JP2012200855A - 工作機械及び制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】大径工具と交換アームとの接触を回避し、工具を交換する時間を短縮する工作機械及び工具を交換する動作を制御する制御方法を提供する。
【解決手段】加工軸9に装着された工具24及び工具ポット31に格納された工具24がいずれも標準工具である場合に、工具ポット31が交換アーム18に接近する動作と加工軸9(軸台3)が交換位置に移動する動作とを並行的に実行する。標準工具は小型なので交換アーム18に接触せず、交換時間を短縮することができる。
【選択図】図10
【解決手段】加工軸9に装着された工具24及び工具ポット31に格納された工具24がいずれも標準工具である場合に、工具ポット31が交換アーム18に接近する動作と加工軸9(軸台3)が交換位置に移動する動作とを並行的に実行する。標準工具は小型なので交換アーム18に接触せず、交換時間を短縮することができる。
【選択図】図10
Description
本発明は、格納部に格納された大径又は小径の工具とワークを加工する加工部に装着した工具とを交換する工作機械及び工具を交換する動作を制御する制御方法に関する。
一般にマシニングセンタ(工作機械)は、フライス加工、中ぐり加工又はねじ立てなど種々の加工を行う。工作機械は、制御部からの指令に基づいて、複数の工具を格納する格納部から所定の工具を取り出す。そして加工軸(加工部)に装着された工具と交換し、目的の加工を行う。
特許文献1には、加工軸と、複数の工具を収容する工具マガジンと、交換アームと、制御装置(制御部)とを備える工作機械が開示してある。工具マガジンは、工具を格納する複数の工具ポット(格納部)を備えている。工具マガジンは環状をなし、前後方向又は左右方向を軸心方向として回転する。工具マガジンは工具ポットを交換可能な最下位置へ搬送する。最下位置へ搬送された工具ポットは、下側に略90度回転する。
加工軸及び交換アームは、上下に移動する加工ヘッド(移動部)の下側に設けてある。加工ヘッドは、工具を交換する上側の交換位置とワークを加工する下側の加工位置との間を移動する。工具を交換する場合、加工ヘッドは交換位置に移動する。交換アームは、下側に回転した工具ポットに接近する。
交換アームは、アームと、フィンガとを備える。フィンガは、アームの両端にそれぞれ設けてある。各フィンガは、下側に回転した工具ポットに格納した工具と、加工軸に装着した工具とを把持する。交換アームが180度回転し、工具が交換される。加工軸は工具を装着する。工具ポットは工具を格納し、上側に略90度回転する。
一般に工具は、大径工具(大型の工具)と、標準工具(小型の工具)とに大別される。標準工具は、大径工具よりも小径である。工具ポットに格納された大径工具を加工軸に装着する場合、加工ヘッドが交換位置に移動した後、工具ポットは下側に回転する。加工ヘッドが交換位置に移動する前に、工具ポットが下側に回転した場合、工具ポットに格納された大径工具と交換アームとが接触するおそれがある。そのため加工ヘッドが交換位置に移動した後、工具ポットは下側に回転する。
しかし加工ヘッドの移動と工具ポットの回転とを順に実行した場合、工具の交換に長時間を要する。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、大径工具と交換アームとの接触を回避し、工具を交換する時間を短縮する工作機械及び工具を交換する動作を制御する制御方法を提供することを目的とする。
本発明に係る工作機械は、大型又は小型の工具をそれぞれ格納する複数の格納部と、該格納部に格納された工具を装着してワークを加工する加工部と、該加工部に装着した工具を交換する交換部と、該交換部及び加工部と共に、工具を交換する交換位置及びワークを加工する加工位置の間を移動する移動部と、前記格納部を前記交換部に接離させるアクチュエータと、工具を交換する交換命令を記憶する記憶部と、工具を識別する識別情報及び該識別情報に対応付けてあり、大型又は小型の別を示す寸法情報を記憶する工具情報テーブルと、該工具情報テーブル及び交換命令に基づいて、前記移動部、アクチュエータ及び交換部の動作を制御し、加工部に装着した工具と格納部に格納した工具との交換を実行する制御部とを備える工作機械において、前記制御部は、前記加工部に小型の工具が装着してあるか否かを判定する装着判定手段と、前記加工部に装着してある工具の次に前記加工部に装着されるべき工具が小型の工具であるか否かを判定する次工具判定手段と、該次工具判定手段にて前記加工部に装着されるべき工具が小型の工具であると判定し、前記装着判定手段にて前記加工部に小型の工具が装着してあると判定した場合に、前記格納部が前記交換部に接近する動作及び前記移動部が前記交換位置に移動する動作を並行的に実行する手段と、該手段にて前記両動作を実行したか否かを判定する手段と、該手段にて前記両動作を実行したと判定した場合に、前記交換部による工具の交換を実行する手段とを備えることを特徴とする。
本発明に係る工作機械は、前記交換部による工具の交換が終了したか否かを判定する手段と、該手段にて前記交換部による工具の交換が終了したと判定した場合に、前記格納部が前記交換部から離反する動作及び前記移動部が前記加工位置に移動する動作を並行的に実行する手段とを備えることを特徴とする。
本発明に係る制御方法は、ワークを加工する加工部に装着した大型又は小型の工具を、工具を格納する複数の格納部に格納した工具に交換する交換部、該交換部及び加工部を設けてあり、工具を交換する交換位置及びワークを加工する加工位置の間を移動する移動部並びに前記格納部を前記交換部に接離させるアクチュエータの各動作を、工具を交換する交換命令に基づいて制御する制御方法において、前記加工部に小型の工具が装着してあるか否かを判定する装着判定ステップと、前記加工部に装着してある工具の次に前記加工部に装着されるべき工具が小型の工具であるか否かを判定する次工具判定ステップと、該次工具判定ステップにて前記加工部に装着されるべき工具が小型の工具であると判定し、前記装着判定ステップにて前記加工部に小型の工具が装着してあると判定した場合に、前記格納部が前記交換部に接近する動作及び前記移動部が前記交換位置に移動する動作を並行的に実行するステップと、該ステップにて前記両動作を実行したか否かを判定するステップと、該ステップにて前記両動作を実行したと判定した場合に、前記交換部による工具の交換を実行するステップとを備えることを特徴とする。
本発明に係る制御方法は、前記交換部による工具の交換が終了したか否かを判定するステップと、該ステップにて前記交換部による工具の交換が終了したと判定した場合に、前記格納部が前記交換部から離反する動作及び前記移動部が前記加工位置に移動する動作を並行的に実行するステップとを備えることを特徴とする。
本発明においては、加工部に装着された工具及び格納部に格納された工具がいずれも小型の工具である場合に、格納部が交換部に接近する動作と移動部が交換位置に移動する動作とを並行的に実行する。
本発明においては、交換部による工具の交換が終了した場合に、格納部が交換部から離反する動作と移動部が加工位置に移動する動作とを並行的に実行する。
本発明にあっては、加工部に装着された工具及び格納部に格納された工具がいずれも小型の工具である場合に、格納部が交換部に接近する動作と移動部が交換位置に移動する動作とを並行的に実行する。小型の工具は交換部に接触せず、交換時間を短縮することができる。
本発明にあっては、交換部による工具の交換が終了した場合に、格納部が交換部から離反する動作と移動部が加工位置に移動する動作とを並行的に実行する。小型の工具は交換部に接触せず、交換時間を短縮することができる。
以下本発明を実施の形態に係るマシニングセンタを示す図面に基づいて詳述する。図1はマシニングセンタを略示する外観図、図2は加工軸近傍の構成を略示する縦断面図である。マシニングセンタは基台1を備える。基台1上にコラム2が直立している。コラム2の一側面に、上下に細長いガイドレール4、4が設けてある。ガイドレール4、4は、適当な間隔を空けて対向している。ガイドレール4、4に軸台(移動部)3が連結している。ガイドレール4は軸台3を上下方向に案内する。軸台3は後述する加工軸を搭載する。コラム2の上部にZ軸送りモータ5が設けてある。Z軸送りモータ5の回転軸に、送りネジ6が連結している。送りネジ6はガイドレール4、4の間を下方に延びる。軸台3は送りネジ6に連結しており、Z軸送りモータ5の回転によって、上下方向(Z軸方向)に移動する。
軸台3の下方に、テーブル7が配置してある。テーブル7は基台1に設けてあり、水平面方向(X軸方向、Y軸方向)に移動可能である。テーブル7にワークが載置される。軸台3は、加工軸モータ8と、加工軸(加工部)9と、工具マガジン10とを搭載している。加工軸9は、軸台3の上下移動によって上方の交換位置と下方の加工位置との間を移動する(後述する図4参照)。加工軸9は、加工軸モータ8の回転によって回転する。図2に示すように、加工軸9は、工具取付部11と、ドローバー53と、工具リリースピン54とを備えている。工具取付部11は、工具24を着脱可能に保持する。工具リリースピン54は、ドローバー53を介して工具取付部11に連結している。図1に示すように、軸台3に、工具交換モータ15が設けてある。工具交換モータ15は、カム機構を介して工具リリースピン54に連結している。工具交換モータ15の駆動によって工具リリースピン54を押し下げた場合、工具24は工具取付部11から離脱する。
図3は工具マガジン10を略示する側面図である。工具マガジン10は、図3に示すように、円環状の工具通路10aを備えている。該工具通路10aの最下部に、開口10bが設けてある。工具通路10a内には、複数の工具ポット31が収納してある。各工具ポット31は、各別の工具24を着脱可能に格納する。図1に示すように、工具マガジン10に、マガジンモータ14が設けてある。工具ポット31は、マガジンモータ14の駆動によって、工具通路10a内を移動する。加工軸9に装着した工具24と工具ポット31に格納した工具24とを交換する場合、所定の工具ポット31が開口10bに移動する。
図4は工具マガジン10を略示する縦断面図である。工具マガジン10は、工具ポット31を支持する支持軸161を備える。支持軸161は、工具ポット31を回転可能に支持する。工具ポット31の内奥に、ラッチ機構が設けてある。該ラッチ機構は、凹部33と、圧縮バネ34と、ボール35とを備える。凹部33は、工具ポット31の内周面に形成してある。圧縮バネ34は、凹部33内に設けてあり、ボール35を工具ポット31の内側に向けて付勢している。工具24は、基端部にプルスタッド121を有している。工具24を工具ポット31に強く押し込んだ場合、プルスタッド121がボール35に係合し、工具ポット31は工具24を保持する。工具24を工具ポット31から強く引き抜いた場合、ボール35はプルスタッド121から外れ、工具24が工具ポット31から離脱する。
工具ポット31の後端部に、ピン162が設けてある。工具マガジン10は、上下方向に摺動するスライダ164を備える。スライダ164は、ピン162を係合するU字溝163を有する。スライダ164の上部は、ロッド171に連結してある。ロッド171はエアシリンダ170に接続してある。エアシリンダ170は制御信号によって駆動し、ロッド171の上昇又は下降を行う。工具ポット31が開口10bに移動した場合、ピン162がU字溝163に係合する。
図4において仮想線で示すように、エアシリンダ170の駆動によってロッド171が上昇した場合、工具ポット31が支持軸161を支点にして下側に90度回転する。工具24は下向きになり、後述する交換アーム18による交換が可能になる。エアシリンダ170の駆動によってロッド171が下降した場合、工具ポット31が支持軸161を支点にして上側に90度回転する。工具24は横向きになり、交換アーム18による交換が不可能になる。
軸台3に、下側に突出した回転軸19が設けてある。回転軸19は、加工軸9と、工具マガジン10との間に位置している。回転軸19の下端部に、交換アーム18が設けてある。図5は交換アーム18を略示する底面図である。
交換アーム18は、アーム本体16と、開閉可能なフィンガ対17、17とを備える。各フィンガ対17、17は、アーム本体16の両端部に設けてある。フィンガ対17、17は、アーム本体16の中心に対して対称な位置に配置されている。またフィンガ対17、17は、アーム本体16から外側に延出している。フィンガ対17、17には、ばね58、59が設けてある。アーム本体16に、カム軸51が設けてある。該カム軸51の駆動及びばね58、59の付勢力によって、フィンガ対17、17が開閉する。
交換アーム18は、アーム本体16と、開閉可能なフィンガ対17、17とを備える。各フィンガ対17、17は、アーム本体16の両端部に設けてある。フィンガ対17、17は、アーム本体16の中心に対して対称な位置に配置されている。またフィンガ対17、17は、アーム本体16から外側に延出している。フィンガ対17、17には、ばね58、59が設けてある。アーム本体16に、カム軸51が設けてある。該カム軸51の駆動及びばね58、59の付勢力によって、フィンガ対17、17が開閉する。
回転軸19はカム機構に連結してある。該カム機構は、工具交換モータ15の回転運動を上下運動に変換する。工具交換モータ15の駆動によって、回転軸19は、上下方向(軸方向)に移動する。回転軸19が上昇した場合、工具交換モータ15の回転力は、前記カム軸51に伝動する。このときフィンガ対17、17が開閉する。フィンガ対17、17は、加工軸9に装着した工具24又は工具ポット31に格納された工具24を把持する。
なお工具ポット31に格納された工具24が下を向いている場合、フィンガ対17の間に前記工具24が位置するので、フィンガ対17は前記工具24を把持することができる。一方工具ポット31に格納された工具24が横を向いている場合、フィンガ対17の間に前記工具24が位置しないので、フィンガ対17は前記工具24を把持することができない。
回転軸19が下降した場合、アーム本体16が回転し、フィンガ対17、17に把持された工具24、24の位置が入れ替わる。そして回転軸19が上昇する。工具24、24はそれぞれ工具ポット31に格納され、加工軸9に装着される。フィンガ対17、17は工具24、24を離す。工具交換モータ15が所定数回転する間に、フィンガ対17、17の開閉動作、並びに交換アーム18の上下動作及び回転動作が行われる(詳細は特開平10−151542号公報参照)。
交換アーム18は、軸台3の上下移動によって加工軸9と共に上下方向に移動する(図4参照)。交換アーム18は、加工軸9と共に上側に位置している場合、上述した交換動作を行う。
マシニングセンタは、加工動作及び工具交換動作を制御する制御装置(制御部)60を備える。図6はマシニングセンタのブロック図である。制御装置60は、CPU(Central Processing Unit)61と、制御プログラムを格納したROM(Read Only Memory)62と、データを一時的に記憶するRAM(Random Access Memory)63と、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)64とを備える。CPU61は、ROM62に記憶された制御プログラムをRAM63に読出し、後述する工具判定交換処理、第1交換処理及び第2交換処理などを実行する。制御装置60は、入力インタフェース65及び出力インタフェース66を備える。EEPROM64は、後述する加工/工具交換プログラム及び工具情報テーブルなどを記憶する。なおEEPROM64に代えて、書換可能な他の不揮発性メモリを使用してもよい。例えばフラッシュメモリ又はEPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)を使用してもよい。
マシニングセンタは、入力装置50と、アームセンサ180と、Z軸センサ90と、ポット下降センサ31aと、ポット上昇センサ31bとを備える。入力装置50はキーボード又はタッチパネルなどからなり、操作を受け付ける。アームセンサ180は、交換アーム18が原点まで上昇したか否かを検出する。Z軸センサ90は、加工軸9が工具を交換する交換位置まで上昇したか否かを検出する。ポット下降センサ31aは、開口10bにて工具ポット31が下側に回転したか否かを検出する。ポット上昇センサ31bは、開口10bにて工具ポット31が上側に回転したか否かを検出する。入力装置50、アームセンサ180、Z軸センサ90、ポット下降センサ31a及びポット上昇センサ31bは、入力インタフェース65を介して制御装置60に信号を入力する。
マシニングセンタは、Xモータ71、Yモータ72及び表示装置51を備える。テーブル7は、Xモータ71の駆動によって図1の矢印X方向に移動し、Yモータ72の駆動によって図1の矢印Y方向に移動する。表示装置51は種々の情報を表示する。制御装置60は、出力インタフェース66を介してXモータ71、Yモータ72、エアシリンダ170、表示装置51、Z軸送りモータ5、加工軸モータ8、マガジンモータ14及び工具交換モータ15に制御信号を出力する。
マシニングセンタはポット識別センサ40を備える。ポット識別センサ40は、投光素子41と、受光素子42と、ポット識別板43とを備える。投光素子41及び受光素子42は、ポット識別板43を挟んで対向している。ポット識別板43は工具マガジン10に設けてある。ポット識別板43は、各工具ポット31を個別に識別する光透過部を備える。該光透過部は、各工具ポット31に対応したパターンを有している。ポット識別板43は、複数の工具ポット31と一体的に回転する。
制御装置60は、出力インタフェース66を介して投光素子41に投光信号を入力する。受光素子42は、光透過部の各パターンに応じた光を受光する。受光素子42は、入力インタフェース65に受光信号を出力する。CPU61は、受光信号に基いて開口10bにいずれの工具ポット31が搬送されたかを検出する。所定の工具ポット31が搬送されたことを検出した場合、マガジンモータ14を停止させ、所定の工具24を開口10bに位置決めする。
図7はEEPROM64に記憶された加工プログラム及び工具情報テーブルの一例を示す図である。図7Aは、EEPROM64に記憶された加工プログラムの一例を示す。CPU61は、加工プログラムを一行ずつ順に読込む。図中、G100は工具交換命令を示し、Tは次に加工軸9に装着する工具24の識別番号を示す。例えば図7Aのp行目は、工具交換命令(G100)であり、次に交換する工具24は6番(T6)であることを示す。
r+1行目は加工命令(G50)であり、2番の工具でXn、Yn及びZn位置にて加工することを示す。Xn、Yn及びZnはそれぞれX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向の位置を示す。
図7Bは、EEPROM64に記憶された工具情報テーブルの一例を示す。工具情報テーブルには、識別番号と、寸法情報と、位置情報とが対応付けて格納してある。識別番号は工具24を識別する。寸法情報は、工具24が大径工具であるか標準工具であるかを示す。位置情報は、工具24が各工具ポット31又は加工軸9のいずれに位置するのかを示す。CPU61は、工具24の交換に従って工具情報テーブルを書き換える。
図8は加工軸9に装着された工具及び次に加工軸9に装着されるべき工具の大きさを判定し、工具交換を実行する制御装置60による工具判定交換処理を説明するフローチャートである。工具判定交換処理は、次に実行する指令が工具交換指令である場合に起動する。
工具交換命令(G100)を示すプログラムを読込んだ場合、CPU61は工具情報テーブルを参照し、次に加工軸9に装着する工具が大径工具か否かを判定する(ステップS1)。次に加工軸9に装着する工具が大径工具ではない場合(ステップS1:NO)、CPU61は後述する第1交換処理を実行する(ステップS2)。
次に加工軸9に装着する工具が大径工具の場合(ステップS1:YES)、CPU61は後述する第2交換処理を実行する(ステップS3)。
図9は次に加工軸9に装着する工具が標準工具の場合に実行される第1交換処理を説明するフローチャート、図10は第1交換処理に係る工具ポット31、加工軸9及び交換アーム18の動作を説明する説明図である。なお工具マガジン10は、工具交換命令のTに記述された標準工具を格納した工具ポット31を開口10bに予め搬送している。該工具ポット31は横側を向いている。加工軸9は加工位置にある(図10A参照)。なお工具の交換が終了した後、CPU61はワークの加工を実行する。
CPU61はエアシリンダ170に駆動信号を出力し、工具ポット31を下側に回転させ且つZ軸送りモータ5に駆動信号を出力し、加工軸9を交換位置へ移動させる(ステップS61)。工具ポット31には、工具交換命令のTに記述された標準工具が格納してある。
CPU61は工具ポット31が下回転し、加工軸9が交換位置に存在するか否かを判定する(ステップS62)。CPU61はポット下降センサ31a及びZ軸センサ90の出力を取込み、前記判定を実行する。工具ポット31が下回転していないか又は加工軸9が交換位置に存在しない場合(ステップS62:NO)、CPU61は待機する。
工具ポット31が下回転し、加工軸9が交換位置に存在する場合(ステップS62:YES、図10B)、CPU61は工具交換モータ15に駆動信号を出力し、加工軸9に装着した標準工具を工具ポット31に格納した標準工具に交換する(ステップS63)。CPU61はアームセンサ180の出力を取込み、工具の交換が終了したか否かを判定する(ステップS64)。工具の交換が終了してない場合(ステップS64:NO)、CPU61は待機する。
工具の交換が終了した場合(ステップS64:YES、図10C)、CPU61は工具交換後に工具ポット31に格納した工具が標準工具か否かを判断する(ステップS65)。工具交換後に工具ポット31に格納した工具が標準工具の場合(ステップS65:YES)、CPU61はエアシリンダ170に駆動信号を出力し、工具ポット31を上側に回転させ、且つZ軸送りモータ5に駆動信号を出力し、加工軸9を加工位置へ移動させる(ステップS66)。工具ポット31の動作と加工軸9の加工位置への移動は同時に行われる(図10D)。図10Dは、工具ポット31が上側に移動する途中の状態を示している。
工具交換後に工具ポット31に格納した工具が大径工具の場合(ステップS65:NO)、CPU61はエアシリンダ170に駆動信号を出力し、工具ポット31を上側に回転させる(ステップS67)。CPU61はポット上昇センサ31bの出力を取込み、工具ポット31が略90度上側に回転したか否かを判定する(ステップS68)。工具ポット31が上側に回転していない場合(ステップS68:NO)、CPU61は待機する。工具ポット31が略90度上側に回転した場合(ステップS68:YES、図10E)、Z軸送りモータ5に駆動信号を出力し、加工軸9を加工位置へ移動させ(ステップS69、図10F)、処理を終了する。前述の場合、大径工具を格納した工具ポット31が先に上側に位置した後、加工軸9が加工位置に移動するので、交換アーム18は、大径工具と干渉しない。
図11は次に加工軸9に装着する工具が大径工具の場合に実行される第2交換処理を説明するフローチャート、図12は第2交換処理に係る工具ポット31、加工軸9及び交換アーム18の動作を説明する説明図である。なお工具マガジン10は、工具交換命令のTに記述された大径工具を格納した工具ポット31を、開口10bに予め搬送している。該工具ポット31は横側を向いている。加工軸9は加工位置にある(図12A参照)。なお工具の交換が終了した後、CPU61はワークの加工を実行する。
CPU61はZ軸送りモータ5に駆動信号を出力し、加工軸9を交換位置へ移動させる(ステップS71)。CPU61は加工軸9が交換位置に存在するか否かを判定する(ステップS72)。加工軸9が交換位置に存在しない場合(ステップS72:NO)、CPU61は待機する。
加工軸9が交換位置に存在する場合(ステップS72:YES、図12B)、CPU61はエアシリンダ170に駆動信号を出力し、工具ポット31を下側に回転させる(ステップS73)。CPU61は工具ポット31が下回転したか否かを判定する(ステップS74)。工具ポット31が下回転していない場合(ステップS74:NO)、CPU61は待機する。
工具ポット31が下回転した場合(ステップS74:YES、図12C)、CPU61は工具交換モータ15に駆動信号を出力し、加工軸9に装着した工具を工具ポット31に格納した工具に交換する(ステップS75)。CPU61は工具の交換が終了したか否かを判定する(ステップS76)。工具の交換が終了してない場合(ステップS76:NO)、CPU61は待機する。
工具の交換が終了した場合(ステップS76:YES、図12D)、CPU61は工具ポット31に格納した工具が標準工具か否かを判断する(ステップS77)。工具ポット31に格納した工具が標準工具の場合(ステップS77:YES)、CPU61はエアシリンダ170に駆動信号を出力し、工具ポット31を上側に回転させ、且つZ軸送りモータ5に駆動信号を出力し、加工軸9を加工位置へ移動させる(ステップS78、図12E)。工具ポット31の動作と加工軸9の加工位置への移動は同時に行われる。図12Eは、工具ポット31が上側に移動する途中の状態を示している。
工具ポット31に格納した工具が大径工具の場合(ステップS77:NO)、CPU61はエアシリンダ170に駆動信号を出力し、工具ポット31を略90度上側に回転させる(ステップS79)。CPU61はポット上昇センサ31bの出力を取込み、工具ポット31が略90度上側に回転したか否かを判定する(ステップS80)。工具ポット31が上側に回転していない場合(ステップS80:NO)、CPU61は待機する。工具ポット31が上側に回転した場合(ステップS80:YES、図12F)、Z軸送りモータ5に駆動信号を出力し、加工軸9を加工位置へ移動させ(ステップS81、図12G)、処理を終了する。
実施の形態に係る工作機械及び制御方法にあっては、加工軸9に装着された工具及び工具ポット31に格納された工具がいずれも標準工具である場合に、工具ポット31が交換アーム18に接近する動作と加工軸9(軸台3)が交換位置に移動する動作とを並行的に実行する。また交換アーム18による工具の交換が終了した場合に、工具ポット31が交換アーム18から離反する動作と加工軸9(軸台3)が加工位置に移動する動作とを並行的に実行する。標準工具は小型なので交換アーム18に接触しない。また交換時間を短縮することができる。
工具情報テーブルをEEPROM64に記憶しているが、書換可能な不揮発性メモリを別途設け、該メモリに記憶してもよい。またハードディスクを設けて、該ハードディスクに工具情報テーブルを記憶してもよい。
以上説明した実施の形態は本発明の例示であり、本発明は特許請求の範囲に記載された事項及び特許請求の範囲の記載に基づいて定められる範囲内において種々変更した形態で実施することができる。
例えば、本実施形態の工具ポット31は、工具交換する際、横向きの状態から下側に90度回転させているが、角度は、90度以外の角度でもよい。つまり、横向きの状態は、真横ではなくやや斜め下方または斜め上方に向いていてもよい。更に、全ての工具ポットが下向き状態となっており、工具交換の際、交換アームのフィンガ対が工具を把持できる位置に工具ポットが移動(平行移動)するようにしてもよい。
例えば、本実施形態の工具ポット31は、工具交換する際、横向きの状態から下側に90度回転させているが、角度は、90度以外の角度でもよい。つまり、横向きの状態は、真横ではなくやや斜め下方または斜め上方に向いていてもよい。更に、全ての工具ポットが下向き状態となっており、工具交換の際、交換アームのフィンガ対が工具を把持できる位置に工具ポットが移動(平行移動)するようにしてもよい。
3 軸台
9 加工軸(加工部)
10 工具マガジン
18 交換アーム(交換部)
24 工具
31 工具ポット(格納部)
60 制御装置(制御部)
61 CPU
62 ROM
63 RAM
161 支持軸(アクチュエータ)
162 ピン(アクチュエータ)
164 スライダ(アクチュエータ)
170 エアシリンダ(アクチュエータ)
171 ロッド(アクチュエータ)
9 加工軸(加工部)
10 工具マガジン
18 交換アーム(交換部)
24 工具
31 工具ポット(格納部)
60 制御装置(制御部)
61 CPU
62 ROM
63 RAM
161 支持軸(アクチュエータ)
162 ピン(アクチュエータ)
164 スライダ(アクチュエータ)
170 エアシリンダ(アクチュエータ)
171 ロッド(アクチュエータ)
Claims (4)
- 大型又は小型の工具をそれぞれ格納する複数の格納部と、該格納部に格納された工具を装着してワークを加工する加工部と、該加工部に装着した工具を交換する交換部と、該交換部及び加工部と共に、工具を交換する交換位置及びワークを加工する加工位置の間を移動する移動部と、前記格納部を前記交換部に接離させるアクチュエータと、工具を交換する交換命令を記憶する記憶部と、工具を識別する識別情報及び該識別情報に対応付けてあり、大型又は小型の別を示す寸法情報を記憶する工具情報テーブルと、該工具情報テーブル及び交換命令に基づいて、前記移動部、アクチュエータ及び交換部の動作を制御し、加工部に装着した工具と格納部に格納した工具との交換を実行する制御部とを備える工作機械において、
前記制御部は、
前記加工部に小型の工具が装着してあるか否かを判定する装着判定手段と、
前記加工部に装着してある工具の次に前記加工部に装着されるべき工具が小型の工具であるか否かを判定する次工具判定手段と、
該次工具判定手段にて前記加工部に装着されるべき工具が小型の工具であると判定し、前記装着判定手段にて前記加工部に小型の工具が装着してあると判定した場合に、前記格納部が前記交換部に接近する動作及び前記移動部が前記交換位置に移動する動作を並行的に実行する手段と、
該手段にて前記両動作を実行したか否かを判定する手段と、
該手段にて前記両動作を実行したと判定した場合に、前記交換部による工具の交換を実行する手段と
を備えることを特徴とする工作機械。 - 前記交換部による工具の交換が終了したか否かを判定する手段と、
該手段にて前記交換部による工具の交換が終了したと判定した場合に、前記格納部が前記交換部から離反する動作及び前記移動部が前記加工位置に移動する動作を並行的に実行する手段と
を備えることを特徴とする請求項1に記載の工作機械。 - ワークを加工する加工部に装着した大型又は小型の工具を、工具を格納する複数の格納部に格納した工具に交換する交換部、該交換部及び加工部を設けてあり、工具を交換する交換位置及びワークを加工する加工位置の間を移動する移動部並びに前記格納部を前記交換部に接離させるアクチュエータの各動作を、工具を交換する交換命令に基づいて制御する制御方法において、
前記加工部に小型の工具が装着してあるか否かを判定する装着判定ステップと、
前記加工部に装着してある工具の次に前記加工部に装着されるべき工具が小型の工具であるか否かを判定する次工具判定ステップと、
該次工具判定ステップにて前記加工部に装着されるべき工具が小型の工具であると判定し、前記装着判定ステップにて前記加工部に小型の工具が装着してあると判定した場合に、前記格納部が前記交換部に接近する動作及び前記移動部が前記交換位置に移動する動作を並行的に実行するステップと、
該ステップにて前記両動作を実行したか否かを判定するステップと、
該ステップにて前記両動作を実行したと判定した場合に、前記交換部による工具の交換を実行するステップと
を備えることを特徴とする制御方法。 - 前記交換部による工具の交換が終了したか否かを判定するステップと、
該ステップにて前記交換部による工具の交換が終了したと判定した場合に、前記格納部が前記交換部から離反する動作及び前記移動部が前記加工位置に移動する動作を並行的に実行するステップと
を備えることを特徴とする請求項3に記載の制御方法。
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