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JP2013083178A - スタータ - Google Patents

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JP2013083178A
JP2013083178A JP2011222420A JP2011222420A JP2013083178A JP 2013083178 A JP2013083178 A JP 2013083178A JP 2011222420 A JP2011222420 A JP 2011222420A JP 2011222420 A JP2011222420 A JP 2011222420A JP 2013083178 A JP2013083178 A JP 2013083178A
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Takuma Kozu
琢磨 神津
Akina Kuwata
明菜 桑田
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Denso Corp
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Denso Corp
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Abstract

【課題】カラー19の軸方向移動を規制するピニオン側規制部21及びモータ側規制部22が高速回転時にピニオンチューブ6から外れることはなく、且つ、ピニオンチューブ6に対しモータ側規制部22を容易に組み付けることが出来るスタータを提供する。
【解決手段】ピニオンチューブ6の外周には、リング状のカラー19と、このカラー19の軸方向移動を規制するピニオン側規制部21およびモータ側規制部22とが配設される。ピニオン側規制部21は、ピニオンチューブ6と一体に設けられて、ピニオンチューブ6の全周に鍔状に突設されている。モータ側規制部22は、周方向に連続した環状体によってピニオンチューブ6と別体に設けられ、ピニオンチューブ6の外周に圧入嵌合して組み付けられると共に、ピニオンチューブ6の外周面に形成された段差6dによって圧入位置が規制される。
【選択図】図1

Description

本発明は、出力軸の外周にスプライン嵌合するピニオンチューブを有し、このピニオンチューブを出力軸に対し反モータ方向へ押し出して、ピニオンチューブに支持されるピニオンをエンジンのリングギヤに噛み合わせる片持ち構造のスタータに関する。
従来、片持ち構造と呼ばれるスタータが特許文献1に記載されている。
このスタータは、図6に示す様に、モータ(図示せず)に駆動される出力軸100と、この出力軸100の外周に軸受110を介して嵌合するピニオンチューブ120と、出力軸100の回転をピニオンチューブ120に伝達するクラッチ130と、ピニオンチューブ120の軸方向反モータ側(図示左側)の端部に直スプライン嵌合するピニオン140と、クラッチ130とピニオン140との間に配置される軸受150を介してピニオンチューブ120を支持するハウジング160等より構成され、電磁スイッチ(図示せず)によりシフトレバー170を駆動して、ピニオンチューブ120をクラッチ130と一体に出力軸100に対して反モータ方向(図示左方向)へ押し出して、ピニオン140をエンジンのリングギヤに噛み合わせる方式である。
上記のスタータは、電磁スイッチの作動によってピニオンチューブ120を反モータ方向へ押し出す際に、ピニオンチューブ120と一体にクラッチ130が移動する構成であるため、移動体(ピニオンチューブ120、クラッチ130、ピニオン140)の質量が大きくなり、電磁スイッチを小型化する上で課題となっている。
これに対し、特許文献2に記載された片持ち構造のスタータがある。
このスタータは、図7に示す様に、クラッチ130のインナチューブ131に対してピニオン軸180がヘリカルスプライン嵌合によって軸方向へ移動可能に設けられ、そのピニオン軸180の軸方向反モータ側の端部にピニオン140が組み付けられている。この構成では、電磁スイッチの作動によってピニオン軸180を反モータ方向へ押し出す際に、クラッチ130が移動しないため、特許文献1のスタータと比較して、移動体(ピニオン軸180、ピニオン140)の質量を小さくできる。その結果、移動体を押し出すための吸引力を発生する電磁スイッチの小型化を図ることが可能である。
特開2006−177168号公報 特許第4544238号公報
上記の特許文献2に記載されたスタータは、エンジンが完爆してピニオン140がエンジンによって回されると、ピニオン140を支持するピニオン軸180が高速回転するため、シフトレバー170をピニオン軸180に直接係合させることができない。
そこで、特許文献2に係るスタータでは、図7に示す様に、ピニオン軸180の外周に相対回転可能に嵌合するレバーリング190を有し、このレバーリング190にシフトレバー170を係合させている。レバーリング190の軸方向ピニオン側(図示左側)には、レバーワッシャ200と第1のリングワッシャ210およびスナップリング220が配置され、このスナップリング220がピニオン軸180に形成された周溝に嵌合して軸方向に固定されることで、レバーリング190の軸方向ピニオン側への移動が規制される。一方、レバーリング190の軸方向モータ側には、第2のリングワッシャ230が配置され、この第2のリングワッシャ230がピニオン軸180の外周に形成された段差に係合して軸方向に位置決めされることで、レバーリング190の軸方向モータ側への移動が規制される。
ところが、上記の構成では、ピニオン140がエンジンによって回されるオーバラン時にピニオン軸180が高速回転すると、スナップリング220が遠心力によってピニオン軸180から外れる恐れがあった。
また、ピニオン軸180は、スナップリング220を固定する位置より反モータ側の外周面が軸受240によって回転自在および軸方向に摺動自在に支持され、且つ、軸受240の反モータ側にシール部品250が配置されるため、ピニオン軸180の外周面に傷が付くことは避ける必要がある。このため、ピニオン軸180の外周面に傷を付けないように、スナップリング220を慎重に組み付ける必要があり、組み付け工程に掛かる時間が長くなって、コストアップの要因となっている。
本発明は、上記事情に基づいて成されたもので、その目的は、カラーの軸方向移動を規制するピニオン側規制部およびモータ側規制部が高速回転時にピニオンチューブから外れることはなく、且つ、ピニオンチューブに対しピニオン側規制部およびモータ側規制部を容易に組み付けることが可能なスタータを提供することにある。
(請求項1の発明)
本発明のスタータは、トルクを発生するモータと、このモータの回転軸と同一軸線上に配置され、且つ、外周面に雄スプラインが形成された出力軸と、モータの発生トルクを出力軸に伝達するクラッチと、内周面に雌スプラインが形成され、この雌スプラインが雄スプラインに噛み合って出力軸の外周に嵌合すると共に、外周面が軸受を介してハウジングに回転自在および軸方向に摺動自在に支持されるピニオンチューブと、軸受より軸方向反モータ側へ突き出るピニオンチューブの端部に配設されてピニオンチューブと一体に回転するピニオンと、電磁石の吸引力によりシフトレバーを駆動して、ピニオンチューブをピニオンと一体に出力軸に対して反モータ方向へ押し出す電磁ソレノイドと、軸受より軸方向モータ側のピニオンチューブに組み付けられ、シフトレバーを介して受ける反モータ方向への押し出し力をピニオンチューブに伝達する押出力伝達手段とを備える。
押出力伝達手段は、ピニオンチューブの外周に相対回転自在に嵌合するリング状のカラーと、このカラーと一体または別体に形成されてカラーに対し相対回転不能に設けられ、且つ、シフトレバーに係合するレバー係合部と、ピニオンチューブと一体に設けられて、カラーの軸方向ピニオン側への移動を規制するピニオン側規制部と、周方向に連続した環状体によってピニオンチューブと別体に設けられ、カラーの軸方向モータ側への移動を規制するモータ側規制部とを有し、モータ側規制部は、ピニオンチューブの外周にしまりばめにより固定されていることを特徴とする。なお、「しまりばめ」とは、ピニオンチューブの外径とモータ側規制部の内径との間に締め代を与えて嵌合する手段であり、例えば、圧入または焼き嵌め等がある。
上記の構成において、ピニオン側規制部は、ピニオンチューブと一体に設けられているので、特許文献2に記載されたスナップリング220のように、高速回転時にピニオンチューブから外れることはない。また、モータ側規制部は、ピニオンチューブと別体に設けられるが、周方向に連続した環状体であるため、ピニオン側規制部と同じく、高速回転時にピニオンチューブから外れることはない。
さらに、ピニオン側規制部がピニオンチューブと一体に設けられるので、モータ側規制部は、必然的に軸方向モータ側の端部からピニオンチューブの外周に嵌合して組み付けられる。この場合、モータ側規制部をピニオンチューブに組み付ける際に、ピニオン側規制部より軸方向反モータ側のピニオンチューブの外周をモータ側規制部が通ることはないので、軸受に支持されるピニオンチューブの外周面に傷が付くことはない。
(請求項2の発明)
本発明のスタータは、トルクを発生するモータと、このモータの回転軸と同一軸線上に配置され、且つ、外周面に雄スプラインが形成された出力軸と、モータの発生トルクを出力軸に伝達するクラッチと、内周面に雌スプラインが形成され、この雌スプラインが雄スプラインに噛み合って出力軸の外周に嵌合すると共に、外周面が軸受を介してハウジングに回転自在および軸方向に摺動自在に支持されるピニオンチューブと、軸受より軸方向反モータ側へ突き出るピニオンチューブの端部に配設されてピニオンチューブと一体に回転するピニオンと、電磁石の吸引力によりシフトレバーを駆動して、ピニオンチューブをピニオンと一体に出力軸に対して反モータ方向へ押し出す電磁ソレノイドと、軸受より軸方向モータ側のピニオンチューブに組み付けられ、シフトレバーを介して受ける反モータ方向への押し出し力をピニオンチューブに伝達する押出力伝達手段とを備える。
押出力伝達手段は、ピニオンチューブの外周に相対回転自在に嵌合するリング状のカラーと、このカラーと一体または別体に形成されてカラーに対し相対回転不能に設けられ、且つ、シフトレバーに係合するレバー係合部と、周方向に連続した環状体によってピニオンチューブと別体に設けられ、カラーの軸方向ピニオン側への移動を規制するピニオン側規制部と、周方向に連続した環状体によってピニオンチューブと別体に設けられ、カラーの軸方向モータ側への移動を規制するモータ側規制部とを有し、ピニオン側規制部およびモータ側規制部は、それぞれピニオンチューブの外周にしまりばめにより固定されていることを特徴とする。なお、「しまりばめ」とは、ピニオンチューブの外径とピニオン側規制部およびモータ側規制部の内径との間に締め代を与えて嵌合する手段であり、例えば、圧入または焼き嵌め等がある。
上記の構成において、ピニオン側規制部およびモータ側規制部は、共にピニオンチューブと別体に設けられるが、それぞれ周方向に連続した環状体であるため、特許文献2に記載されたスナップリング220のように、高速回転時にピニオンチューブから外れることはない。
また、ピニオン側規制部およびモータ側規制部は、共に、ピニオンチューブの外周にしまりばめにより固定されるので、ピニオンチューブの外周にピニオン側規制部およびモータ側規制部を位置決めするための段差を設ける必要はない。これにより、ピニオン側規制部およびモータ側規制部は、それぞれ、軸方向モータ側の端部からピニオンチューブの外周に嵌合して組み付けることができる。この場合、ピニオン側規制部およびモータ側規制部をピニオンチューブに組み付ける際に、軸受に支持されるピニオンチューブの外周をピニオン側規制部およびモータ側規制部が通ることはないので、軸受に支持されるピニオンチューブの外周面に傷が付くことはない。
(請求項3の発明)
請求項1または2に記載したスタータにおいて、モータ側規制部は、軸方向に延びてピニオンチューブの外周に嵌合する筒状部と、この筒状部に対して径方向に延びる鍔状部とを有し、筒状部と鍔状部とが断面L字形状に繋がって一体に形成されていることを特徴とする。
例えば、モータ側規制部をピニオンチューブの外周に圧入して組み付ける場合は、軸方向に所定の圧入長さが必要である。圧入長さを確保するためには、軸方向に長さを持った形状が望ましい。しかし、軸方向に長さを持った形状を一般的な製作方法であるプレスで製作するには、打ち抜く距離が長くなるため、作り難く、且つ、設備が大きくなるため、コストに見合わない。これに対し、モータ側規制部を断面L字形状に形成することで、バーリング加工での製作が可能であり、作り易さと軸方向長さを同時に確保できる。
なお、圧入に替えて焼き嵌めする場合でも、所定の嵌合長さを確保する必要があるので、モータ側規制部を断面L字形状に形成することで、圧入の場合と同様、バーリング加工での製作が可能である。
(請求項4の発明)
請求項3に記載したスタータにおいて、モータ側規制部は、筒状部の軸方向端面より鍔状部の軸方向端面の方が平面積が大きく形成され、その鍔状部の軸方向端面がカラーの軸方向モータ側の端面に対向して組み付けられることを特徴とする。
ピニオンチューブと一体に回転するモータ側規制部に対しカラーは回転しない、つまり、モータ側規制部とカラーとは相対回転する。特に、ピニオンがエンジンによって回されるオーバラン時には、両者の相対回転数が大きくなる。このため、カラーの当接面には、モータ側規制部との相対回転によって摩耗が生じる。これに対し、請求項4に係る発明では、筒状部の軸方向端面より平面積が大きく形成された鍔状部の軸方向端面をカラーの軸方向モータ側の端面に対向して組み付けているので、カラーの当接面積を大きく確保できるため、カラーの摩耗を抑制できる。
(請求項5の発明)
請求項3に記載したスタータにおいて、モータ側規制部は、鍔状部の軸方向端面より筒状部の軸方向端面の方が平面積が大きく形成され、その筒状部の軸方向端面がカラーの軸方向モータ側の端面に対向して組み付けられることを特徴とする。
ピニオンチューブと一体に回転するモータ側規制部に対しカラーは回転しない、つまり、カラーとモータ側規制部とは相対回転する。特に、ピニオンがエンジンによって回されるオーバラン時には、両者の相対回転数が大きくなる。このため、カラーの当接面には、モータ側規制部との相対回転によって摩耗が生じる。これに対し、請求項5に係る発明では、鍔状部の軸方向端面より平面積が大きく形成された筒状部の軸方向端面をカラーの軸方向モータ側の端面に対向して組み付けているので、カラーの当接面積を大きく確保できるため、カラーの摩耗を抑制できる。
(請求項6の発明)
請求項1〜5に記載した何れか一つのスタータにおいて、ピニオン側規制部とカラーとの間に両者に対し相対回転可能なワッシャを配設したことを特徴とする。
上記の構成では、ワッシャがピニオン側規制部およびカラーに対して相対回転するため、ワッシャとカラーとの相対回転数がピニオン側規制部とカラーとの相対回転数より小さくなる。その結果、ワッシャを使用しない場合と比較してカラーの摩耗を抑制できる。
(請求項7の発明)
請求項1〜6に記載した何れか一つのスタータにおいて、カラーとモータ側規制部との間に両者に対し相対回転可能なワッシャを配設したことを特徴とする。
上記の構成では、ワッシャがモータ側規制部およびカラーに対して相対回転するため、ワッシャとカラーとの相対回転数がモータ側規制部とカラーとの相対回転数より小さくなる。その結果、ワッシャを使用しない場合と比較してカラーの摩耗を抑制できる。
(請求項8の発明)
請求項6に記載したスタータにおいて、ワッシャは、ピニオン側規制部より外径が大きいことを特徴とする。
この場合、ワッシャとカラーとの当接面積は、ワッシャを使用しない場合のピニオン側規制部とカラーとの当接面積より増加するため、ワッシャを使用することによるカラーの摩耗抑制の効果が大きくなる。
また、ワッシャの外径がピニオン側規制部の外径より大きいので、ピニオン側規制部の回転に対してワッシャが連れ回りし難くなる。その結果、ワッシャとカラーとの相対回転数が更に小さくなるので、カラーの摩耗抑制効果がより大きくなる。
(請求項9の発明)
請求項7に記載したスタータにおいて、ワッシャは、モータ側規制部より外径が大きいことを特徴とする。
この場合、ワッシャとカラーとの当接面積は、ワッシャを使用しない場合のモータ側規制部とカラーとの当接面積より増加するため、ワッシャを使用することによるカラーの摩耗抑制の効果が大きくなる。
また、ワッシャの外径がモータ側規制部の外径より大きいので、モータ側規制部の回転に対してワッシャが連れ回りし難くなる。その結果、ワッシャとカラーとの相対回転数が更に小さくなるので、カラーの摩耗抑制効果がより大きくなる。
(請求項10の発明)
請求項1〜9に記載した何れか一つのスタータにおいて、カラーとレバー係合部は、両者が一体に樹脂成形されていることを特徴とする。
カラーとレバー係合部とを一体に樹脂成形することで部品点数を減らすことができ、且つ、軽量化を図ることができる。
実施例1に係る押出力伝達手段の構成を示す断面図である。 実施例1に係る押出力伝達手段の構成を示す断面図である。 スタータの一部断面を含む全体図である。 (a)スタータ停止時のピニオンチューブ及びピニオンの位置を示す断面図、(b)スタータ駆動時のピニオンチューブ及びピニオンの位置を示す断面図である。 実施例2に係る押出力伝達手段の構成を示す断面図である。 従来技術(特許文献1)に係るスタータの要部断面図である。 従来技術(特許文献2)に係るスタータの要部断面図である。
本発明を実施するための形態を以下の実施例により詳細に説明する。
(実施例1)
スタータ1は、図3に示す様に、トルクを発生するモータ2と、このモータ2の回転を減速する減速装置3と、この減速装置3の出力側にクラッチ4を介して連結される出力軸5と、この出力軸5の外周にスプライン嵌合するピニオンチューブ6と、このピニオンチューブ6の軸方向反モータ側(図示左側)の端部に組み付けられ、ピニオンチューブ6と一体に回転するピニオン7と、電磁石の吸引力によってシフトレバー8を駆動して、ピニオンチューブ6をピニオン7と一体に出力軸5に対して反モータ方向(図示左方向)へ押し出す働きを有すると共に、後述するメイン接点を開閉してモータ2の通電電流を断続する電磁スイッチ9等より構成される。なお、以下の説明では、軸方向反モータ側を前端側、軸方向モータ側(図示右側)を後端側と定義する。
モータ2は、例えば、フレームを兼ねるヨーク2aの内周に複数の永久磁石または界磁コイルを配置して構成される界磁と、この界磁の内周に回転自在に配置される電機子軸2bを有し、この電機子軸2bの外周に整流子(図示せず)を備える電機子と、この電機子の回転に伴って整流子の外周上を摺動するブラシ(図示せず)等を有する直流整流子モータであり、電磁スイッチ9の作動によりメイン接点が閉成して電機子に通電されると、界磁との相互作用により電機子にトルクを発生する。
減速装置3は、図4(a)に示す様に、電機子軸2bの反整流子側(図示左側)に形成される太陽歯車3aと、この太陽歯車3aと同心に配置されるリング状の内歯車3bと、太陽歯車3aと内歯車3bとに噛み合う複数(例えば3個)の遊星歯車3cとで構成され、太陽歯車3aの回転に伴って、遊星歯車3cが自転運動と公転運動を行う周知の遊星歯車減速機である。
クラッチ4は、図4(a)に示す様に、減速装置3の遊星歯車3cを回転自在に支持する歯車軸3dと一体に設けられ、内周面にくさび状のカム空間(図示せず)を形成するアウタ4aと、このアウタ4aの内周に相対回転可能に配置されるインナ4bと、アウタ4aとインナ4bとの間でアウタ4aのカム空間に配設されるローラ4cと、カム空間の狭小方向へローラ4cを付勢するスプリング(図示せず)等より構成される。このクラッチは、ローラ4cを介してアウタ4aからインナ4bへ回転トルクを伝達する一方、インナ4bからアウタ4aへのトルク伝達をローラ4cが空転することで遮断する一方向クラッチとして構成されている。
出力軸5は、図3に示す様に、モータ2の電機子軸2bと同一軸線上に配置されて、後端側の端部がクラッチ4のインナ4bと一体に設けられ、外周面が軸受10を介してセンタケース11に回転自在に支持されている。なお、図3に示す軸受10は、すべり軸受(平軸受)を図示しているが、すべり軸受に限定するものではなく、例えば、ボールベアリング、ニードルベアリング等を使用することもできる。
軸受10の後端側には、軸受10とインナ4bとの相対回転による摩耗を抑制するワッシャ12が配設されている。
出力軸5には、図4(a)に示す様に、軸受10に支持される外周面より前端側の外周面に雄ヘリカルスプライン5aが形成され、さらに、雄ヘリカルスプライン5aより前端側には、ピニオンチューブ6の最大前進位置を規制する前進ストッパ5bが形成されている。
また、出力軸5の軸受10に支持される外周面と雄ヘリカルスプライン5aとの間には、全周に周溝5cが凹設され、この周溝5cにピニオンチューブ6の停止位置を規制するストッパ部材13が取り付けられている。
ストッパ部材13は、例えば、Eクリップであり、このEクリップを周溝5cの外周に嵌め込んで使用される。なお、Eクリップは、複数枚重ねて使用することもできる。また、Eクリップの外周には、出力軸5の回転時に生じる遠心力によってEクリップが周溝5cから外れないように、カバー14を被せても良い。
ピニオンチューブ6は、図4(a)に示す様に、内周面に雌ヘリカルスプライン6aが形成された円筒孔6bを有するチューブ本体6Aと、このチューブ本体6Aより前端側に設けられて、チューブ本体6Aより外径が小さく形成され、且つ、外周面に直スプライン歯6cが軸方向に沿って形成されたピニオン摺動部6Bとを有する。
このピニオンチューブ6は、チューブ本体6Aの外周面が軸受15を介してハウジング16に回転自在および軸方向に摺動自在に支持されると共に、円筒孔6bの内周に出力軸5が挿入されて、雄ヘリカルスプライン5aと雌ヘリカルスプライン6aとが噛み合うことにより、出力軸5に対し相対回転可能に、且つ、軸方向へ移動可能に組み付けられている。上述したピニオンチューブ6の最大前進位置は、雌ヘリカルスプライン6aの前端面が前進ストッパ5bの後端面に当接することで規制される。なお、実施例1では、軸受15にボールベアリングを使用しているが、ボールベアリングに限定するものではなく、例えば、ニードルベアリング、すべり軸受(平軸受)等を使用することもできる。
チューブ本体6Aの円筒孔6bは、軸方向の略中央部より前端側と後端側とで内径が異なり、後端側の方が前端側より内径が大きく形成され、その後端側の内周面に雌ヘリカルスプライン6aが形成されている。なお、円筒孔6bの後端側の内径は、雌ヘリカルスプライン6aの歯底径と略同一寸法に形成されている。
また、円筒孔6bの前端側では、円筒孔6bの内周面と出力軸5の外周面との間に生じる径方向のクリアランスが、雄ヘリカルスプライン5aと雌ヘリカルスプライン6aとの間に生じる径方向のクリアランスより小さく設定されて、円筒孔6bの内周面と出力軸5の外周面とが互いに摺動面を形成している。
さらに、上記の摺動面を形成する円筒孔6bの内周面または出力軸5の外周面には、図4(a)に示すスタータ停止時から図4(b)に示すスタータ駆動時まで、出力軸5の先端面(前端側の端面)と円筒孔6bの軸方向底部との間に形成される空間Sと、円筒孔6bの後端側とを連通する連通溝17が軸方向に沿って形成されている。
なお、「スタータ駆動時」とは、ピニオン7がエンジンのリングギヤG(図3参照)に噛み合って、モータ2の発生トルクをピニオン7からリングギヤGに伝達してエンジンをクランキングしている状態を言う。
チューブ本体6Aの外周には、外部からの異物の侵入を防止するシール部材18が軸受15の前端側に配設されている。このシール部材18は、例えば、ゴム製のオイルシールであり、チューブ本体6Aの外周面にリップ部が摺接した状態でハウジング16に保持されている。
チューブ本体6Aの後端側には、電磁スイッチ9の作動によりシフトレバー8を介して受ける反モータ方向への押し出し力をピニオンチューブ6に伝達する押出力伝達手段が組み付けられている。
この押出力伝達手段は、図1に示す様に、チューブ本体6Aの外周に相対回転自在に嵌合するリング状のカラー19と、このカラー19と一体に樹脂成形されてシフトレバー8の端部に係合するレバー係合部20と、カラー19の軸方向ピニオン側(前端側)への移動を規制するピニオン側規制部21と、カラー19の軸方向反ピニオン側(後端側)への移動を規制するモータ側規制部22とで構成される。
ピニオン側規制部21は、チューブ本体6Aと一体に設けられ、チューブ本体6Aの全周に鍔状に突設されている。このピニオン側規制部21は、モータ側端面がチューブ本体6Aの軸心方向と直交して形成されている。また、ピニオン側規制部21とカラー19との間には、両者に相対回転可能なワッシャ23が配設されている。このワッシャ23は、ピニオン側規制部21より外径が大きく形成されている。
モータ側規制部22は、周方向に連続した環状体によってピニオンチューブ6と別体に設けられている。このモータ側規制部22は、断面L字形状に繋がって一体に形成された筒状部22aと鍔状部22bとを有し、チューブ本体6Aの外周に筒状部22aを圧入嵌合して組み付けられ、且つ、鍔状部22bのピニオン側端面がカラー19のモータ側端面に対向している。
モータ側規制部22が組み付けられるチューブ本体6Aの外周面には、モータ側規制部22の圧入位置を規制する段差6dが後端側に向かって形成されている。また、チューブ本体6Aの段差6dより後端側は、チューブ本体6Aの後端からモータ側規制部22を圧入できるように、チューブ本体6Aの外径が同一寸法に形成されている。すなわち、モータ側規制部22は、チューブ本体6Aの後端からチューブ本体6Aの外周に嵌合して、鍔状部22bのピニオン側端面がチューブ本体6Aに形成された段差6dに当接する位置まで圧入される。
なお、図2に示す様に、カラー19とモータ側規制部22との間にワッシャ24を配設しても良い。また、カラー19のピニオン側に配設されるワッシャ23、および、モータ側に配設されるワッシャ24をそれぞれ複数枚重ねて使用することもできる。
ピニオン7は、ピニオンチューブ6と別体に設けられて、ピニオン摺動部6Bに対し軸方向に移動可能に組み付けられ、且つ、ピニオンスプリング25によってピニオン摺動部6Bの反モータ方向へ付勢され、ピニオン摺動部6Bの前端側の端部に取り付けられたピニオンストッパ26によって反モータ方向への移動が規制されている(図1参照)。
また、ピニオン7は、図4(a)に示す様に、前端側の内周に開口して内周面に直スプライン溝7aが軸方向に沿って形成された摺動孔7bと、この摺動孔7bに連通して後端側の内周に開口すると共に、摺動孔7bより内径が大きく形成された大径孔7cとを有している。
上記のピニオン7は、大径孔7cの内周を通って摺動孔7bの内周にピニオン摺動部6Bが挿入され、直スプライン歯6cと直スプライン溝7aとが噛み合うことで、ピニオン摺動部6Bに対し軸方向に移動可能に組み付けられている。また、ピニオン7は、大径孔7cの後端側端部の内周にチューブ本体6Aの前端側端部の外周が嵌合している。
ピニオンスプリング25は、ピニオンチューブ6のチューブ本体6Aとピニオン摺動部6Bとの間に形成される径方向の段差面と、ピニオン7の大径孔7cと摺動孔7bとの間に形成される径方向の段差面との間に配設されている。
電磁スイッチ9は、図3に示す様に、電磁石の吸引力によってプランジャ27を駆動するソレノイドSLと、内部にメイン接点を配置する樹脂カバー28とを有し、この樹脂カバー28がソレノイドSLの磁気回路を兼ねるフレームの開口端部にかしめ固定されている。ソレノイドSLは、通電によって電磁石を形成する励磁コイル29と、この励磁コイル29の内周を軸方向に移動可能に配置される上記プランジャ27と、励磁コイル29への通電が停止して電磁石の吸引力が消滅した時にプランジャ27を押し戻すためのリターンスプリング30と、ピニオン7をエンジンのリングギヤGに噛み合わせるための反力を蓄えるドライブスプリング31と、このドライブスプリング31を介してプランジャ27の動きをシフトレバー8に伝達するジョイント32等より構成される。
メイン接点は、樹脂カバー28に固定される2本の端子ボルト33、34を介してモータ2の電源ラインに接続される一組の固定接点(図示せず)と、プランジャ27の動きに連動して一組の固定接点間を電気的に断続する可動接点(図示せず)とで構成される。
このメイン接点は、プランジャ27が電磁石に吸引されて図3の右方向へ移動する時に、可動接点が一組の固定接点に当接して両固接点間を導通することで閉成し、電磁石の吸引力が消滅してプランジャ27がリターンスプリング30によって押し戻される時に、可動接点が一組の固定接点から離れて両固接点間の導通を遮断することで開成する。
シフトレバー8は、ハウジング16に回動自在に支持されるレバー支点部8aを有し、このレバー支点部8aより一端側のレバー端部が電磁スイッチ9のジョイント32に連結され、レバー支点部8aより他端側のレバー端部が前述のレバー係合部20に係合する。
次に、スタータ1の作動を説明する。
ユーザにより始動スイッチ(図示せず)が閉操作されると、バッテリより電磁スイッチ9の励磁コイル29に通電されて電磁石が形成され、その電磁石に吸引されてプランジャ27が移動する。このプランジャ27の動きがシフトレバー8を介してピニオンチューブ6に伝達されることで、ピニオンチューブ6がピニオン7と一体に反モータ方向へ押し出される。この時、ピニオン7がリングギヤGに噛み合わず、ピニオン7の端面がリングギヤGの端面に当接すると、ピニオン7の移動は停止し、ピニオンスプリング25を押し縮めながらピニオンチューブ6のみ押し出される。
この後、ドライブスプリング31に反力を蓄えながらプランジャ27が更に移動してメイン接点が閉じると、バッテリより電力の供給を受けてモータ2にトルクが発生する。モータ2の発生トルクは、減速装置3で増幅された後、クラッチ4を介して出力軸5に伝達され、さらに、出力軸5からピニオンチューブ6に伝達されることで、ピニオンチューブ6が回転する。ピニオンチューブ6の回転により、ピニオン7がリングギヤGと噛み合い可能な位置まで回転すると、ドライブスプリング31に蓄えられた反力と、モータ2の発生トルクがヘリカルスプライン5a、6aにより変換されて発生する軸方向の推力(前進力)とでピニオンチューブ6が押し出され、さらに、ピニオンスプリング25の反力でピニオン7が押し出されることで、ピニオン7とリングギヤGとの噛み合いが成立する。これにより、モータ2の発生トルクがピニオン7からリングギヤGに伝達されて、エンジンをクランキングする。
クランキングからエンジンが完爆した後、ユーザにより始動スイッチが開操作されると、励磁コイル29への通電が停止して電磁石の吸引力が消滅するため、リターンスプリング30の反力でプランジャ27が押し戻される。その結果、メイン接点が開いてバッテリからモータ2への通電が停止され、電機子の回転が次第に減速して停止する。
また、プランジャ27が押し戻されると、エンジン始動時と反対方向にシフトレバー8が揺動してピニオンチューブ6がモータ方向へ戻されることにより、ピニオン7がリングギヤGから離脱して、図4(a)に示すスタータ停止位置までピニオンチューブ6と一体に後退する。
(実施例1の作用および効果)
実施例1に示すスタータ1は、押出力伝達手段のピニオン側規制部21をピニオンチューブ6と一体に設けているので、高速回転時にピニオン側規制部21がピニオンチューブ6から外れることはない。また、モータ側規制部22は、ピニオンチューブ6と別体に設けられるが、周方向に連続した環状体であり、チューブ本体6Aの外周に圧入嵌合して組み付けられるため、ピニオン側規制部21と同じく、高速回転時にピニオンチューブ6から外れることはない。
さらに、モータ側規制部22は、チューブ本体6Aの後端からチューブ本体6Aの外周に嵌合して、鍔状部22bのピニオン側端面がチューブ本体6Aに形成された段差6dに当接する位置まで圧入される。
上記の場合、モータ側規制部22をピニオンチューブ6に組み付ける際に、ピニオン側規制部21より前端側のチューブ本体6Aの外周をモータ側規制部22が通ることはないので、軸受15に支持されるチューブ本体6Aの外周面に傷が付くことはない。
また、特許文献2に係るスタータでは、本実施例のモータ側規制部22に相当する第2のリングワッシャ230をピニオン軸180の先端(図7の左端)から組み付ける必要があるため、組み付け距離が長くなるのに対し、この実施例1に記載したスタータ1は、上記のように、モータ側規制部22をチューブ本体6Aの後端から組み付けることができるので、組み付け距離が短くなると共に、組み付ける際にチューブ本体6Aの外周面に傷が付くことを心配する必要もないので、特許文献2の従来技術と比較して、組み付けが容易であり、組み付け工程に掛かる時間を短縮できる。
さらに、ピニオン側規制部21とカラー19との間にワッシャ23を配設し、そのワッシャ23がピニオン側規制部21とカラー19に対して相対回転するため、ワッシャ23とカラー19との相対回転数がピニオン側規制部21とカラー19との相対回転数より小さくなる。これにより、ワッシャ23を使用しない場合と比較して、樹脂部材であるカラー19の摩耗を抑制できる。
また、ワッシャ23は、ピニオン側規制部21より外径が大きいものを使用することで、ワッシャ23とカラー19との当接面積が増加するので、ワッシャ23を使用することによるカラー19の摩耗抑制の効果が大きくなる。また、外径の大きいワッシャ23を使用することで、ピニオン側規制部21の回転に対してワッシャ23が連れ回りし難くなるため、ワッシャ23とカラー19との相対回転数が更に小さくなり、カラー19の摩耗抑制効果がより大きくなる。なお、モータ側規制部22とカラー19との間にワッシャ24を配設することによる効果も、ワッシャ23による効果と同じである。
(実施例2)
実施例1に記載した押出力伝達手段は、ピニオン側規制部21をチューブ本体6Aと一体に形成しているが、この実施例2は、図5に示す様に、ピニオン側規制部21を周方向に連続した環状体によってピニオンチューブ6と別体に設けた一例である。
ピニオン側規制部21は、例えば、リング状のワッシャによって形成され、チューブ本体6Aの外周に嵌合して所定の位置に圧入固定される。ピニオンチューブ6の外周面には、ピニオン側規制部21の圧入位置を規制する段差(図示せず)が後端側に向かって形成されている。すなわち、ピニオン側規制部21は、ピニオンチューブ6の後端からチューブ本体6Aの外周に嵌合して、ピニオンチューブ6に形成された段差に当接する位置まで圧入される。なお、ピニオン側規制部21以外の構成は、実施例1と同じである。
特許文献2に記載されたスナップリング220は、ピニオン140がエンジンによって回されるオーバラン時に、ピニオン軸180がモータ方向に力を受けながら高速回転するため、ピニオン軸180の周溝に嵌合するスナップリング220の嵌合側面に摩耗が生じる。この摩耗が生じる部分は、周溝に対するスナップリング220の掛かり代となるため、面積を大きくすることは困難である。つまり、面積が小さく、且つ、周溝の側面に押し付けられながら高速回転するため、スナップリング220の摩耗が大きくなり、周溝に対してガタツキが生じる恐れがある。
これに対し、実施例2に示すピニオン側規制部21は、ピニオンチューブ6と別体に設けられるが、チューブ本体6Aの外周に圧入嵌合して固定されるため、ピニオンチューブ6とピニオン側規制部21とが相対回転することはない。言い換えると、ピニオン側規制部21は、ピニオンチューブ6と一体に回転するため、相対回転に伴う摩耗が生じることはなく、摩耗によるガタツキが発生することもない。
(変形例)
実施例1では、カラー19とレバー係合部20とを一体に樹脂成形する一例を記載したが、レバー係合部20をカラー19と別体に形成してカラー19に対し相対回転不能に組み付ける構成でも良い。また、カラー19およびレバー係合部20は、樹脂製に限定するものではなく、例えば、金属製であっても良い。
実施例1では、モータ側規制部22をチューブ本体6Aの外周に圧入嵌合する一例を記載したが、圧入嵌合に限定するものではなく、圧入以外のしまりばめ(例えば焼き嵌め)によって固定する構成でも良い。
実施例1に記載した電磁スイッチ9は、電磁石によって吸引されたプランジャ27が移動することで、シフトレバー8を駆動すると共に、メイン接点を閉成する構成であるが、シフトレバー8を駆動してピニオンチューブ6を反モータ方向へ押し出す働きと、メイン接点を開閉する働きとを別々のソレノイドで行う構成でも良い。すなわち、シフトレバー8を駆動してピニオンチューブ6を反モータ方向へ押し出すためのピニオン押し出し用ソレノイド(本発明に係る電磁ソレノイド)と、メイン接点を開閉してモータ2の通電電流を断続するモータ通電用ソレノイドとを備えるタンデム構造の電磁スイッチとすることも出来る。
また、ピニオン押し出し用ソレノイドとモータ通電用ソレノイドは、両者を共通のフレームに収容して一つの電磁スイッチとして構成することもできるが、両ソレノイドをそれぞれ専用のフレームに収容して独立した構成とすることもできる。
このタンデム構造の電磁スイッチは、ピニオン押し出し用ソレノイドとモータ通電用ソレノイドの作動をECUによって独立に制御することが可能であり、近年、車両への搭載が進んでいるアイドリングストップに対して好適に採用することが出来る。なお、アイドリングストップとは、例えば、交差点での赤信号や渋滞等により車両が一時停止した際に、エンジンへの燃料噴射を停止してエンジンを自動的に停止させるシステムである。
1 スタータ
2 モータ
2b 電機子軸(モータの回転軸)
4 クラッチ
5 出力軸
5a 雄ヘリカルスプライン(雄スプライン)
6 ピニオンチューブ
6A チューブ本体
6B ピニオン摺動部
6a 雌ヘリカルスプライン(雌スプライン)
7 ピニオン
8 シフトレバー
9 電磁スイッチ
15 軸受
17 ハウジング
19 カラー
20 レバー係合部
21 ピニオン側規制部
22 モータ側規制部
22a モータ側規制部の筒状部
22b モータ側規制部の鍔状部
23 ワッシャ
24 ワッシャ
G リングギヤ
SL ソレノイド(電磁ソレノイド)

Claims (10)

  1. トルクを発生するモータと、
    このモータの回転軸と同一軸線上に配置され、且つ、外周面に雄スプラインが形成された出力軸と、
    前記モータの発生トルクを前記出力軸に伝達するクラッチと、
    内周面に雌スプラインが形成され、この雌スプラインが前記雄スプラインに噛み合って前記出力軸の外周に嵌合すると共に、外周面が軸受を介してハウジングに回転自在および軸方向に摺動自在に支持されるピニオンチューブと、
    前記軸受より軸方向反モータ側へ突き出る前記ピニオンチューブの端部に配設されて前記ピニオンチューブと一体に回転するピニオンと、
    電磁石の吸引力によりシフトレバーを駆動して、前記ピニオンチューブを前記ピニオンと一体に前記出力軸に対して反モータ方向へ押し出す電磁ソレノイドと、
    前記軸受より軸方向モータ側の前記ピニオンチューブに組み付けられ、前記シフトレバーを介して受ける反モータ方向への押し出し力を前記ピニオンチューブに伝達する押出力伝達手段とを備えるスタータであって、
    前記押出力伝達手段は、
    前記ピニオンチューブの外周に相対回転自在に嵌合するリング状のカラーと、
    このカラーと一体または別体に形成されて前記カラーに対し相対回転不能に設けられ、且つ、前記シフトレバーに係合するレバー係合部と、
    前記ピニオンチューブと一体に設けられて、前記カラーの軸方向ピニオン側への移動を規制するピニオン側規制部と、
    周方向に連続した環状体によって前記ピニオンチューブと別体に設けられ、前記カラーの軸方向モータ側への移動を規制するモータ側規制部とを有し、
    前記モータ側規制部は、前記ピニオンチューブの外周にしまりばめにより固定されていることを特徴とするスタータ。
  2. トルクを発生するモータと、
    このモータの回転軸と同一軸線上に配置され、且つ、外周面に雄スプラインが形成された出力軸と、
    前記モータの発生トルクを前記出力軸に伝達するクラッチと、
    内周面に雌スプラインが形成され、この雌スプラインが前記雄スプラインに噛み合って前記出力軸の外周に嵌合すると共に、外周面が軸受を介してハウジングに回転自在および軸方向に摺動自在に支持されるピニオンチューブと、
    前記軸受より軸方向反モータ側へ突き出る前記ピニオンチューブの端部に配設されて前記ピニオンチューブと一体に回転するピニオンと、
    電磁石の吸引力によりシフトレバーを駆動して、前記ピニオンチューブを前記ピニオンと一体に前記出力軸に対して反モータ方向へ押し出す電磁ソレノイドと、
    前記軸受より軸方向モータ側の前記ピニオンチューブに組み付けられ、前記シフトレバーを介して受ける反モータ方向への押し出し力を前記ピニオンチューブに伝達する押出力伝達手段とを備えるスタータであって、
    前記押出力伝達手段は、
    前記ピニオンチューブの外周に相対回転自在に嵌合するリング状のカラーと、
    このカラーと一体または別体に形成されて前記カラーに対し相対回転不能に設けられ、且つ、前記シフトレバーに係合するレバー係合部と、
    周方向に連続した環状体によって前記ピニオンチューブと別体に設けられ、前記カラーの軸方向ピニオン側への移動を規制するピニオン側規制部と、
    周方向に連続した環状体によって前記ピニオンチューブと別体に設けられ、前記カラーの軸方向モータ側への移動を規制するモータ側規制部とを有し、
    前記ピニオン側規制部および前記モータ側規制部は、それぞれ前記ピニオンチューブの外周にしまりばめにより固定されていることを特徴とするスタータ。
  3. 請求項1または2に記載したスタータにおいて、
    前記モータ側規制部は、軸方向に延びて前記ピニオンチューブの外周に嵌合する筒状部と、この筒状部に対して径方向に延びる鍔状部とを有し、前記筒状部と前記鍔状部とが断面L字形状に繋がって一体に形成されていることを特徴とするスタータ。
  4. 請求項3に記載したスタータにおいて、
    前記モータ側規制部は、前記筒状部の軸方向端面より前記鍔状部の軸方向端面の方が平面積が大きく形成され、その鍔状部の軸方向端面が前記カラーの軸方向モータ側の端面に対向して組み付けられることを特徴とするスタータ。
  5. 請求項3に記載したスタータにおいて、
    前記モータ側規制部は、前記鍔状部の軸方向端面より前記筒状部の軸方向端面の方が平面積が大きく形成され、その筒状部の軸方向端面が前記カラーの軸方向モータ側の端面に対向して組み付けられることを特徴とするスタータ。
  6. 請求項1〜5に記載した何れか一つのスタータにおいて、
    前記ピニオン側規制部と前記カラーとの間に両者に対し相対回転可能なワッシャを配設したことを特徴とするスタータ。
  7. 請求項1〜6に記載した何れか一つのスタータにおいて、
    前記カラーと前記モータ側規制部との間に両者に対し相対回転可能なワッシャを配設したことを特徴とするスタータ。
  8. 請求項6に記載したスタータにおいて、
    前記ワッシャは、前記ピニオン側規制部より外径が大きいことを特徴とするスタータ。
  9. 請求項7に記載したスタータにおいて、
    前記ワッシャは、前記モータ側規制部より外径が大きいことを特徴とするスタータ。
  10. 請求項1〜9に記載した何れか一つのスタータにおいて、
    前記カラーと前記レバー係合部は、両者が一体に樹脂成形されていることを特徴とするスタータ。
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