JP2012119160A - 静電駆動スイッチ、送電体、受電体、及び電力供給システム - Google Patents
静電駆動スイッチ、送電体、受電体、及び電力供給システム Download PDFInfo
- Publication number
- JP2012119160A JP2012119160A JP2010267848A JP2010267848A JP2012119160A JP 2012119160 A JP2012119160 A JP 2012119160A JP 2010267848 A JP2010267848 A JP 2010267848A JP 2010267848 A JP2010267848 A JP 2010267848A JP 2012119160 A JP2012119160 A JP 2012119160A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- power
- electrode
- electrostatic
- power supply
- terminal
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Charge And Discharge Circuits For Batteries Or The Like (AREA)
Abstract
【課題】電力供給システムの寿命や信頼性を向上させることができる、静電駆動スイッチ等を提供すること。
【解決手段】受電体20Aに電力供給を行うための送電体10Aに配置された静電駆動スイッチであり、電源から供給された電力を受電体20Aの受電電極に対向配置された送電体10Aの送電電極に対して供給するために、電源と送電電極との接続状態を切り替える静電駆動スイッチであって、移動可能なエレクトレット板と、送電電極に接続される静電端子13dと、電源の第1極11aに接続された第1電源端子13e1と、電源の第2極11bに接続された第2電源端子13e2とを備える。
【選択図】図10
【解決手段】受電体20Aに電力供給を行うための送電体10Aに配置された静電駆動スイッチであり、電源から供給された電力を受電体20Aの受電電極に対向配置された送電体10Aの送電電極に対して供給するために、電源と送電電極との接続状態を切り替える静電駆動スイッチであって、移動可能なエレクトレット板と、送電電極に接続される静電端子13dと、電源の第1極11aに接続された第1電源端子13e1と、電源の第2極11bに接続された第2電源端子13e2とを備える。
【選択図】図10
Description
この発明は、各種の負荷に対して電力供給を行うための電力供給システムと、そのための静電駆動スイッチ、送電体、及び受電体とに関する。
送電体から受電体を介して各種の負荷に対して電力供給を行うための電力供給システムは、一般に、電力供給時における送電体と受電体との相互に接触状態に応じて、接触式の電力供給システムと、非接触式の電力供給システムとに大別できる。
接触式の電力供給システムは、例えば、床下に送電体を配置すると共に、床上に受電体を配置して構成されており、床面上に露出させた送電体の送電電極に対して、受電体の受電電極を上方から直接接触させることで、送電体から受電体に電力供給を行う。
一方、非接触式の電力供給システムとしては、本願発明者等によって提案されているシステムがある(例えば、直列共振を使用したものは特許文献1、並列共振使用したものは特許文献2を参照)。この非接触式の電力供給システムは、床下に送電体(固定体)を配置すると共に、床上に受電体(可動体)を配置して構成されており、送電体の送電電極と受電体の受電電極とを、境界面を挟んで相互に非接触状に対向させることでコンデンサを構成し、このコンデンサを含んだ直列共振回路や並列共振回路を形成して、送電体から受電体へ電力供給を行うことが可能になっている。
このような従来の電力供給システムにおける共通の課題として、送電体に対する受電体の配置の自由度を向上させること(フリーポジション化)がある。例えば、送電体に送電電極としての正極と負極とを固定的な位置に設けると共に、受電体に受電電極としての正極と負極とを固定的な位置に設けた場合を想定する。この場合には、正極側の送電電極と負極側の受電電極とが対向し、かつ、負極側の送電電極と正極側の受電電極とが対向するように、送電体に対して受電体を配置する必要が生じ、これに対して逆向きで受電体を配置した場合には電力供給を行うことができず、送電体に対する受電体の配置の自由度が低下してしまう。そこで、この問題を解消するため、送電体における送電電極の極性や、受電体における受電電極の極性を、送電体に対する受電体の配置向きに応じた極性に自動的に切り替え可能とすることで、この配置向きに関わらず電力供給を行うことを可能として、送電体に対する受電体の配置の自由度を向上させることが求められる。
このように送電電極の極性や受電電極の極性を自動的に切り替え可能とするため、従来、切替スイッチが用いられていた。例えば、上述の特許文献2に記載の電力供給システムでは、受電体(可動体)に複数の切替スイッチを設け、この切替スイッチに設けた永久磁石の磁力を利用して可動接点を動作させることで、受電体の極性を切り替えていた(例えば、特許文献2の段落0080〜0081及び図8参照)。また、このような切替スイッチとして、カンチレバーのばね力を利用して動作を行なうマイクロスイッチを利用することも提案されていた。
しかしながら、このような従来の電力供給システムは、送電電極の極性や受電電極の極性を自動的に切り替え可能とするために、機械的動作を伴う切替スイッチを用いていたので、電力供給システムの寿命や信頼性に懸念があった。すなわち、可動接点やカンチレバーの如き部材変形を伴う機械的動作の動作回数が大きくなった場合には、これら可動接点やカンチレバーに部材変形に起因する金属疲労が生じるため、応力破壊を招いたり、カンチレバーのばね力が低下してスイッチ動作が不安定になるという問題があった。また、可動接点やカンチレバーによる接触通電により電力供給を行った場合には、通電に伴って発生する熱等の影響を受けて可動接点やカンチレバーが溶着して離れなくなるという問題があった。
そこで本発明は、電力供給システムの寿命や信頼性を向上させることができる、静電駆動スイッチ、送電体、受電体、及び電力供給システムを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1に記載の静電駆動スイッチは、受電体に電力供給を行うための送電体に配置された静電駆動スイッチであり、電源から供給された電力を前記受電体の受電電極に対向配置された前記送電体の送電電極に対して供給するために、前記電源と前記送電電極との接続状態を切り替えるための静電駆動スイッチであって、可動空間を挟んで相互に対向する第1位置と第2位置とを結ぶ可動方向に沿って当該可動空間の内部で移動可能なエレクトレット板であり、前記第1位置に近接する側の第1側面が正電荷に帯電されると共に前記第2位置に近接する側の第2側面が負電荷に帯電されたものであって、あるいは、前記第1位置に近接する側の第1側面が正電荷又は負電荷の一方に帯電されると共に前記第2位置に近接する側の第2側面が非帯電とされたものであって、前記第1側面及び前記第2側面に導電層が形成されたエレクトレット板と、前記第1位置と前記第2位置とに配置された端子であって、前記送電電極に接続される静電端子と、前記第1位置において前記静電端子とは間隔を隔てて配置された電極であって、電源の第1極に接続された第1電源端子と、前記第2位置において前記静電端子とは間隔を隔てて配置された電極であって、電源の第2極に接続された第2電源端子と、前記エレクトレット板における前記静電端子、前記第1電源端子、及び前記第2電源端子に対向する面に配置され、あるいは、前記静電端子、前記第1電源端子、及び前記第2電源端子における前記エレクトレット板に対向する面に配置された、絶縁層とを備え、前記受電電極に帯電させた静電荷により前記送電電極を介して前記静電端子に生じた静電荷によって、前記エレクトレット板を前記可動方向に沿って駆動させることにより、前記第1電源端子又は前記第2電源端子のいずれか一方を前記導電層及び前記絶縁層を介して前記静電端子に電界結合可能に近接又は接触させる。
また、請求項2に記載の静電駆動スイッチは、受電体に電力供給を行うための送電体に配置された静電駆動スイッチであり、電源から供給された電力を前記受電体の受電電極に対向配置された前記送電体の送電電極に対して供給するために、前記電源と前記送電電極との接続状態を切り替える静電駆動スイッチであって、可動空間を挟んで相互に対向する第1位置と第2位置とを結ぶ可動方向に沿って当該可動空間の内部で移動可能なエレクトレット板であり、前記第1位置に近接する側の第1側面が正電荷に帯電されると共に前記第2位置に近接する側の第2側面が負電荷に帯電されたものであって、あるいは、前記第1位置に近接する側の第1側面が正電荷又は負電荷の一方に帯電されると共に前記第2位置に近接する側の第2側面が非帯電とされたものであって、前記第1側面及び前記第2側面に導電層が形成されたエレクトレット板と、前記第1位置と前記第2位置とに配置された端子であって、前記送電電極に接続される静電端子と、前記第1位置において前記静電端子とは間隔を隔てて配置された電極であって、電源の第1極に接続された第1電源端子と、前記第2位置において前記静電端子とは間隔を隔てて配置された電極であって、電源の第2極に接続された第2電源端子とを備え、前記受電電極に帯電させた静電荷により前記送電電極を介して前記静電端子に生じた静電荷によって、前記エレクトレット板を前記可動方向に沿って駆動させることにより、前記第1電源端子又は前記第2電源端子のいずれか一方を前記導電層を介して前記静電端子に接続する。
また、請求項3に記載の静電駆動スイッチは、請求項1又は2に記載の静電駆動スイッチにおいて、前記静電端子の形状と、当該静電端子と同一位置に配置された前記第1電源端子又は前記第2電源端子の形状とを、当該静電端子と前記エレクトレット板との相互間に生じる吸引力又は反発力が、前記エレクトレット板の各部に対して均等に生じる形状とすることにより、前記エレクトレット板を前記可動方向に沿って平行移動可能とした。
また、請求項4に記載の静電駆動スイッチは、請求項3に記載の静電駆動スイッチにおいて、前記静電端子の形状と、当該静電端子と同一位置に配置された前記第1電源端子又は前記第2電源端子の形状とを、前記可動方向に沿って直交する面内において相互に間隔を隔てて噛み合う櫛形状又は渦巻き状に形成した。
また、請求項5に記載の送電体は、受電体に電力供給を行うための送電体であって、請求項1から4のいずれか一項に記載の静電駆動スイッチを複数備え、前記複数の静電駆動スイッチの各々における前記静電端子に接続される送電電極であって、前記受電体に設けた複数の受電電極に対して対向配置される複数の送電電極を備える。
また、請求項6に記載の受電体は、電源、複数の静電駆動スイッチ、及び複数の送電電極を備えた送電体であって、前記複数の送電電極の各々に誘引された静電荷の極性に応じて前記静電駆動スイッチを駆動させることで前記電源と前記複数の送電電極との接続状態を切り替える送電体から、電力供給を受ける受電体であって、前記送電体に設けた前記複数の送電電極に対して対向配置される複数の受電電極と、前記複数の受電電極のうち、少なくとも一つに正電荷を誘引させた状態を維持すると共に、少なくとも他の一つに負電荷を誘引させた状態を維持する極性維持手段とを備え、前記極性維持手段にて前記受電電極に誘引させた静電荷の極性に応じた静電荷を、当該受電電極に対向配置された前記送電電極に誘引させることで、前記静電駆動スイッチを駆動させる。
また、請求項7に記載の受電体は、請求項6に記載の受電体において、前記極性維持手段は、前記複数の受電電極の少なくとも一つに設けられたものであって、前記受電電極に近接する側の側面が正電荷又は負電荷のいずれか一方に帯電されると共に前記受電電極から離れた側の側面が正電荷又は負電荷のいずれか他方に帯電され、あるいは、前記第1位置に近接する側の第1側面が正電荷又は負電荷の一方に帯電されると共に前記第2位置に近接する側の第2側面が非帯電とされたエレクトレット板を備える。
また、請求項8に記載の電力供給システムは、送電体から受電体を介して所定の負荷に電力を供給するための電力供給システムであって、請求項5に記載の送電体と、請求項6又は7に記載の受電体とを備え、前記送電体の送電電極と前記受電体の受電電極とを、相互に直接接触させることによって当該送電電極から当該受電電極に電力供給を行い、あるいは、相互に非接触状に対向配置させることによって構成されたコンデンサを介して、直列共振、並列共振又はアクティブキャパシタンス方式により電力供給を行う。
また、請求項9に記載の電力供給システムは、請求項8に記載の電力供給システムにおいて、前記送電体の送電電極と前記受電体の受電電極の各々の電力給電面の面積を、複数の前記送電電極に対して一つの前記受電電極が同時に対向配置可能となる面積とし、前記受電体の複数の受電電極の相互間隔を、前送電体の複数の送電電極の各々の電力給電面の幅より大きくした。
請求項1又は2に記載の静電駆動スイッチによれば、静電端子に生じた静電荷によってエレクトレット板を可動方向に沿って移動させることにより、電源と送電電極との接続状態を切り替えることができ、送電体に対する受電体の配置向きに関わらず電力供給を行うことができるので、受電体の配置向きの自由度を高め、いわゆるフリーポジション化を達成することができる。
特に、静電荷によってエレクトレット板を移動させるので、カンチレバーのように部材変形を伴う機械的動作が不要になるので、金属疲労や溶着の問題を解消することができ、電力供給システムの寿命や信頼性を向上させることができる。
さらに、請求項1に記載の静電駆動スイッチによれば、絶縁層を介して第1電源端子又は第2電源端子が静電端子に電界結合可能に近接又は接触されるので、これらの端子間のコンデンサ容量が増大(インピーダンスが低下)して、高周波電流による電力供給を行うことが可能になる。
特に、静電荷によってエレクトレット板を移動させるので、カンチレバーのように部材変形を伴う機械的動作が不要になるので、金属疲労や溶着の問題を解消することができ、電力供給システムの寿命や信頼性を向上させることができる。
さらに、請求項1に記載の静電駆動スイッチによれば、絶縁層を介して第1電源端子又は第2電源端子が静電端子に電界結合可能に近接又は接触されるので、これらの端子間のコンデンサ容量が増大(インピーダンスが低下)して、高周波電流による電力供給を行うことが可能になる。
また、請求項3に記載の静電駆動スイッチによれば、エレクトレット板を可動方向に沿って平行移動可能としたので、絶縁層や導電層を静電端子と第1電源端子又は第2電源端子に対して常に安定した均等な状態で接触させることができ、静電端子と第1電源端子又は第2電源端子との相互間のインピーダンスを最小化しつつ、第1電源端子又は第2電源端子から静電端子への電力供給を確実に行うことが可能になる。
また、請求項4に記載の静電駆動スイッチによれば、静電端子の形状と第1電源端子又は第2電源端子の形状とを、櫛形状又は渦巻き状に形成したので、静電端子とエレクトレット板との相互間に生じる吸引力又は反発力を、エレクトレット板の各部に対して均等に生じさせることが可能になる。
また、請求項5に記載の送電体によれば、請求項1から4のいずれか一項に記載の静電駆動スイッチと、送電電極とを複数備えるので、任意の向きで配置された受電体に対して電力供給を行うことができ、受電体の配置向きの自由度を高め、いわゆるフリーポジション化を達成することができる。
特に、静電荷によってエレクトレット板を駆動させることにより、カンチレバーのように部材変形を伴う機械的動作が不要になるので、金属疲労や溶着の問題を解消することができ、電力供給システムの寿命や信頼性を向上させることができる。
特に、静電荷によってエレクトレット板を駆動させることにより、カンチレバーのように部材変形を伴う機械的動作が不要になるので、金属疲労や溶着の問題を解消することができ、電力供給システムの寿命や信頼性を向上させることができる。
また、請求項6に記載の受電体によれば、受電電極と極性維持手段とを備えるので、受電電極の極性を極性維持手段によって正極又は負極に維持することができ、この受電電極の極性に応じて送電体の静電駆動スイッチを切り替えることができる。
また、請求項7に記載の受電体によれば、極性維持手段はエレクトレット板を備えるので、電源やスイッチを使用することなく受電電極の極性を正極又は負極に維持することができるので、電力供給システムの寿命や信頼性を向上させることができる。
また、請求項8に記載の電力供給システムによれば、請求項5に記載の送電体と、請求項6又は7に記載の受電体とを備えるので、静電端子に生じた静電荷によってエレクトレット板を可動方向に沿って移動させることにより、電源と送電電極との接続状態を切り替えることができ、送電体に対する受電体の配置向きに関わらず電力供給を行うことができるので、受電体の配置向きの自由度を高め、いわゆるフリーポジション化を達成することができる。
特に、静電荷によってエレクトレット板を駆動させることにより、カンチレバーのように部材変形を伴う機械的動作が不要になるので、金属疲労や溶着の問題を解消することができ、電力供給システムの寿命や信頼性を向上させることができる。
特に、静電荷によってエレクトレット板を駆動させることにより、カンチレバーのように部材変形を伴う機械的動作が不要になるので、金属疲労や溶着の問題を解消することができ、電力供給システムの寿命や信頼性を向上させることができる。
また、請求項9に記載の電力供給システムによれば、複数の送電電極に対して一つの受電電極を同時に対向配置可能としたので、送電体に対する受電体の配置の自由度を一層高めることができる。
以下に添付図面を参照して、この発明の各実施の形態を詳細に説明する。まず、〔I〕各実施の形態に共通の基本的概念を説明した後、〔II〕各実施の形態の具体的内容について説明し、〔III〕最後に、各実施の形態に対する変形例について説明する。ただし、各実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
〔I〕各実施の形態に共通の基本的概念
まず、各実施の形態に共通の基本的概念について説明する。各実施の形態に係る電力供給システムは、電力供給領域に配置された送電体から、電力被供給領域に配置された受電体に対して、電力を供給するための電力供給システムである。電力供給領域や電力被供給領域の具体的構成は任意であり、例えば、一般住宅やオフィスビルの如き建屋の内部空間や、電車や飛行機の如き乗り物の内部空間、あるいは、屋外空間を含む。以下では、電力供給領域と電力被供給領域とを相互に区画する面を境界面と称する。例えば、電力被供給領域を建屋の居室とすると共に、電力供給領域を居室の床部とした場合、床部の上面(床面)が境界面になる。
まず、各実施の形態に共通の基本的概念について説明する。各実施の形態に係る電力供給システムは、電力供給領域に配置された送電体から、電力被供給領域に配置された受電体に対して、電力を供給するための電力供給システムである。電力供給領域や電力被供給領域の具体的構成は任意であり、例えば、一般住宅やオフィスビルの如き建屋の内部空間や、電車や飛行機の如き乗り物の内部空間、あるいは、屋外空間を含む。以下では、電力供給領域と電力被供給領域とを相互に区画する面を境界面と称する。例えば、電力被供給領域を建屋の居室とすると共に、電力供給領域を居室の床部とした場合、床部の上面(床面)が境界面になる。
送電体は、当該送電体の内部に電源を備えたものと、当該送電体の外部の電源から供給された電力を受電体に供給するものを含む。この送電体は、電力供給領域に配置されるものであるが、恒久的に移動不能に固定されるものに限定されず、不使用時には電力供給領域2から取り外すことができたり、当該電力供給領域の内部の任意位置に移動可能なものを含む。特に、送電体の全体が常時固定的であるものに限定されず、例えば、送電体の一部の構成要素の位置を必要に応じて調整することで、当該構成要素と受電体との相対的な位置関係を変更可能なものを含む。このような調整を行う例としては、例えば、送電体の後述する送電電極を必要に応じて昇降させ、受電体の後述する受電電極に対して近接させたり遠ざける例を挙げることができる。
受電体は、電力被供給領域に固定的に配置して使用されるもの(静止体)と、電力被供給領域の内部において必要に応じて移動するもの(移動体)とを含む。この受電体の機能や具体的構成は特記する点を除いて任意であるが、例えば、静止体としては、家電、コンピュータを含むOA機器、あるいは携帯電話等の如き機器を挙げることができ、移動体としては、ロボットや電気自動車を挙げることができる。受電体は、当該受電体の内部に負荷を備えたものと、当該受電体の外部の負荷に対して電力を供給するものを含む。内部に負荷を備えた受電体としては、例えば、上述の家電等を挙げることができ、外部の負荷に対して電力を供給する受電体としては、例えば、携帯電話に対する充電器のようなものを挙げることができる。
このように構成される電力供給システムは、送電体と受電体との接触有無に応じて、接触式と非接触式に大別される。接触式の電力供給システムでは、送電体に設けた送電電極と、受電体に設けた受電電極とを、相互に直接接触させる。非接触式の電力供給システムでは、送電体に設けた送電電極と、受電体に設けた受電電極とを、境界面を挟んで相互に非接触状に対向配置することで、これら送電電極と受電電極とでコンデンサ(結合キャパシタ)を構成し、このコンデンサを介して電界型の送電を行う。この非接触式の電力供給システムでは、直列共振、並列共振、又はアクティブキャパシタンスを利用した電力供給を行うことで、共振効果による高効率な電力供給を行う。
特に、各実施の形態に係る電力供給システムの特徴の一部は、送電体における送電電極の極性を、送電体に対する受電体の配置位置に応じた極性に自動的に切り替え可能とするために、送電体に静電駆動スイッチを設けた点にある。この静電駆動スイッチは、概略的には、エレクトレット板を備えて構成されており、このエレクトレット板を可動空間の内部において静電気力によって可動させることで、極性の切り替えを行うことができる。このエレクトレット板は、一方の側面に正電荷を恒久的に帯電させると共に、他方の側面に負電荷を恒久的に帯電させて構成されている。あるいは、エレクトレット板は、一方の側面に正電荷又は負電荷を恒久的に帯電させると共に、他方の側面を非帯電として構成されている。このようなエレクトレット板を使用することで、極性の切り替え動作からカンチレバーのように部材変形を伴う機械的動作を排除することができ、接触式や非接触式による電力供給を行う場合の信頼性を向上させることができる。ただし、このような静電駆動スイッチを使用する点を除いて、電力供給システムの各部の構成は、特記する場合を除いて従来と同様に構成することができる。
以下、各実施の形態に係る電力供給システムの種類について概説する。電力供給システムは、上述のように、送電体と受電体との接触有無に応じて「非接触式」と「接触式」に大別され、非接触式の場合には、さらに「直列共振式」と「並列共振式」と「アクティブキャパシタンス式」に大別される。また、静電駆動スイッチとしては、エレクトレット板に導電層及び絶縁層を設けたものと、エレクトレット板に導電層のみを設けたものとがある。導電層は、例えば、カーボン、金属、又は導電性プラスチックにより形成されている。以下、必要に応じて、前者の静電駆動スイッチを「非接触式スイッチ」、後者の静電駆動スイッチを「接触式スイッチ」、非接触スイッチを用いた電力供給システムを「非接触スイッチ式」、接触式スイッチを用いた電力供給システムを「接触スイッチ式」とそれぞれ称する。
これらの各方式を相互に組み合わせることで、電力供給システムの種類としては、少なくとも、1)非接触式−非接触スイッチ式−直列共振式、2)非接触式−接触スイッチ式−直列共振式、3)非接触式−非接触スイッチ式−並列共振式、4)非接触式−接触スイッチ式−並列共振式、5)非接触式−非接触スイッチ式−アクティブキャパシタンス式、6)非接触式−接触スイッチ式−アクティブキャパシタンス式、7)接触式−非接触スイッチ式、8)接触式−接触スイッチ式、を挙げることができる。以下では、これら各方式の電力供給システムの等価回路図を、図1から図8にそれぞれ示す。
図1は、非接触式−非接触スイッチ式−直列共振式の電力供給システムの等価回路図である。この図1に示すように、電力供給システム1Aは、送電体10Aと受電体20Aを備えて構成されている。これら送電体10Aと受電体20Aはそれぞれ複数並設することができるが、ここでは、送電体10Aと受電体20Aをそれぞれ1体のみ設けた場合を示している。
送電体10Aは、交流電源11、複数(ここでは2つ)の送電電極12、及び複数(ここでは2つ)の静電駆動スイッチ13を、図示のように電気的に接続して構成されている。交流電源11は、交流電力の供給源である。複数の送電体10Aを設ける場合には、当該複数の送電体10Aの各々に交流電源11を設けてもよいが、1つの共通の交流電源11から複数の送電体10Aの各々に電力供給を行ってもよい。複数の送電電極12は、それぞれ平板状の導電体であり、電力供給領域2と電力被供給領域3との境界面4に沿った同一平面内に並設されている。静電駆動スイッチ13は、交流電源11から供給された電力を送電電極12に対して供給するものであって、交流電源11と送電電極12との接続状態を切り替えるスイッチであり、上述したように導電層と絶縁層によって被覆されたエレクトレット板13cに加えて、静電端子13dと電源端子13eを備える。静電端子13dは、送電電極に接続される端子である。この静電端子13dは、送電電極12の極性に応じた極性の静電荷を生じさせる端子であると共に、交流電源11から供給された電力を送電電極12に向けて導通させる端子である。電源端子13eは、交流電源11からの電力供給を受ける端子である。ここでは、静電駆動スイッチの抵抗成分を抵抗13f、エレクトレット板13cの絶縁層によって生じるコンデンサ成分をコンデンサ13gとして表している。
一方、受電体20Aは、負荷21と、複数(ここでは2つ)の受電電極22と、コイル23を、図示のように電気的に接続して構成されている。複数の受電電極22は、それぞれ平板状の導電体であり、境界面4に沿った同一平面内に並設されている。これら複数の受電電極22の各々を送電電極12に対向配置することで、これら送電電極12と受電電極22とによってコンデンサ(結合コンデンサ)30が構成される。コイル23は、コンデンサ30と共に、LC直列共振回路を構成する。ここで、各受電電極22の極性は、後述する構造(以下、極性設定構造)により、正極又は負極に設定されている。例えば、受電電極22が2つ設けられた場合、一方の受電電極22は正極、他方の受電電極22は負極に設定される。
このように構成された電力供給システム1Aにおいて、図1に示すように受電体20Aを送電体10Aの上方に配置した場合、極性設定構造にて設定された各受電電極22の極性に対応して静電端子13dの極性が決定され、この静電端子13dに正電荷又は負電荷が誘起される。そして、この静電端子13dに誘起された正電荷又は負電荷に対する吸引力又は反発力によってエレクトレット板13cが可動することで、静電端子13dと電源端子13eとの接続状態が、図1の右方に示す状態と左方に示す状態とに切り替えられ、交流電源11から供給された電力が、エレクトレット板13cの導電層と絶縁層を介して、直列共振により負荷に供給される。
図2は、非接触式−接触スイッチ式−直列共振式の電力供給システムの等価回路図である。この図2に示す電力供給システム1Bは、送電体10Bと受電体20Bを備えて構成されている。送電体10Bの静電駆動スイッチ13のエレクトレット板13cは、導電層のみによって被覆されており、絶縁層が設けられていないので、図1からコンデンサ13gを除いた構成となっている。図2の回路のその他の構成は、図1の回路と同じである。
図3は、非接触式−非接触スイッチ式−並列共振式の電力供給システムの等価回路図である。この図3に示す電力供給システム1Cは、送電体10Cと受電体20Cを備えて構成されている。送電体10Cには、コイル14、15を近接配置して構成されたトランス16が設けられると共に、受電体20Cには、コイル24、25を近接配置して構成されたトランス26が設けられており、それぞれ所望の変圧比で電力を送電することが可能となっている。また、各コイル14、15、24、25には図示のようにコンデンサ17、18、27、28が並列に設けられていて、LC並列共振回路が構成されている。なお、送電体10Cや受電体20Cのトランス16、26は省略してもよく、少なくとも一組のLC並列共振回路が設けられていればよい。図3の回路のその他の構成は、図1の回路と同じである。あるいは、トランス16、26を省略しない場合には、コンデンサ17、28のいずれか一方若しくは両方を省略してもよい。
図4は、非接触式−接触スイッチ式−並列共振式の電力供給システムの等価回路図である。この図4に示す電力供給システム1Dは、送電体10Dと受電体20Dを備えて構成されている。送電体10Dの静電駆動スイッチ13のエレクトレット板13cは、導電層のみによって被覆されており、絶縁層が設けられていないので、図3からコンデンサ13gを除いた構成となっている。図4の回路のその他の構成は、図3の回路と同じである。
図5は、非接触式−非接触スイッチ式−アクティブキャパシタンス式の電力供給システムの等価回路図である。この図5に示す電力供給システム1Eは、送電体10Eと受電体20Eを備えて構成されている。受電体20Eには、アクティブキャパシタンス29が受電電極22に対して直列に接続されている。このアクティブキャパシタンス29は、2つのコンデンサ30とアクティブキャパシタンス29との合成キャパシタンスを、アクティブキャパシタンス29で発生させる負のキャパシタンスの作用で、非常にキャパシタンスの大きなコンデンサとして振る舞わせるものであり、図示しないアクティブキャパシタ制御部によって動的に容量制御が可能な可変キャパシタである。この電力供給システム1Eでは、アクティブキャパシタ制御部により、2つのコンデンサ30とアクティブキャパシタンス29との合成キャパシタンスの送電周波数における交流インピーダンスが、2つのコンデンサ30の合成キャパシタンスの送電周波数における交流インピーダンスに対して十分小さくなるように、アクティブキャパシタンス29に負のキャパシタンスを発生させる。このアクティブキャパシタンス29は、2つの受電電極22のいずれか一方に対して直列に接続されていればよく、あるいは、2つの受電電極22の各々に対して直列に接続してもよい。図5の回路のその他の構成は、図1の回路と同じである。
図6は、非接触式−接触スイッチ式−アクティブキャパシタンス式の電力供給システムの等価回路図である。この図6に示す電力供給システム1Fは、送電体10Fと受電体20Fを備えて構成されている。送電体10Fの静電駆動スイッチ13のエレクトレット板13cは、導電層のみによって被覆されており、絶縁層が設けられていないので、図5からコンデンサ13gを除いた構成となっている。図6の回路のその他の構成は、図5の回路と同じである。
図7は、接触式−非接触スイッチ式の電力供給システムの等価回路図である。この図5に示す電力供給システム1Gは、送電体10Gと受電体20Gを備えて構成されている。送電体10Gの送電電極と受電体20Gの受電電極を直接接触させて構成されている。図7の回路のその他の構成は、図1の回路と同じである。
図8は、接触式−接触スイッチ式の電力供給システムの等価回路図である。この図8に示す電力供給システム1Hは、送電体10Hと受電体20Hを備えて構成されている。送電体10Hの静電駆動スイッチ13のエレクトレット板13cが導電層のみによって被覆されており、絶縁層が設けられていないので、図7からコンデンサ13gを除いた構成となっている。図8の回路のその他の構成は、図7の回路と同じである。特に、この図8の電力供給システムでは、コンデンサを介することなく電力供給を行うことができるので、送電体10Hの電源として、交流電源11に代えて直流電源を使用することで、直流送電を行うことができる。
これら図1から図8に示した電力供給システム1Aから1Hの各部の具体的な寸法は、特記する場合を除いて任意に決定することができるが、例えば、送電電極12や受電電極22の平面形状を数mm角程度の寸法とし、静電駆動スイッチ13の平面形状についても数mm角程度とすることが想定される。このように微小な静電駆動スイッチ13は、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)スイッチと称することができる。
これら図2から図8に示した電力供給システム1Bから1Hは、特記する場合を除いて、図1に示した電力供給システム1Aの構成の一部を公知の技術に基づいて変更することで構成できるため、以下の具体的内容の説明では、主として、図1の非接触式−非接触スイッチ式−直列共振式の電力供給システム1Aの具体的内容とその変形例について例示する。
〔II〕各実施の形態の具体的内容
次に、各実施の形態の具体的内容について説明する。
次に、各実施の形態の具体的内容について説明する。
〔実施の形態1〕
最初に、実施の形態1について説明する。この実施の形態1は、図1の非接触式−非接触スイッチ式−直列共振式の電力供給システム1Aを具体的に示した形態である。
最初に、実施の形態1について説明する。この実施の形態1は、図1の非接触式−非接触スイッチ式−直列共振式の電力供給システム1Aを具体的に示した形態である。
(全体構成)
図9は本実施の形態に係る電力供給システム1Aの斜視図、図10は本実施の形態に係る送電体10A及び受電体20Aを簡略化して示す縦断面図である。本実施の形態では、電力供給領域2(ここでは机5における天板6より下方領域)に配置された送電体10Aから、電力被供給領域3(ここでは机5における天板6より上方領域)に配置された受電体20A(ここではノートパソコン)に対して電力を供給する例を示す。本実施の形態に係る電力供給システム1Aは、これら送電体10A及び受電体20Aを備えて構成されている。ここでは、電力供給領域2の上方に敷設された表面絶縁層7(ここでは机5の天板6)が電力供給領域2と電力被供給領域3との相互間の境界面4に相当する。送電体10Aは、天板6の下方において机5に埋め込まれている。なお、図9及び図10では、送電体10Aと受電体20Aをそれぞれ1体ずつ示しているが、送電体10Aは複数並設して電力供給可能な領域を広げることが好ましく、また、受電体20Aについても複数配置することができる。
図9は本実施の形態に係る電力供給システム1Aの斜視図、図10は本実施の形態に係る送電体10A及び受電体20Aを簡略化して示す縦断面図である。本実施の形態では、電力供給領域2(ここでは机5における天板6より下方領域)に配置された送電体10Aから、電力被供給領域3(ここでは机5における天板6より上方領域)に配置された受電体20A(ここではノートパソコン)に対して電力を供給する例を示す。本実施の形態に係る電力供給システム1Aは、これら送電体10A及び受電体20Aを備えて構成されている。ここでは、電力供給領域2の上方に敷設された表面絶縁層7(ここでは机5の天板6)が電力供給領域2と電力被供給領域3との相互間の境界面4に相当する。送電体10Aは、天板6の下方において机5に埋め込まれている。なお、図9及び図10では、送電体10Aと受電体20Aをそれぞれ1体ずつ示しているが、送電体10Aは複数並設して電力供給可能な領域を広げることが好ましく、また、受電体20Aについても複数配置することができる。
(全体構成−送電体)
次に、送電体10Aの構成について説明する。この送電体10Aは、図10に示すように、交流電源11、送電電極12(図10では、第1送電電極12a、第2送電電極12bとして図示)、静電駆動スイッチ13(図10では、第1静電駆動スイッチ13a、第2静電駆動スイッチ13bとして図示)を備えて構成されている。
次に、送電体10Aの構成について説明する。この送電体10Aは、図10に示すように、交流電源11、送電電極12(図10では、第1送電電極12a、第2送電電極12bとして図示)、静電駆動スイッチ13(図10では、第1静電駆動スイッチ13a、第2静電駆動スイッチ13bとして図示)を備えて構成されている。
(全体構成−送電体−交流電源)
交流電源11の第1極11aは、線路40を介して、グランド41と、第1静電駆動スイッチ13a及び第2静電駆動スイッチ13bにおける後述する第1電源端子13e1に接続されている。また、交流電源11の第2極11bは、線路42を介して、第1静電駆動スイッチ13a及び第2静電駆動スイッチ13bにおける後述する第2電源端子13e2に接続されている。この交流電源11の周波数は、送電電極12と受電電極22によって構成されるコンデンサ30(図10では、コンデンサ30a、30bとして図示)と、受電体20Aのコイル23とによって決定される直列共振周波数になるように設定されている。ただし、この直列共振周波数は、表面絶縁層7と受電電極22との相互間に粉塵が挟まること等により変化するコンデンサ30a、30bの静電容量等に伴って変化し得るため、動的に制御可能とすることが好ましく、例えば、交流電源11に制御部(図示せず)を接続し、この制御部を介して、交流電源11のON/OFF制御を行ったり、交流電源11の周波数を各種の条件に基づいて動的制御して直列共振周波数に維持するようにしてもよい。
交流電源11の第1極11aは、線路40を介して、グランド41と、第1静電駆動スイッチ13a及び第2静電駆動スイッチ13bにおける後述する第1電源端子13e1に接続されている。また、交流電源11の第2極11bは、線路42を介して、第1静電駆動スイッチ13a及び第2静電駆動スイッチ13bにおける後述する第2電源端子13e2に接続されている。この交流電源11の周波数は、送電電極12と受電電極22によって構成されるコンデンサ30(図10では、コンデンサ30a、30bとして図示)と、受電体20Aのコイル23とによって決定される直列共振周波数になるように設定されている。ただし、この直列共振周波数は、表面絶縁層7と受電電極22との相互間に粉塵が挟まること等により変化するコンデンサ30a、30bの静電容量等に伴って変化し得るため、動的に制御可能とすることが好ましく、例えば、交流電源11に制御部(図示せず)を接続し、この制御部を介して、交流電源11のON/OFF制御を行ったり、交流電源11の周波数を各種の条件に基づいて動的制御して直列共振周波数に維持するようにしてもよい。
(全体構成−送電体−送電電極)
第1送電電極12a及び第2送電電極12bは、相互に同一正方形状の金属板として形成されている。第1送電電極12aは、接続片12cを介して、第1静電駆動スイッチ13aの静電端子13dに接続されている。また、第2送電電極12bは、接続片12dを介して、第2静電駆動スイッチ13bの静電端子13dに接続されている。これら第1送電電極12a及び第2送電電極12bは、表面絶縁層7に対して接触させてもよく、あるいは、表面絶縁層7に対して微小距離を隔てて配置してもよい。いずれの場合においても、これら第1送電電極12a及び第2送電電極12bの電力被供給領域3側の面(ここでは図10における上側の面)は、表面絶縁層7によって完全に覆われているために電力被供給領域3に対して非露出状となっており、第1送電電極12aや第2送電電極12bの耐腐食性や耐摩耗性を向上させることができると共に、第1送電電極12aや第2送電電極12bにユーザ等が直接触れることを防止することができる。なお、以下では、これら第1送電電極12aと第2送電電極12bとを相互に区別する必要がない場合には、これらを単に「送電電極12」と総称する。
第1送電電極12a及び第2送電電極12bは、相互に同一正方形状の金属板として形成されている。第1送電電極12aは、接続片12cを介して、第1静電駆動スイッチ13aの静電端子13dに接続されている。また、第2送電電極12bは、接続片12dを介して、第2静電駆動スイッチ13bの静電端子13dに接続されている。これら第1送電電極12a及び第2送電電極12bは、表面絶縁層7に対して接触させてもよく、あるいは、表面絶縁層7に対して微小距離を隔てて配置してもよい。いずれの場合においても、これら第1送電電極12a及び第2送電電極12bの電力被供給領域3側の面(ここでは図10における上側の面)は、表面絶縁層7によって完全に覆われているために電力被供給領域3に対して非露出状となっており、第1送電電極12aや第2送電電極12bの耐腐食性や耐摩耗性を向上させることができると共に、第1送電電極12aや第2送電電極12bにユーザ等が直接触れることを防止することができる。なお、以下では、これら第1送電電極12aと第2送電電極12bとを相互に区別する必要がない場合には、これらを単に「送電電極12」と総称する。
(全体構成−送電体−静電駆動スイッチ)
図11は図10の静電駆動スイッチ13周辺の要部拡大図である。第1静電駆動スイッチ13aと第2静電駆動スイッチ13bは、相互に同一に構成されており、それぞれ、エレクトレット板13c、静電端子13d、電源端子13e(図10、11では、第1電源端子13e1、第2電源端子13e2として図示)を備える。なお、以下では、これら第1静電駆動スイッチ13aと第2静電駆動スイッチ13bとを相互に区別する必要がない場合には、これらを単に「静電駆動スイッチ13」と総称する。
図11は図10の静電駆動スイッチ13周辺の要部拡大図である。第1静電駆動スイッチ13aと第2静電駆動スイッチ13bは、相互に同一に構成されており、それぞれ、エレクトレット板13c、静電端子13d、電源端子13e(図10、11では、第1電源端子13e1、第2電源端子13e2として図示)を備える。なお、以下では、これら第1静電駆動スイッチ13aと第2静電駆動スイッチ13bとを相互に区別する必要がない場合には、これらを単に「静電駆動スイッチ13」と総称する。
図11に示すように、エレクトレット板13cは、可動空間13hを挟んで相互に対向する第1位置と第2位置とを結ぶ可動方向に沿って、当該可動空間13hの内部で移動可能に配置されている。ここでは、エレクトレット板13cは、第1位置に近接する側の第1側面が正電荷に恒久的に帯電されると共に、第2位置に近接する側の第2側面が負電荷に恒久的に帯電されている。このようなエレクトレット板13cは、公知の方法で製造することができ、例えば、誘電性樹脂(例えば、CYTOP(登録商標。旭硝子株式会社))に高温状態で直流電圧を加えた後、固化させて製造することができる。あるいは、エレクトレット板13cを軟質樹脂から形成することで、静電端子13dと第1電源端子13e1又は第2電源端子13e2との相互間に多少の段差が存在する場合でも、エレクトレット板13cが変形してこの段差を吸収し、静電端子13dと第1電源端子13e1又は第2電源端子13e2とに対する絶縁層の密着度を高めることができる。また、この場合には、これら相互間のインピーダンスを最小化しつつ、第1電源端子13e1又は第2電源端子13e2から静電端子13dへの電力供給を確実に行うことが可能になる。なお、ここでは、図10、11において、上方側を第1位置(第1側面)にすると共に、下方側を第2位置(第2側面)にしているが、逆にしてもよい。
また、エレクトレット板13cの側面のうち、静電端子13dや電源端子13eに接触する側面(第1位置に面した第1側面と、第2位置に面した第2側面)は、導電層13iによって被覆されており、この導電層13iはさらに絶縁層13jによって被覆されている。例えば、導電層13iはアルミニウムにて形成されており、絶縁層13jは酸化アルミニウムから形成されている。すなわち、絶縁層13jは、導電層13iの表面に自然形成された酸化膜であってもよい。このように導電層13iにアルミニウムを使用した場合には、酸化膜としての絶縁層13jは厚さ数十オングストロームの膜になる。このため、絶縁層13jの厚さを30オングストロームとすれば、5mm角(=10mm2)の一つのエレクトレット板13cにおける一方の側面の静電容量は約200nFとなり、エレクトレット板13cの両面の静電容量は、一方の面の静電容量を2つ直列に接続した容量に等しいため、100nFとなる。この様な静電駆動スイッチ13が多数集まって、例えば携帯電話の充電に利用可能な9cm2(3cm角)の静電駆動スイッチ13を形成したとすれば、静電駆動スイッチ13の全体の静電容量の合計値は、約300倍の30,000nF(=30μF)となり、送電電極12と受電電極22とで構成されるコンデンサ30の容量よりも十分小さくなる。
ここで、絶縁層13jは、図11のように、エレクトレット板13c側に設ける他、静電端子13dや電源端子13e側に設けてもよい。具体的には、絶縁層13jを、板状体とした上で、第1位置においてエレクトレット板13cと静電端子13d及び第1電源端子13e1との間に介在するように配置すると共に、第2位置においてエレクトレット板13cと静電端子13d及び第2電源端子13e2との間に介在するように配置してもよい。あるいは、静電端子13d、第1電源端子13e1、及び第2電源端子13e2に絶縁層13jを形成してもよい。すなわち、少なくとも、エレクトレット板13cと、静電端子13d、第1電源端子13e1、及び第2電源端子13e2との相互間に、絶縁層13jを配置すればよい。絶縁層13jをエレクトレット板13c側に設けた場合には、エレクトレット板13cの導電層13iの耐腐食性や耐磨耗性を高めることができる。また、絶縁層13jを静電端子13dや第1電源端子13e1又は第2電源端子13e2に接触するように設けた場合には、静電端子13dや第1電源端子13e1又は第2電源端子13e2の耐腐食性や耐磨耗性を高めることができる。
ただし、上述のように、静電駆動スイッチ13は、接触式スイッチとして構成することもできる。図12は接触式スイッチである静電駆動スイッチ13周辺の要部拡大図である。この静電駆動スイッチ13は、エレクトレット板13cを導電層13iのみによって被覆して構成されており、絶縁層13jは省略されている。このように絶縁層13jを省略した静電駆動スイッチ13は、コンデンサ成分がなくなることで、図8に示したような電力供給システム1Hに組み込むことで直流送電に使用することが可能になる。ただし、導電層13iの表面に酸化膜等が形成されることで導電性が低下する可能性があるため、CNT(カーボンナノチューブ)を混合した導電体(カーボン膜(グラフェン膜))や、金を使用して、導電層13iを形成してもよい。
これらエレクトレット板13c、導電層13i、及び絶縁層13jの形成方法は任意であるが、例えば、エレクトレット板13cを薄厚のエレクトレットフィルムとして形成し、このエレクトレットフィルムに対して導電層13i及び絶縁層13jを蒸着等にて多層化した後、所要の寸法に裁断することで、エレクトレット板13c等を安価に量産することが可能になる。ただし、第1位置に配置した静電端子13d及び第1電源端子13e1と、第2位置に配置した静電端子13d及び第2電源端子13e2との相互間隔や、エレクトレット板13c、導電層13i、及び絶縁層13jの可動方向における厚みについては、エレクトレット板13cの可動距離が最小となるように決定されることが好ましい。例えば、エレクトレット板13cが第1位置に近接する側に可動した状態において、エレクトレット板13cの第2側面に設けた絶縁層13jと、第2位置に配置された静電端子13d及び第2電源端子13e2との相互間で、絶縁が確保されるように、これら相互間隔や厚みが決定される。
静電端子13dは、第1位置と第2位置とに配置された端子であって、上述のように、接続片12c又は接続片12dを介して、第1送電電極12a又は第2送電電極12bに接続される。また、第1位置に配置された静電端子13dと第2位置に配置された静電端子13dとは、線路13kを介して相互に接続されている。この静電端子13dは、エレクトレット板13cと平行に配置された平板状の金属端子として構成されているが、その詳細については後述する。ただし、静電端子13dは、平板状以外の形状で形成してもよく、例えば、球状であってもよい(第1電源端子13e1及び第2電源端子13e2も同様)。
第1電源端子13e1は、第1位置において静電端子13dとは間隔を隔てて配置された電極であって、図10に示したように、線路40を介して、交流電源11の第1極11aに接続されている。また、第2電源端子13e2は、第2位置において静電端子13dとは間隔を隔てて配置された電極であって、上述のように、線路42を介して、交流電源11の第2極11bに接続されている。これら第1電源端子13e1と第2電源端子13e2は、それぞれ、エレクトレット板13cと平行に配置された平板状の金属端子として構成されているが、その詳細については後述する。
また、図10から図12には、第1側面が正電荷に帯電されると共に第2側面が負電荷に帯電された例のみを示しているが、一方の側面が非帯電とされたエレクトレット板13cを使用してもよい。図13はこのようなエレクトレット板13cを備える静電駆動スイッチ13を適用した送電体10A及び受電体20Aを簡略化して示す縦断面図、図14は図13の静電駆動スイッチ13周辺の要部拡大図である。図15は導電層を省略して接触スイッチ式として構成された図13の静電駆動スイッチ13周辺の要部拡大図である。これら図13から図15に示すように、エレクトレット板13cの両側面のうち、いずれか一方(ここでは、第2位置に近接する第2側面)が正電荷又は負電荷のいずれか一方(ここでは負電荷)に恒久的に帯電されているが、他方(ここでは、第1位置に近接する第1側面)は非帯電とされている。このようなエレクトレット板13cを用いて静電駆動スイッチ13を構成した場合であっても、図13に示すように電荷を誘引でき、送電を行うことが可能になる。
次に、静電端子13d、第1電源端子13e1、及び第2電源端子13e2の相互の関係について説明する。図16は、静電駆動スイッチ13の斜視図であり、(a)は、エレクトレット板13cを省略した状態を示す斜視図、(b)は、エレクトレット板13cを第2位置に近接する側に可動させた状態を示す斜視図、(c)は、エレクトレット板13cを第1位置に近接する側に可動させた状態を示す斜視図である。また、図17は、静電駆動スイッチの側面図であり、(a)は、エレクトレット板13cを省略した状態を示す側面図、(b)は、エレクトレット板13cを第2位置に近接する側に可動させた状態を示す側面図、(c)は、エレクトレット板13cを第1位置に近接する側に可動させた状態を示す側面図である。
これら各図に示すように、概念的には、第1位置に配置された静電端子13dと第1電源端子13e1との各々の形状は、当該静電端子13dとエレクトレット板13cとの相互間に生じる吸引力又は反発力と、当該第1電源端子13e1とエレクトレット板13cとの相互間に生じる吸引力又は反発力とを、エレクトレット板13cの各部に対して均等に生じさせる形状となるように決定されている。また、同様に、第2位置に配置された静電端子13dと第2電源端子13e2との各々の形状は、当該静電端子13dとエレクトレット板13cとの相互間に生じる吸引力又は反発力と、当該第2電源端子13e2とエレクトレット板13cとの相互間に生じる吸引力又は反発力とを、エレクトレット板13cの各部に対して均等に生じさせる形状となるように決定されている。このように決定する理由は、エレクトレット板13cを可動方向に沿って平行移動させ、絶縁層13jを静電端子13dと第1電源端子13e1又は第2電源端子13e2に対して常に安定した均等な状態で接触させることで、静電端子13dと第1電源端子13e1又は第2電源端子13e2との相互間のインピーダンスを最小化しつつ、第1電源端子13e1又は第2電源端子13e2から静電端子13dへの電力供給を確実に行うためである。
このように吸引力又は反発力の均等化を図るための具体的な形状として、ここでは、第1位置においては、静電端子13dと第1電源端子13e1とを、可動方向に沿って直交する面内において相互に間隔を隔てて噛み合う櫛形状(インターデジタル形状)にすると共に、第2位置においては、静電端子13dと第2電源端子13e2とを、可動方向に沿って直交する面内において相互に間隔を隔てて噛み合う櫛形状にしている。より具体的には、複数の静電端子13dは、同一面内に均等間隔で並設されており、これら複数の静電端子13dが1つの接続片13lで接続されている。また、複数の第1電源端子13e1と複数の第2電源端子13e2の各々は、同一面内に均等間隔で並設されており、これら複数の第1電源端子13e1と複数の第2電源端子13e2の各々が1つの接続片13mで接続されている。ここで、静電端子13d、第1電源端子13e1、第2電源端子13e2は相互にほぼ同一の長さ及び幅で形成されており、かつ、同一平面内に配置された複数の静電端子13dの配置間隔は、第1電源端子13e1や第2電源端子13e2の幅より若干広くなるように決定されている。そして、複数の静電端子13dの相互間に、第1電源端子13e1や第2電源端子13e2が配置されている。
あるいは、この他にも、図18(a)の静電駆動スイッチ13の平面図に示すように、静電端子13dと、第1電源端子13e1又は第2電源端子13e2とを、可動方向に沿って直交する面内において相互に間隔を隔てて噛み合う形状であって、円形渦巻き状に形成してもよい。あるいは、図18(b)の静電駆動スイッチ13の平面図に示すように、静電端子13dと、第1電源端子13e1又は第2電源端子13e2とを、可動方向に沿って直交する面内において相互に間隔を隔てて噛み合う形状であって、角形渦巻き状に形成してもよい。
次に、エレクトレット板13cの密閉構造について説明する。エレクトレット板13cを所望位置に安定的に配置するため、あるいは、周囲雰囲気に対するエレクトレット板13cの耐腐食性を向上させるため、密閉構造内にエレクトレット板13cを移動可能に配置すると共に、この密閉構造の内部空間(可動空間13h、密閉空間)に対して、気圧を低くしたり、不活性ガスを充填することが好ましい。さらに、導電層13iに金を用いた場合には、酸化膜はほとんど形成されないが、空気に含まれる水分の表面張力により、エレクトレット板13cの可動性に問題が出てくる可能性があるため、密閉構造の内部空間(可動空間13h)を低湿度環境にしておくことが好ましい。
図19には、密閉構造の静電駆動スイッチ13の縦断面図を示す。このの静電駆動スイッチ13は、絶縁体で形成された中空箱状の筐体13nを備えており、この筐体13nの内部に、エレクトレット板13c、静電端子13d、第1電源端子13e1、及び第2電源端子13e2が配置されている。また、筐体13nは、密閉空間を低気圧状態にする場合には、周囲気圧との圧力差に十分に耐え得る強度を維持できるように構成され、例えば、筐体13nの肉厚を、密閉空間を通常の気圧状態にする場合に必要な肉厚よりもさらに厚くしたり、あるいは、筐体13nの内部に支持柱を設けてもよい。接続片12c、12dは、筐体13nに設けた貫通孔を介して静電端子13dに接続されており、この貫通孔の周囲は密閉されている。この筐体13nの内部空間(密閉空間)には不活性ガスが充填されている。不活性ガスとしては、例えば、アルゴンガスや窒素ガスを使用することができる。窒素を使用した場合、導電層13iに含まれるカーボンとの間で窒化炭素が形成される可能性があるが、相当の高温度でなければ形成されないため、静電駆動スイッチ13の電界環境下では問題ないと考えられる。
なお、密閉空間にエレクトレット板13cを配置した場合には、不活性ガスの抵抗によってエレクトレット板13cの可動性に問題が出てくる可能性や、絶縁層13jと静電端子13d等との間に気体が残留する可能性がある。このため、エレクトレット板13c、導電層13i、及び絶縁層13jは、それぞれ網目状に形成されており、エレクトレット板13cの可動に伴って、不活性ガスが網目13pを介してエレクトレット板13c、導電層13i、及び絶縁層13jを通り抜けることができるようになっている。この場合、網目13pの間隔を密にしておくことで、エレクトレット板13c、導電層13i、及び絶縁層13jの各々が、電界の縁端効果によって平板電極と同様にふるまうため、静電駆動スイッチ13の静電容量が大きく低下することを回避することができる。また、網目状以外にも、ストライプ状や、多孔状(パンチスルーメタル状)としてもよい。
(全体構成−受電体)
次に、図10の受電体20Aの構成について説明する。この受電体20Aは、負荷21、受電電極22(図10では、第1受電電極22a、第2受電電極22bとして図示)、コイル(インダクタ)23、及び極性維持部24を備える。
次に、図10の受電体20Aの構成について説明する。この受電体20Aは、負荷21、受電電極22(図10では、第1受電電極22a、第2受電電極22bとして図示)、コイル(インダクタ)23、及び極性維持部24を備える。
(全体構成−受電体−負荷)
負荷21は、送電体10Aから供給された交流電力を消費して所定機能を発揮するものである。例えば、受電体20Aが図9に示す如きノートパソコンとして構成された場合、負荷21としては、当該ノートパソコンに内蔵された電子素子やハードディスク等が該当する。この他、負荷21の具体的構成は任意であり、例えば、受電体20Aの外部の機器との相互間で通信信号の送受を無線又は有線にて行う通信機器、各種情報に関する情報処理を行なう情報処理機器、電力被供給領域3における所定の検知対象の検知を行なって当該検知結果に関する信号を所定機器に出力するセンサ、あるいは、受電体20Aの外部の機器に対する電力の送受を行う電源(例えば二次電池)として構成することができる。また、図10においては負荷21を1つのみ示しているが、相互に直列又は並列に接続された複数の負荷21対して電力供給を行ってもよい。
負荷21は、送電体10Aから供給された交流電力を消費して所定機能を発揮するものである。例えば、受電体20Aが図9に示す如きノートパソコンとして構成された場合、負荷21としては、当該ノートパソコンに内蔵された電子素子やハードディスク等が該当する。この他、負荷21の具体的構成は任意であり、例えば、受電体20Aの外部の機器との相互間で通信信号の送受を無線又は有線にて行う通信機器、各種情報に関する情報処理を行なう情報処理機器、電力被供給領域3における所定の検知対象の検知を行なって当該検知結果に関する信号を所定機器に出力するセンサ、あるいは、受電体20Aの外部の機器に対する電力の送受を行う電源(例えば二次電池)として構成することができる。また、図10においては負荷21を1つのみ示しているが、相互に直列又は並列に接続された複数の負荷21対して電力供給を行ってもよい。
(全体構成−受電体−受電電極)
第1受電電極22a及び第2受電電極22bは、相互に同一正方形状の金属板として形成されている。これら第1受電電極22aと第2受電電極22bの各々は、送電体10Aから供給された電力を受電するものであり、それぞれ平板状の導電体として構成されている。これら第1受電電極22aと第2受電電極22bは、受電体20Aにおける送電体10Aとの対向面において外部に露出するように並設されており、表面絶縁層7の上面に直接的に接触する位置又は微小間隔を隔てた位置で、当該表面絶縁層7に対して略平行に配置される。なお、以下では、これら第1受電電極22aと第2受電電極22bとを相互に区別する必要がない場合には、これらを単に「受電電極22」と総称する。
第1受電電極22a及び第2受電電極22bは、相互に同一正方形状の金属板として形成されている。これら第1受電電極22aと第2受電電極22bの各々は、送電体10Aから供給された電力を受電するものであり、それぞれ平板状の導電体として構成されている。これら第1受電電極22aと第2受電電極22bは、受電体20Aにおける送電体10Aとの対向面において外部に露出するように並設されており、表面絶縁層7の上面に直接的に接触する位置又は微小間隔を隔てた位置で、当該表面絶縁層7に対して略平行に配置される。なお、以下では、これら第1受電電極22aと第2受電電極22bとを相互に区別する必要がない場合には、これらを単に「受電電極22」と総称する。
この状態において第1受電電極22aと第2受電電極22bは、表面絶縁層7を挟んで第1送電電極12a又は第2送電電極12bのいずれかに対向配置され、これら第1送電電極12a又は第2送電電極12bと共にコンデンサ30(第1コンデンサ30a、第2コンデンサ30b)を構成する。ここで、電力被供給領域3には送電電極12は露出していないため、これら送電電極12と受電電極22とは相互に非接触状態で配置されることになる。
(全体構成−受電体−コイル)
コイル23は、少なくとも第1コンデンサ30a又は第2コンデンサ30bのいずれか一方に対して直列に配置されるもので、この第1コンデンサ30a又は第2コンデンサ30bと共にLC直列共振回路を構成して、直列共振による送電を可能とする。このコイル23は、直列共振可能な限りにおいて任意の構成及び配置をとり得るものであり、例えば送電体10Aに配置してもよいが、ここでは受電体20Aに配置している。特に、このようにコイル23を受電体20Aに配置することで、共通構成の送電体10Aから様々な構成の受電体20Aに対して電力供給を行う場合であっても、直列共振条件を各受電体20A側で設定することが可能となり、各受電体20Aに対して直接共振条件を維持することが容易になる。なお、図10の例では、第1受電電極22aのみにコイル23を直列接続しているが、第2受電電極22bのみに接続してもよく、あるいは、第1受電電極22aと第2受電電極22bの両方に接続してもよい。
コイル23は、少なくとも第1コンデンサ30a又は第2コンデンサ30bのいずれか一方に対して直列に配置されるもので、この第1コンデンサ30a又は第2コンデンサ30bと共にLC直列共振回路を構成して、直列共振による送電を可能とする。このコイル23は、直列共振可能な限りにおいて任意の構成及び配置をとり得るものであり、例えば送電体10Aに配置してもよいが、ここでは受電体20Aに配置している。特に、このようにコイル23を受電体20Aに配置することで、共通構成の送電体10Aから様々な構成の受電体20Aに対して電力供給を行う場合であっても、直列共振条件を各受電体20A側で設定することが可能となり、各受電体20Aに対して直接共振条件を維持することが容易になる。なお、図10の例では、第1受電電極22aのみにコイル23を直列接続しているが、第2受電電極22bのみに接続してもよく、あるいは、第1受電電極22aと第2受電電極22bの両方に接続してもよい。
(全体構成−受電体−極性維持部)
極性維持部24は、受電電極22の極性を所定の極性に維持するための極性維持手段であり、第1受電電極22aと第2受電電極22bのうち、少なくとも一つを正極に維持すると共に、少なくとも他の一つを負極に維持する。具体的には、極性維持部24は、直流電源24a、スイッチ24b、及びチョークコイル24cを備えて構成されている。直流電源24aは、例えば電池である。スイッチ24bは、極性維持部24のオンとオフを切り替える切り替え手段であり、第2受電電極22bを、直流電源24aとバイパス線路24dのいずれかに選択的に切り替える。チョークコイル24cは、交流電源11から供給される電力の高周波成分を阻止するものである。このような構成において、図10に示すように、スイッチ24bを介して第2受電電極22bを直流電源24aに接続した状態では、第1受電電極22aが正極と負極のいずれか一方(ここでは、正極)に維持されると共に、第2受電電極22bが正極と負極のいずれか他方(ここでは、負極)に維持されることになる。
極性維持部24は、受電電極22の極性を所定の極性に維持するための極性維持手段であり、第1受電電極22aと第2受電電極22bのうち、少なくとも一つを正極に維持すると共に、少なくとも他の一つを負極に維持する。具体的には、極性維持部24は、直流電源24a、スイッチ24b、及びチョークコイル24cを備えて構成されている。直流電源24aは、例えば電池である。スイッチ24bは、極性維持部24のオンとオフを切り替える切り替え手段であり、第2受電電極22bを、直流電源24aとバイパス線路24dのいずれかに選択的に切り替える。チョークコイル24cは、交流電源11から供給される電力の高周波成分を阻止するものである。このような構成において、図10に示すように、スイッチ24bを介して第2受電電極22bを直流電源24aに接続した状態では、第1受電電極22aが正極と負極のいずれか一方(ここでは、正極)に維持されると共に、第2受電電極22bが正極と負極のいずれか他方(ここでは、負極)に維持されることになる。
ただし、極性維持部24は、他の構成としてもよい。図20は送電体10A及び受電体20Aを簡略化して示す縦断面図である。この図20に示す受電体20Aにおいては、極性維持部24が、第1受電電極22aに固定された第1受電側エレクトレット板24eと、第2受電電極22bに固定された第2受電側エレクトレット板24fとして構成されている。第1受電側エレクトレット板24eと第2受電側エレクトレット板24fには、相互に電荷が異なる方向で帯電されている。具体的には、第1受電側エレクトレット板24eは、第1受電電極22aに接する側の第1側面が負電荷に恒久的に帯電されると共に、反対側の第2側面が正電荷に恒久的に帯電されている。また、第2受電側エレクトレット板24fは、第2受電電極22bに接する側の第1側面が正電荷に恒久的に帯電されると共に、反対側の第2側面が負電荷に恒久的に帯電されている。このような構成において、第1受電電極22aが正極と負極のいずれか一方(ここでは、正極)に維持されると共に、第2受電電極22bが正極と負極のいずれか他方(ここでは、負極)に維持されることになる。
また、図21は送電体10A及び受電体20Aを簡略化して示す縦断面図である。この図21に示す受電体20Aにおいては、極性維持部24が、第1受電電極22a又は第2受電電極22bのいずれか一方(ここでは、第2受電電極22b)のみに固定された受電側エレクトレット板24gとして構成されており、この受電側エレクトレット板24gには導電層24hが形成されており、この導電層24hが線路24iを介して第1受電電極22a又は第2受電電極22bのいずれか他方(ここでは、第1受電電極22a)に接続されている。この受電側エレクトレット板24gは、第2受電電極22bに接する側の第1側面が正電荷に恒久的に帯電されると共に、導電層24hに接触する側の第2側面が負電荷に恒久的に帯電されている。このような構成において、第1受電電極22aが正極と負極のいずれか一方(ここでは、正極)に維持されると共に、第2受電電極22bが正極と負極のいずれか他方(ここでは、負極)に維持されることになる。ただし、この図21の構成では、導電層13iと第2受電電極22bとによって構成されるコンデンサのインピーダンスが、交流電源11の周波数において大きいものである必要がある。これら図20及び図21に示す構成では、図10に示すような直流電源24aやスイッチ24bを省略できるので、受電体20Aの寿命や信頼性を一層向上させることができる。
(構成−表面絶縁層)
次に、図10に示す表面絶縁層7について説明する。この表面絶縁層7は、コンデンサ(図1に等価的に示したコンデンサ13g)を構成し得る誘電材料にて構成される。このような誘電材料としては、例えばテフロン(登録商標)を採用することができる。この誘電材料は、表面絶縁層7に用いる場合以外にも、送電電極12における受電電極22側の面や、受電電極22における送電電極12側の面にコーティングすることもできる。また、このように表面絶縁層7に使用する材料や、送電電極12や受電電極22のコーティングに使用する材料には、送電電極12と受電電極22の相互間の所要の絶縁性を保持するための絶縁性能を持たせることが好ましい。
次に、図10に示す表面絶縁層7について説明する。この表面絶縁層7は、コンデンサ(図1に等価的に示したコンデンサ13g)を構成し得る誘電材料にて構成される。このような誘電材料としては、例えばテフロン(登録商標)を採用することができる。この誘電材料は、表面絶縁層7に用いる場合以外にも、送電電極12における受電電極22側の面や、受電電極22における送電電極12側の面にコーティングすることもできる。また、このように表面絶縁層7に使用する材料や、送電電極12や受電電極22のコーティングに使用する材料には、送電電極12と受電電極22の相互間の所要の絶縁性を保持するための絶縁性能を持たせることが好ましい。
(電力供給動作)
次に、このように構成された電力供給システム1Aによる電力供給動作について、図10を参照しつつ説明する。まず、ユーザは、極性維持部24をオンにした状態の受電体20Aを、表面絶縁層7を介して送電体10Aの上方に置く。ここでは、ユーザは、第1受電電極22aが第1送電電極12a又は第2送電電極12bのいずれか一方に対向し、第2受電電極22bが第1送電電極12a又は第2送電電極12bのいずれか他方に対向するように、受電体20Aを配置した場合を想定する。ただし、この配置は厳密に行う必要はなく、例えば、第1受電電極22aが第1送電電極12aと第2送電電極12bの両方に跨る状態となった場合でも、第1送電電極12aに対向する第1受電電極22aの面積と、第2送電電極12bに対向する第1受電電極22aの面積との比率に応じて、これら第1送電電極12aと第2送電電極12bの極性が決定される。
次に、このように構成された電力供給システム1Aによる電力供給動作について、図10を参照しつつ説明する。まず、ユーザは、極性維持部24をオンにした状態の受電体20Aを、表面絶縁層7を介して送電体10Aの上方に置く。ここでは、ユーザは、第1受電電極22aが第1送電電極12a又は第2送電電極12bのいずれか一方に対向し、第2受電電極22bが第1送電電極12a又は第2送電電極12bのいずれか他方に対向するように、受電体20Aを配置した場合を想定する。ただし、この配置は厳密に行う必要はなく、例えば、第1受電電極22aが第1送電電極12aと第2送電電極12bの両方に跨る状態となった場合でも、第1送電電極12aに対向する第1受電電極22aの面積と、第2送電電極12bに対向する第1受電電極22aの面積との比率に応じて、これら第1送電電極12aと第2送電電極12bの極性が決定される。
図10のように受電体20Aを配置した場合、第1受電電極22aが極性維持部24により正極に維持されていることから、第1受電電極22aに対向配置された第1送電電極12aには負電荷が誘起され、この第1送電電極12aと接続片12cを介して接続された静電端子13dには正電荷が誘起される。すると、この静電端子13dの正電荷に対して、第1静電駆動スイッチのエレクトレット板13cの正電荷が反発すると共に負電荷が吸引されるため、エレクトレット板13cが可動方向に沿って第2位置に近接する側に可動し、エレクトレット板13cの絶縁層13jが第2位置の静電端子13d及び第2電源端子13e2に接触する。このことにより、絶縁層13jを介して、第2位置の静電端子13dと第2電源端子13e2とが電界結合される。したがって、第1送電電極12aが、接続片12c、静電端子13d、絶縁層13j、導電層13i、第2電源端子13e2を順次介して、交流電源11の第2極11bに電界結合を介して接続される。なお、第2位置の静電端子13dと第2電源端子13e2とが電界結合している限りにおいて、絶縁層13jは、第2位置の静電端子13d及び第2電源端子13e2に対して、直接接触している必要はなく、微小空間を隔てて近接していてもよい。
また同様に、図10のように受電体20Aを配置した場合、第2受電電極22bが極性維持部24により負極に維持されていることから、第2受電電極22bに対向配置された第2送電電極12bには正電荷が誘起され、この第2送電電極12bと接続片12dを介して接続された静電端子13dには負電荷が誘起される。すると、この静電端子13dの負電荷に対して、第2静電駆動スイッチのエレクトレット板13cの正電荷が吸引されると共に負電荷が反発するため、エレクトレット板13cが可動方向に沿って第1位置に近接する側に可動し、エレクトレット板13cの絶縁層13jが第1位置の静電端子13d及び第1電源端子13e1に接触する。このことにより、絶縁層13jを介して、第1位置の静電端子13dと第1電源端子13e1とが電界結合される。したがって、第2送電電極12bが、接続片12d、静電端子13d、絶縁層13j、導電層13i、第2電源端子13e2を順次介して、交流電源11の第1極11aに電界結合を介して接続される。なお、第1位置の静電端子13dと第1電源端子13e1とが電界結合している限りにおいて、絶縁層13jは、第1位置の静電端子13d及び第1電源端子13e1に対して直接接触している必要はなく、微小空間を隔てて近接していてもよい。
このように、第1送電電極12aが交流電源11の第2極11bに接続されると共に、第2送電電極12bが交流電源11の第1極11aに接続されるので、第1送電電極12aと第1受電電極22aによって構成されるコンデンサ30aと、第2送電電極12bと第2受電電極22bによって構成されるコンデンサ30bとを介して、送電体10Aから受電体20Aの負荷21に交流電力が供給される。特に、交流電源11の周波数を直列共振周波数とすることで、第1送電電極12aと第1受電電極22aによって構成されるコンデンサ30aと、コイル23とによって構成された、CL直列共振回路を介して、高効率で電力が供給される。
また、受電体20Aの配置向きを、図10とは逆向きとした場合にも、電力が供給される。すなわち、今度は、ユーザが、第1受電電極22aを第2送電電極12bに対向させると共に第2受電電極22bを第1送電電極12aに対向させるように、受電体20Aを配置した場合を想定する。この場合、第1静電駆動スイッチ13aにおいては、エレクトレット板13cが図10とは逆に第1位置に近接する側に可動することで、エレクトレット板13cの絶縁層13jが第1位置の静電端子13d及び第1電源端子13e1に接触して、第1送電電極12aが、接続片12c、静電端子13d、絶縁層13j、導電層13i、第1電源端子13e1を順次介して、交流電源11の第1極11aに電界結合を介して接続される。一方、第2静電駆動スイッチ13bにおいては、エレクトレット板13cが図10とは逆に第2位置に近接する側に可動することで、エレクトレット板13cの絶縁層13jが第2位置の静電端子13d及び第2電源端子13e2に接触して、第2送電電極12bが、接続片12d、静電端子13d、絶縁層13j、導電層13i、第2電源端子13e2を順次介して、交流電源11の第2極11bに電界結合を介して接続される。したがって、この場合にも、第1送電電極12aと第2受電電極22bによって構成されるコンデンサ30aと、第2送電電極12bと第1受電電極22aによって構成されるコンデンサ30bとを介して、送電体10Aから受電体20Aの負荷21に交流電力が供給される。このように、受電体20Aの配置向きに関わらず電力供給を行うことができるので、受電体20Aの配置向きの自由度を高め、いわゆるフリーポジション化を達成することができる。
(実施の形態1の効果)
このような構成によれば、静電端子13dに生じた電荷によってエレクトレット板13cを可動方向に沿って駆動させることにより、電源と送電電極12との接続状態を切り替えることができ、送電体10Aに対する受電体20Aの配置向きに関わらず電力供給を行うことができるので、受電体20Aの配置向きの自由度を高め、いわゆるフリーポジション化を達成することができる。
特に、電荷によってエレクトレット板13cを駆動させることで、カンチレバーのように部材変形を伴う機械的動作が不要になるため、金属疲労や溶着の問題を解消することができ、電力供給システム1Aの寿命や信頼性を向上させることができる。
さらに、エレクトレット板13cの導電層13iを絶縁層13jで被覆した場合には、絶縁層13jを介して第1電源端子13e1又は第2電源端子13e2が静電端子13dに接続されるので、これらの端子間のコンデンサ容量が増大(インピーダンスが低下)して、高周波電流による電力供給を行うことが可能になる。
このような構成によれば、静電端子13dに生じた電荷によってエレクトレット板13cを可動方向に沿って駆動させることにより、電源と送電電極12との接続状態を切り替えることができ、送電体10Aに対する受電体20Aの配置向きに関わらず電力供給を行うことができるので、受電体20Aの配置向きの自由度を高め、いわゆるフリーポジション化を達成することができる。
特に、電荷によってエレクトレット板13cを駆動させることで、カンチレバーのように部材変形を伴う機械的動作が不要になるため、金属疲労や溶着の問題を解消することができ、電力供給システム1Aの寿命や信頼性を向上させることができる。
さらに、エレクトレット板13cの導電層13iを絶縁層13jで被覆した場合には、絶縁層13jを介して第1電源端子13e1又は第2電源端子13e2が静電端子13dに接続されるので、これらの端子間のコンデンサ容量が増大(インピーダンスが低下)して、高周波電流による電力供給を行うことが可能になる。
また、エレクトレット板13cを可動方向に沿って平行移動可能としたので、絶縁層13jや導電層13iを静電端子13dと第1電源端子13e1又は第2電源端子13e2に対して常に安定した均等な状態で接触させることができ、静電端子13dと第1電源端子13e1又は第2電源端子13e2との相互間のインピーダンスを最小化しつつ、第1電源端子13e1又は第2電源端子13e2から静電端子13dへの電力供給を確実に行うことが可能になる。
また、静電端子13dの形状と第1電源端子13e1又は第2電源端子13e2の形状とを、櫛形状又は渦巻き状に形成したので、静電端子13dとエレクトレット板13cとの相互間に生じる吸引力又は反発力と、第2電源端子13e2とエレクトレット板13cとの相互間に生じる吸引力又は反発力とを、エレクトレット板13cの各部に対して均等に生じさせることが可能になる。
また、受電体20Aは、受電電極22と極性維持部24とを備えるので、受電電極22の極性を極性維持部24によって正極又は負極に維持することができ、この受電電極22の極性に応じて送電体10Aの静電駆動スイッチ13を切り替えることができる。
また、極性維持部24をエレクトレット板13cを用いて構成した場合には、電源やスイッチを使用することなく受電電極22の極性を正極又は負極に維持することができるので、電力供給システム1Aの寿命や信頼性を向上させることができる。
〔実施の形態2〕
次に、実施の形態2について説明する。この実施の形態2は、複数の送電電極に対して一つの受電電極が同時に対向配置可能になるようにした形態である。ただし、実施の形態2の構成及び動作に関し、特に説明なき構成及び動作は実施の形態1と同じであり、必要に応じて実施の形態1と同じ符号を付して、その説明を省略する。
次に、実施の形態2について説明する。この実施の形態2は、複数の送電電極に対して一つの受電電極が同時に対向配置可能になるようにした形態である。ただし、実施の形態2の構成及び動作に関し、特に説明なき構成及び動作は実施の形態1と同じであり、必要に応じて実施の形態1と同じ符号を付して、その説明を省略する。
図22、図23は本実施の形態に係る送電体10A及び受電体20Aを簡略化して示す縦断面図であり、図22は送電体10Aに対して受電体20Aがずれることなく配置された状態を示す図、図23は送電体10Aに対して受電体20Aがずれて配置された状態を示す図である。また、図24は図23の送電電極12と受電電極22の配置関係を示すための平面図である。本実施の形態では、複数の送電電極12に対して一つの受電電極22が同時に対向配置可能となるように、送電体10A及び受電体20Aが構成されている。なお、図22及び図23では、図21に示した受電体20Aを使用した例を示す。また、図24では、実際には送電電極12は表面絶縁層7にて覆われて非露出状に配置されているが、説明のために、表面絶縁層7を省略して送電電極12を露出させた状態を示す。
具体的には、送電体10Aは、3つ以上(ここでは、10個)の送電電極12と、これら送電体10Aの各々に接続された3つ以上(ここでは、10個)の静電駆動スイッチ13を備えて構成されている。送電電極12は、所定の均等間隔(例えば、5mm間隔)で並設されている。これら静電駆動スイッチ13における第1電源端子13e1は、共通の線路40を介して交流電源11の第1極11aに接続されており、第2電源端子13e2は、共通の線路42を介して交流電源11の第2極11bに接続されている。この構成においては、正極の受電電極22に対向配置された複数の送電電極12の各々が、静電駆動スイッチ13を介して交流電源11の第2極11bに同時に接続され、負極の受電電極22に対向配置された複数の送電電極12の各々が、静電駆動スイッチ13を介して交流電源11の第1極11aに同時に接続されて、電力供給が行われる。
特に、本実施の形態では、図24に示すように、1つの送電電極12の面積を、1つの受電電極22の面積の半分以下(ここでは、約4分の1以下)とすることで、複数の送電電極12に対して一つの受電電極22が同時に対向配置可能となっている。したがって、送電体10Aに対する受電体20Aの配置位置や配置向きに関わらず、受電電極22に対してほぼ同数の送電電極12が常に対向配置されることになり、受電体20Aの配置の自由度を一層高めることができる。
また、本実施の形態では、受電体20Aの複数の受電電極22の相互間隔W1を、送電体10Aの複数の送電電極12の各々の幅W2と、複数の送電電極12の配置間隔W3との合計値の1.414倍(対角線長)より、大きくしている。このため、第1受電電極22aと第2受電電極22bの両方が、一つの送電電極12に対向配置されることを回避することができる。
また、図23及び図24に示すように、送電体10Aに対して受電体20Aがずれた状態(送電電極12の側面と受電電極22の側面とが、これら送電電極12や受電電極22の面方向に直交する同一線上にない状態)で配置されることも考えられる。しかし、この状態においても、送電電極12と受電電極22との対向面積に応じて、送電電極12の極性が正極又は負極のいずれか一方になるので、図22の場合と同様に電力供給を行うことができる。なお、図24においては、送電電極12や受電電極22を正方形状としているが、円形状等としてもよい。
(実施の形態2の効果)
この実施の形態2によれば、複数の送電電極12に対して一つの受電電極22を同時に対向配置可能としたので、送電体10Aに対する受電体20Aの配置の自由度を一層高めることができる。
この実施の形態2によれば、複数の送電電極12に対して一つの受電電極22を同時に対向配置可能としたので、送電体10Aに対する受電体20Aの配置の自由度を一層高めることができる。
〔実施の形態3〕
次に、実施の形態3について説明する。この実施の形態3は、複数の送電体を並設した形態である。ただし、実施の形態3の構成及び動作に関し、特に説明なき構成及び動作は実施の形態1と同じであり、必要に応じて実施の形態1と同じ符号を付して、その説明を省略する。
次に、実施の形態3について説明する。この実施の形態3は、複数の送電体を並設した形態である。ただし、実施の形態3の構成及び動作に関し、特に説明なき構成及び動作は実施の形態1と同じであり、必要に応じて実施の形態1と同じ符号を付して、その説明を省略する。
図25は本実施の形態に係る送電体10A及び受電体20Aを簡略化して示す縦断面図であり、(a)は1つの受電電極が複数の交流電源を跨がないように配置された状態を示す図、(b)(c)は受電電極が複数の交流電源を跨ぐように配置された状態を示す(なお、図25では、受電体20Aを簡略化して示す)。図26は図25の送電電極の配置状態を示す平面図である。本実施の形態では、実施の形態2に比べて広い面積で電力供給を行うことを想定している。この場合であっても、実施の形態2のように、送電体10Aを一つのみ設け、一つの交流電源11に対して多数の送電電極12や多数の静電駆動スイッチ13を接続することも考えられるが、このように一つ交流電源11に多数の静電駆動スイッチ13を接続した場合には、静電駆動スイッチ13の静電容量に起因する問題が生じ得る。すなわち、受電体20Aが対向配置されているためにオン状態(通電している状態)になっている静電駆動スイッチ13の静電容量と、受電体20Aが対向配置されていないためにオフ状態(通電していない状態)になっている静電駆動スイッチ13の静電容量とが、3桁程度の比である場合において、一つ交流電源11に千個程度の静電駆動スイッチ13を接続すると、オフ状態の静電駆動スイッチ13の静電容量の合計値が、オン状態の一つの静電駆動スイッチ13の静電容量と同等になってしまい、オフ状態の静電駆動スイッチ13が等価的にオン状態になってしまうという問題がある。
そこで、本実施の形態では、一つの交流電源11に接続する静電駆動スイッチ13の合計数を所定数(以下、配置上限数)以下に制限するため、配置上限数以下の静電駆動スイッチ13のみを備える送電体10Aの単位モジュールとして、この送電体10Aを必要な数だけ並設している。図26には、4つの単位モジュールの送電体10Aに接続された送電電極を示しており、1つの単位モジュールの送電体10Aに接続された送電電極の数(1つの単位モジュールの送電体10Aに接続された静電駆動スイッチ13の配置上限数に同じ)は、49個(7列×7行)としている。この配置上限数は、全ての静電駆動スイッチ13がオフ状態になった場合であっても、等価的にオン状態になることがないように設定される。このように送電体10Aをモジュール化することで、広い面積で電力供給を行う場合においても、オフ状態の静電駆動スイッチ13が等価的にオン状態になることを防止できる。また、モジュール化することで、送電体10Aの製造コストを低減できると共に、その信頼性を向上させることができる。
ここで、このように送電体10Aを単位モジュールに分けて複数設けた場合には、図25(b)(c)に示すように、別個の交流電源11に対して一つの受電電極22が配置される可能性が生じる。これら各図では、第2受電電極22bが、異なる送電体10Aの送電電極12に同時に対向配置されている。この場合、これら複数の送電体10Aの交流電源11は、相互に同期させることが好ましく、同一の周波数で電力供給を行うことが好ましい。このように同期を取った場合には、複数の送電体10Aをあたかも一つの大きな送電体10Aとして動作させ、送電体10Aの相互間の連続性を維持しながら電力供給を行うことが可能になる。また、受電体20Aの負荷21が大きい場合には、受電電極22も大型化することが考えられるが、このような大型の受電電極22が複数の送電体10Aの送電電極12に同時に対向配置されることで、複数の交流電源11から電力供給を行うことが可能になるため、一つの交流電源11の容量は小さくすることができ、送電体10Aの製造コストを一層低減することができる。ただし、大電力を比較的小さな受電電極22で受電する必要がある場合には、面積の大きな受電専用プレートを介して、受電電極22を送電電極12に対向配置させてもよい。
(実施の形態3の効果)
この実施の形態3によれば、送電体10Aをモジュール化したので、広い面積で電力供給を行う場合においても、オフ状態の静電駆動スイッチ13が等価的にオン状態になることを防止できる。また、モジュール化することで、送電体10Aの製造コストを低減できると共に、その信頼性を向上させることができる。さらに、複数の送電体10Aの各々の交流電源11を相互に同期させることで、複数の送電体10Aをあたかも一つの大きな送電体10Aとして動作させ、送電体10Aの相互間の連続性を維持しながら電力供給を行うことが可能になる。
この実施の形態3によれば、送電体10Aをモジュール化したので、広い面積で電力供給を行う場合においても、オフ状態の静電駆動スイッチ13が等価的にオン状態になることを防止できる。また、モジュール化することで、送電体10Aの製造コストを低減できると共に、その信頼性を向上させることができる。さらに、複数の送電体10Aの各々の交流電源11を相互に同期させることで、複数の送電体10Aをあたかも一つの大きな送電体10Aとして動作させ、送電体10Aの相互間の連続性を維持しながら電力供給を行うことが可能になる。
〔III〕各実施の形態に対する変形例
以上、本発明の各実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
以上、本発明の各実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
(解決しようとする課題や発明の効果について)
また、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。
また、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。
(各実施の形態の相互の適用について)
各実施の形態に示した構成や動作は、相互に適用することができる。例えば、実施の形態1において図20を参照して説明した受電体20Aを、実施の形態2や実施の形態3の受電体20Aに適用することで、電力供給システムを構成してもよい。
各実施の形態に示した構成や動作は、相互に適用することができる。例えば、実施の形態1において図20を参照して説明した受電体20Aを、実施の形態2や実施の形態3の受電体20Aに適用することで、電力供給システムを構成してもよい。
(送電体や受電体の配置箇所について)
上記の実施の形態では、送電体10Aを机5の天板6の下方領域に配置すると共に、受電体20Aを机5の天板6の上方領域に配置した例を示したが、このような上下方向に限定されず、送電体10A及び受電体20Aは任意の方向にて配置することができる。例えば、送電体10Aを壁面内や天井内に配置すると共に、受電体20Aを壁面や天井に接触又は所定間隔を隔てて配置してもよい。
上記の実施の形態では、送電体10Aを机5の天板6の下方領域に配置すると共に、受電体20Aを机5の天板6の上方領域に配置した例を示したが、このような上下方向に限定されず、送電体10A及び受電体20Aは任意の方向にて配置することができる。例えば、送電体10Aを壁面内や天井内に配置すると共に、受電体20Aを壁面や天井に接触又は所定間隔を隔てて配置してもよい。
(回路構成について)
また、図示した回路構成の詳細については、特記した場合を除いて任意に変更することができ、例えば、平滑用コンデンサを付加したり、過電流保護用の回路素子を追加してもよく、あるいは、特記した構成に関しても同様の機能を公知の他の回路構成にて代替してもよい。また、静電駆動スイッチ13に対する送電電極12の接続数についても変更することができ、1つの静電駆動スイッチ13に複数の送電電極12を接続したり、複数の静電駆動スイッチ13に1つの送電電極12を接続してもよい。
また、図示した回路構成の詳細については、特記した場合を除いて任意に変更することができ、例えば、平滑用コンデンサを付加したり、過電流保護用の回路素子を追加してもよく、あるいは、特記した構成に関しても同様の機能を公知の他の回路構成にて代替してもよい。また、静電駆動スイッチ13に対する送電電極12の接続数についても変更することができ、1つの静電駆動スイッチ13に複数の送電電極12を接続したり、複数の静電駆動スイッチ13に1つの送電電極12を接続してもよい。
(通信機能について)
送電体10Aと受電体20Aとに、相互に通信を行うための通信部を設けてもよい。例えば、この通信部を介して、受電体20Aから送電体10Aに対して、負荷21に供給すべき電力の電力量や供給タイミングを送信し、あるいは、直列共振条件や並列共振条件を送信し、これら送信された情報に基づいて送電体10Aから電力供給を行うようにしてもよい。
送電体10Aと受電体20Aとに、相互に通信を行うための通信部を設けてもよい。例えば、この通信部を介して、受電体20Aから送電体10Aに対して、負荷21に供給すべき電力の電力量や供給タイミングを送信し、あるいは、直列共振条件や並列共振条件を送信し、これら送信された情報に基づいて送電体10Aから電力供給を行うようにしてもよい。
(適用対象について)
上記の実施の形態に係る電力供給システム1Aの具体的な適用例の一つとして、電気自動車を受電体20Aとした電力供給を挙げることができる。例えば、送電体10Aを電気自動車用のスタンドの床面に配置し、当該床面の上に停車した受電体20Aとしての電気自動車に対して、電力供給を行うことができる。この場合、必要に応じて、送電電極12を床面と共にリフトアップし、電気自動車の底面近傍に設けた受電電極22に近接させてもよい。あるいは、逆に、電気自動車の受電電極22をリフトダウンしてもよい。
上記の実施の形態に係る電力供給システム1Aの具体的な適用例の一つとして、電気自動車を受電体20Aとした電力供給を挙げることができる。例えば、送電体10Aを電気自動車用のスタンドの床面に配置し、当該床面の上に停車した受電体20Aとしての電気自動車に対して、電力供給を行うことができる。この場合、必要に応じて、送電電極12を床面と共にリフトアップし、電気自動車の底面近傍に設けた受電電極22に近接させてもよい。あるいは、逆に、電気自動車の受電電極22をリフトダウンしてもよい。
1Aから1H 電力供給システム
2 電力供給領域
3 電力被供給領域
4 境界面
5 机
6 天板
7 表面絶縁層
10Aから10H 送電体
11 交流電源
11a 第1極
11b 第2極
12 送電電極
12a 第1送電電極
12b 第2送電電極
12c、12d、13l、13m 接続片
13 静電駆動スイッチ
13a 第1静電駆動スイッチ
13b 第2静電駆動スイッチ
13c エレクトレット板
13d 静電端子
13e 電源端子
13e1 第1電源端子
13e2 第2電源端子
13f、31 抵抗
13g、17、18、27、28、30 コンデンサ
13h 可動空間
13i、24h 導電層
13j 絶縁層
13k、24i、40、42 線路
13n 筐体
13p 網目
14、15、23、24、25 コイル
16、26 トランス
20Aから20H 受電体
21 負荷
22 受電電極
22a 第1受電電極
22b 第2受電電極
24 極性維持部
24a 直流電源
24b スイッチ
24c チョークコイル
24d バイパス線路
24e 第1受電側エレクトレット板
24f 第2受電側エレクトレット板
24g 受電側エレクトレット板
29 アクティブキャパシタンス
30a 第1コンデンサ
30b 第2コンデンサ
41 グランド
2 電力供給領域
3 電力被供給領域
4 境界面
5 机
6 天板
7 表面絶縁層
10Aから10H 送電体
11 交流電源
11a 第1極
11b 第2極
12 送電電極
12a 第1送電電極
12b 第2送電電極
12c、12d、13l、13m 接続片
13 静電駆動スイッチ
13a 第1静電駆動スイッチ
13b 第2静電駆動スイッチ
13c エレクトレット板
13d 静電端子
13e 電源端子
13e1 第1電源端子
13e2 第2電源端子
13f、31 抵抗
13g、17、18、27、28、30 コンデンサ
13h 可動空間
13i、24h 導電層
13j 絶縁層
13k、24i、40、42 線路
13n 筐体
13p 網目
14、15、23、24、25 コイル
16、26 トランス
20Aから20H 受電体
21 負荷
22 受電電極
22a 第1受電電極
22b 第2受電電極
24 極性維持部
24a 直流電源
24b スイッチ
24c チョークコイル
24d バイパス線路
24e 第1受電側エレクトレット板
24f 第2受電側エレクトレット板
24g 受電側エレクトレット板
29 アクティブキャパシタンス
30a 第1コンデンサ
30b 第2コンデンサ
41 グランド
Claims (9)
- 受電体に電力供給を行うための送電体に配置された静電駆動スイッチであり、電源から供給された電力を前記受電体の受電電極に対向配置された前記送電体の送電電極に対して供給するために、前記電源と前記送電電極との接続状態を切り替えるための静電駆動スイッチであって、
可動空間を挟んで相互に対向する第1位置と第2位置とを結ぶ可動方向に沿って当該可動空間の内部で移動可能なエレクトレット板であり、前記第1位置に近接する側の第1側面が正電荷に帯電されると共に前記第2位置に近接する側の第2側面が負電荷に帯電されたものであって、あるいは、前記第1位置に近接する側の第1側面が正電荷又は負電荷の一方に帯電されると共に前記第2位置に近接する側の第2側面が非帯電とされたものであって、前記第1側面及び前記第2側面に導電層が形成されたエレクトレット板と、
前記第1位置と前記第2位置とに配置された端子であって、前記送電電極に接続される静電端子と、
前記第1位置において前記静電端子とは間隔を隔てて配置された電極であって、電源の第1極に接続された第1電源端子と、
前記第2位置において前記静電端子とは間隔を隔てて配置された電極であって、電源の第2極に接続された第2電源端子と、
前記エレクトレット板における前記静電端子、前記第1電源端子、及び前記第2電源端子に対向する面に配置され、あるいは、前記静電端子、前記第1電源端子、及び前記第2電源端子における前記エレクトレット板に対向する面に配置された、絶縁層とを備え、
前記受電電極に帯電させた静電荷により前記送電電極を介して前記静電端子に生じた静電荷によって、前記エレクトレット板を前記可動方向に沿って駆動させることにより、前記第1電源端子又は前記第2電源端子のいずれか一方を前記導電層及び前記絶縁層を介して前記静電端子に電界結合可能に近接又は接触させる、
静電駆動スイッチ。 - 受電体に電力供給を行うための送電体に配置された静電駆動スイッチであり、電源から供給された電力を前記受電体の受電電極に対向配置された前記送電体の送電電極に対して供給するために、前記電源と前記送電電極との接続状態を切り替える静電駆動スイッチであって、
可動空間を挟んで相互に対向する第1位置と第2位置とを結ぶ可動方向に沿って当該可動空間の内部で移動可能なエレクトレット板であり、前記第1位置に近接する側の第1側面が正電荷に帯電されると共に前記第2位置に近接する側の第2側面が負電荷に帯電されたものであって、あるいは、前記第1位置に近接する側の第1側面が正電荷又は負電荷の一方に帯電されると共に前記第2位置に近接する側の第2側面が非帯電とされたものであって、前記第1側面及び前記第2側面に導電層が形成されたエレクトレット板と、
前記第1位置と前記第2位置とに配置された端子であって、前記送電電極に接続される静電端子と、
前記第1位置において前記静電端子とは間隔を隔てて配置された電極であって、電源の第1極に接続された第1電源端子と、
前記第2位置において前記静電端子とは間隔を隔てて配置された電極であって、電源の第2極に接続された第2電源端子とを備え、
前記受電電極に帯電させた静電荷により前記送電電極を介して前記静電端子に生じた静電荷によって、前記エレクトレット板を前記可動方向に沿って駆動させることにより、前記第1電源端子又は前記第2電源端子のいずれか一方を前記導電層を介して前記静電端子に接続する、
静電駆動スイッチ。 - 前記静電端子の形状と、当該静電端子と同一位置に配置された前記第1電源端子又は前記第2電源端子の形状とを、当該静電端子と前記エレクトレット板との相互間に生じる吸引力又は反発力が、前記エレクトレット板の各部に対して均等に生じる形状とすることにより、前記エレクトレット板を前記可動方向に沿って平行移動可能とした、
請求項1又は2に記載の静電駆動スイッチ。 - 前記静電端子の形状と、当該静電端子と同一位置に配置された前記第1電源端子又は前記第2電源端子の形状とを、前記可動方向に沿って直交する面内において相互に間隔を隔てて噛み合う櫛形状又は渦巻き状に形成した、
請求項3に記載の静電駆動スイッチ。 - 受電体に電力供給を行うための送電体であって、
請求項1から4のいずれか一項に記載の静電駆動スイッチを複数備え、
前記複数の静電駆動スイッチの各々における前記静電端子に接続される送電電極であって、前記受電体に設けた複数の受電電極に対して対向配置される複数の送電電極を備える、
送電体。 - 電源、複数の静電駆動スイッチ、及び複数の送電電極を備えた送電体であって、前記複数の送電電極の各々に誘引された静電荷の極性に応じて前記静電駆動スイッチを駆動させることで前記電源と前記複数の送電電極との接続状態を切り替える送電体から、電力供給を受ける受電体であって、
前記送電体に設けた前記複数の送電電極に対して対向配置される複数の受電電極と、
前記複数の受電電極のうち、少なくとも一つに正電荷を誘引させた状態を維持すると共に、少なくとも他の一つに負電荷を誘引させた状態を維持する極性維持手段とを備え、
前記極性維持手段にて前記受電電極に誘引させた静電荷の極性に応じた静電荷を、当該受電電極に対向配置された前記送電電極に誘引させることで、前記静電駆動スイッチを駆動させる、
受電体。 - 前記極性維持手段は、前記複数の受電電極の少なくとも一つに設けられたものであって、前記受電電極に近接する側の側面が正電荷又は負電荷のいずれか一方に帯電されると共に前記受電電極から離れた側の側面が正電荷又は負電荷のいずれか他方に帯電され、あるいは、前記第1位置に近接する側の第1側面が正電荷又は負電荷の一方に帯電されると共に前記第2位置に近接する側の第2側面が非帯電とされたエレクトレット板を備える、
請求項6に記載の受電体。 - 送電体から受電体を介して所定の負荷に電力を供給するための電力供給システムであって、
請求項5に記載の送電体と、
請求項6又は7に記載の受電体とを備え、
前記送電体の送電電極と前記受電体の受電電極とを、相互に直接接触させることによって当該送電電極から当該受電電極に電力供給を行い、あるいは、相互に非接触状に対向配置させることによって構成されたコンデンサを介して、直列共振、並列共振又はアクティブキャパシタンス方式により電力供給を行う、
電力供給システム。 - 前記送電体の送電電極と前記受電体の受電電極の各々の電力給電面の面積を、複数の前記送電電極に対して一つの前記受電電極が同時に対向配置可能となる面積とし、
前記受電体の複数の受電電極の相互間隔を、前送電体の複数の送電電極の各々の電力給電面の幅より大きくした、
請求項8に記載の電力供給システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010267848A JP2012119160A (ja) | 2010-11-30 | 2010-11-30 | 静電駆動スイッチ、送電体、受電体、及び電力供給システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010267848A JP2012119160A (ja) | 2010-11-30 | 2010-11-30 | 静電駆動スイッチ、送電体、受電体、及び電力供給システム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2012119160A true JP2012119160A (ja) | 2012-06-21 |
Family
ID=46501770
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010267848A Pending JP2012119160A (ja) | 2010-11-30 | 2010-11-30 | 静電駆動スイッチ、送電体、受電体、及び電力供給システム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2012119160A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2013125091A1 (ja) * | 2012-02-22 | 2013-08-29 | 株式会社村田製作所 | 送電装置及び送電制御方法 |
JP2014135815A (ja) * | 2013-01-09 | 2014-07-24 | Kyushu Univ | 伝送システム、受電装置及び送電装置 |
JP2014220889A (ja) * | 2013-05-07 | 2014-11-20 | 昭和電工株式会社 | ワイヤレス給電方法及びワイヤレス給電システム |
JP2015154674A (ja) * | 2014-02-18 | 2015-08-24 | カシオ計算機株式会社 | 駆動素子及び駆動方法 |
JP2015534427A (ja) * | 2012-08-28 | 2015-11-26 | コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェKoninklijke Philips N.V. | 容量性無線給電システムのための電気的破壊保護 |
JPWO2014045375A1 (ja) * | 2012-09-20 | 2016-08-18 | 富士機械製造株式会社 | 非接触給電装置 |
-
2010
- 2010-11-30 JP JP2010267848A patent/JP2012119160A/ja active Pending
Cited By (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2013125091A1 (ja) * | 2012-02-22 | 2013-08-29 | 株式会社村田製作所 | 送電装置及び送電制御方法 |
GB2513264A (en) * | 2012-02-22 | 2014-10-22 | Murata Manufacturing Co | Power transmission device and power transmission control method |
JPWO2013125091A1 (ja) * | 2012-02-22 | 2015-07-30 | 株式会社村田製作所 | 送電装置及び送電制御方法 |
JP2015534427A (ja) * | 2012-08-28 | 2015-11-26 | コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェKoninklijke Philips N.V. | 容量性無線給電システムのための電気的破壊保護 |
JPWO2014045375A1 (ja) * | 2012-09-20 | 2016-08-18 | 富士機械製造株式会社 | 非接触給電装置 |
JP2014135815A (ja) * | 2013-01-09 | 2014-07-24 | Kyushu Univ | 伝送システム、受電装置及び送電装置 |
JP2014220889A (ja) * | 2013-05-07 | 2014-11-20 | 昭和電工株式会社 | ワイヤレス給電方法及びワイヤレス給電システム |
JP2015154674A (ja) * | 2014-02-18 | 2015-08-24 | カシオ計算機株式会社 | 駆動素子及び駆動方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2012119160A (ja) | 静電駆動スイッチ、送電体、受電体、及び電力供給システム | |
US8299877B2 (en) | Resonator for wireless power transmission | |
CN103843228B (zh) | 无线电力传输系统 | |
US20180083484A1 (en) | Receiver electrodes of a capacitive wireless powering system | |
US8013480B2 (en) | Linear vibration motor | |
EP2573950B1 (en) | Wireless power transmitting apparatus and method thereof | |
RU2565252C2 (ru) | Индукционная система электропитания | |
CN102456512A (zh) | 电磁开关装置 | |
CN101542666B (zh) | 高频继电器的连接结构 | |
US20140079253A1 (en) | Suspension and speaker using same | |
CN102543440A (zh) | 可变电容装置、天线模块及通信装置 | |
WO2013047732A1 (ja) | 電力供給システム | |
CN110912455B (zh) | 一种宽频带振动俘能器 | |
CN105264715A (zh) | 用于各种类型的物品的经改进的支撑件 | |
CN204707017U (zh) | 一种发电装置、控制器以及开关系统 | |
CN203983179U (zh) | 继电器导电结构 | |
KR101782877B1 (ko) | 무선 전력전송장치 및 방법 | |
CN103280941A (zh) | 一种微型驱动电机 | |
EP2780925B1 (en) | Contactor | |
WO2013168191A1 (ja) | 静電アクチュエーターおよび可変容量デバイス | |
US9793742B2 (en) | Wireless charging device including a case part and a powerless supply part | |
WO2013044446A1 (en) | Contactor | |
CN115249600A (zh) | 继电器 | |
JP2011188136A (ja) | スイッチおよび通信装置 | |
JP2006311423A (ja) | Mems型可変共振器 |