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JP2013171454A - 表示装置の電極パネルおよびその製造方法 - Google Patents

表示装置の電極パネルおよびその製造方法 Download PDF

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JP2013171454A JP2012035299A JP2012035299A JP2013171454A JP 2013171454 A JP2013171454 A JP 2013171454A JP 2012035299 A JP2012035299 A JP 2012035299A JP 2012035299 A JP2012035299 A JP 2012035299A JP 2013171454 A JP2013171454 A JP 2013171454A
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Takanori Ohara
隆憲 大原
Masaru Ito
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Abstract

【課題】静電容量式タッチパネルの製造後、電極が使用者の目に見えてしまう問題を解決する。
【解決手段】表示装置と重ね合わせて用いられ、被接触位置を検出可能な電極パネルであって、第1方向に並列に延びる複数の電極パターンを有する第1の導電層と、第1方向と直交する第2の方向に並列に延びる複数の電極パターンを有する第2の導電層と、第1の導電層の電極パターンと第2の導電層の電極パターンとを重ね合わせたパターンと相補的な形状を有し、かつ、第1の導電層および第2の導電層とほぼ同じ光学特性の材料よりなるダミーパターンを有するダミー層とを備える。
【選択図】図7

Description

本発明は、タッチパネルに搭載した表示装置の電極パネルおよびその作成方法に関する。
近年、使用者が行っている作業や次に行うべき操作が直感的でわかりやすい等の理由から、タッチパネルを備えた表示装置が台頭してきている。これは、液晶画面と重ねて透明電極パネルを配置し、使用者の指等が液晶画面に触ることによって引き起こされる電圧の変化に基づいて、透明電極パネル上における指等の接触位置を検出するものである。
タッチパネルには、検出方式の違いによって、光学式、抵抗膜方式、静電容量方式、超音波方式、電磁誘導式等がある。特にエンドユーザー向けのスマートフォンやタブレットコンピュータには、マルチタッチができる静電容量方式のタッチパネルの採用が増えてきている。静電容量方式のタッチパネルを搭載した表示装置の構成例としては、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示パネルと、表示パネルからのノイズを防ぐために表示パネルの観察側に設けたシールド層と、シールド層の観察側に設けたタッチパネルと、タッチパネルの前面に接着層等を介して貼り合わされ、使用者の指が触れる部分となるカバーガラス等とからなるものがある。ここで、静電容量方式タッチパネルは、指が最表面層に触れることにより、タッチパネル内の電極の静電容量の変化を検知し、変化の大きさ、変化した場所、指の触れられた状態、指の動きをデータ化し動作するものである。
静電容量方式のタッチパネルはX方向と、それと直交するY方向との2方向の電極が必要であり、指が触れた時の静電容量の変化を検出し、その座標を検出することで、タッチ位置やタッチ動作を認識する。X電極層とY電極層同士が接することはなく、絶縁膜を介して積層される。X電極とY電極には透明導電材料が主に使われており、各々基材上に導電材料を成膜、パターニングして電極層を形成する。電極のパターニング形状には線状やダイヤモンド型等があり、X方向のパターンとY方向のパターンは積層された状態で平面視したときに、重なる部分が少なくなるのが特徴である。
特開2010−287540号公報
近年、タッチ画面の大型化および表示装置全体の薄型化が求められおり、導電層を持つ基材が、ガラスから薄型透明フィルムに変わりつつある。
画面の大型化に伴い、接触感知の信号の伝送距離が長くなることから、使用する透明導電材の抵抗を低く抑える必要がある。近年の静電容量式タッチパネルは5インチ以下のサイズでも、シート抵抗が百数十Ω/□以下の透明導電層を持つ基材を用いて作製されている。画面が大型化するとさらにシート抵抗が低い透明導電層を持つ基材が必要となってくる。
しかし、基材の導電層に接触感知用のパターニングを施していることから、同一基材上で導電層のある部分と無い部分とで光学的に差が生じてしまい、貼りあわせてタッチパネルを作成すると、電極パターンがユーザーの目に見えてしまう問題が起こる。これは、導電層と基材表層の光学特性が違うために起こる問題であり、導電層のシート抵抗を低くして設計すると、導電層の厚みが増えるためにより顕著である。そのため画面の大型化と、電極パターンの不可視化とはトレードオフの関係にあると言える。
電極パターンを不可視化するため、特許文献1では、金属ナノフィラーをふくむ導電層表層にプラズマ処理、あるいは、コロナ処理を施すことにより、導電層の色味を保ったまま導電性を消失させる酸化パターニング工程を採用している。しかし、特許文献1に記載の方法は、導電体が金属ナノワイヤーであれば適用できるが、ITO(Indium Tin Oxide)には適用できない。
それ故に、本発明は、導電体の材質にかかわらず、電極パターンが目立たない電極パネルを作製することを目的とする。
本発明に係る電極パネルは、第1方向に並列に延びる複数の電極パターンを有する第1の導電層と、第1方向と直交する第2の方向に並列に延びる複数の電極パターンを有する第2の導電層と、第1の導電層の電極パターンと第2の導電層の電極パターンとを重ね合わせたパターンと相補的な形状を有し、かつ、第1の導電層および第2の導電層とほぼ同じ光学特性の材料よりなるダミーパターンを有するダミー層とを備える。
また、上記の電極パネルは、基材の一方面側に第1の導電層を有し、他方面側に第2の導電層を有する積層体と、基材の一方面側にダミー層を有する積層体とを貼り合わせて構成したものであって良い。
また、上記の電極パネルは、基材の一方面側に第1の導電層を有する積層体と、基材の一方面側に第2の導電層を有し、他方面側にダミー層を有する積層体とを貼り合わせて構成したものであっても良い。
また、上記の電極パネルにおいて、ダミー層が導電性を有する材料で構成されていても良い。
また、上記の電極パネルにおいて、導電性を有する材料よりなるダミー層が、電気的なノイズを電極パネルに与えないために組み込まれるシールド層であっても良い。
本発明に係る電極パネルの製造方法は、第1方向に並列に延びる複数の電極パターンを有する第1の電極パターンと、第1方向と直交する第2の方向に並列に延びる複数の電極パターンを有する第2の電極パターンとを、導電層を有する積層体にパターニングする工程と、第1の電極パターンと第2の電極パターンとを重ね合わせたパターンと相補的な形状となるダミーパターンを積層体にパターニングする工程とを備える。
また、ダミーパターンを有するダミー層は、第1および第2の電極パターンを有する導電層を遮光材として用いるフォトリソグラフィー法で作製しても良い。
導電層に設けた電極パターンと相補的な形状をダミーパターンとし、導電層の電極パターンにダミーパターンを重ね合わせることで、タッチパネルを構成した際の、導電層のあり部となし部との光学差を少なくすることで、電極パターンを不可視化することが出来る。
本発明のタッチパネル付表示装置の構成を示す断面図 本発明に係るタッチパネルの第1の例を示す断面図 本発明に係るタッチパネルの第2の例を示す断面図 本発明に係るタッチパネルの第3の例を示す断面図 本発明に係るタッチパネルの電極パターンのパターニング例を示す平面図 本発明に係るタッチパネルの2層の電極パターンを重ね合わせたパターンを示す平面図 本発明に係るタッチパネル電極のダミーパターンを示す平面図 本発明に係るタッチパネルを構成する第1の積層体の断面図 本発明に係るタッチパネルを構成する第2の積層体の断面図 本発明に係るタッチパネルを構成する第3の積層体の断面図 本発明に係るタッチパネルを構成する第4の積層体の断面図 本発明に係るシールド層の構成を示す断面図
図1は、本発明のタッチパネル付き表示装置の構成を示す断面図である。図1に記載の表示装置は、LCDや有機EL等の表示パネル30と、表示パネル30の観察側に設けられるタッチパネル10と、タッチパネル10のさらに観察側の面に接着剤層50を介して積層されるフロントパネル層40と、表示パネル30とタッチパネル10との間に介在するシールド層21とを備える。シールド層21は、図1のようにタッチパネル10と離れていてもよいし、タッチパネル10に粘着剤等を介して貼り合わせてあってもよい。または、シールド層21をタッチパネル10に含ませてもよい。
図1に示すタッチパネル10と表示パネル30はシールド層21を介して組み立てられる。シールド層21は表示パネル30からの電気的なノイズをタッチパネル部10に与えないために組み込まれる層であり、透明かつ導電性を備えている必要がある。タッチパネル部10の最も表示パネル30側の層、すなわちダミー層15が導電体であれば、これをシールド層21として用いることも出来る。この場合シールド層21は省略しても良い。
<1.タッチパネルの構成の詳細>
図2〜4は、本発明に係るタッチパネルの第1〜第3の例を示す断面図である。図2〜4に示すタッチパネル10は、いずれも、X方向に並列に延びる複数の電極パターンを有する第1の導電層と、X方向と直交するY方向に延びる複数の電極パターンを有する第2の導電層と、これらの導電層と光学特性がほぼ同じ材料よりなるダミー層15とを備える点で共通する。このダミー層15は、第1の導電層及び第2の導電層の電極パターンが外観上、目立たないようにするために設けられているものであるが、詳細については後述する。
タッチパネル10は、複数の材料を積層した積層体であり、いくつかの層を予め積層した積層フィルムを複数枚貼り合わせることによって作製できる。タッチパネル10は、用いる積層フィルムの層構成に応じて、図2〜4に示したような様々な構成を採用することができる。
図2に示すタッチパネル10は、観察側から順に、2枚の第1の積層体16a及び16bと、1枚の第4の積層体19とを、透明接着層20を介して貼り合わせたものである。第1の積層体16aが有する導電層14及び第1の積層体16bが有する導電層14のいずれか一方が上述した第1の導電層に相当し、他方が上述した第2の導電層に相当する。また、第4の積層体19は、ダミーパターンを有するダミー層15を含む。第4の積層体19は、最も背面側(すなわち、表示パネル30側)となるように貼り合わされている。尚、図2の例では、第4の積層体19が第1の積層体16bに貼り合わされているが、第4の積層体19を第1の積層体16aに貼り合わせても良い。
図3に示すタッチパネル10は、観察側から順に、1枚の第2の積層体17と1枚の第4の積層体19とを、透明接着層20を介して貼り合わせたものである。第2の積層体17が有する2層の導電層14のいずれか一方が上述した第1の導電層に相当し、他方が上述した第2の導電層に相当する。また、第4の積層体19は、ダミーパターンを有するダミー層15を含む。第4の積層体19は、最も背面側(すなわち、表示パネル30側)となるように貼り合わされている。
図4に示すタッチパネル10は、観察側から順に、1枚の第1の積層体16と1枚の第3の積層体18とを、透明接着層20を介して貼り合わせたものである。第1の積層体16が有する導電層14及び第3の積層体18が有する導電層14のいずれか一方が上述した第1の導電層に相当し、他方が上述した第2の導電層に相当する。また、第3の積層体18は、ダミーパターンを有するダミー層15を含む。第3の積層体18は、ダミー層15が最も背面側(すなわち、表示パネル30側)となるように貼り合わされている。
<2.第1の導電層、第2の導電層及びダミー層の詳細>
ここで、上述した第1の導電層、第2の導電層及びダミー層の詳細を説明する。
図5は、本発明に係るタッチパネルの電極パターンのパターニング例を示す平面図である。図5に示す電極パターンは、上記の第1の導電層または第2の導電層の導電材料のいずれかに転写される形状であり、行方向(図5における左右方向)に並列に延びる複数のパターンからなる。より詳細には、図5の電極パターンは、行列状に整列する菱形の複数の電極部と、行方向に隣接する電極部と接続するライン状の複数の接続部とから構成される。なお、第1の導電層及び第2の導電層の一方に、図5の電極パターンを用いた場合、第1の導電層及び第2の導電層の他方には、図5の電極パターンを90°回転させたパターンを用いることができる。
図6は、本発明に係るタッチパネルの2層の電極パターンを重ね合わせたパターンを示す平面図である。第1の導電層の電極パターンと第2の導電層の電極パターンとは、両者を重ね合わせた状態において、図6に示すように、菱形の電極部が上下に重ならないように形成される。尚、図示はしていないが、第1の導電層と第2の導電層との間は、上下の電極パターンがショートしないように絶縁されている。
図6に示すように2層の電極パターンを積層すれば、X方向及びY方向の接触位置を独立して検出することができるので、入力デバイスとして必要最小限の機能を備えたタッチパネルを構成することは可能である。ただし、図6に示すように、観察側から平面視した場合、第1の導電層の電極パターンと第2の導電層の電極パターンとの間には隙間があり、導電材料がある部分とない部分との光学特性の差に起因して、電極パターンが目立ってしまい、美観を損ねてしまうという問題がある。そこで、本発明では、この問題を解消するため、ダミーパターンを有するダミー層を更に積層する。
図7は、本発明に係るタッチパネル電極のダミーパターンを示す平面図である。図7に示すダミーパターンは、図6で示した第1の電極パターンと第2の電極パターンを重ね合わせた形状と相補的な形状となっていることが特徴である。ここで、「第1の電極パターンと第2の電極パターンを重ね合わせた形状と相補的な形状」とは、第1の電極パターンと第2の電極パターンを重ね合わせた重ね合わせパターンの隙間の平面形状とほぼ対応する形状をいう。したがって、第1の電極パターンと第2の電極パターンを重ね合わせた重ね合わせパターンに、更にダミーパターンを重ね合わせて観察側から平面視した場合に、ほぼ隙間なく導電材料が敷き詰められているように見える。ここで、ダミー層は、第1の電極パターンや第2の電極パターンを構成する導電層とほぼ同じ光学特性(色や透過率、屈折率等)を有する材料で形成されるが、導電層と同じ材料で形成することが最も好ましい。ただし、ダミーパターンを形成した状態でダミー層と導電層との色味や透過率等の差が少なければ、ダミー層と導電層とは異なる材料で形成しても良い。このようなダミー層を設けることによって、導電層の電極パターンとそれ以外の部分との差が補正され、一枚もののフィルムのように電極パターンを目立たなくすることが可能となる。
<3.第1〜第4の積層体の詳細>
図8〜10は、本発明に係るタッチパネルを構成する第1〜第3の積層体の断面図である。上述した第1〜第3の積層体は、層構成により、以下の3つに分類することができるが、本発明に係るタッチパネルを構成するために、以下の3種類の構成をどのように組み合わせるかは任意である。
(1)基材11の一方面側にのみ導電層14がある第1の積層体16(図8)
(2)基材11の両面側に導電層14がある第2の積層体17(図9)
(3)基材11の一方面側に導電層14があり、他方面側にダミー層15がある第3の積層体18(図10)
以下、これらの(1)〜(3)の層構成について詳述する。
(1)基材11の一方面側にのみ導電層14がある第1の積層体16
図8に第1の積層体16の断面を示す。基材11上にUV硬化樹脂層12が積層されている。UV硬化樹脂層12は、基材11の一方面にのみ積層しても良いし、両面に積層しても良い。図8の例は、基材11の一方面にUV硬化樹脂層12を設けた場合に相当する。UV硬化樹脂層12上には、光学機能層13が積層されている。更に、光学機能層13上には電極となる導電層14が積層されている。図8の例では、UV硬化樹脂層12と導電層14との間に、光学機能層13が積層されているが、光学機能層13は不可欠なものではなく、省略しても良い。
(2)基材11の両面側に導電層14がある第2の積層体17
図9に第2の積層体17の断面を示す。基材11の両面側にUV硬化樹脂層12が積層されている。UV硬化樹脂層12の各々の外側には、光学機能層13が積層されている。更に、光学機能層13の各々の外側には、電極となる導電層14が積層されている。尚、光学機能層13は不可欠なものではなく、一方または両方を省略しても良い。
(3)基材11の一方面側に導電層14があり、他方面側にダミー層15がある第3の積層体18
図10に第3の積層体18の断面を示す。基材11の一方面にUV硬化樹脂層12が積層されている。UV硬化樹脂層12上には、光学機能層13が積層されている。更に、光学機能層13上に、電極となる導電層14が積層されている。基材11の他方面にはダミー層15が積層されている。尚、図10の層構成に加えて、基材11とダミー層15との間にUV硬化樹脂層12および光学機能層13を更に介在させても良い。また、光学機能層13は不可欠なものではなく、省略しても良い。
図11は、ダミー層15が基材11上に積層された第4の積層体19の断面を示す図である。本発明の電極パネルは、導電層14を2つとダミー層15を1つとの組み合わせで作製されるため、第1の積層体16〜第3の積層体18の組み合わせによっては、さらに第4の積層体19が必要となることもある。
尚、導電層14には、各積層体を貼り合わせる前に第1あるいは第2の電極パターンをパターニングしても良いし、貼り合わせた後にパターニングしても良い。また、第2の積層体17において、一方の導電層14に第1あるいは第2の電極パターンをパターニングし、透明接着層20を介して第4の積層体19を貼り合わせた後、他方の導電層14に残りの電極パターンをパターニングしても良い。第4の積層体19は、各積層体の第1あるいは第2の導電層側のどちらに貼り合わせても良い。
導電層14のパターニングは、例えばレジスト塗布、露光、エッチング、レジスト剥離という工程を経て、導電性パターン部と非導電性パターン部が形成される。パターニング方法としてはフォトリソグラフィー、スクリーン印刷、レーザーによるパターニング等を採用することができ、どの方法を採用しても良い。また、レジストも感光性のものでなく、乾燥により硬化するものを採用しても良い。乾燥により硬化する場合、露光工程は乾燥工程に置き換わる。電極のパターニングの例として上記の図5に導電層を菱形状にパターニングしたものを上から見た図を示す。
ダミー層15のパターニングは、フォトリソグラフィー法で行うのが望ましい。ダミー層15にポジ型のフォトレジストを付けた後、ダミー層15と反対側からUVを照射することで、導電層14にパターニングされた第1の電極パターンと第2の電極パターンがフォトマスクとして働き、第1の電極パターンと第2の電極パターンと相補的な形状を形成する部分が硬化する。その後ウェットエッチングを行った後、水酸化ナトリウムなどの適当な薬液(アルカリ液)でレジストを剥離すれば、第1の電極パターンと第2の電極パターンと相補的な形状であるダミーパターンは容易に作製できる。
基材11としては、プラスチックフィルムを用いる。プラスチックフィルムは、成膜工程および後工程において十分な強度があり、表面が平滑なものであれば特に限定されない。例えばポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリエーテルスルフォンフィルム、ポリスルフォンフィルム、ポリアクリレートフィルム、ポリイミドフィルム等が挙げられる。これらの基材には酸化防止剤、帯電防止剤、紫外線防止剤、可塑剤、滑剤、易接着剤等の添加剤が含まれていても良い。また、密着性を良くする為にコロナ処理、低温プラズマ処理を施しても良い。
UV硬化樹脂層12としては、透明性と適度な硬度および強度があれば特に限定されない。望ましくは基材11と屈折率が同等もしくは近似しているものを選択する。またUV硬化樹脂層12としてはUV硬化樹脂だけでなく、熱硬化樹脂等も使用することが可能である。
光学機能層13としては、無機化合物を用いる場合、酸化物、硫化物、フッ化物、窒化物等が挙げられる。具体的には酸化マグネシウム、二酸化ケイ素、フッ化マグネシウム、フッ化アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、硫化亜鉛、酸化タンタル、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化ニオブ等が挙げられる。これら無機化合物はその材料および膜厚により屈折率が異なるため、目的に合わせた材料を特定の膜厚で形成することにより光学特性を調整することが可能となる。光学機能層13は1層だけに留まらず、複数層あっても良い。また、光学機能層13は不可欠なものではなく、省略しても良い。
導電層14としては、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズのいずれか、またはこれらの混合酸化物、さらにはその他添加剤が加えられた物、カーボンナノチューブや銀ナノワイヤー等のナノ系材料等が挙げられる。必要とするシート抵抗値や光学特性によって選択可能で特に限定されるものではないが、前述のダミー層15のパターニングに用いるフォトレジストや露光機等の特性に合わせて、波長360nm未満の領域のUV光を吸収するよう、適宜UV吸収剤が含まれた状態で積層することが望ましい。波長360nm未満の領域のUV光をよく吸収する材料を積層した場合には、UV吸収剤は省略しても良い。
ダミー層15は、色味、透過率等の光学特性が導電層14と同じ物質を用いる。好ましくは導電層14と同じ物質を積層するのが良い。ダミー層15の物質を導電層14と同じにして、且つ第1のパターンと第2のパターンを適宜選べば、ダミー層15を含む積層体を後述するシールド層21として用いることも出来る。
<4.シールド層の詳細>
シールド層21の構成を図12に示す。基材22上に導電層23が積層される。基材22と導電層23の間にUV硬化樹脂層24を積層する。
基材22としては、透明なガラスおよびプラスチックフィルムが用いられる。プラスチックフィルムとしては、成膜工程および後工程において十分な強度があり、表面が平滑なものであれば特に限定されない。例えばポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリエーテルスルフォンフィルム、ポリスルフォンフィルム、ポリアクリレートフィルム、ポリイミドフィルム等が挙げられる。これらの基材には酸化防止剤、帯電防止剤、紫外線防止剤、可塑剤、滑剤、易接着剤等の添加剤が含まれていても良い。また、密着性を良くする為にコロナ処理、低温プラズマ処理を施しても良い。
導電層23に用いる導電性材料は、シート抵抗が300Ω/□未満のもので、透過率が90%程度の物が好適に用いられる。導電層14と同じでも構わないし、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズのいずれか、またはこれらの混合酸化物、さらにはその他添加剤が加えられた物、あるいは導電性ポリマーが用いられる。特に限定されるものではない。導電性ポリマーとしてはπ共役系高分子が用いられる。例えばポリアセチレン、ポリジアセチレン、ポリアニリン、ポリパラフェニレン、ポリパラフェニレンビニレン、ポリチオフェン、ポリエチレンジオキシチオフェン、ポリフラン、ポリピロール、ポリフェニレンスルフィド、ポリピリジルビニレン、およびポリアジン等が挙げられる。
導電層23を基材22に積層する方法としては、スピンコート法、ローラコート法、バーコート法、ディップコート法、グラビアコート法、カーテンコート法、ダイコート法、スプレーコート法、ドクターコート法、ニーダーコート法等の塗布法や、スクリーン印刷法、スプレー印刷法、インクジェット印刷法、凸版印刷法、凹版印刷法、平版印刷法等の印刷法コート等、あるいはスパッタリング法等の真空成膜による等、用いる導電材により採用して良い。
表示パネル30の構造としては、液晶を駆動させるためのスイッチング素子が配置され電極層が設けられた基板(以下、アレイ基板という)と、対向する電極層が形成されたカラーフィルター基板とが液晶層を挟んで構成されており、アレイ基板とカラーフィルター基板にはそれぞれ偏光板が取付けられているような極一般的な液晶表示パネルを用いることができる。また、表示パネル30が液晶表示パネルである場合、その駆動方式は特に限定されるものではなく、IPS(In Plane Switching)方式、TN(Twisted Nematic)方式、VA(Vertical Alignment)方式等のLCD表示器が用いられる。
以下に本発明の実施例を示すが、本発明の技術的範囲はこれらの実施例に限られるものではない。
(実施例1)
PET基材(125μm)をロールで準備し、基材上両面側にダイコーターによりUV硬化樹脂を塗布し、硬化させた。次いで、一方面側のUV硬化樹脂の上に銀ナノワイヤーを分散させた塗液をダイコーターにより塗布し、UV硬化させ導電層を得た。この塗液は、あらかじめUV吸収剤を混ぜており、硬化後の膜の透過率が、波長365nmの光で10%未満となるように調液してある。UV吸収剤として、例えば一方社油脂工業株式会社のUV吸収剤:ULS−1933D等を適宜調液して用いることが出来る。このロールから3枚切り出し、内2枚を導電面が互いに外向きになるようにOCA(Optical Clear Adhesive)を介して貼りあわせた。次に導電面の一方にスクリーン版を用いて、耐酸性のレジストを図9のような菱形状にスクリーン印刷した後、塩化第二銅溶液で10分エッチングし、水酸化ナトリウム水溶液でレジストを剥離することで電極パターンを形成し、これを第1の導電層とした。次に第1の電極パターンの菱形部分と重ならないように、スクリーン版を用いて同様の作業をもう一方の面に行い、これを第2の導電層とした。その後、切り出しておいた3枚目を、第一の導電層を設けた面側に、導電層が最も外側になるように貼りあわせた。次にポジ型の液状レジストを導電面に付け、高圧水銀ランプによりUVを、第1と第2の導電層をマスクとして用い、レジストの反対面から照射した。炭酸ナトリウム水溶液でダミーパターンを現像した後、塩化第二銅溶液でエッチングを行い、水酸化ナトリウム水溶液にてレジストを剥離しダミー層を形成し、これら第1および第2の導電層とダミー層とを有する基材が積層されたフィルムを電極パネルとした。得られた電極パネルを白色蛍光灯の下で見てみると、二つの電極パターンは見えなかった。
(実施例2)
PET基材(125μm)をロールで準備し、基材上両面にダイコーターによりUV硬化樹脂を塗布し、硬化させた。次いで、一方面側のUV硬化樹脂の上に銀ナノワイヤーを分散させた塗液をダイコーターにより塗布しUV硬化させ導電層を得た後、1枚フィルムを切り出した。次いで、ロールの他方面側のUV硬化樹脂の上に銀ナノワイヤーを分散させた塗液をダイコーターにより塗布しUV硬化させ導電層を得た。この時、使用する塗液は、あらかじめUV吸収剤を混ぜており、硬化後の膜の透過率が、波長365nmの光で10%未満となるように調液してある。UV吸収剤として、例えば一方社油脂工業株式会社のUV吸収剤:ULS−1933D等を適宜調液して用いることが出来る。ロールから1枚基材を切り出し、一方面側にネガ型のフォトレジストをつけた後、図9のような電極パターンを持つマスクを当て、高圧水銀ランプによりUVを照射後、炭酸ナトリウム水溶液で電極パターンを現像した後、塩化第二銅溶液でエッチングし、水酸化ナトリウム水溶液でレジストを剥離し、第一の導電層とした。次いで、第1の電極パターンの菱形部分と重ならないように他方面側にも同様の操作を繰り返し、第2の導電層を形成した。次にあらかじめ切り出しておいた一方面側に導電層をもつ1枚を、導電面が最外面になるように、パターニングした基材の第2の導電層側に貼りあわせた後、ポジ型の液状レジストを導電面に付け、第一の導電層側から高圧水銀ランプによりUVを照射した。UV照射した後、炭酸ナトリウム水溶液でダミーパターンを現像し、強酸でエッチングを行い水酸化ナトリウム水溶液でレジストを剥離しダミー層を形成し、これら第1および第2の導電層とダミー層とを有する基材が積層されたフィルムを電極パネルとした。得られた電極パネルを白色蛍光灯の下で見てみると、二つの電極パターンは見えなかった。
(比較例)
PET基材(125μm)をロールで準備し、基材上両面側にダイコーターによりUV硬化樹脂を塗布し、硬化させた。次いで、片面のUV硬化樹脂の上に銀ナノワイヤーを分散させた塗液をダイコーターにより塗布し、UV硬化させ導電層を得た。この塗液は、あらかじめUV吸収剤を混ぜており、硬化後の膜の透過率が、波長365nmの光で10%未満となるように調液してある。UV吸収剤として、例えば一方社のUV吸収剤ULS−1933D等を適宜調液して用いることが出来る。このロールから3枚切り出し、内2枚を導電面が互いに外向きになるようにOCAを介して貼りあわせた。次に導電面の一方面側にスクリーン版を用いて、耐酸性のレジストを図9のような菱形状にスクリーン印刷した後、塩化第二銅溶液で10分エッチングし、水酸化ナトリウム水溶液でレジストを剥離することで電極パターンを形成し、これを第1の導電層とした。次に第1の電極パターンの菱形部分と重ならないように、スクリーン版を用いて同様の作業を他方面側の導電面に行い、これを第2の導電層とした。その後、第1の導電層側の面に、切り出しておいた3枚目を、導電層が最も外側になるように貼りあわせ、これら2つの電極パターンと導電層とが積層されたフィルムを電極パネルとした。得られた電極パネルを白色蛍光灯の下で見てみると、図6のような、2つの電極が重なった電極パターンがはっきり見えた。
以上、実施例1、2と比較例とから本発明の有効性を確認できた。
本発明に係る電極パネルは、導電層の電極パターンを不可視することができ、タッチパネル付きの表示装置等に有用である。
10 タッチパネル
11 基材
12 UV硬化樹脂層
13 光学機能層
14 導電層
15 ダミー層
16 電極をパターニングした第1の積層体(片面のみ電極パターン)
17 電極をパターニングした第2の積層体(両面電極パターン)
18 電極をパターニングした第3の積層体(片面が電極パターン、他面が第三パターニング面)
20 透明接着層
21 シールド層
30 表示パネル
40 フロントパネル
50 接着剤層

Claims (7)

  1. 表示装置と重ね合わせて用いられ、被接触位置を検出可能な電極パネルであって、
    第1方向に並列に延びる複数の電極パターンを有する第1の導電層と、
    前記第1方向と直交する第2の方向に並列に延びる複数の電極パターンを有する第2の導電層と、
    前記第1の導電層の電極パターンと前記第2の導電層の電極パターンとを重ね合わせたパターンと相補的な形状を有し、かつ、前記第1の導電層および前記第2の導電層とほぼ同じ光学特性の材料よりなるダミーパターンを有するダミー層とを備える、電極パネル。
  2. 基材の一方面側に前記第1の導電層を有し、他方面側に前記第2の導電層を有する積層体と、基材の一方面側に前記ダミー層を有する積層体とを貼り合わせてなる、請求項1に記載の電極パネル。
  3. 基材の一方面側に前記第1の導電層を有する積層体と、基材の一方面側に前記第2の導電層を有し、他方面側に前記ダミー層を有する積層体とを貼り合わせてなる、請求項1に記載の電極パネル。
  4. 前記ダミー層が導電性を有する材料よりなる、請求項1〜3のいずれかに記載の電極パネル。
  5. 前記導電性を有する材料よりなるダミー層が、電気的なノイズを電極パネルに与えないために組み込まれるシールド層である、請求項4に記載の電極パネル。
  6. 表示装置と重ね合わせて用いられ、被接触位置を検出可能な電極パネルの製造方法であって、
    第1方向に並列に延びる複数の電極パターンを有する第1の電極パターンと、前記第1方向と直交する第2の方向に並列に延びる複数の電極パターンを有する第2の電極パターンとを、導電層を有する積層体にパターニングする工程と、
    前記第1の電極パターンと前記第2の電極パターンとを重ね合わせたパターンと相補的な形状となるダミーパターンを積層体にパターニングする工程とを備える、電極パネルの製造方法。
  7. 前記ダミーパターンを有するダミー層は、前記第1および第2の電極パターンを有する導電層を遮光材として用いるフォトリソグラフィー法で作製する、請求項6に記載の電極パネルの製造方法。
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