JP2013040086A - 強化ガラス板及びカバーガラスの製造方法並びにカバーガラス - Google Patents
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Abstract
【課題】より高強度でかつ軽量である強化ガラス板の製造方法を提供する。
【解決手段】ガラス板1の表面を、平均粒径が80nm以下のコロイダルシリカを含むスラリーを用いて研磨する研磨工程と、前記研磨工程後に、前記ガラス板1を化学強化する化学強化工程と、を含む、強化ガラス板の製造方法。前記研磨工程は、前記ガラス板1の表面を、酸化セリウムを含むスラリーを用いて研磨した後、平均粒径が80nm以下のコロイダルシリカを含むスラリーを用いて研磨する工程を含む。
【選択図】図1
【解決手段】ガラス板1の表面を、平均粒径が80nm以下のコロイダルシリカを含むスラリーを用いて研磨する研磨工程と、前記研磨工程後に、前記ガラス板1を化学強化する化学強化工程と、を含む、強化ガラス板の製造方法。前記研磨工程は、前記ガラス板1の表面を、酸化セリウムを含むスラリーを用いて研磨した後、平均粒径が80nm以下のコロイダルシリカを含むスラリーを用いて研磨する工程を含む。
【選択図】図1
Description
本発明は強化ガラス板及びカバーガラスの製造方法並びにカバーガラスに関する。
スマートフォンなどの携帯電話やPDAなどの携帯機器において、ディスプレイを保護するため、カバーガラスが用いられる。近年、携帯機器の薄型化・軽量化への技術が要求され、カバーガラスの軽量化及び薄板化が進行している。一般的に、ガラス板が薄くなると強度が低下するため、従来よりも強度の高いカバーガラスが求められる。
ガラス板の強度不足を補う方法として、ガラス板をイオン交換法などにより化学強化する技術が開発されている(例えば、特許文献1)。特許文献1では、化学強化により、ガラス板の表面に圧縮応力層を形成することで、撓みを抑え、また破損しにくいガラス板とその製造方法が開示されている。
しかしながら、カバーガラスに用いられるガラス板においては、その主表面に外部より大きい応力をうけるため、より高強度、より軽量であることが要求される。
そこで、本発明では、より高強度でかつ軽量である強化ガラス板について、その製造方法を提供することを目的とする。
本発明の態様によれば、
ガラス板の表面を、平均粒径が80nm以下のコロイダルシリカを含むスラリーを用いて研磨する研磨工程と、
前記研磨工程後に、前記ガラス板を化学強化する化学強化工程と、
を含む、強化ガラス板の製造方法が提供される。
ガラス板の表面を、平均粒径が80nm以下のコロイダルシリカを含むスラリーを用いて研磨する研磨工程と、
前記研磨工程後に、前記ガラス板を化学強化する化学強化工程と、
を含む、強化ガラス板の製造方法が提供される。
本発明によれば、以下の効果を奏する。
より高強度でかつ軽量である強化ガラス板について、その製造方法を提供できる。
以下、本発明を、図を参照することにより詳細に説明する。
本発明の強化ガラス板の製造方法で使用できるガラス板の組成は、特に限定されない。好ましいガラス板の組成としては、例えば、酸化物基準のモル%表示で、SiO2:50〜80%、Al2O3:2〜25%、Li2O:0〜10%、Na2O:0〜18%、K2O:0〜10%、MgO:0〜15%、CaO:0〜5%及びZrO2:0〜5%を含むガラスである。
他にも、酸化物基準のモル%表示で、SiO2:50〜74%、Al2O3:1〜10%、Na2O:6〜14%、K2O:3〜11%、MgO:2〜15%、CaO:0〜6%及びZrO2:0〜5%を含み、SiO2及びAl2O3の含有量の合計が75%以下、Na2O及びK2Oの含有量の合計が12〜25%、MgO及びCaOの含有量の合計が7〜15%であるガラス、SiO2:68〜80%、Al2O3:4〜10%、Na2O:5〜15%、K2O:0〜1%、MgO:4〜15%及びZrO2:0〜1%を含むガラス、SiO2:67〜75%、Al2O3:0〜4%、Na2O:7〜15%、K2O:1〜9%、MgO:6〜14%及びZrO2:0〜1.5%を含み、SiO2及びAl2O3の含有量の合計が71〜75%、Na2O及びK2Oの含有量の合計が12〜20%であり、CaOを含有する場合、その含有量が1%未満であるガラスを使用することが好ましい。
ガラス板は、フロート法、フュージョンダウンドロー法、スリットダウンドロー法、リドロー法などの方法により作製される。
また、ガラス板の厚みは、用途によって異なるが、携帯電話などのカバーガラス用途の場合、通常、0.2mm〜2.5mm程度である。
[研磨工程(化学強化工程前)]
図1(a)にガラス板の表面の状態を説明するための、概略図を示す。フロート法、フュージョンダウンドロー法、スリットダウンドロー法、リドロー法などの方法により作製されたガラス板1の表面には、通常、マイクロオーダーの傷2(クラック2と呼ぶことがある)やガラス板の撓みや凹みが存在する。より具体的には、ガラスの表面には、一般に、グリフィスフローと呼ばれるクラック2が存在する。ガラスの表面に引っ張り応力がかかった場合、このクラックに応力集中が発生し、クラックが進展してガラスの破壊に至る。そのため、ガラス板の表面に存在するクラック2やガラス板の撓みや凹みを除去するために、ガラス板の表面を研磨し、表面を平坦にする。なお、ガラス表面のクラックの長さは、通常、0.1μm〜3μm程度である。
図1(a)にガラス板の表面の状態を説明するための、概略図を示す。フロート法、フュージョンダウンドロー法、スリットダウンドロー法、リドロー法などの方法により作製されたガラス板1の表面には、通常、マイクロオーダーの傷2(クラック2と呼ぶことがある)やガラス板の撓みや凹みが存在する。より具体的には、ガラスの表面には、一般に、グリフィスフローと呼ばれるクラック2が存在する。ガラスの表面に引っ張り応力がかかった場合、このクラックに応力集中が発生し、クラックが進展してガラスの破壊に至る。そのため、ガラス板の表面に存在するクラック2やガラス板の撓みや凹みを除去するために、ガラス板の表面を研磨し、表面を平坦にする。なお、ガラス表面のクラックの長さは、通常、0.1μm〜3μm程度である。
ガラス板1の表面のクラック2を除去する方法としては、ガラス板の表面を、平均粒径が80nm以下、より好ましくは平均粒径が20nm以下、のコロイダルシリカを含むスラリーを用いて研磨する。コロイダルシリカとは、シリカ又はその水和物のコロイドを指し、通常、粒子径が10〜300nmである。本発明のガラス板の強化方法で使用するコロイダルシリカの粒径としては、平均粒径が80nm以下であることが好ましく、20nm以下であることがより好ましい。
イオン交換による化学強化を施したガラス板の表面には、最大で1μm程度の微細な凹凸が残留することがある。ガラスに力が作用する場合、前述のクラックや微細な凹凸が存在する箇所に応力が集中し、理論強度よりも小さな力でも割れることがある。
平均粒径80nm以下のコロイダルシリカを砥粒として含有するスラリーを用いて研磨を行うことにより、ガラス板の表面を均一に平坦にすることできる。このため、表面の微細な凹凸が小さい化学強化ガラスが得られるので、ガラス板の強度試験において、十分な強度を達成できるため、好ましい。なお、研磨時における、回転速度や研磨圧力などは、ガラス板の組成などに応じて、当業者が適宜選択できるものである。
通常、ガラス板の表面を平坦にする方法としては、ウェットエッチングなども挙げられるが、本発明では、平均粒径80nm以下のコロイダルシリカを砥粒として含有するスラリーを用いて研磨を行う。図1(b)に、ウェットエッチング処理後のガラス板1の表面の状態を説明するための、概略図を示す。図1(b)より明らかのように、ウェットエッチングによって処理されたガラス板1は、エッチングの条件にも依るが、表面が実質的に平坦ではない。そのため、ガラス板の強度試験において、十分な強度を達成できず、好ましくない。
また、上述のコロイダルシリカを含むスラリーを用いて研磨する前に、下記で述べる砥粒を含むスラリーを用いて研磨することが、より好ましい。コロイダルシリカを含むスラリーを用いて研磨する前に好ましく行う、スラリーを用いた研磨の砥粒としては、例えば、酸化セリウムなどの希土類酸化物、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ケイ素(コロイダルシリカを含む)、炭化ケイ素、酸化マンガン、酸化鉄、ダイヤモンド、窒化ホウ素及びジルコンなどの従来の砥粒が挙げられる。これらの砥粒は、1種類を単独で使用しても良く、2種類以上を併用して使用しても良い。これらの従来の研磨方法で研磨を行う場合、研磨後に、平均粒径が80nm以下のコロイダルシリカを含む砥粒を用いて仕上げ研磨を行う。一般的に、例えば、酸化セリウム(CeO2)の砥粒を含むスラリーを用いて、研磨工程を行う場合、酸化セリウムの砥粒は、平均的に1.1μm(=1100nm)の粒径を有する。そのため、酸化セリウムのみの研磨では研磨工程前に発生した撓みや凹みが残存する。そのため、十分なガラスの強度が得られない場合があり、好ましくない。
[化学強化工程]
化学強化する工程では、ガラスの表面をイオン交換し、圧縮応力が残留する表面層を形成させる。具体的には、ガラスの表面をイオン交換することにより、ガラスに含まれる小さなイオン半径のイオン(例えば、Liイオン、Naイオン)が、大きなイオン半径のイオン(例えば、Kイオン)に置換される。これにより、ガラスの表面に圧縮応力が残留し、ガラスの強度が向上する。
化学強化する工程では、ガラスの表面をイオン交換し、圧縮応力が残留する表面層を形成させる。具体的には、ガラスの表面をイオン交換することにより、ガラスに含まれる小さなイオン半径のイオン(例えば、Liイオン、Naイオン)が、大きなイオン半径のイオン(例えば、Kイオン)に置換される。これにより、ガラスの表面に圧縮応力が残留し、ガラスの強度が向上する。
図2に、化学強化後のガラス板の残留応力Sの厚さ方向分布を示す模式図を示す。図2において、S1はガラス板の一方の面層(表面層と呼ぶ)の最大残留圧縮応力、S2は他方の面層(裏面層と呼ぶ)の最大残留圧縮応力(通常、S1=S2である)、D1は表面層の厚さ、D2は裏面層の厚さ、Dはガラス板の厚さ、Tは表面層と裏面層との間に存在する中間層の平均残留引張応力をそれぞれ示す。また、図2における水平軸は、表面層を基準点(=0)とした場合の、板厚方向の距離を示している。
図2に示すように、表面層や裏面層に残留する圧縮応力は、表面および裏面から内部に向けて徐々に小さくなる傾向にある。一方で、圧縮応力が残留する表面層および裏面層などを形成する反作用として、表面層と裏面層との間には、引張応力が残留する中間層が形成される。この時、中間層に残留する引張応力は、ほぼ一定となる。
図2におけるS1、S2(通常S2=S1)、D1、D2(通常D2=D1)、Tは、強化処理条件で調節可能であり、化学強化用の処理液の濃度や温度、化学強化用のガラスを処理液に浸漬する時間などにて当業者が調節可能である。本発明における化学強化の条件及び方法は、特に限定されず、公知の方法を使用できる。具体的には、ガラス板を、例えば、400℃〜450℃のKNO3溶融塩に1時間〜10時間浸漬することにより化学強化処理が施される。また、化学強化後に、ガラス板に付着する溶融塩などの付着物などを除去する目的で、水で洗浄することが好ましい。
[その他の工程]
イオン交換による化学強化を施したガラス板は、その表面に欠陥が発生することがある。また、最大で1μm程度の微細な凹凸が残留することがある。ガラスに力が作用する場合、前述の欠陥や微細な凹凸が存在する箇所に応力が集中し、理論強度よりも小さな力でも割れることがある。そのため、化学強化後のガラスの少なくとも一方の表面に存在する、欠陥及び微細な凹凸を有する層(異質層と呼ぶ)を除去することが好ましい。なお、欠陥が存在する異質層の厚さは、化学強化の条件や、化学強化工程前のガラス板の表面状態にも依るが、通常、0.01〜0.5μmである。
イオン交換による化学強化を施したガラス板は、その表面に欠陥が発生することがある。また、最大で1μm程度の微細な凹凸が残留することがある。ガラスに力が作用する場合、前述の欠陥や微細な凹凸が存在する箇所に応力が集中し、理論強度よりも小さな力でも割れることがある。そのため、化学強化後のガラスの少なくとも一方の表面に存在する、欠陥及び微細な凹凸を有する層(異質層と呼ぶ)を除去することが好ましい。なお、欠陥が存在する異質層の厚さは、化学強化の条件や、化学強化工程前のガラス板の表面状態にも依るが、通常、0.01〜0.5μmである。
欠陥及び微細な凹凸を含む異質層を除去する方法としては、平均粒径が80nm以下のコロイダルシリカを含む砥粒を用いて研磨を行う方法が挙げられる。
コロイダルシリカを含むスラリーを用いて研磨する前に、酸化セリウムなどの希土類酸化物、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ケイ素、炭化ケイ素、酸化マンガン、酸化鉄、ダイヤモンド、窒化ホウ素及びジルコンなどの、公知の砥粒を含むスラリーを用いて研磨しても良い。
欠陥及び微細な凹凸を含む異質層を除去する方法としては、ウェットエッチングにより異質層を除去する方法も好ましい。この場合、欠陥及び微細な凹凸を含む異質層を除去することができれば、エッチングの条件としては特に限定されない。例えば、エッチング液として、フッ酸、フッ酸を主成分とする酸性溶液、フッ酸に硫酸、塩酸、リン酸、硝酸、ケイフッ酸のうちの少なくとも1つの酸を含む混酸の他、苛性ソーダや苛性カリ等のアルカリ類を使用することができる。また、エッチング温度は通常10℃〜60℃であり、好ましくは20℃〜40℃である。さらに、エッチング時間は、通常30秒〜30分であり、好ましくは1分〜10分である。これらのエッチングの条件は、使用するガラス基板の材質などに応じて、反応物が析出することのないように、当業者が適宜選択できるものである。
研磨やエッチング後のガラス板の表面には、付着物が付着していることがあるため、処理後のガラス板は洗浄することが好ましい。洗浄方法としては特に限定されず、公知の方法を使用できるが、例えば、超音波を印加した状態で、硫酸、塩酸又は硝酸などの水溶液で洗浄することができる。
[カバーガラスの製造方法]
本発明のガラス板の強化方法は、携帯電話、デジタルカメラ、タッチパネルディスプレイ等のディスプレイ用カバーガラスの製造方法に応用することができる。強化ガラスの製造方法は、用途によっても異なり、本発明のガラス板の強化方法を使用すれば、その他の工程としては特に限定されない。一例を下記に示すが、本発明はこの例に限定されない。
本発明のガラス板の強化方法は、携帯電話、デジタルカメラ、タッチパネルディスプレイ等のディスプレイ用カバーガラスの製造方法に応用することができる。強化ガラスの製造方法は、用途によっても異なり、本発明のガラス板の強化方法を使用すれば、その他の工程としては特に限定されない。一例を下記に示すが、本発明はこの例に限定されない。
まず、準備したガラス素板を、切断、穴あけ、切り欠き、研磨、糸面取りなどの工程を経て、最終的に仕上げる所望の大きさ、形状に成形する。この時、後の工程のハンドリングの向上及びプロセスコストを削減するために、最終的に仕上げる所望の大きさよりも大きい大きさに切断しておき、全ての加工工程が終了した後に、所望の大きさ、形状に成形しても良い。
成形されたガラス板は、本発明の強化ガラスの製造方法により、強化される。強化されたガラス板には、印刷、反射防止コーティング、機能性フイルムの貼り合せなどが行なわれ、カバーガラスが製造される。
以下に、実施例などにより本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
全ての実施例及び比較例において、フロート法により成形した後に切断して得た縦50mm×横50mm×厚さ1.1mmの平板ガラスを用いた。使用した平板ガラスの組成は、酸化物基準のモル%表示で、SiO2:64%、Al2O3:8%、MgO:11%、Na2O:12.5%、ZrO2:0.5%であった。
なお、実施例及び比較例におけるボトム面及びトップ面とは、フロート法による成形の際に、溶融錫に接した面(ボトム面)と、その反対側の面(トップ面)のことを指す。
以下の実施例および比較例では、次の各工程を適宜組み合わせて行った。
(化学強化)
平板ガラスを、KNO3溶融塩に浸漬し、イオン交換処理した後、室温付近まで冷却することにより化学強化する。このとき、KNO3溶融塩の温度は435℃とし、浸漬時間は4時間とする。得られた化学強化ガラスは水洗いし、次の工程に供する。
平板ガラスを、KNO3溶融塩に浸漬し、イオン交換処理した後、室温付近まで冷却することにより化学強化する。このとき、KNO3溶融塩の温度は435℃とし、浸漬時間は4時間とする。得られた化学強化ガラスは水洗いし、次の工程に供する。
(酸化セリウム研磨)
研磨スラリーとして、平均粒子直径(d50)が1μmの酸化セリウムを水に分散させてスラリーを作製し、得られたスラリーを用いて、平板ガラスを約3.0μm研磨する。
研磨スラリーとして、平均粒子直径(d50)が1μmの酸化セリウムを水に分散させてスラリーを作製し、得られたスラリーを用いて、平板ガラスを約3.0μm研磨する。
(コロイダルシリカ研磨)
研磨スラリーとして、平均粒子直径(d50)が80nmのコロイダルシリカ(コンポール80;フジミインコーポレーテッド社製)を水に分散させてスラリーを作製し、得られたスラリーを用いて平板ガラスを約0.2μm研磨する。
研磨スラリーとして、平均粒子直径(d50)が80nmのコロイダルシリカ(コンポール80;フジミインコーポレーテッド社製)を水に分散させてスラリーを作製し、得られたスラリーを用いて平板ガラスを約0.2μm研磨する。
(ウェットエッチング)
エッチング液として、フッ酸及び塩酸の混酸(フッ酸0.55質量%、塩酸5.8質量%)を用いて、平板ガラスを20℃、5分エッチングする。
エッチング液として、フッ酸及び塩酸の混酸(フッ酸0.55質量%、塩酸5.8質量%)を用いて、平板ガラスを20℃、5分エッチングする。
[実施例1]
平板ガラスに酸化セリウム研磨を行った後、コロイダルシリカ研磨を行い、化学強化工程により平板ガラスを強化した。前記酸化セリウム研磨およびコロイダルシリカ研磨はトップ面に対して行った。
平板ガラスに酸化セリウム研磨を行った後、コロイダルシリカ研磨を行い、化学強化工程により平板ガラスを強化した。前記酸化セリウム研磨およびコロイダルシリカ研磨はトップ面に対して行った。
[比較例1]
平板ガラスに酸化セリウム研磨を行った後、化学強化工程により平板ガラスを強化した。前記酸化セリウム研磨はトップ面に対して行った。
平板ガラスに酸化セリウム研磨を行った後、化学強化工程により平板ガラスを強化した。前記酸化セリウム研磨はトップ面に対して行った。
[比較例2]
平板ガラスにウェットエッチングを行った後、化学強化工程により平板ガラスを強化した。前記ウェットエッチングはトップ面及びボトム面の両面に対して行った。
平板ガラスにウェットエッチングを行った後、化学強化工程により平板ガラスを強化した。前記ウェットエッチングはトップ面及びボトム面の両面に対して行った。
[比較例3]
前記化学強化工程により平板ガラスを強化したが、化学強化の前の処理はいずれも行わなかった。
前記化学強化工程により平板ガラスを強化したが、化学強化の前の処理はいずれも行わなかった。
実施例及び比較例における各強化処理の条件を、表1に示す。
《Ball on Ring試験》
Ball on Ring(BOR)試験では、ガラス板1を水平に載置した状態で、SUS304製の加圧治具3を用いてガラス板1を加圧し、ガラス板1の強度を測定した。図3に、本発明で用いた強度試験を説明するための概略図を示す。図3において、SUS304製の加圧治具4の上に、サンプルとなるガラス板1が水平に設置されている。ガラス板1の上方には、ガラス板1を加圧するための、加圧治具3が設置されている。
Ball on Ring(BOR)試験では、ガラス板1を水平に載置した状態で、SUS304製の加圧治具3を用いてガラス板1を加圧し、ガラス板1の強度を測定した。図3に、本発明で用いた強度試験を説明するための概略図を示す。図3において、SUS304製の加圧治具4の上に、サンプルとなるガラス板1が水平に設置されている。ガラス板1の上方には、ガラス板1を加圧するための、加圧治具3が設置されている。
本実施の形態においては、実施例及び比較例後に得られたガラス板1の上方から、ガラス板1の中央領域を加圧した。なお、試験条件は下記の通りである。
サンプルの厚み:1.1(mm);
加圧治具3の下降速度:1.0(mm/min):
この時、ガラスが破壊された際の、破壊荷重(単位N)をBOR強度とし、20回の測定の平均値をBOR平均強度とした。
サンプルの厚み:1.1(mm);
加圧治具3の下降速度:1.0(mm/min):
この時、ガラスが破壊された際の、破壊荷重(単位N)をBOR強度とし、20回の測定の平均値をBOR平均強度とした。
《算術平均表面粗さRa》
ガラス基板の表面粗さは、触針式の表面粗さ計(Veeco社製Multimode V SPM−Nanoscope V controller)を用いて測定した。なお、測定値は、ガラス板から任意2箇所の表面粗さを測定し、その平均値で示した。
ガラス基板の表面粗さは、触針式の表面粗さ計(Veeco社製Multimode V SPM−Nanoscope V controller)を用いて測定した。なお、測定値は、ガラス板から任意2箇所の表面粗さを測定し、その平均値で示した。
本発明のガラスの強化方法により得られたガラスにおける、上述の評価方法で評価した結果も表1に示している。
本発明のガラスの強化方法により得られたガラスは、比較例のガラスに比べ、表面粗さが小さく、強度が高くなることがわかる。
1 ガラス板
2 傷(クラック)
3 加圧治具
4 受け治具
2 傷(クラック)
3 加圧治具
4 受け治具
Claims (4)
- ガラス板の表面を、平均粒径が80nm以下のコロイダルシリカを含むスラリーを用いて研磨する研磨工程と、
前記研磨工程後に、前記ガラス板を化学強化する化学強化工程と、
を含む、強化ガラス板の製造方法。 - 前記研磨工程は、前記ガラス板の表面を、酸化セリウムを含むスラリーを用いて研磨した後、平均粒径が80nm以下のコロイダルシリカを含むスラリーを用いて研磨する工程である、請求項1に記載の強化ガラス板の製造方法。
- 請求項1又は2に記載の強化ガラス板の製造方法を含む、ディスプレイ用カバーガラスの製造方法。
- 請求項3に記載のカバーガラスの製造方法により得られるカバーガラス。
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