JP2013097693A - 骨粗鬆症リスク判定システム及びプログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】特定の年齢における骨粗鬆症の発症確率を算出して骨粗鬆症リスク判定を行うデータ処理装置を有するシステムにおいて、データ処理装置が、発症関連遺伝子に含まれる複数の遺伝子多型の各々について、発症リスクに対応した遺伝子型数値を記憶したデータベースと、発症関連遺伝子の検査により得られ入力された遺伝子多型に基づいてデータベースから対応する遺伝子型数値を取得する手段と、生活習慣関連値、閉経年齢、及び、発症確率算出年齢を入力される手段と、発症確率を算出する数式に含まれる複数の変数の各々に対し所定の数値を代入して発症確率を算出する手段と、を有し、変数に代入する数値自体として又は代入する数値を算出するための数値として、遺伝子型数値、生活習慣関連値、閉経年齢、及び、発症確率を算出する年齢を用いる。
【選択図】図2
Description
また、骨粗鬆症は、遺伝子多型の影響を受けやすい疾患であるが、生活習慣病の一つでもあるから、予防としては生活習慣の改善が有効である。
前記発症確率を算出するための所定の数式に含まれる複数の変数に対して所定の数値を代入することにより、前記発症確率を算出する手段と、を有し、前記遺伝子型数値、前記生活習慣関連値、前記閉経年齢及び前記発症確率を算出する年齢を、前記複数の変数の各々に代入する数値自体として、又は、前記複数の変数の各々に代入する数値を算出するための数値として用いることを特徴とする。
(1)遺伝子検査と生活習慣関連情報から、より精度の高い骨粗鬆症発症リスク判定を行うことができる。
(2)被判定者に対し予防方針を提言できる。
(3)被判定者に合った予防方針を提示することができ、通常の遺伝子検査及び骨粗鬆症のリスク診断よりも被判定者のメリットが大きい。
(4)予防方針に基づいて医療従事者が被判定者に適切なアドバイスすることができる。
(5)遺伝子型は不変であるが、生活習慣は改善することができるため、1回の健診で終わりではなく、その後のフォローアップにも使うことができる。
図1は、本発明の骨粗鬆症リスク判定システムの一実施例における運用の流れを概略的かつ模式的に示した図である。
ID登録テーブル221には、「ID」31、「パスワード」32、「登録年月日」33の項目がある。ID及びパスワード32は、検査キットの製造時に各キットに割り当てられた時点で格納され、登録年月日は、遺伝子検査の受付時すなわち検査キットが被判定者に渡され同意書に同意がなされた時点で格納される。なお、IDは、被判定者情報DB21内の各テーブル間をリンク付けており、特定の被判定者のデータの抽出に用いられる。
検査結果テーブル222には、「ID」41と7種の遺伝子型42の各々の項目がある。検査により判明した遺伝子型のデータが格納されている。
骨粗鬆症の発症リスクに関係する7種の遺伝子型とその多型の部位は、次の通りである。最初の()内は遺伝子名の略号である。
・エストロゲン受容体β遺伝子(ESR2)(rs9340799)
・インターロイキン−6(IL6)(rs1800796)
・インスリン様成長因子-2受容体(IGF2R2)(rs629849)
・アンドロゲン受容遺伝子(ADR)(rs4045402)
・コネクチン37(CX37)(rs1764391)
・血小板活性化因子アセチルヒドロラーゼ(PAFH)(rs45619133)
・インターロイキン−1β(IL1B)(rs16944)
10×Ex Taq Buffer* 5 μl
dNTP Mixture (各2.5 mM) 4 μl
ゲノムDNA <500 ng
Primer 1 0.2〜1.0 μM(最終濃度)
Primer 2 0.2〜1.0 μM(最終濃度)
滅菌蒸留水 50 μlまで
問診情報テーブル223には、「ID」51、「カルシウム摂取量」52、「身長」53、「体重」54、「BMI値」55、「握力値」56、「発症確率算出年齢」57、「閉経年齢」58の各項目がある。BMI値は、身長と体重のデータに基づいて自動算出されて格納される。発症確率算出年齢は、発症確率を算出する特定の年齢である。閉経年齢は、最終月経のあった年齢である。なお、問診情報テーブル223へのデータの格納は、遺伝子検査の結果が検査結果テーブル222に格納された後に行われる。
リスク判定結果テーブル224には、「ID」61、7種の遺伝子型の各々についての「リスクレベル判定結果」62、「発症確率算出年齢」63、「発症確率」64、「標準値比」65の各項目がある。リスクレベル判定結果は、後述する図8の遺伝子型関連情報テーブルのリスクレベルを参照して遺伝子型数値を格納する。遺伝子型数値は、この実施例では"1"がリスク有りを示し、"0"がリスク無しを示している。発症確率は、後述する数式に従って算出される。標準値比は、算出された発症確率と、後述する図7の標準値情報テーブルの発症確率標準値との比を算出し、格納している。
図7は、標準値情報テーブル231の構成例である。
標準値情報テーブル231には、「年齢」71、「発症確率」72、「カルシウム摂取量」73、「BMI値」74、「握力値」75の各項目がある。このテーブルには各年齢についての各項目の標準的な値が格納される。発症確率については、本システムにより算出された各年齢における発症確率の平均値でもよく、あるいは、実際の症例データに基づいた各年齢における発症確率でもよい。カルシウム摂取量、BMI値及び握力値の各々については、本システムの対象となる被判定者の各年齢における平均値でもよい。また、平均値に限らず、理想値や推奨値でもよい。
遺伝子型関連情報テーブル232には、「遺伝子名略号」81、「遺伝子型」82、「リスクレベル(遺伝子型数値)」83、「生活習慣感受性」84の各項目がある。「遺伝子名略号」81には、7種の遺伝子が含まれる。各遺伝子の複数の遺伝子型にそれぞれ対応するリスクレベルが数値(遺伝子型数値)で既定されている。この実施例では、リスクレベルを示す遺伝子型数値は、"1"(リスク有り)又は"0"(リスク無し)である。
予防方針コメント情報テーブル233には、「コメント文テンプレート」81、「選択肢x」92の各項目がある。コメント文テンプレートは、変数x以外の部分が定型のコメント文である。選択肢xは、変数xに代入される複数の選択肢であり、問診情報テーブル223、リスク判定結果テーブル224、標準値情報テーブル231、遺伝子型関連情報テーブル232等を参照していずれかの選択肢が選択される。変数xに選択肢を代入され完成したコメント文は、リスク判定結果の表示又は予防方針の表示において表示装置の画面に表示される。
以下のフロー例の説明においては、上述の図面中の符号を参照する場合がある。
先ず、図6のリスク判定結果テーブル224及び図5の問診情報テーブル223から次の各データを取得する(ステップ1003)。
・7種の遺伝子型の遺伝子型数値
・生活習慣関連値(カルシウム摂取量、BMI値、握力値)
・閉経年齢
・発症確率算出年齢
上記のZは、1個の定数パラメータと、12個の各定数のパラメータと各変数Xn(n=1,...,12)の積と、を加算したものである。
各変数Xn(n=1,...,12)に代入される数値は、遺伝子型数値、生活習慣関連値(カルシウム摂取量、BMI値、握力値)、閉経年齢及び発症確率算出年齢のうちのいずれかの数値自体、又は、これらの数値から算出された数値である。
X6には、IL6の遺伝子型数値とBMI値の積が代入される。
X7には、BMI値が代入される。
X8には、閉経年齢とIGF2R2の遺伝子型数値の積が代入される(但し、閉経前には、例えば50歳を想定値として代入)。
X9には、IL1Bの遺伝子型数値とカルシウム摂取量の積が代入される。
X10には、PAFAHの遺伝子型数値と握力値の積が代入される。
X11には、ESR2の遺伝値型数値と握力値の積が代入される。
X12には、発症確率算出年齢が代入される。
211 被判定者登録処理部
212 検査結果格納処理部
213 問診情報格納処理部
214 リスク判定処理部
215 判定結果及び予防方針表示処理部
22 被判定者情報データベース
221 ID登録テーブル
222 検査結果テーブル
223 問診情報テーブル
224 リスク判定結果テーブル
23 リスク判定用基本情報データベース
231 標準値テーブル
232 遺伝子型関連情報テーブル
233 コメント情報テーブル
24 入力装置
25 表示装置
26 印刷装置
Claims (12)
- 特定の年齢における骨粗鬆症の発症確率を算出して骨粗鬆症リスク判定を行うためのデータ処理装置を有するシステムにおいて、前記データ処理装置が、
骨粗鬆症の発症に関連する遺伝子に含まれる複数の遺伝子型の各々について、骨粗鬆症の発症リスクを示す遺伝子型数値を対応付けてデータベースに記憶する手段と、
遺伝子検査により得られた遺伝子型を入力され、入力された前記遺伝子型に基づいて前記データベースを参照し、対応する遺伝子型数値を取得する手段と、
生活習慣を示す生活習慣関連値、閉経年齢及び発症確率算出年齢を入力される手段と、
前記発症確率を算出するための所定の数式に含まれる複数の変数に対して所定の数値を代入することにより、前記発症確率を算出する手段と、を有し、
前記遺伝子型数値、前記生活習慣関連値、前記閉経年齢及び前記発症確率を算出する年齢を、前記複数の変数の各々に代入する数値自体として、又は、前記複数の変数の各々に代入する数値を算出するための数値として用いることを特徴とする骨粗鬆症リスク判定システム。 - 前記生活習慣関連値が、カルシウム摂取量、BMI値及び握力値であることを特徴とする請求項1に記載の骨粗鬆症リスク判定システム。
- 前記遺伝子が、エストロゲン受容体、インターロイキン6、IGF−2受容体、アンドロゲン受容体、コネクチン37、血小板活性化因子アセチルヒドロラーゼ及びインターロイキン−1βの7種であることを特徴とする請求項2に記載の骨粗鬆症リスク判定システム。
- 算出された前記発症確率を表示装置に表示する手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の骨粗鬆症リスク判定システム。
- 骨粗鬆症の発症に関連する遺伝子に含まれる複数の遺伝子型の各々について、生活習慣感受性情報を記憶したデータベースと、
遺伝子検査により得られた前記遺伝子型に基づいて、前記データベースから対応する生活習慣感受性情報を取得する手段と、
遺伝子検査により得られた前記遺伝子型とともに、取得した前記生活習慣感受性情報を表示装置に表示する手段と、をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の骨粗鬆症リスク判定システム。 - 特定の年齢における骨粗鬆症の発症確率を算出して骨粗鬆症リスク判定を行うべくデータ処理装置を機能させるプログラムであって、
骨粗鬆症の発症に関連する遺伝子に含まれる複数の遺伝子型の各々について、骨粗鬆症の発症リスクを示す遺伝子型数値を対応付けてデータベースに記憶する機能と、
遺伝子検査により得られた遺伝子型を入力され、入力された前記遺伝子型に基づいて前記データベースを参照し、対応する遺伝子型数値を取得する機能と、
生活習慣を示す生活習慣関連値、閉経年齢及び発症確率算出年齢を入力される機能と、
前記発症確率を算出するための所定の数式に含まれる複数の変数に対して所定の数値を代入することにより、前記発症確率を算出する機能と、を実現し、
前記遺伝子型数値、前記生活習慣関連値、前記閉経年齢及び前記発症確率を算出する年齢を、前記複数の変数の各々に代入する数値自体として、又は、前記複数の変数の各々に代入する数値を算出するための数値として用いることを特徴とする骨粗鬆症リスク判定プログラム。 - 前記生活習慣関連値が、カルシウム摂取量、BMI値及び握力値であることを特徴とする請求項7に記載の骨粗鬆症リスク判定プログラム。
- 前記遺伝子が、エストロゲン受容体、インターロイキン6、IGF−2受容体、アンドロゲン受容体、コネクチン37、血小板活性化因子アセチルヒドロラーゼ及びインターロイキン−1βの7種であることを特徴とする請求項8に記載の骨粗鬆症リスク判定プログラム。
- 算出された前記発症確率を表示装置に表示させる機能をさらに実現することを特徴とする請求項7〜10のいずれかに記載の骨粗鬆症リスク判定プログラム。
- 骨粗鬆症の発症に関連する遺伝子に含まれる複数の遺伝子型の各々について、生活習慣感受性情報をデータベースに記憶する機能と、
遺伝子検査により得られた前記遺伝子型に基づいて、前記データベースから対応する生活習慣感受性情報を取得する機能と、
遺伝子検査により得られた前記遺伝子型とともに、取得した前記生活習慣感受性情報を表示装置に表示する機能と、をさらに実現することを特徴とする請求項7〜11のいずれかに記載の骨粗鬆症リスク判定プログラム。
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