<<実施形態の全体構成>>
以下、図1乃至図24を用いて、本発明の一実施形態について説明する。図1は、本発明のコミュニケーションシステムの一実施形態に係る遠隔通信システム1の概略図であり、まず、図1を用いて、本実施形態の概略を説明する。
なお、コミュニケーション端末、コミュニケーションシステムとは、音声、映像、音声と映像、またはこれらとその他の情報等のよりとりによって、1人対1人または複数人の間でコミュニケーションを行なうための端末、システムであり、コミュニケーション端末には携帯可能な携帯電話のような端末も含まれる。
図1に示す遠隔通信システム1は、複数の遠隔通信端末10(10aa,10ab,…,10db)、各遠隔通信端末10(10aa,10ab,…,10db)用のディスプレイ11(11aa,11ab,…,11db)、複数の中継装置30(30a,30b,30c,30d)、および遠隔通信管理システム50によって構築されている。
遠隔通信端末10はコミュニケーション端末の一実施形態に係るものであり、遠隔通信管理システム50はコミュニケーション管理システムの一実施形態に係るものである。
なお、本実施形態においては、遠隔通信端末10(10aa,10ab,…,10db)のうち任意の遠隔通信端末を示す場合には「遠隔通信端末10」といい、ディスプレイ11(11aa,11ab,…,11db)のうち任意のディスプレイを示す場合には「ディスプレイ11」といいい、中継装置30(30a,30b,30c,30d)のうち任意の中継装置を示す場合には「中継装置30」という。
遠隔通信端末10は、他の遠隔通信端末10との間で、画像データ、音声データ等の送受信を行う。本実施形態では、画像データの画像が動画の場合について説明するが、動画だけでなく静止画であってもよい。また、画像データの画像には、動画と静止画の両方が含まれてもよい。中継装置30は、複数の遠隔通信端末10の間で、画像データ及び音声データの中継を行う。遠隔通信管理システム50は、遠隔通信端末10及び中継装置30を一元的に管理する。
また、図1に示されている複数のルータ(70a,70b,…,70g)は、画像データ及び音声データの最適な経路の選択を行う。なお、本実施形態では、ルータ(70a,70b,…,70g)のうち任意のルータを示す場合には「ルータ70」を用いる。プログラム提供システム90は、遠隔通信端末10に各種機能又は各種手段を実現させるための遠隔通信端末用プログラムが記憶された、不図示のHD(Hard Disk)を備えており、遠隔通信端末10に、遠隔通信端末用プログラムを送信することができる。また、プログラム提供システム90のHDには、中継装置30に各種機能又は各種手段を実現させるための中継装置用プログラムも記憶されており、中継装置30に、中継装置用プログラムを送信することができる。更に、プログラム提供システム90のHDには、隔通信管理システム50に各種機能又は各種手段を実現させるための遠隔通信管理用プログラムも記憶されており、遠隔通信管理システム50に、遠隔通信管理用プログラムを送信することができる。
また、遠隔通信端末10aa、遠隔通信端末10ab、中継装置30a、及びルータ70aは、LAN2aによって通信可能に接続されている。遠隔通信端末10ba、遠隔通信端末10bb、中継装置30b、及びルータ70bは、LAN2bによって通信可能に接続されている。また、LAN2a及びLAN2bは、ルータ70cが含まれた専用線2abによって通信可能に接続されており、所定の地域A内で構築されている。例えば、地域Aは日本であり、LAN2aは東京の事業所内で構築されており、LAN2bは大阪の事業所内で構築されている。
一方、遠隔通信端末10ca、遠隔通信端末10cb、中継装置30c、及びルータ70cは、LAN2cによって通信可能に接続されている。遠隔通信端末10da、遠隔通信端末10db、中継装置30d、及びルータ70dは、LAN2dによって通信可能に接続されている。また、LAN2c及びLAN2dは、ルータ70eが含まれた専用線2cdによって通信可能に接続されており、所定の地域B内で構築されている。例えば、地域Bはアメリカであり、LAN2cはニューヨークの事業所内で構築されており、LAN2dはワシントンD.C.の事業所内で構築されている。地域A及び地域Bは、それぞれルータ(70c,70e)からインターネット2iを介して通信可能に接続されている。
また、遠隔通信管理システム50、及びプログラム提供システム90は、インターネット2iを介して、遠隔通信端末10、及び中継装置30と通信可能に接続されている。遠隔通信管理システム50、及びプログラム提供システム90は、地域A又は地域Bに設置されていてもよいし、これら以外の地域に設置されていてもよい。
なお、本実施形態では、LAN2a、LAN2b、専用線2ab、インターネット2i、専用線2cd、LAN2c、及びLAN2dによって、本実施形態の通信ネットワーク2が構築されている。
遠隔通信管理システム50と各遠隔通信端末10および各中継装置30とは、XMPP(eXtensible Messageing and Presence Protocol)によりXMLベースのメッセージの交換やログイン状況その他状態についての通知を行う。
具体的には遠隔通信管理システム50は、各遠隔通信端末10の”オンライン“、”オフライン“、”会議中“また“ミュート中“などの状態を管理し、ある遠隔通信端末10からこのような状態が遠隔通信管理システム50に通知されると、遠隔通信管理システム50は他の遠隔通信端末10にこの状態を通知するといった仲介を行う。
遠隔通信端末10は、他の遠隔通信端末10との間で、中継装置30を介して画像データ、音声データ等の送受信を行うが、この送受信はRTP(Real-time Transport Protocol)を用いて行なわれる。
また、図1において、各遠隔通信端末10、各中継装置30、遠隔通信管理システム50、各ルータ70、及びプログラム提供システム90の下に示されている4組の数字は、一般的なIPv4におけるIPアドレスを簡易的に示している。例えば、遠隔通信端末10aaのIPアドレスは「1.2.1.3」である。また、IPv4ではなく、IPv6を用いてもよいが、説明を簡略化するため、IPv4を用いて説明する。
なお、遠隔通信システムとして、距離的に離れた場所間の会議を行う会議システムの例を示しているが、ここでは、会議には、距離的に離れている場合だけでなく、同じ建物内の別の会議室のように距離的に近い会議室の間、また、同じ部屋であっても肉声が聞こえないような場所間の会議を含む。すなわち本件発明における会議とは遠隔通信システムを介して行なう会議を意味する。
したがって、直接対面して生のままで行なう会議であっても、遠隔通信システムを介して行なう場合には本件発明における会議を意味する。
また、会議には複数の人の間のみでなく1人対1人で行なうものも含む。また、簡単な打合せ、あるいは情報交換のようなやりとりも含む。
また、会議には業務に関するものだけでなく、私的なものも含む。例えば、離れた場所に住む家族が連絡を取り合うための会話等も含む。
会議情報については会議中の画像、音声について示しているが、少なくともこれらのひとつであればよい。例えば画像だけを表示する場合には出席者の音声を画像中に字幕としてあらわすようにしてもよい。
また会議情報には会議の場において当事者に提示される物(例えば商品見本)、配布される書類、および配布はされないがプロジェクター等の表示装置によりスクリーンに表示される画像等の情報が含まれる。このように会議情報とは、直接対面して生のまま行なうとした場合の会議の場において出席者が把握できる情報を意味する。
また、本実施形態における音声には、人が発する音のみでなくの他の音も含むものとする。
<<実施形態のハードウェア構成>>
次に、本実施形態のハードウェア構成を説明する。本実施形態では、中継先としての遠隔通信端末10で画像データの受信に遅延が生じた場合に、中継装置30によって画像データの画像の解像度を変更してから、中継先としての遠隔通信端末10へ画像データを送信する場合について説明する。
図2は、本発明の一実施形態に係る遠隔通信端末10のハードウェア構成図である。図2に示されているように、本実施形態の遠隔通信端末10は、遠隔通信端末10全体の動作を制御するCPU(Central Processing Unit)101、遠隔通信端末用プログラムを記憶したROM(Read Only Memory)102、CPU101のワークエリアとして使用されるRAM(Random Access Memory)103、画像データや音声データ等の各種データを記憶するフラッシュメモリ104、CPU101の制御にしたがってフラッシュメモリ104に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御するSSD(Solid State Drive)105、フラッシュメモリ等の記録メディア106に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御するメディアドライブ107、遠隔通信端末10の宛先を選択する場合などの遠隔通信端末10を動作させるための操作、または後述するミュートボタンおよび音量変更ボタンとしての操作等に用いられる複数の操作ボタン108、遠隔通信端末10の電源のON/OFFを切り換えるための電源スイッチ109、後述の通信ネットワーク2を利用してデータ伝送をするためのネットワークI/F111、CPU101の制御に従って被写体を撮像し画像データを得るCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)112、このCMOS112の駆動を制御する撮像素子I/F113、音声を入力するマイク114、音声を出力するスピーカ115、CPU101の制御に従ってマイク114及びスピーカ115との間で音声信号の入出力を処理する音声入出力I/F116、CPU101の制御に従って外付けのディスプレイ11に画像データを伝送するディスプレイI/F117、及び上記各構成要素を図2に示されているように電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等のバスライン110を備えている。
マイク114およびスピーカ115は遠隔通信端末10の本体に組み込まれているが、それぞれ別体の外付けのものも用いることができるように、遠隔通信端末10には音声入出力I/F116に接続するマイク用およびスピーカ用の接続端子を有している。これにより遠隔通信端末10から離れた位置において集音および音声出力ができ、マイクおよびスピーカの選択および配置等状況に応じた使い方ができる。
図2において、114aは外付けのマイクを示しており、スピーカ115aは外付けのスピーカを示している。
上記の操作ボタン108の一部はマイク114のミュートボタンとして用いられる。このミュートボタンは、本体に組み込まれているマイク114を使用しているときにミュート状態にする場合に用いる。
外付けのマイク114aを使用するときには、通常マイク114aに設けられているミュートボタン114bを用いてミュート状態にする。これについては後述する。
マイクとして外付けのものを用いた場合には、外付けのマイク114aの入力およびミュートボタン114bを有効とし、本体に組みこまれているマイク114の入力および本体に設けられたミュートボタンの入力を無効にするような構成となっている。
また、上記の記の操作ボタン108の一部はスピーカ115の音量変更ボタン としても用いられる。外付けのスピーカ115aにも、音量変更ボタン115bが設けられている。
この外付けの音量変更ボタン115bは、ミュート実行の操作ボタンとして兼用することができる。これについては後述する。
スピーカについてもマイク114と同様に、外付けのものを用いた場合には、外付けのスピーカ115への出力および音量変更ボタン115bの入力を有効とし、装置本体に組みこまれているスピーカ115への出力および音量変更ボタンの入力を無効にするような構成となっている。
マイク114aおよびスピーカ115aの接続端子はUSB(Universal Serial Bus)規格の端子を用いる。
本体のミュートボタンおよび音量変更ボタンについては、本実施形態においては、それぞれ装置本他に組み込まれたマイク114およびスピーカを無効にするのに対応して無効にしているが、有効な状態にしておくこともできる。
なお、記録メディア106は、遠隔通信端末10に対して着脱自在な構成となっている。また、CPU101の制御にしたがってデータの読み出し又は書き込みを行う不揮発性メモリであれば、フラッシュメモリ104に限らず、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)等を用いてもよい。更に、COMS112は、光を電荷に変換して被写体の画像(映像)を電子化する固体撮像素子であり、被写体を撮像するものであればCMOSに限らず、CCD(Charge Coupled Device)等を用いてもよい。また、ディスプレイ11は、被写体の画像や操作用アイコン等を表示する液晶や有機ELによって構成されている。
更に、上記遠隔通信端末用プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで、上記記録メディア106等の、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して流通させるようにしてもよい。
図3は、本実施形態に係る遠隔通信端末10の外観図である。
図3に示されているように、遠隔通信端末10は、筐体1100、アーム1200、及びカメラハウジング1300を備えている。
筐体1100の後側面1110には、複数の吸気孔によって形成された吸気面(図示せず)が設けられており、筐体1100の前側面1120には、複数の排気孔が形成された排気面1121が設けられている。
これにより、筐体1100に内蔵された冷却ファンの駆動によって、筐体1100内に吸気面を介して端末10の後方から外気を取り込み、排気面1121を介して端末10の前方へ排気する。
筐体1100の右側面1130には、集音用孔1131が形成され、この集音用孔1131を介して筐体1100に内蔵されているマイク114による音声の集音が可能となっている。
また、筐体1100の右側面1130には、外付けのマイク114aおよびスピーカ115aを音声入出力I/F116に接続するマイク用およびスピーカ用のUSB(Universal Serial Bus)規格の接続端子1132が設けられている。
筐体1100の左側面1140には、外付けのディスプレイ11をディスプレイI/F117接続するための接続端子(図示せず)が設けられている。
筐体1100の右側面1130側の上面には、操作パネル1150が形成されている。この操作パネル1150には、操作ボタン108および電源スイッチ109が設けられているとともに、筐体1100に内蔵されているスピーカ115からの音を外部へ出力するための複数の音声出力孔によって形成された音出面1151が形成されている。
また、筐体1100の左側面1140側の上面には、アーム1200およびカメラハウジング1300を収容するための凹部である収容部1160が形成されている。
アーム1200は、トルクヒンジ1210を介して筐体1100に取り付けられており、アーム1200が、筐体1100に対して、チルト角θ1が上方向に135度の範囲で上下方向に回動可能であって、回動後の所望の位置に保持可能に構成されている。
なお、図3においては、チルト角θ1が90度の位置にアーム1200が保持された状態を示している。
カメラハウジング1300には、CMOS112が配置されており、カメラハウジング1300は、アーム1200にトルクヒンジ1310を介して上下方向に回動可能、かつ左右方向に回転可能に取り付けられており、回動および回転後の所望の位置に保持可能に構成されている。
アーム1200に対するカメラハウジング1300の回動および回転可能な範囲は、図3で示されているカメラハウジング1300が筐体1100の前方向きの状態を0度として±180度のパン角θ2の範囲であり、かつ、カメラハウジング1300が水平向きの状態を0度として±45度のチルト角θ3の範囲である。
図4は、本発明の一実施形態に係る遠隔通信管理システムのハードウェア構成図である。遠隔通信管理システム50は、遠隔通信管理システム50全体の動作を制御するCPU201、遠隔通信管理用プログラムを記憶したROM202、CPU201のワークエリアとして使用されるRAM203、各種データを記憶するHD(Hard Disk)204、CPU201の制御にしたがってHD204に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御するHDD(Hard Disk Drive)205、フラッシュメモリ等の記録メディア206に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御するメディアドライブ207、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示するディスプレイ208、後述の通信ネットワーク2を利用してデータ伝送をするためのネットワークI/F209、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えたキーボード211、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行うマウス212、着脱可能な記録媒体の一例としてのCD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)213に対するデータの読み出し又は書き込みを制御するCD−ROMドライブ214、及び、上記各構成要素を図4に示されているように電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等のバスライン210を備えている。
なお、上記遠隔通信管理用プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで、上記記録メディア206やCD−ROM213等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して流通させるようにしてもよい。
また、中継装置30は、上記遠隔通信管理システム50と同様のハードウェア構成を有しているため、その説明を省略する。但し、ROM202には、中継装置30を制御するための中継装置用プログラムが記録されている。この場合も、中継装置用プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで、上記記録メディア206やCD−ROM213等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して流通させるようにしてもよい。
更に、プログラム提供システム90は、上記遠隔通信管理システム50と同様のハードウェア構成を有しているため、その説明を省略する。但し、ROM202には、プログラム提供システム90を制御するためのプログラム提供用プログラムが記録されている。この場合も、プログラム提供用プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで、上記記録メディア206やCD−ROM213等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して流通させるようにしてもよい。
なお、上記着脱可能な記録媒体の他の例として、CD−R(Compact Disc Recordable)、DVD(Digital Versatile Disk)、ブルーレイディスク等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
<<実施形態の機能構成>>
次に、本実施形態の機能構成について説明する。図5は、本実施形態の遠隔通信システム1を構成する各端末、装置及びシステムの機能ブロック図である。図5では、遠隔通信端末10、中継装置30、及び遠隔通信管理システム50が、通信ネットワーク2を介してデータ通信することができるように接続されている。また、図1に示されているプログラム提供システム90は、テレビ会議の通信において直接関係ないため、図5では省略されている。
<遠隔通信端末の機能構成>
遠隔通信端末10は、送受信部11、操作入力受付部12、ログイン要求部13、撮像部14a、画像表示制御部14b、音声入力部15a、音声出力部15b、最終絞込部16、遅延検出部17、ミュート処理部18及び記憶・読出処理部19を有している。
ミュート処理部18はミュート処理を行なうもので、処理部18a、判別部18b、状態管理部18c、記憶部18d、モード切替部18e、登録部18fおよび監視部18gを有している。
これら各部は、図2に示されている各構成要素のいずれかが、ROM102に記憶されているプログラムに従ったCPU101からの命令によって動作することで実現される機能又は手段である。また、遠隔通信端末10は、図2に示されているSSD105によって構築される記憶部1000を有している。
(遠隔通信端末の各機能部)
次に、遠隔通信端末の各部を詳細に説明する。遠隔通信端末10の送受信部11は、図2に示されているネットワークI/F111によって実現され、通信ネットワーク2を介して他の端末、装置又はシステムと各種データ(情報)の送受信を行う。操作入力受付部12は、図2に示されている操作ボタン108、及び電源スイッチ109によって実現され、利用者による各種入力を受け付ける。例えば、利用者が、図2に示されている電源スイッチ109をONにすると、図5に示されている操作入力受付部12が電源ONを受け付けて、電源をONにする。ログイン要求部13は、図2に示されているCPU101からの命令によって実現され、上記電源ONの受け付けを契機として、送受信部11から通信ネットワーク2を介して遠隔通信管理システム50に、ログインを要求する旨を示すログイン要求情報、及び遠隔通信端末10abの現時点のIPアドレスを自動的に送信する。
撮像部14aは、図2に示されているCCD112、及び撮像素子I/F113によって実現され、被写体を撮像して、この撮像して得た画像データを出力する。映像表示制御部14bは、図2に示されているディスプレイI/F117によって実現され、外付けのディスプレイ11に対して画像データを送信するための制御を行う。
音声入力部15aは、図2に示されているマイク114、または外付けのマイク114aとミュートボタン114b及びその双方、ならびに音声入出力I/F116によって実現され、利用者の音声を入力し、この音声を音声信号に変換し信号処理を行ない、音声信号に係る音声データを出力する。
音声出力部15bは、図2に示されているスピーカ115、または外付けのスピーカ115aと音量調節ボタン115b及びその双方、ならびに音声入出力I/F116によって実現され、音声データに係る音声信号を信号処理し、音声に変換し出力する。
音声入力部15aおよび音声出力部15bについて詳細には後述する。
最終絞込部16は、複数の中継装置30から最終的に1つの中継装置30に絞り込む最終絞り込み処理を行うため、図2に示されているCPU101からの命令によって、計測部16a、算出部16b、及び最終選択部16cを実現する。このうち、計測部16aは、送受信部11によって受信された後述の事前送信情報毎に、送受信部11によって事前送信情報が受信される際の受信日時を計測する。算出部16bは、計測部16aによって受信日時が計測された事前送信情報毎に、この計測された受信時間と、この事前送信情報に含まれている送信日時との差に基づいて、事前送信情報の送信から受信までの所要時間を算出する。最終選択部16cは、算出部16bによって算出された所要時間のうち最短の所要時間を要した事前送信情報が中継された中継装置30を選択することで、最終的に1つの中継装置を選択する。
遅延検出部17は、図2に示されているCPU101からの命令によって実現され、他の遠隔通信端末10から中継装置30を介して送られて来る画像データ又は音声データの遅延時間(ms)を検出する。また、記憶・読出処理部19は、図2に示すSSD105によって実行され、記憶部1000に各種データを記憶したり、記憶部1000に記憶された各種データを読み出す処理を行う。記憶部1000には、遠隔通信端末10を識別するための端末ID(Identification)、及びパスワード、並びに、画像データ、及び音声データ等が記憶される。
なお、本実施形態の端末ID、及び後述の中継装置IDは、それぞれ遠隔通信端末10、及び中継装置30を一意に識別するために使われる言語、文字、記号、又は各種のしるし等の識別情報を示す。また、端末ID、及び中継装置IDは、上記言語、文字、記号、及び各種のしるしのうち、少なくとも2つが組み合わされた識別情報であってもよい。また、以下では、テレビ会議の開始を要求する要求元としての遠隔通信端末10を「要求元端末10A」とし、要求先である宛先としての遠隔通信端末10を「宛先端末10B」として説明する。
ミュート処理部18は、遠隔通信端末10のミュート処理を行なうもので、各部については次の通りである。
処理部18aは、ミュートに関する処理全般の管理を行なうものであり、外付けのマイク114aのミュート機能の情報の取得、自端末の状態の通知を行なう対象の他端末情報の取得、および状態管理部18cへ通知処理の指示等を行なう。また、処理部18aは、登録されていない外付けのマイク114aを新規登録する場合の制御を行なう。
判別部18bは音声入力部15aの種類(例えばマイク114aの種類)の判別や消音状態を特定するために必要な処理を行う。
状態管理部18cは、ミュートに関する自端末の状態の取得、他端末へのミュートに関する自端末状態の通知などの管理を行う。
記憶部18dはマイク114aの種類を示す登録情報やミュートに関する設定情報、ミュートの状態等を保存する。
モード切替部18eはテレビ会議中にマイク114aのミュート状態を通知するモードと、マイク114aの登録処理を行うモードとの切替えを行う。
登録部18fは、登録されていないマイク114aを新規に登録するときに、マイク114aの特性を測定し、登録処理を行う。
監視部18gは、音声出力部から出力される音量が最小状態であるかそれ以外かの音量の状態を監視し、音量の状態が変更されたときにその情報を状態管理部18cに送る。
次に、図6を参照して音声入力部15aおよび音声出力部15bを説明する。
図6の(A)は音声入力部15aを示すもので、外付けのマイク114aが接続された場合を示している。
音声入力部15aにおいては、マイク114aから入力された信号に対して音響エコーキャンセラ15a1、ノイズリダクション15a2、エコーサプレッサ15a3、自動利得制御15a4、およびミュートスイッチ15a5による各処理が行われる。
音響エコーキャンセラ15a1は受信された自己の音声が相手方のスピーカから出力され、この音声が相手方のマイクにより集音されて、送信され自己側へ巡回することで自己のスピーカから発生する音響エコーを消去するものである。音響エコーキャンセラについてはITU-T(International Telecommunication Union Telecommunication standardlization sector)勧告G.165で規定されており、この仕様に準拠したものを用いる。
ノイズリダクション15a2は、周囲のパソコン、プロジェクタ、空調機などから混入する雑音信号を推定して減衰させるものである。この処理は、雑音信号のスペクトルを推定して減算するよく知られたスペクトルサブトラクション法を用いる。
エコーサプレッサ15a3は、音響エコーキャンセラ15a1の後段に設けられ残留エコー信号を減衰させるものである。エコーの残留は、エコー信号の非線形性、雑音、ダブルトーク(双方向同時通話)などが影響してエコーキャンセラが精度よく学習できない場合に起こる。エコーサプレッサについてはITU-T勧告G.165で規定されており、この仕様に準拠したものを用いる。
自動利得制御15a4は入力レベルの大小に関わらず、出力を常に一定に保つものである。具体的には入力信号が弱い場合には感度を上げ、逆に入力信号が強い場合には感度を下げて出力することによって、出力が常に一定であるように入力信号を可変制御するものである。
ミュートスイッチ15a5は、マイク114aの使用者が押下するミュートボタン114bのオン、オフを受け付けることによって、エコーサプレッサ15a3処理後の信号の通過、切断を行うものである。
図6の(B)は音声出力部15bを示すもので、外付けのスピーカ115aが接続された場合を示している。
音声出力部15bにおいては、入力された信号に対してラインエコーキャンセラ15b1、ノイズリダクション15b2、エコーサプレッサ15b3、自動利得制御15b4、および音量変更制御15b5による各処理が行われた後の信号がスピーカ115aから出力される。
ラインエコーキャンセラ15b1は、IPや電話回線で発生するラインエコーを消去することによって、ダブルトーク時に良好な通話品質を確保するものである。ラインエコーキャンセラについては、ITU-T勧告 G.168で規定されており、この仕様に準拠したものを用いる。
音声出力部15bのノイズリダクション15b2、エコーサプレッサ15b3、自動利得制御15b4はそれぞれ、音声入力部15aのノイズリダクション15a2、エコーサプレッサ15a3、自動利得制御15a4と同様なものである。
音量変更制御15b5は、使用者の音量変更ボタン115bの操作による音量変更を受け付けることによって、自動利得制御15b4処理後の信号の音量レベルを変更するものである。
(中継装置の機能構成)
次に、中継装置30の機能又は手段について説明する。中継装置30は、送受信部31、状態検知部32、データ品質確認部33、変更品質管理部34、データ品質変更部35、及び記憶・読出処理部39を有している。これら各部は、図4に示されている各構成要素のいずれかが、ROM202に記憶されているプログラムに従ったCPU201からの命令によって動作することで実現される機能又は手段である。また、中継装置30は、図4に示されているHD204により構築される記憶部3000を有している。
(変更品質管理テーブル)
記憶部3000には、図8に示されているような変更品質管理テーブルによって構成されている変更品質管理DB(Data Base)3001が構築される。変更品質管理テーブルでは、画像データの中継先としての遠隔通信端末10のIPアドレス、及びこの中継先に中継装置30が中継する画像データの画質が関連付けられて管理される。
ここで、本実施形態で扱われる画像データの画像の解像度について説明する。図7(a)に示されているように、横が160画素、縦が120画素から成り、ベース画像となる低解像度の画像と、図7(b)に示されているように、横が320画素、縦が240画素から成る中解像度の画像と、図7(c)に示されているように、横が640画素、縦が480画素から成る高解像度の画像とがある。このうち、狭帯域経路を経由する場合には、ベース画像となる低解像度の画像データのみから成る低画質の画像データが中継される。帯域が比較的広い場合には、ベース画像となる低解像度の画像データ、及び中解像度の画像データから成る中画質の画像データが中継される。また、帯域が非常に広い場合には、ベース画質となる低解像度の画像データ、中画解像度の画像データ、及び高解像度の画像データから成る高画質の画像データが中継される。例えば、図8に示されている変更品質管理テーブルにおいて、中継装置30が、IPアドレス「1.3.2.4」の宛先端末10dbに対して画像データを中継する場合には、この中継される画像データの画質(画像の品質)は「高品質」である。
<中継装置の各機能部>
次に、中継装置30の各機能構成について詳細に説明する。なお、以下では、中継装置30の各部を説明するにあたって、図2に示されている各構成要素のうち、中継装置30の各部を実現させるための主な構成要素との関係も説明する。
図5に示されている中継装置30の送受信部31は、図4に示されているネットワークI/F209によって実現され、通信ネットワーク2を介して他の端末、装置、又はシステムと各種データ(情報)の送受信を行う。状態検知部32は、図4に示されているCPU201からの命令によって実現され、この状態検知部32を有する中継装置30の稼動状態を検知する。稼動状態としては、「ONライン」、「OFFライン」、又は「故障中」の状態がある。
データ品質確認部33は、図4に示されているCPU201からの命令によって実現され、宛先端末10BのIPアドレスを検索キーとして、変更品質管理DB3001(図8参照)を検索し、対応した中継される画像データの画質を抽出することで、中継される画像データの画質を確認する。変更品質管理部34は、図4に示されているCPU201からの命令によって実現され、遠隔通信管理システム50から送られて来る、後述の品質情報に基づいて、変更品質管理DB3001の内容を変更する。例えば、端末IDが「01aa」である要求元端末10aaと、端末IDが「01db」である宛先端末10dbとの間で高画質の画像データを送受信することによってテレビ会議を行っている最中に、他のテレビ会議を行う要求元端末bbと宛先端末caが通信ネットワーク2を介してテレビ会議を開始すること等によって、宛先端末10dbで画像データの受信の遅延が生じた場合には、中継装置30は今まで中継していた画像データの画質を、高画質から中画質に下げる必要がある。このような場合に、中画質を示す品質情報に基づいて、中継装置30が中継する画像データの画質を高画質から中画質に下げるように、変更品質管理DB3001の内容が変更される。
データ品質変更部35は、図4に示されているCPU201からの命令によって実現され、送信元端末10から送られて来た画像データの画質を、上記変更された変更品質管理DB3001の内容に基づいて変更する。記憶・読出処理部39は、図4に示されているHDD205によって実現され、記憶部3000に各種データを記憶したり、記憶部3000に記憶された各種データを読み出す処理を行う。
<遠隔通信管理システムの機能構成>
次に、遠隔通信管理システム50の機能又は手段について説明する。遠隔通信管理システム50は、送受信部51、端末認証部52、状態管理部53、端末抽出部54、端末状態取得部55、一次絞込部56、セッション管理部57、品質決定部58、記憶・読出処理部59、遅延時間管理部60およびメッセージ伝達部61を有している。
これら各部は、図4に示されている各構成要素のいずれかが、ROM202に記憶されているプログラムに従ったCPU201からの命令によって動作することで実現される機能又は手段である。また、遠隔通信管理システム50は、図4に示されているHD204により構築される記憶部5000を有している。
(中継装置管理テーブル)
記憶部5000には、図9に示されているような中継装置管理テーブルによって構成されている中継装置管理DB5001が構築されている。この中継装置管理テーブルでは、各中継装置30の中継装置ID毎に、各中継装置30の稼動状態、稼動状態が示される状態情報が遠隔通信管理システム50で受信された受信日時、中継装置30のIPアドレス、及び中継装置30における最大データ伝送速度(Mbps)が関連付けられて管理される。例えば、図9に示されている中継装置管理テーブルにおいて、中継装置IDが「111a」の中継装置30aは、稼動状態が「ONライン」で、遠隔通信管理システム50で状態情報が受信された日時が「2009年11月10日の13時00分」で、この中継装置30aのIPアドレスが「1.2.1.2」で、この中継装置30aにおける最大データ伝送速度が100Mbpsであることが示されている。
(端末認証管理テーブル)
更に、記憶部5000には、図10に示されているような端末認証管理テーブルによって構成されている端末認証管理DB5002が構築されている。この端末認証管理テーブルでは、遠隔通信管理システム50によって管理される全ての遠隔通信端末10の各端末IDに対して、各パスワードが関連付けられて管理される。例えば、図10に示されている端末認証管理テーブルにおいて、遠隔通信端末10aaの端末IDは「01aa」で、パスワードは「aaaa」であることが示されている。
(端末管理テーブル)
また、記憶部5000には、図11に示されているような端末管理テーブルによって構成されている端末管理DB5003が構築されている。この端末管理テーブルでは、各遠隔通信端末10の端末ID毎に、各遠隔通信端末10の稼動状態、後述のログイン要求情報が遠隔通信管理システム50で受信された受信日時、及び遠隔通信端末10のIPアドレスが関連付けられて管理される。例えば、図11に示されている端末管理テーブルにおいて、端末IDが「01aa」の遠隔通信端末10aaは、稼動状態が「ONライン」で、遠隔通信管理システム50でログイン要求情報が受信された日時が「2009年11月10日の13時40分」で、この遠隔通信端末10aaのIPアドレスが「1.2.1.3」であることが示されている。
(宛先リスト管理テーブル)
更に、記憶部5000には、図12に示されているような宛先リスト管理テーブルによって構成されている宛先リスト管理DB5004が構築されている。この宛先リスト管理テーブルでは、テレビ会議の開始を要求する要求元端末10Aの端末IDに対して、宛先端末10Bの候補として登録されている宛先端末10Bの端末IDが全て関連付けられて管理される。例えば、図12に示されている宛先リスト管理テーブルにおいて、端末IDが「01aa」である要求元端末10aaからテレビ会議の開始を要求することができる宛先端末10Bの候補は、端末IDが「01ab」の遠隔通信端末10ab、端末IDが「01ba」の遠隔通信端末10ba、及び端末IDが「01db」の遠隔通信端末10dbの3つであることが示されている。この宛先端末10Bの候補は、要求元端末10Aから遠隔通信管理システム50に対する追加又は削除の要請により、追加又は削除されることで更新される。
(セッション管理テーブル)
また、この記憶部5000には、図13に示されているようなセッション管理テーブルによって構成されているセッション管理DB5005が構築されている。このセッション管理テーブルでは、中継装置30を選択するためのセッションの実行に用いられる選択用セッションID毎に、画像データ及び音声データの中継に使用される中継装置30の中継装置ID、要求元端末10Aの端末ID、宛先端末10Bの端末ID、宛先端末10Bにおいて画像データが受信される際の受信の遅延時間(ms)、及びこの遅延時間が示されている遅延情報を宛先端末10Bから送られて来て遠隔通信管理システム50で受信された受信日時が関連付けられて管理される。例えば、図13に示されているセッション管理テーブルにおいて、選択用セッションID「se1」を用いて実行されたセッションで選択された中継装置30a(中継装置ID「111a」)は、端末IDが「01aa」の要求元端末10aaと、端末IDが「01db」の宛先端末10dbとの間で、画像データ及び音声データを中継しており、宛先端末10dbにおいて「2009年11月10日の14時00分」時点における画像データの遅延時間が200(ms)であることが示されている。なお、2つの遠隔通信端末10の間でテレビ会議を行う場合には、上記宛先端末10Bではなく要求元端末10Aから送信されてきた遅延情報に基づいて、遅延情報の受信日時を管理してもよい。但し、3つ以上の遠隔通信端末10の間でテレビ会議を行う場合には、画像データ及び音声データの受信側の遠隔通信端末10から送信されてきた遅延情報に基づいて、遅延情報の受信日時を管理する。
(アドレス優先度管理テーブル)
更に、記憶部5000には、図14に示されているようなアドレス優先度管理テーブルによって構成されている優先度管理DB5006が構築されている。このアドレス優先度管理テーブルでは、一般的なIPv4におけるIPアドレスのうちの4組のドットアドレス(Dot Address)部分の同異に応じて、アドレス優先度のポイントが高くなるように関連付けられて管理される。例えば、図14に示されているアドレス優先度管理テーブルにおいて、ドットアドレスの上位から下位にかけて3つの値が同じIPアドレスの場合には、アドレス優先度のポイントが「5」である。ドットアドレスの上位から下位にかけて2つの値が同じIPアドレスの場合には、アドレス優先度のポイントが「3」である。この場合、最下位のドットアドレスの値が同じであるか否かは優先度に関係ない。ドットアドレスの最上位の値が同じで、上位から2番目の値が異なるIPアドレスの場合には、アドレス優先度のポイントが「1」である。この場合、上位から3番目及び最下位のドットアドレスの値が同じであるか否かは優先度には関係ない。ドットアドレスの最上位の値が異なるIPアドレスの場合には、アドレス優先度のポイントが「0」である。この場合、上位から2番目、3番目、及び最下位のドットアドレスの値が同じであるか否かは優先度には関係ない。
(伝送速度優先度管理テーブル)
また、記憶部5000に構築されている優先度管理DB5006には、図15に示されているような伝送速度優先度管理テーブルも含まれている。この伝送速度優先度管理テーブルでは、中継装置30における最大データ伝送速度(Mbps)の値に応じて、伝送速度優先度のポイントが高くなるように関連付けられて管理される。例えば、図15に示されている伝送速度優先度管理テーブルにおいて、中継装置30における最大データ伝送速度が1000Mbps以上の場合には、伝送速度優先度のポイントが「5」である。中継装置30における最大データ伝送速度が100Mbps以上1000Mbps未満の場合には、伝送速度優先度のポイントが「3」である。中継装置30における最大データ伝送速度が10Mbps以上100Mbps未満の場合には、伝送速度優先度のポイントが「1」である。中継装置30における最大データ伝送速度が10Mbps未満の場合には、伝送速度優先度のポイントが「0」である。
(品質管理テーブル)
更に、記憶部5000には、図16に示されているような品質管理テーブルによって構成されている品質管理DB5007が構築されている。この品質管理テーブルでは、要求元端末10A又は宛先端末10Bにおける画像データの遅延時間(ms)に応じて、中継装置30で中継させる画像データの画質(画像の品質)が関連付けられて管理される。
(遠隔通信管理システムの各機能部)
次に、遠隔通信管理システム50の各機能部について詳細に説明する。なお、以下では、遠隔通信管理システム50の各部を説明するにあたって、図4に示されている各構成要素のうち、遠隔通信管理システム50の各部を実現させるための主な構成要素との関係も説明する。
送受信部51は、図2に示されているネットワークI/F209によって実行され、通信ネットワーク2を介して他の端末、装置又はシステムと各種データ(情報)の送受信を行う。端末認証部52は、送受信部51を介して受信されたログイン要求情報に含まれている端末ID及びパスワードを検索キーとし、記憶部5000の端末認証管理DB5002を検索し、端末認証管理DB5002に同一の端末ID及びパスワードが管理されているかを判断することによって端末認証を行う。状態管理部53は、ログイン要求してきた要求元端末10Aの稼動状態を管理すべく、端末管理DB5003(図11参照)に、この要求元端末10Aの端末ID、要求元端末10Aの稼動状態、遠隔通信管理システム50でログイン要求情報が受信された受信日時、及び要求元端末10のIPアドレスを関連付けて記憶して管理する。
端末抽出部54は、ログイン要求した要求元端末10Aの端末IDをキーとして、宛先リスト管理DB5004(図12参照)を検索し、要求元端末10Aと遠隔通信することができる宛先端末10Bの候補の端末IDを読み出すことで、端末IDを抽出する。また、端末抽出部54は、ログイン要求してきた要求元端末10Aの端末IDをキーとして、宛先リスト管理DB5004(図12参照)を検索し、上記要求元端末10Aの端末IDを宛先端末10Bの候補として登録している他の要求元端末10Aの端末IDも抽出する。
端末状態取得部55は、上記端末抽出部54によって抽出された宛先端末10Bの候補の端末IDを検索キーとして、端末管理DB5003(図11参照)を検索し、上記端末抽出部54によって抽出された端末ID毎に稼動状態を読み出す。これにより、端末状態取得部55は、ログイン要求してきた要求元端末10Aと遠隔通信することができる宛先端末10Bの候補の稼動状態を取得することができる。また、端末状態取得部55は、上記端末抽出部54によって抽出された端末IDを検索キーとして、端末状態管理DB5003を検索し、ログイン要求してきた要求元端末10Aの稼動状態も取得する。
一次絞込部56は、複数の中継装置30から最終的に1つの中継装置30に絞り込む最終絞り込み処理を支援するため、最終絞り込み処理前の一次絞り込み処理を行うため、選択用セッションID生成部56a、端末IPアドレス抽出部56b、一次選択部56c、及び優先度決定部56dを有している。このうち、選択用セッションID生成部56aは、中継装置30を選択するためのセッションの実行に用いられる選択用セッションIDを生成する。端末IPアドレス抽出部56bは、要求元端末10Aから送られてきた開始要求情報に含まれている要求元端末10Aの端末ID、及宛先端末10Bの端末IDに基づいて、端末管理DB5003(図11参照)を検索することにより、対応するそれぞれの遠隔通信端末10のIPアドレスを抽出する。一次選択部56cは、中継装置管理DB5001(図9参照)で管理されている中継装置30のうち、稼動状態が「ONライン」となっている中継装置30の中継装置IDを選択することにより、中継装置30の選択を行う。
また、一次選択部56cは、上記端末IPアドレス抽出部56bによって抽出された、要求元端末10AのIPアドレス、及び宛先端末10BのIPアドレスに基づいて、中継装置管理DB5001(図9参照)を検索することにより、上記選択された中継装置30のIPアドレスのドットアドレス毎に、上記要求元端末10A及び宛先端末10Bの各IPアドレスにおける各ドットアドレスと同じであるか異なるかを調査する。更に、一次選択部56cは、中継装置毎に、アドレス優先度のポイントにおいて遠隔通信端末10に対する高い方のポイントと、伝送速度優先度のポイントを統合した統合ポイントのうち、ポイントが高い上位2つの中継装置30を選択することにより、中継装置30の更なる選択を行う。
なお、本実施形態では、ポイントが高い上位2つの中継装置30を選択することにしているが、これに限られるものではなく、中継装置30を1つでも多く絞り込むことができれば、ポイントが高い上位3つ以上の中継装置30を選択するようにしてもよい。
優先度決定部56dは、優先度管理DB5006(図14参照)を参照して、上記一次選択部56cによって調査された中継装置30毎に、アドレス優先度のポイントを決定する。また、優先度決定部56dは、中継装置管理DB5001(図9参照)で管理されている各中継装置30の最大データ伝送速度に基づいて、優先度管理DB5006(図15参照)を検索することにより、上記一次選択部56cによる第1次の絞り込み処理によって絞り込まれた中継装置30毎に伝送速度優先度のポイントを決定する。
セッション管理部57は、記憶部5000のセッション管理DB5005(図13参照)に、選択用セッションID生成部56aで生成された選択用セッションID、要求元端末の端末ID、及び宛先端末の端末IDを関連付けて記憶して管理する。また、セッション管理部57は、セッション管理DB5005(図13参照)に対して、選択用セッションID毎に、遠隔通信端末10の最終選択部16cで最終的に1つに選択された中継装置30の中継装置IDを記憶して管理する。
品質決定部58は、上記遅延時間を検索キーとして、品質管理DB5007(図16参照)を検索し、対応する画像データの画質を抽出することで、中継装置30に中継させる画像データの画質を決定する。記憶・読出処理部59は、図4に示されているHDD205によって実行され、記憶部5000に各種データを記憶したり、記憶部5000に記憶された各種データを読み出す処理を行う。遅延時間管理部60は、上記宛先端末10BのIPアドレスを検索キーとして、端末管理DB5003(図11参照)を検索することで、対応する端末IDを抽出し、更に、セッション管理DB5005(図13参照)のセッション管理テーブルにおいて、上記抽出した端末IDが含まれるレコードにおける遅延時間のフィールド部分に、上記遅延情報で示されている遅延時間を記憶して管理する。
メッセージ伝達部61は、遠隔通信管理システム50が送受信部51で各遠隔通信端末10からのメッセージ、例えばミュートに関するメッセージを受信すると、その内容を解析して、宛先の遠隔通信端末10へそのメッセージを送信する管理を行なう。
<<実施形態の処理・動作>>
以上が、本実施形態に係る遠隔通信システム1の構成及び機能(又は手段)の説明であり、続いて、図17乃至図23を用いて、本実施形態に係る遠隔通信システム1における処理方法を説明する。なお、図17は、各中継装置30から遠隔通信管理システム1に送信された各中継装置30の状態を示す状態情報を管理する処理を示したシーケンス図である。図18は、複数の遠隔通信端末10の間で遠隔通信を開始する準備段階の処理を示したシーケンス図である。図19は、中継装置30を絞り込む処理を示したシーケンス図である。図20は、中継装置30を絞り込む処理を示した処理フロー図である。図21は、中継装置30の絞り込み処理を行う際のポイントの計算状態を示した図である。図22は、遠隔通信端末10が中継装置30を選択する処理を示したシーケンス図である。図23は、遠隔通信端末で中継装置30を選択する処理を示した処理フロー図である。図24は、遠隔通信端末間で画像データ及び音声データを送受信する処理を示したシーケンス図である。
まず、図17を用いて、各中継装置30から遠隔通信管理システム50に送信された各中継装置30の状態を示す状態情報を管理する処理を説明する。まず、各中継装置30では、図5に示されている状態検知部32が、自装置である中継装置30の稼動状態を定期的に検知している(S1−1〜S1−4)。そして、遠隔通信管理システム50側で各中継装置30の稼動状態をリアルタイムで管理させるべく、各中継装置30の送受信部31は、定期的に通信ネットワーク2を介して遠隔通信管理システム50へ各状態情報を送信する(ステップS2−1〜S2−4)。これら各状態情報には、中継装置30毎の中継装置IDと、これら各中継装置IDに係る中継装置30の状態検知部32で検知された稼動状態とが含まれている。なお、本実施形態では、中継装置(30a,30b,30d)は、正常に稼動して「ONライン」となっている一方で、中継装置30cは稼働中ではあるが、中継装置30cの中継動作を実行するためのプログラムに何らかの不具合が生じて、「OFFライン」となっている場合が示されている。
次に、遠隔通信管理システム50では、各中継装置30から送られて来た各状態情報を送受信部51が受信し、記憶・読出処理部59を介して記憶部5000の中継装置状態管理DB5001(図9参照)に、中継装置ID毎に状態情報を記憶して管理する(ステップS3−1〜S3−4)。これにより、図9に示されるような中継装置管理テーブルに対して、中継装置ID毎に「ONライン」、「OFFライン」、又は「故障中」のいずれかの稼動状態が記憶されて管理される。またこの際に、中継装置ID毎に、遠隔通信管理システム50で状態情報が受信された受信日時も記憶されて管理される。なお、中継装置30から状態情報が送られない場合には、図9に示されている中継装置管理テーブルの各レコードにおける稼動状態のフィールド部分及び受信日時のフィールド部分が空白になるか、又は、前回の受信時の稼動状態及び受信日時をそれぞれ示す。
次に、図18を用いて、遠隔通信端末10aaと遠隔通信端末10dbとの間で、遠隔通信を開始する前の準備段階の処理について説明する。まず、利用者が、図2に示されている電源スイッチ109をONにすると、図5に示されている操作入力受付部12が電源ONを受け付けて、電源をONにする(ステップS21)。そして、ログイン要求部13は、上記電源ONの受信を契機とし、送受信部11から通信ネットワーク2を介して遠隔通信管理システム50に、ログイン要求を示すログイン要求情報を自動的に送信する(ステップS22)。このログイン要求情報には、要求元としての自装置である遠隔通信端末10aaを識別するための端末ID、及びパスワードが含まれている。これら端末ID、及びパスワードは、記憶・読出処理部19を介して記憶部1000から読み出されて、送受信部11に送られたデータである。なお、遠隔通信端末10aaから遠隔通信管理システム50へログイン要求情報が送信される際は、受信側である遠隔通信管理システム50は、送信側である遠隔通信端末10abのIPアドレスを把握することができる。
次に、遠隔通信管理システム50の端末認証部52は、送受信部51を介して受信したログイン要求情報に含まれている端末ID及びパスワードを検索キーとして、記憶部5000の端末認証管理DB5002(図10参照)を検索し、端末認証管理DB5002に同一の端末ID及びパスワードが管理されているかを判断することによって端末認証を行う(ステップS23)。この端末認証部52によって、同一の端末ID及びパスワードが管理されているため、正当な利用権限を有する遠隔通信端末10からのログイン要求であると判断された場合には、状態管理部53は、端末管理DB5003(図11参照)に、遠隔通信端末10aaの端末ID、稼動状態、上記ログイン要求情報が受信された受信日時、及び遠隔通信端末10aaのIPアドレスを関連付けて記憶する(ステップS24)。これにより、図11に示されている端末管理テーブルには、遠隔通信端末ID「01aa」に、稼動状態「ONライン」、受信日時「2009.11.10.13:40」及び端末IPアドレス「1.2.1.3」が関連付けて管理されることになる。
そして、遠隔通信管理システム50の送受信部51は、上記端末認証部52によって得られた認証結果が示された認証結果情報を、通信ネットワーク2を介して、上記ログイン要求してきた要求元端末10aaに送信する(ステップS25)。本実施形態では、端末認証部52によって正当な利用権限を有する端末であると判断された場合につき、以下続けて説明する。
遠隔通信管理システム50の端末抽出部54は、ログイン要求した要求元端末10aaの端末ID「01aa」を検索キーとして、宛先リスト管理DB5004(図12参照)を検索し、要求元端末10aaと遠隔通信することができる宛先端末10Bの候補の端末IDを読み出すことによって抽出する(ステップS26)。ここでは、要求元端末10aaの端末ID「01aa」に対応する宛先端末(10ab,10ba,10db)のそれぞれの端末ID「01ab」、「01ba」、「01db」が抽出されることになる。
次に、端末状態取得部55は、上記端末抽出部54によって抽出された宛先端末10Bの候補の端末ID(「01ab」、「01ba」、「01db」)を検索キーとして、端末管理DB5003(図11参照)を検索し、上記端末抽出部54によって抽出された端末ID毎に稼動状態(「OFFライン」、「ONライン」、「ONライン」)を読み出すことにより、遠隔通信端末(10ab,10ba,10db)の各稼動状態を取得する(ステップ27)。
次に、送受信部51は、上記ステップ27で使用された検索キーとしての端末ID(「01ab」、「01ba」、「01db」)と、対応する宛先端末(10ab,10ba,10db)の稼動状態(「OFFライン」、「ONライン」、「ONライン」)とが含まれた宛先状態情報を、通信ネットワーク2を介して要求元端末10aaに送信する(ステップS28)。これにより、要求元端末10aaは、この要求元端末10aaと遠隔通信することができる宛先端末10Bの候補である遠隔通信端末(10ab,10ba,10db)の現時点のそれぞれの稼動状態(「OFFライン」、「ONライン」、「ONライン」)を把握することができる。
更に、遠隔通信管理システム50の端末抽出部54は、ログイン要求してきた要求元端末10aaの端末ID「01aa」を検索キーとして、宛先リスト管理DB5004(図12参照)を検索し、上記要求元端末10aaの端末ID「01aa」を宛先端末10Bの候補として登録している他の要求元端末10Aの端末IDを抽出する(ステップS29)。図12に示されている宛先リスト管理テーブルでは、抽出される他の要求元端末10Aの端末IDは、「01ab」、「01ba」、及び「01db」である。
次に、遠隔通信管理システム50の端末状態取得部55は、上記ログイン要求して来た要求元端末10aaの端末ID「01aa」を検索キーとして、端末状態管理DB5003(図11参照)を検索し、ログイン要求してきた要求元端末10aaの稼動状態を取得する(ステップS30)。
そして、送受信部51は、上記ステップS29で抽出された端末ID(「01ab」、「01ba」、及び「01db」)に係る遠隔通信端末(10ab,10ba,10db)のうち、端末管理DB5003(図11参照)で稼動状態が「ONライン」となっている遠隔通信端末(10ba,10db)に、上記ステップS30で取得された要求元端末10aaの端末ID「01aa」と稼動状態「ONライン」が含まれる宛先状態情報を送信する(ステップS31−1,S31−2)。なお、送受信部51が遠隔通信端末(10ba,10db)に宛先状態情報を送信する際に、各端末ID(「01ba」、「01db」)に基づいて、図11に示されている端末管理テーブルで管理されている端末のIPアドレスを参照する。これにより、ログイン要求した要求元端末10aaを宛先として遠隔通信することができる他の宛先端末(10db,10ba)のそれぞれに、上記ログイン要求した要求元端末10aaの端末ID「01aa」、及び稼動状態「ONライン」を伝えることができる。
一方、他の遠隔通信端末10でも、上記ステップ21と同様に、利用者が図4に示されている電源スイッチ109をONにすると、図5に示されている操作入力受付部12が電源ONを受け付け、上記ステップS22〜S31−1、2の処理と同様の処理を行うため、その説明を省略する。
続いて、図19を用いて、中継装置30を絞り込む処理を説明する。なお、本実施形態においては、要求元端末10aaは、宛先の候補としての遠隔通信端末10のうち、上記ステップS28によって受信した宛先状態情報により、稼動状態がONラインである遠隔通信端末(10ba,10db)の少なくとも一方と遠隔通信を行うことができる。そこで、以下では、要求元端末10aaの利用者が、宛先端末10dbと遠隔通信を開始することを選択した場合について説明する。
まず、利用者が図2に示されている操作ボタン108を押下して遠隔通信端末10dbを選択すると、図5に示されている操作入力受付部12は、遠隔通信端末10dbとの遠隔通信を開始する要求を受け付ける(ステップS41)。そして、遠隔通信端末10aaの送受信部11は、要求元端末10aaの端末ID「01aa」、及び宛先端末10dbの端末ID「01db」が含まれ、遠隔通信を開始したい旨を示す開始要求情報を、遠隔通信管理システム50へ送信する(ステップS42)。これにより、遠隔通信管理システム50の送受信部51は、上記開始要求情報を受信すると共に、送信元である要求元端末10aaのIPアドレス「1.2.1.3」を把握することになる。そして、状態管理部53は、開始要求情報に含まれる要求元端末10aaの端末ID「01aa」及び宛先端末10dbの端末ID「01db」に基づき、端末管理DB5003(図11参照)の端末管理テーブルにおいて、上記端末ID「01aa」及び端末ID「01db」がそれぞれ含まれるレコードの稼動状態のフィールド部分を、ともに「通話中」に変更する(ステップS43)。なお、この状態では、要求元端末10aaと宛先端末10dbは、遠隔通信(通話)を開始していないが、通話中状態となり、他の遠隔通信端末10が要求元端末10aa又は宛先端末10dbと遠隔通信しようとすると、いわゆる通話中状態を示す旨の音声又は表示が出力される。
次に、ステップS44〜S48、及びステップS61−1〜66により、中継装置30を選択するためのセッションを実行する処理を説明する。まず、選択用セッションID生成部56aは、中継装置30を選択するためのセッションの実行に用いられる選択用セッションIDを生成する(ステップS44)。そして、セッション管理部57は、記憶部5000のセッション管理DB5005(図13参照)に、上記ステップS44で生成された選択用セッションID「se1」、要求元端末10aaの端末ID「01aa」、及び宛先端末10dbの端末ID「01db」を関連付けて記憶して管理する(ステップS45)。
次に、遠隔通信管理システム50の一次絞込部56は、中継装置管理DB5001、端末管理DB5003、及び優先度管理DB5006に基づいて、要求元端末10aaと、宛先端末10dbとの遠隔通信を中継するための中継装置30の一次絞り込みを行う(ステップS46)。
ここで、図20を用いて、ステップS46における処理を更に詳細に説明する。まず、端末IPアドレス抽出部56bは、要求元端末10aaから送られてきた開始通信情報に含まれている要求元端末10aaの端末ID「01aa」、及宛先端末10dbの端末ID「01db」に基づいて、端末管理DB5003(図11参照)を検索することにより、対応する遠隔通信端末(10aa,10db)のIPアドレス(「1.2.1.3」、「1.3.2.4」)を抽出する(ステップS46−1)。次に、一次選択部56cは、中継装置管理DB5001(図9参照)で管理されている中継装置30の稼動状態のうち、「ONライン」になっている中継装置(30a,30b,30d)の各中継装置ID(111a,111b,111d)を選択する(ステップS46−2)。また、一次選択部56cは、上記ステップS46−1で抽出された、要求元端末10aaのIPアドレス「1.2.1.3」、及び宛先端末10dbのIPアドレス「1.3.2.4」に基づいて、中継装置管理DB5001(図9参照)を検索することにより、上記ステップS46−2によって選択された中継装置(30a,30b,30d)の各IPアドレス(「1.2.1.2.」、「1.2.2.2」、「1.3.2.2」)のドットアドレス毎に、上記要求元端末10aa及び宛先端末10dbの各IPアドレス(「1.2.1.3」、「1.3.2.4」)における各ドットアドレスと同じであるか異なるかを調査する(ステップS46−3)。
次に、優先度決定部57cは、優先度管理DB5006(図14参照)を参照して、上記ステップ46−3によって調査された中継装置(30a,30b,30d)毎に、アドレス優先度のポイントを決定する(ステップS46−4)。この決定処理の結果を表に表すと、図21に示されているような状態になる。なお、図21は、中継装置30の絞り込み処理を行う際の優先度のポイントの計算状態を示した図である。この図21では、中継装置ID毎に、アドレス優先度のポイント、伝送速度優先度のポイント、及び統合ポイントが示されている。また、アドレス優先度のポイントは、更に、各中継装置30の要求元端末10aaに対するポイント及び宛先端末10dbに対するポイントが示されている。統合ポイントは、アドレス優先度の2つのポイントのうちの高い方のポイントと、伝送速度優先度のポイントの合計である。
本実施形態では、中継装置30aのIPアドレス「1.2.1.2」は要求元端末10aaのIPアドレス「1.2.1.3」に対して、「同.同.同.異」であるため、図21に示されているように、アドレス優先度のポイントは「5」になる。また、中継装置30aのIPアドレス「1.2.1.2」は宛先端末10dbのIPアドレス「1.3.2.4」に対して、「同.異.異.異」であるため、アドレス優先度のポイントは「1」になる。また、中継装置30bのIPアドレス「1.2.2.2」は要求元端末10aaのIPアドレス「1.2.1.3」に対して、「同.同.異.異」であるため、アドレス優先度のポイントは「3」になる。また、中継装置30bのIPアドレス「1.2.2.2」は宛先端末10dbのIPアドレス「1.3.2.4」に対して、「同.異.同.異」であるため、アドレス優先度のポイントは「1」になる。更に、中継装置30dのIPアドレス「1.3.2.2」は要求元端末10aaのIPアドレス「1.2.1.3」に対して、「同.異.異.異」であるため、アドレス優先度のポイントは「1」になる。また、中継装置30dのIPアドレス「1.3.2.2」は宛先端末10dbのIPアドレス「1.3.2.4」に対して、「同.同.同.異」であるため、アドレス優先度のポイントは「5」になる。
次に、図20に戻って、優先度決定部57dは、中継装置管理DB5001(図9参照)で管理されている各中継装置30の最大データ伝送速度に基づいて、優先度管理DB5006(図15参照)を検索することにより、上記ステップS46−2によって第1次絞り込み処理によって絞り込まれた中継装置(30a,30b,30d)毎に伝送速度優先度のポイントを決定する(ステップS46−5)。本実施形態では、図9に示されているように、中継装置30aの最大データ伝送速度が100(Mbps)であるため、図15に示されている伝送速度優先度を参照すると、伝送速度優先度が3ポイントになる。また、同様に、中継装置30bの最大データ伝送速度について計算すると1000(Mbps)であるため、伝送速度優先度が5ポイントになる。また同様に、中継装置30dの最大データ伝送速度について計算すると10(Mbps)であるため、伝送速度優先度が1ポイントになる。
次に、一次選択部56cは、中継装置(30a,30b,30d)毎に、アドレス優先度のポイントにおいて遠隔通信端末(10aa,10db)のうち高い方のポイントと、伝送速度優先度のポイントを統合した統合ポイントのうち、ポイントが高い上位2つの中継装置30を選択する(ステップ46−6)。本実施形態では、図21に示されているように、中継装置ID(111a,111b,111d)は、それぞれ統合ポイントが「8」、「8」、「5」であるため、中継装置ID「111a」に係る中継装置30a、及び中継装置ID「111b」に係る中継装置30bが選択されることになる。
以上のステップS46における絞り込み処理が終了すると、図5に示されている送受信部51は、通信ネットワーク2を介して、宛先端末10dbへ、上記絞り込まれた中継装置30の数を伝達するための中継装置絞込情報を送信する(ステップS47)。この中継装置絞込情報には、上記ステップ46によって絞り込まれた中継装置30の数「2」、要求元端末10aaの端末ID「01aa」、及び上記選択用セッションID「se1」が含まれている。これにより、遠隔通信端末10dbは、選択用セッションID「se1」におけるセッションの実行において、中継装置30の数がいくつで、どの遠隔通信端末10からテレビ会議を開始したいとの要求があったのかを把握することができると共に、中継装置絞込情報の送信元である遠隔通信管理システム50のIPアドレス「1.1.1.2」を把握することができる。
そして、遠隔通信端末10dbは、送受信部11から通信ネットワーク2を介して遠隔通信管理システム50へ、上記中継装置絞込情報の受信が完了した旨を示す受信完了情報を送信する(ステップS48)。この受信完了情報には、セッションID「se1」が含まれている。これにより、遠隔通信管理システム50は、セッションID「se1」で実行されている中継装置数の伝達が完了した旨と共に、送信元である宛先端末10dbのIPアドレス「1.3.2.4」を把握することができる。
次に、図22を用いて、宛先端末10aaが中継装置30を選択する処理を説明する。まず、遠隔通信管理システム50は、テレビ会議を開始する前に、上記ステップS46によって絞り込まれた中継装置(30a,30b)のそれぞれに対して、事前に中継を要求する旨の事前中継要求情報を送信する(ステップS61−1,2)。この事前中継要求情報には、セッションID「se1」、要求元端末10aaのIPアドレス「01aa」、及び宛先端末10dbが含まれている。これにより、中継装置(30a,30b)は、どの選択用セッションのものであるか、要求元端末10Aが何であるか、及び宛先端末10Bが何であるかを把握することができると共に、事前中継要求情報の送信元である遠隔通信管理システム50のIPアドレス「1.1.1.2」を把握することができる。
次に、各中継装置(30a,30b)のそれぞれは、送受信部31から通信ネットワーク2を介して、上記ステップS61−1、2によって把握した要求元端末10aaへ、テレビ会議の開始前に自装置としての各中継装置(30a,30b)へ、後述のping(Packet Internet Groper)が含まれた事前送信情報を送信させる旨を示す事前送信要求情報を送信する(ステップS62−1、2)。この事前送信情報には、セッションID「se1」が含まれている。これにより、要求元端末10aaは、セッションID「se1」で実行されている中継装置30の選択処理において、各中継装置(30a,30b)に事前送信情報を送信することを把握すると共に、事前送信要求情報の送信元である中継装置(30a,30b)のIPアドレス(「1.2.1.2」、「1.2.2.2」)を把握することができる。
なお、遠隔通信管理システム50から直接、要求元端末10baに対して、宛先端末10dbのIPアドレスを通知せずに、上記ステップ61−1のように中継装置10aaに対して宛先端末10dbのIPアドレスを通知し、上記ステップ61−2のように中継装置10aaが要求元端末10baに対し、自装置(中継装置10aa)に対して事前送信要求情報を送信するように要求するのは、各遠隔通信端末10には、他の遠隔通信端末10のIPアドレスを知らせないようにして、セキュリティーを確保するためである。
次に、要求元端末10aaは、送受信部11から通信ネットワーク2を介して中継装置(30a,30b)へ事前送信情報を送信する(ステップS63−1、2)。この事前送信情報は、画像データ及び音声データの送信に先立って、これら画像データ及び音声データの代わりに各中継装置(30a,30b)を介して宛先端末10dbへ送信されることで、要求元端末10aaの送信から宛先端末dbの受信までの所要時間を計測するために用いられる情報である。また、この事前送信情報には、要求元端末10aa、中継装置(30a,30b)、及び宛先端末10dbが通信可能に接続されていることを確認するためのping、要求元端末10aaから事前送信情報が送信された送信日時、及びセッションID「se1」が含まれている。これにより、各中継装置(30a,30b)は、選択用セッションID「se1」におけるセッションの実行において、事前送信情報が送られて来たことを把握できると共に、この事前送信情報の送信元である要求元端末10aaのIPアドレス「1.2.1.3」を把握することができる。
次に、各中継装置(30a,30b)は、上記ステップS61−1,2によって受信した事前中継要求情報に含まれている宛先端末10dbのIPアドレス「1.3.2.4」に対して、上記事前送信情報を中継する(ステップS64−1,2)。これにより、宛先端末10dbは、セッションID「se1」におけるセッションの実行において、事前送信情報が送られて来たことを把握できると共に、この事前送信情報の送信元(中継元)である中継装置(30a、30b)のIPアドレス(「1.2.1.2」、「1.2.2.2」)を把握することができる。
次に、宛先端末10dbの最終絞込部16は、事前送信情報に基づいて、最終的にテレビ会議で画像データ及び音声データを中継する1つの中継装置30に絞り込む(ステップ65)。
ここで、図5及び図23を用いて、ステップS65における処理を更に詳細に説明する。まず、図5に示されている最終絞込部16の計測部16aは、各中継装置(30a,30b)によって中継された事前送信情報毎に、遠隔通信端末10dbの送受信部11で受信した際の受信日時を計測する(ステップS65−1)。次に、算出部16bは、上記受信時間が計測された事前送信情報毎に、上記受信日時と上記事前送信情報に含まれている送信日時との差に基づいて、各事前送信情報の送信から受信までの所要時間を算出する(ステップS65−2)。次に、最終選択部16cは、セッションID「se1」におけるセッションの実行において、中継予定の中継装置30の数「2」に相当する数の事前送信情報を全て受信したかを判断する(ステップS65−3)。そして、全て受信していない場合には(NO)、最終選択部16cは、遠隔通信端末10dbで事前送信情報を受信してから所定時間(ここでは1分間)経過したかを判断する(ステップS65−4)。更に、所定時間経過していない場合には(NO)、上記ステップS65−1に戻る。一方、上記ステップ65−3において、全て受信した場合(YES)、又は上記ステップS65−4において、所定時間経過した場合(YES)には、最終選択部16cは、これまでに算出部16cで算出された所要時間のうち最短の所要時間を要した事前送信情報を中継した中継装置30を1つ選択する(ステップS65−5)。本実施形態では、中継装置30aによって中継された事前送信情報が、中継装置30bによって中継された事前送信情報よりも送信から受信までの所要時間が短かったものとして、中継装置30aが選択される例を示している。
なお、上記実施形態では、宛先端末10db側で中継装置30aが絞り込まれたが、これに限るものではなく、宛先端末10dbが要求元端末10aa又は遠隔通信管理システム50へ、事前送信情報の送信から受信までの所要時間を示した所要時間情報を全て送信することで、要求元端末10aa側又は遠隔通信管理システム50側で、最終的に1つの中継装置30aが絞り込まれるようにしてもよい。
次に、宛先端末10dbは、送受信部11から通信ネットワーク2を介して遠隔通信管理システム50へ、中継装置30aを選択した旨を示す選択情報を送信する(ステップS66)。この選択情報には、セッションID「se1」、及び、選択された中継装置30aの中継装置ID「111a」が含まれている。これにより、遠隔通信管理システム50は、セッションID「se1」におけるセッションの実行において、中継装置30aが選択されたことを把握できると共に、選択情報の送信元である遠隔通信端末10dbのIPアドレス「1.3.2.4」を把握することができる。
次に、遠隔通信管理システム50のセッション管理部56は、セッション管理DB5005(図13参照)のセッション管理テーブルにおいて、セッションID「se1」が含まれるレコードの中継装置IDのフィールド部分に、上記最終的に1つに選択された中継装置30aの中継装置ID「111a」を記憶して管理する(ステップS67)。そして、遠隔通信管理システム50の送受信部51は、通信ネットワーク2を介して中継装置30aへ、中継を開始する旨の要求が示された中継開始要求情報を送信する(ステップS68)。この中継開始要求情報には、中継される要求元端末10aa及び宛先端末10dbの各IPアドレス(「1.2.1.3」、「1.3.2.4」)が含まれている。これにより、中継装置30aは、遠隔通信端末(10aa,10db)の間で、低解像度、中解像度、及び高解像度の3つ画像データ、並びに、音声データを遠隔通信するためのセッションを確立する(ステップS69)。これにより、遠隔通信端末(10aa,10db)は、テレビ会議を開始することができる。
なお、上記ステップS47において、遠隔通信管理システム50が宛先端末10dbに中継装置絞込情報を送信することに伴い、ステップS48〜S64−1、2を経て、宛先端末10db側で中継装置の選択処理(ステップS65)を行ったが、これに限るものではなく、上記ステップS47において、遠隔通信管理システム50が要求元端末10aaに中継装置絞込情報を送信することで、その後ステップS64−1、2までは、各情報の送信元と受信元が、要求元端末10aaと宛先端末10dbとで入れ替わるようにしてもよい。これにより、要求元端末10aaが上記ステップS65に替わって中継装置の選択処理を行うことができ、また、上記ステップS66に替わって選択情報の送信も行うことができる。
続いて、図5及び図24を用いて、要求元端末10aaと宛先端末10dbとの間で、テレビ会議を行うために、画像データ及び音声データを送受信する処理を説明する。まず、要求元端末10aaは、撮像部14aで撮像された被写体の画像データ、及び音声入力部15aで入力された音声の音声データを、送受信部11から通信ネットワーク2を介して中継装置30aへ送信する(ステップS81)。なお、本実施形態では、図7に示されている低解像度、中解像度、及び高解像度の3つから成る高画質の画像データ、並びに、音声データを送信している。これにより、中継装置30aでは、送受信部31で上記3つの解像度の画像データ及び音声データを受信する。そして、データ品質確認部33が、宛先端末10dbのIPアドレス「1.3.2.4」を検索キーとして、変更品質管理DB3001(図8参照)を検索し、対応した中継する画像データの画質を抽出することで、中継する画像データの画像の品質を確認する(ステップS82)。本実施形態では、確認された画像データの画像の画質が「高画質」であり、送受信部31で受信した画像データの画質と同じであるため、そのままの画質の画像データ、及びそのままの音質の音声データで、宛先端末10dbに転送する(ステップS83)。これにより、宛先端末10dbは、送受信部11で画像データ及び音声データを受信し、画像表示制御部14bがディスプレイ11に上記画像データに基づく画像を表示させると共に、音声出力部15bが音声データに基づく音声を出力させることができる。
次に、遠隔通信端末10dbの遅延検出部17は、送受信部11で受信された画像データの受信の遅延時間を一定時間毎(例えば、1秒毎)に検出する(ステップS84)。なお、本実施形態では、遅延時間が200(ms)である場合について、以下説明を続ける。
宛先端末10dbの送受信部11は、通信ネットワーク2を介して遠隔通信管理システム50へ、遅延時間「200(ms)」を示す遅延情報を送信する(ステップS85)。これにより、遠隔通信管理システム50は、遅延時間を把握すると共に、遅延情報の送信元である遠隔通信端末10dbのIPアドレス「1.3.2.4」を把握することができる。
次に、遠隔通信管理システム50の遅延時間管理部60は、上記宛先端末10dbのIPアドレス「1.3.2.4」を検索キーとして、端末管理DB5003(図11参照)を検索することで、対応する端末ID「01db」を抽出し、更に、セッション管理DB5005(図13参照)のセッション管理テーブルにおいて、上記端末ID「01db」のレコードにおける遅延時間のフィールド部分に、上記遅延情報で示されている遅延時間「200(ms)」を記憶して管理する(ステップS86)。
次に、品質決定部58は、上記遅延時間「200(ms)」を検索キーとして、品質管理DB5007(図16参照)を検索し、対応する画像データの画質「中画質」を抽出することで、画質を「中画質」に決定する(ステップS87)。
次に、送受信部51は、セッション管理DB(図13参照)のセッション管理テーブルにおいて、上記端末ID「01db」に関連付けられている中継装置ID「111a」を検索キーとして、中継装置管理DB5001(図9参照)を検索し、対応する中継装置30aのIPアドレス「1.2.1.2」を抽出する(ステップS88)。そして、送受信部51は、通信ネットワーク2を介して中継装置30aへ、上記ステップ87によって決定された画像データの画質「中画質」を示す品質情報を送信する(ステップS89)。この品質情報には、上記ステップS86において検索キーとして用いた宛先端末10dbのIPアドレス「1.3.2.4」が含まれている。これにより、中継装置30aでは、変更品質管理部34が、変更品質管理DB3001(図8参照)に、送信先の遠隔通信端末10(ここでは、宛先端末10db)のIPアドレス「1.3.2.4」、及び中継される画像データの画質「中画質」を関連付けて記憶して管理する(ステップS90)。
次に、遠隔通信端末10aaは、引き続き上記ステップS81と同様に、中継装置30aへ、低画質、中画質、及び高画質の3つから成る高画質の画像データ、並びに、音声データを送信する(ステップS91)。これにより、中継装置30aでは、上記ステップS82と同様に、データ品質確認部33が、宛先端末10dbのIPアドレス「1.3.2.4」を検索キーとして、変更品質管理DB3001(図8参照)を検索し、対応した中継する画像データの画質「中画質」を抽出することで、中継される画像データの画像の品質を確認する(ステップS92)。本実施形態では、確認された画像データの画質が「中画質」であり、送受信部31で受信された画像データの画質「高画質」よりも低くなるため、データ品質変更部35は、画像データの画質を「高画質」から「中画質」に抑制することで、画像データの画像の品質を変更する(ステップS93)。そして、送受信部31は、通信ネットワーク2を介して遠隔通信端末10dbへ、上記画像データの画質が「中画質」に変更された画像データ、及び音声の音質が変更されていない音声データを送信する(ステップS94)。このように、画像データを受信する宛先端末10dbで、受信の遅延が生じた場合には、中継装置30aは画像の品質を変更し、テレビ会議に参加している人に違和感を与えないようにすることができる。
次に、セッション確立後の遠隔通信端末10間で、会議中にマイク114aのミュートが実行された場合の処理について説明する。
遠隔通信端末10において、マイク114aのミュートを実行し、そのミュート情報を通信ネットワーク2を介して送信する処理を図25以降に示す。なお、以下の処理は、識別子としての端末IDが「01aa」、IPアドレスが「1.2.1.3」である遠隔通信端末10aaにおいてミュートを実行し、そのミュート情報を通知するものとして説明する。
遠隔通信端末10aaがログインし、会議が開始された状態において図25に示す処理が行なわれる。この場合遠隔通信端末10aaには、外付けのマイク114aが装着されている。
1. ミュート処理部18の処理部18aは音声入力部15aのマイク114aのマイク名称を取得する(ステップ101−1)。本実施の形態では、Windows(登録商標)上でこの処理を行い、オーディオミキサAPIを使用してマイク名称を取得する。
2. 処理部18aは取得したマイク名称を判別部18bに渡して、マイク114aのマイクミュート機能の判別を依頼する。
3. 判別部18bは記憶部18dに保存されているリスト形式のマイクデータを検索して処理部18aから依頼されたマイク114aがミュート情報を通知可能か否かを判別する(ステップ101−2)。マイクデータの例を図26(a)に示す。同図にはマイクミュート通知が可能なマイク名が登録されている。
4. 判別部18bは取得したマイク名が図26(a)のマイクデータに存在すれば、ミュート情報を通知可能であるとして<1>の処理を、マイク名が存在しない場合は通知不可能であるとして<2>の処理をそれぞれ行う。<1>および<2>の各処理については後述する。
5. <1>または<2>の処理が終了すると、処理部18aは図27の識別子の欄を参照して自端末である01aa以外、すなわち例えば01ab〜01bbを送信先として取得する(ステップ101−3)。図27には会議中の他の端末の識別子とミュート状態を示すものであり、このデータは遠隔通信管理システム50の端末管理DB5003に保存され、遠隔通信管理システム50からXMPPにより送信される。
6. 処理部18aは5.で取得した送信先について以降の処理を行う。
まず、処理する送信先が残っているかを確認する(ステップ101−4)。
処理する送信先がある場合には、次の7.以降の処理を行なう。
なお、処理する送信先がなくなったら終了する。
7. 処理する送信先がある場合に、処理部18aがメッセージの作成を状態管理部18cに要求すると、状態管理部18cは図28に示すようなRFC3921のXMPP IM (Extensible Messaging and Presence Protocol: Instant Messaging and Presence)に従うXMLベースのメッセージを作成する(ステップ101−5)。
8. 具体的には状態管理部18cは、<presence>タグの属性“from”および“to”に自端末の識別子と送信先端末の識別子とをそれぞれ代入する。図28の例では自端末の識別子に01aaを、送信先端末の識別子に01bbをそれぞれ代入した例である。<status>タグの値にはミュート状態を代入する。図28の(a)〜(c)には“MUTE_ON”、 “MUTE_OFF”、 “MUTE_NONE”が代入されており、それぞれ“ミュートON”、“ミュートOFF”、“ミュート機能不可”のミュート状態を示す。またいずれの場合も<show>タグの値は会議中であることを示す“CHAT”を代入する。
9. 状態管理部18cは送受信部11に8.で作成したメッセージの送信を依頼すると、送受信部11はXMPPでメッセージを宛先端末である遠隔通信端末10bbへ送信する(ステップ101−6)。
10.送信が終わったら、処理する送信先が残っているかを確認し(ステップ101−4)、処理する送信先がなくなったら終了する。
なお、この実施形態においては、送受信部11は自端末の識別子および送信先端末の識別子をそれぞれのIPアドレスに変換して送信する。
また、<presence>タグの属性“from”および“to”に自端末のIPアドレスと送信先端末のIPアドレスを直接代入するようにして、上記の変換を行なわないようにすることもできる。
次にメッセージの送信に関する別の実施形態として、遠隔通信端末から送信されたメッセージを遠隔通信管理システムが受信し、遠隔通信管理システムがこのメッセージを会議の相手方の遠隔通信端末に送信するようにする形態について説明する。
図29は、この場合のメッセージの例を示したもので、<presence>タグの属性“from”および“to”に自端末10aaのIPアドレスと遠隔通信管理システム50のIPアドレスとをそれぞれ代入したものであり、また<id>タグの値に自端末の識別子を代入したものである。
図25のステップ101−6においてこのメッセージが送信されると、遠隔通信管理システム50は送受信部51で受信し、メッセージ伝達部61がXMPP IMに従って<presence>タグの“id ”属性を解析し、図13のセッション管理テーブルを参照して、01aaの宛先端末である01dbを特定する。次に図11の端末管理テーブルを参照し、01dbのIPアドレスである“1.3.2.4”を特定する。
その後、メッセージ伝達部61は次に示すメッセージを作成し、送受信部51に、特定した送信先に向けて同メッセージの送信を依頼する。
<presence from=“1.1.1.2” to=“1.3.2.4”>
<show>CHAT</show>
<id>01aa</id>
<status>MUTE_ON</status>
</presence>
なお、上記メッセージでは、ミュート状態が“MUTE_ON”の例を示しているが、実際には、<status>タグは送信元端末から送られてきた<status>タグの値と同じ値になるように作成する。
このように、図29に示すように<presence>タグの属性“from”および“to”に自端末10aaのIPアドレスと遠隔通信管理システム50のIPアドレスとをそれぞれ代入した場合には、このように遠隔通信管理システム50が送信先端末のIPアドレスを特定して送信先に送信する。
上記4.の処理<1>を図30を参照して説明する。処理<1>は音声入力部15aのマイク114aに備えられたミュートボタン114bを押下したときにそのマイクミュート通知が可能な場合の処理である。
1. 利用者はミュートボタン114bを押下することによって処理部18aにミュート情報が通知されるが、このミュート情報が通知されたか否かを判断する(ステップ105−1)。
2. ミュート情報が通知された場合に、処理部18aは通知されたミュート情報を解析し、通知されたミュート状態がONであるかOFFであるかを判断する(ステップ105−2)。
3. 通知されたミュート状態がONの場合、処理部18aは図27の識別子01aaに対応するミュート状態を“MUTE_ON”に書き換えることを状態管理部18cに依頼する(ステップ105−3)。
また、ミュート状態がOFFの場合には“MUTE_OFF”に書き換えることを状態管理部18cに依頼する(ステップ105−4)。
4. 状態管理部18cは依頼された処理を終えると次の処理に移る。
次に、処理<2>を図31を参照して説明する。処理<2>は音声入力部15aのマイク114aに備えられたミュートボタン114bを押下したときにそのマイクミュート通知が不可能な場合の処理である。
1. 処理部18aは判別部18bに記憶部18dに保存された図26(b)のマイクデータのマイク名を参照して図25の処理で取得したマイク名称の検索を依頼する。
2. 判別部18bはマイク名称がみつかった場合(ステップ106−1)、図26(b)のマイクデータからマイク名に対応するしきい値xを取得し(ステップ106−2)、次の3. に移る。
マイク名称がみつからなかった場合(ステップ106−1)には、処理部18aは図27の識別子01aaに対応するミュート状態を“MUTE_NONE”に書き換え(ステップ106−9)、図25の次の処理に移る。
3. 判別部18bは、図6のミュートスイッチ15a5通過後の音声信号レベルを所定の点数分(例えば16点、標本化周波数16kHzの場合の時間長は1ms)測定する(ステップ106−3)。
4. 判別部18bは3.で測定した全てのレベルが所定の値の範囲内であるか否かを判断する。本実施の形態では、デジタル形式を16bit、符号ありとし、2.で取得したしきい値xと比較してレベルが-x〜x(例えば使用しているマイクの名称が“MIC3”の場合はx=3)の範囲内であるか否かを判断し結果を処理部18aに応答する。
5. 上記のレベルが範囲内である場合すなわち範囲内のレベルが所定時間継続した場合、処理部18aは状態管理部18cに処理6.を依頼する。そうでなければ処理9.を依頼する(ステップ106−4)。
6. 状態管理部18cは、記憶部18dの01aaに対応するミュート状態(図27)を参照し、“MUTE_OFF”か否かを判断する。“MUTE_OFF”であれば次の7.に進み、“MUTE_OFF”でなければ3. に戻る(ステップ106−5)。
7. 状態管理部18cはミュート状態を“MUTE_ON”に書き換え、図25の次の処理へ分岐することを処理部18aに応答する(ステップ106−6)。
8. 処理部18aは図25の次の処理へ分岐するとともに、3.に戻って処理を繰り返す。
9. 5.においてレベルが範囲内でない場合すなわち範囲内のレベルが所定時間継続したものでない場合、状態管理部18cは、記憶部18dの01aaに対応するミュート状態(図27)を参照し、“MUTE_ON”か否かを判断する。否であれば3. に戻る(ステップ106−7)。
10. ミュート状態(図27)が“MUTE_ON”である場合には状態管理部18cはミュート状態を“MUTE_OFF”に書き換え、次の処理へ分岐することを処理部18aに応答する(ステップ106−8)。
11. 処理部18aは次の処理へ分岐するとともに、3.に戻って処理を繰り返す。
上記の処理4.において、しきい値xは使用するマイクの入力最小レベルをあらかじめ測定しておき、このレベルよりも小さい値を記憶しておけばよい。
ここで、ミュートスイッチ15a5が解除されて信号が通過する状態であっても、図6のマイク114aが音量調整可能である場合で、マイク114a音量を最小に設定した場合には、音声信号レベルが小さくなるため、もし、このレベルがミュートスイッチ15a5を入れた状態とおなじしきい値であった場合は、ミュート状態を判断できなくなってしまう。この問題に対応するために本実施の形態では、ミュートスイッチ15a5を他の信号処理の最後段に設けてある。この構成によって、ミュートスイッチ15a5が入ったときの音声信号レベルとミュートスイッチ15a5が解除されたときの音声信号レベルとを確実に区別することができるようになっている。
次に、ミュート情報を有するメッセージを受け取る送信先の遠隔通信端末10の処理について図32を参照しながら説明する。なお、本実施形態においては識別子01bbをもつ遠隔通信端末10でメッセージを受信した例を述べる。
1. 送受信部11がミュート情報をもつメッセージを受信すると(ステップ107−1)、処理部18aは状態管理部18cに次の処理を依頼する。
2. 状態管理部18cは受信したメッセージを解析し、<presence>タグの“from”属性から送信元の識別子(本実施形態では01aaを取得する。また、<status>タグの値からミュート状態を取得する。その後、図27の01aaに対応するミュート状態を、取得したミュート状態に書き換える(ステップ107−2)。
3. 処理部18aは書き換えたミュート情報が“MUTE_ON”であれば対応する識別子01aaとミュートON情報の表示を画像表示制御部14bに依頼して終了する(ステップ107−4)。
4. また、処理部18aは書き換えたミュート情報が“MUTE_ON”でなく(ステップ107−3)、“MUTE_NONE”であれば(ステップ107−5)、対応する識別子とミュート機能不可情報の表示を画像表示制御部14bに依頼して終了する(ステップ107−6)。
5. また、処理部18aはミュート情報が“MUTE_OFF”であれば(ステップ107−5)、対応する識別子の表示とミュート情報の非表示を画像表示制御部14bに依頼して終了する(ステップ107−7)。
3.から5に述べた画面の表示/非表示の制御は、よく知られた画面レイヤの機能を使用することで実現できる。すなわち、中継装置30から送信されてくる動画像のレイヤとは別にミュート情報の表示/非表示用レイヤを作成し、このレイヤと動画像のレイヤとを重ね合わせることにより、会議画面にミュート情報を表示させることができる。
図33は図27のデータに対応するディスプレイ11の表示例である。この場合、識別子01aaは“MUTE_ON”であるためその情報を示すアイコンと識別子を表示する。
識別子01abは“MUTE_OFF”であるため、もし01abのミュート情報のアイコンが表示されていれば非表示にする。
識別子01baは“MUTE_NONE”であるため、その情報を示すアイコン(グレー表示)と識別子とを表示する。
上記の実施形態においては、遠隔通信端末10に使用するマイク114aにデバイスドライバなどでミュート情報の機能を対応しなくても、マイク114aによるミュート情報を相手先に表示できるので会議をスムースに進行させることができる。例えば、相手先で突然音が聞こえなくなっても、故障したのではなく、ミュートされたのだということを了解させることができる。
また、遠隔通信端末10に特化したデバイスドライバを開発する必要がないので開発に必要なコストを省くことができる。
また、デバイスドライバを必要としないので、使用者が好むマイクを遠隔通信端末10に用いることができ、使用者の利便性が向上する。
次に、遠隔通信端末10をテレビ会議モードと、外付けマイクの登録モードに切り替えて、登録されていないマイクを新規に登録する処理について説明する。
図34は、遠隔通信端末10の起動後に画像表示制御部14bによりディスプレイ11に表示されるメニュー画面である。この画面のメニューは操作入力受付部12の操作ボタン107(カーソルキー)によってカーソルを希望する項目へ移動し、エンターキーにより選択情報の入力ができるようになっている(以下、この入力が行なわれた状態を「選択」という)。
ここで、項目「会議開始」の選択を行うと、ミュート処理部18のモード切替部18eによって、テレビ会議を行うモードとなり、会議中においては、マイクがミュートされているときには相手側の遠隔通信端末10にミュート状態の情報を送出する。
他方、図34において項目「マイク登録」の選択が行われると、遠隔通信端末10はミュート処理部18の登録部18fにおいて図35に示した処理を行う。なお、図35の処理は登録したいマイクがすでに遠隔通信端末10に装着されて、音声の入力がされている使用状態で行なわれる。
1. 処理部18aは、音声入力部15aに装着されたマイク名を取得する(ステップ202−1)。
登録部18fは処理部18aに図36に示すダイアログの画面表示を要求し、このダイアログ画面が表示される。また、登録部18fの取得可能フラグをFALSEに設定する。取得可能フラグはマイクミュート情報を取得可能か否かを示すもので、取得可能な場合にはTRUEに設定され取得可能でない場合にはFALSEに設定される。
2. 使用者が図36に示すダイアログの画面において、キャンセルボタンを選択したことを検知したら、図34のメニュー画面に戻して終了する(ステップ202−2)。
使用者がキャンセルボタンを選択する理由は、ミュートボタンがない(ミュート機能をもたない)マイク114aを登録しようとしたとき、あるいはマイク登録処理を中止したい場合などである。
3. 使用者が、図36に示すダイアログの画面において装着されているマイク114aに付属したミュートボタン114bを押下することによって処理は続行し(ステップ202−2)、登録部18fはマイクミュート情報を取得可能か否かを判断する(ステップ202−3)。使用者は、ミュートボタン114bを押下してから、OKボタンを押す。
この場合、マイクミュート情報を取得可能の判断は、ミュートボタン114bが押下されたことを示すマイクミュート情報を、登録部18fが実際に取得できたことによって行なう。登録部18fがマイクミュート情報を取得可能な場合には、取得可能フラグをTRUEに設定する。
登録部18fは図36のダイアログの消去を処理部18aに依頼し、取得可能フラグがTRUEである場合には処理<1>へ移行する。取得可能フラグがFALSEである場合には処理<2>へ移行する。
4. 処理<1>または処理<2>が終了すると、登録部18fは図37のダイアログ表示を処理部18aに依頼する。
この画面において、使用者がOKボタンを選択したことを検知したら、図34のメニュー画面へ移行させて終了する(ステップ202−4)
なお、本実施の形態では、Windows(登録商標)上で上記処理を行い、処理1および4はオーディオミキサAPIを使用することによって実現する。
図38は処理<1>の流れを説明する図である。処理<1>ではマイクミュート情報を取得可能な(取得可能フラグがTRUEの)場合であって、登録部18fが図36の「OK」ボタンが押下されたことを検知すると、ダイアログの消去を処理部18aに依頼し、図35のステップ202−1で取得したマイク名を記憶部18dのマイクデータに追記する(ステップ205−1)。例えば、取得したマイク名が「MIC2」であった場合は、図26(a)に示すマイク名のリストに取得したマイク名である「MIC2」を追加する。この図においてはマイク名「MIC1」が既に登録されており、これに「MIC2」を追加した状態を示している。
上記データは、図25の処理においてマイクミュート情報を通知可能なマイクとして参照される。
次に処理<2>の流れについて説明する。図39は処理<2>の流れを説明する図である。
1. マイクミュート情報を取得不可能な場合(取得可能フラグがFALSEの場合)であって、登録部18fが図36の「OK」ボタンが押下されたことを検知すると、ダイアログの消去を処理部18aに依頼し次の処理へ移行する。
2. マイク114aから入力されている現在の音量を取得し、記憶した後にその音量を最大化する(ステップ206−1)。
音量を最大化することにより、処理5.で用いる所定値をマイクの種類ごとに保存しなくて済む。すなわち、マイク114aがミュート状態でないときの入力レベルを十分に確保することによって、所定値をどのマイクでも共通に扱えるようになる。なお、この処理はWindows(登録商標)のオーディオミキサAPIを利用することによって実現する。
3. デジタル化された音声信号レベルを所定の時間(例えば5秒)分測定する。なお、デジタル化の条件を、標本化周波数16kHz、 16bit符号化としているので、80000点分測定する。
4. 測定した全てのレベルxの中で絶対値|x|が最大になるレベルx_maxを求め、このx_maxが所定の値(例えば100)より小さかった場合に、この値をしきい値として決定する(ステップ206−2)。
5. なお、x_maxが所定の値(例えば100)より大きかった場合は、図40のダイアログの表示を処理部に依頼する。OKボタンの押下を検知したら処理3に戻り、処理を再び行なう。
6. 図35の1.で取得したマイク名と、上記4.で決定したしきい値x_maxを記憶部18dのマイクデータに追記する。例えば、マイク名が「MIC4」であり、x_maxが4であった場合は、図26(b)に示すように既に登録されているデータに追記する(ステップ206−3)。
この図の例では、マイク名「MIC3」およびそのしきい値3が既に登録されており、これに「MIC4」およびそのしきい値4を追加した状態を示している。
7. 上記2.で記憶しておいたマイク音量に、オーディオミキサAPIを利用して復帰する(ステップ206−4)。
以上に述べた登録処理によって、遠隔通信端末10に使用する外付けのマイク114aをユーザが所望する他のマイクに交換しても、ミュート情報を通知可能にすることができる。
すなわち、使用者が好むマイク114aを遠隔通信端末10向けに追加することができ、使用者の利便性が向上する。
次に、音声出力部15bからの音量レベルを変更する音量変更ボタン115bの操作によりミュートを実行し、その状態が変更されたときにそのことを送受信部11から宛先の遠隔通信端末10に向けて送信する処理について説明する。この場合には、音量変更ボタン115bは、ミュート実行の操作ボタンとして兼用するため外付けのマイク114aにミュートボタン114bを備えていなくともよい。
セッション確立後の遠遠隔通信端末10同士間でマイクのミュート情報を送信する処理を図41に示す。なお、以下の処理は遠隔通信端末10aaから遠隔通信端末10bbにミュート情報を送信するものとして説明する。
1. 監視部18gは音声出力部15bにおける出力レベルの変更イベントを監視しており、この変更イベントを受信すると次の処理に進む(ステップ301−1)。
この変更イベントは、Windows(登録商標)などでよく知られたオーディオミキサAPIで実現することが可能であり、操作入力受付部12で受け付けた音量変更ボタン115bからのボタン情報を音声出力部15bが解析し、出力レベルの変更を行うと発生するようになっている。
すなわち、使用者がスピーカ115aの音量変更ボタン115bを押下することによってこのイベントが発生する。なお、以降の処理においても音声入力部15a、音声出力部15bのアクセスなど音声入出力I/F116のアクセスに伴う処理は、オーディオミキサAPIにより実現する。
2. 監視部18gは音声出力部18bから変更された出力レベルを取得し、そのレベルが最小値(例えばレベル0)であるか否かを比較する。監視部18gは出力レベルが最小値であれば次の処理に進み、そうでなければ処理7に進む(ステップ301−2)。
3. 監視部18gは、オーディオミキサAPIを利用して音声入力部15aのミュートを実行し、音声入力部15aからの入力を無視させる(ステップ301−3)。
4. 監視部18gは記憶部18dに変数としてもっているミュートの状態MUTEをMUTE=ONに設定し(ステップ301−4)、処理部18aは画像表示制御部14bに自己のディスプレイ11の画面にミュートがオンになったことを示すアイコン、およびテキストの表示を依頼する。図46に画面の表示例を示す。
画像表示制御部14bは、記憶・読み出し制御部19を経由して記憶部1000に記憶されているアイコンおよびテキスト(ミュート中です)を参照し、ミュート中であることを、自己のディスプレイ11の画面に重ね合わせて表示する。
5. 状態管理部18cは図42に示すようなミュートオンを表すメッセージを作成する(ステップ301−5)。このメッセージはRFC3921のXMPP IM (Extensible Messaging and Presence Protocol: Instant Messaging and Presence)に従うXMLベースのメッセージであり、具体的には状態管理部18cは、<presence>タグの属性“from”および“to”に自端末の識別子と相手先端末の識別子をそれぞれ代入する。
<status>タグの値にはミュートの状態を代入する。図42の(a)、(b)にはそれぞれ“MUTE_ON”、 “MUTE_OFF”が代入されており、それぞれ“ミュートオン”、“ミュートオフ”のミュート状態を示す。またいずれの場合も<show>タグの値は会議中であることを示す“CHAT”を代入する。
なお、この実施形態においても、上記したように、遠隔通信端末から送信されたメッセージを遠隔通信管理システムが受信し、遠隔通信管理システムがこのメッセージを会議の相手方の遠隔通信端末に送信するようにすることができる。
図43は、この場合のメッセージの例を示したもので、上記の場合と同様に<presence>タグの属性“from”および“to”に自端末10aaのIPアドレスと遠隔通信管理システム50のIPアドレスとをそれぞれ代入し、<id>タグの値に自端末の識別子を代入している。
6. 状態管理部18cは送受信部11に処理5で作成したメッセージの送信を依頼すると、送受信部11はXMPPでメッセージを宛先端末である遠隔通信端末10bbに送信して終了する(ステップ301−6)。
7. 出力レベルが最小値でない場合はミュートの状態がMUTE=ONであるか否かを比較する。MUTE=ON である場合は次の処理に進み、そうでない場合は処理を終了する(ステップ301−7)。
8. MUTE=ONである場合には、監視部18gは、オーディオミキサAPIを利用して音声入力部15aのミュート解除を実行し、音声入力部15aからの入力を受付可能にする(ステップ301−8)。
9. 監視部18gは記憶部18dに変数としてもっているミュートの状態MUTEをMUTE=OFFに設定し(ステップ301−9)、画像表示制御部14bに、図46に示す自己のディスプレイ11の画面に表示されているミュートがオンになっていることを示すアイコン、およびテキストの消去を依頼する。
10. 状態管理部18cは図43(b)に示すようなミュートオフを表すメッセージを作成し(ステップ301−5)、作成したメッセージの送信を依頼すると、送受信部11はこのメッセージを宛先端末である遠隔通信端末10bbに送信して終了する(ステップ301−6)。
以上の処理により、遠隔通信端末10のマイク114aにミュートボタンを備えていなくても、スピーカ115aの出力レベルを操作者が最小にしたことを判断してマイクのミュートの実行およびミュート情報の送信を行うことができる。
換言すると、本実施形態の遠隔通信端末10における処理は、スピーカ115aの出力レベルを操作者が最小にする場合には、会議は中断されることになるので、このような場合には、使用者が相手側の音声を聞く意思がなく、会話の中断を希望しているものとみなし、この中断の間接的な伝達のためにマイクのミュート情報を送っているともいえるものである。
さらに、このミュート情報を送信することによって、相手側にシステムの故障ではないことを知らせることができるので、安心感を与える、という効果ももたらす。
上記処理3.では音声入出力I/F116がミュートのインタフェースをサポートしている場合に適用できる。もし音声入出力I/F116がミュートのインタフェースをサポートしていない場合は、入力レベルを最小値(例えば入力レベル0)に設定することでも構わない。
次に、この処理を実現する変形例を図44のフローチャートを参照しながら説明する。
1. 監視部18gは音声出力部15bにおける出力レベルの変更イベントを監視しており、同イベントを受信すると次の処理に進む(ステップ303−1)。
2. 監視部18gは音声出力部15bから変更された出力レベルを取得し、同レベルが最小値(例えばレベル0)であるか否かを比較する。監視部18gは出力レベルが最小値であれば次ステップに進み、そうでなければ処理8.に進む(ステップ303−2)。
3. 出力レベルが最小値である場合には、監視部18gは音声入力部から入力レベルを取得し、同入力レベルを記憶部18dに変数としてもっているINPUT_LEVELに記憶する(ステップ303−3)。
4. 監視部18gは、オーディオミキサAPIを利用して音声入力部15bの入力レベルを最小値(例えばレベル0)に設定する(ステップ303−4)。
5. 監視部18gは記憶部18dに変数としてもっているミュート状態MUTEをMUTE=ONに設定し(ステップ303−5)、画像表示制御部114bに自己のディスプレイ11の画面に図46に示すようにミュートがオンになったことを示すアイコン、およびテキストの表示を依頼する。
6. 状態管理部18cは図43(a)に示すようなミュートオンを表すメッセージを作成する(ステップ303−6)。
7. 状態管理部18cは送受信部11に前処理で作成したメッセージの送信を依頼すると、送受信部11はXMPPでメッセージを宛先端末である遠隔通信端末10bbにメッセージを送信して終了する(ステップ303−7)。
8. 出力レベルが最小値でない場合はミュートの状態がMUTE=ONであるか否かを確認する(ステップ303−2)。MUTE=ON である場合は次処理に進み、そうでない場合は処理を終了する(ステップ303−8)。
9. MUTE=ONである場合には、処理3.で記憶した入力レベルを参照し、オーディオミキサAPIにより音声入力部15aの入力レベルを参照した入力レベルに設定する(復帰させる)(ステップ303−9)。
10. 監視部18gは記憶部18dに変数としてもっているミュートの状態MUTEをMUTE=OFFに設定し(ステップ303−10)、処理部18aは画像表示制御部14bに、図46に示す自己のディスプレイ11の画面に表示されているミュートがオンになっていることを示すアイコン、およびテキストの消去を依頼する。
5. 状態管理部18cは図43(b)に示すようなミュートオフを表すメッセージを作成し(ステップ303−6)、作成したメッセージの送信を依頼すると、送受信部11はこのメッセージを宛先端末である遠隔通信端末10bbに送信して終了する(ステップ303−7)。
以上の処理により、遠隔通信端末10のマイク114aにミュートボタン114bを備えていないのに加えて、音声入出力I/F116がミュートの制御をサポートしていなくても、スピーカ出力レベルを操作者が最小にしたことを判断して音声入力レベルの最小化を行うことによりミュートの代替機能として動作させることができる。
図41および図44の処理のどちらの処理を実行するかは起動時に音声入力部の音声入出力I/Fがミュート機能をサポートしているか否かを判断することによって適切に選択することができる。この選択を行うフローチャートを図45に示す。
1. 監視部18gは音声入力部15aの音声入出力I/F116がミュート機能をサポートしているか否かを調べ、サポートしていたら次処理に移行する。サポートしていなかったら処理3.に移行する(ステップ304−1)。この処理は、オーティオミキサAPIにより音声入出力I/F116のプロパティを取得し、ミュート機能サポートの属性を参照することにより実現できる。
2. 音声入出力I/F116がミュート機能をサポートしている場合には、記憶部18dに変数としてもっているミュートの機能をMUTE_FUNC=ONに設定して終了する(ステップ304−2)。
3. ミュート機能をサポートしていない場合には、MUTE_FUNC=OFFに設定して終了する(ステップ304−3)。
図41および図44の処理を選択的に行うためには、各図のステップ1.に追加して、MUTE_FUNCの値によって判断すればよい。すなわち、MUTE_FUNC=ONであった場合は、以降の処理を図41に示すステップで行い、MUTE_FUNC=OFFであった場合は、以降の処理を図44に示すステップで行えばよい。
以上の処理により、音声入力部15aの音声入出力I/F116のミュート機能の有無に関わらず、スピーカ出力レベルを使用者が最小にしたことを判断してミュート情報を相手先端末に送信することができる。
次にミュート情報をもったメッセージを受け取る相手端末(遠隔通信端末10bb)の処理について図47を参照しながら説明する。
1.送受信部11がメッセージを受信する (ステップ306−1)。
2.状態管理部18cは、受信したメッセージを解析し、<status>タグの値からミュート状態を取得する。(ステップ306−2)。
3.処理部18aはミュート状態が“MUTE_ON”であれば次処理に移行する。そうでなければ処理5.に移行する(ステップ306−3)。
4.“MUTE_ON”であれば処理部18aは画像表示制御部14bに自己のディスプレイ11の画面の相手端末を示す画面にミュートがオンになったことを示すアイコン、およびテキストの表示を依頼する(ステップ306−4)。
図48に画面の表示例を示す。画像表示制御部14bは、記憶・読み出し制御部19を経由して記憶部1000に記憶されているアイコンおよびテキスト(ミュート中です)を参照し、相手端末を示す画面に重ね合わせて表示を行い終了する。
5.“MUTE_ON”でなければ、処理部18aは画像表示制御部14bに、相手端末を示す画面にミュートがオンになったことを示すアイコン、およびテキストの消去を依頼して終了する(ステップ306−5)。
以上の処理により、受信側端末は送信側端末のミュート情報を受信して表示することができるので、相手側がミュートしたことを確実に知ることができる。すなわち、システムの故障ではないことを知ることができるので、安心して遠隔通信システムによる会議を行うことができる。