JP2012082539A - 難燃性繊維構造体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)単糸繊度が2.0〜25.0dtexの難燃性繊維30〜70重量%と(B)単糸繊度が2.0〜50.0dtexの非難燃性の熱接着性繊維70〜30重量%(ただし、(A)難燃性繊維+(B)非難燃性の熱接着性繊維=100重量%)を混綿し、エアースルー法で熱処理によりシート化されてなる難燃性繊維構造体。
【選択図】なし
Description
例えば、特開2006−281108号公報(特許文献1)には、非溶融性繊維と、熱融着性繊維との短繊維による混繊からなり、前記融点をもたない非溶融性繊維の混繊比率が20〜60質量%の範囲であり、かつ熱融着性繊維の混繊比率が80〜40質量%の範囲である繊維層を熱融着性繊維の融着により繊維間を接着させた不織布により形成してなる換気扇用フィルターが提案されている。しかしながら、非溶融繊維が入っているため繊維の脱落が発生し、難燃性が付与され難い。また、熱融着性繊維として、サイドバイサイドあるいは芯鞘の繊維の記載があるが、なんらその特性が明記されていない。さらに、融点を持たない繊維を配合することは、その繊維が支持体となりシート全体が燃えやすくなる。
ここで、(B)非難燃性の熱接着性繊維の単糸繊度は、(A)難燃性繊維の単糸繊度よりも太いことが好ましい。
また、(A)難燃性繊維は、熱接着性繊維からなることが好ましい。
さらに、(A)難燃性繊維を構成する熱接着性繊維および(B)非難燃性の熱接着性繊維は、サイドバイサイド型および/または芯鞘型の複合繊維であることが好ましい。
さらに、(A)難燃性繊維および(B)非難燃性の熱接着性繊維は、複合繊維からなり、かつその素材の組み合わせは、好ましくは、いずれも、ポリプロビレン/ポリエチレン、ポリプロピレン/低融点共重合ポリプロピレン、ポリエステル/ポリエチレン、またはポリエステル/共重合ポリエステルである。
さらに、熱処理でシート化する工程は、熱接着性繊維が熱により溶融し、その後、冷却固化できれば特に方式を問わないが、好ましくはエアースルー法である。
非ハロゲン系の難燃剤としては、リン酸アンモニウム、トリクレジルホスフェート(TCP)、トリエチルホスフェート(TEP)、クレジルジフェニルホスフェート(CDP)、キシレニルジフェニルホスフェート(XDP)、酸性リン酸エステル、含窒素リン化合物、HALSなどがあるが、非ハロゲンで実質的に難燃効果を発揮するものであれば、これらに限定されるものではない。
これらの難燃剤は、(A)難燃性繊維中に、好ましくは1〜50重量%、さらに好ましくは2〜40重量%練り込まれる。この練り込み量が1重量%未満では、難燃性が不充分であり、一方、50重量%を超えると難燃性能が頭打ちになるため添加した難燃剤が無駄となり、好ましくない。
ここで、熱接着性複合繊維は、例えば、低融点成分を鞘成分とし、高融点成分を芯成分とする芯鞘型、一方が低融点、他方が高融点成分であるサイドバイサイド型などが挙げられる。これらの複合繊維の両方の成分の組合せとしては、PP(ポリプロピレン)/PE(ポリエチレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)/PE、PP/低融点共重合PP、PET/低融点共重合ポリエステルなどが挙げられる。低融点成分である熱融着成分の融点は、通常、100〜160℃、好ましくは、110〜155℃である。100℃未満の場合、不織布として耐熱性が低いので、例えば換気扇と使用したとき、熱の作用によりシート強力が弱くなる可能性がある。一方、160℃を超えると、不織布製造工程における熱処理温度が高くする必要が生じ、生産性が落ち、実用的でない。
このような複合型繊維の場合、難燃剤は、芯のみ、鞘のみ、あるいは両方、サイドバイサイドの一方、あるいは両方に練り込むことが出来る。
また、(A)難燃性繊維の繊維長は、エアースルー法で本発明の繊維構造体を得るために、好ましくは24〜102mm、さらに好ましくは38〜64mm程度である。24mm未満では、カード機での繊維の脱落が多くなり、一方102mmを超えると、繊維がカード機から出にくくなり生産性が悪くなる。
なお、(B)熱接着性繊維としては、そのほか、通常のポリエステル、共重合ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニルなどの通常の丸型、あるいは異型断面のフィラメントからなる短繊維を用いることもできる。
なお、(B)非難燃性の熱接着性繊維の単糸繊度は、(A)難燃性繊維より太い繊度であることが好ましい。すなわち、一般に、難燃性の発現は、繊維構造体中に含まれる難燃性繊維の本数が多いほど燃焼性が抑えられるものである。したがって、本発明の難燃性繊維構造体にも同様のことが言えるのであり、繊維構造体を構成する難燃性繊維の繊維本数が多い方が、難燃性が発現しやすいことになる。
また、(B)非難燃性の熱接着性繊維の繊維長は、上記と同じ理由により、好ましくは24〜102mm、さらに好ましくは38〜64mm程度である。
なお、保油量は、繊維構造体であるシートの密度を調整することにより、容易に調整することができる。
この密度は、繊維構造体を構成する繊維の繊度、繊維構造単位の目付、厚さの調整などにより容易に調整することができる。
通気抵抗は、密度と密接な関係にあり、繊維構造体の密度を制御することにより容易に調整することができる。
JIS L 1913の6.1の方法に準拠して求めた。20g/cm2荷重で測定した。
<密度>
密度(g/cm3)=試料目付(g/cm2)/試料の厚さ(cm)で求めた。
<引張強度>
JIS L 1913の6.3の方法に準拠して求めた。
<保油量>
室温25℃でサラダ油に浸けた10cm×10cmの試料を水平な2メッシュ金網上に乗せて1時間油切りした後に保持している油の量を測定した。また、試料の重量と保持している油の重量から計算で、試料である不織布シート1gあたりの保油量を求めた。
<通気抵抗値>
AUTOMATIC AIR−PERMEABILITY TESTER(カトーテック KES−F8−AP1)を使用し、通気穴面積2πcm3に定流量空気を送り試料を通して放出、吸引させることにより測定し、デジタルメータに表示された通気抵抗を読んだ。
<燃焼性>
JIS L1091A−1法(45℃ミクロバーナー法)により測定した。
難燃剤を練り込んだ、芯/鞘がPP/PEである芯鞘型複合繊維(2.2dt×51mm)〔繊維形成性樹脂成分が96%、難燃剤としてクレジルジフェニルホスフェート(CDP)を4%(合計100%)からなる〕50%と、芯/鞘がPP/PEである偏芯型の芯鞘型複合繊維(5.6dt×51mm)50%を混綿したのち、カーディング処理、そのウエブの積層により目付24g/m2の不織布を作成した。続いてエアースルー法により155℃で熱処理して繊維の熱接着を行った後、プレーンカレンダーで2.5mmのクリアランスを設けプレス処理を行い、厚みが2.90mmになるように調整し、目付が25.1g/m2の不織布(難燃性繊維構造体)を得た。結果を表1に示す。
(A)難燃性繊維、(B)熱接着性繊維の組み合わせなどを変更する以外は、実施例1と同様にして、本発明の難燃性繊維構造体を作製した。結果を表1に示す。
(B)熱接着性繊維を用いずに、実施例1と同様にしてエアースルー法で、難燃性繊維構造体を得た。結果を表2に示す。
比較例1では、密度が高くなり、保油性能が低い試料である。
比較例2では、密度が高くなり、シートを構成する繊維の本数が少ないため、強力(特に横強度)が低下し、実使用時にシートの「たれ」が発生し、換気扇などとしては実用に適さないものである。
(A)難燃性繊維の代わりに通常のホモタイプで丸断面のポリエステル短繊維を用いる以外、実施例1と同様にしてエアースルー法で繊維構造体を得た。結果を表1に示す。
比較例3では、(A)難燃性繊維を用いていないので、難燃性が発現されていない。
繊維1として、ポリエチレンテレフタレートからなるホモタイプで丸断面の短繊維(3.3dtex×51mm)、繊維2として、ビニロンからなるホモタイプで丸断面の短繊維(5・6dtex×51mm)を用い、繊維1を75重量%、繊維2を25重量%の割合で混綿してカード機で開繊後、集積し、シート化してウエブにし、このウエブを、クレジルジフェニルホスフェート(CDP)を含むアクリル系エマルジョンからなるケミカルバインダー液にディッピングして所定量の樹脂および難燃剤をウエブに付着させ、さらに乾燥、熱処理することにより、目付が30.3g/m2、厚みが0.90mmのケミカルボンド法による不織布(難燃性繊維構造体)を得た。結果を表2に示す。
比較例4では、得られる不織布がケミカルボンド法であるため、シートの空隙が少なく密度が高いため、保油量が少ない。
繊維1と繊維2の混綿割合、バインダー量、難燃剤の量を変える以外は、比較例4と同様にして、ケミカルボンド法による不織布を得た。結果を表2に示す。
Claims (6)
- (A)単糸繊度が2.0〜25.0dtexの難燃性繊維30〜70重量%と(B)単糸繊度が2.0〜50.0dtexの非難燃性の熱接着性繊維70〜30重量%(ただし、(A)難燃性繊維+(B)非難燃性の熱接着性繊維=100重量%)を主体とし、熱処理によりシート化されていることを特徴とする難燃性繊維構造体。
- (B)非難燃性の熱接着性繊維の単糸繊度が(A)難燃性繊維の単糸繊度よりも太い請求項1記載の難燃性繊維構造体。
- (A)難燃性繊維が熱接着性繊維からなる請求項1または2記載も難燃性繊維構造体。
- (A)難燃性繊維を構成する熱接着性繊維および(B)非難燃性の熱接着性繊維が、サイドバイサイド型および/または芯鞘型の複合繊維である請求項3記載の難燃性繊維構造体。
- (A)難燃性繊維および(B)非難燃性の熱接着性繊維の素材が、いずれも、ポリプロビレン/ポリエチレン、ポリプロピレン/低融点共重合ポリプロピレン、ポリエステル/ポリエチレン、またはポリエステル/共重合ポリエステルである、請求項4記載の難燃性繊維構造体。
- 熱処理でシート化する工程がエアースルー法である請求項1〜5いずれかに記載の難燃性繊維構造体。
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Cited By (3)
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