JP2012035708A - 操舵制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】転舵アクチュエータ8と、操舵反力アクチュエータ6と、スプリットμ検出部20(左右異摩擦係数路面制動検出手段)と、自動カウンタステア演算部19(付加転舵角演算手段、増加操舵反力演算手段)と、前輪転舵角演算部21(転舵角制御手段)と、操舵反力演算部22(操舵反力制御手段)とを設けた。左右異摩擦係数路面上での制動時に、車両に発生するヨーモーメントを低減するように転舵輪を転舵することにより増加する操舵反力を低減するようにした。
【選択図】図2
Description
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、その目的とするところは、ドライバのカウンタステア操作時の負荷を低減することができる操舵制御装置を提供することである。
〔全体構成〕
実施例1の操舵制御装置1の構成を説明する。
図1は、実施例1の操舵制御装置1の全体構成図である。この車両1は、前輪2FL,2FRと後輪3RL,3RRのうち、前輪2FL,2FRが転舵可能な転舵輪となっている。実施例1の操舵制御装置1は、ステアリングホイール4と前輪2とが機械的に切り離された、いわゆる、ステアバイワイヤシステムである。また前輪2にエンジン等の駆動源が繋がれ、前輪2が駆動輪、後輪3が従動輪となっている。
実施例1の操舵制御装置1は操舵側の機構として、運転者が操舵を行うステアリングホイール4(操舵手段)と、ステアリングホイール4に操舵反力を付与する操舵反力アクチュエータ6とを有している。
実施例1の操舵制御装置1は転舵側の機構として、前輪2を転舵駆動する転舵アクチュエータ8と、転舵アクチュエータ8に接続されたピニオンギヤ9と、ピニオンギヤ9と噛み合うラックギヤ10と、ラックギヤ10の軸方向の力をナックルアーム17を介して前輪2に転舵力として伝達するタイロッド16とを有している。
実施例1の操舵制御装置1は、操舵反力アクチュエータ6、転舵アクチュエータ8を制御する操舵コントローラ13と、各車輪のホイルシリンダ液圧を制御する液圧コントローラ14と、運転者によって操舵されるステアリングホイール4の操舵角を検出する操舵角センサ5と、転舵アクチュエータ8の回転角を検出する転舵アクチュエータ回転角センサ15と、左後輪3RLの車輪速を検出する左車輪速センサ12Lと、右後輪3RRの車輪速を検出する右車輪速センサ12Rと、車両のヨーレイトを検出するヨーレイトセンサ11と、運転者によるブレーキペダルの操作状態を検出するブレーキスイッチ7と、マスタシリンダ圧を検出するマスタシリンダ圧センサ18を有している。
操舵コントローラ13は、操舵角と、転舵アクチュエータ8の回転角と、左右車輪速と、ヨーレイトと、ブレーキスイッチフラグと、マスタシリンダ圧を入力する。液圧コントローラ14は、液圧ユニットのバルブの開弁時間やポンプを制御し、アンチロックブレーキシステム(ABS)やビークルダイナミクスコントロール(VDC)を作動させている。操舵コントローラ13はこの液圧コントローラ14から、ABSが作動したことを示すABS作動フラグと、バルブ開弁時間を入力する。液圧コントローラ14はABS作動フラグを、ABSが作動しているときには「1」として出力し、ABSが作動していないときには「0」として出力する。
図2は、操舵コントローラ13の制御ブロック図である。操舵コントローラ13は、自動カウンタステア演算部19と、スプリットμ検出部20と、前輪転舵角演算部21と、操舵反力演算部22を有している。
自動カウンタステア演算部19では、車速とホイルシリンダ圧を入力し、付加前輪舵角と補正操舵反力とを演算する。
以下、各演算部についての詳細を説明する。
図2に示すように、自動カウンタステア演算部19では、車速とホイルシリンダ圧を入力し、付加前輪舵角と補正操舵反力とを演算して出力する。
左右の車輪が接地している路面摩擦係数が大きく異なる所謂スプリットμ路において、ブレーキが作動したときに高μの路面側に旋回しようとするヨーモーメントが発生する。付加前輪舵角とは、このヨーモーメントを低減するために、旋回方向と反対側に前輪2を転舵させる転舵角のことを示す。付加前輪舵角を転舵アクチュエータ8によって前輪2に与えることで、ドライバがカウンタステアを行ったときのようにヨーモーメントによる車両の旋回を抑制し、車両挙動を安定させることができる。
一方、補正操舵反力とは、前輪2の付加前輪転舵角により増加した操舵反力を打ち消す値として求められる。
図3は、自動カウンタステア演算部19の制御ブロック図である。自動カウンタステア演算部19は、制動力ヨーモーメント演算部23と、付加前輪転舵角演算部24と、補正操舵反力演算部25を有している。
制動力ヨーモーメント演算部23では、ホイルシリンダ圧から制動時のヨーモーメントを演算する。まず次の式(1)を用いて、左右前輪2、左右後輪3のホイルシリンダ圧の差を求める。
なお、式(1)において、
を示す。
なお、式(2)において、
を示す。また変換係数は下記の式(3)によって求められる。
なお、式(3)において、
を示す。
付加前輪転舵角演算部24では、制動力ヨーモーメント演算部23で演算されたヨーモーメントと車速とから付加前輪転舵角を演算する。この付加前輪転舵角演算部24で算出される付加前輪舵角は、制動力ヨーモーメント演算部23で演算されたヨーモーメントを減少させる方向の転舵角として算出される。付加前輪転舵角は、次の式(4)によって求められる。
なお、式(4)において、
を示す。なお、単位ヨーモーメントあたりの付加前輪転舵角ゲインは車速依存性を有している。
図4は単位ヨーモーメントあたりの付加前輪転舵角ゲインのマップである。図4に示すように、単位ヨーモーメントあたりの付加前輪転舵角ゲインは、車速120km/h以上の領域からゲインは線形的に減少し、150km/h以上でゼロとなる。
補正操舵反力演算部25では、付加前輪転舵角演算部24で演算された付加前輪転舵角と車速とから補正操舵反力を演算する。補正操舵反力は、次の式(5)によって求められる。
なお、式(5)において、
を示す。なお、操舵角に対する操舵反力の伝達関数は図5に記載の力学モデルに基づく伝達関数であり、車速依存性を有している。
スプリットμ検出部20では、左右車輪の接地面の摩擦係数の差が設定値より大きいスプリットμ路において制動が行われていることを検出している。
図2に示すように、スプリットμ検出部20では、ブレーキスイッチフラグ、ABS作動フラグとホイルシリンダ圧を入力し、スプリットμフラグを設定して出力する。
図6はスプリットμ検出部20の制御ブロック図である。図6に示すように、スプリットμ検出部20は、差分演算部26と、絶対値演算部27と、スプリットμ判定条件演算部28と、論理積演算部29を有している。差分演算部26では、右前輪ホイルシリンダ圧と左前輪ホイルシリンダ圧との差分を演算し、絶対値演算部27に出力している。絶対値演算部27では、入力した右前輪ホイルシリンダ圧と左前輪ホイルシリンダ圧との差分の絶対値を演算し、スプリットμ判定条件演算部28に出力する。
論理積演算部29では、スプリットμ判定条件演算部28からの判定結果、ABS作動フラグおよびブレーキスイッチフラグを入力し、各入力の論理積をスプリットμ路であるか否かの判定結果であるスプリットμフラグとして出力する。スプリットμ検出部20では、論理積演算結果が所定時間以上「1」であるときのみ、スプリットμ路であると判定した結果としてスプリットμフラグを「1」として出力し、その他の場合にはスプリットμフラグを「0」として出力する。
図2に示すように、前輪転舵角演算部21では、操舵角、車速、付加前輪転舵角およびスプリットμフラグを入力し、前輪転舵角指令値を演算して出力する。
図7は前輪転舵角演算部21の制御ブロック図である。図7に示すように、前輪転舵角演算部21は乗算部30、ベース転舵角演算部57、加算部33およびローパスフィルタ部34を有している。さらにベース転舵角演算部57は、乗算部31および操舵ギヤ比設定部32を有している。
操舵ギヤ比設定部32は車速を入力し、車速依存操舵ギヤ比マップから車速に応じた操舵ギヤ比(操舵角に対する転舵角の比)を設定し、乗算部31に出力する。車速依存操舵ギヤ比マップは、図7の操舵ギヤ比設定部32内に示すように、低車速領域では車速が増加するほど操舵ギヤ比を大きくし、高車速領域では車速が増加するほど操舵ギヤ比を小さくしている。
乗算部31では、操舵角と操舵ギヤ比を入力し、これらの乗算結果を加算部33に出力する。
操舵ギヤ比設定部32と乗算部31とによってベース転舵角演算部57を構成し、このベース転舵角演算部57により、操舵角に対する転舵角を車速に応じて可変に設定することができる可変操舵ギヤ比システムを達成することができる。なお、可変操舵ギヤ比システムは転舵角に対する操舵角の比を変化させることにより、運転者が操舵操作を行なった際の車両の挙動特性を所望の特性とする為に設計的に設定されているものであり、従って図7に示す特性でなくとも良い。また、操舵ギヤ比を車速に応じて変更せずに一定とし、可変操舵ギヤ比システムを構成しなくとも良い。
すなわち前輪舵角指令値は、次の式(6)によって求められる。
なお、式(6)において、
を示す。
ローパスフィルタ部34は、乗算部31から操舵角に応じた転舵角に付加前輪舵角を加えた値を入力し、ローパスフィルタを通した後の値を前輪転舵角指令値として出力している。このローパスフィルタ部34により、スプリットμフラグが「0」と「1」との間で切り替わったときの出力急変を抑制している。
操舵反力演算部22は、ヨーレイト、前輪転舵角、スプリットμフラグ、補正操舵反力、車速、前輪転舵角指令値および操舵角を入力して、操舵反力指令値を演算する。
図8は、操舵反力演算部22の制御ブロック図である。操舵反力演算部22は、アシスト操舵反力演算部35と、ベース操舵反力演算部36と、ベース操舵反力補正ゲイン演算部37と、乗算部38と、加減算部39を有している。
ベース操舵反力演算部36は、車速と前輪転舵角指令値を入力して、ベース操舵反力を演算する。ベース操舵反力は、前輪2が直進状態に戻ろうとするセルフアライニングトルクを模擬して求められる反力であり、上述の通り操舵機構の力学モデルに基づいて算出される反力である。
乗算部38は、ベース操舵反力とベース操舵反力補正ゲインを乗算して、この乗算結果を出力する。
なお、式(7)において、
を示す。
以下、アシスト操舵反力演算部35、ベース操舵反力演算部36、ベース操舵反力補正ゲイン演算部37について詳述する。
アシスト操舵反力演算部35では、ヨーレイト、前輪転舵角およびスプリットμフラグ、車速および前輪転舵角指令値とから、アシスト操舵反力を演算する。
図9は、アシスト操舵反力演算部35の制御ブロック図である。アシスト操舵反力演算部35は、絶対値演算部40と、ヨーレイト依存補正ゲイン演算部41と、加減算部42、アシスト操舵反力演算部43と、車速依存補正ゲイン演算部44と、乗算部45と、ローパスフィルタ部46を有している。
ヨーレイト依存補正ゲイン演算部41はヨーレイトの絶対値を入力し、ヨーレイト依存補正ゲインマップからヨーレイトの絶対値に応じたヨーレイト依存補正ゲインを設定し、乗算部45に出力する。ヨーレイト依存補正ゲインマップは、図9のヨーレイト依存補正ゲイン演算部41内に示すように、ヨーレイトが5[deg/s]までは補正ゲインを「1」とし、5[deg/s]から15[deg/s]までは補正ゲインを「1」から増加させるように設定し、15[deg/s]以降は一定値に設定している。
アシスト操舵反力演算部43は差分角を入力し、アシスト操舵反力マップから差分角に応じたアシスト操舵反力を設定して、このアシスト操舵反力を乗算部45に出力する。アシスト操舵反力マップは、図9のアシスト操舵反力演算部43内に示すように、差分角が大きくなるほどアシスト操舵反力が大きくなるように設定し、差分角が設定値を超える範囲ではアシスト操舵反力を一定値に設定している。
なお、式(8)において、
を示す。スプリットμフラグには「1」または「0」が入力されているため、スプリットμフラグが「1」のときのみローパスフィルタ部46に各値の乗算結果が出力されることとなる。
ベース操舵反力演算部36は、車速と前輪転舵角指令値を入力して、ベース操舵反力を演算する。ベース操舵反力は、次の式(9)によって求められる。
なお、式(9)において、
を示す。なお、操舵角に対する操舵反力の伝達関数は上述の通り操舵機構の力学モデルに基づく伝達関数であり、車速依存性を有している。
ベース操舵反力補正ゲイン演算部37は、スプリットμフラグと操舵角とを入力して、ベース操舵反力補正ゲインを演算する。
図10は、ベース操舵反力補正ゲイン演算部37の制御ブロック図である。図10に示すように、ベース操舵反力補正ゲイン演算部37は、絶対値演算部47と、操舵角偏差演算部48と、操舵角偏差依存補正ゲイン演算部49と、微分演算部50と、絶対値演算部51と、操舵角速度依存補正ゲイン演算部52と、乗算部53とを有している。絶対値演算部47は、操舵角を入力して、この操舵角の絶対値を演算する。
操舵角速度依存補正ゲイン演算部52は、操舵角速度を入力し、操舵角速度依存補正ゲインマップから操舵角速度依存補正ゲインを設定して、この操舵角速度依存補正ゲインを乗算部53に出力する。操舵角速度依存補正ゲインマップは、図10の操舵角速度依存補正ゲイン演算部52内に示すように、操舵角速度が0[deg/s]〜250[deg/s]のときは「1」であり、250[deg/s]〜350[deg/s]までは大きくなるほど補正ゲインを大きく設定するようにしている。補正角速度が350[deg/s]を超えると一定値を保つ。
なお、式(10)において、
を示す。スプリットμフラグには「1」または「0」が入力されているため、スプリットμフラグが「1」のときのみベース操舵反力補正ゲインが出力されることとなる。
(操舵反力低減作用)
図12は、スプリットμ路における制動力ヨーモーメントの発生を説明する図である。スプリットμ路走行時にブレーキを作動させると高μ路側にヨーモーメント(制動力ヨーモーメント)が発生する。この制動力ヨーモーメントを抑制するために、自動的に前輪を低μ路側に転舵させる自動カウンタステア制御が行われる。
実施例1の操舵制御装置1では、スプリットμ路における制動時に、カウンタステア方向にアシスト操舵反力を付与するようにした。
これにより、ドライバによるカウンタステアの遅れを小さくすることができ、車両挙動変化を小さくすることができる。
これにより、ヨーレイトが急激に増加するような急制動を行った場合であっても、ドライバによりカウンタステアの遅れを小さくすることができるため、車両挙動変化を小さくすることができる。
これにより、高速領域における操舵反力変動を抑制することができる。高速走行中では操舵角の微小変化による車両挙動変化が大きく、操舵反力変動を小さくした方が操舵安定性は高まり、車線逸脱の抑制やドライバへの違和感を低減することができる。
ドライバによるカウンタステアは過剰になる傾向が強いため、車両挙動が迅速に安定させることができないことがある。そこで実施例1の操舵制御装置1では、ドライバのカウンタステアが始まるとベース操舵反力が大きくなるように補正した。
このため、ドライバによるカウンタステア時に適切な操舵角に近づくほど操舵反力が大きくなるため、過剰なカウンタステアを抑制することが可能となり、ドライバは安定した操舵を行うことができ、また車両挙動安定性を高めることができる。
ドライバによるカウンタステア時に操舵速度が大きいと、適切な操舵角に対してオーバシュートする可能性が高くなる。このため、操舵速度が大きくなるほどベース操舵反力を大きくすることによりドライバは安定した操舵を行うことができ、また車両挙動安定性を高めることができる。
図21は、上述したベース操舵反力指令値から補正操舵反力の減少、アシスト操舵反力、ベース操舵反力の増大補正を全て行ったときの操舵角と操舵反力のタイムチャートである。図21(a)は操舵角を、図21(b)は操舵反力を示す。図21において時間t0はスプリットμ路におけるブレーキ作動を開始した時間を示す。図21(a)において実線は各補正後の操舵角を、点線は各補正前の操舵角を示す。図21(b)において実線は各補正後の操舵反力を、点線は各補正前の操舵反力を示す。
実施例1の効果について以下に列記する。
(1)車両の前輪2(転舵輪)を転舵させる転舵アクチュエータ8と、前輪2と機械的に切り離され、ドライバによる操舵力が入力されるステアリングホイール4(操舵手段)と、ステアリングホイール4の操舵角を検出する操舵角センサ5(操舵角検出手段)と、前輪2の転舵角を検出する転舵アクチュエータ回転角センサ15(転舵角検出手段)と、ステアリングホイール4に操舵反力を付与する操舵反力アクチュエータ6と、操舵角に基づいて前輪2を転舵させるベース転舵角を演算するベース転舵角演算部57(ベース転舵角演算手段)と、転舵角に基づいてステアリングホイール4へ付与するベース操舵反力を演算するベース操舵反力演算部36(ベース操舵反力演算手段)と、左右車輪の接地面の摩擦係数の差が設定値より大きいスプリットμ路(左右異摩擦係数路面)上で制動が行われていることを検出するスプリットμ検出部20(左右異摩擦係数路面制動検出手段)と、車輪の制動力を検出するマスタシリンダ圧センサ18(制動力検出手段)と、左右異摩擦係数路面上での制動時に、車両に発生するヨーモーメントを演算し、該ヨーモーメントを低減するように前輪2の付加前輪転舵角を演算し、付加前輪転舵角により増加するベース操舵反力を補正操舵反力(増加操舵反力)として演算するする自動カウンタステア演算部(付加転舵角演算手段、増加操舵反力演算手段)と、ベース転舵角に付加前輪転舵角を加えた値に応じた前輪転舵角指令値に基づいて転舵アクチュエータ8を制御する前輪転舵角演算部(転舵角制御手段)と、ベース操舵反力から補正操舵反力に基づいて低減した値に応じた操舵反力指令値に基づいて操舵反力アクチュエータ6を制御する操舵反力演算部22(操舵反力制御手段)とを設けた。
よって、スプリットμ路における制動時の車両挙動変化を抑制することができる。
よって、ドライバによるカウンタステアの遅れを小さくすることができ、車両挙動変化を小さくすることができる。
よって、ヨーレイトが急激に増加するような急制動を行った場合であっても、ドライバによりカウンタステアの遅れを小さくすることができるため、車両挙動変化を小さくすることができる。
よって、高速領域における操舵反力変動を抑制することができ、操舵安定性は高まり、車線逸脱の抑制やドライバへの違和感を低減することができる。
よって、ベース操舵反力が大きくなるとドライバは操舵の位置決めがしやすくなり、車両挙動のコントロール性を向上させることができ、車両挙動安定性を高めることができる。
よって、ドライバによるカウンタステア時に適切な操舵角に近づくほど操舵反力が大きくなるため、過剰なカウンタステアを抑制することが可能となり、ドライバは安定した操舵を行うことができ、また車両挙動安定性を高めることができる。
よって、操舵速度が大きくなるほどベース操舵反力を大きくすることによりドライバは安定した操舵を行うことができ、また車両挙動安定性を高めることができる。
以上、本発明を実施するための最良の形態を、実施例1に基づいて説明したが、本発明の具体的な構成は、実施例1に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。
例えば実施例1の操舵制御装置1では、マスタシリンダ圧とバルブの開弁時間からホイルシリンダ圧を求めるようにしているが、直接ホイルシリンダに液圧センサを設けてホイルシリンダ圧を検出するようにしても良い。
また実施例1の操舵制御装置1では、操舵側または転舵側の機構に異常が発生した際に操舵側と転舵側とを機械的に連結するバックアップクラッチを有しないが、このバックアップクラッチを設けるようにしても良い。
また実施例1の操舵制御装置1では、転舵機構としてラック・ピニオン式のものを用いているが、ボール・ナット式のものを用いても良い。
2 前輪(転舵輪)
4 ステアリングホイール(操舵手段)
5 操舵角センサ(操舵角検出手段)
6 操舵反力アクチュエータ
8 転舵アクチュエータ
15 転舵アクチュエータ回転角センサ(転舵角検出手段)
18 マスタシリンダ圧センサ(制動力検出手段)
19 自動カウンタステア演算部(付加転舵角演算手段、増加操舵反力演算手段)
20 スプリットμ検出部(左右異摩擦係数路面制動検出手段)
21 前輪転舵角演算部(転舵角制御手段)
22 操舵反力演算部(操舵反力制御手段)
35 アシスト操舵反力演算部(アシスト操舵反力演算手段)
36 ベース操舵反力演算部(ベース操舵反力演算手段)
37 ベース操舵反力補正ゲイン演算部(ベース操舵反力補正手段)
57 ベース転舵角演算部(ベース転舵角演算手段)
Claims (8)
- 車両の転舵輪を転舵させる転舵アクチュエータと、
前記転舵輪と機械的に切り離され、ドライバによる操舵力が入力される操舵手段と、
前記操舵手段の操舵角を検出する操舵角検出手段と、
前記転舵輪の転舵角を検出する転舵角検出手段と、
該操舵手段に操舵反力を付与する操舵反力アクチュエータと、
前記操舵角に基づいて前記転舵輪を転舵させるベース転舵角を演算するベース転舵角演算手段と、
前記転舵角に基づいて前記操舵手段へ付与するベース操舵反力を演算するベース操舵反力演算手段と、
左右車輪の接地面の摩擦係数の差が設定値より大きい左右異摩擦係数路面上で制動が行われていることを検出する左右異摩擦係数路面制動検出手段と、
左右異摩擦係数路面上での制動時に、車両に発生するヨーモーメントを演算し、該ヨーモーメントを低減するように前記転舵輪の付加転舵角を演算する付加転舵角演算手段と、
前記付加転舵角により増加する前記ベース操舵反力を増加操舵反力として演算する増加操舵反力演算手段と、
該ベース転舵角に前記付加転舵角を加えた値に応じた転舵角指令値に基づいて前記転舵アクチュエータを制御する転舵角制御手段と、
前記ベース操舵反力から前記増加操舵反力に基づいて低減した値に応じた操舵反力指令値に基づいて前記操舵反力アクチュエータを制御する操舵反力制御手段と
を設けたことを特徴とする操舵制御装置。 - 請求項1に記載の操舵制御装置において、
左右異摩擦係数路面上での制動時に、カウンタステア方向に付与する操舵反力であるアシスト操舵反力を演算するアシスト操舵反力演算手段を設け、
前記操舵反力制御手段は、前記ベース操舵反力に前記アシスト反力を加えた値に応じた操舵反力指令値に基づいて前記操舵反力アクチュエータを制御することを特徴とする操舵制御装置。 - 請求項2に記載の操舵制御装置において、
前記アシスト操舵反力演算手段は、前記転舵角指令値と前記転舵角との差分角が大きくなるほど前記アシスト操舵反力が大きくなるように演算することを特徴とする操舵制御装置。 - 請求項2または請求項3に記載の操舵制御装置において、
前記アシスト操舵反力演算手段は、車両のヨーレイトが設定値よりも大きいとき、前記ヨーレイトが大きくなるほど前記アシスト操舵反力が大きくなるように演算することを特徴とする操舵制御装置。 - 請求項2ないし請求項4のいずれか1項に記載の操舵制御装置において、
前記アシスト操舵反力演算手段は、車速が設定値よりも大きいとき、前記車速が大きくなるほど前記アシスト反力が小さくなるように演算することを特徴とする操舵制御装置。 - 請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の操舵制御装置において、
左右異摩擦係数路面上での制動時であってドライバによるカウンタステア開始後に、前記ベース操舵反力を大きくなるように補正するベース操舵反力補正手段を設けたことを特徴とする操舵制御装置。 - 請求項6に記載の操舵制御装置において、
前記ベース操舵反力補正手段は、左右異摩擦係数路面上での制動開始時の操舵角に対して、操舵角が大きくなるほど前記ベース操舵反力を大きくなるように補正することを特徴とする操舵制御装置。 - 請求項6または請求項8に記載に操舵制御装置において、
前記ベース操舵反力補正手段は、左右異摩擦係数路面上での制動開始後に、操舵角速度が設定値より大きいときには、前記操舵角速度が大きくなるほど前記操舵反力指令値を大きく補正することを特徴とする操舵制御装置。
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