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JP2012077071A - 化合物及びレジスト組成物 - Google Patents

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JP2012077071A
JP2012077071A JP2011192479A JP2011192479A JP2012077071A JP 2012077071 A JP2012077071 A JP 2012077071A JP 2011192479 A JP2011192479 A JP 2011192479A JP 2011192479 A JP2011192479 A JP 2011192479A JP 2012077071 A JP2012077071 A JP 2012077071A
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Kazuki Takemoto
一樹 武元
Nobuo Ando
信雄 安藤
Hiroko Yamashita
裕子 山下
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

【課題】優れたラインエッジラフネスを有するパターンを得ることができるレジスト組成物に含まれる新規化合物を提供する。
【解決手段】例えば式(I-1)で表される化合物と式(II-2)で表される化合物とを反応させて得られる式(III-2)で表される化合物。
Figure 2012077071

【選択図】なし

Description

本発明は、化合物及びレジスト組成物等に関する。
特許文献1には、レジスト組成物の樹脂成分として、メタクリル酸2−エチル−2−アダマンチル及びp−ヒドロキシスチレンを重合させて得られる共重合体が記載されている。
特開2005−97254号公報
レジスト組成物の樹脂成分である従来の共重合体では、該共重合体を含むレジスト組成物から得られるレジストパターンのラインエッジラフネスが必ずしも十分満足できるものではない場合があった。
そこで、従来のレジスト組成物の樹脂成分である共重合体に代わる新規な化合物の開発が望まれていた。
本発明は、以下の発明を含む。
〔1〕 式(I)で表される化合物と式(II)で表される化合物とを反応させて得られる化合物。
Figure 2012077071
[式(I)中、A、A、A及びAは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜10の脂環式飽和炭化水素基、炭素数4〜20の脂環式飽和炭化水素基を有するアルキル基、ヒドロキシ基、フェニル基又は炭素数7〜12のフェニルアルキル基を表し、該アルキル基、該脂環式飽和炭化水素基、該フェニル基及び該フェニルアルキル基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基で置換されてもよい。]
Figure 2012077071
[式(II)中、W1は、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メタンスルホニルオキシ基又はp−トルエンスルホニルオキシ基を表す。
1及びX2は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。
nは、1〜4の整数を表す。
1は、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数3〜10の脂環式飽和炭化水素基を表す。
環Y1は、炭素数3〜20の飽和環を表す。]
〔2〕 X1及びX2が、水素原子である〔1〕記載の化合物。
〔3〕 分子量が700〜10000である〔1〕又は〔2〕記載の化合物。
〔4〕 〔1〕〜〔3〕のいずれか記載の化合物と、酸発生剤とを含むレジスト組成物。
〔5〕 〔1〕〜〔3〕のいずれか記載の化合物を少なくとも2種以上含む請求項4記載のレジスト組成物。
〔6〕 さらに式(I)で表される化合物を含む〔4〕又は〔5〕記載のレジスト組成物。
Figure 2012077071
[式(I)中、A、A、A及びAは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜10の脂環式飽和炭化水素基、炭素数4〜20の脂環式飽和炭化水素基を有するアルキル基、ヒドロキシ基、フェニル基又は炭素数7〜12のフェニルアルキル基を表し、該アルキル基、該脂環式飽和炭化水素基、該フェニル基及び該フェニルアルキル基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基で置換されてもよい。]
〔7〕 さらに、酸に不安定な基を有し、かつアルカリ水溶液に不溶又は難溶であり、酸の作用によりアルカリ水溶液で溶解し得る樹脂を含む〔4〕〜〔6〕のいずれか記載のレジスト組成物。
〔8〕 〔1〕〜〔3〕のいずれか記載の化合物の製造方法であって、
式(I)で表される化合物と式(II)で表される化合物とを反応させる工程を含む化合物の製造方法。
〔9〕 式(I)で表される化合物と式(II)で表される化合物とを、塩基の存在下で反応させる〔8〕記載の化合物の製造方法。
本発明は、さらに以下の発明を含む。
〔10〕 式(I’)で表される化合物と式(II’)で表される化合物とを反応させて得られる化合物。
Figure 2012077071
[式(I’)中、Ax1、Ax2、Ax3及びAx4は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数4〜20のシクロアルキルアルキル基、ヒドロキシ基、フェニル基又は炭素数7〜12のフェニルアルキル基を表し、該アルキル基、該シクロアルキル基、該シクロアルキルアルキル基、該フェニル基及び該フェニルアルキル基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基で置換されてもよい。]
Figure 2012077071
[式(II’)中、Wx1は、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メタンスルホニルオキシ基又はp−トルエンスルホニルオキシ基を表す。
x1及びXx2は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。
nxは、1〜4の整数を表す。
x1は、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数3〜10のシクロアルキル基を表す。
環Yx1は、炭素数3〜20の飽和環を表す。]
〔11〕 さらに式(I’)で表される化合物を含む〔4〕又は〔5〕記載のレジスト組成物。
Figure 2012077071
[式(I’)中、Ax1、Ax2、Ax3及びAx4は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素数4〜20のシクロアルキルアルキル基、ヒドロキシ基、フェニル基又は炭素数7〜12のフェニルアルキル基を表し、該アルキル基、該シクロアルキル基、該シクロアルキルアルキル基、該フェニル基及び該フェニルアルキル基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基で置換されてもよい。]
本発明の化合物によれば、該化合物を含むレジスト組成物から、優れたラインエッジラフネスを有するレジストパターンを得ることができる。
本発明の化合物は、式(I)で表される化合物と式(II)で表される化合物とを反応させて得られる化合物である。
〈式(I)で表される化合物〉
Figure 2012077071
[式(I)中、A、A、A及びAは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜10の脂環式飽和炭化水素基、炭素数4〜20の脂環式飽和炭化水素基を有するアルキル基、ヒドロキシ基、フェニル基又は炭素数7〜12のフェニルアルキル基を表し、該アルキル基、該脂環式飽和炭化水素基、該フェニル基及び該フェニルアルキル基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基で置換されてもよい。]
〜Aにおける炭素数1〜6のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル基、1−メチルブチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、3−エチルブチル基、1,1−ジメチルブチル基、1−メチル−2−エチルプロピル基等が挙げられ、好ましくは水素原子、メチル基、エチル基、イソプロピル基及びブチル基が挙げられる。
〜Aにおける炭素数3〜10の脂環式飽和炭化水素基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、などが挙げられる。
〜Aにおける炭素数4〜20の脂環式飽和炭化水素基を有するアルキル基としては、シクロプロピルメチル基、シクロプロピルエチル基、シクロブチルメチル基、シクロブチルプロピル基、シクロペンチルメチル基、シクロペンチルエチル基、シクロペンチルブチル基、シクロヘキシルメチル基、シクロヘキシルエチル基、シクロヘキシルブチル基、シクロヘキシルペンチル基、シクロヘキシルヘキシル基、シクロヘプチルオクチル基、シクロオクチルデシル基、シクロノニルドデシル基、シクロデシルヘプチル基、などが挙げられる。
〜Aにおける炭素数7〜12のフェニルアルキル基としては、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、フェニルブチル基、フェニルペンチル基、フェニルヘキシル基等が挙げられる。
〜Aにおけるヒドロキシ基で置換されている炭素数1〜6のアルキル基としては、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基、ヒドロキシペンチル基、ヒドロキシヘキシル基、3−ヒドロキシブチル基、等が挙げられる。
〜Aにおけるヒドロキシ基で置換されている炭素数3〜10の脂環式飽和炭化水素基としては、ヒドロキシシクロプロピル基、ヒドロキシシクロブチル基、ヒドロキシクロペンチル基、ヒドロキシシクロヘキシル基、3,4−ジヒドロキシシクロヘキシル基、ヒドロキシシクロヘプチル基、ヒドロキシノルボルニル基、4−ヒドロキシシクロオクチル基、2−ヒドロキシシクロノニル基、5−ヒドロキシシクロデシル基等が挙げられる。
〜Aにおけるヒドロキシ基で置換されている炭素数4〜20の脂環式飽和炭化水素基を有するアルキル基としては、ヒドロキシシクロプロピルメチル基、ヒドロキシシクロプロピルエチル基、ヒドロキシシクロブチルメチル基、ヒドロキシシクロブチルプロピル基、ヒドロキシシクロペンチルメチル基、ヒドロキシシクロペンチルエチル基、ヒドロキシシクロペンチルブチル基、ヒドロキシシクロヘキシルメチル基、ヒドロキシシクロヘキシルエチル基、ヒドロキシシクロヘキシルブチル基、3,4,5−トリヒドロキシシクロヘキシルブチル基、ヒドロキシシクロヘキシルペンチル基、ヒドロキシシクロヘキシルヘキシル基、ヒドロキシシクロヘプチルオクチル基、ヒドロキシシクロオクチルデシル基、ヒドロキシシクロノニルドデシル基、ヒドロキシシクロデシルヘプチル基、3−ヒドロキシ−6−(シクロヘキシル)ヘキシル基、4−ヒドロキシ−13−(ノルボルニル)トリデシル基等が挙げられる。
〜Aにおけるヒドロキシ基で置換されているフェニル基としては、2−ヒドロキシフェニル基、3−ヒドロキシフェニル基、4−ヒドロキシフェニル基、2,4−ジヒドロキシフェニル基、2,3,4−トリヒドロキシフェニル基、3,4,5−トリヒドロキシフェニル基等が挙げられる。
〜Aにおけるヒドロキシ基で置換されている炭素数7〜12のフェニルアルキル基としては、2−ヒドロキシベンジル基、3−ヒドロキシベンジル基、4−ヒドロキシベンジル基、2,4−ジヒドロキシベンジル基、2,3,4−トリヒドロキシベンジル基、2−(2−ヒドロキシフェニル)エチル基、2−(4−ヒドロキシフェニル)エチル基、3−(3,4−ジヒドロキシフェニル)プロピル基、4−(3−ヒドロキシフェニル)ブチル基、3−(3,5−ジヒドロキシフェニル)ペンチル基、5−(2−ヒドロキシフェニル)ヘキシル基、6−(2,3,4,5−テトラヒドロキシフェニル)ヘキシル基等が挙げられる。
式(I)で表される化合物の合成方法については、「Tetrahedron Letters Vol.34, No.18, p.2887〜2890, 1993年」に記載されている。
式(I)で表される化合物としては、例えば下記の化合物が挙げられる。
Figure 2012077071
Figure 2012077071
Figure 2012077071
Figure 2012077071
Figure 2012077071
Figure 2012077071
〈式(II)で表される化合物〉
Figure 2012077071
[式(II)中、W1は、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メタンスルホニルオキシ基又はp−トルエンスルホニルオキシ基を表す。
1及びX2は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。
nは、1〜4の整数を表す。
1は、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数3〜10の脂環式飽和炭化水素基を表す。
環Y1は、炭素数3〜20の飽和環を表す。]
及びXにおける炭素数1〜6のアルキル基としては、上記と同じものが挙げられる。X及びXは、好ましくは水素原子又はメチル基である。
nは、好ましくは、1又は2である。
における炭素数1〜6のアルキル基としては、上記と同じものが挙げられ、好ましくはメチル基、エチル基又はイソプロピル基が挙げられる。
における炭素数3〜10の脂環式飽和炭化水素基としては、上記と同じものが挙げられ、好ましくは、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基が挙げられる。
における炭素数3〜20の飽和環としては、飽和炭化水素環が好ましく、例えば、シクロプロパン環、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロオクタン環、シクロノナン環、シクロデカン環、シクロウンデカン環、シクロドデカン環、シクロトリデカン環、シクロテトラデカン環、シクロペンタデカン環、シクロヘキサデカン環、シクロヘプタデカン環、シクロオクタデカン環、シクロノナデカン環、シクロエイコサン環、ノルボルナン環、アダマンタン環、ジアマンタン環、ジメタノデカリン環、テトラデカヒドロトリメタノアントラセン環等が例示され、好ましくはシクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、ノルボルナン環、アダマンタン環、ジアマンタン環、ジメタノデカリン環が挙げられ、より好ましくはアダマンタン環が挙げられる。
式(II)で表される化合物としては、例えば下記の化合物が挙げられる。
Figure 2012077071
Figure 2012077071
Figure 2012077071
Figure 2012077071
Figure 2012077071
Figure 2012077071
Figure 2012077071
Figure 2012077071
Figure 2012077071
Figure 2012077071
Figure 2012077071
Figure 2012077071
式(II)で表される化合物は、例えば特開2004−26798号公報又は特許第3008594号公報に記載された方法で製造することができる。
〈式(I)で表される化合物と式(II)で表される化合物との反応〉
式(I)で表される化合物と式(II)で表される化合物との反応は、例えば、トルエン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどの不活性溶媒中で行われ、反応温度は、−30〜200℃、好ましくは、0〜150℃である。反応は塩基の存在下で行うことが好ましく、塩基としては、例えば、トリエチルアミン、ピリジン、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウム tert−ブトキシド等の有機塩基、水素化ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナトリウムのような無機塩基、又はこれらの混合物が用いられる。
式(II)で表される化合物の使用量は、式(I)で表される化合物が有するヒドロキシ基1個に対して0.1〜2モル当量が好ましく、より好ましくは0.2〜1モル当量であり、塩基の使用量は、式(II)で表される化合物1モルに対して、1〜6倍モル量が好ましく、より好ましくは1〜3倍モル量である。
反応には、ヨウ化カリウムなどの触媒、又は、テトラブチルアンモニウムブロミドのような相間移動触媒を添加することも可能である。
式(I)で表される化合物と式(II)で表される化合物とを反応させて得られる化合物は、通常の後処理によって取り出すことができる。式(I)で表される化合物と式(II)で表される化合物とを反応させて得られる化合物は、式(I)で表される化合物と式(II)で表される化合物とを反応させて得られる化合物は、置換基の位置、又は、数が異なる複数の化合物の混合物として得られるが、クロマトグラフィー、再結晶又は蒸留によって精製することができる。
式(I)で表される化合物と式(II)で表される化合物とを反応させて得られる化合物の分子量は、通常、700〜10000であり、好ましくは700〜6000である。分子量は、質量分析などの公知の手段で測定することができる。
本発明の化合物は、酸に不安定な基を有し、かつアルカリ水溶液に不溶又は難溶であり、酸の作用によりアルカリ水溶液で溶解し得る化合物であり、本発明の化合物と、酸発生剤とを含むレジスト組成物は、電子線又はEUV照射によりレジストパターンを形成するための化学増幅型レジスト組成物として好適である。
レジスト組成物中における式(I)で表される化合物と式(II)で表される化合物とを反応させて得られる化合物の含有量は、レジスト組成物の固形分量を基準に、5〜99.8質量%程度であることが好ましい。レジスト組成物の固形分量とは、後述する溶剤(E)を除いたレジスト組成物成分の合計を意味する。組成物中の固形分及びこれに対す化合物の含有量は、例えば、液体クロマトグラフィー又はガスクロマトグラフィーなどの公知の分析手段で測定することができる。
〈酸発生剤(以下「酸発生剤(B)」という場合がある)〉
本発明のレジスト組成物に用いられる酸発生剤は、光や放射線を照射することにより分解して、酸を発生するものが好ましい。
酸発生剤(B)は、非イオン系とイオン系とに分類される。非イオン系酸発生剤には、有機ハロゲン化物、スルホネートエステル類(例えば2−ニトロベンジルエステル、芳香族スルホネート、オキシムスルホネート、N−スルホニルオキシイミド、N−スルホニルオキシイミド、スルホニルオキシケトン、ジアゾナフトキノン 4−スルホネート)、スルホン類(例えばジスルホン、ケトスルホン、スルホニルジアゾメタン)等が含まれる。イオン系酸発生剤は、オニウムカチオンを含むオニウム塩(例えばジアゾニウム塩、ホスホニウム塩、スルホニウム塩、ヨードニウム塩)が代表的である。オニウム塩のアニオンとしては、スルホン酸アニオン、スルホニルイミドアニオン、スルホニルメチドアニオン等がある。
酸発生剤(B)としては、例えば特開昭63−26653号、特開昭55−164824号、特開昭62−69263号、特開昭63−146038号、特開昭63−163452号、特開昭62−153853号、特開昭63−146029号や、米国特許第3,779,778号、米国特許第3,849,137号、独国特許第3914407号、欧州特許第126,712号等に記載の放射線によって酸を発生する化合物を使用できる。
酸発生剤(B)は、好ましくはフッ素含有酸発生剤であり、より好ましくは式(B1)で表されるスルホン酸塩である。
Figure 2012077071
[式(B1)中、
1及びQ2は、それぞれ独立に、フッ素原子又は炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基を表す。
b1は、単結合又は炭素数1〜17の2価の飽和炭化水素基を表し、前記2価の飽和炭化水素基に含まれる−CH−は、−O−又は−CO−で置き換わっていてもよい。
Yは、置換基を有していてもよい炭素数1〜18のアルキル基又は置換基を有していてもよい炭素数3〜18の脂環式飽和炭化水素基を表し、前記アルキル基及び前記脂環式飽和炭化水素基に含まれる−CH−は、−O−、−SO−又は−CO−で置き換わっていてもよい。
+は、有機カチオンを表す。]
ペルフルオロアルキル基としては、例えば、ペルフルオロメチル基、ペルフルオロエチル基、ペルフルオロプロピル基、ペルフルオロイソプロピル基、ペルフルオロブチル基、ペルフルオロsec−ブチル基、ペルフルオロtert−ブチル基、ペルフルオロペンチル基、ペルフルオロヘキシル基などが挙げられる。
式(B1)では、Q1及びQ2は、それぞれ独立に、好ましくはペルフルオロメチル基又はフッ素原子であり、より好ましくはフッ素原子である。
2価の飽和炭化水素基としては、直鎖状アルカンジイル基、分岐状アルカンジイル基、単環式又は多環式の脂環式飽和炭化水素基が挙げられ、これらの基のうち2種以上を組み合わせたものでもよい。
具体的には、メチレン基、エチレン基、プロパン−1,3−ジイル基、プロパン−1,2−ジイル基、ブタン−1,4−ジイル基、ペンタン−1,5−ジイル基、ヘキサン−1,6−ジイル基、ヘプタン−1,7−ジイル基、オクタン−1,8−ジイル基、ノナン−1,9−ジイル基、デカン−1,10−ジイル基、ウンデカン−1,11−ジイル基、ドデカン−1,12−ジイル基、トリデカン−1,13−ジイル基、テトラデカン−1,14−ジイル基、ペンタデカン−1,15−ジイル基、ヘキサデカン−1,16−ジイル基、ヘプタデカン−1,17−ジイル基、エタン−1,1−ジイル基、プロパン−1,1−ジイル基、プロパン−2,2−ジイル基等の直鎖状アルカンジイル基;
直鎖状アルカンジイル基に、アルキル基(特に、炭素数1〜4のアルキル基、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等)の側鎖を有したもの、例えば、ブタン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,3−ジイル基、2−メチルプロパン−1,2−ジイル基、ペンタン−1,4−ジイル基、2−メチルブタン−1,4−ジイル基等の分岐状アルカンジイル基;
シクロブタン−1,3−ジイル基、1,3−シクロペンタン−1,3−ジイル基、シクロヘキサン−1,4−ジイル基シレン基、シクロオクタン−1,5−ジイル基等のシクロアルカンジイル基である単環式の飽和環状炭化水素基;
ノルボルナン−1,4−ジイル基、ノルボルナン−2,5−ジイル基、1,5−アダマンタン−1,5−ジイル基、アダマンタン−2,6−ジイル基等の多環式の脂環式飽和炭化水素基等が挙げられる。
b1の飽和炭化水素基に含まれる−CH−が−O−又は−CO−で置き換わった基としては、例えば、式(b1−1)〜式(b1−6)で表される基が挙げられる。Lb1は、好ましくは式(b1−1)〜式(b1−4)のいずれかで表される基、さらに好ましくは式(b1−1)又は式(b1−2)で表される基が挙げられる。なお、式(b1−1)〜式(b1−6)は、その左右を式(B1)に合わせて記載しており、左側でC(Q1)(Q2)−と結合し、右側で−Yと結合する。以下の式(b1−1)〜式(b1−6)の具体例も同様である。
Figure 2012077071
式(b1−1)〜式(b1−6)中、
b2は、単結合又は炭素数1〜15の飽和炭化水素基を表す。
b3は、単結合又は炭素数1〜12の飽和炭化水素基を表す。
b4は、炭素数1〜13の飽和炭化水素基を表す。但しLb3及びLb4の炭素数上限は13である。
b5は、炭素数1〜15の飽和炭化水素基を表す。
b6及びLb7は、それぞれ独立に、炭素数1〜15の飽和炭化水素基を表す。但しLb6及びLb7の炭素数上限は16である。
b8は、炭素数1〜14の飽和炭化水素基を表す。
b9及びLb10は、それぞれ独立に、炭素数1〜11の飽和炭化水素基を表す。但しLb9及びLb10の炭素数上限は12である。
中でも、式(b1−1)で表される2価の基が好ましく、Lb2が単結合又は−CH−である式(b1−1)で表される2価の基がより好ましい。
式(b1−1)で表される2価の基としては、例えば以下のものが挙げられる。
Figure 2012077071
式(b1−2)で表される2価の基としては、例えば以下のものが挙げられる。
Figure 2012077071
式(b1−3)で表される2価の基としては、例えば以下のものが挙げられる。
Figure 2012077071
式(b1−4)で表される2価の基としては、例えば以下のものが挙げられる。
Figure 2012077071
式(b1−5)で表される2価の基としては、例えば以下のものが挙げられる。
Figure 2012077071
式(b1−6)で表される2価の基としては、例えば以下のものが挙げられる。
Figure 2012077071
b1の飽和炭化水素基は、置換基を有していてもよい。置換基としては、例えば、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基、炭素数6〜18の芳香族炭化水素基、炭素数7〜21のアラルキル基、炭素数2〜4のアシル基又はグリシジルオキシ基などが挙げられる。
アラルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、トリチル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基等が挙げられる。
Yのアルキル基としては、炭素数1〜6のアルキル基が好ましい。
アルキル基及び脂環式飽和炭化水素基の置換基としては、例えば、ハロゲン原子(但しフッ素原子を除く)、ヒドロキシ基、オキソ基、炭素数1〜12のアルキル基、ヒドロキシ基含有炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜16の脂環式飽和炭化水素基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数6〜18の芳香族炭化水素基、炭素数7〜21のアラルキル基、炭素数2〜4のアシル基、グリシジルオキシ基又は−(CH2j2−O−CO−Rb1基(式中、Rb1は、炭素数1〜16のアルキル基、炭素数3〜16の脂環式飽和炭化水素基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基を表す。j2は、0〜4の整数を表す。)などが挙げられる。Yの置換基であるアルキル基、脂環式飽和炭化水素基、芳香族炭化水素基及びアラルキル基等は、さらに置換基を有していてもよい。ここでの置換基は、例えば、アルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、オキソ基等が挙げられる。
ヒドロキシ基含有アルキル基としては、例えば、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基などが挙げられる。
Yのアルキル基及び脂環式飽和炭化水素基における−CH−が−O−、−SO−又は−CO−で置き換わった基としては、例えば、環状エーテル基(−CH−が−O−で置き換わった基)、オキソ基を有する飽和環状炭化水素基(−CH−が−CO−で置き換わった基)、スルトン環基(隣り合う2つの−CH−が、それぞれ、−O−又は−SO−で置き換わった基)又はラクトン環基(隣り合う2つの−CH−が、それぞれ、−O−又は−CO−で置き換わった基)等が挙げられる。
特に、Yの脂環式飽和炭化水素基としては、式(Y1)〜式(Y26)で表される基が挙げられる。
Figure 2012077071
なかでも、好ましくは式(Y1)〜式(Y19)のいずれかで表される基であり、より好ましくは式(Y11)、式(Y14)、式(Y15)又は式(Y19)で表される基であり、さらに好ましくは式(Y11)又は式(Y14)で表される基である。
置換基を有する脂環式飽和炭化水素基である場合のYとしては、例えば以下のものが挙げられる。
Figure 2012077071
Figure 2012077071
Figure 2012077071
Figure 2012077071
Yは、好ましくは置換基(例えば、オキソ基、芳香族炭化水素基等)を有していてもよいアダマンチル基であり、より好ましくはアダマンチル基、芳香族炭化水素基で置換されたアダマンチル基又はオキソアダマンチル基である。
式(B1)で表される塩におけるスルホン酸アニオンとしては、例えば、置換基Lb1が式(b1−1)である以下の式(b1−1−1)〜式(b1−1−9)で表されるアニオンが好ましい。以下の式においては、置換基の定義は上記と同じ意味であり、置換基Rb2及びRb3は、それぞれ独立に炭素数1〜4のアルキル基(好ましくは、メチル基)を表す。
Figure 2012077071
スルホン酸アニオンとしては、例えば以下のものが挙げられる。
Figure 2012077071
Figure 2012077071
Figure 2012077071
Figure 2012077071
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Figure 2012077071
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Figure 2012077071
なかでも、以下のスルホン酸アニオンがより好ましい。
Figure 2012077071
酸発生剤(B)に含まれるカチオンは、オニウムカチオン、例えば、スルホニウムカチオン、ヨードニウムカチオン、アンモニウムカチオン、ベンゾチアゾリウムカチオン、ホスホニウムカチオンなどが挙げられる。これらの中でも、スルホニウムカチオン及びヨードニウムカチオンが好ましく、アリールスルホニウムカチオンがより好ましい。
式(B1)中のZ+は、好ましくは式(b2−1)〜式(b2−4)のいずれかで表される。
Figure 2012077071
これらの式(b2−1)〜式(b2−4)において、
b4〜Rb6は、それぞれ独立に、炭素数1〜30のアルキル基、炭素数3〜18の脂環式飽和炭化水素基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基を表し、該アルキル基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルコキシ基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基で置換されていてもよく、該脂環式飽和炭化水素基に含まれる水素原子は、ハロゲン原子、炭素数2〜4のアシル基又はグリシジルオキシ基で置換されていてもよく、該芳香族炭化水素基は、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数3〜18の脂環式飽和炭化水素基又は炭素数1〜12のアルコキシ基で置換されていてもよい。
b7及びRb8は、それぞれ独立に、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表す。
m2及びn2は、それぞれ独立に0〜5の整数を表す。
b9及びRb10は、それぞれ独立に、炭素数1〜18のアルキル基又は炭素数3〜18の脂環式飽和炭化水素基を表す。
b11は、水素原子、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数3〜18の脂環式飽和炭化水素基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基を表す。
b9〜Rb11のアルキル基は、好ましくは炭素数1〜12であり、脂環式飽和炭化水素基は、好ましくは炭素数3〜18、より好ましくは炭素数4〜12である。
b12は、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜18の脂環式飽和炭化水素基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基を表す。前記芳香族炭化水素基は、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数3〜18の脂環式飽和炭化水素基又は炭素数1〜12のアルキルカルボニルオキシ基で置換されていてもよい。
b9とRb10と、及びRb11とRb12とは、それぞれ独立に、互いに結合して3員環〜12員環(好ましくは3員環〜7員環)を形成していてもよく、これらの環の−CH−は、−O−、−S−又は−CO−で置き換わっていてもよい。
b13〜Rb18は、それぞれ独立に、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルキル基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表す。
b11は、−S−又は−O−を表す。
o2、p2、s2、及びt2は、それぞれ独立に、0〜5の整数を表す。
q2及びr2は、それぞれ独立に、0〜4の整数を表す。
u2は0又は1を表す。
o2が2以上のとき、複数のRb13は同一でも異なってもよく、p2が2以上のとき、複数のRb14は同一でも異なってもよく、q2が2以上のとき、複数のRb15は同一でも異なってもよく、r2が2以上のとき、複数のRb16は同一でも異なってもよく、s2が2以上のとき、複数のRb17は同一でも異なってもよく、t2が2以上のとき、複数のRb18は同一でも異なってもよい。
アルキルカルボニルオキシ基としては、メチルカルボニルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、n−プロピルカルボニルオキシ基、イソプロピルカルボニルオキシ基、n−ブチルカルボニルオキシ基、sec−ブチルカルボニルオキシ基、tert−ブチルカルボニルオキシ基、ペンチルカルボニルオキシ基、ヘキシルカルボニルオキシ基、オクチルカルボニルオキシ基及び2−エチルヘキシルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
好ましいアルキル基は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基及び2−エチルヘキシル基である。
好ましい脂環式飽和炭化水素基は、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロデシル基、2−アルキル−2−アダマンチル基、1−(1−アダマンチル)−1−アルキル基、及びイソボルニル基である。
好ましい芳香族炭化水素基は、フェニル基、4−メチルフェニル基、4−エチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、4−シクロへキシルフェニル基、4−メトキシフェニル基、ビフェニリル基、ナフチル基である。
置換基が芳香族炭化水素基であるアルキル基(アラルキル基)としては、ベンジル基などが挙げられる。
b9及びRb10が形成する環としては、例えば、チオラン−1−イウム環(テトラヒドロチオフェニウム環)、チアン−1−イウム環、1,4−オキサチアン−4−イウム環などが挙げられる。
b11及びRb12が形成する環としては、例えば、オキソシクロヘプタン環、オキソシクロヘキサン環、オキソノルボルナン環、オキソアダマンタン環などが挙げられる。
カチオン(b2−1)〜カチオン(b2−4)の中でも、カチオン(b2−1)が好ましく、式(b2−1−1)で表されるカチオンがより好ましく、トリフェニルスルホニウムカチオン(式(b2−1−1)中、v2=w2=x2=0)がさらに好ましい。
Figure 2012077071
式(b2−1−1)中、
b19〜Rb21は、それぞれ独立に、ハロゲン原子(好ましくはフッ素原子)、ヒドロキシ基、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数3〜18の脂環式飽和炭化水素基又は炭素数1〜12のアルコキシ基を表す。
アルキル基は、好ましくは炭素数1〜12であり、脂環式飽和炭化水素基は、好ましくは炭素数4〜18である。
前記アルキル基は、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルコキシ基又は炭素数6〜18の芳香族炭化水素基で置換されていてもよい。
前記脂環式飽和炭化水素基は、ハロゲン原子、炭素数2〜4のアシル基又はグリシジルオキシ基で置換されていてもよい。
v2〜x2は、それぞれ独立に0〜5の整数(好ましくは0又は1)を表す。v2が2以上のとき、複数のRb19は同一でも異なってもよく、w2が2以上のとき、複数のRb20は同一でも異なってもよく、x2が2以上のとき、複数のRb21は同一でも異なってもよい。
なかでも、Rb19〜Rb21は、それぞれ独立に、好ましくは、ハロゲン原子(好ましくはフッ素原子)、ヒドロキシ基、炭素数1〜12のアルキル基、又は炭素数1〜12のアルコキシ基である。
カチオン(b2−1−1)の具体例としては、以下のものが挙げられる。
Figure 2012077071
Figure 2012077071
カチオン(b2−2)の具体例としては、以下のものが挙げられる。
Figure 2012077071
カチオン(b2−3)の具体例としては、以下のものが挙げられる。
Figure 2012077071
Figure 2012077071
カチオン(b2−4)の具体例としては、以下のものが挙げられる。
Figure 2012077071
Figure 2012077071
Figure 2012077071
Figure 2012077071
酸発生剤(B1)は、上述のスルホン酸アニオン及び有機カチオンの組合せである。上述のアニオンとカチオンとは任意に組み合わせることができるが、アニオン(b1−1−1)〜アニオン(b1−1−9)のいずれかとカチオン(b2−1−1)との組合せ、並びにアニオン(b1−1−3)〜(b1−1−5)のいずれかとカチオン(b2−3)との組合せが好ましい。
好ましい酸発生剤(B1)は、式(B1−1)〜式(B1−18)で表されるものである。中でもトリフェニルスルホニウムカチオンを含む酸発生剤である式(B1−1)、式(B1−2)、式(B1−6)、式(B1−11)、式(B1−12)、式(B1−13)、式(B1−14)、式(B1−17)又は式(B1−18)で表される化合物、がより好ましい。
Figure 2012077071
Figure 2012077071
Figure 2012077071
Figure 2012077071
Figure 2012077071
酸発生剤(B)の含有量は、レジスト組成物の固形分量の100質量部に対して、好ましくは1質量部以上(より好ましくは3質量部以上、さらに好ましくは10質量部以上、特に好ましくは20質量部以上)、好ましくは50質量部以下(より好ましくは40質量部以下)である。
〈塩基性化合物(以下「塩基性化合物(C)」という場合がある)〉
本発明のレジスト組成物は、塩基性化合物(C)を含有していてもよい。
塩基性化合物(C)の含有量は、レジスト組成物の固形分量を基準に、0.01〜1質量%程度であることが好ましい。
塩基性化合物(C)は、好ましくは塩基性の含窒素有機化合物(例えば、アミン、アンモニウムヒドロキシド)である。アミンは、脂肪族アミンでも、芳香族アミンでもよい。脂肪族アミンは、第一級アミン、第二級アミン及び第三級アミンのいずれも使用できる。芳香族アミンは、アニリンのような芳香族環にアミノ基が結合したものや、ピリジンのような複素芳香族アミンのいずれでもよい。好ましい塩基性化合物(C)として、式(C2)で表される芳香族アミン、特に式(C2−1)で表されるアニリンが挙げられる。
Figure 2012077071
ここで、Arc1は、芳香族炭化水素基を表す。
c5及びRc6は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、脂環式飽和炭化水素基(好ましくはシクロアルキル基)又は芳香族炭化水素基を表す。但し前記アルキル基、前記脂環式飽和炭化水素基又は前記芳香族炭化水素基の水素原子は、ヒドロキシ基、アミノ基、又は炭素数1〜6のアルコキシ基で置換されていてもよく、前記アミノ基は、炭素数1〜4のアルキル基で置換されていてもよい。
前記アルキル基は、好ましくは炭素数1〜6程度であり、前記脂環式飽和炭化水素基は、好ましくは炭素数5〜10程度であり、前記芳香族炭化水素基は、好ましくは炭素数6〜10程度である。
c7は、アルキル基、アルコキシ基、脂環式飽和炭化水素基(好ましくはシクロアルキル基)又は芳香族炭化水素基を表す。但しアルキル基、アルコキシ基、脂環式飽和炭化水素基及び芳香族炭化水素基の水素原子は、上記と同様の置換基を有していてもよい。
m3は0〜3の整数を表す。m3が2以上のとき、複数のRc7は、互いに同一でも異なってもよい。
c7のアルキル基、脂環式飽和炭化水素基及び芳香族炭化水素基の好ましい炭素数は、上記と同じであり、Rc7のアルコキシ基は、好ましくは炭素数1〜6程度である。
芳香族アミン(C2)としては、例えば、1−ナフチルアミン及び2−ナフチルアミンなどが挙げられる。
アニリン(C2−1)としては、例えば、アニリン、ジイソプロピルアニリン、2−,3−又は4−メチルアニリン、4−ニトロアニリン、N−メチルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、ジフェニルアミンなどが挙げられる。
中でもジイソプロピルアニリン(特に2,6−ジイソプロピルアニリン)が好ましい。
塩基性化合物(C)としては、式(C3)〜式(C11)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2012077071
ここで、
c8は、上記Rc7で説明したいずれかの基を表す。
窒素原子と結合するRc9、Rc10、Rc11〜Rc14、Rc16〜Rc19及びRc22は、それぞれ独立に、Rc5及びRc6で説明したいずれかの基を表す。
芳香族炭素と結合するRc20、Rc21、Rc23〜Rc28は、それぞれ独立に、Rc7で説明したいずれかの基を表す。
o3〜u3は、それぞれ独立に0〜3の整数を表す。o3が2以上のとき、複数のRc20は同一でも異なってもよく、p3が2以上のとき、複数のRc21は同一でも異なってもよく、q3が2以上のとき、複数のRc24は同一でも異なってもよく、r3が2以上のとき、複数のRc25は同一でも異なってもよく、s3が2以上のとき、複数のRc26は同一でも異なってもよく、t3が2以上のとき、複数のRc27は同一でも異なってもよく、u3が2以上のとき、複数のRc28は同一でも異なってもよい。
c15は、アルキル基、脂環式飽和炭化水素基又はアルカノイル基を表す。
n3は0〜8の整数を表す。n3が2以上のとき、複数のRc15は、互いに同一でも異なってもよい。
c15のアルキル基は、好ましくは炭素数1〜6程度であり、脂環式飽和炭化水素基は、好ましくは炭素数3〜6程度である。
アルカノイル基としては、アセチル基、2−メチルアセチル基、2,2−ジメチルアセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、ペンタノイル基、2,2−ジメチルプロピオニル基等が挙げられ、好ましくは炭素数2〜6程度である。
c1及びLc2は、それぞれ独立に、アルキレン基、−CO−、−C(=NH)−、−C(=NRc3)−、−S−、−S−S−又はこれらの組合せを表す。前記2価のアルキレン基は、好ましくは炭素数1〜6程度である。
c3は、炭素数1〜4のアルキル基を表す。
化合物(C3)としては、例えば、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ジブチルアミン、ジペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオクチルアミン、ジノニルアミン、ジデシルアミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリヘプチルアミン、トリオクチルアミン、トリノニルアミン、トリデシルアミン、メチルジブチルアミン、メチルジペンチルアミン、メチルジヘキシルアミン、メチルジシクロヘキシルアミン、メチルジヘプチルアミン、メチルジオクチルアミン、メチルジノニルアミン、メチルジデシルアミン、エチルジブチルアミン、エチルジペンチルアミン、エチルジヘキシルアミン、エチルジヘプチルアミン、エチルジオクチルアミン、エチルジノニルアミン、エチルジデシルアミン、ジシクロヘキシルメチルアミン、トリス〔2−(2−メトキシエトキシ)エチル〕アミン、トリイソプロパノールアミンエチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、4,4’−ジアミノ−1,2−ジフェニルエタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエチルジフェニルメタンなどが挙げられる。
化合物(C4)としては、例えば、ピペラジンなどが挙げられる。
化合物(C5)としては、例えば、モルホリンなどが挙げられる。
化合物(C6)としては、例えば、ピペリジン及び特開平11−52575号公報に記載されているピペリジン骨格を有するヒンダードアミン化合物などが挙げられる。
化合物(C7)としては、例えば、2,2’−メチレンビスアニリンなどが挙げられる。
化合物(C8)としては、例えば、イミダゾール、4−メチルイミダゾールなどが挙げられる。
化合物(C9)としては、例えば、ピリジン、4−メチルピリジンなどが挙げられる。
化合物(C10)としては、例えば、1,2−ジ(2−ピリジル)エタン、1,2−ジ(4−ピリジル)エタン、1,2−ジ(2−ピリジル)エテン、1,2−ジ(4−ピリジル)エテン、1,3−ジ(4−ピリジル)プロパン、1,2−ジ(4−ピリジルオキシ)エタン、ジ(2−ピリジル)ケトン、4,4’−ジピリジルスルフィド、4,4’−ジピリジルジスルフィド、2,2’−ジピリジルアミン、2,2’−ジピコリルアミンなどが挙げられる。
化合物(C11)としては、例えば、ビピリジンなどが挙げられる。
アンモニウムヒドロキシドとしては、例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトライソプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラヘキシルアンモニウムヒドロキシド、テトラオクチルアンモニウムヒドロキシド、フェニルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、3−(トリフルオロメチル)フェニルトリメチルアンモニウムヒドロキシド及びコリン等が挙げられる。
〈溶剤(以下「溶剤(E)」という場合がある〉
本発明のレジスト組成物は、溶剤(E)を含有することが好ましい。溶剤(E)を含有する本発明のレジスト組成物は、薄膜レジストを製造するために適している。溶剤(E)の含有量は、レジスト組成物の総量に対して、好ましくは90質量%以上(より好ましくは92質量%以上、さらに好ましくは94質量%以上)、好ましくは99.9質量%以下(より好ましくは99質量%以下)である。溶剤(E)の含有量は、例えば液体クロマトグラフィー又はガスクロマトグラフィーなどの公知の分析手段で測定できる。
溶剤(E)としては、例えば、エチルセロソルブアセテート、メチルセロソルブアセテート及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートのようなグリコールエーテルエステル類;プロピレングリコールモノメチルエーテルのようなグリコールエーテル類;乳酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル及びピルビン酸エチルのようなエステル類;アセトン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン及びシクロヘキサノンのようなケトン類;γ−ブチロラクトンのような環状エステル類;などを挙げることができる。溶剤(E)は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
〈その他の成分(以下「その他の成分(F)」という場合がある)〉
本発明のレジスト組成物は、必要に応じて、その他の成分(F)を含有していてもよい。成分(F)に特に限定はなく、レジスト分野で公知の添加剤、例えば増感剤、溶解抑止剤、界面活性剤、安定剤、染料などを利用できる。
〈レジストパターンの製造方法〉
本発明のレジストパターンの製造方法は、
(1)上述した本発明のレジスト組成物を基板上に塗布する工程、
(2)塗布後の組成物を乾燥させて組成物層を形成する工程、
(3)組成物層に露光機を用いて露光する工程、
(4)露光後の組成物層を加熱する工程、
(5)加熱後の組成物層を、現像装置を用いて現像する工程を含む。
レジスト組成物の基板上への塗布は、スピンコーターなど、通常、用いられる装置によって行うことができる。
次に、塗布後の組成物を乾燥させて組成物層を形成する。
乾燥は、例えば、ホットプレート等の加熱装置を用いて溶剤を蒸発させて除去すること(いわゆるプリベーク)により行われるか、又は減圧装置を用いて行われる。乾燥温度は、例えば、50〜200℃程度が例示される。また、圧力は、1〜1.0×10Pa程度が例示される。
かくして得られた組成物層は、露光機を用いて露光する。この際、通常、求められるパターンに相当するマスクを介して露光が行われる。露光光源としては、KrFエキシマレーザ(波長248nm)、ArFエキシマレーザ(波長193nm)、F2エキシマレーザ(波長157nm)のような紫外域のレーザ光を放射するもの、固体レーザ光源(YAG又は半導体レーザ等)からのレーザ光を波長変換して遠紫外域又は真空紫外域の高調波レーザ光を放射するもの、波長13nm付近の極端紫外光(EUV)を放射するもの、又はX線や電子線(EB)等の光源等、種々のものを用いることができる。本明細書において、これらの放射線を照射することも総称して「露光」という場合がある。
露光後の組成物層は、脱保護基反応を促進するための加熱処理(いわゆるポストエキスポジャーベーク)が行われる。加熱温度としては、通常50〜200℃程度、好ましくは70〜150℃程度である。
加熱後の組成物層を、現像装置を用いて、通常、アルカリ現像液を利用して現像する。
ここで用いられるアルカリ現像液は、この分野で用いられる各種のアルカリ性水溶液であればよい。例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドや(2−ヒドロキシエチル)トリメチルアンモニウムヒドロキシド(通称コリン)の水溶液等が挙げられる。
現像後、超純水でリンスし、基板及びレジストパターン上に残った水を除去することが好ましい。
〈用途〉
本発明のレジスト組成物は、KrFエキシマレーザ露光用のレジスト組成物、ArFエキシマレーザ露光用のレジスト組成物、EB照射用のレジスト組成物又はEUV照射用のレジスト組成物として好適であり、特にEB照射用のレジスト組成物又はEUV照射用のレジスト組成物として好適である。
次に実施例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。例中、含有量ないし使用量を表す%及び部は、特記ないかぎり重量基準である。
化合物の構造はNMR(JNM−ECA−500;日本電子製)及びLC−MSで確認した。
LC−MSの測定条件は以下の通りである。
LC条件:Agilent 1100
カラム TSKgel SuperHZ
溶出液:テトラヒドロフラン;0.25ml/min
MS条件:HP LC/MSD 6130
イオン化:ESI+
ポストカラム:0.5mM NaCl(水:アセトニトリル=1:1)
25μl/min
又は、
0.5mM KCl(水:アセトニトリル=1:1)
25μl/min
式(I−1)で表される化合物は、Tetrahedron Letters Vol.34, No.18, p2887-2890 (1993)に記載された方法により、また式(II−1)で表される化合物及び式(II−2)で表される化合物は、特開2004−26798号公報に記載された方法により合成した。また、式(II−4)で表される化合物は、特許第3008594号公報に記載された方法により合成した。
実施例1 式(I−1)で表される化合物と式(II−1)で表される化合物とを反応させて得られる化合物の合成
Figure 2012077071
[式(III−1)中、mは1〜4の整数を表す。]
Figure 2012077071
式(I−1)で表される化合物(式(I−1−1)で表される化合物、式(I−1−2)で表される化合物、式(I−1−3)で表される化合物及び式(I−1−4)で表される化合物の混合物)5.0部(8.1ミリモル)を無水ジメチルスルホキシド40部に溶解した溶液に、式(II−1)で表される化合物3.9部(16.1ミリモル)、炭酸カリウム3.3部(23.9ミリモル)及びヨウ化カリウム0.3部(1.8ミリモル)を加えて、75℃で6時間過熱攪拌した。反応溶液を冷却後、2%シュウ酸水150部でpH3に調整して、有機層を酢酸エチルで抽出した。抽出した有機層を純水で洗浄して、硫酸マグネシウムで乾燥した後、濃縮した。混合物として式(I−1)で表される化合物と式(II−1)で表される化合物とを反応させて得られる化合物である、式(III−1)で表される化合物を3.9部得た。
LC−MS分析を行った結果、以下のような異性体比であった。
1置換体とは、式(I−1)で表される化合物の−OH基のうち1個が、式(II−1)で表される化合物と反応した化合物をいう。
2置換体とは、式(I−1)で表される化合物の−OH基のうち2個が、式(II−1)で表される化合物と反応した化合物をいう。
3置換体とは、式(I−1)で表される化合物の−OH基のうち3個が、式(II−1)で表される化合物と反応した化合物をいう。
4置換体とは、式(I−1)で表される化合物の−OH基のうち4個が、式(II−1)で表される化合物と反応した化合物をいう。
1置換体(m=1) [M+Na]+=853.2 (M+=830.36)
2置換体(m=2) [M+Na]+=1059.3 (M+=1036.49)
3置換体(m=3) [M+Na]+=1265.4 (M+=1242.62)
4置換体(m=4) [M+Na]+=1471.5 (M+=1448.75)
1置換体:2置換体:3置換体:4置換体=12:29:30:29(モル比)
実施例2 式(III−2)で表される化合物の合成
Figure 2012077071
式(I−1)で表される化合物(式(I−1−1)で表される化合物、式(I−1−2)で表される化合物、式(I−1−3)で表される化合物及び式(I−1−4)で表される化合物の混合物)5.0部(8.1ミリモル)を無水N,N−ジメチルホルムアミド40部に溶解した溶液に、式(II−2)で表される化合物4.1部(16.0ミリモル)、炭酸カリウム3.3部(23.9ミリモル)及びヨウ化カリウム0.3部(1.8ミリモル)を加えて、75℃で6時間過熱攪拌した。反応溶液を冷却後、2%シュウ酸水150部でpH3に調整して、有機層を酢酸エチルで抽出した。抽出した有機層を純水で洗浄して、硫酸マグネシウムで乾燥した後、濃縮した。混合物として式(III−2)で表される化合物を3.2部得た。
LC−MS分析を行った結果、以下のような異性体比であった。
1置換体とは、式(I−1)で表される化合物の−OH基のうち1個が、式(II−2)で表される化合物と反応した化合物をいう。
2置換体とは、式(I−1)で表される化合物の−OH基のうち2個が、式(II−2)で表される化合物と反応した化合物をいう。
3置換体とは、式(I−1)で表される化合物の−OH基のうち3個が、式(II−2)で表される化合物と反応した化合物をいう。
4置換体とは、式(I−1)で表される化合物の−OH基のうち4個が、式(II−2)で表される化合物と反応した化合物をいう。
1置換体(m=1) [M+K]+=883.3 (M+=844.38)
2置換体(m=2) [M+K]+=1103.4 (M+=1064.52)
3置換体(m=3) [M+K]+=1323.5 (M+=1284.67)
4置換体(m=4) [M+K]+=1543.6 (M+=1504.82)
1置換体:2置換体:3置換体:4置換体=11:30:36:23(モル比)
合成例1 式(II−3)で表される化合物の合成
Figure 2012077071
式(IV−1)で表される化合物40.0部(0.21モル)をトルエン200部に溶解した。このトルエン溶液に、式(V−1)で表される化合物116部(0.82モル)、炭酸カリウム171部(1.23モル)及びN−メチルピロリジン8.8部(0.1モル)を仕込み、内温112℃で8時間加熱還流した。反応溶液を冷却して、塩をろ過して除いた。ろ液に5%シュウ酸200部を加えて、酢酸エチルで抽出した。有機層を純水で洗浄して、硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下に濃縮して、粗生成物140部を得た。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(展開液;ヘキサン/酢酸エチル)で精製して、化合物(II−3)を43.7部(収率71.0%)得た。
1H−NMR(測定溶媒 CDCl;内部標準物質テトラメチルシラン):δ(ppm)3.61(t,J=6.1Hz,2H);2.60(2H);2.50(t,J=7.7Hz,2H);2.42(m,J=6.9Hz,1H) ;2.08(m,2H) ;1.90〜1.62(12H);0.97(d,J=6.9Hz,6H)
13C−NMR(測定溶媒 CDCl;内部標準物質テトラメチルシラン):δ(ppm)16.97;26.58;26.91;27.90;31.25;32.25;32.78;33.96;34.42;38.22;44.27;92.16;171.84
実施例3 式(III−3)で表される化合物の合成
Figure 2012077071

式(I−1)で表される化合物(式(I−1−1)で表される化合物、式(I−1−2)で表される化合物、式(I−1−3)で表される化合物及び式(I−1−4)で表される化合物の混合物)2.7部(4.3ミリモル)を無水N,N−ジメチルホルムアミド30部に溶解した溶液に、式(II−3)で表される化合物3.9部(13.0ミリモル)、炭酸カリウム2.7部(19.5ミリモル)及びヨウ化カリウム0.1部(0.6ミリモル)を加えて、120℃で2時間過熱攪拌した。反応溶液を冷却後、2%シュウ酸水150部でpH3に調整して、有機層を酢酸エチルで抽出した。抽出した有機層を純水で洗浄して、硫酸マグネシウムで乾燥した後、濃縮した。混合物として式(III−3)で表される化合物を3.6部得た。
LC−MS分析を行った結果、以下のような異性体比であった。
1置換体とは、式(I−1)で表される化合物の−OH基のうち1個が、式(II−3)で表される化合物と反応した化合物をいう。
2置換体とは、式(I−1)で表される化合物の−OH基のうち2個が、式(II−3)で表される化合物と反応した化合物をいう。
3置換体とは、式(I−1)で表される化合物の−OH基のうち3個が、式(II−3)で表される化合物と反応した化合物をいう。
4置換体とは、式(I−1)で表される化合物の−OH基のうち4個が、式(II−3)で表される化合物と反応した化合物をいう。
1置換体(m=1) [M+K]+=925.4 (M+=886.42)
2置換体(m=2) [M+K]+=1187.6 (M+=1148.62)
3置換体(m=3) [M+K]+=1449.8 (M+=1410.81)
4置換体(m=4) [M+K]+=1712.0 (M+=1673.00)
1置換体:2置換体:3置換体:4置換体=5:21:44:30(モル比)
実施例4 式(III−4)で表される化合物の合成
Figure 2012077071

式(I−1)で表される化合物(式(I−1−1)で表される化合物、式(I−1−2)で表される化合物、式(I−1−3)で表される化合物及び式(I−1−4)で表される化合物の混合物)2.7部(4.3ミリモル)を無水N、N−ジメチルホルムアミド30部に溶解した溶液に、式(II−3)で表される化合物2.6部(8.7ミリモル)、炭酸カリウム1.8部(13.0ミリモル)及びヨウ化カリウム0.1部(0.6ミリモル)を加えて、120℃で3時間過熱攪拌した。反応溶液を冷却後、2%シュウ酸水150部でpH3に調整して、有機層を酢酸エチルで抽出した。抽出した有機層を純水で洗浄して、硫酸マグネシウムで乾燥した後、濃縮した。混合物として式(III−4)で表される化合物を3.4部得た。
LC−MS分析を行った結果、以下のような異性体比であった。
1置換体とは、式(I−1)で表される化合物の−OH基のうち1個が、式(II−3)で表される化合物と反応した化合物をいう。
2置換体とは、式(I−1)で表される化合物の−OH基のうち2個が、式(II−3)で表される化合物と反応した化合物をいう。
3置換体とは、式(I−1)で表される化合物の−OH基のうち3個が、式(II−3)で表される化合物と反応した化合物をいう。
4置換体とは、式(I−1)で表される化合物の−OH基のうち4個が、式(II−3)で表される化合物と反応した化合物をいう。
1置換体(m=1) [M+K]+=925.4 (M+=886.42)
2置換体(m=2) [M+K]+=1187.6 (M+=1148.62)
3置換体(m=3) [M+K]+=1449.8 (M+=1410.81)
4置換体(m=4) [M+K]+=1712.0 (M+=1673.00)
1置換体:2置換体:3置換体:4置換体=10:36:32:22(モル比)
実施例5 式(III−5)で表される化合物の合成
Figure 2012077071

式(I−1)で表される化合物(式(I−1−1)で表される化合物、式(I−1−2)で表される化合物、式(I−1−3)で表される化合物及び式(I−1−4)で表される化合物の混合物)2.7部(4.3ミリモル)を無水N、N−ジメチルホルムアミド30部に溶解した溶液に、式(II−3)で表される化合物1.6部(8.7ミリモル)、炭酸カリウム1.8部(13.0ミリモル)及びヨウ化カリウム0.1部(0.6ミリモル)を加えて、80℃で5時間過熱攪拌した。反応溶液を冷却後、2%シュウ酸水150部でpH3に調整して、有機層を酢酸エチルで抽出した。抽出した有機層を純水で洗浄して、硫酸マグネシウムで乾燥した後、濃縮した。混合物として式(III−5)で表される化合物を3.5部得た。
LC−MS分析を行った結果、以下のような異性体比であった。
1置換体とは、式(I−1)で表される化合物の−OH基のうち1個が、式(II−4)で表される化合物と反応した化合物をいう。
2置換体とは、式(I−1)で表される化合物の−OH基のうち2個が、式(II−4)で表される化合物と反応した化合物をいう。
3置換体とは、式(I−1)で表される化合物の−OH基のうち3個が、式(II−4)で表される化合物と反応した化合物をいう。
4置換体とは、式(I−1)で表される化合物の−OH基のうち4個が、式(II−4)で表される化合物と反応した化合物をいう。
1置換体(m=1) [M+K]+=817.3 (M+=778.33)
2置換体(m=2) [M+K]+=971.4 (M+=932.43)
3置換体(m=3) [M+K]+=1125.5 (M+=1086.53)
4置換体(m=4) [M+K]+=1279.6 (M+=1240.63)
1置換体:2置換体:3置換体:4置換体=14:33:29:24(モル比)
比較用樹脂(H1)の合成
p−ヒドロキシスチレンとメタクリル酸2−エチル−2−アダマンチルとの共重合体(1)(モル比=20:80)、及びメタクリル酸2−エチル−2−アダマンチルとp−ヒドロキシスチレンとの共重合体(2)(モル比=30:70)を、特開2003−107708号公報に準じて合成した。
共重合体(1)及び共重合体(2)を重量比50:50で混合して得られる混合物を比較用樹脂(H1)とした。
実施例及び比較例
以下の各成分を表1に記載の部数で混合して溶解し、さらに孔径0.2μmのフッ素ポリマー製フィルターで濾過して、レジスト組成物を調製した。
Figure 2012077071
[表1中、PB/PEB以外の数値の単位は「部」である。]
<樹脂>
H1:比較用樹脂(H1)
<酸発生剤>
B1:トリフェニルスルホニウム {3−(4−メチルフェニル)アダマンタン−1−イル}メトキシカルボニルジフルオロメタンスルホナート
Figure 2012077071
<塩基性化合物:クエンチャー>
C1:トリス[2−(2−メトキシエトキシ)エチル]アミン
<溶剤>
E1:
シクロヘキサノン 700部
E2:
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 450部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 100部
シリコンウェハーを、ダイレクトホットプレート上にて、ヘキサメチルジシラザンを用いて90℃で60秒処理した上で、上記のレジスト組成物を乾燥(プリベーク)後の膜厚が60nmとなるようにスピンコートした。レジスト組成物塗布後、ダイレクトホットプレート上にて、表1の「PB」の欄に示す温度で60秒間プリベークして組成物層を形成した。こうしてレジスト膜(組成物層)を形成したそれぞれのウェハーに、電子線描画機〔(株)日立製作所製の「HL−800D 50KeV〕を用い、露光量を段階的に変化させてラインアンドスペースパターンを露光した。
露光後は、ホットプレート上にて表1の「PEB」の欄に示す温度で60秒間ポストエキスポジャーベークを行い、さらに2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で60秒間のパドル現像を行いレジストパターンを得た。
得られたレジストパターンを走査型電子顕微鏡で観察し、その結果を表3に示した。
実効感度:200nmのラインアンドスペースパターンのライン幅とスペース幅とが1:1となる露光量で表示した。
ラインエッジラフネス(LER):200nmのラインアンドスペースパターンのライン幅とスペース幅とが1:1となる露光量におけるパターンの側壁のがたつきを評価した。
側壁のがたつきの振れ幅が7nm以下であるものを○、側壁のがたつきの振れ幅が7nmを超え10nm以下であるものを△、側壁のがたつきの振れ幅が10nmを超えるものを×で表記する。括弧内に数値を示す。
Figure 2012077071
実施例のレジスト組成物から得られるレジストパターンは、比較例に比べて、ラインエッジラフネスが良好であった。
本発明の化合物によれば、該化合物を含むレジスト組成物から、優れたラインエッジラフネスを有するレジストパターンを得ることができる。

Claims (9)

  1. 式(I)で表される化合物と式(II)で表される化合物とを反応させて得られる化合物。
    Figure 2012077071
    [式(I)中、A、A、A及びAは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜10の脂環式飽和炭化水素基、炭素数4〜20の脂環式飽和炭化水素基を有するアルキル基、ヒドロキシ基、フェニル基又は炭素数7〜12のフェニルアルキル基を表し、該アルキル基、該脂環式飽和炭化水素基、該フェニル基及び該フェニルアルキル基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基で置換されてもよい。]
    Figure 2012077071
    [式(II)中、W1は、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メタンスルホニルオキシ基又はp−トルエンスルホニルオキシ基を表す。
    1及びX2は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表す。
    nは、1〜4の整数を表す。
    1は、炭素数1〜6のアルキル基又は炭素数3〜10の脂環式飽和炭化水素基を表す。
    環Y1は、炭素数3〜20の飽和環を表す。]
  2. 1及びX2が、水素原子である請求項1記載の化合物。
  3. 分子量が700〜10000である請求項1又は2記載の化合物。
  4. 請求項1〜3のいずれか記載の化合物と、酸発生剤とを含むレジスト組成物。
  5. 請求項1〜3のいずれか記載の化合物を少なくとも2種以上含む請求項4記載のレジスト組成物。
  6. さらに式(I)で表される化合物を含む請求項4又は5記載のレジスト組成物。
    Figure 2012077071
    [式(I)中、A、A、A及びAは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数3〜10の脂環式飽和炭化水素基、炭素数4〜20の脂環式飽和炭化水素基を有するアルキル基、ヒドロキシ基、フェニル基又は炭素数7〜12のフェニルアルキル基を表し、該アルキル基、該脂環式飽和炭化水素基、該フェニル基及び該フェニルアルキル基に含まれる水素原子は、ヒドロキシ基で置換されてもよい。]
  7. さらに、酸に不安定な基を有し、かつアルカリ水溶液に不溶又は難溶であり、酸の作用によりアルカリ水溶液で溶解し得る樹脂を含む請求項4〜6のいずれか記載のレジスト組成物。
  8. 請求項1〜3のいずれか記載の化合物の製造方法であって、
    式(I)で表される化合物と式(II)で表される化合物とを反応させる工程を含む化合物の製造方法。
  9. 式(I)で表される化合物と式(II)で表される化合物とを、塩基の存在下で反応させる請求項8記載の化合物の製造方法。
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