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JP2013045530A - 発光装置及び照明器具 - Google Patents

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JP2013045530A
JP2013045530A JP2011181002A JP2011181002A JP2013045530A JP 2013045530 A JP2013045530 A JP 2013045530A JP 2011181002 A JP2011181002 A JP 2011181002A JP 2011181002 A JP2011181002 A JP 2011181002A JP 2013045530 A JP2013045530 A JP 2013045530A
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Tetsuya Nishi
哲也 西
Satoru Yamauchi
哲 山内
Hiroyuki Sekii
広行 関井
Takayuki Nakano
貴之 中野
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Abstract

【課題】発光装置において、出射光が照射面に照射されたときの色ムラが少なく、光源の直下照度の低下を抑制する。
【解決手段】発光装置1は、光源2と、出射光を配光制御する光学レンズ3とを備える。光学レンズ3は、光源2からの出射光を集光する第1のレンズ4と、集光された光を平行光とする第2のレンズ5とを備える。第1のレンズ4は、入射面41から入射した光を集光面43に集光する断面形状が放物線形状の第1の反射面42を有する。第2のレンズ5は、集光面43との連接面51から入射した光を反射して平行光として出射面へ反射する断面形状が放物線形状の第2の反射面52を有する。この構成によれば、第1の反射面42が集光面43に光を集光させて混光することで出射光の色ムラを少なくし、集光面43を擬似光源として、集光面43からの光を第2の反射面52で平行光とすることで光源2の直下照度の低下を抑制することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、光源の前面に光学レンズを設けた発光装置及びそれを用いた照明器具に関する。
発光ダイオード(以下、LED)は、低電力で高輝度の発光が可能であり、表示等や照明器具等の様々な電気機器の光源として使用されている。近年では、赤色LED及び緑色LEDに加えて、青色LEDが実用化され、これらRGB3色のLEDを組み合わせることにより、様々な光色を発光することができる。また、青色LEDの光を蛍光体に当てて黄色の光を出力し、青色光と黄色光とを混色させて白色光を作り出す、いわゆる白色LEDが知られている。LEDは発光強度及び発光効率に優れ、これを光源とする発光装置がダウンライトやスポットライト、ベースライト等の照明器具に利用されている。
LEDは発光面の面積が白熱電球や蛍光灯等に比べて小さく、また片側面発光である。そこで、LEDを光源とする発光装置においては、LEDの前面に出射光の配光を制御する光学レンズを用いて光源の正面照度を向上させている(例えば、特許文献1参照)。ところが、光学レンズを用いると、レンズの結像効果により、照射面に光源像が写ることがある。一般的な白色LEDは、青色LEDチップに黄色蛍光体を含有する透光性樹脂を被覆させているので、青色光の発光領域よりも、黄色光の発光領域の方が大きく、光出射の位置及び角度によって発光スペクトルが異なる。そのため、図13(a)に示す発光装置101において、白色LED102からの出射光を、レンズ103で青色光(実線矢印)を平行光とした場合、照射面において青色光が中央領域に照射され、黄色光がその周辺部に照射されて色ムラが生じる。また、図13(b)に示すように、白色LED102から出射された光を、レンズ103によって黄色光(破線矢印)を平行光とした場合も、上述の場合と同様である。更に、図13(c)に示すように、屈折反射レンズ103を用いて青色光及び黄色光の両方を平行光とした場合も、照射面において色ムラが生じる。
ところで、従来のスポットライトやダウンライト等の狭角配光を行うLED照明器具では、電力1W程度のLEDパッケージが複数用いられている。しかし、LEDパッケージは、放熱性等を考慮して所定の間隔をあけて配置する必要があるので器具の小型化が難しく、小型化のためにパッケージ数を少なくすると、高出力化を実現できなくなる。また、複数のLEDパッケージが互いに離れた位置から光を出射するので、複数の影を発生させてしまう。そこで、近年では、複数の青色LEDチップをマトリクス上に並べて、それらを蛍光体含有樹脂で被覆させた高出力LEDパッケージが用いられている。
しかしながら、図14に示すような複数の青色LEDチップを用いた高出力LEDパッケージ102は、照射面において各青色LEDチップから出射された青色光が結像されて、色ムラを生じさせることがある。図15(a)乃至(d)は、この種の高出力LEDパッケージ102を光源として用い、これに汎用レンズ103を配置したときの光の導出パターン、及び光源から50cmの距離における正面照度分布、色度x分布、並びに色度y分布を示す。同図によれば、同パッケージによる正面の照度分布(数値はlx)が疎らであり、照射面においてLEDチップから出射された青色光(色度(x:0.28−0.31、y:0.28−0.32))が結像して色ムラを生じていることが分かる。また、照射面に映る光の形状が長方形状になり、見栄えが悪い。この種の高出力LEDパッケージは、青色LEDチップをマトリクス状に並べて発光面積を大きくしているので、蛍光体及び封止材の最適化が容易でなく、パッケージそのものを工夫して色ムラを生じ難いものとすることが困難である。
そこで、出射面に複数の凸レンズを形成する等の拡散処理を施した光学レンズを用いて、光を拡散させることにより、色ムラを抑制することができる発光装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。図16(a)乃至(c)は、光学レンズの出射面に完全拡散5°となる拡散処理を施した光源を用いたときの正面照度分布、色度x分布及び色度y分布のシミュレーション結果を示す。また、図17(a)乃至(c)は、完全拡散10°となる拡散処理を施した光源を用いたときの正面照度分布、色度x分布,色度y分布のシミュレーション結果を示す。図16(b)(c)に示すように、光学レンズの出射面に完全拡散5°となる拡散処理を施した場合、拡散処理が施されていない場合(図15(b)(c)参照)に比べれば色ムラが改善されたが、照射面における色ムラは依然として発生した。これに対して、図17(b)(c)に示すように、光学レンズの出射面に完全拡散10°となる拡散処理を施した場合、照射面における色度分布はx:0.31−0.37、y:0.32−0.4の範囲で、概ね白色光となり、色ムラは殆ど生じなかった。つまり、光学レンズの出射面の完全拡散性を高めれば、照射面における色ムラの発生を抑制することができる。また、図16(a)及び図17(a)に示すように、完全拡散性を高めるほど照射面に映る光の形状は円形になる。
特開2003−281908号公報 特開2007−265964号公報
しかしながら、完全拡散5°の拡散処理を施した場合、正面照度の最高値は16000〜18000lxがであったのに対して(図16(a)参照)、完全拡散10°の場合、正面照度の最高値は10000〜12000lxであった(図17(a)参照)。すなわち、色ムラを抑制するために光学レンズの出射面の完全拡散性を高めると、照射範囲が広くなり狭角配光ができず、光源の直下照度が低くなってしまう。
また、上記特許文献1,2に記載された光学レンズは、光源の発光面の中心部からの出射光に最適化されて設計されており、複数のLEDチップを用いる等により光源の発光面の面積が大きい場合、発光面の周縁部からの出射光を効果的に配光制御できない。特に、上述した高出力LEDパッケージのように、光出射の位置及び角度によって発光スペクトルが異なる光源を用いた場合には、照射面において色ムラを生じ易い。
本発明は、上記課題を解決するものであり、出射光が照射面に照射されたときに色ムラを生じ難く、しかも光源の直下照度の低下を抑制することができる発光装置及びそれを用いた照明器具を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係る発光装置は、光源と、前記光源からの出射光の配光を制御する光学レンズと、を備えた発光装置であって、前記光源は、光出射の位置及び角度によって発光スペクトルが異なり、前記光学レンズは、前記光源からの出射光を集光する第1のレンズと、該第1のレンズにより集光された光を平行光とする第2のレンズと、を備え、前記第1のレンズは、前記光源からの出射光が入射する入射面と、前記入射面から入射した光を反射して集光する断面形状が放物線形状の第1の反射面と、前記入射面から入射した光及び前記第1の反射面により集光された光を前記第2のレンズへ出射する集光面と、を有し、前記第2のレンズは、前記集光面に連接される連接面と、該連接面から立設されて入射した光を反射して平行光とする断面形状が前記光源方向に凸となる放物線形状の第2の反射面と、前記連接面から入射した光及び前記第2の反射面によって反射された平行光を出射する出射面と、を有することを特徴とする。
上記発光装置において、前記出射面は、前記連接面から入射し、前記出射面に直接的に到達する光を屈折させて平行光とする非球面の凸状面を有することが好ましい。
上記発光装置において、前記第1の反射面及び前記第2の反射面に反射処理が施されていることが好ましい。
上記発光装置において、前記光源は、第1の分光分布を有する光を発光する固体発光素子と、前記固体発光素子の光を受けて前記第1の分光分布と異なる第2の分光分布を有する光を発光する波長変換部材と、を備えることが好ましい。
上記発光装置において、前記固体発光素子が複数設けられていることが好ましい。
上記発光装置において、前記光源は、色温度の異なる複数のLEDパッケージを並べたものであることが好ましい。
上記発光装置において、前記光源は、発光色が夫々赤、緑、青である固体発光素子を並べたLEDパッケージであることが好ましい。
上記発光装置は、照明器具に用いられることが好ましい。
本発明によれば、第1のレンズの第1の反射面が入射面から入射した光を集光面に集光させて混光させるので、出射光が照射面に照射されたときに色ムラを生じ難くすることができる。また、集光面を第2のレンズの擬似光源とし、集光面からの光を第2のレンズの第2の反射面で平行光として配光を効率的に狭角とするので、光源の直下照度の低下を抑制することができる。
本発明の第1の実施形態に係る発光装置の斜視図。 (a)(b)は同発光装置に用いられる光学レンズの側断面図。 (a)(b)は同光学レンズの第1のレンズに入射した光の光路を示す側面図。 (a)(b)は同光学レンズに入射及び出射する光の光路を示す側面図。 同光学レンズの第2のレンズから出射する光の光路を示す側面図。 同光学レンズに入射及び出射する光の光路を示す側面図。 (a)は同光学レンズを用いたときの照射面における正面照度分布シミュレーション結果を示す図、(b)(c)は夫々上記照射面における色度x分布及び色度y分布のシミュレーション結果を示す図。 (a)乃至(d)は夫々光源の変形例を示す図。 (a)(b)は上記第1の実施形態における漏れ光の光路を説明するための側面図。 (a)(b)は本発明の第2の実施形態に係る発光装置において漏れ光が無いことを説明するための側面図。 同光学レンズに入射及び出射する光の光路を示す側面図。 (a)は同光学レンズを用いたときの照射面における正面照度分布シミュレーション結果を示す図、(b)(c)は夫々上記照射面における色度x分布及び色度y分布のシミュレーション結果を示す図。 (a)乃至(c)は従来の発光装置において、照射面における色ムラの発生を説明するための図。 複数のLEDを用いた従来の発光装置において、照射面における色ムラの発生を説明するための図。 (a)は複数のLEDを用いた従来の発光装置において汎用のレンズを用いたときの光路を示す側面図、(b)は照射面における正面照度分布シミュレーション結果を示す図、(c)(d)は夫々上記照射面における色度x分布及び色度y分布のシミュレーション結果を示す図。 (a)は同レンズに完全拡散5°の拡散処理を施したときの照射面における正面照度分布シミュレーション結果を示す図、(b)(c)は夫々上記照射面における色度x分布及び色度y分布のシミュレーション結果を示す図。 (a)は同レンズに完全拡散10°の拡散処理を施したときの照射面における正面照度分布シミュレーション結果を示す図、(b)(c)は夫々上記照射面における色度x分布及び色度y分布のシミュレーション結果を示す図。
本発明の第1の実施形態に係る発光装置について、図1〜図8を参照して説明する。図1に示すように、本実施形態の発光装置1は、光源2と、この光源2の前面に設けられ、光源2からの出射光の配光を制御する透光性部材から成る光学レンズ3と、を備える。光源2は、青色領域の光を出射する複数のLEDチップ21を備えたLEDパッケージが用いられる。光学レンズ3は、光源2の発光面の中心を通る法線(光軸L)を中心軸とした回転対称形状であり、光源2からの出射光を集光する第1のレンズ4と、この第1のレンズ4により集光された光を平行光とする第2のレンズ5と、を備える。ここで、「集光」とは、「限定された面積に光を集めること」と意味し、特定の点に光を集めることに限られない。発光装置1は、光源2及び光学レンズ3を所定間隔に保持する保持部材(不図示)を備え、この保持部材に保持された状態でスポットライト等の照明器具に組み込まれる。
光学レンズ3は、アクリル樹脂、ポリカーボネート又はガラス等の透光性材料を用いて、金型、射出成型又は切削加工等によって後述する形状に成型される。光学レンズ3を構成する第1のレンズ4及び第2のレンズ5は、一体的に形成されてもよく、また、夫々が個別に形成された後、第1のレンズ4及び第2のレンズ5を構成する材料と同じ屈折率の透明接着剤等により隙間なく連接されてもよい。このように、第1のレンズ4及び第2のレンズ5が一体形成、又は実質的に一体的に形成されることにより、第1のレンズ4によって集光された光が、ロスすることなく第2のレンズ5に取り込まれる。
第1のレンズ4は、光源2からの出射光が入射する入射面41と、入射面41から入射した光を反射して集光する第1の反射面42と、入射面41から入射した光及び第1の反射面42により集光された光を第2のレンズ5へ出射する集光面43と、を有する。第2のレンズ5は、第1のレンズ4の集光面43と連接される連接面51と、連接面51から入射した光を反射して平行光とする第2の反射面52と、連接面51から入射した光及び第2の反射面52によって反射された平行光を出射する出射面53と、を有する。第1の反射面42及び第2の反射面52は、夫々断面形状が放物線形状となるように形成されている。また、出射面53の中央部には凹部54が形成され、この凹部54に非球面の凸状面55が形成されている。
光源2は、上面視矩形状のマウント基材20と、マウント基材20上に実装された固体発光素子(LEDチップ)21と、LEDチップ21の発光面を被覆する波長変換部材22と、を備える。LEDチップ21には、青色光を放射するGaN系青色LEDチップが用いられる。波長変換部材22は、シリコーン樹脂等の透光性樹脂材料から成る充填材に、LEDチップ21からの出射光の波長を変換する蛍光体を含有させたものである。本実施形態において、光源2は、複数のLEDチップ21がマウント基材20上においてマトリクス状に配されているので、単一のLEDを備えたパッケージに比べて、発光面の面積が大きく、複数のLEDチップ21が波長変換部材22によって被覆されている。そのため、光源2は、光出射の位置及び角度によって発光スペクトルが異なり、それ単体では、図14等に示したように照射面において色ムラを生じさせることがある。なお、マウント基材20の一側面にはカソード電極が、他側面にはアノード電極が設けられ、マウント基材20の下面両端部に形成された外部接続電極に夫々接続される(不図示)。マウント基材20の実装面は、光反射又は光拡散機能を有するように構成されていてもよい。蛍光体には、黄色蛍光体として汎用されるYAG系蛍光体が樹脂材料に混練され、所定形状の波長変換部材22が作成される。なお、蛍光体に加えて、又はそれに換えて所定の波長の光を選択的に透過させることによってLEDチップ21の出射光の波長を変換するフィルタ(不図示)が用いられてもよい。
上記のように構成された光源2は、LEDチップ21から出射される第1の分光分布を有する光と、LEDチップ21の光を受けて、波長変換部材22から出射される第2の分光分布の光とを混色させた混色光を出射する。第1の分光分布及び第2の分光分布は互いに異なるものであり、例えば、第1の分光分布のピーク波長は430〜460nm(紫〜青)の範囲、第2の分光分布のピーク波長は550〜600nm(緑〜黄)の範囲とすることが好ましい。これらの光を混色することにより、自然な白色光を得ることができる。
光学レンズ3の第1のレンズ4及び第2のレンズ5の形状について、図2乃至図5を参照してより詳細に説明する。第1のレンズ4の入射面41は円形状の平坦面であり、光源2からの出射光を無駄なく光学レンズ3に取り込むため、その直径が少なくとも光源2の対角線よりも大きく、光源2の発光面全面を包含する大きさになるように形成されている。集光面43は、入射面41よりも直径が小さな円形状の平坦面であり、その周縁が第1の反射面42によって入射面41の周縁と繋がれている。
第1の反射面42は、断面形状が集光面43の周縁に焦点F1を有する放物線P1の形状であり、この放物線P1の一部を光軸Lを中心にスイープさせた形状から成る。放物線P1の軸X1は、入射面41に対して所定の傾け角度θだけ傾斜している。この角度θは、第1のレンズ4の入射面41に入射する光の屈折角を考慮して定められる。ここで、図3(a)に示すように、光源2(図1参照)から出射された光R1の入射面41に対する入射角をθ、第1のレンズ4内に入射した光の屈折角をθ、光学レンズ3の外部(空気)の屈折率をn、光学レンズ3の構成材料の屈折率をnとする。このとき、屈折角θはスネルの法則に基づき下記式(1)に従って算出される。
[数1]
sinθ・n=sinθ・n ・・・(1)
入射角θの最大角度は90°であり、外部(空気)の屈折率nは1であるから、光学レンズ3の構成材料の屈折率nを1.5すると、屈折角θは41.8°である。放物線の軸に平行な光は、放物線の焦点に集光される。つまり、屈折率nが1.5である光学レンズ3では、放物線P1の傾け角度θを41.8°にすれば、同じ屈折角で第1のレンズ4内に進行した光は、入射面41のいずれの位置から入射しても、第1の反射面42によって反射されて焦点F1に集光される。そして、集光面43の周縁より外側へは出射されない。また、図3(b)に示すように、光L1の入射角θよりも小さい入射角θで入射面41へ入射した光L2は、その屈折角θが上記光L1の屈折角θよりも小さくなるので、集光面43の周縁よりも内側へ出射される。従って、放物線形状から成る第1の反射面42は、入射面41に入射した光を、集光面43の周縁よりも内側に集光することができ、この集光面43を第2のレンズ5の擬似光源とすることができる。集光面43の面積は、第2のレンズ5で平行光とする反射効率を高めるため、なるべく小さく設計されることが好ましい。なお、集光面43及び入射面41の大きさは互いに影響し合うので、これらの大きさは、例えば、3D−CAD等によりモデリングと光学シミュレーションを繰り返して決定されることが好ましい。
この第1のレンズ4によれば、光源2の発光面積が広く、光出射の位置及び角度によって発光スペクトルが異なる場合であっても、光源2から入射面41に入射した光を集光面43に集光させることができる。特に、図4(a)に示すように、入射面41の周縁部からの入射した光を効果的に集光面43に集光させることができる。なお、図4(b)に示すように、光源2の中央部から入射面41に入射して第1のレンズ3内を進行する光は、第1の反射面42に対する入射角が小さく、第1の反射面42で全反射されず、レンズ外へ出射されることがある。そこで、同図に示したように、第2のレンズ5の連接面51は、その直径が集光面43よりも大きく、第1の反射面42からレンズ外へ出射された光を第2のレンズ5内に取り込むように設計されることが好ましい。
第2のレンズ5の連接面51は、円形状の平坦面であり、図2(b)に示すように、その直径が第1のレンズ4の集光面43よりも大きく、周縁が第2の反射面52と繋がっている。第2の反射面52は、断面形状が光源2の方向に凸である放物線P2の形状であり、この放物線P2の一部を光軸Lを中心にスイープさせた形状から成る。放物線P2は、光軸Lを軸X2とし、集光面43と光軸Lとの交点を焦点F2とする。つまり、第1のレンズ4から、焦点F2を通って第2の反射面52に入射した光は、第2の反射面52によって反射されて軸X2(光軸L)と平行な平行光となる。
出射面53は、連接面51と平行で、連接面51よりも直径が大きな円形状の平坦面である。第2の反射面52によって反射された平行光は、出射面53で屈折することなく、平行光のままレンズ外へ出射される。また、第2のレンズ5の出射面53には、連接面51から入射し、第2の反射面によって反射されることなく直接的に出射面53に到達する光を屈折させて平行光とする非球面の凸状面55が形成されている。この凸状面55によれば、連接面51(集光面43)から比較的狭角配光で出射され、第2の反射面52によって反射されない光を平行光にすることができる。また、非球面の凸状面55を、出射面53に形成された凹部54内に形成する、つまり凸状面55をフレネル構造とすることで、第2のレンズ5の光軸L方向の突出量を小さくすることができる。上記のように構成された第2のレンズ5は、図5に示すように、第2の反射面52及び非球面の凸状面55で、連接面51から入射され、第2のレンズ5内を進行する光を反射又は屈折させることにより、それらを平行光とすることができる。また、第2の反射面52のうち、出射面53の周縁と近接する部分は、面取り面56とされている。この部分を面取り面56とすることにより、複数の光学レンズ3が併設されて各レンズ同士を当接させたときに、第2の反射面52及び出射面53が破損することを防止することができる。
すなわち、第1のレンズ4は、入射面41により光源2からの光を無駄なく光学レンズ3内に取り込み、第1の反射面42により集光面43に集光させる。このとき、光源2が、光出射の位置及び角度によって発光スペクトルが異なるものであっても、各位置及び各角度の光が集光面43に集光される際に混光されるので、集光面43を色ムラや輝度ムラの少ない光を出射する擬似光源として機能させることができる。そして、第2のレンズ5は、連接面51において集光面43からの光をそのまま第2のレンズ内に取り込み、第2の反射面52及び非球面の凸状面55で、それらの光を平行光として出射面53及び非球面の凸状面55の表面から出射することができる。
図6は、本実施形態の光学レンズ3を用いたときの光路のシミュレーション結果を示す。同図から明らかなように、発光装置1は、光学レンズ3を用いることにより、出射面53及び非球面の凸状面55の表面から平行光を出射することができ、スポットライトやダウンライト等の照明器具に適した狭角配光の光を照射することができる。
また、図7(a)乃至(c)は、同じく光学レンズ3を用いたときの光源2から50cmの距離における正面照度分布、色度x分布、及び色度y分布のシミュレーション結果を示す。本実施形態によれば、図7(a)に示すように、照射面に映る光の形状は、汎用のレンズを用いたときのシミュレーション結果(図15(a)参照)に比べて、整った円形になった。また、正面照度の最高値は光源2の直下位置において16000〜18000lxであり、色ムラを抑制できる完全拡散10°の拡散処理を施した場合(図17(a)参照)に比べて、直下照度が高くなった。更に、図7(b)(c)に示すように、照射面における色度分布はx:0.31−0.37、y:0.32−0.4の範囲で、概ね白色光となり、色ムラもほとんど確認されなかった。これらの結果は、汎用のレンズを用いたときのシミュレーション結果(図15(b)(c)参照)を上回るものであり、本実施形態の発光装置1は、照射面における色ムラを抑制することができ、しかも光源の直下照度の低下を抑制できることを示す。
本実施形態において、光源2は、図8(a)に示すような複数のLEDチップ21(固体発光素子)を波長変換部材22で被覆させた高出力LEDパッケージ2aが好適に用いられるが、これに限られない。例えば、図8(b)に示すように、一つのLEDチップ21が波長変換部材22と組み合わされたLEDパッケージ2bであってもよい。上記図13で示したように、LEDチップに波長変換部材を被覆させたLED光源は、その構造上、LEDが1つであっても色ムラを生じ易いが、このような光源2であっても、本実施形態のような光学レンズ3を用いれば、出射光の色ムラを少なくすることができる。また、図8(c)に示すように、色温度の異なる複数のLEDパッケージ2c,2dを基板20a上に並べた光源2’であってもよい。この例としては、昼白色光を出射するLEDパッケージ2cと、電球色光を出射するLEDパッケージ2dとを組み合わせることが挙げられる。光学レンズ3は、入射面41の面積が大きく、この入射面41に入射した光の位置や角度等が異なり、発光スペクトルが不一致であっても、これらを集光面43に集光することで色ムラを抑制でき、所望の色温度の照明光が得られる。
また、図8(d)に示すように、発光色が夫々赤、緑、青であるLEDチップ21r,21g,21bを基板20b上の1mm以内の範囲に並べ、これらを封止材22aで封止したLEDパッケージ2eであってもよい。このようなLEDパッケージ2eは、それ単体では、照射面の中央寄りの領域には各光色が混光された白色光が照射されるが、その周辺領域には各光色が混光されず個々に照射されて色ムラを生じる。これに対して、本実施形態の光学レンズ3によれば、これらを混光して色ムラの少ない照明光を得ることができる。なお、光源2はLEDに限らず、例えば、有機EL素子が用いられてもよい。
次に、本発明の第2の実施形態に係る発光装置1について、図9乃至図12を参照して説明する。本実施形態の発光装置1は、光学レンズ3の第1の反射面42及び第2の反射面52に反射処理が施されているものである。反射処理は、例えば、第1の反射面42及び第2の反射面52の表面に、アルミニウム等の高反射性を有する金属材料をめっき処理又は蒸着すること等によって行われる。
上記第1の実施形態において、第1の反射面42及び第2の反射面52は、その内表面(レンズ外部との界面)において光学レンズ3内を進行する光を全反射することにより、光を集光し又は平行光としていた。そのため、図9(a)(b)に示すように、第1の反射面42及び第2の反射面52への入射角が臨界角以内であると、全反射することなく屈折透過され、一部の光が漏れ光としてロスすることがある。
これに対して、本実施形態においては、図10(a)(b)に示すように、第1の反射面42及び第2の反射面52が反射処理されているので、全反射しない光も反射することができ、漏れ光を無くすことができる。従って、光源2からの光を無駄なく出射面53及び凸状面55から出射することができ、発光装置1の直下照度を向上させることができる。
図11は、本実施形態の光学レンズ3を用いたときの光路のシミュレーション結果を示す。発光装置1は、本実施形態の光学レンズ3を用いることにより、上記第1の実施形態よりも効果的に出射面53及び非球面の凸状面55の表面から平行光を出射することができる。また、図12(a)乃至(c)は、同じく光学レンズ3を用いたときの光源2から50cmの距離における正面照度分布、色度x分布、及び色度y分布のシミュレーション結果を示す。本実施形態によれば、照射面に映る光の形状は、上記第1の実施形態よりも整った円形であり、正面照度の最高値は光源2の直下位置において16000〜18000lxであり、その範囲が上記第1の実施形態よりも広がった。また、照射面における色ムラはほとんど確認されなかった。なお、本実施形態のおいては、第1の反射面42及び第2の反射面52の両方に反射処理が施されている例を示したが、いずれか一方のみに反射処理が施されてもよい。また、第1の反射面42又は第2の反射面52のうち、特に漏れ光が生じ易い箇所に局所的に反射処理が施されてもよい。
本発明は、上述した実施形態に限らず、種々の変形が可能である。断面形状が放物線形状である少なくとも2種の反射面を有し、一方の反射面で光を集光して擬似的な光源を作り、他方の反射面で擬似光源からの光を平行光とすることにより、色ムラを抑えて狭角配光を実現したものであればよい。
1 発光装置
2 光源(LEDパッケージ)
2a LEDパッケージ
2b LEDパッケージ
2c LEDパッケージ
2d LEDパッケージ
2e LEDパッケージ
21 LEDチップ(固体発光素子)
21b LEDチップ(青色)
21g LEDチップ(緑色)
21r LEDチップ(赤色)
22 波長変換部材
3 光学レンズ
4 第1のレンズ
41 入射面
42 第1の反射面
43 集光面
5 第2のレンズ
51 連接面
52 第2の反射面
53 出射面
55 非球面の凸状面

Claims (8)

  1. 光源と、前記光源からの出射光の配光を制御する光学レンズと、を備えた発光装置であって、
    前記光源は、光出射の位置及び角度によって発光スペクトルが異なり、
    前記光学レンズは、前記光源からの出射光を集光する第1のレンズと、該第1のレンズにより集光された光を平行光とする第2のレンズと、を備え、
    前記第1のレンズは、前記光源からの出射光が入射する入射面と、前記入射面から入射した光を反射して集光する断面形状が放物線形状の第1の反射面と、前記入射面から入射した光及び前記第1の反射面により集光された光を前記第2のレンズへ出射する集光面と、を有し、
    前記第2のレンズは、前記集光面に連接される連接面と、該連接面から立設されて入射した光を反射して平行光とする断面形状が前記光源方向に凸となる放物線形状の第2の反射面と、前記連接面から入射した光及び前記第2の反射面によって反射された平行光を出射する出射面と、を有することを特徴とする発光装置。
  2. 前記出射面は、前記連接面から入射し、前記出射面に直接的に到達する光を屈折させて平行光とする非球面の凸状面を有することを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
  3. 前記第1の反射面及び前記第2の反射面に反射処理が施されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の発光装置。
  4. 前記光源は、第1の分光分布を有する光を発光する固体発光素子と、前記固体発光素子の光を受けて前記第1の分光分布と異なる第2の分光分布を有する光を発光する波長変換部材と、を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の発光装置。
  5. 前記固体発光素子が複数設けられていることを特徴とする請求項4に記載の発光装置。
  6. 前記光源は、色温度の異なる複数のLEDパッケージを並べたものであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の発光装置。
  7. 前記光源は、発光色が夫々赤、緑、青である固体発光素子を並べたLEDパッケージであることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の発光装置。
  8. 請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の発光装置を用いた照明器具。
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