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JP2012005719A - アプリケータ - Google Patents

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Abstract

【課題】挿入物の位置確認をなし得るアプリケータを提供する。
【解決手段】挿入物2を保持しかつ先端部3aから排出可能な外筒3と、該外筒3内に移動自在に配置され、その基端部を押圧して外筒3内に挿入された挿入物2を先端部3aから排出させるプランジャ4とを備えたアプリケータ1において、外筒3の内周面3cには被係合部6a〜6cが形成されるとともに、プランジャ4には該プランジャ4により挿入物2を外筒3内の所定の位置に至らせたときに被係合部6a〜6cと係合して、挿入物2の位置を知覚させる係合部21、22が形成されていることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、挿入物の位置確認をなし得るアプリケータに関する。
従来より、人が膣内等の体内に自ら薬剤やタンポン等の挿入物を挿入できるようにしたアプリケータとして、例えば特許文献1に開示されたタンポン用のアプリケータや、特許文献2に開示されたような投薬用のアプリケータが提供されている。
これらのアプリケータは、所定の長さ寸法を有する外筒とプランジャとから構成されるものであり、外筒の内部先端に挿入物を配置し、更にこの外筒の基端側にプランジャを挿入した状態において人の体内に挿入し、プランジャを押圧して挿入物を前進させ、外筒先端から挿入物を外部へ送り出して使用されるものである。
特開2009−201761号公報 特表2009−530055号公報
しかしながら、特許文献1に開示されたアプリケータにおいては、挿入物の排出開始のタイミングないし排出状態を視認することができず、挿入物の排出が行われているのかどうかが分かり難いことから、挿入に際して使用者が不安感や恐怖心を抱くことがあったり、使用者に無用の心理的な負担を掛けたりして、円滑に操作を行い難いという問題があった。
また、特許文献2に開示されたアプリケータは、プランジャを当初収縮状態で外筒内に収納しておき、アプリケータの使用時に当該プランジャを引き伸ばして使用するものであり、プランジャの引き伸ばし動作の完了を係合音等で知覚できる点に特徴を有するが、このアプリケータにおいても、上記のアプリケータと同様にプランジャの操作によって挿入物の位置を知ることはできず、使用者に無用の心理的な負担をかける等、上記従来のアプリケータと同様の問題があった。
本発明は、上記問題を解消するために、以下の手段を提供している。
第1の発明は、挿入物を保持しかつ先端部から排出可能な外筒と、該外筒内に移動自在に配置され、その基端部を押圧して前記外筒内に挿入された前記挿入物を前記先端部から排出させるプランジャとを備えたアプリケータにおいて、前記外筒の内周面には被係合部が形成されるとともに、前記プランジャには該プランジャにより前記挿入物を前記外筒内の所定の位置に至らせたときに前記被係合部と係合して、前記挿入物の位置を知覚させる係合部が形成されていることを特徴とする。
第2の発明は、前記係合部と前記被係合部とは、前記挿入物が前記プランジャにより前記外筒の排出待機領域に配置され前記挿入物の排出が開始可能とされたときに互いに係合する位置関係となるよう形成されていることを特徴とする。
第3の発明は、前記係合部と前記被係合部とは、前記挿入物の先端部が前記プランジャにより前記外筒の前記先端部から突出したときに互いに係合する位置関係となるよう形成されていること特徴とする。
第4の発明は、前記係合部と前記被係合部とは、前記挿入物が前記プランジャにより押し出され、前記外筒の前記先端部から完全に排出されたときに互いに係合する位置関係となるよう形成されていることを特徴とする。
第5の発明は、前記係合部は、少なくとも、前記被係合部と係合したときに前記挿入物が前記排出待機領域に配置されたことを知覚させる第1の係合部と、前記被係合部と係合したときに前記挿入物が排出完了したことを知覚させる第2の係合部とにより構成されていることを特徴とする。
第6の発明は、前記被係合部は、前記挿入物が前記排出待機領域に配置されたことを知覚させる一の凸部と、前記挿入物が前記先端部から突出したことを知覚させる他の凸部とを備えてなり、これら一の凸部と他の凸部とがこの順に前記先端部方向へ向けて隣接配置されていることを特徴とする。
第7の発明は、前記外筒には、前記第1の係合部が前記凸部に係合したときに、前記第2の係合部に係合して前記プランジャの前記外筒の基端部方向への移動を制限する補助凸部が形成されていることを特徴とする。
請求項1に係る発明のアプリケータによれば、プランジャの押圧により挿入物が所定の位置に至ったときに係合部と被係合部とが係合して、使用者が挿入物の位置を把握することができ、挿入物の位置を把握できないことに基づく恐怖心等の心理的負担を解消してアプリケータを円滑に操作することが可能となるという効果を奏する。
請求項2に係る発明のアプリケータによれば、挿入物の排出が開始可能とされたときに係合部と被係合部とが係合するよう形成されていることから、挿入物が未排出であり、かつ該アプリケータにより挿入物を挿入開始できる状態となったことを使用者に知覚させることができ、使用者が安心してアプリケータの使用を開始出来るという効果を奏する。
請求項3に係る発明のアプリケータによれば、使用者がアプリケータにより挿入物がまさに排出され始めた状態にあることを知覚することができ、挿入物の排出がいつ開始されるのかが不明であることに基づく不安感を解消し、さらにプランジャを押圧して挿入物を排出するための心の準備をして安心して操作をすることができるという効果を奏する。具体的には、まず挿入物の先端が排出され始める状態までプランジャを任意の速度で押圧し、その後ゆっくりと挿入物の排出をすることができるため、アプリケータの操作を安心かつ円滑に行うことができるという効果を奏する。
請求項4に係る発明のアプリケータによれば、挿入物が外筒の先端から完全に排出されたときに係合部と被係合部とが係合するように形成されているため、挿入物の排出が完了したことを使用者が知覚できる。そのため、挿入物の排出が不完全な状態でアプリケータを体内から引き抜くことによって、挿入物を所望の位置以外の位置に排出してしまう等の不都合を回避するとともに、プランジャの押圧を停止しアプリケータを体内から取り出しても良いことを知覚でき、使用者が安心して操作を終了することができるという効果を奏する。
請求項5に係る発明のアプリケータによれば、挿入物が排出待機領域に配置されたこと、及び、排出が完了したことを知覚させる第1、第2の係合部を備える構成としたので、外筒に挿入物の位置に応じて設ける被係合部の共通化が図れ、アプリケータをシンプルに構成することができるという効果を奏する。
請求項6に係る発明のアプリケータによれば、挿入物が排出待機領域に配置されたこと、及び先端部から突出したことを知覚させる一の凸部及び他の凸部を有する構成としたから、プランジャの押圧動作に伴って挿入物が上記各位置にあることを順次確実に知ることができ、アプリケータの操作を安心して、かつ円滑に行うことができるという効果を奏する。
請求項7に係る発明のアプリケータによれば、第2の係合部に係合してプランジャの外筒基端部方向への移動を制限する補助凸部を設けたので、プランジャが外筒から不用意に抜け出ることを防止することができるという効果を奏する。
は、本発明の実施の形態として示したアプリケータの半部を断面視した正面図である。 は、本発明の実施の形態として示したアプリケータを図1の矢印P方向に視た側面図である。 (a)、(b)は、本発明の実施の形態として示したアプリケータの構成部品を示す図であって、(a)は外筒の半部を断面視した平面図であり、(b)はプランジャの平面図である。 (a)、(b)は、本発明の実施の形態として示したアプリケータにおける構成部品の断面を示す図であって、(a)は図3(a)のA−A線視断面図であり、(b)は図3(b)のB−B線視断面図である。 (a)〜(d)は、本発明の実施の形態として示したアプリケータの使用状態を示す説明図である。 は、本発明の実施の形態として示したアプリケータの使用が完了した状態を示す一部断面図である。 は、本発明の実施の形態として示したアプリケータを把持した状態を示す図である。 は、本発明の実施の形態として示したアプリケータのキャップを示した図であり、(a)は、同キャップの半部を断面視した正面図であり、(b)は、同キャップの側面図である。
以下、本発明のアプリケータを人の膣内等に錠剤等の挿入物を挿入するためのアプリケータに適用した場合を例として、図1から図5を参照して説明する。
図1に示すように、本実施形態のアプリケータ1は、挿入物である錠剤2を内部に保持し先端から排出させ得る外筒3と、この外筒3内に移動自在に挿入され、錠剤2をその基端から押圧し移動させるプランジャ4とを備えて構成されている。
外筒3は、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)等の合成樹脂により有底筒状に形成されたものであり、先端部3aは半円球状にすぼむように形成され、基端部3bは外筒3の軸線L1に対して略垂直な面上で開口され、錠剤2及びプランジャ4を挿入できるように形成されている。また、外筒3の外周面は把持部5を除いて滑らかな面に形成されており、内周面3cは第1の凸部6a〜6c、第2の凸部7及び突条8a、8bを備えて形成されている。
外筒3の先端部3aには、図1及び図2に示すように、錠剤2を排出可能な排出孔9と、該排出孔9に連通する複数の切れ目10とが形成されており、これら複数の切れ目10の間に複数の舌片11が形成されている。
この舌片11は、プランジャ4を外筒3内に挿入して錠剤2を外方へ送り出す際に弾性変形して互いに拡開し、錠剤2が外部へ排出された際に弾性復帰して元の形状に戻るように形成されたものである。
複数の切れ目10は、各舌片11が均等に拡開し得るように、外筒3の先端部3a側から矢印P方向に視て排出孔9から放射線状かつ先端部3aを周方向に6等分するように均等に形成されている。この外筒3の内部は、排出孔9の手前側の一定の領域が錠剤2を排出開始可能とする排出待機領域Wとして設定されている。
外筒3の内周面3cには、図1及び図3(a)に示すように、内方に向かって突出し、プランジャ4の移動時に該プランジャ4に設けられた第1の係合部21又は第2の係合部22(詳細は後述する)に係合自在な被係合部を構成する第1の凸部6a〜6c、及び補助凸部を構成する第2の凸部7が形成されている。
この第1の凸部6a〜6c及び第2の凸部7は、プランジャ4の第1の係合部21又は第2の係合部22との係合により、第1及び第2の係合部21、22と協働して錠剤2の外筒3内における位置を知覚させるものであり、本実施形態においては、図5(a)に示すように、錠剤2を外筒3から排出開始可能とする排出待機領域Wに位置させたこと、同図(b)に示すように錠剤2の先端部が外筒3の排出孔9から僅かに突出し、錠剤2が排出を始めた位置にあること、及び同図(d)に示すように、錠剤2が外筒3の排出孔9から完全に排出完了したこと、を知覚させるものである。
第1の凸部6a〜6cは、図3(a)に示すように排出待機領域W近傍の基端部3b側に位置する外筒3の長さ方向中間部に形成されており、第2の凸部7は、第1の凸部6aから一定寸法基端部3b方向へ離間した位置に形成されている。
第1の凸部6aは、第1の凸部のうち最も基端部3b側に形成された凸部で、第1及び第2の係合部21、22が乗越えた際にプランジャ4が外筒3の基端部3b方向へ移動するのを規制するものであり、外筒3の内周面3cに複数形成されており、それぞれが内周面3cに等間隔環状配置されている。
第1の凸部6bは、錠剤2が排出待機領域Wに配置されたことを知覚させる凸部(一の凸部)として、上記の凸部6aと同様に内周面3cに複数形成されている。
第1の凸部6cは、錠剤2の先端が外筒3の先端部3aから突出したことを知覚させる凸部(他の凸部)として、上記の凸部6a、6bと同様に内周面3cに複数形成されている。
これら第1の凸部6a、6b、6cは、外筒3の基端部3bから先端部3a方向に互いに隣接して配置され、凸部6aと凸部6bとの間に凹部Eが形成され、凸部6bと凸部6cとの間に凹部Fが形成されている。
第2の凸部7は、プランジャ4の第2の係合部22が乗越えた際に該係合部22と係合することによりプランジャ4が外筒3の基端部3b側に移動するのを防止するように、第1の凸部6aの補助凸部として形成されたものであり、上記の第1の凸部6a〜6cと同様に外筒3の内周面3cに形成され、それぞれが内周面3cに等間隔環状配置されている。
第1の凸部6a〜6c及び第2の凸部7の内周面3cからの突出寸法は、プランジャ4をその基端部を押圧して先端部3a方向へ移動させたときに第1の係合部21又は第2の係合部22を乗越えさせるが、これを押圧することなく不用意に乗越えさせない寸法に設定されている。
外筒3の基端部3b側の内周面3cには、図3(a)及び図4(a)に示すように、該基端部3b側の外筒3の壁部を補強するとともにプランジャ4の摺動をガイドする突条8a、8a、8b、8b・・が形成されている。
突条8a、8a、8b、8b・・は、外筒3の基端部3bから外筒3の長さ方向中央部にかけて外筒3の長さ方向に延在するように形成されたものであり、内周面3cの周方向に等間隔環状配置されている。突条8a、8bの内周面3cからの突出寸法は、突条8aより突条8bの方が大とされている。突条8a、8aは、内周面3c内において互いに対向する位置に配置されているが、この突条8a、8aの位置する壁部の外周面には、基端部3bに近接する位置に把持部5、5が形成されている。
把持部5、5は、このアプリケータ1を使用する際に外筒3において使用者に把持させる部分である。
この把持部5、5は、突条8aに隣接する突条8b、8bの間に位置して壁部外周面に形成されており、使用者が指で把持した際に触覚的に該把持部5を容易に認識し得るように、把持部5周辺の壁部の肉厚よりも僅かに薄肉に形成して窪ませ周辺と段差を設けてあり、かつ把持部5の外縁をやや隆起させて縁取部23としている。
また、把持部5の外表面上には、滑り止め及び該把持部5の補強のためのリブ24が周方向に延在するように複数形成されている。
一方、把持部5、5間に位置する外筒3の壁部は、基端部3bを補強するべく、やや厚肉に形成されている。
また、外筒3の基端部3bには、外筒3の径方向外方へ張り出す張出壁部25が形成されている。
プランジャ4は、外筒3と同様に、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)等の合成樹脂により構成されたものであり、図3(b)に示すように、錠剤2を外筒3の排出待機領域Wにセットする際に、外筒3内に挿入されて該外筒3内を摺動する摺動部26と、該摺動部26の基端部に設けられ、錠剤2が排出待機領域Wに配置された状態において外筒3の基端部3bから外方へ突出し、錠剤2の排出に際して更に外筒3内に進入して摺動部26を前進させる押圧部27とを備えて構成されている。
図3(b)、図4(b)に示すように、摺動部26は、一定の厚みを有する2つの板状の壁部28を軸線L2上において互いに直交するように交叉させて形成されたものである。
摺動部26には、その先端に形成され錠剤2を押し出す押出壁部29と、外筒3に形成された第1又は第2の凸部6a〜6c、7に係合し得る第1及び第2の係合部21、22と、外筒3に形成された各突条8a、8bに嵌合してプランジャ4の挿入方向をガイドする第1及び第2のフランジ部30、31が形成されている。
押出壁部29は、先端方向に膨出する壁部であって、先端面が略球面状に形成された壁部である。
第1の係合部21は、プランジャ4の軸線L2に直交する方向に外筒3の内径より極僅か小寸法に張り出した円板形状の壁部であり、図5(a)に示すように錠剤2を排出待機領域Wにセットした際に、外筒3の第1の凸部6bの基端部3b側の面に係合し、凹部E内に位置するよう形成されている。
第2の係合部22は、第1の係合部21と略同様形状に形成されたものであり、第1の係合部21から略錠剤2の長さ寸法分間隙を隔てて基端側に形成され、図5(d)に示すように、押出壁部29が錠剤2を排出孔9から排出した際に、第1の凸部6bの基端部3b側の面に係合し、凹部E内に位置するように形成されている。
この際、図3(b)に示すようにプランジャ4の押出壁部29から第2の係合部22の基端側近傍までの間に位置する板状の壁部28pは、その張り出し寸法が第1及び第2の係合部21、22の張り出し寸法よりも小となるように形成されている。
一方、第2の係合部22の基端よりも後方側に位置する板状の壁部28qの張り出し寸法は、略外筒3の内径よりも極僅かに小寸法に形成され、図4(b)に示すように、一方の板状の壁部28qの張り出し寸法が他方の板状の壁部28qの張り出し寸法よりも更に僅かに小寸法となるように形成されている。
第1及び第2のフランジ30、31は、それぞれ略同形状をしており、図4(a)に示す外筒3の開口部40に挿入された際に突条8a、8b・・に嵌合し得る形状に形成され、その周縁部に切欠41、41と直線切截部42、42とが形成されている。
上記の構成を有する摺動部26は、図3(b)に示すように全体として、第1の係合部21が凹部Eに嵌合した状態で、第2のフランジ31が外筒3の開口部40に位置する長さ寸法となるように形成されている。
プランジャ4の押圧部27は、の軸線L2に直交する断面が扁平形状とされた支持部43と、該支持部43に形成された指当接部44とを備えて構成されている。
指当接部44は、その端面44aがプランジャ4の外筒3への挿入方向に向けて緩やかに窪む谷型形状となるように形成され、谷型形状の谷底面45の延在する方向が板状の壁部28のやや張り出し寸法が小となるよう形成された前記一方の壁部28qの張り出し方向と一致するように形成されている。
押圧部27の長さ寸法は、排出待機領域Wに位置する錠剤2を先端部3aから排出させることのできる長さ、すなわち錠剤2の長さ寸法と略同寸法となるように設定されており、図6に示すように、錠剤2の排出が完了した際に、プランジャ4の全体が外筒3内に収納されるように形成されている。
錠剤2は、扁平状に形成されており、図3(a)に示すように、基端部が先端に向けてやや窪んだ砲弾状の形状とされ、扁平状の基部の両面に膨出部が形成されている。
上記の構成を有するアプリケータ1の使用に際しては、外筒3の開口部40から錠剤2、プランジャ4をこの順に挿入し、軸線L1を中心としてプランジャ4を回転させて図4(a)に示す外筒3の開口部40の内周面3cの形状に同図(b)に示すプランジャ4の第1のフランジ部30を嵌合させてプランジャ4の挿入向きを定める。
この際、図4(a)、(b)のそれぞれに示す外筒3とプランジャ4の形状において、プランジャ4におけるフランジ30の切欠41、41・・に外筒3の突条8b、8b・・を位置させ、フランジ30の直線切截部42、42を外筒3の突条8a、8aに対向させた状態でプランジャ4を外筒3内に挿入する。
かくして、プランジャ4を外筒3に挿入した場合には、図7に示すように、把持部5、5間方向に対して指当接部44の谷底部45の延在方向が略直交する方向に位置決めされた状態でプランジャ4の回動を防止することができ、外筒3の把持部5、5を親指と中指で把持しプランジャ4の押圧部27の指当接部44に人差し指をフィットさせることのできる姿勢を維持することができる。
上記の姿勢でプランジャ4を更に挿入し、第1の係合部21を外筒3に形成された第1の凸部6aに当接させ、アプリケータ1を体内に挿入する。この際、把持部5、5は薄肉に形成されているが、突条8a及びリブ24により補強されているとともに、図4(a)に示す突条8aに同図(b)に示す板状の壁部28qの外縁が当接して支持されるため、凹みを僅かにして把持される。
アプリケータ1が体内の適切な位置までに挿入されたら、プランジャ4を押圧して錠剤2を排出待機領域Wまで移動させる。この際、プランジャ22の押出壁部29が錠剤2を排出待機領域Wに位置させた状態で第1の係合部21が、外筒3に形成された第1の凸部6aを乗越えて凸部6bの基端部3b側の面に係合し、凹部E内に位置する。ここでアプリケータ1の使用者は、プランジャ4の第1の係合部21が第1の凸部6bに係合することによって触覚により錠剤2が図5(a)に示す排出待機領域Wに位置したことを知覚することができる。
次いで、プランジャ4を更に押圧すると、図5(b)に示すように第1の係合部21が第1の凸部6bを乗越えて第1の凸部6cの基端部3b側の面に係合し、凹部F内に位置することになる。
この際、錠剤2は、押出壁部29に押圧されて前進し、図5(b)に示すようにその先端部が僅かに外筒3の排出孔9から突出する。
ここで、アプリケータ1の使用者は、錠剤2の排出が開始されたことを知ることができる。
更にプランジャ4を押圧すると、同図(c)に示すように第1の係合部21が第1の凸部6cを乗越え、錠剤2が外筒3の舌片11を拡開させつつ排出孔9から排出され、最終的にプランジャ4の押圧壁部29が排出孔9に近接するとともに、同図(d)に示すように第2の係合部22が第1の凸部6aを乗越えて凸部6bに係合し、凹部E内に位置した時に錠剤2の排出が完了する。なお、第2の係合部22が凹部E内に位置したとき、プランジャ4の押出壁部29の先端面は、外筒3における先端部3aの舌片11よりやや手前に位置しているが、錠剤2は舌片11の弾性復帰力により前方へ押し出され、排出孔9から完全に排出される。
ここで、アプリケータ1の使用者は、第2の係合部22が第1の凸部6bに係合したことによって錠剤2の挿入完了を知覚することができるので、アプリケータ1を体内からゆっくりと抜出し投薬を終了させる。
上記のようにアプリケータ1の使用を完了した状態においては、図6に示すようにプランジャ4の押圧部27が外筒3内に完全に挿入され、かつ第2の係合部22が凹部E内に嵌合するため、外筒3からプランジャ4の抜出が容易になし得なくなる。
以上のように、本発明のアプリケータ1によれば、外筒3に形成された第1の凸部6a〜6c、第2の凸部7とプランジャ4に形成された第1、第2の係合部21、22との係合により、錠剤2が外筒3内の排出待機領域Wに配置されたこと、錠剤2が排出され始めたこと、及び排出完了したことを使用者が順次連続的に知覚することができるので、いつ排出されるのかが不明なことによりアプリケータ1を必要以上に慎重に操作して投薬に時間がかかるとともに使用者に無用の精神的負担を掛けることを防止し、錠剤2の一連の排出状態を適時に確認しながらアプリケータ1を安心してかつ円滑に操作することができるという効果が得られる。
また、第1の凸部6bに第1及び第2の係合部21、22を係合させて錠剤2が排出待機領域Wに配置されたこと、及び、錠剤2の排出が完了したことを知覚させることができるため、錠剤2の位置に応じて設ける被係合部の共通化を図ってアプリケータ1をシンプルに構成することができるという効果が得られる。
また、錠剤2の排出の完了を確認することができるため、錠剤2の排出が不完全な状態でアプリケータ1を排出しようとしてしまう等の不都合を回避し、アプリケータ1の操作を安全に行うことができるという効果が得られる。
また、第1の凸部6a〜6c、又は第2の凸部7の突出寸法が、プランジャ4の第1の係合部21及び第2の係合部22を乗越えさせることができるが不用意に前進及び後退させない寸法に設定されているので、凹所E、Fに第1又は第2の係合部21、22を嵌合させた時点で錠剤2の排出状態を一時停止させやすくなり、アプリケータ1の操作を確実に行うことができるという効果が得られる。
また、プランジャ4の摺動部26が互いに直交する板状の壁部28により形成され、該板状の壁部28の基端部側の壁部28qの外縁が把持部5、5の内面に当接し得る構成とされているため、把持部5を把持した際に、薄肉に形成された該把持部5を支持し得るとともに、プランジャ4と外筒3との摩擦面を最小にすることが可能となり、プランジャ4の外筒3内における移動を円滑に行うことができるという効果が得られる。
また、外筒3に形成された突条8bと、プランジャ4に形成された第1及び第2のフランジ部30、31の切欠41との嵌合により、外筒3に対し定められた位置関係となった場合に該外筒3にプランジャ4の挿入が可能となる構成とされているため、外筒3の把持部5に対してプランジャ4の指当接部44が常に片手で把持しやすい姿勢にセットすることができ、アプリケータ1の使用時に常に操作が容易となる姿勢を確保することができるという効果が得られる。
また、プランジャ4を外筒3内に挿入して錠剤2が排出完了した場合にはプランジャ4が外筒3内に完全に挿入され、かつ該排出完了時に第2の係合部22が第1の凸部6aを乗越える設計とされているため、一旦挿入されたプランジャ4の抜出が困難となり、使用済みのアプリケータ1の再使用を防止して、衛生状態を確保することが可能となる。
また更に、第2の係合部22に係合する補助凸部7を設けたので、第1の係合部21が第1の凸部6aを乗越えた際に第2の係合部22が補助凸部7を乗越え係合して、プランジャ4の外筒3からの抜け出し防止を補助することができるという効果が得られる。
本実施形態において、アプリケータ1は、錠剤2が排出待機領域Wに配置された時、錠剤2が排出開始した時、及び排出完了した時を知覚させる第1及び第2の凸部6a〜6c、7及び第1及び第2の係合部21、22を備えた構成としたが、これに限られるものではなく、錠剤2の排出途中、又は排出終了直前を知覚させる位置において互いに係合する係合部と被係合部とを備えた構成とするものであっても良い。また、把持部5についても触覚的、視覚的に該把持部を容易に認識し得るような形態であれば、上記実施形態の形状に限られるものではなく、例えばリブ24の代わりにエンボス加工を施し、縁取部23を設けないものであっても良い。
また、本実施形態においては、プランジャ4により外筒3内に配置された錠剤2が排出された際に第2の係合部22が乗越える第1の凸部6aは、断面視略山形の形状とされているが、これに限られるものではなく、第2の係合部22が乗越え可能なように外筒3の基端部3b側に外筒3の先端部3aに向かって立ち上がる傾斜面を有し、第2の係合部22が一旦乗越えると該第2の係合部22と係合してプランジャ4の後退を困難とさせる面(例えば軸線L1に直交する面)を有するものであってもよい。
また、本実施形態においては、第1の凸部6a、6b、6c及び第2の凸部7が外筒3の内周面3cに複数環状配置された構成とされているが、これに限られるものではなく、第1及び第2の係合部21、22を乗越えさせ、不用意に後退させないものであれば、外筒3の内周面3cに一つずつ形成されたものであってもよく、あるいは、内周面3cに周方向に延在する畝としたものであっても良い。
また、本実施形態において、アプリケータ1は、錠剤2を人の膣に投薬する場合を例として説明したが、これに限らず人その他動物の鼻、耳、その他の体内にアプリケータ1を挿入して該アプリケータ1から挿入物を排出するのに適しているものに広く適用することができる。
また、外筒3先端の保護のために、外筒3の先端3aに被冠させるキャップ等を利用してもよい。
図8(a)に示すように、キャップ50は、合成樹脂、エラストマー等により形成されており、先端部51aが半円球状にすぼむように形成され基端部51bが開口された筒状部51と、該筒状部51の先端部51aに融着された板状部52とが一体成形により形成されている。
基端部51bの内周面の断面径寸法は、外筒3の外形の断面径寸法と略同一又は極僅かに小寸法に形成され、外筒3の先端部3aに被冠した際にキャップ50が先端部3aから徒に離脱しないように形成されている。
また、板状部52は、同図(b)に示すように、略矩形に形成され、四方の角部52a〜52dが水平方向外方へ張り出すよう形成されている。
上記のような構成キャップ50は、外筒3の先端部3aに被冠されることにより使用の直前まで外筒3の先端部3aを衛生的に保護することができる。
また、キャップ50は、略矩形の板状部52を有していることにより、キャップ50を被冠したままアプリケータ1を体内に挿入できないようになっており、アプリケータ1の誤用を防止することができる。また更に、アプリケータ1の使用の直前に該アプリケータ1を棚等に置いた際の転がりを防止することができる。
なお、上記のキャップ50の筒状部51は、外筒3が体内に挿入される位置付近まで外筒3を被覆し得る長さ寸法とされていてもよく、また、板状部52を平面視した際の形状は、キャップ50を被冠したままでのアプリケータ1の体内への挿入を阻止し得る形状及び寸法のものであれば良く、三角形又はその他の多角形とされていても良い。
1 アプリケータ
2 錠剤(挿入物)
3 外筒
3a 先端部
4 プランジャ
6a 第1の凸部(被係合部)
6b 第1の凸部(被係合部、一の凸部)
6c 第1の凸部(被係合部、他の凸部)
7 第2の凸部(補助凸部)
21 第1の係合部(係合部)
22 第2の係合部(係合部)
27 押圧部(基端部)
W 排出待機領域

Claims (7)

  1. 挿入物を保持しかつ先端部から排出可能な外筒と、該外筒内に移動自在に配置され、その基端部を押圧して前記外筒内に挿入された前記挿入物を前記先端部から排出させるプランジャとを備えたアプリケータにおいて、
    前記外筒の内周面には被係合部が形成されるとともに、
    前記プランジャには該プランジャにより前記挿入物を前記外筒内の所定の位置に至らせたときに前記被係合部と係合して、
    前記挿入物の位置を知覚させる係合部が形成されていることを特徴とするアプリケータ。
  2. 前記係合部と前記被係合部とは、
    前記挿入物が前記プランジャにより前記外筒の排出待機領域に配置され
    前記挿入物の排出が開始可能とされたときに互いに係合する位置関係となるよう形成されていることを特徴とする請求項1に記載のアプリケータ。
  3. 前記係合部と前記被係合部とは、
    前記挿入物の先端部が前記プランジャにより前記外筒の前記先端部から突出したときに互いに係合する位置関係となるよう形成されていること特徴とする請求項1に記載のアプリケータ。
  4. 前記係合部と前記被係合部とは、
    前記挿入物が前記プランジャにより押し出され、前記外筒の前記先端部から完全に排出されたときに互いに係合する位置関係となるよう形成されていることを特徴とする請求項1に記載のアプリケータ。
  5. 前記係合部は、少なくとも、
    前記被係合部と係合したときに前記挿入物が前記排出待機領域に配置されたことを知覚させる第1の係合部と、
    前記被係合部と係合したときに前記挿入物が排出完了したことを知覚させる第2の係合部とにより構成されていることを特徴とする請求項1に記載のアプリケータ。
  6. 前記被係合部は、前記挿入物が前記排出待機領域に配置されたことを知覚させる一の凸部と、
    前記挿入物が前記先端部から突出したことを知覚させる他の凸部とを備えてなり、
    これら一の凸部と他の凸部とがこの順に前記先端部方向へ向けて隣接配置されていることを特徴とする請求項1に記載のアプリケータ。
  7. 前記外筒には、前記第1の係合部が前記凸部に係合したときに、前記第2の係合部に係合して前記プランジャの前記外筒の基端部方向への移動を制限する補助凸部が形成されていることを特徴とする請求項5に記載のアプリケータ。
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