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JP2012246880A - 燃料供給装置 - Google Patents

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JP2012246880A JP2011120716A JP2011120716A JP2012246880A JP 2012246880 A JP2012246880 A JP 2012246880A JP 2011120716 A JP2011120716 A JP 2011120716A JP 2011120716 A JP2011120716 A JP 2011120716A JP 2012246880 A JP2012246880 A JP 2012246880A
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cassette cylinder
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進 武並
Fukuo Kitagawa
福郎 北川
Takanaga Kono
隆修 河野
Yasuo Kato
康夫 加藤
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Soken Inc
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Denso Corp
Nippon Soken Inc
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Abstract

【課題】電気自動車のバッテリ残量が低下した際、例え長期に亘って燃料タンク内にガソリンが保存されてガソリンの気化能力が低い状態であっても、確実に発電用エンジンを始動させて走行距離を延長させる。
【解決手段】発電用エンジン3の始動時にはカセットボンベ6の気化燃料を用いる。このため、長期に亘って燃料タンク4内にガソリンが保存されてガソリンの気化能力が低下し、劣化ガソリンではエンジン3の始動が困難な状態であったとしても、カセットボンベ6の気化燃料を用いてエンジン3の始動を行なうことで、確実にエンジン3を始動させることができる。これにより、「長期に亘って蓄えられたガソリンのためにエンジン3が始動できない」という不具合を回避することができ、バッテリ残量が低下した際に、確実に走行距離を延長させることができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、エンジン(燃料の燃焼を行なう内燃機関)に燃料の供給を行なう燃料供給装置に関し、特にエンジンの始動技術に関する。
(背景技術1)
液体燃料(例えば、ガソリン等)の燃焼を行なって動力を発生させるエンジンでは、始動時の排気ガス中に汚染物質(未燃焼HC、PM、デポジット等)が発生する問題がある。
また、燃費向上手段として、車両の停車時にエンジンを停止し、発車時(フットブレーキが離された時など)にエンジンを再始動するアイドルストップ機能が知られているが、アイドルストップ機能によりエンジンの始動回数が増えることで、排気ガスによる汚染物質が多く発生する懸念がある。
(背景技術2)
一方、電気自動車のバッテリ残量が低下した際に、バッテリ充電用の発電機を発電用エンジンで駆動して、車両の延長走行を可能にする技術が提案されている(例えば、特許文献1)。
しかしながら、発電用エンジンは、バッテリ残量が低下した際に作動するものであるため、長期に亘って運転されない場合が想定される。長期に亘ってエンジンが運転しない場合は、ガソリンも長期間に亘って燃料タンク内に蓄えられる。すると、燃料タンク内で燃料中の軽質分が長期に亘って少しずつ揮発し、ガソリンの揮発性が低下する懸念がある。すると、いざという時にガソリンの気化能力の不足によりエンジンを始動できない懸念がある。
特開平6−14407号公報
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、
第1の目的は、始動時における排気ガス中の汚染物質の発生を抑えることのできる燃料供給装置の提供にあり、
第2の目的は、長期に亘って燃料タンク内に液体燃料が保存された状態であっても、確実に発電用エンジンを始動させることのできる燃料供給装置の提供にある。
〔請求項1の手段〕
請求項1の燃料供給装置は、エンジンの始動時にカセットボンベから気化燃料をエンジンに供給してエンジンの始動を行なう。
気化燃料を用いてエンジンの始動を行なうため、エンジン始動時における汚染物質の発生を抑えることができる。
また、カセットボンベから気化燃料をエンジンに供給することで、エンジンの始動性を高めることができる。
なお、エンジンの始動時に用いる燃料の選択は、環境温度や液体燃料の状態(後述する請求項4の手段参考)等に応じて、液体燃料だけでエンジンの始動を行なう場合と、気化燃料を用いてエンジンの始動を行なう場合とを切り替えても良い。
また、始動時に気化燃料を用いる場合は、気化燃料だけでエンジンの始動を行なっても良いし、環境温度や液体燃料の状態等に応じて液体燃料に気化燃料を加えてエンジンの始動を行なっても良い。
〔請求項2の手段〕
請求項2のエンジンは、電気自動車のバッテリ(走行用モータの電力を蓄えるバッテリ)の充電を行なう発電用エンジンである。
エンジンの始動時にはカセットボンベの気化燃料を用いてエンジンの始動を行なうため、長期に亘って燃料タンク内に液体燃料が保存された状態であっても、確実に発電用エンジンを始動させることができる。
即ち、いざという時に「長期に亘って蓄えられた液体燃料のためにエンジンが始動できない」という不具合を回避することができる。
〔請求項3の手段〕
請求項3の電気自動車は、車両駆動用の電動モータ、およびこの電動モータの通電制御を行なうインバータを、冷却水の循環によって冷却する放熱手段を備えるものであり、燃料供給装置は、放熱手段に用いられる冷却水の熱をカセットボンベに与えるボンベ保温手段を備える。
バッテリの残量が低下するまで電気自動車は走行しているため、バッテリの残量が低下した時にはカセットボンベは冷却水の熱を受けて保温状態(加熱状態)になっている。
このため、カセットボンベ内に「温度が低いと気化し難くなる液化ガス」が蓄えられる場合であっても、エンジンを始動させる際には、カセットボンベが加熱されてカセットボンベに蓄えられた液化ガスが気化し易い状態になっているため、カセットボンベの気化燃料を用いてエンジンを確実に始動させることができる。
なお、外気温度(カセットボンベが配置される環境温度)が低い場合にだけボンベ保温手段を作動させるように設けても良い。
〔請求項4の手段〕
請求項4の燃料供給装置は、圧力センサと温度センサの測定結果に基づいて燃料タンク内の液体燃料の気化能力の判定を行なう。
そして、燃料タンク内に蓄えられた液体燃料の気化能力が高いと判定した場合には、液体燃料を用いてエンジンの始動を行なう。
また、燃料タンク内に蓄えられた液体燃料の気化能力が低いと判定した場合には、気化燃料を用いてエンジンの始動を行なうものである。
これにより、液体燃料では始動性が悪い場合にだけ気化燃料を用いてエンジンの始動を行なうため、カセットボンベのガスの消費量を抑えることができる。このため、カセットボンベの交換サイクルを抑えることが可能になる。あるいは、小型化したカセットボンベの使用が可能になる。
〔請求項5の手段〕
請求項5の燃料供給装置は、カセットボンベの残量が所定残量より低下した場合に、「カセットボンベの交換」を知らせる表示手段を備えるものである。
カセットボンベの残量が低下した際に、表示手段によってカセットボンベの交換を知らせることができるため、カセットボンベの燃料切れを未然に防ぐことができる。
〔請求項6の手段〕
請求項6の燃料供給装置に用いられるカセットボンベは、可燃性のガス燃料としてブタンを蓄えるものである。
ブタンは安定性が高いため、ブタンを用いることで安定してエンジンを始動させることができる。
燃料供給装置の概略構成図である(実施例1)。 電気自動車の概略構成図である(実施例1)。 燃料供給装置の概略構成図である(実施例2)。 燃料供給装置の概略構成図である(実施例3)。 電気自動車の冷却水の循環経路を示す概略構成図である(実施例4)。 燃料タンク内の圧力変化および温度変化を示すタイムチャートである(実施例5)。 カセットボンベの残量低下を車両乗員に知らせる概略構成図である(実施例6)。 カセットボンベの残量低下を車両乗員に知らせる概略構成図である(実施例7)。
図面を参照して[発明を実施するための形態]を説明する。
燃料供給装置は、電気自動車1のバッテリ2の充電を行なう発電用エンジン3に燃料を供給するものであり、
(i)エンジン3の運転時に燃料タンク4から液体燃料をエンジン3に供給する液体燃料供給手段5と、
(ii)エンジン3の始動時にカセットボンベ6から気化燃料をエンジン3に供給する気化燃料供給手段7と、
を備える。
なお、カセットボンベ6(カセット式ガスボンベ、カセットガスボンベ)は、可燃性のガス燃料(例えば、ブタン)を液化して蓄えるものであり、本発明は、市販のカセットボンベ6を用いる燃料供給装置であっても良いし、あるいは車両搭載に適した専用のカセットボンベ6を用いる燃料供給装置であっても良い。
また、上述したように、エンジン3の始動時に用いる燃料の選択は、環境温度や液体燃料の状態等に応じて、液体燃料だけでエンジン3の始動を行なう場合と、気化燃料を用いてエンジン3の始動を行なう場合とを切り替えても良い。
さらに、始動時に気化燃料を用いる場合は、気化燃料だけでエンジン3の始動を行なっても良いし、環境温度や液体燃料の状態等に応じて液体燃料に気化燃料を追加してエンジン3の始動を行なっても良い。
以下において本発明の具体的な一例(実施例)を、図面を参照して説明する。以下の実施例は、具体的な一例を開示するものであって、本発明が実施例に限定されないことは言うまでもない。
なお、以下の実施例において、上記[発明を実施するための形態]と同一符号は、同一機能物を示すものである。
[実施例1]
図1、図2を参照して実施例1を説明する。
まず、電気自動車1の一例を、図2を参照して説明する。
電気自動車1は、車輪を駆動するための電動モータ11と、この電動モータ11を駆動するための電力を蓄えるバッテリ2と、このバッテリ2に蓄えられた電力を調整して電動モータ11に与えるインバータ12とを備える。
電気自動車1は、バッテリ2の充電を行なう発電機13と、この発電機13を駆動する発電用エンジン3とを備える。
このエンジン3は、ECU14(エンジン・コントロール・ユニットの略)により運転が制御される。
なお、図2に示す符号21は、後述する実施例4にて説明する放熱手段である。
ECU14は、バッテリ2の残量をモニタリングしており、バッテリ2の残量が予め設定された設定値よりも低下した際に、エンジン3を運転して発電機13を駆動することでバッテリ2の充電を行なうように設けられている。
なお、エンジン3は、車両を直接駆動するものではなく、発電機13を駆動してバッテリ電圧を高めるものであるため、大型である必要はなく、この実施例では単気筒または複数気筒の小型エンジンが用いられている。
この実施例のエンジン3は、燃料タンク4内に蓄えられた液体燃料(具体的にはガソリン)を燃焼して回転出力を発生する火花点火内燃機関であり、例えば車両走行用内燃機関など他の内燃機関と基本構成が同じものである。
エンジン3の具体例を、図1を参照して説明する。
エンジン3は、
(a)吸気(大気中の空気)をエンジン3の気筒内へ導く吸気通路と、
(b)気筒内で発生した排気ガスを大気中に排出する排気通路と、
(c)気筒内で燃焼させる燃料の供給を行なう燃料供給装置と、
(d)気筒内で圧縮された混合気に着火を行なう点火プラグ15と、
(e)エンジン始動用のスタータと、
(f)エンジン3に搭載される各電気部品の通電制御を行なうECU14と、
を用いて構成される。
吸気通路は、吸気管、インテークマニホールドおよび吸気ポートによって構成されるものであり、吸気中に含まれる塵や埃を除去するエアクリーナ16、吸気量の測定を行なう吸気センサ、気筒内に吸引される吸気量の調整を行なうスロットルバルブ、吸気脈動や吸気干渉を防ぐサージタンク17等が設けられるものである。
排気通路は、排気ポート、エキゾーストマニホールドおよび排気管によって構成されるものであり、排気浄化を行なう触媒、消音用のマフラー等が設けられるものである。
燃料供給装置は、
(i)燃料タンク4から液体燃料をエンジン3に供給する液体燃料供給手段5と、
(ii)エンジン3の始動時にカセットボンベ6から気化燃料をエンジン3に供給する気化燃料供給手段7と、
を備える。
液体燃料供給手段5は、燃料タンク4内に蓄えられた液体燃料をインジェクタ18から吸気通路内に霧化して噴射供給するものであり、燃料タンク4からインジェクタ(燃料噴射弁)18に至る燃料通路には燃料タンク4内に蓄えられた液体燃料を所定圧に昇圧する燃料ポンプ(例えば、燃料汲上用低圧ポンプと燃料加圧用高圧ポンプ)等が設けられる。
この実施例1は、液体燃料と気化燃料を切り替えてエンジン3に供給するものであり、気化燃料供給手段7は液体燃料供給手段5のインジェクタ18を用いてカセットボンベ6に蓄えられた気化燃料の噴射を行なうものである。
なお、具体的な一例としてこの実施例は、内部に液化ブタンが圧縮充填された市販のカセットボンベ6を用いるものとして説明するが、限定されるものではない。
燃料通路の途中(具体的には燃料ポンプよりインジェクタ18に近い側の燃料通路)には、燃料の供給元を切り替える電動三方弁19が設けられている。
この電動三方弁19は、例えばソレノイドアクチュエータを用いた電磁三方弁(具体的な一例であって限定されるものではない)であり、ECU14による通電が成されない状態ではインジェクタ18の燃料の供給元を燃料タンク4側(液体燃料側)に切り替え、ECU14によって通電された場合にだけインジェクタ18の燃料の供給元をカセットボンベ6側(気化燃料側)に切り替えるものである。
ECU14は、コンピュータを搭載する電子制御装置であって、上述したように、バッテリ2の残量が予め設定された設定値(非常用発電開始のための設定値)よりも低下した際に、エンジン3を運転して発電機13を駆動するものであり、エンジン3の始動時(スタータの作動時)には、カセットボンベ6の気化燃料をエンジン3に供給してエンジン3の始動を行なうものである。
具体的な一例として、スタータの起動時からエンジン3の完爆が検出されるまでの間(あるいは、エンジン始動に十分な所定時間が経過するまでの間)、電動三方弁19を通電して、インジェクタ18の燃料の供給元をカセットボンベ6側(気化燃料側)に切替え、インジェクタ18から気化燃料を噴射させてエンジン3の始動を行なうものである。
そして、エンジン3の完爆が検出されたら(あるいは、エンジン始動に十分な所定時間が経過したら)インジェクタ18の燃料の供給元を燃料タンク4側(液体燃料側)に切替えて、インジェクタ18から液体燃料を噴射させ、液体燃料の燃焼によってエンジン3の運転(バッテリ2の充電)を行なうものである。
なお、ECU14は、エンジン3の作動によってバッテリ2の残量が予め設定された設定値(非常用発電停止のための設定値)よりも上昇した際に、エンジン3の運転を停止するように設けられている。
(実施例1の効果1)
この実施例の燃料供給装置は、上述したように、エンジン3の始動時にはカセットボンベ6の気化燃料を用いてエンジン3の始動を行なう。このため、長期に亘って燃料タンク4内に液体燃料が保存されて液体燃料の気化能力が低下し、その液体燃料(劣化した液体燃料)ではエンジン3の始動が困難な状態であったとしても、カセットボンベ6の気化燃料を用いてエンジン3の始動を行なうことで、確実にエンジン3を始動させることができる。
即ち、いざという時に「長期に亘って蓄えられた液体燃料のためにエンジン3が始動できない」という不具合を回避することができ、バッテリ2の残量が低下した場合に、確実にエンジン3の運転を行なって電気自動車1の走行距離を延長させることができる。
(実施例1の効果2)
この実施例の燃料供給装置は、上述したように、エンジン3の始動時にはカセットボンベ6の気化燃料を用いてエンジン3の始動を行なうため、エンジン3の始動時における汚染物質の発生を抑えることができる。
また、カセットボンベ6から気化燃料をエンジン3に供給することで、エンジン3の始動性を高めることができる。
(実施例1の効果3)
この実施例のカセットボンベ6は、上述したように、非常時(バッテリ残量の低下時)のみに使用されるものであり、ガスの消費量は極めて少ない。このため、エンジン始動用のカセットボンベ6として市販のカセットボンベ6を用いることを想定した場合、例え週に1度の割合でエンジン3の始動を行なったとしても、カセットボンベ6は3年以上交換が不要であり、市販サイズのカセットボンベ6で容量的には十分である。
また、市販のカセットボンベ6を使用することで、ユーザーがカセットボンベ6を容易に入手することができる。
(実施例1の効果4)
この実施例のカセットボンベ6は、可燃性のガス燃料としてブタンを蓄えるものである。
ブタンは安定性が高いため、気化燃料としてブタンを用いることにより、幅広い始動環境に対してエンジンを安定して始動させることが可能になる。
[実施例2]
図3を参照して実施例2を説明する。なお、以下の各実施例において上記実施例1と同一符号は同一機能物を示すものである。
上記の実施例1では、気化燃料供給手段7が液体燃料供給手段5のインジェクタ18から気化燃料を噴射する例を示した。
これに対し、この実施例2は、液体燃料供給手段5のインジェクタ18とは別に、気化燃料供給手段7のインジェクタ18’を独立して設けたものである。
このように、液体燃料供給手段5のインジェクタ18と、気化燃料供給手段7のインジェクタ18’とを独立させたことにより、
(i)気化燃料だけでエンジン3の始動を行なうことの他に、
(ii)環境温度(外気温度等)や液体燃料の状態(液体燃料の劣化状態)等に応じて液体燃料に気化燃料を加えてエンジン3の始動を行なうことが可能になる。
[実施例3]
図4を参照して実施例3を説明する。
上記の実施例1、2では、吸気通路の途中に液体燃料を噴射供給する例を示した。
これに対し、この実施例3の液体燃料供給手段5のインジェクタ18は、気筒内に直接液体燃料(霧化燃料)を噴射供給するものである。
この実施例3のエンジン3は、気筒内に直接液体燃料(霧化燃料)を噴射供給する直噴式であるが、始動時にはカセットボンベ6の気化燃料をインジェクタ18’から吸気通路内に供給することでエンジン3の始動を行なう。このため、直噴式エンジンの始動時における汚染物質の発生を抑えることができる。
[実施例4]
図5を参照して実施例4を説明する。
電気自動車1は、車両駆動用の電動モータ11、およびこの電動モータ11の通電制御を行なうインバータ12を、冷却水の循環によって冷却する放熱手段21を備えている。この放熱手段21は、車両の前部に搭載されたラジエータ22を備えており、電動モータ11およびインバータ12で吸熱した冷却水がラジエータ22で放熱するように設けられている。
この実施例の電気自動車1は、放熱手段21に用いられる冷却水の熱をカセットボンベ6に与えるボンベ保温手段23を搭載している。
このボンベ保温手段23は、少なくとも冷却水の熱がカセットボンベ6に付与可能なものであり、具体的な構造は限定されるものではない。
この実施例では、外気温度が低い場合にだけボンベ保温手段23を作動させるように設けられている。
具体的に、放熱手段21における冷却水の循環経路には、冷却水をボンベ保温手段23に導くボンベ用経路24が設けられるとともに、このボンベ用経路24を迂回して冷却水を流すバイパス路25が設けられている。
また、ボンベ用経路24には、このボンベ用経路24を開閉する第1電動バルブ24aが設けられており、バイパス路25には、このバイパス路25を開閉する第2電動バルブ25aが設けられている。
この第1、第2電動バルブ24a、25aは、ECU14により開閉制御されるものであり、ECU14は外気温度が所定の設定温度より低い時だけ、電動モータ11およびインバータ12で吸熱した冷却水をカセットボンベ6へ導くように設けられている。
即ち、ECU14は、
(i)外気温度が低い時だけ第1電動バルブ24aを開き、第2電動バルブ25aを閉じて、ボンベ用経路24に冷却水を循環するように設け、
(ii)外気温度が低くない時(通常時や外気温度が高い時)に第1電動バルブ24aを閉じ、第2電動バルブ25aを開いて、夏場等に冷却水がカセットボンベ6を加熱しないように設けている。
バッテリ2の残量が低下するまで電気自動車1は走行しているため、外気温度が低い状態であっても、バッテリ2の残量が低下するまでは、電動モータ11およびインバータ12で吸熱した冷却水の熱でカセットボンベ6が温められる。即ち、バッテリ2の残量が低下し、エンジン3の始動を行なう時には、カセットボンベ6が冷却水の熱を受けて保温状態(加熱状態)になっている。
このため、カセットボンベ6内に「温度が極めて低いと気化し難くなるブタン等の液化ガス」が蓄えられる場合であっても、カセットボンベ6に蓄えられた液化ガスが気化し易い状態になっているため、カセットボンベ6の気化燃料を用いてエンジン3を確実に始動させることができる。
なお、上述した第1、第2電動バルブ24a、25aを電動三方弁に置き換えて流路の切り替えを行なっても良い。
また、この実施例では、外気温度が低くない時(通常時や外気温度が高い時)には、冷却水がカセットボンベ6と熱交換しないように設けたが、限定されるものではなく、例えば、冷却水とカセットボンベ6を常に熱交換するように設けて、夏場等にカセットボンベ6の昇温を冷却水で抑えるようにして良い。
[実施例5]
図6を参照して実施例5を説明する。
この実施例の燃料供給装置は、
(a)燃料タンク4内の圧力を測定する圧力センサと、
(b)燃料タンク4内の温度を直接または間接的に測定する温度センサと、
(c)圧力センサによって測定された圧力および温度センサによって測定された温度に基づいて液体燃料の気化能力の判定を行なう気化能力判定手段と、
(d)この気化能力判定手段が液体燃料の気化能力が高いと判定した場合に、液体燃料を用いてエンジン3の始動を行ない、気化能力判定手段が液体燃料の気化能力が低いと判定した場合に、気化燃料を用いてエンジン3の始動を行なう燃料種切替手段と、
を備える。
なお、気化能力判定手段および燃料種切替手段は、ECU14に搭載される制御プログラムである。
図6を参照して、気化能力判定手段を説明する。
図6(b)の破線Aに示すように温度変化が上下すると、図6(a)の実線Bに示すように圧力センサによって検出される燃料タンク4内の圧力が温度の上下に応じて上下する。
しかるに、燃料タンク4内の液体燃料は、時間経過とともに気化能力が徐々に低下する。
このため、時間経過によって液体燃料の劣化が進行して液体燃料の気化能力が低下すると、図6(c)の符号Lに示すように、検出温度(破線A)に対して検出圧力(実線B)の差が大きくなる。
そこで、この実施例の気化能力判定手段は、
(i)温度センサの検出温度(検出温度に基づいて算出した予測圧力であっても良い)に対する圧力センサの検出圧力の差(図中、符号L)が、予め設定した差より小さい場合に、『液体燃料の気化能力が高い(燃料の劣化がない)』と判定し、
(ii)温度センサの検出温度(検出温度に基づいて算出した予測圧力であっても良い)に対する圧力センサの検出圧力の差(図中、符号L)が、予め設定した差より大きい場合に、『液体燃料の気化能力が低い(燃料の劣化がある)』と判定するものである。
燃料供給装置にこの実施例を採用することにより、液体燃料では始動性が悪い場合にだけ気化燃料を用いてエンジン3の始動を行なうため、カセットボンベ6のガスの消費量を抑えることができる。このため、カセットボンベ6の交換サイクルを抑えることが可能になる。あるいは、小型化したカセットボンベ6の使用が可能になり、車両への搭載性を向上することができる。
[実施例6]
図7を参照して実施例6を説明する。
この実施例6と、後述する実施例7の燃料供給手段は、
(a)カセットボンベの残量を検出する残量検出手段31と、
(b)この残量検出手段31によって検出されたカセットボンベ6の残量が所定残量より低下したか否かの判定を行なう残量判定手段32と、
(c)この残量判定手段32がカセットボンベ6の残量が所定残量より低下したと判断した場合に、カセットボンベ6の交換を車両乗員(主に運転者)へ知らせる表示手段33と、
を備える。
なお、残量判定手段32は、ECU14に搭載される制御プログラムであっても良いし、ECU14とは独立して設けられるものであっても良い。
具体的に、実施例6における残量検出手段31は、超音波を用いてカセットボンベ6の残量の計測を行なうものであり、図7に示すように、カセットボンベ6へ向けて超音波を放出する超音波発生器31aと、この超音波発生器31aの間にカセットボンベ6を介在させた位置に配置されて超音波の検出を行なう超音波受信センサ31bとを用いたものである。
超音波受信センサ31bで受信する超音波は、カセットボンベ6の液化ガスの残量に応じて変化する。具体的には、液化ガスの残量が多いほどカセットボンベ6で超音波が吸収されて超音波受信センサ31bで受信する超音波の受信音圧が低下し、逆に液化ガスの残量が少ないほど超音波の透過率が高まることで超音波受信センサ31bで受信する超音波の受信音圧が増加する。
残量判定手段32は、超音波発生器31aで超音波を発生させた時に、超音波受信センサ31bが受信した超音波の受信音圧が予め設定した閾値よりも大きくなると、カセットボンベ6の残量が所定残量より低下したことを判定し、表示手段33を作動させるものである。
表示手段33は、車両の計器盤などに設置された視覚表示器であり、残量判定手段32がカセットボンベ6の残量が所定残量より低下したと判断した際に点灯することでカセットボンベの交換を車両乗員へ知らせるものである。
このように、カセットボンベ6の残量が低下した際には、表示手段33によってカセットボンベ6の交換の必要性が車両乗員に知らされるため、カセットボンベ6の燃料切れを未然に防ぐことができる。
なお、上述した残量検出手段31(主に超音波発生器31a)は、車両の運転スイッチ(キースイッチ等)がONされた全ての運転状態で作動するものではなく、特定条件が成立した際(例えば、運転開始時、あるいは所定時間間隔毎など)のみに作動するものである。また、表示手段33は、一旦点灯すると、運転スイッチがOFFされるまで、あるいはリセットスイッチが操作されるまで点灯を続けるものである。
[実施例7]
図8を参照して実施例7を説明する。
上記の実施例6では、超音波を用いてカセットボンベ6の残量を検出する例を示した。
これに対し、この実施例7は、カセットボンベ6の残量を重量に基づいて検出するものである。
この実施例の残量検出手段31は、カセットボンベ6の重量を計測する重量測定センサである。
ここで、カセットボンベ6の重量は、カセットボンベ6の液化ガスの残量に応じて変化する。このため、液化ガスの残量が多いほど残量検出手段31で検出される重量が重く、逆に液化ガスの残量が少ないほど残量検出手段31で検出される重量が軽くなる。
残量判定手段32は、残量検出手段31で検出されるカセットボンベ6の重量が、予め設定した閾値よりも軽くなると、カセットボンベ6の残量が所定残量より低下したことを判定し、表示手段33を作動させるものである。
このように設けても、実施例6と同様の効果を得ることができる。
上記の実施例では、電気自動車1のバッテリ充電用のエンジン3に本発明を適用する例を示したが、限定されるものではなく、車両走行用のエンジン3に本発明を適用しても良い。特に、エンジン始動回数が多いアイドルストップ機能を搭載する車両のエンジン3や、ハイブリッド車両のエンジン3に本発明を適用し、本発明によってエンジン始動時における汚染物質の発生を抑えても良い。
上記の実施例では、市販のカセットボンベ6を用いる例を示したが、車両の搭載に適した車両専用のカセットボンベ6を用いるものであっても良い。
また、上記の実施例では、液化したブタンを蓄えるカセットボンベ6を用いる例を示したが、ガス種は限定されるものではなく、カセットボンベ6が他の可燃ガスを液化して蓄えるものであっても良い。
上記の実施例では、エンジン3の始動時に気化燃料を用いる場合に、気化燃料だけを用いてエンジン3の始動を行なう例を示したが、車両の環境温度や液体燃料の状態等に応じて液体燃料に気化燃料を追加してエンジン3の始動を行なうように設けても良い。即ち、環境温度や車両状態(例えば、暖気の有無)等に応じて気化燃料の混合量を可変して供給するなど、気化燃料を加えることでエンジン3の始動補助を行なっても良い。
1 電気自動車
2 バッテリ
3 発電用エンジン
4 燃料タンク
5 液体燃料供給手段
6 カセットボンベ
7 気化燃料供給手段
11 車両駆動用の電動モータ
12 インバータ
14 ECU(気化能力判定手段および燃料種切替手段が設けられる制御装置)
21 放熱手段
23 ボンベ保温手段
31 残量検出手段
32 残量判定手段
33 表示手段

Claims (6)

  1. エンジン(3)に燃料を供給する燃料供給装置において、
    この燃料供給装置は、
    前記エンジン(3)の運転時に燃料タンク(4)から液体燃料を前記エンジン(3)に供給する液体燃料供給手段(5)と、
    前記エンジン(3)の始動時にカセットボンベ(6)から気化燃料を前記エンジン(3)に供給する気化燃料供給手段(7)と、
    を備えることを特徴とする燃料供給装置。
  2. 請求項1に記載の燃料供給装置において、
    前記エンジン(3)は、電気自動車(1)のバッテリ(2)の充電を行なう発電用エンジンであることを特徴とする燃料供給装置。
  3. 請求項2に記載の燃料供給装置において、
    前記電気自動車(1)は、車両駆動用の電動モータ(11)、およびこの電動モータ(11)の通電制御を行なうインバータ(12)を冷却水の循環によって冷却する放熱手段(21)を備え、
    当該燃料供給装置は、前記放熱手段(21)に用いられる冷却水の熱を前記カセットボンベ(6)に与えるボンベ保温手段(23)を備えることを特徴とする燃料供給装置。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれかに記載の燃料供給装置において、
    この燃料供給装置は、
    前記燃料タンク(4)内の圧力を測定する圧力センサと、
    前記燃料タンク(4)内の温度を直接または間接的に測定する温度センサと、
    前記圧力センサによって測定された圧力および前記温度センサによって測定された温度に基づいて液体燃料の気化能力の判定を行なう気化能力判定手段と、
    この気化能力判定手段が液体燃料の気化能力が高いと判定した場合に、液体燃料を用いて前記エンジン(3)の始動を行ない、前記気化能力判定手段が液体燃料の気化能力が低いと判定した場合に、気化燃料を用いて前記エンジン(3)の始動を行なう燃料種切替手段と、
    を備えることを特徴とする燃料供給装置。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれかに記載の燃料供給装置において、
    この燃料供給装置は、
    前記カセットボンベ(6)の残量を検出する残量検出手段(31)と、
    この残量検出手段(31)によって検出された前記カセットボンベ(6)の残量が所定残量より低下したか否かの判定を行なう残量判定手段(32)と、
    この残量判定手段(32)が前記カセットボンベ(6)の残量が所定残量より低下したと判断した場合に、前記カセットボンベ(6)の交換を知らせる表示手段(33)と、
    を備えることを特徴とする燃料供給装置。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれかに記載の燃料供給装置において、
    前記カセットボンベ(6)は、可燃性のガス燃料としてブタンを蓄えることを特徴とする燃料供給装置。
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