)減圧弁は、直動型、バランスピストン型などがあり、補助動力を用いず、流体の圧力を利用して作動する自力式圧力調整弁であり、スプリング、ダイヤフラム、ピストンなどの力の平衡により弁体を自動的に調整する。

Claims (4)

  1. 水道水を内部に供給する水供給部を有するタンク本体と、
    水道水供給源と水供給部との間の水道水管路に設けられ、タンク本体内に供給する水道水の圧力を減圧する減圧弁と、
    タンク本体内に設けられ、水供給部から供給された水道水を濾過する濾過体と、
    タンク本体内に水素ガスを供給可能な水素供給装置と、
    水素供給装置に接続された水素ガス管路およびタンク本体内に連通し、タンク本体内から水素供給装置への水の逆流を防止し、水素供給装置からタンク本体内への水素ガスの流入を許容する気・液平衡逆止弁と、
    気・液平衡逆止弁に連通してタンク本体内に設けられ、水素の微細気泡を放出可能な微細孔を壁面に有する中空部材と、
    タンク本体の中空部材よりも垂直方向上側の位置に接続され、タンク本体内で生成した水素水をタンク本体外へと排出可能な水素水排出通路と、
    水素水排出通路を開閉可能な開閉手段と、を備え、
    タンク本体内における濾過体の外部において、濾過体を通過した水と中空部材の微細孔から放出された水素の微細気泡とが混合されて水素水を生成し、この水素水を水素水排出通路から取り出すように構成したことを特徴とする水素水浄水器。
  2. タンク本体は、胴部と、この胴部の下面を閉塞する底部と、胴部の上面を閉塞する頂部とを有し、
    水供給部は、タンク本体の頂部に設けられ、
    濾過体は、水供給部に臨むようにタンク本体内に設けられ、その垂直方向は、タンク本体の底部からタンク本体の頂部に渡って設けられると共に、水道水を濾過する濾過部と、この濾過部を収納する収納壁とを有し、かつ、濾過体内の水をタンク本体内に排出する濾過部排出口が収納壁に設けられ、
    収納壁、タンク本体の胴部の内壁、およびタンク本体の底部の内壁に囲まれた空間内に、濾過部を通過した水を貯留する水貯留部が形成され、
    収納壁の濾過部排出口の周辺にパイプ状の中空部材を設け、
    水貯留部において、濾過部排出口を通過した水とパイプ状の中空部材の微細孔から放出された水素の微細気泡とが混合されて水素水を生成し、この水素水を水素水排出通路から取り出すように構成したことを特徴とする請求項1に記載の水素水浄水器。
  3. タンク本体に所定圧を超えるとタンク本体内の圧力を外部に開放する安全逃がし弁を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の水素水浄水器。
  4. 水道水を内部に供給する水供給部を有するタンク本体と、
    水道水供給源と水供給部との間の水道水管路に設けられ、タンク本体内に供給する水道水の圧力を減圧する減圧弁と、
    タンク本体内に設けられ、水供給部から供給された水道水を濾過する濾過体と、
    タンク本体内に気体を供給可能な気体供給装置と、
    気体供給装置に接続されたガス管路およびタンク本体内に連通し、タンク本体内から気体供給装置への水の逆流を防止し、気体供給装置からタンク本体内への気体の流入を許容する気・液平衡逆止弁と、
    気・液平衡逆止弁に連通してタンク本体内に設けられ、気体の微細気泡を放出可能な微細孔を壁面に有する中空部材と、
    タンク本体の中空部材よりも垂直方向上側の位置に接続され、タンク本体内で生成した気体溶解水をタンク本体外へと排出可能な気体溶解水排出通路と、
    気体溶解水排出通路を開閉可能な開閉手段と、を備え、
    タンク本体内における濾過体の外部において、濾過体を通過した水と中空部材の微細孔から放出された気体の微細気泡とが混合されて気体溶解水を生成し、この気体溶解水を気体溶解水排出通路から取り出すように構成したことを特徴とする気体溶解水浄水器。
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