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JP2012009625A - 発光素子 - Google Patents

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JP2012009625A JP2010144170A JP2010144170A JP2012009625A JP 2012009625 A JP2012009625 A JP 2012009625A JP 2010144170 A JP2010144170 A JP 2010144170A JP 2010144170 A JP2010144170 A JP 2010144170A JP 2012009625 A JP2012009625 A JP 2012009625A
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Tetsuya Takeuchi
哲也 竹内
Satoshi Kamiyama
智 上山
Motoaki Iwatani
素顕 岩谷
Isamu Akasaki
勇 赤崎
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Abstract

【課題】実装される発光装置の耐環境性及び信頼性を樹脂封止のものに対して向上させつつ、製造コストの低減を図ることのできる発光素子を提供する。
【解決手段】発光素子1において、電流の注入により発光する半導体積層部20と、半導体積層部20から発せられる光により励起されると、波長変換光を発する微結晶を含有する微結晶層40と、を備え、ウェハの状態での白色光の評価、選別等を可能とし、製造コストの低減を図ることができた。
【選択図】図1

Description

本発明は、発光層からの光により励起されると波長変換光を発する微結晶層を有する発光素子に関する。
従来、白色発光装置として、青色光を発するLED素子と、黄色光を発する蛍光体とを組み合わせたものが知られている(特許文献1参照)。この種の白色発光装置では、LED素子を封止する樹脂に粉末状の蛍光体を含有させることが一般的である。白色発光装置は、LED素子をチップ化して実装した後に、粉末状の蛍光体を練り込ませた樹脂をチップごとに充填して製造される。
しかしながら、この白色発光装置では、樹脂を使用するため、耐熱性等の耐環境性が低くなるという課題がある。また、蛍光体を含有した樹脂を使用するので、蛍光体又は樹脂の寿命で装置の寿命が決定されてしまい、LED素子の寿命を迎える前に装置が使用できなくなるという問題点もある。
一方、蛍光体部材をLEDチップの上に接触させて設置した白色発光装置も知られている(特許文献2参照)。特許文献2の発光装置では、封止用の樹脂が省略されている。
特開2000−208815号公報 特開2008−231218号公報
しかしながら、特許文献2に記載の発光装置においても、蛍光体部材をLEDチップと別個に設けており、LEDチップの実装後でないと白色光の評価、選別等を行うことができない。これにより、LEDチップ形成後の工程が長いことと相まって、製造コストが嵩むという問題点があった。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、実装される発光装置の耐環境性及び信頼性を樹脂封止のものに対して向上させつつ、製造コストの低減を図ることのできる発光素子を提供することにある。
本発明では、電流の注入により発光する半導体積層部と、前記半導体積層部から発せられる光により励起されると、波長変換光を発する微結晶を含有する微結晶層と、を備える発光素子が提供される。
上記発光素子において、前記半導体積層部に注入される電流を拡散する電流拡散構造を備えることが好ましい。
上記発光素子において、前記半導体積層部は、窒化物半導体で構成され、前記電流拡散構造は、窒化物半導体で構成されるトンネル接合構造を含んでもよい。
上記発光素子において、前記電流拡散構造は、透明な酸化物材料で構成されてもよい。
上記発光素子において、前記微結晶層は、シリコン半導体で構成されてもよい。
上記発光素子において、前記微結晶層は、窒化物半導体で構成されてもよい。
上記発光素子において、前記微結晶の径は、5nm以下であってもよい。
また、上記発光素子の製造方法であって、前記半導体積層部及び前記微結晶層が形成されたウェハを作製する作製工程と、前記ウェハを分割する分割工程と、を含む発光素子の製造方法が提供される。
本発明によれば、実装される発光装置の耐環境性及び信頼性を樹脂封止のものに対して向上させつつ、製造コストの低減を図ることができる。
図1は、本発明の第1の実施形態を示すLED素子の模式断面図である。 図2は、LED素子の製造過程の説明図である。 図3は、LED素子の製造過程の説明図である。 図4は、LED素子の製造過程の説明図である。 図5は、LED素子が実装された発光装置の模式説明図である。 図6は、変形例を示すLED素子の模式断面図である。 図7は、本発明の第2の実施形態を示すLED素子の模式断面図である。 図8は、本発明の第3の実施形態を示すLED素子の模式断面図である。
図1から図5は本発明の第1の実施形態を示すものであり、図1はLED素子の模式断面図、図2から図4はLED素子の製造過程の説明図、図5はLED素子が実装された発光装置の模式説明図である。
図1に示すように、LED素子1は、支持基板10上に、主として発光機能を有する第1半導体積層部20と、主として電流拡散機能を有する第2半導体積層部30と、第1半導体積層部20から発せられた光により励起されると波長変換光を発する微結晶を含有する微結晶層40と、がこの順で形成されたものである。本実施形態においては、支持基板10はサファイア基板であり、第1半導体積層部20及び第2半導体積層部30はIII族窒化物半導体からなり、微結晶層40はシリコン半導体からなり、具体的にはSiの微結晶を含有するSiOからなる。このLED素子1は、フェイスアップ型であり、第1半導体積層部20から発せられた光は、支持基板10と反対側の第2半導体積層部30及び微結晶層40側から主として光が取り出される。
第1半導体積層部20は、電流の注入により発光し、バッファ層22、n型層24、発光層26、p型層28を支持基板10側からこの順に有している。また、第2半導体積層部30は、第1半導体積層部20に注入される電流を拡散する電流拡散構造であり、高Mg濃度p型層32、高Si濃度n型層34、n型電流拡散層36、n型コンタクト層38を第1半導体積層部20側からこの順に有している。ここで、高Mg濃度層32と高Si濃度層34とでトンネル接合層を構成している。第1半導体積層部20のn型層24上に第1電極52が形成されるとともに、第2半導体積層部30のn型コンタクト層38上に第2電極54が形成されている。
以下、図2から図4を参照して、LED素子1の製造方法について説明する。図2(a)は、支持基板10に第1半導体積層部20を成長させた状態を示し、図2(b)は、さらに第2半導体積層部30を成長させた状態を示す。
まず、支持基板10からなるウェハを用意し、図2(a)に示すように第1半導体積層部20を支持基板10上にIII族窒化物半導体のエピタキシャル成長により形成する。例えば、有機金属化学気相成長法(Metal Organic Chemical Vapor Deposition : MOCVD)、分子線エピタキシー法(Molecular Beam Epitaxy : MBE)、ハライド気相エピタキシー法(Halide Vapor Phase Epitaxy : HVPE)等を用いることができる。本実施形態においては、バッファ層22はGaNから、n型層24はSiがドープされたGaNからなる。バッファ層22はn型層24等の他の半導体積層部よりも低温にて成長されている。発光層26は、InGaNからなり、注入される電子及び正孔の再結合により青色光を発する。ここで、青色光とは、例えば、ピーク波長が430nm以上480nm以下の光をいうものとする。本実施形態においては、発光層26の発光のピーク波長は450nmである。p型層28はMgがドープされたGaNからなる。尚、バッファ層22はGaNでなくAlNから形成することもでき、発光層26は、多重量子井戸構造だけでなく、単一量子井戸構造、歪量子井戸構造にすることもできる。
続いて、図2(b)に示すように第2半導体積層部30を第1半導体積層部20上にIII族窒化物半導体のエピタキシャル成長により形成する。本実施形態においては、第1及び第2半導体積層部20,30はともにIII族窒化物半導体であることから、同一の製造装置で連続的に成長させることができる。本実施形態においては、高Mg濃度層32は、InGaNからなり、隣接するp型層28よりもMg濃度が高く設定されている。また、高Si濃度層34は、InGaNからなり、隣接するn型電流拡散層36よりもSi濃度が高く設定されている。n型電流拡散層36及びn型コンタクト層38は、SiがドープされたGaNからなる。高Mg濃度層32の膜厚は例えば20nm、高Si濃度層34の膜厚は例えば20nm、n型電流拡散層36の膜厚は例えば150nm、n型コンタクト層38の膜厚は例えば50nmとすることができる。
図3(a)は、第2半導体積層部30上に微結晶層40を形成した状態を示し、図3(b)は、微結晶層40をパターニングした状態を示す。
第2半導体積層部30上にプラズマCVD法を用いてSiO層を形成する。ここで、SiOに代えてSiN等のSiを含む材料を形成してもよい。また、SiO、SiN等は、スパッタ法、電子ビーム蒸着法等により形成することもできる。そして、800℃〜1000℃で熱処理を行うことにより、SiO層の内部に所定の径のSiの微結晶が生成され、図3(a)に示すような微結晶層40が形成される。微結晶の径は、5nm以下であることが、発光強度の観点から好ましい。本実施形態においては、微結晶層40は、厚さが5μmであり、Si微結晶の体積割合は30%、Si微結晶の平均径は2nmであり、青色の励起光により580nmにピークをもつブロードな黄色の波長変換光を発する。この後、図3(b)に示すように、フォトリソグラフィ及びドライエッチングにより微結晶層40をパターニングする。尚、微結晶層40は、絶縁性を有することから、微結晶層40を素子表面を覆う絶縁膜として利用することができる。微結晶層40は、第2電極54が形成される領域を除いて、n型コンタクト層38上にほぼ全面的に形成される。
図4(a)は、半導体積層部の一部をエッチングにより除去した状態を示し、図4(b)は、第1電極52及び第2電極54を形成した状態を示す。
図4(a)に示すように、エッチングにより第1及び第2半導体積層部の一部を除去して、n型層24を露出させる。そして、図4(b)に示すように、露出したn型層24に第1電極52を形成し、n型コンタクト層38に第2電極54を形成する。第1電極52及び第2電極54は、例えばITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、NiO等のような、耐熱性の比較的高い酸化物電極により構成される。第1電極52及び第2電極54は、真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法等により形成される。
以上の作製工程で、第1,第2半導体積層部20,30及び微結晶層40が形成されたウェハが作製される。そして、第1電極52及び第2電極54が形成された後、ウェハの状態のまま各素子の評価、選別等を行う。評価、選別等を行った後、ウェハの分割工程において、図1に示すような各LED素子1に分割する。そして、図5に示すように、各LED素子1を基体92に実装して発光装置90とする。図5の発光装置90は、LED素子1から発せられる光を反射するリフレクタ94と、LED素子1へ電力を供給するための配線96と、を備えている。
以上のように構成されたLED素子1は、第1電極52に対して、第2電極54に順方向の電圧を印加すると、発光層26から青色光が発せられる。このとき、p型の高Mg濃度層32とn型の高Si濃度層34とでトンネル接合構造をなし、n層からp層へ低抵抗でトンネル電流が流れることとなる。窒化物半導体においては、n層の抵抗率がp層の抵抗率の約1/100と非常に低いため、n層側にて電流が平面方向に広がる電流拡散作用を得ることができる。この結果、p型GaN層28には、拡散された状態で電流が流れ、発光層26において平面視にて全体的に発光することとなる。
発光層26から発せられた光は、微結晶層40へ入射すると、Siの微結晶を励起して、当該微結晶から波長が変換された波長変換光が発せられる。ここで、微結晶層40がn型コンタクト層38上に全面的に形成されることから、全体的に発光する発光層26からの光を効率良く微結晶層40へ入射させることができる。これにより、効率良く波長変換を行うことができる。波長変換光の波長は、微結晶層40におけるSi微結晶の割合、Si微結晶の径、微結晶層40の厚さ等を調整することにより、例えば緑色〜赤色の範囲で適宜に変化させることができる。そして、発光層26の青色光と、微結晶層40の黄色光との組み合わせにより、LED素子1から白色光が発せられることとなる。
このように、本実施形態のLED素子1によれば、素子から白色光が発せられるので、素子を封止する樹脂等の封止材に蛍光体を含有させる必要はない。従って、LED素子1の封止材や蛍光体を省略する等により、LED素子1の耐環境性、信頼性等を向上させつつ、コストを低減することができる。具体的に、本実施形態のLED素子1は、800℃以上の耐熱性、寿命10万時間の信頼性等が実現されている。
これにより、耐環境性が要求される屋外、車載等の用途のみならず、例えば700℃以上の熱工程が必要となるガラス、陶器等の材料にLED素子1を埋設することができ、従来は素子の実装や交換作業が不可能であった箇所への素子の設置が可能となる。
また、チップ化することなくウェハの状態で白色発光させることができるので、評価工程、選別工程をウェハの状態で行うことができる。従って、白色のLED素子1であるにも関わらず、単色のLED素子と同様のプロセスフローとすることができる。このように、チップ化後の工程を極力少なくすることにより、格段のコストの低減を図ることができる。これに対し、従来のように封止材に蛍光体を含有させたものでは、素子封止後でなければ、評価、選別等を行うことができずにコスト高となってしまう。
尚、前記実施形態においては、第1電極52及び第2電極54としてITO,IZO,NiO等の耐熱性が比較的高い酸化物電極を用いたものを示したが、LED素子1に要求される耐熱温度が例えば400℃程度のように比較的低い場合には、Ni,Au,Al等の金属を用いてもよい。
また、前期実施形態においては、微結晶層40が単層であるものを示したが、例えば図6に示すように、微結晶層140が多層であるLED素子101とすることもできる。微結晶層140は、組成の異なる複数のSiO層で構成することができ、図6においては、各層の膜厚が2μmのSiO(0<x<2)層142とSiO(0<x<y<2)層144の二層から構成される。SiO層142はSi微結晶の体積割合が30%、平均径が2.4nmであり、青色励起光により650nmにピークを持つブロードな赤色の波長変換光を発する。SiO層144は、Si微結晶の体積割合が15%、平均径が1.7nmであり、青色励起光により520nmにピークを持つブロードな緑色の波長変換光を発する。これにより、図6のLED素子101からは演色性の比較的高い白色光が発せられる。
図7は、本発明の第2の実施形態を示すLED素子の模式断面図である。
このLED素子201は、微結晶層240が第1の実施形態のLED素子1と相違し、その他の構成は同じである。微結晶層240は、InNの微結晶を含有するGaNからなり、第1半導体積層部20及び第2半導体積層部30と同一装置で連続的に形成される。ここで、InNとGaNは格子不整合が大きく、GaN上にInNを形成するとInNが3次元成長することから、これを利用して所定の径のInN微結晶を含むGaN層を形成することができる。例えば、InN(例えば厚さ1〜5nm)/GaN(例えば厚さ:10nm)の条件で多層構造を形成すれば、数nmのInN微結晶を含むGaNを形成することができる。
また、微結晶層240を形成する他の方法として、相分離を用いる方法もある。この場合、所定割合のIn組成のInGaN単層膜を形成した後、熱アニールを施すことにより、InNを凝集させてInN微結晶を形成することができる。
本実施形態においては、InN微結晶の体積割合が20%、InN微結晶の平均径が1.6nm、微結晶層240の厚さが2μmであり、580nmにピークをもつブロードな黄色の波長変換光が発せられる。波長変換光の波長は、微結晶層240におけるInN微結晶の割合、InN微結晶の径、微結晶層240の厚さ等を調整することにより、例えば緑色〜赤色の範囲で適宜に変化させることができる。微結晶層240が形成された後、絶縁層(図示せず)や各電極52,54を形成してLED素子201が完成する。
このLED素子201においても、p型層28には、拡散された状態で電流が流れ、発光層26において平面視にて全体的に発光することとなる。発光層26から発せられた光は、微結晶層240へ入射すると、InNの微結晶を励起して、当該微結晶から波長が変換された波長変換光が発せられる。そして、発光層26の青色光と、微結晶層240の黄色光との組み合わせにより、LED素子201から白色光が発せられることとなる。
このように、本実施形態のLED素子201によれば、素子から白色光が発せられるので、素子を封止する樹脂等の封止材に蛍光体を含有させる必要はない。従って、発光装置の封止材や蛍光体を省略する等により、発光装置の耐環境性、信頼性等を向上させつつ、コストを低減することができる。
また、白色のLED素子201であるにも関わらず、単色のLED素子と同様のプロセスフローとすることができる。このように、チップ化後の工程を極力少なくすることにより、格段のコストの低減を図ることができる。特に本実施形態においては、微結晶層240を各半導体積層部20,30と同じ窒化物半導体としたので、コスト低減効果が大きくなる。
図8は、本発明の第3の実施形態を示すLED素子の模式断面図である。
本実施形態においては、第1半導体積層部320の発光層326の発光波長と、微結晶層340の構成と、第2半導体積層部30に代えて透明導電酸化物層330を設けた点と、が第1の実施形態と主として相違している。
発光層326は、ピーク波長が405nmの紫外光を発し、微結晶層340は当該紫外光により励起されると、青色〜赤色の波長変換光を発する。本実施形態においては、微結晶層340は、SiN/SiN/SiN(0<x<y<z<2)の三層構造とすることができる。
図8においては、微結晶層340は、SiN層342とSiN層344とSiN層346とから構成される。微結晶層340は、SiNを例えばプラズマCVD法で堆積し、例えば800℃で熱処理を行うことにより形成することができる。尚、SiNに代えてSiOを用いることもできる。
SiN層342は、厚さが2μmであり、Si微結晶の割合が30%、Si微結晶の平均径が2.4nmであり、紫外の励起光により650nmにピークをもつブロードな赤色の波長変換光を発する。
また、SiN層344は、厚さが1.5μmであり、Si微結晶の割合が20%、Si微結晶の平均径が1.7nmであり、紫外の励起光により520nmにピークをもつブロードな緑色の波長変換光を発する。
さらに、SiN層346は、厚さが1μmであり、Si微結晶の割合が15%、Si微結晶の平均径が1.4nmであり、紫外の励起光により450nmにピークをもつブロードな青色の波長変換光を発する。
これにより、図8のLED素子301からは演色性の高い白色光が発せられる。
また、本実施形態においては、電流拡散構造としてp型GaN層28よりもシート抵抗の小さい透明導電酸化物層330が設けられ、透明導電酸化物層330の上に微結晶層340が形成されている。透明導電酸化物層330として、例えば耐熱性に優れるITOを用いることができ、ITOとした場合は微結晶層340を800℃で熱処理した場合にも、透明性や導電性に悪影響がない。透明導電酸化物層330は、例えばスパッタ法により200nm堆積される。
以上のように構成されたLED素子301によれば、第1電極52に対して、透明導電酸化物層330に順方向の電圧を印加すると、発光層326から紫外光が発せられる。このとき、透明導電酸化物層330のシート抵抗がp型層28より小さいので、透明導電酸化物層330にて電流が平面方向に広がる電流拡散作用を得ることができる。この結果、p型層28には、拡散された状態で電流が流れ、発光層326において平面視にて全体的に発光することとなる。
発光層326から発せられた光は、微結晶層340へ入射すると、Siの微結晶を励起して、当該微結晶から波長が変換された波長変換光が発せられる。そして、発光層326の紫外光と、微結晶層340の赤・緑・青色光との組み合わせにより、LED素子301から白色光が発せられることとなる。
また、素子から白色光が発せられるので、素子を封止する樹脂等の封止材に蛍光体を含有させる必要はない。従って、発光装置の封止材や蛍光体を省略する等により、発光装置の耐環境性、信頼性等を向上させつつ、コストを低減することができる。
さらに、白色のLED素子301であるにも関わらず、単色のLED素子と同様のプロセスフローとすることができる。このように、チップ化後の工程を極力少なくすることにより、格段のコストの低減を図ることができる。
尚、前記各実施形態においては、支持基板10としてサファイアを用いたものを示したが、例えばGaN等を用いてもよい。さらに、微結晶としてSi、InN以外の材料を用いてもよく、その他具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
1 LED素子
10 支持基板
20 第1半導体積層部
22 バッファ層
24 n型層
26 発光層
28 p型層
30 第2半導体積層部
32 高Mg濃度p型層
34 高Si濃度n型層
36 n型電流拡散層
38 n型コンタクト層
40 微結晶層
52 第1電極
54 第2電極
90 発光装置
92 基体
94 リフレクタ
96 配線
101 LED素子
140 微結晶層
142 SiO
144 SiO
201 LED素子
240 微結晶層
301 LED素子
320 半導体積層部
326 発光層
340 微結晶層
342 SiN
344 SiN
346 SiN

Claims (8)

  1. 電流の注入により発光する半導体積層部と、
    前記半導体積層部から発せられる光により励起されると、波長変換光を発する微結晶を含有する微結晶層と、を備える発光素子。
  2. 前記半導体積層部に注入される電流を拡散する電流拡散構造を備えた請求項1に記載の発光素子。
  3. 前記半導体積層部は、窒化物半導体で構成され、
    前記電流拡散構造は、窒化物半導体で構成されるトンネル接合構造を含む請求項2に記載の発光素子。
  4. 前記電流拡散構造は、透明な酸化物材料で構成される請求項2に記載の発光素子。
  5. 前記微結晶層は、シリコン半導体で構成される請求項1から4のいずれか1項に記載の発光素子。
  6. 前記微結晶層は、窒化物半導体で構成される請求項1から4のいずれか1項に記載の発光素子。
  7. 前記微結晶の径は、5nm以下である請求項1から6のいずれか1項に記載の発光素子。
  8. 請求項1から7のいずれか1項に記載の発光素子の製造方法であって、
    前記半導体積層部及び前記微結晶層が形成されたウェハを作製する作製工程と、
    前記ウェハを分割する分割工程と、を含む発光素子の製造方法。
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