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JP2012163198A - 自動変速機の制御装置 - Google Patents

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JP2012163198A JP2011026375A JP2011026375A JP2012163198A JP 2012163198 A JP2012163198 A JP 2012163198A JP 2011026375 A JP2011026375 A JP 2011026375A JP 2011026375 A JP2011026375 A JP 2011026375A JP 2012163198 A JP2012163198 A JP 2012163198A
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Abstract

【課題】レンジ切換えにおける自動変速機の応答性を改善する。
【解決手段】運転者がシフト操作部31を操作すると、レンジ切換制御装置35は、モータ33を制御し、自動変速機2のレンジを目標レンジへ切換える。レンジ切換制御装置35は、自動変速機2が目標レンジに実際に切換られる前に、変速制御装置36に目標レンジ信号TRを送信する。変速制御装置36は、目標レンジ信号TRを受信すると、レンジ切換制御装置35によるレンジ切換の進行を予測して油圧制御の計画を設定し、計画に基づいて油圧制御を実行する。RレンジからDレンジへの切換の場合、変速制御装置36は、現在レンジ信号PRがDレンジを示す前にR圧制御を開始する。さらに、変速制御装置36現在レンジ信号PRに依存することなくD圧制御を開始する。自動変速機は、早期に目標レンジに対応した作動状態におかれる。
【選択図】図1

Description

本発明は、運転者のレンジ切換操作に応答して自動変速機を制御する自動変速機の制御装置に関する発明である。
特許文献1および特許文献2は、自動変速機の制御装置を開示している。これらの装置は、自動変速機(以下、ATともいう)の作動状態(以下、レンジともいう)をモータなどの電気的なアクチュエータによって移動させている。この装置は、運転者のレンジ切換操作を検出器によって検出する。レンジ制御装置は、モータを制御することによって、ATのレンジを切換えるマニュアルバルブを駆動し、マニュアルバルブを目的のレンジに位置付けている。このようなレンジ制御装置は、ATのレンジの切換を、機械的なリンク機構によることなく、電気的な装置によって実行することから、シフトバイワイヤ装置とも呼ばれる。
さらに、特許文献1は、レンジ切換を実行するレンジ切換用の制御装置と、ATの内部の複数の係合装置の油圧を制御する変速用の制御装置とを備える装置を開示している。この装置では、レンジ切換が完了すると、レンジ切換用の制御装置から、変速用の制御装置に信号が送信される。変速用の制御装置は、信号を受信した後に、レンジに応じた油圧制御を開始している。
特開2007−64268号公報 特開2008−239072号公報
従来技術の構成では、ATが切換後のレンジにて作動可能になるまでに長い待ち時間を要するという問題点があった。この待ち時間には、複数の原因に起因する時間が含まれることがある。例えば、待ち時間には、シフトバイワイヤ装置がレンジ切換に要する時間が含まれる場合がある。また、待ち時間には、目標レンジへの到達が確定的に検出されるために要する時間が含まれる場合がある。また、待ち時間には、切換前のレンジにおける油圧制御を解除するために要する時間が含まれる場合がある。また、待ちに時間には、切換後のレンジにおける油圧制御を完了するために要する時間が含まれる場合がある。このように、従来技術では、運転者が目標レンジへの切換操作を行ってから、ATが目標レンジにて作動可能になるまでに長い待ち時間を要する。このような待ち時間は、運転者に車両の応答性の悪さを感じさせる。
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、レンジ切換えにおける自動変速機の応答性を改善した自動変速機の制御装置を提供することである。
本発明は上記目的を達成するために以下の技術的手段を採用する。
請求項1に記載の発明は、自動変速機のレンジをアクチュエータを駆動することによって切換えるレンジ切換制御装置(35)と、自動変速機の油圧をレンジに応じて制御する油圧制御手段を備える変速制御装置(36)と、アクチュエータによるレンジの切換が完了する前に、レンジ切換制御装置から変速制御装置に少なくとも目標レンジを送信する送信手段とを備え、油圧制御手段は、アクチュエータによるレンジの切換に依存することなく、レンジ切換制御装置から変速制御装置に送信された目標レンジに基づいて油圧を制御することを特徴とする。
この構成によると、油圧制御手段によって実行される油圧制御は、アクチュエータによるレンジの切換に依存することなく、レンジ切換制御装置から変速制御装置に送信された目標レンジに基づいて実行される。このため、アクチュエータによるレンジの切換を待つことなく油圧制御を実行できる場合がある。また、実際のレンジを検出するために要する確定時間を待つことなく油圧制御を実行できる場合がある。この結果、レンジ切換が要求された後に、自動変速機を早期に目標レンジに対応した作動状態におくことができる。
請求項2に記載の発明は、油圧制御手段(164−165)は、目標レンジの送信に応答して、切換前のレンジにおける油圧状態から、目標レンジにおける油圧状態への制御を実行することを特徴とする。この構成によると、切換前のレンジにおける油圧状態から目標レンジにおける油圧状態への制御を、目標レンジへの実際の切換前に実行することができる。
請求項3に記載の発明は、油圧制御手段は、目標レンジの送信に応答して、係合状態を提供する油圧を、非係合状態を提供する油圧へ制御することを特徴とする。この構成によると、切換前のレンジにおける係合状態を提供する油圧から、目標レンジにおける非係合状態を提供する油圧への制御を、目標レンジへの実際の切換前に実行することができる。
請求項4に記載の発明は、油圧制御手段は、RレンジからDレンジへの切換である場合に、目標レンジの送信に応答して、切換前のRレンジにおけるR圧を減圧するR圧制御手段(164−165)を備えることを特徴とする。この構成によると、RレンジからDレンジへの切換である場合に、Dレンジへの切換の完了をまつことなく、R圧制御を実行し、開始することができる。
請求項5に記載の発明は、油圧制御手段は、目標レンジの送信に応答して、非係合状態を提供する油圧を、係合状態を提供する油圧へ制御することを特徴とする。この構成によると、切換前のレンジにおける非係合状態を提供する油圧から、目標レンジにおける係合状態を提供する油圧への制御を、目標レンジへの実際の切換前に実行することができる。
請求項6に記載の発明は、油圧制御手段は、RレンジからDレンジへの切換、またはPレンジからDレンジへの切換である場合に、目標レンジの送信に応答して、切換後のDレンジにおけるD圧を増圧することを特徴とする。この構成によると、RレンジまたはPレンジからDレンジへの切換である場合に、Dレンジへの切換の完了をまつことなく、D圧制御を実行し、開始することができる。
請求項7に記載の発明は、油圧制御手段は、さらに、目標レンジの送信に応答して、ライン圧を増圧するライン圧制御手段(261−264、271−274)を備えることを特徴とする。この構成によると、Dレンジへの切換の完了をまつことなく、ライン圧制御を実行し、D圧の増圧を促進することができる。
請求項8に記載の発明は、さらに、自動変速機のレンジが目標レンジに切換えられる時刻(T2)を予測し、この予測された時刻に基づいて油圧の制御を計画する計画手段(163、173、261、271)を備え、油圧制御手段(164−168、174−176、262−264、272−274)は、計画に基づいて油圧を制御するよう構成されていることを特徴とする。
この構成によると、油圧制御手段によって実行される油圧制御は、計画手段によって計画される。しかも、計画手段は、自動変速機のレンジが目標レンジに切換えられる時刻を予測する。そして、予測された時刻に基づいて油圧制御を計画する。このため、アクチュエータによって切換えられる自動変速機の実際のレンジに依存することなく、油圧制御が計画され、実行される。このため、アクチュエータによるレンジの切換を待つことなく油圧制御を実行できる場合がある。また、実際のレンジを検出するために要する確定時間を待つことなく油圧制御を実行できる場合がある。この結果、レンジ切換が要求された後に、自動変速機を早期に目標レンジに対応した作動状態におくことができる。
請求項9に記載の発明は、計画手段は、RレンジからDレンジへの切換、またはPレンジからDレンジへの切換である場合に、Dレンジに切換られる時刻(T2)を予測し、油圧制御手段は、その時刻が経過するとD圧を増圧することを特徴とする。この構成によると、RレンジまたはPレンジからDレンジへの切換である場合に、Dレンジへの切換の完了をまつことなく、D圧制御を実行し、開始することができる。
請求項10に記載の発明は、計画手段は、Dレンジに切換られる時刻(T2)に基づいて、ライン圧を増圧する時刻(T3)を設定し、油圧制御手段(261−264、271−274)は、さらに、ライン圧を増圧する時刻(T3)を経過するとライン圧を増圧することを特徴とする。この構成によると、Dレンジへの切換の完了をまつことなく、ライン圧制御を実行し、D圧の増圧を促進することができる。
請求項11に記載の発明は、変速制御装置は、計画手段を備えることを特徴とする。この構成によると、変速制御装置に計画手段が設けられる。
請求項12に記載の発明は、レンジ切換制御装置は、計画手段を備え、送信手段は、目標レンジと計画とをレンジ切換制御装置から変速制御装置に送信することを特徴とする。この構成によると、レンジ切換制御装置に計画手段が設けられる。
なお、特許請求の範囲および上記手段の項に記載した括弧内の符号は、ひとつの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
本発明を適用した第1実施形態に係る自動変速機の制御システムを示すブロック図である。 第1実施形態のレンジ切換制御を示すフローチャートである。 第1実施形態のR−D変速制御を示すフローチャートである。 第1実施形態のR−Dレンジ切換えにおける自動変速機の状態の変化を示すタイムチャートであって、(A)は目標レンジの変化を、(B)は現在レンジの変遷を、(C)はR圧の変化を、(D)はD圧の変化を示している。 第1実施形態のP−D変速制御を示すフローチャートである。 第1実施形態のP−Dレンジ切換えにおける自動変速機の状態の変化を示すタイムチャートであって、(A)は目標レンジの変化を、(B)は現在レンジの変遷を、(C)はR圧の変化を、(D)はD圧の変化を示している。 本発明を適用した第2実施形態に係る自動変速機のR−D変速制御を示すフローチャートである。 第2実施形態のR−Dレンジ切換えにおける自動変速機の状態の変化を示すタイムチャートであって、(A)は目標レンジの変化を、(B)は現在レンジの変遷を、(C)はR圧の変化を、(D)はD圧の変化を、(E)はライン圧の変化を示している。 第2実施形態のP−D変速制御を示すフローチャートである。 第2実施形態のP−Dレンジ切換えにおける自動変速機の状態の変化を示すタイムチャートであって、(A)は目標レンジの変化を、(B)は現在レンジの変遷を、(C)はR圧の変化を、(D)はD圧の変化を、(E)はライン圧の変化を示している。
以下に、図面を参照しながら本発明を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を適用することができる。各実施形態で具体的に組合せが可能であることを明示している部分同士の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、明示してなくとも実施形態同士を部分的に組み合せることも可能である。
(第1実施形態)
図1は、本発明を適用した第1実施形態に係る自動変速機の制御システム3を示すブロック図である。自動変速機(以下、ATともいう)の制御システム3は、内燃機関1を動力源の少なくとも一部として利用する車両に搭載されている。内燃機関1の出力はAT2によって減速され、車両の駆動輪に伝達される。
AT2は、複数の作動状態(以下、レンジともいう)を提供する。AT2は、複数の作動状態を切換えるためのマニュアルバルブと、マニュアルバルブを操作するためのマニュアルレバー21とを有する。AT2は、マニュアルレバー21が複数のレンジのそれぞれに応じた位置に位置づけられることにより、その位置に対応したレンジを提供する。AT2は、少なくともP、R、N、Dのレンジを提供する。
Pレンジは、車両を停車させるためのレンジであり、パーキングレンジとも呼ばれる。Pレンジにおいては、AT2の出力軸を機械的にロックすることにより車両の駆動輪の回転が禁止される。
Rレンジは、車両を後退方向へ走行させるためのレンジであり、リバースレンジとも呼ばれる。Rレンジにおいては、AT2内の係合手段としてのRレンジ係合クラッチを作動させるための油圧であるR圧が制御される。R圧は、AT2をRレンジに対応した作動状態とするように制御される。R圧は、他のレンジからRレンジへ切換られる場合、すなわち目標レンジがRレンジである場合、Rレンジ係合クラッチを非係合状態から係合状態へ遷移させるために、開放状態から加圧状態へ増圧される。一方、R圧は、Rレンジから他のレンジへ切換られる場合、すなわち目標レンジがRレンジ以外の他のレンジである場合、Rレンジ係合クラッチを係合状態から非係合状態へ遷移させるために、加圧状態から開放状態へ減圧される。さらに、R圧は、Rレンジと隣接するPレンジまたはNレンジとの間の切換え時において、車両の振動、ショック等の望ましくない挙動を抑制するように制御される。AT2は、R圧を制御するためのR圧制御用の電磁弁22を備える。
Nレンジは、内燃機関1と車両の駆動輪との連動を断つレンジであり、ニュートラルレンジとも呼ばれる。
Dレンジは、車両を前進方向に走行させるためのレンジであり、ドライブレンジとも呼ばれる。Dレンジにおいては、AT2内の係合手段としてのDレンジ係合クラッチを作動させるための油圧であるD圧が制御される。D圧は、AT2をDレンジに対応した作動状態とするように制御される。D圧は、他のレンジからDレンジへ切換られる場合、すなわち目標レンジがDレンジである場合、Dレンジ係合クラッチを非係合状態から係合状態へ遷移させるために、開放状態から加圧状態へ増圧される。一方、D圧は、Dレンジから他のレンジへ切換られる場合、すなわち目標レンジがDレンジ以外の他のレンジである場合、Dレンジ係合クラッチを係合状態から非係合状態へ遷移させるために、加圧状態から開放状態へ減圧される。さらに、D圧は、Dレンジと隣接するNレンジとの間の切換え時において、車両の振動、ショック等の望ましくない挙動を抑制するように制御される。AT2は、D圧を制御するためのD圧制御用の電磁弁23を備える。
AT2は、さらに、車両を低速走行させるためのLレンジなどを備えることができる。AT2は、その内部に設けられた複数のクラッチを作動させるためのライン圧を有している。ライン圧は、少なくともD圧を増圧するための油圧源として供給される。AT2は、ライン圧を制御するためのライン圧制御用の電磁弁24を備える。
制御システム3は、運転者によって操作されるシフト操作部31と、シフト操作部31の操作状態を検出するシフトセンサ32とを備える。例えば、シフト操作部31は、複数のレンジに対応した位置に操作されるレバーによって提供される。シフトセンサ32は、シフト操作部31の操作位置、すなわち運転者が望むレンジを示す電気信号を出力する。シフトセンサ32は、目標レンジを検出するための検出手段を提供する。
制御システム3は、マニュアルレバー21を駆動し、マニュアルレバー21の位置を調節するアクチュエータとしての電動のモータ33を備える。モータ33は、SR(Switched Reluctance)モータによって提供することができる。制御システム3は、モータ33の回転位置を検出するエンコーダ34を備える。エンコーダ34は、インクリメンタルタイプのエンコーダによって提供することができる。
制御システム3は、シフトセンサ32からの信号に応答して、モータ33を制御するレンジ切換制御装置35(以下、レンジECU(Electronic Control Unit)35ともいう)を備える。レンジECU35は、AT2のレンジをアクチュエータを駆動することによって切換える。レンジECU35は、マイクロコンピュータを含む電子的な制御装置である。レンジECU35は、シフトセンサ32によって検出された目標レンジにAT2を切換える。レンジECU35は、マニュアルレバー21の位置を目標レンジに対応する位置に駆動するように、モータ33をフィードバック制御する。レンジECU35は、エンコーダ34からの信号に応じて、モータ33の回転位置をフィードバック制御する。レンジECU35は、エンコーダ34からの信号に基づいて、マニュアルレバー21の位置、すなわち現在における実際のレンジ(以下、現在レンジともいう)を認識する。レンジECU35は、エンコーダ34からの信号に基づいて現在レンジを検出する検出手段を提供する。
制御システム3は、レンジECU35から供給される信号に応答して電磁弁22、23、24を含む複数の電磁弁を制御する変速制御装置36(以下、変速ECU(Electronic Control Unit)36ともいう)を備える。変速ECU36は、AT2の油圧をレンジに応じて制御する油圧制御手段を備える。変速ECU36は、AT2内において現在のレンジに応じた油圧が供給されるように複数の電磁弁を制御する。さらに、変速ECU36は、Dレンジにおいて、車両の走行速度、および運転者のアクセルペダル操作量などに応じてAT2の変速比を制御する。
レンジECU35と変速ECU36とは、レンジECU35から変速ECU36へ信号を送信する送信手段を備えている。送信手段は、レンジECU35が提供する制御下におけるモータ33によるレンジの切換が完了する前に、少なくとも目標レンジを示す目標レンジ信号TRを送信する。さらに、この送信手段は、現在レンジを示す現在レンジ信号PRを送信する。変速ECU36は、これらの信号TR、PRに応じて複数の電磁弁を制御する。変速ECU36が提供する油圧制御手段は、レンジECU35から変速ECU36に送信された目標レンジ信号TRに基づいて油圧を制御する。このとき、油圧制御手段は、モータ33によるレンジの切換に依存することなく、目標レンジ信号TRに基づいて油圧を制御する。言い換えると、油圧制御手段は、確定的に検出された現在のレンジを示す現在レンジ信号PRを待つことなく、目標レンジ信号TRに基づいて、切換前のレンジのための油圧制御と、切換後のレンジのための油圧制御とを開始する。レンジECU35と変速ECU36とは、AT2の制御装置を提供する。制御装置は、コンピュータによって読み取り可能な記憶媒体を備えるマイクロコンピュータによって提供される。記憶媒体は、コンピュータによって読み取り可能なプログラムを格納している。記憶媒体は、メモリによって提供されうる。プログラムは、制御装置によって実行されることによって、制御装置をこの明細書に記載される装置として機能させ、この明細書に記載される制御方法を実行するように制御装置を機能させる。制御装置が提供する手段は、所定の機能を達成する機能的ブロック、またはモジュールとも呼ぶことができる。
図2は、第1実施形態のレンジECU35が実行するレンジ切換制御150を示すフローチャートである。レンジECU35は、ステップ151−156を繰り返すことによりAT2を目標レンジに駆動する。ステップ151では、シフトセンサ32からの信号が受信される。ステップ152では、シフトセンサ32からの信号に基づいて、運転者がシフト操作部31を操作しており、レンジを切換えることを要求しているか否かが判定される。レンジ切換要求が検出されるまで、ステップ151−152のループが繰り返される。切換要求が検出されると、ステップ153へ進む。
ステップ153では、送信処理が実行される。ステップ153では、目標レンジ信号TRと、現在レンジ信号PRとがレンジECU35から変速ECU36へ送信される。現在レンジ信号PRは、ステップ153以外のタイミングにおいても、レンジECU35から変速ECU36へ送信される。
ステップ154では、マニュアルレバー21の位置を目標レンジに応じた位置に位置づけるようにモータ33に通電し、モータ33を駆動する。ステップ155では、モータ33が目標レンジに対応する目標位置まで到達したか否かが判定される。モータ33の回転位置が目標位置に到達するまで、すなわちマニュアルレバー21が目標レンジに到達するまで、ステップ154−155のループが繰り返される。モータ33が目標位置に到達すると、ステップ156に進む。ステップ156では、モータ33への通電を停止し、モータ33の駆動を停止する。
ステップ153による送信処理の開始時点においては、レンジECU35はモータ33を目標レンジに向けて駆動する制御を開始していない。よって、目標レンジ信号TRは、モータ33を目標レンジに向けて制御開始する前に、レンジECU35から変速ECU36へ送信される。また、ステップ153による送信処理の時点においては、モータ33はまだ目標位置に到達していない。よって、目標レンジ信号TRは、モータ33が目標位置に到達する前に、レンジECU35から変速ECU36へ送信される。また、ステップ153による送信処理の開始時点においては、AT2のマニュアルレバー21は目標レンジに対応する位置にはまだ位置づけられていない。よって、目標レンジ信号TRは、AT2が目標レンジに切換えられる前に、レンジECU35から変速ECU36へ送信される。
図3は、第1実施形態の変速ECU36が実行するR−D変速制御160を示すフローチャートである。R−D変速制御160は、シフト操作部31がRレンジからDレンジまで切換えられた場合に実行される。ステップ161では、受信処理が実行される。ステップ161では、レンジECU35から目標レンジ信号TRと現在レンジ信号PRとを受信する。ステップ162では、目標レンジ信号TRと現在レンジ信号PRとから、RレンジからDレンジへ切換えるR−D切換が要求されたか否かが判定される。現在レンジ信号PRがRレンジであり、目標レンジ信号TRがDレンジである場合に、R−D切換が判定される。R−D切換が判定されるとステップ163へ進む。
ステップ163では、D圧を制御するD圧制御の開始時刻T2を設定する。ステップ163では、レンジECU35がR−D切換を実行するために要する時間を予測することにより、開始時刻T2を設定する。開始時刻T2は、レンジECU35がRレンジからDレンジまでの切換を完了することができる時間を予め計測することによって、この計測時間に基づいて設定することができる。また、開始時刻T2は、温度などのパラメータに応じて補正することができる。ステップ163が実行される時点は、レンジECU35から変速ECU36へ目標レンジ信号TRが伝達された直後である。この時点では、レンジECU35はモータ33を目標レンジに向けて駆動する制御を開始していないか、または、モータ33はまだ目標位置に到達していない。よって、開始時刻T2は、モータ33を目標レンジに向けて制御開始する前に、または、モータ33が目標位置に到達する前に、レンジECU35と変速ECU36とによって設定される。また、ステップ163による設定時点においては、AT2のマニュアルレバー21は目標レンジに対応する位置にはまだ位置づけられていない。よって、開始時刻T2は、AT2が目標レンジに切換えられる前に、レンジECU35と変速ECU36とによって設定される。ステップ163の後、変速ECU36は、開始時刻T2の到来を判定するための時間計測処理を実行する。
ステップ163は、AT2のレンジが目標レンジに切換えられる時刻T2を予測し、この予測された時刻T2に基づいてD圧の制御を計画する計画手段を提供している。
ステップ164では、R圧が制御される。R圧制御においては、R−D切換のために予め定められたパターンでR圧が変化するように電磁弁22が制御される。R圧制御においては、D圧をかける前にR圧が完全に抜かれる。R圧が完全に抜けた後でないと、変速ショックの発生、またはAT2の損傷の発生が懸念されるため、D圧をかけることができないからである。R圧制御は、AT2のレンジがDレンジに到達したか否かにかかわりなく開始される。R圧制御は、ステップ162においてR−D切換が検出されたことをトリガとして開始される。このため、R圧制御は、現在レンジがまだRレンジにある期間中において開始される。R圧制御は、現在レンジがDレンジに到達する前に開始される。R圧制御は、レンジECU35がエンコーダ34からの信号に基づいてDレンジへの到達を確定的に検出する前に開始される。このため、R−D切換においては、AT2が目標レンジに切換えられる前からR圧制御が開始される。この結果、R圧制御が早期に開始され、早期に終了される。ステップ165では、R圧制御が終了したか否かが判定される。予め定められたR圧制御が終了するまで、ステップ164−165が繰り返される。R圧制御が終了すると、ステップ166へ進む。
ステップ164とステップ165とが提供する油圧制御手段は、目標レンジ信号TRの送信に応答して、切換前のRレンジにおけるR圧の油圧状態(加圧状態)から、目標レンジであるDレンジにおけるR圧の油圧状態(開放状態)への減圧制御を実行する。ステップ164とステップ165とが提供する油圧制御手段は、R圧制御手段と呼ぶことができる。R圧制御手段は、R圧を、係合状態を提供する油圧から非係合状態を提供する油圧へ制御している。
ステップ166では、R圧制御が完了した後に、開始時刻T2を経過したか否かが判定される。開始時間T2が到来するまで、ステップ166が繰り返される。開始時刻T2が到来すると、ステップ167へ進む。ステップ167では、D圧が制御される。D圧制御においては、R−D切換のために予め定められたパターンでD圧が変化するように電磁弁23が制御される。D圧制御は、AT2のレンジがDレンジに到達したか否かにかかわりなく開始される。D圧制御は、ステップ162においてR−D切換が検出され、かつ開始時刻T2が経過したことをトリガとして開始される。開始時刻T2は、レンジECU35がR−D切換を完了するために要する時間に基づいて設定されている。よって、開始時刻T2が到来した時点では、AT2はDレンジに到達した直後である。このため、D圧制御は、AT2がDレンジに到達した直後から開始される。D圧制御は、レンジECU35がエンコーダ34からの信号に基づいてDレンジへの到達を確定的に検出するための確定時間の経過を待つことなく、開始される。このため、R−D切換においては、AT2が目標レンジに切換えられた直後からD圧制御が開始される。この結果、D圧制御が早期に開始され、早期に終了される。D圧は、AT2がDレンジにならないと、元圧がかからないため、かけることができない。この実施形態では、AT2がDレンジに切換えられる時刻T2を予測し、D圧制御を開始する。よって、待ち時間を抑制して、Dレンジ係合が可能になる。ステップ168では、D圧制御が終了したか否かが判定される。予め定められたD圧制御が終了するまで、ステップ166−168が繰り返される。D圧制御が終了すると、処理を終了する。
ステップ167とステップ168とが提供する油圧制御手段は、目標レンジ信号TRの送信に応答して、切換前のRレンジにおけるD圧の油圧状態(開放状態)から、目標レンジであるDレンジにおけるD圧の油圧状態(加圧状態)への増圧制御を実行する。ステップ167とステップ168とが提供する油圧制御手段は、D圧制御手段と呼ぶことができる。D圧制御手段は、D圧を、非係合状態を提供する油圧から係合状態を提供する油圧へ制御している。D圧制御手段は、計画手段であるステップ163において計画された開始時刻T2に基づいて油圧制御を実行する油圧制御手段でもある。
図4は、第1実施形態のR−Dレンジ切換えにおけるAT2の状態の変化を示すタイムチャートであって、(A)は目標レンジの変化を、(B)は現在レンジの変遷を、(C)はR圧の変化を、(D)はD圧の変化を示している。シフト操作部31が操作されることにより、時刻T1において、目標レンジがRレンジからDレンジに切換えられる。レンジECU35は、モータ33を制御することにより、マニュアルレバー21を移動させる。これにより、現在レンジがR、R−N、N、N−D、Dの順で変化してゆく。時刻T1の後、レンジECU35は目標レンジ信号TRを変速ECU36に送信する。これに応答して、変速ECU36がR圧制御を開始する。R圧制御は、時刻T1と時刻T2との間で実行されている。AT2のレンジがRレンジからNレンジを経由する間にR圧制御が終了する。変速ECU36は、レンジECU35がRレンジからDレンジまでの切換に要すると予測された時間TD(R−D)に基づいて、時刻T2を設定する。時刻T2は、時刻T2から時間TD(R−D)を経過した時刻として設定することができる。AT2は、レンジECU35によるレンジ切換制御によって、ほぼ時刻T2にはDレンジに到達する。時刻T2が経過すると、D圧制御が開始される。D圧制御は、現在レンジ信号PRに依存することなく、時刻T2において開始される。レンジECU35が現在レンジ信号PRを出力するためには、レンジECU35による処理と、ノイズによる誤判定を抑制するフィルタ処理のために、Dレンジに到達した後に、所定の確定時間を要する。しかし、確定時間を待つことなく、D圧制御が開始される。
図5は、第1実施形態の変速ECU36が実行するP−D変速制御170を示すフローチャートである。P−D変速制御170は、シフト操作部31がPレンジからDレンジまで切換えられた場合に実行される。ステップ171では、受信処理が実行される。ステップ172では、目標レンジ信号TRと現在レンジ信号PRとから、PレンジからDレンジへ切換えるP−D切換が要求されたか否かが判定される。現在レンジ信号PRがPレンジであり、目標レンジ信号TRがDレンジである場合に、P−D切換が判定される。P−D切換が判定されるとステップ173へ進む。
ステップ173では、D圧を制御するD圧制御の開始時刻T2を設定する。ステップ173では、レンジECU35がP−D切換を実行するために要する時間を予測することにより、開始時刻T2を設定する。開始時刻T2は、レンジECU35がPレンジからDレンジまでの切換を完了することができる時間を予め計測することによって、この計測時間に基づいて設定することができる。また、開始時刻T2は、温度などのパラメータに応じて補正することができる。ステップ173が実行される時点は、レンジECU35から変速ECU36へ目標レンジ信号TRが伝達された直後である。この時点では、レンジECU35はモータ33を目標レンジに向けて駆動する制御を開始していないか、または、モータ33はまだ目標位置に到達していない。よって、開始時刻T2は、モータ33を目標レンジに向けて制御開始する前に、または、モータ33が目標位置に到達する前に、レンジECU35と変速ECU36とによって設定される。また、ステップ173による設定時点においては、AT2のマニュアルレバー21は目標レンジに対応する位置にはまだ位置づけられていない。よって、開始時刻T2は、AT2が目標レンジに切換えられる前に、レンジECU35と変速ECU36とによって設定される。ステップ173の後、変速ECU36は、開始時刻T2の到来を判定するための時間計測処理を実行する。P−D切換においては、R圧制御は実行されない。
ステップ173は、AT2のレンジが目標レンジに切換えられる時刻T2を予測し、この予測された時刻T2に基づいてD圧の制御を計画する計画手段を提供している。
ステップ174では、開始時刻T2を経過したか否かが判定される。開始時間T2が到来するまで、ステップ174が繰り返される。開始時刻T2が到来すると、ステップ175へ進む。ステップ175では、D圧が制御される。D圧制御においては、P−D切換のために予め定められたパターンでD圧が変化するように電磁弁23が制御される。D圧制御は、AT2のレンジがDレンジに到達したか否かにかかわりなく開始される。D圧制御は、ステップ172においてP−D切換が検出され、かつ開始時刻T2が経過したことをトリガとして開始される。開始時刻T2は、レンジECU35がP−D切換を完了するために要する時間に基づいて設定されている。よって、開始時刻T2が到来した時点では、AT2はDレンジに到達した直後である。このため、D圧制御は、AT2がDレンジに到達した直後から開始される。D圧制御は、レンジECU35がエンコーダ34からの信号に基づいてDレンジへの到達を確定的に検出するための確定時間の経過を待つことなく、開始される。このため、P−D切換においては、AT2が目標レンジに切換えられた直後からD圧制御が開始される。この結果、D圧制御が早期に開始され、早期に終了される。D圧は、AT2がDレンジにならないと、元圧がかからないため、かけることができない。この実施形態では、AT2がDレンジに切換えられる時刻T2を予測し、D圧制御を開始する。よって、待ち時間を抑制して、Dレンジ係合が可能になる。ステップ176では、D圧制御が終了したか否かが判定される。予め定められたD圧制御が終了するまで、ステップ174−176が繰り返される。D圧制御が終了すると、処理を終了する。
ステップ175とステップ176とが提供する油圧制御手段は、目標レンジ信号TRの送信に応答して、切換前のRレンジにおけるD圧の油圧状態(開放状態)から、目標レンジであるDレンジにおけるD圧の油圧状態(加圧状態)への増圧制御を実行する。ステップ175とステップ176とが提供する油圧制御手段は、D圧制御手段と呼ぶことができる。D圧制御手段は、D圧を、非係合状態を提供する油圧から係合状態を提供する油圧へ制御している。D圧制御手段は、計画手段であるステップ173において計画された開始時刻T2に基づいて油圧制御を実行する油圧制御手段でもある。
図6は、第1実施形態のP−Dレンジ切換えにおけるAT2の状態の変化を示すタイムチャートであって、(A)は目標レンジの変化を、(B)は現在レンジの変遷を、(C)はR圧の変化を、(D)はD圧の変化を示している。シフト操作部31が操作されることにより、時刻T1において、目標レンジがPレンジからDレンジに切換えられる。レンジECU35は、モータ33を制御することにより、マニュアルレバー21を移動させる。これにより、現在レンジがP、P−R、R、R−N、N、N−D、Dの順で変化してゆく。時刻T1の後、レンジECU35は目標レンジ信号TRを変速ECU36に送信する。P−D切換では、R圧をかける必要がないからR圧制御は実行されない。変速ECU36は、レンジECU35がPレンジからDレンジまでの切換に要すると予測された時間TD(P−D)に基づいて、時刻T2を設定する。時刻T2は、時刻T2から時間TD(P−D)を経過した時刻として設定することができる。AT2は、レンジECU35によるレンジ切換制御によって、ほぼ時刻T2にはDレンジに到達する。時刻T2が経過すると、D圧制御が開始される。D圧制御は、現在レンジ信号PRに依存することなく、時刻T2において開始される。レンジECU35が現在レンジ信号PRを出力するためには、レンジECU35による処理と、ノイズによる誤判定を抑制するフィルタ処理のために、Dレンジに到達した後に、所定の確定時間を要する。しかし、確定時間を待つことなく、D圧制御が開始される。
この実施形態によると、油圧制御手段によって実行される油圧制御は、モータ33によるレンジの切換に依存することなく、レンジECU35から変速ECU36に送信された目標レンジ信号TRに基づいて実行される。このため、モータ33によるレンジの切換を待つことなく油圧制御を実行できる場合がある。また、実際のレンジを検出するために要する確定時間を待つことなく油圧制御を実行できる場合がある。この結果、レンジ切換が要求された後に、AT2を早期に目標レンジに対応した作動状態におくことができる。
この実施形態によると、油圧制御手段によって実行される油圧制御は、計画手段によって計画される。しかも、計画手段は、AT2のレンジが目標レンジに切換えられる時刻を予測する。そして、予測された時刻に基づいて油圧制御を計画する。具体的には、AT2のレンジ切換が要求された後に、レンジECU35と変速ECU36とによって目標レンジへの切換が完了する時刻が予測される。この結果、レンジ切換制御装置35によって提供されるレンジ切換制御の進行を予測して、油圧制御の計画が設定される。そして、変速ECU36は、設定された計画に基づいて油圧制御を実行する。このため、モータ33によって切換えられるAT2の実際のレンジに依存することなく、油圧制御が計画され、実行される。このため、アクチュエータによるレンジの切換を待つことなく油圧制御を実行できる場合がある。また、実際のレンジを検出するために要する確定時間を待つことなく油圧制御を実行できる場合がある。この結果、レンジ切換が要求された後に、AT2を早期に目標レンジに対応した作動状態におくことができる。
(第2実施形態)
第1実施形態では、変速ECU36は、R圧制御とD圧制御とを実行した。本発明を適用した第2実施形態では、第1実施形態における油圧制御に加えて、さらにライン圧制御が実行される。第2実施形態でも、図1に示したブロック構成が採用されている。
図7は、第2実施形態に係るR−D変速制御260を示すフローチャートである。図7において、ステップ161−167は、第1実施形態におけるステップ161−167と同じである。第2実施形態では、ステップ261−264が追加されている。
ステップ261では、ライン圧制御の開始時刻T3を設定する。ライン圧制御では、D圧制御が開始される前にライン圧を高めることによって、D圧の上昇を促進する。これにより、D圧制御に要する時間が短縮される。この結果、レンジ切換えにおけるAT2の応答性がさらに改善される。開始時刻T3は、開始時刻T2より所定時間前の時刻として設定される。
ステップ163とステップ261とは、ライン圧の制御を計画する計画手段を提供している。計画手段は、AT2のレンジが目標レンジに切換えられる時刻T2を予測し、この予測された時刻T2に基づいて、ライン圧を増圧する時刻T3を設定する。
ステップ262では、開始時刻T3を経過したか否かが判定される。開始時刻T3を経過すると、ステップ263に進む。ステップ263では、ライン圧制御が実行される。ライン圧制御においては、ライン圧を所定圧まで、または所定圧だけ高める。ライン圧制御においては、R−D切換のために予め定められたパターンでライン圧が変化するように電磁弁24が制御される。ライン圧制御においては、D圧をかける前にライン圧に所定の上昇を生じさせる。ライン圧制御は、AT2のレンジがDレンジに到達したか否かにかかわりなく開始される。ライン圧制御は、現在レンジがDレンジに到達する前に開始される。ステップ264では、D圧制御が終了し、かつ、ライン圧制御が終了したか否かが判定される。両方の制御が終了するまで、ステップ166、167、262、263、264のループが繰り返される。両方の制御が終了すると、処理を終了する。
ステップ263とステップ264とが提供する油圧制御手段は、目標レンジ信号TRの送信に応答して、切換前のRレンジにおけるライン圧の油圧状態(低圧状態)から、目標レンジであるDレンジにおけるライン圧の油圧状態(高圧状態)への増圧制御を実行する。ステップ263とステップ264とが提供する油圧制御手段は、ライン圧制御手段と呼ぶことができる。ライン圧制御手段は、目標レンジ信号TRの送信に応答して、ライン圧を一時的に増圧している。ライン圧制御手段は、計画手段であるステップ261において計画された開始時刻T3に基づいて油圧制御を実行する油圧制御手段でもある。
図8は、第2実施形態のR−Dレンジ切換えにおけるAT2の状態の変化を示すタイムチャートであって、(A)は目標レンジの変化を、(B)は現在レンジの変遷を、(C)はR圧の変化を、(D)はD圧の変化を、(E)はライン圧の変化を示している。(A)−(D)については、図4の説明を参照することができる。変速ECU36は、時刻T2を設定した後、ライン圧を上昇させるために要する時間TLに基づいて、時刻T3を設定する。時刻T3は、時刻T2より時間TLだけ前の時刻である。これにより、現在レンジ信号PRに依存することなく、すなわち、Dレンジへの切換の完了をまつことなく、ライン圧制御が実行される。
図9は、第2実施形態のP−D変速制御270を示すフローチャートである。図9において、ステップ171−175は、第1実施形態におけるステップ171−175と同じである。第2実施形態では、ステップ271−274が追加されている。
ステップ271では、ライン圧制御の開始時刻T3を設定する。ステップ173とステップ271とは、ライン圧の制御を計画する計画手段を提供している。計画手段は、AT2のレンジが目標レンジに切換えられる時刻T2を予測し、この予測された時刻T2に基づいて、ライン圧を増圧する時刻T3を設定する。
ステップ272では、開始時刻T3を経過したか否かが判定される。開始時刻T3を経過すると、ステップ273に進む。ステップ273では、ライン圧制御が実行される。ライン圧制御においては、ライン圧を所定圧まで、または所定圧だけ高める。ステップ274では、D圧制御が終了し、かつ、ライン圧制御が終了したか否かが判定される。両方の制御が終了するまで、ステップ174、175、272、273、274のループが繰り返される。両方の制御が終了すると、処理を終了する。
ステップ273とステップ274とが提供する油圧制御手段は、目標レンジ信号TRの送信に応答して、切換前のRレンジにおけるライン圧の油圧状態(低圧状態)から、目標レンジであるDレンジにおけるライン圧の油圧状態(高圧状態)への増圧制御を実行する。ステップ273とステップ274とが提供する油圧制御手段は、ライン圧制御手段と呼ぶことができる。ライン圧制御手段は、目標レンジ信号TRの送信に応答して、ライン圧を一時的に増圧している。ライン圧制御手段は、計画手段であるステップ261において計画された開始時刻T3に基づいて油圧制御を実行する油圧制御手段でもある。
図10は、第2実施形態のP−Dレンジ切換えにおけるAT2の状態の変化を示すタイムチャートであって、(A)は目標レンジの変化を、(B)は現在レンジの変遷を、(C)はR圧の変化を、(D)はD圧の変化を、(E)はライン圧の変化を示している。(A)−(D)については、図6の説明を参照することができる。変速ECU36は、時刻T2を設定した後、ライン圧を上昇させるために要する時間TLに基づいて、時刻T3を設定する。時刻T3は、時刻T2より時間TLだけ前の時刻である。これにより、現在レンジ信号PRに依存することなく、すなわち、Dレンジへの切換の完了をまつことなく、ライン圧制御が実行される。
(他の実施形態)
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々変形して実施することが可能である。上記実施形態の構造は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこれらの記載の範囲に限定されるものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含むものである。
例えば、制御装置が提供する手段と機能は、ソフトウェアのみ、ハードウェアのみ、あるいはそれらの組合せによって提供することができる。例えば、制御装置をアナログ回路によって構成してもよい。
また、上記実施形態では、変速ECU36が開始時刻T2、T3を設定した。これに代えて、レンジECU35において開始時刻T2、T3の少なくともひとつを設定し、変速ECU36に送信するように構成してもよい。レンジECU35は、モータ33を制御する制御装置である。このため、AT2のレンジが目標レンジに到達する時刻を正確に予測できる場合がある。また、レンジECU35または変速ECU36における開始時刻T2、T3の設定処理において、モータ33の特性変化を考慮して、電源電圧、および/または温度に基づいて開始時刻T2、T3を補正してもよい。
1 内燃機関
2 自動変速機(AT)
21 マニュアルレバー
22 電磁弁
23 電磁弁
24 電磁弁
3 制御システム
31 シフト操作部
32 シフトセンサ
33 モータ
34 エンコーダ
35 レンジ切換制御装置(レンジECU)
36 変速制御装置(変速ECU)

Claims (12)

  1. 自動変速機のレンジをアクチュエータを駆動することによって切換えるレンジ切換制御装置(35)と、
    前記自動変速機の油圧をレンジに応じて制御する油圧制御手段を備える変速制御装置(36)と、
    前記アクチュエータによるレンジの切換が完了する前に、前記レンジ切換制御装置から前記変速制御装置に少なくとも目標レンジを送信する送信手段とを備え、
    前記油圧制御手段は、前記アクチュエータによるレンジの切換に依存することなく、前記レンジ切換制御装置から前記変速制御装置に送信された前記目標レンジに基づいて油圧を制御することを特徴とする自動変速機の制御装置。
  2. 前記油圧制御手段(164−165)は、前記目標レンジの送信に応答して、切換前のレンジにおける油圧状態から、前記目標レンジにおける油圧状態への制御を実行することを特徴とする請求項1に記載の自動変速機の制御装置。
  3. 前記油圧制御手段は、前記目標レンジの送信に応答して、係合状態を提供する油圧を、非係合状態を提供する油圧へ制御することを特徴とする請求項2に記載の自動変速機の制御装置。
  4. 前記油圧制御手段は、RレンジからDレンジへの切換である場合に、前記目標レンジの送信に応答して、切換前のRレンジにおけるR圧を減圧するR圧制御手段(164−165)を備えることを特徴とする請求項3に記載の自動変速機の制御装置。
  5. 前記油圧制御手段は、前記目標レンジの送信に応答して、非係合状態を提供する油圧を、係合状態を提供する油圧へ制御することを特徴とする請求項2から請求項4のいずれかに記載の自動変速機の制御装置。
  6. 前記油圧制御手段は、RレンジからDレンジへの切換、またはPレンジからDレンジへの切換である場合に、前記目標レンジの送信に応答して、切換後のDレンジにおけるD圧を増圧することを特徴とする請求項5に記載の自動変速機の制御装置。
  7. 前記油圧制御手段は、さらに、前記目標レンジの送信に応答して、ライン圧を増圧するライン圧制御手段(261−264、271−274)を備えることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の自動変速機の制御装置。
  8. さらに、前記自動変速機のレンジが目標レンジに切換えられる時刻(T2)を予測し、この予測された時刻に基づいて油圧の制御を計画する計画手段(163、173、261、271)を備え、
    前記油圧制御手段(164−168、174−176、262−264、272−274)は、前記計画に基づいて油圧を制御するよう構成されていることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の自動変速機の制御装置。
  9. 前記計画手段は、RレンジからDレンジへの切換、またはPレンジからDレンジへの切換である場合に、前記Dレンジに切換られる時刻(T2)を予測し、
    前記油圧制御手段は、その時刻が経過するとD圧を増圧することを特徴とする請求項8に記載の自動変速機の制御装置。
  10. 前記計画手段は、前記Dレンジに切換られる時刻(T2)に基づいて、ライン圧を増圧する時刻(T3)を設定し、
    前記油圧制御手段(261−264、271−274)は、さらに、前記ライン圧を増圧する時刻(T3)を経過するとライン圧を増圧することを特徴とする請求項8または請求項9に記載の自動変速機の制御装置。
  11. 前記変速制御装置は、前記計画手段を備えることを特徴とする請求項8から請求項10のいずれかに記載の自動変速機の制御装置。
  12. 前記レンジ切換制御装置は、前記計画手段を備え、
    前記送信手段は、前記目標レンジと前記計画とを前記レンジ切換制御装置から前記変速制御装置に送信することを特徴とする請求項8から請求項10のいずれかに記載の自動変速機の制御装置。
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