JP2013184502A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】軸方向に移動可能なウォーム軸を有するウォーム減速機を備える構成において、ウォームをウォームホイールへ付勢する部材と軸方向に移動するウォームとの間の摺動抵抗を低減させることができる電動パワーステアリング装置を提供すること。
【解決手段】電動パワーステアリング装置1は、ウォーム20およびウォームホイール21を含むウォーム減速機19と、ウォーム20を支持する第1軸受30、第2軸受31と、ウォーム減速機19および第1軸受30、第2軸受31を収容するハウジング29と、ウォーム20を軸方向Xへ移動できるように弾性的に支持する弾性リング42,43と、付勢部材60とを含む。付勢部材60は、ハウジング29の内周面29Aに配置されるベース部61と、ベース部61から第2軸受31へ向かって凸状に突出する付勢部62とを含み、付勢部62によってウォーム20をウォームホイール21へ向けて付勢する。
【選択図】図2
【解決手段】電動パワーステアリング装置1は、ウォーム20およびウォームホイール21を含むウォーム減速機19と、ウォーム20を支持する第1軸受30、第2軸受31と、ウォーム減速機19および第1軸受30、第2軸受31を収容するハウジング29と、ウォーム20を軸方向Xへ移動できるように弾性的に支持する弾性リング42,43と、付勢部材60とを含む。付勢部材60は、ハウジング29の内周面29Aに配置されるベース部61と、ベース部61から第2軸受31へ向かって凸状に突出する付勢部62とを含み、付勢部62によってウォーム20をウォームホイール21へ向けて付勢する。
【選択図】図2
Description
この発明は、電動パワーステアリング装置に関する。
特許文献1では、ウォーム減速機が組み込まれた電動式パワーステアリング装置が開示されている。ウォーム減速機は、ステアリングシャフトに固定されたウォームホイールと、ウォームホイールに噛合するウォーム軸とを含んでいる。ウォーム軸の基端部が電動モータの回転軸に結合しているので、電動モータの駆動力をウォーム軸からウォームホイールに伝達することによって、ステアリングシャフトの回転を補助することができる。
ウォーム軸は、ギヤハウジング内に収容されている。ギヤハウジング内において、ウォーム軸の両端部(前述した基端部と先端部)のそれぞれには玉軸受が外嵌されていて、ウォーム軸は、両端部の玉軸受によって回転自在に支持されている。
また、ウォーム軸の先端部に外嵌された玉軸受は、ギヤハウジング内においてウォームホイールに対して接近したり離間したりできるように移動可能である。当該玉軸受の外輪においてウォームホイールとは反対側には、表面がエラストマー等の弾性体によって被覆された板ばねが設けられている。板ばねは、ウォーム軸の先端部を、玉軸受を介してウォームホイールへ向けて付勢している。その結果、ウォーム軸は、電動モータの回転軸に対して傾斜し、ウォーム軸とウォームホイールとの間隔が縮まっているので、ウォーム軸とウォームホイールとの歯面同士が、互いに押し付け合った状態(予圧がかかった状態)になっている。これにより、ウォーム軸とウォームホイールとの歯面同士の隙間が小さくなるので、ウォーム軸とウォームホイールとの歯打ち音を抑制することができる。
また、ウォーム軸の先端部に外嵌された玉軸受は、ギヤハウジング内においてウォームホイールに対して接近したり離間したりできるように移動可能である。当該玉軸受の外輪においてウォームホイールとは反対側には、表面がエラストマー等の弾性体によって被覆された板ばねが設けられている。板ばねは、ウォーム軸の先端部を、玉軸受を介してウォームホイールへ向けて付勢している。その結果、ウォーム軸は、電動モータの回転軸に対して傾斜し、ウォーム軸とウォームホイールとの間隔が縮まっているので、ウォーム軸とウォームホイールとの歯面同士が、互いに押し付け合った状態(予圧がかかった状態)になっている。これにより、ウォーム軸とウォームホイールとの歯面同士の隙間が小さくなるので、ウォーム軸とウォームホイールとの歯打ち音を抑制することができる。
特許文献1のウォーム減速機では、ウォーム軸は、基端部において電動モータの回転軸とスプライン結合していて、軸方向に移動可能である。
ここで、ウォーム軸の先端部に外嵌された玉軸受を付勢する板ばねが、玉軸受の軸方向に厚みを有していることから、当該玉軸受に対して面接触している。そのため、面接触に伴って、玉軸受(換言すれば、玉軸受に支持されたウォーム軸)と板ばねとの間の摺動抵抗が比較的大きいので、ウォーム軸は、軸方向に円滑に移動することが困難である。
ここで、ウォーム軸の先端部に外嵌された玉軸受を付勢する板ばねが、玉軸受の軸方向に厚みを有していることから、当該玉軸受に対して面接触している。そのため、面接触に伴って、玉軸受(換言すれば、玉軸受に支持されたウォーム軸)と板ばねとの間の摺動抵抗が比較的大きいので、ウォーム軸は、軸方向に円滑に移動することが困難である。
この発明は、かかる背景のもとでなされたもので、軸方向に移動可能なウォーム軸を有するウォーム減速機を備える構成において、ウォームをウォームホイールへ付勢する部材と軸方向に移動するウォームとの間の摺動抵抗を低減させることができる電動パワーステアリング装置を提供することを目的とする。
請求項1記載の発明は、操舵部材(2)を操舵するための駆動力を発生するモータ(18)と、前記モータに対して継手(26)を介して揺動可能に連結されたウォーム(20)と、操舵部材に連結され、前記ウォームに噛み合うウォームホイール(21)とを含み、前記モータが発生した駆動力を減速して操舵部材に伝達するウォーム減速機(19)と、前記ウォームを回転可能に支持する軸受(30,31)と、前記ウォーム減速機および軸受を収容するハウジング(29)と、前記ウォームを軸方向(X)へ移動できるように弾性的に支持する第1弾性体(42,43)と、前記ハウジングの内周面(29A)に配置されるベース部(61)と、前記ベース部から前記軸受または前記ウォームへ向かって凸状に突出する付勢部(62)とを含み、前記付勢部によって前記ウォームを前記ウォームホイールへ向けて付勢する第2弾性体(60)とを含むことを特徴とする、電動パワーステアリング装置(1)である。
請求項2記載の発明は、前記付勢部の表面に、前記軸受または前記ウォームとの間の摩擦を低減させる摩擦低減部材が設けられていることを特徴とする、請求項1記載の電動パワーステアリング装置である。
請求項3記載の発明は、前記第2弾性体は、前記ベース部から前記軸受または前記ウォームへ向かって延び、前記ウォームの振動を減衰させるためのダンパー部(63)をさらに含むことを特徴とする、請求項1または2記載の電動パワーステアリング装置である。
請求項3記載の発明は、前記第2弾性体は、前記ベース部から前記軸受または前記ウォームへ向かって延び、前記ウォームの振動を減衰させるためのダンパー部(63)をさらに含むことを特徴とする、請求項1または2記載の電動パワーステアリング装置である。
請求項4記載の発明は、前記付勢部は、前記ウォームが軸方向に移動しても前記軸方向において前記ウォームから外れない位置に配置されていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の電動パワーステアリング装置である。
請求項5記載の発明は、前記ベース部は、前記ハウジングの内周面の周方向に沿って湾曲していて、前記付勢部は、前記ベース部から前記軸受または前記ウォームへ向かって凸状に膨出するように折り曲げられた板ばねを含み、前記ベース部において周方向に間隔を隔てて複数設けられていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の電動パワーステアリング装置である。
請求項5記載の発明は、前記ベース部は、前記ハウジングの内周面の周方向に沿って湾曲していて、前記付勢部は、前記ベース部から前記軸受または前記ウォームへ向かって凸状に膨出するように折り曲げられた板ばねを含み、前記ベース部において周方向に間隔を隔てて複数設けられていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の電動パワーステアリング装置である。
なお、上記において、括弧内の数字等は、後述する実施形態における対応構成要素の参照符号を表すものであるが、これらの参照符号により特許請求の範囲を限定する趣旨ではない。
請求項1記載の発明によれば、軸方向へ移動できるウォームをウォームホイールへ向けて付勢する第2弾性体では、ウォームへ向かって凸状に突出する付勢部がウォームを付勢している。この場合、凸状の付勢部における先端が、ウォーム(ウォームを支持する軸受も含む)に対して、点接触または線接触に近い状態で接触する。そのため、凸状の付勢部の先端とウォーム(または軸受)との接触面積が小さいので、ウォームをウォームホイールへ付勢する部材(第2弾性体)と、軸方向に移動するウォームとの間の摺動抵抗を低減させることができる。
請求項2記載の発明によれば、付勢部の表面に設けられた摩擦低減部材によって、第2弾性体とウォームとの間の摺動抵抗を一層低減させることができる。
請求項3記載の発明によれば、第2弾性体によって、第2弾性体とウォームとの間の摺動抵抗を低減させるだけでなく、ウォームの振動を減衰させることもできる。
請求項4記載の発明によれば、ウォームが軸方向に移動しても、第2弾性体は、常に、付勢部においてウォームをウォームホイールへ向けて付勢することができる。
請求項3記載の発明によれば、第2弾性体によって、第2弾性体とウォームとの間の摺動抵抗を低減させるだけでなく、ウォームの振動を減衰させることもできる。
請求項4記載の発明によれば、ウォームが軸方向に移動しても、第2弾性体は、常に、付勢部においてウォームをウォームホイールへ向けて付勢することができる。
請求項5記載の発明によれば、付勢部を板ばねによって簡易に構成することができるとともに、周方向に間隔を隔てて複数設けられた付勢部によって、ウォームをウォームホイールへ向けて確実に付勢することができる。
本発明の好ましい実施の形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
図1は、本発明の一実施形態における電動パワーステアリング装置1の概略構成を示す模式図である。図1を参照して、電動パワーステアリング装置1は、ステアリングホイール等の操舵部材2に連結されるステアリングシャフト3と、中間軸4を介してステアリングシャフト3と連結されるピニオン軸5と、ピニオン軸5に形成されたピニオン6に噛み合うラック7を有して自動車の左右方向に延びるラックバー8とを備える。ピニオン軸5およびラックバー8により操舵機構としてのラックアンドピニオン機構Aが構成されている。なお、上記した部材だけでなく、これから新たに説明される部材は、全て電動パワーステアリング装置1の一部である。
図1は、本発明の一実施形態における電動パワーステアリング装置1の概略構成を示す模式図である。図1を参照して、電動パワーステアリング装置1は、ステアリングホイール等の操舵部材2に連結されるステアリングシャフト3と、中間軸4を介してステアリングシャフト3と連結されるピニオン軸5と、ピニオン軸5に形成されたピニオン6に噛み合うラック7を有して自動車の左右方向に延びるラックバー8とを備える。ピニオン軸5およびラックバー8により操舵機構としてのラックアンドピニオン機構Aが構成されている。なお、上記した部材だけでなく、これから新たに説明される部材は、全て電動パワーステアリング装置1の一部である。
ステアリングシャフト3は、操舵部材2に連なる入力軸9と、中間軸4に連なる出力軸10とに分割されている。入力軸9および出力軸10は、トーションバー11を介して同一軸線上で相対回転可能に連結されている。
ラックバー8は、図示しない複数の軸受を介して直線往復自在にラックハウジング12に支持されている。ラックバー8の両端部はラックハウジング12の両側へ突出し、各端部には、タイロッド13およびナックルアーム(図示せず)を介して転舵輪14が連結されている。
ラックバー8は、図示しない複数の軸受を介して直線往復自在にラックハウジング12に支持されている。ラックバー8の両端部はラックハウジング12の両側へ突出し、各端部には、タイロッド13およびナックルアーム(図示せず)を介して転舵輪14が連結されている。
操舵部材2を操作することによりステアリングシャフト3が回転する。このステアリングシャフト3の回転は、ピニオン6およびラック7を介してラックバー8の車体の左右方向への直線往復運動に変換される。これにより、転舵輪14の転舵が達成される。
また、操舵部材2に与えられる操舵トルクは、入力軸9および出力軸10間の相対回転変位量に基づいて、ステアリングシャフト3の近傍に設けられたトルクセンサ15によって検出される。トルクセンサ15が検出したトルク値は、ECU(Electronic Control Unit :電子制御ユニット)16に与えられる。ECU16は、トルク値や図示しない車速センサから与えられる車速等に基づいて、駆動回路17を介して操舵補助用のモータ18を駆動制御する。
また、操舵部材2に与えられる操舵トルクは、入力軸9および出力軸10間の相対回転変位量に基づいて、ステアリングシャフト3の近傍に設けられたトルクセンサ15によって検出される。トルクセンサ15が検出したトルク値は、ECU(Electronic Control Unit :電子制御ユニット)16に与えられる。ECU16は、トルク値や図示しない車速センサから与えられる車速等に基づいて、駆動回路17を介して操舵補助用のモータ18を駆動制御する。
ECU16の制御によってモータ18が発生した駆動力は、ウォーム減速機19により減速され、ステアリングシャフト3の出力軸10(換言すれば、操舵部材2)に伝達される。出力軸10に伝達された力は、ピニオン軸5を介してラックバー8に伝達される。これにより操舵が補助される。このように、モータ18は、操舵部材2を操舵するための駆動力を発生する。
図2は、図1の電動パワーステアリング装置1に備えられたウォーム減速機19およびその近傍の構成を示す断面図である。図2を参照して、ウォーム減速機19は、モータ18により回転駆動されるウォーム20と、ウォーム20に噛み合うウォームホイール21とを含んでいる。ウォーム20とウォームホイール21との噛み合い領域Mには、グリース等の潤滑剤が充填されている。
ウォーム20は、軸状体であって、第1端部22と、第2端部23と、第1端部22および第2端部23の間のウォーム本体部24とを一体的に有している。第1端部22および第2端部23は、ウォーム本体部24に対して一段縮径されている。ウォーム本体部24の外周面に、ウォーム20の軸中心を中心とする螺旋状の歯24Aが形成されている。
第1端部22は、第2端部23よりもモータ18側に位置していて、モータ18の回転軸25に対して、継手26を介して略同軸上に連結されている。これにより、モータ18の出力が、ウォーム20に伝達される。
第1端部22は、第2端部23よりもモータ18側に位置していて、モータ18の回転軸25に対して、継手26を介して略同軸上に連結されている。これにより、モータ18の出力が、ウォーム20に伝達される。
継手26は、モータ18の回転軸25に一体回転可能に連結された第1部材26Aと、ウォーム20の第1端部22に一体回転可能に連結された第2部材26Bと、第1部材26Aおよび第2部材26B間をトルク伝達可能に連結する弾性部材26Cとを備えている。弾性部材26Cが撓むことによって、ウォーム20は、回転軸25に対して、連結された状態を保ちつつ、ある程度傾斜することができる。つまり、ウォーム20は、モータ18の回転軸25に対して継手26を介して揺動可能に連結されている。
ウォームホイール21は、円盤形状である。ウォームホイール21は、出力軸10に一体回転可能に結合された環状の合成樹脂部材27と、合成樹脂部材27の周囲を取り囲む環状の金属部材28とを備える。金属部材28の外周には、歯28Aが形成されている。金属部材28は、例えば合成樹脂部材27の樹脂成形時に金型内にインサートされる。ウォームホイール21は、合成樹脂部材27において、出力軸10(換言すれば、操舵部材2)に対して一体回転可能に且つ軸方向移動不能に連結されている。
ウォーム20のウォーム本体部24の歯24Aと、ウォームホイール21の金属部材28の外周の歯28Aとは、互いに噛み合っている。この状態で、ウォーム20は、ウォームホイール21の接線方向に沿って延びている。噛み合った状態のウォーム20およびウォームホイール21は、ハウジング29内に収容されている。
ハウジング29には、ウォーム20を収容する第1収容空間51と、ウォームホイール21を収容する第2収容空間52とが形成されている。第1収容空間51は、ウォーム20より一回り大きくウォーム20に沿って延びる円筒状の空間である。そのため、ハウジング29内には、第1収容空間51を区画する円筒状の内周面29Aが形成されている。第2収容空間52は、ウォームホイール21より一回り大きい円盤状の空間である。第2収容空間52は、第1収容空間51の軸方向(ウォーム20の軸方向Xと同じ)における途中部分51Aに対して連通している。第1収容空間51に収容されたウォーム20では、第1収容空間51の途中部分51Aに、ウォーム本体部24が配置されている。第1収容空間51において途中部分51Aよりもモータ18の回転軸25に近い側(図2における右側)に、ウォーム20の第1端部22が配置されている。第1収容空間51において途中部分51Aよりもモータ18の回転軸25から離れた側(図2における左側)に、第2端部23が配置されている。
ハウジング29には、ウォーム20を収容する第1収容空間51と、ウォームホイール21を収容する第2収容空間52とが形成されている。第1収容空間51は、ウォーム20より一回り大きくウォーム20に沿って延びる円筒状の空間である。そのため、ハウジング29内には、第1収容空間51を区画する円筒状の内周面29Aが形成されている。第2収容空間52は、ウォームホイール21より一回り大きい円盤状の空間である。第2収容空間52は、第1収容空間51の軸方向(ウォーム20の軸方向Xと同じ)における途中部分51Aに対して連通している。第1収容空間51に収容されたウォーム20では、第1収容空間51の途中部分51Aに、ウォーム本体部24が配置されている。第1収容空間51において途中部分51Aよりもモータ18の回転軸25に近い側(図2における右側)に、ウォーム20の第1端部22が配置されている。第1収容空間51において途中部分51Aよりもモータ18の回転軸25から離れた側(図2における左側)に、第2端部23が配置されている。
ウォーム20の第1端部22には、第1軸受30が取り付けられている。また、ウォーム20の第2端部23には、第2軸受31が取り付けられている。第1軸受30および第2軸受31としては、例えば転がり軸受が用いられている。第1軸受30および第2軸受31は、第1端部22および第2端部23において、ウォーム20を回転可能に支持している。第1軸受30および第2軸受31は、ウォーム20に対して同軸状となった状態で、ハウジング29の第1収容空間51に収容されている。
第1軸受30の内輪32は、第1端部22の外周面22Aに対して一体回転可能に外嵌されている。第1軸受30の外輪33は、ハウジング29において第1収容空間51を区画する内周面29Aによって支持されている。ここで、内周面29Aにおいて、軸方向Xにおける外輪33の両側には、凸部53が設けられている。第1軸受30は、外輪33が軸方向Xにおける両側の凸部53に挟持されることによって、軸方向Xへ移動不能な状態で内周面29Aに固定されている。
第1端部22の外周面22Aにおいて、第1軸受30と継手26とに挟まれた位置には、嵌合溝40が形成されていて、嵌合溝40には、径方向外側から位置決めリブ41が嵌め込まれ、第1端部22と一体化されている。位置決めリブ41は、嵌合溝40からはみ出している。軸方向Xにおける第1軸受30とウォーム本体部24との間には、弾性リング42(第1弾性体)が介装され、軸方向Xにおける第1軸受30と位置決めリブ41との間には、弾性リング43(第1弾性体)が介装されている。弾性リング42,43は、ともにゴム等の弾性体で形成された環状体であって、第1端部22に対して外嵌されている。なお、弾性リング42,43は、第1端部22に対して遊嵌されていて、径方向に若干移動できてもよい。
ウォーム20の第1端部22の外周面22Aは、第1軸受30の内輪32の内周面に対して、軸方向Xに沿って摺動することができる。これによって、ウォーム20全体が軸方向Xに移動することができる。ウォーム20の移動範囲は、弾性リング42,43が圧縮変形できる範囲である。詳しくは、ウォーム20がモータ18の回転軸25側(図2における右側)へ移動する場合、弾性リング42がウォーム本体部24と第1軸受30とによって圧縮されるので、弾性リング42が最大限圧縮できるまで、ウォーム20は、回転軸25側へ移動できる。一方、ウォーム20がモータ18の回転軸25から離れる側(図2における左側)へ移動する場合、弾性リング43が位置決めリブ41と第1軸受30とによって圧縮されるので、弾性リング43が最大限圧縮できるまで、ウォーム20は、回転軸25から離れる方向へ移動できる。移動する前のウォーム20の(軸方向Xにおける)位置は、「ホームポジション」とされる。ウォーム20は、ホームポジションから移動すると、その際に圧縮された弾性リング42,43が元の大きさに復元しようとすることによって、ホームポジションへ戻るように付勢される。このように、弾性リング42,43は、ウォーム20を軸方向Xへ移動できるように弾性的に支持している。
第2軸受31の内輪38は、第2端部23の外周面23Aに対して一体回転可能に外嵌されている。ここで、ハウジング29において第1収容空間51を区画する内周面29Aでは、第2軸受31の外輪39に対して径方向外側から対向する部分に、全周に亘って溝54が形成されている。そのため、ウォーム20とウォームホイール21とが噛み合った状態では、第2軸受31は、軸方向Xにおいて溝54と同じ位置にあって、ハウジング29の(溝54における)内周面29Aから離れている(浮いている)。第2軸受31は、ウォーム20に伴われて、軸方向Xに移動することができる。
ここで、溝54において、ウォームホイール21側とは反対側(ウォーム20に対するウォームホイール21の反対側)の領域(図2における上側領域)Yには、付勢部材60(第2弾性体)が配置されている。
図3(a)は、付勢部材60の斜視図であり、図3(b)は、付勢部材60を正面から見た図である。図4は、図2のA−A矢視断面図である。図5は、図2においてウォーム20が軸方向に動く様子を示している。
図3(a)は、付勢部材60の斜視図であり、図3(b)は、付勢部材60を正面から見た図である。図4は、図2のA−A矢視断面図である。図5は、図2においてウォーム20が軸方向に動く様子を示している。
図3を参照して、付勢部材60は、ベース部61と、複数の付勢部62とを一体的に含んでいる。付勢部材60全体は、板ばね(ばね鋼等の金属製でも樹脂製でもよい)を湾曲させることによって構成されている。そのため、付勢部材60を板ばねによって簡易に構成することができる。
ベース部61は、細長い帯状の板ばねが円弧状に折り曲げられることによって構成されている。ベース部61の周方向長さは、この実施形態では、円の半周分であるが(図3(b)参照)、その長さは、任意に変更可能である。
ベース部61は、細長い帯状の板ばねが円弧状に折り曲げられることによって構成されている。ベース部61の周方向長さは、この実施形態では、円の半周分であるが(図3(b)参照)、その長さは、任意に変更可能である。
個々の付勢部62は、細長い帯状の板ばねが円弧状に折り曲げられることによって構成されている。複数(ここでは5つ)の付勢部62は、ベース部61の幅方向における一端縁61Aに接続されていて、ベース部61の周方向に間隔を隔てて配置されている。複数(ここでは5つ)の付勢部62のうち、1つの付勢部62が基準付勢部62Aとして、ベース部61の周方向中央位置に配置されていて、残りの付勢部62Bが、基準付勢部62Aの両側(図3(b)における左右両側)に等間隔で均等に配置されている。付勢部62の総数は、任意に設定可能である。ただし、基準付勢部62Aの両側の付勢部62Bの数は同じ(図3の場合、基準付勢部62Aの両側に2つずつ)であることが好ましく、付勢部62の総数は、3以上の奇数になる。基準付勢部62Aの両側のそれぞれにおいて、付勢部62Bは、基準付勢部62Aからベース部61の周方向へ30°〜60°の領域内に配置されている。
各付勢部62は、ベース部61の一端縁61Aからベース部61の径方向内側へ延びつつベース部61の軸方向外側へ延び、途中で円弧状に湾曲しながらベース部61の径方向外側へ延びている。そのため、ベース部61の周方向から見ると、付勢部62は、ベース部61の一端縁61Aから径方向内側へ垂れ下がる略J字の爪状をなしている。
このような付勢部材60が、前述した溝54においてウォームホイール21側とは反対側の領域Yに配置されている。図4に示すように、付勢部材60では、ベース部61が、溝54におけるハウジング29の内周面29Aと第2軸受31とウォーム20とに対して同軸状になっていて、溝54における内周面29A(溝54の底54A)に対して径方向内側から面接触している。なお、図4では、第2軸受31の転動体80が図示されている。
このような付勢部材60が、前述した溝54においてウォームホイール21側とは反対側の領域Yに配置されている。図4に示すように、付勢部材60では、ベース部61が、溝54におけるハウジング29の内周面29Aと第2軸受31とウォーム20とに対して同軸状になっていて、溝54における内周面29A(溝54の底54A)に対して径方向内側から面接触している。なお、図4では、第2軸受31の転動体80が図示されている。
このように、ベース部61は、溝54における内周面29Aに配置されるとともに、内周面29Aの周方向に沿って湾曲している。各付勢部62は、ベース部61から第2軸受31に向かって凸状に突出(膨出)していて、その先端62C(ベース部61から第2軸受31へ最も離れた部分)において、第2軸受31の外輪39の外周面に対して径方向外側から接触している。特に、付勢部62では、前述した基準付勢部62Aが、ウォーム20の軸中心(芯)とウォームホイール21の軸中心(芯)とを通る基準線Z(図1参照)上に配置されている。基準線Zは、ウォーム20とウォームホイール21との芯間方向に沿って延びている。
この状態で、図2を参照して、付勢部材60は、第2軸受31の外輪39と溝54の底54Aとの間で圧縮されていて、各付勢部62は、溝54の底54A側(ウォームホイール21から離れる方向)へ撓んでいる。つまり、付勢部材60には、第2軸受31とハウジング29との間で予圧がかけられている。このとき、各付勢部62の端縁62D(ベース部61から最も離れた縁)は、溝54の底54A(内周面29A)から径方向内側へ離れている。そのため、各付勢部62は、予圧がかかった状態においても自由に撓むことができる。
撓んでいる各付勢部62は、元の形状に戻ろうとすることによって、第2軸受31の外輪39を径方向外側から押圧している。各付勢部62が第2軸受31の外輪39を押圧する力は、ベース部61の曲率中心(第2軸受31やウォーム20の軸中心に一致する)へ向かっている(図3(a)の破線矢印を参照)。各付勢部62が第2軸受31の外輪39を押圧する力が合わさると、その合力は、図2の太線矢印で示すように、ウォームホイール21側へ向かう力となり、第2軸受31およびウォーム20の第2端部23をウォームホイール21側へ付勢する。これにより、ウォーム20は、第2端部23がウォームホイール21側へ接近するように第1端部22を支点として若干傾いた状態になる。これにより、ウォーム20のウォーム本体部24がウォームホイール21の金属部材28へ付勢されるので、ウォーム20の歯24Aと、ウォームホイール21の歯28Aとのバックラッシが小さくなっている。そのため、歯24Aおよび歯28Aにおけるウォーム20とウォームホイール21との歯打ち音を抑制することができる。
このように、付勢部材60は、凸状の各付勢部62によって、ウォーム20をウォームホイール21へ向けて付勢している。特に、周方向に間隔を隔てて複数設けられた付勢部62(図3参照)によって、ウォーム20をウォームホイール21へ向けて確実に付勢することができる。
ただし、ウォーム20がウォームホイール21へ付勢された状態(ウォーム20に予圧がかけられた状態)では、歯24Aと歯28Aとの歯打ち音を抑制できるものの、歯24Aと歯28Aとの摩擦が増加するので、ウォームホイール21の回転が鈍くなって、その分、操舵部材2の操舵フィーリングが低下する虞がある。
ただし、ウォーム20がウォームホイール21へ付勢された状態(ウォーム20に予圧がかけられた状態)では、歯24Aと歯28Aとの歯打ち音を抑制できるものの、歯24Aと歯28Aとの摩擦が増加するので、ウォームホイール21の回転が鈍くなって、その分、操舵部材2の操舵フィーリングが低下する虞がある。
そこで、ウォーム20がウォームホイール21へ付勢された状態で、図5に示すように、ウォーム20全体(第2軸受31も含む)が、軸方向Xに移動することができる。これにより、ウォームホイール21へ付勢された状態のウォーム20が軸方向Xへ適度に移動することで、歯24Aと歯28Aとの摩擦の増加を抑制しつつ、歯24Aと歯28Aとの歯打ち音を抑制することができる。図5では、ウォーム20がモータ18の回転軸25から最も離間する方向(図5における左側)へ移動したときの第2端部23および第2軸受31の輪郭の一部が破線で示されており、ウォーム20が回転軸25側へ最も接近する方向(図5における右側)へ移動したときの第2軸受31の輪郭の一部が1点鎖線で示されている。
ウォーム20が軸方向Xにおいて移動しているとき、第2軸受31の外輪39の外周面が、付勢部材60の各付勢部62の先端62Cに対して軸方向Xに相対移動し、外輪39の外周面と各付勢部62の先端62Cとが互いに摺動する。
ここで、ウォーム20が軸方向Xにおいて、その移動範囲内で移動しても、付勢部材60の各付勢部62の先端62Cは、常に、第2軸受31の外輪39の外周面に対して径方向外側から接触するようになっている。つまり、各付勢部62は、ウォーム20が軸方向Xに移動しても軸方向Xにおいて第2軸受31(換言すれば、第2軸受31に支持されたウォーム20)から外れない位置に配置されている。具体的には、ウォーム20が前述したホームポジションにある場合において、各付勢部62の先端62Cは、第2軸受31の外輪39の外周面の軸方向Xにおける略中央に接触している。そのため、ウォーム20が軸方向Xにおけるいずれに移動しても、各付勢部62が第2軸受31に接触(押圧)しているので、ウォーム20のウォーム本体部24がウォームホイール21の金属部材28へ付勢された状態が維持されている(図5の太線矢印を参照)。つまり、ウォーム20が軸方向Xに移動しても、付勢部材60は、常に、付勢部62において第2軸受31に接触して、ウォーム20をウォームホイール21へ向けて付勢することができる。
ここで、ウォーム20が軸方向Xにおいて、その移動範囲内で移動しても、付勢部材60の各付勢部62の先端62Cは、常に、第2軸受31の外輪39の外周面に対して径方向外側から接触するようになっている。つまり、各付勢部62は、ウォーム20が軸方向Xに移動しても軸方向Xにおいて第2軸受31(換言すれば、第2軸受31に支持されたウォーム20)から外れない位置に配置されている。具体的には、ウォーム20が前述したホームポジションにある場合において、各付勢部62の先端62Cは、第2軸受31の外輪39の外周面の軸方向Xにおける略中央に接触している。そのため、ウォーム20が軸方向Xにおけるいずれに移動しても、各付勢部62が第2軸受31に接触(押圧)しているので、ウォーム20のウォーム本体部24がウォームホイール21の金属部材28へ付勢された状態が維持されている(図5の太線矢印を参照)。つまり、ウォーム20が軸方向Xに移動しても、付勢部材60は、常に、付勢部62において第2軸受31に接触して、ウォーム20をウォームホイール21へ向けて付勢することができる。
前述したように、軸方向Xへ移動できるウォーム20をウォームホイール21へ向けて付勢する付勢部材60では、ウォーム20へ向かって凸状に突出する付勢部62がウォーム20を付勢している。この場合、凸状の付勢部62における先端62Cが、第2軸受31の外輪39に対して、点接触または線接触に近い状態で接触(軸方向Xで見ると点接触)する。そのため、凸状の付勢部62の先端62Cと第2軸受31との接触面積が小さいので、ウォーム20をウォームホイール21へ付勢する部材(付勢部材60)と、軸方向Xに移動する第2軸受31(換言すれば、第2軸受31に支持されたウォーム20)との間の摺動抵抗を低減させることができる。
ここで、付勢部62の表面(特に、第2軸受31の外輪39の外周面に対向する面)に、第2軸受21(ウォーム20)との間の摩擦を低減させる摩擦低減部材70が設けられている。摩擦低減部材70として、フッ素やDLC(ダイヤモンドライクカーボン)のコーティング層や、グリースを挙げることができる。摩擦低減部材70は、付勢部62の表面を被覆している。そのため、摩擦低減部材70を用いた付勢部62の表面処理によって、付勢部材60と第2軸受31との間の摺動抵抗を一層低減させることができる。
以上のように、板ばねを折り曲げた簡易な構成の付勢部材60によって、ウォーム20をウォームホイール21側へ付勢して、前述した歯打ち音を抑制しつつ、ウォーム20を軸方向Xへ移動可能に支持して、前述した操舵フィーリングの低下に起因する歯24Aと歯28Aとの摩擦を低減することもできる。
さらに、付勢部材60は、常に定められた数点の接触位置(つまり、各付勢部62の先端62C)だけで第2軸受31の外輪39の外周面に接触する(図4参照)。これにより、付勢部62の摩耗を抑制できるとともに、付勢部材60がウォーム20をウォームホイール21側へ付勢する荷重を安定させることもできる。
さらに、付勢部材60は、常に定められた数点の接触位置(つまり、各付勢部62の先端62C)だけで第2軸受31の外輪39の外周面に接触する(図4参照)。これにより、付勢部62の摩耗を抑制できるとともに、付勢部材60がウォーム20をウォームホイール21側へ付勢する荷重を安定させることもできる。
よって、歯打ち音の抑制と、操舵フィーリングの向上との両立を、簡易な構成の付勢部材60によって低コストで実現できる。
この発明は、以上に説明した実施形態に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
たとえば、付勢部材60には、以下の変形例が考えられる。
この発明は、以上に説明した実施形態に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
たとえば、付勢部材60には、以下の変形例が考えられる。
図6は、変形例に係る付勢部材60の斜視図である。図7は、図6に示す付勢部材60の要部断面図である。図8は、図4に変形例を適用した図である。
付勢部材60は、前述したベース部61および付勢部62の他に、図6に示すように、ダンパー部63をさらに含んでいてもよい。ダンパー部63は、前述した基準付勢部62Aを中心として対称となるように複数設けられている。つまり、ダンパー部63は、基準付勢部62Aの両側に同じ数(図6では1つ)ずつ均等に配置されている。また、ベース部61の周方向において、ダンパー部63と付勢部62とが等間隔で交互に並んでいてもよい。
付勢部材60は、前述したベース部61および付勢部62の他に、図6に示すように、ダンパー部63をさらに含んでいてもよい。ダンパー部63は、前述した基準付勢部62Aを中心として対称となるように複数設けられている。つまり、ダンパー部63は、基準付勢部62Aの両側に同じ数(図6では1つ)ずつ均等に配置されている。また、ベース部61の周方向において、ダンパー部63と付勢部62とが等間隔で交互に並んでいてもよい。
各ダンパー部63は、ゴム等の弾性体で構成されたブロックである。ベース部61の周方向から見たときのダンパー部63の断面は、図7に示すように、ベース部61の径方向内側(図7の下側)へ向けて膨出する半円形状をなしている。ダンパー部63は、ベース部61の内周面61Bに対して、加硫接着等によって固定されている。
図8に示すように、付勢部材60が、溝54においてウォームホイール21側とは反対側の領域Yに配置された状態において、各ダンパー部63は、付勢部材60のベース部61から第2軸受31の外輪39へ向かって延び、ベース部61と外輪39との間で圧縮されて予圧がかけられている。たとえば、ウォーム20が、突然の外力を受けること等によって振動する場合がある。この場合、予圧がかけられた各ダンパー部63が圧縮したり伸張したりすることによって、ウォーム20の振動が減衰される。つまり、付勢部材60によって、付勢部材60と第2軸受31との間の摺動抵抗を低減させるだけでなく、ウォーム20の振動を減衰させることもできる。
図8に示すように、付勢部材60が、溝54においてウォームホイール21側とは反対側の領域Yに配置された状態において、各ダンパー部63は、付勢部材60のベース部61から第2軸受31の外輪39へ向かって延び、ベース部61と外輪39との間で圧縮されて予圧がかけられている。たとえば、ウォーム20が、突然の外力を受けること等によって振動する場合がある。この場合、予圧がかけられた各ダンパー部63が圧縮したり伸張したりすることによって、ウォーム20の振動が減衰される。つまり、付勢部材60によって、付勢部材60と第2軸受31との間の摺動抵抗を低減させるだけでなく、ウォーム20の振動を減衰させることもできる。
また、前述した実施形態では、付勢部材60は、ウォーム20を支持する第2軸受31に付勢部62が接触することで、第2軸受31を介してウォーム20をウォームホイール21側へ付勢していたが、付勢部62は、ウォーム20に直接接触していてもよい。その場合、付勢部材60は、第2軸受31を介することなく、付勢部62においてウォーム20をウォームホイール21側へ付勢する。このとき、各付勢部62は、ウォーム20(特に第2端部23)へ向かって突出(膨出)していて、各ダンパー部63も、ウォーム20へ向かって延びている。
ただし、付勢部62がウォーム20でなく、第2軸受31に接触している方が、付勢部62とウォーム20との摩擦によってウォーム20の円滑な回転が妨げられることを防止できる。
また、付勢部材60のベース部61は、円弧状であったが、途中が途切れていない環状であってもよい。ベース部61が環状である場合、付勢部62は、ベース部61において、ウォームホイール21から離れた側へ偏った領域に配置されているとよい。
また、付勢部材60のベース部61は、円弧状であったが、途中が途切れていない環状であってもよい。ベース部61が環状である場合、付勢部62は、ベース部61において、ウォームホイール21から離れた側へ偏った領域に配置されているとよい。
1…電動パワーステアリング装置、2…操舵部材、18…モータ、19…ウォーム減速機、20…ウォーム、21…ウォームホイール、26…継手、29…ハウジング、29A…内周面、30…第1軸受、31…第2軸受、42…弾性リング、43…弾性リング、60…付勢部材、61…ベース部、62…付勢部、63…ダンパー部、70…摩耗低減部材、X…軸方向
Claims (5)
- 操舵部材を操舵するための駆動力を発生するモータと、
前記モータに対して継手を介して揺動可能に連結されたウォームと、操舵部材に連結され、前記ウォームに噛み合うウォームホイールとを含み、前記モータが発生した駆動力を減速して操舵部材に伝達するウォーム減速機と、
前記ウォームを回転可能に支持する軸受と、
前記ウォーム減速機および軸受を収容するハウジングと、
前記ウォームを軸方向へ移動できるように弾性的に支持する第1弾性体と、
前記ハウジングの内周面に配置されるベース部と、前記ベース部から前記軸受または前記ウォームへ向かって凸状に突出する付勢部とを含み、前記付勢部によって前記ウォームを前記ウォームホイールへ向けて付勢する第2弾性体と
を含むことを特徴とする、電動パワーステアリング装置。 - 前記付勢部の表面に、前記軸受または前記ウォームとの間の摩擦を低減させる摩擦低減部材が設けられていることを特徴とする、請求項1記載の電動パワーステアリング装置。
- 前記第2弾性体は、前記ベース部から前記軸受または前記ウォームへ向かって延び、前記ウォームの振動を減衰させるためのダンパー部をさらに含むことを特徴とする、請求項1または2記載の電動パワーステアリング装置。
- 前記付勢部は、前記ウォームが軸方向に移動しても前記軸方向において前記ウォームから外れない位置に配置されていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の電動パワーステアリング装置。
- 前記ベース部は、前記ハウジングの内周面の周方向に沿って湾曲していて、
前記付勢部は、前記ベース部から前記軸受または前記ウォームへ向かって凸状に膨出するように折り曲げられた板ばねを含み、前記ベース部において周方向に間隔を隔てて複数設けられていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の電動パワーステアリング装置。
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