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JP2013000330A - 乳房再生部調整方法 - Google Patents

乳房再生部調整方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 乳房再建後の乳房の外観バランスを良好にするために、その準備のための乳房再生部調整方法を提供する。
【解決手段】 乳房再建の準備のための乳房代替物10を調整する際に、残存する乳房若しくはこれから切除する乳房を転写して乳房雌型1を作成する乳房雌型作成工程101と、その乳房雌型1の凹状部1aに乳房代替物10を、該凹状部1aからはみ出した部分を含むように凹状部1aに収容する収容工程102と、その乳房代替物10の乳房雌型1の凹状部1aからはみ出した部分を乳房代替物10の不要部分301として除去する、若しくは除去する境界を表示する、又は該はみ出した部分を折り返してはみ出さないように小さくする、又は小さくする基準線を表示するサイズ調整工程又は表示工程と、サイズ調整工程又は表示工程後に、乳房雌型1から乳房代替物10として取り出して準備する代替物準備工程104とを含む。
【選択図】 図1

Description

本発明は、乳房再建(再生)の準備のための乳房代替物を調整する乳房再生部調整方法に関する。
従来、乳がんやその他腫瘍などにおいて乳房を切除した場合や、先天的に片方の乳房が発育不全の場合に、残る片方の乳房との外観的な左右のバランスを補うようにするために乳房再建が行われている。
そして、この乳房再建としては、外科手術によって人工物を埋め込む方法、外科手術によって自家組織を移植する方法が知られている。なお、乳房再建の施術方法については特許の対象とされていないため、特許文献1は乳がん手術後の胸部補整用パッドに関するものである。
実公昭62―23763号公報
この乳房再建において、自家組織を使用するものにあっては、移植元となる自家組織を摘出し、それを乳房再建部位に移植するものであるが、その摘出移植した自家組織による術後の外観として、残りの乳房の外観との間でバランス(均等化)させることが難しい。
本発明の課題は、乳房再建後の乳房の外観バランス等を良好にするために、その準備を可能にする乳房再生部調整方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の乳房再生部調整方法は、乳房再建の準備のための乳房代替物を調整する際に、残存する乳房若しくはこれから切除する乳房を転写して乳房雌型を作成する乳房雌型作成工程と、その乳房雌型の凹状部に乳房代替物を、該凹状部からはみ出した部分を含むように前記凹状部に収容する収容工程と、その乳房代替物の前記乳房雌型の該凹状部からはみ出した部分を前記乳房代替物の不要部分として除去する、若しくは除去する境界を表示する、又は該はみ出した部分を折り返してはみ出さないように小さくする、又は小さくする基準線を表示するサイズ調整工程又は表示工程と、前記サイズ調整工程又は前記表示工程後に、前記乳房雌型から前記乳房代替物として取り出して準備する代替物準備工程と、を含むことを特徴とする。
この方法により調整された乳房代替物が、胸部の乳房再建部位にあてがわれ、その周囲が縫合されるとともに、例えば自家組織である生体組織の乳房代替物であれば、その乳房代替物内の血管と胸部の血管とがつながれることにより、または血管が連続したままの状態で、その移植された生体組織が胸部の一部として再生し、乳房が再建されることとなる。このように本発明は乳房再建のための準備、即ち乳房代替物のサイズを調整することが可能となる。
従来では、残存する乳房と再建した乳房との大きさが異なりがちで、再建する側の自家組織の、不要と思われる部分を切除しすぎると後から回復できなくなるので、いきおい再建する側の乳房の方が大きくなりやすく、左右がアンバランスとなる場合が多くなる。これは形の作製や大きさの調整を術者が目分量で行っているためである。これに対し、この発明によれば、残存する乳房等の形状を予め乳房雌型に転写形成し、この乳房雌型に再建用の摘出した自家組織を収容して乳房雌型の凹状部の例えば外側にはみ出した部分と上側にはみ出した部分の少なくとも一方から、はみ出る部分を不要部分として除去し、又は不要部分と必要部分との境界を、例えばマーキングにより表示(その後に除去)したり、又は自家組織のはみ出した部分を折り返して、はみ出さないように小さくすることや、はみ出した部分に小さくするための基準線を表示するサイズ調整工程又はその後に除去するための表示工程を行うことで、残存乳房と再建乳房との大きさをほぼ均一にすることができる。このように自家組織によって残存する乳房の形態を忠実に再現できる乳房代替物を準備できるため、乳房再建後においては自然でバランスがとれた体形に戻ることができ、精神的な安心感も得られ社会生活に対する不安が解消される。
また、本発明の乳房再生部調整方法の前記サイズ調整工程は、前記乳房雌型の凹状部からはみ出した部分を除去する不要部分除去工程とすることができる。又は前記サイズ調整工程は、前記乳房雌型の凹状部からはみ出した部分を折り返して縫合することによりサイズを縮小する工程とすることができる。乳房雌型作成工程では、残存する乳房やこれから切除する乳房表面に、ゲル化した樹脂材料を肉盛りし、硬化させた後に前記乳房から取り外す工程を含む。これにより乳房を母型とする型取りが容易となる。
なお、本発明の乳房再生部調整方法の前記自家組織は皮膚、皮下組織からなる皮弁が好適には用いられる。
本発明に係る乳房再生部調整方法の工程図である。 一期再建又は二期再建における乳房再建部位を示す図である。 乳房雌型作成工程による乳房雌型の作成工程を示す図である。 同上乳房雌型の他の例の作成工程を示す図である。 乳房雌型の凹状部に自家組織を収容する収容工程を示す図である。 凹状部に収容された自家組織が乳房雌型からはみ出した部分を含む状態を示す図である。 生体細胞の不要部分を刃物で切断する状態を示す図である。 乳房雌型からはみ出した不要部分を識別するマークを生体細胞に表示する位置を示す図である。 表示されるマークを平面視で示す図である。 不要部分除去工程の他の例を示す図である。 不要部分除去工程の更に他の例を示す図である。 自家組織を縫い合わせて乳房代替物の形を整える工程を示す図である。 自家組織を縫い合わせた後、不要部分を除去して乳房代替物の形を整える工程を示す図である。 軟質樹脂からなる事前調整用乳房代替物を使用した乳房再生部調整方法の一部の工程を示す図である。 乳房代替物又は事前調整用乳房代替物を乳房再建部位に埋め込む状態を示す図である。 乳房雌型の乳首凹部を使用して乳首代替物を作成する工程を示す図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。図1は乳房再建部位に対する乳房再建の準備のため乳房代替物(主に自家組織)を調整する工程図である。また、図2は一期再建又は二期再建における乳房再建部位を示す図である。なお、一期再建は、乳房切除手術に引き続いて乳房再建手術を行うものであり、また、二期再建は、乳房切除後、適宜期間をおいてから乳房再建手術を行うものである。
この発明の乳房再生部調整方法は、図1、2に示すように、例えば乳がん等において乳房を切除した後や、先天的に片方の乳房が発育不全の場合に、残存する乳房400の外形を転写するようにして、若しくは、これから乳がんで乳房を切除する場合の切除前の乳房400の外形を転写するようにして、乳房雌型1を作成する乳房雌型作成工程101と、この乳房雌型1の凹状部1a内に自家組織300を収容する自家組織収容工程102とを含んでいる。
その自家組織収容工程102は乳房雌型1の凹状部1aに、自家組織300を凹状部1aの内面と接触するように、かつ、凹状部1aの開口部から少なくとも外側(図面上の左右横方向)にはみ出した部分、または必要に応じて上側(図面上の上方向)に、はみ出した部分を含むように、自家組織300を収容充填する。
さらに、乳房雌型1の凹状部1aからはみ出した部分を自家組織300の不要部分301として除去する、例えば不要部分除去工程103と、この不要部分除去工程103後に、乳房雌型1から自家組織300を乳房代替物10として取り出して準備する代替物準備工程104とを含む。はみ出した部分の組織を切除して除去する場合は、この自家組織300の血管を見ながら、これを損傷しないように安全に組織を切除することが望ましい。
不要部分除去工程103において、自家組織300の凹状部1aからはみ出した不要部分301を乳房雌型1に収容した状態で除去する代わりに、そのはみ出した部分の境界を示すマーク700をインクなどによって表示(マーキング)する表示工程102aを行い、その後、自家組織300を乳房雌型1から取り出す取出工程103aを行い、その取り出し後に不要部分301をマーク700に沿って切除し、乳房代替物10の代替物準備工程104aを行ってもよい。
いずれにしても、上記のようにサイズが適正に調整された乳房代替物10である移植用の自家組織300が図2に示す乳房欠損部位500に縫合される。例えば乳房欠損部位500の側方の脇部(Z)から乳房欠損部位(再建部)500が切開され、乳房代替物(皮弁)300がその乳房欠損部位(再建部)500の皮下組織にあてがわれて縫合される。また、移植用の自家組織300に血流を生じさせるために、その移植用の自家組織300の血管と胸部の血管とが縫合処理される。なお、選択される自家組織300によっては本来の血管が連続した状態で移植可能なこともある。このように、乳房代替物10を外科的手術で移植する際に、その前提となる予め準備される人体から取り出された乳房代替物300が、術後の外観として残存する乳房400又は切除前の乳房を母型として作成した乳房雌型1を使用しているため、残存する乳房400との間で外観をバランスさせることができる。
乳房雌型作成工程101による乳房雌型1の作成例としては、図3(a)、(b)に示すように、合成樹脂材料(樹脂材料)であるシリコーン樹脂としての型取り用のシリコーンゴム50の主剤に所定の硬化剤を混ぜ合わせてゲル化したものを型取り用の材料として用いる。
そして、このシリコーンゴム50を残存する乳房400の表面401若しくは、これから乳がんで乳房を切除する場合の切除前の乳房400の表面401に肉盛りし、所定の硬化時間を経た後に、ゴム状に硬化させた乳房雌型1を、乳房400から離型させるように取り外す工程としての乳房雌型作成工程101を含んでいる。なお、この乳房雌型1には、乳房400の乳首402の形状も乳首凹部1cとして転写される。
このシリコーンゴム50としては、室温硬化型のシリコーンゴム、いわゆる主剤と硬化剤との混合による2液付加反応型RTVシリコーンゴム以外に、1液型RTVシリコーンゴムなどがある。これらシリコーンゴム50の例として、「旭化成ワッカーシリコーン社製:DENTAL ADS931A/B」また、「ブルースターシリコーンズ社製:RTV4353A/B、RTV4348A/B、RTV4358A/B、RTV4760A/B、RTV4362A/B、RTV4765A/B、RTV4388A/B」などを挙げることができる。室温(常温とも言われ、その温度は日本工業規格(JISZ8703)では20℃±15℃とされている)でゴム状に硬化することにより乳房雌型1を得ることが可能である。
また、他の変形例としては、図4(a)、(b)、(c)に示すように、残存する乳房400若しくは、これから乳がんで乳房を切除する場合の切除前の乳房400の周りを注型枠2で囲い、この注型枠2内に主剤に所定の硬化剤を混ぜ合わせたシリコーンゴム50を注入し、所定の硬化時間を経た後に、ゴム状に硬化させた乳房雌型1を、注型枠2および乳房400から離型させるようにして取り出すことが可能である。
図1に示す自家組織収容工程102の自家組織300の組織は、例えば人体からヒトの皮膚302と皮下組織303の血流を保ったまま切除された部位が用いられ、この自家組織300(以下、皮弁300ともいう。)を乳房欠損部位(乳房再建部位500)へ移植して乳房再建をする。一般的には広背筋皮弁または腹直筋皮弁が使用されるが、なかでも例えば下腹部の深下腹壁動静脈穿通枝(DIEP)という血管、そしてそれにつながる皮膚や脂肪を、皮膚を含む移植組織である皮弁(移植直後から血流によって保たれる)として取り出し、若しくは背中の皮下脂肪および筋肉を用い、これを乳房欠損部位へ移植することもできる。
また、本発明の方法における自家組織収容工程102において、図5(a)、(b)に示すように、自家組織としての皮弁300が不定形であることにより、乳房雌型1の凹状部1a内に皮弁300を収容した状態では、凹状部1aに没入するように皮弁300が変形するが、図6(a)、(b)に示すように、乳房雌型1の凹状部1aと皮弁300との間に、図5(b)に示す隙間800が生じないように、かつ、乳房雌型1の凹状部1aからはみ出した部分(不要部分301)を含むように皮弁300を収容し充填する。
この自家組織収容工程102を行う際は、図6(b)に示すように、乳房雌型1自体の変形を抑制並びに位置保持のために乳房雌型1の下側にホルダベース3(保持部材)を配設することが好ましい。このホルダベース3を作業台の上面に載置し、ホルダベース3の上に乳房雌型1を保持して皮弁300を凹状部1aに収容すれば、乳房雌型1の変形や位置ずれを防止できる。このホルダベース3は乳房雌型1を成形するシリコーンゴム50よりも、機械的強度が高いとされる他の材料、例えばより硬質な樹脂としてのポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、木、陶磁器、金属、石膏などを使用できる。
そして、図6に示す乳房雌型1の凹状部1aの外側の周縁からはみ出した部分を皮弁300の不要部分301として除去する不要部分除去工程103は、図7に示すように、乳房雌型1から外側にはみ出した皮弁300の不要部分301をハサミ、剪刃、メスなどの手術器具としての刃物900によって切除すればよい。
また、不要部分除去工程103をスキップして表示(マーキング)工程102aに移る場合は、図8、9に示すように、不要部分301を除去する境界としてのマーク700を手術用のインクなどを使用して表示(マーキング)する。この表示工程102aにおけるマーク700の表示個所は、乳房雌型1の周縁に沿った箇所P1における上下面の少なくとも一面に連続的又は断続的に付与することができる。そして、乳房雌型1の皮弁300に表示工程102aのマーク700をした後、そのマーキングに沿って(これを目印に)不要部分301を切除することによりサイズ調整された乳房代替物10となる。
また以上の説明では、図6に示すように、乳房雌型1の外周縁(凹状部1aの開口縁)から外側(側方)へはみ出した部分301(不要部分)を切除、又はマーカー等で境界を表示したが、図10に示す不要部分除去工程の例においては、乳房雌型1のから上側へはみ出す部分を切除する。つまり乳房雌型1の開口上面を通る面P2に概ね沿うように、上側はみ出し部301’(不要部分)を切除し、サイズを調整する。
また、図11に示す不要部分除去工程のように、まず乳房雌型1の外側にはみ出す部分301(不要部分)を乳房雌型1の外周縁P1に沿って切除した後、乳房雌型1の上側にはみ出す部分の上側はみ出し部301’を、開口上面を通る面P2に概ね沿うように切除して、目的とするサイズ調整された乳房代替物10を得るようにしてもよい。
なお、切除の順序は、上側にはみ出した部分を切除した後、外側へはみ出す部分を切除するのでもよい。このように、不要部分を2回に分けて切除することにより、1度に切除する場合に比べ不要部分除去工程がより正確かつ容易となる。
また、以上は、上側はみ出し部301’を切除する不要部分除去工程を説明したが、マーカー付与工程(表示工程)であれば、図10の乳房雌型1の開口上面の外周縁に沿って必要部分、不要部分の境界線(開口上面を通る面P2に対応)を表示し、その後、乳房雌型1から取り出し、その境界線に沿って切除してもよい。
図11の乳房雌型1から外側へはみ出した部分と上側へはみ出した部分について、複合的に必要部分との境界線を表示する場合は、外側にはみ出した部分の境界と上側にはみ出した部分の境界との2種(P1、P2)の表示をした後、乳房雌型1から取り出し、不要部分除去工程を行うことができる。
また、不要部分除去工程は、サイズ調整工程を含んでいる。このサイズ調整工程としての自家組織を縫い合わせて形を作る例として、図12に示すように、乳房雌型1の凹状部1a内に皮弁300を収容した後、凹状部1aからはみ出した皮弁300の一部を重ねるように折り返し、その重ねた箇所の周囲S1を縫い合わせて乳房代替物10の形を整えることができる。この例は乳房雌型1の凹状部1aから外側又は上側にはみ出した部分を切除することなく、折り返して縫合することにより、サイズを乳房雌型1に適合するように調整する例である。
また、図13に示すように、図12で形を整えた乳房代替物10に対し、凹状部1aの開口周縁から上側の部位を不要部分301として切除することができる。具体的には、上側にはみ出る部分を開口上面を通る面P2に沿って図中の線P3の位置まで切除し、あとを残すこと、さらに、開口上面を通る面P2に沿って図中の線P3の位置まで切除するとともに、外側へはみ出した不要部分301が生じる場合、図中の線P4のラインで外側の不要部分301を切除すること(図13の最下段における右側の図を参照)、さらには、上側にはみ出る部分を開口上面を通る面P2に沿って全て切除すること(図13の最下段における左側の図で示す乳房代替物10)もできる。もちろん、切除することなしにその境界をマーカー等で表示して乳房雌型1から取り出した場合、そのマーカー等で表示された境界に沿って後から切除してもよい。また、図12及び図13に示すように、皮弁300の凹状部1aからはみ出した部分を折り返し縫合して小さくするための基準線として例えば、縫合予定線をマーキングし、皮弁300を乳房雌型1から取り出した後、上記縫合予定線に沿って皮弁300を縫合してサイズ調整をしてもよい。
なお、図14に示すように、乳房雌型1の凹状部1aにシリコーンゴム等の軟質樹脂として硬化する樹脂を注入又は充填し(同図(a),(b))、硬化した後に乳房雌型1から取り出して軟質樹脂(例えばシリコーンゴム製)の疑似乳房モデル20を作成することができる。乳房代替物10(皮弁300)を図2のように乳房再建部500の皮下に入れて縫合するのに先立って、図15(a)に示すように、上記疑似乳房モデル20を、その乳房欠損部位500の皮下に入れて縫合位置の確認等をすること(残存する乳房に対して乳房代替物10(皮弁300)を縫合する位置を、左右のバランスが取れる位置に定める等)ができる。この場合、例えば乳房欠損部位500の胸皮の一部が脇側から切開(Z)され、その切開部Zからまずは疑似乳房モデル20を仮に挿入しあてがってみて、後から入れる乳房代替物10(皮弁300)の縫合位置の確認又は予定をし、その後疑似乳房モデル20を皮下から取り出し、これに代えて本来の乳房代替物10(皮弁300)を皮下に入れ、上述の予め確認又は予定した縫合位置で皮弁300を胸部皮下組織に縫合し、また脇部の切開部Zを縫合し閉じることとなる。なお、図15(b)に示すように、疑似乳房モデル20を外側から乳房欠損部位にあてがうように用いてもよい。
さらに、図1の不要部除去工程103、マーキング工程102a、図12、図13のサイズ調整工程等において、この疑似乳房モデル20を参照しつつ上記工程を行うことにより、乳房代替物10のサイズをより正確かつ容易に調整することができる。
図3、4に示すように、残存する乳房400を乳房雌型1に転写する際は、残存する乳房400の乳首部(乳首とその周りの乳輪部)も乳房雌型1の凹状部1aに乳首凹部1cとして転写される。この乳首凹部1cは乳房再建のために採取された皮弁300の大きさを調整する機能には直接的に関与しないが、皮弁300を胸部に移植しても乳首部のない膨出する形態となるので、この膨出面の頂部に人工的に作成した図16に示す乳首代替物200を、図2に示す乳房再建部位500に接着することができる。
この乳首代替物200を、例えばシリコーンゴムで製作するために、残存する乳首部の凹状部1aに対する転写部(凹状部1aの凹み1c)を利用する。すなわち、図16に示すように、乳頭200aと乳輪200bを含んだ乳首代替物200を、乳房雌型1の凹状部1aに形成される乳首凹部1cを利用して製作する。この乳首凹部1cに乳房雌型1で用いたものと同様なシリコーンゴム50を流し込んで硬化させて成形し、この乳首代替物200を離型させた後、乳首代替物200を乳房代替物10に貼着することができる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、これらはあくまで例示にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではなく、各々の実施の形態は、本発明の説明のために一つの実施形態の部分として述べられている構成を、別の実施の形態において利用し、更にこれらを組み合わせて別の実施の形態とすることができる。
1 乳房雌型
1a 凹状部
10 乳房代替物
101 乳房雌型作成工程
102 自家組織収容工程
102a マーキング(表示)工程
103 不要部分除去工程
103a 取出し工程
104、104a 代替物準備工程
300 自家組織(皮弁)
301、301’ 不要部分

Claims (7)

  1. 乳房再建の準備のための乳房代替物を調整する際に、残存する乳房若しくはこれから切除する乳房を転写して乳房雌型を作成する乳房雌型作成工程と、
    その乳房雌型の凹状部に乳房代替物を、該凹状部からはみ出した部分を含むように前記凹状部に収容する収容工程と、
    その乳房代替物の前記乳房雌型の該凹状部からはみ出した部分を前記乳房代替物の不要部分として除去する、若しくは除去する境界を表示する、又は該はみ出した部分を折り返してはみ出さないように小さくする、又は小さくする基準線を表示するサイズ調整工程又は表示工程と、
    前記サイズ調整工程又は前記表示工程後に、前記乳房雌型から前記乳房代替物として取り出して準備する代替物準備工程と、
    を含むことを特徴とする乳房再生部調整方法。
  2. 前記サイズ調整工程は、前記乳房雌型の凹状部からはみ出した部分を除去する不要部分除去工程である請求項1に記載の乳房再生部調整方法。
  3. 前記乳房雌型の凹状部からはみ出した部分は、前記凹状部の外側にはみ出した部分と上側にはみ出した部分の少なくとも一方を含む請求項1に記載の乳房再生部調整方法。
  4. 前記サイズ調整工程は、前記乳房雌型の凹状部からはみ出した部分を折り返して縫合することによりサイズを縮小する工程である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の乳房再生部調整方法。
  5. 前記乳房雌型作成工程は、残存する乳房の表面若しくはこれから切除する乳房の表面に、ゲル化した樹脂材料を肉盛りし、硬化させた後に前記乳房から取り外す工程を含むものである請求項1ないし4のいずれか1項に記載の乳房再生部調整方法。
  6. 前記乳房代替物は生体組織であり、乳房再建部位に縫合されるものである請求項1ないし5のいずれか1項に記載の乳房再生部調整方法。
  7. 前記乳房雌型を作成した後、前記乳房代替物作成前又は後に、その乳房雌型の凹状部に流動性のある樹脂を注入又は充填して硬化させた後に該乳房雌型から取り出して、軟質樹脂製の疑似乳房モデルを作成する工程と、
    それにより得られた疑似乳房モデルを、前記サイズ調整工程もしくは表示工程の際に参照し、または乳房再建部位に対する乳房代替物の縫合位置の確認に使用する請求項1ないし6のいずれか1項に記載の乳房再生部調整方法。
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