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JP2012132613A - ループ型ヒートパイプ及び情報処理装置 - Google Patents

ループ型ヒートパイプ及び情報処理装置 Download PDF

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JP2012132613A JP2010284460A JP2010284460A JP2012132613A JP 2012132613 A JP2012132613 A JP 2012132613A JP 2010284460 A JP2010284460 A JP 2010284460A JP 2010284460 A JP2010284460 A JP 2010284460A JP 2012132613 A JP2012132613 A JP 2012132613A
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Abstract

【課題】ドライアウトがより発生し難いループ型ヒートパイプを提供する。
【解決手段】ループ型ヒートパイプに、蒸発器20として、蒸発器容器21内に一次ウィック22を挿入した上で、その一次ウィック22内に二次ウィック23を挿入し、両ウィック22、23の間の空間と補償チャンバ20bとを接続する連結管25を設けたユニットを採用しておく。
【選択図】図7A

Description

本発明は、ループ型ヒートパイプと、ループ型ヒートパイプを備えた情報処理装置とに関する。
近年、CPU(Central Processing Unit)等の発熱体の冷却に、ループ型ヒートパイ
プ(以下、LHP(Loop Heat Pipe)とも表記する)が使用されるようになってきている
まず、図1、図2A及び図2Bを用いて、LHPの基本構成を説明する。なお、これらの図のうち、図1は、円柱状の蒸発器50が用いられたLHPの構成図である。また、図2Aは、蒸発器50の縦断面図(図2BにおけるY−Y線断面図)であり、図2Bは、蒸発器50の横断面図(図2AにおけるX−X線断面図)である。
図1に示してあるように、LHPは、基本的には、蒸発器50と凝縮器52とを、蒸気管53及び液管54によってループ状に接続し、その内部に、代替フロン等の作動流体を封入したデバイスである。なお、この図1及び以下で説明に用いる各図は、作動液(液体状態にある作動流体)の流れを実線矢印で示し、作動液蒸気(気体状態にある作動流体)の流れを破線矢印で示したものとなっている。
凝縮器52は、放熱により、作動液蒸気を液化するためのユニットである。液管54は、凝縮器52からの作動液を凝縮器52に供給するための管(流路)であり、蒸気管53は、蒸発器50からの作動液蒸気を凝縮器52に供給するための管である。
蒸発器50は、発熱体からの熱で作動液を気化させるためのユニットである。一般的なLHPの蒸発器50は、図1及び図2Aに示してあるように、補償チャンバ50bと蒸発部50aとを備えている。
補償チャンバ50bは、作動液を貯留しておく(蒸発部50aに供給する作動液を蒸発部50a近傍に用意しておく)ための部分である。蒸発部50aは、銅等の高熱伝導性材料製のブロック内に収容された形で、発熱体(被冷却体)に対して固定される部分である。この蒸発部50a内には、その側面に複数のグルーブ51aが設けられている有底中空円筒状の多孔質体であるウィック51(図2A,図2B参照)が、開口面側を補償チャンバ50b側(液管54側)を向けた形で嵌合収容されている。なお、グルーブ51aとは、作動液蒸気が効率的に蒸気管53側に排出されるようにするために設けられている溝(図2Aにおける左右方向に貫通していない溝)のことである。
以上、説明した構成から明らかなように、このLHPは、蒸発器50内に設けられているウィック51(多孔質体)の毛細管力を利用して、作動流体を循環させるデバイスとなっている。
従って、LHPを熱輸送デバイスとして機能させるためには、蒸発器50の状態を、図3Aに示した状態、すなわち、ウィック51の外周側の部分のみで作動液が気化する状態に維持する必要がある。
蒸発部50aへの流入熱量が適量であれば、蒸発器50の状態をそのような状態に維持できる。しかしながら、蒸発部50aへの流入熱量が過度に増えた場合には、ウィック5
1内の空洞部分(以下、ウィック内流路と表記する)近傍でも、作動液蒸気が発生する(作動液が気化する)ことになる。
そして、ウィック内流路近傍で発生した作動液蒸気は、図3Bに示したように、ウィック内流路側へ排出されるが、ウィック内流路側へ作動液蒸気が排出されると、補償チャンバ50bからウィック内流路への作動液の流入が阻害されることになる。そのため、ウィック内流路側へ作動液蒸気が排出量が比較的に多い場合には、図3B、図3Cに模式的に示したように、蒸発器50内の作動液が徐々に減少し、最終的には、図3Dに模式的に示したように、蒸発器50内の作動液が完全に枯渇してしまうことになる。
蒸発器50が図3B、図3Cに示した状態になると、LHPの熱輸送能力(ウィック51による作動流体の循環能力)が低くなる。また、蒸発器50が図3Dに示した状態になると、LHPは、熱輸送デバイスとして全く機能しなくなる。従って、LHPには、上記のような現象(以下、ドライアウトと表記する)が発生し難いものであることが望まれる。
そのため、ドライアウトを発生し難くするために、蒸発器の構成を工夫することが提案されている。
具体的には、LHPに、図4に示したような構成を有する蒸発器60を用いることが提案されている。すなわち、ウィック51に相当する一次ウィック61のウィック内流路内に、一次ウィック61よりも小空孔径の二次ウィック62を挿入した蒸発器60を、LHPに用いることが提案されている。
また、図5に示した構成を有する蒸発器70、すなわち、液管74の先に 液管74からの作動液をウィック71のウィック内流路の奥まで導入するためのバイオネット管75を設けた蒸発器70を、LHPに用いることも提案されている。
さらに、二次ウィック61とバイオネット管71とを設けた蒸発器や、有底円筒状の二次ウィックと、当該二次ウィックのウィック内流路の奥まで作動液を導入するためのバイオネット管とを設けた蒸発器を、LHPに用いることも提案されている。
ただし、いずれの構成の蒸発器を用いたLHPも、ドライアウトの発生を十分に抑止できないものとなっているのが現状である。
特開2006−308163号公報
そこで、開示の技術の課題は、既存のループ型ヒートパイプよりも、ドライアウトが発生し難いループ型ヒートパイプを提供することにある。また、開示の技術の他の課題は、冷却を要する電子部品(CPU等)の温度異常により異常動作してしまうことが少ない情報処理装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、開示の技術の一態様のループ型ヒートパイプには、蒸発器として、液管及び蒸気管と接続された蒸発器容器と、蒸発器容器内に収容された有底中空柱状の第1多孔質体であって、蒸発器容器の内部空間を、自多孔質体の空洞部及び液管と
連通した入口側空間と、蒸気管と連通した出口側空間とに区分けする第1多孔質体と、その外底面が第1多孔質体の空洞部の底面と所定距離を以て対向する状態で第1多孔質体の空洞部内に嵌合収容された有底中空柱状の,第1多孔質体よりも空孔径が大きな第2多孔質体と、第1多孔質体の外底面と第2多孔質体の内底面との間の空間と入口側空間とを連結する連結管とを備えたユニットが用いられる。
また、開示の技術の一態様の情報処理装置は、上記のような構成を有するループ型ヒートパイプの蒸発器により、CPU等の電子部品が冷却される構成を有する。
上記構成を採用しておけば、既存のものよりもドライアウトが発生し難いループ型ヒートパイプ、及び、ループ型ヒートパイプがドライアウトし難いが故に、冷却を要する電子部品の温度異常により異常動作してしまうことが少ない情報処理装置を、実現できる。
図1は、既存のLHPの全体構成図である。 図2Aは、図1のLHPに用いられている蒸発器の縦断面図である。 図2Bは、図1のLHPに用いられている蒸発器の横断面図である。 図3Aは、蒸発器の状態の説明図である。 図3Bは、蒸発器の状態の説明図である。 図3Cは、蒸発器の状態の説明図である。 図3Dは、蒸発器の状態の説明図である。 図4は、二次ウィックを備えた蒸発器の構成図である。 図5は、バイオネット管を備えた蒸発器の構成図である。 図6は、第1実施形態に係るLHPが取り付けられた情報処理装置の概略構成図である。 図7Aは、第1実施形態に係るLHPが備える蒸発器(第1蒸発器)の縦端面図である。 図7Bは、第1蒸発器の横端面図である。 図8は、第1蒸発器のCPUへの取り付け方の説明図である。 図9は、正常動作時における第1蒸発器の状態の説明図である。 図10は、ウィック間空間内に作動液蒸気が発生した場合における第1蒸発器の状態の説明図である。 図11Aは、図4に示した蒸発器の正常動作時における状態の説明図である。 図11Bは、ウィック内流路内に作動液蒸気が発生した場合に、図4に示した蒸発器にて発生する現象の説明図である。 図12Aは、ウィック内流路内に作動液蒸気が発生した場合に、図5に示した蒸発器にて発生する現象の説明図(その1)である。 図12Bは、ウィック内流路内に作動液蒸気が発生した場合に、図5に示した蒸発器にて発生する現象の説明図(その2)である。 図13は、第2実施形態に係るLHPが備える蒸発器(第2蒸発器)の縦端面図である。 図14は、第3実施形態に係るLHPが備える蒸発器(第3蒸発器)の縦端面図である。 図15は、第4実施形態に係るLHPが備える蒸発器(第4蒸発器)の縦端面図である。 図16は、第4蒸発器の動作の説明図である。
以下、発明者らが開発した4タイプのループ型ヒートパイプ(以下、第1〜第4実施形態に係るループ型ヒートパイプ/LHPと表記する)について、図面を参照して詳細に説明する。
《第1実施形態》
図6に、第1実施形態に係るLHP(ループ型ヒートパイプ)10の全体構成及び使用形態を示す。なお、この図6及び以下で説明に用いる各図面は、各部を認識しやすい大きさとするために、各部の縮尺を適宜変更したものとなっている。
図6から明らかなように、第1実施形態に係るLHP10は、情報処理装置40(PC(Personal Computer)やサーバ、図6では、いわゆるノートPC)のプリント回路板4
1上のCPU42を冷却するためのデバイスとして開発したものである。LHP10は、蒸発器20、凝縮器30、蒸気管32及び液管34を備えている。
凝縮器30は、放熱により、作動液蒸気(気体状態にある作動流体)を液化するためのユニットである。情報処理装置40内には、この凝縮器30を空冷するための冷却ファン43が設けられている。
液管34は、凝縮器30からの作動液(液体状態にある作動流体)を蒸発器20に供給するための管であり、蒸気管32は、蒸発器20からの作動液蒸気を凝縮器30に供給するための管である。
本実施形態に係るLHP10が備える蒸発器20は、図7A及び図7Bに示した構成を有するユニットである。なお、図7Bは、蒸発器20の,連結管25を除いた部分の横断面図(図7AにおけるX−X線断面図;図7Bにおける下側がCPU42側)である。また、図7Aは、蒸発器20の縦断面図(図7BにおけるY−Y線断面図)である。
すなわち、蒸発器20(図7A)は、液管34及び蒸気管32と接続された中空円柱状の蒸発器容器21、蒸発器容器21内に嵌合収容された一次ウィック22、一次ウィック22内に嵌合収容された二次ウィック23、及び、連結管25を、備えている。
一次ウィック22は、ウィック51(図2A、2B参照)と同様に、その側面に複数のグルーブ22aが設けられている有底中空円筒状の多孔質体(金属の焼結体等)である。ただし、この一次ウィック22は、連結管25を固定し易くするために、その一部に非多孔質体を採用したものとなっている。具体的には、一次ウィック22は、円板状の,多孔質体ではない部材22b(本実施形態では、金属板)に円筒状の多孔質体22cを嵌合固定したものとなっている。
図7Aに示してあるように、一次ウィック22は、そのウィック内流路と連通した空間が液管34側に形成されるように、蒸発器容器21内に固定されている。以下、この空間のことを、補償用空間と表記する。また、補償用空間とその外壁からなる,蒸発器20の部分のことを、補償チャンバ20bと表記し、蒸発器20の残りの部分のことを、蒸発部20aと表記する。
二次ウィック23は、その側面に複数のグルーブ23aが設けられている有底中空円筒状(図7B参照)の,一次ウィック22よりも空孔径の大きな多孔質体である。
図7Aに示してあるように、二次ウィック23は、その先端面(図7Aにおける右側の面)が一次ウィック22のウィック内流路の内底面(部材22bの内側の面)から離れた状態で、当該ウィック内流路内に嵌合固定されている。また、二次ウィック23は、その
ような形で嵌合固定しても、開口面(先端面とは逆側の面)が、蒸発器容器21の,液管34が接続されている側の内面に接触しないように、その形状(長さ)が決定されたものとなっている。
連結管25は、二次ウィック23の先端面と一次ウィック22のウィック内流路の内底面との間の空間(以下、ウィック間空間と表記する)と、補償チャンバ20b(補償チャンバ20b内の補償用空間)とを連通させる管である。
そして、情報処理装置40(図6)は、上記のような構成を有する蒸発器20の蒸発部20aのみに、CPU42からの熱が供給されるように、LHP10を取り付けた装置となっている。
具体的には、蒸発器20の蒸発部20aは、高熱伝導性部材36(図6)を介して、CPU42に対して固定されている。この高熱伝導性部材36は、図8に模式的に示したように、それらの間に蒸発部20aを収容できる形状の2部材36a、36bを組み合わせたものとなっている。換言すれば、高熱伝導性部材36は、CPU42からの熱を連結管25に伝えることなく蒸発部20aに伝えることができるように構成された部材となっている。
以上、説明したように、本実施形態に係るLHP10には、より空孔径が大きな二次ウィック23が一次ウィック22内に挿入され、それらの間のウィック間空間と補償チャンバ20bとが連結管25により連通された蒸発器20(図7A)が用いられている。従って、本実施形態に係るLHP10は、既存のLHPよりもドライアウトが発生し難いデバイスとして機能することになる。
具体的には、蒸発器20は、通常の蒸発器が備えていない連結管25を備えているが、この連結管25は、補償用空間(補償チャンバ20b内の空間)とウィック間空間とに接続されている。従って、LHP10内で作動流体が循環している場合、連結管25内に、液管34からの作動液が補償用空間(又はウィック間空間)を介して充填されることになる。
連結管25内に作動液が充填されている場合、図9に示してあるように、液管34側からの作動液が、二次ウィック23を浸透して(場合によっては、二次ウィック23の毛細管力により)、ウィック間空間内及び各グルーブ23a内に供給される。ウィック間空間内や各グループ23a内に供給された作動液は、一次ウィック22の毛細管力により(又は、一次ウィック22を浸透することにより)、一次ウィック22の外側面近傍に至る。そして、蒸発部20a部分の蒸発器容器21には、発熱体(本実施形態では、CPU42)からの熱が流入している。そのため、一次ウィック22の外側面近傍に至った作動液は、当該熱により気化されて蒸気管32側へ排出されることになる。
要するに、蒸発器20の連結管25は、LHP10内で作動流体が循環している場合(つまり、LHP10が熱輸送デバイスとして正常に機能している場合)には、あっても無くてもLHP10の性能が変わらないものとなっている。
ただし、連結管25は、蒸発部20aへの流入熱量の増大によりウィック間空間に作動液蒸気が発生した場合には、図10に模式的に示したように、ウィック間空間内の作動液蒸気を補償バッファ20b側に排出する流路として機能するものとなっている。
従って、この蒸発器20では、一次ウィック22のウィック内流路側に作動液蒸気が排出されても、その作動液蒸気によってウィック内流路への作動液の流入が阻害されないこ
とになる。
そして、既存のLHPに採用されている蒸発器は、いずれも、ウィック内流路に作動液蒸気が発生した場合、その作動液蒸気によってウィック内流路への作動液の流入が阻害されてしまうものとなっている。
具体的には、例えば、上記した蒸発器60(図4)は、一次ウィック61と、一次ウィック61内に収容された、一次ウィック61よりも大空孔径の二次ウィック62とを備えている。すなわち、蒸発器60は、図11Aに模式的に示したように、二次ウィック62の毛細管力によって、より積極的に一次ウィック61の各部に作動液を供給できるものとなっている。従って、蒸発器60では、その分、ドライアウトが発生し難いことにはなる。ただし、蒸発器60の構成は、図11Bに示したように、二次ウィック62の内側の部分に作動液蒸気が発生すると、その作動液蒸気により、液管64側からの一次、二次ウィック61、62の先端側への作動液の流入が阻害されてしまうものとなっている。
また、液管74の先にバイオネット管75を設けておけば、図12Aに模式的に示したように、ウィック内流路内に作動液蒸気が入ってしまってもウィック71の先端部分に作動液を供給できることになる。従って、バイオネット管75を備えた蒸発器70を採用しておけば、一応、バイオネット管75を備えない蒸発器50(図1等参照)を採用した場合よりも、ドライアウトが発生し難いLHPを実現することが出来ることになる。ただし、実際には、ウィック71のウィック内流路内に発生した作動液蒸気が、補償チャンバ20bからの作動液流入を阻害してしまうため、蒸発器70を採用しておいても、ドライアウトの発生を良好に抑制できるLHPを得ることは出来ない。
このように、既存の蒸発器が、ウィック内流路内に作動液蒸気が発生すると、ウィック内流路への作動液の流入が阻害されてしまうものとなっているのに対し、蒸発器20は、一次ウィック22のウィック内流路側に作動液蒸気が排出されても、ウィック内流路への作動液の流入が阻害されないものとなっている。
従って、蒸発器20を備えた本実施形態に係るLHP10は、既存のLHPよりもドライアウトが発生し難いものとなっていることになる。また、LHP10によりCPU42が冷却されている情報処理装置40は、LHP10がドライアウトし難いものであるが故に、CPU42の温度異常により異常動作してしまうことが殆どない装置となっていることになる。
次に、第2〜第4実施形態に係るLHP(ループ型ヒートパイプ)10の構成を説明する。
なお、以下で説明する各実施形態に係るLHP10は、第1実施形態に係るLHP10と同様に、情報処理装置40(図6)のCPU42を冷却するためのデバイスとして開発したものである。また、各実施形態に係るLHP10は、蒸発器20の構成のみが第1実施形態に係るLHP10と異なるものとなっている。そのため、以下では、各実施形態に係るLHP10に用いられている蒸発器20の構成のみを説明することにする。また、以下では、説明の便宜上、第n(n=1〜4)実施形態に係るLHP10に用いられている蒸発器20のことを、第n蒸発器20と表記することにする。
《第2実施形態》
図13に、第2蒸発器20(第2実施形態に係るLHP10に用いられている蒸発器20)の構成を示す。
この図13と、図7Aとを比較すれば明らかなように、第2蒸発器20は、第1蒸発器20と同様に、蒸発器容器21、一次ウィック22、二次ウィック23及び連結管25を、主要構成要素としたユニットである。
ただし、第2蒸発器20には、第1蒸発器20のそれとは異なる形状(長さ)の二次ウィック23が用いられている。
具体的には、第2蒸発器20の二次ウィック23は、第1蒸発器20の二次ウィック23と同様に、その側面に複数のグルーブ22aが設けられている有底中空円筒状の,一次ウィック22よりも空孔径の大きな多孔質体となっている。また、第2蒸発器20の二次ウィック23は、その先端面が、一次ウィック22のウィック内流路の内底面から離れた状態で、当該ウィック内流路内に嵌合固定された部材ともなっている。
ただし、第2蒸発器20の二次ウィック23は、そのように一次ウィック22に対して固定すると、開口面(図13における左側の面)が蒸発器容器21の,液管34が接続されている側の内面と接触するように、その形状が決定されたものとなっている。
要するに、第2蒸発器20は、連結管25を介して補償チャンバ20b内に導入された作動液蒸気が、直接的には(二次ウィック23の壁面を通過しない限り)、二次ウィック23のウィック内流路に入らないように構成されたものとなっている。そして、二次ウィック23のウィック内流路内に作動液蒸気が入らない方がドライアウトが発生し難い。従って、本実施形態に係るLHP10は、第1実施形態に係るLHP10よりもドライアウトが発生し難いものとなっていると言うことが出来る。
《第3実施形態》
図14に、第3蒸発器20の構成を示す。
この図14と、図7Aとを比較すれば明らかなように、第3蒸発器20は、液管34からの作動液を二次ウィック23のウィック内流路の奥(先端側)まで導入するためのバイオネット管26を、第1蒸発器20に追加したものとなっている。
第1(及び第2,第3)蒸発器20に採用されている構成は、一次ウィック22内の作動液蒸気が連通管25によって補償チャンバ20b側に排出されるもの、換言すれば、二次ウィック23のウィック内流路内に作動液が充填されやすいものとなっている。そのため、第3蒸発器20のバイオネット管26が有効に機能する場合は少ないのであるが、流入熱量の変化の仕方によっては、二次ウィック23の先端部分に作動液蒸気が導入されてしまう場合もある。そして、そのような場合、バイオネット管26が存在していた方がドライアウトが発生し難くなる。
従って、この第3実施形態に係るLHP10は、上記のような場合に対応可能であるという点で、第1実施形態に係るLHP10よりもドライアウトが発生し難いものとなっていると言うことが出来る。
《第4実施形態》
図15に示したように、第4蒸発器20は、第1蒸発器20の連結管25に、複数の放熱フィン25aを取り付けた構成を有している。
高熱伝導性部材36として、CPU42からの熱を連結管25に伝えない形状の部材(図8)を採用していることや、上記した第1蒸発器20の動作(図10)から明らかなように、連結管25は、低温である(作動液蒸気を液化できる)ことが望まれる部材である
そして、連結管25に複数の放熱フィン25aを取り付けておけば、図16に模式的に示したように、作動液蒸気が、連結管25を通過している間に液化されることになる。そのため、連結管25に放熱フィン25aを取り付けておけば、連結管25に放熱フィン25aを取り付けてない場合に比して、補償チャンバ20b内に供給される作動流体の温度が低下することになる。そして、補償チャンバ20b内に供給される作動流体の温度が低い方が、蒸発器20内の各部の温度上昇を抑制できることになるため、ドライアウトが発生し難くなる。従って、蒸発器20の連結管25に,放熱効率を向上させるための部材(複数の放熱フィン25a)が設けられている本実施形態に係るLHP10は、特にドライアウトが発生し難いものとなっていると言うことが出来る。
《変形形態》
上記した各実施形態に係るLHP10、蒸発器20に対しては、各種の変形を行うことが出来る。例えば、第2、第3実施形態に係る蒸発器20の連結管25に、複数の放熱フィン25aを取り付けておくことが出来る。また、第2実施形態に係る蒸発器20に、バイオネット管26を追加しておくことも出来る。
また、連結管25の取り付けが少し難しくなることにはなるが、上記した一次ウィック22の代わりに、各部が多孔質体の一次ウィックを採用することも出来る。
さらに、各実施形態に係る蒸発器20を、中空角柱状の蒸発器容器21と、有底中空角筒状の一次ウィック22とが用いられたものに変形することも出来る。なお、一次ウィック22を、有底中空角筒状のものとする場合には、一次ウィック22を、ウィック内流路を複数個備えたものとしておくことが出来る。
10 LHP
20,50,60,70 蒸発器
20a 蒸発部
20b 補償チャンバ
21 蒸発器容器
22,61 一次ウィック
22a,23a、51a グループ
22b,36a,36b 部材
22c 多孔質体
23,62 二次ウィック
25 連結管
25a 放熱フィン
26,75 バイオネット管
30 凝縮器
32 蒸気管
34,64,74 液管
36 高熱伝導性部材
40 情報処理装置
41 プリント回路板
42 CPU
43 冷却ファン
51,71 ウィック

Claims (5)

  1. 蒸発器と凝縮器とを液管及び蒸気管によりループ状に接続したループ型ヒートパイプにおいて、
    前記蒸発器が、
    前記液管及び前記蒸気管と接続された蒸発器容器と、
    前記蒸発器容器内に収容された有底中空柱状の第1多孔質体であって、前記蒸発器容器の内部空間を、自多孔質体の空洞部及び前記液管と連通した入口側空間と、前記蒸気管と連通した出口側空間とに区分けする第1多孔質体と、
    その外底面が前記第1多孔質体の空洞部の底面と所定距離を以て対向する状態で前記第1多孔質体の空洞部内に嵌合収容された有底中空柱状の,前記第1多孔質体よりも空孔径が大きな第2多孔質体と、
    前記第1多孔質体の外底面と前記第2多孔質体の内底面との間の空間と前記入口側空間とを連結する連結管と、
    を備える
    ことを特徴とするループ型ヒートパイプ。
  2. 前記第2多孔質体によって、前記入口側空間が、前記液管と連通した第1空間と、前記連結管と連通した第2空間とに、区分けされている
    ことを特徴とする請求項1に記載のループ型ヒートパイプ。
  3. 前記蒸発器容器内に、前記液管から供給される作動流体を前記第2多孔質の空洞部内まで導入するバイオネット管が設けられている
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のループ型ヒートパイプ。
  4. 前記連結管に、放熱効率を向上させるための部材が取り付けられている
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のループ型ヒートパイプ。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載のループ型ヒートパイプと、
    前記ループ型ヒートパイプの前記蒸発器により冷却される電子部品と、
    を備えることを特徴とする情報処理装置。
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