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JP2012082312A - 熱可塑性樹脂水性分散液及びこれを用いた耐水性皮膜 - Google Patents

熱可塑性樹脂水性分散液及びこれを用いた耐水性皮膜 Download PDF

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JP2012082312A JP2010229467A JP2010229467A JP2012082312A JP 2012082312 A JP2012082312 A JP 2012082312A JP 2010229467 A JP2010229467 A JP 2010229467A JP 2010229467 A JP2010229467 A JP 2010229467A JP 2012082312 A JP2012082312 A JP 2012082312A
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保成 須堯
Yasuhiro Irie
康弘 入江
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Abstract

【課題】熱可塑性樹脂水性分散液の乾燥皮膜のヒートシール性を保持し、かつ、耐水性を向上させることを目的とする。
【解決手段】熱可塑性樹脂を、高分子乳化剤を用いて水系媒体に分散させた水性分散液中に、ワックスを含有させた熱可塑性樹脂水性分散液を用いることで、熱可塑性樹脂水性分散液を乾燥皮膜化させた後の耐水性が向上する。
【選択図】なし

Description

この発明は、熱可塑性樹脂水性分散液、及びこれを用いた耐水性皮膜に関する。
金属、プラスチック、紙、木質材料、無機材料等への接着性を向上させるためのプライマー又はヒートシール剤として、熱可塑性樹脂の分散液が知られている。しかし、この熱可塑性樹脂の分散液は、使用される高分子乳化剤に導入された酸基又は塩基性基等の親水性成分のため、耐水性が不十分で、ふくれや白化が生じる場合がある。このため、用途が限られる場合があった。
これらに対し、特許文献1〜3等には、アクリル系共重合体、ポリアルキレングリコールメタクリレート等を高分子乳化剤等の分散剤として使用することが記載され、また特許文献4には、軟化温度が50℃以上のエポキシ樹脂を使用することが記載されている。これらの方法により、熱可塑性樹脂分散液にかかる上記問題点を解決し、包装材料分野、建築材料分野への使用が可能である旨が開示されている。
特公平1−59294号公報 特公平1−59298号公報 特許第2705801号公報 特開2002−3657号公報
しかしながら、上記の高分子乳化剤を用いて得られた水性分散液を乾燥した皮膜中には、この高分子乳化剤が残存することとなる。この高分子乳化剤は、親水性基を有するため、親水性を有し、高分子乳化剤のポリマー鎖は、水の浸透通路となってしまう。水が浸透すると、熱がかかった場合、水の膨張に伴い、皮膜のふくれや白化が生じやすくなる。このため、得られる皮膜は、耐水性が劣る傾向にある。
これに対し、上記特許文献4に記載されているように、エポキシ樹脂、例えば水溶性エポキシ樹脂や液状エポキシ樹脂等の架橋剤を配合することにより、より高度な耐水性を得る方法も検討されている。しかし、エポキシ樹脂を配合した熱可塑性樹脂分散液は、経時的に増粘して使用不能となったり、加熱乾燥して成膜した後、保管中に架橋が進行してヒートシール性が低下する等の欠点を有する。また、エポキシ基の一部が水と反応して、親水性の高い水酸基を多量に発生させることにより、逆に耐水性を低下させる場合がある等の問題もあった。
そこで、この発明は、高分子乳化剤を用いた熱可塑性樹脂水性分散液から得られる皮膜のヒートシール性を保持し、かつ、耐水性を向上させることを目的とする。
この発明は、熱可塑性樹脂を、高分子乳化剤を用いて水系媒体に分散させた水性分散液中に、ワックスを含有させた熱可塑性樹脂水性分散液を用いることにより、上記の課題を解決したのである。
この発明によると、ワックスを用いるので、熱可塑性樹脂水性分散液を加熱して皮膜化する際にワックスも溶解して、熱可塑性樹脂分散粒子間を通して、皮膜内に広がる。このとき、ワックスは、熱可塑性樹脂内部に侵入・浸透するよりも、高分子乳化剤のポリマー鎖に沿って広がっていく方が容易であるため、高分子乳化剤のある位置にワックスが保持されやすい。このような皮膜が水の侵入に曝された場合、ワックスによって浸透が妨害されることとなり、結果として耐水性が向上する。
この発明にかかる熱可塑性樹脂水性分散液は、熱可塑性樹脂が高分子乳化剤を含む乳化剤を用いて水等の水性媒体に分散された分散液にワックスを含有せしめてなる分散液である。
上記の熱可塑性樹脂としては、特に限定されることなく、一般の熱可塑性樹脂を用いることが出来る。具体的には、オレフィン系モノマーの単独重合体、若しくはオレフィンモノマー成分の含有率が50重量%以上の共重合体、又はこれらの無水マレイン酸変性重合体が好ましく用いられる。このオレフィン系モノマーとしては、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、オクテン等のα−オレフィンがあげられる。
また、共重合体を形成させる場合、使用できる共重合モノマーは、上記オレフィン系モノマーとして使用する以外のα−オレフィンや、オレフィン系モノマーとラジカル重合性を有するモノマーであればよく、カルボシキル基又はその無水物残基を含有するオレフィン系モノマーが好ましい。このようなモノマーとしては、酢酸ビニル等のビニルエステル類、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ラウリル等の(メタ)アクリル酸及びそのアルキルエステル類、(メタ)アクリル酸2−メトキシメチル等の(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル類、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸等の重合性二塩基酸、ジメチルアミノエチルメタクリレート等のアルキルアミノ(メタ)アクリルエステル類等があげられる。
上記熱可塑性樹脂の中でも、低温ヒートシール性の観点から、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体等のエチレンを主成分とする他のα−オレフィンとの共重合体や、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸アルキルエステル−無水マレイン酸三元共重合体等のエチレンとラジカル重合性モノマーとの共重合体、又はこれらを無水マレイン酸等で変性した共重合体である、カルボン酸エステルやカルボシキル基若しくはその無水物を含有せしめたエチレン系(共)重合体を使用する熱可塑性樹脂の一部又は全部とするのが好ましい。
上記熱可塑性樹脂は、単独又は複数を組み合わせて使用することができる。また、熱可塑性樹脂の性質を損なわない範囲で、添加剤を添加することができる。この添加剤としては、粘着付与剤、塩素化ポリオレフィン類、スチレン系ブロック共重合体及びその誘導体等があげられる。
上記粘着付与剤としては、ロジン及びその誘導体、テルペン及びその誘導体、脂肪族系炭化水素樹脂及びその誘導体等があげられる。上記塩素化ポリオレフィン類としては、塩素化ポリプロピレン、塩素化ポリエチレン等があげられる。上記スチレン系ブロック共重合体及びその誘導体としては、スチレン−イソプレンブロック共重合体、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、並びにこれらの水素添加物及び無水マレイン酸変性物等があげられる。
上記熱可塑性樹脂水性分散液の製造方法は、上記の熱可塑性樹脂を分散させることができれば特に限定されるものではないが、例えば、下記の方法があげられる。まず、分散対象物質をトルエン等の有機溶剤に溶解し、これと乳化剤及び水等の水系媒体を混合する。そして、ホモミキサー等の高速撹拌機で攪拌して分散対象物質の含有機溶剤分散液を製造する。次いで、有機溶剤を減圧蒸留等の操作によって脱溶剤して分散液とする方法を例示できる。また、分散対象物質を溶融した状態で撹拌しながら乳化剤の水溶液を添加混合し、次いで水等の水系媒体を添加することにより、分散させたい物質を乳化剤、特に高分子乳化剤によって水系媒体中に分散させて分散液を製造する方法が挙げられる。
上記の水等の水系媒体とは、水や、水とメタノール、エタノール等の水と相溶可能な有機溶媒との混合溶液をいう。この中でも、特に、環境的な側面から水を用いるのが好ましい。
さらに、熱可塑性樹脂として、(メタ)アクリル酸、無水マレイン酸等のカルボキシル基やその無水物を含有する熱可塑性樹脂を用いる場合は、この熱可塑性樹脂の軟化点以上の温度でアミン、アルカリ金属水酸化物、アルカリ土類金属水酸化物等のアルカリ性物質と水等の水系媒体中で接触させることにより分散液とする方法も挙げられる。
上記乳化剤とは、低分子の乳化剤や高分子乳化剤をいう。上記低分子の乳化剤としては、アニオン系乳化剤として、オレイン酸カルシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、アルキルスルホン酸ナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム等があげられる。また、ノニオン系乳化剤として、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸等があげられる。さらに、両イオン性乳化剤として、ラウリルベタイン、ラウリルジメチルアミンオキサイド等があげられる。
より好ましい乳化剤としては、分散対象物質の種類の選択の幅の広さから考慮して、高分子乳化剤が挙げられ、特に、熱可塑性樹脂水性分散液を製造する高分子乳化剤と同一種類の高分子乳化剤を用いると、混合時に凝集物等が発生することもなく均一に混合することが出来るので好ましい。
上記高分子乳化剤としては、ノニオン性水溶性高分子、アニオン性を示す高分子共重合体のアルカリ中和物、カチオン性を示す高分子共重合体の酸中和物、アニオン性とカチオン性を有する両性高分子乳化剤の中和物等があげられる。
上記ノニオン性水溶性高分子としては、部分ケン化ポリビニルアルコール、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイドのブロック共重合体、ヒドロキシエチルセルロース等があげられる。特に、式(1)で示される反応性乳化剤が好ましい。
−(C2nO)m−R・・・・・(1)
なお、式中、Rは下記の2種類の基(a)及び(b)から選ばれる基を示し、Rは、Hまたは炭素数1〜4のアルキル基を示し、nは1〜3の整数を示し、mは4〜25の整数を示す。
(a)(メタ)アクリロイルオキシ基
(CH=CH−COO− または CH=C(CH)−COO−)
(b)(メタ)アクリロイルオキシエトキシ基
(CH=CH−COO−CH−CH−O− 又は CH=C(CH)−COO−CH−CH−O−)
なお、本明細書において、「(メタ)アクリル」は、「アクリルまたはメタクリル」を意味する。
上記の式(1)に示されるようなノニオン系反応性乳化剤の具体例としては、メトキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、プロポキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、n−ブトキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレート、n−ペンタキシテトラエチレングリコール(メタ)アクリレートテトラプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシテトラプロピレングリコール(メタ)アクリレートエトキシテトラプロピレングリコール(メタ)アクリレート、プロポキシテトラプロピレングリコール(メタ)アクリレート、n−ブトキシテトラプロピレングリコール(メタ)アクリレート、n−ペンタテトラプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシポリエチレングルコール(メタ)アクリレート等があげられる。これらのなかでもエチレングリコール基の繰り返し単位数が2〜25のポリエチレングリコール鎖を有するものが更に好ましい。繰り返し単位数が2より小さいと分散安定性が低下する。25よりも大きい場合は通常の温度において、親水基が固形化するため、十分な分散安定化効果が得られない場合がある。これらのノニオン性反応性乳化剤は、2種類以上を併用しても構わない。
次に、上記アニオン性を示す高分子乳化剤としては、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、酸性リン酸基などを有するものが用いられる。例えば、スルホン酸基含有単量体として、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等が挙げられる。また、酸性リン酸エステル基含有単量体として、モノ(2−メタクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェート等が挙げられる。
カルボキシル基含有単量体として好ましい単量体としては、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、シトラコン酸、マレイン酸、クロトン酸、フマル酸、マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸モノアルキルエステル等が挙げられる。
アニオン性高分子乳化剤として特に好ましいものとしては、カルボキシル基を含有する単量体、特にマレイン酸を用いた共重合体、例えばスチレン−マレイン酸共重合体及びその部分エステルや、(メタ)アクリル酸を用いた共重合体、例えば、(メタ)アクリル系共重合体等があげられる。
上記アニオン性高分子乳化剤中のアニオン性単量体由来の構造単位の含有量は、共重合成分として5モル%以上が必要で、10モル%以上が好ましい。5モル%より少ないと、高分子乳化剤としての安定化効果が低下する。一方、含有割合の上限は50モル%がよく、35モル%が好ましい。50モル%より多いと熱可塑性樹脂水性分散液の安定化効果が低下する傾向があり、さらには、得られる熱可塑性樹脂水性分散液の耐水性が低下し、また、乾燥皮膜が硬くなるため、低温ヒートシール性が低下したり、乾燥皮膜が、白濁したりする。
また、上記アニオン性を示す官能基を、アルカリ性物質からなる中和剤で中和してもよい。この中和剤としては、アンモニアや水酸化ナトリウム等があげられる。中和剤は、アニオン性を示す官能基に対して60モル%〜150モル%使用することが望ましい。60モル%より少ないと熱可塑性樹脂水性分散液の安定性が悪くなる傾向があり、150モル%を超えると熱可塑性樹脂水性分散液の安定性が悪くなる傾向がある。
これらの中でも、アニオン性高分子乳化剤として、特に好ましいものとしては、熱可塑性樹脂水性分散液から得られる皮膜の耐水性の観点から、皮膜に残存しにくい蒸気圧の高い中和剤、例えば、アンモニアを用いて中和した(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体があげられる。なお、これらのアニオン性高分子乳化剤は、2種類以上を併用しても構わない。
次に、上記カチオン性を示す高分子乳化剤としては、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート−アルキル(メタ)アクリレート共重合体、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド−(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体等があげられる。特に(メタ)アクリル酸アルキルアミノアルキルのアルキルアミノ基で置換されるアルキル基の炭素数は1〜6の範囲にあることがよい。そして、このような(メタ)アクリル酸アルキルアミノアルキルの例としては、(メタ)アクリル酸N,N―ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジエチルアミノエチル等があげられる。
これらの中でも、熱可塑性樹脂分散液から得られる皮膜の耐水性の観点から、皮膜に残存しにくい蒸気圧の高い中和剤、例えば、アンモニア、蟻酸、酢酸を用いて中和した(メタ)アクリル酸アルキルエステル共重合体が、カチオン性高分子乳化剤としてより好ましい。
上記カチオン性高分子乳化剤中のカチオン性単量体由来の構造単位の含有量は、共重合性成分として1モル%以上が必要で、2モル%以上が好ましい。1モル%よりも少ないと分散安定性が低下する傾向がある。一方、含有割合の上限は40モル%がよく、30モル%が好ましい。40モル%より多いと、分散安定化効果が低下することがある。
次に、上記両性高分子乳化剤は、(メタ)アクリル酸を主成分とするアニオン性単量体と(メタ)アクリル酸アルキルアミノアルキルを主成分とするカチオン性単量体とを含有する単量体混合物を共重合して得られる両性の高分子乳化剤である。両性系にすることで、アニオン性の高分子乳化剤としての硬さを抑えることができる。
上記の(メタ)アクリル酸を主成分とするアニオン性単量体と(メタ)アクリル酸アルキルアミノアルキルを主成分とするカチオン性単量体の比率は、分散液の安定性の観点から、アニオン性単量体75〜95モル%に対し、カチオン性単量体5〜25モル%であることが好ましい。アニオン性単量体が75モル%未満であると両性系高分子乳化剤の安定性が低下する。95モル%を超えるとカチオン性単量体が有する高分子乳化剤の柔軟性を低下させる。さらにアニオン性とカチオン性単量体の合計モル比率は全単量体の25〜50モル%が好ましい。なお、これらの両性高分子乳化剤は、2種類以上を併用しても構わない。
上記の高分子乳化剤を構成する共重合体は、各成分をそれぞれ秤量し、次に、重合器に各成分を個別に添加して重合するか、または各単量体をあらかじめ混合した上で重合器に添加して重合する。これにより、共重合体を製造することが出来る。この共重合反応は、重合開始剤の存在下に0〜180℃、好ましくは40〜120℃で0.5〜20時間の条件で行われる。この共重合はエタノール、イソプロパノール、セロソルブなどの親水性溶媒や水の存在下で行うのが好ましい。
上記高分子乳化剤の使用量は、得られる分散液の安定性、及び得られる皮膜の耐水性の面で、熱可塑性樹脂100重量部に対して2〜40重量部が好ましい。さらに好ましくは2〜20重量部である。2重量部未満であると熱可塑性樹脂水性分散液の安定性が低下するおそれがある。40重量部を超えると得られる皮膜の耐水性が低下すると同時にヒートシール性も低下するおそれがある。
上記高分子乳化剤の重量平均分子量は5,000〜1,000,000の範囲が好ましい。5,000未満であると、熱可塑性樹脂水性分散液の安定性が低下して分散が出来なくなる傾向がある。一方、1,000,000より大きくなると高分子乳化剤が水中に溶解しにくくなり、熱可塑性樹脂水性分散液の安定性が悪くなる傾向がある。
ところで、上記の熱可塑性樹脂水性分散液には、水中に多数の熱可塑性樹脂からなる分散粒子が存在し、上記高分子乳化剤のほとんどは、この分散粒子の表面に存在する。この熱可塑性樹脂水性分散液を加熱していくと、水分が揮散すると共に、上記の分散粒子が相互に融着して溶融し、皮膜化する。このとき、上記高分子乳化剤のポリマー鎖は、親水性を有するため、水が存在すると、水を取り込む傾向がある。そして、高分子乳化剤のポリマー鎖を介して、皮膜内部まで水が浸透することとなる。このとき、皮膜に熱がかかると、水が膨張するに伴い、皮膜にフクレが生じたり、白化が生じたりすることがある。
これに対して、本願発明においては、上記熱可塑性樹脂水性分散液に、ワックス、好ましくはワックスエマルジョンを含有させる。このワックスは、上記熱可塑性樹脂水性分散液を加熱して皮膜を形成させる際に、同時に融解し、皮膜内で広がる。また、常温で乾燥させる際には粒子形状を維持したまま乾燥させることが出来るが、乾燥後に更に加熱によって皮膜化させる場合も同様にワックスが粒子表面を伝わりながら広がって、皮膜を形成する。このときワックスは、熱可塑性樹脂内に浸透するよりも、高分子乳化剤のポリマー鎖に沿って移動する方が、易動度が高いため、ワックスは、高分子乳化剤と併存する傾向がある。このために、得られた皮膜に水が浸透しようとしても、ワックスによって高分子乳化剤に沿っての浸透が妨害されることとなり、結果として耐水性が向上することとなる。
上記ワックスとしては、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス、ポリエチレンワックス、及びそれらの酸化物、塩化パラフィン、カルナウバワックス、ライスワックス、モンタンワックス等があげられる。これらの中でも、その軟化温度が50℃以上のものが好ましく、また、種類としては、パラフィンワックスが好適である。
上記ワックスとしては、常温で流動性を示さない固形状のものが好ましく、特に軟化点が50℃以上のものを用いることが好ましい。上記軟化温度とは、JISK7234で規定される環球法で測定した値をいう。常温で流動性を示す液状のワックスを用いると、得られる上記熱可塑性樹脂水性分散液を乾燥造膜させた後、表面がべたつき、フィルムなどは巻き取ることが出来なくなったり、フィルムの滑り性が悪くなったり、塵芥が表面に付着して品質が低下する場合があるからである。
上記ワックスエマルジョンは、上記ワックスを上記の乳化剤を用いて水系媒体に分散させることで得られる。この中でも、高分子乳化剤を用いた方が耐水性改良の効果が得られるので好ましい。また、多種類の乳化剤を併用する場合はイオン性を合わせることが大切である。異なるイオン性のものを混合すると分散状態が不安定になる傾向がある。
上記ワックスエマルジョン中の上記の乳化剤、特に高分子乳化剤の使用量は、得られるワックスの水性分散液の安定性、耐水性の面から、ワックス100重量部に対して0.5〜20重量部がよく、2〜10重量部が好ましい。0.5重量部より少ないと、ワックスの分散安定性が低くなる傾向がある。一方、20重量部より多いと、添加量の増加に見合った耐水性改良効果の向上が得られないばかりか、逆に得られる皮膜の耐水性が低下してしまうおそれがある。
上記ワックスエマルジョン中の上記ワックスの含有量は、取扱性の観点から、上記乳化剤と上記ワックスの合計量に対し、固形分として10〜60重量%がよく、30〜50重量%が好ましい。上記ワックスの固形分が10重量%より少ない場合は、樹脂分散液としたときの水分量が増加して、固形分濃度が下がるため、皮膜形成のための乾燥工程にエネルギーと時間が多く必要となる傾向がある。一方、60重量%より多いと、ワックスエマルジョンの粘度が高くなり、均一に混合しにくくなる傾向がある。
このワックスエマルジョン中のワックス粒子の平均体積粒子径は、上記熱可塑性樹脂分散液との配合後の液の粘度、保管状態における粒子の沈降分離等の観点から0.01〜10μmが好ましく、0.05μm〜10μmがより好ましい。0.01μmより小さいと、分散液中の樹脂粒子表面に付着して、分散状態が不安定化して、凝集し易くなる傾向がある。一方、10μmより大きいと、ワックス類が分離・浮上することがある。このワックス粒子の平均体積粒子径の測定法としては、レーザー回折法等をあげることができる。
上記熱可塑性樹脂分散液へのワックスエマルジョンの配合方法は、特に限定されないが、分散状態が良好に保たれるように、両者を撹拌下、緩やかに混合するのがよい。ワックスは、上記熱可塑性樹脂水性分散液の連続相である分散媒の水相中に存在するようにさせることが、皮膜形成時に、高分子乳化剤の存在部位近傍に集まりやすくなるので、好ましい。このようにワックス成分を水性分散液の連続相に存在させるためには、熱可塑性樹脂よりも融点が低く、流動性が高いワックスを用いて、分散液のマトリックスを形成するように材料を選定することが好ましい。
上記の撹拌速度は、特に限定されないが、例えば、ディスパーサー(25mm撹拌翼)を用いて回転数1000〜2000rpmで5分間程度撹拌すればよい。撹拌強度が不足すると、分散状態が不均一となり、一方、過度に大きい場合は、分散が不安定となって凝集することがある。
上記熱可塑性樹脂に対するワックスエマルジョンの配合割合は、固形分換算で熱可塑性樹脂100重量部に対し、ワックス0.5〜20重量部がよく、1〜15重量部が好ましい。0.5重量部未満であると、耐水性の改良効果が少ない。また、20重量部を超えて配合すると、ヒートシール性が悪くなる。
この発明にかかる熱可塑性樹脂水性分散液は、加熱することにより、乾燥皮膜を得ることが出来る。この乾燥条件としては、使用するワックスの軟化点温度以上に加熱することが好ましく、軟化点温度より10℃以上高い方が更に好ましい。軟化点以下であるとワックスが十分に高分子乳化剤に浸透することが出来ず、耐水性が低下する。皮膜を形成させずに乾燥させた場合は、後から加熱によって皮膜を形成させる場合も、軟化点温度より10℃以上高い温度で加熱する方が好ましい。軟化点以下であるとワックスが十分に高分子乳化剤に浸透することが出来ず、耐水性が低下する。
そして、この熱可塑性樹脂分散液を加熱乾燥することにより、耐水性皮膜を得ることができる。この耐水性皮膜は、その内部に高分子乳化剤を有するが、上記の通り、皮膜形成時に、高分子乳化剤の存在部位近傍に集まったワックス成分により、親水性の高分子乳化剤の付近に水系媒体が残存するのを防止でき、白化、フクレなどを生じるのを防止できる。
この発明により得られる樹脂分散液には、上記の熱可塑性樹脂及びワックス以外に、必要に応じて、消泡剤、濡れ剤、増粘剤、防腐剤、殺菌剤等をヒートシール性、保存安定性、耐水性、耐熱性、配合液粘度の安定性等に影響を与えない範囲内で添加することができる。
この発明により得られる樹脂分散液は、金属、プラスチック、紙、木質材料、無機材料等の基材に塗布、乾燥することにより、乾燥皮膜となる。この乾燥皮膜は、耐水性、耐熱性、ヒートシール性等が良好であり、プライマーやヒートシール材として有用に使用することができる。
そして、上記の乾燥皮膜は、上記各種の基材との接着性が良好であると共に、耐水性を有する。このため、この乾燥皮膜を介して基材同士を接合した後に、温水などに浸漬させて、放置させておくと白化、フクレなどを生じることなく、ヒートシール強度を保持することができる。
以下、この発明を、実施例を用いてより具体的に示す。なお、この発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
〔測定方法〕
<中和度>
中和に使用したアルカリ性成分(アンモニア)のモル数を、重合体中の酸性単量体成分(アクリル酸、メタクリル酸)の合計モル数で除して、百分率(%)で示す。
<固形分>
水性分散液約1gを精秤し熱風循環乾燥機にて105℃×3時間乾燥させた後、デシケーターの中で放冷しその重量を測定した。そして、下記の式に従い、固形分を算出した。
固形分(重量%)=(乾燥後の試料の重量/乾燥後の試料の重量)×100
<重量平均分子量>
熱可塑性樹脂分散液中の重合体の重量平均分子量は、以下の手順に従ってゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)法によって測定した。
なお、カルボキシル基含有モノマーを用いて得られる重合体(EM2、EM3)は、下記のカルボキシル基をエステル化する前処理を行った上で測定試料とした。
1)サンプル調整
熱可塑性樹脂分散液のサンプルを室温で24時間乾燥した後、常温にて5時間減圧乾燥した(真空乾燥機LHV−122(タバイエスペック(株)製)使用)。
得られた重合体サンプルをテトラヒドロフラン(THF)に溶解して0.2重量%溶液として、これを測定試料とした。
2)エステル化処理
カルボキシル基含有モノマーを用いて製造したEM2及びEM3については、上記の減圧乾燥後の重合体サンプルから測定試料(THF溶液)を調製するのに先立って、クロロホルム/メタノール混合液中で、エステル化剤(トリメチルシリルジアゾメタンヘキサン溶液)を加えて、溶解するまで室温で撹拌を行った(48〜72時間)。続いて室温で乾燥させた後、上記同様、0.2重量%のTHF溶液を調製して測定試料とした。
3)GPC測定
上記のようにして調製した測定試料を、島津製作所(株)製:GPC−6Aを使用し、下記の条件で測定した。
・流速:1ml/min
・カラム:PLゲル10μmミックスB(ポリマー・ラボラトリー社製)
・標準試料:単分散PS(ポリマー・ラボラトリー社製)
・リファレンス:Sumilizer BHT(住友化学(株)製)
・検出器:RI、UV
<粘度>
水性分散液約400gを500mlのポリエチレン製瓶に入れて、蓋をした後、25℃の恒温槽に3時間放置して、温度が25℃になったところで、B型粘度計で粘度を測定した。
<平均粒子径>
レーザー回折型粒度分布測定装置(島津社製:SALD−2100)を用いて体積平均
粒子径を測定した。
<外観評価>
耐水性試験を行った後の接着強度測定用サンプルを剥離試験に掛ける前に外観評価を行った。
◎:サンプル全面に変化がなかった。
○:サンプルに白濁部分があった。
△:サンプルに白濁・フクレ部分があった。
×:サンプル全面に白濁・フクレがあった。
<耐水接着強度試験>
(サンプルの調製)
下記の熱可塑性樹脂水性分散液作成例に示す手順にしたがって得られた熱可塑性樹脂分散液に表3に示すワックス乳化物を添加・分散させた。それぞれのサンプルをPET樹脂製フィルム(東レ(株)製:ルミラー、ポリエチレンテレフタレート製、25μm厚み、コロナ表面処理)のコロナ表面処理面に4g/m-Dryとなるように塗布し、80℃、1分間の条件下で乾燥した。そして、同様に調製したもう1枚の基材と、塗布面同士が重なるようにして載せた。その後、ヒートシールテスター(180℃×30分、圧力0.1MPa)を用いてヒートシールした。
ヒートシール後のサンプルを室温まで放冷した後、カッターナイフを用いて15mm巾に切り出してサンプルとした。
(耐水接着強度)
上記サンプルを85℃の温水に浸漬し、0時間(温水浸漬直前)、24時間、240時間、500時間後の各サンプルを取り出し、付着水を清浄な布で拭き取った後、所定の剥離条件(200mm/min、剥離角90°)で剥離試験を実施して耐水試験後の接着強度を測定した。その結果を表4に示す。
〔高分子乳化剤製造例〕
(製造例1、2、3、4)
冷却器、窒素導入管、攪拌機及びモノマー滴下ロート及び加熱用のジャケットを装備した150L反応器に攪拌下、表1に記した各成分を表1に記した量仕込み、窒素置換後、内部温度を80℃まで上昇させた。更に、表1に記載の量の重合開始剤(2,2′−アゾビスイソブチロニトリル)を添加して、重合を開始した。温度を80℃に保って4時間重合を継続させた。次いで、得られた共重合体を表1に記載の量の中和剤で中和した後、イソプロパノール(IPA)を留去しながら水を添加して置換し、粘稠なアクリル系共重合体からなるカチオン性高分子乳化剤(製造例1)、アニオン性高分子乳化剤(製造例2)又は、両性系高分子乳化剤(製造例3)の中和物の水溶液(以下、「EM1」(製造例1)、「EM2」(製造例2)、「EM3」(製造例3)と称する。)を得た(収率は、いずれも97%)。なお、ノニオン性高分子乳化剤は、中和が必要ないので、IPAを留去しながら水を添加して置換し、粘稠なノニオン性高分子乳化剤(以下、「EM4」(製造例4と称する。)を得た(収率は、97%)。
Figure 2012082312
[成分を構成する各単量体]
((メタ)アクリル酸)
・アクリル酸…三菱化学(株)製、以下「AA」と略する。
・メタクリル酸…三菱レイヨン(株)製、以下「MAA」と略する。
((メタ)アクリル酸アルキルアミノアルキル)
・N,N-ジメチルアミノエチルメタクリレート…三洋化成工業(株)製、メタクリレートDMA、以下「DMA」と略する。
(他の共重合単量体)
・メチルメタクリレート…三菱レイヨン(株)製、以下「MMA」と略する。
・ラウリルメタクリレート…三菱レイヨン(株)製、以下「SLMA」と略する。
・ブチルメタクリレート…三菱レイヨン(株)製、以下、「BMA」と略する。
・メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート ポリエチレングリコール繰り返し単位数9・・・日本油脂(株)製、以下「PME」と略する。
[その他]
・イソプロパノール…(株)トクヤマ製:トクソーIPA(登録商標)、以下「IPA」と略する。
〔熱可塑性樹脂水性分散液作成例1〜4〕
エチレン−酢酸ビニル共重合体(三井デュポン社製;商品名 エバフレックス220、酢酸ビニル含有量28重量%)70重量部、エチレン−メタクリル酸共重合体(三井デュポン社製;商品名 ニュクレル N1050H、メタクリル酸含有量10重量%)30重量部を混合して、二軸押出機(池貝鉄鋼社製;型式番号PCM45 L/D=30、注入口 2箇所)のホッパーから、100重量部/時間の割合で押出機内に連続的に供給した。次いで、第1の注入口から、表1に示す高分子乳化剤水溶液を固形分換算で10重量部/時間、第2の注入口から水84重量部/時間を連続的に供給し、100℃の温度で押し出して乳白色の熱可塑性樹脂水性分散液を得た。表2に示す固形分濃度になるように、得られた水性分散液に温水を添加して調整した。その結果を表2に示す。
各イオン性高分子乳化剤で製造された熱可塑性樹脂水性分散液(以下、カチオン系「EM1-1」、アニオン系「EM2-1」、両性系「EM3-1」、ノニオン系「EM4-1」)と称する。)
〔熱可塑性樹脂水性分散液作成例5〕
前記熱可塑性樹脂水性分散液作成例1において、二軸押出機による混練時の原料組成を下記のように変更したこと以外は同様に操作を行い、ワックスを含む樹脂エマルジョンを調製した。
原料組成:
・エチレン−酢酸ビニル共重合体=67重量部
・エチレン−メタクリル酸共重合体=28重量部
・パラフィンワックス(日本精蝋(株)製 ParaffinWAX135融点135℃を使用)=5重量部
得られた乳白色の熱可塑性樹脂分散液(「EM-C」)についての分析・評価結果を表2に示す。
Figure 2012082312
〔ワックス乳化例1〜4〕
表3に示すワックスを異方向回転非噛合型2軸ニーダー((株)入江商会製:型式番号PBV-03型)に100g投入し、表3に示す高分子乳化剤を固形分換算で5重量%を添加して加熱混練を10分間実施した。次いで、約95℃の温水100gを徐々に添加しながら、ワックスが液状化するまで混練攪拌を行い、ワックスエマルジョンを得た。ワックスエマルジョン(以下、カチオン系「EMWC」)、アニオン系「EMWA」、両性系「EMWB」、ノニオン系「EMWN」)と称する。)は、固形分濃度が45重量%になるように温水を添加して調整した。
その結果を表3に示す。
Figure 2012082312
[ワックス成分]
・合成パラフィンワックス 融点90℃…サソール社製、サゾールワックス H1。以下「H−1」と略する。
・パラフィンワックス 融点135℃…日本精蝋(株)製、Paraffin Wax135以下。以下、「135」と略する。
〔実施例1〜7、比較例1〜5〕
500mlのガラス製ビーカーに表4に示す熱可塑性樹脂水性分散液を投入した。25mmのディスパーサー型攪拌翼(1500rpm)で撹拌しながら、熱可塑性樹脂分散液の固形分に対して、表4に示す量(ワックス固形分量換算)のワックスエマルジョンを添加し、引き続き5分間攪拌して評価用サンプルとした。なお、比較例5においては、EM−Cの樹脂中にワックスが既に練り込まれており、新たなワックスエマルジョンの添加は行わなかった。
評価用サンプルは、耐水性試験を実施した。結果を表4に示す。
Figure 2012082312

Claims (7)

  1. 熱可塑性樹脂を、高分子乳化剤を用いて水系媒体に分散させた水性分散液中に、ワックスを含有させた熱可塑性樹脂水性分散液。
  2. 上記ワックスの含有量は、熱可塑性樹脂と高分子乳化剤の合計量100重量部に対して、0.5重量部以上20重量部以下である請求項1に記載の熱可塑性樹脂水性分散液。
  3. 上記ワックスの平均体積粒子径は、0.05μm以上10μm以下である請求項1又は2に記載の熱可塑性樹脂水性分散液。
  4. 上記ワックスの融点が50℃以上である請求項1乃至3のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂水性分散液。
  5. 上記高分子乳化剤は、重量平均分子量が5,000以上1,000,000以下の高分子乳化剤である請求項1乃至4のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂水性分散液。
  6. 上記ワックスが熱可塑性樹脂水性分散液の連続相に存在する請求項1乃至5のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂水性分散液。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の熱可塑性樹脂水性分散液を加熱乾燥することにより得られる耐水性皮膜。
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