JP2012081619A - 表面凹凸パターンを有する部材の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】電離放射線硬化樹脂の粘度が非常に高粘度な場合であっても、所望の微細凹凸パターンに不完全形状が生じにくい電離放射線硬化樹脂を用いた成形方法を提供する。
【解決手段】本発明は、凹凸パターンを有する成形型2,14面に電離放射線硬化樹脂を溶剤希釈した液8を塗工する工程と、該塗工した液8を乾燥する工程と、該成形型2,14上の塗工した液8が乾燥した部分に基材7を供給し、成形型2,14に対向するロール5にて成形型2,14に基材7を押し当てる工程と、電離放射線を照射して電離放射線硬化樹脂を硬化する工程と、該成形型2,14から、電離放射線硬化樹脂の層と基材とからなり凹凸パターンを有する成形品を離型する工程とからなる表面凹凸パターンを有するシート状またはフィルム状の部材の製造方法である。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明は、凹凸パターンを有する成形型2,14面に電離放射線硬化樹脂を溶剤希釈した液8を塗工する工程と、該塗工した液8を乾燥する工程と、該成形型2,14上の塗工した液8が乾燥した部分に基材7を供給し、成形型2,14に対向するロール5にて成形型2,14に基材7を押し当てる工程と、電離放射線を照射して電離放射線硬化樹脂を硬化する工程と、該成形型2,14から、電離放射線硬化樹脂の層と基材とからなり凹凸パターンを有する成形品を離型する工程とからなる表面凹凸パターンを有するシート状またはフィルム状の部材の製造方法である。
【選択図】 図1
Description
本発明は、表面に微細な凹凸形状を有するフィルムを製造するための製造方法に関する。
近年、液晶等の電子ディスプレイ用途で光拡散シート、輝度向上シート、光導波路シート、プリズムシート等の表面に微細な凹凸パターンのついたシートが使用されている。このような微細凹凸パターンを形成する手法としては、従来各種の方法が知られている。
例えば、図6に示されるような構成の装置において、連続走行される基材シート7の表面に予め電離放射線硬化樹脂81を塗布しておき、この基材シート7を微細凹凸パターンが形成されているロール状成形型2とニップローラー5とで挟み、ロール状成形型2の凹凸パターンを樹脂に転写させた状態で、電離放射線を樹脂に照射して硬化させ、その後基材シート7を剥離ロール6に巻きつけてロール状成形型2より剥離させる内容が開示されている。
例えば、図6に示されるような構成の装置において、連続走行される基材シート7の表面に予め電離放射線硬化樹脂81を塗布しておき、この基材シート7を微細凹凸パターンが形成されているロール状成形型2とニップローラー5とで挟み、ロール状成形型2の凹凸パターンを樹脂に転写させた状態で、電離放射線を樹脂に照射して硬化させ、その後基材シート7を剥離ロール6に巻きつけてロール状成形型2より剥離させる内容が開示されている。
しかしながら、従来の製造装置によって所望の微細凹凸パターンを電離放射線硬化樹脂に転写する場合、転写する微細凹凸パターンの形状や、電離放射線硬化樹脂の粘度などの条件によって、電離放射線硬化樹脂に気泡が含まれたり、欠けが生じたりして微細凹凸パターンの形状が不完全になることがあった。そのような不完全形状が発生する条件を調べたところ、形成する微細凹凸パターン形状がロール周長方向に連続な溝形状に比較して、連続性のない例えばフライアイレンズなどの形状、特にレンズの幅に対する深さ寸法が0.5を超えるような高アスペクト比のレンズになると、不完全形状が顕著に発生する。このような微細凹凸パターンの不完全形状は、成形品が光学用の部材である場合には光学性能の致命的な欠陥になるばかりが、外観品位も損なうことになり意匠部材としても問題となる。
特許文献1では、図6に示されるように連続走行されるフィルム状の基材7の表面に予め電離放射線硬化樹脂を塗布しておき、この基材7を微細凹凸パターンが形成されているロール状成形型2とニップローラー5とで挟む方法において、電離放射線硬化樹脂が塗布された基材とロール状成形型が接触する部分に電離放射線硬化樹脂の滞留部が生じるように成形することで、微細凹凸パターンの不完全形状の発生を押さえる方法が開示されている。また、特許文献2では、電離放射線硬化樹脂の粘度を限定すること、さらには、金型ロール、ニップローラーなどを加温することで樹脂の粘度を下げる方法などが開示されている。
しかしながら、最終的な成形品は、その用途や必要機能によっては硬化した電離放射線硬化樹脂の硬さ、屈折率等を調整する必要があり、結果として未硬化状態で非常に高粘度とならざるを得ない場合がある。例えば、通常、硬化した樹脂の屈折率を上げるために酸化ジルコニウムなどの金属微粒子を高比率で含有させることがあるが、そのような電離放射線硬化樹脂では溶剤希釈して粘度を下げて基材に塗工しても、乾燥により粘度が大幅に上昇するため加熱等の手段を講じても十分な粘度までは低下しない。このような場合では前記の方法では、不完全形状の発生を押さえることができない。
本発明は、電離放射線硬化樹脂を用いて微細凹凸パターンを成形するに際して、前記電離放射線硬化樹脂の粘度が非常に高粘度な場合であっても所望の微細凹凸パターンに不完全形状が生じにくい成形方法を提供することを目的とする。
本発明は、凹凸パターンを有する成形型面に電離放射線硬化樹脂を溶剤希釈した液を塗工する工程と、該塗工した液を乾燥する工程と、該成形型上の塗工した液が乾燥した部分に基材を供給し、成形型に対向するロールにて成形型の基材を押し当てる工程と、電離放射線を照射して電離放射線硬化樹脂を硬化する工程と、該成形型から電離放射線硬化樹脂の層と基材とからなり凹凸パターンを有する成形品を離型する工程と、からなる表面凹凸パターンを有する部材の製造方法であることを特徴とする。
また、前記の発明において成形型に基材を押し当てる工程の前に、基材側にも、電離放射線硬化樹脂を塗工する工程、または、電離放射線硬化樹脂を溶剤希釈した液を塗工し乾燥する工程を有していても良い。
また、前記の発明において成形型が凹凸パターンを有するベルト状のものであっても良い。
また、前記の発明において成形型が凹凸パターンを有するベルト状のものであっても良い。
また、本発明は、前記した表面微細凹凸パターンを有する部材の製造方法で製造された表面に微細凹凸パターンを有する部材であり前記表面に微細凹凸パターンを有する部材は、電離放射線硬化樹脂が硬化後の状態で酸化物微粒子を30体積%以上含んでいても良い。
本発明によれば高粘度な電離放射線硬化樹脂であっても比較的アスペクト比の高いフライアイレンズなどの形状であっても形状の欠けなどを発生させることなく成形することが可能である。
以下本発明を図面に従って説明する。
<実施の形態1>
本発明にかかる第1の実施の形態による表面微細凹凸パターンを有する部材の製造方法にかかる一例の概念図を図1に示す。図1において、シート状成形型14にはフライアイレンズなどの微細凹凸パターンが形成されている。このシート状成形型14としては、アルミニウム、黄銅、銅、ニッケル等金属や、シリコン樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、ポリメチルペンタン樹脂などの合成樹脂から作製したもの、またステンレスなどの板の表面にアルミニウム、黄銅、銅、ニッケル等金属や、シリコン樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、ポリメチルペンタン樹脂などの合成樹脂などの表面に微細凹凸パターンを付与したフィルム、シートを積層したもの等を用いることができる。図1で示される本実施の形態において電離放射線硬化樹脂層が形成された前記シート状成形型14に押圧される基材7は、枚様のシート状またはフィルム状であり、アクリル樹脂、ポリポリカーボネート樹脂、塩化ビニル樹脂、トリ酢酸セルロース樹脂、ポリエステル樹脂、ガラスなどからなる枚葉のシートまたはフィルムを用いることができる。
<実施の形態1>
本発明にかかる第1の実施の形態による表面微細凹凸パターンを有する部材の製造方法にかかる一例の概念図を図1に示す。図1において、シート状成形型14にはフライアイレンズなどの微細凹凸パターンが形成されている。このシート状成形型14としては、アルミニウム、黄銅、銅、ニッケル等金属や、シリコン樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、ポリメチルペンタン樹脂などの合成樹脂から作製したもの、またステンレスなどの板の表面にアルミニウム、黄銅、銅、ニッケル等金属や、シリコン樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、ポリメチルペンタン樹脂などの合成樹脂などの表面に微細凹凸パターンを付与したフィルム、シートを積層したもの等を用いることができる。図1で示される本実施の形態において電離放射線硬化樹脂層が形成された前記シート状成形型14に押圧される基材7は、枚様のシート状またはフィルム状であり、アクリル樹脂、ポリポリカーボネート樹脂、塩化ビニル樹脂、トリ酢酸セルロース樹脂、ポリエステル樹脂、ガラスなどからなる枚葉のシートまたはフィルムを用いることができる。
本発明においては、図1に示すように塗布装置1からベルトコンベア13で搬送されるシート状成形型14に電離放射線硬化樹脂が溶剤により希釈低粘度化された液8が適量塗布される。塗布装置1としてはダイコーター、各種ロールコーター、スプレーコーターなどが使用可能であるが、成形型表面の微細凹凸パターンを破損しないことが必要となる。塗布された液8は、乾燥装置3によって乾燥される。この際に、溶剤が蒸発して成形型14の微細凹凸パターンに電離放射線硬化樹脂が充填され、さらに成形型全体が電離放射線硬化樹脂に覆われた状態となる。そして、枚葉の基材7がニップローラー5を用いてシート状成形型14に押圧され、さらに、電離放射線照射装置4によって電離放射線が照射される。電離放射線が照射されることによって、電離放射硬化樹脂はシート状成形型14に圧接した状態で硬化されるので、シート状成形型の微細凹凸パターンが高い精度で転写される。前記基材7は、剥離ロール6により前記シート状成形型14から前記電離放射線硬化樹脂層とともに離型される。
本発明にかかる第1の実施の形態による表面微細凹凸パターンを有する部材の製造方法については図2に示す概念図のような形態でもよい。図2においては、基材7としては連続したシート状またはフィルム状のものが用いられ、成形型としてはロール状のものが用いられる。ロール状成形型2にはフライアイレンズなどの微細凹凸パターンが形成されている。このロール状成形型2としてはアルミニウム、黄銅、銅、ニッケル等金属や、シリコン樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、ポリメチルペンタン樹脂などの合成樹脂から作製したもの、またステンレスなどの筒体の表面にアルミニウム、黄銅、銅、ニッケル等金属や、シリコン樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、ポリメチルペンタン樹脂などの合成樹脂などの表面に微細凹凸パターンを付与したフィルム、シートを積層したもの等を用いることができる。電離放射線硬化樹脂層が形成されて前記ロール状成形型2に押圧される連続の基材7としてはアクリル樹脂、ポリポリカーボネート樹脂、塩化ビニル樹脂、トリ酢酸セルロース樹脂、ポリエステル樹脂などからなる連続のシートまたはフィルムを用いることができる。
本形態においては、図2に示すように塗布装置1からロール状成形型2に電離放射線硬化樹脂が溶剤により希釈低粘度化された液8が適量塗布される。塗布装置1としてはダイコーター、各種ロールコーター、スプレーコーターなどが使用可能であるが、成形型表面の微細凹凸パターンを破損しないことが必要となる。塗布された液は、乾燥装置3によって乾燥される。この際に、溶剤が蒸発して成形型2の微細凹凸パターンに電離放射線硬化樹脂が充填され、さらに成形型全体が、電離放射線硬化樹脂に覆われた状態となる。そして、連続の基材7がニップローラー5を用いてロール状成形型2に押圧され、さらに、電離放射線照射装置4によって電離放射線が照射される。電離放射線が照射されることによって、電離放射硬化樹脂はロール状成形型2に圧接した状態で硬化されるので、ロール状成形型2の微細凹凸パターンが高い精度で転写される。前記基材7は、剥離ロール6により前記ロール状成形型から前記電離放射線硬化樹脂層とともに離型される。
<実施の形態2>
次に、本発明にかかる第2の実施の形態による表面微細凹凸パターンを有する部材の製造方法の一例の概念図を図3に示す。
第2の実施の形態の製造方法では、まず、図3のように電離放射線硬化樹脂を溶剤希釈した液8を塗布装置1によって連続の基材7およびロール状成形型2の双方に塗工する。次いで、乾燥装置3により前記電離放射線硬化樹脂を溶剤希釈した液8を乾燥させた基材7を、電離放射線硬化樹脂を溶剤希釈した液8の塗布後乾燥されたロール状成形型2にニップローラー5を用いて押圧し、さらに電離放射線照射装置4によって電離放射線を照射する。電離放射線が照射されることによって、電離放射硬化樹脂はロール状成形型2に圧接した状態で硬化されるので、ロール状成形型の微細凹凸パターンが高い精度で転写される。前記基材7は、剥離ロール6により前記ロール状成形型2から前記2つの電離放射線硬化樹脂層とともに離型される。
次に、本発明にかかる第2の実施の形態による表面微細凹凸パターンを有する部材の製造方法の一例の概念図を図3に示す。
第2の実施の形態の製造方法では、まず、図3のように電離放射線硬化樹脂を溶剤希釈した液8を塗布装置1によって連続の基材7およびロール状成形型2の双方に塗工する。次いで、乾燥装置3により前記電離放射線硬化樹脂を溶剤希釈した液8を乾燥させた基材7を、電離放射線硬化樹脂を溶剤希釈した液8の塗布後乾燥されたロール状成形型2にニップローラー5を用いて押圧し、さらに電離放射線照射装置4によって電離放射線を照射する。電離放射線が照射されることによって、電離放射硬化樹脂はロール状成形型2に圧接した状態で硬化されるので、ロール状成形型の微細凹凸パターンが高い精度で転写される。前記基材7は、剥離ロール6により前記ロール状成形型2から前記2つの電離放射線硬化樹脂層とともに離型される。
<実施の形態3>
次に、本発明にかかる第3の実施の形態による表面微細凹凸パターンを有する部材の製造方法の一例の概念図を図4に示す。
第3の実施の形態の製造方法は、図4のように電離放射線硬化樹脂81を塗布装置1によって塗工した連続の基材7を、電離放射線硬化樹脂を溶剤希釈した液8を塗布後、乾燥装置3により乾燥させたロール状成形型にニップローラー5を用いて押圧し、さらに電離放射線照射装置4によって電離放射線を照射する。電離放射線が照射されることによって、電離放射硬化樹脂はロール状成形型2に圧接した状態で硬化されるので、ロール状成形型の微細凹凸パターンが高い精度で転写される。前記基材7は、剥離ロール6により前記ロール状成形型2から前記2つの電離放射線硬化樹脂層とともに離型される。
次に、本発明にかかる第3の実施の形態による表面微細凹凸パターンを有する部材の製造方法の一例の概念図を図4に示す。
第3の実施の形態の製造方法は、図4のように電離放射線硬化樹脂81を塗布装置1によって塗工した連続の基材7を、電離放射線硬化樹脂を溶剤希釈した液8を塗布後、乾燥装置3により乾燥させたロール状成形型にニップローラー5を用いて押圧し、さらに電離放射線照射装置4によって電離放射線を照射する。電離放射線が照射されることによって、電離放射硬化樹脂はロール状成形型2に圧接した状態で硬化されるので、ロール状成形型の微細凹凸パターンが高い精度で転写される。前記基材7は、剥離ロール6により前記ロール状成形型2から前記2つの電離放射線硬化樹脂層とともに離型される。
<実施の形態4>
次に、本発明にかかる第4の実施の形態による表面微細凹凸パターンを有する部材の製造方法の一例の概念図を図5に示す。図5に示すように、塗布装置1からベルト状の成形型11に電離放射線硬化樹脂が溶剤により希釈、低粘度化された液8が適量塗布される。塗布された液8は、乾燥装置3によって乾燥される。この際に、成形型の微細凹凸パターンに電離放射線硬化樹脂が充填され、さらに成形型全体が電離放射線硬化樹脂に覆われた状態となる。そして、連続の基材7をニップローラー5とバックロール12を用いてベルト状成形型11に押圧し、その後、電離放射線照射装置4によって電離放射線を照射する。電離放射線が照射されることによって、電離放射硬化樹脂はベルト状成形型11に圧接した状態で硬化されるので、ベルト状成形型の微細凹凸パターンが高い精度で転写される。前記基材7は、剥離ロール6により前記ロール状成形型から前記2つの電離放射線硬化樹脂層とともに離型される。
次に、本発明にかかる第4の実施の形態による表面微細凹凸パターンを有する部材の製造方法の一例の概念図を図5に示す。図5に示すように、塗布装置1からベルト状の成形型11に電離放射線硬化樹脂が溶剤により希釈、低粘度化された液8が適量塗布される。塗布された液8は、乾燥装置3によって乾燥される。この際に、成形型の微細凹凸パターンに電離放射線硬化樹脂が充填され、さらに成形型全体が電離放射線硬化樹脂に覆われた状態となる。そして、連続の基材7をニップローラー5とバックロール12を用いてベルト状成形型11に押圧し、その後、電離放射線照射装置4によって電離放射線を照射する。電離放射線が照射されることによって、電離放射硬化樹脂はベルト状成形型11に圧接した状態で硬化されるので、ベルト状成形型の微細凹凸パターンが高い精度で転写される。前記基材7は、剥離ロール6により前記ロール状成形型から前記2つの電離放射線硬化樹脂層とともに離型される。
<実施の形態5>
本発明にかかる第5の実施の形態による表面微細凹凸パターンを有する部材は、前記実施の形態1〜4のいずれかの製造方法により製造された、表面に微細凹凸パターンを有するシート状またはフィルム状の部材である。
本発明にかかる第5の実施の形態による表面微細凹凸パターンを有する部材は、前記実施の形態1〜4のいずれかの製造方法により製造された、表面に微細凹凸パターンを有するシート状またはフィルム状の部材である。
<実施の形態6>
本発明にかかる第6の実施の形態による表面微細凹凸パターンを有するシート状またはフィルム状の部材は、電離放射線硬化樹脂が硬化後の状態で酸化物微粒子を30体積%以上含む。酸化物微粒子は二酸化珪素、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化錫などを用いることができる。また、酸化物微粒子の粒径についても特に限定されるものではないが、表面微細凹凸パターンを有する部材を特に光学的な用途に使用する場合は重量平均粒径が数百nm以下であることが望ましい。
本発明にかかる第6の実施の形態による表面微細凹凸パターンを有するシート状またはフィルム状の部材は、電離放射線硬化樹脂が硬化後の状態で酸化物微粒子を30体積%以上含む。酸化物微粒子は二酸化珪素、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化錫などを用いることができる。また、酸化物微粒子の粒径についても特に限定されるものではないが、表面微細凹凸パターンを有する部材を特に光学的な用途に使用する場合は重量平均粒径が数百nm以下であることが望ましい。
以上、本発明に係る表面微細凹凸パターンを有するシート状またはフィルム状の部材の製造方法にかかる実施形態例について説明したが、本発明は前記実施形態の例に限定されるものではなく、各種の態様が採り得る。たとえば、本実施の形態の例では、ロール状の成形型、ベルト状の成形型を使用する態様を採用したが、シート状の成形型をベルトコンベアなどの輸送手段上に配置し使用する態様も採用できる。このようなシート状体であっても、ロール状、ベルト状と同様に作用し、同様の効果が得られるからである。
以下に、本発明を実施例を用いて具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
20μm径、20μm高さのマイクロレンズが複数配置されたニッケル製の成形型(面積は105mm×105mm)に電離放射線硬化樹脂と酸化物微粒子とが溶剤希釈分散された電離放射線硬化樹脂液(東洋インキ製造株式会社製リオデュラスTYZ74−01)を約80μmの厚みで塗布し、室温で3分、さらに室温で3分、80℃で5分乾燥させ、ニップローラーにてPETフィルム(東洋紡績株式会社製コスモシャインA4300;厚み100μm)を0.3MPaの圧力にて押圧し、そのまま電離放射線を照射し硬化させた後、離型したところ、欠けなどが発生することなく所望のマイクロレンズがPETフィルム上に成形できた。
<実施例2>
20μm径、20μm高さのマイクロレンズが複数配置されたニッケル製の成形型(面積は105mm×105mm)に電離放射線硬化樹脂と酸化物微粒子が溶剤希釈分散された電離放射線硬化樹脂液(東洋インキ製造株式会社製リオデュラスTYZ74−01)を約80μmの厚みで塗布した後、室温で3分、80℃で5分乾燥させ、PETフィルム(東洋紡績株式会社製コスモシャインA4300;厚み100μm)に電離放射線硬化樹脂液(東洋インキ製造株式会社製リオデュラスTYZ74−01)を50μm厚で塗工した後、室温で2分、80℃で1分乾燥させ、前記PETフィルムをニップローラーにて0.3MPaの圧力にて前記成形型に押圧し、そのまま電離放射線を照射し硬化させた後、離型したところ、欠けなどが発生することなく所望のマイクロレンズがPETフィルム上に成形できた。
20μm径、20μm高さのマイクロレンズが複数配置されたニッケル製の成形型(面積は105mm×105mm)に電離放射線硬化樹脂と酸化物微粒子とが溶剤希釈分散された電離放射線硬化樹脂液(東洋インキ製造株式会社製リオデュラスTYZ74−01)を約80μmの厚みで塗布し、室温で3分、さらに室温で3分、80℃で5分乾燥させ、ニップローラーにてPETフィルム(東洋紡績株式会社製コスモシャインA4300;厚み100μm)を0.3MPaの圧力にて押圧し、そのまま電離放射線を照射し硬化させた後、離型したところ、欠けなどが発生することなく所望のマイクロレンズがPETフィルム上に成形できた。
<実施例2>
20μm径、20μm高さのマイクロレンズが複数配置されたニッケル製の成形型(面積は105mm×105mm)に電離放射線硬化樹脂と酸化物微粒子が溶剤希釈分散された電離放射線硬化樹脂液(東洋インキ製造株式会社製リオデュラスTYZ74−01)を約80μmの厚みで塗布した後、室温で3分、80℃で5分乾燥させ、PETフィルム(東洋紡績株式会社製コスモシャインA4300;厚み100μm)に電離放射線硬化樹脂液(東洋インキ製造株式会社製リオデュラスTYZ74−01)を50μm厚で塗工した後、室温で2分、80℃で1分乾燥させ、前記PETフィルムをニップローラーにて0.3MPaの圧力にて前記成形型に押圧し、そのまま電離放射線を照射し硬化させた後、離型したところ、欠けなどが発生することなく所望のマイクロレンズがPETフィルム上に成形できた。
<比較例>
PETフィルム(東洋紡績株式会社製コスモシャインA4300;厚み100μm)上に実施例1で用いた電離放射線硬化樹脂液(東洋インキ製造株式会社製リオデュラスTYZ74−01)を約80μmの厚みで塗布し、室温で3分、80℃で5分乾燥させた後、20μm径、20μm高さのマイクロレンズが複数配置されたニッケル製の成形型(面積は105mm×105mm)にニップローラーにて0.3MPaの圧力で押圧し、そのまま電離放射線を照射して硬化させた後、離型したところ、高さ数μm程度のマイクロレンズしか得られなかった。これは、乾燥後の溶剤成分が揮発した電離放射線硬化樹脂は非常に粘度が高いため、成形型の微細凹凸に電離放射線硬化樹脂が十分に充填されないためである。
PETフィルム(東洋紡績株式会社製コスモシャインA4300;厚み100μm)上に実施例1で用いた電離放射線硬化樹脂液(東洋インキ製造株式会社製リオデュラスTYZ74−01)を約80μmの厚みで塗布し、室温で3分、80℃で5分乾燥させた後、20μm径、20μm高さのマイクロレンズが複数配置されたニッケル製の成形型(面積は105mm×105mm)にニップローラーにて0.3MPaの圧力で押圧し、そのまま電離放射線を照射して硬化させた後、離型したところ、高さ数μm程度のマイクロレンズしか得られなかった。これは、乾燥後の溶剤成分が揮発した電離放射線硬化樹脂は非常に粘度が高いため、成形型の微細凹凸に電離放射線硬化樹脂が十分に充填されないためである。
1 ・・・塗布装置
2 ・・・ロール状成形型
3 ・・・乾燥装置
4 ・・・電離放射線照射装置
5 ・・・ニップローラー
6 ・・・剥離ロール
7 ・・・基材
8 ・・・電離放射線硬化樹脂を溶剤希釈した液
81・・・電離放射線硬化樹脂
9 ・・・塗布装置用バックロール
10・・・第2ニップローラー
11・・・ベルト状成形型
12・・・バックロール
13・・・ベルトコンベア
14・・・シート状成形型
2 ・・・ロール状成形型
3 ・・・乾燥装置
4 ・・・電離放射線照射装置
5 ・・・ニップローラー
6 ・・・剥離ロール
7 ・・・基材
8 ・・・電離放射線硬化樹脂を溶剤希釈した液
81・・・電離放射線硬化樹脂
9 ・・・塗布装置用バックロール
10・・・第2ニップローラー
11・・・ベルト状成形型
12・・・バックロール
13・・・ベルトコンベア
14・・・シート状成形型
Claims (6)
- 凹凸パターンを有する成形型面に電離放射線硬化樹脂を溶剤希釈した液を塗工する工程と、該塗工した液を乾燥する工程と、該成形型上の塗工した液が乾燥した部分に基材を供給し、成形型に対向するロールにて成形型に基材を押圧する工程と、電離放射線を照射して電離放射線硬化樹脂を硬化する工程と、該成形型から電離放射線硬化樹脂の層と基材とからなり凹凸パターンを有する成形品を離型する工程と、からなる表面凹凸パターンを有する部材の製造方法。
- 成形型に基材を押圧する工程の前に、基材側にも電離放射線硬化樹脂を溶剤希釈した液を塗工し乾燥する工程を有する請求項1に記載の表面凹凸パターンを有する部材の製造方法。
- 成形型に基材を押圧する工程の前に、基材側にも電離放射線硬化樹脂を塗工する工程を有する請求項1に記載の表面凹凸パターンを有する部材の製造方法。
- 成形型が凹凸パターンを有するベルト状のものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の表面凹凸パターンを有する部材の製造方法。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の表面凹凸パターンを有する部材の製造方法で製造されたことを特徴とする、表面凹凸パターンを有するシート状またはフィルム状の部材。
- 電離放射線硬化樹脂が、硬化後の状態で酸化物微粒子を30体積%以上含むことを特徴とする請求項5に記載の表面凹凸パターンを有するシート状またはフィルム状の部材。
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JP2010228573A JP2012081619A (ja) | 2010-10-08 | 2010-10-08 | 表面凹凸パターンを有する部材の製造方法 |
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---|---|---|---|---|
WO2017119398A1 (ja) * | 2016-01-04 | 2017-07-13 | 株式会社クラレ | 微細構造付き三次元成形体の製造方法 |
WO2017126200A1 (ja) * | 2016-01-18 | 2017-07-27 | 東レ株式会社 | 表面構造フィルムの製造方法および製造装置 |
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- 2010-10-08 JP JP2010228573A patent/JP2012081619A/ja active Pending
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